JP2013543376A - Dna内のrna相互作用領域の検出 - Google Patents

Dna内のrna相互作用領域の検出 Download PDF

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Abstract

本開示は、ゲノムDNA内のRNA相互作用領域を検出するための方法およびキットを提供する。本方法は、RNA分解剤およびDNA分解剤を核へ導入する工程、ならびに、次いで、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解される、ゲノムDNA内の1個または複数個の領域を検出する工程を含む。本方法は、1個または複数個のDNA領域とRNAの相互作用が特定の疾患または状態と相関しているかまたは相関している可能性がある、診断、予後判定、またはその他の個別化医療のために有用である。

Description

関連特許出願の相互参照
本願は、全ての目的のため参照により組み入れられる、2010年9月10日に出願された米国仮特許出願第61/381,835号に基づく優先権の恩典を主張する。
発明の背景
ゲノムDNAとRNAの相互作用は、DNAの転写に影響を及ぼし、それを調節することができる。マイクロRNA(miRNA)のような非コードRNAは、DNA修飾の媒介、およびクロマチン構造の変化、例えば、活性状態から不活性状態へのクロマチンの変化により、転写を調節することが示されているが、多くの場合、RNAがDNA転写を調節する機序は未知である。
本発明は、ゲノムDNA内のRNA相互作用領域を検出する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、
RNA分解剤およびDNA分解剤を核へ導入する工程であって、それによりゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域が、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解される、工程;ならびに
該DNA分解剤によって分解される、ゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域を検出する工程であって、DNA領域の非存在またはDNA領域のコピー量の低下が、該DNA領域が該DNA分解剤によって分解されることを示し;それにより、RNA相互作用領域を検出する、工程
を含む。
いくつかの態様において、DNA分解剤は一本鎖DNA分解剤である。いくつかの態様において、DNA分解剤は二本鎖DNA分解剤である。いくつかの態様において、DNA分解剤はRNA:DNA二重鎖を分解する剤である。
いくつかの態様において、核は細胞内にあり、RNA分解剤およびDNA分解剤は細胞へ導入される。いくつかの態様において、方法は、導入工程の前または途中に細胞の細胞膜を透過処理するかまたは破壊し、それにより、RNA分解剤および/またはDNA分解剤の細胞への導入を増強する工程を含む。
いくつかの態様において、核は、単離された核であり、導入工程は、RNA分解剤およびDNA分解剤を、単離された核へ導入することを含む。いくつかの態様において、RNA分解剤は、DNA分解剤が核へ導入される前に、核へ導入される。いくつかの態様において、RNA分解剤およびDNA分解剤は同時に核へ導入される。
いくつかの態様において、RNA分解剤および/またはDNA分解剤はタンパク質である。いくつかの態様において、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は細胞内で異種発現カセットによってコードされており、導入工程は細胞内で剤を発現させることを含む。
いくつかの態様において、RNA分解剤はRNアーゼである。いくつかの態様において、RNアーゼはRNアーゼHである。
いくつかの態様において、DNA分解剤はDNアーゼである。いくつかの態様において、DNアーゼはS1ヌクレアーゼである。
いくつかの態様において、検出工程は、ヌクレオチド配列決定、または分解されていないゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域への核酸のハイブリダイゼーションを含む。いくつかの態様において、前記検出工程が、前記少なくとも1個のDNA領域のDNA増幅を含み、増幅に不応性である領域は、前記DNA分解剤により分解される可能性がある。いくつかの態様において、DNA増幅はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。
いくつかの態様において、ゲノムDNAはDNA分解剤により断片化されており、方法は、インタクトなDNAもしくは断片化されたDNAのいずれかについてDNAを濃縮し、かつ/または該DNAをサイズ選択する工程であって、インタクトなまたは比較的大きなDNA断片が該DNA内のRNA相互作用領域の相対的な非存在を示し、断片化されたまたは比較的小さなDNA断片が該DNA内のRNA相互作用領域の存在を示す工程をさらに含む。
本発明は、
RNA分解剤;
DNA分解剤;および
細胞膜を透過処理するかまたは破壊する剤
を含むキットも提供する。
いくつかの態様において、RNA分解剤および/またはDNA分解剤はタンパク質である。いくつかの態様において、RNA分解剤はRNアーゼである。いくつかの態様において、RNアーゼはRNアーゼHである。いくつかの態様において、DNA分解剤はDNアーゼである。いくつかの態様において、DNアーゼはS1ヌクレアーゼである。
いくつかの態様において、キットは、リゾ脂質細胞膜透過処理剤を含む。いくつかの態様において、キットは、DNAを単離するための材料をさらに含む。
定義
本明細書において使用される「RNA相互作用領域」とは、RNAが直接的に(例えば、正準ワトソンクリック塩基対合によってゲノムDNA配列とハイブリダイズすることにより、もしくは三重ヘリックス様構造でゲノムDNAの主溝もしくは副溝と会合することにより)、または間接的に(例えば、タンパク質のようなメディエーターを通して)相互作用する、ゲノムDNAの配列をさす。いくつかの態様において、RNA相互作用領域は、RNA:DNA二重鎖が形成された領域である。本明細書において使用される「RNA」とは、コードRNA(mRNA)および非コードRNAの両方をさす。非コードRNAの非限定的な例には、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、および長鎖非コードRNAが含まれる。
本明細書において使用される「RNA分解剤」とは、検出可能な様式でRNAを消化するかまたは分解する分子をさす。いくつかの態様において、RNA分解剤は、RNA-DNA相互作用の部位において、RNAを消化するかまたは分解する。例示的なRNA分解剤には、酵素、タンパク質、化学物質、および薬学的化合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される「DNA分解剤」とは、検出可能な様式でDNAを消化するかまたは分解する分子をさす。いくつかの態様において、DNA分解剤は、RNA-DNA相互作用の部位のRNAを消化したかまたは分解したRNA分解剤の存在のため、該RNA-DNA相互作用の部位のDNAを消化するかまたは分解する。例示的なDNA分解剤には、酵素、タンパク質、化学物質、および薬学的化合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される「DNA領域」とは、ゲノムDNA内の関心対象の標的配列をさす。DNA領域は、関心対象でありかつRNAと相互作用する、任意の長さを有し得る。いくつかの態様において、DNA領域は、一塩基対を含んでいてもよいが、ゲノムDNA内の配列の短いセグメント(例えば、2〜100、2〜500、50〜500bp)またはより大きなセグメント(例えば、100〜10,000、100〜1000、もしくは1000〜5000bp)であってもよい。DNA領域内のDNAの量は、時に、PCR反応において増幅される配列の量によって決定される。例えば、標準的なPCR反応は、一般に、約35〜5000塩基対を増幅することができる。
