JP2013506585A

JP2013506585A - ゴルフボールの製造のための断熱金型キャビティアセンブリ及び方法

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Publication number: JP2013506585A
Application number: JP2012533237A
Authority: JP
Inventors: デイビッド・エル・フェルカー
Original assignee: JUST ADD Tech SOLUTIONS LLC
Current assignee: JUST ADD Tech SOLUTIONS LLC
Priority date: 2009-10-05
Filing date: 2010-10-04
Publication date: 2013-02-28
Also published as: CN102639306A; WO2011044059A2; US20110081437A1; US20140322384A1; KR20120096482A; WO2011044059A3; US8882490B2; AU2010303656A1

Abstract

ゴルフボール層を形成するためのキャビティと、キャビティを囲む金属表面層と、金属表面層を囲む断熱層とを備え、ゴルフボール層は、キャビティによって形成された空間に対応する厚さを備えた、薄い又は低流動性材料のゴルフボールのカバー又は被覆層を成形するための断熱された射出成形用のキャビティアセンブリである。金属表面層の厚さは抑制され、断熱層の厚さはゴルフボール層の厚さの減少に合わせて増大させている。
【選択図】図１

Description

本発明は、ゴルフボールの製造に関するものであり、特に、ゴルフボールのカバーを射出成形するためのキャビティ金型アセンブリに関し、金属製キャビティ金型の半部と射出成形された材料との間の断熱材料の層を使用して、射出された材料の固化を遅延させ、薄いカバー又は低流動材料のカバーを材料の固化が発生する前に成形する。

ゴルフ産業で最も人気のあるボールには、標準的な射出成形用のキャビティを使用して簡単に射出成形するにはあまりに薄い、厚さ０．０３５インチ以下のポリウレタン製のカバーを有するものがある。このため、ゴルフボールに薄いカバーを形成するために、アクシネット、キャロウェイ、テイラーメイドなどの企業は、多くの場合、鋳造またはＲＩＭ成形システムを使用している。鋳造と反応射出（ＲＩＭ）成形システムは高価であり、射出成形システムに比べて操作が非常に難しい。例えば、米国特許７５４０９９０号公報を参照すると、現在、鋳造又はＲＩＭ成形されたポリウレタンの靭性を有するものとして、射出成形されたＴＰＵ材料を入手可能である。しかしながら、ゴルフボール会社は、ゴルフボールに薄いポリウレタンカバーを形成したければ、それを成形する技術ではなく、鋳造またはＲＩＭプロセスに頼らなければならない。

米国特許７５４０９９０号公報

通常、ゴルフボール射出成形用のキャビティは、伝熱性に優れた金属で形成されている。熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー等の材料を使用して、ゴルフボールに非常に薄いカバーを射出成形するのは困難である。なぜなら、金属製の金型によって射出成形材料から熱が奪われ、溶融した樹脂が固化する前に金型への充填が完了しないからである。比較的厚いカバーでさえ、非常に低流動の材料を使用すれば、金型に完全に充填される前に固化するという問題がある。

以下、材料が固化する前に、ゴルフボールの薄層または低流動の材料層を成形可能とする射出成形用のアセンブリについて記載する。

一態様によれば、射出成形用のキャビティが、薄い又は低流動材料のカバー、すなわちゴルフボールの被覆層を成形するために設けられている。射出成形用のキャビティは、ゴルフボールのカバー又は被覆層を形成するためのキャビティを構成し、ゴルフボール層は、キャビティ、キャビティを囲む金属表面層、及び、金属表面層を囲む断熱層によって形成された空間に相当する厚さを備える。断熱層の厚さは金属層の厚さに基づいて選択される。より薄いゴルフボール層のために、金属表面層はより薄く形成され、断熱層は金属層を介して熱損失することを抑制するためにより厚く形成されている。

他の態様では、射出成形用のキャビティは、ゴルフボールの薄い又は低流動材料の層を成形するために、ゴルフボール層の外表面を決定するキャビティと、キャビティを囲み、厚みを有する金属面と、少なくとも金属面を部分的に囲み、金属面に対してある領域に配置される多数の部位を有する断熱層とを備える。

さらに他の態様では、ゴルフボールのコアに、薄い層又は低流動材料の層を成形するための射出成形用のキャビティアセンブリが、キャビティによって形成された空間に一致した厚さを有するゴルフボール層と、キャビティを囲む金属キャビティアセンブリと、を備え、前記断熱層は前記金属キャビティアセンブリよりも小さい熱伝導係数を有する。

他の態様では、ゴルフボールのカバー又は被覆層を形成するための射出成形用金型のキャビティアセンブリは、対向する第１及び第２金型半部を備える。各半部は、吊り下げられたゴルフボールコアを保持して閉鎖する、完全なキャビティを形成するために、他方の金型半部に向き合う一の面に、不完全な、すなわち半分のキャビティを有する。これにより、金型キャビティが、ゴルフボールコアと金型の両半部のキャビティとの間に形成される。各金型半部は、キャビティ内に固定される金属表面層を有する。金型半部のキャビティは、ゴルフボールのカバー又は被覆層の外表面を形成するために、射出成形面の半部を形成するように構成された金型キャビティに面する外表面と、少なくともキャビティの一部の回りで、金属表面層と金型半部との間に延びる断熱層とを有する。

ゴルフボールのコアは、ゴム、樹脂等の１つの材料からなる、略球状の単一体であればよく、それ自体は、１以上の被覆層、マルチピースゴム、あるいは、樹脂製のコア等からなる複数層であればよい。コアは、非球状であってもよい。射出成形用のキャビティアセンブリは、球状のキャビティ、あるいは、ゴルフボール層が形成される所望の形状に応じた非球状であればよい。一実施形態では、各半部のキャビティは、半球状又は略半球状であり、ゴルフボールの層は、均一な厚さとなっている。他の実施形態では、断熱された異なるキャビティアセンブリを、多層のボールを形成するように設け、例えば、複数層を形成するための第１アセンブリと、複数層を覆う外方カバーを形成するための第２アセンブリとを備えるようにしてもよい。一実施形態では、一方のキャビティアセンブリのうち半分のキャビティは、完全には球状ではなく、ある領域ではより薄く、他の領域ではより厚い複数層（又はカバー層）を形成するために、非球状のキャビティを形成するように設計してもよい。

