JP2014003239A - 電子部品用パッケージ、電子部品、および電子部品用パッケージの製造方法 - Google Patents

電子部品用パッケージ、電子部品、および電子部品用パッケージの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて内部空間の気密封止を確保する。
【解決手段】本体筺体11では、水晶振動片2を搭載するベース3と、封止部材8を介してベース3に接合し水晶振動片2を気密封止する蓋5と、が設けられている。封止部材8では、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物81と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物82と、が均等に分布されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品素子を気密封止する電子部品用パッケージ、電子部品、および電子部品用パッケージの製造方法に関する。
電子部品は、その内部空間に搭載した電子部品素子の特性が劣化するのを防ぐために内部空間を気密封止する。ここでいう電子部品は、例えば、その本体筺体である電子部品用パッケージがベースと金属蓋とから構成されたものであり、その内部空間に半導体素子や圧電素子などの電子部品素子が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電子部品用パッケージでは、ベースと金属蓋との接合に、金錫からなるAu−Sn層を用いている。
特開2009−267866号公報
ところで、現在、Auの価格が上がっており、Au−Sn層によって封止部材を形成した場合、封止部材の材料コストが嵩む。そこで、封止部材の主材料としてAuを用いることを避けたものとして、例えば、NiとSn系ろう材を用いたものが考えられる。しかしながら、この場合、NiとSnとによって金属間化合物を生成して封止部材を形成することはできるが、NiとSnとの金属間化合物の付近にボイドとクラックが発生し易く、その結果、内部空間の気密封止を確保することができない。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて、内部空間の気密封止を確保する電子部品用パッケージ、電子部品、および電子部品用パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子部品用パッケージは、電子部品素子を搭載するベースと、封止部材を介して前記ベースに接合し電子部品素子を気密封止する蓋と、が設けられ、前記封止部材は、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物と、が均等に分布されてなることを特徴とする。
本発明によれば、Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて、内部空間(電子部品素子)の気密封止を確保することが可能となる。具体的には、本発明によれば、前記封止部材では、前記第1金属間化合物と前記第2金属間化合物とが均等に配される(分布される)ので、当該電子部品用パッケージの幅方向や高さ方向など全方向に対して前記第1金属間化合物同士や前記第2金属間化合物同士が結合しており、前記全方向からの応力に対して抗力を高めることが可能となり、実用的な接合強度を得ることが可能となる。また、クラックやボイドが発生するのを抑えることも可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子部品用パッケージは、電子部品素子を搭載するベースと、封止部材を介して前記ベースに接合し電子部品素子を気密封止する蓋と、が設けられ、前記蓋の一主面が、前記ベースとの接合面となり、前記封止部材は、前記一主面に対して角度を有して臨む傾斜面を有することを特徴とする。
本発明によれば、Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて内部空間の気密封止を確保することが可能となる。具体的には、本発明によれば、前記封止部材は、前記傾斜面を有するので、前記一主面に対して平行な面に比べてクラックが発生するのを抑制することが可能となる。特に、当該電子部品用パッケージの幅方向に外力が加わりクラックが発生するのを抑制するのに好ましい。
前記構成において、前記封止部材では、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物と、が均等に分布されてなってもよい。
