電気誘導起電機は、最初に18世紀に発明され、電気誘導起電機の開発は19世紀になっても続き、1880年代にジェイムズ・ウィムズハーストが、最も広範に公知の電気誘導起電機、いわゆる「ウィムズハースト起電機」を開発した。電気誘導起電機の他の例は、「ホルツ機械」、「カバロ乗算器」、「ボーネンベルガー機械」、「ソードフ機械」、「レザー機械」、「ピジョン機械」、「フォス機械」、及び「ウェルセン機械」を含む。
電気誘導起電機は、静電気発電機である。歴史的には、それらは、高電圧、低電流源を生成するのに使用されている。それらは、静電荷を誘導することによって機能する。この電荷は、次に、電気誘導起電機から収集することができる。電気誘導起電機は、摩擦なしに電荷の蓄積を誘導することによって作用し、言い換えると、電荷発生は、無摩擦である。電気誘導起電機は、それらの出力を機械的に生成する。
ウィムズハースト起電機が電気出力を発生させる方法を示す回路図は、図1に示されている。電気誘導起電機1は、2つの同一の反回転可能ディスク2、4を有する。導電性金属箔セクター6は、ディスク2、4の周囲に同心に離間している。
機械はまた、ディスク2、4が回転すると順に導電性金属箔セクター6と電気接触するように配置された第1のブラシ8、第2のブラシ10、第3のブラシ12、及び第4のブラシ14の中和ブラシを有する。導電性金属箔セクター6と接触すると、それらのブラシ8、10、12、14は、導電性金属箔セクター6を「0」電位に戻す。全て4つの中和ブラシ8、10、12、14は、それらが、導電性金属箔セクター6の極性を変化させる電気誘導起電機1の周囲で電荷を実質的に移動することができるように、互いに電気的に接続することが分かる。
電気誘導起電機1はまた、第1の電荷収集点16、第2の電荷収集点18、第3の電荷収集点20、及び第4の電荷収集点22を有し、それらは、ディスク2、4が回転すると導電性金属箔セクター6に蓄積する電荷の一部分を取り除くように配置される。
セクターが、互いに電気絶縁されるので、ディスク2、4が回転し始める前に、導電性金属箔セクター6にわたって電荷の自然な不均衡があることになる。ディスク2、4が回転し始めると、導電性金属箔セクター6の間の電荷の不均衡は、対向するディスク2、4上の導電性金属箔セクター6の間の誘導により増大する。
第1のディスク2上の正の導電性金属箔セクター24を例に取ると、ディスク2、4が矢印A及びBによって示す方向に回転すると、正に帯電した導電性金属箔セクター24は、次に、導電性金属箔セクター6によって示す位置の各々の中に移動することになる。正に帯電した導電性金属箔セクター24が移動すると、それは、反対側のディスク4上の中性の導電性金属箔セクター26と最初に近接近することになる。正に帯電した導電性金属箔セクター24は、中性の導電性金属箔セクター26上に負電荷を誘導することになる。正に帯電した導電性金属箔セクター24は、次に、それが第2の電荷収集点18に適合するまでその後の中性の導電性箔セクター6の上に負電荷を誘導する反応時計回り方向に回転し続けることになり、その時点で、負電荷は、第2の電荷収集点18に対するコロナ放電により部分的に放電されることになる。
依然として正に帯電しているがここではそれほど帯電していない帯電した導電性金属箔セクターは、次に、矢印Aの方向に移動し続けることになり、最終的に第2の中和ブラシ10と接触することになる。この接触は、導電性金属箔セクターを中和し、同時に第1及び第2の中和ブラシ8、10の間の接続により、第1のディスク2上の反対側のセクター28に正電荷を渡すことになる。
第2の中和ブラシ10によって中和されたばかりの導電性金属箔セクター29は、ここでは、第2のディスク4上の正に帯電したセクター31の反対である。この正に帯電したセクター31は、従って、最近中和したセクター29上に負電荷を誘導する。
ここで負に帯電した導電性金属箔セクター29は、その負電荷が第1の電荷収集点16によって部分的に放電され、次に、第1の中和ブラシ8によって中和されるまで矢印Aの方向に移動し続ける。
それらのステージは、導電性金属箔セクター6の全てに対して繰り返されるが、電気誘導起電機1のディスク2、4は、回転している。電気誘導起電機1は、間もなく、正電荷及び負電荷の領域が均衡を保っている図1に示す最大電力出力点に達する。電気誘導起電機1は、間もなく、セクター面積、ディスク速度、電気絶縁、及び負荷抵抗に基づいてその限界に達する。
これらの電気誘導起電機は、それらが大きい可視電気火花を発生させるように配置することができるので、主に電気の研究のため及び娯楽目的のために開発された。1890年代後半において、電気誘導起電機は、早期X線実験、放射線写真、及び電気治療に電力を供給するためにより実用的にされたが、それらの用途は、今日まで、発生する低電流出力により非常に限定されている。
より多くの電力を発生させることができる電気誘導起電機を作るどのような方法も、従って、有用であると考えられる。
従って、本発明の第1の態様は、支持構造体のうちの少なくとも一方が他方の支持構造体に対して移動するように配置された第2の非導電性支持構造体から離間した第1の非導電性支持構造体と、支持構造体のうちの少なくとも一方から電荷を収集するように配置された少なくとも2つの電荷収集点と、第1及び/又は第2の支持構造体の対向する表面に位置するか又はそれらに埋め込まれた複数の導電性セクターとを含む電気誘導起電機を提供し、導電性セクターは、自立金属箔の比表面積よりも大きい比表面積を有する材料を含む。
本明細書で使用される場合、用語「金属箔」は、例えば、鍛造又は圧延によって形成されて薄板になっている金属を意味するように取ることになる。別の言い方をすれば、金属箔は自立しており、従って、スパッタリング又は蒸着技術によって表面上に成形可能な金属フィルムとは対照的に構造的一体性を有する。
用語「比表面積」は、固体の質量の1単位当たりの総表面積を示す固体の材料特性としてその業界容認の状況において使用される。従って、比表面積は、目で識別することができる材料の巨視的又は幾何学的表面積ではなく、材料の微視的表面積を意味することは理解すべきである。
比表面積は、典型的には、グラム当たりのm2の単位で表され、ガス吸着質として窒素又はクリプトンのような不活性ガスを使用してBET表面積解析のようなガス吸着技術によって判断され、このような解析技術は、当業技術で公知である。
