JP2013531476A - ヒトにおける免疫原性が低下した抗体 - Google Patents

ヒトにおける免疫原性が低下した抗体 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒトに投与した場合に、ヒトにおいて低レベルの免疫原性を示す、遺伝子工学的に操作された抗体に関する。本発明はまた、前記抗体を作製する方法にも関する。前記遺伝子工学的に操作された抗体は、例えば、非ヒト(例えば、マウス)ドナー抗体から、またはキメラ抗体もしくはヒト化抗体から(これらは、ヒトに長期投与した場合に、ヒトにおいて中和抗抗体応答を惹起することが公知であるか、予測されるか、または予期される)、誘導することができる。

Description

(関連出願)
この出願は、2010年4月30日に出願された米国仮出願第61/330,261号の利益を主張する。上記米国仮出願の全教示は、参考として本明細書に援用される。
(配列表)
本出願は、EFS−Webによって提出され、その全容が参考として本明細書に援用される、配列表を含む。2011年4月29日に作成されたASCIIコピーには、ALXN155W.txtとの名前が付けられており、サイズは29,908バイトである。
(技術分野)
本発明の分野は、医学、免疫学、分子生物学、およびタンパク質化学である。
ヒトへのげっ歯類抗体(例えば、マウス、ラット、またはウサギ)の投与は一般に、抗げっ歯類免疫グロブリン抗体のヒトにおける産生をもたらす。抗げっ歯類抗体は、治療抗体の任意の潜在的な治療的利益を中和し得る。ヒトに投与された他の種類の非ヒト抗体(例えば、サル抗体)についても同じプロセスが起こる。この問題を克服するために、非ヒト抗体を、例えば、キメラヒト抗体またはCDR移植ヒト抗体として再度遺伝子工学的に操作することができる。ヒトキメラ抗体においては、可変領域は非ヒト起源(例えば、マウス起源)のものであり、定常領域はヒト起源のものである。ヒト化抗体とも呼ばれることが多いCDR移植抗体の作製は、完全なヒトアクセプター抗体のCDRが非ヒトドナー抗体のCDRで交換されるより複雑なプロセスである。しかしながら、ヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答は、これらの再度遺伝子工学的に操作された抗体変異体のそれぞれについて依然として報告されている。例えば、非特許文献1は、ヒト化抗A33抗体が、ヒト結腸癌患者に投与した場合、73%の患者においてHAHA応答を惹起したと記載している。別の例では、キメラ抗TNF抗体Remicade(登録商標)(Johnson&Johnson)は、単剤療法の慢性関節リウマチ患者の最大53%において、メトトレキサートとの組合せ療法で投与した場合には、患者の15%においてHAHA応答を誘発することが示された(例えば、非特許文献2を参照されたい)。強直性脊椎炎を有する患者の26%もが、薬剤の反復投与の際にRemicade(登録商標)に対する抗体を生じることがわかった。非特許文献3は、完全ヒト化抗体であるアダリムマブ(HUMIRA(登録商標))を受ける患者において、ヒト抗アダリムマブ抗体の発生率は約6%であると報告した。Remicade(登録商標)と同様、アダリムマブに対するHAHA応答のより少ない発生が、抗体をメトトレキサートと共に投与した場合に観察された(非特許文献2、上掲)。しかしながら、Aardenらは、アダリムマブに対するHAHA応答のほぼ20%が中和していることを見出した。
Weltら、Clin Cancer Res(2003年)9巻:1338〜1346頁 Aardenら、Curr Opin Immunol(2008年)20巻:431〜435頁 Anderson、Semin Arthritis Rheum(2005年)34巻:19〜22頁
かくして、ヒト患者における免疫原性を低下させるための治療抗体、特に、長期投与される治療抗体をヒト化するための改善された方法の必要性が明らかに依然としてある。
本開示は、少なくとも部分的には、ヒト化抗C5抗体エクリズマブがヒトにおいて非常に低レベルの免疫原性を示すという本発明者らによる発見に基づく。添付の実施例に詳述されるように、130を超える治療用量のエクリズマブを、数年間の経過にわたって発作性夜間血色素尿症(PNH)を有する個々の患者に投与した。この患者にメトトレキサートなどの免疫抑制剤を同時投与しなかった。血液試料を患者から取得し、試料がエクリズマブに結合する抗体を含有するか否かを決定するために分析した。そのような抗体の存在は、エクリズマブに対するヒト抗ヒト抗体応答を示唆する。わずか1.2%の患者(161人中2人)が、低いが、検出可能なレベルの、エクリズマブに結合する抗体を有することがわかった。しかしながら、さらなる分析により、2つの血液試料はいずれもエクリズマブの治療効果を中和することができる抗体を含有しないことが確認された。かくして、本発明者らは、ヒトにおいて低レベルの免疫原性も示すさらなる治療抗体を作製するための足場として、エクリズマブを用いることができると判断した。従って、本開示は、免疫原性が低下したアクセプター抗体足場上に移植されたドナー抗体のCDRを含み、ヒトにおけるドナー抗体の免疫原性と比較して、ヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された抗体を特徴とする。遺伝子工学的に操作された抗体は、特にそれらを長期投与する場合、ヒトにおける中和抗抗体応答を惹起することが公知であり、予測される、または予期されるドナー抗体に由来するものであってよい。本明細書に記載されるように、ドナー抗体は、例えば、非ヒト抗体(例えば、げっ歯類抗体もしくは非ヒト霊長類抗体)またはヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答(例えば、ヒトにおけるドナー抗体の治療効果を中和するHAHA応答)を生成することがわかっているヒト化抗体もしくは完全ヒト抗体であってよい。ドナー抗体および/または得られる遺伝子工学的に操作された抗体は、限定されるものではないが、癌、感染、代謝障害、炎症状態、自己免疫疾患、神経障害、血液障害、および心血管障害などのヒト被験者における任意の様々な疾患の治療または診断にとって有用である抗体であってよい。
実施例に考察されるように、エクリズマブはI.23 Ig軽鎖分子から誘導された軽鎖フレームワーク領域のセットと、H20C3 Ig重鎖分子から誘導された重鎖フレームワーク領域のセットとを有するヒト化抗体である。H20C3重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列は、Wengら(1992年)J Immunol 149巻(7号):2518〜2529頁に提供されており、NCBI受託番号AAA52985の下でも入手可能である。H20C3をコードする核酸配列は、対応するヒト生殖細胞系列重鎖免疫グロブリン遺伝子と約98%類似する。I.23軽鎖ポリペプチドのアミノ酸配列は、Kleinら(1993年)Eur J Immunol 23巻(12号):3248〜3262頁に部分的に記載されており、完全な配列はNCBI受託番号CAA51145.1の下でも公共的に入手可能である。I.23コード配列はヒト生殖細胞系列VκおよびJκ遺伝子から誘導されたものであり、位置38に生殖細胞系列配列からのただ1個のアミノ酸変化を含む。従って、エクリズマブ、I.23および/またはH20C3に由来するフレームワーク領域(エクリズマブの軽鎖または重鎖可変領域)を、ヒトにおいて低レベルの免疫原性を示す遺伝子工学的に操作された抗体の作製において用いることができる。実施例は、エクリズマブに由来する軽鎖フレームワーク領域1〜3および重鎖フレームワーク領域1〜3を含む、さらなる機能的ヒト化抗体の構築を記載する。いくつかの実施形態では、エクリズマブ、I.23および/またはH20C3の、全部ではないが、1つまたは複数のCDRを、遺伝子工学的に操作された抗体の作製において用いることもできる。
一態様では、本開示は、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含むポリペプチド(例えば、軽鎖ポリペプチド)を特徴とする。軽鎖フレームワーク領域LFR1、LFR2およびLFR3のうちの1つまたは複数は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得られ、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られるが、但し、前記ポリペプチドは配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含まない。いくつかの実施形態では、LFR4は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得ることができる。
いくつかの実施形態では、CDRのうちの1つは、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域に由来するものであってよい。いくつかの実施形態では、CDRのうちの2つは、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域に由来するものであってよい。いくつかの実施形態では、CDRのうちの少なくとも2つは、同じドナー抗体に由来するものであってよい。いくつかの実施形態においては、CDRの全部が同じドナー抗体に由来するものであってよい。
いくつかの実施形態では、フレームワーク領域およびCDRはKabatに従って定義される。いくつかの実施形態では、フレームワーク領域およびCDRはChothiaに従って定義される。いくつかの実施形態では、フレームワーク領域およびCDRはKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される。
いくつかの実施形態では、LFR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、LFR2は、配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、LFR3は、配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、LFR4は、配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR2は配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR2は配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LFR1は、配列番号20または配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、LFR2は、配列番号21または配列番号25に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、LFR3は、配列番号22または配列番号26に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、LFR4は、配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR2は配列番号21に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR3は配列番号22に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR4は配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR2は配列番号25に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR3は配列番号26に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、LFR4は配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、前記ポリペプチド(例えば、軽鎖ポリペプチド)は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、例えば、前記ポリペプチドは、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、軽鎖ポリペプチド定常領域は、ヒトアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖定常領域は、λ軽鎖定常領域またはκ軽鎖定常領域である。
別の態様では、本開示は、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含むか、またはそれからなるポリペプチド(例えば、重鎖ポリペプチド)を特徴とする。重鎖フレームワーク領域HFR1、HFR2およびHFR3のうちの1つまたは複数は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から取得することができるか、もしくは取得され、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3のうちの1つまたは複数はドナー抗体から取得されるが、但し、前記ポリペプチドは配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含まない。いくつかの実施形態では、LFR4は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から得ることができる。
いくつかの実施形態では、CDRのうちの1つは、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域に由来するものであってよい。いくつかの実施形態では、CDRのうちの2つは、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域に由来するものであってよい。いくつかの実施形態では、CDRのうちの少なくとも2つが、同じドナー抗体に由来するものであってよい。いくつかの実施形態では、CDRの全部が同じドナー抗体に由来するものであってよい。
いくつかの実施形態では、フレームワーク領域およびCDRはKabatに従って定義される。いくつかの実施形態では、フレームワーク領域およびCDRはChothiaに従って定義される。いくつかの実施形態では、フレームワーク領域およびCDRはKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される。
いくつかの実施形態では、HFR1は、配列番号13、17または19のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、HFR3は、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、HFR4は、配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、HFR1は配列番号13に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、HFR1は配列番号19に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、HFR2は、配列番号27または配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、HFR3は、配列番号28または配列番号31に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、HFR4は、配列番号29または配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR2は配列番号27に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR3は配列番号28に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR4は配列番号29に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる;HFR2は配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる;HFR3は配列番号31に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり、HFR4は配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、前記ポリペプチド(例えば、重鎖ポリペプチド)は、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、例えば、前記ポリペプチドは、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記ポリペプチド(例えば、重鎖ポリペプチド)は、免疫グロブリン分子のFc部分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域は、IgG、IgA、IgE、IgDまたはIgM重鎖ポリペプチド定常領域である。
別の態様では、本開示は、(i)軽鎖ポリペプチドおよび(ii)重鎖ポリペプチドを含む遺伝子工学的に操作された抗体であって、軽鎖ポリペプチドが以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含み、軽鎖フレームワーク領域LFR1、LFR2およびLFR3が配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得られ、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3のうちの1つまたは複数がドナー抗体から得られるが、但し、軽鎖ポリペプチドは配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、前記抗体を特徴とする。重鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含み、ここで重鎖フレームワーク領域HFR1、HFR2およびHFR3は配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から得られ、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3のうちの1つまたは複数はドナー抗体から得られるが、但し、重鎖ポリペプチドは配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含まない。
いくつかの実施形態では、軽鎖フレームワーク領域、重鎖フレームワーク領域、軽鎖CDR、および重鎖CDRは、Kabatの定義に従って定義される。いくつかの実施形態では、軽鎖フレームワーク領域、重鎖フレームワーク領域、軽鎖CDR、および重鎖CDRは、Chothiaの定義に従って定義される。いくつかの実施形態では、軽鎖フレームワーク領域、重鎖フレームワーク領域、軽鎖CDR、および重鎖CDRは、Kabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2は配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3は配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4は配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1は配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2は配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3は配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4は配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、表5に記載の重鎖フレームワーク領域と軽鎖フレームワーク領域との対のセットを含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、例えば、抗体断片、例えば、Fd断片、Fab断片、Fab’断片およびF(ab’)断片からなる群より選択される抗体断片であってもよい。
本明細書に記載の任意の遺伝子工学的に操作された抗体のいくつかの実施形態では、軽鎖ポリペプチドおよび重鎖ポリペプチドは互いに共有結合していてもよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は補体成分タンパク質に結合する。補体成分タンパク質は、C1q、C1r、C1s、C4、C4a、C4b、C3、C3a、C3b、C2、C2a、C2b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9、プロパージン、補体因子D、補体因子B、MBL、MASP1、MASP2、およびMASP3からなる群より選択されるものであってもよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は細胞表面受容体、例えば、Gタンパク質共役受容体、ケモカイン受容体、サイトカイン受容体、または受容体チロシンキナーゼに結合する。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、(i)細胞死受容体(death receptor)または(ii)細胞死受容体のリガンドに結合する。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、増殖因子、ケモカイン、またはサイトカインに結合する。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、免疫グロブリン分子、例えば、IgE分子に結合する。
さらに別の態様では、本開示は、(i)本明細書に記載のポリペプチドのいずれか一つ(例えば、軽鎖ポリペプチドもしくは重鎖ポリペプチド)または(ii)本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体のいずれかをコードする核酸を特徴とする。また、前記核酸を含むベクターも特徴とする。ベクターは、発現ベクターであってよい。さらに、本開示は、前記核酸またはベクターを含む細胞を特徴とする。別の態様では、本開示は、ポリペプチドまたは遺伝子工学的に操作された抗体を産生させる方法を特徴とする。この方法は、前記ベクターを含有する上記細胞を、前記ベクター内に含まれた核酸によりコードされるポリペプチドまたは遺伝子工学的に操作された抗体の前記細胞による発現を可能にするのに好適な条件下で培養することを含む。前記方法はまた、培養された細胞から、または細胞を培養した培地から前記ポリペプチドまたは遺伝子工学的に操作された抗体を単離することを含んでもよい。また、前記方法により産生された、単離されたポリペプチドまたは単離された遺伝子工学的に操作された抗体も特徴とする。
別の態様では、本開示は、ドナー軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域を作製する方法を特徴とする。この方法は、(i)配列番号2もしくは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列または(ii)アクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、(iii)少なくとも1個のドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列または(iv)ドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、アクセプター軽鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、ドナー抗体軽鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、それによってドナー抗体軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域を作製することとを含むが、但し、前記遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域が配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含まない。前記方法は、遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域と相補的である、重鎖抗体可変領域、または重鎖抗体可変領域をコードする核酸を取得することにより、遺伝子工学的に操作された抗体を作製することを含んでもよい。
前記方法のいくつかの実施形態では、誘導選択(guided selection)を用いて、重鎖抗体可変領域を取得する。
前記方法のいくつかの実施形態では、重鎖抗体可変領域は、遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域である。
前記方法のいくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域の作製は、(i)配列番号5もしくは配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列または(ii)アクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、(iii)少なくとも1個のドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列または(iv)ドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、アクセプター重鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、ドナー抗体重鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、それによってドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製することとを含むが、但し、前記遺伝子工学的に操作された抗体可変領域が配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド可変領域を含まない。
さらに別の態様では、本開示は、ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製する方法を特徴とする。この方法は、(i)配列番号5もしくは配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列または(ii)アクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、(iii)少なくとも1個のドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列または(iv)ドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、アクセプター重鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、ドナー抗体重鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、それによってドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製することとを含むが、但し、前記遺伝子工学的に操作された抗体可変領域が配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド可変領域を含まない。前記方法は、遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域と相補的な軽鎖抗体可変領域を取得することにより、遺伝子工学的に操作された抗体を作製することを含んでもよい。
前記方法のいくつかの実施形態では、誘導選択を用いて、遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域を取得する。
前記方法のいくつかの実施形態では、軽鎖抗体可変領域は、遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域である。
前記方法のいくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域の作製は、(i)配列番号2もしくは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列または(ii)アクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、(iii)少なくとも1個のドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列または(iv)ドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供することと、アクセプター軽鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、ドナー抗体軽鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、それによってドナー抗体軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域を作製することとを含むが、但し、前記遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域が配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含まない。
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域および/または遺伝子工学的に操作された抗体重鎖可変領域を産生させることを含む(軽鎖および重鎖可変領域は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の定常領域を含んでもよい)。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域を、細胞中で、または無細胞系を用いて産生させる。
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記細胞または前記細胞を培養した培地から、遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域および/または遺伝子工学的に操作された重鎖可変領域を単離することを含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子工学的に操作された抗体を産生させることを含む。遺伝子工学的に操作された抗体を、細胞中で、または無細胞系を用いて産生させることができる。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記細胞または前記細胞を培養した培地から、遺伝子工学的に操作された抗体を単離することを含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子工学的に操作された抗体がドナー抗体と同じ抗原に結合するか否かを決定することを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、同じ抗原に対するドナー抗体の親和性と比較して標的抗原に対してより高い親和性を有してもよい。
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子工学的に操作された抗体がヒトに投与された後に、遺伝子工学的に操作された抗体に結合する抗体が産生されるか否かを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子工学的に操作された抗体を作り変えることを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、フレームワーク領域の少なくとも1個のアミノ酸を置換することを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、フレームワーク領域の少なくとも2個のアミノ酸を置換することを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、少なくとも2個の異なるフレームワーク領域中の少なくとも1個のアミノ酸を置換することを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、フレームワーク領域中の1つまたは複数のアミノ酸を置換することを含まない。
いくつかの実施形態では、作り変えは、少なくとも1個のCDRの少なくとも1個のアミノ酸を置換することを含む。作り変えは、いくつかの実施形態では、少なくとも1個のCDRの少なくとも2個のアミノ酸を置換することを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、Kabatの定義またはKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義されるCDRの少なくとも1個のアミノ酸位置で置換することを含む。