この場合、前記封止部材では、前記第1金属間化合物と前記第2金属間化合物とが均等に配されるので、当該電子部品用パッケージの幅方向や高さ方向など全方向に対して前記第1金属間化合物同士や前記第2金属間化合物同士が結合しており、前記全方向からの応力に対して抗力を高めることが可能となり、実用的な接合強度を得ることが可能となる。また、クラックやボイドが発生するのを抑えることも可能となる。
前記構成において、前記封止部材および前記封止部材と前記蓋との界面にはNi層が存在しなくてもよい。
この場合、前記封止部材、および前記封止部材と前記蓋との界面にはNi層が存在しないので、Niの存在によって生じるクラックやボイドを無くすことが可能となる。
前記構成において、前記封止部材には、純Sn相が存在しなくてもよい。
この場合、前記封止部材には、純Sn相が存在しないので、純Sn相が在ることによるボイドの発生を抑制することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子部品は、本発明にかかる電子部品用パッケージに、電子部品素子が気密封止されたことを特徴とする。
本発明によれば、Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて前記内部空間の気密封止を確保することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子部品用パッケージの製造方法は、電子部品素子を搭載するベースと、Snを含む封止部材を介して前記ベースに接合し電子部品素子を気密封止する蓋と、が設けられた電子部品用パッケージの製造方法において、前記封止部材の一部となる第1接合層を前記ベースに形成し、前記封止部材の一部となる第2接合層を前記蓋に形成し、前記第1接合層と前記第2接合層とを重ね合わる準備工程と、前記準備工程後に、前記第1接合層と前記第2接合層とを加熱して前記Snを拡散させる拡散工程と、前記拡散工程後に、前記第1接合層と前記第2接合層とを加熱溶融させて前記封止部材を生成し、前記ベースと前記蓋とを接合する加熱溶融工程と、を含み、前記加熱溶融工程では、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物とからなる前記封止部材を生成することを特徴とする。
本発明によれば、Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて内部空間の気密封止を確保することが可能となる。具体的には、本発明によれば、前記準備工程と前記拡散工程と前記加熱溶融工程とを含むので、前記封止部材にクラックやボイドが発生するのを抑えることが可能となる。
本発明によれば、Au−Sn層からなる封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材を用いて内部空間の気密封止を確保することが可能となる。
図1は、本実施の形態1にかかる、内部空間を公開した水晶振動子の概略断面図である。 図2は、本実施の形態1にかかる、水晶振動片を搭載した状態のベースの概略平面図である。 図3は、本実施の形態1にかかる、水晶振動片を搭載した状態を示したベースの概略断面図である。 図4は、本実施の形態1にかかる蓋の概略裏面図である。 図5は、本実施の形態1にかかる蓋の概略端面図である。 図6は、図1に示す封止部材の概略拡大図である。 図7は、図6に示す封止部材のSEM画像である。 図8は、本実施の形態2にかかる、内部空間を公開した発振器の概略断面図である。 図9は、本実施の形態2にかかる、水晶振動片およびICチップを搭載した状態のベースの概略平面図である。 図10は、本実施の形態2にかかる、水晶振動片およびICチップを搭載した状態を示したベースの概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
本実施の形態1では、電子部品として圧電振動デバイスである水晶振動子に本発明を適用し、さらに電子部品素子としてATカット水晶振動片に本発明を適用した場合を示す。
本実施の形態1にかかる水晶振動子1には、図1に示すように、圧電素子のATカット水晶振動片2(本発明でいう電子部品素子であり、以下、水晶振動片という)と、水晶振動片2を搭載し保持するベース3と、ベース3の一主面31に保持した水晶振動片2を気密封止するための蓋5と、が設けられている。
