JP2013501795A

JP2013501795A - 改善された広がり性を有するパーソナルケア組成物

Info

Publication number: JP2013501795A
Application number: JP2012524785A
Authority: JP
Inventors: エレンブレイフォーグルローリー
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 2009-08-10
Filing date: 2010-08-10
Publication date: 2013-01-17
Also published as: US20110033512A1; WO2011019718A2; EP2464425A2; WO2011019718A3

Abstract

炭化水素ワックス、極性油及び非乳化シリコーンエラストマーを含むことが可能、改善された広がり性を有する、実質的に無水の油性マトリックス形態である、安定したパーソナルケア組成物。炭化水素の極性油に対する重量比率は、約０．０１〜約０．５である。パーソナルケア組成物は、１．０ｋｇ〜約５．０ｋｇの広がり性及び約３ｇ〜約１２０ｇの硬さを呈することができる。

Description

本発明は、改善された広がり性を有する、炭化水素ワックス、極性油及び非乳化シリコーンエラストマーを含む、油マトリックス形態のパーソナルケア組成物に関する。

さまざまな製品が、皮膚及び他のケラチン組織に対して、紫外線（ＵＶ）の有害な影響からの保護を提供している。ＵＶ保護を提供する製品の有効性と安定性の改善に関して、多くの研究が行われてきた。しかし、ＵＶ保護を提供する製品の肌触り及び使いやすさなどの属性は、十分に研究されていない。このような審美性は製品の有効性に直接影響するので、これを軽視するわけにはいかない。ＵＶ保護製品の主要な指標は、皮膚に製品を２．０ｍｇ／ｃｍ²塗る標準方法により測定される、太陽光線保護指数（ＳＰＦ）である。残念なことに、消費者は太陽保護製品の使用方法においては厳密さが足りず、しばしば製品をあまりにも少量しか使用しないか及び／又は定期的な再使用を怠る。このためＳＰＦ表示による予想より低いＵＶ保護となる。製品が審美性に劣る場合には、消費者が必要条件である製品の２．０ｍｇ／ｃｍ²を使用しているとは考えられない。ＵＶ保護製品の十二分で頻繁な使用を奨励するためには、使用した場合に製品が魅力的外観及び同様に気持ちの良い感触を備えていることが重要である。

ほとんどの非常に有効な日焼け止め剤は、消費者が嫌う厚ぼったい油性の肌触りを有している。日焼け止め剤を含むパーソナルケア組成物は、肌触りを改善するためにエマルジョンとして処方することができるが、要求される肌触りとＵＶ保護を保ったまま安定したエマルジョンを維持することは困難である。例えば、高分子増粘剤を使用して水相（例えば、圧倒的水）の粘性を高めることにより、製品が安定化される水中油型エマルションは、製品の適用中及び適用後の厚ぼったい感触を巡る審美性の観点から、消費者にとって好ましいものではない。あるいは、脂肪族アルコールワックスを使用して油相が増粘され／安定化される油中水型エマルジョンは、脂ぎった厚ぼったい感触を与える傾向がある。シリコーンエラストマーが、いずれものエマルジョン形態の貧弱な審美性を是正するために使用され得るが、シリコーンエラストマーは処方に更なる課題を追加し、そして概して極めて高価である。シリコーンエラストマー配合物は、日焼け止め剤の溶解度（万一日焼け止め剤が沈殿するならば、これはＵＶ保護の有効性に直接影響する）及び製品全体の安定性に影響を与えることがある。

パーソナルケア組成物は、油デイスパージョン又は油溶液などの油マトリックスの形態であることがある。油性の又は脂ぎった感触を隠すことは困難であり、そしてこれらのマトリックスの増粘に使用できる選択肢は多くはないので、これらの形態は一般的に不利である。シリコーンエラストマーは、マトリックスの増粘及び貧弱な審美性の是正の両方に使用され得るが、エマルジョンに対してはシリコーンエラストマーは処方に更なる課題を加える。シリコーンエラストマーは、日焼け止め剤の溶解度（これはＵＶ保護の有効性に直接影響する）及び製品全体の安定性に影響を与え得る。さらに、シリコーンエラストマーの増粘能力は、より有効なＵＶ日焼け止め活性物質の存在において、低下することがある。安定性を向上させ油性感を幾らか隠すためにワックスを含めることにより固体スティックを作ることができるが、貧弱な広がり性及びスティック製品を全顔面に使用することに対する嫌悪感のために、これは消費者に好まれるものではない。広がり性は、製品を薄層に広げ得る容易さであり、例えば、ぬぐう程度の剪断力を加えることにより組成物を皮膚上に広げる容易さである。

製品により提供されるＵＶ保護の程度は、皮膚の上の製品の均一性にも部分的に依存する。不均一な皮膚のトポロジーのために、弱い稠度の太陽保護製品は、高い皮膚表面には少量か又は全く日焼け止め剤のコーティングを残さず、下方へ流れ皮膚のしわへ落ち込みがちである。より高い粘度の製品は、より均一な日焼け止め剤製品のフィルムを皮膚上に実現し、それ故改善された太陽保護を実現すると予想される。

既存のＵＶ処方の別の問題は、ＵＶ保護を、消費者に提供できる他の特性に対してバランス保つことである。消費者向けの多くの日焼け止め剤は、太陽保護がただ１つの又は最も重要な製品の目的であるとして処方され、市場に出されている。しかし、パーソナルケア製品は、湿潤、老化防止処置及び老化阻止、クレンジング並びに急激な変化（すなわちメークアップ）などの他の目的のために処方される。より包括的な利益を消費者に提供するために、これらのパーソナルケア製品にＵＶ保護が加えられるが、処方の課題は高まる。顔面保湿剤又は老化防止処置などの、パーソナルケア製品の主要な目的を達成する製品を提供するには、審美性が決定的に重要である。

消費者は、審美性が適切でなければ、有効性のいかんにかかわらず、製品を使用しないであろう（すなわち、ワセリンは優れた皮膚軟化剤であるが、消費者は脂ぎってべとつく製品を顔に使用する審美性は受け入れないであろう）。結局、既存の処方は安定したＵＶ製品の実現を企てる場合もあるが、審美性の要求を悟らせ、検討し又は考慮することがない。

