JP2013254810A - 貫通端子付き金属基板およびそれを用いた表面実装デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】発光素子またはパワー半導体素子のパッケージにおいて、外部に放熱し易く、かつ小型薄型化が容易なパッケージを提供する。
【解決手段】熱伝導性に優れる金属板11と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子12と、該貫通端子を金属板に封着する絶縁シール材13とを備え、金属板は、貫通端子と絶縁シール材とを含む上下面を水平に成形し平坦化したことを特徴とする貫通端子付き金属ベース基板が提供される。一方の平坦面は、半導体素子のチップ実装面となり、このチップ実装面に固着した半導体素子と貫通端子は、ボンディングワイヤなどにより配線接続されるか、あるいは前記配線接続に加えてチップ実装面で直接金属板と同電位に接続され、もう一方の平坦面は、表面実装面となり、回路基板との接続面を構成し他のインターポーザ基板や外部回路基板を接続する。
【選択図】図1
【解決手段】熱伝導性に優れる金属板11と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子12と、該貫通端子を金属板に封着する絶縁シール材13とを備え、金属板は、貫通端子と絶縁シール材とを含む上下面を水平に成形し平坦化したことを特徴とする貫通端子付き金属ベース基板が提供される。一方の平坦面は、半導体素子のチップ実装面となり、このチップ実装面に固着した半導体素子と貫通端子は、ボンディングワイヤなどにより配線接続されるか、あるいは前記配線接続に加えてチップ実装面で直接金属板と同電位に接続され、もう一方の平坦面は、表面実装面となり、回路基板との接続面を構成し他のインターポーザ基板や外部回路基板を接続する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体素子を搭載する貫通端子付き金属ベース基板に関し、特に発光半導体素子やパワー半導体素子などの配線長を短縮でき、かつ放熱性に優れたインターポーザーとして使用できる貫通端子付き金属ベース基板、およびそれを利用した発光半導体装置またはパワー半導体装置に関する。
搭載される半導体素子の用途に応じて諸種の半導体パッケージが使用されている。半導体素子は温度に敏感で、温度が上昇してくると結晶の熱擾乱が激しくなり、多数の電子・正孔対が発生して正常な動作が得難くなる。半導体が破壊される恐れが出てくるジャンクション温度は、一般にシリコン素子で150〜175℃とされ、これにエポキシ樹脂封止を施した場合は、概ね125℃以下に制限されている。最近、パワーMOSFET、IGBT、バイポーラパワートランジスタなどの電源用半導体素子を搭載する半導体装置において、電源の高出力化に対処しながら、省エネルギー対応(低損失化)、高信頼性、高速スイッチング性、小型化が求められている。特にハイブリッド車に代表されるエコカーなどへの車載用途においては、エンジンルームの高温環境下で前述の要求を満足する必要があり、電源用半導体素子パッケージの放熱設計と小型薄型化が課題となっている。一方、LEDなど発光素子のアプリケーションにおいても、近年、照明用途への展開が急速に進み、明るさの追求が進んでいるが、より大きな光束を得るために、発光素子の搭載数を増加させたり、印加電力を増やして行くと、発熱が増しLEDチップのジャンクション温度の上昇が問題となる。ジャンクション温度上昇は、光出力低下、波長シフト(色変化)、寿命低下などの悪影響をもたらすため、その低減が課題となっている。このことから、特にLEDなどの発光素子やパワー半導体素子のパッケージングにおいて、より外部に放熱し易いパッケージの構成にすると共に、小型薄型化が容易な構成とすることがきわめて重要な課題となっている。
パワーMOSFET、IGBT、バイポーラパワートランジスタなどの電源用半導体素子を搭載する半導体装置として、例えば、特許文献1に記載される半導体装置がある。この半導体装置は、絶縁性樹脂の封止体によって少なくとも一部が被われ下面が封止体から露出しかつドレインリードになる金属製の支持基板と、この支持基板に連なり封止体の一側面から突出するドレインリードと、ドレインリードと並んで封止体の一側面から突出するソースリードおよびゲートリードと、封止体に被われるとともに下面にドレイン電極を有し、上面にソース電極パッドとゲート電極パッドとを有し、下面が導電性の接合材を介して支持基板に固定される半導体チップを有する。封止体内のソース電極パッドとソースリードは複数本のリードで接続され、封止体内のゲート電極パッドとゲートリードは、1本のワイヤで接続される。ゲートリードおよびソースリードに対して、ソース電極パッドは近い位置にあり、ゲート電極パッドは遠い位置にあり、ソース電極とソースリードを接続する複数本のワイヤを、ゲート電極パッドとゲートリードを接続するワイヤよりも太くかつ短くすることで、比較的抵抗が大きな配線手段であるワイヤの配線抵抗値を低減し低on抵抗の半導体装置を形成している。しかしながら、特許文献1の電源用半導体装置は、リードフレームを用いて、パッケージの封止体の一側面に3本のリードを突出させたパッケージ構成を前提としており、ボンディングワイヤのみを配線手段に使用したパワーデバイスであるため、配線抵抗の低減に限界がありパッケージ外部への放熱とパッケージの小型薄型化を両立するのに特に適した構成と成っていない。
また、LEDなどの発光素子を搭載する半導体装置として、例えば、特許文献2に記載される発光ダイオード光源装置がある。この発光ダイオード光源装置は、熱伝導性を有する基台と、表面に導電パターンを形成し基台の表面に固着される絶縁板と、この絶縁板に設けられた貫通穴によって露出した基台表面の実装エリアに実装される複数の発光ダイオード素子とを備え、実装エリアは周囲をダム材で覆われた略円形の発光エリアの内側に形成されている。すなわちアルミ材などによって成る熱伝導性を有する基台と、この基台の表面に固着される薄板状の絶縁板と、基台の表面に実装される複数のLED素子とダム材などによって構成され、絶縁板は、BTレジンやガラスエポキシ材などによって成るプリント基板、あるいはセラミック基板であり、表面の大部分を覆う銅箔などによる二つの導電パターンを有し、発光ダイオード素子の直列接続は、金属細線によって発光ダイオード素子間を直接ワイヤリングした構成となっている。しかしながら、特許文献2の発光ダイオード光源装置は、平面取り付けが可能になり、小型薄型化に有利であるが、金属基台の上に設けた絶縁板は、熱伝導性に劣るプリント基板を使用しており、この絶縁板に発光ダイオード素子を固定した構成であるので、必ずしもパッケージ外部への放熱に適した構成ではない。
