JP2013516605A - 化学物質の検知方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は試料中の分析物を検出する方法に関する。本発明の方法は、エネルギーの変化を電気信号に変換できる焦電又は圧電要素及び電極、を有する変換器であって、その近くに少なくとも1つの試薬を有し、前記試薬が前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体に結合できる結合部位を有し、前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体の少なくとも1つに、放射線源により生成された電磁放射線を吸収して非放射性崩壊によりエネルギーを生成できる標識が付着している変換器に、試料を曝す工程、前記試薬に、一連の電磁放射線パルスを照射する工程、生成した前記エネルギーを、電気信号に変換する工程、前記電気信号及び前記放射線源からの電磁放射線の各パルスと前記電気信号の生成との間の時間遅延を検出する工程、を含んでなり、前記電磁放射線パルスのそれぞれと前記電気信号の生成との間の前記時間遅延が、前記変換器の表面からの距離が異なる1又は複数の位置のいずれかにある前記分析物の位置に対応し、前記標識が、ポリピロール又はその誘導体を含むナノ粒子である。本発明は、この方法の実施に適したキットも提供する。

Description

本発明は、化学物質を検知する方法、とりわけ、国際公開第2004/090512号に記載の化学検知装置を用いた方法に関する。
バイオアッセイにおける生物学的に重要な化合物等の溶液中の分析物のモニタリングは応用範囲が広い。そのため、種々の分析・診断装置が利用可能である。多くの装置は、検出する種の存在下で目に見える色の変化を生じる試薬を用いる。多くの場合、試薬は試験用ストリップに乗っており、変色の測定を支援するために光学部品を備えていることがある。
国際公開第90/13017号は、ストリップ状の焦電性又は他の熱電変換器要素を開示している。薄膜電極が設けられており、1又は複数の試薬が変換器表面に付着している。試薬は、検出すべき種と接触した時に選択的に比色変化する。その後、装置は典型的には検出器に挿入され、そこで変換器は通常変換器を介してLED光源に照射され、試薬による光吸収が変換器表面における微量の発熱として検出される。変換器からの電気信号出力は、検出される種の濃度が得られるように処理される。
国際公開第90/13017号のシステムは、反応により又は試薬と組み合わされることにより試薬中で変色を生じる種の分析を提供している。例えば、試薬には、pH及び重金属指示色素、パラセタモールアッセイ中でアミノフェノールを検出するための試薬(例えばアンモニア性銅溶液中のo−クレゾール)、及び酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)においてオキシドレダクターゼ酵素を検出するためのテトラゾリウム色素が含まれる。しかし、このシステムは、特定の用途には有用であるものの、これは変換器の表面に配置されている試薬であるため、分析される種が試薬中で変色を生じる分析にのみ好適であると考えられる。したがって、このシステムは、試薬中で変色を生じない種の分析又は変色が変換器の表面でない場合には応用できない。このため、バイオアッセイの分野では、このシステムの応用範囲は限定的である。
国際公開第2004/090512号で開示されている装置は、国際公開第90/13017号に開示されている技術に基づくものであり、電磁放射線の照射により物質中で非放射性崩壊により生じるエネルギーが、物質が変換器に接触していなくても、変換器で検出可能であり、電磁放射線の照射と変換器により生成される電気信号との間の時間遅延が膜表面からの物質の距離に相関するという知見に基づいている。この知見により、変換器の表面に結合した分析物とバルク液体中の分析物とを装置が区別することを可能にする「デプスプロファイリング(depth profiling)」が可能な装置が得られた。したがって、この出願は、結合イベントを行うこととそのイベントの結果を検出することとの間の別個の洗浄ステップを行うことを必要とせずにアッセイ、典型的にはバイオアッセイに使用できる装置を開示している。
国際公開第90/13017号パンフレット 国際公開第2004/090512号パンフレット
しかしながら、感度及び選択性が向上したシステムへの希求が未だあり、そのような多くのアプローチの1つは、標識の性質に注目したものであった。例えば、国際公開第2007/141581号は、標識が非導電性コア材料及び少なくとも1つの金属シェル層を含むナノ粒子である国際公開第2004/090512号に記載の装置を用いる改善された方法及びキットを開示している。この文献に記載されている好ましい標識は、金メッキされた単分散コロイドシリカを含むナノ粒子である。この標識の利点は、粒子の表面特性がコロイド金粒子と類似しているが粒子の全体的密度はより小さいため、沈降効果による干渉が低減されることである。あるいは、炭素粒子は沈降による影響が更に少なく、可視から赤外スペクトルの電磁放射線の良好な吸収体であるため、炭素粒子は好ましい傾向にある。
