JP2013538246A - セルロース成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、イオン性液体と、極性非プロトン性成分を含有する共溶媒とを含むドープ中で、セルロースを約100℃以下の温度で少なくとも部分的に溶解し、セルロース溶液を形成する工程aと、前記セルロース溶液からセルロースフィルムをキャストする工程bと、を含むセルロース成形体の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は概して繊維などのセルロース成形体を調製する方法に関し、セルロース、イオン性液体及び非プロトン性共溶媒を含むドープを利用する方法に関する。
セルロースは天然由来原料から抽出することができ、繊維などの成形体を形成することができる。レーヨン繊維として知られるセルロース繊維は20世紀の初頭から織物の製造に用いられている。
最も一般的に用いられているセルロース繊維の製造法に、木、綿、麻、又は他の天然素材からのセルロースをアルカリと二硫化炭素に溶解し、ビスコースと呼ばれる溶液を作成する方法がある。原料の純度を最高にして繊維の品質を高めるために、この液体をろ過、再ろ過する。そしてこのビスコースを、計量しながら紡糸口金を通して希硫酸と硫酸ナトリウムの槽内に供給し、ビスコースからセルロースを再生させる。
EP1458805 US2009/0084509
従来のレーヨン繊維の製造法で用いられる溶媒には、いくつかの理由のために問題がある。例えば、溶媒が高価である。さらに、溶媒のイオン強度が高く、不要な副生成物が形成しないようにするためのステップが必要である。例えば、これらの溶媒を、不活性な環境で保管し取り扱わなければならない場合がある。さらに、これらの溶媒を保管したり、使用したりする容器を、高度な耐薬品性を有する素材から選択しなければならない。
セルロースの溶解に用いることのできる新たな溶媒を見出そうとする試みがなされている。この分野において有望な材料の1つのグループはイオン性液体である。
EP1458805には、イオン性液体を含むドープ中にセルロースを溶解させる方法が開示されており、そのドープには他の材料、特に窒素含有塩基、水及び他の溶媒が実質的に含まれない。セルロースはEP1458805に開示されているドープに溶解するが、それらのドープは粘度が高い。このように高粘度であることで、ビスコース法を用いてセルロースを溶解しキャストするために用いられる設備におけるこれらのドープの実用性は制限される。さらに、EP1458805に開示されているこのドープは、水や他の溶媒を含まないことが好ましいので、高価なイオン性液体を高い割合で含むことになる。従って、EP1458805に開示されているドープからセルロースシートを製造する費用は比較的高い。
US2009/0084509には、イオン性液体とプロトン性又は非プロトン性共溶媒を含むドープを用いる方法が開示されている。ここでもセルロースはこれらのドープに溶解した。しかし粘度が低かったのは、少量のセルロースをこれらのドープに溶解した場合のみであった。さらに、ここに例示されたドープ中にセルロースを溶解させるには、100℃を超えるような高温が必要であった。セルロースを高い割合で溶解することが報告されている、US2009/0084509に例示されているドープの大多数は、イオン性液体を主成分として含んでいた。理想的には、セルロース用ドープ中に用いられる高価なイオン性液体の量は少ない方がよい。
本発明の目的は、許容可能な程度に低い熱エネルギーを加えてセルロースを溶解することができ、比較的少量のイオン性液体を用い、ビスコース製造装置などの通常の設備で用いることができる程度に粘度が低く、かなりの量のセルロースを確実に溶解することができ、あまり精製されていない又はあまり反応性のないパルプを溶解するために用いることができ、安定で不活性雰囲気中に保管する必要がなく、調整してセルロース成形体の密度と機械的特性を制御することができるドープを用いる、繊維などのセルロース成形体の工業規模の製造方法を提供することである。
実施例1、4、5及び6に記載した落球速度を表すグラフである。 落球速度を様々な環境下で測定した結果を示すグラフである。 セルロースの含有量の粘度への影響を示すグラフである。 セルロースの重合度の粘度への影響を示すグラフである。