この水晶振動子1では、ベース3と蓋5とが封止部材8により加熱溶融接合されて本体筺体11(本発明でいう電子部品用パッケージ)が構成され、この接合により、気密封止された本体筺体11の内部空間12が形成される。
この本体筺体11の内部空間12のベース3の一主面31(ベース3の平面視側の面)に、図1に示すように、導電性接合材71(シリコーン樹脂などの導電性樹脂接着剤、Auバンプ等の金属バンプやメッキバンプ等)により水晶振動片2が接合されるとともに電気的に接続されている(電気機械的に接合されている)。
次に、この水晶振動子1の本体筺体11の各構成について説明する。
ベース3は、セラミック材料を積層して構成される。具体的に、ベース3は、図2,3に示すように、底部32と、ベース3の一主面31の主面外周に沿って底部32から上方に延出した壁部33とから構成される箱状体に成形され、底部32と壁部33とによって囲まれ、ベース3の一主面31に水晶振動片2を搭載するキャビティ34が形成されている。このベース3は、セラミックの一枚板(底部32に対応)上に、セラミックの環状板(壁部33に対応)を積層して凹状(断面視形状)に一体焼成してなる。
このベース3のキャビティ34内において、当該ベース3の長手方向の両端に、水晶振動片2を接合する電極パッド40が形成されている。
ベース3の壁部33の天面は、蓋5との接合面であり、この接合面には、蓋5と接合するための金属層が設けられている。金属層は、複数の層の積層構造からなり、ベース3の壁部33の天面に、WやMoからなるメタライズ層41と、NiからなるNi膜42と、AuからなるAu膜43とが順に積層されてなる。メタライズ層41は、メタライズ材料を印刷した後、セラミック焼成時にベース3に一体的に形成され、Ni膜42とAu膜43はメッキ技術により形成される。なお、ベース3のAu膜43が封止部材8の一部となる(第1接合層44)。
ベース3の筺体裏面(他主面35)の四隅に、図3に示すように、キャスタレーション36がそれぞれ形成されている。これらキャスタレーション36は、円弧状(半円弧の凹形状)の切り欠きであり、ベース3の高さ方向沿って筺体側面37に延びている。
また、ベース3の電極には、図2,3に示すように、水晶振動片2の一対の励振電極23それぞれに電気的に接続する水晶振動片2用の一対の電極パッド40と、外部の回路基板(図示省略)などの外部機器に半田などの導電性接合材(図示省略)を用いて電気的に接続する外部端子45とが形成されている。
水晶振動片2用の一対の電極パッド40は、キャビティ34内のベース3の一主面31に形成されている。また、外部端子45は、キャスタレーション36に形成されている。
上記構成からなるベース3の電極では、電極パッド40および外部端子45が、配線パターン(図示省略)により電気的に接続されている。
ベース3の電極は、W,Mo等のメタライズ材料を印刷した後にベース3と一体的に焼成されてなる。このうち、電極パッド40および外部端子45は、メタライズ上部にNiメッキが形成され、その上部にAuメッキが形成されて構成される。なお、ここでいうメッキ形成の方法として、電解メッキ法や無電解メッキ法が挙げられる。
蓋5は、図1に示すように、一枚板のKovar(Fe−Ni−Co合金)からなるKov母材51(導電性材料)からなり、このKov母材51の他主面52(ベース3との接合時にベース3に対面しない側の主面)にNiからなるNi層53が形成され、Kov母材51の一主面54(ベース3との接合時に、ベース3との接合面となり、ベース3に対面する側の主面)に、CuからなるCu層60が形成され、Cu層60上にAgからなるAgロウ材61(AgとCuとが主体の合金ろう材)が形成され、Agロウ材61上にSnを含むSn系ろう材62が形成されている。Sn系ろう材62は、蓋5の一主面55の外周に沿った環状層となる。蓋5のAgロウ材61およびSn系ろう材62が封止部材8の一部となる(第2接合層63)。また、蓋5の外形寸法は、ベース3の外形寸法よりも小さい。
上記構成からなる水晶振動子1では、キャビティ34内におけるベース3の底部32上に水晶振動片2を配し、導電性接合材71を介して水晶振動片2を電気機械的に電極パッド40に接合する(図2,3参照)。
そして、キャビティ34に水晶振動片2を搭載したベース3を、製造室(図示省略)に運ぶ。ベース3を製造室に運んだ後に製造室内を真空引きし(もしくは不活性ガスを注入し)、製造室の雰囲気を真空状態(もしくは不活性化状態)にする。真空状態(もしくは不活性化状態)になった後に製造室内においてベース3に蓋5を配し、ベース3の第1接合層44(Au膜43)と、蓋5の第2接合層63(Agロウ材61およびSn系ろう材62)とを重ね合わせる(準備工程)。