そこで、本発明は、試料中の分析物を検出する方法であって、
エネルギーの変化を電気信号に変換できる焦電又は圧電要素及び電極、を有する変換器であって、その近くに少なくとも1つの試薬を有し、前記試薬が前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体に結合できる結合部位を有し、前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体の少なくとも1つに、放射線源により生成された電磁放射線を吸収して非放射性崩壊によりエネルギーを生成できる標識が付着している変換器に、試料を曝す工程、
前記試薬に、一連の電磁放射線パルスを照射する工程、
生成した前記エネルギーを、電気信号に変換する工程、
前記電気信号及び前記放射線源からの電磁放射線の各パルスと前記電気信号の生成との間の時間遅延を検出する工程、
を含んでなり、
前記電磁放射線パルスのそれぞれと前記電気信号の生成との間の前記時間遅延が、前記変換器の表面からの距離が異なる1又は複数の位置のいずれかにある前記分析物の位置に対応し、
前記標識が、ポリピロール又はその誘導体を含むナノ粒子である、方法を提供する。
更に、本発明は、上記方法を実施するのに適したキットを提供する。キットは、
(i)電磁放射線の照射により分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体において非放射性崩壊によって生成されたエネルギーを検出する装置であって、
一連の電磁放射線パルスを生成するように適合された放射線源と、
前記物質により生成されたエネルギーを電気信号に変換できる焦電又は圧電要素及び電極を有する変換器と、
前記変換器の近くにあって前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体に結合できる結合部位を有する少なくとも1つの試薬と、
前記変換器により生成された電気信号を検出できる検出器であって、前記放射線源からの前記電磁放射線の各パルスと前記電気信号の生成との間の時間遅延を決定するように適合された検出器と、
を含む装置、および
(ii)前記放射線源により生成された電磁放射線を吸収して非放射性崩壊によりエネルギーを生成できる標識が付着された分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体であって、前記標識がポリピロール又はその誘導体を含むナノ粒子である、分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体、
を含む。
本発明の粒子は、製造が比較的簡単であるが、驚くほど高い感度及び選択性を示す。
以下に図面を参照して本発明を説明する。
本発明と共に使用される国際公開第2004/090512号の化学検知装置の模式図である。 本発明の装置を用いたサンドイッチイムノアッセイを示す図である。 本発明に係るポリピロール粒子の波長200〜800nmにおける吸収スペクトルを示す図である。 本発明に係るラテラルフローアッセイ装置を示す図である。 信号生成標識として炭素粒子(比較)及びポリピロール粒子(本発明)を用いたTSHアッセイの結果を示す図である。 センサーの表面に結合した抗体コーティング炭素粒子のSEM像を示す図である。 本発明に係るポリピロール粒子のSEM像を示す図である。
図1は、物質2への電磁放射線の照射による物質2中での熱生成に基づく、本発明で使用するための化学検知装置1を示す図である。図1は、物質2の存在下における化学検知装置1を示す図である。装置1は、電極コーティング4、5を有する焦電又は圧電変換器3を含む。変換器3は好ましくは分極ポリフッ化ビニリデン膜である。電極コーティング4、5は、好ましくは厚さ約35nmの酸化インジウムスズから形成されるが、これより薄いと電気伝導度が低くなりすぎる1nmの下限から、これより厚いと光透過が低くなりすぎる(95%T未満であるべきではない)100nmの上限までの、ほほ如何なる厚さも可能である。物質2は、任意の好適な技術を用いて圧電変換器3の近くに保持され、この図中では、上側電極コーティング4に付着している。物質は、任意の好適な形態であってよく、複数の物質が堆積されてもよい。本発明の主な特徴は、物質2が、電磁放射線源6、例えば光、好ましくは可視光により照射された時に熱を発生することである。光源は例えばLEDであってよい。光源6は、適切な波長の光(例えば補色)を物質2に照射する。理論により限定されるものではないが、図1の曲線により示されるように、物質2は、光を吸収して励起状態になり、その後、非放射性崩壊することによりエネルギーを生成すると考えられる。このエネルギーは主に熱の形態(すなわち、環境中での熱運動)であるが、他の形態のエネルギー、例えば衝撃波も発生し得る。