約１％〜約１０％の炭化水素ワックス、約１０％を超える極性油及び約１％〜約３０％の第１非乳化シリコーンエラストマーを含む、実質的に無水の油マトリックス形態の、安定したパーソナルケア組成物が提供され得、ワックスの極性油に対する重量比は約０．０１〜約０．５であり、パーソナルケア組成物は１．０ｋｇ〜約５．０ｋｇの広がり性と約３ｇ〜約１００ｇの硬さを呈する。

本発明の更なる態様は、以下の詳細な説明によって認識されるであろう。

すべての百分率は、特に記載のない限り、パーソナルケア組成物の重量に対する。特に別段の指定がない限り、比率はすべて重量比率である。すべての数の範囲はより狭い範囲を包含し、表現された上方及び下方範囲の限界値は互換可能であって、明示されていない範囲を更に作り出す。有効数字の数は、指示されている量を限定するものでもなく、測定の精度を限定するものでもない。すべての測定は、約２５℃及び周囲条件で行われると理解され、「周囲条件」とは、約１気圧及び相対湿度約５０％という条件を意味する。

本明細書で使用するとき、「パーソナルケア組成物」は、哺乳類のケラチン組織上への局所適用に好適な組成物を意味する。本発明の組成物は、スキンケア、化粧及びヘアケア製品に使用され得る。その非限定的用途としては、制汗剤、脱臭剤、ローション（例えば、ハンドローション及びボディローション）、スキンケア製品（例えば、フェイス及びネックローション、美容液、スプレー）、日焼け剤、化粧品（例えば、ファウンデーション、コンシーラー、ブラシ、リップスティック、リップグロス）、脱毛剤、シャンプー、コンディショニングシャンプー、ヘアコンディショナー、毛髪染料、ボディウォッシュ、加湿ボディウォッシュ、シャワーゲル、皮膚クレンザー、クレンジングミルク、ヘア及びボディウォッシュ、インシャワーボディモイスチャー、ペットシャンプー、剃毛調剤、アフターシェーブ、かみそり加湿／潤滑ストリップ、かみそりシェーブゲルバー、固形石鹸、洗浄製品、女性用ケア製品、口腔ケア製品及び乳児ケア製品が挙げられる。任意の前述の組成物を使用する方法も、パーソナルケア組成物の意味の中に含まれる。

本明細書において使用するとき、「ビューティケア組成物」は、日焼け止め剤ではないスキンケア活性物質を伴い処方されたパーソナルケア組成物を意味し、この組成物はケラチン組織の状態を改善する。ビューティケア組成物は、日焼け止め剤を含めることにより、二次的にＵＶ保護を提供することができる。改善される状態としては、皮膚の明度又は「輝き（glow）」を増加させること、しわ及び粗く深い線、細い線、裂け目、突出及び大きな毛穴の外観を減らすこと；ケラチン組織を厚くすること（例えば、皮膚の表皮及び／又は真皮及び／又は皮下層、並びに適用可能であれば爪及び毛幹の角質層を構築し、皮膚、毛髪又は爪の萎縮を減少させる）；真皮−表皮の境界の回旋（convolution）の増加（乳頭間***としても知られる）；皮膚又は毛髪弾性を増加させること、例えば損失、ダメージ及び／又は機能的皮膚エラスチンの不活性化に起因して、これらは結果的に弾力線維症、弛み、皮膚又は毛髪の変形からの反跳の損失状態を生じる；セルライトの減少；皮膚、毛髪又は爪の着色の変化、例えば目の下の円形、しみだらけの状態（例えば、一様でない赤色の着色、例えば酒さに起因するもの）、血色の悪さ、毛細血管拡張症又はクモ状血管（spider vessels）によって引き起こされる変色、乾燥、もろさ及び白くなりかけた髪、が挙げられる。

本明細書において使用するとき、「ケラチン組織」は、哺乳類の最も外側の保護カバーとして配置されるケラチン含有層を指し、これは皮膚、毛髪及び爪を含むが、これらに限定されない。

本明細書において使用するとき、「安定した」及び「安定性」は、約２１℃及び４０℃の制御された環境温度において５日間放置した場合、シネレシスを呈しない組成物を意味する。シネレシス試験は、理想的には少なくとも５０ｇの試料により行われる。理想的には、直径が３．８１ｃｍ及び５．０８ｃｍ（高さが３．８１ｃｍ（１．５インチ）及び５．０８ｃｍ（２．０インチ））の寸法の円筒容器に約５０ｇの組成物を充填して、試料を調製する。時間とともにバルク製品から液体がシネレシスするか否かを判定するために、試料を肉眼観察する。いずれの温度でも全くシネレシスが起きない場合、製品は「安定」とみなす。いずれかの温度でシネレシスが起きる場合、安定性は「不安定」とみなす。

本明細書において使用するとき、「誘導体」は、関連化合物のエステル、エーテル、アミド及び／又は塩誘導体を意味する。

本明細書において使用するとき、「極性」は、溶解度パラメーターが７．４（カロリー／ｃｍ³）^0.5以上から約１１（カロリー／ｃｍ³）^0.5の物質を意味する。本発明において使用するとき、「非極性」は、溶解度パラメーターが７．４（カロリー／ｃｍ³）^0.5未満の物質を意味する。溶解度パラメーターは、Ｃ．Ｄ．Ｖａｕｇｈａｎにより、「ＴｈｅＳｏｌｕｂｉｌｉｔｙＰａｒａｍｅｔｅｒ：Ｗｈａｔｉｓｉｔ？」、Ｃｏｓｍｅｔｉｃｓ＆Ｔｏｉｌｅｔｒｉｅｓｖｏｌ．１０６，Ｎｏｖｅｍｂｅｒ，１９９１，ｐｐ．６９〜７２において、より詳細に論じられている。溶解度パラメーターは、Ｂａｒｔｏｎ，ＡＦＭ（１９９１），ＨａｎｄｂｏｏｋｏｆＳｏｌｕｂｉｌｉｔｙＰａｒａｍｅｔｅｒｓａｎｄＯｔｈｅｒＣｏｈｅｓｉｏｎＰａｒａｍｅｔｅｒｓ，２ｎｄｅｄｉｔｉｏｎ．ＣＲＣＰｒｅｓｓで論じられている手順に従って、測定又は計算できる。

