JP2013520596A - 再生エネルギー型発電装置及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数変換回路を用いずに可変速運転と系統連系を両立することが可能な、油圧トランスミッションを用いた再生エネルギー型発電装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】再生エネルギー型発電装置1では、ブレード4を介して受け取った再生エネルギーを、回転シャフト8及び油圧トランスミッション10を介して同期発電機20に伝達する。同期発電機20は、油圧トランスミッション10の油圧モータ14によって駆動され、電力を生成する。また、同期発電機20は、周波数変換回路を介さずに電力系統50に連系されており、生成した電力を電力系統50に供給する。再生エネルギー型発電装置1は、油圧トランスミッション10を制御するトランスミッション制御部40をさらに備える。トランスミッション制御部40は、再生エネルギー型発電装置1の通常運転時に、電力系統50の周波数に基づく同期速度で同期発電機20が回転する状態を維持しながら、再生エネルギーのエネルギー流の流速に対して回転シャフト8の回転数が可変となるように、油圧ポンプ12及び油圧モータ14の押しのけ容積をそれぞれ調節する通常運転モードで油圧トランスミッション10を制御する。

Description

本発明は、油圧トランスミッションを介して、発電機に回転シャフトの回転を伝達して電力を生成し、この電力を電力系統に供給する再生エネルギー型発電装置及びその運転方法に関する。なお、再生エネルギー型発電装置は、風、潮流、海流、河流等の再生可能なエネルギーを利用した発電装置であり、例えば、風力発電装置、潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等を挙げることができる。
近年、地球環境の保全の観点から、風力を利用した風力発電装置や、潮流、海流又は河流を利用した発電装置を含む再生エネルギー型発電装置の普及が進んでいる。再生エネルギー型発電装置では、風、潮流、海流又は河流の運動エネルギーをロータ(回転シャフト)の回転エネルギーに変換し、さらにロータの回転エネルギーを発電機によって電力に変換する。
この種の再生エネルギー型発電装置では、通常、発電機は電力系統に連系される。風力発電装置の場合、発電機の種類や電力系統への連系の仕方によって、例えば図12A〜図12Cのような方式に分類される。
図12Aに示す方式では、増速機500を介して、かご型誘導発電機510がロータ2に接続されている。かご型誘導発電機510は、不図示のソフトスタータを介して電力系統50に直接連系されている。この方式は、電気機器がシンプル且つ安価であるものの、電力系統50の周波数が一定であるためにロータ2の回転数が固定される。そのため、風力の変動が直接的に出力の変動となって現れてしまう。また、パワー係数Cpが最大になるロータ2の回転数は風速ごとに異なることが知られており、発電効率の向上の観点からも、ロータ2の回転数が風速によらずに一定とすることは望ましくない。
そこで、図12B及び図12Cに示すような方式を採用して、可変速運転を行うようにした風力発電装置が提案されている。
図12Bに示す方式の風力発電装置では、増速機500を介して、二次巻線誘導発電機520がロータ2に接続されている。二次巻線誘導発電機520は、その固定子巻線が電力系統50に直接接続され、その回転子巻線がAC−DC−ACコンバータ530を介して電力系統50に接続されている。AC−DC−ACコンバータ530は、発電機側インバータ532、DCバス534及び系統側インバータ536で構成されている。発電機側インバータ532は、回転子巻線に与える電流を制御して発電機トルクを調節することで、可変速運転を可能とする。一方、系統側インバータ536は、二次巻線誘導発電機520の回転子巻線から受け取った電力を電力系統50の周波数に適合した交流電力に変換する。
また図12Cに示す方式では、同期発電機540がロータ2に接続されている。同期発電機540は、AC−DC−ACリンク550を介して電力系統50に接続される。AC−DC−ACリンク550は、コンバータ552、DCバス554及びインバータ556により構成される。AC−DC−ACリンク550は、同期発電機540のトルクを調節することで可変速運転を可能にするとともに、同期発電機540で生成された電力を電力系統50の周波数に適合した交流電力に変換する役割を担う。
ところで、最近になって注目を集めるようになったのが、油圧ポンプ及び油圧モータを組み合わせた油圧トランスミッションを採用した再生エネルギー型発電装置である。
例えば、特許文献1には、ロータの回転により駆動される油圧ポンプと、発電機に接続された油圧モータとを組み合わせた油圧トランスミッションを用いた風力発電装置が記載されている。この風力発電装置の油圧トランスミッションでは、油圧ポンプ及び油圧モータは、高圧リザーバと低圧リザーバを介して互いに接続されている。これにより、ロータの回転エネルギーが、油圧トランスミッションを介して発電機に伝わるようになっている。なお、油圧ポンプは、複数組のピストン及びシリンダと、シリンダ内でピストンを周期的に摺動させるカムとで構成されている。
なお、再生エネルギー型発電装置の可変速運転技術や系統連系技術に直接関係するものではないが、落雷や送電設備の故障(例えば鉄塔の倒壊)に起因する系統電圧低下時における風力発電装置の運転技術も知られている(特許文献2〜9参照)。
また、再生エネルギー型発電装置の可変速運転技術や系統連系技術に直接関係するものではないが、系統電圧低下時における発電機動揺の抑制技術として、超速応励磁装置や電力系統安定化装置を利用したものが知られている(非特許文献1参照)。ここで、発電機の「動揺」とは、電力系統に連系された同期発電機の内部相差角の振動を意味する。
なお、超速応励磁装置とは、電力系統に短絡事故や地絡事故などの大きなじょう乱が発生した際の発電機の第一波動揺を抑制するために、発電機端子電圧の低下を迅速に検出し、急速に界磁電流を増加させて、発電機の内部誘起電圧を上昇させて同期化力を増大させる励磁装置をいう。また、電力系統安定化装置とは、超速応励磁装置の採用により低下する定態安定度を向上させるために、ダンピングトルクが増加するように励磁機を制御して、発電機動揺を速やかに抑制するものである。
米国特許出願公開第2010/0032959号明細書 中国特許出願公開第101964533号明細書 米国特許出願公開第2011/0025059号明細書 国際公開第2010/085988号 韓国登録特許第10−0947075号公報 国際公開第2009/078072号 中国特許出願公開第101383580号明細書 米国特許第7709972号明細書 特開2007−239599号公報
矢部宏(やべひろし)、西村昭(にしむらあきら)著「V.超速応励磁制御方式」、電気学会雑誌、社団法人電気学会、1986年7月20日発行、第106巻、第7号、p.643−645
上述のように、既存の再生エネルギー型発電装置については、可変速運転と系統連系とを両立するための技術として、図12B及び図12Cのような方式が確立されている。これに対して、最近注目を集めている特許文献1のような再生エネルギー型発電装置については、可変速運転と系統連系とを両立するための技術が十分に確立されているとはいえない。
また、図12B及び図12Cのような方式では、可変速運転と系統連系の両立を実現するには、高価な周波数変換回路(530,550)が必要不可欠であり、コスト削減の障壁となる。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、周波数変換回路を用いずに可変速運転と系統連系を両立することが可能な、油圧トランスミッションを用いた再生エネルギー型発電装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
本発明に係る再生エネルギー型発電装置は、再生エネルギーを用いて電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、ブレードと、前記ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーによって回転する回転シャフトと、前記回転シャフトによって駆動される油圧ポンプ及び該油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される油圧モータを有する油圧トランスミッションと、周波数変換回路を介さずに電力系統に連系され、前記油圧モータによって駆動されて生成した電力を前記電力系統に供給する同期発電機と、前記再生エネルギー型発電装置の通常運転時に、前記電力系統の周波数に基づく同期速度で前記同期発電機が回転する状態を維持しながら、前記再生エネルギーのエネルギー流の流速に対して前記回転シャフトの回転数が可変となるように、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節する通常運転モードで前記油圧トランスミッションを制御するトランスミッション制御手段とを備えることを特徴とする。
なお、「再生エネルギーのエネルギー流」とは、例えば再生エネルギー型発電装置が風力発電装置の場合、風を意味する。また、この場合における「再生エネルギーのエネルギー流の流速」は風速のことである。
この再生エネルギー型発電装置では、発電機として、周波数変換回路を介さずに電力系統に連系された同期発電機を採用したため、通常運転時における可変速運転と系統連系の両立を、周波数変換回路に頼らずにトランスミッション制御手段によって実現している。すなわち、トランスミッション制御手段が、電力系統の周波数に基づく同期速度で同期発電機が回転する状態を維持しながら、再生エネルギーの流速に対して回転シャフトの回転数が可変となるように油圧ポンプ及び油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節することで、可変速運転と系統連系を両立できる。
上記再生エネルギー型発電装置において、前記トランスミッション制御手段は、前記通常運転モードにおいて、前記エネルギー流の流速に応じた前記回転シャフトの理想トルクに基づいて前記油圧ポンプのトルク目標を決定するトルク目標算出部と、前記通常運転モードにおいて、前記油圧ポンプの前記トルク目標から前記油圧ポンプの押しのけ容積の要求値Dを決定するポンプ要求値算出部と、前記油圧ポンプの押しのけ容積を前記要求値Dに調節するポンプ制御部とを含んでいてもよい。
これにより、エネルギー流の流速(例えば風速)に応じた理想トルクに基づいて油圧ポンプのトルク目標が決定され、該トルク目標から決定された要求値Dに油圧ポンプの押しのけ容積が調節されるので、エネルギー流の流速に対して回転シャフトの回転数を可変にすることができる。すなわち、トランスミッション制御部によって、再生エネルギー型発電装置の可変速運転が可能になる。