以下の説明から、本発明は前述の欠点の一部又はすべてに対処し、従来熟考されてこなかった多くの更なる利点を提供することが明らかになるだろう。
すなわち、本発明の第1態様によれば、セルロース成形体を製造する方法であって、イオン性液体と、極性非プロトン性成分を含有する共溶媒とを含むドープ中で、セルロースを約100℃以下の温度で少なくとも部分的に溶解し、セルロース溶液を形成する工程aと、セルロース溶液からセルロースフィルムをキャストする工程bと、を含む方法が提供される。
本発明の方法により製造される成形体は、最も好ましくは繊維である。形成することのできる他の製品には、ロープ、糸、布又はたばこのフィルターも含まれる。これらの他の製品をセルロース溶液から直接形成してもよく、セルロース溶液から紡がれた繊維から形成してもよい。
あらゆる疑義を避けるために、用語「成形体」にはセルロースシート、フィルム、積層品などは含まれないものとする。
セルロースは好ましくは反応容器又は反応チャンバー中で溶解される。好都合にもドープは、容器やタンクを通常形成する材料に対して比較的不活性であるので、従来のセルロース溶解方法では用いることができなかった装置を用いることができる。
ドープ中でセルロースを溶解するために必要とされる熱エネルギーを、熱交換装置やマイクロ波照射などのこの分野のいかなる公知の手段を用いて提供してもよい。100℃の溶解温度は従来の方法よりかなり改良されたものであるが、本発明では好都合にもセルロースを約90℃以下、約80℃以下、約75℃以下又はさらに約70℃以下の温度で溶解することができる。本発明の好ましい実施形態において、溶解温度はこれらの最高温度から、約25℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上又は約60℃以上の程度の最低温度の範囲にある。
さらに、本発明の方法に用いられるドープは通常空気と反応しないので、これらのドープを保管したり取り扱ったり使用したりする際に、不活性ガス雰囲気を必要としない。
本発明の好ましい実施形態において、セルロースは完全にドープ中に溶解される。しかし、本発明の機能的な実施形態では、一部のセルロースが固形又は半固形のままであっても実施可能であろう。製造される成形体に求められる特性によっては、異なる量の非溶解セルロースがセルロース溶液中に残っていてもよい。さらに、成形体が形成される前に溶液をろ過して、固形又は半固形セルロース原料を除くことができる。あるいは、本発明の方法においては、溶液の温度を、好ましくは100℃以下の温度にまで上げることにより、完全に溶解させることができる。
本発明の方法では好都合にも、必ずしもイオン性液体を主要成分として含まないドープを利用しても、許容可能な溶解率を示すことができる。好ましくは、ドープ中のイオン性液体の量はドープの重量の50%未満である。
US2009/0084509では、ドープの質量で20:80と50:50の比にあるイオン性液体と非プロトン性溶媒から成るドープは、105℃の温度ではセルロースをほとんど溶解できないことが報告されている。
ドープの質量で20%と50%のイオン性液体を含む、本発明の方法に用いられるドープは、90℃の温度でセルロースを溶解できることが明らかとなった。
意外にも、ドープ全質量に対し20から50%の間、すなわちドープの20%を超え又は50%未満のイオン性液体を含むドープを用いれば、セルロースを溶解するために必要な温度が下がることがわかった。従って、本発明の好ましい態様によれば、ドープは、ドープの質量で約20%と約50%の間のイオン性液体を含む。本発明の特に好ましい実施形態においては、ドープは、ドープの質量で約25%〜約45%のイオン性液体、約25%〜約40%のイオン性液体、又はより好ましくは約25%〜約35%のイオン性液体を含む。
本発明の方法においては、ドープを調製し、そこにセルロースを添加してもよい。しかし、特に好ましい実施形態においては、セルロースと共溶媒の極性非プロトン性成分とを、イオン性液体と接触する前にあらかじめ混合しておき、ドープとセルロースの溶液を形成する。これにより、極性非プロトン性成分は間隙膨潤剤として機能するので、ドープ中へのセルロースの迅速な溶解を促進することができる。
共溶媒を専ら又は本質的に極性非プロトン性成分により構成することができ、又はドープに化学的影響を与えるだけの量の他の材料を含んでもよい。