本明細書において使用するとき、「硬さ」とは、ＴｅｘｔｕｒｅＥｘｐｅｒｔＥｘｃｅｅｄソフトウェア（２．６４版）を備えたＴＡ−ＸＴ２ｉＴｅｘｔｕｒｅＡｎａｌｙｚｅｒを使用して、直径２ｍｍを有する円筒型測定子（ＴｅｘｔｕｒｅＴｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓのＴＡ−５２測定子）が１ｍｍ／ｓの速度で組成物中に０．５ｍｍの距離まで侵入するのに要する、グラム（ｇ）表示の力の大きさを意味する。理想的には、直径が３．８１ｃｍ及び５．０８ｃｍ（高さが３．８１ｃｍ（１．５インチ）及び５．０８ｃｍ（２．０インチ））の寸法の円筒容器に、約５０ｇの組成物を充填して試料を調製する。比較試料は、購入した容器の中で測定され得る。硬度を測定する前に、組成物を２１℃＋／−１℃の温度に熱平衡させる。

本明細書において使用するとき、「固体」は、テキスチャー・アナライザーにより測定した硬さが１２０ｇ以上である組成物を意味する。

本明細書において使用するとき、「広がり性」とは組成物が薄層に広げられる性能を指し、例えば、ぬぐう程度の剪断力を印加することによって、組成物を皮膚の上に広げるときのものである。広がり性は以下の方法により測定することができ、この方法は当業者ににより理解されるであろう。高さが２５ｍｍのＴＡ−４２５ＴＴＣＳｐｒｅａｄａｂｉｌｉｔｙＦｉｘｔｕｒｅ（ＴｅｘｔｕｒｅＴｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓＣｏｒｐ．）、すなわちオス及びメスのアクリル製９０°コーンを使用し、メスのコーンにスパチュラを使用して指定の製品を充填する。充填操作中は、製品を過剰に動かすことを注意深く避ける。空気ポケットをなくするために必要なだけ製品を徐々に押し下げる。かみそりを使用して製品表面を平らにする。メス型コーンとオス型コーン下部との間の距離が正確に１．５ｍｍになるまで、メス型コーンからの製品の排出をもたらしながら、オス型コーンがメス型コーン中の製品を３ｍｍ／ｓの速度で横切るのに必要とされる最大の力をキログラム（ｋｇ）で測定する。引っ張り速度を１０ｍｍ／ｓにセットする。組成物及びコーン装置の温度は２１℃＋／−１℃である。

処方の柔軟性を維持しながら、パーソナルケア組成物中の油マトリックスを安定化させる課題を克服するために、本発明は望ましい広がり性を維持するにもかかわらず、脂ぎった感じを克服する独特な硬さを有する製品に関する。理論に束縛されるものではないが、油を捕捉するワックスの結晶ネットワークを含む固体生成物とは異なり、本発明により得られる安定性の利点は、結晶間の連結の程度によらず維持される、すなわち、結晶のネットワークは油を閉じ込めるためには必要ではない。これは、広がり性の容易さなどの消費者にとって好ましい属性を保持しながら、改善された硬さと構造を呈する製品の形成を許し、改善された審美性を生みだす。

パーソナルケア組成物は、実質的に無水の油マトリックスの形態であり得る。用語「実質的に無水」は、水及び親水性成分が意図的にマトリックスに添加されていないことを意味するが、例えば、化学反応の副生成物として又は環境からの吸収の結果として、少量の水及び親水性成分が偶然に存在することはあり得る。パーソナルケア組成物は、少なくとも約１５％の油を含む。ある実施形態においては、パーソナルケア組成物は約２０％〜約９０％の油相又は約４０％〜約９０％の油相を含む。油相は、シリコーン油、非シリコーン油（炭化水素油、エステル、エーテル、これらに類するものなど）及びこれらの混合物を含み得る。１つの実施形態では、油相は、シリコーン油、極性炭化水素油及びこれらの混合物を含む。

極性油−１つの態様においては、パーソナルケア組成物は極性油を含む。パーソナルケア組成物は、約１０％を超える極性油を含むことがあり、また別の実施形態においては約２０％を超える極性油を含むことがある。好適な極性油としては、エーテル、エステル、アミド、プロポキシラート及びこれらの混合物が挙げられる。上述の油は、飽和、不飽和、脂肪族（直鎖又は分枝鎖）、脂環式又は芳香族であり得る。

好適な極性油としては、ブチル及びイソプロピルフタルイミド（Ｐｅｌｅｍｏｌ（商標）ＢＩＰ）、安息香酸フェニルエチル（Ｘ−ｔｅｎｄ（商標）２２６）、炭酸ジカプリリル（Ｔｅｇｏｓｏｆｔ（商標）ＤＥＣ）、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル（Ｅｌｄｅｗ（商標）ＳＬ２０５）、オクチルサリチル酸ブチル（Ｈａｌｌｂｒｉｔｅ（商標）ＢＨＢ）、リンゴ酸ジオクチル、マレイン酸ジカプリリル（Ｈａｌｌｂｒｉｔｅ（商標）ＤＣＭ）、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル（ＣｅｔｉｏｌＢ）、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプロン酸プロピレングリコール（propylene glycol dicaprate）、Ｃ１２〜１５アルコールベンゾエート（ＦｉｎｓｏｌｖＴＮ）、ＰＰＧ−１１ステアリルエーテル及びこれらの誘導体並びに混合物が挙げられるが、これらに限定されない。

他の例示的な極性油としては、レチノール及びプロピオン酸レチニルなどのレチノイド、トコフェロール（すなわち、ビタミンＥ）、トコフェロールの誘導体及びアスコルビン酸テトラへキシルデシルが挙げられる。

日焼け止め剤は極性油の別の例である。例示的な日焼け止め剤としては、ベンゾフェノン−３、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシ−ベンゾイルヘキシルベンゾエート、エチルヘキシルトリアゾン、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルヘキシルメトキシ−シンナメート、エチルヘキシルサリチレート、オクトクリレン、ホモサレート、ポリシリコーン−１５，２−エチルヘキシルＮ，Ｎ−ジメチル−ｐ−アミノベンゾエート、４−イソプロピルジベンゾイルメタン、３−（４−メチルベンジリデン）カンファー、３−ベンジリデンカンファー及びメンチルアントラニラートが挙げられるが、これらに限定されない。１つの実施形態では、組成物は２種以上の日焼け止め剤を含む。