しかし、エネルギーは変換器により検出され、電気信号に変換される。本発明の装置は、測定される特定の物質に対して校正されるので、非放射性崩壊により生成されるエネルギーの正確な形態を決定する必要はない。特に断りのない限り、本発明において、「熱」という用語は、非放射性崩壊により生成されるエネルギーを意味する。光源6は物質2を照射するように配置される。好ましくは、光源6は、変換器3及び電極4、5の反対に配置され、物質2は変換器3及び電極4、5を通して照射される。光源は、変換器内の内部光源であってもよく、その場合には光源は誘導波系である。導波管は変換器自体であってもよく、導波管は変換器に付着した別の層であってもよい。
物質2により生成されたエネルギーは変換器3によって検出され、電気信号に変換される。電気信号は検出器7で検出される。光源6及び検出器7は両方とも制御器8の制御下に置かれている。光源6は、「断続光」と呼ばれる一連の光パルスを発生する(本発明において、特定波長に言及されていない限り、「光」という用語は任意の形態の電磁放射線を意味する)。原則的に、変換器3から信号を生成するには、1フラッシュの光、すなわち1パルスの電磁放射線で十分である。しかし、再現性のある信号を得るために、複数回の光フラッシュが用いられ、実際上それには断続光が必要である。電磁放射線のパルスが印加される周波数は様々であり得る。下限では、パルス間の時間遅延が、各パルスと電気信号生成との間の時間遅延を決定するのに十分でなくてはならない。上限では、各パルス間の時間遅延が、データの記録に要する時間が過度に延びるほど大きくてはならない。好ましくは、パルスの周波数は、1〜50Hz、より好ましくは1〜10Hz、最も好ましくは2Hzである。これはそれぞれ、パルス間で20〜1、000ms、100〜1、000ms、及び500msの時間遅延に相当する。更に、いわゆる「マークスペース(mark−space)」比、すなわちオンシグナルとオフシグナルとの比率は、好ましくは1であるが、他の比率も悪影響なしに用いられ得る。次のパルスがシステムを乱す前にシステムが熱平衡に達することができるように、より短いオンパルス及びより長いオフシグナルを使用することにはいくつかの利点がある。一実施形態では、1〜50ms、好ましくは10msの光パルス、それに続いて300〜700ms、好ましくは490msの休止時間により、表面に直接結合した粒子のより正確な測定が可能になる。異なる断続周波数又は異なるマークスペース比の断続光を発生する電磁放射線源は当該技術分野で公知である。検出器7は、光源6からの各光パルスと検出器7により検出される変換器3からの対応する電気信号との間の時間遅延(又は相関遅延)を決定する。本出願人は、この時間遅延が距離dに相関することを見出した。
再現性のある結果が得られる、各光パルスと対応する電気信号との間の時間遅延を決定する任意の方法が使用され得る。好ましくは、各光パルスの開始から、熱吸収に対応する電気信号の最大値が検出器7により検出される時点までの時間遅延が測定される。
熱が周囲の媒体に分散され、そのため変換器3では検出できないか、少なくとも意味のある信号を変換器が受け取ることはないと当業者は予想していたため、物質2が変換器表面から離れてもなお信号が検出され得るという発見は驚くべきことである。本出願人は、驚くべきことに、変換器3にエネルギーを伝達できる仲介媒体を介して信号が検出可能であるだけでなく、異なる距離dを区別することができ(これは「デプスプロファイリング」と呼ばれる)、受信された信号の強度が変換器3の表面からの特定の距離dにおける物質2の濃度に比例することを見出した。更に、本出願人は、媒体自体の性質が時間遅延及び所定の時間遅延における信号の大きさに影響することを見出した。これらの発見は、変換器を用いた化学検知装置に様々な新規の用途をもたらす。
一実施形態では、本発明は、物質が分析物又は分析物の複合体若しくは誘導体であり、装置が、試料中の分析物を検出するために使用され、該装置が変換器の近くに少なくとも1つの試薬を更に含み、試薬が分析物又は分析物の複合体若しくは誘導体に結合可能な結合部位を有し、分析物又は分析物の複合体若しくは誘導体が放射線源により生成された電磁放射線を吸収して熱を生成することができ、使用中、生成された熱が変換器によって電気信号に変換され、検出器によって検出され、電磁放射線の各パルスと電気信号生成との間の時間遅延が、変換器表面からの距離が異なる1又は複数の位置のいずれかの分析物の位置に対応する、上記の装置を用いる。本発明は、この装置を用いた方法を提供する。そのような方法は、例えば、イムノアッセイ及び核酸ベースのアッセイにおいて応用可能性がある。イムノアッセイの好ましい例では、試薬は抗体であり、分析物は抗原と考えることができる。
