JP2013254605A - リチウムイオン電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本実施形態は、層状岩塩型構造を有するリチウム酸化物を正極活物質として用いた場合でも、高い容量維持率を有するリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一形態は、正極活物質を含む正極と、電解液と、を少なくとも有するリチウムイオン電池であって、前記正極活物質は、層状岩塩型構造を有し、かつ化学式Lix1 y2 z2-d(但し、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50、0≦d≦0.2であり、さらに、M1はMn,Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属であり、M2はFe,Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の金属である)で表されるリチウム酸化物を含み、前記電解液がフッ素含有溶媒を含むことを特徴とするリチウムイオン電池である。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池およびその製造方法に関する。
近年、リチウムイオン電池は高エネルギー密度を有する二次電池として期待されている一方で、サイクル特性の改善が望まれている。
サイクル特性を改善する方法として、特許文献1では、所定の電圧を超えない範囲(例えば上限電圧がリチウム金属対極に対して3.9V以上4.6V未満の範囲)で充放電サイクルを繰り返す酸化処理により、容量維持率を向上させる技術が記載されている。
また、特許文献2では、充電容量を規制する充放電サイクルを繰り返す酸化処理により、容量維持率を向上させる技術が記載されている。
また、特許文献3では、サイクル特性を改善する方法としてフッ素化エーテル等を電解液に添加する技術が開示されている。
特開2008−270201号公報 特開2010−103086号公報 特開2012−043691号公報
層状岩塩型構造を有するリチウム酸化物を主成分とする正極を備えるリチウムイオン電池は、高いエネルギー密度を有するものの、容量維持率が安定しない場合があった。
そこで、本実施形態は、層状岩塩型構造を有するリチウム酸化物を正極活物質として用いた場合でも、高い容量維持率を有するリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、
正極活物質を含む正極と、電解液と、を少なくとも有するリチウムイオン電池であって、
前記正極活物質は、層状岩塩型構造を有し、かつ化学式Lix1 y2 z2-d(但し、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50、0≦d≦0.2であり、さらに、M1はMn,Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属であり、M2はFe,Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の金属である)で表されるリチウム酸化物を含み、
前記電解液がフッ素含有溶媒を含むことを特徴とするリチウムイオン電池である。
本実施形態によれば、層状岩塩型構造を有するリチウム酸化物を正極活物質として用いた場合でも、高い容量維持率を有するリチウムイオン電池を提供することができる。
本実施形態のリチウムイオン電池の構成例を示す模式的断面図である。 本実施形態のリチウムイオン電池の構成例を示す模式的断面図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のリチウムイオン電池は、正極活物質を含む正極と、電解液と、を少なくとも有する。以下、本実施形態のリチウムイオン電池の各構成要素について詳細に説明する。
[1]正極
正極活物質は、層状岩塩型構造を有し、かつ化学式Lix1 y2 z2-d(但し、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50、0≦d≦0.2であり、さらに、M1はMn,Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属であり、M2はFe,Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の金属)で表されるリチウム酸化物を含む。dは好ましくは0≦d≦0.1である
本実施形態のリチウム酸化物の具体的な組成としては、例えば、Li1.20Mn0.40Fe0.402.00、Li1.23Mn0.46Fe0.312.00、Li1.29Mn0.57Fe0.142.00、Li1.20Mn0.40Ni0.402.00、Li1.23Mn0.46Ni0.312.00、Li1.26Mn0.52Ni0.222.00、Li1.29Mn0.57Ni0.142.00、Li1.20Mn0.60Ni0.202.00、Li1.23Mn0.61Ni0.152.00、Li1.26Mn0.63Ni0.112.00、Li1.20Mn0.40Fe0.20Ni0.202.00、Li1.23Mn0.46Fe0.15Ni0.152.00、Li1.26Mn0.52Fe0.11Ni0.112.00、Li1.29Mn0.57Fe0.07Ni0.142.00、Li1.26Mn0.37Ti0.15Ni0.222.00、Li1.26Mn0.37Ti0.15Fe0.222.00、Li1.23Mn0.33Ti0.13Fe0.15Ni0.152.00、Li1.20Mn0.56Ni0.17Co0.072.00、Li1.20Mn0.54Ni0.13Co0.132.00等が挙げられる。
本実施形態のリチウム酸化物としては、高容量を得るという観点から、X線粉末回折法で測定した場合に、20−24°の領域にブロードなピークが現れるものが好ましい。
1は、高い容量が得られることから、Mnを含むことが好ましい。また、M1は、高容量に加えてさらに安定性の観点から、MnとTiを含むことが好ましい。
2は、低コストであることから、Feを含むことが好ましい。また、M2は、低コストに加えてさらに安定性の観点から、FeとNiを含むことが好ましい。
上記リチウム酸化物の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、正極全体で50質量%以上であり、高い容量の観点からは、70質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましい。また、リチウム酸化物の含有量は、例えば、正極全体で99質量%以下であり、95%質量%以下であることが好ましい。