従って、本発明は半導体素子を搭載する基板およびそれを利用した半導体装置において、外部に放熱し易くかつ小型薄型化が容易な半導体素子を搭載する金属ベース基板およびそれを利用した半導体装置を提供することを目的とする。
前掲の課題を解決するため、本発明の半導体素子用気密端子付き金属ベース基板およびそれを利用した半導体装置は下記に記載した構成を採用する。
熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、該貫通端子を金属板に封着する絶縁シール材とを備え、金属板は、貫通端子と絶縁シール材とを含む上下面を水平に成形し平坦面としたことを特徴とする貫通端子付き金属ベース基板が提供される。この貫通端子付き金属ベース基板の表面は、必要に応じてめっきを施してもよく、一方の平坦面は、半導体素子のチップ実装面となり、このチップ実装面に固着した半導体素子と貫通端子は、ボンディングワイヤなどにより配線接続されるか、または前記配線接続に加えてチップ実装面で直接金属板と同電位に接続される。もう一方の平坦面は、表面実装面となり、回路基板との接続面を構成し他のインターポーザ基板や外部回路基板を接続可能にする。該貫通端子付き金属ベース基板に設けた貫通端子は、金属板の端面に貫通端子の切断側面を表面露出させたハーフカット貫通端子に変形できる。
さらに、上述した貫通端子付き金属ベース基板に、半導体素子を載置し、該半導体素子の配線パッドと貫通端子または金属ベース基板とを電気的に接続して、該貫通端子付き金属ベース基板と載置した半導体素子とを絶縁性樹脂などで封止した半導体装置が提供される。すなわち、熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、該貫通端子を金属板に封着する絶縁シール材とを備え、金属板は、貫通端子と絶縁シール材とを含む上下面を水平に成形し平坦面とした貫通端子付き金属ベース基板であって、該貫通端子付き金属ベース基板は、少なくとも一方の平坦面をチップ実装面とし、このチップ実装面に半導体素子を固着して、半導体素子と貫通端子とをボンディングワイヤなどにより配線接続を施すか、または上述の半導体素子と貫通端子との配線接続に加えてチップ実装面の金属板と半導体素子とを直接同電位に接続し、さらに前記チップ実装面に半導体素子を封止する絶縁性樹脂を設け、もう一方の平坦面をプリント回路基板やインターポーザ基板などの外部配線板と接続する表面実装面とした半導体装置が提供される。この半導体装置に設けた貫通端子は、金属板の端面に貫通端子の切断側面を表面露出させたハーフカット貫通端子に変形できる。
また、熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、この貫通端子を該貫通孔に封着する絶縁シール材とを備え、金属板は、貫通端子と絶縁シール材の端面を有する上下面を水平に成形した平坦面を含み、片方の平坦面に、貫通端子と接続可能に絶縁性の基材に配置した導電性の貫通ビア電極を設けた絶縁基板を着設すると共に貫通端子と該貫通ビア電極とを電気接続した貫通端子付き金属ベース基板が提供される。この貫通端子付き金属ベース基板に設けた貫通端子は、金属板の端面に貫通端子の切断側面を表面露出させたハーフカット貫通端子に変形できる。
またさらに、熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、貫通端子を貫通孔に封着する絶縁シール材とを備え、金属板は、貫通端子と絶縁シール材の端面を有する上下面を水平に成形した平坦面を含み、片方の平坦面に、貫通端子と接続可能に絶縁性の基材に配置した導電性の貫通ビア電極を設けた絶縁基板を着設すると共に貫通端子と該貫通ビア電極とを電気接続した貫通端子付き金属ベース基板であって、貫通端子付き金属ベース基板は、絶縁基板を着設していない金属板の平坦面をチップ実装面とし、このチップ実装面に半導体素子を固着して、該半導体素子と貫通端子とを配線接続するか、または半導体素子と貫通端子との配線接続に加えてチップ実装面の金属板と半導体素子とを直接同電位に接続し、さらにチップ実装面に半導体素子を封止する絶縁性樹脂を設け、絶縁基板の自由面を外部配線板と接続する表面実装面とした半導体装置が提供される。該半導体装置に設けた貫通端子は、金属板の端面に貫通端子の切断側面を表面露出させたハーフカット貫通端子に変形できる。
本発明に係る貫通端子付き金属ベース基板は、金属板上下面と該金属板の貫通孔に挿着された貫通端子および絶縁シール材の上下面が、それぞれ同一平坦面に形成されているので、金属ベース基板に半導体素子をウェハ・レベルで積層することができる。熱伝導性に優れる金属板に半導体素子が載置されるため、半導体素子が発する熱は、金属板を介して放熱させることができ、熱ストレスによる材料や特性の劣化を軽減して、より信頼性の高いパッケージを構成できる。特にパワー半導体装置においては、貫通電極に半導体素子の制御系のゲート電極を電気接合し、かつ金属ベース基板の金属板表面または幅広のカバー電極にパワーライン系のエミッタ電極およびコレクタ電極を直接接合できるので、配線長を短くして配線の電気抵抗、寄生容量や配線長のバラつきなどを減らし低on抵抗、低インダクタンス化および高周波対応を容易にする。さらに、表面実装に適した平坦な金属ベース基板を用いることでパッケージの小型薄型化に寄与する。
また、リードフレームに替えて剛性に富んだ貫通端子付き金属ベース基板を用いたことで、既存のリードフレームやHTCCなどの積層セラミクス基板よりも基板表面を平坦に形成でき、基板ソリが少なくマウント作業が容易となり歩留りを向上して、より経済的な生産が可能となる。