これらの特徴と他の特徴は、後述する「詳細な説明」の欄に記載されている。

従来のゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリを示す断面図である。一実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティの形成方法の例を示すフローチャートである。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。他の実施形態に係るゴルフボールの射出成形金型のキャビティアセンブリの例を示す断面図である。断熱された射出成形金型の他の実施形態に於ける一の金型半部に使用されるハーフシェルの金属製成形面を示す側面側斜視図である。図１０に示す金属成形層の下面を示す底面側斜視図である。成形層の外側又は下面にディンプルを切断した後、射出成形面又は成形層の内面にディンプルパターンを切断する前に、図１０及び図１１の金属成形層又はハーフシェルを形成する際に使用される金属部分を通る垂直断面図である。図１０から図１２のハーフシェルを保持するための金型半部に於けるベースの上方側斜視図である。図のモールドベースを通る断面図である。図１４と同様であるが、ベースよりも下方側に位置する図１０から図１２の金属製のハーフシェルの成形層を示す断面図である。ベースの半球状キャビティに係合した係合した状態での金属ハーフシェルを示す断面図である。射出成形金型アセンブリの一方の金型半部の穴に保持されるコアピンとベントピンの代替構造を示す断面図である。図１０から図１５の部品から組み立てられ、ゴルフボールのカバー層を成形するための射出成形金型のキャビティアセンブリの一方の半部を形成する金型半部の一実施形態を示す断面図である。

ここに記載される実施形態は、ゴルフボールのコアに層を形成するために、断熱された金型キャビティアセンブリを提供する。層は、ゴルフボールの内方すなわち被覆層、又は、カバーすなわち外方層であればよい。

本明細書を読めば、当業者にとって、種々の代替の実施形態や応用例で本発明を実施する方法が明らかになる。本発明の種々の実施形態が本願明細書中に記載されているが、これらの実施形態は単なる一例であって、そのものに限定されるものではない。このように、種々の実施形態は、本発明の範囲を制限するものではない。

ここでは、用語「コア」は、ゴム、樹脂等の、一ピースすなわち単一のコア、複数ピースのコア、あるいは、１以上の被覆層が、既に形成されている中心を備えたコア等、１以上の追加層が形成された、一部を加工された全てのゴルフボールを意味する。用語「層」は、外方カバー層や全ての中間層、あるいは、中心と外表面との間の内方層等、ゴルフボールの中心と最外表面との間の全ての層を意味する。用語「球状」又は「半球」は、完全に又は実質的に球状または半球状の表面または層を意味し、一般にゴルフボールで見られるディンプル、筒状の格子形状、逆ディンプル等の表面パターンを有する球状層を含む。

図１は、従来のゴルフボール用の射出成形金型を示す。この金型は、対向面に半球状の凹部をそれぞれ有する上型２００と下型１００を備える。両凹部により、ゴルフボールのコア４００が配置される金型キャビティ３００が形成される。これにより、ボールと、上型及び下型との間のキャビティ残余に、カバーすなわち被覆層が成形される。ゴルフボールのカバー層の外面を形成するための半球状の射出成形金属表面１０１，２０１は、所望のディンプルパターンを形成するような形状となっている。図示するように、半球状のキャビティは、所望のゴルフボールのディンプルパターンを形成するための突起すなわちバンプを有する。ゴルフボールのコア４００は、上下のピン２０３及び１０３を介してキャビティ３００の中央部に配置されている。上下のベントピン２０４及び１０４は、成形中にキャビティ３００からガスを排出できるようにそれぞれ設けられている。１以上の材料注入口すなわちゲート３０１が各金型の対向面の凹部に形成され、カバー材料を、コア４００と金型表面の隙間に充填可能としている。

材料がキャビティ３００内に充填されるとき、充填開始時、キャビティ温度は材料の凝固点を下回っている。材料は、キャビティ３００の中心に配置された球状の被覆されたコア４００と、キャビティの金属壁１０１及び２０１との間に充填される。材料からキャビティの金属壁１０１及び２０１とコア４００の両方に熱が伝達される。コア４００の外側は、むしろラバーや樹脂等の低熱伝導係数材料であり、充填材料からコア４００への放熱速度は、金属射出成形キャビティの表面１０１及び２０１ほど速くない。

非常に薄い層を成形するとき、あるいは、非常に低流動の材料を成形するとき、充填材料からの熱除去率は十分に速いため、金属壁１０１及び２０１とコア４００との間の全キャビティ空間３００を満たす前に材料が固化する。これが発生すると、カバーすなわち被覆層で、ゴルフボールのコア４００を完全に覆えず、残された部分は欠陥であると見なされる。

材料固化の問題を解決するための従来の試みは、キャビティ内に、より迅速に樹脂を充填することであった。但し、これにより、特定層の厚みのみが小さくなるが、その層は非常に薄いため、樹脂の成形速度を、材料の射出速度又は射出成形装置により作用させる圧力が限界を超えるまで増大させなければならない。また、他のケースでは、射出成形装置の材料射出速度は限界を超えないものの、所望の射出成形速度あるいは射出圧で成形を行うと、コア４００に作用する力により、工程中に、コア４００が変形したり、あるいは、コア４００が中心からずれたりする。このように、コア４００が中心から変形したりずれたりした場合、得られた製品は不良品であると見なされる。

これに対し、ここに記載する実施形態では、キャビティ周囲の金型と、射出された材料との間の被覆材料の層を使用することにより、射出された材料の固化速度を遅くし、その結果、薄い層すなわち低流動材料により、材料の固化が始まる前にゴルフボールのコアの周囲を成形することが可能となる。

図３の実施形態では、図１の金型半部１００，２００の成形面１０１，２０１が被覆材料の成形面すなわち層２０５，２０６に置き換えられている。以下に詳細に記載される図４の他の実施形態では、図１の金型表面１０１，２０１が、相対的に薄い金型成形層すなわちハーフシェル１１２，２１２にそれぞれ置き換えられ、キャビティ３００内の金型表面と、各金属層１１２，２１２と各金型の半部との間に断熱材料の層１０２，２０２を形成する。

図１の従来技術に係る射出成形アセンブリでは、樹脂材料がゴルフボールのコア４００を含むキャビティ３００内に充填されるので、ゴルフボールのカバーすなわち被覆層を射出成形するとき、流動樹脂が金型表面１０１及び２０１とコア４００とに接触する。金型表面１０１は樹脂材料によって加熱される。金型表面として断熱材料２０５及び２０６を有することにより、図３の実施形態では、分離した金型表面層１１２及び２１２の下に断熱材料１０２及び２０２が位置し、図４の実施形態では、金型表面を介して溶融樹脂から熱を除去することにより流れを遅くし、溶融樹脂の温度を、長期間に亘って、断熱材料のない、例えば、金型表面での凝固点よりも高く維持する。

断熱層、例えば、層２０５及び２０６や層１０２及び２０２は非常に厚く、金属層、例えば、層１１２，２１２は非常に薄いため、それらによって溶融樹脂が固化するのを完全に阻止することは必要ではない。しかし、図３の断熱層２０５，２０６の材料や厚み、及び、図４の断熱層１０２，２０２と金属層１１２，２１２の厚みの合計は、溶融樹脂材料がコア４００と周囲の成形面との間のキャビティスペースに十分に充填できるようなものとすべきである。一般に、金型キャビティの両側にある２つの層１０２，１１２と２０２，２１２の厚さは、希望するカバー層の厚さや体積に依存している。相対的に薄いカバー層のために、金型成形表面層（金属層）１１２，２１２は、より薄く形成されており、それ自身の吸熱が抑えられている。材料の固化がより心配される、より薄いカバー層を射出成形するときに、さらに断熱性が要求されるので、断熱層、例えば、層１０２，２０２は、より厚く形成されている。つまり、断熱層の厚さは、金型キャビティの外表面を構成する金属層の厚さが減少するのに合わせて増大させている。