上記再生エネルギー型発電装置において、前記トランスミッション制御手段は、前記通常運転モードにおいて、前記油圧ポンプの目標出力POWERに基づいて、前記油圧モータの目標出力POWERを算出するモータ目標出力算出部と、前記通常運転モードにおいて、前記モータ目標出力算出部により算出された前記目標出力POWERに基づいて、前記同期発電機の回転数が前記同期速度となるように前記油圧モータの押しのけ容積の要求値Dを決定するモータ要求値算出部と、前記油圧モータの押しのけ容積を前記要求値Dに調節するモータ制御部とを含んでいてもよい。
これにより、油圧ポンプの目標出力POWERから求めた油圧モータの目標出力POWERに基づいて、同期発電機の回転数が同期速度となるように決定された要求値Dに油圧モータの押しのけ容積が調節されるため、同期発電機が同期速度で回転する状態を維持できる。すなわち、トランスミッション制御部によって、同期発電機の電力系統への連系が可能になる。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記同期発電機の端子電圧を計測する端子電圧検出器と、前記同期発電機の界磁巻線に界磁電流を供給する励磁機と、前記端子電圧検出器によって計測された前記端子電圧と前記端子電圧の指令値との偏差に基づいて前記励磁機を制御する励磁機制御部とをさらに備えていてもよい。
これにより、励磁機から同期発電機の界磁巻線に供給される界磁電流を調節して、同期発電機の端子電圧を指令値に応じて一定に維持することができる。なお、同期発電機の端子電圧を一定に維持するこの制御は、自動電圧調整器(AVR)を用いて行ってもよい。
上記再生エネルギー型発電装置において、前記励磁機制御部は、前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下した直後、前記界磁電流が増加するように前記励磁機を制御してもよい。
送電線または電力系統において異常事象が発生すると、発電機端子電圧が瞬時に低下し、これに伴って発電機の電気的出力(有効電力)も瞬時に低下する。そのため、油圧モータからの機械的入力が発電機の電気的出力に対して過剰になり、同期発電機の回転子が加速され、同期発電機の脱調が起きてしまうおそれがある。そこで、送電線または電力系統における異常事象の発生により同期発電機の端子電圧が低下した直後、界磁電流を増加させることで、発電機内部誘起電圧が大きくなり、発電機の電気的出力が上昇する。そのため、同期発電機の同期化力が大きくなって、異常事象発生後の同期発電機の第一波動揺が抑制され、過渡安定度が向上する。このようにして同期発電機の脱調が防止される。
なお、このような過渡安定度を向上させるための励磁機の制御は、超速応励磁方式と称される応答速度が非常に速い励磁方式(例えばサイリスタ励磁方式)によって好適に実現できる。
異常事象の発生により端子電圧が低下した直後に界磁電流を増加させる場合、前記励磁機制御部は、前記励磁機によって前記界磁電流を増加させた後、前記同期発電機の内部相差角の増大時に前記界磁電流が増加し、前記同期発電機の内部相差角の減少時に前記界磁電流が減少するように前記励磁機を制御してもよい。
異常事象発生による端子電圧の低下直後に界磁電流を増加させると、既に説明したように同期発電機の第一波動揺が抑制され過渡安定度が向上するものの、応答性が良いためにかえって第一波動揺以降の定態安定度を損なうおそれがある。そこで、内部相差角の増大時に界磁電流を増加させ、内部相差角の減少時に界磁電流を減少させることで、同期発電機の動揺を速やかに抑制し、定態安定度を向上させることができる。
なお、このような定態安定度を向上させるための励磁機の制御は、電力系統安定化装置(PSS:Power System Stabilizer)によって好適に実現できる。
また、前記トランスミッション制御手段は、前記送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下したとき、前記油圧モータから前記同期発電機に入力されるトルクの前記同期発電機の負荷トルクに対する偏差が小さくなるように前記油圧モータの押しのけ容積を調節する異常事象対応モードで前記油圧トランスミッションを制御してもよい。
異常事象が発生すると、異常事象発生とほぼ同時に発電機端子電圧および同期発電機の電気的出力が低下するため、同期発電機の脱調を防止するための非常に迅速な対応を迫られる。この点、油圧モータの制御を通常運転モードにより行っていては発電機トルクの急激な変動に油圧モータトルクが追従できず、両者がアンバランスとなって、同期発電機の内部相差角が大きく変動してしまう。そこで、異常事象対応モードでは、発電機トルクと油圧モータトルクの偏差が小さくなるように油圧モータの押しのけ容積を調節する。これにより、発電機トルクの急激な変化に油圧モータトルクを追従させることができ、同期発電機の内部相差角の変動を抑制できる。よって、異常事象に起因する同期発電機の動揺を迅速に抑制できる。
異常事象対応モードで発電機トルクに油圧モータトルクを追従させる場合、前記トランスミッション制御手段は、前記異常事象対応モードにおいて、前記同期発電機で発生した電力に基づいて前記油圧モータの押しのけ容積の要求値Dを決定するモータ要求値算出部と、前記油圧モータの押しのけ容積を前記要求値Dに調節するモータ制御部とを含んでいてもよい。
このように、同期発電機で発生した電力(電気的出力)に基づいて決定した要求値Dに油圧モータの押しのけ容積を調節することで、異常事象発生後における同期発電機の発生電力の変動に追従して油圧モータの押しのけ容積を変化させ、発電機トルクと油圧モータトルクの偏差を小さくすることができる。よって、異常事象に起因する同期発電機の動揺を迅速に抑制できる。
また、異常事象対応モードにおいて同期発電機の発生電力に基づいて決定した要求値Dに油圧モータの押しのけ容積を調節する場合、上記再生エネルギー型発電装置が前記ブレードのピッチ角を調節するピッチ駆動機構をさらに備え、前記送電線または前記電力系統における前記異常事象の発生時において、前記ピッチ駆動機構は前記ブレードのピッチ角をフェザー側への変化に転ずるようにしてもよい。
異常事象発生時は、同期発電機の端子電圧が通常運転時に比べて低下しているから、同期発電機の電気的出力(同期発電機の発生電力)も通常運転時に比べて小さい。そのため、同期発電機の発生電力に基づいて決定した要求値Dに油圧モータの押しのけ容積を調節すると、油圧モータの出力が低下して、油圧ポンプの出力が過剰になる。そこで、ブレードのピッチ角をピッチ駆動機構によりフェザー側への変化に転ずることで、油圧ポンプの加速を抑制しながら、油圧モータの出力低下に応じて油圧ポンプの出力を絞ることができる。
また、異常事象発生時にブレードのピッチ角をフェザー側への変化に転ずる場合、前記送電線または前記電力系統における前記異常事象からの復旧開始後、前記ピッチ駆動機構は前記ブレードのピッチ角をファイン側に変化させるとともに、前記モータ要求値算出部は前記同期発電機によって発電される電力が増えるように前記油圧モータの押しのけ容積の前記要求値Dを増加させてもよい。
これにより、異常事象からの復旧開始後、油圧モータの押しのけ容積を増大させて発電量を増やすことができる。
なお、前記異常事象は、例えば、前記電力系統の電圧が電力系統連系規定(grid code)に定められた所定電圧以下に低下した状態であってもよい。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記励磁機制御部が前記励磁機の固定界磁を励磁するサイリスタを有し、前記励磁機は、前記サイリスタによって励磁される前記固定界磁および前記同期発電機の回転軸とともに回転する回転電機子を有し、該回転電機子から回転整流器を介して前記同期発電機の前記界磁巻線に直流の前記界磁電流を供給する交流励磁機であってもよい。
このように、交流励磁機の回転電機子からの交流電流を回転整流器で整流して、同期発電機の界磁巻線に供給することで、ブラシレスの構成を実現でき、ブラシの保守(定期的交換)が不要になる。再生エネルギー型発電装置は、一般に僻地(山岳地や洋上等)に設置されることが多いため、ブラシの保守(定期的交換)が不要であることは、ランニングコストの低減に大きく寄与する。
また、上記再生エネルギー型発電装置は、前記同期発電機と同軸上に設けられた永久磁石発電機により構成される副励磁機をさらに備え、前記励磁機制御部の前記サイリスタは、前記副励磁機を電源として用い、前記励磁機の固定界磁を励磁してもよい。
このように、同期発電機と同軸上に設けられた永久磁石発電機を、励磁機制御部のサイリスタの電源として用いることで、同期発電機の電力系統への併入前であっても、外部電源を必要とせずに同期発電機の励磁を行うことができる。このことは、一般的に外部電源を得にくい性質がある風力発電装置において非常に有利である。
また、前記再生エネルギー型発電装置は、前記再生エネルギーとしての風から電力を生成する風力発電装置であってもよい。
本発明に係る再生エネルギー型発電装置の運転方法は、ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーによって回転する回転シャフトと、前記回転シャフトによって駆動される油圧ポンプ及び該油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される油圧モータを有する油圧トランスミッションと、周波数変換回路を介さずに電力系統に連系され、前記油圧モータによって駆動されて生成した電力を前記電力系統に供給する同期発電機とを備える再生エネルギー型発電装置の運転方法であって、前記再生エネルギー型発電装置の通常運転時に、前記電力系統の周波数に基づく同期速度で前記同期発電機が回転する状態を維持しながら、前記再生エネルギーのエネルギー流の流速に対して前記回転シャフトの回転数が可変となるように、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節する通常運転モードで前記油圧トランスミッションを制御するステップを備えることを特徴とする。
この再生エネルギー型発電装置の運転方法によれば、電力系統の周波数に基づく同期速度で同期発電機が回転する状態を維持しながら、再生エネルギーの流速に対して回転シャフトの回転数が可変となるように油圧ポンプ及び油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節することで、可変速運転と系統連系を両立できる。
上記再生エネルギー型発電装置の運転方法は、前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下した直後、前記同期発電機の界磁巻線に供給する界磁電流を増加させるステップをさらに備えてもよい。