正極は、例えば、上記正極活物質が正極結着剤によって正極集電体を覆うように結着されて形成されることができる。
正極は、導電性付与剤を含むことができる。導電性付与剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維、カーボンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、難黒鉛化炭素、金属粉末等が挙げられる。
正極結着剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、又はポリアミドイミド等が挙げられる。
正極の厚みは、任意に調整することができ、特に制限されるものではなく、例えば、20μm以上とすることができる。より大きな容量を得たい場合には、50μm以上とすることが好ましく、70μm以上とすることがより好ましい。
正極集電体の材質としては、特に制限するものではないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス等を挙げることができる。正極集電体の形状としては、特に制限するものではないが、例えば、箔状や平板状、メッシュ状が挙げられる。また、電池内部で発生するガスの通気性を向上させるため、表裏面を貫通する孔を備えるものを正極集電体として用いることもできる。表裏面を貫通する孔を備える正極集電体の例としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔を付与した多孔質箔等を挙げられる。
正極は、正極集電体上に、正極活物質と正極結着剤を含む正極活物質層を形成することで作製することができる。正極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられる。予め正極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を形成して、負極としてもよい。
[2]負極
負極は、例えば、負極活物質が負極結着剤によって負極集電体を覆うように結着されて形成されることができる。
本実施形態の負極は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料からなる負極活物質を含む。負極活物質の材料としては、特に制限するものではないが、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン若しくは活性炭等の炭素材料類、ポリアセン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン若しくはポリピロール等の導電性高分子類、シリコン、スズ若しくはアルミニウム等のリチウム金属と合金を形成する合金材料類、チタン酸リチウム等のリチウム酸化物類、又はリチウム金属等が挙げられる。また、これらの材料には、予めリチウムをドープしておいても良い。
リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料の含有量は、特に制限されるものではないが、例えば、負極全体で70質量%以上であり、高い容量の観点から、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料の含有量は、例えば、負極全体で99質量%以下であり、95%質量%以下であることが好ましい。
負極は、導電性付与剤を含むことができる。導電性付与剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ケッチェンブラック、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、又は金属粉末等が挙げられる。
負極結着剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、又はポリアミドイミド等が挙げられる。
負極の厚みは任意に調整することができ、特に制限されるものではなく、例えば、30μm以上とすることができる。より大きな容量を得たい場合には、50μm以上とすることが好ましく、70μm以上とすることがより好ましい。
負極集電体の材質としては、特に制限するものではないが、例えば、銅、ニッケル、又はステンレス等を挙げることができる。負極集電体の形状としては、特に制限するものではないが、例えば、箔状や平板状、メッシュ状が挙げられる。また、電池内部で発生するガスの通気性を向上させるため、表裏面を貫通する孔を備えるものを負極集電体として用いることもできる。表裏面を貫通する孔を備える負極集電体の例としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔を付与した多孔質箔等が挙げられる。
負極は、負極集電体上に、負極活物質と負極結着剤を含む負極活物質層を形成することで作製することができる。負極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を形成して、負極としてもよい。
[3]電解液
本実施形態の電解液はフッ素含有溶媒を含む。フッ素含有溶媒はフッ素原子を含有する化合物からなる。
フッ素含有溶媒は、フッ素含有リン酸エステルを含むことが好ましい。フッ素含有リン酸エステルは下記式(1)で表されることが好ましい。
(式(1)において、R1,R2及びR3は、それぞれ独立に、置換又は無置換のアルキル基であって、R1,R2及びR3の少なくとも1つはフッ素含有アルキル基である。)
フッ素含有アルキル基とは、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基である。アルキル基R1、R2、及びR3の炭素数は、それぞれ独立に、1以上4以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。アルキル基の炭素数が4以下であると、電解液の粘度の増加が抑えられ、電解液が電極やセパレータ内の細孔に浸み込み易くなるとともに、イオン伝導性が向上し、電池の充放電特性において電流値が良好になるためである。
また、式(1)において、R1,R2及びR3の全てがフッ素含有アルキル基であることが好ましい。