本発明の実施形態の貫通端子付き金属ベース基板10は、図1に示すようにCu、Al、Fe、Mo、Wおよびこれらの合金から選択した少なくとも単層の熱伝導性に優れる金属板11と、該金属板11に設けた1以上の貫通孔と、この貫通孔に挿通したAl、Cu、Fe、MoおよびFe−Ni、Fe−Ni−Co、Fe−Cr合金から選択した貫通端子12と、この貫通端子12を金属板11に封着するガラス材、無機絶縁材、または高分子材からなる絶縁シール材13とを備え、貫通端子12と金属板11とを絶縁シール材13で封着した後、貫通端子12および絶縁シール材13の端面を含む金属板11の表面を研削または研磨などにより平坦に加工したことを特徴とする。該貫通端子付き金属ベース基板10の金属板11および貫通端子12は、半導体素子とダイボンディングおよびワイヤボンディングなどにより電気接続しやすいように、Au、Cu、Ni、Sn、Au−Sn合金、Sn−Cu合金、Sn−Pb合金などから選ばれた単層以上の金属層を少なくとも1つの面に施してもよい。金属板11へ前記金属層を設ける手段は、例えばクラッド、めっき、溶融コート、圧着などにより金属層を金属板11の表面に固着する。金属板11は、少なくともAl2O3などを焼成してなる高温焼成セラミック積層基板材(HTCC基板材)よりも熱伝導性が優れた金属材を用いる。なお、貫通端子付き金属ベース基板10には、この基板を別の回路基板に取付け固定するための接続部を設けてもよい。
本発明の実施形態の半導体装置20は、貫通端子付き金属ベース基板10を利用した半導体デバイスであり、図2に示すように、金属板21の少なくとも片面にLED素子などの発光素子またはパワーMOSFETやIGBTなどのパワー半導体素子からなる半導体素子24を固着させ、半導体素子24の電極パッドと貫通端子22または金属板21とを電気的に接続し、該貫通端子付き金属ベース基板10と固着した半導体素子24を絶縁性樹脂25で封止したことを特徴とする。この装置の躯体となる貫通端子付き金属ベース基板10の一方の平坦面は、回路基板との接続面を構成し他のインターポーザ基板や外部回路基板を接続する表面実装面27となり、もう一方の平坦面は、半導体素子24との接続面を構成し半導体チップのチップ搭載面26となる。半導体素子24の電極パッドと貫通端子22または金属板21との接続手段は、半導体素子24の電極パッドと貫通端子22とをボンディングワイヤなどの配線材28で接続するか、または半導体素子24の電極パッドと金属板21のチップ搭載面26とを直接接合し同電位に接続してもよい。その場合、半導体素子24の少なくとも1つの電極パッドは、金属板21と、Au/Auめっき材同士、Au−Sn合金材、Sn−Pbはんだ材等により直接接合され、かつ電気的にも接続される。該半導体装置20をLED発光装置に用いる場合には、反射効率を向上する目的で、金属板11のチップ搭載面26に半導体素子24を取り囲んだ堤状の周壁を設けてもよい。
本発明の別の実施形態を構成する貫通端子付き金属ベース基板30は、実施形態の貫通端子付き金属ベース基板10を変形して、金属板の端面側に貫通端子の端子断面を露出させたハーフカット貫通端子を設けたことを特徴とする。すなわち、貫通端子付き金属ベース基板30は、図3に示すように、Cu、Al、Fe、Mo、Wおよびこれらの合金から選択した少なくとも単層の熱伝導性に優れた金属板31と、この金属板31の端面に設けた少なくとも1つのAl、Cu、Fe、MoおよびFe−Ni、Fe−Ni−Co、Fe−Cr合金の群から選択されたハーフカット貫通端子32と、このハーフカット貫通端子32を金属板31の端面に固着するガラス材、無機絶縁材、または高分子材からなる絶縁シール材33とを備え、金属板31は、ハーフカット貫通端子32および絶縁シール材33の上下端面を含む上下面を研削または研磨などにより水平に成形した平坦面を設ける。該貫通端子付き金属ベース基板30の金属板31およびハーフカット端子電極32には、半導体素子の実装、およびワイヤボンディングなどでオーミック接続がしやすいように、Au、Cu、Ni、Sn、Sn−Cu合金、Sn−Pb合金などのめっき処理を施してもよい。金属板31は、少なくともAl2O3などを焼成してなる高温焼成セラミック積層基板材(HTCC基板材)より熱伝導性が優れた金属材を用いる。
本発明の別の実施形態の半導体装置40は、貫通端子付き金属ベース基板30にLED発光素子などのダイオード素子またはパワーMOSFETやIGBTなどのパワー半導体素子を1つ以上搭載した半導体装置である。図4に示されるように、半導体装置40は、貫通端子付き金属ベース基板30からなる金属板41の少なくとも片面にダイオード素子またはパワー半導体素子からなる半導体素子44を固着させ、半導体素子44の電極パッドとハーフカット貫通端子42または金属板41とを電気的に接続し、該貫通端子付き金属ベース基板30と固着した半導体素子44を絶縁性樹脂45で封止したことを特徴とする。この装置の躯体となる貫通端子付き金属ベース基板30の一方の平坦面は、回路基板との接続面を構成し、他のインターポーザ基板や外部回路基板を接続する表面実装面47となる。もう一方の平坦面は、半導体素子44との接続面を構成し半導体チップのチップ搭載面46となる。該半導体素子44の電極パッドとハーフカット貫通端子42または金属板41との接続手段は、半導体素子44の電極パッドとハーフカット貫通端子42とをボンディングワイヤなどの配線材48で接続するか、または配線材48による配線接続に加えて、チップ実装面46の金属板41と半導体素子44とを直接同電位に接続する。金属板41と半導体素子44を直接接続する場合には、半導体素子24の少なくとも1つの電極パッドは、金属板21と、Au/Auめっき材同士、Au−Sn合金材、Sn−Pbはんだ材等により直接接合され電気的にも接続される。該半導体装置40をLED発光装置に用いる場合には、蛍光体粒子を含有した前記絶縁性樹脂45で金属板41の半導体素子載置面を覆って封止する。
上述した貫通端子付き金属ベース基板30およびそれを用いた半導体装置40は、貫通端子をハーフカット貫通端子とすることで、貫通端子の端子側面もはんだ付けの接合代に利用でき、はんだ継ぎ手の接合強度を向上する。
本発明の実施形態の貫通端子付き金属ベース基板10と、従来の貫通端子付きアルミナ高温焼成セラミック積層基板(HTCC基板)の各基板に半導体素子を搭載し通電させたときの放熱特性を比較するため、有限要素法を用いた熱解析シミュレーションを実施した。