送電線または電力系統において異常事象が発生すると、発電機端子電圧が瞬時に低下し、これに伴って発電機の電気的出力(有効電力)も瞬時に低下する。そのため、油圧モータからの機械的入力が発電機の電気的出力に対して過剰になり、同期発電機の回転子が加速され、同期発電機の脱調が起きてしまうおそれがある。そこで、送電線または電力系統における異常事象の発生により同期発電機の端子電圧が低下した直後、界磁電流を増加させることで、発電機内部誘起電圧が大きくなり、発電機の電気的出力が上昇する。そのため、同期発電機の同期化力が大きくなって、異常事象発生後の同期発電機の第一波動揺が抑制され、過渡安定度が向上する。このようにして同期発電機の脱調が防止される。
前記再生エネルギー型発電装置の運転方法は、前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下したとき、前記油圧モータから前記同期発電機に入力されるトルクの前記同期発電機の負荷トルクに対する偏差が小さくなるように前記油圧モータの押しのけ容積を調節する異常事象対応モードで前記油圧トランスミッションを制御するステップをさらに備えていてもよい。
異常事象が発生すると、異常事象発生とほぼ同時に発電機端子電圧および同期発電機の電気的出力が低下するため、同期発電機の脱調を防止するための非常に迅速な対応を迫られる。この点、油圧モータの制御を通常運転モードにより行っていては発電機トルクの急激な変動に油圧モータトルクが追従できず、両者がアンバランスとなって、同期発電機の内部相差角が大きく変動してしまう。そこで、異常事象対応モードでは、発電機トルクと油圧モータトルクの偏差が小さくなるように油圧モータの押しのけ容積を調節する。これにより、発電機トルクの急激な変化に油圧モータトルクを追従させることができ、同期発電機の内部相差角の変動を抑制できる。よって、異常事象に起因する同期発電機の動揺を迅速に抑制できる。
本発明によれば、電力系統の周波数に基づく同期速度で同期発電機が回転する状態を維持しながら、再生エネルギーの流速に対して回転シャフトの回転数が可変となるように油圧ポンプ及び油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節するようにしたので、周波数変換回路を用いずに可変速運転と系統連系を両立できる。
風力発電装置の全体構成の一例を示す図である。 風力発電装置の油圧トランスミッションとトランスミッション制御部の構成を示す図である。 油圧ポンプの具体的な構成例を示す図である。 油圧モータの具体的な構成例を示す図である。 同期発電機と電力系統との間の送電線の構成例を示す図である。 トランスミッション制御部において油圧ポンプの押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。 ロータ回転数Wを横軸にとり、ロータトルクTを縦軸にとった座標系においてCp最大曲線を示したグラフである。 トランスミッション制御部において油圧モータの押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。 短絡事故発生前後における有効電力Pと内部相差角Aとの関係を示すグラフである。 電力系統又は送電線に異常事象が起きた場合の各種パラメータの経時変化の一例を示すグラフである。 電力系統又は送電線に異常事象が起きた場合の各種パラメータの経時変化の別の例を示すグラフである。 従来の風力発電装置の例を示す図である。 従来の風力発電装置の例を示す図である。 従来の風力発電装置の例を示す図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
以下の実施形態では、再生エネルギー型発電装置の一例として風力発電装置について説明する。ただし、本発明は潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等の他の再生エネルギー型発電装置にも適用できる。
[風力発電装置の装置構成]
図1は風力発電装置の全体構成の一例を示す図である。図2は風力発電装置の油圧トランスミッションとトランスミッション制御部の構成を示す図である。図3は油圧ポンプの具体的な構成例を示す図である。図4は油圧モータの具体的な構成例を示す図である。
図1に示すように、風力発電装置1は、主として、風を受けて回転するロータ2と、ロータ2の回転を増速する油圧トランスミッション10と、電力系統に連系された同期発電機20と、油圧トランスミッション10を制御するトランスミッション制御部40(図2参照)と、圧力計31及び回転数計32、36を含む各種計測器とを備える。
油圧トランスミッション10及び同期発電機20は、ナセル22又はこれを支持するタワー24の内部に収納されていてもよい。なお、図1には、タワー24が地上に立設された陸上風力発電装置を示したが、風力発電装置1は洋上を含む任意の場所に設置されていてもよい。
ロータ2は、ブレード4が取り付けられたハブ6に回転シャフト8が連結された構成を有する。すなわち、3枚のブレード4がハブ6を中心として放射状に延びており、それぞれのブレード4が、回転シャフト8と連結されたハブ6に取り付けられている。これにより、ブレード4が受けた風の力によってロータ2全体が回転し、回転シャフト8を介して油圧トランスミッション10に回転が入力される。なお、ブレード4には、ブレード4のピッチ角を調節するためのアクチュエータ(ピッチ駆動機構)5(図2参照)が取り付けられている。
油圧トランスミッション10は、図2に示すように、回転シャフト8によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ12と、同期発電機20に接続される出力軸15を有する可変容量型の油圧モータ14と、油圧ポンプ12と油圧モータ14との間に設けられた高圧油ライン16及び低圧油ライン18を有する。
油圧ポンプ12の吐出側は、高圧油ライン16によって油圧モータ14の吸込側に接続されており、油圧ポンプ12の吸込側は、低圧油ライン18によって油圧モータ14の吐出側に接続されている。油圧ポンプ12から吐出された作動油(高圧油)は、高圧油ライン16を介して油圧モータ14に流入し、油圧モータ14を駆動する。油圧モータ14で仕事を行った作動油(低圧油)は、低圧油ライン18を介して油圧ポンプ12に流入して、油圧ポンプ12で昇圧された後、再び高圧油ライン16を介して油圧モータ14に流入する。
なお、図2には、油圧モータ14を1個だけ含む油圧トランスミッション10を示したが、複数の油圧モータ14を設けて、それぞれの油圧モータ14を油圧ポンプ12に接続してもよい。
油圧ポンプ12及び油圧モータ14は、以下で説明するように、図3及び4で示すような具体的構成を有していてもよい。
油圧ポンプ12は、図3に示すように、シリンダ80及びピストン82により形成される複数の作動室(ワーキングチャンバ)83と、ピストン82に係合するカム曲面を有するリングカム84と、各作動室83に対して設けられる高圧弁86および低圧弁88とにより構成されてもよい。高圧弁86は、各作動室83と高圧油ライン16との間の高圧連通路87に設けられ、低圧弁88は、各作動室83と低圧油ライン18との間の低圧連通路89に設けられている。
油圧ポンプ12の運転時において、回転シャフト8とともにリングカム84が回転すると、カム曲線に合わせてピストン82が周期的に上下動し、ピストン82が下死点から上死点に向かうポンプ工程と、ピストン82が上死点から下死点に向かう吸入工程とが繰り返される。そのため、ピストン82とシリンダ80の内壁面によって形成される作動室83の容積は周期的に変化する。
油圧ポンプ12では、高圧弁86および低圧弁88の開閉制御によって、各作動室83をアクティブ状態又はアイドリング状態に切替えることができる。作動室83がアクティブ状態である場合、吸入工程において高圧弁86を閉じ低圧弁88を開くことで低圧油ライン18から作動室83内に作動油を流入させるとともに、ポンプ工程において高圧弁86を開き低圧弁88を閉じることで作動室83から高圧油ライン16に圧縮された作動油を送り出す。一方、作動室83がアイドリング状態である場合、吸入工程及びポンプ工程の両方において、高圧弁86が閉じて低圧弁88が開いた状態を維持して、作動室83と低圧油ライン18との間で作動油を往復させる(すなわち、高圧油ライン16には作動油を送り出さない)。したがって、アクティブ状態にある作動室83の個数の全作動室数に対する割合を変化させることで、油圧ポンプ12の全体としての押しのけ容積を調節することができる。油圧ポンプ12の全体としての押しのけ容積の調節は、後述のトランスミッション制御部40によって行われる。
油圧モータ14は、図4に示すように、シリンダ90及びピストン92により形成される複数の作動室93と、ピストン92に係合するカム曲面を有する偏心カム94と、各作動室93に対して設けられた高圧弁96および低圧弁98とにより構成されてもよい。高圧弁96は、各作動室93と高圧油ライン16との間の高圧連通路97に設けられ、低圧弁98は、各作動室93と低圧油ライン18との間の低圧連通路99に設けられている。
油圧モータ14の運転時において、油圧ポンプ12が作った高圧油ライン16と低圧油ライン18との差圧によって、ピストン92が周期的に上下動し、ピストン92が上死点から下死点に向かうモータ工程と、ピストン92が下死点から上死点に向かう排出工程とが繰り返される。油圧モータ14の運転中、ピストン82とシリンダ80の内壁面によって形成される作動室83の容積は周期的に変化する。
油圧モータ14は、高圧弁96および低圧弁98の開閉制御によって、各作動室83をアクティブ状態又はアイドリング状態に切替えることができる。作動室93がアクティブ状態である場合、モータ工程において高圧弁96を開き低圧弁98を閉じることで高圧油ライン16から作動室93内に作動油を流入させるとともに、排出工程において高圧弁96を閉じ低圧弁98を開くことで作動室93内で仕事をした作動油を低圧油ライン18に送り出す。一方、作動室93がアイドリング状態である場合、モータ工程及びポンプ工程の両方において、高圧弁96が閉じて低圧弁98が開いた状態を維持して、作動室93と低圧油ライン18との間で作動油を往復させる(すなわち、高圧油ライン16からの高圧油を作動室93に受け入れない)。これにより、油圧モータ14は、油圧ポンプ12と同様に、アクティブ状態にある作動室93の個数の全作動室数に対する割合を変化させることで、全体としての押しのけ容積を調節することができる。油圧モータ14の全体としての押しのけ容積の調節は、後述のトランスミッション制御部40によって行われる。