いかなる極性非プロトン性成分がドープ中に含まれてもよい。特に好ましい極性非プロトン性成分には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ピリジン、アセトン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ピペリリンスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド又はこれらの混合物が含まれる。
共溶媒が極性非プロトン性成分に加えて別の成分を含む変形例において、別の成分がドープ中に含まれることによって、セルロースの溶解度に悪影響を及ぼさず、少なくとも部分的なセルロースの溶解に100℃を超える溶解温度が必要とされない範囲で、いかなる材料が含まれてもよい。
好ましい実施形態において、極性非プロトン性成分に加えて、塩基がドープ中に含まれる。塩基は好ましくは有機物であり、任意にヘテロ原子を含んでもよい。特に好ましい実施形態において、塩基は、アンモニア、ピペリジン、モルホリン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミン、ピリジン、トリエチルアミン又は尿素などの窒素含有塩基である。塩基は、ドープの質量の1〜10%の範囲の量で存在することができる。特に好ましい実施形態において、ドープの質量の3%〜8%又は4%〜7%の塩基が含まれる。
本発明の方法において使用されるイオン性液体は、セルロースの溶解に使用できるいかなるイオン性液体でもよい。特に好ましい実施形態において、使用されるイオン性液体は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(EMIMアセテート)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、塩化亜鉛/塩化コリン、3−メチル−N−ブチル−ピリジニウムクロライド、ベンジルジメチル(テトラデシル)アンモニウムクロライド、1−メチルイミダゾール塩酸塩又はこれらの混合物である。
本発明の方法において用いられるドープ中にセルロースを溶解する場合、生成するセルロース溶液の粘度は、従来のビスコース溶液の粘度と同等で、大規模な再整備を行うことなく既存の機器を使用できる程度であることが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、セルロース溶液の粘度は約30000センチポアズ(cP)以下、好ましくは約30000〜約4000センチポアズ、又は約12000〜約5000センチポアズの範囲内である。より好ましくは、セルロース溶液の粘度は約25000センチポアズ未満、約20000センチポアズ未満、約15000センチポアズ未満、約10000センチポアズ未満、約8000センチポアズ未満、約6000センチポアズ未満、約4000センチポアズ未満、又はさらに約2000センチポアズ以下である。
本発明の方法において用いられるセルロース出発原料の重合度(DP)は、セルロース原料が少なくとも部分的にドープ中に溶解される温度に影響を与える可能性がある。低いDP値を有するセルロース原料が通常好ましいが、意外なことに高いDP値を有するセルロースでも本発明の方法において処理することができる。従って本発明の好ましい実施形態において、セルロース出発原料のDPは、700、600、550、500、450又はより好ましくは400未満である。
本発明の一つの主な利点は、比較的多量のセルロースを処理できることである。好ましい実施形態において、セルロース溶液中に存在するセルロースの割合はセルロース溶液の全重量の1〜20%、5〜15%、8〜12%又は9〜10%である。あらゆる疑義を避けるために、セルロース溶液中に存在するセルロースの割合に言及する場合、示された数値は、完全に溶解したセルロースとさらに溶解していない又は部分的に溶解したセルロースと関連しており、すなわちドープ中に添加されたセルロースの量を指す。
本発明の方法において用いられるセルロース原料は好ましくはパルプの形態をしている。パルプは、例えば木、綿、竹、わらなどの何らかの天然資源から得ることができる。セルロース原料には、セルロース、ヘミセルロース、デンプン、酢酸セルロース又はこれらの混合物が含まれてもよい。
セルロースの溶液が得られれば、物品成形工程を開始することができる。物品の成形を行う温度は溶液の温度と同じであってもよいし、或いは温度調節ステップを行ってセルロース溶液の温度を所望の高さに上昇又は下降させてもよい。