従来の電気誘導起電機は、導電性セクターを形成するのに金属箔を使用していた。このような金属箔は、典型的には、0.01mm厚の箔に基づいてグラム当たり0.07m2の領域の低表面積を有する。より高い表面積を有する材料を使用することで、有利な態様では、導電性セクターで蓄積することができる電荷を増加させることが見出されている。導電性セクターに蓄積することができる電荷を増加させることで、電気誘導起電機から引き出すことができる電力量を増加させることが見出されているので非常に有利である。
グラム当たり800m2の表面積を有する材料から形成された導電性セクターを使用することで、驚くべきことに、金属箔から形成されたセクターの1786倍を超える出力電力を増加させることが見出されている。
電力出力の増加は、有利な態様では、電気誘導起電機が、商業的に実現可能な発電機として使用することができることを意味することができる。これは、特に、電気誘導起電機が工業的サイズにまで拡大される場合に当て嵌まる。電気誘導起電機は、金属箔セクターを使用して発生した電荷は小さすぎると考えられるので電気誘導起電機が過去において適すると考えられていなかった用途に使用するほど十分強力であることも意味することができる。
従って、本発明の第2の態様は、支持構造体のうちの少なくとも一方が他方の支持構造体に対して移動するように配置された第2の非導電性支持構造体から離間した第1の非導電性支持構造体と、支持構造体のうちの少なくとも一方から電荷を収集するように配置された少なくとも2つの電荷収集点と、第1及び/又は第2の支持構造体の対向する表面に位置するか又はそれらに埋め込まれた複数の導電性セクターとを含む電気誘導起電機を提供し、導電性セクターは、グラム当たり0.7m2又はそれよりも多くの表面積を有する材料を含む。
好ましい実施形態では、導電性セクターを形成する材料は、グラム当たり1m2からグラム当たり10000m2又はそれよりも多くの表面積を有する。最も好ましい実施形態では、導電性セクターを形成する材料は、グラム当たり100m2からグラム当たり2000m2の表面積を有する。好ましくは、導電性セクターを形成する材料は、金属箔の表面積よりも少なくとも1、又は2、又は3、又は4、又は5桁大きい表面積を有する。
このような大きい表面を提供するために、セクターのうちの1つ又はそれよりも多くは、例えば、粒状材料、粉末、及び/又は何らかの方法で増加したその表面積を有する材料、例えば、粉末金属、例えば、銅、亜鉛、金、銀、ニッケル、鋼、又はアルミニウム粉末から、又は炭素、ゲルマニウム又はシリコーン粉末、活性炭又はカーボンナノチューブから形成することができる。
従って、本発明の第3の態様は、支持構造体のうちの少なくとも一方が他方の支持構造体に対して移動するように配置された第2の非導電性支持構造体から離間した第1の非導電性支持構造体と、支持構造体のうちの少なくとも一方から電荷を収集するように配置された少なくとも2つの電荷収集点と、第1及び/又は第2の支持構造体の対向する表面に位置するか又はそれらに埋め込まれた複数の導電性セクターとを含む電気誘導起電機を提供し、導電性セクターは、粒状材料、粉末、及び/又はその表面積が増加した材料を含む。
金属の比表面積を増加させることができる方法は、例えば、電解質又はスプレーコーティングによって粉末を形成する段階、金属分散剤を担体、例えば、繊維又はメッシュに付加する段階、次に、それを乾燥させて「金属繊維」を形成する段階、切り込む段階、エッチングする段階、又は物理的又は化学的に金属の表面を粗面化する段階、スパッタリングする段階、例えば、導電性又は非導電性粒状又は粉末材料、例えば、ゼオライトを被覆するように導電層を加える段階のような方法を含む。炭素を活性化する段階及びカーボンナノチューブを形成する段階は、炭素の比表面積を増加させる方法である。活性炭は、高比表面積を有する開孔構造を形成するために処理されている炭素であり、炭素のこの非晶質又は非結晶質の同素体は、典型的にはグラム当たり1m2未満の表面積を有するグラファイトのような炭素の結晶質同素体と比較すべきである。活性炭を生成する方法は、公知である。同様に、化学気相蒸着、アーク放電、及びレーザ切断技術のような単一壁及び多壁カーボンナノチューブを大きくする業界容認の方法は公知である。
以下の好ましい特徴は、本発明の全て3つの実施形態に関するものである。
好ましくは、他方の非導電性支持構造体に対する非導電性支持構造体のうちの一方の移動は、回転移動である。言い換えると、支持構造体のうちの少なくとも一方は、好ましくは、他方の支持構造体に対して回転するように配置される。
導電性セクターのうちの1つ又はそれよりも多くは、半導電性材料、導電性材料、又は半導電性材料と導電性材料の組合せを含むことができる。好ましくは、導電性セクターは、25℃で測定された1メートル当たり1x106「シーメンス」(S/m)から63x106S/mの導電率を有する材料から形成することができる。最も好ましい実施形態では、導電性セクターは、25℃で測定された30x106S/mから63x106S/mの導電率を有する材料から形成することができる。
好ましい実施形態では、導電性セクターのうちの1つ又はそれよりも多くは、導電性材料の上に被覆した半導電性材料から形成することができる。好ましい実施形態では、半導電性材料は、25℃で測定された1x106S/mから4.6S/mの導電率を有することができる。導電性材料は、25℃で測定された1x106S/mから63x106S/mの導電率を有することができる。このような実施形態では、半導電性材料は、電荷蓄積基板として作用することができ、導電性材料は、電荷担体基板として作用することができることが見出されている。これは、電気誘導起電機の使用中に、電荷が半導電層に蓄積することができることを意味する。この電荷は、次に、導電層に伝送することができ、支持構造体から電荷のより容易な収集を可能にする。
1つの特定的な実施形態では、導電性セクターのうちの1つ又はそれよりも多くは、金属箔、粉末金属層、又は「金属繊維」(導電層)の上に被覆した活性炭(半導電層)から形成することができる。金属繊維は、例えば、プラスチックメッシュ、例えば、銅、亜鉛、金、銀、ニッケル、鋼、又はアルミニウムで被覆したポリエステルメッシュの形態にすることができる。活性炭を使用することで、有利な態様では、導電性セクターに蓄積することができる電荷を大幅に増加させることが見出されている。この電荷は、次に、電荷コレクターを通じて収集するように導電層に渡すことができる。