準備工程後に、第1接合層44と第2接合層63とを雰囲気加熱してSnを拡散させる(拡散工程)。ここでいう雰囲気加熱では、Snの融点よりも低い予め設定した温度まで加熱する。この温度状態とすることで、第2接合層63のSn系ろう材62のSnが拡散する。
拡散工程後に、製造室内の温度をさらに上げて、Sn系ろう材の融点を超える温度まで上昇させる。この温度上昇により第1接合層44と第2接合層63とを加熱して、Sn系ろう材62を溶融させて、第1金属間化合物81(下記参照)と第2金属間化合物82(下記参照)とを生成して封止部材8を形成し、封止部材8によりベース3と蓋5とを接合して(加熱溶融工程)、図1に示すように、水晶振動片2を内部空間12に気密封止した水晶振動子1を製造する。
そして、ここで製造した水晶振動子1を、外部の回路基板に半田などの導電性接合材により実装する。なお、ベース3と蓋5との接合により形成された封止部材8の構造について、図1,6,7を用いて以下に説明する。
封止部材8では、図1,6,7に示すように、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物81と、AgとSnとを主体とする複数の材料(本実施の形態1ではAgリッチ状態)によって構成される第2金属間化合物82と、が均等に分布されて(配されて)なる。また、封止部材8には、純Sn相が存在しない。ここでいう均等に分布とは、封止部材8において、第1金属間化合物81が偏位せず、また第2金属間化合物82が偏位せずに、第1金属間化合物81と第2金属間化合物82とがそれぞれ一定の割合で封止部材8中に満遍無く配されていることをいう。
第1金属間化合物81は、SnとCuとAuとAgとからなり(本実施の形態1では、Sn(50wt%)−Cu(29wt%)−Au(10wt%)−Ag(6wt%))、融点は400℃以上となる。なお、第1金属間化合物81では、Sn、Cu、AuおよびAg以外の材料も含まれているが、その材料の量は僅かであり、記載を省略した。
第2金属間化合物82は、AgとSnとCuとAuとからなり(本実施の形態1では、Ag(54wt%)−Sn(33wt%)−Cu(5wt%)−Au(3wt%))、融点は400℃以上となる。なお、第2金属間化合物82では、Ag、Sn、CuおよびAu以外の材料も含まれているが、その材料の量は僅かであり、記載を省略した。
封止部材8は、蓋5の一主面55に対して角度を有して臨む(対面する)傾斜面83を有する。この傾斜面83では、蓋5の平面視外方側の端が蓋5の一主面55に接するように傾斜している。
また、内部空間12内における封止部材8のキャビティに臨む面84は、ベース3の壁部33の天面に対して角度を有する。
また、本実施の形態1では、蓋5の他主面56にのみNi層53が形成されているので、封止部材8および封止部材8と蓋5との界面(蓋5の一主面55参照)にはNi層が存在しない。
水晶振動片2はATカット水晶片の基板21からなり、水晶振動片2の基板21は、図1,2に示すように、一枚板の直方体形状からなる。また、この基板21の両主面22には一対の励振電極23が対向して形成されている。そして、励振電極23を外部電極(本実施例では、ベース3の電極パッド40)と電気機械的に接合するために励振電極23から引出電極24が引き出し形成されている。そして、励振電極23が、引出電極24から導電性接合材71(図1参照)を介してベース3の電極パッド40と電気機械的に接合されている。なお、励振電極23及び引出電極24は、真空蒸着法やスパッタリング法などにより形成され、例えば、基板21に、少なくとも、クロムなどの下地電極と、金や銀などの電極とを順に積層して形成されている。
上記構成の本実施の形態1にかかる水晶振動子1およびその本体筺体11によれば、Au−Sn層からなる従来の封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材8を用いて内部空間12の気密封止を確保することができる。
具体的には、封止部材8では、第1金属間化合物81と第2金属間化合物82とが均等に配されるので、本体筺体11の幅方向や高さ方向など全方向に対して第1金属間化合物81同士や第2金属間化合物82同士が結合しており、前記全方向からの応力に対して抗力を高めることができ、実用的な接合強度を得ることができる。また、クラックやボイドが発生するのを抑えることもできる。
また、封止部材8は傾斜面83を有するので、傾斜面が蓋5の一主面55に平行な面となる形態に比べてクラックが発生するのを抑制することができる。特に、本体筺体11の幅方向に外力が加わりクラックが発生するのを抑制するのに好ましい。
