JP2013531696A - 金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄を含むアニオンを含有する金属効果顔料、前記金属効果顔料を製造するための方法、ならびにその使用 - Google Patents

金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄を含むアニオンを含有する金属効果顔料、前記金属効果顔料を製造するための方法、ならびにその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、微小板形状のアルミニウム、60%〜100重量%の銅分率を有する微小板形状のメタリック顔料、およびそれらの混合物からなる群より選択され、酸化ケイ素SiO(ここでxは1〜2の数である)のコーティングを有するメタリック効果顔料に関し、ここでそのコーティングされたメタリック効果顔料には、第一に金属カチオン、第二にリンおよび/または硫黄含有アニオンが含まれ、その金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンは、それぞれの場合において互いに独立してメタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層SiOの中に存在しており、金属カチオンMCならびにリンPおよび/または硫黄Sのケイ素Siに対する原子分率における元素比率が、それぞれの場合において式(I)および(II)に従って定義され、
100%×(MC+P)/Si (I)
および/または
100%×(MC+S)/Si (II)
そして、合計して0.5%〜35%の範囲内に設定される。本発明はさらに、本発明の方法によって製造することが可能なコーティングされたメタリック効果顔料に関し、そしてその使用に関する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸化ケイ素を用いてゾルゲルプロセスによってコーティングされたメタリック効果顔料であって、そのメタリック効果顔料の表面および/または酸化ケイ素層の中に金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが存在しているメタリック効果顔料に関する。本発明はさらに、このメタリック効果顔料を製造するための方法に関し、さらにはその使用にも関する。
自動車分野および工業的コーティングにおいて環境に優しい水性塗料の使用が急速に増加しているために、腐食保護されたメタリック効果顔料の開発が必要となってきている。塩基性配合水性塗料においては、広く使用されているアルミニウム効果顔料は特に、酸化を受けやすく、それによって水素が発生し、アルミニウム効果顔料の酸化がもたらされる。この酸化の結果、鏡面光沢の損失が起きるが、その損失はグレーイングとも呼ばれている。生成した水素は、潜在的にかなりの危険性を有しているが、その理由は特に、酸水素ガス爆発によって、微細なメタリック顔料の燃焼がさらに起きる可能性があるからである。
極めて効果的に腐食保護されたアルミニウム効果顔料が、クロメート処理プロセスによって製造され(EP 0 259 592)、Eckartから商品名Hydrolux(登録商標)として入手可能である。これらの腐食保護されたアルミニウム効果顔料は、優れたガス発生安定性および傑出した不透明性で知られている。不透明性(隠蔽力とも呼ばれる)とは、単位重量あたりの顔料で隠蔽される表面積であると理解されたい。クロメート処理されたアルミニウム効果顔料の不透明性は、クロメート処理前のアルミニウム効果顔料の不透明性により著しく匹敵するものである。
欠点は、そのクロメート処理されたアルミニウム効果顔料がクロム化合物を含んでいることである。クロメート処理されたアルミニウム効果顔料は、毒性のCr(IV)を検出可能な量では含んではいないものの、それにも関わらずそれらは、重金属含量の観点からは、環境的に有利とは言えない。
この理由から、SiOコーティングされたアルミニウム効果顔料またはゴールドブロンズ効果顔料が開発された。SiOによるコーティングは、好ましくはゾルゲルプロセスを使用して達成されるが、その場合まず、アルミニウム効果顔料またはゴールドブロンズ効果顔料にゾルゲルカプセル化を施し、次いで二酸化ケイ素コーティングを形成させる。SiOコーティングされたアルミニウム効果顔料またはゴールドブロンズ効果顔料は高い耐食性を有しているが、その理由は、二酸化ケイ素コーティングのバリヤー効果によって、水またはその他の腐食性物質の顔料の表面への移行が防止されるからである。
SiOコーティングは、穏やかで環境に優しいゾルゲルプロセスで実施されるが、それは塩基による触媒作用を受ける(A.Kiehl、K.Greiwe Progr.in org.Coatings 37(1999)、179−183)。ゾルゲルプロセスを使用してSiOコーティングされた市販されているメタリック効果顔料は、Eckart製の、Hydrolan(登録商標)(アルミニウム効果顔料)およびDorolan(登録商標)(ゴールドブロンズ効果顔料)である。その他の市販されているSiOコーティングされたアルミニウム効果顔料としては、たとえば、Emeral(登録商標)(Toyo、Japan製)、Aquamet(登録商標)(Schlenk、Germany製)、およびSilbercote(登録商標)(Silberline、USA製)などが挙げられる。
SiOコーティングされたアルミニウム効果顔料が有するガス発生安定性は、一般的には十分なものである。ガス発生安定性が十分であるということは、水の影響下でも、水による攻撃に対してアルミニウムが比較的有効に保護されているために、水素の発生が一般的に実質的にないということを意味している。しかしながら、ガス発生安定性は、そのアルミニウム効果顔料が暴露される周囲条件にも依存する。
場合によっては、極めて細かい粒子サイズ帯域とそれに相応する大きな比表面積(すなわち、メタリック効果顔料の単位重量あたりの表面積)を有しているメタリック効果顔料の場合、ガス発生安定性において望ましくない変動が起こりうる。従来技術から公知のSiOコーティングされたアルミニウム効果顔料の不透明性は、さらに、出発物質に比較したり、クロメート処理された顔料に比較したりすると、顕著に悪い方向に低下する。
二酸化ケイ素を用いて基材をコーティングするためには、従来技術において必須であるとみなされている二つの方法が存在する。第一の方法はアルカリ金属シリケートを利用するものであって、それが触媒的加水分解によってシラノールに転化され、次いでその後に融合されて無機ネットワークを形成する(R.K.Iler et al US 2885366、1959;R.K.Iler“The Chemistry of Silica”、1979)。
第二の方法は、ゾルゲルプロセスを利用するものであって、アルコキシシランから出発し、それを触媒作用の下で水と反応させてシラノールおよびアルコールを生成させる。アルコキシシランを使用する、通常のアルミニウム効果顔料のゾルゲルコーティングにおいては、パウダーの形態にある出発顔料をアルコール系の相の中に分散させ、次いでアルコキシシラン、水、および少なくとも1種の塩基性もしくは酸性の触媒を、熱を同時に加えながら、添加する。
テトラエトキシシラン化合物の加水分解に伴って、Si(OH)4−y(OCHCH(y=0〜3)の組成のシラノール構造が生成し、それは、重縮合反応を始めることができる。その反応の過程において、二酸化ケイ素のコンパクトなネットワークが顔料の表面上で発達し、顔料粒子を完全に包埋する。さらに、顔料の表面の上に新たに沈殿した二酸化ケイ素コーティングを、特別にさらなる表面改質にかけることも可能である。たとえば、少なくとも1個の非加水分解性置換基を有するシラン、たとえばアルキルシランを、SiOコーティングを適用した後に添加して、in situで加水分解させることも可能であって、少なくとも1個の非加水分解性置換基を有するシランが、顔料の表面上の二酸化ケイ素層に対しておよびその上にさらなる縮合反応によって堅固に固定される。冷却し、溶液を吸引除去した後に得られるフィルターケーキを減圧下で乾燥させ、目的とする用途に供給することができる。
US 2,885,366 Aには、金属酸化物を用いて表面安定化された製品を製造するための塩基性触媒による方法が開示されており、この製品が、SiOコーティングされたメタリック効果顔料からなるようにするのも可能である。
塩基性触媒を使用して、反応性配向助剤を用いてコーティングした効果顔料の製造が、DE 198 20 112 A1に記載されている。
SiOコーティングされたアルミニウム効果顔料を含む水性ベースコート材料は、EP 1 332 714 A1に開示されている。
WO 2004/026268 A2にも同様に、化粧料製品のための腐食安定性メタリック効果顔料を製造するための方法が開示されているが、それには適切な触媒を使用するゾルゲルプロセスによって、SiOコーティングを有するアルミニウムのコアを得ることが含まれる。
EP 1 756 234 B1は、水性コーティング組成物を製造するための方法に関するものであって、それには、少なくとも1種の水混和性の塗膜形成剤と、少なくとも1層の無機腐食保護層を備えたアルミニウム効果顔料とが含まれている。このアルミニウム効果顔料は、ゾルゲルプロセスによって形成された少なくとも1層のSiO層を有している。この特許からは、腐食に関連する安定性についての詳細は明らかではない。
WO 03/014228 A1には、遊離のリン酸および/またはホウ酸を用いて前処理をし、次いで有機溶媒中でのゾルゲルプロセスによってSiO層を備えるようにした、微小板形状のアルミニウム効果顔料が開示されている。
WO 2006/066825 A2には、同様の構成を有し、さらに酸化スズの外側層を有する顔料の記載がある。
DE 198 36 810 A1には、金属基材微小板をベースとする多層効果顔料の記載がある。コーティング操作は水性媒体の中で実施されるので、この理由から、顔料は予め不動態化させておかねばならない。
DE 44 37 753 A1にも同様に、金属基材微小板をベースとする多層効果顔料が開示されている。この場合においては、なかんずくゾルゲルプロセスによってSiO層を適用してもよい。金属微小板を予め不動態化させておいてもよい。
EP 1 619 222 A1は、触媒として、有機塩基、たとえばエタノールアミン、または有機もしくは無機の酸、たとえば硫酸もしくはシュウ酸を使用して、モリブデンコーティングおよび/またはSiOコーティングを備えた、水性インキを目的としたアルミニウム効果顔料を製造するためのプロセスに関する。
WO 03/095564 A1は、そのコーティングの中に組み入れた極性の有機溶媒を用いて、干渉色を呈するコーティングを有するゴニオクロマチック光沢顔料を製造するためのプロセスに関する。このゴニオクロマチック光沢顔料を製造するためには、顔料粒子、たとえば腐食安定化させたアルミニウム効果顔料を、まず、低屈折率の誘電体層、たとえば二酸化ケイ素を用いてコーティングし、次いで反射性コーティングを備えさせる。
DE 100 01 437 A1には、予め安定化させておいたメタリック効果顔料を耐腐食性顔料と共に水中に分散させた半製品が開示されている。しかしながら、この製品のガス発生安定性は、極めて高いというものではなく、また耐腐性顔料を添加することによって、使用される塗料系との非相溶性が起きる可能性もある。
US 5,348,579およびUS5,36,469でも同様に、耐腐食性顔料を用いて処理したメタリック効果顔料が開示されている。しかしながら、その顔料はSiOコーティングを有さず、そのガス発生安定性は不十分である。
WO 2004/092284 A1には、リン酸塩との混合物の形で存在していてもよい焼成した金属酸化物層を有する効果顔料が開示されている。基材としてメタリック効果顔料を使用するならば、得られるコーティングしたメタリック効果顔料は、安全上の理由から、焼成することはできない。通常の焼成温度では、金属の融点、たとえばアルミニウムの場合では630℃を超えてしまう可能性がある。さらに、アルミニウムの場合には特に、高温では、公知の、適用した金属酸化物層との強い発熱性であるアルミノサーミック反応(この反応は、特に比表面積が高く、層の間で密接な接触があるような場合には容易に起きる)が起きる可能性があるという大きな危険性が存在する。
US 6,379,804 B1には、純SiOおよびニッケル、ニッケル合金、鉄、鉄合金、金、金合金、銀、銀合金、ならびに白金および白金合金からなる群より選択される金属を用いて覆われたれたメタリック効果顔料を含むコーティングが開示されている。純SiO層の下には、リン酸トリエチルを使用して金属顔料の表面に直接適用された、独立した薄いリン酸塩層が存在していてもよい。
しかしながら、メタリック効果顔料をSiOコーティングするための公知のプロセスには欠点があって、その方法を用いて得られるメタリック効果顔料では必ずしも(特に極めて微細なメタリック効果顔料の場合には)、十分な腐食安定性、より具体的にはガス発生安定性を維持できない。メタリック効果顔料のガス発生安定性をさらに向上させる必要性が依然として存在している。さらには、SiOコーティングの結果として、通常、不透明性が明らかに損なわれる。
その金属がアルミニウム、銅、およびそれらの合金からなる群より選択されるメタリック効果顔料は、腐食を極めて受けやすい。したがって、アルミニウム、銅、さらにはそれらの合金、たとえば黄銅または青銅は、水および/または過酷な周囲条件で容易に酸化される。これらの金属が酸化されると、そのメタリック効果顔料の光学特性が損なわれるので、極めて望ましくない。
本発明の目的は、その金属がアルミニウム、銅、およびそれらの合金からなる群より選択され、腐食に関して安定化され、改良された性能特性を示すメタリック効果顔料を提供することである。より具体的には、その意図は、向上したガス発生安定性および/または不透明性を示すメタリック効果顔料を提供することである。それと同時に、メタリック効果顔料のたとえば光揮や明暗フロップ性のような光学特性が大きく損なわれるようなことがあってはならない。
本発明がその上に基礎をおく目的は、微小板形状のアルミニウム、60%〜100重量%の銅分率を有する微小板形状のメタリック顔料、およびそれらの混合物からなる群より選択され、酸化ケイ素SiO(ここでxは1〜2の数である)のコーティングを有するメタリック効果顔料を提供することにより達成されるが、ここでそのコーティングされたメタリック効果顔料には、第一に金属カチオン、第二にリンおよび/または硫黄含有アニオンが含まれ、その金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンは、それぞれの場合において互いに独立してメタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層SiOの中に存在しており、ケイ素Siに対する金属カチオンMCならびにリンPおよび/または硫黄Sの原子分率における元素比率は、それぞれの場合において式(I)および(II)に従って定義され、
100%×(MC+P)/Si (I)
および/または
100%×(MC+S)/Si (II)
そして、合計して0.5%〜35%の範囲内に設定される。
好適な展開法は、従属請求項2〜17において明示されている。
本発明のさらなる目的は、その金属がアルミニウム、銅、およびそれらの合金からなる群より選択され、向上した不透明性およびガス発生安定性を特徴とするメタリック効果顔料を製造するための方法を提供することである。
本発明がその上に基礎をおく目的は、酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法を提供することによってもさらに達成されるが、ここでその方法には以下の工程が含まれる:
(a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
(b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンをそのメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、そのメタリック効果顔料の表面の上および/またはその酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
(c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
好適な展開法は、従属請求項19〜26において明示されている。
本発明の目的はさらに、請求項1〜17のいずれかのメタリック効果顔料を、化粧品、プラスチック、ならびにコーティング組成物、好ましくはインキ、印刷インキ、塗料、およびパウダーコーティング材料に使用することによっても達成される。
最後に、本発明の目的はさらに、物品を提供することによっても達成されるが、その物品は請求項1〜17のメタリック効果顔料を有するか、および/またはそれらを含んでいる。
以下の文面において、「メタリック効果顔料」という用語は、特に断らない限り、請求項1に記載されたように、その金属がアルミニウム、銅およびそれらの合金からなる群より選択されるような顔料のみを指している。
一つの好ましい実施態様においては、その合金効果顔料が、亜鉛および銅を含み、ゴールドブロンズとも呼ばれる黄銅顔料である。
黄銅効果顔料は、典型的には「ゴールドブロンズ」と呼ばれていて、70%から100重量%未満、好ましくは75%〜90重量%の銅含量を好ましくは有している。したがって、その亜鉛含量は好ましくは30%〜10重量%の間、たとえば25重量%であり、場合によっては2重量%まで、好ましくは1重量%未満のその他の金属の夾雑物が存在していてもよい。
黄銅効果顔料またはゴールドブロンズ効果顔料においては、その合金の色相は、銅の亜鉛に対する比率で決まる。