各支持構造体上の導電性セクターは、好ましくは、第1の支持構造体上の導電性セクターが、第2の支持構造体上の導電性セクターを通るように配置される。最も好ましくは、各支持構造体上の導電性セクターは、支持構造体が第1の支持構造体上の導電性セクターを回転させると、第2の支持構造体上の導電性セクターを通るように、支持構造体の回転軸の周りに配置される。好ましくは、各支持構造体上に偶数の導電性セクターがあり、例えば、各支持構造体上に2、又は10、又は20、又は40、又は60から80、又は100、又は120、又は200の導電性セクターがある可能性がある。一実施形態では、第1及び第2の支持構造体上に同数の導電性セクターがあるが、これは必須ではない。
好ましい実施形態では、導電性セクターのうちの1つ又はそれよりも多くは、導電性セクターの大部分が支持構造体に埋め込まれるように支持構造体に埋め込むことができる。これは、互いに導電性セクターを有利に電気絶縁することができる。好ましくは、導電性セクターのうちの1つ又はそれよりも多くの部分は、露出されたままであり、すなわち、導電性セクターのうちの1つ又はそれよりも多くの部分は、第1及び第2の支持構造体を作る非導電性材料においては変換されない。露出部分の理由は、後でより詳細に説明する。
セクターは、好ましくは、第1及び第2の支持構造体を形成する非導電材料で両側に被覆される。好ましくは、セクターの片側又は両側の非導電性材料の層は、0.01mmから200mm厚である。より好ましくは、それは、0.2mmから15mm厚である。
広い意味では、導電性セクターの幾何学的表面積は、デバイスの必要な発電機能に基づいて選択される。例えば、小型のデバイスは、約20mm2の幾何学的表面積を有する導電性セクターを有することができるのに対して、より大型のデバイスでは、導電性セクターの幾何学的表面積は、遥かに大きく、例えば、100、500、1000から2000、又は3000又は4000又は5000mm2とすることができる。同様に、導電性セクターの厚みは、デバイスのスケールに応じて選択することができ、0.0002、又は0.5から1、又は10又は39mm厚の範囲とすることができる。
セクターは、あらゆる好ましい形状のものとすることができ、例えば、それらは、正方形、矩形、楕円形、円形、又は三角形とすることができる。望ましい態様は、一方の支持構造体上のセクターの2D表面積全体が、その又は各支持構造体が移動すると他方の支持構造体上の対向するセクターの2D表面積全体の上を通過することである。
セクターは、露出部分が、セクターの残りの部分よりも狭いように不規則な形状とすることができる。好ましい実施形態では、露出部分は、セクターが互いに放電しないことを保証するのを補助するようなサイズに縮小される。
第1及び第2の支持構造体は、好ましくは、第1の支持構造体上の電荷が、第2の支持構造体上の反対電荷を誘導することになり、第2の支持構造体上の電荷が、第1の支持構造体上の反対電荷を誘導することになるある一定の距離に位置決めされる。特定的な実施形態では、第1及び第2の支持構造体は、0.01mmから100mm離間させることができる。より好ましくは、実施形態では、第1及び第2の支持構造体は、0.1mmから50mm離間させることができる。
一般的に、本発明の実施形態は、電荷移動をサポートすると考えられる第1及び第2の支持構造体の間の流体、例えば、空気、ガス、ガス混合物、油、水、又は油と水の組合せを特徴とする。代替的な実施形態では、しかし、第1及び第2の支持構造体は、それらの間に真空があるように配置することができ、それらは、回転支持構造体の空気抵抗の減少によりデバイスの効率を改善する際の恩典を有することができる。しかし、この場合に電荷移動をサポートするために、電気接触が、電荷ピックアップ点と導電性セクターの間に必要であると考えられる。特定的な実施形態では、電気誘導起電機の全て又は一部分は、流体又は真空内に配置することができる。
第1及び第2の支持構造体のための適切な非導電材料は、磁器、「テフロン(登録商標)」、ガラス、ゴム又はプラスチック、例えば、アクリル、ポリカーボネート又は「アクリロニトリル」ブタジエンスチレン(ABS)である。支持構造体は、好ましくは、25℃で測定した1x10−11S/cm未満の導電率を有する材料から形成される。
支持構造体は、あらゆる好ましい形状、例えば、ディスク又はドーム形のものとすることができる。それらは、代替的に、一方の支持構造体が他方の支持構造体の内側に適合するように円筒形とすることができ、又はそれらは、互いに対して移動するベルト又は他の支持体の形態にすることができる。それらは、しかし、支持構造体のうちの少なくとも一方が他方の支持構造体に対して移動することを可能にし、それらが互いに対向する電荷を誘導することができる距離に第1及び第2の支持構造体が位置決めされるいずれかの他の好ましい形状のものとすることができる。支持構造体は、好ましくは、互いに対して回転するように配置される。支持構造体が円板状である一定の実施形態では、ディスクは、20mm、又は100mm、又は500mm、又は1000mmから2000mm、又は3000mm、又は4000mm、又は5000mm又は6000mmの直径とすることができ、正確な直径は、必要な物理的スケール及びデバイスの発電機能に依存する。
電気誘導起電機は、反対電荷が互いに引き付けられるという事実に依存する。停止中のあらゆる電気誘導起電機では、少なくとも一方の支持構造体が移動し始める前に、電荷の自然不均衡が存在することになる。これは、少なくとも一方の支持構造体が不均衡を移動し始めると、僅かな負電荷を有する区域が、他方の支持構造体上のそれと反対側にある区域に正電荷を誘導することになるということである。この誘導効果は、従って、一方の支持構造体上の区域が負電荷を有するようにし、他方の支持構造体上の区域が正電荷を有するようにする。それらの電荷は、電荷収集点によって取り除くことができる。取り除かれた電荷は、次に、あらゆる望ましい用途のために使用することができる。