また、封止部材8、および封止部材8と蓋5との界面にはNi層が存在しないので、Niの存在によって生じるクラックやボイドを無くすことができる。
また、封止部材8には、純Sn相が存在しないので、純Sn相が在ることによるボイドの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態1にかかる水晶振動子1によれば、封止部材8用いて本体筺体11に水晶振動片2が気密封止されるので、Au−Sn層からなる従来の封止部材に対して材料コストを抑えることができ、さらに内部空間12の気密封止を確保することができる。
また、本実施の形態1によれば、前記準備工程と前記拡散工程と前記加熱溶融工程とを含むので、封止部材8にクラックやボイドが発生するのを抑えることができ、その結果、Au−Sn層からなる従来の封止部材に対して材料コストを抑えた封止部材8を用いて内部空間12(水晶振動片2)の気密封止を確保することができる。
なお、本実施の形態1では、圧電振動デバイスとして水晶振動子を適用しているが、材料は水晶に限定されるものではなく、圧電材料であればよい。
また、本実施の形態1では、電子部品素子としてATカット水晶振動片を用いているが、音叉型水晶振動片などの他の形態の振動片であってもよい。
また、本実施の形態1では、圧電振動デバイスとして水晶振動子を適用しているが、水晶振動子に限定されるものではなく、さらに集積回路素子を搭載した発振器であってもよい。この発振器の形態を以下に実施の形態2として示す。
<実施の形態2>
以下に示す実施の形態2では、電子部品として圧電振動デバイスである発振器に本発明を適用し、さらに電子部品素子として、実施の形態1の水晶振動片2と、ICチップとに本発明を適用した場合を示す。
なお、本実施の形態2にかかる発振器13は、水晶振動片およびICチップを電子部品素子として用いているために、上記の実施の形態1に対してベースの形状が異なるが、ベース以外の他の形態は実施の形態1と同様である。そのため、実施の形態1と同一構成による作用効果及び変形例は同じである。そこで、本実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。
本実施の形態2にかかる発振器13には、図8に示すように、水晶振動片2と、水晶振動片2とともに発振回路を構成する1チップ集積回路素子(集積回路素子)であるICチップ9(本発明でいう電子部品素子)と、これら水晶振動片2およびICチップ9を搭載し保持するベース3と、ベース3の一主面31に保持した水晶振動片2およびICチップ9を気密封止するための蓋5と、が設けられている。
この発振器13では、ベース3と蓋5とが封止部材8により加熱溶融接合されて本体筺体11が構成され、この接合により、気密封止された本体筺体11の内部空間12が形成される。
この本体筺体11の内部空間12のベース3の一主面31に、図10に示すように、導電性接合材71により水晶振動片2が接合されるとともに電気的に接続されている(電気機械的に接合されている)。また、図8に示すように、内部空間12のベース3の一主面31上に、ICチップ9が導電性接合材72(Auバンプ等の金属バンプ、メッキバンプ等)により接合されるとともに電気的に接続されている(電気機械的に接合されている)。
次に、この発振器13のベース3について説明する。
ベース3は、セラミック材料を積層して構成される。具体的には、ベース3は、図9,10に示すように、底部32と、ベース3の一主面31の主面外周に沿って底部32から上方に延出した壁部33とから構成される箱状体に成形され、底部32と壁部33とによって囲まれ、ベース3の一主面31にICチップ9や水晶振動片2を搭載するキャビティ34が形成されている。底部32には、段部322が含まれ、底部32は、底面部321と段部322との2段の積層体からなる。このベース3は、セラミックの一枚板(底面部321に対応)上に、複数のセラミックの環状板(段部322と壁部33に対応)と、ベース3の電極の導電材料とを積層して凹状(断面視形状)に一体焼成してなる。
このベース3のキャビティ34内において、底面部321上にICチップ9が6点の導電性接合材72により底面部321の配線パターン(図示省略)に電気機械的に接合され、段部322上に水晶振動片2が片保持して電気機械的に接合される。なお、ベース3の長手方向の両端に段部322が設けられ、一方の段部322には水晶振動片2を接合する電極パッド40が形成され、他方の段部322は水晶振動片2が傾いて保持されるのを防ぐための枕部として機能する。