ゴールドブロンズ効果顔料は、本来の色合い特性で取引され、「ペールゴールド」は銅分率が約90%で、残りが約10重量%の亜鉛;「リッチペールゴールド」は銅分率が約85重量%で、残りが約15重量%の亜鉛;そして、「リッチゴールド」は、銅分率が約70重量%で、残りが約30重量%の亜鉛である。ここでの重量%における数値は、それぞれの場合において、メタリック効果顔料の全金属含量、すなわち未コーティングのメタリック効果顔料を指している。
一つの好ましい実施態様においては、その黄銅効果顔料には、それぞれの場合において未コーティングのメタリック効果顔料の全金属含量を基準にして、たとえば0.1%〜2重量%、好ましくは0.5%〜1.8重量%のアルミニウムの形の「夾雑物」を含んでいる。そのような分率のアルミニウムを含む合金は、銅と亜鉛しか含まない黄銅効果顔料に比較して、腐食安定性がより高いことが見出されている。
本発明の一つの好ましい変法においては、そのメタリック効果顔料の表面の上に存在している金属カチオンが、そのコーティングされた微小板形状のメタリック効果顔料の中に存在している1種または複数の金属とは、少なくとも部分的に異なっている、好ましくは異なっている。
本発明の一つの好ましい変法においては、そのメタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層(SiO)の中に存在している金属カチオンが、その微小板形状のメタリック効果顔料の中に存在している1種または複数の金属とは、少なくとも部分的に異なっている、好ましくは異なっている。
本発明においては、「メタリック効果顔料の表面の上」という表現は、メタリック効果顔料の表面そのもののみならず、その上に金属酸化物層が形成されるか、またはその上に金属酸化物層がすでに形成されている、メタリック効果顔料の表面も指している。したがって、たとえば、アルミニウム効果顔料は酸化アルミニウム層を有しており、あるいは銅含有効果顔料は、相当する酸化銅含有層を有している。これらの場合における金属酸化物層の厚みは、典型的には、0.3〜20nm、たとえば1nm〜10nmの範囲内である。
これらの金属酸化物層は、大気条件下で、金属の表面が空気と接触した結果として、常に生成する自然の金属酸化物層であってもよい。
しかしながら、銅含有メタリック効果顔料の場合においては、本発明のコーティングの前に、たとえば公知の酸化プロセスによって、金属酸化物層を形成させておいてもよい。このことによって、「変色」した色が生じて、これは、干渉効果および層の特有の着色の結果として、これらのメタリック効果顔料では、ゴールド〜レッドの範囲の各種の色相を与える。
アルミニウム顔料の場合においては、極めて薄い(層厚み:約3〜5nm)自然の酸化物層に加えて、SiOの堆積の際に、その中に実際に水が存在しているゾルゲルプロセスの結果として、酸化アルミニウム、および/または水酸化アルミニウム、および/または酸化アルミニウム水和物をさらに生成させることも可能である。
驚くべきことには、リン含有および/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンが、メタリック効果顔料の表面の上か、および/または酸化ケイ素層(SiO)の中に、上述の割合で互いに独立して存在していると、酸化ケイ素SiOを用いてコーティングされたメタリック効果顔料の腐食に関しての安定性が顕著に向上するということを本発明者らは見出した。
酸化ケイ素SiOは、xが1〜2の範囲の数である酸化ケイ素である。xが1.8〜2.0であれば、より好ましい。その酸化ケイ素が、ゾルゲルプロセスによって調製された、未焼成の酸化ケイ素であれば極めて好ましいが、そのものはSiOと呼んでもよい。その酸化物の中に、いくらかの残存量の水および/または有機溶媒が存在していること、そのため、それらはゲルのような状態でも存在していてよい、ということもここに含まれる。
たとえばWO 2004/092284 A1に記載されているようなタイプの焼成したSiOコーティングをメタリック効果顔料に適用することはほとんど不可能である。第一に、ありふれた金属の多く、たとえばアルミニウムは、典型的な焼成温度に達する前に融解して、そのメタリック効果顔料は破壊される。さらに、アルミニウム顔料の場合においては、テルミット反応が始まるという安全上の危険性が存在する。酸化アルミニウム(Al)は、熱力学的に最も安定な金属酸化物であることが知られているが、酸化ケイ素を使用したアルミニウム効果顔料のコーティングは、メタリック効果顔料の比表面積が高く、かつ反応物質が密に接触しているために、テルミット反応を開始させる可能性が高い。アルミニウムの融点未満であるにしても、焼成によってこの反応を活性化させる危険性が高すぎて、安全な製造操作を実施することは不可能である。したがって、本発明のメタリック効果顔料は、未焼成の酸化ケイ素層を有している。
驚くべきことには、メタリック効果顔料の表面の上か、および/または酸化ケイ素含有層の中に、たとえ少量でも金属カチオンならびにリン含有および/または硫黄含有アニオンが存在すれば、そのメタリック効果顔料の耐食性を向上させるには十分である。
他方では、ケイ素Siに対する金属カチオンMCならびにリン含有アニオンPおよび/または硫黄含有アニオンSの比率は、金属カチオンの金属元素の原子分率ならびにリンおよび/または硫黄の元素の原子分率を基準にして、存在しているケイ素の原子分率に関係させて、式(I)に従うか、および/または式(II)に従って計算される。
100%×(MC+P)/Si (I)
100%×(MC+S)/Si (II)
本発明においては、それぞれの場合において酸化ケイ素層からのケイ素の分率を基準にした元素比率PおよびSは、全部で、すなわち合計した形で、0.5%〜35%、より好ましくは全部で0.8%〜30%、さらにより好ましくは全部で1.0%〜20%の範囲である。全部で0.8%〜18%の元素比率であれば、極めて好適であることが判った。リンおよび/または硫黄の量は、好ましくは全部で1%〜15%、より好ましくは全部で1.5%〜9%の範囲である。リン含有または硫酸塩含有アニオンのみが存在しているような場合には、それらそれぞれの元素比率は同様に、酸化ケイ素層からのSiの分率に対して、上で特定した割合で存在していてもよい。
驚くべきことには、カチオンを用い、そしてリンおよび/または硫黄含有アニオンを用いてメタリック効果顔料の表面を処理すると、純粋なリン酸を用いるかまたは有機リン酸エステルを用いる、すなわちカチオンなしで、たとえばリン酸トリエチルを用いてメタリック効果顔料の表面を処理した場合に比較して、腐食に対するメタリック効果顔料の安定化に改良がもたらされる(それぞれの場合において、次いで酸化ケイ素層を適用)。この効果の理由は、今日までのところ不明である。
さらに驚くべきことには、カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが酸化ケイ素層(SiO層)の中に存在している場合でも、腐食に関する顕著な安定化が達成される。
本発明のさらなる変法においては、その金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが主としてSiO層の中に存在している。この場合においては、リンおよび/または硫黄含有アニオンの濃度が、そのSiO層の厚みに沿ってほとんど均一であればさらに好ましい。
この文脈および以下において「主として」という用語は、本発明においては、50%を超える、好ましくは59%を超える、より好ましくは66%を超えるということを指している。したがって、「主として」という用語は、76%を超える、より好ましくは86%を超える、たとえば96%を超えるとも理解されたい。
本発明のさらなる変法においては、その金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在している。
本発明のまた別な変法においては、その金属カチオンがリンおよび/または硫黄含有アニオンと共に、少なくとも部分的に相互に難溶性の塩の形態で存在している。
本発明のさらなる変法においては、そのリンおよび/または硫黄含有アニオンが主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在し、金属カチオンが主としてSiO層の中に存在している。
本発明のさらなる変法においては、その金属カチオンが主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在し、リンおよび/または硫黄含有アニオンが主としてSiO層の中に存在している。
本発明のさらなる変法においては、リン含有アニオンに対する金属カチオンが、Ag(I)、Cu(II)、Cd(II)、Cr(III)、Co(II)、Pb(II)、Hg(I)、Hg(II)、Mg(II)、Al(III)、Zn(II)、Sn(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Mn(II)、Bi(III)、Zr(IV)、Ni(II)、Fe(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物、ならびにさらにはアンモニウムイオンとのそれらの混合物からなる群より選択される。
本発明のさらなる変法においては、硫黄含有アニオンとしての硫酸塩アニオンに対する金属カチオンが、Ag(I)、Sb(III)、Ca(II)、Ba(II)、Sr(II)、Pb(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物からなる群より選択される。ここで特に好ましいのは、Ba(II)、Ca(II)、およびFe(III)であり、極めて特に好ましいのはBa(II)である。
本発明のさらなる変法においては、硫黄含有アニオンとしての硫化物アニオンに対する金属カチオンが、Ag(I)、Sb(III)、Bi(III)、Cd(II)、Co(II)、Cu(II)、Ca(II)、Ba(II)、Pb(II)、Mn(II)、Ni(II)、Sn(II)、Sn(IV)、Zn(II)、Fe(II)、およびそれらの混合物からなる群より選択される。特に好ましいのが、Ag(I)、Cu(II)、Fe(II)、およびZn(II)、ならびにさらにはそれらの混合物である。この場合にとりわけ好ましいのは、Zn(II)およびFe(II)である。
極めて大いに有利なことには、本発明によって、腐食に関して安定化され、その金属がアルミニウム、銅、およびそれらの合金からなる群より選択されるメタリック効果顔料を提供することが可能となり、しかも、SiOコーティングされたメタリック効果顔料に比較して、このメタリック効果顔料の光学特性が実質的に阻害されない、好ましくはまったく阻害されることがない。
極めて少量の割合のリンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを用いても、ガス発生安定性においてめざましい改良が達成できたということは、実に極めて驚くべきことである。この件に関しては、本発明者らも、決定的な説明はいまだに有していない。
全部で30%を超える高い分率では、本発明のメタリック効果顔料の光学特性は、顕著に低下する。したがって、高いレベルでは、たとえば顔料の「白化」が観察され、光揮が低下し、明暗フロップ性が低下する。
リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンが少量であることのまた別な効果は、それらが、それによってメタリック効果顔料の光学特性に変化を起こさせるような顕著な固有の色を有さないことである。
酸化ケイ素、好ましくはSiOの量は、それぞれの場合において本発明のメタリック効果顔料基材の全重量を基準にして、2重量%〜25重量%、好ましくは3重量%〜22重量%、より好ましくは4%〜20重量%、さらにより好ましくは5重量%〜15重量%の範囲であるのが好ましい。この文脈において、酸化ケイ素の含量はSiOとして計算している。
酸化ケイ素、好ましくはSiOの量は、高い比表面積を有する顔料の場合には多くなる。より具体的には、高い比表面積を有するメタリック効果顔料は、微細で薄い顔料である。したがって、たとえばPVDアルミニウム顔料の場合においては、そのSiO含量が高い方の範囲に入る傾向があり、慣用されるシルバードル顔料またはコーンフレーク顔料では、低い方の量の範囲に入る傾向がある。本明細書で選択される酸化ケイ素、好ましくはSiOの量は、所望のガス発生安定性が達成される量よりも多くないのが好ましい。酸化ケイ素、好ましくはSiOの適用量が多すぎる場合には、別の言い方をすれば、ガス発生安定性を維持するのに必要な量よりも多い酸化ケイ素の場合には、不透明性および光学特性も同様に悪影響を受け、他のいかなる利点も得られないということしか起こらない。
リンおよび/または硫黄系の含量は、それぞれの場合においてメタリック効果顔料全体を基準にして、好ましくは0.01%〜1.00重量%、より好ましくは0.02%〜0.50重量%、極めて好ましくは0.05%〜0.15重量%の範囲である。
金属カチオンの量は、それぞれの場合においてメタリック効果顔料全体を基準にして、好ましくは0.03%〜1.4重量%、より好ましくは0.02%〜1.0重量%、極めて好ましくは0.05%〜0.5重量%の範囲である。
MC:PまたはMC:Sのモル比は、10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5、より好ましくは2:1〜1:2の範囲であるのが好ましい。金属カチオンと、リン含有および/または硫黄含有アニオンとが化学量論比で存在しているのが、極めて好ましい。この比率は、等モルであってよいが、そうでなければならないという訳ではない。
本発明の一つの好ましい展開法においては、その金属カチオンMCを、それらがそれぞれの場合において、5〜8のpH範囲内の水溶液中でリン含有および/または硫黄含有アニオンと難溶性の塩を生成することが可能となるように選択する。
本発明のさらに好ましい展開法においては、その金属カチオンを、5〜8のpH範囲内、温度25℃の水の中で、それらが、難溶性のリン酸塩(PO 3−)および/またはリン酸水素塩(HPO 2−)および/またはリン酸二水素塩(HPO )および/または硫酸塩(SO 2−)を生成するように選択する。
「難溶性」は、本発明においては、リン含有アニオンの場合、より具体的にはリン酸塩の場合には、金属カチオンと、リン含有アニオン、より具体的にはリン酸塩(1種または複数)との相当する溶解度積が、5〜8のpH範囲内で、10−10(mol/l)m+n未満、好ましくは10−15(mol/l)m+n未満、より好ましくは10−20(mol/l)m+n未満の値を有しているということを意味している。ここで、mは、金属カチオンの化学量論係数であり、nは、リン含有アニオン、より具体的にはリン酸塩イオン(1種または複数)の化学量論係数である。
硫黄含有アニオンの場合、より具体的には硫酸塩の場合には、「難溶性」は、本発明においては、金属カチオンと、硫黄含有アニオン、より具体的には硫酸塩との相当する溶解度積が、10−5(mol/l)m+k未満、好ましくは10−8(mol/l)m+k未満の値を有しているということを意味しているが、ここで、mは、金属カチオンの化学量論係数であり、kは、硫黄含有アニオン、より具体的には硫酸塩アニオンの化学量論係数である。
使用するのに好ましいアニオンはリン含有アニオン、より好ましくはリン酸塩イオンである。
本発明の一つの好ましい展開法においては、リン含有アニオンの場合、その金属カチオンが、Ag(I)、Cu(II)、Cd(II)、Cr(III)、Co(II)、Pb(II)、Hg(I)、Hg(II)、Mg(II)、Al(III)、Zn(II)、Sn(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Mn(II)、Ni(II)、Bi(III)、Zr(IV)、Fe(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物、ならびにさらにはアンモニウムイオンとのそれらの混合物からなる群より選択される。
本発明の一つの特に好ましい展開法においては、リン含有アニオンの場合、その金属カチオンが、Ag(I)、Cu(II)、Mg(II)、Al(III)、Zn(II)、Sn(II)、Ca(II)、Sr(II)、Mn(II)、Ni(II)、Zr(IV)、Fe(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物、ならびにさらにはアンモニウムイオンとのそれらの混合物からなる群より選択される。本発明のメタリック効果顔料の中におけるそれらの存在量は少ないので、これらの金属カチオンはほとんど毒性を有さず、したがってより多様な用途において使用することができる。
本発明の一つのさらに特に好ましい展開法においては、リン含有アニオンの場合、その金属カチオンが、Mg(II)、Al(III)、Zn(II)、Ca(II)、Fe(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
リン含有アニオンの場合に特に好適であることが判明した金属カチオンは、Fe(II)、Fe(III)、Al(III)、Ca(II)、およびそれらの混合物である。一つの極めて好ましい展開法においては、Fe(II)カチオンが使用される。この場合においては、最初に使用されたFe(II)カチオンは、反応の過程で、たとえば酸素が存在する結果として、少なくとも部分的に酸化を受けてFe(III)イオンとなる可能性がある。
本発明の一つの特に好ましい変法においては、金属カチオンと、リンおよび/または硫黄含有アニオンとの化学量論比を、少なくとも部分的に塩が形成されるようにする;別の言い方をすれば、金属カチオンとリンおよび/または硫黄含有アニオンとが、少なくとも部分的に、好ましくはほぼ完全に塩の形態で存在しているようにする。この好ましい変法は、金属カチオンとリンおよび/または硫黄含有アニオンとが、主として両方ともがSiO層の中にあるか、あるいは主としてメタリック効果顔料の表面の上にあるような変法にあてはまる。