１つの実施形態では、極性油は、市販の精製状態で油溶性結晶質及び／又は固体化合物である、少なくとも１種の油溶性日焼け止め剤を含む。油溶性結晶質及び／又は固体日焼け止め剤は、本発明のパーソナルケア組成物に実質的に溶解し、結晶形態として残らないことが理解される。例えば、好適な極性油は、ブチルメトキシジベンゾイルメタンとラウリルサルコシン酸イソプロピルなどの、油溶性結晶質日焼け止め剤と溶媒との組み合わせを含み得る。特に好適な結晶質日焼け止め剤としては、ベンゾフェノン−３、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシ−ベンゾイルヘキシルベンゾエート及びエチルヘキシルトリアゾンが挙げられる。

炭化水素ワックス−組成物は炭化水素ワックスを含む。本明細書で使用するとき、「炭化水素ワックス」は、室温において固体であり、炭素元素及び水素元素からなる物質を意味する。炭化水素ワックスは、純粋な炭化水素反応物質から作られるので、ヘテロ原子（すなわち、酸素、窒素）を実質的に含まない。炭化水素ワックス中に存在するどのヘテロ原子も意図しない不純物である。炭化水素の構造は、直鎖、分枝鎖又はナフテン系であり得、合成的に又は天然的に誘導され得る。供給源としては、フィッシャー・トロプシュ合成、アルケンの重合、ペトロラタム及び鉱物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、パーソナルケア組成物は、組成物重量の約０．０１％〜約１０％、又は約１％〜約８％、又は約４％〜約６％の炭化水素ワックスを含む。

好適な炭化水素ワックスは、飽和炭化水素を含む。

好適な炭化水素ワックスとしては、５％未満のＣＨＲ₃ポリマーサブユニットを有するとして定義される直鎖炭化水素ワックスが挙げられ、式中、Ｒは長さがＣ₁〜Ｃ₁₀₀の炭化水素鎖である。例としては、ポリエチレン、ポリメチレン及び同様の合成ワックスが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、組成物は２種以上の炭化水素ワックスを含む。

特定の実施形態においては、炭化水素ワックスは次のうちの１つ以上を示し得る：約９０％超の飽和度；２０〜１００個の炭素原子、又は２５〜８０個の炭素原子、又は３０〜７０個の炭素原子；５％未満のＣＨＲ₃ポリマーサブユニットを有し、ここでＲがＣ₁〜Ｃ₁₀₀の長さの炭化水素鎖であること；重量平均重合度を数平均重合度で除することにより定義される分子量分布の幅、すなわち多分散指数が、約１．１未満又は約１．０５未満であること；約５５℃〜約１５０℃又は約６５℃〜約１００℃の融点；２５℃においてＡＳＴＭ１３２１により測定される針入度が、約１ｄｍｍ〜約４５ｄｍｍ又は約２ｄｍｍ〜約１５ｄｍｍ又は約２ｄｍｍ〜約１０ｄｍｍであること。単位ｄｍｍは、ミリメートルの１０分の１を指す。

極性油に対するワックスの重量比率が低くすぎる場合には、組成物は不安定となりシネレシスすることが見いだされている。逆に、ワックスの極性油に対する重量比が高すぎる場合には、組成物は固体スティックの形態をとり、貧弱な広がり性などの消費者が好まない性質を示す。本発明のパーソナルケア組成物は、２１℃において約３ｇ〜約１２０ｇ、約３ｇ〜約１００ｇ、約１０ｇ〜約７５ｇ、又は約２０ｇ〜約５０ｇの硬さを示す。固体スティックにおいては、連続ワックス結晶ネットワークが生じ、その結果油が捕捉される。しかし、固体スティックは消費者に魅力的ではなく、また広がり性は貧弱である。固体スティックは著しくワックス感覚であり、例えば、重く、粉末のような柔らかさに劣り、吸収に時間がかかる。顔全体に適用される場合に、これらの負の審美性は特に顕著であり、非常に望ましくない。本発明のパーソナルケア組成物は、約１．０ｋｇ〜約５．０ｋｇの、又は約２．０ｋｇ〜約４．０ｋｇの広がり性を示す。したがって、約０．０１〜約０．５、又は約０．１〜約０．５、又は約０．２〜約０．４のワックスの極性油に対する重量比が好適であることが見いだされた。

非乳化シリコーンエラストマー−１つの態様においては、パーソナルケア組成物は第１非乳化シリコーンエラストマーを含む。「非乳化シリコーンエラストマー」は、シリコーンエラストマーがポリオキシアルキレン基を含まないことを意味する。パーソナルケア組成物は、組成物の約１重量％〜約３０重量％、又は約２重量％〜約２０重量％、又は約３重量％〜約１０重量％の、第１非乳化シリコーンエラストマーを含み得る。

組成物は、第１非乳化シリコーンエラストマーとは化学的に異なる、第２非シリコーンエラストマーを含み得る。「化学的に異なる」とは、ＰｅｒｓｏｎａｌＣａｒｅＰｒｏｄｕｃｔＣｏｕｎｃｉｌのＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＣｏｓｍｅｔｉｃＩｎｇｒｅｄｉｅｎｔＤｉｃｔｉｏｎａｒｙａｎｄＨａｎｄｂｏｏｋ，１２^th Ｅｄ．及び２００８ＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＢｕｙｅｒｓ’Ｇｕｉｄｅにある、「化粧品原料の国際命名法（International Nomenclature of Cosmetic Ingredients、ＩＮＣＩ）」による独自の名称を材料が有することを意味する。パーソナルケア組成物は、組成物の約１重量％〜約１０重量％、又は約２重量％〜約８重量％、又は約４重量％〜約６重量％の、第２非乳化シリコーンエラストマーを含み得る。