以下の実施形態で説明するように、射出成形金型のキャビティ内での断熱材料層の使用は新たな試みであり、ゴルフボールに薄いカバーや被覆層を成形したり、低流動材料のゴルフボール層を成形したり、あるいは、その両方が可能となる。

断熱層は、金属成形面の熱伝導係数よりも小さいか、金属製のキャビティアセンブリよりも小さな熱伝導係数を有する任意の材料とすることができる。それは、金属成形面や金属製のキャビティアセンブリに比べて断熱層として機能できる限り、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、液体又は気体材料や、それらの組み合わせとすることが可能である。

図２は、ゴルフボールの薄いカバー層を形成するために使用することができる、あるいは、低溶融流動特性を有する射出成形金型材料に使用することができる、断熱された射出成形用キャビティを構成するためのプロセスの一例を示すフローチャートである。以下の説明は、ゴルフボールの外側のカバー層の成形についてであるが、同様なプロセスをゴルフボールのコアに被覆層を成形するために使用してもよい。まず、ステップ２２０では、金型キャビティの各半部のために、金属のブロックを、ほぼキャビティアセンブリの大きさに加工する。ステップ２２２では、ブロックを所望の金型の半部となるように切断し、得られた各ブロックには所望の半球状の凹部１１４，２１４を形成し、前記凹部１１４，２１４は、形成する層１０２，１１２又は２０２，２１２と同じ厚みの分だけ大きくする。次に、ステップ２２４では、金型の各半部に、ベントピン１０４，２０４を保持するためのパイロット穴を形成する。これらパイロット穴は、エポキシ樹脂などの高分子断熱材料の場合、余分な断熱材料を逃がす場所である。また、パイロット穴は、キャビティの中心にゴルフボールのコア４００を支持するコアピン１０３，２０３を保持するために形成されている。コア４００は、単一部品のコア、マルチピースゴム、あるいは、樹脂製コアであってもよいし、中心コアと１以上の被覆層のような多数の層であってもよい。

ステップ２２６では、金属ハーフシェル又は層を、各金型半部の内面や対向面に、周縁を備えた半球状に形成する。一実施形態の金属層は、約０．０３から０．３インチ厚であり、キャビティ１１４，２１４に収まるような外径を有し、各金型半部のキャビティの縁を超えて広がる縁を備え、断熱層のための適切な空間を、金型半部と金属層又はハーフシェルの間に形成可能とする。他の実施形態では、金属ハーフシェル又は層の厚さは、図１０から１８に関して後述するように、０．０３インチ以下である。その形状は、実施形態によっては半球状でなくてもよく、層は完全な球状でなくてもよく、厚い領域や薄い領域があってもよい。金属ハーフシェルは、ステップ２３０に関して後述するように、周縁のようなある領域では、金型のキャビティ内でシェルを接着する工程中に作用する力に対して適切に持ちこたえることができるように厚く形成されていてもよいし、前記接着工程で、特に金属層が非常に薄いところで変形しないように、外表面に支持されていてもよい。

ステップ２２８では、断熱材料を、半球状のキャビティと２つの金型半部の凹部表面の外側の縁を拡張するために追加することができる。例えば、２箇所のエポキシ樹脂等、十分な量の液状プレポリマー樹脂材料で、各金型半部の表面をコーティングすることができる。

ステップ２３０では、ハーフシェルすなわち金属層１１２及び１１４は、金型半部の対向面との間に隙間を有する状態で、半球部が各金型面の半球状のキャビティと所定位置に位置合わせされるまで各金型半部の表面に押圧される。ステップ２３２では、ポリマー材料は所定位置で硬化でき、過剰のポリマー材料はトリミングできる。これにより、ある実施形態では、断熱材料がキャビティアセンブリに対してハーフシェルを固着する接着剤として機能する。他の実施形態では、キャビティアセンブリに対してハーフシェルを固着するために、接着剤を追加することができる。断熱層の厚さは０．２５インチ以下とすることができ、一実施形態では断熱層は、０．００２〜０．０８インチの厚さを有している。

後述するように、断熱材料は、キャビティに対して相対的に特定の領域に配置される複数の領域を含むことができる。そのような実施形態では、断熱材料を形成したり除去したりする追加ステップを実行するようにしてもよい。

また、多くの実施形態では、ハーフシェルとキャビティアセンブリとが接触する位置があり、ハーフシェルがアセンブリ内の適切な深さと位置に配置されるのを確実なものとする。

ステップ２３４では、例えば、５軸ＣＮＣ加工装置を、金属製のハーフシェル又は層の外表面すなわち金型表面に、ゴルフボールの逆ディンプルパターンを形成するために使用することができる。

ステップ２３６では、ベントピン、ゲート、コアピン等を含むアセンブリの他の構成要素を、キャビティアセンブリ内に加工することができる。

ある実施形態では、ハーフシェル又は金属層は、ハーフシェルがキャビティアセンブリに挿入される前に、それらの上に形成される逆ディンプルパターンを有していてもよい。

図３から図１８は、種々の実施形態に従って構成されたゴルフボールの射出成形用キャビティの一例を示す図である。図３の実施形態では、図示されるように、金型表面１０１及び２０１は、断熱材料層２０５及び２０６に置き換えられている。また、図４の実施形態に示すように、断熱層１０２及び２０２は、金属製のハーフシェル又は層１１２，２１２の下方、すなわち、金属製の金型半部１００，２００と金属製のハーフシェル１１２，２１２の間に、それぞれ直接配置されている。断熱層１０２，２０２は、端部から図４の各半球状のキャビティに向かって厚みを増大させているが、他の実施形態では均一な厚みとしてもよい。

図４の実施形態では、金属表面層又はシェル１１２、２１２は、外方縁１１５，２１５をそれぞれ有している。それらは半球部分を囲んでおり、各金型半部の縁を覆うために外側に延び、対向する半球状の溝又は凹部１１６，２１６を形成している。溝又は凹部１１６，２１６には、半球状のキャビティから各シェル又は層の外方縁に延びる射出ゲート領域が設けられ、射出口すなわちゲート３０１が形成されている。各断熱層１０２，２０２は、射出口３０１の射出ゲート領域の少なくとも一部の下方に延びる延長部１１８，２１８を備えている。各ハーフシェル又は金属層１１２，２１２の縁には、断熱層の延長部１１８，２１８を保持するためにアンダーカットを形成してもよい。しかしながら、図５の実施形態では、断熱層１０２，２０２は各ハーフシェル１１２，２１２の縁の射出ゲート領域の下方には延びていない。図５の実施形態は、他の点では図４の実施形態と同様であり、同様な部材については必要に応じて同様な参照符号を使用する。