いくつかの実施形態では、作り変えは、重鎖可変領域の位置28および30(Kabatの番号付けによる)の一方または両方のアミノ酸を置換することを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、少なくとも2個の異なるCDR中の少なくとも1個のアミノ酸を置換することを含む。いくつかの実施形態では、作り変えは、重鎖可変領域の位置27、28、30、71または78(Kabatの番号付けによる)の少なくとも1個のアミノ酸を置換することを含む。
いくつかの実施形態では、作り変えは、少なくとも1個のスペーサーアミノ酸配列を、遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域の一方または両方に導入することを含む。
前記方法のいくつかの実施形態では、フレームワークまたはCDRの1つまたは複数のアミノ酸を、交換前に置換する。いくつかの実施形態では、フレームワークまたはCDRの1つまたは複数のアミノ酸を、交換後に置換する。
いくつかの実施形態では、アクセプター抗体軽鎖可変領域は、本明細書に記載の軽鎖ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アクセプター抗体重鎖可変領域アミノ酸配列は、本明細書に記載の重鎖ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含む。前記方法のいくつかの実施形態では、アクセプター抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列は、本明細書に記載の軽鎖ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含み、アクセプター抗体重鎖可変領域アミノ酸配列は、本明細書に記載の重鎖ポリペプチドのいずれかのアミノ酸配列を含む。
さらに別の態様では、本開示は、(i)軽鎖ポリペプチドおよび(ii)重鎖ポリペプチドを含む遺伝子工学的に操作された抗体であって、軽鎖ポリペプチドが以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含む、前記抗体を特徴とする。いくつかの実施形態では、LFR1は配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し、LFR2は配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し、LFR3は配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し、LFR4は配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し、LCDR1はドナー抗体に由来する軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、LCDR2はドナー抗体に由来する軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、LCDR3はドナー抗体に由来する軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含む。前記軽鎖ポリペプチドは、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含まない。いくつかの実施形態では、前記重鎖ポリペプチドは、HFR1が配列番号13、17または19に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し;HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し;HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し;およびHFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むが、0〜3個のアミノ酸置換を有し、HCDR1がドナー抗体に由来する重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、HCDR2がドナー抗体に由来する重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、HCDR3がドナー抗体に由来する重鎖CDR3のアミノ酸配列を含む、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含む。前記重鎖ポリペプチドは、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含まない。遺伝子工学的に操作された抗体は、ドナー抗体または複数のドナー抗体と比較してヒトにおける免疫原性が低く、遺伝子工学的に操作された抗体はドナー抗体または複数のドナー抗体と同じ抗原に結合する。
いくつかの実施形態では、(a)LCDR1、LCDR2およびLCDR3は単一のドナー抗体に由来する、ならびに(b)HCDR1、HCDR2およびHCDR3は単一のドナー抗体に由来する、のうちの一方または両方である。いくつかの実施形態では、軽鎖CDRおよび重鎖CDRの全部が同じドナー抗体に由来する。
別途定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。相反する場合、定義を含む本明細書が制御するものとする。好ましい方法および材料を以下に記載するが、本明細書に記載のものと類似するか、または等価である方法および材料を、本明細書に開示される方法および組成物の実施または試験において用いることもできる。本明細書に記載の全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により組入れられるものとする。
本開示の他の特徴および利点、例えば、ヒトにおける免疫原性を低下させた治療抗体を作製する方法は、以下の説明、実施例、および特許請求の範囲から明らかとなる。
図1は、エクリズマブの軽鎖可変領域のアミノ酸配列(「Ecu」)(配列番号2)と、I.23免疫グロブリン軽鎖可変領域のアミノ酸配列(「I.23」)(配列番号8)とのアラインメントを示す。KabatおよびChothiaの定義に従って定義された3つの相補性決定領域(CDR)−LCDR1、LCDR2およびLCDR3をブラケットで同定する。軽鎖可変領域フレームワーク領域も示す。エクリズマブ配列に関するアミノ酸位置(Kabatの番号付けにより定義される)を、整列された配列の上に示す。 図2は、エクリズマブの重鎖可変領域のアミノ酸配列(「Ecu」)(配列番号5)と、H20C3免疫グロブリン重鎖可変領域のアミノ酸配列(「H20C3」)(配列番号7)とのアラインメントを示す。KabatおよびChothiaの定義に従って定義された3つの相補性決定領域(CDR)−HCDR1、HCDR2およびHCDR3をブラケットで同定する。重鎖可変領域フレームワーク領域も示す。エクリズマブ配列に関するアミノ酸位置(Kabatの番号付けにより定義される)を、整列された配列の上に示す。位置52a、82a、82b、82c、100a、100b、100c、100d、および100eも具体的に同定する。
本開示は、遺伝子工学的に操作された抗体が誘導されたそれぞれのドナー抗体の免疫原性と比較してヒトにおいて低い免疫原性を示す遺伝子工学的に操作された抗体を提供する。いかなる意味でも限定を意図するものではないが、例示的組成物、ならびにその調製および使用のための方法を以下に詳述する。
(遺伝子工学的に操作された抗体)
本明細書で用いられる「遺伝子工学的に操作された抗体」は、アクセプター抗体足場の可変領域上に移植されたドナー抗体の1つまたは複数(例えば、2、3、4、5または6)のCDRを含む抗体であり、その遺伝子工学的に操作された抗体はヒトにおけるドナー抗体の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い。遺伝子工学的に操作された抗体の構造は、以下の通りである。
遺伝子工学的に操作された抗体は、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含むか、またはそれからなる配列を有する軽鎖ポリペプチドを含む。LFR1は軽鎖可変領域のフレームワーク1(FR1)のアミノ酸配列に対応し、LFR2は軽鎖可変領域のフレームワーク2(FR2)のアミノ酸配列に対応し、LFR3は軽鎖可変領域のフレームワーク3(FR3)のアミノ酸配列に対応し、LFR4は軽鎖可変領域のフレームワーク4(FR4)のアミノ酸配列に対応する。LCDR1は軽鎖可変領域の相補性決定領域1(CDR1)のアミノ酸配列に対応し、LCDR2は軽鎖可変領域の相補性決定領域2(CDR2)のアミノ酸配列に対応し、LCDR3は軽鎖可変領域の相補性決定領域3(CDR3)のアミノ酸配列に対応する。遺伝子工学的に操作された抗体のLFR1、LFR2、LFR3およびLFR4アミノ酸配列のうちの1つまたは複数(例えば、1個、2個、3個または4個全部)が、アクセプター抗体により寄与される。いくつかの実施形態では、LFR1、LFR2、またはLFR3のみがアクセプター抗体により寄与される。いくつかの実施形態では、LFR1およびLFR2がアクセプター抗体により寄与される。いくつかの実施形態では、LFR2およびLFR3がアクセプター抗体により寄与される。いくつかの実施形態では、LFR1およびLFR3がアクセプター抗体により寄与される。いくつかの実施形態では、LFR4はアクセプター抗体により寄与されない。LCDR1、LCDR2およびLCDR3アミノ酸配列のうちの1つまたは複数が、少なくとも1個(例えば、1個、2個または3個)のドナー抗体から寄与される。例えば、軽鎖CDRを、単一のドナー抗体から取得するか、またはいくつかの実施形態では、CDRを2個以上の異なるドナー抗体(例えば、同じ抗原に結合するが、異なる軽鎖CDR配列を有する2個の抗体)から取得することができる。いくつかの実施形態では、LCDRの少なくとも1個(例えば、1個、2個、または3個全部でさえ)を、アクセプター抗体から取得する。例えば、遺伝子工学的に操作された抗体は、ドナー抗体に由来するLCDR3ならびにアクセプター抗体に由来するLCDR1およびLCDR2を有してもよい。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、ドナー抗体に由来するLCDR2ならびにアクセプター抗体に由来するLCDR1およびLCDR3を有してもよい。好適なアクセプター抗体およびドナー抗体は本明細書で詳述される。
CDRとフレームワーク領域との正確な境界は、様々な方法に従って異なるように定義されてきた。いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖可変ドメイン内のCDRまたはフレームワーク領域の位置は、Kabatら[(1991年)「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、NIH Publication、91〜3242番、U.S. Department of Health and Human Services、Bethesda、MD]により定義された通りであってよい。そのような場合、CDRは「KabatのCDR」(例えば、「KabatのLCDR2」または「KabatのHCDR1」)と呼ぶことができ、フレームワーク領域は「Kabatのフレームワーク領域」(例えば、「KabatのLFR1」または「KabatのHFR3」)と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖可変領域のCDRまたはフレームワーク領域の位置は、Chothiaら(1989年)Nature342巻:877〜883頁により定義された通りであってよい。従って、これらの領域は、それぞれ、「ChothiaのCDR」(例えば、「ChothiaのLCDR2」もしくは「ChothiaのHCDR3」)または「Chothiaのフレームワーク領域」(例えば、「ChothiaのLFR1」もしくは「ChothiaのLFR3」)と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、軽鎖および重鎖可変領域のCDRまたはフレームワーク領域の位置は、Kabat−Chothiaの組合せ定義により定義された通りであってよい。そのような実施形態においては、これらの領域は、それぞれ、「Kabat−Chothiaの組合せのCDR」または「Kabat−Chothiaの組合せのフレームワーク領域」と呼ぶことができる。Thomasら[(1996年)Mol Immunol 33巻(17/18号):1389〜1401頁]は、KabatおよびChothiaの定義に従うCDRとフレームワーク領域との境界の同定を例示する。3つの前記定義のそれぞれを用いるCDRおよびフレームワークの同定は、図1および2にも示される。
いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖可変ドメインを含むCDRおよび/またはフレームワーク領域の位置は、HonneggerおよびPlueckthum[(2001年)J Mol Biol 309巻:657〜670頁]により定義された通りであってよい。
本明細書に記載され、実施例に例示されるように、マウス抗C5抗体のLCDRをI.23 Igカッパ軽鎖分子のフレームワーク領域足場上に移植することにより、エクリズマブの軽鎖可変領域を作製した。エクリズマブの軽鎖可変領域のアミノ酸配列は以下の通りである:
Figure 2013531476
I.23の軽鎖可変領域のアミノ酸配列は以下の通りである:
Figure 2013531476
エクリズマブのLFR2アミノ酸配列は、1個のアミノ酸:アルギニンの代わりに位置38のグルタミンにより対応するI.23 LFR2のアミノ酸配列と異なる。
いかなる特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、エクリズマブまたはI.23に由来する軽鎖フレームワーク領域配列(すなわち、LFR1、LFR2、LFR3および/またはLFR4)は、ドナー抗体の免疫原性のレベルと比較してヒトにおいて低下したレベルの免疫原性を示す遺伝子工学的に操作された抗体の調製において有用であると考えられる。かくして、いくつかの実施形態では、LFR1、LFR2、LFR3および/またはLFR4は、エクリズマブおよび/またはI.23から誘導された対応する軽鎖フレームワーク領域であってよい。Kabat、Chothia、またはKabat−Chothiaにより定義された、エクリズマブおよびI.23軽鎖フレームワーク領域のアミノ酸配列を、表1に記載する。
Figure 2013531476
Figure 2013531476
かくして、いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖ポリペプチドは、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR1エレメント;配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR2エレメント;配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR3エレメント;および配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖ポリペプチドは、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR1エレメント;配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR2エレメント;配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR3エレメント;および配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖ポリペプチドは、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR1エレメント;配列番号21に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR2エレメント;配列番号22に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR3エレメント;および配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖ポリペプチドは、配列番号24に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR1エレメント;配列番号25に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR2エレメント;配列番号26に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR3エレメント;および配列番号23に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるLFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、軽鎖ポリペプチドは、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含まないか、またはそれからならない。
軽鎖ポリペプチドは、定常領域を含んでもよい。例えば、軽鎖定常領域は、λ軽鎖ポリペプチド定常領域またはκ軽鎖定常領域であってもよい。いくつかのヒトλおよびκ軽鎖定常領域のアミノ酸配列は当業界で公知であり、例えば、Kabatら(1991年);上掲に記載されている。遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖ポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を含んでもよい:
Figure 2013531476
配列番号3は、エクリズマブの軽鎖の定常領域である。
本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体はまた、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含むか、またはそれからなるアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドを含んでもよい。HFR1は重鎖可変領域のフレームワーク1(FR1)のアミノ酸配列に対応し、HFR2は重鎖可変領域のフレームワーク2(FR2)のアミノ酸配列に対応し、HFR3は重鎖可変領域のフレームワーク3(FR3)のアミノ酸配列に対応し、HFR4は重鎖可変領域のフレームワーク4(FR4)のアミノ酸配列に対応する。HCDR1は重鎖可変領域の相補性決定領域1(CDR1)のアミノ酸配列に対応し、HCDR2は重鎖可変領域の相補性決定領域2(CDR2)のアミノ酸配列に対応し、HCDR3は重鎖可変領域の相補性決定領域3(CDR3)のアミノ酸配列に対応する。HFR1、HFR2、HFR3およびHFR4アミノ酸配列は、アクセプター抗体から寄与されるが、HCDR1、HCDR2およびHCDR3アミノ酸配列は少なくとも1個(例えば、1個、2個、または3個)のドナー抗体から寄与されるものであってよい。例えば、重鎖CDRを単一のドナー抗体から取得するか、またはいくつかの実施形態では、CDRを2個以上の異なるドナー抗体(例えば、同じ抗原に結合するが、異なる重鎖CDR配列を有する2個の抗体)から取得することができる。いくつかの実施形態では、HCDRの少なくとも1個は、アクセプター抗体から保持される(または寄与される)。例えば、HCDR3は、ドナー抗体に由来するものであってよく(例えば、HCDR3が、ドナー抗体が結合する抗原の多くの結合エネルギーをドナー抗体に寄与することが決定された場合)、HCDR1およびHCDR2はアクセプター抗体から保持されるものであってよい。いくつかの実施形態では、HCDR1、HCDR2およびHCDR3はそれぞれ、単一のドナー抗体から寄与される。好適なアクセプター抗体およびドナー抗体は、本明細書で詳述される。
本明細書に記載され、実施例に例示されるように、マウス抗C5抗体のHCDRを、H20C3 Ig分子の重鎖フレームワーク領域足場上に移植することにより、エクリズマブの重鎖可変領域を作製した。エクリズマブの重鎖可変領域のアミノ酸配列は以下の通りである:
Figure 2013531476
H20C3の重鎖可変領域のアミノ酸配列は以下の通りである:
Figure 2013531476
Kabatにより定義されたように、エクリズマブのHFR1のアミノ酸配列は、2個のアミノ酸によりH20C3のHFR1の対応するアミノ酸配列と異なる。具体的には、H20C3 V領域(KabatのFR1)の位置28のトレオニンおよび位置30のトレオニンは、エクリズマブのKabatのFR1配列中では、それぞれ、イソロイシンおよびセリンである。残りのフレームワーク領域(HFR2、HFR3およびHFR4)は、Kabatの定義の下ではエクリズマブとH20C3の間で同一である。Kabat−Chothiaの組合せ定義の下では、任意のフレームワーク領域について、エクリズマブのアミノ酸配列と、H20C3のアミノ酸配列との間に差異はない(図2を参照されたい)。
いかなる特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、エクリズマブまたはH20C3に由来する重鎖フレームワーク領域配列は、ドナー抗体の免疫原性のレベルと比較して、ヒトにおいて低下したレベルの免疫原性を示す遺伝子工学的に操作された抗体の調製において有用であると考えられる。かくして、いくつかの実施形態では、HFR1、HFR2、HFR3および/またはHFR4は、エクリズマブおよび/またはH20C3から誘導された対応する重鎖フレームワーク領域であってよい。Kabat、Chothia、またはKabat−Chothiaにより定義された、エクリズマブおよびH20C3重鎖フレームワーク領域のアミノ酸配列を、表2に記載する。
Figure 2013531476
Figure 2013531476
かくして、いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体のHFR1は、例えば、配列番号13、17または19に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれであってもよい。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体のHFR2は、例えば、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれであってもよい。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体のHFR3は、例えば、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれであってもよい。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体のHFR4は、例えば、配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、またはそれであってもよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の重鎖ポリペプチドは、配列番号13に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR1エレメント;配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR2エレメント;配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR3エレメント;および配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の重鎖ポリペプチドは、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR1エレメント;配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR2エレメント;配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR3エレメント;および配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の重鎖ポリペプチドは、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR1エレメント;配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR2エレメント;配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR3エレメント;および配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の重鎖ポリペプチドは、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR1エレメント;配列番号27に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR2エレメント;配列番号28に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR3エレメント;および配列番号29に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の重鎖ポリペプチドは、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR1エレメント;配列番号30に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR2エレメント;配列番号31に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR3エレメント;および配列番号32に記載のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれからなるHFR4エレメントを含むか、またはそれからなる。
いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチドは、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含まないか、またはそれからならない。
重鎖ポリペプチドは、定常領域(例えば、重鎖定常領域1(CH1)、重鎖定常領域2(CH2)、重鎖定常領域3(CH3)、重鎖定常領域4(CH4)、または前記のいずれかの組合せ)を含んでもよい。重鎖ポリペプチドは、免疫グロブリン分子のFc部分を含んでもよい。Fc領域は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgEもしくはIgD免疫グロブリン分子に由来するFc領域またはこれらのそれぞれの部分の組合せであってよい。いくつかのヒト重鎖定常領域のアミノ酸配列は、当業界で公知であり、例えば、Kabatら(1991年)、上掲に記載されている。
いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチドは、ハイブリッド定常領域、またはその一部、例えば、G2/G4ハイブリッド定常領域を含んでもよい(例えば、Burtonら(1992年)Adv Immun. 51巻:1〜18頁;Canfieldら(1991年)J Exp Med 173巻:1483〜1491頁;およびMuellerら(1997年)Mol. Immunol. 34巻(6号):441〜452頁を参照されたい)。例えば(およびKabatの番号付けによれば)、IgG1およびIgG4定常領域はG249250残基を含むが、IgG2定常領域は残基249を含まないが、G250を含む。249〜250の領域がG2配列に由来するG2/G4ハイブリッド定常領域では、定常領域をさらに改変して、位置249にグリシン残基を導入して、G249/G250を有するG2/G4融合物を作製することができる。G249/G250を含む他の定常ドメインハイブリッドはまた、本開示に従う遺伝子工学的に操作された抗体の一部であってよい。
いくつかの実施形態では、重鎖ポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなる定常領域を含む:
Figure 2013531476
配列番号6は、エクリズマブの重鎖定常領域のアミノ酸配列を示す。
本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体は、いくつかの実施形態では、軽鎖フレームワーク領域と重鎖フレームワーク領域との特定の例示的対を含む。例えば、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体は、エクリズマブから誘導された「Kabat」軽鎖フレームワーク領域を含む軽鎖ポリペプチドと、エクリズマブから誘導された「Kabat」重鎖フレームワーク領域を含む重鎖ポリペプチドとを含んでもよい。別の例では、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体は、I.23軽鎖から誘導された「Kabat−Chothia」軽鎖フレームワーク領域を含む軽鎖ポリペプチドと、H20C3重鎖から誘導された「Kabat−Chothia」重鎖フレームワーク領域を含む重鎖ポリペプチドとを含んでもよい。さらに別の例では、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体は、I.23軽鎖から誘導された「Kabat」軽鎖フレームワーク領域を含む軽鎖ポリペプチドと、エクリズマブから誘導された「Kabat」重鎖フレームワーク領域を含む重鎖ポリペプチドとを含んでもよい。遺伝子工学的に操作された抗体の調製における使用のための、軽鎖および重鎖フレームワーク領域の例示的な対、Kabatの定義またはKabat−Chothiaの組合せ定義の下で定義される領域を表3に記載する。
Figure 2013531476
遺伝子工学的に操作された抗体の調製における使用のための、軽鎖および重鎖フレームワーク領域の例示的な対、Chothiaの下で定義される領域を表4に記載する。
Figure 2013531476
遺伝子工学的に操作された抗体の調製における使用のための、軽鎖および重鎖フレームワーク領域の対のさらなる例、Chothiaの下で定義される領域を表5に記載する。
Figure 2013531476
Figure 2013531476
Figure 2013531476
Figure 2013531476
Figure 2013531476
Figure 2013531476
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の上記フレームワーク領域の1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つ全部)を、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以上)のアミノ酸置換を含むように変化させることができる。これらの1個以上の置換を含む遺伝子工学的に操作された抗体は、「遺伝子工学的に操作された抗体の変異体」と呼ばれることもある。例えば、遺伝子工学的に操作された抗体が抗原に対するドナー抗体の親和性と比較して低い親和性でドナー抗体により認識される抗原に結合する場合、そのような置換を導入することができる。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体の変異体のフレームワーク領域の1つまたは複数は、10個より少ない(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個より少ない)置換を含む。いくつかの実施形態では、ただ1つのフレームワーク領域が、1個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上のフレームワーク領域が、1個のアミノ酸置換を含む。必要とされることの全部は、得られる遺伝子工学的に操作された抗体が、ヒトに投与した場合、ヒトにおいて対応するドナー抗体よりも免疫原性が低いことである。いくつかの実施形態では、上記フレームワーク領域アミノ酸配列は置換されない。
アミノ酸置換は保存的置換であっても、非保存的置換であってもよい。保存的置換は、典型的には以下の基内の置換を含む:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシンおよびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリンおよびトレオニン;リシン、ヒスチジンおよびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン。