典型的なイムノアッセイでは、目的の抗原に特異的な抗体が、ポリ塩化ビニル又はポリスチレンのシート等の高分子支持体に付着している。細胞抽出物又は血清若しくは尿の試料を一滴シートの上に置き、抗体−抗原複合体の形成後にこれを洗浄する。次いで、抗原の異なる部位に特異的な抗体を添加し、シートを再度洗浄する。この二次抗体は標識を有し、これにより、高感度で検出することができる。シートに結合した二次抗体の量は試料中の抗原の量に比例する。このアッセイ及びこの種のアッセイにおける他のバリエーションは周知であり、例えば"The Immunoassay Handbook, 2nd Ed." David Wild, Ed., Nature Publishing Group, 2001を参照されたい。本発明の装置は、これらのアッセイのいずれでも用いられ得る。競合イムノアッセイ、置換イムノアッセイ、及び抗複合体抗体イムノアッセイにも言及する必要がある。
例えば、図2は、本発明の装置を用いた典型的な捕捉抗体アッセイを示す図である。装置は、変換器3と、分析物11が溶解又は懸濁された液体10を保持するためのウェル9とを含む。変換器3には複数の試薬、すなわち抗体12が付着している。抗体12は、図2では膜に付着して示されており、この付着は表面への共有結合であってもよく、(例えば水素結合による)非共有的吸着であってよい。抗体は変換器に付着して示されているが、抗体12を変換器3の近くに保持するための任意の技術が適用可能である。例えば、シリコーンポリマー層等の更なる層で抗体12と変換器3が隔てられてもよく、抗体を不活性粒子に付着させた後、この不活性粒子を変換器3に付着させてもよい。あるいは、抗体12は、変換器3の表面にコーティングされたゲル層内に捕捉されてもよい。
使用においては、抗原11を含有する液体10(又は任意の流体)でウェルを満たす。その後、抗原11が抗体12に結合する。更なる標識された抗体13を液体に添加し、結合した抗体12、抗原11、及び標識抗体13の間でいわゆる「サンドイッチ」複合体を形成させる。「標識」抗体とは、例えば前述したような光吸収粒子(炭素、ポリピロール等)等の二次的な種にコンジュゲートした抗体を意味する。結合した全ての抗原11がサンドイッチ複合体を形成するように、過剰の標識抗体13を添加する。したがって、試料は、溶液中でフリーの非結合標識抗体13b及び結合標識抗体13aを含む。
サンドイッチ複合体形成の間、又はその後、光等の電磁放射線の一連のパルスが試料に照射される。各パルスと変換器3による電気信号生成との間の時間遅延が検出器によって検出される。結合した標識抗原13aにより生成される熱だけが測定されるように適切な時間遅延が選択される。時間遅延は、変換器3からの標識の距離によって異なるので、結合した標識抗体13aを結合していない標識抗原13bと区別することができる。これには、従来のサンドイッチイムノアッセイと比べて、洗浄ステップが不要であるという大きな利点がある。従来のサンドイッチイムノアッセイでは、結合標識抗原により生じる信号に非結合標識抗原が干渉するため、測定を行う前に、非結合標識抗体を結合標識抗体から分離する必要があった。しかし、本発明により提供される「デプスプロファイリング」によって、結合標識抗原と非結合標識抗原とを区別することができる。実際、変換器の近くに物質とバルク溶液中の物質とを区別できる能力は本発明の大きな利点である。
標識試薬がポリピロール又はその誘導体を含む粒子であるときに特に有益な結果が得られ得ることを見出した。
ポリピロールは、通常は酸性水性条件化で塩化鉄(III)による、ピロールの化学的酸化により製造され得る。安定な粒子を生成するために、通常、安定化剤(通常はポリビニルアルコール又はポリビニルピロリジノン等の水溶性ポリマー)の存在下で重合が行われる。ポリピロールの誘導体も本発明に想定される。好適な誘導体としては、C1−6アルキル、アリール(例えばフェニル)、アリール−C1−6−アルキル(例えばベンジル)、及びその組合せから選択される1又は複数の置換基でピロール環の1又は複数が置換されているポリピロールが含まれる。ピロールは、好ましくは、ピロール環のN位で置換される。ポリピロール又はその誘導体の重量平均分子量は、好ましくは1モル当たり1千万〜200億グラムであり、これは約20〜500nmの粒径に相当する。
粒子は好ましくは乳化重合により製造される。表面張力の作用によりエマルション中に小さな液滴が形成され、均一な球状粒子の形成が促進されると考えられる。炭素粒子はこの方法では製造できないことに留意されたい。
粒子は、ポリピロール又はその誘導体だけから構成されてもよく、ポリピロール又はその誘導体と別の材料との組合せを含んでもよい。例えば、粒子は、ピロールモノマー又はその誘導体を他の粒子(シリカ粒子等)の存在下で重合させてポリピロール−シリカ複合体を形成させた、複合粒子であってもよく、これは安定化剤の非存在下で安定なコロイドを形成する。