DNA領域のコピー数を、関心対象の試料について測定し定量化することができる。DNA領域のコピー数は、実際のコピー数として定量化されてもよいし、または対照に対して相対的に定量化されてもよい。試料中のDNA領域のコピー数が、比較的「増加している」、「低下している」、または「存在しない」と判定するためには、試料中のDNA領域のコピー数を、当技術分野において公知の任意の方法(例えば、定量的PCR)によって定量化し、対照試料中に存在するDNA領域のコピー数と比較する。DNA領域のコピー数が、対照におけるDNA領域のコピー数より、少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上大きい時、DNA領域のコピーの量は、試料において「増加している」。DNA領域のコピー数が、対照におけるDNA領域のコピー数と比べて、少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、それ以上減少している時、DNA領域のコピーの量は、試料において「低下している」。試料中のDNAのコピー数が検出可能レベル未満である時、DNA領域は「存在しない」。
本明細書において使用される、細胞膜を「透過処理する」とは、RNA分解剤またはDNA分解剤の細胞への進入を可能にするため、細胞膜の完全性を低下させることをさす。透過処理された細胞膜を有する細胞は、一般に、細胞の構造が実質的にインタクトなままであるよう、細胞膜を保持していると考えられる。対照的に、本明細書において使用される、細胞膜を「破壊する」とは、細胞の構造がインタクトであり続けないように細胞膜の完全性を低下させることをさす。例えば、細胞膜を非イオン性界面活性剤と接触させることにより、細胞膜が除去され、かつ/または溶解され、それにより、少なくともある程度の染色体構造を保持しているゲノムDNAへのRNA分解剤またはDNA分解剤のアクセスが可能となる。
「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」または「核酸」という用語は、リボース核酸(RNA)ポリマーもしくはデオキシリボース核酸(DNA)ポリマーまたはそれらのアナログに相当し得る、モノマーのポリマーを交換可能にさす。これには、RNAおよびDNAのようなヌクレオチドのポリマーが含まれ、それらの修飾型、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA(商標))等も含まれる。ある種の用途において、核酸は、複数のモノマー型、例えば、RNAサブユニットおよびDNAサブユニットの両方を含んでいる、ポリマーであってもよい。
核酸は、典型的には、一本鎖または二本鎖であり、一般に、ホスホジエステル結合を含有しているが、いくつかの場合において、本明細書において概説されるように、例えば、非限定的に、ホスホラミド(Beaucage et al.(1993)Tetrahedron 49(10):1925、およびその中の参照;Letsinger(1970)J.Org.Chem.35:3800;Sprinzl et al.(1977)Eur.J.Biochem.81:579;Letsinger et al.(1986)Nucl.Acids Res.14:3487;Sawai et al.(1984)Chem.Lett.805;Letsinger et al.(1988)J.Am.Chem.Soc.110:4470;およびPauwels et al.(1986)Chemica Scripta 26:1419)、ホスホロチオエート(Mag et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:1437、および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu et al.(1989)J.Am.Chem.Soc.111:2321)、O-メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,Oxford University Press(1992))、ならびにペプチド核酸の骨格および結合(Egholm(1992)J.Am.Chem.Soc.114:1895;Meier et al.(1992)Chem.Int.Ed.Engl.31:1008;Nielsen(1993)Nature 365:566;およびCarlsson et al.(1996)Nature 380:207)(これらの参照は各々参照により組み入れられる)を含む、別の骨格を有していてもよい核酸アナログが含まれる。その他のアナログ核酸には、正の電荷を有する骨格(Denpcy et al.(1995)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6097);非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号、第5,637,684号、第5,602,240号、第5,216,141号、および第4,469,863号;Angew(1991)Chem.Intl.Ed.English 30:423;Letsinger et al.(1988)J.Am.Chem.Soc.110:4470;Letsinger et al.(1994)Nucleoside & Nucleotide 13:1597;Chapters 2 and 3,ASC Symposium Series 580,"Carbohydrate Modifications in Antisense Research",Ed.Y.S.Sanghvi and P.Dan Cook;Mesmaeker et al.(1994)Bioorganic & Medicinal Chem.Lett.4:395;Jeffs et al.(1994)J.Biomolecular NMR 34:17;Tetrahedron Lett.37:743(1996))、ならびに米国特許第5,235,033号および第5,034,506号およびChapters 6 and 7,ASC Symposium Series 580,Carbohydrate Modifications in Antisense Research,Ed.Y.S.Sanghvi and P.Dan Cook(これらの参照は各々参照により組み入れられる)に記載されたものを含む非リボース骨格を有するものが含まれる。1個または複数個の炭素環式糖を含有している核酸も、核酸の定義に含まれる(参照により組み入れられる、Jenkins et al.(1995)Chem.Soc.Rev.pp169-176)。いくつかの核酸アナログが、例えば、参照により組み入れられる、Rawls,C & E News Jun.2,1997 page 35にも記載されている。リボースリン酸骨格のこれらの修飾は、標識部分のような付加的な部分の付加を容易にするため、または生理学的環境におけるそのような分子の安定性および半減期を改変するため、なされ得る。
核酸に典型的に見出される天然に存在する複素環式塩基(例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、およびウラシル)に加えて、核酸アナログには、天然には存在しない複素環式塩基またはその他の修飾型塩基を有するものも含まれ、それらの多くが、本明細書において記載されるかまたは他の方法で言及される。特に、多くの天然には存在しない塩基が、例えば、各々参照により組み入れられる、Seela et al.(1991)Helv.Chim.Acta 74:1790、Grein et al.(1994)Bioorg.Med.Chem.Lett.4:971-976、およびSeela et al.(1999)Helv.Chim.Acta 82:1640にさらに記載されている。さらに例示すると、融解温度(Tm)調節剤として作用するヌクレオチドにおいて使用されるある種の塩基が、任意で含まれる。例えば、これらのいくつかには、7-デアザプリン(例えば、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン等)、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、プロピニル-dN(例えば、プロピニル-dU、プロピニル-dC等)等が含まれる。例えば、参照により組み入れられる、1999年11月23日にSeelaに発行された「SYNTHESIS OF 7-DEAZA-2'-DEOXYGUANOSINE NUCLEOTIDES」という名称の米国特許第5,990,303号を参照のこと。その他の代表的な複素環式塩基には、例えば、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン、およびキサンチンの8-アザ誘導体;アデニン、グアニン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン、およびキサンチンの7-デアザ-8-アザ誘導体;6-アザシトシン;5-フルオロシトシン;5-クロロシトシン;5-ヨードシトシン;5-ブロモシトシン;5-メチルシトシン;5-プロピニルシトシン;5-ブロモビニルウラシル;5-フルオロウラシル;5-クロロウラシル;5-ヨードウラシル;5-ブロモウラシル;5-トリフルオロメチルウラシル;5-メトキシメチルウラシル;5-エチニルウラシル;5-プロピニルウラシル等が含まれる。