キャビティ３００の全体は断熱されなくてもよい。例えば、断熱領域は、金型の下半部１００に位置する部分のみであってもよい。それは、最後に樹脂が充填される領域、金型の上半部２００、あるいは、射出ゲートが樹脂材料をキャビティ内に導く赤道域の周囲の領域であってもよい。

例えば、図６の実施形態では、キャビティを形成する各金属層１１２，２１２と、金属製金型の半部の下方凹部との間の断熱層は、分割されて、射出ゲート領域の下方ではなく、金属製金型の表面すなわちハーフシェル１１２，２１２の下方の幾つかの場所に直接配置された断熱材料の領域１２０，２２０で構成されている。この構成では、金型の半部１００及び２００は、断熱材料が金型表面に接触する領域の突出部（図示せず）を含めることができ、それは金型表面の表示又は整列のポイントとして機能させることができる。

図７の実施形態では、断熱材料からなる連続的な円弧領域１２１，２２１が、金属層１１２，２１２と金型半部の下方表面の間で、キャビティ３００の各半部の極域に設けられている。これにより、長期間に亘って極域をより暖かく維持することができ、この結果、「カラスの足跡」のようなコールドウェルドや成形品の欠陥がベントピンの近傍に現れることが予防される。

図８の実施形態では、断熱材料の分離領域１２２，２２２は、前記例のように、キャビティ３００の各半部の極域に設けられているが、断熱領域は、前記例とは異なる領域に形成されている。この実施形態では、コアやベントピン１０３，２０３，１０４，２０４の周囲に隣接する断熱材料はそれぞれ除去されており、ピンが金属に覆われ、断熱領域１２２，２２２がコア及びベントピンから分離できるようになっている。これは、揮発性物質の層をピンから除去するためにキャビティ内に溶剤を充填しているため、使用する断熱材料の種類が重要である。溶剤が、例えば、樹脂からなる断熱層と接触すれば、それを、膨張させ、浸蝕し、あるいは、破壊する。金属層をピンの周囲に設けることにより、このような相互作用が防止される。

図９の実施形態では、断熱材料からなる領域１２２，２２２は、ピンから離間し、図８と同様に、キャビティ３００の各半部の極域に設けられ、追加の断熱領域１２４，２２４も、射出ゲート領域３０１の各ハーフシェル又は金属層１１２，２１２の縁１１５，２１５の下方に設けられている。前記例でのように、コアとベントピン１０３，２０３，１０４，２０４の周囲の断熱材料はそれぞれ除去され、ピンが金属で封止されている。射出ゲートの近傍に断熱材料を有することにより、この領域でのポリマーの熱損失を防ぐことができ、同時に、隣接する非断熱ゲートと赤道域の樹脂をかなり迅速に固化させることができる。

図１０から図１８は、射出成形金型のキャビティアセンブリについて他の実施形態の金型キャビティの半部５００を、金型キャビティの半部を構成する種々の段階で詳細に示す。本実施形態における金型キャビティは図４と同様であり、基本的には、金属製の金型キャビティベース５１０と、ベースの凹部表面に固定される金属ディンプル層５１２と、金属層５１２とベース５１０の間のエポキシ材料等からなる断熱層５１３と、を備える。図１０から図１５は、金属製の金型ハーフベース５１０と、金型半部の組立の種々の段階に於ける金型半部５００の金属製のハーフシェルすなわち金属製の射出成形表面層５１２を示す。一方、図１７Ａから図１７Ｄは、ベントと穴に保持されるコアピンのための幾つかの他の構造を示し、図１６及び図１８は、金型半部の全組立図を示す。前記実施形態に示されるゴルフボールのコア４００の周囲に、完全な射出成形金型のキャビティを形成するために、同一構造の第２金型のキャビティの半部が設けられている。図１０から図１８の実施形態は、図４の実施形態と同様であり、ベースの半球状の領域と金属ハーフシェル又は層との間に連続した断熱層５１３を備え、ベースと金属層５１２の間の金属製のシェルの各ゲート形成領域５１４に沿う通路を拡張する。

図１０及び図１１は、金型のキャビティ（例えば、図４のキャビティ３００）を囲む金型表面の一方の半部を形成する薄い金属製のディンプル層すなわちハーフシェル５１２を示す。一方、図１３及び図１４は、金属層又はシェルが係合する金属製の金型キャビティの半部すなわちベース５１０を示す。図１３及び図１４に示すように、各金型キャビティの半部すなわちベース５１０は、組み立てられた金型キャビティの他の金型キャビティの半部に対向する一の面５０９に形成された半球状のキャビティ５０５を有する略円筒体と、ベース５１０の反対側の面５１１の選択された位置に穿孔されたベントピン孔５０８とを備える。一実施形態の半球状のキャビティ５０５のベースに於けるコアとベント孔５０８の位置が図１３に示されているが、他の実施形態では、同じ又は異なる位置で、より多くの、あるいは、より少ない数を設けるようにしてもよい。

キャビティ５０５の周囲のベースの縁５０６は、エポキシ樹脂製の断熱体からなる流路を備え、放射状に延びる排水溝５１６を円周方向に連通する複数の略放射状溝５１５を有する。キャビティ整列ピン孔５１８は、縁５０６に設けるようにしてもよい。詳細については後述するが、支持及びセンタリング特性を得るため、キャビティ５０５の縁を調整できるように突起５２０を設け、ディンプル形状の金属層５１２を配置してセンタリングするようにしてもよい。ベース５１０は、図１０に示すように、Ｏリングシールのための外方環状溝５２２と、中央の大型水冷溝５２４とを有する。これらの溝は、図１３から図１６では便宜上省略されている。一実施形態では、キャビティ５０５は、金属層５１２を、５〜１０ミル（１ミル：１／１０００インチ＝０．０２５４ミリメートル）のエポキシ断熱材を介在させた状態で収容するのに適した寸法でベース５１０の表面に形成されている。この部分は、チタンあるいは同様な特性を有するチタン合金等、ステンレス鋼よりも、良好な強度、耐食性を有し、低導電性、又は、それに類似した特性を有する材料から形成されている。一例では、ベース５１０のために、チタン６％、アルミニウム４％のチタン合金が使用されている。

ゴルフボールの外側カバーのための半球状成形面の半分を提供する金属層５１２は、ステンレス鋼や他の材料であればよい。また、ベース５１０のための材料は、チタン又はチタン合金等の上述の材料であればよい。成形層５１２には、いずれかの低導電性金属を使用することができる。成形面のための金属材料を選ぶ際に重要な要因の１つは、材料の比重と比熱の積が低くなければならないということである。また、材料の熱伝導係数が低いことも重要である。チタン６％、アルミニウム２％、スズ４％、ジルコニウム２％を含有するモリブデンは、成形層５１２に用いることができる別のチタン合金である。この材料は、低熱伝導係数、低比重及び比較的低い比熱を有する。同様に、低熱伝導係数、低比重及び比較的低い比熱を有する他の材料を代わりに使用することができる。