このように、本実施の形態2では、水晶振動片2とICチップ9とが積層した状態でキャビティ34内に配されている。
ベース3の壁部33の天面は、蓋5との接合面であり、この接合面には、蓋5と接合するための金属層が設けられている。金属層は、複数の層の積層構造からなり、ベース3の壁部33の天面に、WやMoからなるメタライズ層41と、NiからなるNi膜42と、AuからなるAu膜43とが順に積層されてなる。メタライズ層41は、メタライズ材料を印刷した後、セラミック焼成時にベース3に一体的に形成され、Ni膜42とAu膜43はメッキ技術により形成される。なお、ベース3のAu膜43が封止部材8の一部となる(第1接合層44)。
ベース3の筺体裏面(他主面35)には、その四隅および長辺の中間点に、図9に示すように、キャスタレーション36がそれぞれ形成されている。これらキャスタレーション36は、円弧状(半円弧の凹形状)の切り欠きであり、ベース3の高さ方向沿って筺体側面37に延びている。
また、ベース3の電極には、図1〜3に示すように、水晶振動片2の励振電極23それぞれに電気的に接続する水晶振動片2用の一対の電極パッド40と、ICチップ9の端子(図示省略)に電気的に接続するICチップ9用の電極パッド(図示省略)と、外部の回路基板(図示省略)などの外部機器に半田などの導電性接合材(図示省略)を用いて電気的に接続する外部端子45と、水晶振動片2の特性を測定・検査する検査端子(図示省略)とが形成されている。
水晶振動片2用の一対の電極パッド40は、ベース3の一主面31であって、キャビティ34内の段部322上に形成されている。ICチップ9用の電極パッドは、ベース3の一主面31であって、キャビティ34内の底面部321上に、マトリックス状に形成され、本実施の形態1では、2×3行列(m×n行列)に形成されている。また、外部端子45は、他主面35の壁部対応領域(他主面35の外周)の各キャスタレーション36に形成されている。また、検査端子は、本体筺体11の側面(キャスタレーション36の側面)の一部に形成されている。
上記構成からなるベース3の電極では、電極パッド40、外部端子45、検査端子が、配線パターンにより電気的に接続されている。
ベース3の電極は、W,Mo等のメタライズ材料を印刷した後にベース3と一体的に焼成されてなる。このうち、電極パッド40と、外部端子45と、検査端子とは、メタライズ上部にNiメッキが形成され、その上部にAuメッキが形成されて構成される。なお、ここでいうメッキ形成の工法として、電解メッキ法や無電解メッキ法が挙げられる。
上記構成からなるベース3と、蓋5(図4,5参照)とを本体筺体11とする発振器13では、キャビティ34内におけるベース3の底面部321上にICチップ9を配し、ICチップ9を導電性接合材72を介してFCB法によりICチップ9用の電極パッドに電気機械的に超音波接合する。その後、ベース3のキャビティ34の段部322上に水晶振動片2を配し、水晶振動片2を導電性接合材71を介して電気機械的に電極パッド40に接合する(図10参照)。
そして、キャビティ34にICチップ9と水晶振動片2とを搭載したベース3を、製造室(図示省略)に運ぶ。ベース3を製造室に運んだ後に製造室内を真空引きし(もしくは不活性ガスを注入し)、製造室の雰囲気を真空状態(もしくは不活性化状態)にする。真空状態(もしくは不活性化状態)になった後に製造室内においてベース3に蓋5を配し、ベース3の第1接合層44(Au膜43)と、蓋5の第2接合層63(Agロウ材61およびSn系ろう材62)とを重ね合わせる(準備工程)。
準備工程後に、第1接合層44と第2接合層63とを雰囲気加熱してSnを拡散させる(拡散工程)。ここでいう雰囲気加熱では、Snの融点よりも低い予め設定した温度まで加熱する。この温度状態とすることで、第2接合層63のSn系ろう材62のSnが拡散する。
拡散工程後に、製造室内の温度をさらに上げて、Snの融点を超える温度まで上昇させる。この温度上昇により第1接合層44と第2接合層63とを加熱して、Sn系ろう材62とを溶融させて、第1金属間化合物81と第2金属間化合物82とを生成して封止部材8を形成し、封止部材8によりベース3と蓋5とを接合して(加熱溶融工程)、図8に示すように、ICチップ9と水晶振動片2とを内部空間12に気密封止した発振器13を製造する。なお、ここで形成した封止部材8は、上記の実施の形態1と同様の構成となる。
そして、ここで製造した発振器13を、外部の回路基板に半田などの導電性接合材により実装する。