軽鎖および重鎖ポリペプチドのアミノ酸配列は、様々なセグメントの間(例えば、遺伝子工学的に操作された抗体のドナーCDRとアクセプターフレームワーク領域との間)に「スペーサー」として挿入された1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以上)のアミノ酸を含んでもよい。スペーサー配列の挿入は、例えば、CDR移植プロセス中に失われた可能性がある抗原結合親和性を回復させるのに有用であり得る(下記を参照されたい)。例えば、MaynardおよびGeorgiou(2001年)Ann Rev Biomed Engineering 2巻:339〜376頁を参照されたい。例えば、スペーサーアミノ酸配列を、LFR1とLCDR1との間に挿入することができる。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、LCDR1とLFR2との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、LFR2とLCDR2との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、LCDR2とLFR3との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、LFR3とLCDR3との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、LCDR3とLFR4との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、HFR1とHCDR1との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、HCDR1とHFR2との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、HFR2とHCDR2との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、HCDR2とHFR3の間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、HFR3とHCDR3との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサーアミノ酸配列を、HCDR3とHFR4との間に挿入する。いくつかの実施形態では、スペーサー配列を、軽鎖ポリペプチドのセグメントの全部および/または重鎖ポリペプチドのセグメントの全部の間に挿入する。いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖可変領域の構成エレメントのいずれの間にもスペーサーを導入しない。1つまたは複数のスペーサー配列を含む遺伝子工学的に操作された抗体に必要とされることの全部は、抗体が(a)ドナー抗体と同じ抗原に結合する能力を保持すること、および(b)ヒトにおけるドナー抗体の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低いことである。
本明細書で用いられる用語「抗体」とは、全抗体分子もしくは無傷の抗体分子(例えば、IgM、IgG(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)、IgA、IgDもしくはIgE)またはその任意の抗原結合断片を指す。用語抗体としては、例えば、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化抗体、および完全ヒト抗体が挙げられる。抗体の抗原結合断片としては、例えば、一本鎖抗体、一本鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab’)断片が挙げられる。scFv断片は、scFvが誘導される抗体の重鎖および軽鎖可変領域の両方を含む単一のポリペプチド鎖である。さらに、イントラボディ、ミニボディ、トリアボディおよびダイアボディ(例えば、Todorovskaら(2001年)J Immunol Methods 248巻(1号):47〜66頁;HudsonおよびKortt(1999年)J Immunol Methods 231巻(1号):177〜189頁;Poljak(1994年)Structure 2巻(12号):1121〜1123頁;RondonおよびMarasco(1997年)Annual Review of Microbiology 51巻:257〜283頁(それぞれの開示はその全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)を参照されたい)も、抗体の定義に含まれ、本明細書に記載の方法における使用と適合する。二特異的抗体も、用語「抗体」により包含される。二特異的抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナルの、好ましくはヒトまたはヒト化抗体である。
本開示はまた、Wuら(2007年)Nat Biotechnol 25巻(11号):1290〜1297頁に記載の四価二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)分子などの変異形態の二特異的抗体も包含する。DVD−Ig分子は、2つの異なる親抗体に由来する2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)が、組換えDNA技術によって直接に、または短いリンカーを介して、直列に連結され、次いで、軽鎖定常ドメインに連結されるように設計される。2つの親抗体からDVD−Ig分子を作製する方法は、例えば、PCT公開第WO08/024188号および同第WO07/024715号(それぞれの開示はその全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)にさらに記載されている。
本明細書で用いられる「ドナー抗体」は、実務者が本明細書に記載の方法を用いて、(i)ドナー抗体と同じ抗原に結合し、(ii)ドナー抗体と比較して1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6もしくは7つ以上)の改善された特性を有する(特に、ドナー抗体の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性のレベルが低下した)抗体の変異体(遺伝子工学的に操作された抗体)を取得することを望む抗体である。ドナー抗体は、任意の様々な種、例えば、非ヒト霊長類(例えば、サル、ヒヒ、マカク、キツネザル、類人猿、オランウータン、ゴリラもしくはチンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、スナネズミ、ハムスター、ラットおよびマウスなどの哺乳動物中で作製するか、またはそれから誘導することができる。いくつかの例では、ドナー抗体は、ヒトに投与した場合、ヒトにおける中和HAHA応答を惹起するヒト化抗体または完全ヒト抗体であってよい。ヒト化抗体は、1つまたは複数の非ヒト生殖細胞系列フレームワーク領域を含む変化した抗体であってよい。完全ヒト抗体は、1つまたは複数の非生殖細胞系列ヒトフレームワーク領域を含むものであってよい。例えば、ヒトドナー抗体は、体細胞超変異にかけられ、かくして、もはや生殖細胞系列自体ではなくなった1つまたは複数のフレームワーク領域を含んでもよい(例えば、Abbas、LichtmanおよびPober(2000年)「Cellular and Molecular Immunology」、第4版、W.B. Saunders Company(ISBN:0721682332)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、ヒト化抗体でも、完全ヒト抗体でもない。
遺伝子工学的に操作された抗体は、抗原に特異的に結合する任意のドナー抗体から誘導することができ、その抗原へのそのようなドナー抗体の結合は、ヒトにおける治療効果をもたらすか、またはもたらすと予期される。例えば、ドナー抗体は微生物病原体(例えば、ウイルス、細菌、原生動物、または寄生虫)タンパク質、例えば、破傷風毒素;ジフテリア毒素;または任意の様々なウイルス表面タンパク質(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)糖タンパク質B、HおよびgCIII;ヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)エンベロープ糖タンパク質;ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンベロープ糖タンパク質;単純ヘルペスウイルス(HSV)エンベロープ糖タンパク質;エプスタインバーウイルス(EBV)エンベロープ糖タンパク質;水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)エンベロープ糖タンパク質;ヒトパピローマウイルス(HPV)エンベロープ糖タンパク質;インフルエンザウイルス糖タンパク質;および肝炎ウイルスファミリー表面抗原)に結合することができる。そのようなドナー抗体から産生された遺伝子工学的に操作された抗体は、ヒトにおける微生物感染を治療するのに有用であると予期される。いくつかの実施形態では、前記抗体は、限定されるものではないが、プロテアーゼ耐性タンパク質(PrPSc)などの感染性タンパク質に結合することができる。いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、増殖因子、サイトカイン、またはケモカインに結合することができる。増殖因子としては、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、骨形態形成タンパク質(BMP)、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、神経成長因子(NGF);ニューロトロフィン、血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)、ミオスタチン(GDF−8)、増殖分化因子−9(GDF9)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFまたはFGF2)、上皮増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、およびニューレグリン(例えば、NRG1、NRG2、NRG3、またはNRG4)が挙げられ得る。サイトカインとしては、例えば、インターフェロン(例えば、IFNγ)、腫瘍壊死因子(例えば、TNFαまたはTNFβ)、およびインターロイキン(例えば、IL−1〜IL−33(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13またはIL−15))が挙げられる。ケモカインとしては、例えば、I−309、TCA−3、MCP−I、MIP−1α、MIP−1β、RANTES、C10、MRP−2、MARC、MCP−3、MCP−2、MRP−2、CCF18、エオタキシン、MCP−5、MCP−4、NCC−I、HCC−I、ロイコタクチン−1、LEC、NCC−4、CCL21、TARC、PARCまたはエオタキシン−2が挙げられる。いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、例えば、C1、C1q、C1r、C1s、C4、C4a、C4b、C3、C3a、C3b、C2、C2a、C2b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9、プロパージン、補体因子B、補体因子D、MBL、MASP1、MASP2、またはMASP3などのヒト補体タンパク質に結合することができる。いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、例えば、IgM、IgG(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)、IgA、IgD、またはIgEのFc部分などの抗体のFc部分に結合する。ドナー抗体は、細胞表面タンパク質に結合することができる。細胞表面タンパク質としては、例えば、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、ケモカイン受容体、サイトカイン受容体、または受容体チロシンキナーゼ(RTK)が挙げられる。ケモカイン受容体は、例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、またはCCX−CKR2であってよい。サイトカイン受容体としては、例えば、IL−1R、IL−2R、IL−3R、IL−4R、IL−5R、IL−6R、IL−8R、TNFβR1、TNFβR2、c−kit受容体、インターフェロン(IFNαまたはIFNβ)受容体、IFNガンマ受容体、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)受容体、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)受容体、およびプロラクチン受容体が挙げられる。RTKとしては、例えば、EGF受容体、インスリン受容体、PDGF受容体、FGF受容体、VEGF受容体、およびHGF受容体が挙げられる。いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、HER2/neu/ErbB2、HER3、またはHER4に結合する。
いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、限定されるものではないが、MART−1/Melan−A、gp100、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、FAP、シクロフィリンb、結腸直腸関連抗原(CRC)C017−1A/GA733、癌胎児抗原(CEA)、CAP−I、CAP−2、etv6、AMLI、前立腺特異的抗原(PSA)、PSA−1、PSA−2、PSA−3、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、T細胞受容体/CD3−ゼータ鎖、
Figure 2013531476
などの癌抗原(例えば、癌抗原の変異形態)に結合する。
いくつかの実施形態では、ドナー抗体は、
Figure 2013531476
;補体成分C3;補体成分C3a;補体成分C3b;補体成分C4a;補体成分C4b;補体成分C5;補体成分C5a;補体成分C5b;補体成分C6;補体成分C7;補体成分C8;補体成分C9;補体因子D;補体因子B;
Figure 2013531476
Figure 2013531476
Figure 2013531476
からなる群より選択されるヒトタンパク質に結合することができる。
好適なドナー抗体はまた、臨床試験における、または臨床使用のための開発における使用のために認可される様々な治療抗体も含む。そのような抗体としては、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、IDEC/Genentech/Roche)、非ホジキンリンパ腫を治療するために認可されたキメラ抗CD20抗体;HuMax−CD20、Genmabにより現在開発中の抗CD20;AME−133(Applied Molecular Evolution);hA20(Immunomedics、Inc.);HumaLYM(Intracel);PRO70769(国際特許出願第PCT/US2003/040426号);トラスツズマブ(Herceptin(登録商標)、Genentech)、乳癌を治療するために認可されたヒト化抗Her2/neu抗体;Genentechにより現在開発中のペルツズマブ(rhuMab−2C4、Omnitarg(登録商標));セツキシマブ(Erbitux(登録商標)、Imclone);Abgenix−Immunex−Amgenにより現在開発中のABX−EGF;Genmabにより現在開発中のHuMax−EGFr;425、EMD55900、EMD62000、およびEMD72000(Merck KGaA)(米国特許第5,558,864号;Murthyら(1987年)Arch Biochem Biophys 252巻(2号):549〜60頁;Rodeckら(1987年)J Cell Biochem 35巻(4号):315〜20頁;およびKettleboroughら(1991年)Protein Eng 4巻(7号):773〜83頁を参照されたい);ICR62(Institute of Cancer Research)(国際特許出願第WO95/20045号;Modjtahediら(1993年)J Cell Biophys 22巻(1〜3号):129〜46頁;Modjtahediら(1993年) Br J Cancer 67巻(2号):247〜53頁;Modjtahediら(1996年) Br J Cancer 73巻(2号):228〜35頁;Modjtahediら(2003年) Int J Cancer 105巻(2号):273〜80頁);TheraCIM hR3(YM Biosciences、Canada and Centro de Immunologia Molecular、Cuba)(米国特許第5,891,996号;米国特許第6,506,883号;Mateoら(1997年)Immunotechnology 3巻(1号):71〜81頁));mAb−806(Ludwig Institute for Cancer Research、Memorial Sloan−Kettering)(Jungbluthら(2003年)Proc Natl Acad Sci USA 100巻(2号):639〜44頁);KSB−102(KS Biomedix);MR1−I(IVAX、National Cancer Institute)(PCT WO0162931A2);B細胞慢性リンパ球性白血病の治療のために現在認可されているヒト化モノクローナル抗体であるアレムツズマブ(Campath(登録商標)、Millenium);Ortho Biotech/Johnson&Johnsonにより開発された抗CD3抗体であるムロモナブ−CD3(Orthoclone OKT3(登録商標));IDEC/Schering AGにより開発された抗CD20抗体であるイブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標));Celltech/Wyethにより開発された抗CD33(p67タンパク質)抗体であるゲムツズマブオゾガミシン(Mylotarg(登録商標));Biogenにより開発された抗LFA−3 Fc融合物であるアレファセプト(Amevive(登録商標));Centocor/Lillyにより開発されたアブシキシマブ(ReoPro(登録商標));Novartisにより開発されたバシリキシマブ(Simulect(登録商標));Medimmuneにより開発されたパリビズマブ(Synagis(登録商標));Centocorにより開発された抗TNFα抗体であるインフリキシマブ(Remicade(登録商標));Abbottにより開発された抗TNFα抗体であるアダリムマブ(Humira(登録商標));Celltechにより開発された抗TNFα抗体であるHumicade(登録商標);Centocorにより開発された完全ヒト抗TNF抗体であるゴリムマブ(CNTO−148);Abgenixにより開発されている抗CD147抗体;Abgenixにより開発されている抗IL8抗体であるABX−IL8;Abgenixにより開発されている抗MUC18抗体であるABX−MA1;Antisomaにより開発中の抗MUC1であるペムツモマブ(Rl 549、90Y−muHMFGl);Antisomaにより開発されている抗MUC1抗体であるTherex(R155O);Antisomaにより開発されているAngioMab(AS1405);Antisomaにより開発されているHuBC−I;Antisomaにより開発されているThioplatin(AS1407);Biogen IdecおよびElanにより開発されているAntegren(登録商標)(ナタリズマブ);Cambridge Antibody Technologyにより開発されている抗TGF−β2抗体であるCAT−152;Abbottにより開発されている抗IL−12 p40抗体であるABT 874(J695);Cambridge Antibody TechnologyおよびGenzymeにより開発されている抗TGFβ1抗体であるCAT−192;Cambridge Antibody Technologyにより開発されている抗エオタキシン1抗体であるCAT−213;Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences Inc.により開発されている抗Blys抗体であるLymphoStat−B(登録商標);Cambridge Antibody TechnologyおよびHuman Genome Sciences,Inc.により開発されている抗TRAIL−R1抗体であるTRAIL−RI mAb;Genentechにより開発されている抗VEGF抗体であるAvastin(登録商標)(ベバシズマブ、rhuMAb−VEGF);Genentechにより開発されている抗IgE抗体であるXolair(登録商標)(オマリズマブ);GenentechおよびXomaにより開発されている抗CD11a抗体であるRaptiva(登録商標)(エファリズマブ);GenentechおよびMillennium Pharmaceuticalsにより開発されているMLN−02抗体(以前はLDP−02);Genmabにより開発されている抗CD4抗体であるHuMax CD4;GenmabおよびAmgenにより開発されている抗IL−15抗体であるHuMax−EL15;GenmabおよびMedarex、HuMax−Cancerにより開発されているHuMax−Inflam;GenmabおよびAmgenにより開発されているHuMax−Lymphoma;Genmabにより開発されているHuMax−TAC;IDEC Pharmaceuticalsにより開発されている抗CD40L抗体であるDDEC−131;IDEC Pharmaceuticalsにより開発されている抗CD4抗体であるIDEC−151(クレノリキシマブ);IDEC Pharmaceuticalsにより開発されている抗CD80抗体であるBDEC−114;IDEC Pharmaceuticalsにより開発されている抗CD23であるIDEC−152;Imcloneにより開発されている抗イディオタイプ抗体であるBEC2;Imcloneにより開発されている抗KDR抗体であるIMC−1Cl1;Imcloneにより開発されている抗flk−1抗体であるDCl01;Imcloneにより開発されている抗VEカドヘリン抗体;Immunomedicsにより開発されている抗癌胎児抗原(CEA)抗体であるCEA−Cide(登録商標)(ラベツズマブ);Immunomedicsにより開発されている抗CD22抗体であるLymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ);Immunomedicsにより開発されているAFP−Cide;Immunomedicsにより開発されているMyelomaCide;Immunomedicsにより開発されているLkoCide;Immunomedicsにより開発されているProstaCide;Medarexにより開発されている抗CTLA4抗体であるMDX−010;Medarexにより開発されている抗CD30抗体であるMDX−060;Medarexにより開発されているMDX−070;Medarexにより開発されているMDX−018;MedarexおよびImmuno−Designed Moleculesにより開発されている抗Her2抗体であるOsidem(登録商標)(IDM−I);MedarexおよびGenmabにより開発されている抗CD4抗体であるHuMax(登録商標)−CD4;MedarexおよびGenmabにより開発されている抗EL15抗体であるHuMax−IL15;MedarexおよびCentocor/Johnson&Johnsonにより開発されている抗TNFα抗体であるCNTO148;Centocor/Johnson&Johnsonにより開発されている抗サイトカイン抗体であるCNTO1275;MorphoSysにより開発されている抗細胞間接着分子−1(ICAM−I)(CD54)抗体であるMOR101およびMOR102;MorphoSysにより開発されている抗線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR−3)抗体であるMOR201;Protein Design Labsにより開発されている抗CD3抗体であるNuvion(登録商標)(ビシリズマブ);Protein Design Labsにより開発されている抗ガンマインターフェロン抗体であるHuZAF(登録商標);Protein Design Labsにより開発されている抗α5β1インテグリン抗体;Xomaにより開発されている抗EpCAM抗体であるING−I;GenentechおよびNovartisにより開発されたヒト化抗IgE抗体であるXolair(登録商標)(オマリズマブ);ならびにXomaにより開発されている抗β2インテグリン抗体であるMLNO1が挙げられる。
ドナー抗体およびその対応する遺伝子工学的に操作された抗体の形態は同じであっても、または異なっていてもよいことが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、ドナー抗体およびその対応する遺伝子工学的に操作された抗体は、全抗体である。いくつかの実施形態では、ドナー抗体は抗体断片(例えば、抗体のFabまたはscFv断片)であり、その対応する遺伝子工学的に操作された抗体もまた抗体断片(例えば、抗体のFabまたはscFv断片)である。しかしながら、いくつかの実施形態では、ドナー抗体が全抗体であり、その対応する遺伝子工学的に操作された抗体が抗体の断片であるか、またはその逆である。
遺伝子工学的に操作された抗体を作製する方法は以下に記載される。
(遺伝子工学的に操作された抗体を作製する方法)
遺伝子工学的に操作された抗体を作製する方法には、ドナー抗体のCDRアミノ酸配列およびアクセプター抗体の少なくとも可変領域フレームワーク領域が必要である。上記のように、必要に応じて、遺伝子工学的に操作された抗体は1つまたは複数の定常領域(例えば、配列番号6に記載の重鎖アミノ酸配列のFc領域などのアクセプター抗体の定常領域)を含んでもよい。アクセプター抗体は、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を有する軽鎖可変ドメインを含んでもよい。LFR1、LFR2、LFR3およびLFR4は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインから取得されたフレームワーク領域であってもよい。軽鎖フレームワーク領域の例示的なアミノ酸配列ならびにフレームワーク領域の例示的なセットは本明細書に記載される(例えば、表1および表3〜5を参照されたい)。
アクセプター抗体重鎖可変ドメインは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を有してもよい。HFR1、HFR2、HFR3およびHFR4は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域ポリペプチドから取得されたフレームワーク領域であってよい。重鎖フレームワーク領域の例示的なアミノ酸配列ならびにフレームワーク領域の例示的なセットは本明細書に記載される(例えば、表2〜5を参照されたい)。
前記方法は、アクセプター抗体のCDR(例えば、LCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1、HCDR2およびHCDR3)をドナー抗体に由来するCDRのセットで交換することを含む。抗体遺伝子工学の当業者であれば、ドナー抗体およびアクセプター抗体のそれぞれにおけるCDRおよびフレームワーク領域の位置およびアミノ酸配列を容易に決定することができる。上記のように、抗体のCDRおよびフレームワーク領域は、例えば、Kabatら(1991年)上掲、Chothiaら(1989年)、上掲、またはKabat−Chothiaの組合せ定義を参照することにより図示することができる。Kabatの定義、Chothiaの定義およびKabat−Chothiaの組合せ定義の下での抗体のCDRおよびフレームワーク領域の同定は、図1および図2ならびにThomasら(1996年、上掲)にも例示される。
ドナー抗体に由来するCDR配列をアクセプター抗体のフレームワーク領域に移植する方法は当業界で周知であり、例えば、Jonesら(1986年)Nature 321巻:522〜525頁;Verhoeyenら(1988年)Science 239巻(4847号):1534〜1536頁;Riechmannら(1988年)Nature 332巻:323〜327頁;Queenら(1989年)Proc Natl Acad Sci USA 86巻:10029〜10033頁;PCT公開第WO93/011237号;Kettleboroughら(1991年)Protein Engineering, Design and Selection 4巻:773〜783頁;Benny K. C. Lo(2004年)「Antibody Engineering: Methods and Protocols」、Humana Press (ISBN:1588290921);Borrebaek(1992年)「Antibody Engineering, A Practical Guide」、W.H. Freeman and Co., NY;およびBorrebaek(1995年)「Antibody Engineering」、第2版、Oxford University Press、NY、Oxfordに記載されている。例えば、ドナー抗体に由来するCDRを、例えば、Daughertyら(1991年)Nucleic Acids Res 19巻(9号):2471〜2476頁;Roguskaら(1996年)Protein Engineering 9巻(10号):895〜904頁;およびYazakiら(2004年)Protein Engineering, Design & Selection 17巻(5号):481〜489頁に記載の重複伸長ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を用いて、アクセプター抗体のフレームワーク領域上に移植することができる。ドナーCDRのセットをアクセプター抗体に移植するための好適な方法は、Thomasら(1996年)、上掲にも記載されている。
いくつかの実施形態では、選択されたCDRアミノ酸配列が短い配列(例えば、10〜15アミノ酸長未満)である場合、CDRをコードする核酸を、例えば、Shiraishiら(2007年)Nucleic Acids Symposium Series 51巻(1号):129〜130頁および米国特許第6,995,259号に記載のように化学的に合成することができる。アクセプター抗体をコードする所与の核酸配列について、CDRをコードする核酸配列の領域を、標準的な分子生物学の技術を用いて、化学的に合成された核酸と交換することができる。化学的に合成された核酸の5’および3’末端を、ドナー抗体の可変領域をコードする核酸中に前記核酸をクローニングするのに使用するための付着末端制限酵素部位を含むように合成することができる。遺伝子工学的に操作された抗体を発現させ、精製する方法は当業界で公知であり、本明細書に記載される。
CDRを移植し、遺伝子工学的に操作された抗体を発現させた後(下記参照)、遺伝子工学的に操作された抗体を、ドナー抗体と同じ抗原に結合するその能力についてアッセイすることができる。抗体がタンパク質に結合するか否かを決定するための好適な方法は当業界で公知である。例えば、抗体のタンパク質抗原への結合を、限定されるものではないが、ウェスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴(SPR)法(例えば、BIAcoreシステム;Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、SwedenおよびPiscataway、N.J.)、Octet、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などの様々な技術を用いて検出および/または定量することができる。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体とその同種抗原との結合親和性を決定することができる。タンパク質抗原に対する遺伝子工学的に操作された抗体の親和性を決定するための方法は当業界で公知である。例えば、タンパク質抗原への抗体の結合を、限定されるものではないが、ウェスタンブロット、ドットブロット、SPR、OctetまたはELISA技術などの様々な技術を用いて定量することができる。例えば、HarlowおよびLane(1988年)、上掲;Benny K. C. Lo(2004年)、上掲;Borrebaek(1992年)、上掲;Johneら(1993年)J Immunol Meth 160巻:191〜198頁;Jonssonら(1993年)Ann Biol Clin 51巻:19〜26頁;およびJonssonら(1991年)Biotechniques 11巻:620〜627頁を参照されたい。
好ましくは、遺伝子工学的に操作された抗体はドナー抗体と同じ抗原に特異的に結合する。抗原への抗体の結合は、結合定数(K)が10−1より高い場合、特異的であると考えられる。かくして、抗体は、少なくとも10(またはそれより高い)(例えば、少なくとも10、10、10、1010、1011、1012、1013、1014もしくは1015以上またはそれより高い)M−1のKを有するタンパク質に特異的に結合することができる。
CDR移植は、遺伝子工学的に操作された抗体が同じ抗原に対するドナー抗体の親和性と比較して、抗原に対するほぼ同じ親和性を有するように実施することができることが多い。例えば、Jonesら(1986年)、上掲;Verhoeyenら(1988年)、上掲;およびYazakiら(2004年)、上掲を参照されたい。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、抗原に対するドナー抗体の親和性と比較して抗原に対する改善された親和性を有する。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体は、同じ抗原に対するドナー抗体の親和性と比較して抗原に対するより低い親和性を有してもよい。そのような場合、失われた親和性を、例えば、Gramら(1992年)Proc Natl Acad Sci USA 89巻(8号):3576〜3580頁;米国特許第7,432,063号;ならびにPCT公開第WO02/036738号およびWO04/055182号に記載されたCDR配列の親和性成熟を用いて部分的または完全に回復させることができる。