RNA-クロマチン相互作用の原理。染色体DNA(白色)とRNA(黒色)の相互作用は、DNAを圧縮し、それをアクセス不能にすることができる。RNA:DNA相互作用は、直接的(即ち、塩基対合;DNAの主溝もしくは副溝における相互作用)であってもよく、または間接的(即ち、タンパク質中間体を通したもの)であってもよい。RNアーゼによるクロマチンの処理は、RNAを分解し、RNA:DNA相互作用の染色体領域をよりアクセス可能にすることができる。
発明の詳細な説明
I. 序論
RNAと相互作用するゲノムDNA領域を検出する方法が提供される。方法は、RNA分解剤およびDNA分解剤を核へ導入する工程、ならびに、次いで、DNA分解剤により分解される、ゲノムDNA内の1個または複数個の領域を検出する工程を含み、ゲノムDNAの1個または複数個の領域は、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解される。DNA領域の非存在もしくはDNA領域のコピー数の低下によりまたはPCRによって増幅され得ないことにより検出され得るゲノムDNA分解の領域は、RNAと相互作用するゲノムDNA領域に相当する可能性が高い。
本発明の方法は、例えば、1個または複数個のDNA領域とRNAの相互作用が特定の疾患または状態と相関しているかまたは相関している可能性がある、診断、予後判定、またはその他の個別化医療用途のために有用である。
II. 一般的な方法
本発明の方法は、RNA分解剤およびDNA分解剤を核へ導入する工程であって、それにより核内のゲノムDNAの少なくとも1個のDNA領域が、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解される、工程、ならびに、次いで、DNA分解剤により分解されるゲノムDNAの少なくとも1個のDNA領域を検出する工程を含む。
いくつかの態様において、RNA分解剤および/またはDNA分解剤が導入される核は、細胞内にあり、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は、細胞へ導入される。あるいは、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は細胞の核へ直接導入される。あるいは、核は、単離された核であり、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は、単離された核へ導入される。
本発明の方法は、細胞の細胞膜を透過処理するかまたは破壊し、それにより、RNA分解剤および/またはDNA分解剤の細胞への導入を増強する工程を含み得る。細胞膜の透過処理もしくは破壊は、RNA分解剤および/もしくはDNA分解剤が細胞へ導入される前に行われてもよいし、または細胞膜の透過処理もしくは破壊は、RNA分解剤および/もしくはDNA分解剤の導入と同時に行われてもよい。
多様な真核細胞が、本発明において使用され得る。いくつかの態様において、細胞は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物の細胞を含むが、これらに限定されない、動物細胞である。非ヒト哺乳動物細胞には、霊長類細胞、マウス細胞、ラット細胞、ブタ細胞、およびウシ細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、細胞は、植物または真菌(酵母を含むが、これらに限定されない)の細胞である。細胞は、例えば、初代培養細胞、不死化培養細胞であってもよいし、または生検材料もしくは組織試料に由来してもよく、任意で、アッセイ前に培養され***するよう刺激されてもよい。培養細胞は、透過処理および/またはDNA修飾の工程の前および/または途中で、浮遊していてもよいし、または付着していてもよい。細胞は、動物の組織、生検材料等に由来し得る。例えば、細胞は腫瘍生検材料に由来し得る。
本発明の方法は、DNA分解剤によって分解される、ゲノムDNA内の1個または複数個のDNA領域を検出する工程であって、DNA領域の非存在またはDNA領域のコピー量の低下が、該DNA領域が該DNA分解剤によって分解されることを示す、工程を提供する。DNA領域の非存在またはDNA領域のDNAコピーの低下を検出するためには、多様な方法が公知であり、使用され得、DNA配列決定、標的領域を分析するためのPCR増幅、ゲノムDNAライブラリースクリーニング、およびDNA断片のサイズ選択を含むが、これらに限定されない。
本発明の方法は、ゲノムDNAの1個または複数個のDNA領域の分解を、それらの1個または複数個のDNA領域とRNAの相互作用と相関させる工程を含み得る。いくつかの態様において、DNA領域とRNAの相互作用は、RNAと相互作用しないゲノムDNA領域と比べて大きい、DNA領域の分解量と相関する。いくつかの態様において、DNA領域とRNAの相互作用は、RNA分解剤およびDNA分解剤による分解の後のDNA領域の非存在と相関する。
III. RNA分解剤およびDNA分解剤
本発明の方法によると、RNA分解剤およびDNA分解剤が、核、または核を有する細胞へ導入され、核内のゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域が、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解される。RNA-DNA相互作用の部位、例えば、RNA:DNA二重鎖において、RNA分解剤の存在は、RNA(例えば、RNA:DNA二重鎖内のRNA鎖)の分解をもたらし、DNA分解剤の存在は、DNA(例えば、RNA:DNA二重鎖内のDNA鎖、またはDNAと相互作用していたRNAの消化後の一本鎖DNA)の分解をもたらすと考えられる。塩基対合によらないRNA:DNA相互作用の部位、またはRNAがタンパク質中間体を通してクロマチンと会合しているが、DNAと物理的には接触していない部位においては、RNAの分解は、局所的なクロマチン構造を改変し、クロマチンのDNA成分へのDNA分解剤のアクセス可能性を変化させ得る。
いくつかの態様において、RNA分解剤およびDNA分解剤は、核または核を有する細胞へ同時に導入される。いくつかの態様において、RNA分解剤は、DNA分解剤が核または核を有する細胞へ導入される前に、核または核を有する細胞へ導入される。
いくつかの態様において、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は、受動輸送、例えば、拡散または促進拡散により、核または核を有する細胞へ導入される。あるいは、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は、天然または人工の担体、トランスポーター、または溶媒の使用を通して、核または核を有する細胞へ導入されてもよい。担体、トランスポーター、または溶媒は、RNA分解剤および/またはDNA分解剤の核または細胞への細胞膜を通した輸送を容易にすることができる、任意のポリヌクレオチド、ポリペプチド、低分子、有機化合物、または無機化合物であり得る。いくつかの態様において、RNA分解剤および/またはDNA分解剤は、細胞へ導入される異種発現カセット(即ち、細胞へ導入された時に、RNAまたはポリペプチドの転写および/または翻訳をそれぞれもたらす、その細胞にとって内在性でない核酸構築物)によりコードされる。