本実施の形態2にかかる発振器13、本体筺体11及び発振器13の製造方法によれば、上記の実施の形態1にかかる水晶振動子10、本体筺体11及び水晶振動子10の製造方法と同様の作用効果を有する。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、電子部品素子を搭載する電子部品用パッケージに適用できる。
10 水晶振動子
11 本体筺体
12 内部空間
13 発振器
2 水晶振動片
21 基板
22 基板の両主面
23 励振電極
24 引出電極
3 ベース
31 ベースの一主面
32 底部
321 底面部
322 段部
33 壁部
331 キャビティ
34 ベースの他主面
35 キャスタレーション
36 筺体側面
40 電極パッド
41 メタライズ層
42 Ni膜
43 Au膜
44 第1接合層
45 外部端子
5 蓋
51 Kov母材
52 Kov母材の他主面
53 Ni層
54 Kov母材の一主面
55 蓋の一主面
56 蓋の他主面
60 Cu層
61 Agロウ材
62 Sn系ろう材
63 第2接合層
71,72 導電性接合材
8 封止部材
81 第1金属間化合物
82 第2金属間化合物
83 傾斜面
84 キャビティに臨む面
9 ICチップ

Claims (7)

  1. 電子部品用パッケージにおいて、
    電子部品素子を搭載するベースと、封止部材を介して前記ベースに接合し電子部品素子を気密封止する蓋と、が設けられ、
    前記封止部材では、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物と、が均等に分布されてなることを特徴とする電子部品用パッケージ。
  2. 電子部品用パッケージにおいて、
    電子部品素子を搭載するベースと、封止部材を介して前記ベースに接合し電子部品素子を気密封止する蓋と、が設けられ、
    前記蓋の一主面が、前記ベースとの接合面となり、
    前記封止部材は、前記一主面に対して角度を有して臨む傾斜面を有することを特徴とする電子部品用パッケージ。
  3. 請求項2に記載の電子部品用パッケージにおいて、
    前記封止部材では、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物と、が均等に分布されてなることを特徴とする電子部品用パッケージ。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の電子部品用パッケージにおいて、
    前記封止部材、および前記封止部材と前記蓋との界面にはNi層が存在しないことを特徴とする電子部品用パッケージ。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の電子部品用パッケージにおいて、
    前記封止部材には、純Sn相が存在しないことを特徴とする電子部品用パッケージ。
  6. 電子部品において、
    請求項1乃至5のうちいずれか1つに記載の電子部品用パッケージに、電子部品素子が気密封止されたことを特徴とする電子部品。
  7. 電子部品素子を搭載するベースと、Snを含む封止部材を介して前記ベースに接合し電子部品素子を気密封止する蓋と、が設けられた電子部品用パッケージの製造方法において、
    前記封止部材の一部となる第1接合層を前記ベースに形成し、前記封止部材の一部となる第2接合層を前記蓋に形成し、前記第1接合層と前記第2接合層とを重ね合わる準備工程と、
    前記準備工程後に、前記第1接合層と前記第2接合層とを加熱して前記Snを拡散させる拡散工程と、
    前記拡散工程後に、前記第1接合層と前記第2接合層とを加熱溶融させて前記封止部材を生成し、前記ベースと前記蓋とを接合する加熱溶融工程と、を含み、
    前記加熱溶融工程では、SnとCuとを主体とする複数の材料によって構成される第1金属間化合物と、AgとSnとを主体とする複数の材料によって構成される第2金属間化合物とからなる前記封止部材を生成することを特徴とする電子部品用パッケージの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2021106655A1 (ja) * 2019-11-26 2021-06-03
WO2022239153A1 (ja) * 2021-05-12 2022-11-17 三菱電機株式会社 気密パッケージ素子および素子モジュール

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