図１０、図１１，図１５、図１６及び図１８に示すように、金属層５１２は、周縁５８２に囲まれた半球状部５８０を構成するように形成されている。シェル５１２は、反対側に位置する外面５２５及び内面５２６を有し、内面５２６の半球状部は金型アセンブリの球状成形面の半分を構成し、シェルの下方側の外面５２６は、図１８に示すように、金型の半部が完全に組み立てられると断熱層５１３に対向する。図示された実施形態では、半球状部５８０は、内面５２６に一連の突出部５４２を形成されており、所望のゴルフのディンプル模様に基づいて選択された形状及び寸法を有する、外面５２５の凹部５４４に嵌合する。また、外面５２５は、半球状部５８０の中心回りに突出部５３２を備え、それらは後に詳述するように、金属製のベースの孔５０８内に延びるように設計されており、又、シェル５１２をベース５１０内に降下させるとき、表示ポイントとして機能する。シェル５１２の周縁５８２は、半分のゲート５１４を構成するように形成され、２つの同一形状の半分のキャビティ金型５００が金型キャビティ３００を形成するように対面係合状態で固定されるとき、射出成形ポート３０１を形成する。周縁５８２の下面は窪んでおり、下方に断熱材料を保持するために流動リングすなわち凹部５３５を形成する。また、周縁は、部品が組み立てられるときに、ベース５１０内の穴５１８と同一直線上に位置する整列ピン穴５３４（図１１）を有する。

一実施形態では、金属層５１２は、適切なサイズの材料のブロックから切断してもよい。ブロックは、ベース５１０の縁５０６をシールする周縁５８２に囲まれ、金型キャビティの下側の半球状部５８０又は外面５２５を形成するために、底面側からアンダーカットされていてもよい。一実施形態では、表面５２５は、成形されるべきゴルフボール層の所望の表面パターンと合致するように切断される。一方、内面５２６は、所望のゴルフボール層の表面の反対側を形成するように、実質的にカットされている。図示された実施形態では、パターンはディンプルパターンであり、ディンプル５４４は、ディンプルデザインを使用する半球状部の表面に形成される。他の実施形態では、ゴルフボール層の所望の表面形状に応じて、異なる表面パターン、又は、全く表面パターンのないものが金属層に形成されていてもよい。形成されるべき層が外側のカバー層である場合、ハーフシェルは、選択したゴルフボールの表面パターンを形成するために、所望の表面構造に形成するようにしてもよい。形成されるべき層が内側又は外側の層である場合、外面パターンは全く必要なく、ハーフシェルのキャビティは表面パターン無しに形成される。

表面５２５上に形成されたパターンがディンプルパターンである場合、ディンプルの設計は同じ直径と深さの、又は、別の直径と深さのディンプルを備えていてもよいし、円錐状のディンプルのほか、球状又は非球状のディンプルを含んでいてもよいし、所望のゴルフボールの表面構造に依存するディンプルの数、形状及び寸法で、異なる形状や同一形状のディンプル構造を備えた他のディンプル形状を備えるようにしてもよい。上述のように、他の実施形態のシェルのキャビティ部は、他のゴルフボールの表面構造ではなく、凸凹ディンプルを形成するように設計するようにしてもよく、例えば、管状格子構造、突出頭部、凸凹ディンプルと突起の混合、あるいは、他の表面特性や、種々のゴルフボールの表面デザインを生成するのに必要とされる形状としてもよい。また、ハーフシェルは、例えば、突起やくぼみのない滑らかな半球状又は非半球の表面で形成してもよく、覆われたキャビティがゴルフボールの内側の被覆層を形成するために使用されるべきである。さらに、湾曲しているが非球形のキャビティ部を備えたシェルは、例えば、異なる領域で、より薄く、かつ、より厚い非球面の被覆層を形成するために使用してもよい。

図示された実施形態のブロックは、コアとベントピン５０８のために、表面５２５に突出部５３２を有するように形成されている。また、これら突出部は、射出成形金型の半部すなわちキャビティの底に形成された孔５０８に係合するので、表示ポイントとして機能する。縁５８２は、部品が組み立てられるとき、成形層５１２を整列させるために、ベース５１０のキャビティ５０５とキャビティの整列ピンの位置合わせ用の開口部５３４を備える。また、縁５８２は、射出成形金型のゲート又はポート５１４の下面を形成するほか、被覆層５１３の流動リング又は凹部５３５を形成するためにアンダーカットされている。ディンプル加工されたキャビティを形成する金属層は、縁の回りに特別な力を付与するために、キャビティ（図１０及び図１８参照）の上部回りの領域５４５でより厚く形成されている。

また、金属製の金型表面層を形成するブロックは、金型キャビティの射出成形金型の表面を形成するために、反対側の表面から切断されている。この切断は、金型の半部のベース５１０への組立前や、部品５１０と５１２の組立後のいずれかに行うようにすればよい。図１２は、金属層の下面５２５が切断された後、さらに縁の内面５２６の射出成形金型の入口すなわちゲート５１４の形成後であって、ゴルフボールの被覆層の外面のための射出成形金型の表面の半部を提供する半球状の内方金属製成形面を形成するために表面５４０から材料を切断する前の金属製のブロック５６０の断面図である。

射出成形用のアセンブリ又は被覆された金型キャビティを形成する方法の一実施形態では、２つの部品（ベースと、金属成形層やシェル、又は、図１２のように部分的に形成されたシェル１２）は、エポキシ材料等、射出成形の高温に耐えることができる接着性断熱材料によって接着される。前記方法の一実施形態では、２箇所のエポキシ等、十分な量の液状プレポリマー樹脂材料が、図１５に示すようにコーティング５１３を形成するために、露出したキャビティやベース５１０の縁（すなわち、図１３及び図１４に示す上面）に塗布され、金属成形層でベースの凹凸面を覆い、半球状部をキャビティ５０５に入り込ませるように降下させる。図１５は、接着性コーティング層５１３に係合する前に、部分的にキャビティ内に降下させた層又はハーフシェルを示す。突出部５３２がベースの対応する孔５０８に係合し、縁５８２の下面がベースの縁５０６に対向した状態で、金属成形層５１２がキャビティ５０５に形成されると、部品間の隙間に充填されるポリマー又はエポキシ材料５１３を所定位置に硬化させ、過剰な材料を溝５１５へと溢れさせることができる。断熱金属は、図１８に示すように、キャビティの半部のベースに対して金属成形層５１２を固着する接着剤として機能する。