いくつかの態様において、RNA分解剤およびDNA分解剤が導入される細胞の細胞膜は、RNA分解剤および/またはDNA分解剤の細胞への導入を増強するため、透過処理されるかまたは破壊される。RNA分解剤および/またはDNA分解剤は、透過処理と同時に(例えば、電気穿孔もしくは透過処理剤とのインキュベーションの間に)細胞へ導入されてもよいし、または透過処理の後に(例えば、透過処理剤の除去の後に、任意で、緩衝液の交換により)細胞へ導入されてもよい。あるいは、いくつかの態様において、1個または複数個の介在する工程を含まずに(例えば、緩衝液の交換、細胞の洗浄等を含まずに)、RNA分解剤および/またはDNA分解剤をゲノムDNAと接触させることもできる。この後者のアプローチは、必要な労力および時間の量を低下させるために便利であり得、かつアッセイにおけるエラーおよび混入の潜在的原因も除去する。
使用されるRNA分解剤および/またはDNA分解剤の量、ならびにRNA分解剤および/またはDNA分解剤との反応の時間の長さは、使用される剤に依ると考えられる。当業者は、使用される剤に依って条件を調整する方法を理解しているであろう。一般に、RNA分解および/またはDNA分解の工程の条件は、検出可能な分解が達成されるよう調整される。本明細書において使用される「検出可能な」分解とは、関心対象の標的DNA領域についてRNA-DNA相互作用部位の全てのうち少なくとも5%、典型的には、少なくとも10%の切断を可能にするために十分な時間、適切な条件の下で、RNAおよび/またはDNAを分解剤と接触させることをさす。検出可能な分解のために必要な時間、緩衝液、およびその他の試薬を含む条件は、典型的には、分解剤の製造業者により提供される。当業者は、試料の品質が核酸分解を阻害し得ることを認識しているであろう。
A. RNA分解剤
本発明のRNA分解剤は、RNA:DNA二重鎖内のRNA、または直接的もしくは間接的なRNA-DNA相互作用の部位のRNA、例えば、クロマチン内のRNA-DNA相互作用の部位のRNAを切るか、消化するか、または分解することができる任意の試薬である。いくつかの態様において、RNA分解剤は酵素である。いくつかの態様において、RNA分解剤は化学的または薬学的な化合物である。
いくつかの態様において、非配列特異的にRNAを切るかまたは消化する酵素が、RNA分解剤として使用される。いくつかの態様において、RNA分解酵素は、非配列特異的エンドリボヌクレアーゼまたは「RNアーゼ」である。RNAを切断する任意のRNアーゼが、本発明において使用され得る。適当なRNアーゼの例には、RNアーゼH(即ち、RNアーゼH、RNアーゼH1、およびRNアーゼH2)、ならびにRNアーゼAが含まれるが、これらに限定されない。使用されるRNアーゼには、天然に存在するRNアーゼ、組換えRNアーゼ、および修飾型RNアーゼ(例えば、変異、挿入、または欠失を含むRNアーゼ)が含まれ得る。修飾型RNアーゼの一例は、より大きな熱安定性を可能にする変異を含んでいるHybridase(商標)Thermostable RNaseH(Epicentre)である。
いくつかの態様において、RNA分解剤はリボザイムである。RNAの特異的な切断を触媒することができる酵素性RNA分子であるリボザイムは、当技術分野において公知である。例えば、Heidenreich et al.,Nucleic Acids Res.,23:2223-2228(1995)を参照のこと。本発明において使用するために適当なリボザイムには、天然に存在するリボザイムまたは合成リボザイムの両方が含まれる。
あるいは、RNA分解剤は、RNA:DNA二重鎖内のRNAまたはRNA-DNA相互作用中のRNAを消化するか、切断するか、または分解する、任意のタンパク質、低分子、化学物質、または薬物であり得る。
B. DNA分解剤
本発明のDNA分解剤は、一本鎖DNA、二本鎖DNA、RNA:DNA二重鎖内のDNA、または直接的もしくは間接的なRNA-DNA相互作用の部位のDNAを切るか、消化するか、または分解することができる任意の試薬である。いくつかの態様において、DNA分解剤は酵素である。いくつかの態様において、DNA分解剤は化学的または薬学的な化合物である。
いくつかの態様において、DNAを切るかもしくは消化する酵素、または「DNアーゼ」が、DNA分解剤として使用される。一本鎖DNA、二本鎖DNA、RNA:DNA二重鎖内のDNA、またはRNA-DNA相互作用中のDNAを切断する任意のDNアーゼが、本発明に従って使用され得る。使用されるDNアーゼには、天然に存在するDNアーゼ、組換えDNアーゼ、および修飾型DNアーゼ(例えば、変異、挿入、または欠失を含むDNアーゼ)が含まれ得る。
いくつかの態様において、DNアーゼは、一本鎖DNAまたはRNA:DNA二重鎖内のDNAを優先的に切断する(即ち、二本鎖DNAを切断しないか、または極めて低レベルでしか二本鎖DNAを切断しない)酵素である。適当な一本鎖DNA特異的DNアーゼの例には、S1ヌクレアーゼ、P1ヌクレアーゼ、およびリョクトウヌクレアーゼが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、DNアーゼは、二本鎖DNAを切断し、一本鎖DNAまたはRNA:DNA二重鎖内のDNAもより低い程度に切断する酵素である。これらのDNアーゼについては、一本鎖DNAまたはRNA:DNA二重鎖内のDNAを切断するために必要とされるDNアーゼの量が、DNアーゼを滴定することにより、当業者によって実験的に決定され得る。適当な二本鎖DNA特異的DNアーゼの例には、DNアーゼIおよびBal31ヌクレアーゼが含まれるが、これらに限定されない。
あるいは、DNA分解剤は、一本鎖DNA、二本鎖DNA、RNA:DNA二重鎖内のDNA、またはRNA-DNA相互作用の部位のDNAを消化するか、切断するか、または分解する、任意のタンパク質、低分子、化学物質、または薬物であり得る。
いくつかの態様において、DNA分解剤(例えば、DNアーゼ)は、RNA分解剤(例えば、RNアーゼ)の存在のため、RNA:DNA二重鎖内のDNA、または直接的もしくは間接的なRNA-DNA相互作用の部位のDNAのような、ゲノムDNAの領域を分解する。これらの態様において、ゲノムDNAと結合しているか、会合しているか、またはハイブリダイズしているRNAの分解は、一本鎖DNAの形成をもたらすか、または局所的なクロマチン構造を変化させ、従って、DNAの分解のためのDNA分解剤に対してDNAを多少アクセス可能にする。DNA分解剤によるゲノムDNAの分解がRNA分解剤の存在によるか否かは、当業者によって実験的に判定され得る。例えば、ゲノムDNAをDNA分解剤と接触させるがRNA分解剤とは接触させない、対照実験を実施することができる。「RNA分解剤なしの」対照試料においてDNA分解剤により分解されるDNA領域を、DNA分解剤およびRNA分解剤の両方と接触させられた対応するゲノムDNAにおいて分解されるDNA領域と比較することができ、RNA分解剤が存在する時には分解されるがRNA分解剤が存在しない時には分解されないDNA領域が、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解されるDNA領域である。
IV. 細胞の透過処理および破壊
細胞膜は、当技術分野において公知の任意の方式で、透過処理されるかまたは破壊されることができる。本発明の方法によると、細胞の膜は、RNA分解剤および/またはDNA分解剤を細胞へ導入する工程の前または途中に、透過処理されるかまたは破壊されることができる。
いくつかの態様において、細胞膜は、細胞膜を透過処理するかまたは破壊する剤と接触させられる。リゾ脂質は、細胞膜を透過処理する剤の例示的なクラスである。例示的なリゾ脂質には、リゾホスファチジルコリン(当技術分野においてリゾレシチンとしても公知)またはモノパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるが、これらに限定されない。多様なリゾ脂質も、例えば、WO/2003/052095に記載されている。