また、図2に示すように、高圧油ライン16にはアキュムレータ64が接続されている。高圧油ライン16とアキュムレータ64との間には電磁弁66を設けてもよい。電磁弁66の開閉によって、アキュムレータ64は高圧油ライン16に連通したり、高圧油ライン16から切り離されたりする。例えば、高圧油ライン16における作動油が過剰であるときに、電磁弁66を開いてアキュムレータ64に作動油を吸収した後に電磁弁66を閉じることで、過剰な作動油をアキュムレータ64に蓄えることができる。この場合、電磁弁66を再び開くことで、アキュムレータ64内に蓄えた作動油を高圧油ライン16に放出することもできる。なお、電磁弁66が無い運用も可能である。
なお、アキュムレータ64の圧力は、圧力計68によって取得されるようになっている。
高圧油ライン16と低圧油ライン18との間には、油圧モータ14をバイパスするバイパス流路60が設けられている。そして、バイパス流路60には、高圧油ライン16の作動油の圧力を設定圧力以下に保持するリリーフ弁62が設けられている。これにより、高圧油ライン16内の圧力がリリーフ弁62の設定圧力まで上昇すれば、リリーフ弁62が自動的に開いて、バイパス流路60を介して低圧油ライン18に高圧油を逃すことができる。
また、油圧トランスミッション10には、オイルタンク70、補充ライン72、ブーストポンプ74、オイルフィルタ76、返送ライン78、低圧リリーフ弁79が設けられている。
オイルタンク70は、補充用の作動油が貯留されている。補充ライン72は、オイルタンク70を低圧油ライン18に接続している。ブーストポンプ74は、補充ライン72に設けられ、オイルタンク70から低圧油ライン18に作動油を補充するようになっている。
返送ライン78は、オイルタンク70と低圧油ライン18との間に配置されている。低圧リリーフ弁79は、返送ライン78に設けられており、低圧油ライン18内の圧力を設定圧力と同じ又はそれ以下に保持するようになっている。これにより、ブーストポンプ74によって作動油が低圧油ライン18に供給されても、低圧油ライン18内の圧力が低圧リリーフ弁79の設定圧力に達すれば、低圧リリーフ弁79が自動的に開いて、返送ライン78を介してオイルタンク70に作動油を逃すことができる。
なお、風力発電装置1には、図2に示すように、回転数計32及び34と圧力計31とが設けられている。回転数計32及び34は、それぞれ、回転シャフト8の回転速度と油圧モータ14の出力軸15の回転速度を計測する。また圧力計31は、高圧油ライン16の作動油(高圧油)の圧力を計測する。さらに、ナセル22の外部に取り付けられて風速を計測する風速計33や、風力発電装置1の周囲の雰囲気温度を計測する温度センサ34が設けられていてもよい。これら各種計測器による計測結果は、トランスミッション制御部40に送られて、油圧ポンプ12及び油圧モータ14の制御に用いてもよい。
油圧モータ14の出力軸15には同期発電機20が連結されている。同期発電機20は周波数変換回路(例えば、図12B及び図12Cの周波数変換回路530,550)を介さずに電力系統50に連系されている。そのために、風力発電装置1では、トランスミッション制御部40による油圧トランスミッション10の制御により、電力系統50の周波数(例えば50Hz又は60Hz)に基づく同期速度で同期発電機20が回転する状態を維持している。なお、トランスミッション制御部40の具体的な制御手法については、後で詳述する。
図5は、同期発電機20と電力系統50との間の送電線の構成例を示す図である。同図に示すように、同期発電機20は、昇圧変圧器51を介して母線52に繋がれており、この母線52は送電線54によって電力系統50に接続されている。送電線54は変電所変圧器55および回線56A,56Bを有しており、各回線56A,56Bにはそれぞれ遮断器57,58が設けられている。電力系統50及び送電線54に異常がない場合、遮断器57,58は全て閉になっており、同期発電機20で生成された電力が送電線54内を電力系統50に向かって矢印方向に送電される。
また、同期発電機20は、油圧モータ14の出力軸15とともに回転する界磁巻線21と、昇圧変圧器51に接続される固定電機子(不図示)とを有する。界磁巻線21には、励磁機100から直流の界磁電流が供給されるようになっている。
なお、界磁巻線21に供給される界磁電流の大きさは、励磁機制御部110によって制御される。励磁機制御部110は、端子電圧検出器(計器用変圧器:Potential Transformer)59による同期発電機20の端子電圧の計測値に基づいて、該端子電圧が設定値(指令値)となるように励磁機100を制御してもよい。
励磁機100の具体的構成として、例えば、図5に示すような交流励磁機を採用してもよい。すなわち、励磁機100は、回転電機子(不図示)及び界磁巻線(固定子)102で構成された交流発電機であってもよい。
この場合、励磁機100は油圧モータ14の出力軸15に直結された交流励磁機であり、励磁機100の回転電機子から出力される交流電流を整流器(回転整流器)104によって直流に変換した後、これを界磁電流として同期発電機20の界磁巻線21に供給する。界磁巻線21と、励磁機100の電機子と、整流器103とが、油圧モータ14の出力軸15とともに回転する部分である。このように、交流励磁機100の回転電機子からの交流電流を整流器(回転整流器)103で整流して、回転子である界磁巻線21に供給することで、ブラシを省略することができ、ブラシの保守(定期的交換)が不要になる。風力発電装置は一般的に山岳地や洋上等の僻地に設置されることが多いため、ブラシの保守(定期的交換)が不要であることは、ランニングコストの低減に大きく寄与する。
また、図5に示す例では、励磁機制御部110は、励磁機100の界磁巻線102に供給する界磁電流の大きさを変化させることで、同期発電機20の界磁巻線21に流れる界磁電流の大きさを調節するようになっている。
この場合、励磁機制御部110は、図5で示すように、電圧設定器112と、比較回路113と、自動電圧調整器(AVR:Automatic Voltage Regulator)114と、サイリスタ116とで構成してもよい。電圧設定器112は、同期発電機20の端子電圧の設定値を比較回路113に出力する。比較回路113では、端子電圧検出器59による同期発電機20の端子電圧の計測値と、電圧設定器112から入力された設定値とを比較して、両者の偏差をAVR114に出力する。AVR114では、比較回路113から出力された上記偏差に基づいて、サイリスタ116にゲート信号を供給する。サイリスタ116は、励磁機100の界磁巻線102と、油圧モータ14の出力軸15に直結された永久磁石発電機(PMG:Permanent Magnetic Generator)106からなる副励磁機との間に設けられている。サイリスタ116は、永久磁石発電機(副励磁機)106を電源として用いて、励磁機100の界磁巻線(固定界磁)102を励磁する。
このように、油圧モータ14の出力軸15に直結され、同期発電機20と同軸上に設けられた永久磁石発電機104をサイリスタ116の電源として用いることで、同期発電機20の電力系統50への併入前であっても、外部電源を必要とせずに同期発電機20の励磁を行うことができる。このことは、一般的に外部電源を得にくい性質がある風力発電装置において非常に有利である。
また、同期発電機20の定態安定度を向上させる観点から、励磁機制御部110に電力系統安定化装置(PSS:Power System Stabilizer)を設けてもよい。例えば、図5に示すように、同期発電機20で発生した有効電力Pに基づいて比較回路113における比較結果を補正するPSS118を励磁機制御部110に設けてもよい。なお、PSS118は、主として後述の異常事象対応モードにおいて発電機動揺の抑制のために機能する。なお、有効電力Pは、同期発電機20の固定電機子から出力される電流及び電圧の計測値から算出可能である。
[通常運転モードにおける風力発電装置の運転制御]
上記構成の風力発電装置1は、電力系統50や送電線54における線間短絡、断線、地絡(送電線が地面に接触すること)等の異常事象の発生がない通常運転時には、以下で説明する通常運転モードで油圧トランスミッション10を制御する。
トランスミッション制御部40は、図2に示すように、理想トルク算出部41、トルク目標算出部42、ポンプ要求値算出部43、ポンプ制御部44、ポンプ目標出力算出部45、モータ目標出力算出部46、モータ要求値算出部47、モータ制御部48及び記憶部49を備える。
通常運転モードでは、トランスミッション制御部40は、電力系統50の周波数に基づく同期速度で同期発電機20が回転する状態を維持しながら、風速に対して回転シャフト8の回転数が可変となるように油圧トランスミッション10を制御する。これにより、周波数変換回路を介さずに同期発電機20を電力系統50に連系させるとともに、風速に応じた回転数でロータ2を回転させて風力発電装置1の発電効率を向上させることができる。
以下、通常運転モードにおけるトランスミッション制御部40の各部の働きについて説明する。トランスミッション制御部40の役割は、油圧ポンプ12の制御と油圧モータ14の制御に大別されるから、ここでは、油圧ポンプ12の押しのけ容積を調節するための制御について詳述した後、油圧モータ14の押しのけ容積を調節するための制御について詳述する。
図6は、トランスミッション制御部40において油圧ポンプ12の押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。同図に示すように、理想トルク算出部41は、回転数計32で検出された回転シャフト8の回転数Wを受け取って、この回転数Wから油圧ポンプ12の理想トルクTを決定する。例えば、理想トルク算出部41は、予め設定されたW−T関数(回転数Wと理想トルクTとの関数)を記憶部49(図2参照)から読み出し、該W−T関数を用いて回転数Wに対応する理想トルクTを求める。
ここで、記憶部49に記憶されたW−T関数の一例について説明する。
図7は、ロータ回転数Wを横軸にとり、ロータトルクTを縦軸にとった座標系においてCp最大曲線を示したグラフである。Cp最大曲線300とは、パワー係数Cpが最大となるような座標(W,T)を結んだ曲線である。Cp最大曲線300は、種々の風速(例えば、風速V〜V)に関してパワー係数Cpが最大となるような座標Z〜Zを通る曲線である。
記憶部49に記憶されるW−T関数は、図7の太線で示すように、運転点a〜運転点bの範囲ではCp最大曲線300で規定され、運転点b〜運転点cの範囲ではロータ回転数が定格回転数Wratedで一定となる直線で規定される関数310であってもよい。なお、運転点aに対応する風速Vはカットイン風速であり、運転点cに対応する風速Vが定格出力に達する風速(定格風速)である。関数310により理想トルクTを決定するには、回転数計32で検出された回転シャフト8の回転数Wに対応するロータトルクT(すなわち理想トルクT)を関数310から求めればよい。