本発明の実施形態の貫通端子付き金属ベース基板は、金属板にCu基板、Al基板、Fe基板、Mo基板をそれぞれ用い、各金属基板材を16mm×19mm角、厚さ1mmとし、この金属基板材にφ1mmの貫通孔10個を設け、各貫通孔にφ0.5mmのFe材の貫通端子を挿通して、孔壁と該孔壁に囲繞された貫通端子の表面との間隙をガラス製の絶縁シール材で充填し絶縁して、0.3mm×0.3mm角、厚さ0.1mmのLED発光素子10個を該貫通端子軸から1.2mmピッチ隔て載置した条件を設定した。比較例の貫通ビア付きHTCC基板は、16mm×19mm角、厚さ1mmのAl2O3(92%)の積層セラミック材にWペーストを焼結したφ0.5mmのW貫通ビア電極10個を設けた基板に、0.3mm×0.3mm角、厚さ0.1mmのLED発光素子10個を該貫通ビア電極軸から1.2mmピッチ隔て載置した条件を設定した。
そして、各基板にヒートシンクが装着された場合を想定し、上述の各基板にヒートシンクとして16mm×19mm角、厚さ5mmのCu板を熱結合させ、ヒートシンク下面の温度を25℃とし、これを境界条件として各LED発光素子を素子1個あたり発熱量1Wで発熱させ平衡状態に達したときの、各基板のCu板接触面からLED発光素子の表面までの垂直方向の温度分布を熱解析した結果を図5のグラフに示す。図5のグラフにおいて、x軸は温度℃を、y軸はCuヒートシンクからの距離mmすなわち貫通端子付きベース基板のCu板接触面からLED発光素子の表面までの垂直方向の高さ距離mmを表す。本発明の実施形態のCu、Al、Fe、Moの金属材から選択された金属板を用いた貫通端子付き金属ベース基板は、何れもLED発光素子表面が60℃以下で平衡状態に達しており、高い放熱性能を具備しているのが分かる。これに対して比較例のHTCC基板は、平衡状態におけるLED発光素子の表面温度が約130℃を示し、本発明の実施形態の貫通端子付き金属ベース基板よりも放熱性が劣っているのが分かる。
さらに各基板がプリント基板面へ表面実装された場合を想定して、各基板に、上述のCuヒートシンクに替えて16mm×19mm角、厚さ1mmのガラス・エポキシ基板(FR−4基板)を熱結合させ、該ガラス・エポキシ基板下面の温度を25℃とし、これを境界条件として各LED発光素子を素子1個あたり発熱量1Wで発熱させ平衡状態に達したときの、各基板のガラス・エポキシ基板下面からLED発光素子の表面までの垂直方向の温度分布を熱解析した結果を図6のグラフに示す。図6のグラフにおいて、x軸は温度℃を、y軸は貫通端子付きベース基板に取り付けたガラス・エポキシ基板下面からLED発光素子の表面までの垂直方向の高さ距離mmを表す。本発明の実施形態の貫通端子付きFeベース基板は、LED発光素子表面が160℃で平衡状態に達し、Cu、Al、Moからなる貫通端子付き金属ベース基板は、何れもLED発光素子表面が125℃未満で平衡状態に達しており、高い放熱性能を具備しているのが分かる。これに対して、従来品のHTCC基板は、平衡状態におけるLED発光素子の表面温度が約290℃を示し、本発明の実施形態の貫通端子付き金属ベース基板よりも放熱性が劣っているのが分かる。なお、ガラス・エポキシ基板のみで構成されるLED発光素子をチップ・オン・ボード実装したガラス・エポキシ基板(FR−4基板)を同条件で比較した場合は、平衡状態におけるLED発光素子の表面温度が300℃を超えてしまうのが分かる。
本発明の実施例であるLED発光素子の実装に適した貫通端子付き金属ベース基板について、図3、図4および図7から図10を参照しながら説明する。
本発明に係る実施例1の貫通端子付き金属ベース基板50は、図7に示すように1mm厚のFe材からなる第1金属板51−1と5mm厚のCu材からなる第2金属板51−2を、Au−Sn合金をロウ材に用いたブレージングによって一体に張り合わせ固着した2層積層構造の複合金属板51と、この複合金属板51に設けた10個のφ1.2mmの貫通孔と、該貫通孔に挿通したFe−Cr合金製のφ0.4mmの貫通端子52と、貫通端子52を貫通孔に絶縁封着するガラス製の絶縁シール材53とを備え、複合金属板51は、貫通端子52の端面および絶縁シール材53の端面を有する上下面を水平に成形した平坦面を含み、一方の平坦面は、10個の貫通端子52を囲繞した周壁59を有したチップ搭載面56となり、もう一方の平坦面は、他の回路基板と接続する表面実装面57となる。このチップ搭載面56には、貫通端子52を囲繞した周壁59を有し、さらに複合金属板51は、この基板を別の回路基板に取付け固定するための2個の接続部200を設ける。この貫通端子付き金属ベース基板50は、LED発光素子をダイボンディングしLED発光素子の電極パッドと貫通端子52の間をワイヤボンディングしやすくするために、複合金属板51の表面および貫通端子52の表面にAuめっき処理を施す。
本発明に係る実施例2のLED発光装置60は、前記貫通端子付き金属ベース基板50を用いる。すなわち、図8に示されるように、貫通端子付き金属ベース基板60の複合金属板61に設けた周壁69の内側のチップ搭載面66に10個のLED発光素子64を載置した後、該LED発光素子64と複合金属板61のAuめっき材とをサーモソニックボンディングでダイボンディングすると共に、LED発光素子64のn側電極パッドと複合金属板61のAuめっき材とを電気接合する。さらにLED発光素子64のp側電極パッドと貫通端子62との間をAu材からなるボンディングワイヤ68でワイヤボンディングする。そして、周壁69の内側に蛍光体粒子を含有したシリコーン樹脂からなる封止樹脂65を充填し、該封止樹脂を硬化させてSMD型(表面実装デバイス)のLED発光装置60とする。
本発明に係る実施例3の貫通端子付き金属ベース基板70は、図9に示されるように、1mm厚のCu材からなる金属板71と、この金属板71に設けた10個のφ2.0mmの貫通孔と、該貫通孔に挿通したCu合金製のφ1.0mmの貫通端子72と、貫通端子72を貫通孔に封着するガラス製の絶縁シール材73とを備え、金属板71は、貫通端子72と絶縁シール材73の端面を有する上下面を水平に成形した平坦面を含み、一方の平坦面は、10個の貫通端子72を囲繞した周壁79を設けてチップ搭載面76とし、もう一方の平坦面は、貫通端子72と接続可能にガラス・エポキシ基材に配置した導電性の貫通ビア電極72−2(実施例はCu材を使用)を設けた厚さ1mmの絶縁基板71−3を着設すると共に、貫通端子72と該貫通ビア電極72−2とを電気接続して絶縁基板71−3の下面を表面実装面77とする。絶縁基板71−3は、貫通ビア電極72の周囲を除いた着接面にAu−Sn合金めっき材を施し、これをはんだ材に用いて絶縁基板71−3と一体に固着させている。また、貫通端子付き金属ベース基板70は、LED発光素子をダイボンディングしLED発光素子の電極パッドと貫通端子72の間をワイヤボンディングしやすくするために、金属板71の表面および貫通端子72の表面にAu−Sn合金めっき処理が施されており、基板端部に2個の接続部200を設けて、別の回路基板に取付け固定しやすくしている。