非イオン性界面活性剤は、細胞膜を破壊する剤の例示的なクラスである。例示的な非イオン性界面活性剤には、NP40、Tween20、およびTritonX-100が含まれるが、これらに限定されない。
あるいは、DNA修飾剤が細胞へ導入されかつ従ってゲノムDNAに接触し得るように、細胞膜を透過処理するため、電気穿孔法または微粒子銃法が使用されてもよい。多様な電気穿孔法が周知であり、本明細書に記載されるDNA修飾剤の送達のために適合し得る。例示的な電気穿孔法には、WO/2000/062855に記載されたものが含まれるが、これに限定されない。微粒子銃法には、米国特許第5,179,022号に記載されたものが含まれるが、これに限定されない。
V. 分解後のDNAの検出
いくつかの態様において、RNA分解およびDNA分解の後、当技術分野において公知の任意の方法によって、細胞からゲノムDNAが単離される。本質的に任意のDNA精製法が、その後の検出工程のために許容される純度のDNAをもたらす限り、使用され得る。例えば、標準的な細胞溶解試薬を、細胞を溶解するために使用することができる。任意で、(プロテイナーゼKを含むが、これに限定されない)プロテアーゼを使用してもよい。当技術分野において公知のようにして、混合物からDNAを単離することができる。いくつかの態様において、フェノール/クロロホルム抽出を使用し、その後、(例えば、エタノールにより)DNAを沈殿させ、精製することができる。あるいは、核酸結合カラムでDNAを単離してもよい。
任意で、ゲノムDNAは、中間の精製工程を含まずに、細胞溶解物から直接、増幅されるかまたは他の方法で検出される。
A. 標的DNA領域
DNAの検出は、ゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域の存在または非存在を検出することを含む。DNA領域とは、ゲノムDNA内の関心対象の標的配列である。いくつかの態様において、標的DNA領域は、RNAが結合するかまたはハイブリダイズするゲノムDNAの領域である。細胞のゲノムDNA内の任意のDNA配列を、本明細書に記載されるように、RNA相互作用について評価することができる。
異なる細胞型において、例えば、未処理の細胞と、薬物、化学的もしくは環境的な刺激に曝された細胞との間、または正常組織と疾患組織との間で、RNAとの相互作用の異なるパターンまたはレベルを示す関心対象のDNA領域を同定するため、ゲノムDNAをスクリーニングすることができる。従って、いくつかの態様において、本発明の方法は、RNA相互作用のパターンまたはレベルの変化が、ある疾患またはその欠如のためのマーカーとして機能するようなDNA領域を同定するために使用される。例示的な疾患には、癌が含まれるが、これに限定されない。非癌細胞と比較して改変された転写活性および/またはクロマチン構造を癌細胞において有する多数の遺伝子が、記載されている。
B. 標的DNA領域とRNAの相互作用の検出
1個または複数個の標的DNA領域とRNAの相互作用を検出し、その程度を定量化するため、多様な方法を使用することができる。いくつかの態様において、RNA相互作用のための1個または複数個の標的DNA領域の検出は、存在する標的DNA領域を検出し、その量を定量化することを含む。いくつかの態様において、RNA相互作用のための1個または複数個の標的DNA領域の検出は、標的DNA領域のコピー数の減少を検出し定量化すること、または標的DNA領域のコピーの非存在を検出することを含む。
後述のように、(リアルタイムPCRを含むが、これに限定されない)定量的増幅の方法は、DNA領域のインタクトな(即ち、分解されていない)コピーの量の決定を可能にし、かつ、様々な対照と共に使用されて、関心対象の試料におけるDNA領域のインタクトなコピーの相対量を決定し、それにより、RNAがそのDNA領域と相互作用するか否か、およびどの程度相互作用するかを示すことができる。そのような態様において、増幅に抵抗性であるかまたは不応性であるDNA領域は、DNA分解剤による該DNA領域の分解を示し、それにより、該DNA領域とRNAの相互作用を示す可能性が高いと考えられる。
定量的増幅法(例えば、定量的PCRまたは定量的線形増幅)は、核酸鋳型を増幅し、直接的にまたは間接的に(例えば、Ct値を決定して)増幅されたDNAの量を決定し、次いで、増幅のサイクル数に基づき初期鋳型量を計算することを含む。反応を使用したDNA遺伝子座の増幅は周知である(米国特許第4,683,195号および第4,683,202号;PCR PROTOCOLS:A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS(Innis et al.,eds,1990)を参照のこと)。典型的には、PCRがDNA鋳型を増幅するために使用される。しかしながら、別の増幅法も記載されており、該方法は、切断または分解されたDNAを増幅するよりも大きな程度に、インタクトなDNAを増幅する限り、同じく利用され得る。定量的増幅の方法は、例えば、米国特許第6,180,349号;第6,033,854号;および第5,972,602号、ならびに、例えば、Gibson et al.,Genome Research 6:995-1001(1996);DeGraves,et al.,Biotechniques 34(1):106-10,112-5(2003);Deiman B,et al.,Mol Biotechnol.20(2):163-79(2002)に開示されている。増幅は「リアルタイム」でモニタリングされ得る。
いくつかの態様において、定量的増幅は、増幅(例えば、PCR)反応のサイクルにおける鋳型のコピーを表すシグナル(例えば、プローブの蛍光)のモニタリングに基づく。PCRの初期サイクルにおいては、形成されたアンプリコンの量が、アッセイからの測定可能なシグナル出力を支持しないため、極めて低いシグナルが観察される。初期サイクルの後、形成されたアンプリコンの量が増加するにつれ、シグナル強度が測定可能なレベルに増加し、PCRが非対数期に入る後期サイクルにおいてはプラトーに達する。シグナル強度対サイクル数のプロットを通して、測定可能なシグナルがPCR反応から得られる特定のサイクルを推定することができ、それをPCRの開始前の標的の量を逆計算するために使用することができる。この方法により決定される特定のサイクルの数を、典型的には、サイクル閾値(Ct)と呼ぶ。例示的な方法は、例えば、加水分解プローブに関して、Heid et al.Genome Methods 6:986-94(1996)に記載されている。
増幅産物の検出のための一つの方法は、5'-3'エキソヌクレアーゼ「加水分解」PCRアッセイ(TaqMan(商標)アッセイとも呼ばれる)である(米国特許第5,210,015号および第5,487,972号;Holland et al.,PNAS USA 88:7276-7280(1991);Lee et al.,Nucleic Acids Res.21:3761-3766(1993))。このアッセイは、増幅反応中の二重標識蛍光発生プローブ(TaqMan(商標)プローブ)のハイブリダイゼーションおよび切断により、特定のPCR産物の蓄積を検出する。蛍光発生プローブは、蛍光レポーター色素および消光色素の両方により標識されたオリゴヌクレオチドからなる。PCR中、このプローブは、増幅中のセグメントにハイブリダイズする場合にのみ、DNAポリメラーゼの5'-エキソヌクレアーゼ活性により切断される。プローブの切断は、レポーター色素の蛍光強度の増加を生じる。