また、R1,R2及びR3の少なくとも1つは、対応する無置換のアルキル基が有する水素原子の50%以上がフッ素原子に置換されたフッ素含有アルキル基であることが好ましい。また、R1,R2及びR3の全てがフッ素含有アルキル基であり、該R1,R2及びR3が対応する無置換のアルキル基の水素原子の50%以上がフッ素原子に置換されたフッ素含有アルキル基であることがより好ましい。フッ素原子の含有率が多いと、耐電圧性がより向上し、リチウムに対して4.5V以上の電位で動作する正極活物質を用いた場合でも、サイクル後における電池容量の劣化をより低減することできるからである。また、フッ素含有アルキル基における水素原子を含む置換基中のフッ素原子の比率は55%以上がより好ましい。
また、R1乃至R3は、フッ素原子の他に置換基を有していても良く、置換基としては、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、並びにハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なお、上記の炭素数は置換基も含む概念である。
フッ素含有リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリス(トリフルオロメチル)、リン酸トリス(トリフルオロエチル)、リン酸トリス(テトラフルオロプロピル)、リン酸トリス(ペンタフルオロプロピル)、リン酸トリス(ヘプタフルオロブチル)等が挙げられる。また、フッ素含有リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ビス(トリフルオロエチル)メチル、リン酸ビストリフルオロエチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジメチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジメチル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルエチル、リン酸トリフルオロエチルメチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルプロピル、リン酸トリフルオロエチルメチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジエチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジエチル、リン酸トリフルオロエチルエチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルプロピル、リン酸トリフルオロエチルエチルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルジプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルジプロピル、リン酸トリフルオロエチルプロピルブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルプロピルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルプロピルブチル、リン酸トリフルオロエチルジブチル、リン酸ペンタフルオロプロピルジブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジブチル等が挙げられる。リン酸トリス(テトラフルオロプロピル)としては、例えば、リン酸トリス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)が挙げられる。リン酸トリス(ペンタフルオロプロピル)としては、例えば、リン酸トリス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)が挙げられる。リン酸トリス(トリフルオロエチル)としては、例えば、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)(以下、PTTFEとも略す)などが挙げられる。これらの中でも、高電位における電解液分解の抑制効果が高いことから、下記式(A)で表されるリン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)が好ましい。フッ素含有リン酸エステルは、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
フッ素含有リン酸エステルは、より具体的には、Tris(2,2,2−trifluoroethyl)phosphate(TTFP)、Tris(1H,1H−heptafluorobutyl)phosphate(THFP)であることが好ましい。
フッ素含有リン酸エステルの含有率は、特に制限されるものではないが、例えば、電解液中10〜70質量%であることが好ましい。フッ素含有リン酸エステルの含有率が10質量%以上であると、耐電圧性を高める効果がより向上する。また、フッ素含有リン酸エステルの含有率が70質量%以下であると、電解液のイオン伝導性が向上して電池の充放電レートがより良好になる。また、フッ素含有リン酸エステルの含有率は、15〜65質量%がより好ましく、20〜60質量%がさらに好ましく、25〜55質量%が特に好ましい。
本実施形態において、フッ素含有溶媒は、前記フッ素含有リン酸エステルに加えて、フッ素含有エーテルを含むことが好ましい。また、フッ素含有溶媒は、前記フッ素含有リン酸エステルとフッ素含有エーテルとの混合物であることが好ましい。
フッ素含有エーテルは下記式(2)で表されることが好ましい。
(式(2)において、R101及びR102は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R101及びR102の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
101及びR102において、アルキル基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。また、式(2)において、アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含むが、直鎖状であることが好ましい。
101及びR102の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。フッ素置換アルキル基とは、無置換アルキル基のうちの少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルキル基を表す。また、フッ素置換アルキル基は直鎖状であることが好ましい。また、R101及びR102は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であることがより好ましい。
