JP2009203467A - セルロースを溶解する溶媒及びセルロース溶液からの成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
イオン液体と窒素系有機溶剤又はイオン液体とDMSOからなるセルロース溶解性溶媒及びセルロース溶液の調製方法を提供する。
【解決手段】
天然セルロースまたは再生セルロースを効率よく溶解するセルロース溶解性溶媒であって、イオン液体と窒素系有機溶媒からなる。このセルロース溶解性溶媒によれば、セルロースの結晶形態に依存することなく高濃度且つ高速にセルロースを溶解することが可能である。また、上記セルロース溶解性溶媒によれば、従来のようなセルロース溶解するため用いた予備処理の必要はなくなる。得られたセルロース溶液は優れた流動性と成形性加工を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、特別な前処理を必要とせず天然セルロースおよび再生セルロースを効率よく溶解するセルロース溶解性溶媒及びそれを用いたセルロース溶液の調製方法に関するものである。また、本発明のセルロース溶液は、繊維またはフィルムなどのセルロース材料の成形に用いられるものである。
化石資源の枯渇や地球温暖化問題などの資源・環境問題は21世紀における最も重大な問題である。これらの問題を解決するためには、環境にやさしくかつ豊富で永続可能な代替資源技術の確立が必要である。バイオマスは地球上最も大量に存在し、しかも再生可能な有機資源である。
セルロースは、地球上に年間約4000億トンを合成され、最も豊富なバイオマスであることは周知されている。現在の最も大きな用途として繊維や紙、フィルムなどに利用されているが、溶融性、溶解性が極めて乏しいことから、材料として扱う場合には成形加工性に課題があり、用途が著しく限定されている。効果的、簡単且つ環境調和的なセルロース溶解方法を見出されれば、セルロースの応用にはこれまで以上に期待できる。
化学変化に依らず、セルロースを直接溶解する従来法はN−メチルモルホリン−N−オキシド/水系混合溶媒法(特許文献1)、と塩化リチウムとN,N−ジメチルアセトアミドの混合物溶解法がある(非特許文献1)。
N−メチルモルホリン−N−オキシド/水系は工業的に実用化されている唯一のセルロース直接溶解性溶媒である。当溶媒は130℃付近まで加熱しないとセルロースを溶解せず、約150℃で爆発性があるため常に危険をともなっている。また、このような高温域では溶解したセルロースは急速に分解し、それを防ぐための添加剤が必要不可欠である。
塩化リチウムとN,N−ジメチルアセトアミドの混合物は、溶解するセルロースの種類によっては、溶媒に分散させたセルロース懸濁液を100℃以上に加熱するか、予め長時間セルロースを水やアルコールに浸透させて膨潤させておくなどの前処理を必要とする。そして、高価なリチウム塩を使用しているため実験室規模の使用に限定され、工業化には至っていない。
高濃度のチオシアン酸ナトリウム水溶液がセルロースを溶解することが報告されている(特許文献2)。しかし、この溶媒系には天然型のセルロースは溶解せず、水酸化ナトリウム水溶液で処理したII型と呼ばれるセルロース、あるいは、結晶状態でない無定形セルロースしか溶解できない。また、依然として100℃以上の加熱が必要で、上述の分子鎖切断の観点から、溶解前のセルロースと比較して強度が低下する要因を抱えている。
また、最近イオン液体を使用してセルロースを溶解することも提案されている。高い溶解力と環境調和性を特徴として注目されているが、得られたセルロース溶液は高粘度でありゲル化しやすいため、次の成形加工に大きな課題となる(特許文献3)。
米国特許第3,447,939号 特開平8−158148号公報 米国特許第6,824,599
C.L.McCormick and D.K.Lichatowich,J.Polym.Sci.:Polym.Lett.Ed.,17,479-484(1979).