関数310を用いることで、カットイン風速V〜風速Vの風速域において、初期回転数Wから定格回転数Wratedの範囲で、油圧ポンプ12の回転数(ロータ回転数)Wを風速に応じて変化させて、パワー係数Cpが最大の条件で運転を行うことができる。すなわち、初期回転数Wから定格回転数Wratedの可変速範囲において、最大の効率が得られるような運転が可能となる。また、風速V〜定格風速Vの風速域では、油圧ポンプ12の回転数(ロータ回転数)Wが定格回転数Wratedに維持される。なお、定格風速V〜カットアウト風速の高風速域では、アクチュエータ(ピッチ駆動機構)5によってブレード4のピッチ角が調節されて定格出力に維持される。
このようにして得られた油圧ポンプ12の理想トルクTは、図6に示すように、トルク目標算出部42において修正され、油圧ポンプ12のトルク目標Tが求まる。
トルク目標算出部42は、理想トルクTにスケール係数Mを乗算して、調整理想トルクMTを算出する。スケール係数Mは0〜1の範囲内であればいずれの値であってもよく、好ましくは0.9〜1の範囲内の値である。スケール係数Mを乗算することで、油圧ポンプ12の実際のトルクは理想トルクTよりわずかに低くなり、突風時にはロータ2がより急速に加速することとなる。その結果、理想トルクTにスケール係数Mを乗算しない場合に比べて、より大きな出力を得ることができる。なお、スケール係数Mを用いると、ロータ2はより緩慢に減速するため、凪時においては最適な運転点から少し外れて運転することになってしまう。しかし、突風に対して追従させることにより得られる追加出力は、凪時の非最適運転による出力損失より大きい。
また、トルク目標算出部42によって求まるトルク目標Tは、調整理想トルクMTとトルクフィードバックコントローラ201の出力値との差であってもよい。トルクフィードバックコントローラ201は、トルク目標の現在値と加速トルクとから空気力学的トルクの推定値Taeroを算出する。加速トルクは、ロータ2の角加速度aと、ロータ2の回転慣性モーメントJとを乗算することにより求められる。トルクフィードバックコントローラ201の出力値は、空気力学的トルクの推定値と調整理想トルクとの偏差Texcessである。この偏差にゲインGを乗算し、補正トルクTfeedbackを算出する。ゲインGは0以上のいずれの値であってもよい。ゲインGを0に設定すれば、トルクフィードバックコントローラ201は無効化される。
トルクフィードバックコントローラ201は、加速時には調整理想トルクMTからトルクを減少させてトルク目標Tをわずかに減少させるとともに、減速時には調整理想トルクMTにトルクを追加してトルク目標Tをわずかに増大させることで、ロータ2の加速及び減速に応答する。これにより、調整理想トルクの制御のみの場合に比べて、風からの入力エネルギーの変化に応じて、回転シャフト8をより迅速に加速及び減速させることができる。よって、風から回収できるエネルギーの総量が増加することとなる。
トルク目標算出部42で求めたトルク目標Tはポンプ要求値算出部43に送られて、油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dの算出に用いられる。トルク目標算出部42では、高圧油ライン16の作動油の圧力Pで除算し、油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dを算出する。この要求値Dは、PID式コントローラであってもよく出力値がコントローラの要求値Dである圧力リミッタ202で補正してもよい。また、圧力リミッタ202は、油圧ポンプ12の圧力を許容範囲内に維持する。つまり、ポンプが要求する作動油移動量を修正することで、風力発電装置の安全運転が可能な最大レベル未満に維持する。リリーフ弁62を介してエネルギーを消散することが望まれるような運転モード(たとえば極度の突風時には風力発電装置が定格速度以上で動作するのを防止する目的)では、圧力リミットは無効としてもよい。あるいは、圧力リミットは、用途によって異ならせてもよい。なお、ポンプ要求値算出部43において、高圧油ライン16の作動油の温度に基づいて、油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dを補正してもよい。
なお、ポンプ要求値算出部43は、アジャスタ203によって、例えばウィンドファームのファーム制御装置や給電指令所等の外部指令所からの電力要求シグナルに応じて、油圧ポンプ12のトルク目標Tを補正してもよい。これにより、外部指令所からの要求に見合った発電量を得ることが可能となる。
このようにして得られた押しのけ容積の要求値Dはポンプ制御部44に送られて、ポンプ制御部44によって油圧ポンプ12の押しのけ容積が要求値Dに調節される。例えば、ポンプ制御部44は、高圧弁86及び低圧弁88を開閉制御して、アクティブ状態の作動室83の個数の全作動室数に対する割合を変化させることで、油圧ポンプ12の押しのけ容積を要求値Dに調節してもよい。
図8は、トランスミッション制御部40において油圧モータ14の押しのけ容積が決定される際のシグナルフローを示す図である。同図に示すように、ポンプ目標出力算出部45は、トルク目標算出部42で求めた油圧ポンプ12のトルク目標Tに、回転数計32で取得された回転シャフト8の回転数Wを乗算して、油圧ポンプ12の目標出力のベース値POWERを算出する。また、ポンプ目標出力算出部45は、ファーム制御装置や給電指令所等の外部指令所210からの電力要求シグナルSに応じて、アジャスタ212で出力補正値POWERを算出する。そして、先に求めた目標出力のベース値POWERに出力補正値POWERを加算して、油圧ポンプ12の目標出力POWERが決定される。
モータ目標出力算出部46は、一次ローパスフィルタ(伝達関数H(s)=1/(T・s+1))により油圧ポンプ12の目標出力POWERを処理し、油圧モータ14のモータ目標出力POWERを算出する。
次いで、モータ要求値算出部47は、モータ目標出力POWERを、油圧センサ31で測定された高圧油圧力P、及び、回転数計36で計測された油圧モータ14の回転数Wで除算して、油圧モータ14の押しのけ容積の名目要求値Dを求める。
このようにして求めた油圧モータ14の名目要求値Dは、油圧ポンプ12から油圧モータ14に流れ込む単位時間当たりのエネルギー(すなわちPOWER)を、高圧油ライン16の圧力Pと油圧モータ14の回転数Wで除算したものである。よって、仮に油圧モータ14の回転数Wが低すぎる場合には、名目要求値Dが大きくなって油圧モータ14の回転数Wを上昇させる。逆に、仮に油圧モータ14の回転数Wが高すぎる場合には、名目要求値Dが小さくなって油圧モータ14の回転数Wを低下させる。したがって、油圧モータ14の回転数Wを一定(すなわち同期発電機20の同期速度)に維持することができる。
また、モータ要求値算出部47では、モータ目標出力POWERから要求補正値Dを算出し、上述の名目要求値Dに加算することで油圧モータ14の押しのけ容積の要求値Dを求める。この要求補正値Dは、例えば、図8に示すように、高圧油ライン16の目標圧力Pと、圧力計31の計測値Pとの偏差に可変ゲインKを乗算する圧力フィードバックコントローラ220によって求めてもよい。
なお、高圧油ライン16の目標圧力Pは、予め設定されたモータ目標出力と高圧油ライン16の目標圧力との関数230に、現在のモータ目標出力POWERを入力して求めてもよい。なお、関数230は、少なくとも一部が、モータ目標出力が増加するに従って、高圧油ライン16の目標圧力が単調増加するような曲線で規定される。そのため、モータ目標出力が大きい(すなわち、油圧ポンプ12の吐出量が多い)場合に比べて、モータ目標出力が小さい(すなわち、油圧ポンプ12の吐出量が少ない)場合における高圧油ライン16の目標圧力Pが小さな値に設定される。これにより、モータ目標出力が小さい場合における油圧ポンプ12の吐出量に対する作動油の内部漏れ量を減らして、作動油の内部漏れが油圧トランスミッション10の制御に及ぼす影響を抑制することができる。
また、可変ゲインKは、関数232を用いて、高圧油ライン16の圧力の現在値(圧力計31の計測値)P、高圧油ライン16の圧力の許容範囲における最大値Pmax及び最小値Pminに応じて決定される。例えば、関数230は、圧力の現在値Pが許容範囲外(すなわち、P<Pmin又はP>Pmax)の場合には可変ゲインKを最大値Kmaxに設定し、圧力の現在値Pが許容範囲内(すなわち、Pmin≦P≦Pmax)の場合には最小値Pmin又は最大値Pmaxに近づくにつれて前記最大値Kmaxに向かって可変ゲインKを増加させてもよい。これにより、圧力Pが上記許容範囲から外れそうになった場合、あるいは圧力Pが上記許容範囲から外れた場合に、高圧油ライン16の圧力Pと目標圧力Pとの偏差に乗じる可変ゲインKを大きくして(又は最大値Kmaxに設定して)、高圧油ライン16の圧力Pを迅速に許容範囲内に収め、かつ、目標圧力Pに近づけることができる。
なお、通常運転モードでは、同期発電機20の端子電圧は、励磁機制御部110による励磁機100の制御によって一定に維持される。例えば、図5に示すように、比較回路113において、端子電圧検出器59による同期発電機20の端子電圧の計測値と、電圧設定器112から入力された設定値との偏差を求め、該偏差に基づいてAVR114からサイリスタ116のゲート信号を供給してもよい。これにより、同期発電機20の界磁巻線21に供給される界磁電流の大きさが調節され、同期発電機20の端子電圧が一定に(電圧設定器112から入力された設定値に)維持される。
なお、電圧設定器112による発電機端子電圧の設定値(指令値)は、例えば、電力系統50に適合した電圧である。
以上説明したように、トランスミッション制御部40は、通常運転モードでは、電力系統50の周波数に基づく同期速度で同期発電機20が回転する状態を維持しながら、風速に対して回転シャフト8の回転数が可変となるように油圧トランスミッション10を制御する。
具体的には、トランスミッション制御部40は、理想トルク算出部41により回転シャフト8の理想トルクTを求め、該理想トルクTに基づいてトルク目標算出部42により油圧ポンプ12のトルク目標Tを決定する。さらに、トランスミッション制御部40は、ポンプ要求値算出部43によってトルク目標Tから油圧ポンプ12の押しのけ容積の要求値Dを決定し、ポンプ制御部44により油圧ポンプ12の押しのけ容積を前記要求値Dに調節する。これにより、風速に応じた回転数でロータ2を回転させて(すなわち、可変速運転を行って)、発電効率を向上させることができる。