エネルギー転移の使用に依るもう一つの増幅産物検出方法は、Tyagi and Kramer,Nature Biotech.14:303-309(1996)により記載された「ビーコンプローブ」法であり、それは、米国特許第5,119,801号および第5,312,728号の主題でもある。この方法は、ヘアピン構造を形成することができるオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを利用する。ハイブリダイゼーションプローブの一端(5'末端または3'末端のいずれか)に、ドナーフルオロフォアが存在し、もう一端に、アクセプター部分が存在する。TyagiおよびKramerの方法の場合、このアクセプター部分は消光剤であり、即ち、アクセプターは、ドナーにより放出されたエネルギーを吸収するが、それ自体は蛍光を発しない。従って、ビーコンが開構造にある時、ドナーフルオロフォアの蛍光は検出可能であるが、ビーコンがヘアピン(閉)構造にある時、ドナーフルオロフォアの蛍光は消光される。PCRにおいて利用された時、PCR産物の鎖のうちの一つとハイブリダイズする分子ビーコンプローブは、開構造にあり、蛍光が検出されるが、ハイブリダイズしていないものは蛍光を発しない(Tyagi and Kramer,Nature Biotechnol.14:303-306(1996))。結果として、蛍光の量は、PCR産物の量が増加するにつれ増加し、従って、PCRの進行の尺度として使用され得る。当業者は、定量的増幅のその他の方法も利用可能であることを認識するであろう。
核酸の定量的増幅を実施するための様々なその他の技術も公知である。例えば、いくつかの方法論は、オリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリダイズした時、蛍光の変化が生じるよう構成された1種または複数種のプローブオリゴヌクレオチドを利用する。例えば、一つのそのような方法は、2種のオリゴプローブがアンプリコンにアニーリングする、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)、例えば、LightCycler(商標)ハイブリダイゼーションプローブを活用する二重フルオロフォアアプローチである。オリゴヌクレオチドは、効率的なエネルギー転移と両立しうる距離で分離されたフルオロフォアと、頭尾方向でハイブリダイズするよう設計される。核酸と結合した時または伸張産物に組み込まれた時、シグナルを放射するよう構成された、標識されたオリゴヌクレオチドのその他の例には、以下のものが含まれる:Scorpions(商標)プローブ(例えば、Whitcombe et al.,Nature Biotechnology 17:804-807,1999、および米国特許第6,326,145号)、Sunrise(商標)(またはAmplifluor(商標))プローブ(例えば、Nazarenko et al.,Nuc.Acids Res.25:2516-2521,1997、および米国特許第6,117,635号)、ならびに消光剤なしに低下したシグナルをもたらし、標的とハイブリダイズした時、増加したシグナルを放射する二次構造を形成するプローブ(例えば、Lux probes(商標))。
いくつかの態様において、二本鎖DNAにインターカレートした時にシグナルを生じるインターカレーティング剤が使用されてもよい。例示的な剤には、SYBR GREEN(商標)、SYBR GOLD(商標)、およびEVAGREEN(商標)が含まれる。これらの剤は鋳型特異的ではないため、シグナルは鋳型特異的な増幅に基づき生成されると想定される。鋳型配列の融点は、一般に、例えば、プライマー二量体等よりはるかに高いため、これは、温度の関数としてシグナルをモニタリングすることにより確認され得る。
いくつかの態様において、DNA領域のコピー数は、対照値と比較される。例えば、インタクトな(即ち、分解されていない、従って、RNAと相互作用しない)DNA領域のコピー数が、特定の値を超えているか、それとも特定の値より低いかを知りたい場合、対照値を便利に使用することができる。例えば、特定のDNA領域が、正常細胞においてはRNAと典型的には相互作用しないが疾患細胞においてはRNAと相互作用する状況(またはその逆)において、DNA領域のインタクトなコピーの数を対照値と単純に比較することができる。
いくつかの態様において、RNAと相互作用するDNA領域は、配列決定により同定されるかまたは検出される。例えば、関心対象の試料におけるDNA分解の部位を決定するため、関心対象の試料についてのゲノムDNA配列を配列決定し、対応する既知のゲノムDNA配列と比較することができる。そのような態様において、関心対象の試料におけるDNA分解の部位(例えば、関心対象の試料には存在せず、対応する既知のゲノムDNA配列には存在するDNA領域)は、RNA-DNA相互作用の領域を示す。核酸配列決定の方法は、当技術分野において周知である。配列分析の例には、マクサム・ギルバート配列決定、サンガー配列決定、キャピラリーアレイDNA配列決定、サーマルサイクル配列決定(Sears et al.,Biotechniques,13:626-633(1992))、固相配列決定(Zimmerman et al.,Methods Mol.Cell Biol.,3:39-42(1992))、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF/MS;Fu et al.,Nature Biotech.,16:381-384(1998))のような質量分析による配列決定、およびハイブリダイゼーションによる配列決定(Chee et al.,Science,274:610-614(1996);Drmanac et al.,Science,260:1649-1652(1993);Drmanac et al.,Nature Biotech.,16:54-58(1998))が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、RNAと相互作用する標的DNA領域、またはより大きな、標的DNA領域を含むゲノムDNA配列は、単離され、ライブラリーへクローニングされる。いくつかの場合、1個もしくは複数個の標的DNA領域、または1個もしくは複数個の標的DNA領域を含む1個もしくは複数個のゲノムDNA配列が、単離され、かつ/またはクローニングされる。あるいは、1個または複数個の標的DNA領域を有する試料が、そのような領域について濃縮されたライブラリーを調製するために使用される。そのような態様において、標的DNA領域、またはより大きな、標的DNA領域を含むゲノムDNA配列は、クローニング前に非標的DNA領域から精製され(例えば、分離され)、それにより、DNAの一つのクラスについてクローニングプールが濃縮される。
いくつかの態様において、サブトラクティブライブラリーが生成される。例えば、疾患細胞においてRNAと相互作用する標的DNA領域について濃縮されたライブラリーを生成し、その後、健常細胞に由来する対応するライブラリーを差し引き、それにより、RNAと相互作用する標的DNA領域を含みかつ特定の疾患に特異的であるディファレンシャルなDNA配列のライブラリーを生成することができる。癌細胞を含むが、これに限定されない、任意の疾患細胞を使用することができる。例えば、異なる細胞型、細胞段階、薬物処理等の間で、別のサブトラクティブ戦略も利用することができる。
いくつかの態様において、DNA領域とRNAの相互作用は、サイズ選択により検出される。これは、例えば、RNAと相互作用する領域(即ち、より短い断片)またはRNAと相互作用しない領域(より大きな断片またはインタクトな領域)を濃縮するために有用である。これは、例えば、RNAと相互作用する(または相互作用しない)DNA領域について濃縮された、核酸の集団の生成において有用である。あるいは、特定のDNA領域の検出を補助するため、サイズ選択を実施することができる。関心対象のDNA領域が既知である場合、(例えば、DNA断片がインタクトであり比較的長いか、それとも断片化されており比較的短いかを検出することにより)配列の分解が存在するか否かを検出するため、サイズ分画またはサイズ選択を使用することができる。例えば、いくつかの態様において、関心対象のDNA領域を含むゲノムDNAの区画について(または関心対象のDNA領域を含むゲノムDNAの区画について濃縮されたライブラリーから)、DNAを単離し、任意の公知の方法によるサイズ分離に供する。核酸サイズ分離技術の例には、アガロースゲル電気泳動(例えば、Quertermous,Curr.Protoc.Mol.Biol.,Chapter 5:Unit 5.4(May 2001))およびショ糖勾配(例えば、Weis and Quertermous,Curr.Protoc.Mol.Biol.,Chapter 5:Unit 5.3(May 2001))が含まれるが、これらに限定されない。