成形体の形成の前に、セルロース溶液をろ過工程に付してもよく、その場合、強制的に溶液をろ過装置に通過させて不純物や沈殿物や不溶物を除く。従って、完全には溶解していない溶液であっても、本発明の工程に用いることができる。
セルロース溶液を調製すれば、所望の形状に形成される。好ましい実施形態においては、成形体はセルロース繊維であり、この場合セルロース溶液を紡糸口金を通して押し出すことによりセルロース繊維を形成し、繊維材料を製造することが好ましい。しかし、いかなる繊維形成技術や装置を用いてもよい。
同様に、本発明の実施形態においては、繊維以外のセルロース成形体をセルロース溶液から調整し、この場合、当業者に公知の従来技術を用いてセルロース溶液を望ましい構造に成型、形成又は成形してもよい。
さらに、セルロース溶液から調製された繊維からセルロースを含む物品を形成する実施形態においては、当業者に公知の何らかの技術を用いてセルロース繊維をそれらの物品に変換してもよい。
そして、成形されたセルロース溶液を、第1キャスティング溶液を含むキャスティング槽に移すことが好ましい。
別の実施形態においては、成形より前に第1キャスティング溶液をセルロース溶液に加える。
第1キャスティング溶液は非溶媒を、理想的にはキャスティング溶液の質量の少なくとも約70%の量で含む。ある実施形態においては、残余はドープ混合物で構成されており、ドープ混合物は、セルロースの溶解に用いられたドープと本質的に同じ組成を有することが好ましい。
非溶媒によりセルロース溶液からセルロースが少なくとも部分的に析出し、大部分のドープがセルロース溶液から排出され、繊維などのセルロース成形体が形成される。
第1キャスティング溶液中に存在するドープだけがセルロース溶液によって提供されてもよく、又は第1キャスティング溶液に加えられてもよい。
この段階ではセルロース原料はまだ高温であるかもしれない。大部分のイオン性液体が水などの非溶媒と接触したときに発熱する影響もあるので、キャスティング溶液の温度が極端に上昇しないように冷却手段を採用してもよい。キャスティング溶液の温度は、約60℃以下に維持されることが好ましい。
さらに、本発明の方法において形成される成形体の特性を、キャスティング溶液の温度を調節することにより制御できることが予想外に見いだされた。例えば、低密度の繊維を製造する場合、キャスティング溶液の温度を約40〜60℃に維持すればよい。より高い密度の繊維を製造する場合には、キャスティング溶液を約20〜30℃のより低い温度に維持すればよい。
成形されたセルロース品を第2キャスティング溶液と接触させてもよく、第2キャスティング溶液は第1キャスティング溶液より高い割合、理想的には少なくとも約90%の非溶媒を含み、残余には、セルロース溶液の調製に用いられたドープと同じ組成であっても同じ組成でなくてもよいドープ混合物が含まれる。成形体がこの第2キャスティング溶液と接触すると、ドープからセルロースが継続して析出し、これらの物品中に存在するドープの量がさらに減少する。セルロース品が許容可能な程度に低い割合のドープを含むようになるまで、それぞれに含まれる非溶媒の割合が増加してゆく別のキャスティング溶液を用いてもよい。
成形されたセルロース品がキャスティング溶液に接触すると、ドープはその中に溜まり、キャスティング溶液中のドープの割合は増加する。キャスティング槽中の非溶媒を所定の配合に維持するために、非溶媒の向流をキャスティング溶液に戻す。
セルロースの析出をドープから誘導する何らかの物質を、本発明のキャスティング溶液中の非溶媒として用いてもよい。好ましい変形例において、非溶媒はプロトン性であり、非溶媒として用いることのできるプロトン性材料の例としては水、エタノール、メタノール、プロパノールが挙げられる。
ドープをキャスティング槽から、当業者にとって公知の何らかの技術を用いて回収することができる。例えば、ドープが、イオン性液体としてEMIMアセテート、極性非プロトン性成分としてDMSO、非溶媒として水を含む本発明の実施形態においては、薄膜蒸発法を用いてEMIMアセテートをDMSOと水から分離することができる。そしてDMSOと水を分別蒸留により分離することができる。
下記の実施例は、さらにいくつかの本発明の実施形態を説明することを目的としており、これらは全く限定的なものではない。当業者は、単なる通常の実験により、ここに記載された具体例と等価な多くのものを理解し又は確認することができるだろう。