本発明に係る実施例4のLED発光装置80は、前記貫通端子付き金属ベース基板70を用いる。LED発光装置80は、図10に示されるように、貫通端子付き金属ベース基板70の金属板81に設けた周壁89の内側のチップ搭載面86に10個のLED発光素子84を載置した後、該LED発光素子84と金属板81のAu―Sn合金めっき材とをサーモソニックボンディングでダイボンディングすると共に、LED発光素子84のn側電極パッドと金属板81のAu−Sn合金めっき材とを電気接合する。さらにLED発光素子84のp側電極パッドと貫通端子82との間をAg材からなるボンディングワイヤ88でワイヤボンディングする。そして、周壁89の内側に蛍光体粒子を含有したエポキシ樹脂からなる絶縁性樹脂85を充填し、該絶縁性樹脂を硬化させてSMD型(表面実装デバイス)のLED発光装置80とする。
本発明に係る実施例5の貫通端子付き金属ベース基板30は、図3に示すように、1mm厚のFe材からなる金属板31と、この金属板31の端面に設けた複数のFe−Cr合金製ハーフカット貫通端子32と、このハーフカット貫通端子32を金属板31の端面に固着するガラス製の絶縁シール材33とを備え、金属板31は、半導体とオーミック接続できるように露出面にAuめっきを施したハーフカット貫通端子32の端面と絶縁シール材33の上下端面を含む上下面を水平に成形した平坦面を設ける。
本発明に係る実施例6の半導体装置40は、貫通端子付き金属ベース基板30にLED発光素子などのダイオードを複数個搭載したマルチチップ半導体装置である。半導体装置40は、図4に示されるように、1mm厚のFe材からなる金属板41と、この金属板41の端面に設けたFe−Cr合金製のハーフカット貫通端子42と、このハーフカット貫通端子42を金属板41の端面に固着するガラス製の絶縁シール材43とを備え、金属板41は、半導体とオーミック接続できるように露出面にAuめっきを施したハーフカット貫通端子42の端面と絶縁シール材43の上下端面を含む上下面を水平に成形した平坦面を設け、一方の平坦面には、ハーフカット貫通端子42および金属板41の表面に固着したLED発光素子の半導体素子44を有し、もう一方の平坦面には、別の回路基板に実装するために自由端としたハーフカット貫通端子42を有し、さらに該半導体素子44は、ゲート電極パッドをハーフカット貫通端子42にAlワイヤによりワイヤボンディングし、エミッタ電極(ソース電極)パッドを金属板41の表面とサーモソニックボンディングにより電気接続され、金属板41の半導体素子載置面を蛍光体粒子含有のエポキシ樹脂で覆って封止する。半導体装置40は、LED発光素子に替えて整流用ダイオードなどの半導体素子を搭載してもよく、その場合は封止樹脂に蛍光体粒子を未添加のエポキシ樹脂を用いる。
上述した貫通端子付き金属ベース基板30およびそれを用いた半導体装置40は、貫通端子をハーフカット貫通端子とすることで、貫通端子の切断面もはんだ付けに利用可能となり、はんだ継ぎ手の接合強度を向上する。
次に、本発明の実施例であるパワー半導体の実装に適した貫通端子付き金属ベース基板について図11から図20を参照しながら説明する。
本発明に係る実施例7の貫通端子付き金属ベース基板90は、図11に示すように1mm厚のMo材からなる金属板91と、この金属板91に設けた1個の貫通孔と、該貫通孔に挿通したFe−Cr合金製の貫通端子92と、この貫通端子92を貫通孔に封着するガラス製の絶縁シール材93とを備え、金属板91は、半導体とオーミック接続できるように両端にAuめっきを施した貫通端子92の端面と絶縁シール材93の端面を含む上下面を水平に成形した平坦面を設け、一方の平坦面には、貫通端子92および金属板91の表面に固着したIGBTパワー半導体素子94を有し、もう一方の平坦面には、別の回路基板に実装するために自由端とした貫通端子92を有し、さらに該半導体素子94は、ゲート電極パッドを貫通端子92と、エミッタ電極(ソース電極)パッドを金属板91の表面と直接接合させ電気的に接続させる。該半導体素子94のコレクタ電極(ドレイン電極)は、金属板91を固着しない反対側の半導体チップ表面に配置する。
本発明に係る実施例8のパワー半導体装置100は、貫通端子付き金属ベース基板90を用いる。パワー半導体装置100は、図12に示されるように、所定のフォーミング加工を施したAuめっきCu材からなるカバー電極108が貫通端子付き金属ベース基板90の半導体素子104に跨乗して設けられ、該カバー電極108と半導体素子104のコレクタ電極とをオーミック接続したパワー半導体装置100が提供される。このパワー半導体装置100は、エミッタ電極と接続した金属板101の表面と、ゲート電極と接続した貫通端子102およびコレクタ電極と接続したカバー電極108とを、プリント基板など所望の回路基板に電気接続して表面実装される。プリント基板に実装したパワー半導体装置100は、該パワー半導体装置100全体をエポキシ樹脂でポッティング封止し、チップ・オン・ボード実装としてもよい。
本発明に係る実施例9のパワー半導体装置110は、貫通端子付き金属ベース基板90を用いる。パワー半導体装置110は、図13に示されるように、AuめっきCu材からなるキャップ状のカバー電極118を貫通端子付き金属ベース基板90の半導体素子114の片面に固着し、このカバー電極118で貫通端子付き金属ベース基板90の片面および端面の全周を覆うように設けると共に、該カバー電極118を半導体素子のコレクタ電極にオーミック接続する。このパワー半導体装置110は、エミッタ電極と接続した金属板111の表面、ゲート電極と接続した貫通端子112およびコレクタ電極と接続したカバー電極118の周端部をプリント基板など所望の回路基板に表面実装すれば、キャップ状のカバー電極118が金属板111と半導体素子114を完全に被覆封止される。また、特に図示しないが、該カバー電極118は、上部にパワー半導体装置110の放熱のための冷却フィンを設けてもよい。