そのような態様において、、DNA配列のより小さなセグメントへの分画(これは該より大きなDNA配列内部のDNA領域の分解を示す)を検出することにより、DNA領域における分解の存在または非存在を判定することができる。断片化されたまたは比較的短いDNA断片の存在は、そのDNA配列の内部のRNA相互作用領域の存在を示し、インタクトなまたは比較的長いDNA断片の存在は、そのDNA配列の内部のRNA相互作用領域の相対的な非存在を示す。本明細書において使用される「相対的な非存在」とは、正常対照と比べて低い、DNA領域におけるRNA相互作用の程度、または、検出閾値レベル未満である、DNA領域におけるRNA相互作用のレベルをさす。
いくつかの態様において、RNAと相互作用するDNA領域は、タイリングアレイを使用して同定される。ゲノム全体またはその一部のスクリーニングを可能にする、チップに基づくタイリングアレイは、当技術分野において公知であり、市販されている(例えば、Roche NimbleGen Whole-Genome Tiling ArrayまたはTargeted-Tiling Array(Madison,WI))。例えば、いくつかの態様において、RNA分解およびDNA分解の後、公知の方法によりゲノムDNAを単離し増幅する。増幅された産物を、RNA-DNA相互作用の部位に接するDNA領域を示すため、(例えば、蛍光標識を使用して)末端標識し、次いで、試料をアレイ上の核酸へハイブリダイズさせるため、製造業者の説明書に従い、タイリングアレイと共にインキュベートする。ハイブリダイゼーションが起こったタイリングアレイ上の核酸配列を決定することにより、RNAと相互作用するDNA領域の同一性を決定することができ、標識が、RNA-DNA相互作用が起こった核酸配列内の位置を示す。
いくつかの態様において、選択された数のDNA領域が、本発明の方法により分析される。あるいは、RNA-DNA相互作用のゲノム全域にわたるマップを作出することができる。本発明を特定の使用へ制限するものではないが、DNA領域とRNAの相互作用が、例えば、疾患または細胞表現型との特定の関連を有することが既知である状況においては、選択された数の領域が調査され、2種の処置、細胞型、表現型、疾患等の間で異なる関心対象の領域を同定することが望まれる場合には、ゲノム全域にわたる評価がなされると考えられる。
本明細書に記載された方法についての計算は、コンピュータに基づく計算およびツールを含み得る。ツールは、有利には、従来の設計の汎用コンピュータシステム(本明細書中、「ホストコンピュータ」と呼ばれる)により実行可能なコンピュータプログラムの形態で提供される。ホストコンピュータは、種々のハードウェアコンポーネントにより構成され得、多くの寸法およびスタイル(例えば、デスクトップPC、ラップトップ、タブレットPC、ハンドヘルドコンピュータ、サーバー、ワークステーション、メインフレーム)で作成され得る。モニター、キーボード、ディスクドライブ、CDドライブ、および/またはDVDドライブ等のような標準的なコンポーネントが含まれ得る。ホストコンピュータがネットワークに繋がれる場合、接続は、任意の適当なトランスポート媒体(例えば、有線媒体、光学式媒体、および/または無線媒体)、ならびに任意の適当な通信プロトコル(例えば、TCP/IP)を介して提供され得;ホストコンピュータは、適当なネットワーキングハードウェア(例えば、モデム、イーサネットカード、WiFiカード)を含み得る。ホストコンピュータは、UNIX、Linux、Microsoft Windows、MacOS、またはその他のオペレーティングシステムを含む、多様なオペレーティングシステムのいずれかを実装し得る。
本発明の局面を実装するためのコンピュータコードは、ホストコンピュータ上で実行され得るか、またはホストコンピューター上で実行されるようコンパイルされ得る、PERL、C、C++、Java、JavaScript、VBScript、AWK、またはその他のスクリプト言語もしくはプログラミング言語を含む、多様な言語で書き込まれ得る。コードは、アセンブリ言語または機械語のような低水準言語で書き込まれるかまたは配布されてもよい。
ホストコンピュータシステムは、有利には、使用者がツールのオペレーションをコントロールするためのインターフェースを提供する。本明細書に記載された例において、ソフトウェアツールは、(例えば、PERLを使用した)スクリプトとして実装され、使用者は、LinuxまたはUNIXのようなオペレーティングシステムの標準的なコマンドラインインターフェースから、その実行を開始させることができる。当業者は、コマンドを、適宜、オペレーティングシステムに適合させ得ることを認識するであろう。その他の態様において、使用者がポインティングデバイスを使用してオペレーションをコントロールすることを可能にする、グラフィカルユーザーインターフェースが提供されてもよい。従って、本発明は、特定のユーザーインタフェースに限定されない。
本発明の様々な特色が組み込まれたスクリプトまたはプログラムは、記憶および/または転送のため、様々なコンピューターで読取り可能な媒体にコード化され得る。適当な媒体の例には、磁気ディスクまたは磁気テープ、コンパクトディスク(CD)またはDVD(ディジタル多目的ディスク)のような光学式記憶媒体、フラッシュメモリー、ならびにインターネットを含む多様なプロトコルに順応する有線ネットワーク、光学式ネットワーク、および/または無線ネットワークを介した転送に適合した搬送波信号が含まれる。
VI. 診断および予後判定の方法
本発明は、ゲノムDNA内のRNA相互作用領域の検出に基づき、疾患もしくは状態を診断するか、疾患もしくは状態についての予後判定を提供するか、または疾患もしくは状態のための処置の課程を決定する方法も提供する。
いくつかの態様において、関心対象のDNA領域とRNAの相互作用は、正常な(即ち、非疾患の)細胞または組織と比較して、疾患の細胞または組織において、増加している(もしくは少なくとも存在する)か、または減少している(もしくは存在しない)。これらの態様において、関心対象のDNA領域の存在または非存在を検出するための本発明の方法は、診断または予後判定のためのツールとして使用され得る。例えば、いくつかの態様において、正常な細胞または組織においては、標的DNA領域とRNAの相互作用が起こらず、疾患の(例えば、癌性の)細胞または組織においては、標的DNA領域とRNAの相互作用が増加している場合がある。RNA分解剤およびDNA分解剤を、正常な細胞または組織および疾患の細胞または組織へ導入し、その後、正常な細胞または組織および疾患の細胞または組織における標的DNA領域の分解の程度を検出することにより、正常な細胞または組織と疾患の細胞または組織との間のディファレンシャルなRNA相互作用を比較することが可能である。これらの態様において、疾患の細胞または組織における標的DNA領域とRNAの相互作用の増加は、標的DNA領域の分解の増加をもたらすと予想され、従って、正常な細胞または組織と比較して、疾患の細胞もしくは組織については、DNA領域のコピー数減少が検出可能であるか、または疾患の細胞もしくは組織については、DNA領域のコピー数が、検出不可能である程、十分に低いと考えられる。
あるいは、いくつかの態様において、正常な細胞または組織においては、標的DNA領域とRNAの相互作用が起こり、疾患の細胞または組織においては、標的DNA領域とRNAの相互作用が減少しているかまたは存在しない場合がある。これらの態様において、疾患の細胞または組織における標的DNA領域とRNAの相互作用の減少または非存在は、標的DNA領域の分解の減少をもたらすと予想され、従って、正常な細胞または組織と比較して、疾患の細胞または組織については、DNA領域のコピー数増加が検出可能であると考えられる。
本発明の方法を使用して、診断または予後判定が確立された後は、処置の計画を確立するか、または診断もしくは予後判定を考慮して既存の処置の計画を改変することができる。例えば、本発明の方法による癌細胞の検出により、癌細胞が検出された個体へ化学療法剤および/または放射線が投与され得る。