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、イオン液体と窒素系有機溶剤からなるセルロース溶解性溶媒及びセルロース溶液の調製方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、上記課題を達成するために、公知のセルロースの種々の溶媒を用いてセルロースの溶解挙動、さらに得られた溶液の特性などについて多くの検討を加えた。その結果、本発明の課題を克服し得る特定のセルロース溶解性溶媒を見出、その上それを用いたセルロース繊維、フィルムの新しい成形方法を見出すことができ、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、セルロースを溶解する溶媒であって、イオン液体と窒素系有機溶媒またはイオン液体とDMSOからなることを特徴とするセルロース溶解性溶媒である。
ここでDMSOはジメチルスルホキシドを意味する。
前記イオン液体は陽イオンと陰イオンから構成され、化1の化学構造式で表せる化合物であることを特徴とする。
式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素1〜4のアルキル基またはアリル基である。Xはハロゲン又は擬ハロゲンである。
また、前記窒素系有機溶媒はN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンのうちのいずれかまたはそれらの混合溶液である。
また、前記のイオン液体と窒素系有機溶媒又はイオン液体とDMSOの重量比は95:5〜30:70であることが好ましい。
また、前記セルロース溶解性溶媒を用い、室温〜120℃下でセルロースを溶解することを特徴とする。
また、前記のセルロース溶液を凝固させることによってセルロース繊維またはフィルムなどの成形体を調製することを特徴とする。
即ち、前記成形体は前記のセルロース溶液をイオン液体、窒素系有機溶媒及びDMSOを抽出し得る溶剤中を通過させて得られるセルロース繊維又はフィルム成形体である。
本発明のセルロース溶解性溶媒によれば、セルロースの結晶形態に依存することなく高濃度且つ高速にセルロースを溶解することが可能である。また、上記セルロース溶解性溶媒によれば、従来にセルロース溶解するため用いた予備処理の必要はなくなる。得られたセルロース溶液は優れた流動性と成形性加工を有する。
本発明の実施例10から得られたセルロース繊維の外観。 本発明の実施例11から得られたセルロースフィルムの外観。 セルロース溶液の粘度とDMAC/(DMAC+BMIMCL)の重量比との相関性
以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明では、イオン液体と窒素系有機溶媒又はイオン液体とDMSO(ジメチルスルホキシド)からなるセルロース溶解性溶媒として用いる。本発明者等の検討結果によれば、イオン液体と窒素系有機溶媒又はイオン液体とDMSOからなるセルロース溶解性溶媒であればほとんど全ての結晶型を持つセルロースを短時間で且つ均一に溶解可能であり、セルロース溶液を調製するに際しセルロースの種類を選ぶ必要はない。
本発明でイオン液体に窒素系有機溶媒またはDMSOを混合させる効果は(1)イオン液体の粘度を下げることと、(2)セルロースへの浸透性を促進することにある。
本発明によると、窒素系有機溶媒またはDMSOの存在によってイオン液体はセルロースへの浸透性を向上、溶解速度は大幅上昇する。また、得られたセルロース溶液の粘度も小さくなる。
本発明に適するイオン液体はイミダゾリウム陽イオンとハロゲンまたは擬ハロゲン陰イオンからなる。特に化1の化学構造式で表せる化合物は好ましい。
式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素1〜4のアルキル基またはアリル基である。Xはハロゲン又は擬ハロゲンである。
これらのイオン液体としては、例えば、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−アリル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムホルメートが挙げられる。
本発明に適する窒素系有機溶媒はN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
本発明におけるイオン液体と窒素系有機溶媒またはイオン液体とDMSOの重量比はイオン液体と窒素系有機溶媒の種類によるが、イオン液体の濃度を高くしすぎると、セルロースの溶解能力はあるものの、溶解速度が小さくなり、得られたセルロース溶液の粘度が高くなりすぎる。セルロース濃度が低い時には均一溶液となることができるが、セルロース濃度が高くなると微量ではあるが未溶解セルロースが溶液の中に残存するようになる。また、イオン液体濃度が低すぎると前述の如くセルロースを溶解する能力が著しく低下し、好ましくない。即ち、好ましくはイオン液体と窒素系有機溶媒またはイオン液体とDMSOの重量比が95:5から30:70であり、より好ましくはイオン液体と窒素系有機溶媒またはイオン液体とDMSOの重量比は85:15から35:65である。