フッ素含有エーテルは、耐電圧性と他の電解質との相溶性の観点から、下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
1−(CX23n−CH2O−(CX45m−X6 (II)
(式(II)において、nは1〜8であり、mは2〜4であり、X1〜X6は、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子である。ただし、X1〜X3の少なくとも1つはフッ素原子であり、X4〜X6の少なくとも1つはフッ素原子である。)。
式(II)において、nが2以上の場合、X2及びX3は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。mが2以上の場合、X4及びX5は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。
フッ素含有エーテルは、耐電圧性と他の電解質との相溶性の観点から、下記式(III)で表される化合物であることが好ましい。
1−(CY23n−CH2O−CY45−CY67−Y8 (III)
(式(III)中、nは1〜8であり、Y1〜Y8は、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子である。ただし、Y1〜Y3の少なくとも1つはフッ素原子であり、Y4〜Y8の少なくとも一つはフッ素原子である。)。
式(III)において、nが2以上の場合、Y2及びY3は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。
また、フッ素含有エーテルは、電解液の粘度や他の物質との相溶性の観点から、下記式(IV)で表されることがより好ましい。
H−(CX12−CX34n−CH2O−CX56−CX78−H (IV)
式(IV)において、nは1、2、3または4である。X1〜X8は、それぞれ独立に、フッ素原子または水素原子である。ただし、X1〜X4の少なくとも1つはフッ素原子であり、X5〜X8の少なくとも1つはフッ素原子である。nが2以上の場合、X1〜X4は、結合する炭素原子ごとにそれぞれ独立していてもよい。
式(IV)において、nが1又は2であることが好ましく、nが1であることがより好ましい。
また、式(IV)において、フッ素原子と水素原子の原子比〔(フッ素原子の総数)/(水素原子の総数)〕が1以上であることが好ましい。
フッ素含有エーテルとしては、例えば、CF3OCH3、CF3OC26、F(CF22OCH3、F(CF22OC25、F(CF23OCH3、F(CF23OC25、F(CF24OCH3、F(CF24OC25、F(CF25OCH3、F(CF25OC25、F(CF28OCH3、F(CF28OC25、F(CF29OCH3、CF3CH2OCH3、CF3CH2OCHF2、CF3CF2CH2OCH3、CF3CF2CH2OCHF2、CF3CF2CH2O(CF22H,CF3CF2CH2O(CF22F、HCF2CH2OCH3,H(CF22OCH2CH3、H(CF22OCH2CF3,H(CF22CH2OCHF2、H(CF22CH2O(CF22H、H(CF22CH2O(CF23H、H(CF23CH2O(CF22H、(CF32CHOCH3、(CF32CHCF2OCH3、CF3CHFCF2OCH3、CF3CHFCF2OCH2CH3、CF3CHFCF2CH2OCHF2、H(CF22CH2OCF2CHFCF3、CHF2−CH2−O−CF2CFH−CF3、F(CF22CH2OCF2CFHCF3などが挙げられる。
フッ素含有エーテルは、より具体的には、1,1,2,2−Tetrafluoroethyl 2,2,3,3−tetrafluoropropyl ether(TFETFPE)、1H,1H,5H−Perfluoropentyl−1,1,2,2−tetrafluoroethyl ether(PFPTFEE)、1H,1H,2’H
−Perfluorodipropyl ether(PFDPE)、Ethyl 1,1,2,3,3,3−hexafluoropropyl ether(EHFPE)であることが好ましい。
フッ素含有エーテルの含有量は、特に制限されるものではないが、電解液中1〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、7〜50質量%であることがさらに好ましく、10〜40質量%であることが特に好ましい。フッ素含有エーテルの含有量が70質量%以下の場合、支持塩におけるLiイオンの解離が起こりやすくなり、電解液の導伝性が改善される。また、フッ素含有エーテルの含有量が1質量%以上の場合、電解液の負極上での還元分解を抑制し易くなると考えられる。
本実施形態において、フッ素含有溶媒は、前記フッ素含有リン酸エステルに加えて、フッ素含有カルボン酸エステルを含むことが好ましい。また、フッ素含有溶媒は、前記フッ素含有リン酸エステルとフッ素含有カルボン酸エステルとの混合物であることが好ましい。
フッ素含有カルボン酸エステルは下記式(3)で表されることが好ましい。
(式(3)において、R201及びR202は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R201及びR202の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
201及びR202において、アルキル基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。また、式(3)において、アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含むが、直鎖状であることが好ましい。
201及びR202の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。フッ素置換アルキル基とは、無置換アルキル基のうちの少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルキル基を表す。また、フッ素置換アルキル基は直鎖状であることが好ましい。また、R201及びR202は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であることがより好ましい。