実施例1:
DMSOとEMIMアセテートをドープの重量で80:20の比で含むドープを調製した。重合度(DP)が380のセルロースを、セルロース溶液の質量で9%の量で加えた。
混合物は、90℃まで加熱すると、25分後にセルロースはほぼ完全に溶解し、10ファイバー/グラム未満であった。塊やゲルは認められなかった。US2009/0084509では、類似のドープ中にセルロースを溶解させるために105℃の温度が必要であったことを考えると、これは驚くべきことである。
冷却しても溶液は液体のままであった。溶液の落球粘度を様々な温度で測定した。その結果を以下に示す。
Figure 2013538246
実施例2
実施例1で用いたものと同じ組成のドープを調製した。溶解の最高温度は60℃とした。60℃で15分後、セルロースは部分的に溶解したが、中程度の繊維数が認められた。60℃で60分後、溶液に変化はなかった。
実施例3
実施例1及び2で用いたものと同じ組成のドープを調製した。溶解温度を徐々に上げ、各段階で約15分間保持した。各段階で試料を採取し、溶液の性質と安定性を検討した。結果を以下に示す:
Figure 2013538246
この試験の結果は、ドープの重量の20%のイオン性液体しか含まないドープでも、かなりの量のセルロースを溶液中に比較的低温で保持できることを示している。
実施例4
DMSOとEMIMアセテートをドープの質量で50:50の比で含むドープを調製した。重合度(DP)が380のセルロースを、セルロース溶液の質量で9%の量で加えた。
DMSOとEMIMアセテートの質量比が50:50であるドープから生成した溶液の粘度は、前述の実施例で説明した溶液の粘度より高いことが示された。この粘度の上昇は、イオン性液体の割合が増加したこと及び/又は用いられたDMSOの割合が低かったために、セルロースの膨潤が少なかったことの結果として生じたものと思われる。溶液の粘度をまた様々な温度で測定した。
Figure 2013538246
これらの結果は、存在するイオン性液体の割合が上昇すると粘度が上昇することを示している。しかし得られた粘度の値は、それでも従来のビスコース溶液において観察されるものと同程度であり、例示された溶液はビスコース処理設備での使用に適しているだろうことを意味している。
実施例5
DMSOとEMIMアセテートをドープの質量で60:40の比で含むドープを調製した。重合度(DP)が380のセルロースを、セルロース溶液の質量で9%の量で加えた。
落球粘度を様々な温度で測定した。結果を以下に示す。
Figure 2013538246
実施例6
DMSOとEMIMアセテートをセルロースの質量で70:30の比で含むドープを調製した。重合度(DP)が380のセルロースを、セルロース溶液の質量で9%の量で加えた。
溶解温度を徐々に上げ、各段階で約15分間保持した。各段階で試料を採取し、溶液の性質と安定性を評価した。結果を以下に示す:
Figure 2013538246
これらの結果は、本発明の方法を用いるとセルロースの溶解温度が驚くほど下がることを示している。全体的な溶解はわずか55℃で45分後に観察された。
落球測定を様々な温度で行った。その結果を以下に示す。
Figure 2013538246
実施例1、4、5及び6に記載した落球速度を表すグラフを図1に示す。
実施例7
DMSOとEMIMアセテートをドープの質量で75:25の比で含むドープを調製した。重合度(DP)380のセルロースを、セルロース溶液の質量で9%の量で加えた。
溶解温度を徐々に上げ、各段階で約15分間保持した。各段階で試料を採取し、溶液の性質と安定性を評価した。結果を以下に示す:
Figure 2013538246
実施例8
試験を行って、本発明の方法において用いられるセルロース溶液の安定性を調べた。これらの溶液は、DMSOとEMIMアセテートの比がドープの質量で80:20と50:50であるドープを含む。重合度(DP)が380のセルロースが、セルロース溶液の質量で9%の量で溶液中に含まれた。
そして落球速度測定を、これらの溶液中様々な温度で、周囲の大気環境中(すなわち空気の存在下)と保護された環境中の両方で行った。窒素雰囲気および減圧にすることで、保護された環境とした。これらの測定結果を図2に示す。