本発明に係る実施例10の貫通端子付き金属ベース基板120は、実施例7の貫通端子付き金属ベース基板90の貫通端子部分を含んだ金属板の一部を切断して、金属板の端面に貫通端子の切断面を露出させたハーフカット貫通端子を設けている。すなわち、図14に示すように、1mm厚のMo材からなる金属板121と、この金属板121の端面に設けたFe−Cr合金製のハーフカット貫通端子122と、このハーフカット貫通端子122を金属板121の端面に固着するガラス製の絶縁シール材123とを備え、金属板121は、半導体とオーミック接続できるように露出面にAuめっきを施したハーフカット貫通端子122の端面と絶縁シール材123の上下端面を含む上下面を水平に成形した平坦面を設け、一方の平坦面には、ハーフカット貫通端子122および金属板121の表面に固着したIGBTパワー半導体素子124を有し、もう一方の平坦面には、別の回路基板に実装するために自由端としたハーフカット貫通端子122を有し、さらに該半導体素子124は、ゲート電極パッドをハーフカット貫通端子122と、エミッタ電極(ソース電極)パッドを金属板121の表面と、それぞれ直接接合させ電気的に接続させる。該半導体素子124のコレクタ電極(ドレイン電極)は、金属板121を固着しない反対側の半導体チップ表面に配置する。
本発明に係る実施例11のパワー半導体装置130は、貫通端子付き金属ベース基板120を用いる。パワー半導体装置130は、図15に示されるように、所定のフォーミング加工を施したAuめっきCu材からなるカバー電極138が貫通端子付き金属ベース基板120の半導体素子134に固着して設けられ、該カバー電極138と半導体素子134のコレクタ電極とをオーミック接続している。このパワー半導体装置130は、エミッタ電極と接続した金属板131の表面と、ゲート電極と接続したハーフカット貫通端子132およびコレクタ電極と接続したカバー電極138とを、プリント基板など所望の回路基板に電気接続して表面実装される。プリント基板に実装したパワー半導体装置130は、パワー半導体装置130全体をエポキシ樹脂でポッティング封止し、チップ・オン・ボード実装としてもよい。パワー半導体装置130は、貫通端子をハーフカット貫通端子とすることで、貫通端子の切断面もはんだ付けに利用可能となりはんだ継ぎ手の接合強度を向上できる。
本発明に係る実施例12のパワー半導体装置140は、複数の半導体素子を並列に電気接続したマルチチップ半導体装置である。パワー半導体装置140は、図16に示されるように、所定のフォーミング加工を施したAuめっきCu材からなるカバー電極148と、1mm厚のFe材からなる金属板141と、この金属板141に設けたFe−Cr合金製の複数の貫通端子142と、この貫通端子142を金属板141に設けた貫通孔の内壁面に固着するガラス製の絶縁シール材143と、カバー電極148と金属板141との間に挟んだ複数のIGBTパワー半導体素子144とを備え、金属板141は、前記半導体素子144をオーミック接続できるように表面にAuめっきを施した貫通端子142の端面と、絶縁シール材143の端面を含む上下面を水平に成形した平坦面とを有し、一方の平坦面には、貫通端子142および金属板141の表面に固着した半導体素子144を設け、もう一方の平坦面には、別の回路基板に実装するために自由端とした貫通端子142を設け、該半導体素子144は、ゲート電極パッドを貫通端子142と、エミッタ電極(ソース電極)パッドを金属板141の表面と、それぞれサーモソニックボンディングにより電気接続し、さらに金属板141を固着していない半導体チップの反対側平面に配置されたコレクタ電極(ドレイン電極)とカバー電極148とを電気接続して、図17に示したパワー半導体装置140に組み立てられる。
本発明に係る実施例13のパワー半導体装置150は、複数の半導体素子を並列および直列に電気接続したマルチチップ半導体装置である。パワー半導体装置150は、図18に示されるように、第1金属板151−1と第2金属板151−2との間に挟んで固着した複数の半導体ユニット154と、さらに該第2金属板151−2とカバー電極158との間に挟んで固着した上述とは別の複数の半導体ユニット154とを積層して成る半導体装置であって、1個のIGBTパワー半導体素子154−1と1個のダイオード素子154−2の一対から構成される各半導体ユニット154と、複数の半導体ユニットを並列にオーミック接続する厚さ1mmのAuめっきFe材からなる第1金属板151−1と、上述とは別の半導体ユニットを並列にオーミック接続した厚さ1mmのAuめっきCu材からなるカバー電極158と、第1金属板151−1に接続した半導体ユニット154とカバー電極158に接続した該半導体ユニット154とを直列にオーミック接続する厚さ1mmのAuめっきFe材からなる第2金属板151−2とを備え、第1金属板151−1および第2金属板151−2は、Fe−Cr合金製の貫通端子152と、この貫通端子152を金属板に固着するガラス製の絶縁シール材153とを有し、貫通端子152と絶縁シール材153を含む両金属板の上下面を平坦面に形成し、一方の平坦面の貫通端子152を別の回路基板に実装するための自由端にして、図19に示したパワー半導体装置150に組み立てられる。
図19のパワー半導体装置150は、図20の回路図に示したモーターのインバーター回路を構成する。すなわち、パワー半導体装置150の半導体ユニット154は、パワー半導体素子154−1のゲート電極パッドを第1金属板151−1の貫通端子152−1に、パワー半導体素子154−1のソース電極(エミッタ電極)パッドおよび該パワー半導体素子154−1に並列実装されるフリーホイールダイオード154−2のアノード電極を第1金属板151−1の表面に電気接続し、パワー半導体素子154−1のドレイン電極(コレクタ電極)とフリーホイールダイオード154−2のアノード電極を第2金属板151−2の表面に電気接続される。さらに上述とは別のパワー半導体素子154−1のゲート電極パッドを第2金属板151−2の貫通端子152−2に、パワー半導体素子154−1のソース電極(エミッタ電極)パッドおよびこのパワー半導体素子154−1に並列実装されるフリーホイールダイオードのカソード電極を第2金属板151−2の表面に電気接続し、パワー半導体素子154−1のドレイン電極(コレクタ電極)とフリーホイールダイオード154−2のアノード電極をカバー電極158に電気接続されてパワー半導体装置150となる。
実施例12パワー半導体装置140および実施例13のパワー半導体装置150は、貫通端子をハーフカット貫通端子に変形でき、貫通端子のハーフカット面をはんだ付けの接合面に利用できるので、はんだ継ぎ手の接合強度を向上できる。