好適な非乳化シリコーンエラストマーとしては、ＩＮＣＩに指定されている、ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ（商標）（ＤＣ９５０６、ＤＣ９７０１、ＥＰ９２６１Ｔ１、ＥＰ９２１５及びＥＰ９２９３ＡＬ）、ＧｅｎｅｒａｌＥｌｅｃｔｒｉｃ（商標）（ＳＦＥ８３９）、ＳｈｉｎＥｔｓｕ（商標）（ＫＳＧ１５及び１６）及びＧｒａｎｔＩｎｄｕｓｔｒｉｅｓ（ＧＲＡＮＳＩＬ（商標）ＲＰＳ−ＮＡ）により供給されているようなジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマー、並びにＳｈｉｎＥｔｓｕ（商標）から入手可能なＫＳＧ１８等のジメチコン／フェニルビニルジメチコンクロスポリマーが挙げられる。他の例示的なシリコーンエラストマーとしては、ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ（商標）ＤＣ９０４０，ＤＣ９０４１及びＤＣ９０４５を含む、ＩＮＣＩに指定されているジメチコンクロスポリマーが挙げられる。非乳化シリコーンエラストマーは、シリカ、二酸化チタン及びアルミナ（これに限定されないが）を含めるために、表面処理することもできる。

非乳化シリコーンエラストマーは、溶媒によりあらかじめ膨潤して供給されてよい（またはパーソナルケア組成物の他の成分とのコンパウンドに先立ち溶媒により膨潤されてもよい）。あらかじめ膨潤したエラストマーを用いる場合、上述の重量パーセントは、エラストマー粒子のみのものである（溶媒の重量を除く）。更に、非乳化シリコーンエラストマーは粉末として供給され得る。粉末の非乳化シリコーンエラストマーは、非極性油又は他の好適な液体が存在すると、パーソナルケア組成物の中で膨潤することがあることが認められている。ある実施形態においては、第１非乳化シリコーンエラストマーが膨潤したエラストマーであってもよく、第２非乳化シリコーンエラストマーが粉末であってよく、又その逆であってよい。

特定の実施形態においては、パーソナルケア組成物は約１０％〜約７０％、及びあるいは３０％〜約５０％の、１種以上の溶媒を含んでよい。好適な溶媒として非極性油が挙げられる。非極性油は、天然、合成、飽和、不飽和、直鎖、分枝鎖、線状、環状、芳香族、揮発性、非揮発性、及びこれらの組み合わせであってよい。好適な非極性油の非限定的な例としては、シリコーン油、炭化水素油及びこれらの混合物が挙げられる。好適な非極性炭化水素油の例としては、鉱油及び分枝鎖炭化水素（例えば、商品名Ｐｅｒｍｅｔｈｙｌ（商標）（ＰｅｒｍｅｔｈｙｌＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（商標））、及びＩｓｏｐａｒ（商標）（Ｅｘｘｏｎ（商標））として市販されている）が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非極性シリコーン油の例としては、シクロメチコン（シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン）、ジメチコン及びこれらの混合物を含む直鎖及び環状ポリジメチルシロキサンが挙げられるが、これらに限定されない。市販されているこれらのタイプのシリコーンの例としては、ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ２００シリーズ、ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ３４４及びＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ３４５（すべてＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ（商標）Ｃｏｒｐ．から入手可能）、並びにＳＦ１２０２、ＳＦ１２０４及びＶｉｓｃａｓｉｌ（商標）シリーズ（すべて、Ｇ．Ｅ．Ｓｉｌｉｃｏｎｅｓ（商標）から入手可能）が挙げられる。更なる非極性シリコーン油としては、アルキル（例えば、炭素数２〜３０）及びアリール（例えば、フェニル又はスチレニル）置換シリコーンが挙げられ、フェニルメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルエチルジメチコン、ヘキシルジメチコン、ラウリルジメチコン、セチルジメチコン、ステアリルジメチコン、ビス−ステアリルジメチコン及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態においては、非極性皮膚軟化剤は低粘度（５０ｃｓｔ未満の粘度を意味する）である。多くの前述の溶媒もまた、溶媒としての使用に加えて又は溶媒としての使用とは独立して、皮膚軟化剤として非乳化シリコーンエラストマーに使用され得る。

乳化剤−１つの態様においては、組成物は、直鎖、分枝鎖及び／又は架橋性であり得る１種以上の乳化剤を含む。特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、全体で組成物の約０．０５重量％〜約２０重量％、又は約０．１重量％〜約１０重量％の乳化剤を含み得る。乳化剤の非限定的な例は、米国特許第３，７５５，５６０号、同第４，４２１，７６９号、及びＭｃＣｕｔｃｈｅｏｎ’ｓＤｅｔｅｒｇｅｎｔｓａｎｄＥｍｕｌｓｉｆｉｅｒｓ，ＮｏｒｔｈＡｍｅｒｉｃａｎＥｄｉｔｉｏｎａｎｄＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＥｄｉｔｉｏｎ，ページ２３５〜２４６（１９９３）に開示されている。

乳化剤として、乳化シリコーンエラストマーを挙げ得る。好適な乳化シリコーンエラストマーとしては、少なくとも１つのポリアルキルエーテル単位を有する、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーが挙げられる。これら架橋エラストマーはまた、共修飾されて、アルキル置換基を含み得る。特に有用な乳化ポリオキシエチレン架橋エラストマーとしては、ＳｈｉｎＥｔｓｕ製ＫＳＧ−２１、ＫＳＧ−２１０、ＫＳＧ−２４、ＫＳＧ−２４０、ＫＳＧ−３１、ＫＳＧ−３１０、ＫＳＧ−３２、ＫＳＧ−３２０、ＫＳＧ−３３、ＫＳＧ−３３０、ＫＳＧ−３４及びＫＳＧ−３４０が挙げられる。

直鎖又は分枝鎖型シリコーン乳化剤も、本出願において有用である。特に有用なポリエーテル又はポリグリセロール化修飾シリコーン乳化剤としては、ＳｈｉｎＥｔｓｕのＫＦ−６１００、ＫＦ−６１０４、ＫＦ−６１０５、ＫＦ−６０１１、ＫＦ−６０１２、ＫＦ−６０１３、ＫＦ−６０１５、ＫＦ−６０１６、ＫＦ−６０１７、ＫＦ−６０４３、ＫＦ−６０２８及びＫＦ−６０３８が挙げられる。