エポキシ樹脂の断熱層が硬化すると、金属成形層５１２を形成する部分が、図１２の面５４０から機械加工されることにより、図１８に示すように、ベース５１０の孔５０８を介して挿入されるコアを保持する突出部５３２と、ベントピン５４６とが挿通される穴のほか、所望の逆ディンプルすなわち窪み５４２や、金属成形層の表面５２６の他の特徴と共に、シェルの内方すなわちキャビティを形成する面５２６が形成される。各キャビティ部は互いに非常に正確に配置されているため、露出面すなわち層５１２のキャビティ成形面５２６に形成される逆ディンプルの特徴すなわち突起５４２が、金属層の下面すなわち面５２５にディンプル５４４を配置させる。これにより、全領域にほぼ均一な厚さの金属成形面が形成される。また、正確な配置により、金属成形面を０．００３〜０．００７インチ厚に形成することができる。このような厚さに形成することにより、金属成形面の熱容量が実質的に抑制され、溶融樹脂から放出される熱量がより小さくなり、ゴルフボールの薄いカバー層が、完成前に冷却することなく成形される。

また、金属成形層すなわちシェル５１２の露出面５２６は、射出成形ゲート又はポートの一方の半部を、射出成形キャビティ（図３から図９の実施形態参照）の反対側の半部に形成される各ゲートの他方の半部と共に形成するために、縁５８２で切断される。

図１８に示すように、金属ベースと金型の半部５００のシェルとの間の断熱領域は、射出ゲート５１４を形成する部分を含むように拡張されている。熱伝導のために使用可能な金属は、射出ゲート５１４の周りの領域と同様に、キャビティを囲む金属表面層すなわちシェル５１２で最も少ない。図１３に示すように、各金型ベース５１０の孔５０８は、ベントピンを保持する５つのより小さい穴と、コアピンを保持する４つのより大きな穴とを含む。これらの機能により、ゴルフボールの薄いカバーを成形しやすくなる。そのような薄い断面を介して溶融物を加圧する際の背圧のため、薄いカバー又は層を０．０５０インチ以下により薄く成形することは指数関数的に難しくなる。追加の通気孔は、ゴルフと金属成形面との隙間に溶融した射出成形材料を加圧可能とする。

キャビティ設計の重要な要素の一つは、コアとベント端子をエポキシ樹脂や断熱層に形成する方法である。図１７Ａから１７Ｄは、コアとベントピン１０３，１０４又は２０３，２０４の周囲の領域のための４つの異なる代替構造を示し、図１７Ｃは図１０から図１６及び図１８の実施形態の構造に対応している。射出成形キャビティアセンブリの他のすべての部分は、図４又は図１０から図１６及び図１８の実施形態と同様であり、同様な部材には適宜同様な参照符号が使用されている。

図１７Ａの構造は、組み立てるという目的では恐らく最も簡単である。金属成形面または層５１２Ａが、キャビティ５０５の底部とコアピンに接着されるか、あるいは、ベントピン孔５０８Ａが、単にエポキシ又は他の断熱材料５１３Ａが硬化した後、キャビティアセンブリに穿孔されるからである。この設計の潜在的な問題は、キャビティアセンブリの各半部のピン１０３、１０４及び２０３、２０４が、薄い成形面に対して上下に移動し、この領域が疲労したり摩耗したりすることである。

図１７Ｂでは、突出部５７０が各孔５０８Ｂの周囲のベースキャビティ５０５の表面に形成され、金属成形層５１２Ｂの拡張穴５７２が前記突出部に係合している。コアとベントピンを保持する孔５０８Ｂはベース５１０Ｂのみを貫通して延び、エポキシ樹脂材の断熱層５１３Ｂは、突出部５７０と周囲の穴５７２の隙間へと延びている。この代替手段では、金型面５２６Ｂに露出したエポキシ樹脂５７４が、このエポキシ樹脂への樹脂の接着に起因して問題を引き起こす恐れがある。また、この設計では、一緒に配置したとき、それらが正確に一致するように、キャビティベースを準備し、表面を成形するというより多くの作業が必要とされる。特徴は、各ピンが金属に接触しているだけであるという点である。

図１７Ｃは、上述した図１０から図１６に関連する構成を示す。突出部５３２は、金属製の半部のシェルすなわち金型表面層５１２Ｃの底面５２５に形成され、ベースの孔５０８の上端で拡張部５５８に係合する。この代替手段では、エポキシ樹脂層５１３Ｃは、突出部５３２と拡張部５５８の間の空間５７５に延び、過剰のエポキシ樹脂は、厳しい公差領域から移動する。これは、恐らく製造目的にとって最も簡単な構成である。

図１７Ｄは、厳しい交差位置に接触する金属−エポキシ樹脂表面に関して図１７Ａ及び図１７Ｂよりも問題の少ない他の代替手段を示す。図１７Ｄの代替手段では、金属製半部のシェルすなわち成形表面層５１２Ｄは、ベースの拡張孔５０８Ｄの全長を通過して層５１２Ｄの下面から延び、そこには突出部５７６と、エポキシ材料５７８で満たされた孔５０８Ｄとの間に隙間が形成されている。この場合、コアとベントピン５８０は、金属製のシェル層を貫通して延び、エポキシ材料は完全にコアとピンの領域から移動する。

特定の実施形態について記載したが、記載した実施形態は、例としてのみ理解すればよい。したがって、本明細書に記載するシステム及び方法は説明した実施形態に基づいて制限すべきではない。むしろ、本明細書に記載したシステム及び方法は、上記の説明及び添付図面と共に特許請求の範囲を考慮して制限されるべきである。

１００…下型（金型半部）
２００…上型（金型半部、金型の上半部）
１０１、２０１…成形面
１０２，２０２…層（断熱層）
１０３，１０４，２０３，２０４…ベントピン
１１４，２１４…キャビティ（凹部）
１１２，２１２…ハーフシェル（シェル、金属層、金型表面層）
１１５，２１５…縁（外方縁）
１１６，２１６…凹部
１１８，２１８…延長部
１２０，２２０…領域
１２１，２２１…円弧領域
１２２，２２２…領域（分離領域、断熱領域）
１２４，２２４…断熱領域
２０５，２０６…成形面（層、断熱層、断熱材料層、断熱材料）
３００…キャビティ
３０１…ゲート（射出ゲート領域、射出口、射出成形ポート）
４００…コア
５００…キャビティ金型（金型半部）
５０５…キャビティ
５０６…縁
５０８…孔（ベントピン孔、ベント孔）
５０８Ａ…ベントピン孔
５０８Ｂ…孔
５０８Ｄ…拡張孔
５０９…一の面
５１０…ベース
５１０Ｂ…ベース
５１１…対向面
５１２…シェル（金属ディンプル層、成形層、金属成形層、金属層、射出成形表面層）
５１２Ａ…金属成形面（層）
５１２Ｂ…金属成形層
５１２Ｃ…金型表面層
５１２Ｄ…成形表面層
５１３…断熱層（被覆層、コーティング、接着性コーティング層、エポキシ材料）
５１３Ａ…断熱材料
５１３Ｂ…断熱層
５１３Ｃ…エポキシ樹脂層
５１４…ゲート（ゲート形成領域、射出ゲート、ポート）
５１５…溝
５１６…排水溝
５１８…キャビティ整列ピン孔
５２０…突起
５２２…外方環状溝
５２４…大型水冷溝
５２５…面（表面、下面、外面）
５２６…外面（内面、表面、露出面、キャビティ成形面）
５２６Ｂ…金型面
５３２…突出部
５３４…開口部（整列ピン穴）
５３５…凹部
５４０…表面（面）
５４２…突出部
５４４…ディンプル（凹部）
５４５…領域
５４６…ベントピン
５５８…拡張部
５６０…ブロック
５７０…突出部
５７２…拡張穴
５７４…エポキシ樹脂
５７５…空間
５７６…突出部
５７８…エポキシ材料
５８０…半球状部
５８２…縁（周縁）