本発明のさらなる変法においては、金属カチオンの、ならびにリン含有および/または硫黄含有アニオンの少なくとも55重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、さらにより好ましくは少なくとも92重量%が、SiO層、好ましくはSiO層の中、および/またはメタリック効果顔料の表面の上に塩として共存しているが、これらの数字は、それぞれの場合において、金属カチオンならびにリン含有および/または硫黄含有アニオンの全重量を基準にしたものである。金属カチオンの、ならびにリン含有および/または硫黄含有アニオンの少なくとも95重量%、さらには少なくとも98重量%が、塩の形態で共存しているのが極めて好適であることが判明したが、ここで、それらの数字は、それぞれの場合において、金属カチオンならびにリン含有および/または硫黄含有アニオンの全重量を基準にしたものである。本発明のさらなる好ましい実施態様においては、その金属カチオンならびにリン含有および/または硫黄含有アニオンが、塩として、好ましくは難溶性の塩として、SiO層、好ましくはSiO層の中、および/またはメタリック効果顔料の表面の上に実質的に完全に、好ましくは完全に存在している。
形成される塩は、この場合、先に好ましいとされた金属カチオンだけに限定される必要はなく、たとえばアンモニウムイオンとの混合物、たとえばMg(NH3+の形態で存在していてもよい。
SiO層、好ましくはSiO層の中および/またはメタリック効果顔料の表面の上では、難溶性の塩は、ほとんど分子の形態であるか、またはそうではなくてコロイドの形態で存在していてもよい。それらは、たとえば、ほとんどが好ましくは平均1〜100nmの範囲の寸法を有するコロイド粒子として存在していてもよい。
リン含有アニオンが、リン酸アニオン、亜リン酸アニオン、ホスホン酸アニオン、ホスフィン酸アニオンまたはそれらの塩、すなわちそれぞれ、リン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、もしくは亜ホスフィン酸塩、またはそれらの誘導体であるのが好ましい。言うまでもないことではあるが、存在している化学種が、ペルオキソ化合物および/または上述の酸アニオンのポリ酸アニオン、またはそれらの誘導体であってもよい。それらの誘導体は、エステルであるのが好ましく、例を挙げれば、上述の酸アニオンのアルキルエステルである。上述の酸アニオンのアルキルエステルは、C1〜C12、好ましくはC2〜C6のアルキル鎖長を少なくとも有しているのが好ましい。
極めて好適であることが判明したのは、リン酸アニオン、より具体的にはHPO 、H 2−、HPO 2−および/またはPO 3−、またはそれらの塩、すなわち、リン酸塩、または亜リン酸アニオン、より具体的にはHPO 、HPO 2−、H 2−および/またはPO 3−、またはそれらの塩、亜リン酸塩である。さらに、リン含有アニオンとして、ポリリン酸塩、メタリン酸塩、より具体的にはヘキサメタリン酸塩、またはそれらの混合物を使用するのが、好適に可能である。
リン酸アニオンとしてPO 3−を使用するのが、極めて好ましい。
非常に好適な組合せであることが判明したのは、Fe(II)および/またはFe(III)および/またはAl(III)および/またはCa(II)イオンと、PO 3−との組合せである。極めて好適な組合せは、Fe(II)および/またはFe(III)イオンと、PO 3−との組合せである。
本発明のメタリック効果顔料を調製する際に使用する塩は、水溶性、好ましくは微溶性の塩、より具体的にはアルカリ金属リン酸塩および/またはアルカリ金属亜リン酸塩であるのが好ましい。上述のリン含有酸アニオンのナトリウム塩およびカリウム塩が極めて好適であることが判明した。
使用される硫黄含有アニオンは、好ましくは硫酸塩、亜硫酸塩、および硫化物、ならびにさらにはそれらの混合物である。
硫黄が硫酸塩の形態で存在している場合には、SiO層、好ましくはSiO層の中、および/またはメタリック効果顔料の表面の上で、その硫酸塩アニオンと共に存在している金属カチオンは、Ag(I)、Sb(III)、Ca(II)、Ba(II)、Sr(II)、Pb(II)、Fe(III)およびそれらの混合物であるのが好ましい。ここで特に好ましいのは、Ba(II)、Ca(II)、およびFe(III)であり、極めて好ましいのはBa(II)である。
硫黄が硫化物の形態で存在している場合には、SiO層、好ましくはSiO層の中、および/またはメタリック効果顔料の表面の上で、その硫化物アニオンと共に存在している金属カチオンは、Ag(I)、Sb(III)、Bi(III)、Cd(II)、Co(II)、Cu(II)、Ca(II)、Ba(II)、Pb(II)、Mn(II)、Ni(II)、Sn(II)、Sn(IV)、Zn(II)、Fe(II)、およびそれらの混合物であるのが好ましい。特に好ましいのが、Ag(I)、Cu(II)、Fe(II)、およびZn(II)、ならびにさらにはそれらの混合物である。この文脈において極めて好ましいのは、Zn(II)およびFe(II)である。
一つの好ましい実施態様においては、その金属顔料の表面とSiO層、好ましくはSiO層との間に、金属酸化物、金属水酸化物、および/または金属酸化物水和物の層が存在していてもよい。さらに好ましい実施態様においては、この場合、その金属カチオンが、基材物質のそれと同じである。この場合、その金属酸化物層が、SiO、好ましくはSiOの堆積の第一段階の間に形成されるのが好ましい。
金属カチオンの濃度ならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンの濃度は、各種の方法によって求めることができる。したがって、たとえば、コーティングされたメタリック効果顔料を所定の条件下で酸または塩基の中に溶解させ、ICP発光分光法(ICP:誘導結合プラズマ)によって元素分析を実施することができる。この場合、それぞれの元素の量は、極めて正確に求めることができるが、本発明に従ってコーティングされたメタリック効果顔料の層構成の内部における空間的な位置を決めることは不可能である。
濃度を求めるさらなる方法は、WO 2009/012995 A1、26〜29ページに記載のEDX分析法である(この特許を参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
この方法も同様に、元素の濃度についての情報を与えるが、SiO層、好ましくはSiO層の領域に主として焦点を絞って、三次元的に限定することもできる。しかしながら、正確な三次元的な解像度は得られない。
第三の方法は、スパッタプロファイルと組み合わせたESCA測定によって、関連する元素(Al、Si、O、Pおよび/またはS、MC)を検出する方法である。この場合においては、SiO層、また適切であるならばさらなる層の層厚みの内部で、位置的な分解能をもって元素の濃度が得られる。その方法もまた、WO 2009/012995 A1、25〜26ページに記載されている。その代替え法またはそれの補助的方法として、この場合、スパッタプロファイルと組み合わせたオージェ分光法を採用することも同様に可能である。
サンプル分析の目的で、上述の方法を相互に各種組み合わせてもよいことは認識されたい。
特に好ましい実施態様は、以下の本発明に従ってコーティングされたメタリック効果顔料である。
A.そのメタリック効果顔料の重量を基準にして、SiOとして計算して5%〜15重量%のSiO分率と、リン酸塩ならびにさらにFe(II)および/またはFe(III)カチオン(これらは、それぞれの場合において互いに独立してアルミニウム効果顔料の表面の上か、および/またはSiO層の中に存在している)を有するアルミニウム効果顔料であって、Fe(II)および/またはFe(III)カチオン(MC)およびリン酸塩Pのケイ素Siに対する原子分率における元素比率が、それぞれの場合において、次式に従って規定され、
100%×(MC+P)/Si (I)
そして、合計して0.5%〜25%の範囲内に設定される。
さらに特に好ましい実施態様においては、その元素比率(MC+P)/Siが、0.8%〜15%および1%〜8%である。
Aについての、より好ましい実施態様においては、リン酸塩ならびにFe(II)および/またはFe(III)カチオンが、SiO層の中で難溶性の塩として主として存在している。
Aについての、より好ましい実施態様においては、リン酸塩ならびにFe(II)および/またはFe(III)カチオンが、アルミニウム効果顔料の表面の上に難溶性の塩として主として存在している。この場合には、平均層厚みが5〜20nm、好ましくは8〜15nmの、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムおよび/または酸化アルミニウム水和物からなるアルミニウム効果顔料の表面も含まれ、そしてリン酸塩ならびにFe(II)および/またはFe(III)カチオンが、主としてこの層の中か、および/またはこの層の上に存在している。
Aについての、より好ましい実施態様においては、リン酸塩が主としてアルミニウム効果顔料の表面の上に、そしてFe(II)および/またはFe(III)カチオンが主としてSiO層の中に存在している。この場合にはまた、平均層厚みが5〜20nm、好ましくは8〜15nmの、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムおよび/または酸化アルミニウム水和物からなるアルミニウム効果顔料の表面も含まれ、そして、リン酸塩が、主としてこの層の中か、および/またはこの層の上に存在している。
B.そのメタリック効果顔料の重量を基準にして、SiOとして計算して5%〜15重量%のSiO分率と、リン酸塩ならびにさらにZn(II)カチオン(これらは、それぞれの場合において互いに独立してアルミニウム効果顔料の表面の上か、および/またはSiO層の中に存在している)を有するアルミニウム効果顔料であって、Zn(II)カチオン(MC)およびリン酸塩Pのケイ素Siに対する原子分率における元素比率が、それぞれの場合において、次式に従って規定され、
100%×(MC+P)/Si (I)
そして、合計して0.5%〜25%の範囲内に設定される。
さらに特に好ましい実施態様においては、その元素比率(MC+P)/Siが、0.8%〜15%および1%〜8%である。
Bについての、より好ましい実施態様においては、リン酸塩ならびにFe(II)および/またはFe(III)カチオンが、SiO層の中で難溶性の塩として主として存在している。
Bについての、より好ましい実施態様においては、リン酸塩ならびにZn(II)カチオンが、アルミニウム効果顔料の表面の上に難溶性の塩として主として存在している。この場合には、平均層厚みが5〜20nm、好ましくは8〜15nmの、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムおよび/または酸化アルミニウム水和物からなるアルミニウム効果顔料の表面も含まれ、そして、リン酸塩ならびにZn(II)カチオンが、主としてこの層の中か、および/またはこの層の上に存在している。
Bについての、より好ましい実施態様においては、リン酸塩が主としてアルミニウム効果顔料の表面の上に、そしてZn(II)カチオンが主としてSiO層の中に存在している。この場合にはまた、平均層厚みが5〜20nm、好ましくは8〜15nmの、酸化アルミニウムおよび/または水酸化アルミニウムおよび/または酸化アルミニウム水和物からなるアルミニウム効果顔料の表面も含まれ、そして、リン酸塩が、主としてこの層の中か、および/またはこの層の上に存在している。
本発明の方法を使用してコーティングされたメタリック効果顔料、好ましくはアルミニウム効果顔料には、場合によっては、特定の最終用途に合わせた表面改質を施してもよい。たとえば、この表面改質は、シランを含んでいても、シランからなっていてもよく、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層に適用されるのが好ましい。
表面改質アルミニウム効果顔料の例は、たとえばDE 198 20 112 A1に広範囲にわたって記載されている(この特許の内容は、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。
メタリック効果顔料は、好ましくは1μm〜200μm、より好ましくは5μm〜150μmの範囲の平均粒径を有している。
本発明において使用されるメタリック効果顔料は、アトマイズした金属粉体を摩砕するか、PVD法(PVD:物理蒸着)によって得ることが可能な微小板形状のメタリック顔料である。
メタリック効果顔料は、好ましくはアルミニウムおよび/または銅もしくは黄銅(ゴールドブロンズ)効果顔料であり、より好ましくはアルミニウム効果顔料である。
アルミニウム効果顔料は、「コーンフレーク」タイプであっても、あるいは「シルバードル」タイプであってもよい。
DE 103 157 15 A1およびDE 10 2006 062271の開示内容に従ったアルミニウム効果顔料を使用するのが特に有利である(それらそれぞれの特許の内容は、参照することにより本明細書に取り入れたものとする)。これらのようなアルミニウム効果顔料は、“Platindollar(登録商標)”または“Silvershine(登録商標)S”としても知られており、それらは湿式研磨法によって製造され、平均厚みや厚み分布のような顔料特性に関しては、PVDアルミニウム効果顔料にほとんど匹敵する。
PVDアルミニウム効果顔料とは対照的に、これらの湿式研磨法によって得られる、“Platindollar”または“Silvershine”アルミニウム効果顔料は、PVDアルミニウム効果顔料の場合のような、完全に平坦な表面は有していない。PVDアルミニウム効果顔料はさらに、比較的直線的な破断エッジを有しているが、それに対して湿式研磨法によって得られるアルミニウム効果顔料は、不規則な形状の周縁領域(摩滅周縁領域とも呼ばれる)を有している。
特に有利には、DE 10315715 A1およびDE 102006062271に開示されているような、走査型電子顕微鏡法による厚み計測で測定して15〜100nm未満の平均厚みh50と、走査型電子顕微鏡法による厚み計測で測定して30%〜140%の厚み分布の相対幅Δh(相対頻度の、相当する累積頻度曲線に基づき、式Δ=100×(h90−h10)/h50に従って計算されたもの)とを有するメタリック効果顔料、好ましくはアルミニウム効果顔料を使用することが可能である。累積頻度曲線は、累積篩下曲線とも呼ばれている。
さらに好ましい実施態様は、PVDメタリック効果顔料、好ましくはPVDアルミニウム効果顔料に関していて、それは、本発明の方法によって製造して、本発明に従ってコーティングされたメタリック効果顔料を与えることができる。
本発明のメタリック効果顔料は、腐食に対する傑出した安定性を有していて、さらなる保護層を適用する必要はない。本発明の一つの好ましい変法においては、本発明のメタリック効果顔料は、さらなる有機および/または無機の保護層を有さない。表面改質は、有機保護層とは理解されない。
さらなる好ましい実施態様においては、本発明のメタリック効果顔料は、さらなる層を有さず、従ってケイ素層、好ましくはSiO層が最外層である。
本発明によって提供されるものとしてはさらに、本発明に従ってコーティングされた、メタリック効果顔料の全体があるが、それは本発明のメタリック効果顔料の少なくとも三つの集団を含み、それらのd50径がそれぞれで2〜6μm異なっていて、全体からのメタリック効果顔料の最も小さいd50が5μm以下である。このタイプの全体は、メタリック効果顔料の要素が広い範囲の異なった、たとえば光揮、きらめき、明度フロップ性などの光学的印象を生み出すことができる。
一つのさらに好ましい実施態様においては、その全体が、本発明のメタリック効果顔料の少なくとも四つの集団を含み、それらのd50径がそれぞれで3〜5μm異なっていて、全体からのメタリック効果顔料の最も小さいd50が5μm以下である。
言うまでもないことではあるが、本発明に従ってコーティングされたメタリック効果顔料の全体はさらに、本発明のメタリック効果顔料のより多くの集団を含んでいて、各種のd50値と各種のサイズ分布における幅とを有していてもよいが、これは、所望する光学的外観とするための要件に依存する。
本発明のメタリック効果顔料を製造するための本発明の方法には以下の工程が含まれる:
(a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
(b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンをそのメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、そのメタリック効果顔料の表面の上および/またはその酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
(c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
本発明の一つの好ましい変法においては、酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法には以下の工程が含まれる:
(a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
(b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンをそのメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、主としてその酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
(c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
上述の変法を用いれば、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンが、主として酸化ケイ素層、好ましくはSiOの中に存在する、本発明のメタリック効果顔料が得られる。