パーソナルケア組成物は、任意に、微粒子状物質、不溶性日焼け止め剤及び／又はスキンケア活性物質を含み得る。

微粒子状物質−特定の実施形態では、組成物は、組成物の約０．１重量％〜約４０重量％、又は約１重量％〜約３０重量％、又は５重量％〜約２０重量％の１種以上の微粒子物質を含む。好適な粉末の非限定例としては、無機粉末（例えば、酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ）、有機粉末、複合粉末、光学的光沢剤粒子及び前述のいずれかの混合物が挙げられる。これら微粒子は、例えば、小板形、球形、細長い形状若しくは針形又は不規則形状、表面コーティング有り又は無し、有孔又は無孔、荷電又は非荷電であってよく、及び本組成物に粉末として又はあらかじめ分散させて添加することができる。１つの実施形態では、微粒子物質は疎水性コーティングされている。

好適な有機粉末微粒子物質としては、メチルシルセスキオキサン樹脂微小球（例えば、Ｔｏｓｐｅａｒｌ（商標）１４５Ａ（東芝シリコーン））から選択される高分子粒子；ポリメチルメタクリラートの微小球（例えばＭｉｃｒｏｐｅａｒｌ（商標）Ｍ１００（Ｓｅｐｐｉｃ））；架橋ポリジメチルシロキサンの球状粒子（例えば、Ｔｒｅｆｉｌ（商標）Ｅ５０６Ｃ又はＴｒｅｆｉｌ（商標）Ｅ５０５Ｃ（ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇＴｏｒａｙＳｉｌｉｃｏｎｅ））；ポリアミドの球状粒子（例えばナイロン−１２及びＯｒｇａｓｏｌ（商標）２００２ＤＮａｔＣ０５（Ａｔｏｃｈｅｍ））；ポリスチレン微小球（例えばＤｙｎｏＰａｒｔｉｃｌｅｓ、Ｄｙｎｏｓｐｈｅｒｅｓ（商標）の名で販売）及びエチレンアクリラートコポリマー（ＦｌｏＢｅａｄ（商標）ＥＡ２０９（Ｋｏｂｏ）の名で販売）；デンプンオクテニルコハク酸アルミニウム（例えば、ＤｒｙＦｌｏ（商標）（ＮａｔｉｏｎａｌＳｔａｒｃｈ））；ポリエチレン微小球（例えば、Ｍｉｃｒｏｔｈｅｎｅ（商標）ＦＮ５１０−００（Ｅｑｕｉｓｔａｒ）及びＭｉｃｒｏｐｏｌｙ（登録商標）２２０Ｌ（ＭｉｃｒｏＰｏｗｄｅｒｓ，Ｉｎｃ．））；ポリプロピレンの微小球（例えば、Ｍａｔｔｅｗａｘ（商標）５１１（ＭｉｃｒｏＰｏｗｄｅｒｓ，Ｉｎｃ．））；シリコーン樹脂；ポリメチルシルセスキオキサンシリコーンポリマー；Ｌ−ラウロイルリジンから製造される小板形状粉末；並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。

特定の実施形態においては、組成物は疎水変性干渉顔料などの干渉顔料を含む。本明細書において、「干渉顔料」とは、厚さが制御された２つ以上の層を有する薄い板状の層状粒子を意味する。層は異なる屈折率を有し、これによって、板状粒子の異なる層からの典型的には２つの、ただし時折それ以上の光反射の干渉によって特有の反射色が生じる。干渉顔料の一例は、約５０〜３００ｎｍの、ＴｉＯ₂、Ｆｅ₂Ｏ₃、シリカ、酸化スズ及び／又はＣｒ₂Ｏ₃のフィルムと共に層化された雲母であり、真珠光沢顔料を含む。干渉顔料は、多種多様な供給元、例えば、Ｒｏｎａ（Ｔｉｍｉｒｏｎ（商標）及びＤｉｃｈｒｏｎａ（商標））、Ｐｒｅｓｐｅｒｓｅ（Ｆｌｏｎａｃ（商標））、Ｅｎｇｌｅｈａｒｄ（Ｄｕｏｃｈｒｏｍｅ（商標））、Ｋｏｂｏ（Ｉｎｔｅｒｆｉｎｅ、Ｉｎｔｅｒｖａｌ、ＳＫ−４５−Ｒ及びＳＫ−４５−Ｇ）、ＢＡＳＦ（Ｓｉｃｏｐｅａｒｌｓ（商標））及びＥｃｋａｒｔ（Ｐｒｅｓｔｉｇｅ（商標））から市販されている。１つの実施形態においては、干渉顔料の個々の粒子の最も長い辺の平均直径は、約７５マイクロメートル未満、あるいは約５０マイクロメートル未満である。

微粒子はまた、着色剤も含み得る。好適な着色剤の非限定例としては、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー及び酸化クロム、フタロシアニンブルー及びグリーン顔料、カプセル化染料、無機白色顔料、例えば、ＴｉＯ₂、ＺｎＯ又はＺｒＯ₂、ＦＤ＆Ｃ染料、Ｄ＆Ｃ染料、並びにこれらの混合物が挙げられる。

不溶性日焼け止め剤−特定の実施形態においては、組成物は、組成物の約０．００１重量％〜約１０重量％又は約０．１重量％〜約５重量％の不溶性日焼け止め剤を含む。好適な不溶性日焼け止め剤の非限定例としては、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチル−フェノール（ＴｉｎｏｓｏｒｂＭ）、二酸化チタン、酸化亜鉛セリウム、酸化亜鉛及びこれらの誘導体並びに混合物が挙げられる。

スキンケア活性物質−特定の実施形態においては、組成物は１種以上のスキンケア活性物質を含む。好適なスキンケア活性物質としては、ビタミン、ペプチド、糖アミン、オイルコントロール剤、日焼け活性物質、抗ニキビ活性物質、落屑活性物質、抗セルライト活性物質、キレート剤、美白剤、フラボノイド、タンパク質分解酵素抑制剤、非ビタミン酸化防止剤及びラジカルスカベンジャー、育毛調整剤、しわ防止活性物質、抗皮膚萎縮活性物質、ミネラル、フィトステロール及び／又は植物ホルモン、チロシナーゼ抑制剤、抗炎症剤、Ｎ−アシルアミノ酸化合物、抗菌剤、並びに抗カビ剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらのスキンケア活性物質及びその他は、米国特許出願公開第２００６／０２７５２３７（Ａ１）号、同第２００４／０１７５３４７（Ａ１）号及び同第２００６／０２６３３０９（Ａ１）号に更に詳細が提供されている。