電荷収集点は、第1及び/又は第2の支持構造体と接触状態にすることができる。代替的に、電荷収集点のうちの1つ又はそれよりも多くは、支持構造体から離間させることができる。支持構造体と電荷収集点の間に間隙を有することは、放電のみが、支持構造体から蓄積電荷の一部分を除去することを意味する。これは、それが、より多くの電荷を発生させ続けることができるように、僅かな電荷不均衡が電気誘導起電機に残ることを可能にする。更に、1つ又はそれよりも多くの電荷収集点と支持構造体の間の接触不足は、摩擦が発生しないことを意味し、従って、1つ又はそれよりも多くの電荷収集点は、支持構造体の移動を低速にすることはない。電荷収集点のうちの1つ又はそれよりも多くは、導電性チップ、導電性ブラシ、鋭い又は丸い点の形態にすることができる。導電性チップは、平坦又は丸い端部を有することができるが、好ましくは、支持構造体に向けられた尖った端部を有する尖った又は円錐形であることが好ましい。特定的な実施形態では、電荷収集点は、デバイスのスケールに応じて支持構造体から0.01、又は0.1、又は1、又は10から20、又は50、又は80、又は100、又は250mm離間させることができる。電荷収集点のための好ましい材料は、銅又は鋼ワイヤのような金属又は非金属導体、又はDCモータ整流子に使用するような炭素ブラシとすることができ、それらは、大型デバイスにより適する場合がある。
ある一定の実施形態では、流体、例えば、空気、ガス、ガス混合物、油、水、又は油と水の組合せは、電荷収集点と支持構造体の間に存在してもよい。代替的な実施形態では、電荷収集点及び支持構造体は、それらの間に真空があるように配置することができるが、電気接続が、電荷収集点と支持構造体/導電性セクターの間に必要であると考えられる。
電気誘導起電機は、好ましくは、デバイスが2つの反回転ディスクを有する環境で少なくとも4つの電荷収集点を含む。好ましい実施形態では、第1及び第2の支持構造体の両方に関連付けられた負及び正の電荷収集点がある。これは、電気誘導起電機から均等に電荷を引き出すのを有利に補助することができる。
支持構造体のうちの一方のみが移動する電気誘導起電機では、固定支持構造体は、必ずしも当て嵌まらないが、第1及び第2の支持構造体の間の電荷の不均衡を維持するために電荷の入力を必要とする場合がある。このような電荷の入力は、デバイスが全電力発生に進む速度を増すと考えられる。従って、第1及び第2の支持構造体の両方が移動することが望ましい。これは、第1及び第2の支持構造体の間に電荷の固有の不均衡が常にあることを保証するのを有利に補助することができる。これは、有利な態様では、電荷の外部入力が、第1及び/又は第2の支持構造体に付加する必要がないことを意味することができる。生成された電荷を増加させることも、有利に補助することができる。これは、第1及び第2の支持構造体の間の相対速度が増すためであり、これは、次に、より多くの電力を誘導する。それはまた、電気誘導起電機が全電力を得るのにかかる時間を有利に短縮することができる。第1及び第2の支持構造体が反回転可能であることが最も望ましい。
第1及び第2の支持構造体は、互いに同じ速度で移動/回転するように配置することができる。代替的に、第1及び第2の支持構造体は、異なる速度で移動/回転するように配置することができる。第1及び第2の支持構造体は、デバイスの機械的及び電気的制約の範囲であらゆる可能な速度で回転するように配置することができる。典型的な回転速度の範囲は、10RPMから10,000RPM、より好ましくは、60RPMから4000RPMである。
電気誘導起電機はまた、第1の導電性中和ロッド及び第2の導電性中和ロッドを更に含むことができる。各中和ロッドは、好ましくは、第1の端部及び第2の端部を有する。第1の導電性中和ロッドの第1及び第2の端部は、好ましくは、第1の支持構造体上の対向するセクターと接触し、第2の導電性中和ロッドの第1及び第2の端部は、好ましくは、第2の支持構造体上の対向するセクターと接触する。第1及び第2の中和ロッドは、互いに電気接触状態とすることができる。第1及び第2の中和ロッドは、接地することができる。
好ましい実施形態では、第1及び第2の中和ロッドは、互いにオフセットすることができ、又は互いに直角に配置することができる。中和ロッドの一方又は両方は、導電性材料から形成することができる。代替的に、導電塗料は、導電性中和ロッドの片方又は両方を形成するために1つ又はそれよりも多くの電気支持台に適用することができる。好ましい実施形態では、中和ロッドの第1及び第2の端部は、支持構造体が中和ロッドの第1及び第2の端部を移動すると、次に、各導電性セクターの各露出部分に触れるように、導電性セクターの露出部分と接触状態にすることができる。端部のうちの1つ又はそれよりも多くは、導電性チップ、導電性ブラシ、鋭い又は丸い点の形態にすることができる。
中和ロッドは、それらが、対向する支持構造体上の導電性セクターの間に大きい電位差があることを保証するように、導電性セクターの間の電荷を移動するので有利である。電荷の一部は、従って、収集点によって取り除くことができるが、一部の電荷は、電気誘導起電機の電荷不均衡を維持するように依然として中和ロッドに沿って通過する。
好ましい実施形態では、電気誘導は、支持構造体のうちの少なくとも一方を移動/回転させるためのタービンを更に含み又はこれに接続することができる。第1及び/又は第2の支持構造体の移動/回転は、モータによって駆動することができるが、好ましくは、風力又は水力によって駆動することができる。電気誘導起電機は、従って、必要に応じて電力接続、バッテリ、又は電力網によりエンドユーザに伝送することができる電力の「グリーン」源を提供することが可能になる場合がある。
好ましい実施形態では、第1の支持構造体を移動/回転させるための第1のタービン及び第2の支持構造体を移動/回転させるための第2のタービンがある場合がある。風力又は水力を使用することで、有利な態様では、支持構造体の移動/回転を駆動するのに個別の機械的又は電気的手段を必要としないことを意味することができる。
代替的に、支持構造体の一方又は両方は、電力が電気誘導起電機によって発生するようにユーザが乗り物のブレーキを踏む時に、支持構造体の一方又は両方を配置して移動/回転させるように、乗り物の再生ブレーキシステムに接続することができる。この電力は、バッテリに電力を蓄えるか又は直接乗り物の何らかの構成要素に電力を供給するのに使用するかのいずれかとすることができる。