フッ素含有カルボン酸エステルとしては、特に制限するものではないが、例えば、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酢酸メチル、又はギ酸メチルの一部又は全部の水素原子をフッ素原子で置換した構造を有する化合物等が挙げられる。また、フッ素含有カルボン酸エステルとしては、具体的には、例えば、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸エチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、酢酸2,2−ジフルオロエチル、ヘプタフルオロイソ酪酸メチル、2,3,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、2−(トリフルオロメチル)−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、ヘプタフルオロ酪酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸tert−ブチル、4,4,4−トリフルオロ酪酸エチル、4,4,4−トリフルオロ酪酸メチル、2,2−ジフルオロ酢酸ブチル、ジフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸n−ブチル、酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、3−(トリフルオロメチル)酪酸エチル、テトラフルオロ−2−(メトキシ)プロピオン酸メチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸3,3,3トリフルオロプロピル、ジフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、酢酸1H,1H−ヘプタフルオロブチル、ヘプタフルオロ酪酸メチル、トリフルオロ酢酸エチルなどが挙げられる。これらの中でも、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、トリフルオロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピルが好ましい。
フッ素含有カルボン酸エステルは、より具体的には、Methyl 2,2,3,3−tetrafluoropropionate(MTFP)、2,2,3,3−Tetrafluoropropyl trifluoroacetate(TFPTFA)であることが好ましい。
フッ素含有カルボン酸エステルの含有量は、特に制限されるものではないが、電解液中0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜45質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましく、10〜35質量%であることが特に好ましい。フッ素含有カルボン酸エステルの電解液中の含有率が0.1質量%以上であると、電解液の粘度を下げることができ、導電性を高めることができる。また、耐酸化性を高める効果が得られる。また、フッ素含有カルボン酸エステルの電解液中の含有率が50質量%以下であると、電解液の導電性を高く保つことが可能であり、電解液の相溶性を確保することができる。
本実施形態において、フッ素含有溶媒は、前記フッ素含有リン酸エステルに加えて、フッ素含有カーボネートを含むことが好ましい。また、フッ素含有溶媒は、前記フッ素含有リン酸エステルとフッ素含有カーボネートとの混合物であることが好ましい。
フッ素含有カーボネートは下記式(4)で表されることが好ましい。
(式(4)において、R301及びR302は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R301及びR302の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
301及びR302において、アルキル基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。また、式(4)において、アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含むが、直鎖状であることが好ましい。
301及びR302の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。フッ素置換アルキル基とは、無置換アルキル基のうちの少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルキル基を表す。また、フッ素置換アルキル基は直鎖状であることが好ましい。また、R301及びR302は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のフッ素置換アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のフッ素置換アルキル基であることがより好ましい。
フッ素含有カーボネートとしては、特に制限するものではないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネートの一部あるいは全部の水素をフッ素に置換した化合物を用いることもできる。より具体的には、例えば、ビス(フルオロエチル)カーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルカーボネート等が挙げられる。
フッ素含有カーボネートは、より具体的には、Methyl 2,2,3,3−tetrafluoropropyl carbonate(MTFPC)、Methyl 2,2,2−trifluoroethyl carbonate(MTFEC)であることが好ましい。
また、フッ素含有カーボネートとしては、その他にも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネートの一部をフッ素化した化合物等を用いることもできる。より具体的には、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート、以下FECとも称す)、(cis又はtrans)4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を用いることができる。
フッ素含有カーボネートの含有量は、特に制限されるものではないが、電解液中0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜45質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましく、10〜35質量%であることが特に好ましい。