本発明のさらなる好ましい変法においては、酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法には以下の工程が含まれる:
(a)メタリック効果顔料にリンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、主としてそのメタリック効果顔料の表面の上に取り込ませる工程、
(b)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、工程(a)に従って処理したメタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
(c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
上述の変法を用いれば、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンが主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在する、本発明のメタリック効果顔料が得られる。
本発明のさらなる好ましい変法においては、酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法には以下の工程が含まれる:
(a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
(b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/もしくは硫黄含有アニオンならびに/または金属カチオンをそのメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンを、主としてその金属の表面の上に取り込ませ、金属カチオンを、主としてその酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
(c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
上述の変法を用いれば、リンおよび/または硫黄含有アニオンが主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在し、金属カチオンが主として酸化ケイ素層、好ましくはSiOの中に存在する、本発明のメタリック効果顔料が得られる。
金属カチオンならびに/またはリンおよび/もしくは硫黄含有アニオンの、それぞれ、メタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層の中への取り込みは、たとえば、金属カチオンならびに/またはリンおよび/もしくは硫黄含有アニオンをそれぞれ添加する順序によって、調節することができる。場合によっては、それぞれメタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層の中への金属カチオンならびに/またはリンおよび/もしくは硫黄含有アニオンの取り込みを調節するために、それぞれの化学反応の速度論、たとえば難溶性の塩の生成の速度論の違いを利用することもまた可能である。
本発明のさらなる好ましい変法においては、酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法には以下の工程が含まれる:
(a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
(b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/もしくは硫黄含有アニオンならびに/または金属カチオンをそのメタリック効果顔料に添加して、金属カチオンを、主としてその金属の表面の上に取り込ませ、リンおよび/または硫黄含有アニオンを、主としてその酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
(c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
上述の変法を用いれば、金属カチオンが主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在し、リンおよび/または硫黄含有アニオンが主として酸化ケイ素層、好ましくはSiOの中に存在する、本発明のメタリック効果顔料が得られる。
本発明の方法においては、酸化ケイ素を用いてメタリック効果顔料がコーティングされるが、この方法のこの部分には以下の工程が含まれる:
a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンをそのメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、その酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
c)場合によっては、その酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程。
工程(a)による方法は、ゾルゲルプロセスとも呼ばれる。酸および/または塩基を添加して、触媒作用させることが可能である。
本発明における、この方法のこの部分の一つの好ましい変法においては、工程(a)に従う反応が、
(i)第一の工程においては酸を添加し、第二の工程においては塩基を添加して実施されるか、
(ii)その反応が、第一の工程においては塩基を添加し、第二の工程においては酸を添加して実施される。
驚くべきことには、本発明のメタリック効果顔料の改良されたガス発生安定性、さらには特に、有利な不透明性の性質が、酸化ケイ素、好ましくはSiOを適用するためのこの二段工程法によって、さらに改良された。
酸化ケイ素は、好ましくはSiOである。
本発明の一つの特に好ましい展開法においては、別々の溶液の中のリン含有アニオンと金属カチオンとを、好ましくは撹拌しながら、処理すべきメタリック効果顔料に対して添加する。処理すべきメタリック効果顔料は、好ましくは有機溶媒または水性有機溶媒中の分散体の形態で存在しているのが好ましい。一方ではリンおよび/または硫黄含有アニオンの添加、他方では金属カチオンの添加は、別々の工程で、同時的または順次的に実施してもよい。本発明の方法の好ましい変法に応じて、最初にリンおよび/または硫黄含有アニオンを含む溶液を、次いで金属カチオンを含む溶液を、メタリック効果顔料に添加したり、この逆の順序で添加したりする。
金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンは、微溶性の塩の化合物または酸の形態で添加するのが好ましい。したがって、たとえば、Fe(II)イオンは、FeSO塩として、リン酸塩はナトリウムまたはカリウムのリン酸水素塩またはリン酸二水素塩として添加することができる。
したがって、本発明においては、金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが、反応混合物中においてのみ難溶性の塩を生成することが可能であれば、特に好ましい。
リンおよび/または硫黄含有アニオンを含む溶液、ならびに金属カチオンを含む溶液は、メタリック効果顔料に対して数回に分けて添加してもよい。交互に添加する場合には、最初にリン含有アニオンを含む溶液とメタリック効果顔料を接触させるのが好ましい。
反応混合物に対するリンおよび/または硫黄含有アニオンを含む溶液の添加開始時間、および/または金属カチオンを含む溶液の添加開始時間は、メタリック効果顔料の表面の上に酸化ケイ素、好ましくはSiOの堆積をもたらすゾルゲル反応を開始する1時間前からゾルゲル反応の開始後4時間までの間に設定するのが好ましい。反応の出発点は、ゾルゲル反応における主な反応関与物質の全部(メタリック効果顔料、アルコキシシラン、水、および触媒)が反応混合物の中に存在しており、好ましくは温度が上昇しているような時点とする。
さらに好ましくは、反応混合物に対するリンおよび/または硫黄含有アニオンを含む溶液の添加開始時点、および/または金属カチオンを含む溶液の添加開始時点を、ゾルゲル反応の開始30分前から開始後3時間まで、より好ましくは開始後0.0時間から2時間までの間に設定する。
金属カチオンの添加時点、および/またはリンおよび/または硫黄含有アニオンの添加時点はさらに、選択した変法によっても実質的に影響される。
主として酸化ケイ素層の中に、金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンを取り込ませる場合には、酸化ケイ素層を適用するためのゾルゲル反応をまず開始させ、次いで金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンを添加するのが好ましい。
主としてメタリック効果顔料の表面の上に、金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンを取り込ませる場合には、金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンを最初に添加し、次いで酸化ケイ素層を適用するためのゾルゲル反応を開始させるのが好ましい。
主としてメタリック効果顔料の表面の上に金属カチオンを取り込ませ、主として酸化ケイ素層の中にリンおよび/または硫黄含有アニオンを取り込ませる場合には、金属カチオンを最初に添加し、次いで酸化ケイ素層を適用するためのゾルゲル反応を開始させ、それからリンおよび/または硫黄含有アニオンを添加するのが好ましい。
主としてメタリック効果顔料の表面の上にリンおよび/または硫黄含有アニオンを取り込ませ、主として酸化ケイ素層の中に金属カチオンを取り込ませる場合には、リンおよび/または硫黄含有アニオンを最初に添加し、次いで酸化ケイ素層を適用するためのゾルゲル反応を開始させ、それから金属カチオンを添加するのが好ましい。
既に先に見てきたように、金属カチオンならびに/またはリンおよび/もしくは硫黄含有アニオンのそれぞれの、メタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層の中それぞれへの取り込みは、各種の反応速度論の影響を受ける可能性がある。
したがって、変法に応じて、リンおよび/または硫黄含有アニオンを含む溶液(1種または複数)、および/または金属カチオンを含む溶液の添加の前、途中、または後に、アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)の加水分解を用いて、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層を適用するのが好ましい。
ここで、アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)は、有機溶媒、または、既存の水および/または添加水による溶媒混合物の中で、加水分解させる。加水分解の結果として、ケイ素原子上にOH基が生成するが、これはシラノール基とも呼ばれる。水が脱離することによってシラノール基が縮合して、Si−O−Siネットワークが生成する。次いでこのSi−O−Siネットワークが、メタリック効果顔料の上にゾル/ゲルの形態で沈殿し、酸化ケイ素、好ましくはSiOを用いて、それらをカプセル化するか、または封じ込む。
先に見たように、ゾルゲル反応の開始の前、途中および/または後に、リンおよび/または硫黄含有アニオンを含む溶液および金属カチオンを含む溶液を添加する。
好ましいリン含有アニオンはリン酸塩イオンである。好ましい硫黄含有アニオンは硫酸塩イオンである。
驚くべきことには、先に説明したように、メタリック効果顔料、特にリンおよび/または硫黄含有アニオンを用い、そして金属カチオンを用いて処理し、さらに少なくとも二段工程法によって酸化ケイ素、好ましくはSiOを用いてコーティングしたものが、改良された性能特性を示すことを、本発明者らは発見した。酸化ケイ素、好ましくはSiOを適用するための二段工程法は、この場合、異なった触媒をベースとし、酸触媒作用工程および塩基触媒作用工程を包含している。
この驚くべき効果の根拠は、現在までのところ明らかになっていない。アルコキシシランのアルコキシ基(1個または複数)および/またはハロゲン化ケイ素のハライド(1個または複数)が加水分解してシラノール基(1個または複数)となる速度と、シラノール基が相互に縮合してSi−O−Si結合を形成する速度との比率における変化をpHが支配する。
本発明の一つの好ましい変法においては、アルコキシ基(1個または複数)の加水分解が、主として酸(1種または複数)の添加と共に起きる。この変法の場合には、そのpHは、pH3〜7、好ましくはpH4〜6.5の範囲であるのが好ましい。pH4.5〜pH6のpH値もまた極めて適切である。
この変法の一つの好ましい展開法においては、生成したシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成するのは、主として塩基の添加と共に起きる。この場合におけるpHは、好ましくはpH7を超えpH11まで、より好ましくはpH7.5〜pH10のpH値の範囲内である。pH8〜pH9.5の範囲内のpHが極めて適切であることも判明した。
本発明の一つの変法においては、コーティング操作の際にpHを連続的にグラジエントさせることも可能である。この場合においては、そのpHを連続的に、相当する試薬を連続的に添加することによって、酸性から塩基性へと変化させるのが好ましい。
さらに好ましい実施態様においては、酸(1種または複数)の添加を用いる加水分解の工程と、塩基(1種または複数)の添加を用いる縮合の工程との間で、pHを不連続にする。第一の工程と第二の工程との間のpHの差は、好ましくは0.3〜4pH単位、より好ましくは0.5〜3pH単位、さらにより好ましくは0.7〜2pH単位の間で設定する。
本発明の方法のこの非常に極めて好ましい実施態様においては、その反応が、第一の工程における酸触媒作用と、第二の工程における塩基性触媒作用とを用いて起きる。ここでの反応スキーム(III)は以下のとおりである。
酸(1種または複数)および/または塩基(1種または複数)はそれぞれ、触媒的に作用して、シラノール基への加水分解の反応速度、および/または酸化ケイ素ネットワーク、好ましくは二酸化ケイ素ネットワークのSi−O−Si結合を形成させるシラノール基の縮合の反応速度に影響する。この場合において速度論的に好ましいのは、第一の工程におけるアルコキシシランのシラノールへの加水分解(IIIa)、および第二の工程におけるシラノールの縮合(IIIb)である。
酸触媒作用の場合においては、ゾルゲルプロセスでは、最初に、シラノール基の分率が極めてわずかである、直鎖状および/または環状および/またははしご状のシロキサンオリゴマーが生成することが知られている。その理由は、モノマー性のアルコキシシランの加水分解速度に比較して、オリゴマー性のアルコキシシランの加水分解速度は低下するという点にある。
塩基性触媒作用の場合においては、これとは対照的に、高いシラノール含量を有する、三次元のシロキサンオリゴマー構造物が形成されるのが好ましい。この場合、モノマー性のアルコキシシランの加水分解速度に比較して、オリゴマーの加水分解速度の方が高く、さらに縮合速度も高い。
シラノール基が急速に縮合してSi−O−Si結合が形成される場合においては、不都合なことには、小さな粒子径を有するメタリック効果顔料が、急速に形成された酸化ケイ素、典型的にはSiOと共に、より大きい粒子径を有するメタリック効果顔料の表面上に堆積または沈殿する。したがって、より小さい粒子径を有するメタリック効果顔料が、より大きい粒子径を有するメタリック効果顔料の酸化ケイ素被覆の中にカプセル化される。
これには二つの欠点がある:良好な不透明性(隠蔽力)、すなわち単位重量あたりの顔料で被覆される基材の表面積のためには、メタリック効果顔料の調製における、小さな粒子径を有するメタリック効果顔料の画分(微細画分とも呼ばれる)が極めて重要な因子である。
メタリック効果顔料は通常、粒子サイズ分布のある形で存在している。粒子サイズ分布の幅が広くなるにつれて、メタリック効果顔料の不透明性が高くなる。メタリック効果顔料、好ましくはアルミニウム効果顔料の微細画分は、たとえばサイズ分布曲線の累積分布のD10によって特徴付けられる。サイズ分布曲線は、典型的には、レーザー粒度測定法によって求める。
メタリック効果顔料調製物の微細画分が、初期段階の酸化ケイ素と共に、より大きな粒子径を有するメタリック効果顔料の上に沈殿することによって、それらが減少した結果として、酸化ケイ素でコーティングされたメタリック効果顔料調製物の不透明性が低下する。
第二の欠点は、酸化ケイ素を用いてコーティングされたメタリック効果顔料調製物のメタリック光揮が低下することである。より大きい顔料径を有するメタリック効果顔料の上に微細画分の沈殿が起きると、まったく単純にエッジ画分が増大することによって、入射光の散乱の程度が大きくなる。この効果は、メタリック効果顔料の光揮に対して特に有害である。
本発明の方法のこの第一の変法の場合においては、メタリック効果顔料の上への酸化ケイ素の沈殿が遅いが、その理由はおそらく、シラノール基の生成が遅いためであろう。多分、酸化ケイ素の沈殿がより遅いことを考慮すれば、メタリック効果顔料調製物の微細画分が同伴されることなく、かわりに、酸化ケイ素で別途にコーティングされ、従って不透明性およびメタリック光揮に悪影響を与えないのであろう。
その方法の第二の工程においては、メタリック効果顔料が酸化ケイ素、好ましくはSiOの第一の層を用いてコーティングされた後、塩基の添加を用いて、酸化ケイ素、好ましくはSiOの第二の層が適用される。
驚くべきことには、第二の工程において塩基を添加した後には、より大きい粒子径を有するメタリック効果顔料での、またはその上での小さな粒径を有するメタリック効果顔料の凝集が実質的に起きない、好ましくは凝集がまったく起きない。この効果は、第一の酸化ケイ素コーティングによるメタリック効果顔料の表面の被覆に帰することが可能であると考えられる。