電力を発生させるために、他の外部ソースを使用して支持構造体のうちの一方又はそれよりも多くの移動/回転を駆動することができることも可能である。他の例は、ガスタービンを含む。
本発明は、ここで一例として添付の図面を参照して説明する。
図2aから図2cで見ることができるように、全体を符号1に示す電気誘導起電機は、「グリーン」エネルギ源を供給するように風力又は水力にすることができる。電気誘導起電機1はまた、いずれかの他の好ましい手段によって電力を供給することができる。
電気誘導起電機は、電力を必要とする全国電力網に、直接に家庭、工場、又は他のビルに電気的に接続することができる。電気誘導起電機は、代替的に、電気的にバッテリに接続して後で使用するために発生した電力を蓄えることができる。
図2aは、スケールを示す概略図であり、そこでは、電気誘導起電機1は、電気誘導起電機1の支持構造体2、4を転回させるように配置された風車3で構成することができる。風車3は、風の中で転回するように配置された複数のブレード5を含むことを見ることができる。風車3は、電力を発生させるように第1の方向に第1の支持構造体2を第2の方向に第2の支持構造体4を転回させるように配置された一連の歯車7を含むことも見ることができる。
図2cは、スケールを示す概略図であり、そこでは、電気誘導起電機1は、電気誘導起電機1の支持構造体2、4を転回させるように配置された水車9で構成することができる。水車9は、水が水車9を通過すると転回するように配置された複数のブレード5を含むことを見ることができる。風車3に関しては、水車9は、電力を発生させるように第1の方向に第1の支持構造体2を第2の方向に第2の支持構造体4を転回させるように配置された一連の歯車を含むことができる。
図2cでは、水車9を転回させるのに使用する水は、水を放出して水車9を通過する前に、水を水車9の高さよりも上に保持することにより大量のポテンシャルエネルギを有する水である。津波電力又は他のこのような手段も使用し、第1及び/又は第2の2、4支持構造体を転回させることができることができる。代替的に、かなりスケールを縮小し、このような電気誘導起電機1は、空気流をイオン化するために、扇風機及びヘアドライヤのような小さな家庭用電気器具で使用することができる。
図3aから図3gは、より詳細に本発明による電気誘導起電機1の実施形態を示している。図示の電気誘導起電機1は、デスクトップのスケールに入っているが、勿論、発電機のためのより大きなポテンシャルを有するために、工業サイズまで拡大することができる。
電気誘導起電機1は、第2のディスク4の形態の第2の非導電性支持構造体から離間した第1のディスク2の形態の第1の非導電性支持構造体を含むことを見ることができる。図3aから図3gに示す実施形態では、ディスク2、4は、距離0.75mmだけ互いに離間している。一般的に、ディスクの間のできるだけ小さい間隔は、ディスクの導電性セクターの間の電荷の誘導の観点から有利である点に注意すべきである。しかし、実際に、間隙の寸法は、ディスクが回転するとディスクの「揺れ」のような機械的制約によって制限される。
この実施形態では、電気誘導起電機1は、ディスク2、4を反回転させるように配置された1対のタービンを含むことを見ることができる。タービンは、しかし、ブレード5がタービンとして作用する図2aから図2cに示すような電気誘導起電機1から個別に設けることができる。
図3aから図3gに示す実施形態では、第1のタービン38は、第1のディスク2に関連し、第2のタービン40は、第2のディスク4に関連している。タービン38、40は、図3cの分解組立図で最も良く見ることができる。矢印Cの方向にタービン38、40を通過した空気流又は水は、第1のタービン38が反時計回り方向に第1のディスク2を回転させるようにし、第2のタービン40が時計回り方向に第2のディスク4を回転させるようにすることになる。図示の実施形態のディスク2、4は、同じ速度で回転するように配置される。実速度は、変化することになるが、全電力においては、図示の実施形態のディスクは、好ましくは、4000RPMで又は4000RPMの近くで回転する。
4つの電荷収集点16、18、20、22は、それらが、ディスク2、4が使用中に回転する時に蓄積した電荷を収集することができるように配置される。図示の実施形態では、電荷収集点16、18、20、22は、0.01mmから5mmの距離だけディスク2、4から離間した導電点を含むが、一般的に、これは、放電によって導電性セクターと電荷収集点との間で電荷移動の効率を最大にし、従って、小さな間隔が好ましい。電荷収集点16、18、20、22は、図3b、図3c、図3e及び図3fで最も良く見ることができる。電気誘導起電機1の使用中に、ディスク2、4は回転し、電荷はディスク2、4上に蓄積する。この電荷は、放電によってディスク2、4から電荷収集点16、18、20、22に移動する。第1及び第2の電荷収集点16、18は、第1のディスク2から負及び正電荷を収集し、第3及び第4の電荷収集点20、22は、第2のディスク4から負及び正電荷を収集する。
第1及び第3の電荷収集点16、20は、互いに及び第1の高電圧出力点42に電気的に接続される。第2及び第4の電荷収集点18、22は、互いに及び第2の高電圧出力点44に電気的に接続される。この接続は、図3fで最も良く見ることができる。電荷収集点と高電圧出力点の間の電気接続は、図3fに示すように、銅トラックのような導電性材料の形態にすることができ、又は代替的に、電気接続は、電気支持台48上に位置する第1の高電圧トラック46に位置することができる導電インク又は塗料の形態にすることができる。
第1及び第3の電荷収集点16、20は、使用中にそれらが第1及び第2のディスク2、4上の対向する部分から負又は正のいずれかの同じ電荷を引き付けるように互いに向かい合って配置される。第2及び第4の電荷収集点18、22は、第1及び第3の電荷収集点16、20から180度に配置される。第2及び第4の電荷収集点18、22は、使用中にそれらが、互いに同じ電荷であるが第1及び第3の電荷収集点16、20によって引き付けられた電荷と反対の電荷を引き付けるように互いに向かい合って配置される。例えば、第1及び第3の電荷収集点16、20が、ディスク2、4からの負電荷を引き付けている場合、第2及び第4の電荷収集点18、22は、正電荷を引き付けていることになる。