また、トランスミッション制御部40は、油圧ポンプ12の目標出力POWERに基づいてモータ目標出力算出部46により油圧モータ14の目標出力POWERを算出する。さらに、トランスミッション制御部40は、モータ要求値算出部47によって目標出力POWERに基づいて、同期発電機20の回転数が電力系統50の周波数に応じた同期速度となるように油圧モータ14の押しのけ容積の要求値Dを決定し、モータ制御部48によって油圧モータ14の押しのけ容積を前記要求値Dに調節する。これにより、同期発電機20の回転数が同期速度に維持され、周波数変換回路を介さずに同期発電機20を電力系統50に連系させることができる。
[異常事象対応モードにおける風力発電装置の運転制御]
電力系統50または送電線54において線間短絡、断線、地絡(送電線が地面に接触すること)等の異常事象が発生すると、電力系統50側に送ることのできる電力が制限され、同期発電機20の電気的出力(有効電力)が瞬時に低下する。その結果、油圧モータ14からの機械的入力が同期発電機20の電気的出力に対して過剰になり、同期発電機20の内部相差角が急激に増加して、同期発電機20の脱調が起きてしまうおそれがある。
このような現象は、異常事象発生直後の極めて短い期間(例えば数ミリ秒〜数秒)に起きる。よって、周波数変換回路(530,550)がバッファとして機能しうる従来の風力発電装置(図12B及び図12C参照)とは異なり、異常事象による影響が同期発電機20に直接及ぶ本実施形態の風力発電装置1では、異常事象発生直後から非常に迅速な対応を採る必要がある。
そのため、エネルギー伝達経路(ロータ2→油圧ポンプ12→油圧モータ14→同期発電機20)の上流側から下流側に向かって制御パラメータを決定していく前述の通常運転モードでは異常事象に十分に対応できない。すなわち、通常運転モードでは、同期発電機20とともに油圧モータ14の実際に回転数が上昇したことを受けて油圧モータ14の押しのけ容積を減少させ始めるが、そのような制御では同期発電機20の脱調を効果的に防止することは難しい。
そこで、本実施形態では、電力系統50や送電線54における異常事象の発生時、前述の通常運転モードとは異なる異常事象対応モードで風力発電装置1の運転を行う。
異常事象対応モードでは、エネルギー伝達経路の上流側から下流側に向かって制御パラメータを決定していく通常運転モードとは異なり、エネルギー伝達経路の下流側から上流側に向かって制御パラメータを決定していく。すなわち、異常事象対応モードでは、異常事象発生直後に同期発電機20の界磁巻線に供給する界磁電流を制御するとともに、同期発電機20の電気的出力(発生電力)の変動に追従するように、油圧モータ14の押しのけ容積Dの調節を行い、必要に応じてピッチ制御や油圧ポンプ12の制御も行う。
なお、同期発電機20の端子電圧や同期発電機20からの発生電力の急減に応じて、低電圧検出信号(Low Voltage Detect)が出力され、この信号によって通常運転モードによる運転制御から異常事象対応モードによる運転制御に切替えられるようになっていてもよい。
ここで、異常事象としての短絡(線間短絡や地絡)が回線56B(図5参照)の遮断器58,58間で発生した場合において、励磁機制御部110とトランスミッション制御部40による制御の具体例について説明する。
図9は、短絡事故発生前後における有効電力Pと内部相差角Aとの関係を示すグラフである。
回線56Bの遮断器58,58間で短絡が発生すると、短絡事故発生とほぼ同時に、同期発電機20の端子電圧が急激に低下し、同期発電機20から出力される有効電力Pも急低下する(図9の状態1→状態2)。その後、遮断器58,58が開いて回線56Bが遮断され、回線56Bにおける短絡事故が除却され、同期発電機20から出力される電力は回復する(状態3)。しかし、残った回線56Aのみでの送電であるから、同期発電機20から出力される電力は短絡事故発生前のレベル(状態1)まで回復することはない。
短絡事故発生前は、状態1におけるP−A曲線上のl点で同期発電機20が運転されており、このときの内部相差角AはAである。l点は、油圧モータ14からの機械的入力P(図8のモータ目標出力POWERに略一致)と状態1におけるP−A曲線との交点である。仮に内部相差角AがAから少しでも逸脱すると、内部相差角AをAに戻そうとする同期化力dP/dAが働くため、内部相差角AはAで安定している。
ところが、短絡事故が発生すると、同期発電機20のP−A曲線は状態1から状態2に瞬時に降下する。一方、短絡事故が発生した直後は、同期発電機20の回転子の慣性によって、内部相差角AはAのままである。そのため、短絡事故発生によって、同期発電機20の運転点はl点からm点に瞬時に移行する。このとき、油圧モータ14からの機械的入力Pが、同期発電機20の電気的出力Pに対して過剰になり、同期発電機20の回転子が加速されて、m点からn点に向かって同期発電機20の運転点が移動する。そのため、内部相差角AはAからAに向かって増加する。
そして、内部相差角AがAに達したときに、遮断器58,58が開いて短絡事故が除却される。これにより、同期発電機20のP−A曲線は状態2から状態3に瞬時に増加する。一方、短絡事故が除去された直後は、同期発電機20の回転子の慣性によって、内部相差角AはAのままである。そのため、短絡事故の除去によって、同期発電機20の運転点はn点からo点に瞬時に移行する。よって、同期発電機20の電気的出力Pが油圧モータ14からの機械的入力Pを上回るようになり、同期発電機20の回転子が減速され始める。したがって、内部相差角AはAに達した後に減少に転じ、それ以降の内部相差角は増加と減少とを繰り返して振動するが、最終的には同期発電機20のダンピング力によって減衰して安定になる。
なお、内部相差角Aの折り返し点であるp点は、油圧モータ14からの入力Pと状態2におけるP−A曲線で囲まれる面積Sで表される加速エネルギーと、状態3におけるP−A曲線と油圧モータ14の出力Pで囲まれる面積Sで表される減速エネルギーとが一致する運転点である。
本実施形態では、異常事象発生直後に、励磁機制御部110が励磁機100を制御して、同期発電機20の界磁巻線21に供給される界磁電流を増加させる。これは、図9における状態2又は3におけるP−A曲線を上方に持ち上げることを意味する。内部相差角Aの同一の変化量についてみれば、P−A曲線が持ち上げられることで、加速エネルギー(面積S)が小さくなり、減速エネルギー(面積S)が大きくなることは明らかである。そのため、より早い段階で加速エネルギー(面積S)に釣り合う減速エネルギー(面積S)を確保できるから、内部相差角Aの折り返し点であるp点を初期の運転点l点寄りにすることができる。したがって、異常事象発生後の同期発電機20の第一波動揺(A−A)が抑制され、過渡安定度が向上する。
このような過渡安定度を向上させるための励磁機100の制御は、例えば図5に示すようなAVR114及びサイリスタ116を用いたサイリスタ方式の超速応励磁制御によって好適に行うことができる。
なお、超速応励磁制御を用いて同期発電機の過渡安定度を向上させる技術は、蒸気タービンやガスタービンを用いた発電設備において確立されたものであるが、これを再生エネルギー型発電装置に適用することは知られていない。これは従来の再生エネルギー型発電装置では、周波数変換回路を介して発電機を電力系統に連系していたため、周波数変換回路がバッファとして機能し、発電機の過渡安定度がそれほど問題にならなかったためである。
異常事象発生による発電機端子電圧の低下直後に同期発電機20を増磁すると、既に説明したように同期発電機20の第一波動揺が抑制され過渡安定度が向上するものの、応答性が良いためにかえって第一波動揺以降の定態安定度が低下するおそれがある。
そこで、励磁機制御部110は、同期発電機20の内部相差角Aの増大時に界磁巻線21の界磁電流が増加し、同期発電機20の内部相差角Aの減少時に界磁巻線21の界磁電流が減少するように励磁機100を制御してもよい。この場合、図5に示すPSS118を用いて、電力検出器119により検出された同期発電機20の発生電力Pに基づいて、同期発電機20の内部相差角Aの増大時には増磁を行い、同期発電機20の内部相差角Aの増大時には減磁を行うようにしてもよい。
ところで、蒸気タービンを用いた発電設備では、ガバナ制御装置によって、タービン出力を調節して発電機回転数を一定に維持するようになっている。しかし、ガバナ制御装置は、蒸気タービンにおける蒸気加減弁やインターセプト弁を開閉して、蒸気タービンに流入する蒸気量を加減することでタービン出力を調節するため、動作開始までに少なくとも数秒は必要である。そのため、蒸気タービンやガスタービンを用いた発電設備では、異常事象への対応は専ら超速応励磁制御やPSSに頼っている。
これに対し、本実施形態の風力発電装置1では、異常事象発生直後〜数秒の短時間において、油圧モータ14の出力制御を行うことは可能である。とりわけ、図4で示す構成の油圧モータ14の場合、出力軸15の回転数が高速(例えば1500又は1800rpm)であること、油圧室93が出力軸15の周方向に複数設けてもよいことを考慮すれば、数ミリ秒〜数十ミリ秒の間に押しのけ容積を調節してモータ出力を制御することは十分に可能である。
そこで、異常事象対応モードでは、トランスミッション制御部40は、油圧モータ14から同期発電機20に入力されるトルクの同期発電機20の負荷トルクに対する偏差が小さくなるように油圧モータ14の押しのけ容積を調節し、油圧モータ14の出力を制御してもよい。すなわち、図9における油圧モータ14から同期発電機20への機械的入力Pを上下動させることで、機械的入力Pと同期発電機20の電気的出力(発生電力)Pとの差を任意に調整し、内部相差角Aの安定化に寄与できる。よって、異常事象に起因する同期発電機20の動揺を迅速に抑制できる。
具体的には、異常事象対応モードにおいて、モータ要求値算出部47により、同期発電機20で発生した電力に基づいて、油圧モータ14の押しのけ容積の要求値Dを決定し、モータ制御部48によって油圧モータ14の押しのけ容積を前記要求値Dに調節してもよい。
このように、同期発電機20で発生した電力に基づいて決定した要求値Dに油圧モータ14の押しのけ容積を調節することで、異常事象発生後における同期発電機20の発生電力の変動に追従して油圧モータ14の押しのけ容積を変化させることができる。したがって、同期発電機20の負荷トルクの急激な変化に油圧モータ14のトルクを追従させて、異常事象に起因する同期発電機20の動揺を迅速に抑制できる。
また異常事象発生時は、同期発電機20の端子電圧が通常運転時に比べて低下しているから、同期発電機20から電力系統50に向けて出力可能な電力(同期発電機20の発生電力)も通常運転時に比べて小さい。そのため、同期発電機20の発生電力に基づいて決定した要求値Dに油圧モータ14の押しのけ容積を調節すると、油圧モータ14の出力が低下して、油圧ポンプ12の出力が過剰になる。