驚くべきことには、さらに、ゾルゲルプロセスとも呼ぶことが可能な、本発明において使用される二段工程の酸化ケイ素適用法においては、その反応は、酸性であるかもしくは酸性化した反応溶液中で開始され、そして好ましくはpHグラジエントによって、より酸性度が低いか、中性か、または塩基性の範囲で終了するという事実があるにもかかわらず、従来技術において典型的に使用される純粋に塩基性の手順における場合と同じ量の酸化ケイ素、好ましくはSiOを用いてメタリック効果顔料がコーティングされる。
特に、従来技術からは、塩基を用いた触媒作用でアルミニウム効果顔料の表面の上に二酸化ケイ素を沈殿させると、層の形成と収率が改良されるのが明らかである(たとえば、EP 1 619 222 A1、EP 1 953 195 A1)という事実を考慮すれば、このことはあてはまっており、これが、従来技術では主として塩基性触媒を使用している理由である(A.Kiehl、K.Greiwe、Progr.in org.Coatings 37(1999)、179−183)。
驚くべきことには、本発明においては、もっぱら酸性のpH範囲において操作を行う場合、従来技術、たとえば、EP 1 953 195 A1においては完全に排除されていた、pH4〜7のpH範囲で実施することが可能である。
したがって、驚くべきことには、酸化ケイ素、好ましくはSiOを用い、本発明による二段工程のゾルゲル法によってコーティングされたメタリック効果顔料は、酸化ケイ素を用いて従来からのゾルゲルプロセスによってコーティングされたメタリック効果顔料の不透明性に比較して、改良された不透明性を有していることが見出された。
反応スキーム(IV)に従う第二の変法の場合においては、第一の工程において塩基性触媒作用が、次いで第二の工程において酸性触媒作用が機能する。
驚くべきことには、この方法の経路でも同様に、本発明のメタリック効果顔料の一部分において、向上した不透明性が得られる。
一つの好ましい実施態様においては、塩基性触媒を添加した後に、第二の工程において使用される酸性触媒が迅速に添加される。このことは、その塩基性触媒を添加する時点を基準にして、添加のための時間が、好ましくは15分間〜4時間、より好ましくは20分間〜2.5時間、さらにより好ましくは30分間〜1.5時間であるということを意味している。第二の変法の一つの実施態様においては、そのpHを、酸を添加することによって塩基性から酸性へと連続的に変化させてもよい。第二の変法のまた別な好ましい実施態様の場合においては、酸を添加することによってpHの不連続が起きる。第一の工程と第二の工程との間のpHの差は、好ましくは0.3〜4pH単位、より好ましくは0.5〜3pH単位、さらにより好ましくは0.7〜2pH単位の間で設定する。
いずれの変法においても、触媒として使用する酸および/または塩基は、原則として同一である。
酸としては、有機酸および/または無機酸を使用することができる。有機酸が特に好ましい。
本発明において酸性触媒として使用される有機酸(1種または複数)には、好ましくは1〜8個のC原子、より好ましくは1〜6個のC原子、極めて好ましくは1〜4個のC原子が含まれる。これらの酸の有機基には、直鎖状、環状または分岐状のアルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基が含まれていてよい。
それらの酸は、一塩基性、二塩基性、または三塩基性の酸であってよく、一塩基性または二塩基性の酸が特に好ましい。
8個を超えるC原子では、一般的には酸強度が低すぎ、また立体的遮蔽性が高すぎて、効果的な触媒として使用できない。
一つの好ましい変法においては、酸性触媒として使用される有機酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、前述の酸の無水物、およびそれらの混合物からなる群より選択される。ギ酸、酢酸またはシュウ酸、さらにはそれらの混合物を使用するのが特に好ましい。
本発明のさらなる変法においては、本発明において酸性触媒として使用される無機酸は、好ましくは、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、ホウ酸、フッ化水素酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される。この場合においては、硝酸および/またはフッ化水素酸を使用するのが好ましい。
リン酸および/または硫酸を使用するのが、好ましいアニオンであるリン酸塩および/または硫酸塩を同時に与え、好ましい実施態様である。
塩基性触媒は、好ましくは有機塩基、より好ましくはアミンである。対象となるアミンは、一級、二級または三級であってよい。
さらに好ましい実施態様においては、そのアミンが、1〜8個、より好ましくは1〜6個、極めて好ましくは1〜5個のC原子を有している。8個を超えるC原子を有するアミンは、しばしば、立体的な嵩が高すぎて、有効な触媒としてそれらを使用するのが困難となる。
本発明の一つの好ましい変法においては、そのアミンが以下のものからなる群より選択される:ジメチルエタノールアミン(DMEA)、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン(EDA)、tert−ブチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピリジン誘導体、アニリン、アニリン誘導体、コリン、コリン誘導体、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、およびそれらの混合物。
塩基性のアミン触媒としては、エチレンジアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、またはそれらの混合物を使用するのが特に好ましい。
さらに、塩基性触媒として好ましいのは、以下のものからなる群より好ましくは選択されるアミノシランである:3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DAMEO)、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DAMO)、N−2−アミノエチル−3−アミノメチルプロピルトリエトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン(Silquest A−1130)、ビス(ガンマ−トリメトキシシリルプロピル)アミン(Silquest A−1170)、N−エチル−ガンマ−アミノイソブチルトリメトキシシラン(Silquest A−Link15)、N−フェニル−ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン(Silquest Y−9669)、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン(Silquest Y−11637)、N−シクロヘキシルアミノメチルメチルジエトキシシラン(GENIOSIL XL924)、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン(GENIOSIL XL926)、(N−フェニルアミノメチル)トリメトキシシラン(GENIOSIL XL973)、およびそれらの混合物。
塩基性触媒として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DAMEO)、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DAMO)またはそれらの混合物を使用するのが特に好ましい。
塩基性触媒として、少なくとも1種のアミンと少なくとも1種のアミノシランとの混合物を使用することもまた可能であるのは、言うまでもないことである。
無機塩基は、以下のものからなる群より選択するのが好ましい:アンモニア、ヒドラジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、およびそれらの混合物。
この文脈においては、アンモニアおよび/またはヒドラジンを使用するのが特に好ましく、アンモニアを使用するのがさらに好ましい。
酸化ケイ素は、好ましくはSiOである。ゾルゲルプロセスによって製造されるSiOが非晶質であることは公知である。それは、かなりの分率の結合水を有している。この水は、SiOの内部に挟み込まれていてもよい。さらに、酸化ケイ素には、ある分率で、加水分解されていないアルコキシ基が含まれることも可能である。
酸化ケイ素、好ましくはSiOを製造するには、アルコキシシランを使用するのが好ましい。
本発明において使用されるアルコキシシランには、好ましくは、ジ−、トリ−および/またはテトラアルコキシシランが含まれる。テトラアルコキシシランが特に好ましい。テトラアルコキシシランを使用する場合、加水分解の結果として4個のシラノール基が生成するが、それらは、縮合によって、高度な架橋、すなわち、良好なバリヤー効果を有する酸化ケイ素コーティング、好ましくはSiOコーティングを作り出す。ジ−またはトリアルコキシシランを使用する場合には、したがって、加水分解によって2個または3個のシラノール基が生成し、それらが縮合してSi−O−Siネットワークを形成することが可能である。ジ−またはトリアルコキシシランを使用すれば、酸化ケイ素コーティングの中に有機基、たとえばアルキル基、またはポリマーを導入して、無機−有機ハイブリッド層を形成させることが可能となる。ジ−またはトリアルコキシシランは、オルガノシロキサンとも呼ぶことができる。
本発明におけるアルコキシシランは、少なくとも1個のアルコキシ基を有する任意のモノマー性もしくはポリマー性のケイ素化合物である。使用するのに有利なテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、およびそれらの縮合物またはこれらの混合物が挙げられる。
テトラアルコキシシランとして使用するのに特に有利なものは、テトラエトキシシランおよび/またはテトラエトキシシランのオリゴマーである。
アルコキシシラン(1種または複数)、好ましくはテトラアルコキシシラン(1種または複数)を使用すると特に有利なのは、塩が生成しないことである。このことは、環境的にも、およびゾルゲル反応の際に起こりうる凝集過程に関してもいずれにも有利であるが、その理由は、塩は顔料粒子の静電的安定化を妨害するからである。
また別な利点は、ハロゲン化ケイ素を使用した場合とは対照的に、ハライド、たとえば塩化物イオンの放出がないことにある。ハロゲン化物イオンは、知られているように、金属の腐食を促進する可能性がある。
本発明において使用されるハロゲン化ケイ素には、好ましくは、ジ−、トリ−および/またはテトラハロゲン化ケイ素が含まれる。テトラハロゲン化ケイ素が特に好ましい。ジ−、トリ−および/またはテトラアルコキシシランに関連して先に挙げたコメントが、同様に適用される。
本発明におけるハロゲン化ケイ素は、少なくとも1個のハライド基を有する任意のモノマー性もしくはポリマー性のケイ素化合物である。
使用されるハロゲン化ケイ素がテトラハロゲン化ケイ素であれば好ましい。使用されるテトラハロゲン化ケイ素は、好ましくは四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素もしくはそれらの混合物、またはこれらの化合物の混合ハライドである。
酸化ケイ素、好ましくはSiOを用いてコーティングするためには、撹拌しながらメタリック効果顔料を有機溶媒中に分散させ、その反応混合物を、好ましくは昇温させ、そして好ましくは水を添加する。次いで、第一の触媒、すなわち変法に応じて酸または塩基を添加し、さらに好ましくはアルコキシシランを添加し、そして第一の反応時間が経過してから、第二の触媒、すなわち変法に応じて塩基または酸を添加する。第二の反応時間の間、その混合物をこれらの条件下に置いておく。次いで、場合によっては、表面改質剤を添加することも可能である。その混合物を好ましくは室温にまで冷却し、コーティングされたメタリック効果顔料のほとんどを溶媒から分離して、メタリック効果顔料のフィルターケーキを形成させる。
従来から採用されてきた、メタリック効果顔料の塩基性ゾルゲルコーティングの実質的な欠点は、得られるコーティングされたメタリック効果顔料の性能特性、特に適用媒体中、たとえば顔料処理された水性塗料中での隠蔽力および腐食安定性に関して、欠けていたり、バランスが崩れていたりすることである。
知られているように、水性適用媒体中におけるメタリック効果顔料、より具体的にはアルミニウム効果顔料の部分における腐食安定性が不十分であると、水との反応が起こり、水素が発生し、そのメタリック効果顔料が破壊される。わずかな腐食であっても、光学特性、より具体的には鏡面光沢が損なわれる。
顔料処理された媒体の不透明性または隠蔽力は、基材における色または色の差を隠すための顔料処理された媒体の能力を意味している(DIN 55987)。
メタリック効果顔料、より具体的にはアルミニウム効果顔料の光学的外観に関しては、顔料処理を伴う用途における一つの重要な光学的評価基準は、その顔料の粒子サイズおよびその分布(粒子サイズ分布として知られている)である。
メタリック効果顔料調製物、より具体的にはアルミニウム効果顔料調製物の光学的外観を特徴付ける隠蔽力または不透明性は、粒子サイズ分布の幅が拡がるほど増大するが、その理由は、この場合、含まれる微細画分の量が次第に大きくなっているからである。一般的に言って、隠蔽力または不透明性は、メタリック効果顔料調製物中のメタリック効果顔料の微細さが増すほど、向上する。
メタリック効果顔料は、D50が好ましくは2〜75μm、より好ましくは2〜30μm、特に好ましくは2.5〜20μm、極めて好ましくは2.5〜12μmの粒子サイズ分布を有している。
従来からの製品の場合には、メタリック効果顔料が微細であるほど、コーティングしていないその出発物質に比較して、不透明性の損失が大きくなる。驚くべきことには、本発明のメタリック効果顔料は、特にこれら比較的微細な顔料の場合において、改良された不透明性を示す。
本発明の方法において出発顔料として使用するメタリック効果顔料は、アルコキシシラン、好ましくはテトラアルコキシシランを含む溶媒混合物の中に分散させるのが好ましいが、この混合物は、有機溶媒と場合によっては水とからなっているか、またはそれらを含む。有機溶媒中にメタリック効果顔料を分散させ、場合によってはその分散体を加熱して反応温度とした後に、酸性触媒、好ましくは有機もしくは無機の酸(1種または複数)を添加するのが好ましい。加水分解のために必要とされる水は、有機溶媒の中に予め存在していてもよいし、あるいは時間的に後になってから添加してもよい。
次いで、本発明の方法の第二の工程をスタートさせるために、メタリック効果顔料、アルコキシシラン、好ましくはテトラアルコキシシラン、水、および酸(1種または複数)を含む反応混合物の中に、有機または無機の塩基(1種または複数)を塩基性触媒として導入する。
使用される有機溶媒は、好ましくは、アルコール、グリコール、エステル、ケトン、およびこれらの溶媒の混合物である。アルコールもしくはグリコールまたはそれらの混合物を使用するのが特に好ましく、アルコールを使用すればとりわけ好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、N−プロパノール、T−ブタノール、N−ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、またはそれらの混合物を使用するのが有利である。
エタノールおよび/またはイソプロパノールを使用するのが特に好ましい。
グリコールとしては、ブチルグリコール、プロピルグリコール、エチレングリコール、またはそれらの混合物を使用するのが有利である。
酸化ケイ素、好ましくはSiOを用いてコーティングするためには、20℃から、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点までの範囲内の温度で、存在している反応混合物を反応させるのが好ましい。その反応温度が、50℃から、それぞれの溶媒または溶媒混合物の沸点より好ましくは5℃下までの範囲内であれば、特に好ましい。酸化ケイ素、好ましくはSiOを用いたコーティングで好ましい反応温度範囲は、75℃〜82℃の温度範囲である。
本発明の方法において酸化ケイ素、好ましくはSiOでコーティングする際の、第一段および/または第二段における反応時間は、それぞれの場合において、好ましくは2〜20時間、より好ましくは3〜8時間の範囲内に設定する。
本発明に従ってコーティングされ、場合によっては表面改質されたメタリック効果顔料、好ましくはアルミニウム効果顔料は、反応混合物から分離され、次いでその目的とする用途に送ることができる。たとえば、本発明のメタリック効果顔料は、パウダーまたはペーストとしてさらに加工することも可能であり、次いで、インキ、印刷インキ、塗料、プラスチック、化粧品などの中に導入することができる。
本発明はさらに、粉体、乾燥製品またはペーストの形態にあり、そして酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中および/または上に、および/またはペーストの溶媒の中に、
0.01%〜1重量%の有機および/または無機酸
および
0.01%〜1重量%の有機および/または無機塩基
が存在している(重量%の数字は、顔料の全重量を基準にしたものである)という事実を特徴としている本発明のメタリック効果顔料を提供する。