Claims

ゴルフボール層を形成するためのキャビティと、
前記キャビティを囲む金属表面層と、
前記金属表面層を囲む断熱層と、
を備え、
前記ゴルフボール層は、前記キャビティによって形成された空間に対応する厚さを備えたことを特徴とするゴルフボール層を成形するための射出成形用キャビティ。
前記断熱層は、前記金属表面層よりも熱伝導係数の小さい材料で構成したことを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、前記キャビティを収容するように構成された金属キャビティベースと、金属表面層と、断熱層とを備え、前記断熱層は、前記金属キャビティベースよりも熱伝導係数が小さいことを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱層は、金属、樹脂、セラミック、ガラス、液体、気体、又は、それらの組み合わせの１つから形成されることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、前記キャビティを収容するように構成された金属キャビティベースと、金属表面層と、断熱層とを備え、前記断熱層は、前記金属表面層と前記金属キャビティベースの間で接着剤として機能することを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記金属表面層の厚さは約０．００３〜０．３インチの範囲であることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記金属表面層の厚さは、約０．００３から０．００７インチの範囲であることを特徴とする請求項６に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱層の厚さは、０．２５インチ以下である請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱層の厚さは、約０．００２〜０．０８インチの範囲であることを特徴とする請求項８に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、前記キャビティを収容するように構成された金属キャビティベースと、金属表面層と、断熱層とを備え、前記金属表面層は、前記金属キャビティベースに適合し、前記絶縁材料のために十分な空間を、前記金属キャビティのアセンブリと、前記金属表面層との間に形成できるような直径を有することを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱材料は、十分な量の液状プレポリマー樹脂材料からなることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記液状プレポリマー樹脂材料は、２つの部分のエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項１１に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱層は、前記金属表面層に対して特定の領域に配置される多数の領域を備えることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記キャビティは、極域を有する球状キャビティであり、前記多数の領域は、前記キャビティの極域の周囲であることを特徴とする請求項１３に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、ベントピンとコアピンとを備え、前記多数の領域は、前記ベントピン、前記コアピン、又は、両ピンから離れて配置されていることを特徴とする請求項１４に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、射出ゲートを含む少なくとも１つの射出ピントを備え、前記断熱層は、前記射出ゲートの下方に延びていることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記金属表面層は、前記層の全表面領域の少なくとも一部を超える約０．００４０インチ以下の厚さを有するゴルフボール層を形成するように構成されていることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
前記金属表面層は、選択された表面パターンを有し、選択された表面パターンとは逆パターンに形成された内面を有するゴルフボール層と、前記金属表面層の表面領域の少なくとも一部を超えて、前記選択された表面パターンに合致するように構成された外表面と、を形成するように構成され、前記金属表面層は、前記表面領域の少なくとも一部を超えるほぼ均一な厚さであることを特徴とする請求項１に記載の射出成形用キャビティ。
ゴルフボール層を形成するためのキャビティと、
前記キャビティを囲む金属表面層と、
前記金属表面層を囲む絶縁層と、
を備え、
前記ゴルフボール層は、前記キャビティによって形成された空間に対応する厚さを備え、
前記絶縁層は、前記金属表面層に対して特定の領域に配置される多数の領域を備えたことを特徴とするゴルフボールの薄い層又は低流動材料の層を成形するための射出成形用キャビティ。
前記断熱層は、前記金属表面層よりも小さな熱伝導係数を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、前記キャビティを収容するように構成された金属キャビティベースアセンブリと、金属表面層と、絶縁層とを備え、前記絶縁層は、前記金属キャビティベースアセンブリよりも熱伝導係数が小さいことを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱層は、金属、樹脂、セラミック、ガラス、液体、気体からなる材料、又は、それらの組み合わせの１つから形成されることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、前記キャビティを収容するように構成された金属キャビティベースアセンブリと、金属表面層と、絶縁層とを備え、前記絶縁層は、前記金属表面層と前記金属キャビティベースアセンブリとの間の接着剤として機能することを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記金属表面層の厚さは、約０．００３〜０．３インチの範囲であることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、前記キャビティを収容するように構成された金属キャビティベースアセンブリと、金属表面層と、断熱層とを備え、前記金属表面層は、前記金属ベースアセンブリに適合するような外径を有し、絶縁材料のための十分な空間を、前記金属キャビティベースアセンブリと前記金属表面層との間に形成可能であることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱材料は、十分な量の液状プレポリマー樹脂材料を備えることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記液状プレポリマー樹脂材料は、２つの部分からなるエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項２６に記載の射出成形用キャビティ。
前記多数の領域は、前記キャビティの極域の回りに位置することを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、ベントピンとコアピンとを備え、前記多数の領域は、前記ベントピン、前記コアピン、又は、その両方から離れて配置されていることを特徴とする請求項２８に記載の射出成形用キャビティ。