特に好適な皮膚活性物質としては、ビタミンＢ₃化合物、糖アミン、ペプチド、ヘキサミジン化合物及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用するとき、「ビタミンＢ₃化合物」は、次式を有する化合物を意味する

（式中、Ｒは、−ＣＯＮＨ₂（すなわち、ナイアシンアミド）、−ＣＯＯＨ（すなわち、ニコチン酸）又は−ＣＨ₂ＯＨ（すなわち、ニコチニルアルコール）；これらの誘導体；及び前述のいずれかの塩である）。本明細書で使用するとき、「糖アミン」は、その異性体及び互変異性体、並びにその塩（例えば、ＨＣｌ塩）及びその誘導体を包含する。糖アミンの例としては、グルコサミン、Ｎ−アセチルグルコサミン、マンノサミン、Ｎ−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、Ｎ−アセチルガラクトサミン、これらの異性体（例えば、立体異性体）及びこれらの塩（例えば、ＨＣｌ塩）が挙げられる。本明細書で使用する時、「ペプチド」は１０以下のアミノ酸を含有するペプチド及びその誘導体、異性体、並びに金属イオン（例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムなど）のような他の種との錯体を指す。本明細書で使用するとき、「ヘキサミジン化合物」は次式を有する化合物を意味する

（式中、Ｒ¹及びＲ²は任意であるか、又は有機酸（例えば、スルホン酸など）及びその塩及び誘導体である）。

更に好適なスキンケア活性物質としては、白茶抽出物、緑茶抽出物、朝鮮人参及び他の天然又は植物性化合物が挙げられる。

方法
本発明は更に、紫外線の有害な影響からケラチン組織を保護する方法に関する。このような方法は、一般的に、ケラチン組織に達する紫外線の量を減衰する又は減少させることを伴う。特定の実施形態においては、本明細書に記載のパーソナルケア組成物は、日焼け、毛髪の乾燥又は損傷、及び皮膚の早期老化などの紫外線の有害な影響からのケラチン組織の保護を提供するための日焼け止め剤として使用するのに好適である。

本発明のパーソナルケア組成物は、ケラチン組織の状態を調節及び／又は改善し得るが、その非限定的な例には皺の外見を減少させること、深い線の外見を減少させること、細かい線の外見を減少させること、大きい穴の外見を減少させること、ケラチン組織の厚さを減少させること、真皮−表皮の境界の回旋を増加させること、弾力を増加させること、セルライトの外見を減少させること、変色の外見を減少させること、目の下のくまの外見を減少させること、黄ばみの外見を減少させること、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

組成物の適用は、手又は指で擦り込む、ぬぐう又はそっとたたく、あるいは用具及び／又は供給促進機器を使用することを含む種々の手段によって行うことができる。用具の非限定的な例として、スポンジ又は先端がスポンジの塗布器、モップ（例えば、先端が綿のモップ）、任意に発泡体又はスポンジ塗布器を含むペン、ブラシ、拭取り布及びこれらの組み合わせが挙げられる。供給促進機器の非限定的な例としては、機械的な、電気的な、超音波の及び／又はその他のエネルギー装置が挙げられる。適用後、組成物はケラチン組織上に留まることが許される。

パーソナルケア組成物の非限定的な実施例を以下に記述する。報告する百分率は、パーソナルケア組成物の総重量の百分率として表される成分の重量を示す。各実施例は、１種以上の任意成分を本明細書に開示される量含んでよい。実施例を以下のとおり準備する。

適切な容器内で、日焼け止め剤（例えば、エチルヘキシルサリチレート、ホモサレート、オクトクリレン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ベンゾフェノン−３）、日焼け止め溶媒（例えば、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル）及びワックス（例えば、Ｃｉｒｅｂｅｌｌｅ３０３、Ａｃｃｕｍｅｌｔ８２又はＡｃｃｕｍｅｌｔ９０）を混ぜ合わせ、混合しながら９０℃に加熱する。溶液が肉眼で半透明になり、かつ微粒子が見えなくなったら、同じ容器に残りの成分を加える。生成物の温度をワックスの融点よりも高く維持しながら、滑らかで均質になるまで激しく撹拌する。製品を熱源から移動させ、熱い製剤を適切な容器に注ぎ、振動又は外乱を与えずに、室温まで冷却する。

¹ ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ（商標）（Ｍｉｄｌａｎｄ，ＭＩ）製のジメチコンクロスポリマー（約１２％）及びシクロペンタシロキサン（約８８％）。
² ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ（商標）（Ｍｉｄｌａｎｄ，ＭＩ）製のジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマー／非晶質ヒュームドシリカ。
³ ＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ（商標）（Ｍｉｄｌａｎｄ，ＭＩ製）ジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマー。
⁴ Ｓｈｉｎ−Ｅｔｓｕ（商標）（Ｎｅｗａｒｋ，ＣＡ）製のＰＥＧ−１５／ラウリルジメチコンクロスポリマー及び鉱油。
⁵ Ｍｏｍｅｎｔｉｖｅ（商標）ＰｅｒｆｏｒｍａｎｃｅＭａｔｅｒｉａｌｓ，Ｉｎｃ．（Ａｌｂａｎｙ，ＮＹ）製のポリメチルシルセスキオキサン。
⁶ ＭｉｃｒｏＰｏｗｄｅｒｓ，Ｉｎｃ．（Ｔａｒｒｙｔｏｗｎ，ＮＹ）製のポリエチレン。
⁷ ＡｒｃｈＣｈｅｍｉｃａｌｓ，Ｉｎｃ．（ＳｏｕｔｈＰｌａｉｎｆｉｅｌｄ，ＮＪ）製のポリエチレンワックス。
⁸ ＴｈｅＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌＧｒｏｕｐＩｎｃ．（Ｔｏｒｏｎｔｏ，Ｏｎｔａｒｉｏ）製の合成ワックス。
⁹ Ｓｈｉｎ−Ｅｔｓｕ（商標）（Ｎｅｗａｒｋ，ＣＡ）製のラウリルポリグリセリル−３ポリジメチルシロキシエチルジメチコン。
¹⁰ Ｓｈｉｎ−Ｅｔｓｕ（商標）（Ｎｅｗａｒｋ，ＣＡ）製のラウリルＰＥＧ−９ポリジメチルシロキシエチルジメチコン。