ポリマー粒子は、例えば安定性を高めるため及び/又は抗体のコンジュゲートを支援するために、化学修飾に供されてもよい。この化学修飾は、粒子形成の前、最中、又は後のいずれで起こってもよい。重合前の化学修飾は、モノマー前駆体に側鎖を付加することにより実現され得る。重合中の修飾は、2つの異なるモノマー単位の共重合であってよく、そのいずれも側鎖を含んでよい。この実施形態では、本発明のナノ粒子は、ピロール又はその誘導体とコモノマーとのコポリマーを含む。重合後の修飾は、多くの異なる方法で行うことができる。例えば、ポリピロール粒子は、その表面アミン基の求核攻撃により、ブロモアセチルブロミド等の求電子剤上で反応することができる。その後、抗体のFcドメインのアミノ酸側鎖又は炭水化物基を介してそのような材料に抗体を共有的にコンジュゲートさせるための多くの方法がある。特に魅力的な経路の1つは、マレイミド基によるポリピロール粒子の官能化及びその後のフリーのチオール基を含む抗体断片の共有結合によるものである。抗体の酵素消化及びその後のヒンジジスルフィド結合の選択的還元による、F(ab)断片として知られるそのような抗体断片の作製方法は公知である。
好適な標識は、米国特許第5,252,459号、同第5,681 ,754号、及びM.R. Pope et al. Bioconjugate Chemistry 1996, 7, 436に記載されている。
本発明においては、好ましくは、粒子サイズが20〜500nm、より好ましくは100〜200nmのナノ粒子を使用する。この範囲外では、より小さい粒子は十分な熱を生成せず、より大きい粒子は変換器の表面への拡散が遅すぎる。粒子サイズとは、最も幅が広い部分における粒子の直径を意味する。好ましくは、粒子は略球状である。直径が100nmの粒子の重量平均分子量は1モル当たり約3〜4億グラムである。
標識された分析物、複合体、又は誘導体、及び任意の1又は複数の更なる試薬は、好ましくは、本発明で使用される装置中に組み込まれているチャンバー中に保存される。
分析物は、通常、タンパク質をベースとしたホルモン等のタンパク質であるが、薬物等のより小さな分子も検出され得る。分析物は、ウイルス、細菌、細胞(例えば赤血球)、又はプリオン等のより大きな粒子の一部であってもよい。
公知のイムノアッセイの更なる例として、本発明は、検出器で検出される電気信号が試料中の非標識抗原の存在に反比例する競合アッセイにも適用され得る。この場合、対象となるのは試料中の非標識抗原の量である。
競合イムノアッセイでは、図2に示されるように、抗体を変換器に付着させる。その後、抗原を含む試料を添加する。しかし、標識抗体を添加するのではなく、既知の量の標識抗原を溶液に添加する。その後、標識抗原及び非標識抗原が、変換器3に付着した抗体に競合して結合する。結合した標識抗原の濃度は、結合した非標識抗原の濃度に反比例する。したがって、標識抗原の量は既知であるので、初期溶液中の非標識抗原の量を計算することができる。抗体の場合と同じ標識を抗原にも使用することができる。
本発明の一実施形態では、検出される分析物は、全血試料中に存在し得る。多くの従来のアッセイでは、溶液又は懸濁液中に赤血球等の他の血液成分が存在すると、目的の特定の分析物の検出が妨げられる。しかし、本発明の装置では、変換器3からの距離が分かっている信号だけが決定されるので、溶液又は懸濁液中で遊離している他の血液成分は検出に干渉しない。これにより、別個の分離工程が不要であるため、血液試料の分析が簡潔になる。血液試料中の分析物レベルを測定する装置は、好ましくは、手持ち式ポータブルリーダーと、圧電膜を含む使い捨て装置とを含む。少量の血液試料(約10μL)を得、使い捨て装置中のチャンバーに移す。チャンバーの一方の側は、目的の分析物に結合できる抗体でコーティングされた圧電膜でできている。その後、例えば前述した標識抗体又は既知濃度の標識抗原を含む更なる溶液が添加され得る。反応を進行させ、その後、使い捨て装置をリーダーに挿入することで測定プロセスを作動させる。その後、アッセイの結果がリーダーのディスプレイに表示される。その後、圧電膜を含む使い捨て装置は取り外して廃棄される。
好ましくは、本発明のナノ粒子は、可視スペクトルから赤外領域にわたる放射線を極めて均一に吸収し、したがって、およそ600〜900nmの「血液窓(blood window)」での吸収が良い。200〜800nmの波長における固形分0.00216%のポリピロール粒子の吸収スペクトルを図3に示す。
バックグラウンド干渉の潜在的原因は、焦電又は圧電変換器の表面への抗体標識粒子及び試料の細胞成分を含む懸濁粒子の沈殿である。この干渉源は、変換器をバルク溶液の上、例えば反応チャンバーの上側表面に配置することで回避され得る。これにより、沈殿が起こっても変換器に干渉しないようになる。あるいは、粒子の密度を媒体よりも小さくして、粒子が変換器の表面に沈殿せずにバルク溶液の表面に浮遊するようにすることができる。これら及びその他の改変は本発明の範囲に含まれる。
別の実施形態では、本発明の装置は、ラテラルフロー分析に応用される。この特定の応用は、妊娠検査におけるヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)の検出である。