また、失われた親和性を、例えば、Kettleboroughら(1991年)Protein Engineering 4巻(7号):773〜783頁;Tempestら(1991年)BioTechnol 9巻:266〜271頁;Haleら(1988年)Lancet 2巻:1394〜1399頁;およびGormanら(1991年)Proc Natl Acad Sci USA 88巻:4181〜4185頁に記載された抗体作り変え技術を用いて部分的または完全に回復させることができる(またはさらには上回せることもある)。抗体作り変えのためのコンピュータによる方法は、例えば、Padlan(1991年)Mol Immunol 28巻:489〜498頁に記載されている。1個の重鎖可変フレームワーク残基、位置71(Kabatらにより定義されたもの)が、抗原結合にとって重要であると同定されている。例えば、Tramontanoら(1990年)J Mol Biol 215巻:175〜182頁を参照されたい。一連の免疫グロブリン分子に由来する構造データを用いて、著者らは、CDR2のコンフォメーションが、部分的には、残基71とのその相互作用に依存することを観察した。残基71の保持は、作り変えられた抗EGF受容体抗体における許容可能な親和性を得るのに重要であることが示された(Kettleboroughら(1991年)、上掲およびKraussら(2004年)Br J Cancer 90巻:1863〜1870頁)。重鎖可変領域フレームワーク残基48、66および67(Kabatらにより定義されたもの)も、CDR移植および作り変えの間の抗体親和性の保持にとって重要であることが示されている(同上)。さらに、Riechmannら(1988年;上掲)は、CDR移植された抗CAMPATH−1抗体の親和性を修復させるための重鎖可変領域フレームワーク残基27および30(Kabatらにより定義されたもの)の寄与を開示する。Saldanhaら((1999年)Mol Immunol 36巻(11〜12号):709〜719頁)は、ヒトカッパIV軽鎖FR1の位置9に導入された復帰突然変異が、以前はヒト化に失敗した抗体の結合親和性を修復させたことを示し、その突然変異がCOS細胞中での前記抗体の分泌レベルも増加させることを見出した。Thomasら(1996年)、上掲は、ヒト抗体の機能の維持に関するVフレームワーク領域位置78の重要性を考察している。また、例えば、FooteおよびWinter(1992年)J Mol Biol 224巻:487〜499頁も参照されたい。実施例およびThomasら(1996年)、上掲に記載のように、V位置28および30は、抗体の安定性および機能にとっても重要であり得る。従って、遺伝子工学的に操作された抗体がヒトにおける元のドナー抗体の免疫原性と比較してヒトにおいて低い免疫原性を保持する限り、前記改変のいずれかを、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体に対して行うことができるか、または前記改変のいずれかが前記遺伝子工学的に操作された抗体中に存在してもよいことが理解される。
抗体の作り変えの間に失われた抗原結合親和性を回復させるための好適な方法は、例えば、米国特許第6,180,370号;第6,350,861号;および第5,693,762号(それぞれの開示は参照によりその全体が本明細書に組入れられるものとする)にも記載されている。例えば、米国特許第6,180,370号(Queenらに対して発行された)は、遺伝子工学的に操作された抗体可変領域(例えば、遺伝子工学的に操作された抗体フレームワーク領域)の少なくとも1個(例えば、1、2、3、4、5、または6個以上)のアミノ酸を、ドナー抗体可変領域中に存在する対応するアミノ酸と交換することによって遺伝子工学的に操作された抗体の親和性を修復する方法(いわゆる「復帰突然変異」)を記載している。この方法は、例えば、遺伝子工学的に操作された抗体のフレームワーク領域と、ドナー抗体中の対応するフレームワーク領域とを比較すること(整列させること)ならびに(a)その位置について稀である、(b)CDRに隣接する、および/または(c)三次元空間においてCDRの約3Å以内にあると予測されるアミノ酸(複数可)を同定することを含む。同定されたアミノ酸は、遺伝子工学的に操作された抗体の失われた親和性を修復するための復帰突然変異の影響を特に受けやすいものであってよい。1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5もしくは6個以上)の復帰突然変異を、遺伝子工学的に操作された抗体の単一のフレームワーク領域に、または遺伝子工学的に操作された抗体の2個以上(例えば、2、3、4、5、6、7、もしくは8個)のフレームワーク領域に導入することができる。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体フレームワーク領域を、対応するドナー抗体フレームワーク領域と65%を超えて(例えば、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94または95%以上)同一にするのに十分な数で復帰突然変異を導入することができる。いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体可変領域(例えば、軽鎖可変領域もしくは重鎖可変領域)を、ドナー抗体の対応する可変領域と65%を超えて(例えば、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94または95%以上)同一にするのに十分な数で1つまたは複数の復帰突然変異を導入することができる。復帰突然変異(複数可)を含有する遺伝子工学的に操作された抗体に必要とされることの全ては、遺伝子工学的に操作された抗体がヒトにおけるドナー抗体の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低いことである。
上記で考察したように、作り変えまたは親和性成熟技術を用いて、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以上)のアミノ酸置換(例えば、保存的または非保存的置換)を、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8個全部)の遺伝子工学的に操作された抗体フレームワーク領域(例えば、HFR1、HFR2、HFR3、HFR4、LFR1、LFR2、LFR3またはLFR4)中に導入することができる。いくつかの実施形態では、フレームワーク領域は、合計で10個未満(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2または1個未満)の置換を含む。いくつかの実施形態では、ただ1個のフレームワーク領域を、作り変えプロセス(例えば、前記領域中に1つまたは複数のアミノ酸置換を導入するための)の間に変化させる。いくつかの実施形態では、2個以上(例えば、2、3、4、5または6個全部)のフレームワーク領域を、1つまたは複数のアミノ酸置換を含むように変化させる。必要とされることの全ては、得られた遺伝子工学的に操作された抗体が、ヒトに投与した場合、ヒトにおいて対応するドナー抗体よりも免疫原性が低いことである。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換を行った後に、移植プロセスを行う。いくつかの実施形態では、移植プロセスを行った後に、アミノ酸置換を行う。
上記で考察されたように、当業者であれば、可変ドメインCDRとフレームワーク領域の正確な境界が、それらをどのように定義するかに応じて変化し得ることを認識できる。例えば、Chothiaの定義またはKabat−Chothiaの組合せ定義の下では、V位置28および30は重鎖CDR1領域内にある。かくして、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸置換を、遺伝子工学的に操作された抗体のフレームワーク領域中ではなく、該抗体のV領域および/またはV領域のCDR中に導入することができる。そのような置換は、抗体作り変えまたは親和性成熟に影響し得る。従って、いくつかの実施形態では、抗体作り変えまたは成熟技術は、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以上)のアミノ酸置換(例えば、保存的または非保存的置換)を、例えば、Kabatの定義、Chothiaの定義、またはKabat−Chothiaの組合せ定義により定義されるような、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、または6個全部)の遺伝子工学的に操作された抗体のCDR領域(例えば、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、またはLCDR3)中に導入することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、CDRは合計で10個未満(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2または1個未満)の置換を含む。いくつかの実施形態では、ドナーCDRはいずれも、アクセプター足場にCDRを移植する前、または後にアミノ酸置換にかけられない。前記置換に必要とされることの全ては、(a)得られた遺伝子工学的に操作された抗体が、ヒトに投与した場合、ヒトにおいて対応するドナー抗体よりも免疫原性が低いこと;および(b)前記置換が、該置換を行う前の標的抗原に対する遺伝子工学的に操作された抗体の親和性と比較して該抗原に対する遺伝子工学的に操作された抗体の親和性を改善することである。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された軽鎖ポリペプチドおよび遺伝子工学的に操作された重鎖ポリペプチドを、本明細書に記載の方法を用いて作製することができる。いくつかの実施形態では、実務者であれば、遺伝子工学的に操作された軽鎖ポリペプチドまたは遺伝子工学的に操作された重鎖ポリペプチドだけを作製することを選択し、例えば、誘導選択を用いて相補的ポリペプチド鎖(軽鎖または重鎖ポリペプチド)を同定することによって、ヒトにおける免疫原性が低下した遺伝子工学的に操作された抗体を作ることができる。例えば、遺伝子工学的に操作された軽鎖ポリペプチドを作製した実務者であれば、誘導選択技術を用いて、同種のヒト重鎖ポリペプチド配列を同定することによって、ドナー抗体と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された抗体を作製することができる。誘導選択技術は、例えば、米国特許第5,565,332号(Hoogenboomらに対して発行された)、Guo−QiangおよびXian−Li(2009年)Methods Mol Biol 562巻:133〜142頁、Klimkaら(2000年)Br J Cancer 83巻(2号):252〜260頁、ならびにBeiboerら(2000年)J Mol Biol 296巻(3号):833〜849頁に詳細に記載されている。簡単に述べると、誘導選択は、対象の抗体軽鎖ポリペプチドまたは抗体重鎖ポリペプチドを、ヒト相補的(軽鎖または重鎖)可変ドメインのレパートリーと対形成させることを含む。例えば、ファージ展示技術を用いて、ハイブリッド対を調べる。対象の抗原に対する親和性を保持する特定のハイブリッド対を選択することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のヒト化方法は、例えば、米国特許第7,087,409号;Raderら(1998年)Proc Natl Acad Sci USA 95巻:8910〜8915頁;およびSteinbergerら(2000年)J Biol Chem 275巻(46号):36073〜36078頁に記載の多様なヒト可変領域のライブラリーまたはヒト可変領域の一部を調べることを含んでもよい。例えば、実務者であれば、エクリズマブ軽鎖可変領域のFR3およびFR4と、ドナー抗体のCDR3とを含む遺伝子工学的に操作された軽鎖ポリペプチドカセット中間体を作製することができる(出発カセットは、連続するフレームワーク領域およびCDR配列の任意の組合せ、例えば、
Figure 2013531476
などであってよいことが理解される)。次いで、実務者であれば、前記のFR3−CDR3−FR4カセットがヒトFR1−CDR1−FR2−CDR2カセットのライブラリーに連結される遺伝子工学的に操作された軽鎖ポリペプチド中間体の多様なライブラリーを作製することができる。軽鎖ポリペプチド中間体のライブラリーを、遺伝子工学的に操作された抗体重鎖ポリペプチド、例えば、本明細書に記載の少なくとも1個のフレームワーク領域と、ドナー抗体に由来する1つまたは複数のCDRとを含有する遺伝子工学的に操作された抗体と対形成させることができる。ハイブリッド対を調べて(例えば、ファージ展示技術を用いて)、ドナー抗体と同じ抗原に結合する能力を保持する1つまたは複数の個々のハイブリッド対を同定し、ドナー抗体と比較してヒトにおける免疫原性が低下したことを証明することができる。本明細書に記載の方法に従って抗体をヒト化するために交換カセットを用いるためのさらなる方法は、例えば、米国特許出願公開第20060134098号および第20050255552号に記載されている。
いくつかの実施形態では、PCRによる部位特異的突然変異誘発を用いて、遺伝子工学的に操作された抗体のフレームワーク領域中に無作為突然変異を導入することによって、遺伝子工学的に操作された抗体の変異体のライブラリーを作製することができる。いくつかの実施形態においては、遺伝子工学的に操作された抗体の変異体のライブラリーを、標的化突然変異が遺伝子工学的に操作された抗体の1つまたは複数のフレームワーク領域中に導入されるPCRを用いて製造することができる。遺伝子工学的に操作された抗体の変異体のライブラリーの少なくとも一部をスクリーニングして、ドナー抗体と比較して、抗原に対する改善された親和性ならびに/またはヒトにおける低下した、もしくはさらに低下した免疫原性などの1つまたは複数の所望の特性を有する遺伝子工学的に操作された抗体の変異体を同定することができる。抗体ライブラリーをスクリーニングする方法は、抗体遺伝子工学の分野で周知であり、例えば、ファージ展示、細菌展示、酵母表面展示、真核ウイルス展示、哺乳動物細胞展示、および無細胞(例えば、リボソーム展示)抗体スクリーニング技術が挙げられる(例えば、Etzら(2001年)J Bacteriol 183巻:6924〜6935頁;Cornelis(2000年)Curr Opin Biotechnol 11巻:450〜454頁;Klemmら(2000年)Microbiology 146巻:3025〜3032頁;Kiekeら(1997年)Protein Eng 10巻:1303〜1310頁;Yeungら(2002年)Biotechnol. Prog. 18巻:212〜220頁;Boderら(2000年)Methods Enzymology 328巻:430〜444頁;Grabherrら(2001年)Comb Chem High Throughput Screen 4巻:185〜192頁;Michaelら(1995年)Gene Ther 2巻:660〜668頁;Pereboevら(2001年)J Virol 75巻:7107〜7113頁;Schaffitzelら(1999年)J Immunol Methods 231巻:119〜135頁;およびHanesら(2000年)Nat Biotechnol 18巻:1287〜1292頁を参照されたい)。ファージ展示抗体スクリーニングは、ファージ(例えば、M13繊維状ファージまたはλ、T4もしくはT7ファージ)表面上に展示された抗体タンパク質を発現させることを含む。例えば、Sidhu(2001年)Biomol Eng 18巻:57〜63頁;Maruyamaら(1994年)Proc Natl Acad Sci USA 91巻:8273〜8277頁;RenおよびBlack(1998年)Gene 215巻:439〜444頁;Rosenbergら(1996年)InNovations 6巻:1〜6頁;ならびにCastagnoliら(2001年)Comb Chem High Throughput Screen 4巻:121〜133頁を参照されたい。簡単に述べると、それぞれ、バクテリオファージ外被タンパク質(例えば、M13ファージのpIIIもしくはpVIII)および様々な遺伝子工学的に操作された抗体の融合タンパク質をコードする複数のファージミドベクターを、標準的な分子生物学技術を用いて製造した後、細菌(例えば、E.coli)の集団中に導入する。細菌中でのバクテリオファージの発現には、いくつかの実施形態では、ヘルパーファージの使用が必要である。いくつかの実施形態では、ヘルパーファージは必要ない(例えば、Chasteenら(2006年)Nucleic Acids Res 34巻(21号):e145頁を参照されたい)。細菌から産生されたファージを回収した後、例えば、固相支持体に結合した標的抗原に接触させる。固相支持体を洗浄することにより、未結合のファージを除去する。次いで、洗浄工程の後、結合したファージを、例えば、遊離標的抗原競合剤を用いて固相支持体から溶出させる。一般に、溶出したファージは、標的抗原に結合する抗体(またはその断片)を含むと考えることができる。例えば、ウェルあたり1個のファージの感染多重度でマルチウェルアッセイプレートのウェル中で増殖させた細菌を感染させることにより、集団の個々のファージを単離することができる。
標的抗原に対するより高い親和性を有する抗体を含むファージ粒子に関してファージ集団を濃縮するために(抗原に非特異的に結合し得るファージの割合を低下させながら)、溶出したファージ(上記)を用いて細菌宿主細胞の集団に再感染させることができる。次いで、発現されたファージを細菌から取得し、固相支持体(例えば、ビーズまたはカラムの表面)に結合した標的抗原に再度接触させる。固相支持体を洗浄することにより、未結合のファージを除去する。次いで、洗浄工程の後、例えば、遊離標的抗原競合剤を用いて、固相支持体から結合したファージを溶出させる。ファージ粒子がかけられる感染−結合−溶出サイクルの数は一般に、標的抗原に対するより高い親和性を有する抗体を含むファージの濃縮レベルと相関する。
抗体ファージ展示のための方法は、例えば、O’BrienおよびAitken(2002年)「Antibody Phage Display: Methods and Protocols」、Humana Press(ISBN 0896037118);Barbasら(2004年)「Phage Display: A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press(ISBN:0879697407);ならびにFiginiら(1998年)Cancer Res 58巻:991〜996頁(それぞれの開示は参照によりその全体が本明細書に組入れられるものとする)にも記載されている。高効率スクリーニングキャンペーン(campaign)における使用のための抗体ファージ展示の様々な工程を自動化する方法は、例えば、KonthurおよびWalter(2002年)TARGETS 1巻(1号):30〜36頁に記載されている。
ドナー抗体と同じ抗原に結合する遺伝子工学的に操作された抗体を同定するためのさらなるスクリーニング方法が利用可能である。例えば、前記方法の実務者であれば、例えば、分泌された抗体断片を膜上に捕捉した後、可溶性標的抗原と接触させる様々なフィルタースクリーニング方法のいずれかを用いることができる。例えば、Skerraら(1991年)Anal Biochem 196巻:151〜5頁を参照されたい。この場合、細菌ペリプラズム中へのFab断片の分泌を指令するプラスミドベクターを担持する細菌を、膜またはフィルター上で増殖させる。分泌された断片を、該抗体断片に結合することができる抗体で被覆された第2の「捕捉」膜(例えば、抗免疫グロブリン抗血清)に拡散させ、捕捉フィルターを特異的抗原で精査する。抗体−酵素コンジュゲートを用いて、捕捉膜上の抗原結合抗体断片を着色スポットとして検出することができる。第1の膜上でコロニーを増殖させ、所望の抗体断片を発現するクローンを回収する。
前記方法の実務者であれば、ELISA技術を用いて、ドナー抗体と同じ抗原に結合する遺伝子工学的に操作された抗体をスクリーニングすることもできる。単一のクローンから発現された個々の遺伝子工学的に操作された抗体、または複数のクローンにより産生された複数の遺伝子工学的に操作された抗体のプールを、例えば、Watkinsら(1997年)Anal. Biochem. 253巻:37〜45頁に記載のようにアッセイすることができる。実務者であれば、抗体を抗原で被覆された膜上に直接拡散させるコロニーリフト結合アッセイを用いることもできる。そのような方法は、例えば、Giovannoniら(2001年)Nucleic Acids Research 29巻(5号):e27頁に記載されている。
遺伝子工学的に操作された抗体がヒトにおいて免疫原性であるか否かを決定するための方法は、当業界で周知である。例えば、遺伝子工学的に操作された抗体を、第0相臨床試験の一部としてヒト被験者に投与することができる。例えば、Kindersら(2007年)Molecular Interventions 7巻:325〜334頁を参照されたい。遺伝子工学的に操作された抗体を、経口的もしくは経皮的に投与するか、または静脈内的、皮下的、筋肉内的、腹腔内的、直腸内的、膣内的、鼻内的、胃内的、気管内的、もしくは肺内的に注入(もしくは輸液)することができる。前記抗体を、好適なリンパ組織(例えば、脾臓、リンパ節、または粘膜関連リンパ組織(MALT))に直接送達することができる。必要に応じて、追加免疫を、様々な時点で(例えば、1週間間隔)、1回または数回(例えば、2、3、4、8もしくは12回)与えてもよい。次いで、遺伝子工学的に操作された抗体に特異的な抗体(例えば、IgG、IgMまたはIgA)応答を、そのような抗体の存在について、当業者にはよく知られたin vitroアッセイ、例えば、ELISAを用いて、全身的に(例えば、血清中で)、または例えば、様々な粘膜部位で(例えば、唾液もしくは胃洗浄液および気管支肺胞洗浄液中)試験することにより測定することができる。市販のELISAに基づくキットが利用可能であり、例えば、HAHA ELISA ELPCO(商標)免疫アッセイ(ALPCO Diagnostics、Salem、NH)が挙げられる。治療抗体に結合し、その活性を阻害する中和抗体の被験体(例えば、ヒト被験者)による産生を検出するための好適な方法(例えば、ELISAまたはSPR法)は当業界で公知であり、実施例に例示される。好適な方法は、例えば、Weltら(2003年)Clin Cancer Res 9巻(4号):1338〜46頁;Aardenら(2008年)、上掲;Szolarら(2006年)J Pharm Biomed Anal 41巻(4号):1347〜1353頁;Lofgrenら(2007年)J Immunol 178巻(11号):7467〜7472頁;Ritterら(2001年)Cancer Res 61巻:6851〜6859頁;およびBuistら(1995年)Cancer Immunology, Immunotherapy 40巻(1号):24〜30頁にも記載されている。あるいは、またはさらに、一般にCD4T細胞応答が抗体応答に必要とされるため、遺伝子工学的に操作された抗体に対するin vitroでのCD4T細胞応答を、当業界で公知の方法を用いて測定することができる。そのような方法としては、CD4T細胞増殖またはリンホカイン(例えば、インターロイキン−2、インターロイキン−4、もしくはインターフェロン−γ)産生アッセイが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、ドナー抗体(例えば、ヒト化ドナー抗体)が、ヒトにおいて免疫原性である可能性があるか、またはそうであると予想されるか否かを決定することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、ヒトにおける遺伝子工学的に操作された抗体の潜在的な免疫原性をin silicoで決定することを含んでもよい。所与の抗体または抗体可変領域の潜在的な免疫原性を予測するための好適なコンピュータに基づく方法/アルゴリズムは当業界で公知であり、例えば、限定されるものではないが、SYFPEITHI、TEPITOPE、BEPITOPE、RANKPEP(Harvard University)、MMPred、PREDICT、MHCBench、およびABCpredが挙げられる。Rammenseeら(1999年)Immunogenetics 50巻:213頁;SahaおよびRaghava(2007年)Methods Mol Biol 409巻:387〜394頁;El−Manzalawyら(2008年)J Mol Recognit 21巻(4号):243〜255頁;Sturnioloら(1999年)Nat Biotechnol 17巻:555頁;BhasinおよびRaghava(2004年)Bioinformatics 20巻(3号):421〜423頁;ならびにvan de WeertおよびMoller(2008年)、「Immunogenicity of Biopharmaceuticals」、Biotechnology: Pharmaceutical Aspectsの第8巻、Springer Press(「Epitope prediction tools, databases and data sets」の表題のTable 4.2を参照されたい)を参照されたい。in silicoでの決定を、遺伝子工学的に操作された抗体の作製(例えば、1もしくは複数のドナー抗体の評価)の前に、および/または遺伝子工学的に操作された抗体の作製の後に(例えば、遺伝子工学的に操作された抗体をヒトに投与する前に)行うことができる。いくつかの実施形態では、in silicoでの決定を、遺伝子工学的に操作された抗体を作り変えした(例えば、遺伝子工学的に操作された抗体に1つまたは複数の復帰突然変異を導入した)後に行うことができる。いくつかの実施形態では、in silicoでの方法を用いて、どの作り変え技術を遺伝子工学的に操作された抗体に対して用いるかを決定する際に実務者を誘導することができる。例えば、実務者が2つの比較可能な作り変え技術の間で選択肢を有する場合(例えば、フレームワーク領域中の2つの異なるアミノ酸位置の1つでの復帰突然変異)、実務者は上記のin silicoでの方法を開始して、2つの技術のどちらがヒトにおける免疫原性の最少の可能性を有する遺伝子工学的に操作された抗体をもたらすかを決定することができる。
(遺伝子工学的に操作された抗体を発現させる方法)
遺伝子工学的に操作された抗体をコードする核酸(複数可)を、例えば、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始および停止配列、翻訳開始および停止配列、転写ターミネーターシグナル、ポリアデニル化シグナル、およびエンハンサーまたはアクチベーター配列などの転写および翻訳調節配列を含む発現ベクター中に挿入することができる。調節配列は、プロモーターならびに転写開始および停止配列を含む。さらに、発現ベクターは、それを2つの異なる生物、例えば、発現のためには哺乳動物細胞または昆虫細胞において、ならびにクローニングおよび増幅のためには原核宿主において維持することができるように2つ以上の複製系を含んでもよい。
哺乳動物細胞中の核酸からのクローニングされた遺伝子工学的に操作された抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチドの発現のためのいくつかの可能なベクター系が利用可能である。あるクラスのベクターは、宿主細胞ゲノム中への所望の遺伝子配列の組込みに依存する。安定に組込まれたDNAを有する細胞を、E.coli gpt(MulliganおよびBerg(1981年)Proc Natl Acad Sci USA 78巻:2072頁)またはTn5 neo(SouthernおよびBerg(1982年)Mol Appl Genet 1巻:327頁)などの薬剤耐性遺伝子を同時に導入することにより選択することができる。選択マーカー遺伝子を、発現させようとするDNA遺伝子配列に連結するか、または同時トランスフェクション(Wiglerら(1979年)Cell 16巻:77頁)により同じ細胞中に導入することができる。第2のクラスのベクターは、染色体外プラスミドに自己複製能力を付与するDNAエレメントを用いる。これらのベクターを、ウシパピローマウイルス(Sarverら(1982年)Proc Natl Acad Sci USA 79巻:7147頁)、ポリオーマウイルス(Deansら(1984年)Proc Natl Acad Sci USA 81巻:1292頁)、またはSV40ウイルス(LuskyおよびBotchan(1981年)Nature 293巻:79頁)などの動物ウイルスから誘導することができる。
発現ベクターを、核酸のその後の発現にとって好適な様式で細胞中に導入することができる。導入の方法は、以下に考察するように、標的となる細胞型によって大きく影響される。例示的方法としては、CaPO沈降、リポソーム融合、リポフェクチン(lipofectin)、エレクトロポレーション、ウイルス感染、デキストラン媒介性トランスフェクション、ポリブレン媒介性トランスフェクション、および直接マイクロインジェクションが挙げられる。
遺伝子工学的に操作された抗体の発現のための好適な宿主細胞としては、例えば、酵母、細菌、昆虫、および哺乳動物細胞が挙げられる。特に対象となるのは、E.coliなどの細菌、Saccharomyces cerevisiaeおよびPichia pastorisなどの菌類、SF9などの昆虫細胞、哺乳動物細胞株(例えば、ヒト細胞株)、ならびに初代細胞株である。抗体の発現のために選択される宿主細胞の種類は、発現させようとする特定の種類の抗体ならびに発現される抗体の意図される使用に一部依存する。例えば、当業者であれば、一本鎖抗体または抗体のFab断片を発現させるために細菌宿主を選択することができるが、当業者であれば、全抗体の発現のためには哺乳動物細胞宿主を選択することができる。
遺伝子工学的に操作された抗体の発現を可能にするのに十分な条件下で、および時間量で、該抗体をコードする核酸を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養することにより、前記抗体を細胞から産生させる。タンパク質発現のためのそのような条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選択によって変化し、当業者であれば日常的な実験を通じて容易に確認することができる。例えば、E.coli中で発現された遺伝子工学的に操作された抗体を、封入体から再度折畳ませることができる(例えば、Houら(1998年)Cytokine 10巻:319〜30頁を参照されたい)。細菌発現系およびその使用方法は当業界で周知である。コドンの選択、好適な発現ベクターおよび好適な宿主細胞はいくつかの因子に応じて変化し、必要に応じて容易に最適化することができる。遺伝子工学的に操作された抗体を哺乳動物細胞または限定されるものではないが、酵母、バキュロウイルスなどの他の発現系、およびin vitro発現系中で発現させることができる(例えば、Kaszubskaら(2000年)Protein Expression and Purification 18巻:213〜220頁を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体を、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)中で発現させ、それから精製することができる。例えば、遺伝子工学的に操作された抗体をトランスジェニック非ヒト哺乳動物(例えば、げっ歯類)中で産生させ、例えば、Houdebine(2002年)Curr Opin Biotechnol 13巻(6号):625〜629頁;van Kuik−Romeijnら(2000年)Transgenic Res 9巻(2号):155〜159頁;およびPollockら(1999年)J Immunol Methods 231巻(1〜2号):147〜157頁に記載のようにミルクから単離することができる。
好適な抗体発現方法は、Thomasら(1996年)、上掲にも記載されている。
発現させた後、遺伝子工学的に操作された抗体を単離することができる。本明細書に記載のポリペプチド(例えば、遺伝子工学的に操作された抗体)のいずれかに適用される用語「単離された」または「精製された」とは、ポリペプチドに天然に付随する成分(例えば、タンパク質または他の天然の生物分子もしくは有機分子)、例えば、他のタンパク質、脂質、および該タンパク質を発現する原核生物中の核酸から分離または精製されたポリペプチドを指す。典型的には、ポリペプチドは、それが試料中の総タンパク質の少なくとも60(例えば、少なくとも65、70、75、80、85、90、92、95、97、または99)重量%である場合、精製されている。
他に何の成分が試料中に存在するかに応じて、当業者には公知の様々な方法で遺伝子工学的に操作された抗体を単離または精製することができる。標準的な精製方法としては、電気泳動技術、分子技術、免疫学的技術、およびクロマトグラフィー技術、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーおよび逆相HPLCクロマトグラフィーが挙げられる。例えば、遺伝子工学的に操作された抗体を、標準的な抗抗体カラム(例えば、プロテインAまたはプロテインGカラム)を用いて精製することができる。タンパク質濃縮と共に、限外濾過および透析濾過技術もまた有用である。例えば、Scopes(1994年)「Protein Purification」、第3版、Springer−Verlag、New York City、New Yorkを参照されたい。精製の程度は所望の使用に応じて必ず変化する。いくつかの例においては、発現された遺伝子工学的に操作された抗体の精製は必要ではない。