比較例

¹¹ ＳＰＦ６０＋、日焼け止め剤：６％二酸化チタン、４％酸化亜鉛；ワックス：蜜蝋、セチルアルコール、キャンデリラワックス、オゾケライト、パラフィン、ポリエチレン、ステリック酸（steric acid）。
¹² ＳＰＦ３０、日焼け止め剤：７．０％ホモサレート、７．５％エチルヘキシルメトキシケイ皮酸、５．０％エチルヘキシルサリチレート、８．０％オクトクリレン、６．０％ベンゾフェノン−３；ワックス：オゾケライト、イソセチルアルコール、蜜蝋、カカオバター。
¹³ ＳＰＦ保護なし、ワックス：キャンデリラワックス、オゾケライト、カルナバワックス。
¹⁴ ＳＰＦ２３、日焼け止め剤：８．０％パディメートＯ、４．０％ベンゾフェノン−３、ワックス：パラフィン、ココアバター。
¹⁵ ＳＰＦ１５、日焼け止め剤：４．０％エチルヘキシルサリチレート、２．０％ブチルメトキシジベンゾイルメタン、１．０％フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、１．０％オクトクリレン；ワックス：ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール。

硬さは、力が加えられた場合の変形に対する物質の抵抗力の大きさである。硬さの測定方法論とは大違いで、広がり性の測定に使用されるコーン型装置は、製品が詰め込まれる又は圧縮され得る配置は用意されていない。したがって、広がり性の測定においては、製品は外部へ流出することを余儀なくされ、この流出を達成するために必要となる最大の力が測定される。

比較実施例においては、スティックとして販売される製品タイプ（これらの多くが日焼け止め剤を含有する）すべてが高い硬さ値を有し、これに応じて同様に高い広がり性の値を有しており、これはスティックが皮膚の上で均一に広がり難いことを示している。貧弱な広がり性は、ひいては、消費者が実際に使用する状況における貧弱な日焼け止め剤効率と言い換えることができる。あるいは、従来のクリームは広がり性が低く、皮膚上における日焼け止め剤の効率を上昇はするが、製品硬さが低いこのタイプは、例外ではない。本発明のパーソナルケア組成物は、広がり性を犠牲にすることなく顕著な硬さを達成することにより消費者を喜ばせるという利益及び日焼け止め剤性能の利益を提供する。

本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することを意図している。

相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用されるすべての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他のさまざまな変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で取り扱うものとする。

Claims

実質的に無水の油性マトリックス形態の安定したパーソナルケア組成物であって、
ａ）１％〜１０％の炭化水素ワックス、好ましくはポリエチレンワックス、ポリメチレンワックス及びこれらの組み合わせからなる群から選択される炭化水素ワックス、
ｂ）１０％を超える極性油、
ｃ）１％〜３０％の第１非乳化シリコーンエラストマー、を含み、
ワックスの極性油に対する重量比が０．０１〜約０．５であり、
前記パーソナルケア組成物が１．０ｋｇ〜５．０ｋｇの広がり性及び３ｇ〜１２０ｇの硬さを示す、パーソナルケア組成物。
前記炭化水素ワックスが、２０〜１００個の炭素原子を含む、請求項１に記載の安定したパーソナルケア組成物。
前記炭化水素ワックスが、５％未満のＣＨＲ₃（ＲはＣ₁〜Ｃ₁₀₀の長さの炭化水素鎖である）高分子サブユニットを含む直鎖炭化水素ワックスである、請求項１又は２に記載の安定したパーソナルケア組成物。
前記炭化水素ワックスが、約１．１未満の多分散指数を有する、請求項１〜３のいずれか一項に記載の安定したパーソナルケア組成物。
前記炭化水素ワックスが、約５５℃〜約１５０℃の融点を有する、請求項１〜４のいずれか一項に記載の安定したパーソナルケア組成物。
前記極性油が、
ａ）日焼け止め剤、好ましくは、ベンゾフェノン−３、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシ−ベンゾイルヘキシルベンゾエート、エチルヘキシルメトキシ−シンナメート、エチルヘキシルサリチレート、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクリレン、ホモサレート、ポリシリコーン−１５及びこれらの混合物からなる群から選択される日焼け止め剤、
ｂ）ブチルフタルイミド、イソプロピルフタルイミド、安息香酸フェニルエチル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、オクチルサリチル酸ブチル、リンゴ酸ジオクチル、マレイン酸ジカプリリル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプロン酸プロピレングリコール（propylene glycol dicaprate）、Ｃ１２〜１５アルコールベンゾエート、誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択される成分、又は
ｃ）少なくとも、群（ａ）からの１種の日焼け止め剤、及び群（ｂ）からの１つの成分を含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の安定したパーソナルケア組成物。
スキンケア活性物質を更に含み、前記スキンケア活性物質が、ビタミンＢ₃化合物、糖アミン、ペプチド、ヘキサミジン化合物及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項１〜６のいずれか一項に記載の安定したパーソナルケア組成物。
微粒子状物質を更に含む、請求項１〜７のいずれか一項に記載の安定したパーソナルケア組成物。
約１％〜約１０％の第２非乳化シリコーンエラストマーを更に含む、請求項１〜８のいずれか一項に記載の安定したパーソナルケア組成物。
前記第１非乳化シリコーンエラストマー及び前記第２非乳化シリコーンエラストマーの両方が、あらかじめ膨潤されていない又は粉末でないことを条件に、前記第１非乳化シリコーンエラストマー及び前記第２非乳化シリコーンエラストマーが、あらかじめ膨潤されているか又は粉末である、請求項９に記載の安定したパーソナルケア組成物。