本発明は、半導体素子搭載基板に有効であり、特にLEDなどの発光素子やパワーMOSFET、IGBTなどのパワー半導体デバイスのインターポーザ基板に好適に用いられる。
10、30、50、70、90、120・・・貫通端子付き金属ベース基板、
20、40・・・半導体装置、
60、80・・・LED発光装置、
100、110、130、140、150・・・パワー半導体装置、
11、21、31、41、71、81、91、111、121、131、141・・・金属板、
51、61・・・複合金属板、
51−1、151−1・・・第1金属板、
51−2、151−2・・・第2金属板、
71−3・・・絶縁基板、
12、22、52、62、72、82、92、112、142、152−1、152−2・・・貫通端子、
72−2、82−2・・・貫通ビア電極、
32、42、122、132・・・ハーフカット貫通端子、
13、33、43、53、73、93、123、143、153・・・絶縁シール材、
24、44、104、114、134・・・半導体素子、
64、84・・・LED発光素子、
94、124、144、154−1・・・IGBTパワー半導体素子、
154−2・・・ダイオード素子、
154・・・半導体ユニット、
25、45、65、85・・・絶縁性樹脂、
26、46、56、66、76、86・・・チップ搭載面、
27、47、57、67、77、87・・・表面実装面、
28、48・・・配線材、
68、88・・・ボンディングワイヤ、
108、118、138、148、158・・・カバー電極、
59、69、79、89・・・周壁、
200・・・接続部。
20、40・・・半導体装置、
60、80・・・LED発光装置、
100、110、130、140、150・・・パワー半導体装置、
11、21、31、41、71、81、91、111、121、131、141・・・金属板、
51、61・・・複合金属板、
51−1、151−1・・・第1金属板、
51−2、151−2・・・第2金属板、
71−3・・・絶縁基板、
12、22、52、62、72、82、92、112、142、152−1、152−2・・・貫通端子、
72−2、82−2・・・貫通ビア電極、
32、42、122、132・・・ハーフカット貫通端子、
13、33、43、53、73、93、123、143、153・・・絶縁シール材、
24、44、104、114、134・・・半導体素子、
64、84・・・LED発光素子、
94、124、144、154−1・・・IGBTパワー半導体素子、
154−2・・・ダイオード素子、
154・・・半導体ユニット、
25、45、65、85・・・絶縁性樹脂、
26、46、56、66、76、86・・・チップ搭載面、
27、47、57、67、77、87・・・表面実装面、
28、48・・・配線材、
68、88・・・ボンディングワイヤ、
108、118、138、148、158・・・カバー電極、
59、69、79、89・・・周壁、
200・・・接続部。
Claims (22)
- 熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、該貫通端子を金属板に封着する絶縁シール材とを備え、前記金属板は、前記貫通端子と前記絶縁シール材とを含む上下面を水平に成形し平坦面としたことを特徴とする貫通端子付き金属ベース基板。
- 熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、前記貫通端子を前記貫通孔に封着する絶縁シール材とを備え、前記金属板は、前記貫通端子と前記絶縁シール材の端面を有する上下面を水平に成形した平坦面を含み、片方の平坦面に、前記貫通端子と接続可能に絶縁性の基材に配置した導電性の貫通ビア電極を設けた絶縁基板を着設すると共に前記貫通端子と該貫通ビア電極とを電気接続したことを特徴とする貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記貫通端子を、金属板の端面に貫通端子の切断側面を表面露出させたハーフカット貫通端子としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記金属板は、第1の金属材からなる第1ベース材と、第2の金属材からなる第2ベース材または放熱のための冷却フィンとを一体に張り合わせ固着した少なくとも2層積層構造の複合金属板であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記金属板の片面に貫通端子を囲繞した周壁を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記貫通端子付き金属ベース基板は、この基板を別の回路基板に取付け固定するための接続部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記金属板は、Cu、Al、Fe、Mo、Wおよびこれらの合金の群から選択した少なくとも単層の金属材からなることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1つに記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記貫通端子は、Al、Cu、Fe、MoおよびFe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Cr合金の群から選択した金属材からなることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1つに記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 前記金属板および前記貫通端子は、前記半導体素子と電気接続がしやすいように、Au、Ag、Cu、Ni、Sn、Au−Sn合金、Ag−Sn合金、Sn−Cu合金、Sn−Pb合金の群から選択した少なくとも単層の金属層を施したことを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れか1つに記載の貫通端子付き金属ベース基板。