単離された遺伝子工学的に操作された抗体の収率または純度を決定するための方法は当業界で公知であり、例えば、Bradfordアッセイ、UV分光法、Biuretタンパク質アッセイ、Lowryタンパク質アッセイ、アミドブラックタンパク質アッセイ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析(MS)、およびゲル電気泳動法(例えば、クマシーブルーまたは銀コロイド染色などのタンパク質染色を用いる)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、発現された遺伝子工学的に操作された抗体から、エンドトキシンを除去することができる。タンパク質試料からエンドトキシンを除去するための方法は当業界で公知である。例えば、限定されるものではないが、ProteoSpin(商標)Endotoxin Removal Kits(Norgen Biotek Corporation)、Detoxi−Gel Endotoxin Removal Gel(Thermo Scientific;Pierce Protein Research Products)、MiraCLEAN(登録商標)Endotoxin Removal Kit(Mirus)、またはAcrodisc(商標)−Mustang(登録商標)E膜(Pall Corporation)などの様々な市販の試薬を用いて、タンパク質試料からエンドトキシンを除去することができる。
試料中に存在するエンドトキシンを検出する、および/またはその量を測定する方法(精製の前後の両方)は当業界で公知であり、市販のキットが利用可能である。例えば、タンパク質試料中のエンドトキシンの濃度を、QCL−1000発色キット(BioWhittaker)、Pyrotell(登録商標)、Pyrotell(登録商標)−T、Pyrochrome(登録商標)、Chromo−LALなどのカブドガニ血球抽出成分(LAL)に基づくキット、およびAssociates of Cape Cod Incorporatedから入手可能なCSEキットを用いて決定することができる。
(医薬組成物)
本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体を含む組成物を、医薬組成物として製剤化することができる。医薬組成物は一般に、薬学的に許容される担体を含む。本明細書で用いられる「薬学的に許容される担体」とは、生理学的に適合する任意かつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを指し、それらを含む。前記組成物は、薬学的に許容される塩、例えば、酸付加塩または塩基付加塩を含んでもよい(例えば、Bergeら(1977年)J Pharm Sci 66巻:1〜19頁を参照されたい)。
前記組成物を、標準的な方法に従って製剤化することができる。医薬製剤は十分確立されている技術であり、例えば、Gennaro(2000年)「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、Lippincott、Williams & Wilkins(ISBN:0683306472);Anselら(1999年)「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems」、第7版、Lippincott Williams & Wilkins Publishers(ISBN:0683305727);およびKibbe(2000年)「Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association」、第3版(ISBN:091733096X)にさらに記載されている。いくつかの実施形態では、例えば、好適な濃度および2〜8℃(例えば、4℃)での保存にとって好適な緩衝化溶液として、組成物を製剤化することができる。いくつかの実施形態では、0℃以下の温度(例えば、−20℃または−80℃)での保存のために組成物を製剤化することができる。いくつかの実施形態では、2〜8℃(例えば、4℃)で最大で2年間(例えば、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、1年、1年半、または2年)の保存のために組成物を製剤化することができる。かくして、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、2〜8℃(例えば、4℃)で少なくとも1年間の保存において安定である。
前記医薬組成物は、様々な形態にあってよい。これらの形態としては、例えば、液体、半固体および固体剤形、例えば、液体溶液(例えば、注射可能な溶液および注入可能な溶液)、分散物または懸濁液、錠剤、ピル、粉末、リポソームおよび坐剤が挙げられる。好ましい形態は、投与の意図される様式および治療的適応に一部依存する。例えば、全身または局所送達を意図される抗体または断片を含む組成物は、注射可能または注入可能な溶液の形態にあってもよい。従って、前記組成物を、非経口様式(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内注射)による投与のために製剤化することができる。本明細書で用いられる「非経口投与」、「非経口投与された」および他の文法的に等価な語句は、通常は注射による腸内投与および局所投与以外の投与様式を指し、限定されるものではないが、静脈内、鼻内、眼内、肺、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、大脳内、頭蓋内、頸動脈内および胸骨内注射および輸液が挙げられる(下記を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体を、ヒトへの肺内投与(例えば、噴霧器または吸入器による投与)にとって好適な組成物中で製剤化することができる。そのような組成物を調製するための方法は当業界で周知であり、例えば、米国特許出願公開第20080202513号;米国特許第7,112,341号および第6,019,968号;ならびにPCT出願公開第WO00/061178号および第WO06/122257号(それぞれの開示は参照によりその全体が本明細書に組入れられるものとする)に記載されている。乾燥粉末吸入器製剤および該製剤の投与のための好適な系は、例えば、米国特許出願公開第20070235029号、PCT公開第WO00/69887号および米国特許第5,997,848号に記載されている。
前記組成物を、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソーム、または高濃度での安定な保存にとって好適なその他の規則的構造として製剤化することができる。滅菌注射用溶液を、必要な量の本明細書に記載の抗体(または該抗体の断片)を、好適な溶媒中に、上記で列挙された成分の1つまたはその組合せと共に組入れた後、必要に応じて、濾過滅菌することにより調製することができる。一般的には、基本分散媒体および上記で列挙されたものからの必要な他の成分を含む滅菌ビヒクル中に、本明細書に記載の抗体または断片を組入れることにより、分散物を調製する。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体の粉末と、予め滅菌濾過されたその溶液に由来する任意のさらなる所望の成分(下記を参照されたい)とをもたらす減圧乾燥および凍結乾燥を含む。例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散物の場合、必要な粒子経の維持および界面活性剤の使用により、溶液の適切な流動性を維持することができる。注射用組成物の吸収の延長を、吸収を遅延させる試薬、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを前記組成物中に含有させることによりもたらすことができる。
特定の実施形態では、遺伝子工学的に操作された抗体を、インプラントおよびマイクロカプセル化された送達系などの制御放出製剤などの、急速な放出に対して化合物を保護する担体と共に調製することができる。エチレンビニルアセテート、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーを用いることができる。そのような製剤の調製のための多くの方法が当業界で公知である。例えば、J.R.Robinson(1978年)「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」、Marcel Dekker、Inc.、New Yorkを参照されたい。
遺伝子工学的に操作された抗体をコードする核酸を、細胞内で薬剤を発現および産生させるのに用いることができる核酸を送達するための遺伝子治療プロトコールの一部として用いられる遺伝子構築物中に組み入れることができる(下記を参照されたい)。そのような成分の発現構築物を、任意の治療上有効な担体、例えば、前記成分の遺伝子を細胞にin vivoで効率的に送達することができる任意の製剤または組成物中で投与することができる。手法としては、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レンチウイルス、および単純ヘルペスウイルス−1(HSV−1)などのウイルスベクター、または組換え細菌プラスミドもしくは真核プラスミドへの対象遺伝子の挿入が挙げられる。ウイルスベクターは細胞を直接トランスフェクトすることができる;プラスミドDNAは、例えば、陽イオン性リポソーム(リポフェクチン)、または誘導体化された(例えば、抗体コンジュゲート)、ポリリシンコンジュゲート、グラミシジンS、人工ウイルスエンベロープもしくは他のそのような細胞内担体を援用して送達することができ、ならびに遺伝子構築物の直接注入またはCaPO沈降(例えば、WO04/060407を参照されたい)をin vivoで実行することができる(以下の「Ex vivoでの手法」も参照されたい)。好適なレトロウイルスの例としては、pLJ、pZIP、pWEおよびpEMが挙げられ、これらは当業者には公知である(例えば、Eglitisら(1985年)Science 230巻:1395〜1398頁;DanosおよびMulligan(1988年)Proc Natl Acad Sci USA 85巻:6460〜6464頁;Wilsonら(1988年)Proc Natl Acad Sci USA 85巻:3014〜3018頁;Armentanoら(1990)Proc Natl Acad Sci USA 87巻:6141〜6145頁;Huberら(1991年)Proc Natl Acad Sci USA 88巻:8039〜8043頁;Ferryら(1991年)Proc Natl Acad Sci USA 88巻:8377〜8381頁;Chowdhuryら(1991年)Science 254巻:1802〜1805頁;van Beusechemら(1992年)Proc Natl Acad Sci USA 89巻:7640〜7644頁;Kayら(1992年)Human Gene Therapy 3巻:641〜647頁;Daiら(1992年)Proc Natl Acad Sci USA 89巻:10892〜10895頁;Hwuら(1993年)J Immunol 150巻:4104〜4115頁;米国特許第4,868,116号および第4,980,286号;PCT公開第WO89/07136号、第WO89/02468号、第WO89/05345号および第WO92/07573号を参照されたい)。別のウイルス遺伝子送達系は、アデノウイルス由来ベクターを用いるものである(例えば、Berknerら(1988年)BioTechniques 6巻:616頁;Rosenfeldら(1991年)Science 252巻:431〜434頁;およびRosenfeldら(1992年)Cell 68巻:143〜155頁を参照されたい)。アデノウイルス株Ad 5型dl324またはアデノウイルスの他の株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7など)から誘導された好適なアデノウイルスベクターは当業者には公知である。対象遺伝子の送達にとって有用なさらに別のウイルスベクター系は、アデノ関連ウイルス(AAV)である。例えば、Flotteら(1992年)Am J Respir Cell Mol Biol 7巻:349〜356頁;Samulskiら(1989年)J Virol. 63巻:3822〜3828頁;およびMcLaughlinら(1989年)J Virol 62巻:1963〜1973頁を参照されたい。
(適応)
上記で記載されたように、本明細書に記載の遺伝子工学的に操作された抗体は、特に、それが誘導されたドナー抗体の免疫原性と比較して、ヒトにおいて低下した免疫原性を有することを特徴とする。従って、前記遺伝子工学的に操作された抗体を、例えば、遺伝子工学的に操作された抗体をヒトに長期投与しようとする場合、様々な診断および/または治療的適応において用いることができる。いかなる意味でも限定を意図するものではないが、遺伝子工学的に操作された抗体を作製および/または使用することができるいくつかの適応例を、以下に列挙する。
(抗TNFα治療抗体)
ヒト患者に長期投与される治療用のヒト化抗TNFα抗体は、全ての治療された患者の大部分においてヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答を惹起することが医師により見出されている。さらに、これらの患者において生成された抗体は、抗TNFα抗体の治療活性を実質的に中和する。かくして、これらの患者への抗TNFα抗体の継続的投与は治療的利益をほとんど提供しないか、または全く提供しないと決定されている。前記患者は、慢性関節リウマチ、クローン病、潰瘍性大腸炎、および強直性脊椎炎などの様々な重篤な自己免疫障害を有し、彼らはその疾患を有効に管理するために抗TNFα抗体に依存している。
ドナー抗TNFα抗体のCDRを、本明細書に記載の免疫原性が低下した抗体アクセプター足場に移植する。新しく遺伝子工学的に操作された抗TNFα抗体を、TNFαに結合するその能力について試験すれば、ドナー抗TNFα抗体とほぼ同じTNFαに対する親和性を有することがわかる。第0相試験では、遺伝子工学的に操作された抗体を、6カ月間、1カ月毎に1回ヒト患者のコホートに投与する。血液試料をそれぞれの患者から取得した直後に、毎月投与し、その試料を用いて、患者が遺伝子工学的に操作された抗体に対する抗体を生成するか否かを決定する。遺伝子工学的に操作された抗体で治療された実質的により低い百分率の患者が、元のヒト化抗TNFα抗体で治療された患者の百分率と比較した場合、HAHA応答を生じると予想される。従って、遺伝子工学的に操作された抗体は、元のヒト化抗TNFα抗体と比較して、より多数の患者において重篤な自己免疫障害の長期治療にとって有効であることも予期される。
(抗VEGF治療抗体)
ヒト患者に2回以上投与された治療用のヒト化抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体は、治療された患者の大部分において中和HAHA応答を惹起することが医師によって見出されている。前記患者は結腸直腸癌を有し、それぞれ、彼らはその癌を管理するために抗VEGF療法に依存している。
ドナー抗VEGF抗体のCDRを、本明細書に記載の免疫原性が低下したアクセプター抗体足場に移植する。新しく遺伝子工学的に操作された抗VEGF抗体を、VEGFに結合するその能力について試験すれば、ドナー抗VEGF抗体とほぼ同じVEGFに対する親和性を有することがわかる。第0相試験では、遺伝子工学的に操作された抗体を、2カ月間、2週間毎に1回ヒト患者のコホートに投与する。血液試料をそれぞれの患者から取得した直後、それぞれ投与し、その試料を用いて、患者が遺伝子工学的に操作された抗体に対する抗体を生成するか否かを決定する。遺伝子工学的に操作された抗体で治療された実質的により少ない百分率の患者が、元のヒト化抗VEGF抗体で治療された患者の百分率と比較した場合、HAHA応答を生じると予想される。また、遺伝子工学的に操作された抗体は元のヒト化抗VEGF抗体と比較してより多数の患者において結腸直腸癌の治療にとって有効であることも予期される。
(抗CD20治療抗体)
ヒト患者に2回以上静脈内投与された治療用ヒト化抗CD20抗体は、治療された患者の大部分において中和HAHA応答を惹起することが多くの医師によって見出されている。前記患者は非ホジキンリンパ腫を有し、それぞれの場合、患者はその症状の治療を助けるために抗CD20療法に依存している。
ドナー抗CD20抗体のCDRを、本明細書に記載の免疫原性が低下したアクセプター抗体足場に移植する。新しく遺伝子工学的に操作された抗CD20抗体をCD20に結合するその能力について試験すれば、CD20タンパク質に対するドナー抗CD20抗体の親和性と比較してCD20に対する低下した親和性を有することがわかる。この抗体を作り変え技術にかけて、CD20に対する改善された親和性を有する遺伝子工学的に操作された抗CD20抗体の変異体を同定する。2つの重鎖可変領域フレームワークアミノ酸残基27および30(Kabatらにより定義されたもの;Riechmannら(1988年)、上掲を参照されたい)に置換突然変異を導入する。遺伝子工学的に操作された抗CD20抗体の変異体をCD20に対するその親和性について再試験すれば、CD20タンパク質に対するドナー抗CD20抗体の親和性と少なくとも等価であるCD20に対する改善された親和性を有することがわかる。
第0相試験では、遺伝子工学的に操作された抗体の変異体を、2カ月間、週に1回ヒト患者のコホートに投与する。血液試料をそれぞれの患者から取得した直後、それぞれ投与し、その試料を用いて、患者が遺伝子工学的に操作された抗体の変異体に対する抗体を生成するか否かを決定する。遺伝子工学的に操作された抗体の変異体で治療された実質的により低い百分率の患者が、元のヒト化抗CD20抗体で治療された患者の百分率と比較してHAHA応答を生じると予想される。また、遺伝子工学的に操作された抗体の変異体が、元のヒト化抗CD20抗体と比較してより多数の患者において非ホジキンリンパ腫の治療にとって有効であることも予想される。
(抗IgE治療抗体)
肺内投与によりヒト患者に2回以上送達された治療用ヒト化抗IgE抗体は、治療された患者の大部分において中和HAHA応答を惹起することが医師により見出されている。前記患者は喘息を有する(中程度から高い重篤度まで)。
ドナー抗IgE抗体のCDRを、本明細書に記載の免疫原性が低下したアクセプター抗体足場に移植する。新しく遺伝子工学的に操作された抗IgE抗体を、IgE重鎖定常領域に結合するその能力について試験すれば、ドナー抗IgE抗体とほぼ同じIgEに対する親和性を有することがわかる。第0相試験では、遺伝子工学的に操作された抗体を、2カ月間、2週間毎に1回ヒト患者のコホートに噴霧器により投与する。血液および唾液試料をそれぞれの患者から取得した直後に、それぞれ投与する。この試料を用いて、患者が遺伝子工学的に操作された抗体に対する抗体を生成するか否かを決定する。遺伝子工学的に操作された抗体で治療された実質的により低い百分率の患者が、元のヒト化抗IgE抗体で治療された患者の百分率と比較してHAHA応答を生じると予想される。また、遺伝子工学的に操作された抗体が、元のヒト化抗IgE抗体と比較してより多数の患者において喘息の治療にとって有効であることも予想される。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図するものであり、限定を意図するものではない。
(実施例1)
低い免疫原性を有するヒト化アクセプター抗体の作製
ヒト補体成分C5に特異的に結合するマウスモノクローナル抗体(「mαC5抗体」)を以下のようにヒト化して、エクリズマブとして公知の抗体を作製した。mαC5抗体のCDRを、mαC5抗体のフレームワークに対する高い程度の配列相同性を有するヒトフレームワーク領域上に移植した。mαC5抗体のCDRのためのアクセプター配列として選択されたヒト可変領域を、問い合わせ配列としてマウス可変重鎖(V)および可変軽鎖(V)配列を用いて、プログラムTFASTA(NCBI)を用いてGenbankサブディレクトリGB−PRを走査することにより選択した。検索から同定されたヒトV領域は、クローンH20C3H(Genbank Locus番号HUMIGHRL;受託番号L02325)であった。例えば、Wengら(1992年)J Immunol 149巻(7号):2518〜2529頁を参照されたい。このヒトV領域は、ヒトゲノムV遺伝子HG3およびヒトゲノムJ5遺伝子から誘導されたものであり、これらのゲノム遺伝子からのフレームワーク領域に変化を含まない。検索から同定されたヒトV領域は、クローンI.23(Genbank受託番号X72477)であった。例えば、Kleinら(1993年)Eur J Immunol 23巻:3248〜3271頁を参照されたい。このヒトV領域は、ヒトゲノムVκ遺伝子012およびゲノムJκ1遺伝子から誘導されたものであり、012ゲノム遺伝子中のコードされたグルタミン(Q)残基と比較して、成熟可変領域の位置38でフレームワーク領域2(FR2)中にアルギニン(R)残基を導入したものである。H20C3 VおよびI.23 V配列のアミノ酸配列は、本明細書でそれぞれ配列番号7および8として記載されている。CDR−フレームワーク移植(Kabatにより定義されたCDRに基づく)を、重複伸長PCR技術を用いて実施した。アミノ酸置換を、位置28および30でH20C3 V配列に導入した。具体的には、位置28のトレオニンおよび位置30のトレオニンを、それぞれ、イソロイシンおよびセリンで置換した。位置28のイソロイシンおよび位置30のセリンが、エクリズマブのCDRが得られたマウス抗C5抗体配列中に存在した。エクリズマブの軽鎖可変領域およびI.23の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を、図1に示す。エクリズマブの重鎖可変領域およびH20C3の重鎖可変領域のアミノ酸配列を、図2に示す。エクリズマブの完全な軽鎖のアミノ酸配列を、配列番号1に示す。エクリズマブの完全な重鎖のアミノ酸配列を、配列番号4に示す。位置28および30はChothiaのCDR内にあり、Kabat−Chothiaの組合せCDRを移植した場合、位置28および30に置換を行う必要がなく、同じ最終的な結果が得られたことがわかる。
(実施例2)
ヒト抗エクリズマブ抗体を検出するためのアッセイ
以下のアッセイを用いて、エクリズマブで治療された患者から得た生物学的試料中のヒト抗エクリズマブ抗体の存在を検出した。このアッセイは、2つの段階:スクリーニング段階および確認段階を含む。スクリーニング段階のアッセイは、陰性対照(正常なヒト血清;対照試料)および陽性対照参考標準に照らした患者の血液試料(試験試料)の評価を含んでいた。エクリズマブで治療された患者から得た25μLの血清の2%溶液(v/v)を、96穴丸底プロピレンアッセイプレートのウェルに添加することにより、患者の血清または試験試料を評価した。陰性対照試料のために、この場合、25μLの2%(v/v)正常ヒト血清(NHS)プールを、プレートのウェルに添加した。一連の陽性対照標準試料も調製し、この標準はエクリズマブに対して生じた様々な所定の量(400、100、50、25、10、5、2および0ng/mL)の抗体を含む。25μLの標準試料を、プレートのウェルのセットに添加した。それぞれの試験試料、対照試料および標準試料を、3回評価した。
次に、それぞれ、(i)ビオチンにコンジュゲートさせたエクリズマブおよび(ii)ルテニウム(TAG)にコンジュゲートさせたエクリズマブを2μg/mL含む25μLの溶液を、プレートの各ウェルに添加した。添加後、プレートを密封し、光から保護し、室温で18時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、ストレプトアビジンでコーティングされたDynaBeads(Invitrogen;Carlsbad、California)の0.5mg/mL溶液の25μLアリコートを、プレートの各ウェルに添加した。プレートを再度密封し、光から保護し、室温で3時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、リン酸緩衝生理食塩水中に1%ウシ血清アルブミン(BSA)および0.5%Tween−20を含む150mLのバッファーを、各ウェルに添加した。プレートの各ウェルから生成された光の量(光放射)を、BioVeris M−384 Detection System(Roche)を用いて測定した。
試料が陽性であったか、および確認段階におけるさらなる試験に進めるべきかを決定するために、以下のスクリーニングアッセイを行った。試験試料を含むウェルから生成された平均光放射を、対応する対照試料を含むウェルから生成された平均光放射で除算した。得られた数が1.2以下であった場合、試験試料は陰性であると考えた。得られた数が1.2より大きかった場合、試験試料はスクリーニングアッセイ陽性であると考え、確認アッセイ段階に進めた。
確認アッセイは、薬剤投与後の試験試料(エクリズマブで治療された患者から得られた血液)と、エクリズマブの投与前に患者から得られた対応する血液試料(以後、「薬剤投与前試料」とする)との直接比較を含んでいた。薬剤投与後の試験試料中に存在するエクリズマブの量を決定した。次いで、その決定された濃度のエクリズマブを薬剤投与前試料に添加して、「薬剤投与前+ec試料」を作製した。薬剤投与前試料へのエクリズマブの添加は、未標識の薬剤干渉に起因する血清マトリックス効果の程度を正常化した。さらに、確認アッセイはまた、アッセイシグナル阻害剤としての過剰量のエクリズマブの存在下での薬剤投与後試験試料および薬剤投与前+ec試料(本明細書では「試験+INHIBITOR」および「薬剤投与前+ec+INHIBITOR」試料と呼ぶ)の評価も含んでいた。過剰のエクリズマブの添加は、アッセイシグナルが薬剤特異的であるか否かを評価するためのものである。
25μLの試験試料(2%v/v)を、96穴アッセイプレートの6個のウェルに添加した。同様に、25μLの薬剤投与前+ec試料(2%v/v)を、アッセイプレートの別の6個のウェルに添加した。試験+INHIBITOR条件を作製するために、25μLの50μg/mLのエクリズマブ溶液を、試験試料を含む6個のウェルのうちの3個に添加した。同様に、薬剤投与前+ec+INHIBITOR条件を作製するために、25μLの50μg/mLのエクリズマブ溶液を、薬剤投与前+ec試料を含む6個のウェルのうちの3個に添加した。次いで、上記のように、それぞれ、(i)ビオチンにコンジュゲートさせたエクリズマブおよび(ii)エクリズマブ−TAGを2μg/mL含有する25μLの溶液を、プレートの各ウェルに添加した。添加後、プレートを密封し、光から保護し、室温で18時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、ストレプトアビジンでコーティングされたDynaBeadsの0.5mg/mL溶液の25μLアリコートを、プレートの各ウェルに添加した。プレートを再度密封し、光から保護し、室温で3時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、リン酸緩衝生理食塩水中に1%ウシ血清アルブミン(BSA)および0.5%Tween−20を含有する150μLのバッファーを、各ウェルに添加した。プレートの各ウェルからの光放射を、BioVeris M−384 Detection System(Roche)を用いて測定した。
試験試料が陽性である(すなわち、試料がヒト抗エクリズマブ抗体を含有する)か否かを決定するために、それぞれのウェル群からの平均光放射を以下のように評価した。まず、薬剤投与前+ec+INHIBITOR試料を含有するウェルから生成された平均光放射により除算した、薬剤投与前+ec試料を含有するウェルから生成された平均光放射として、比Aを決定した。比Aは、阻害剤の存在下で減少したバックグラウンド血清の非特異的シグナル変化を示す。
次に、試験+INHIBITOR試料を含有するウェルから生成された平均光放射により除算した、試験試料を含有するウェルから生成された平均光放射として、比Bを算出した。比Bは、阻害剤の存在下で減少した試験試料における任意の光放出の変化を反映する。
比Aにより除算した比Bとして、第3の比である比Cを決定した。かくして、比Cは、存在する場合、試験試料が得られた患者におけるヒト抗エクリズマブ抗体応答の生成の結果得られた光放出の増加を反映する。比Cが1.3未満であった場合、試験試料は確認アッセイにおいて陰性であると考えた。比Cが1.3より大きかった場合、試験試料はヒト抗エクリズマブ抗体の存在の可能性について陽性であると考えた。
(実施例3)
中和ヒト抗エクリズマブ抗体を検出するためのアッセイ
次いで、スクリーニングアッセイおよび確認アッセイの両方において陽性であると考えられた試験試料(HAHA陽性試験試料)を、試験試料中に存在するヒト抗エクリズマブ抗体がエクリズマブを中和することができるか否かを決定するために分析した。
アッセイのための試料を調製するために、薬剤投与前試料およびHAHA陽性試験試料中の補体成分C5の量も決定した。その結果を用いて、薬剤投与前またはHAHA陽性試験試料に添加されるC5の量を、そのC5濃度が同一となるように決定した。HAHA陽性試験試料中のエクリズマブの量を決定した。決定された量のエクリズマブを、対応する正規化された薬剤投与前試料に添加して、薬剤投与前+ec試料を作製した。
アッセイプレートを調製するために、150μLのブロッキングバッファー[リン酸緩衝生理食塩水中の3%BSA]を、ストレプトアビジンでコーティングされた96穴アッセイプレートの各ウェルに添加した。プレートを密封し、室温で1時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、各ウェルの内容物を除去し、150μLの洗浄バッファー[リン酸緩衝生理食塩水中の0.05%Tween−20]で3回、ウェルを洗浄した。最後の洗浄の後、バッファーを除去し、ビオチンにコンジュゲートされたエクリズマブを含有する1μg/mL溶液の25μLを各ウェルに添加した。プレートを密封し、暗室中、37℃で3時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、ウェルの内容物を除去し、洗浄バッファーで3回、ウェルを洗浄した。
ウェルを洗浄した後、25μLの試験試料(2%v/v)を、プレートの3個のウェルに添加した。同様に、25μLの薬剤投与前+ec試料(2%v/v)を、アッセイプレートの3個のウェルに添加した。さらに、一連の陽性対照標準溶液も調製し、エクリズマブに結合し、これを中和することが公知の様々な所定の量(50、25、10、5、2および0ng/mL)の抗体を含有する、25μLの標準物をプレートのウェルのセットに添加した。プレートを再度密封し、暗室中、37℃で1時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、ウェルの内容物を除去し、洗浄せずに、ルテニウムにコンジュゲートさせたC5の250ng/mL溶液の25μLを各ウェルに添加した。次いで、プレートを被覆し、室温で1時間、振とうしながらインキュベートした。インキュベーション後、プレートを150μLの洗浄バッファーで3回洗浄した。次に、150μLの2X Read Buffer T(界面活性剤;MSD(登録商標)、カタログ番号R92TC−1を含有する)を各ウェルに添加した。アッセイプレートの各ウェルから生成された光放射を、MSD(登録商標)Workbench Softwareを用いるMSD(登録商標)Sector Imager 2400を用いて決定した。
データを分析するために、以下の計算を行った。薬剤投与前+ec試料を含有するウェルからの平均光放射を、HAHA陽性試験試料を含有するウェルから生成された平均光放射で除算した。得られた数値が1.3未満である場合、試験試料中のHAHA応答が非中和的であることを示すと考えた。1.3より大きかった数値は、HAHA陽性試験試料が中和抗エクリズマブ抗体を含有し得ることを示していた。HAHA陽性試験試料に関するデータをさらに分析して、患者の試料中の存在する抗エクリズマブ抗体により、中和の程度、またはエクリズマブ結合活性の「抑制率(%)」を決定した。抑制率(%)は、100%−[(抗エクリズマブ抗体が存在しない試料を用いてNabアッセイにおいて得られたシグナル)/(1つまたは複数の抗エクリズマブ抗体を含有する確認アッセイ陽性試料を用いてNabアッセイにおいて得られたシグナル)]×100と計算された。この分析において有意なシグナル抑制率(%)を表すものに等しいか、またはそれより上であるカットオフ値は23%である。
(実施例4)
ヒト患者におけるエクリズマブの低レベルの免疫原性
臨床試験において、エクリズマブをヒト患者に4週間にわたって毎週600mg、1週間後に900mg、次いで、その後2週間毎に900mgの用量を維持して静脈内投与した。各患者は、2年半にわたって少なくとも68治療用量のエクリズマブを受けた。多くの患者は、少なくとも5年にわたって(130用量にわたって)治療濃度のエクリズマブを受けた。161人の患者から得た合計793の血清試料を試験して、ヒト抗ヒト抗体(HAHA)応答が患者において生じたか否かを決定した。49の血清試料が上記スクリーニングアッセイにおいて陽性であると決定された。49の試料のうち、20はエクリズマブを投与する前に得られた患者試料(薬剤投与前試料)であり、29の試料はエクリズマブを投与した後の患者から得られたものであった(薬剤投与後試料)。薬剤投与後試料に対してのみ、確認アッセイを行った。試験した29の薬剤投与後試料のうちの7は、上記の確認アッセイを用いて陽性であったが(確認アッセイ陽性試料)、これは抗エクリズマブ抗体が7の試料中に存在し得ることを示唆していた。