落球試験により液体の粘度を測定するが、粘度はまたドープとセルロースの溶液の安定性の有用な指標となる。図2のグラフに見られるように、保護された環境が有する落球速度への効果はごくわずかであった。すなわちこれは、不活性雰囲気にしなくても、本発明のドープを保管し、扱い、使用することができることを示している。
実施例9
上記の実施例6で説明した組成を有する溶液を調製した。その溶液の粘度を55℃で測定したところ、落球速度は50秒であった。
溶液を55℃のオーブン中、周囲の大気条件下で保管し、その粘度を11日後と23日後に測定した。11日後、粘度の低下は認められなかった。23日後、粘度は48秒に減少した。すなわち、本発明の方法において用いられる溶液は、特に純粋なイオン性液体ドープと比較すると、わずかな熱的劣化のみを示し、従ってセルロース成形体の形成に繰り返し使用することに適している。
実施例10
純イオン性液体溶液を、周囲の大気条件下で高せん断混合に付すと、その酸化速度は許容できないほど高いことが示されていた。酸化を最小限にするためには、高せん断混合の開始前に、環境から酸素を除く必要があった。
本発明の方法において用いられる溶液が、高せん断混合中に酸化を受けやすいかどうかを調べるために、上記の実施例6で概説されたものと同じ組成を有する溶液を調製した。
溶液の粘度を60℃で測定したところ、43秒であった(落球速度)。溶液を2000rpmで3時間、窒素雰囲気下で撹拌し、存在する酸素を排除した。溶液の温度を60℃に維持した。予想通り溶液の粘度は変化しなかった。
溶液を周囲の大気条件下で3時間撹拌したこと以外は、同じ手順を繰り返した。意外なことに、溶液の粘度は変化しなかった。
これらの試験を90℃で繰り返したが、結果は同じ、すなわち、本発明の方法において用いられる溶液は、高せん断条件下で撹拌されても酸化を受けにくかった。
実施例11
試験を行って、セルロース量の変化による、本発明の方法において用いられる溶液の粘度への影響を調べた。セルロースを含む溶液とドープを調製した。ドープは、ドープの重量で70:30の比のDMSOとEMIMアセテートから構成された。溶液には、セルロース溶液の質量の9.0〜9.9%の範囲の濃度のセルロースが含まれた。
落球速度粘度測定を、これらの溶液それぞれにおいて、様々な温度で行った。これらの測定結果を図3に示す。
グラフから明らかなように、より低い温度では、溶液に含まれるセルロースの割合が、粘度に顕著な影響を及ぼす。しかし、温度が上昇するにつれ、セルロース濃度の粘度に対する影響は、本発明の方法において用いられる溶液においては、次第に無視できるものになっている。
実施例12
試験を行って、セルロースの重合度(DP)の、本発明の方法において用いられる溶液の粘度への影響を調べた。
セルロースを含む溶液とドープを調製した。ドープは、ドープの質量で70:30の比のDMSOとEMIMアセテートから構成された。溶液には、セルロース溶液の重量で9.0%のセルロースが含まれた。溶液には、異なったDPを有するセルロースが含まれた。
各溶液について、50秒の粘度(落球速度)が得られるのに必要な温度を求めた。その結果を図4に示す。
低いDP(例えば300〜400)を有するセルロースを用いることが好ましいが、低粘度溶液が比較的低温で得られるように、図4に示す結果から、通常のイオン性液体ドープ中で用いるには不適当だったかもしれない、より高いDPを有するセルロースであっても、溶解温度を少し上げただけで溶解できることが確認される。
実施例13
セルロースとドープを含むセルロース溶液を調製することにより、キャスティング槽の温度の、セルロースの性質と構造への影響を調べた。ドープは、ドープの質量で70:30の比のDMSOとEMIMアセテートから構成された。セルロース溶液には、セルロース溶液の質量で9.0%のセルロースが含まれた。
セルロース溶液を、ガラス板とキャスティングブレードを用いて、それぞれ20℃〜50℃の範囲の異なった温度の純水槽中にキャストした。生成したフィルムを分析し、以下の観察結果を得た:
Figure 2013538246
従ってセルロースフィルムの密度は、溶液の温度を調節することにより制御可能であることが明らかとなった。本発明の方法によりフィルムではない繊維などの成形体を調製することができるが、おそらくキャスティング槽の温度は繊維の密度に対しても同じ影響を及ぼすであろう。