図4は、本発明に係る簡略化したラテラルフロー装置14を示す図である。装置は、HCGに結合できる非結合抗体及び結合抗体(すなわち濾紙等の吸収体15に結合していない又は結合した抗体)をそれぞれ含む第1のゾーン18及び第2のゾーン19と一緒に試料受け部16及び芯(wick)17を含む濾紙等の吸収体15を有する。また、装置は、第2のゾーンの近くに圧電膜20を含む。尿又は血清の試料を試料受け部16に添加すると、これは吸収体15に沿って芯17へと移動する。第1のゾーン18はHCGに対する標識抗体を含み、試料が第1のゾーン18を通過する際、試料中にHCGが存在すれば、HCGに対する標識抗体が試料に拾われる。試料が第1のゾーンから第2のゾーンへと通過するにつれて、抗原と抗体が複合体を形成する。第2のゾーン19では第2の抗体が吸収体15又は圧電膜20に付着しており、これは抗原−抗体複合体に結合することができる。妊娠検査等の従来のラテラルフロー分析では、結果が陽性であれば第2のゾーン19において変色が生じる。しかし、従来のラテラルフロー分析は透明な試料に限定され、本質的に陽性又は陰性、すなわちイエス/ノー、の結果だけに好適であった。しかし、本発明の装置は、圧電膜20を用いる。膜から所定の距離の試料だけが測定されるので、バルク試料中の混入物は読取りに影響しない。更に、圧電膜の感度は結果の定量化を可能にする。結果の定量化は、ラテラルフロー分析の応用範囲を広げ、また、種々の量の抗原が区別されることで、誤結果の回数が減る。
本発明の装置は、溶液中の1つの分析物の検出だけに限定されるものではない。装置は「デプスプロファイリング」を提供するので、検出する各分析物に選択的に結合する試薬を、変換器3の表面からの距離を変えて用いることにより、異なる分析物を検出することができる。例えば、2つの試薬を用いて、第1の試薬を膜から第1の距離に配置し、第2の試薬を膜から第2の距離に配置し、2つの分析物を検出してもよい。電磁放射線の各パルスと電気信号生成との間の時間遅延は、第1及び第2の試薬に結合した2つの分析物で異なる。
異なる深さを用いることに加え、異なる種類の試薬、例えば異なる抗体を、変換器の異なる部分で用いることにより、多重試験を行うことができる。あるいは、又は更に、多重試験は、異なる波長の電磁放射線に応答する試薬/分析物を用いて行うことができる。更に、多重試験は、変換器の異なる部分に順次照射し、出力を順次送ることにより、変換器への1つの電気的接続だけを用いて行うこともできる。
熱を生成する物質は膜の表面にあってよいが、好ましくは物質は膜表面から少なくとも5nmであり、好ましくは、物質は膜表面から500μm以下である。しかし、好適な時間遅延を選択することで、バルク溶液中の物質も測定することができる。
抗体−抗原反応の代わりとして、試薬及び分析物は互いに相補的な第1及び第2の核酸であってもよく、あるいは、アビジン又はその誘導体を含む試薬とビオチン又はその誘導体を含む分析物、あるいはその逆であってもよい。また、システムは生物学的アッセイに限定されず、例えば水中の重金属の検出にも応用され得る。また、システムは液体に限定される必要はなく、任意の流体系、例えば空中の酸素、細胞、ウイルス等の検出に用いることができる。
前述したように、本出願人は、変換器における電気信号生成間における電磁放射線の各パルスの時間遅延が膜からの物質の距離に比例することを見出した。更に、本出願人は、時間遅延が媒体自体の性質によって異なることを見出した。当初は液体媒体が信号を完全に減衰させないということは驚くべきことであった。しかしながら、本出願人は、媒体の性質変化により、時間遅延(すなわち、最大の信号に到達するまで)、信号強度、及び信号の波形(すなわち時間に対する応答の変化)が変わり得ることを見出した。
これらの媒体の性質の変化は、とりわけ、媒体の厚さ、媒体の弾性、媒体の硬度、媒体の密度、媒体の変形能、媒体の熱容量、又は音/衝撃波が媒体中を伝播し得る速度の変化によるものであり得る。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、これは限定することを意図するものではない。
以下の実施例では、酸化インジウムスズでコーティングされた分極ポリフッ化ビニリデンバイモルフを検知装置として用いた。
実施例1
ポリピロール粒子の光学的特性
炭素粒子の懸濁液(公称サイズ200nm)及びポリビニルピロリジノン安定化ポリピロール粒子の懸濁液(公称サイズ200nm)を両方とも固形分0.001%の濃度で調製した。次いで、これらの溶液の光学濃度を波長690nm、光路長0.005mで測定した。炭素懸濁液及びポリピロール懸濁液でそれぞれ0.190及び0.165の吸光度が得られた。
実施例2(比較例)
抗TSHコーティングされた炭素粒子の調製
エボニック・デグサ社(Evonik Degussa GmbH、デュッセルドルフ)のSB4炭素粒子を超音波処理することにより、炭素コロイド(固形分濃度0.1w/v%)を調製した。次いで、この溶液にモノクローナル抗TSH抗体を100μg/mLの濃度で添加し、溶液を20℃で24時間インキュベートした。次いで、13,000gで45分間遠心した後、上清を除去し、10mMのリン酸バッファーpH7.2に再度懸濁することにより、炭素コロイドを3回洗浄した。