電気誘導起電機1はまた、第1の導電性中和ロッド50及び第2の導電性中和ロッド52を更に含む。第1の中和ロッドは、ディスク2、4の回転軸に装着されたヨークの形態を取り、ヨークの各端部は、以下ではヨークを通じて電気的に互いに接続された第1の端部54及び第2の端部56と呼ばれる下方に垂れた電気接触部分を有する。第2の中和ロッド52は、第1の中和ロッドの同じ一般的なヨーク状構造を有し、第1の端部58及び第2の端部60を有するが、第1の中和ロッド50に対して電気誘導起電機1の反対面上に装着される。第1の導電性中和ロッド50の第1及び第2の端部54、56は、第1のディスク2の上面と接触し、第2の導電性中和ロッド52の第1及び第2の端部58、60は、第2のディスク4の下面と接触する。第1及び第2の中和ロッド50、52はまた、支持ロッド62により互いに電気接触する。
第1及び第2の中和ロッド50、52は、互いにオフセットされる。これは、第1の中和ロッド50の第1の端部54が、第2の中和ロッド52の第1の端部58からオフセットすることを見ることができる図3bで最も良く見ることができる。中和ロッド50、52の端部54、56、58、60は、ディスク2、4と接触するように配置された櫛又はブラシの形態である。
ディスク2、4が、矢印D、Eの方向に回転する場合、第1の導電性中和ロッド50の第1の端部54は、進行の方向に第1の電荷収集点16後に配置される。第1の導電性中和ロッド50の第2の端部56は、進行の方向に第2の電荷収集点18後に配置される。第2の導電性中和ロッド52の第1の端部58は、進行の方向に第3の電荷収集点20後に配置される。第2の導電性中和ロッド52の第2の端部60は、進行の方向に第4の電荷収集点22後に配置される。
中和ロッド50、52の両方は、電気支持台48上に支持された導電性材料から形成される。代替的に、導電塗料は、電気支持台48上の第2の高電圧支持トラック64に付加し、中和ロッド50、52の第1の54、56及び第2の56、60端部を第1の中和ロッド50から第2の中和ロッド52に電気的に接続する。
より詳細にディスク2、4のうちの1つを示す実施形態は、図4aから図4dに示されている。ディスク2、4は、非導電性材料、例えば、ガラス、ゴム又はアクリルポリマーのようなプラスチック材料から形成される。
複数の導電性セクター66は、セクター66が、非導電性材料によって互いに電気絶縁されるように、非導電性(すなわち、電気絶縁する)材料に埋め込まれる。各セクター66の露出部分68は、非導電材料においては被覆されない。それらの露出区域68は、ディスクの半径方向内向き部分に位置決めされ、図3a及び図3cから図3gに示すトラック70に位置することを見ることができる。電荷収集点16、18、20、22は、それらが、各セクター66の露出部分68から電荷を収集することができるように、それらが、このトラック70と一直線上に位置するように配置される。中和ロッド50、52の第1の54、58及び第2の56、60端部はまた、それらが、次に、ディスク2、4が回転すると各セクターの露出部分68と接触するように、それらが、このトラック60と一直線上に位置するように配置される。トラック70は、流体、真空、霧、ガス又はそれらのいずれかの混合物で配置することができる。
特定的な実施形態では、例えば、168Kvを展開するように設計された電気誘導起電機1では、露出部分68は、トラック70の円周の0.018倍以下であり及び/又は隣接するセクターに187mmよりもの近くないことが望ましい。この距離は、露出部分68が互いに放電しないことを保証するのを補助することである。例えば、直径が1500mmであるトラック70により、20のセクターを含むディスクにより、露出部分68が48.7mmよりも大きくないことが望ましと考えられる。
図示の実施形態の露出部分68は、セクター66の内側部分である。露出部分は、しかし、セクターのあらゆる露出部とすることができる。露出部分68が位置するトラック70は、ディスク2、4の各々の外面上に位置決めされる。
電気誘導起電機1では、導電性セクター66は、ディスク2、4の対向する内面の近くに位置決めされる。導電性セクター66は、この実施形態では約1mmである非導電材料67の層で両側に被覆されるが、層は、デバイスのスケールに応じて0.5mmから300mm厚とすることができる。
図4aに示す実施形態では、各ディスク2、4は、20のセクターを有する。ディスクが多いか又は少ないセクター66を有することはできるが、第1及び第2のディスク2、4は、同じ数のセクター66を有し、偶数のセクター66があることが好ましい。
図4bは、ディスク2、4のうちの1つの断面を示している。導電性セクター66は、好ましくは、活性炭層72及び銅層74を含む。導電性セクター66は、ディスク2、4を形成するアクリルポリマーに被覆される。この実施形態では、セクター66は、活性炭72を直接銅被覆ポリエステルメッシュ層74の上に噴霧又は塗装することによって形成される。好ましくは、メッシュは不織メッシュである。銅粉末、塗料、又は分散剤をメッシュの上に噴霧又は塗装することで、活性炭72を付加することができる金属繊維74を実質的に形成する。
図4cは、このようなセクター66の一部分の断面の電子顕微鏡写真を示している。図4dは、銅繊維74の表面に取り付けられた一部の活性炭粒子72の拡大図である。
図5及び図6は、セクターが活性炭/銅を使用して形成されたアルミニウム箔セクターを有する電気誘導起電機(従来技術の電気誘導起電機で使用されているような)によって発生する電量出力と比較したグラフを示している。グラフを作るのに使用するデータのための説明の終わりにある表1及び表2を参照することができる。
図5は、ワット単位の電気誘導起電機から出力された電力対1分当たりの回転数(RPM)のディスク速度を示している。図6は、同じデータを示すが、電力出力は、対数目盛を使用して示されている。両データセットは、直径が120mmであるディスクを使用して生成されている。電気誘導起電機は、22℃相対湿度40%で稼動した。