そこで、油圧ポンプ12から吐出される高圧油の余剰分をアキュムレータ64に蓄積してもよい。具体的には、アキュムレータ64と高圧油ライン16との間に電磁弁66が設けられている場合、異常事象発生直後に電磁弁66を開いてアキュムレータ64を高圧油ライン16に連通させて、余剰な高圧油をアキュムレータ64に蓄積させてもよい。これに対し、アキュムレータ64が高圧油ライン16に直接接続されている場合、即ち電磁弁66が設けられていない場合、異常事象発生後に余剰な高圧油が自然とアキュムレータ64に蓄積されるので、特段の処理を採る必要はない。
なお、アキュムレータ64に高圧油を受け容れることができなくなったら、高圧油ライン16の圧力Pがリリーフ弁62の設定圧力に達するまで上昇し、それ以降はリリーフ弁62が開き、バイパス流路60を介して低圧油ライン18に余剰な高圧油が逃がされる。
また、異常事象対応モードにおける油圧ポンプ12の出力と油圧モータ14の出力のアンバランスを解消すべく、アクチュエータ(ピッチ駆動機構)5がブレード4のピッチ角をフェザー側への変化に転ずるようにしてもよい。これにより、油圧ポンプ12の過速(油圧ポンプ12の回転数が過剰になること)を防止しながら、油圧モータ14の出力低下に応じて油圧ポンプ12の出力をある程度絞ることができる。
なお、油圧ポンプ12の出力を絞ってもなお油圧ポンプ12及び油圧モータ14の出力が互いに均衡しない場合、アキュムレータ64に余剰な高圧油を蓄積したり、バイパス流路60を介して余剰な高圧油を低圧油ライン18に逃がしたりしてもよい。
また、遮断器58を開くことで回線2の短絡事故から復旧した後、アクチュエータ(ピッチ駆動機構)5がブレード4のピッチ角をファイン側に戻すとともに、モータ要求値算出部47は同期発電機20によって発電される電力が増えるように油圧モータ14の押しのけ容積の要求値Dを増加させてもよい。
これにより、異常事象からの復旧開始後、油圧モータ14の押しのけ容積を増大させて発電量を増やすことができる。
以上説明したように、異常事象対応モードでは、異常事象発生直後に同期発電機20の界磁巻線21に供給する界磁電流を制御するとともに、同期発電機20の発生電力の変動に追従するように、油圧モータ14の押しのけ容積Dの調節を行い、必要に応じてピッチ制御や油圧ポンプ12の制御も行う。
具体的には、異常事象発生により同期発電機20の端子電圧が低下した直後、励磁機制御部110によって、界磁巻線21に供給する界磁電流を増加するように励磁機100を制御する。これにより、同期発電機20の同期化力が大きくなって、異常事象発生後の同期発電機20の第一波動揺が抑制され、過渡安定度が向上する。
また、励磁機制御部110は、界磁巻線21に供給する界磁電流を励磁機100によって増加させた後、同期発電機20の内部相差角Aの増大時に前記界磁電流が増加し、内部相差角Aの減少時に前記界磁電流が減少するように励磁機100を制御してもよい。これにより、定態安定度が向上し、同期発電機の動揺を速やかに抑制できる。
また、トランスミッション制御部40は、異常事象対応モードでは、異常事象発生により同期発電機20の端子電圧が低下したとき、油圧モータ14から同期発電機20に入力されるトルクの同期発電機20の負荷トルクに対する偏差が小さくなるように油圧モータ14の押しのけ容積を調節する。例えば、トランスミッション制御部40は、異常事象対応モードにおいて、同期発電機20で発生した電力に基づいて油圧モータ14の押しのけ容積の要求値Dをモータ要求値算出部47により決定し、油圧モータ14の押しのけ容積をモータ制御部48により前記要求値Dに調節してもよい。これにより、発電機トルクの急激な変化に油圧モータトルクを追従させることができ、異常事象に起因する同期発電機20の動揺を迅速に抑制できる。
ここで、異常事象対応モードによる制御を適用した具体例をいくつか挙げる。図10及び11は、電力系統50又は送電線54に異常事象が起きた場合の各種パラメータの経時変化を示すグラフである。
図10に示す例では、異常事象発生前は、発電機20の端子電圧Vが定格値Vratedで安定している。ところが、時刻tにおいて異常事象が発生し、端子電圧Vが瞬時に低下する。これにより、低電圧検出信号(Low Voltage Detect)が出力され、風力発電装置1の運転制御が通常運転モードから異常事象対応モードに切り替わる。なお、この例では、端子電圧Vが定格値Vratedの90%以下であるときに、低電圧検出信号が出力されるようになっている。
端子電圧Vtの急減にともない、比較回路113の出力値、すなわち端子電圧の指令値と端子電圧検出器59の計測値との偏差は、急激に大きくなる。そのため、励磁機100は、励磁機制御部110(具体的にはAVR114及びサイリスタ116)による制御下で、同期発電機20の界磁巻線21に供給される界磁電流(Exciter Current)を増加させる。これにより、同期発電機20の内部相差角Aの急激な増加が抑制され、同期発電機20の過渡的安定性が向上する。なお、図10には明確に示されていないが、AVR114及びサイリスタ116による制御下で励磁機100が界磁電流を増加した後、PSS118による制御で界磁電流が調整され、同期発電機20の定態安定性を向上させている。
また、時刻Tにおいて異常事象が発生した後、油圧モータ14の押しのけ容積Dは同期発電機20で発生した電力Pに基づいて調節されて減少する。(ただし、界磁巻線21に供給される界磁電流の増加によって、同期発電機20の電気的出力Pが既に上昇しており、油圧モータ14の押しのけ容積Dはそれほど大幅に減少させる必要はない。)これにより、油圧モータ14からの機械的入力P(図9参照)が低下し、機械的入力Pと同期発電機20の電気的出力(発生電力)Pとの差が小さくなり、異常事象発生による内部相差角Aの増加が抑制される。よって、異常事象に起因する同期発電機20の動揺を迅速に抑制できる。
さらに、時刻Tにおいて異常事象が発生した後、アクチュエータ(ピッチ駆動機構)5によってブレード4のピッチ角の調節が開始され、ピッチ角はフェザー側への変化に転ずる。ただし、アクチュエータ5によるピッチ角調節は、例えば3deg/s〜6deg/s程度の変化速度でしかピッチ角を変更することができないため、励磁機制御部110や油圧モータ14における他の制御と比べて、異常事象に対する応答の遅れが生じやすい。なお、ブレード4のピッチ角をフェザー側に変更した結果、油圧ポンプ12の過速を防止しながら、油圧モータ14の出力低下に応じて油圧ポンプ12の出力をある程度絞ることができる。
さらに、油圧ポンプ12の出力を絞ってもなお油圧ポンプ12の出力が油圧モータ14の出力に対して過剰であるため、高圧油ライン16の圧力Pが上昇するとともに、アキュムレータ64に余剰な高圧油が蓄積される。その結果、アキュムレータ64における高圧油の蓄積量Vaccは時刻tから急激に増加していく。
この後、時刻tにおいて、異常事象が復旧されると、端子電圧Vは回復し始め、時刻tには定格値Vratedの90%に達し、時刻tでは定格値Vratedの94%に達する。例えば、時刻tは時刻tから0.14秒経過後の時点であり、時刻tは時刻tから0.5秒経過後の時点である。
異常事象からの復旧による端子電圧Vの回復にともない、比較回路113の出力値、すなわち端子電圧の指令値と端子電圧検出器59の計測値との偏差は小さくなる。そのため、励磁機100は、励磁機制御部110(具体的にはAVR114及びサイリスタ116)による制御下で、同期発電機20の界磁巻線21に供給される界磁電流(Exciter Current)を減少させる。
また、異常事象からの復旧により端子電圧Vが定格値Vratedの90%に達すると(時刻t)、定電圧検出信号の出力が止んで、風力発電装置1の運転制御は異常事象対応モードから通常運転モードに切り替わる。
そのため、油圧モータ14の押しのけ容積Dは、異常事象から復旧して定格値Vratedの90%に達する時刻tにおいて増加し始める。これにより、異常事象からの復旧後、風力発電装置1の発電量を増やすことができる。
また、時刻t以降、アクチュエータ(ピッチ駆動機構)5によってブレード4のピッチ角が徐々にファイン側に戻され、これに対応して油圧ポンプ12の押しのけ容積Dも徐々に増大する。このとき、油圧モータ14の押しのけ容積Dの増加速度に比べてゆったりと、ブレード4のピッチ角および油圧ポンプ12の押しのけ容積Dを変化させることで、アキュムレータ64に蓄積された高圧油が放出されるとともに、高圧油ライン16の圧力Pも低下する。
図11に示す例は、異常事象発生により端子電圧Vが瞬時に略ゼロまで低下する点で図10に示す例と異なる。ここでは、この相違点が、異常事象対応モードにおける制御にどのような影響を与えるのかを中心に説明し、図10に示す例と共通する制御内容については説明を省略する。
なお、図11に示す例では、時刻tは時刻tから0.15秒経過後の時点であり、時刻tは時刻tから0.7秒経過後の時点であり、時刻tは時刻tから1.5秒経過後の時点である。
図11に示すように、異常事象発生前は端子電圧Vが定格値Vratedで安定しているが、時刻tにおいて異常事象が発生すると、端子電圧Vが瞬時に略ゼロまで低下する。これにより、低電圧検出信号(Low Voltage Detect)が出力され、風力発電装置1の運転制御が通常運転モードから異常事象対応モードに切り替わる。
端子電圧Vtの急減にともない、比較回路113の出力値、すなわち端子電圧の指令値と端子電圧検出器59の計測値との偏差は、急激に大きくなる。そのため、励磁機100は、励磁機制御部110(具体的にはAVR114及びサイリスタ116)による制御下で、同期発電機20の界磁巻線21に供給される界磁電流(Exciter Current)を増加させる。ただし、図10に示す例とは異なり、時刻tにおいて端子電圧Vが略ゼロまで低下したため、同期発電機20の電気的出力Pは略ゼロであり、界磁巻線21に供給される界磁電流を増加させても同期発電機20の動揺抑制にあまり効果がない。
また、時刻Tにおいて異常事象が発生した後、油圧モータ14の押しのけ容積Dは同期発電機20で発生した電力Pに基づいて調節されて減少する。このとき、界磁巻線21に供給される界磁電流を増加させても同期発電機20の電気的出力Pが略ゼロであることから、油圧モータ14からの機械的出力Pと同期発電機20の電気的出力Pをバランスさせようとして、油圧モータ14の押しのけ容積Dは略ゼロまで低減される。これにより、機械的入力Pと同期発電機20の電気的出力(発生電力)Pとの差が小さくなり、異常事象発生による内部相差角Aの増加が抑制される。よって、異常事象に起因する同期発電機20の動揺を抑制できる。
図10に示す例では、時刻t〜tにおける端子電圧Vは略ゼロではないために、主として励磁機制御部110(具体的にはAVR114及びサイリスタ116とPSS118)を用いた界磁電流の制御によって、同期発電機20の動揺を抑制できる。したがって、異常事象発生直後に、油圧モータ14の押しのけ容積Dを略ゼロに低減する必要はない。