本発明の乾燥製品は、たとえば粒状物、ペレット、ソーセージ状物、タブレット、ブリケットなどの形態をとっていてよい。乾燥製品が、低ダストまたはダストフリーなメタリック効果顔料調製物の形態をとっていてもよい。この場合の残存湿分含量は、0.5%から29重量%まで、好ましくは1%から24重量%まで、より好ましくは3%から14重量%まで、さらにより好ましくは4%から9重量%までの範囲であってよいが、これらの数字は、それぞれの場合において乾燥製品の全重量を基準にしたものである。乾燥製品には、好ましくは、さらに、バインダー、一般的に有機ポリマー(1種または複数)および/または樹脂(1種または複数)、ならびにさらに場合によっては、添加剤(1種または複数)が含まれる。乾燥製品中のバインダーの量は、それぞれの場合において乾燥製品の全重量を基準にして、好ましくは0.5%〜20重量%、より好ましくは1%〜5重量%の範囲である。
この場合の酸および/または塩基は、少なくとも部分的にイオンの形態、たとえば塩の形態にあってもよい。その塩基はさらに、少なくとも部分的に、酸性のシラノール基(Si−OH)を有する塩の形態にあってもよい。
これらの特徴は、酸化ケイ素、好ましくはSiOを適用するための二段工程法では当然の結果である。有機および/もしくは無機酸の濃度、ならびに有機および/もしくは無機塩基の濃度は、互いに独立して、顔料の全重量を基準にして、特に好ましくは0.015%〜0.5重量%、極めて好ましくは0.015%〜0.2重量%である。酸化ケイ素を適用するための二段工程法に照らして、酸および/または酸アニオンだけではなく、塩基もまた、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中および/または上に位置する。これらの成分は、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中に吸着されるかおよび/または包み込まれた触媒残存物である。
酸および塩基は、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中に主として存在しているのが好ましい。
本発明のメタリック効果顔料がペーストの形態にあるならば、酸および/または塩基はさらに、主としてこのペーストの溶媒中に存在していてもよい。したがって、ペーストの溶媒はまた、最初には主として酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中に存在している酸および/または塩基を、その層から浸出させてもよい。このことが起こりうるのは、特に、本発明のメタリック効果顔料をある程度の期間貯蔵した後であって、それらの酸および/または塩基の、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の上へのその後の表面吸着が可能である場合である。
本発明の文脈においてペーストは、本発明のメタリック効果顔料と溶媒とを含む混合物であって、ペーストを基準にして、メタリック効果顔料の量が好ましくは5%〜80重量%であり、そしてメタリック効果顔料と溶媒の量が好ましくは少なくとも95重量%である。
本発明のメタリック効果顔料の性質、より具体的には比表面積およびさらには表面特性、そして恐らくは溶媒の性質に依存して、その調製物は、乾燥調製物またはペーストの形態をとってもよい。
ペースト中のメタリック効果顔料の量は、その比表面積に強く依存する。たとえばPVD顔料のように、100nm未満の平均厚みを有する極めて薄いメタリック効果顔料をペーストの形状で得たいのならば、この目的のためには極めて高い溶媒の分率が必要である。したがって、そのような顔料の量は、ペーストの全重量を基準にして、好ましくは5%〜30重量%、より好ましくは10%〜20重量%である。
これらのようなペーストは常に、後にそのメタリック効果顔料を適用するための前駆製品としてみなすべきである。
100nmを超える平均厚みを有する厚いメタリック効果顔料では、それぞれの場合においてペーストの全重量を基準にして、20%を超えて80重量%まで、好ましくは30%〜75重量%、より好ましくは50%〜70重量%のメタリック顔料含量であれば、一般的には十分である。
ペーストはさらに、たとえば添加剤のような、さらなる成分を含んでいてもよい。しかしながら、これが最終適用物(配合物)ではないので、さらなる成分の分率は低い。したがって、ペースト中のメタリック効果顔料および溶媒の量は、それぞれの場合においてペーストの全重量を基準にして、好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%である。
ペースト中に存在している溶媒は、好ましくは、塗料および印刷インキ業界でなじみのある溶媒である。本発明のメタリック効果顔料の主たる最終用途が水性の塗料または印刷インキとしてであるので、特に好ましいペーストは、その中で溶媒が、水を含むか、または水からなっているものである。本発明のペーストの水の分率は、ペースト中の溶媒の重量を基準にして、好ましくは20%〜100重量%、より好ましくは30%〜90重量%、極めて好ましくは40%〜80重量%である。これらのようなペーストは、そのVOCの分率が低いために、環境的な理由から特に好ましい。
酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中に存在している酸および塩基の残存物は、一般的には、それぞれの場合において、1重量%以下の量である。このことは、先に述べたような反応が有機溶媒と水との混合物の中で起きているという事実に帰することができる。一般的に言って、酸および/または塩基として使用された触媒の大部分は、この溶媒混合物の中に溶解する。したがって、顔料の中に含まれる触媒の分率は、採用した触媒全体のほんのわずかな分率にしか相当しない。
有機酸および/またはそのアニオンは、長鎖脂肪酸、すなわち、12〜30個のC原子を有するかまたは14〜22個のC原子を有する飽和もしくは不飽和の脂肪酸を含まない。そのような脂肪酸は、メタリック顔料を研磨する際の潤滑剤として使用される。したがって、製造プロセスの結果として、研磨によって製造されたメタリック効果顔料ならばいずれも、これらの脂肪酸を含んでいるであろう。酸化ケイ素、好ましくはSiOのコーティング操作の間に、金属の表面に結合していた脂肪酸のほとんどが脱離する。しかしながら、ある程度の分率でそれらが酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中に組み入れられたり、あるいは、コーティング手順が終わった後に顔料の表面の上に吸着されていたりする場合がある。
しかしながら、それらの酸強度が低いため、および立体的遮蔽性が高いために、これらの長鎖脂肪酸は、ゾルゲル法において酸化ケイ素層、好ましくはSiO層を形成させるための触媒としては使用されない。
したがって、本発明においては、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中および/または上に前述の割合で存在している酸および塩基は、ゾルゲルプロセスにおいて酸化ケイ素を堆積させるための触媒として使用されるもののみを含むと理解されたい。
好ましい酸または塩基は、すでに先に述べたような化合物である。
塩基性触媒としてのアミノシランの場合においては、これは、バインダーに対してメタリック効果顔料を効果的に付着させることを目的とした、表面改質剤としても一般的に使用されているということに注意されたい。しかしながら、その目的のためには、通常、メタリック効果顔料を基準にして少なくとも1重量%の量で使用される。
塩基および/または酸の分析的な検出は、ガスクロマトグラフィーおよび質量分析によって実施するのが好ましい。この場合においては、好ましい方法では、コーティングされたメタリック効果顔料を適切な有機溶媒の中に加え、超音波浴中で室温または少し高い温度で少なくとも15分間処理し、内部標準としてのたとえばヘキサデカンと混合する。遠心分離によって固形物を除去し、その上澄み溶液をガスクロマトグラフのための注入溶液として使用する。上澄み溶液は、場合によっては、検出するべき酸または塩基の濃度があまりにも低すぎるようならば、適切な方法で濃縮してもよい。
検出するべき酸および/または塩基が不明な場合には、好ましくはGC/MSによって定性検出を行う。この場合、中程度の極性のカラムを使用するのが好ましい。DB5と呼ばれるこうしたカラムは、典型的には、5%のジフェナールと95%のジメチルポリシロキサンを充填したものである。
検出するべき物質が既知であるのならば、ガスクロマトグラフィーによってそれらを定量的に測定することができる。この場合においては、無極性のカラムを使用するのが好ましい。当業者に公知の通常の方法で、較正を行う。DB1と呼ばれるこうしたカラムは、典型的には、100%ジメチルポリシロキサンで充填されている。適切な検出系は、水素炎イオン化検出器(FID)である。ガスクロマトグラフで設定する正確なパラメーター(たとえば、カラムの長さおよび太さ、カラム圧力など)は、当業者には公知である。使用するガスクロマトグラフは、好ましくは、GC/FID Autosystem XL(Perkin Elmer製)である。
酸および塩基はさらに、他の質量分析法、たとえばTOF−SIMSによって測定してもよい。この場合においては、酸化ケイ素層、好ましくはSiO層の中に存在している触媒の残存量も同様に検出できるようにするためには、サンプルの連続的な侵食性スパッターが必要かもしれない。その方法は、塩基性触媒としてアミノシランが使用されている場合に好適に適用することが可能であるが、その理由は、このアミノシランは、もともと酸化ケイ素層、好ましくはSiO層に対して共有結合しているので、抽出によってそれから浸出させる必要がないからである。
本発明のメタリック効果顔料は、化粧品、プラスチック、およびコーティング組成物、好ましくはインキ、印刷インキ、塗料またはパウダーコーティング材料において用途を見出している。この文脈においては、水性塗料、水性印刷インキまたは化粧品が特に好ましい。
本発明のメタリック効果顔料は、通常の方法で個々の適用媒体の中に組み入れられる。次いで、そのように顔料処理されたこれらの適用媒体を用いて物品をコーティングしてもよい。前記物品としては、たとえば、車体、建築用の表面素材などが挙げられる。
プラスチックの場合においては、本発明のメタリック顔料を、着色のために、適用媒体の中に大量に組み入れてもよい。その物品は、本発明のメタリック効果顔料を有するかおよび/または含む。
以下の実施例および図1を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、それらによって本発明が限定されるものではない。
本発明実施例1〜3および比較例1〜3に従ってコーティングされたアルミニウム効果顔料の隠蔽力(不透明性)、ならびにMerck、Darmstadt、GermanyのWO 03/014228 A1の教示に従ってコーティングされたアルミニウム効果顔料との比較を示す図である。
本発明実施例1:
市販の、Eckart GmbH、Hartenstein、Germany製のSTAPA METALLUX 3580シリーズ(サイズ分布;d10=7.5μm、d50=12.1μm、d90=18.7μm:固形分含量;ペーストの全重量を基準にして60重量%)のアルミニウム効果顔料ペースト150gを、500mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。30分の間にその顔料分散体に、それぞれの場合において互いに独立して、0.54gのリン酸(85%強度;Merck、Darmstadt、Germany)(15gの水における溶液)を、そして2.25gの硫酸鉄(II)七水和物(15gの水における溶液)を連続的に添加した。30分後に、45gのテトラエトキシシランおよび0.4gのシュウ酸(15gの水における溶液)を添加し、その混合物を78℃でコンディショニングさせた。さらなる添加をすることなく4時間撹拌した後に、そのバッチをさらに4時間撹拌したが、この間2時間おきに、1.5gのエチレンジアミンの溶液(13gのイソプロパノール中)を添加した。さらに1時間後、ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.3gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いでその反応混合物を冷却して室温とし、ブフナーロートを通して吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=8.1μm、d50=13.0μm、d90=19.3μmのサイズ分布を有していた。
EDX(12KV)により求めた顔料コーティングの元素比率(単位;原子パーセント):
Si:80.5%
P: 6.6%
Fe:12.9%
EDXによるケイ素、リン、および鉄の定量分析
顔料コーティングの元素組成は各種の方法によって求めることができる。元素コーティングは、EDX分析(エネルギー分散型X線分析)によって求めるのが好ましい。この場合、これは、電子顕微鏡と一体化された装置、たとえば、EDAXからのEDAX Genisis、version3.60を使用して実施する。
分析手順を以下に示す:EDX分析法においては、電子顕微鏡の撮像電子ビームが、そのエネルギーおよび物質に応じて、サンプルの表面の中にある距離まで浸透し、そのエネルギーをそこに位置している原子に与える。ビーム電子のエネルギーが高いために、励起された原子の原子核に近い殻(K殻またはL殻)から電子が放出される。この操作で、二重機構によりX線が発生する。電子の鋭い制動によって、連続的に分布されたX線放射(制動放射)が発生し、殻の再充填によって、不連続なX線スペクトル、すなわちその原子に特徴的な線形スペクトルが生成する。これらの線形スペクトルによって、元素の明確な同定が可能となる。
分析中のサンプルから放出されるX線放射スペクトルを、エネルギー分散型X線分光器により測定する。そのスペクトルは、制動放射のバックグラウンドと一連のX線スペクトル線とから構成されている。それらの線の位置から放射元素を決めることが可能となり、線の高さが、サンプル中のそれらの相対的な量の目安となる。
EDX元素分析においては、元素の量の正確な測定のために観察するべきいくつかの境界条件が存在している。分析のためのサンプルは、以下の要件を備えていないといけない:
a)それらの組成が均質であること、
b)撮像電子ビームがサンプルの内部に完全に吸収されるのに十分な厚みを有していること、および
c)マトリックスおよび/または基材の攪乱効果がなく、電子ビームに自由にアクセス可能であること。
元素の原子番号が高いほど、核に近い電子の結合が強い。したがって、原子番号と共に、必要とされるイオン化エネルギーも高くなる。電子ビームの運動エネルギーを、分析する元素に合わせてやらなければならない。しかしながら、分析中の物質の中への電子ビームの浸透の深さは、そのエネルギーに依存する。電子ビームは、西洋梨型の構造を有する強度分布(西洋梨型の励起雲とも呼ばれる)でサンプルに浸透する。薄い層を分析する場合には、高エネルギーの電子でそれらが容易に破壊されるということに注意しなければならない。薄い層(250nm未満の範囲)を測定する場合、その運動エネルギーはほんの数KeVの量でなければならない。したがって、より重い元素の場合においては、その代わりに、より高い殻を励起させる。その場合、元素のL線またはM線を評価することにより分析する。
詳細に述べると、薄い層の、微小板形状の顔料を分析するための手順は以下のとおりである。
分析に先立って、EDX測定ユニットを、適切な市販されているASTIMEXからの標準品を使用して較正しておく。
電子顕微鏡画像によって、調べる対象となる層の厚みを確認しておかなければならない。比較的高い電圧(約10〜20kV)を用いた元素分析によって、分析中のサンプルの中に存在する元素すべて、さらにはその下にある基材中に位置するさらなる元素についての情報が得られる。その厚みと層の元素組成とから、モンテカルロシミュレーション(プログラム:EDAX International製のEDAX Flight−E、version3.1−E)が、層の容積が浸透してきた電子ビームによって完全に充満されているが、まだ破壊にまでいたっていないという時点での電子エネルギーを決定する。その状態では、西洋梨型の励起雲の容積が最大となっている。
次のステップにおいては、この照射エネルギーでX線ラインが励起されているかどうか、励起されているならどのX線ラインかを調べる。そのスペクトル線に適切であるならば、動力学的励起エネルギーを当てはめる。
そのようにして求めたパラメーターを用いてまず最初のサンプルの測定を実施し、解析する。そのスペクトルの中に基材の元素のX線ラインが見られるような場合には、その照射エネルギーの設定が高すぎるのだから、修正する。
次いで、段階的に照射電圧を高くしながら、その層について一連の測定を実施して、評価する。見出された元素の量がわずかな変動しかないようにするべきである。分析において、電圧を上げるにつれて軽元素の分率が顕著な低下を示すような場合には、その照射エネルギーが高すぎるので、下げてやる。
このようなやり方で求めた最適なパラメーターを用いて、層の複数の位置での測定を実施し、元素の量を確定する。
カルボン酸および/またはアミンの残存量の定量分析:
カルボン酸は、ガスクロマトグラフィーにより、内部標準を使用して定量する。この目的のために、コーティングされたメタリック効果顔料ペーストのサンプルを、カルボン酸の定量の場合には所定量のアセトンの中に、アミンの定量の場合には所定量のエタノールの中に加え、次いで超音波浴中で15分間処理し、内部標準としてのヘキサデカンを混合した。遠心分離によって固形物を除去し、その上澄み溶液を、ガスクロマトグラフ(GC/FID Autosystem XL(Perkin Elmer))のための注入溶液として使用した。カルボン酸含量は、以下の概略パラメーターを用いて分析した。
カラム:30mのOV101、0.53mm
温度プログラム:45℃1分間等温、5℃/分で180℃
注入部:250℃
検出器:320℃
EDAの定量分析:
サンプルは上と同様にして調製した。ガスクロマトグラフ(GC/FID Autosystem XL(Perkin Elmer))に、以下の概略パラメーターを適用した。