キャスティング溶液を通過するセルロース溶液の温度は50℃より高い温度になりがちである。さらに、ほとんどのイオン性液体と非溶媒は接触すると、発熱反応が生じる。従って、ステップを、キャスティング溶液の温度が所定の水準を維持するように行わなければならない。

Claims (43)

  1. イオン性液体と、極性非プロトン性成分を含有する共溶媒とを含むドープ中で、セルロースを約100℃以下の温度で少なくとも部分的に溶解し、セルロース溶液を形成する工程aと、
    前記セルロース溶液からセルロースフィルムをキャストする工程bと、を含むセルロース成形体の製造方法。
  2. 前記成形体が繊維である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成形体がロープ、糸、布又はたばこのフィルターである請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記工程bで製造されたセルロース繊維を物品に形成する工程cをさらに含む請求項2に記載の製造方法。
  5. 前記物品がロープ、糸、布又はたばこのフィルターである請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記溶解をする温度が約90℃以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記溶解をする温度が約80℃以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記溶解をする温度が約70℃以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記工程a及び/又は前記工程bを大気環境条件下で行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記ドープが、ドープ全質量に対し約50質量%以下のイオン性液体を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記ドープが、ドープ全質量に対し約20%質量以上のイオン性液体を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記ドープが、ドープ全質量に対し20〜50質量%のイオン性液体を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記ドープが、ドープ全質量に対し約25〜約45質量%のイオン性液体を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記ドープが、ドープ全質量に対し約25〜約40質量%以下のイオン性液体を含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記ドープが、ドープ全質量に対し約25〜約35質量%のイオン性液体を含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記ドープの形成より前に、前記セルロースと前記極性非プロトン性成分をあらかじめ混合する請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記共溶媒が極性非プロトン性成分を含有する請求項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記極性非プロトン性成分が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、N−メチルモルホリンオキシド、ピリジン、アセトン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ピペリリンスルホン、ヘキサメチルホスホルアミド及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記ドープが塩基を含む請求項1〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 前記塩基が窒素含有塩基である請求項19に記載の製造方法。
  21. 前記塩基が、ピリジン、アンモニア、ピペリジン、モルホリン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミン、ピリジン、トリエチルアミン、尿素及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項19又は20に記載の製造方法。