確認アッセイ陽性試料を、確認アッセイ陽性試料に対応する薬剤投与前試料と共に上記の中和抗体アッセイ(Nabアッセイ)にかけた。上記のように、薬剤投与前試料に、薬剤投与後対応試料中で測定された濃度までエクリズマブおよび補体成分C5を補給した。
Nabアッセイにおいて、3つの確認アッセイ陽性試料のみが、カットオフ値よりわずかに高い「抑制率(%)」の値を有すると決定された(3つの試料のうちの1つは第1の患者から得られたものであり、他の2つの試料は第2の患者から得られたものであった)。3つの試料に関する「抑制率(%)」の値は、それぞれ、25.7%、27.5%および36.2%であると決定された。注目すべきことに、前記抗体の薬物動態(PK)および薬力学(PD)特性は、試料中に存在する低レベルの抗エクリズマブ抗体によって影響されなかった。
これらのデータは、エクリズマブ抗体が、治療用量でヒト患者に長期投与した場合、一般的には免疫原性が低く、抗エクリズマブ抗体応答が免疫原性試験において検出可能であった少数の患者(161人の患者のうち2人)において、その応答は前記抗体の治療効果を中和しなかったことを示している。
(実施例5)
新規ヒト化治療抗体を作製するための本明細書に記載の足場の使用
マウス抗ヒトC5a抗体の可変領域を、ヒト化にかけた。マウス軽鎖および重鎖可変領域のアミノ酸配列を、以下の表6に示す。
Figure 2013531476
日常的な分子生物学的方法を用いて、ヒト生殖細胞系列フレームワーク足場上にマウス抗体CDRを移植した。重鎖のCDR2中のセリン残基をアスパラギンと交換して、それによって潜在的なグリコシル化部位を除去することにより、さらなるヒト化を行った。ヒト化抗ヒトC5a抗体のアミノ酸配列を、表7に示す。
Figure 2013531476
表7に示されるように、ヒト化抗C5a抗体は、エクリズマブ抗体の軽鎖フレームワーク領域1(配列番号9)、2(配列番号10)および3(配列番号11)ならびにエクリズマブ抗体の重鎖フレームワーク領域1(配列番号17)、2(配列番号14)および3(配列番号15)(全てKabat−Chothiaの定義の下で定義される)を含む。上記の表1および2を参照されたい。軽鎖フレームワーク4(LFR4)は、1個のアミノ酸(上記の表7において太字で示される)によりエクリズマブのLFR4と異なる。同様に、重鎖フレームワーク4(HFR4)は、1個のアミノ酸(これも上記の表7において太字で示される)によりエクリズマブのHFR4と異なる。
ヒト化抗体をBIAcore分析にかけて、ヒトC5aに対するその親和性を定量し、部分的に、ヒト化がその抗原に対する抗体の結合親和性に影響したか否かを決定した。例えば、KarlssonおよびLarsson(2004年)Methods Mol Biol 248巻:389〜415頁を参照されたい。簡単に述べると、捕捉技術を用いてヒト化抗体を3〜4つの濃度のヒトC5a(抗原)を用いてスクリーニングした。センサーチップ表面上を通過させた0.6nM〜5.9nMの範囲の様々な濃度のヒトC5aを用いてCM5センサーチップ上に直接固定された抗Fc(ヒト)抗体により、抗体を捕捉した。各サイクルの後に20mM HCl、0.02%P20を用いて表面を再生して、結合した抗体および抗原を除去した。1:1 Langmuir Model Fit(Rmax:Global Fit;RI:Local Fit)を用いるBiacore BIAevaluationソフトウェアを用いて、データを評価した。k(結合速度定数)、k(解離速度定数)、およびK(平衡解離定数)などの動力学情報を、適合から得た。分析の結果は以下の通りである:k≒1.93×10−1−1;k≒5.76×10−4−1;およびK≒2.98×10−10M。同様の条件下で、ヒトC5aに結合したマウス抗C5a抗体対応物は以下のパラメータを有する:k≒2.76×10−1−1;k≒1.41×10−4−1;およびK≒5.12×10−10M。これらのデータは、マウス抗体のヒト化がヒトC5aに対する抗体の結合親和性を改善することを示唆していた(5.12×10−10M〜2.98×10−10MのK)。ドナー抗体と比較して、ヒトにおける低下した免疫原性についてヒト化抗体を試験するための方法は当業界で公知であり、本明細書に記載される。
少なくとも、これらの結果は、本明細書に記載のエクリズマブフレームワーク領域を用いて、その同種抗原に対する抗体の親和性に有害に影響することなく他の非ヒト抗体をヒト化することができることを示唆している。
本開示をその特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本開示の真の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更を行い、均等物と置換することができることを理解すべきである。さらに、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセスステップまたは複数のステップに適合させるために、本開示の対象、精神および範囲に対して多くの改変を行うことができる。そのような改変は全て、本開示の範囲内にあると意図される。
本開示の他の特徴および利点、例えば、ヒトにおける免疫原性を低下させた治療抗体を作製する方法は、以下の説明、実施例、および特許請求の範囲から明らかとなる。
したがって本発明は以下の項目を提供する:
(項目1)
以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含むポリペプチドであって、ここで、軽鎖フレームワーク領域LFR1、LFR2およびLFR3のうちの1つまたは複数は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得られ、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、ポリペプチド。
(項目2)
LFR4が、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する上記軽鎖可変領域から得られる、項目1に記載のポリペプチド。
(項目3)
上記CDRのうちの1つが、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する上記軽鎖可変領域に由来する、項目1または2に記載のポリペプチド。
(項目4)
上記CDRのうちの2つが、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する上記軽鎖可変領域に由来する、項目1または2に記載のポリペプチド。
(項目5)
上記CDRのうちの少なくとも2つが、同じドナー抗体に由来する、項目1から3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目6)
上記CDRの全部が同じドナー抗体に由来する、項目1または2に記載のポリペプチド。
(項目7)
上記フレームワーク領域および上記CDRがKabatに従って定義される、項目1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目8)
上記フレームワーク領域および上記CDRがChothiaに従って定義される、項目1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目9)
上記フレームワーク領域および上記CDRがKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、項目1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目10)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から7または9のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目11)
LFR2が配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から7、9または10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目12)
LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から7または9から11のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目13)
LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から7または9から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目14)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から7または9から13のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目15)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から7または9から13のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目16)
LFR1が配列番号20または配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から6または8のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目17)
LFR2が配列番号21または配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から6、8または16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目18)
LFR3が配列番号22または配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から6、8、16または17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目19)
LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から6、8または16から18のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目20)
LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から6、8または16から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目21)
LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、項目1から6、8または16から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目22)
免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、項目1から21のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目23)
配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、項目22に記載のポリペプチド。
(項目24)
以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含むポリペプチドであって、ここで、重鎖フレームワーク領域HFR1、HFR2およびHFR3のうちの1つまたは複数は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から得られ、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該ポリペプチドは、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、ポリペプチド。
(項目25)
LFR4が、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する上記重鎖可変領域から得られる、項目24に記載のポリペプチド。
(項目26)
上記CDRのうちの1つが、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する上記重鎖可変領域に由来する、項目24または25に記載のポリペプチド。
(項目27)
上記CDRのうちの2つが、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する上記重鎖可変領域に由来する、項目24または25に記載のポリペプチド。
(項目28)
上記CDRのうちの少なくとも2つが、同じドナー抗体に由来する、項目24から26のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目29)
上記CDRの全部が同じドナー抗体に由来する、項目24または25に記載のポリペプチド。
(項目30)
上記フレームワーク領域および上記CDRがKabatに従って定義される、項目24から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目31)
上記フレームワーク領域および上記CDRがChothiaに従って定義される、項目24から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目32)
上記フレームワーク領域および上記CDRがKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、項目24から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目33)
HFR1が配列番号13、17または19のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30または32のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目34)
HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30、32または33のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目35)
HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30または32から34のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目36)
HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30または32から35のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目37)
HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30または32から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目38)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30または32から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目39)
HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から30または32から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目40)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から29または31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目41)
HFR2が配列番号27または配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から29、31または40のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目42)
HFR3が配列番号28または配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から29、31、40または41のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目43)
HFR4が配列番号29または配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から29、31または40から42のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目44)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から29、31または40から43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目45)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、項目24から29、31または40から43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目46)
免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、項目24から45のいずれか一項に記載のポリペプチド。
(項目47)
配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む、項目46に記載のポリペプチド。
(項目48)
上記免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域が、IgG重鎖ポリペプチド定常領域、IgA重鎖ポリペプチド定常領域、IgE重鎖ポリペプチド定常領域、IgD重鎖ポリペプチド定常領域またはIgM重鎖ポリペプチド定常領域である、項目46に記載のポリペプチド。
(項目49)
(i)軽鎖ポリペプチド、および(ii)重鎖ポリペプチドを含む遺伝子工学的に操作された抗体であって、
該軽鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含み、ここで、軽鎖フレームワーク領域LFR1、LFR2およびLFR3は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得られ、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該軽鎖ポリペプチドは、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含まず、
該重鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含み、ここで、重鎖フレームワーク領域HFR1、HFR2およびHFR3は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から得られ、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該重鎖ポリペプチドは、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、
遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目50)
上記軽鎖フレームワーク領域、上記重鎖フレームワーク領域、上記軽鎖CDR、および上記重鎖CDRが、Kabatの定義に従って定義される、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目51)
上記軽鎖フレームワーク領域、上記重鎖フレームワーク領域、上記軽鎖CDR、および上記重鎖CDRが、Chothiaの定義に従って定義される、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目52)
上記軽鎖フレームワーク領域、上記重鎖フレームワーク領域、上記軽鎖CDR、および上記重鎖CDRが、Kabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目53)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目54)
LFR2が配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50、52または53のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目55)
LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から54のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目56)
LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から55のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目57)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から56のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目58)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から56のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目59)
LFR1が配列番号20または配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、項目49または51に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目60)
LFR2が配列番号21または配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51または59のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目61)
LFR3が配列番号22または配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51、59または60のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目62)
LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51または59から61のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目63)
LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51または59から62のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目64)
LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51または59から63のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目65)
上記軽鎖ポリペプチドが免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、項目49から64のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目66)
上記軽鎖ポリペプチド定常領域がヒトアミノ酸配列を含む、項目65に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目67)
上記軽鎖定常領域がλ軽鎖定常領域またはκ軽鎖定常領域である、項目65または66に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目68)
配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、項目65から67のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目69)
HFR1が配列番号13、17または19のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から68のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目70)
HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から69のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目71)
HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から70のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目72)
HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から71のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目73)
HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から72のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目74)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から72のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目75)
HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、50または52から72のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目76)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51または53から68のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目77)
HFR2が配列番号27または配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51、53から68または76のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目78)
HFR3が配列番号28または配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51、53から68、76または77のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目79)
HFR4が配列番号29または配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51、53から68または76から78のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目80)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51、53から68または76から79のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目81)
HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、項目49、51、53から68または76から79のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目82)
上記重鎖ポリペプチドが免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、項目49から81のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目83)
上記重鎖ポリペプチド定常領域がヒトアミノ酸配列を含む、項目82に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目84)
上記重鎖ポリペプチドが免疫グロブリン分子のFc部分を含む、項目82または83に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目85)
Fc領域が、IgG1免疫グロブリンFc領域、IgG2免疫グロブリンFc領域、IgG3免疫グロブリンFc領域、IgG4免疫グロブリンFc領域、IgA免疫グロブリンFc領域、IgM免疫グロブリンFc領域、IgE免疫グロブリンFc領域またはIgD免疫グロブリンFc領域である、項目84に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目86)
上記重鎖ポリペプチドが配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む、項目49から85のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目87)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目88)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目89)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目90)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目91)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目92)
LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目93)
LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目94)
LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目95)
LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目96)
LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目97)
表5に記載の重鎖フレームワーク領域と軽鎖フレームワーク領域との対のセットを含む、項目49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目98)
Fd断片、Fab断片、Fab’断片、およびF(ab’) 断片からなる群より選択される抗体断片である、項目49から64、69から82、または87から97のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目99)
上記軽鎖ポリペプチドおよび上記重鎖ポリペプチドが互いに共有結合している、項目49から97のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目100)
補体成分タンパク質に結合する、項目49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目101)
上記補体成分タンパク質が、C1q、C1r、C1s、C4、C4a、C4b、C3、C3a、C3b、C2、C2a、C2b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9、プロパージン、補体因子D、補体因子B、MBL、MASP1、MASP2およびMASP3からなる群より選択される、項目100に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目102)
細胞表面受容体に結合する、項目49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目103)
上記細胞表面受容体がGタンパク質共役受容体である、項目102に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目104)
上記細胞表面受容体がケモカイン受容体またはサイトカイン受容体である、項目102または103に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目105)
上記細胞表面受容体が受容体チロシンキナーゼである、項目102に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目106)
(i)細胞死受容体、または(ii)細胞死受容体のリガンドに結合する、項目49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目107)
増殖因子、ケモカイン、またはサイトカインに結合する、項目49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目108)