カラム:30mのOV101、0.53mm
温度プログラム:75℃、10℃/分で200℃
注入部:250℃
検出器:320℃
それぞれの場合において、コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.01重量%のシュウ酸および0.02%のEDAが検出された。
本発明実施例2:
市販の、Eckart GmbH、Hartenstein、Germany製のSTAPA METALLUX 2156シリーズ(サイズ分布;d10=9μm、d50=17μm、d90=28μm:固形分含量;ペーストの全重量を基準にして70重量%)のアルミニウム効果顔料ペースト261gを、300mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。30分かけてその顔料分散体に、それぞれの場合において互いに独立して、0.54gのリン酸(85%強度;Merck、Darmstadt、Germany)(15gの水における溶液)を、そして2.25gの硫酸鉄(II)七水和物(15gの水における溶液)を連続的に添加した。30分後に、45gのテトラエトキシシランおよび0.4gのシュウ酸(15gの水における溶液)を添加し、その混合物を78℃でコンディショニングさせた。さらなる添加をすることなく4時間撹拌した後に、そのバッチをさらに4時間撹拌したが、この間2時間おきに、1.5gのエチレンジアミンの溶液(13gのイソプロパノール中)を添加した。さらに1時間後、ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.11gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いで冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。得られた生成物は、d10=9.6μm、d50=17.5μm、およびd90=27.9μmのサイズ分布を有していた。
実施例1の記載に従ってEDX(12KV)によって求めた、顔料コーティングの元素比率(原子パーセント):
Si:82.5%
P: 6.0%
Fe:11.5%
その顔料中のシュウ酸およびEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.01重量%のシュウ酸および0.02重量%のEDAが見出された。
本発明実施例3:
市販の、Eckart GmbH、Hartenstein、Germany製のSTAPA METALLUX 8154シリーズ(サイズ分布;d10=9μm、d50=20μm、d90=32μm:固形分含量;ペーストの全重量を基準にして65重量%)のアルミニウム効果顔料ペースト250gを、600mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。30分かけてその顔料分散体に、それぞれの場合において互いに独立して、0.54gのリン酸(85%強度;Merck、Darmstadt、Germany)(15gの水における溶液)を、そして2.25gの硫酸鉄(II)七水和物(15gの水における溶液)を連続的に添加した。30分後に、45gのテトラエトキシシランおよび0.4gの酢酸(15gの水における溶液)を添加し、その混合物を78℃でコンディショニングさせた。さらなる添加をすることなく4時間撹拌した後に、そのバッチをさらに4時間撹拌したが、この間2時間おきに、1.5gのエチレンジアミンの溶液(13gのイソプロパノール中)を添加した。さらに1時間後、ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.2gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いで冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=9.6μm、d50=20.1μm、およびd90=33.1μmのサイズ分布を有していた。
実施例1の記載に従ってEDX(12KV)によって求めた、顔料コーティングの元素比率:
Si:82.5%
P: 5.5%
Fe:12.0%
その顔料中の酢酸およびEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.01重量%のシュウ酸および0.02重量%のEDAが見出された。
本発明実施例4:
300gの市販のアルミニウム効果顔料分散体(Avery Dennison、Schererville、Indiana、USA製のMetalure W−52012 ILシリーズ、ペーストの全重量を基準にして固形分含量が20重量%)を、室温で、800mLのイソプロパノールの中に分散させた。30分かけてその顔料分散体に、それぞれの場合において互いに独立して、0.24gのリン酸(85%強度;Merck、Darmstadt、Germany)(10gの水における溶液)を、そして0.84gの硫酸鉄(II)七水和物(10gの水における溶液)を連続的に添加した。30分後に、45gのテトラエトキシシランおよび3gのエチレンジアミン(40gの水における溶液)を添加し、加熱して78℃とし、この温度でさらにコンディショニングさせた。2時間後に、3gのエチレンジアミンの溶液(30gのイソプロパノール中)を添加する。さらに3時間後にこれを繰り返し、そのバッチを78℃でさらに4時間撹拌する。ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、3.0gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いで冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
ガス発生試験(説明は以下を参照):
30g/0mL(d:日)
実施例1の記載に従ってEDX(12KV)によって求めた、顔料コーティングの元素比率:
Si:91.0%
P: 3.7%
Fe: 5.3%
その顔料中のEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.04重量%のEDAが見出された。
本発明実施例5:
市販の、Eckart GmbH、Hartenstein、Germany製のSTAPA METALLUX 3580シリーズ(サイズ分布;d10=7.5μm、d50=12.1μm、d90=18.7μm:固形分含量;ペーストの全重量を基準にして60重量%)のアルミニウム効果顔料ペースト150gを、500mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。1時間後に、その顔料分散体に、5.10gの酢酸バリウム(Merck、Darmstadt、Germany)(15gの水における溶液)を、1時間かけて連続的に添加した。30分後に、45gのテトラエトキシシランおよび2.00gの濃硫酸(15gの水における溶液)を添加し、その混合物を78℃でコンディショニングさせた。さらなる添加をすることなく4時間撹拌した後に、そのバッチをさらに4時間撹拌したが、この間2時間おきに、2.0gのエチレンジアミンの溶液(13gのイソプロパノール中)を添加した。さらに1時間後、ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.3gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いで冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=8.5μm、d50=14.1μm、およびd90=19.6μmのサイズ分布を有していた。
EDX(12KV)により求めた顔料コーティングの元素比率:
Si:81.8%
S: 7.1%
Ba:11.1%
その顔料中のEDAの残存量を、上述の方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.01重量%のEDAが見出された。
本発明実施例6:
市販の、Eckart GmbH、Hartenstein、Germany製のSTAPA METALLUX 3580シリーズ(サイズ分布;d10=7.5μm、d50=12.1μm、d90=18.7μm:固形分含量;ペーストの全重量を基準にして60重量%)のアルミニウム効果顔料ペースト150gを、500mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。2時間後に、それぞれの場合において互いに独立して、0.54gのリン酸(85%強度;Merck、Darmstadt、Germany)(15gの水における溶液)および2.17gの硫酸亜鉛七水和物(15gの水における溶液)を、同時にその顔料分散体の中に連続して1時間かけて導入した。30分後に、45gのテトラエトキシシランおよび0.4gのシュウ酸(15gの水における溶液)を添加し、その混合物を78℃でコンディショニングさせた。さらなる添加をすることなく4時間撹拌した後に、そのバッチをさらに4時間撹拌したが、この間2時間おきに、1.5gのエチレンジアミンの溶液(13gのイソプロパノール中)を添加した。さらに1時間後、ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.3gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いで冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=8.2μm、d50=13.5μm、およびd90=19.6μmのサイズ分布を有していた。
EDX(12KV)により求めた顔料コーティングの元素比率:
Si:83.5%
P: 5.6%
Zn:10.9%
その顔料中のシュウ酸およびEDAの残存量を、上述の方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.01重量%のシュウ酸および0.01重量%のEDAが見出された。
比較例1:
150gの本発明実施例1で使用したSTAPA METALLUX 3580アルミニウム効果顔料ペーストを、500mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。30分後に、45gのテトラエトキシシランを添加し、その混合物を加熱して78℃とし、その温度でコンディショニングさせた。次いで、1.8gのエチレンジアミン(EDA)の溶液(45gの水中)を添加し、その反応混合物を3時間撹拌した。次いで、その反応混合物に、1.7gのエチレンジアミンの溶液(18.6gのイソプロパノール中)を添加し、それを7時間撹拌した。ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.2gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加した。得られたメタリック効果顔料混合物を冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=10.3μm、d50=15.6μm、およびd90=22.4μmのサイズ分布を有していた。
その顔料中のEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.02重量%のEDAが見出された。
比較例2:
150gの本発明実施例2で使用したSTAPA METALLUX 2156アルミニウム効果顔料ペーストを、350mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。30分後に、45gのテトラエトキシシランを添加し、その混合物を加熱して78℃とし、その温度でコンディショニングさせた。次いで、1.7gのエチレンジアミンの溶液(45gの水中)を添加し、その反応混合物を7時間撹拌した。次いで、その反応混合物に、1.7gのエチレンジアミンの溶液(18.6gのイソプロパノール中)を添加し、それを3時間撹拌した。ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.2gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加した。得られたメタリック効果顔料混合物を冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=12.8μm、d50=20.6μm、およびd90=31.4μmのサイズ分布を有していた。
その顔料中のEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.02重量%のEDAが見出された。
比較例3:
250gの本発明実施例3で使用したSTAPA METALLUX 8154アルミニウム効果顔料ペーストを、600mLのイソプロパノールの中に室温で分散させた。30分後に、45gのテトラエトキシシランを添加し、その混合物を加熱して78℃とし、その温度でコンディショニングさせた。次いで、2.0gのエチレンジアミンの溶液(60gの水中)を添加し、その反応混合物を7時間撹拌した。次いで、その反応混合物に、2.0gのエチレンジアミンの溶液(39gのイソプロパノール中)を添加し、それを3時間撹拌した。ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、1.2gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加した。得られたメタリック効果顔料混合物を冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=10.3μm、d50=20.2μm、およびd90=33.0μmのサイズ分布を有していた。
その顔料中のEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.02重量%のEDAが見出された。
比較例4(WO 03/014228 A1によるもの)
ガラスビーカーの中で15分かけて、83.3gのSTAPA METALLUX 3580を500mLのアセトンの中に前分散させた。次いで、1gのリン酸(85%強度)を添加した。その混合物を室温で30分間撹拌した。撹拌時間の終了後、そのバッチの中の固形物を、ブフナーロートで吸引濾過し、300gのアセトンを用いて洗浄した。得られた固形物を850gのエタノールの中に加え、197.5gの水および22.4gのアンモニア溶液(水中25%強度)と混合した。次いで、その得られた溶液を加熱して65℃とし、35.2gのテトラエトキシシラン(76mLのエタノール中)と混合した。ゾルゲル反応(7時間)が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、3.0gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加した。その溶液をさらに13時間撹拌し、その後、ブフナーロートで顔料を吸引濾過した。
得られた生成物は、d10=13.5μm、d50=31.0μm、d90=61.8μmのサイズ分布を有していた。
比較例5(PVD)
300gの市販のアルミニウム効果顔料ペースト(Avery Dennison、Schererville、Indiana、USA製のMetalure W−52012 ILシリーズ、ペーストの全重量を基準にして固形分含量が20重量%)を、室温で、800mLのイソプロパノールの中に分散させた。30分の分散時間の後、45gのテトラエトキシシランおよび3.0gのエチレンジアミン(40gの水の中)を添加し、その混合物を加熱して78℃とし、その後その温度でコンディショニングさせた。3時間後に、3.0gのエチレンジアミンの溶液(30gのイソプロパノール中)を添加した。さらに3時間後にこれを繰り返し、そのバッチを78℃でさらに4時間撹拌した。ゾルゲル反応が終了してから、有機化学的アフターコーティングのために、3.0gのDynasylan AMMO(Degussa AG、Rheinfelden、Germanyから入手可能)を添加し、そのバッチを15分間撹拌した。次いで冷却して室温とし、ブフナーロートで吸引濾過した。
その顔料中のEDAの量を、実施例1において記載した方法によって定量した。コーティングされたアルミニウム顔料の重量を基準にして、0.03重量%のEDAが見出された。
ガス発生試験:
コーティングされたメタリック効果顔料すべてを、2種類のガス発生試験にかけた。ガス発生試験1のためには、8.6gのペーストの形態のコーティングされたAl顔料を、315gの無色水性混合ワニス(ZW42−1100、BASF Wuerzburg)の中に組み込み、ジメタノールエタノールアミンを使用して8.2のpHとした。300gのこの塗料をガス洗浄ビンの中に導入し、これを、二室式のガスバブルカウンターを用いて封じた。ガスバブルカウンターの下側室の中で置き換えられた水の容積に基づいて、発生したガスの容積を読み取った。ガス洗浄ビンは湯浴の中40℃でコンディショニングさせ、最大30日かけて試験を実施した。30日後に10.5mL以下の水素しか発生しなかった場合に、その試験での合格とする。
メタリック効果顔料の耐食性を求めるための、さらなるガス発生試験である試験2には、酸化鉄とブレンドすることが含まれる(赤色酸化鉄ガス発生試験、BASF)。この目的のためには、9.75gのアルミニウム(ペーストの固形分含量から計算)、19.5gの赤色酸化鉄着色ペースト、19.5gのブチルグリコール、および15gのバインダーからペーストを調製する。23gのこのペーストをワニス混合物(BASF、Wuerzburg製)の中に導入し、pHを8.0に調節する。300gの得られた塗料をガス洗浄ビンの中に導入し、二室式のガスバブルカウンターを用いて封じる。ガスバブルカウンターの下側室の中で置き換えられた水の容積に基づいて、得られたガスの容積を読み取った。ガス洗浄ビンは湯浴の中40℃でコンディショニングさせ、最大56日かけて試験を実施した。56日後に5mL以下の水素しか発生しなかった場合に、その試験での合格とする。