正極と負極との間の荷電担体輸送をより有効に行うために、フッ素含有リン酸エステルに加えて、フッ素含有エーテル、フッ素含有カルボン酸エステル、又はフッ素含有カーボネートが含まれていることが望ましい。
電解液中のフッ素含有溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、正極と負極の間の荷電担体輸送を十分に行う観点から、電解液中5〜95質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。
電解液は、上記フッ素含有溶媒に加え、支持塩や非水電解溶媒を含むことができる。
支持塩としては、特に制限するものではないが、例えば、LiPF6,LiPF6,LiBF4,LiClO4,LiCF3SO3,LiN(CF3SO22,LiN(C25SO22,LiC(CF3SO23,LiC(C25SO23等のリチウム塩が挙げられる。また、支持塩としては、他にも、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl等が挙げられる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
支持塩の電解液中の濃度は、特に限定されるものではないが、室温で10-5−10-1S/cmの電解質イオン伝導性を有し、正極と負極との間の荷電担体輸送を十分に行う観点から、0.5〜1.5Mの範囲であることが好ましい。
非水電解溶媒としては、特に制限するものではないが、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;プロピレンカーボネート誘導体;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;などの非プロトン性溶媒が挙げられる。非水電解溶媒としては、上記以外に以下のものを含んでいても良い。非水電解液は、例えば、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−エトキシエタン(DEE)若しくはエトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン若しくは2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類等を含むことができる。また、その他にも、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンスルトン、アニソール、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を含んでも良い。非水電解溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
非水電解溶媒の電解液中の含有量は、10〜99質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることがさらに好ましい。
電解液は、液状に限られず、ゲル状であってもよく、高分子材料を含むことができる。高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン若しくはフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体若しくはアクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、又はポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
[4]セパレータ
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の多孔質フィルムや不織布を用いることができる。また、セパレータとしては、それらを積層したものを用いることもできる。
セパレータは、正極及び負極の間に介在し、電子を伝導させずイオンのみを伝導させる役割を果たす。セパレータとしては、特に制限するものではないが、例えば、ポリプロピレン若しくはポリエチレン等のポリオレフィン、アラミド樹脂又はフッ素樹脂等からなる多孔性フィルムや不織布等が挙げられる。
[5]外装体
電池要素の形状としては、特に制限するものではないが、例えば、積層型、捲回型、折り畳み型等が挙げられる。これらの中でも放熱性の観点から、積層型が好ましい。
外装体としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることができる。また、外装体としては、例えば、金属ケース、樹脂ケース等が挙げられる。外装体の素材としては、例えば、鉄、アルミニウム等の金属材料、プラスチック材料、ガラス材料あるいはそれらを積層した複合材料等が挙げられる。
また、外装体は、酸化処理後のガス抜き作業が簡便に行えることから、アルミニウムと、ナイロンやポリプロピレンなどの高分子フィルムとを積層させたアルミニウムラミネートフィルムであることが好ましい。
[6]二次電池
図1には、本発明の第1の実施の形態として、リチウムイオン電池の断面図が示されている。図に示されているのは積層構造のリチウムイオン電池である。リチウム酸化物を主成分とする正極活物質層1、アルミニウム箔からなる正極集電体1A、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料を主成分とする負極活物質層2、銅箔からなる負極集電体2A、電解液を含む多孔質フィルムセパレータ3、アルミニウムラミネートフィルム外装体4を備えている。
本実施形態に係る二次電池の構成は、特に制限されるものではなく、例えば、正極および負極が対向配置された電極素子と、電解液とが外装体に内包されている構成とすることができる。二次電池の形状は、特に制限されるものではないが、例えば、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型、又は積層ラミネート型が挙げられる。
以下、例として積層ラミネート型の二次電池について説明する。図2は、積層ラミネート型の二次電池が有する電極素子の構造を示す模式的断面図である。この電極素子は、正極cの複数および負極aの複数が、セパレータbを挟みつつ交互に積み重ねられて形成されている。各正極cが有する正極集電体eは、正極活物質に覆われていない端部で互いに溶接されて電気的に接続され、さらにその溶接箇所に正極端子fが溶接されている。各負極aが有する負極集電体dは、負極活物質に覆われていない端部で互いに溶接されて電気的に接続され、さらにその溶接箇所に負極端子gが溶接されている。