免疫グロブリン分子に結合する、項目49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目109)
上記免疫グロブリン分子がIgE分子である、項目108に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目110)
項目1から48のいずれか一項に記載のポリペプチド;または
項目49から109のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体
をコードする核酸。
(項目111)
項目110に記載の核酸を含むベクター。
(項目112)
上記核酸が発現制御配列に作動可能に連結されている、項目111に記載のベクター。
(項目113)
項目111または112に記載のベクターを含む細胞。
(項目114)
ポリペプチドまたは遺伝子工学的に操作された抗体を産生させるための方法であって、項目113に記載の細胞を、該ポリペプチドまたは該遺伝子工学的に操作された抗体の発現を可能にするのに好適な条件下で培養する工程を含む、方法。
(項目115)
上記培養された細胞から、または該細胞を培養した培地から、上記ポリペプチドまたは上記遺伝子工学的に操作された抗体を単離する工程をさらに含む、項目114に記載の方法。
(項目116)
項目114または115に記載の方法により産生された、単離されたポリペプチドまたは単離された遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目117)
ドナー軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域を作製するための方法であって、
(i)配列番号2もしくは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
(iii)少なくとも1つのドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
該アクセプター軽鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体軽鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域を作製する工程と
を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域は、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含まない、方法。
(項目118)
上記遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域と相補的な重鎖抗体可変領域または重鎖抗体可変領域をコードする核酸を取得して、遺伝子工学的に操作された抗体を作製する工程をさらに含む、項目117に記載の方法。
(項目119)
誘導選択を用いて上記重鎖抗体可変領域を取得する、項目118に記載の方法。
(項目120)
上記重鎖抗体可変領域が遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域である、項目118に記載の方法。
(項目121)
上記遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域の作製が、
(i)配列番号5もしくは配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
(iii)少なくとも1つのドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
該アクセプター重鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体重鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製する工程と
を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された抗体可変領域が、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド可変領域を含まない、項目120に記載の方法。
(項目122)
ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製するための方法であって、
(i)配列番号5もしくは配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
(iii)少なくとも1つのドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
該アクセプター重鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体重鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製する工程と
を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された抗体可変領域は、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド可変領域を含まない、方法。
(項目123)
上記遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域と相補的な軽鎖抗体可変領域を取得し、遺伝子工学的に操作された抗体を作製する工程をさらに含む、項目122に記載の方法。
(項目124)
誘導選択を用いて、上記遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域を取得する、項目123に記載の方法。
(項目125)
上記軽鎖抗体可変領域が、遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域である、項目123に記載の方法。
(項目126)
上記遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域の作製が、
(i)配列番号2もしくは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
(iii)少なくとも1つのドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
該アクセプター軽鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体軽鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域を作製する工程と
を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域が、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含まない、項目125に記載の方法。
(項目127)
上記フレームワーク領域および上記CDRがKabatの定義に従って定義される、項目117から126のいずれか一項に記載の方法。
(項目128)
上記フレームワーク領域および上記CDRがChothiaの定義に従って定義される、項目117から126のいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
上記フレームワーク領域および上記CDRがKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、項目117から126のいずれか一項に記載の方法。
(項目130)
上記遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域を産生させる工程をさらに含む、項目117に記載の方法。
(項目131)
上記遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域を細胞中で産生させる、項目130に記載の方法。
(項目132)
上記遺伝子工学的に操作された抗体重鎖可変領域を産生させる工程をさらに含む、項目122に記載の方法。
(項目133)
上記遺伝子工学的に操作された抗体重鎖可変領域を細胞中で産生させる、項目132に記載の方法。
(項目134)
上記細胞から、または該細胞を培養した培地から、上記遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域または上記遺伝子工学的に操作された重鎖可変領域を単離する工程をさらに含む、項目130から133のいずれか一項に記載の方法。
(項目135)
上記遺伝子工学的に操作された抗体を産生させる工程をさらに含む、項目118または123に記載の方法。
(項目136)
上記遺伝子工学的に操作された抗体を細胞中で産生させる、項目135に記載の方法。
(項目137)
上記細胞から、または該細胞を培養した培地から、上記遺伝子工学的に操作された抗体を単離する工程をさらに含む、項目135または136に記載の方法。
(項目138)
上記遺伝子工学的に操作された抗体が上記ドナー抗体と同じ抗原に結合するか否かを決定する工程をさらに含む、項目135から137のいずれか一項に記載の方法。
(項目139)
上記遺伝子工学的に操作された抗体が、同じ抗原に対する上記ドナー抗体の親和性と比較して標的抗原に対するより高い親和性を有する、項目135から138のいずれか一項に記載の方法。
(項目140)
上記遺伝子工学的に操作された抗体に結合する抗体が、該遺伝子工学的に操作された抗体をヒトに投与した後に産生されるか否かを決定する工程をさらに含む、項目135から139のいずれか一項に記載の方法。
(項目141)
上記遺伝子工学的に操作された抗体を作り変える工程をさらに含む、項目135から140のいずれか一項に記載の方法。
(項目142)
上記作り変えが、フレームワーク領域の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141に記載の方法。
(項目143)
上記作り変えが、フレームワーク領域の少なくとも2つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141または142に記載の方法。
(項目144)
上記作り変えが、少なくとも2つの異なるフレームワーク領域中の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141から143のいずれか一項に記載の方法。
(項目145)
上記作り変えが、フレームワーク領域中の1つまたは複数のアミノ酸を置換する工程を含まない、項目144に記載の方法。
(項目146)
上記作り変えが、少なくとも1つのCDRの少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141または145に記載の方法。
(項目147)
上記作り変えが、少なくとも1つのCDRの少なくとも2つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141、145または146に記載の方法。
(項目148)
上記作り変えが、CDRの少なくとも1つのアミノ酸位置を置換する工程を含み、該CDRが、Kabatの定義またはKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、項目146または147に記載の方法。
(項目149)
上記作り変えが、上記重鎖可変領域の位置28および30(Kabatの番号付けによる)の一方または両方のアミノ酸を置換する工程を含む、項目141から143のいずれか一項に記載の方法。
(項目150)
上記作り変えが、少なくとも2つの異なるCDR中の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141または145から148のいずれか一項に記載の方法。
(項目151)
上記作り変えが、上記重鎖可変領域の位置27、28、30、71または78(Kabatの番号付けによる)の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141から144または149のいずれか一項に記載の方法。
(項目152)
上記作り変えが、上記遺伝子工学的に操作された抗体の上記重鎖可変領域の位置27、28または30(Kabatの番号付けによる)の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、項目141から143のいずれか一項に記載の方法。
(項目153)
上記作り変えが、少なくとも1つのスペーサーアミノ酸配列を、上記遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域の一方または両方に導入する工程を含む、項目141から152のいずれか一項に記載の方法。
(項目154)
フレームワークまたはCDRの1つまたは複数のアミノ酸を、上記交換前に置換する、項目141から153のいずれか一項に記載の方法。
(項目155)
フレームワークまたはCDRの1つまたは複数のアミノ酸を、上記交換後に置換する、項目141から153のいずれか一項に記載の方法。
(項目156)
上記アクセプター抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列が項目1に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む、項目117から122または126から155のいずれか一項に記載の方法。
(項目157)
上記アクセプター抗体重鎖可変領域アミノ酸配列が項目24に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む、項目121から155のいずれか一項に記載の方法。
(項目158)
上記アクセプター抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列が項目1に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含み、上記アクセプター抗体重鎖可変領域アミノ酸配列が項目24に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む、項目117から157のいずれか一項に記載の方法。
(項目159)
(i)軽鎖ポリペプチド、および(ii)重鎖ポリペプチドを含む遺伝子工学的に操作された抗体であって、
該軽鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含み、
ここで、LFR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、LFR2は、配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、LFR3は、配列番号11に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、LFR4は、配列番号12に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、
ここで、LCDR1はドナー抗体に由来する軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、LCDR2はドナー抗体に由来する軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、LCDR3はドナー抗体に由来する軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
ここで、該軽鎖ポリペプチドは配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含まず、
該重鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含み、
ここで、HFR1は、配列番号13、17または19に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、HFR2は、配列番号14に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、HFR3は、配列番号15に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、HFR4は、配列番号16に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、
ここで、HCDR1はドナー抗体に由来する重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、HCDR2はドナー抗体に由来する重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、HCDR3はドナー抗体に由来する重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
ここで、該重鎖ポリペプチドは配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含まず、
該遺伝子工学的に操作された抗体は、該ドナー抗体と比較してヒトにおける免疫原性が低く、該遺伝子工学的に操作された抗体は、該ドナー抗体と同じ抗原に結合する、遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目160)
項目159に記載の遺伝子工学的に操作された抗体であって、
(a)LCDR1、LCDR2およびLCDR3が単一のドナー抗体に由来する、ならびに
(b)HCDR1、HCDR2およびHCDR3が単一のドナー抗体に由来する、
のうち一方または両方を満たす、遺伝子工学的に操作された抗体。
(項目161)
上記軽鎖CDRおよび上記重鎖CDRの全部が同じドナー抗体に由来する、項目159または160に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。

Claims (161)

  1. 以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含むポリペプチドであって、ここで、軽鎖フレームワーク領域LFR1、LFR2およびLFR3のうちの1つまたは複数は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得られ、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該ポリペプチドは、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、ポリペプチド。
  2. LFR4が、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する前記軽鎖可変領域から得られる、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記CDRのうちの1つが、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する前記軽鎖可変領域に由来する、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  4. 前記CDRのうちの2つが、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する前記軽鎖可変領域に由来する、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  5. 前記CDRのうちの少なくとも2つが、同じドナー抗体に由来する、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  6. 前記CDRの全部が同じドナー抗体に由来する、請求項1または2に記載のポリペプチド。
  7. 前記フレームワーク領域および前記CDRがKabatに従って定義される、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  8. 前記フレームワーク領域および前記CDRがChothiaに従って定義される、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  9. 前記フレームワーク領域および前記CDRがKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  10. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から7または9のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  11. LFR2が配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から7、9または10のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  12. LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から7または9から11のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  13. LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から7または9から12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  14. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から7または9から13のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  15. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から7または9から13のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  16. LFR1が配列番号20または配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6または8のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  17. LFR2が配列番号21または配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6、8または16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  18. LFR3が配列番号22または配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6、8、16または17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  19. LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6、8または16から18のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  20. LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6、8または16から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  21. LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項1から6、8または16から19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  22. 免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  23. 配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項22に記載のポリペプチド。
  24. 以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含むポリペプチドであって、ここで、重鎖フレームワーク領域HFR1、HFR2およびHFR3のうちの1つまたは複数は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から得られ、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該ポリペプチドは、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、ポリペプチド。
  25. LFR4が、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する前記重鎖可変領域から得られる、請求項24に記載のポリペプチド。
  26. 前記CDRのうちの1つが、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する前記重鎖可変領域に由来する、請求項24または25に記載のポリペプチド。
  27. 前記CDRのうちの2つが、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する前記重鎖可変領域に由来する、請求項24または25に記載のポリペプチド。
  28. 前記CDRのうちの少なくとも2つが、同じドナー抗体に由来する、請求項24から26のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  29. 前記CDRの全部が同じドナー抗体に由来する、請求項24または25に記載のポリペプチド。
  30. 前記フレームワーク領域および前記CDRがKabatに従って定義される、請求項24から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  31. 前記フレームワーク領域および前記CDRがChothiaに従って定義される、請求項24から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  32. 前記フレームワーク領域および前記CDRがKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、請求項24から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  33. HFR1が配列番号13、17または19のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30または32のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  34. HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30、32または33のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  35. HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30または32から34のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  36. HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30または32から35のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  37. HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30または32から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  38. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30または32から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  39. HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から30または32から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  40. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から29または31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  41. HFR2が配列番号27または配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から29、31または40のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  42. HFR3が配列番号28または配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から29、31、40または41のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  43. HFR4が配列番号29または配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から29、31または40から42のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  44. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から29、31または40から43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  45. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、請求項24から29、31または40から43のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  46. 免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、請求項24から45のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  47. 配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む、請求項46に記載のポリペプチド。
  48. 前記免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域が、IgG重鎖ポリペプチド定常領域、IgA重鎖ポリペプチド定常領域、IgE重鎖ポリペプチド定常領域、IgD重鎖ポリペプチド定常領域またはIgM重鎖ポリペプチド定常領域である、請求項46に記載のポリペプチド。
  49. (i)軽鎖ポリペプチド、および(ii)重鎖ポリペプチドを含む遺伝子工学的に操作された抗体であって、
    該軽鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含み、ここで、軽鎖フレームワーク領域LFR1、LFR2およびLFR3は、配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域から得られ、軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2およびLCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該軽鎖ポリペプチドは、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含まず、
    該重鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含み、ここで、重鎖フレームワーク領域HFR1、HFR2およびHFR3は、配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域から得られ、重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2およびHCDR3のうちの1つまたは複数は、ドナー抗体から得られ、ここで、該重鎖ポリペプチドは、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含まない、
    遺伝子工学的に操作された抗体。