表1に、本発明実施例1〜6および比較例1〜4において製造された顔料について、出発顔料およびコーティングされた顔料の粒子サイズ分布、ガス発生試験における顔料の抵抗性を示す。
不透明性:
本発明実施例および比較例のアルミニウム効果顔料の隠蔽力(不透明性)を評価するために、それらのナイフドローダウン物(Erco Bronzemischlack RE2615 Farblos[無色ブロンズ混合ワニス]中それぞれの場合において、コーティングされたメタリック効果顔料5重量%での顔料処理、湿膜厚み:50μm)を、市販のブラック/ホワイト不透明性チャート(タイプ24/5、250cm、Erichsen GmbH&Co KG、Hemer−Sundwig)の上に形成させ、次いで、X−Riteから市販されている測定装置を使用し、視角110度、入射光角45度での測色試験にかけた。不透明性の尺度は、不透明性チャートのブラック側からホワイト側へのこの測定角での明度値の比率であった。図1において、各種のサンプルについて、このパラメーターをグラフ表示している。
測定された明度の比率が数値1に近いほど、不透明性が良好である。
さらに、レーザー粒度測定法を使用して、本発明実施例および比較例のアルミニウム効果顔料のサイズ分布の従来法による測定を行った。これは、Cilas 1064装置(Cilas、France)を使用して実施した。表1に、相当する累積篩下曲線のd10(微細画分)、d50(平均)、およびd90(粗画分)の通常の特性値を示す。これらの数値は、相当球の容積平均値を表している。
表1から、使用したアルミニウム顔料のそれぞれと、その後に本発明の方法を用いてコーティングされたアルミニウム効果顔料(本発明実施例1〜6)との間の粒子サイズ分布の差がほんのわずかであることが明らかである。比較例の場合においては、使用したアルミニウム効果顔料と、コーティングの後で得られたアルミニウム効果顔料との間のサイズ分布の差が、実質的にもっと大きい。これの原因は、メタリック効果顔料粒子の凝集の増大に帰することができる。
粒子サイズ分布において変化が小さいということは、本発明のアルミニウム効果顔料の不透明性が、従来の方法でコーティングされたアルミニウム効果顔料に比較して、コーティングによる悪影響を実質的に受けず、従って、比較例において得られたコーティングされた顔料の場合よりもかなり良好であるということを意味している。いくつかの本発明実施例および比較例について、アルミニウム効果顔料の不透明性を図1に示している。この場合において特に注目すべきは、WO 03/014228 A1に基づく方法によって実施した比較例4の場合には、(本発明実施例1および比較例1に比較して)不透明性が極めて劣ることである。
さらに、慣用されるゾルゲル法によってコーティングされたアルミニウム効果顔料に比較して、本発明のアルミニウム効果顔料は、表1から明らかなように、顕著に改良されたガス発生抵抗性を示す。ここでは、ガス発生試験における絶対値を取り上げるべきではなく、どの場合においても、一つの出発物質に対応する本発明実施例および比較例の数値を比較するべきである。比較例1、4および5の場合においては、ガス発生試験1はそれぞれ、約14日後、および約1日後または約4日後に終了しなければならなかったが、その理由は、顔料が完全に崩壊してしまって、30日間(30d)の試験を完遂できなかったからである。
ガス発生試験2においても同様に、本発明の顔料コーティングの改良された抵抗性が明らかであったが、その理由は、ガス発生試験1と同様に、すべての本発明実施例が、測定可能な水素発生がないこと(0mL、実施例1〜4の場合)かまたは許容可能な水素発生しかないこと(実施例5〜6)のいずれかを示したからである。それとは対照的に、比較例の場合においては、一つのケースでは1日後には試験を終了しなければならなかった。他の比較例においては、56日の試験期間の後では2〜7.3mLの水素発生が明らかであった。比較例のメタリック効果顔料がガス発生試験に対する抵抗性を有している場合であっても、それに相当する本発明実施例の顔料は、議論の余地がない程、より良好である。
金属カチオン、現在のところFe(III)イオンと、リン含有アニオン、好ましくはリン酸塩イオンとを用いた本発明の方法によって処理したアルミニウム効果顔料、ならびに二段工程で適用した酸化ケイ素を用いてコーティングされたアルミニウム効果顔料における、不透明性(隠蔽力)とガス発生安定性との間の良好なバランスは、おそらくは、一方では、腐食安定性(腐食に関連する安定性)が、その理由は現在までのところ不明ではあるが、特にFe(III)イオンおよびリン酸塩イオンを添加することによって向上するという事実、他方では、SiOコーティングしたにも関わらず、驚くほどに、微細画分が大きく別途保持されているという事実に帰することができ、そのために不透明性が顕著に改良されている。
実験結果の評価をまとめると、本発明の方法によりコーティングされたアルミニウム効果顔料は、従来からのゾルゲル法によりSiOを用いてコーティングされたアルミニウム効果顔料に比較して、傑出したガス発生安定性と共に不透明性(隠蔽力)の面で顕著に良好な性能特性を有していると言えよう。
たとえば光揮および明/暗フロップ性のようなさらなる光学特性の面においても、本発明のメタリック効果顔料は、各種の用途において、それぞれの場合において比較例の顔料と比較して、なんら劣るところはない。
したがって、本発明において製造されたアルミニウム効果顔料は、水性塗料系、水性インキおよび水性印刷インキのみならず、典型的には同様に水を含んでいる化粧品においても、特別な利点を有して使用することが可能である。

Claims (28)

  1. 微小板形状のアルミニウム、60%〜100重量%の銅分率を有する微小板形状のメタリック顔料、およびそれらの混合物からなる群より選択され、酸化ケイ素SiO(ここでxは1〜2の数である)のコーティングを有するメタリック効果顔料であって、コーティングされたメタリック効果顔料が、第一に金属カチオンそして第二にリンおよび/または硫黄含有アニオンを含み、金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが、それぞれの場合において、互いに独立して、メタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層SiOの中に存在し、そして、金属カチオンMCならびにリンPおよび/または硫黄Sのケイ素Siに対する原子分率における元素比率が、それぞれの場合において式(I)および(II)に従って定義され、
    100%×(MC+P)/Si (I)
    および/または
    100%×(MC+S)/Si (II)
    そして、合計して0.5%〜35%の範囲内に設定されることを特徴とする、メタリック効果顔料。
  2. 金属カチオンMCが、それぞれの場合において、5〜8のpH範囲内の水溶液中で、リン含有および/または硫黄含有アニオンと難溶性の塩を形成することが可能であることを特徴とする、請求項1のメタリック効果顔料。
  3. 金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが、主としてSiO層の中に存在することを特徴とする、請求項1および2のいずれかのメタリック効果顔料。
  4. 金属カチオンならびにリンおよび/または硫黄含有アニオンが、主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在することを特徴とする、請求項1および2のいずれかのメタリック効果顔料。
  5. 金属カチオンがリンおよび/または硫黄含有アニオンと共に、少なくとも部分的に相互に、難溶性の塩の形態で存在することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかのメタリック効果顔料。
  6. リンおよび/または硫黄含有アニオンが、主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在し、そして金属カチオンが、主としてSiO層の中に存在することを特徴とする、請求項1のメタリック効果顔料。
  7. 金属カチオンが、主としてメタリック効果顔料の表面の上に存在し、リンおよび/または硫黄含有アニオンが、主としてSiO層の中に存在することを特徴とする、請求項1のメタリック効果顔料。
  8. リン含有アニオンに対する金属カチオンが、Ag(I)、Cu(II)、Cd(II)、Cr(III)、Co(II)、Pb(II)、Hg(I)、Hg(II)、Mg(II)、Al(III)、Zn(II)、Sn(II)、Ca(II)、Sr(II)、Ba(II)、Mn(II)、Bi(III)、Zr(IV)、Ni(II)、Fe(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物、ならびにさらにはアンモニウムイオンとのそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、先行する請求項のいずれかのメタリック効果顔料。
  9. 硫黄含有アニオンとしての硫酸塩イオンに対する金属カチオンが、Ag(I)、Sb(III)、Ca(II)、Ba(II)、Sr(II)、Pb(II)、Fe(III)、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかのメタリック効果顔料。
  10. 硫黄含有アニオンとしての硫化物アニオンに対する金属カチオンが、Ag(I)、Sb(III)、Bi(III)、Cd(II)、Co(II)、Cu(II)、Ca(II)、Ba(II)、Pb(II)、Mn(II)、Ni(II)、Sn(II)、Sn(IV)、Zn(II)、Fe(II)、およびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかのメタリック効果顔料。
  11. SiO層が、SiOとして計算し、メタリック効果顔料の重量を基準にして、2重量%〜25重量%の量で存在することを特徴とする、先行する請求項のいずれかのメタリック効果顔料。
  12. メタリック効果顔料が、非焼成の酸化ケイ素層を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれかのメタリック効果顔料。
  13. メタリック効果顔料が、粉体、乾燥製品またはペーストの形態で存在し、酸化ケイ素層の中および/または上に、および/またはペーストの溶媒の中に、
    0.01%〜1重量%の有機および/または無機酸、ならびに
    0.01%〜1重量%の有機および/または無機塩基
    が存在している(重量%の数値は、顔料の全重量を基準にしたものである)ことを特徴とする、先行する請求項のいずれかのメタリック効果顔料。
  14. 有機酸が、1〜8個のC原子を含むことを特徴とする、請求項13のメタリック効果顔料。
  15. 塩基が、アミンであることを特徴とする、請求項13および14のいずれかのメタリック効果顔料。
  16. メタリック効果顔料が、全体で存在し、その全体が、少なくとも3種類の酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を含み、それらのd50径がそれぞれで2〜6μm異なり、全体からのメタリック効果顔料の最も小さいd50が5μm以下であることを特徴とする、先行する請求項のいずれかのメタリック効果顔料。
  17. 全体が、少なくとも4種類の酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を含み、それらのd50径がそれぞれで3〜5μm異なることを特徴とする、請求項16のメタリック効果顔料。
  18. 先行する請求項のいずれかの酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法であって、
    その方法が、以下の工程:
    (a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
    (b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンをメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、メタリック効果顔料の表面の上および/または酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
    (c)場合によっては、酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程、
    を含むことを特徴とする、方法。
  19. 方法が、以下の工程:
    (a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
    (b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンをメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、主として酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
    (c)場合によっては、酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程、
    を含むことを特徴とする、請求項18の酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法。
  20. 方法が、以下の工程:
    (a)メタリック効果顔料にリンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンならびに金属カチオンを、主としてメタリック効果顔料の表面の上に取り込ませる工程、
    (b)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、工程(a)に従って処理したメタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
    (c)場合によっては、酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程、
    を含むことを特徴とする、請求項18の酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法。
  21. 方法が、以下の工程:
    (a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
    (b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/もしくは硫黄含有アニオンならびに/または金属カチオンをメタリック効果顔料に添加して、リンおよび/または硫黄含有アニオンを、主として金属の表面の上に取り込ませ、金属カチオンを、主として酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
    (c)場合によっては、酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程、
    を含むことを特徴とする、請求項18の酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法。
  22. 方法が、以下の工程:
    (a)アルコキシシラン(1種または複数)および/またはハロゲン化ケイ素(1種または複数)を、有機溶媒中で触媒としての酸および/または塩基の存在下に水と反応させることを用いて、メタリック効果顔料に酸化ケイ素を適用する工程、
    (b)工程(a)より前またはその工程の間に、リンおよび/もしくは硫黄含有アニオンならびに/または金属カチオンをメタリック効果顔料に添加して、金属カチオンを、主として金属の表面の上に取り込ませ、リンおよび/または硫黄含有アニオンを、主として酸化ケイ素層の中に取り込ませる工程、
    (c)場合によっては、酸化ケイ素の表面に表面改質を施す工程、
    を含むことを特徴とする、請求項18の酸化ケイ素コーティングされたメタリック効果顔料を製造するための方法。
  23. 一方ではリンおよび/または硫黄含有アニオンの添加を、他方では金属カチオンの添加を、別々の工程で、同時的または順次的に実施することを特徴とする、請求項18〜22のいずれかの方法。
  24. 有機溶媒中におけるアルコキシシラン(1種または複数)の水との反応を用いて酸化ケイ素を適用する工程が、酸および塩基の触媒作用を受け、
    (i)反応が、第一の工程においては酸を添加し、第二の工程においては塩基を添加して実施されるか、または
    (ii)反応が、第一の工程においては塩基を添加し、第二の工程においては酸を添加して実施される、
    ことを特徴とする、請求項18〜23のいずれかの方法。
  25. 酸が、有機酸であり、1〜8個のC原子を含むことを特徴とする、請求項18〜24のいずれかの方法。
  26. 方法が、ワンポット反応で実施されることを特徴とする、請求項18〜25のいずれかの方法。
  27. 請求項1〜17のいずれかのメタリック効果顔料の、化粧品、プラスチック、ならびにコーティング組成物、好ましくはインキ、印刷インキ、塗料、およびパウダーコーティング材料における使用。
  28. 物品であって、物品が、請求項1〜17のいずれかのメタリック効果顔料を有するか、および/または含むことを特徴とする、物品。
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