  22. 前記塩基が、ドープ全質量に対し1〜10質量%で存在する請求項19〜21のいずれか1項に記載の製造方法。
  23. 前記塩基が、ドープ全質量に対し3〜8質量%で存在する請求項19〜22のいずれか1項に記載の製造方法。
  24. 前記イオン性液体が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(EMIMアセテート)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、塩化亜鉛/塩化コリン、3−メチル−N−ブチル−ピリジニウムクロライド、ベンジルジメチル(テトラデシル)アンモニウムクロライド、1−メチルイミダゾール塩酸塩又はこれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜23のいずれか1項に記載の製造方法。
  25. 前記セルロース溶液の粘度が約5000〜約12000cPである請求項1〜24のいずれか1項に記載の製造方法。
  26. 前記セルロースの重合度が約500以下である請求項1〜25のいずれか1項に記載の製造方法。
  27. 前記セルロースの重合度が約400以下である請求項1〜26のいずれか1項に記載の製造方法。
  28. 前記セルロース溶液が、セルロース溶液全質量に対し約1〜約20質量%のセルロースを含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の製造方法。
  29. 前記セルロース溶液が、セルロース溶液全質量に対し約5〜15質量%のセルロースを含む請求項1〜28のいずれか1項に記載の製造方法。
  30. 前記セルロース溶液が、セルロース溶液全質量に対し約8〜12質量%のセルロースを含む請求項1〜29のいずれか1項に記載の製造方法。
  31. 工程bより前に前記セルロース溶液をろ過する請求項1〜30のいずれか1項に記載の製造方法。
  32. 工程bより前に、工程aで得られる前記セルロース溶液を成形する、請求項1〜31のいずれか1項に記載の製造方法。
  33. 工程bが、非溶媒を含む第1キャスティング溶液に前記セルロース溶液を接触させて再生セルロース成形体を製造することを含む請求項1〜32のいずれか1項に記載の製造方法。
  34. 前記非溶媒が水である請求項33に記載の製造方法。
  35. 前記第1キャスティング溶液を60℃以下の温度に維持する請求項33又は34に記載の製造方法。
  36. 前記第1キャスティング溶液を35℃以下の温度に維持する請求項33〜35のいずれか1項に記載の製造方法。
  37. 前記第1キャスティング溶液が、第1キャスティング溶液全質量に対し約70%以上の非溶媒を含む請求項33〜36のいずれか1項に記載の製造方法。
  38. 前記第1キャスティング溶液が、イオン性液体と共溶媒を含むドープ混合物を含み、
    前記共溶媒が極性非プロトン性成分を含む請求項33〜37のいずれか1項に記載の製造方法。
  39. 前記ドープ混合物が、請求項1に記載の工程aでセルロースが少なくとも部分的に溶解するドープと同じ組成を有する請求項38に記載の製造方法。
  40. 前記再生セルロース成形体を、第1キャスティング溶液から除去して、前記第1キャスティング溶液よりも高い割合で非溶媒を含む第2キャスティング溶液に接触させる請求項33〜39のいずれか1項に記載の製造方法。
  41. 前記第1キャスティング溶液及び第2キャスティング溶液中に存在する非溶媒の割合を、前記第1キャスティング溶液及び第2キャスティング溶液に非溶媒を向流させることにより維持する請求項33〜40のいずれか1項に記載の製造方法。
  42. 前記第1キャスティング溶液及び/又は第2キャスティング溶液から、前記第1キャスティング溶液及び/又は第2キャスティング溶液の一部を除去し、薄膜蒸発を行ってそこからイオン性液体を抽出することにより、イオン性液体を回収し、非溶媒と前記ドープからの共溶媒の混合物を残す請求項33〜41のいずれか1項に記載の製造方法。
  43. 非溶媒と共溶媒の前記混合物から分別蒸留により前記共溶媒を回収する請求項42に記載の製造方法。
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