  50. 前記軽鎖フレームワーク領域、前記重鎖フレームワーク領域、前記軽鎖CDR、および前記重鎖CDRが、Kabatの定義に従って定義される、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  51. 前記軽鎖フレームワーク領域、前記重鎖フレームワーク領域、前記軽鎖CDR、および前記重鎖CDRが、Chothiaの定義に従って定義される、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  52. 前記軽鎖フレームワーク領域、前記重鎖フレームワーク領域、前記軽鎖CDR、および前記重鎖CDRが、Kabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  53. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  54. LFR2が配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50、52または53のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  55. LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から54のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  56. LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から55のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  57. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から56のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  58. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から56のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  59. LFR1が配列番号20または配列番号24に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49または51に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  60. LFR2が配列番号21または配列番号25に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51または59のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  61. LFR3が配列番号22または配列番号26に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51、59または60のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  62. LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51または59から61のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  63. LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51または59から62のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  64. LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51または59から63のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  65. 前記軽鎖ポリペプチドが免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、請求項49から64のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  66. 前記軽鎖ポリペプチド定常領域がヒトアミノ酸配列を含む、請求項65に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  67. 前記軽鎖定常領域がλ軽鎖定常領域またはκ軽鎖定常領域である、請求項65または66に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  68. 配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む、請求項65から67のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  69. HFR1が配列番号13、17または19のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から68のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  70. HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から69のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  71. HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から70のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  72. HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から71のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  73. HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から72のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  74. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から72のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  75. HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、50または52から72のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  76. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51または53から68のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  77. HFR2が配列番号27または配列番号30に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51、53から68または76のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  78. HFR3が配列番号28または配列番号31に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51、53から68、76または77のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  79. HFR4が配列番号29または配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51、53から68または76から78のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  80. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51、53から68または76から79のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  81. HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49、51、53から68または76から79のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  82. 前記重鎖ポリペプチドが免疫グロブリン重鎖ポリペプチド定常領域の全部または一部を含む、請求項49から81のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  83. 前記重鎖ポリペプチド定常領域がヒトアミノ酸配列を含む、請求項82に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  84. 前記重鎖ポリペプチドが免疫グロブリン分子のFc部分を含む、請求項82または83に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  85. Fc領域が、IgG1免疫グロブリンFc領域、IgG2免疫グロブリンFc領域、IgG3免疫グロブリンFc領域、IgG4免疫グロブリンFc領域、IgA免疫グロブリンFc領域、IgM免疫グロブリンFc領域、IgE免疫グロブリンFc領域またはIgD免疫グロブリンFc領域である、請求項84に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  86. 前記重鎖ポリペプチドが配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49から85のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  87. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  88. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  89. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号13に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  90. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号19に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  91. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号10に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  92. LFR1が配列番号9に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号18に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号11に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号12に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号14に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号15に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号16に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  93. LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  94. LFR1が配列番号20に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号21に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号22に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  95. LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号27に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号28に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号29に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  96. LFR1が配列番号24に記載のアミノ酸配列を含み、LFR2が配列番号25に記載のアミノ酸配列を含み、LFR3が配列番号26に記載のアミノ酸配列を含み、LFR4が配列番号23に記載のアミノ酸配列を含み、HFR1が配列番号17に記載のアミノ酸配列を含み、HFR2が配列番号30に記載のアミノ酸配列を含み、HFR3が配列番号31に記載のアミノ酸配列を含み、HFR4が配列番号32に記載のアミノ酸配列を含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  97. 表5に記載の重鎖フレームワーク領域と軽鎖フレームワーク領域との対のセットを含む、請求項49に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  98. Fd断片、Fab断片、Fab’断片、およびF(ab’)断片からなる群より選択される抗体断片である、請求項49から64、69から82、または87から97のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  99. 前記軽鎖ポリペプチドおよび前記重鎖ポリペプチドが互いに共有結合している、請求項49から97のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  100. 補体成分タンパク質に結合する、請求項49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  101. 前記補体成分タンパク質が、C1q、C1r、C1s、C4、C4a、C4b、C3、C3a、C3b、C2、C2a、C2b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9、プロパージン、補体因子D、補体因子B、MBL、MASP1、MASP2およびMASP3からなる群より選択される、請求項100に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  102. 細胞表面受容体に結合する、請求項49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  103. 前記細胞表面受容体がGタンパク質共役受容体である、請求項102に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  104. 前記細胞表面受容体がケモカイン受容体またはサイトカイン受容体である、請求項102または103に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  105. 前記細胞表面受容体が受容体チロシンキナーゼである、請求項102に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  106. (i)細胞死受容体、または(ii)細胞死受容体のリガンドに結合する、請求項49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  107. 増殖因子、ケモカイン、またはサイトカインに結合する、請求項49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  108. 免疫グロブリン分子に結合する、請求項49から99のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  109. 前記免疫グロブリン分子がIgE分子である、請求項108に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
  110. 請求項1から48のいずれか一項に記載のポリペプチド;または
    請求項49から109のいずれか一項に記載の遺伝子工学的に操作された抗体
    をコードする核酸。
  111. 請求項110に記載の核酸を含むベクター。
  112. 前記核酸が発現制御配列に作動可能に連結されている、請求項111に記載のベクター。
  113. 請求項111または112に記載のベクターを含む細胞。
  114. ポリペプチドまたは遺伝子工学的に操作された抗体を産生させるための方法であって、請求項113に記載の細胞を、該ポリペプチドまたは該遺伝子工学的に操作された抗体の発現を可能にするのに好適な条件下で培養する工程を含む、方法。
  115. 前記培養された細胞から、または該細胞を培養した培地から、前記ポリペプチドまたは前記遺伝子工学的に操作された抗体を単離する工程をさらに含む、請求項114に記載の方法。
  116. 請求項114または115に記載の方法により産生された、単離されたポリペプチドまたは単離された遺伝子工学的に操作された抗体。
  117. ドナー軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域を作製するための方法であって、
    (i)配列番号2もしくは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    (iii)少なくとも1つのドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    該アクセプター軽鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体軽鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域を作製する工程と
    を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域は、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含まない、方法。
  118. 前記遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域と相補的な重鎖抗体可変領域または重鎖抗体可変領域をコードする核酸を取得して、遺伝子工学的に操作された抗体を作製する工程をさらに含む、請求項117に記載の方法。
  119. 誘導選択を用いて前記重鎖抗体可変領域を取得する、請求項118に記載の方法。
  120. 前記重鎖抗体可変領域が遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域である、請求項118に記載の方法。
  121. 前記遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域の作製が、
    (i)配列番号5もしくは配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    (iii)少なくとも1つのドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    該アクセプター重鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体重鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製する工程と
    を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された抗体可変領域が、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド可変領域を含まない、請求項120に記載の方法。
  122. ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製するための方法であって、
    (i)配列番号5もしくは配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター重鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    (iii)少なくとも1つのドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体重鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    該アクセプター重鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体重鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体重鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域を作製する工程と
    を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された抗体可変領域は、配列番号5または配列番号7に記載の完全なアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド可変領域を含まない、方法。
  123. 前記遺伝子工学的に操作された重鎖抗体可変領域と相補的な軽鎖抗体可変領域を取得し、遺伝子工学的に操作された抗体を作製する工程をさらに含む、請求項122に記載の方法。
  124. 誘導選択を用いて、前記遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域を取得する、請求項123に記載の方法。
  125. 前記軽鎖抗体可変領域が、遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域である、請求項123に記載の方法。
  126. 前記遺伝子工学的に操作された軽鎖抗体可変領域の作製が、
    (i)配列番号2もしくは配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むアクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列、または(ii)該アクセプター軽鎖抗体可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    (iii)少なくとも1つのドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列、または(iv)該ドナー抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列をコードする核酸配列を含む情報を提供する工程と、
    該アクセプター軽鎖抗体可変領域の1つまたは複数のCDRを、該ドナー抗体軽鎖可変領域に由来する1つまたは複数のCDRと交換して、該ドナー抗体軽鎖可変領域の免疫原性と比較してヒトにおける免疫原性が低い遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域を作製する工程と
    を含み、ここで、該遺伝子工学的に操作された軽鎖可変領域が、配列番号2または配列番号8に記載の完全なアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含まない、請求項125に記載の方法。
  127. 前記フレームワーク領域および前記CDRがKabatの定義に従って定義される、請求項117から126のいずれか一項に記載の方法。
  128. 前記フレームワーク領域および前記CDRがChothiaの定義に従って定義される、請求項117から126のいずれか一項に記載の方法。
  129. 前記フレームワーク領域および前記CDRがKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、請求項117から126のいずれか一項に記載の方法。
  130. 前記遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域を産生させる工程をさらに含む、請求項117に記載の方法。
  131. 前記遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域を細胞中で産生させる、請求項130に記載の方法。
  132. 前記遺伝子工学的に操作された抗体重鎖可変領域を産生させる工程をさらに含む、請求項122に記載の方法。
  133. 前記遺伝子工学的に操作された抗体重鎖可変領域を細胞中で産生させる、請求項132に記載の方法。
  134. 前記細胞から、または該細胞を培養した培地から、前記遺伝子工学的に操作された抗体軽鎖可変領域または前記遺伝子工学的に操作された重鎖可変領域を単離する工程をさらに含む、請求項130から133のいずれか一項に記載の方法。
  135. 前記遺伝子工学的に操作された抗体を産生させる工程をさらに含む、請求項118または123に記載の方法。
  136. 前記遺伝子工学的に操作された抗体を細胞中で産生させる、請求項135に記載の方法。
  137. 前記細胞から、または該細胞を培養した培地から、前記遺伝子工学的に操作された抗体を単離する工程をさらに含む、請求項135または136に記載の方法。
  138. 前記遺伝子工学的に操作された抗体が前記ドナー抗体と同じ抗原に結合するか否かを決定する工程をさらに含む、請求項135から137のいずれか一項に記載の方法。
  139. 前記遺伝子工学的に操作された抗体が、同じ抗原に対する前記ドナー抗体の親和性と比較して標的抗原に対するより高い親和性を有する、請求項135から138のいずれか一項に記載の方法。
  140. 前記遺伝子工学的に操作された抗体に結合する抗体が、該遺伝子工学的に操作された抗体をヒトに投与した後に産生されるか否かを決定する工程をさらに含む、請求項135から139のいずれか一項に記載の方法。
  141. 前記遺伝子工学的に操作された抗体を作り変える工程をさらに含む、請求項135から140のいずれか一項に記載の方法。
  142. 前記作り変えが、フレームワーク領域の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141に記載の方法。
  143. 前記作り変えが、フレームワーク領域の少なくとも2つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141または142に記載の方法。
  144. 前記作り変えが、少なくとも2つの異なるフレームワーク領域中の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141から143のいずれか一項に記載の方法。
  145. 前記作り変えが、フレームワーク領域中の1つまたは複数のアミノ酸を置換する工程を含まない、請求項144に記載の方法。
  146. 前記作り変えが、少なくとも1つのCDRの少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141または145に記載の方法。
  147. 前記作り変えが、少なくとも1つのCDRの少なくとも2つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141、145または146に記載の方法。
  148. 前記作り変えが、CDRの少なくとも1つのアミノ酸位置を置換する工程を含み、該CDRが、Kabatの定義またはKabat−Chothiaの組合せ定義に従って定義される、請求項146または147に記載の方法。
  149. 前記作り変えが、前記重鎖可変領域の位置28および30(Kabatの番号付けによる)の一方または両方のアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141から143のいずれか一項に記載の方法。
  150. 前記作り変えが、少なくとも2つの異なるCDR中の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141または145から148のいずれか一項に記載の方法。
  151. 前記作り変えが、前記重鎖可変領域の位置27、28、30、71または78(Kabatの番号付けによる)の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141から144または149のいずれか一項に記載の方法。
  152. 前記作り変えが、前記遺伝子工学的に操作された抗体の前記重鎖可変領域の位置27、28または30(Kabatの番号付けによる)の少なくとも1つのアミノ酸を置換する工程を含む、請求項141から143のいずれか一項に記載の方法。
  153. 前記作り変えが、少なくとも1つのスペーサーアミノ酸配列を、前記遺伝子工学的に操作された抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域の一方または両方に導入する工程を含む、請求項141から152のいずれか一項に記載の方法。
  154. フレームワークまたはCDRの1つまたは複数のアミノ酸を、前記交換前に置換する、請求項141から153のいずれか一項に記載の方法。
  155. フレームワークまたはCDRの1つまたは複数のアミノ酸を、前記交換後に置換する、請求項141から153のいずれか一項に記載の方法。
  156. 前記アクセプター抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列が請求項1に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む、請求項117から122または126から155のいずれか一項に記載の方法。
  157. 前記アクセプター抗体重鎖可変領域アミノ酸配列が請求項24に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む、請求項121から155のいずれか一項に記載の方法。
  158. 前記アクセプター抗体軽鎖可変領域アミノ酸配列が請求項1に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含み、前記アクセプター抗体重鎖可変領域アミノ酸配列が請求項24に記載のポリペプチドのアミノ酸配列を含む、請求項117から157のいずれか一項に記載の方法。
  159. (i)軽鎖ポリペプチド、および(ii)重鎖ポリペプチドを含む遺伝子工学的に操作された抗体であって、
    該軽鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:LFR1−LCDR1−LFR2−LCDR2−LFR3−LCDR3−LFR4を含み、
    ここで、LFR1は、配列番号9に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、LFR2は、配列番号10または配列番号18に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、LFR3は、配列番号11に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、LFR4は、配列番号12に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、
    ここで、LCDR1はドナー抗体に由来する軽鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、LCDR2はドナー抗体に由来する軽鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、LCDR3はドナー抗体に由来する軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
    ここで、該軽鎖ポリペプチドは配列番号2または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含まず、
    該重鎖ポリペプチドは、以下の順序のアミノ酸配列セグメント:HFR1−HCDR1−HFR2−HCDR2−HFR3−HCDR3−HFR4を含み、
    ここで、HFR1は、配列番号13、17または19に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、HFR2は、配列番号14に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、HFR3は、配列番号15に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、HFR4は、配列番号16に記載のアミノ酸配列であって、0から3つのアミノ酸置換を含む、アミノ酸配列を含み、
    ここで、HCDR1はドナー抗体に由来する重鎖CDR1のアミノ酸配列を含み、HCDR2はドナー抗体に由来する重鎖CDR2のアミノ酸配列を含み、HCDR3はドナー抗体に由来する重鎖CDR3のアミノ酸配列を含み、
    ここで、該重鎖ポリペプチドは配列番号5または配列番号7に記載のアミノ酸配列を含まず、
    該遺伝子工学的に操作された抗体は、該ドナー抗体と比較してヒトにおける免疫原性が低く、該遺伝子工学的に操作された抗体は、該ドナー抗体と同じ抗原に結合する、遺伝子工学的に操作された抗体。
  160. 請求項159に記載の遺伝子工学的に操作された抗体であって、
    (a)LCDR1、LCDR2およびLCDR3が単一のドナー抗体に由来する、ならびに
    (b)HCDR1、HCDR2およびHCDR3が単一のドナー抗体に由来する、
    のうち一方または両方を満たす、遺伝子工学的に操作された抗体。
  161. 前記軽鎖CDRおよび前記重鎖CDRの全部が同じドナー抗体に由来する、請求項159または160に記載の遺伝子工学的に操作された抗体。
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