イオン液体と窒素系有機溶媒またはイオン液体とDMSOの重量比は85:15より大きくなると得られたセルロースの溶液粘度は大きいため加工性は不十分である。一方35:65より小さくなると高分子量セルロース、例えば重合度1500以上のセルロースの最大溶解濃度は顕著に低下するため好ましくない。
本発明は溶解させるセルロースの種類を特に限定しない。天然セルロースや再生セルロースとも本発明に適用することができる。
セルロース濃度が2〜20重量%の範囲であることが好ましく、このようになすことで曳糸性、粘性、成形性等の点で優れたセルロース溶液を得ることができる。
セルロースを溶解する温度は室温から120℃までの範囲であれば特に限定されることはないが、室温より低い温度では溶解速度が低くなったり、均一性が劣ったりする傾向はあるので好ましくない。また120℃より高くなるとセルロース分子構造の劣化や重合度の低下に至る恐れがあるので好ましくない。
また、セルロースを溶解するプロセスは特に限定されることはないが、セルロースの溶解を促進、且つ得られるセルロース溶液の均一性を向上させるために機械攪拌または超音波振動などを利用することが好ましい。また、セルロースの重合度の低下を防止するためには、不活性ガス中でセルロースを溶解することも良い。
本発明によって調製したセルロース溶液は良好な流動性と成形加工性を有するため、繊維やフィルムに成形することができる。すなわち、前記セルロース溶液をイオン液体および窒素系有機溶媒またはDMSOを抽出し得る溶媒(凝固剤)中を通過させイオン液体および窒素系有機溶媒を抽出し、延伸させることによって成形体を得られる。
繊維紡糸やフィルム成形する際、本発明のセルロース溶液の濃度は特に限定されることはないが加工性またはコストの面から考えると2〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明のセルロース溶液の凝固剤としては、イオン液体および窒素系有機溶媒を抽出し得る溶剤であれば無機系溶剤または有機系溶剤のいずれでもよく特に制限されるものではないが、水、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましい、これらのうちで水、アセトン、メタノール、エタノールが本発明の課題を達成するために特に好ましく用いられる溶剤である。
本発明のセルロース溶液は90℃以下の凝固剤に通過すると、ゲルとなせる。また、本発明のセルロース溶液は5℃でも固化しない。このため成形する際凝固剤の温度は、上記の90℃から5℃まで適宜設定してよいが、凝固剤の温度を75℃以下にすると極めて迅速にゲル化させ得るので、いっそう好ましい。
以下、実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1
N,N−ジメチルホルムアミド10gに塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム20gを60℃で磁性攪拌により溶解し、これに微晶セルロース3gを溶解させた。得られたセルロース溶液を偏光顕微鏡を用いて観察し、複屈折を示す物質は見られなくなった時点を溶解時間として溶解速度を評価した。結果は表1に示す。得られたセルロース溶液の粘度を米国ブルックフィールド社製の回転粘度計HBDV−IIIで分析した。結果を表1に示す。
実施例2
微晶セルロース2gを用いた以外は実施1と同様に実施した。溶解時間とセルロース溶液の粘度を評価し、結果は表1に示す。
実施例3
塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム25g、微晶セルロース3.5gを用いた以外は実施1と同様に実施した。溶解時間とセルロース溶液の粘度を評価し、結果は表1に示す。
実施例4
N,N−ジメチルホルムアミドのかわりにN,N-ジメチルアセトアミドを用いた以外は実施1と同様に実施した。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例5
市販のコットンリンターパルプ2gを用いた以外は実施4と同様に実施した。得られたリンターセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例6
コットンリンターパルプのかわりに溶解パルプを用いた以外は実施5と同様に実施した。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例7
N,N−ジメチルホルムアミドのかわりに1−メチル−2−ピロリドンを用いた以外は実施1と同様に実施した。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例8
N,N−ジメチルホルムアミドのかわりにジメトルスルフォキサイト(DMSO)を用いた以外は実施1と同様に実施した。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例9
N,N−ジメチルホルムアミド1gに塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム19gを100℃で磁性攪拌により溶解し、これに微晶セルロース2gを溶解させた。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例10