アルミニウム箔セクターは、活性炭/銅セクターと比較して非常に低い電力を生成することを見ることができる。両グラフでは、396mm2の2Dセクター面積(すなわち、裸眼で識別することができる幾何学的/巨視的表面積)は、アルミニウム箔及び活性炭/銅の両方に使用されている。図5では、最低速度で、アルミニウム箔セクターは、電力出力の0.0001740ワットを生成しているに過ぎないのに対して、活性炭/銅セクターは、電力の0.310830ワットを生成していることを見ることができる。これは、最低速度で、活性炭/銅セクターは、アルミニウム箔セクターの電力の1786倍以上も生成することを意味する。このタイプの発電機の増加により、電気誘導起電機は、改良された有用な発電機まで、例えば、支持構造体を転回させるのに風力又は水力を使用することによって有用に拡大することができると考えられる。
図5及び図6に示す最高速度で、アルミニウム箔セクターは、電力の0.0135946ワットを生成するが、活性炭/銅セクターは、電力の1.080300ワットを生成したことが見出されている。これは、最高速度でさえも、活性炭/銅セクターは、アルミニウム箔セクターの電力の79倍以上も生成することを意味する。
図7は、1秒当たり電荷収集点を通るセクターの総数と比較したセクターの有効表面積を示している。グラフを作るのに使用するデータのためのこの説明の終わりにある表1及び表2を参照することができる。有効表面積は、積極的にセクターからの電力の生成及び出力に関わっていると考えられるセクターに対する材料の表面積である。有効表面積は、従って、必ずしもセクターの2D面積と同じ面積又はセクターを作る材料の比表面積と同じではない。
理論に拘束されることを望むことなく、本発明者は、以下の情報及び式を使用してセクターの有効表面積を計算することができることを見出した。
本発明者は、セクターが移送することができる最大電荷密度は、電気誘導起電機からの最大出力電流を制限すると考えている。従って、本発明者は、セクター面積が大きくなり電荷密度が大きくなるほど、生成する電流は高くなる(従って、より電力が多くなる)と考えている。
従って、1秒間に通った面積(A)の量を乗じた電荷密度(p)は、デバイスが生成することができる最大電流であると本発明者は考える。この関係は、以下の式:1秒当たりの電荷=pAで表すことができる。式中pは、電荷密度であり、Aは、1秒当たり伝送する電荷担体の面積であり、結果は、1秒当たりのクーロン又はアンペアで表している。
最大電荷密度(p)は、セクター(E)に垂直な最大電界及び空き容量の誘電率(ε0)を使用する「ガウス」の定理(p=ε0E)を使用して計算することができる。空き容量の誘電率(ε0)は、電荷の単位を力学量のそれに関連付ける。これは定数であり、ε0=8.85x10−12F/mと同じである。
本発明者のセクター(E)に垂直な最大電界は、空気中のイオン化電圧に等しい。本発明者は、セクターが、イオン化電圧よりもより大きい場を維持することはできないと考えている。これは、セクターが、空気に露出され、イオン化により電荷漏れをもたらすことに起因する。デバイスが真の真空、霧、又は流体において作動した場合、より大きな磁場を維持することができる。常温及び海面レベルにおける磁場強度は、E=3x106V/mである。
上記定数を使用すると、本発明者のデバイスの最大電荷密度は、p=ε0E、p=8.85x10−12F/mx3x106V/m、p=26.55μC/m2である。
従って、ディスク速度が既知の場合、本発明者は、電気誘導起電機の最大理論出力電流を本発明者が計算することができると考えている。本発明者はまた、従って、本発明者が出力電流及びディスク速度が既知である場合、セクターの理論的又は有効表面積を本発明者が計算することができると考えている。
図7は、有効表面積が、アルミニウム箔セクターにおいて非常に低いことを示している。これは、図5及び図6で見られる低電力出力に等しい。活性炭/銅セクター上で電荷を発生させている有効表面積は、遥かに高いことを見ることができる。これは、活性炭/銅セクターに対して見られるよりも高い電力出力から構成されると考えられる。
図8は、電気誘導起電機の電力出力対有効セクター面積を示している。グラフを作るのに使用するデータのための説明の終わりにある表1及び表2を参照することができる。
図7及び図8から、活性炭/銅セクターに対して、1秒当たり収集点を通過するセクターの数が多いほど有効表面積の量が少なくなるということが、電力出力の生成に関わっているということに注意するのは興味深い。これは、より高い回転において電力出力がアルミニウムセクターに勝る活性炭/銅セクターに対して僅か約79倍であるのに対して、より低い回転において電力出力が1786倍である理由を説明すると考えられる。本発明者は、理論に拘束されることを望まないが、この効果が、より高速においてより高い電荷が活性炭/銅セクター上に蓄積するが、収集点により電荷を除去するほど十分な時間はないことに起因する場合があると考えている。
「有効表面積」は、活性炭又はアルミニウムの総表面積(場合によっては比表面積として公知)と同じはないが、電荷が蓄積して収集することができる表面積であると考えられる点に注意するのは重要である。更に、本発明者は、理論に拘束されることを望まないが、活性炭/銅セクターに対して、この有効表面積が、銅層と接触する活性炭の表面積に等しい場合があると考えている。銅バッキングと接触する炭素の比表面積を増加させるあらゆる方法は、従って、それが電荷発生及び伝送過程を伴う有効表面積を増加させる効果を有するので望ましいと考えられる。
それらの結果は、本発明者が電気誘導起電機を確実に拡大して有用な量の電力を発生させることができると考えるに至らせる。例えば、本発明者が1.2m(以下の表1及び表2に示す直径の10倍)まで機械を拡大した場合、本発明者は、本発明者の電流デバイス電力で105Wを発生させると考えている。
以下は、図5から図8のグラフを作るのに使用したデータを含む表である。
当業者は、特許請求の範囲によって定めるような本発明の範囲から逸脱することなく、図1から図8を参照して上述した電気誘導起電機1に対して様々な修正を加えることができることを理解するであろう。
例えば、上述の機械は、反対方向に回転する2つのディスク2、4から構成されるが、機械は単一回転可能ディスクを有することも可能である。このような変形は、図9a、図9b、図10、図11及び図12に示されており、以下でより詳細に説明されている。
本発明の代替的な実施形態による電気誘導起電機又はデバイス100は、第1の実施形態のものに類似し、原則的な差異は、それが単一回転可能ディスクのみを含む点である。