実施例3
抗TSHコーティングされたポリピロール粒子の調製
ポリビニルピロリジノン存在下でFeClによりピロールを酸化することで、平均直径195nmのポリピロール粒子を調製した。得られた粒子を、0.05%Tween(登録商標)20を含むリン酸バッファーpH7.2で固形分濃度0.1w/v%に希釈した。次いで、この溶液に、モノクローナル抗TSH抗体を濃度100μg/mLで添加し、溶液を20℃で24時間インキュベートした。次いで、13,000gで45分間遠心した後、上清を除去し、10mMのリン酸バッファーpH7.2に再度懸濁することにより、ポリピロール粒子を3回洗浄した。
実施例4
TSHアッセイ
国際公開第2004/090512号及び同第2007/141581号を参照して上記のシステムを用い、TSHアッセイを行った。
30μlのヒト血漿を抗TSHコーティングされた粒子(炭素又はポリピロール粒子)と混合して、最終粒子濃度を固形分0.005w/v%とした。TSHを含まない(公称)試料を含む、種々のレベルのTSHホルモンを含む試料を用いた。混合後、試料を一続きの3つのチャンバーにポンプで入れた。チャンバーの上部と底部は、それぞれ圧電PVDFポリマー及び射出成形されたアクリル系のベースで形成されている。上部及びベースは、両側を25ミクロンの接着剤でコーティングされた150ミクロン厚のポリエステルで構成されたスペーサーテープにより隔てられている。したがって、チャンバーの深さ全体は約200ミクロンである。チャンバーは直径約6mmの略円形である。試料に隣接するピエゾ膜の下側は、当該技術分野で公知の方法を用いて(国際公開第2009/141637号参照)、厚さ約1ミクロンのパリレンCでコンフォーマルコーティングされている。当該技術分野で公知の方法を用いて、パリレンC表面の上に抗体もコーティングされている。3つのチャンバーそれぞれのピエゾ膜表面は異なる抗体でコーティングされている。第1のチャンバー(「陰性対照」チャンバーと名付ける)は、TSH又はシステム中の全ての他成分に親和性を有しないはずの抗体でコーティングされている。第2のチャンバー(「測定」チャンバーと名付ける)は、TSHに対する適合モノクローナル抗体(すなわち炭素/ポリピロール粒子のコーティングに使用した抗体とは異なるTSH分子上のエピトープを認識する抗体)でコーティングされている。第3のチャンバー(「陽性対照)チャンバーと名付ける)は、TSH非存在下(又は存在下)で粒子に結合するポリクローナルヤギ抗マウス抗体でコーティングされており、したがって、これはシステムが働いていることを示すものである。測定プロセス中、LED源からの波長690nmの光がシステムにパルスされ、PVDF膜からの圧電応答が増幅及び測定される。測定中に「測定」チャンバーにおいて圧電膜の表面に炭素/ポリピロール粒子が結合すると、照射によるPVDFの熱発生が増加し、定量可能な信号を生じる。信号は、変換器表面の結合粒子による熱発生とバルク溶液中の非結合粒子による熱発生を最大限に区別できるように送られる。信号が大きいほど、試料中のTSHが多い。陰性対照及び陽性対照のチャンバーを内部標準(標準又は対照)として使用することもできるが、これらはそのように用いなくてもよい。信号は、10分間にわたる電荷出力の変化率として測定され、電荷は任意のデジタル応答に変換される。
TSHを濃度1ng/mL又は0ng/mL(公称)で含むヒト血漿試料に対して、炭素粒子及びポリピロール粒子の両方を信号発生性の標識として用いて、複数回の反復測定(各10回)を行った。結果を1標準偏差のエラーバーと共に図5に示す。炭素粒子系と比べてポリピロール粒子系からの信号が増大されていることは明確である。更に、ポリピロール粒子系における精度は炭素粒子系よりも高い。
炭素粒子はポリピロール粒子よりも消衰係数が大きいのでより多くの光を吸収する(実施例1参照)。そのため、炭素粒子の方がTSH存在下でより大きな信号をもたらすと予想される。しかし、固体表面へのコロイド粒子の動学的結合をモニターする本システムでは、ポリピロール粒子の方がより良く機能している。
理論により限定されるものではないが、図6に示されるように炭素粒子は非常に不均一な形状になり易いがポリピロール粒子は非常に均一な形状になる傾向があるので、光吸収特性がより低いにも関わらず炭素粒子よりも優れた性能を示し得ると考えられる。図6は本装置中のセンサー表面に結合した抗体コーティング炭素粒子のSEM像を示し、一方、図7のSEM像は、ポリピロール粒子のより均一な形状及びサイズ分布を示している(この画像中、粒子は膜表面に結合していない)。この粒子の形状は、表面に近づく時の立体障害を低減し得るので、表面への粒子の結合率を上昇させる。