研究目的のため、かつ/または試薬が予想通り機能することを確認するための対照DNA領域として、多様なDNA領域を検出することができる。例えば、いくつかの態様において、RNAと相互作用することが既知のDNA領域、例えば、Xist RNAと相互作用することが既知の雌性細胞の不活化されたX染色体がアッセイされる。そのようなDNA領域は、例えば、RNA-DNA相互作用についての陽性対照として有用である。
VII. キット
本発明は、本発明のRNA相互作用アッセイを実施するためのキットも提供する。キットは、任意で、書面の説明書または(例えば、CD-ROM上もしくはDVD上の)電子的な説明書を含み得る。本発明のキットは、例えば、RNA分解剤、DNA分解剤を含み得る。いくつかの態様において、キットは、細胞透過処理剤および/または細胞破壊剤をさらに含む。RNA分解剤およびDNA分解剤には、本明細書に詳細に記載されたもの、例えば、RNA:DNA二重鎖内のRNAもしくはDNAまたは一本鎖DNAを分解する、酵素、タンパク質、化学物質、薬学的化合物、および低分子が含まれ得る。いくつかの態様において、RNA分解剤は、RNアーゼ、例えば、RNアーゼHである。いくつかの態様において、DNA分解剤は、DNアーゼ、例えば、S1ヌクレアーゼである。本発明のキットは、RNA分解剤、DNA分解剤、および透過処理剤を、同一のバイアル/容器内に(従って、同一の緩衝液中に)含んでいてもよい。あるいは、RNA分解剤、DNA分解剤、および透過処理剤のうちの一つまたは複数が、別々のバイアル/容器内にあってもよい。
本発明のキットは、1種または複数種の対照細胞および/または対照核酸も含み得る。いくつかの態様において、キットは、そのようなゲノム配列を増幅するための1種または複数種のプライマーセットを含む(実際のゲノム配列または細胞がキットに含まれるか否かに関わらず)。例えば、いくつかの態様において、キットは、RNA分解剤、DNA分解剤、細胞透過処理剤および/または細胞破壊剤、ならびに対照DNA領域を増幅するための1種または複数種のプライマーセットを含み、任意で、第二のDNA領域、例えば、標的DNA領域を増幅するための1種または複数種のプライマーセットを含む。いくつかの態様において、キットは、DNAの単離のための材料をさらに含む。そのような材料には、RNA分解剤および/またはDNA分解剤によるさらなる分解を防止することができる「停止」溶液、ゲノムDNAの精製および/または「停止」溶液の成分のような非DNA成分の除去のためのスピンカラム、ならびに緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、本発明のキットは、以下のうちの一つまたは複数を含む:
(i)細胞膜を透過処理するかまたは破壊する剤;
(ii)RNA分解剤;
(iii)DNA分解剤;
(iv)RNA分解剤および/またはDNA分解剤によるさらなる分解を防止することができる「停止」溶液;
(v)核酸の単離のための材料(例えば、スピンカラム)
(vi)DNAのPCR/qPCR増幅のための試薬、任意で、鋳型および/またはポリメラーゼに加えて、PCRまたはqPCRのために必要な全ての成分を含有している一つの混合物;
(vii)特定の標的DNA領域のPCR/qPCR増幅のためのプライマーセット。
本明細書に記載された例および態様は、例示を目的としたものに過ぎず、それらを考慮すれば、様々な修飾または変化が当業者に示唆されるであろうこと、そしてそれらが本願の本旨および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲の範囲に含まれるべきであることが理解される。本明細書中に引用された刊行物、特許、および特許出願は、全て、参照により全ての目的のためその全体が本明細書に組み入れられる。

Claims (27)

  1. 以下の工程を含む、ゲノムDNA内のRNA相互作用領域を検出する方法:
    RNA分解剤およびDNA分解剤を核へ導入する工程であって、それによりゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域が、RNA分解剤の存在のためDNA分解剤により分解される、工程;ならびに
    該DNA分解剤によって分解される、ゲノムDNA内の少なくとも1個のDNA領域を検出する工程であって、DNA領域の非存在またはDNA領域のコピー量の低下が、該DNA領域が該DNA分解剤によって分解されることを示し;それにより、RNA相互作用領域を検出する、工程。
  2. 前記DNA分解剤が一本鎖DNA分解剤である、請求項1記載の方法。
  3. 前記DNA分解剤が二本鎖DNA分解剤である、請求項1記載の方法。
  4. 前記DNA分解剤がRNA:DNA二重鎖を分解する剤である、請求項1記載の方法。
  5. 核が細胞内にあり、前記RNA分解剤およびDNA分解剤が該細胞へ導入される、請求項1記載の方法。
  6. 前記導入工程の前または途中に前記細胞の細胞膜を透過処理するかまたは破壊し、それにより、前記RNA分解剤および/またはDNA分解剤の該細胞への導入を増強する工程を含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記RNA分解剤および/またはDNA分解剤がタンパク質である、請求項1記載の方法。
  8. 前記RNA分解剤および/またはDNA分解剤が前記細胞内で異種発現カセットによってコードされており、前記導入工程が該細胞内で該剤を発現させることを含む、請求項7記載の方法。
  9. 核が、単離された核であり、前記導入工程が、前記RNA分解剤およびDNA分解剤を、該単離された核へ導入することを含む、請求項1記載の方法。
  10. 前記RNA分解剤が、前記DNA分解剤が核へ導入される前に、該核へ導入される、請求項1記載の方法。
  11. 前記RNA分解剤およびDNA分解剤が同時に核へ導入される、請求項1記載の方法。
  12. 前記RNA分解剤がRNアーゼである、請求項1記載の方法。
  13. 前記RNアーゼがRNアーゼHである、請求項12記載の方法。
  14. 前記DNA分解剤がDNアーゼである、請求項1記載の方法。
  15. 前記DNアーゼがS1ヌクレアーゼである、請求項14記載の方法。
  16. 前記検出工程が、ヌクレオチド配列決定、または、分解されていないゲノムDNA内の前記少なくとも1個のDNA領域への核酸のハイブリダイゼーションを含む、請求項1記載の方法。
  17. 前記検出工程が、前記少なくとも1個のDNA領域のDNA増幅を含み、増幅に不応性である領域は、前記DNA分解剤により分解される可能性がある、請求項1記載の方法。
  18. 前記DNA増幅がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む、請求項17記載の方法。
  19. 前記ゲノムDNAが前記DNA分解剤により断片化されており、前記方法が、インタクトなDNAもしくは断片化されたDNAのいずれかについてDNAを濃縮し、かつ/または該DNAをサイズ選択する工程であって、インタクトなまたは比較的大きなDNA断片が該DNA内のRNA相互作用領域の相対的な非存在を示し、断片化されたまたは比較的小さなDNA断片が該DNA内のRNA相互作用領域の存在を示す工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  20. RNA分解剤;
    DNA分解剤;および
    細胞膜を透過処理するかまたは破壊する剤
    を含む、キット。
  21. 前記RNA分解剤および/またはDNA分解剤がタンパク質である、請求項20記載のキット。
  22. 前記RNA分解剤がRNアーゼである、請求項20記載のキット。
  23. 前記RNアーゼがRNアーゼHである、請求項22記載のキット。
  24. 前記DNA分解剤がDNアーゼである、請求項20記載のキット。
  25. 前記DNアーゼがS1ヌクレアーゼである、請求項24記載のキット。
  26. リゾ脂質細胞膜透過処理剤を含む、請求項20記載のキット。
  27. DNAを単離するための材料をさらに含む、請求項20記載のキット。
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