N,N−ジメチルアセトアミド13gに塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム7gを50℃で磁性攪拌により溶解し、これに微晶セルロース0.2gを溶解させた。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。
実施例11
実施例1で得られたセルロース溶液を用いて紡糸性について検討した。即ち、室温まで冷却したセルロース溶液をシリンジに入れ、押出機能を持つ紡糸機に固定し、孔径 0.30mmφを有するノズルからメタノールに吐出し、常温のメタノール浴中に導き、1.2倍延伸し、60℃の水で洗浄した後、100℃の乾熱ロールで乾燥し、巻き取った。得られた繊維を図1に示す。
実施例12
実施例1で得られたセルロース溶液をガラス基板上にキャストし、それをメタノール浴に浸漬させた後、60℃の水で洗浄し、100℃の送風乾燥機で乾燥させ、セルロースフィルムを得た。得られたセルロースフィルムを図2に示す。
実施例13
微結晶セルロース0.7gを表2に示すような塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMIMCL)とジメチルアセトアミド(DMAC)の混合液に溶解させた。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡観察により複屈折がないことを確認することにより、セルロースの結晶が残っておらずセルロースが完全に溶解していることを確認してから粘度の測定を行った。
結果は表2と図3に示す。図3から分るようにジメチルアセトアミドの添加量は10重量%を超えると粘度の勾配は大きくなることが分った。即ちジメチルアセトアミドの添加量は10重量%以下の時粘度の変化は少ない。10重量%以上になるとジメチルアセトアミドの影響は顕著に上がった。
比較例1
塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム20gを100℃で加熱溶融し、これに微晶セルロース2gを溶解させた。得られたセルロース溶液の偏光顕微鏡による観察において、複屈折を示す物質は見られなかった。当溶液の粘度を評価した。結果は表1に示す。
(粘度の測定)
米国ブルックフィールド社製の回転粘度計HBDV−IIIを用いて得られたセルロース溶液の粘度を測定した。
分析温度:25℃
せん断速度:2.0(sec-1)
表1からN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどの窒素系有機溶媒またはジメトルスルフォキサイトの添加によってセルロースの溶解に要する時間は大幅に短縮した。また、得られたセルロース溶液の粘度は大きく低下したことも分かる。
表2からN,N−ジメチルアセトアミドの添加量が大きいほどセルロース溶液の粘度は小さくなり、10重量%を超えると粘度の変化は大きくなることが分った。
上述のように、本願発明のセルロース溶解性溶媒によれば、セルロースの結晶形態に依存することなく高濃度且つ高速にセルロースを溶解することが可能である。また、上記セルロース溶解性溶媒によれば、従来のようなセルロース溶解するため用いた予備処理の必要はなくなる。得られたセルロース溶液は優れた流動性と成形性加工を有する。したがって、本発明は、セルロース溶液およびセルロース成形体を製造する技術分野に広く適用することが可能である。

Claims (5)

  1. セルロースを溶解する溶媒であって、
    化1の化学構造式で表せるイオン液体と窒素系有機溶媒又は前記イオン液体とDMSOからなることを特徴とするセルロース溶解性溶媒。

    式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素1〜4のアルキル基またはアリル基である。Xはハロゲン又は擬ハロゲンである。
  2. 前記窒素系有機溶媒はN,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドンのうちのいずれかの一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のセルロース溶解性溶媒。
  3. 前記イオン液体と窒素系有機溶媒又は前記イオン液体とDMSOの重量比は95:5〜30:70であることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース溶解性溶媒。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のセルロース溶解性溶媒を用い、室温〜120℃でセルロースを溶解することを特徴とするセルロース溶液の製造方法。
  5. 請求項4のセルロース溶液を前記イオン液体、窒素系有機溶媒およびDMSOを抽出し得る溶剤中を通過させて得られるセルロース繊維またはフィルム成形体。
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