機械100は、ドライブスピンドル又はシャフト106を受け入れるためにその中心にある開口又はハブ104を有する比較的浅い開放カップ形状ハウジング102を含む。ハウジング102は、それが、ハウジング102に対して静止したままであるように、その中で固定された第1の支持ディスク110を受け入れる凹部108を形成する周壁を有する。第2の支持ディスク112は、第1の支持ディスク110に隣接して位置し、それが、ハウジング102及び従って第1のディスク110に対して回転可能であるように装着される。
第1の支持ディスク110は、そのプロフィールがほぼハウジング102のプロフィールに対応するように円形であり、第1及び第2の導電性電荷蓄積セグメント114が埋め込まれた絶縁基板から作られる。しかし、導電性セグメント114は、明確にするために図9a及び図9bでは分解組立図で下側支持ディスク110から離間して示されている点に注意すべきである。下側支持ディスク110は、下側支持ディスク110が、ハウジング102内に固定されて回転することができないように、ハウジング108で受け入れられ、好ましい接合法、例えば、好ましいプラスチック適合性エポキシによる接着によってハウジング108に固定される。
第2の支持ディスク112はまた、ポリウレタンのような絶縁材料から形成され、本発明の第1の実施形態に類似する方式でその中に埋め込まれた複数の(この例では10)導電性セクター116を含む。この場合も、導電性セクター116は、明確にするために図9a及び図9bでは第2の支持ディスク112から離間して示されている点に注意すべきである。
第2の支持ディスク112の下側面118は、半径方向トラフ又はトラック120を含み、その目的は、蓄積した電荷が、本発明の第1の実施形態と同じ方法で導電性セクター116から除去することができるように、導電性セクター116の部分116aを露出することである。トラック120の直径は、下で更に説明するように、トラック120へのアクセスを可能にするように静止ディスク110の直径よりも大きい。導電性セクター116の正確な構成は、本発明の第1の実施形態におけるものと同じであるので、更なる説明は省略することになる。
第2の支持ディスク112は、それが第1の支持ディスク110の近くに位置するがこれから離間するようにハウジング102で受け入れられる。ドライブスピンドル106は、ハウジング102の開口104、及び第1の支持ディスク110の同軸の開口122により受け入れられ、圧入又は他の好ましい接合法などにより第2の支持ディスク112の中心ボア124の中に固定される。このようにして、スピンドル106は、第2の支持ディスク112の回転を駆動する。スピンドル106はまた、上側ディスク112が、下側ディスク102から所定の距離だけ離間したままであるように、開口104に着座し、セット軸線方向位置にスピンドル106を保持するように機能するベアリング126を担持する。
導電性セグメント114の各々は、外向きタブ128を含み、それにワイヤブラシの形態の電荷収集点130が接続される。タブ128は、それらが、上側ディスク112の半径方向トラック120の一直線上に及びその下に重なるように位置決めされる。このようにして、電荷収集ブラシ130は、トラック120の中に延びて、上側ディスクが回転すると導電性セクター116の露出部分116aと電気接触し、従って、第1の実施形態の電荷収集点16、18、20、22と同じ方法でそれらのセクターに誘導されている電荷を収集する。電荷は依然として空隙にわたって伝送することができ、従って、ブラシ130が導電性セクターの露出部分と接触しないことは受け入れられる点にも注意すべきである。
詳細に図9aから図11を参照すると、ハウジング102の下側面132は、上側及び下側ディスクに電気接続することを許容するいくつかの特徴を含んでいる。
より具体的には、第1及び第2の開口134、136は、ハブ104と並んでハウジング102に設けられ、導電性セグメント114のうちのそれぞれの1つと接触するように、下側ディスク110の下面に設けられた開口134、136を通して及びそれぞれのアクセスポイント142、144を通して受け入れられるそれぞれの第1及び第2の高電圧リード138、140のためのアクセスポイントを提供する。機械の作動中に、高電圧リード138、140は、導電性セグメント114と好ましい電気負荷(図示せず)の間に電気接続を提供する。
ハウジング102の下側面にはまた、高電圧アクセスポイントに対して半径方向外側位置に位置する2つの斜めに延びるポート150が設けられる。図示の構成では、ポート150は、ハブ104を通過する垂直平面にあるが、ハブ104は、アクセスポイント134、136によって共有する垂直面に対して垂直である点に注意すべきである。しかし、これは、本発明の基本的な特徴ではなく、アクセスポイントとポートの間の異なる相対的間隔はまた、アクセス可能であることが理解されるであろう。
ポート150は、ハウジング102の下側面132にわたって横方向にある絶縁ワイヤリードの形態の中和ロッド154のそれぞれのチップ152にアクセスする。中和ロッド154の各チップ152は、そのそれぞれのポート150を通って延び、それらが、導電性セクター116の露出部分と電気接触するように上側ディスク112の外側トラック120で終端する。上側ディスク112が回転すると、中和ロッド154のチップ152は、トラック120の周囲を引きずられ、それによって次に導電性セクターの各々と接触する。電荷は、従って、導電性セクターの間を移動し、上側ディスクの導電性セクターと下側ディスクのセグメントの間の電荷不均衡を維持する。中和ロッドは、従って、本発明の第1の実施形態を参照して上述した中和ロッド50、52と同じ方法で機能する。
図10から図13の電気誘導起電機100は、本発明の第1の実施形態で提供するようなデバイスを駆動するための一体化タービンを特徴とするものではないが、当業者は、第1の実施形態に類似する方式で上側ディスク112を駆動するように、空気流路及びタービンに対応する上側及び下側ディスク112、110の適切な再構成により本発明の第2の実施形態の機械にこのような修正も加えることができることが理解される点に注意すべきである。代替的に、個別のタービンは、上側ディスク112を駆動するために機械から離間するがスピンドル106に接続するように設けることができる。