さらに、射出ゲートを含む射出ポイントを備え、前記絶縁層は、前記射出ゲートの下方に延びていることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記ゴルフボール層の厚さは、少なくとも前記層の主要部分を覆う約０．０４０インチ以下であることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記キャビティを形成する前記金属表面層は、逆ディンプル構造を備えた内表面と、前記逆ディンプル構造に合致するディンプル構造を備えた外表面とを有し、前記金属表面層の厚さは、少なくとも前記キャビティの主要部を覆うほぼ均一なものであることを特徴とする請求項１９に記載の射出成形用キャビティ。
前記断熱層は、キャビティの各半部をそれぞれ形成する２つのハーフシェルを備え、各ハーフシェルは、半球状部と、他方のキャビティの半部の反対側の周辺縁に固定される周辺縁とを有することを特徴とする請求項３２に記載の射出成形用キャビティ。
ゴルフボール層を形成するためのキャビティと、
前記金属表面層を囲む絶縁層と、
前記絶縁層を囲む金属キャビティベースアセンブリと、
を備え、
前記ゴルフボール層は、前記キャビティによって形成された空間に対応する厚さを備え、
前記絶縁層は、所定の厚さを有し、前記金属キャビティベースアセンブよりも小さな熱伝導係数を有することを特徴とするゴルフボールカバー又は被覆層を成形するための射出成形用アセンブリ。
前記断熱層は、金属、樹脂、セラミック、ガラス、液体、気体、又は、それらの組み合わせの１つから形成されることを特徴とする請求項３４に記載の射出成形用キャビティ。
前記絶縁層は、逆ディンプルパターンを備えることを特徴とする請求項３４に記載の射出成形用キャビティ。
前記ゴルフボール層の厚さは、少なくともゴルフボール層の主要部を覆う約０．４０インチ以下であることを特徴とする請求項３４に記載の射出成形用キャビティ。
前記キャビティ内に吊り下げられるゴルフボールコアを保持して囲むように構成された完全なキャビティを形成するために、対向する金型の半部に面する金型キャビティの半部を形成するように構成された半分のキャビティをそれぞれ有し、対向する第１及び第２金型半部を備え、前記金型キャビティが前記ゴルフボールコアと前記金型の半部との間に形成され、
前記各金型の半部は、ベースキャビティに第１面を有する金属ベースと、略半球状のベースキャビティに係合する結合キャビティ部を有する金属シェルと、を備え、前記半球状部は、球状キャビティの半部を形成するように構成された内表面を有し、前記反対側の金型の半部の金属シェルの内表面は、ゴルフボールカバー又は被覆層の外表面を形成するように構成され、前記金属シェルの外表面の少なくとも一部と前記ベースの第１面との間の絶縁層を備えたことを特徴とする射出成形用キャビティアセンブリ。
前記断熱層は、前記金属シェルを前記金属ベースに固定することを特徴とする請求項３８に記載のアセンブリ。
前記金属シェルは、ゴルフボールのカバー層を形成するように構成され、前記各金属シェルの内表面は、ゴルフボールの外表面に選択された表面構造を形成するように構成された予め決められた表面形状を有することを特徴とする請求項３８に記載のアセンブリ。
前記各金属シェルの外表面の少なくとも主要部は、内表面とは反対の表面形状を有し、前記金属シェルは、前記金属シェルのキャビティ部の少なくとも主要部を覆うほぼ均一厚さであることを特徴とする請求項４０に記載のアセンブリ。
前記各金属シェルの内表面は、複数の同一形状のディンプルと、異なる形状及びサイズの複数のディンプルと、複数のディンプル及び突出部と、管状格子形状と、から選択されたゴルフボールのカバー層の形状を形成するように構成されたことを特徴とする請求項４０に記載のアセンブリ。
前記金属シェルは、ゴルフボールの被覆層を形成するように構成されており、前記各金属シェルの内表面は、前記被覆層に凹凸のない外表面を形成するために、少なくとも実質的に凹凸がなく、ゴルフボールのカバー又は被覆層の外表面の選択されたディンプルパターンを形成するために構成された多数の突出部を形成され、外表面は前記突出部に合致する多数の窪みを有し、前記金属シェルは、その半球状部の少なくとも主要部を覆うほぼ均一な厚さであることを特徴とする請求項３８に記載のアセンブリ。
前記ベースは、前記ベースを介して前記半球状のベースキャビティ内に延びる多数の穴を有し、前記シェルの外表面は、穴に嵌合する多数の突出部を有し、前記突出部は、前記キャビティから各穴の長さの少なくとも一部に沿って延びることを特徴とする請求項３８に記載のアセンブリ。
前記ベースは、前記半球状のベースキャビティを囲む周辺縁を有し、前記シェルは、前記半球状部を囲み、前記ベースの周辺縁に係合する係合縁を有し、前記各シェルの半部の周辺縁は、対向するシェルの半部の溝に射出成形ポートを形成する多数の溝を有することを特徴とする請求項３８に記載のアセンブリ。
前記断熱層は、前記ベースの周辺縁と、少なくとも射出成形ポートの領域の各金型半部のシェルとの間に延びることを特徴とする請求項４５に記載のアセンブリ。
前記各金型の半部は、少なくとも４つのベント穴を有することを特徴とする請求項３８に記載のアセンブリ。
予め決められた形状及び寸法の金属製の金型ベースを形成する工程と、
前記金型ベースの第１面を切除して窪ませたキャビティを形成する工程と、
前記キャビティ内に延びるように前記ベースに穿孔する工程と、
前記金属ベースの窪んだキャビティと、キャビティを囲む縁とに係合するように形成された窪んだキャビティ部を有する金属製のハーフシェルを形成する工程と、
前記キャビティに面し、前記キャビティから予め決められた距離だけ離れた外表面と共に前記ベースのキャビティ内に金属製のハーフシェルのキャビティ部を挿入する工程と、
断熱性能を有する接着断熱材料と共に前記ベースに前記ハーフシェルを固定する工程と、
を備え、
前記接着断熱材料は、前記ハーフシェルと、その外表面の少なくとも一部に交差するキャビティとの間の空間を埋める断熱層を形成し、
前記接着断熱材料を固化可能とすることを特徴とする、ゴルフボールのカバー又は被覆層を形成するための射出成形用金型のアセンブリの半部を形成するように構成された金型アセンブリを加工する方法。
前記キャビティは、少なくともほぼ半球状のキャビティを備え、前記シェルのキャビティ部は、前記キャビティに係合するように構成された、少なくともほぼ半球状の部分を備えることを特徴とする請求項４８に記載の方法。
さらに、前記キャビティ内への前記半球状部の挿入前に、前記金属ハーフシェルの半球状部の外表面に、予め決められた表面パターンを形成する工程と、前記キャビティ内への前記半球状部の挿入前後で、前記ハーフシェルの半球状部の内表面の合致する逆パターンを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項４９に記載の方法。
前記逆パターンは、前記接着断熱材料が固化し、前記ハーフシェルをベースの第１面に固定した後、前記半球状部の内表面に形成されることを特徴とする請求項５０に記載の方法。
前記外表面のパターンは、ディンプルを備え、前記内表面のパターンは、これに対応する逆ディンプルを備えることを特徴とする請求項５０に記載の方法。
さらに、前記金型ベースの穴に係合するために、前記金属ハーフシェルの外表面に多数の突出部を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項５０に記載の方法。
前記金属ハーフシェルの内表面は、突出部又は窪みのない湾曲面であり、ゴルフボールの内側層の金型半部を構成することを特徴とする請求項４８に記載の方法。
さらに、前記ベースのキャビティ内にハーフシェルのキャビティ部を挿入する前に、前記ベースの第１面に接着断熱材料の層をコーティングする工程を備えたことを特徴とする請求項４８に記載の方法。