このような平面的な積層構造を有する電極素子は、Rの小さい部分(捲回構造の巻き芯に近い領域)がないため、捲回構造を持つ電極素子に比べて、充放電に伴う電極の体積変化に対する悪影響を受けにくいという利点がある。すなわち、体積膨張を起こしやすい活物質を用いた電極素子として有効である。ところが、平面的な積層構造を持つ電極素子には、電極間にガスが発生した際に、その発生したガスが電極間に滞留しやすい場合がある。これは、捲回構造を持つ電極素子の場合には電極に張力が働いているため電極間の間隔が広がりにくいのに対して、積層構造を持つ電極素子の場合には電極間の間隔が広がりやすいためである。外装体がアルミラミネートフィルムであった場合、この問題は特に顕著となる。本実施形態では、このような問題を解決することができ、高エネルギー型の負極を用いた積層ラミネート型のリチウムイオン二次電池においても、長寿命駆動が可能となる。
[7]酸化処理
本実施形態のリチウムイオン電池では、プレサイクル法にて酸化処理を行うことができる。酸化処理方法については、特に限定されるものではないが、電気化学的手法を用いることが望ましい。
例えば、酸化処理前のリチウムイオン電池について、下記プレサイクル法にて酸化処理を行うことができる。まず20mA/gの電流で4.2Vまで充電し、次に20mA/gの電流で2.0Vまで放電する。次のサイクル以降では、上限電圧を0.1Vずつ上昇させて充放電を行う。つまり、2回目のサイクルでは20mA/gの電流で4.3Vまで充電し、20mA/gの電流で2.0Vまで放電する。その次(3回目)では、20mA/gの電流で4.4Vまで充電し、20mA/gの電流で2.0Vまで放電する。最終的に上限電圧が4.8Vにまるまで7サイクルを繰り返す。
リチウムイオン電池の酸化処理後、一旦リチウムイオン電池の封口部を破ることで電池内部のガスを抜き、更に再封口することができる。
正極の上限電圧としては、酸化処理を十分に行えることから、リチウム金属比で4.6V以上で固定されていることが好ましく、4.7V以上に固定されていることがより好ましい。
酸化処理においては、例えば、充電時における正極の上限電圧をリチウム金属比で4.6V以上に固定し、最初の充放電サイクルの充電電流を80〜400mA/g、最後の充放電サイクルの充電電流を5〜150mA/gとして、充電電流を段階的に低下させていきながら2〜50回充放電を繰り返すことで、正極の酸素欠損量dを0.20以下にすることができる。正極の酸素欠損量dは0.05以上0.20以下にすることが好ましい。酸化処理後の正極の酸素欠損量dを0.20以下とする酸化処理の方法については、特に限定されない。
本実施形態によれば、層状岩塩型構造を有するリチウム酸化物の構造劣化が抑制され、安定性の高いリチウムイオン電池を提供することができる。
(実施例)
以下に、本実施形態の実施例を説明する。
<実施例1>
<正極>
層状岩塩構造を有するリチウム酸化物Li1.19Mn0.52Fe0.221.98を85重量%、ケッチェンブラックを6重量%、気相成長炭素繊維を3重量%、ポリフッ化ビニリデンを6重量%含むインクを、アルミニウム箔(厚み20ミクロン)からなる正極集電体上に塗布して乾燥させ、厚み35μmからなる正極1を作製した。、また、正極集電体の両面に前記インクを塗布して乾燥させることにより、両面電極も同様に作製した。
<負極>
平均粒径15μmの人造黒鉛を90重量%、ケッチェンブラックを1重量%、ポリフッ化ビニリデンを9重量%含むインクを、銅箔(厚み10μm)からなる負極集電体上に塗布して乾燥させ、厚み48μmからなる負極を作製した。また、負極集電体の両面に前記インクを塗布して乾燥させることにより、両面電極も同様に作製した。
<電解液>
カーボネート(EC)/フッ素含有エーテル(TFETFPE)/フッ素含有リン酸エステル(TTFP)を体積比3/2/5で混合し、そこに1.0MのLiPF6を溶解させて電解液を調製した。
(TFETFPE)・・・1,1,2,2−Tetrafluoroethyl 2,2,3,3−tetrafluoropropyl ether
(TTFP)・・・Tris(2,2,2−trifluoroethyl)phosphate
<リチウムイオン電池>
上記方法で作製した正極および負極を成形した後、多孔質のフィルムセパレータを挟んで積層し、それぞれに正極タブおよび負極タブを溶接することで電池要素を作製した。該電池要素をアルミラミネートフィルムからなる外装体で包み、3方を熱融着により封止した後、上記電解液を適度な真空度にて含浸させた。その後、減圧下にて残りの1方を熱融着封止し、酸化処理前のリチウムイオン電池を作製した。
<酸化処理工程>
作製した酸化処理前のリチウムイオン電池について、1回目のサイクルとして、20mA/gの電流で4.2Vまで充電してから、20mA/gの電流で2.0Vまで放電した。次のサイクル以降は上限電圧を0.1Vずつ上昇させて充放電を行った。つまり、2回目のサイクルでは、20mA/gの電流で4.3Vまで充電してから、20mA/gの電流で2.0Vまで放電した。3回目のサイクルでは、20mA/gの電流で4.4Vまで充電してから、20mA/gの電流で2.0Vまで放電した。これを繰り返して、最終的に上限電圧が4.8Vになるまで7サイクルを繰り返す方法で酸化処理を行った。
酸化処理後のリチウムイオン電池について、一旦封口部を破って減圧することで電池内部のガスを抜き、更に再封口して、リチウムイオン電池を作製した。
<実施例2>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/フッ素含有エーテル(PFPTFEE)/TTFP=4/3/3を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(PFPTFEE)・・・1H,1H,5H−Perfluoropentyl−1,1,2,2−tetrafluoroethyl ether
<実施例3>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/PC/フッ素含有エーテル(PFDPE)/TTFP=3/1/2/4を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(PFDPE)・・・1H,1H,2’H−Perfluorodipropyl e
ther
<実施例4>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/フッ素含有エーテル(EHFPE)/TTFP=6/2/2を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(EHFPE)・・・1,1,2,3,3,3−hexafluoropropyl ether