これに対して、図11に示す例では、時刻t〜tにおける端子電圧Vは略ゼロであるために、励磁機制御部110(具体的にはAVR114及びサイリスタ116とPSS118)を用いた界磁電流の制御は、同期発電機20の動揺抑制にそれほど寄与しない。そのため、異常事象発生直後から、油圧モータ14の押しのけ容積Dを略ゼロまで急減することで、同期発電機20の動揺が抑制される。
このように、異常事象の態様によって、同期発電機20の動揺を抑制するための制御内容が異なっていてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
1 風力発電装置
2 ロータ
4 ブレード
6 ハブ
8 回転シャフト
10 油圧トランスミッション
12 油圧ポンプ
14 油圧モータ
15 出力軸
16 高圧油ライン
18 低圧油ライン
20 同期発電機
21 界磁巻線
22 ナセル
24 タワー
31 圧力計
32 回転数計
33 風速計
34 雰囲気温度センサ
36 回転数計
40 トランスミッション制御部
41 理想トルク算出部
42 トルク目標算出部
43 ポンプ要求値算出部
44 ポンプ制御部
45 ポンプ目標出力算出部
46 モータ目標出力算出部
47 モータ要求値算出部
48 モータ制御部
49 記憶部
50 電力系統
51 昇圧変圧器
52 母線
54 送電線
55 変電所変圧器
56A 回線
56B 回線
57,58 遮断器
59 端子電圧検出器
60 バイパス流路
62 リリーフ弁
64 アキュムレータ
66 電磁弁
68 圧力計
70 オイルタンク
72 補充ライン
74 ブーストポンプ
76 オイルフィルタ
78 返送ライン
79 低圧リリーフ弁
100 励磁機(交流励磁機)
102 界磁巻線
103 回転整流器
106 永久磁石発電機
110 励磁機制御部
112 電圧設定器
113 比較回路
114 自動電圧調整器(AVR)
116 サイリスタ
118 電力系統安定化装置(PSS)
201 トルクフィードバックコントローラ
202 圧力リミッタ
203 アジャスタ
210 外部指令所
212 アジャスタ
220 圧力フィードバックコントローラ
300 Cp最大曲線
310 W−T関数
500 増速機
510 かご型誘導発電機
520 二次巻線誘導発電機
530 AC−DC−ACコンバータ(周波数変換回路)
540 同期発電機
550 AC−DC−ACリンク(周波数変換回路)

Claims (17)

  1. 再生エネルギーを用いて電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、
    ブレードと、
    前記ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーによって回転する回転シャフトと、
    前記回転シャフトによって駆動される油圧ポンプ及び該油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される油圧モータを有する油圧トランスミッションと、
    周波数変換回路を介さずに電力系統に連系され、前記油圧モータによって駆動されて生成した電力を前記電力系統に供給する同期発電機と、
    前記再生エネルギー型発電装置の通常運転時に、前記電力系統の周波数に基づく同期速度で前記同期発電機が回転する状態を維持しながら、前記再生エネルギーのエネルギー流の流速に対して前記回転シャフトの回転数が可変となるように、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節する通常運転モードで前記油圧トランスミッションを制御するトランスミッション制御手段とを備えることを特徴とする再生エネルギー型発電装置。
  2. 前記トランスミッション制御手段は、
    前記通常運転モードにおいて、前記エネルギー流の流速に応じた前記回転シャフトの理想トルクに基づいて前記油圧ポンプのトルク目標を決定するトルク目標算出部と、
    前記通常運転モードにおいて、前記油圧ポンプの前記トルク目標から前記油圧ポンプの押しのけ容積の要求値Dを決定するポンプ要求値算出部と、
    前記油圧ポンプの押しのけ容積を前記要求値Dに調節するポンプ制御部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  3. 前記トランスミッション制御手段は、
    前記通常運転モードにおいて、前記油圧ポンプの目標出力POWERに基づいて、前記油圧モータの目標出力POWERを算出するモータ目標出力算出部と、
    前記通常運転モードにおいて、前記モータ目標出力算出部により算出された前記目標出力POWERに基づいて、前記同期発電機の回転数が前記同期速度となるように前記油圧モータの押しのけ容積の要求値Dを決定するモータ要求値算出部と、
    前記油圧モータの押しのけ容積を前記要求値Dに調節するモータ制御部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  4. 前記同期発電機の端子電圧を計測する端子電圧検出器と、
    前記同期発電機の界磁巻線に界磁電流を供給する励磁機と、
    前記端子電圧検出器によって計測された前記端子電圧と前記端子電圧の指令値との偏差に基づいて前記励磁機を制御する励磁機制御部とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  5. 前記励磁機制御部は、前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下した直後、前記界磁電流が増加するように前記励磁機を制御することを特徴とする請求項4に記載の再生エネルギー型発電装置。
  6. 前記励磁機制御部は、前記励磁機によって前記界磁電流を増加させた後、前記同期発電機の内部相差角の増大時に前記界磁電流が増加し、前記同期発電機の内部相差角の減少時に前記界磁電流が減少するように前記励磁機を制御することを特徴とする請求項5に記載の再生エネルギー型発電装置。
  7. 前記トランスミッション制御手段は、前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下したとき、前記油圧モータから前記同期発電機に入力されるトルクの前記同期発電機の負荷トルクに対する偏差が小さくなるように前記油圧モータの押しのけ容積を調節する異常事象対応モードで前記油圧トランスミッションを制御することを特徴とする請求項3に記載の再生エネルギー型発電装置。
  8. 前記トランスミッション制御手段は、

    前記異常事象対応モードにおいて、前記同期発電機で発生した電力に基づいて前記油圧モータの押しのけ容積の要求値Dを決定するモータ要求値算出部と、
    前記油圧モータの押しのけ容積を前記要求値Dに調節するモータ制御部とを含むことを特徴とする請求項7に記載の再生エネルギー型発電装置。
  9. 前記ブレードのピッチ角を調節するピッチ駆動機構をさらに備え、
    前記送電線または前記電力系統における前記異常事象の発生時において、前記ピッチ駆動機構は前記ブレードのピッチ角をフェザー側への変化に転ずることを特徴とする請求項8に記載の再生エネルギー型発電装置。
  10. 前記送電線または前記電力系統における前記異常事象からの復旧開始後、前記ピッチ駆動機構は前記ブレードのピッチ角をファイン側に変化させるとともに、前記モータ要求値算出部は前記同期発電機によって発電される電力が増えるように前記油圧モータの押しのけ容積の前記要求値Dを増加させることを特徴とする請求項9に記載の再生エネルギー型発電装置。
  11. 前記異常事象は、前記電力系統の電圧が電力系統連系規定に定められた所定電圧以下に低下した状態であることを特徴とする請求項5に記載の再生エネルギー型発電装置。
  12. 前記励磁機制御部は、前記励磁機の固定界磁を励磁するサイリスタを有し、
    前記励磁機は、前記サイリスタによって励磁される前記固定界磁および前記同期発電機の回転軸とともに回転する回転電機子を有し、該回転電機子から回転整流器を介して前記同期発電機の前記界磁巻線に直流の前記界磁電流を供給する交流励磁機であることを特徴とする請求項4に記載の再生エネルギー型発電装置。
  13. 前記同期発電機と同軸上に設けられた永久磁石発電機により構成される副励磁機をさらに備え、
    前記励磁機制御部の前記サイリスタは、前記副励磁機を電源として用い、前記励磁機の固定界磁を励磁することを特徴とする請求項12に記載の再生エネルギー型発電装置。
  14. 前記再生エネルギー型発電装置が、前記再生エネルギーとしての風から電力を生成する風力発電装置であることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  15. ブレードを介して受け取った再生エネルギーによって回転する回転シャフトと、前記回転シャフトによって駆動される油圧ポンプ及び該油圧ポンプから供給される圧油によって駆動される油圧モータを有する油圧トランスミッションと、周波数変換回路を介さずに電力系統に連系され、前記油圧モータによって駆動されて生成した電力を前記電力系統に供給する同期発電機とを備える再生エネルギー型発電装置の運転方法であって、
    前記再生エネルギー型発電装置の通常運転時に、前記電力系統の周波数に基づく同期速度で前記同期発電機が回転する状態を維持しながら、前記再生エネルギーのエネルギー流の流速に対して前記回転シャフトの回転数が可変となるように、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの押しのけ容積をそれぞれ調節する通常運転モードで前記油圧トランスミッションを制御するステップを備えることを特徴とする再生エネルギー型発電装置の運転方法。
  16. 前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下した直後、前記同期発電機の界磁巻線に供給する界磁電流を増加させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の再生エネルギー型発電装置の運転方法。
  17. 前記電力系統と前記同期発電機との間の送電線または前記電力系統における異常事象の発生により前記同期発電機の端子電圧が低下したとき、前記油圧モータから前記同期発電機に入力されるトルクの前記同期発電機の負荷トルクに対する偏差が小さくなるように前記油圧モータの押しのけ容積を調節する異常事象対応モードで前記油圧トランスミッションを制御するステップをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の再生エネルギー型発電装置の運転方法。
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