更に、本明細書に記載のアッセイシステムの厄介な問題は、表面で特異的に結合した粒子を測定しようとする時に、バルク溶液中の非結合粒子の一般的な熱発生によるいくらかの干渉があり得ることであると考えられる。バルク溶液中で粒子の望ましくない沈降があるか、バルク溶液中での粒子の沈降がさほど予想できない場合、この干渉が大きくなる。そのため、炭素粒子と比べたポリピロール粒子の改善された形状及び単分散性は、この干渉信号を低減するのに役立ち、したがって測定の精度を向上させる。

Claims (13)

  1. 試料中の分析物を検出する方法であって、
    エネルギーの変化を電気信号に変換できる焦電又は圧電要素及び電極、を有する変換器であって、その近くに少なくとも1つの試薬を有し、前記試薬が前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体に結合できる結合部位を有し、前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体の少なくとも1つに、放射線源により生成された電磁放射線を吸収して非放射性崩壊によりエネルギーを生成できる標識が付着している変換器に、試料を曝す工程、
    前記試薬に、一連の電磁放射線パルスを照射する工程、
    生成した前記エネルギーを、電気信号に変換する工程、
    前記電気信号及び前記放射線源からの電磁放射線の各パルスと前記電気信号の生成との間の時間遅延を検出する工程、
    を含んでなり、
    前記電磁放射線パルスのそれぞれと前記電気信号の生成との間の前記時間遅延が、前記変換器の表面からの距離が異なる1又は複数の位置のいずれかにある前記分析物の位置に対応し、
    前記標識が、ポリピロール又はその誘導体を含むナノ粒子である、方法。
  2. 前記標識が、ピロール又はその誘導体とコモノマーとのコポリマーから構成されるナノ粒子である、請求項1に記載に方法。
  3. 前記標識が、ポリピロール若しくはその誘導体又はコポリマー及び別の材料の複合ナノ粒子である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記標識が、ポリピロール−シリカ複合体である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記試薬が抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記変換器に前記試料を曝す工程と、前記試薬に照射する工程との間を、前記変換器から前記試料を除去せずに行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (i)電磁放射線の照射により分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体において非放射性崩壊によって生成されたエネルギーを検出する装置であって、
    一連の電磁放射線パルスを生成するように適合された放射線源と、
    前記物質により生成されたエネルギーを電気信号に変換できる焦電又は圧電要素及び電極を有する変換器と、
    前記変換器の近くにあって前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体に結合できる結合部位を有する少なくとも1つの試薬と、
    前記変換器により生成された電気信号を検出できる検出器であって、前記放射線源からの前記電磁放射線の各パルスと前記電気信号の生成との間の時間遅延を決定するように適合された検出器と、
    を含む装置、および
    (ii)前記放射線源により生成された電磁放射線を吸収して非放射性崩壊によりエネルギーを生成できる標識が付着された分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体であって、前記標識がポリピロール又はその誘導体を含むナノ粒子である、分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体、
    を含む、キット。
  8. 前記標識が、ピロール又はその誘導体とコモノマーとのコポリマーから構成されるナノ粒子である、請求項7に記載のキット。
  9. 前記標識が、ポリピロール若しくはその誘導体又はコポリマー及び別の材料の複合ナノ粒子である、請求項7又は8に記載のキット。
  10. 前記標識が、ポリピロール−シリカ複合体である、請求項9に記載のキット。
  11. 前記試薬が抗体である、請求項7〜10のいずれか一項に記載のキット。
  12. 前記試薬が前記変換器に吸着されている、請求項7〜11のいずれか一項に記載のキット。
  13. 前記装置が、前記変換器に接触した、前記分析物又は前記分析物の複合体若しくは誘導体を含む液体試料を保持するウェルを更に含む、請求項7〜12のいずれか一項に記載のキット。
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