- 熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、該貫通端子を金属板に封着する絶縁シール材とを備え、前記金属板は、前記貫通端子と前記絶縁シール材とを含む上下面を水平に成形し平坦面とした貫通端子付き金属ベース基板であって、該貫通端子付き金属ベース基板は、少なくとも一方の平坦面をチップ実装面とし、このチップ実装面に半導体素子を固着して、該半導体素子と前記貫通端子とを配線接続するか、または前記半導体素子と前記貫通端子との前記配線接続に加えて前記チップ実装面の前記金属板と前記半導体素子とを直接同電位に接続し、さらに前記チップ実装面に前記半導体素子を封止する絶縁性樹脂を設け、もう一方の平坦面を外部配線板と接続する表面実装面としたことを特徴とする半導体装置。
- 熱伝導性に優れた金属板と、この金属板に設けた少なくとも1つの貫通孔と、該貫通孔に挿通した貫通端子と、前記貫通端子を前記貫通孔に封着する絶縁シール材とを備え、前記金属板は、前記貫通端子と前記絶縁シール材の端面を有する上下面を水平に成形した平坦面を含み、片方の平坦面に、前記貫通端子と接続可能に絶縁性の基材に配置した導電性の貫通ビア電極を設けた絶縁基板を着設すると共に前記貫通端子と該貫通ビア電極とを電気接続した貫通端子付き金属ベース基板であって、該貫通端子付き金属ベース基板は、前記絶縁基板を着設していない前記金属板の平坦面をチップ実装面とし、このチップ実装面に半導体素子を固着して、該半導体素子と前記貫通端子とを配線接続するか、または前記半導体素子と前記貫通端子との前記配線接続に加えて前記チップ実装面の前記金属板と前記半導体素子とを直接同電位に接続し、さらに前記チップ実装面に前記半導体素子を封止する絶縁性樹脂を設け、前記絶縁基板の自由面を外部配線板と接続する表面実装面としたことを特徴とする半導体装置。
- 前記貫通端子を、金属板の端面に貫通端子の切断側面を表面露出させたハーフカット貫通端子としたことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の半導体装置。
- 請求項10ないし請求項12の何れか1つに記載の半導体装置において、前記金属板は、第1の金属材からなる第1ベース材と、第2の金属材からなる第2ベース材または放熱のための冷却フィンとを一体に張り合わせ固着した少なくとも2層積層構造の複合金属板であることを特徴とする半導体装置。
- 前記金属板の片面に貫通端子を囲繞した周壁を設けたことを特徴とする請求項10ないし請求項13の何れか1つに記載の半導体装置。
- 請求項10ないし請求項14の何れか1つに記載の半導体装置において、前記貫通端子付き金属ベース基板は、この基板を別の回路基板に取付け固定するための接続部を設けたことを特徴とする半導体装置。
- 請求項10ないし請求項15の何れか1つに記載の半導体装置において、前記金属板は、Cu、Al、Fe、Mo、Wおよびこれらの合金の群から選択した少なくとも単層の金属材からなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項10ないし請求項16の何れか1つに記載の半導体装置において、前記貫通端子は、Al、Cu、Fe、MoおよびFe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Cr合金の群から選択した金属材からなることを特徴とする半導体装置。
- 請求項10ないし請求項17の何れか1つに記載の半導体装置において、前記金属板および前記端子電極は、前記半導体素子と電気接続がしやすいように、Au、Ag、Cu、Ni、Sn、Au−Sn合金、Ag−Sn合金、Sn−Cu合金、Sn−Pb合金の群から選択した少なくとも単層の金属層を施したことを特徴とする半導体装置。
- 請求項10ないし請求項18の何れか1つに記載の半導体装置において、前記貫通端子付き金属ベース基板と前記半導体素子とを複数枚積層し、前記半導体素子を電気的に直列接続したことを特徴とする半導体装置。
- 請求項10ないし請求項19の何れか1つに記載の半導体装置において、前記半導体素子は、所定のフォーミング加工を施したカバー電極が前記チップ実装面の前記半導体素子に固着して設けられ、該カバー電極と少なくとも前記半導体素子のコレクタ電極とをオーミック接続したことを特徴とする半導体装置。
- 請求項10ないし請求項20の何れか1つに記載の半導体装置において、複数の半導体素子を同一基板上に固着し、電気的に並列接続したことを特徴とする半導体装置。
- 前記カバー電極は、キャップ状のカバー電極を用いたことを特徴とする請求項20に記載の半導体装置。
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JP2012128652A JP2013254810A (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 貫通端子付き金属基板およびそれを用いた表面実装デバイス |
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JP2012128652A JP2013254810A (ja) | 2012-06-06 | 2012-06-06 | 貫通端子付き金属基板およびそれを用いた表面実装デバイス |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016100393A (ja) * | 2014-11-19 | 2016-05-30 | 株式会社デンソー | 電子装置 |
JP2016100506A (ja) * | 2014-11-25 | 2016-05-30 | 株式会社デンソー | 電子装置 |
TWI670825B (zh) * | 2014-11-05 | 2019-09-01 | 美商英帆薩斯公司 | 基板以及製造方法 |
CN110265367A (zh) * | 2019-07-17 | 2019-09-20 | 中天昱品科技有限公司 | 一种中功率逆变器单管散热结构 |
-
2012
- 2012-06-06 JP JP2012128652A patent/JP2013254810A/ja active Pending
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TWI670825B (zh) * | 2014-11-05 | 2019-09-01 | 美商英帆薩斯公司 | 基板以及製造方法 |
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