<実施例5>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/フッ素含有カルボン酸エステル(MTFP)/TTFP=3/2/5を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(MTFP)・・・Methyl 2,2,3,3−tetrafluoropropionate
<実施例6>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/フッ素含有カルボン酸エステル(TFPTFA)/TTFP=3/2/5を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(TFPTFA)・・・2,2,3,3−Tetrafluoropropyl trifluoroacetate
<実施例7>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/フッ素含有カーボネート(MTFPC)/TTFP=3/2/5を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(MTFPC)・・・Methyl 2,2,3,3−tetrafluoropropyl carbonate
<実施例8>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/フッ素含有カーボネート(MTFEC)/TTFP=3/2/5を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
(MTFEC)・・・Methyl 2,2,2−trifluoroethyl carbonate
<実施例9>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/TTFP=8/2を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
<実施例10>
Li1.19Mn0.52Fe0.221.98の代わりに、Li1.21Mn0.46Fe0.15Ni0.152を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
<実施例11>
Li1.19Mn0.52Fe0.221.98の代わりに、Li1.2Mn0.4Ni0.42を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
<比較例1>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/DEC=3/7を用いた以外は、実施例1と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
<比較例2>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/DEC=3/7を用いた以外は、実施例10と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
<比較例3>
EC/TFETFPE/TTFP=3/2/5の代わりに、EC/DEC=3/7を用いた以外は、実施例11と同じ方法でリチウムイオン電池を作製した。
<リチウムイオン電池の評価方法>
上記方法で作製したリチウムイオン電池を、30℃の恒温槽中40mA/gの定電流で4.8Vまで充電し、さらに5mA/gの電流になるまで4.8Vの定電圧で充電を続けた。その後、5mA/gの電流で2.0Vまで放電し、初期容量を求めた。
さらに初期容量測定後のリチウムイオン電池について、30℃の恒温槽中で、40mA/gの定電流で4.8Vまで充電し、さらに5mA/gの電流になるまで4.8Vの定電圧で充電を続け、その後40mA/gの電流で2.0Vまで放電する充放電サイクルを30回繰り返した。そして、1サイクル目で得られた初期容量と30サイクル目で得られた放電容量の比から、30サイクル後の容量維持率を求めた。
<リチウムイオン電池の評価結果>
各実施例および比較例で用いた電解液溶媒組成、正極材料、評価で得られた初期容量、容量維持率を表1にまとめて示す。
実施例1から9と比較例1の比較から、電解液にフッ素含有溶媒が混合されていることによって、高い容量が安定して得られることが分かった。また、実施例10と比較例2の比較から、本発明の効果が正極活物質としてLi1.19Mn0.52Fe0.221.98を用いた場合だけでなく、Li1.21Mn0.46Fe0.15Ni0.152を用いた場合でも生じることが分かった。同様に、実施例11と比較例3との比較から、本発明の効果が正極活物質としてLi1.2Mn0.4Ni0.42を用いた場合でも生じることが分かった。
(付記1)
正極活物質を含む正極と、電解液と、を少なくとも有するリチウムイオン電池であって、
前記正極活物質は、層状岩塩型構造を有し、かつ化学式Lix1 y2 z2-d(但し、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50、0≦d≦0.2であり、さらに、M1はMn,Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属であり、M2はFe,Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の金属である)で表されるリチウム酸化物を含み、
前記電解液がフッ素含有溶媒を含むことを特徴とするリチウムイオン電池。
(付記2)
前記フッ素含有溶媒が、フッ素含有リン酸エステルを含む付記1に記載のリチウムイオン電池。
(付記3)
前記フッ素含有リン酸エステルが、下記式(1)で表される付記2に記載のリチウムイオン電池;
(式(1)において、R1,R2及びR3は、それぞれ独立に、置換又は無置換のアルキル基であって、R1,R2及びR3の少なくとも1つはフッ素含有アルキル基である。)。
(付記4)
前記フッ素含有リン酸エステルが、Tris(2,2,2−trifluoroethyl)phosphate(TTFP)、又はTris(1H,1H−heptafluorobutyl)phosphate(THFP)である付記3に記載のリチウムイオン電池。
(付記5)
前記フッ素含有溶媒が、さらにフッ素含有エーテルを含む付記2乃至4のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記6)
前記フッ素含有エーテルは下記式(2)で表される付記5に記載のリチウムイオン電池;
(式(2)において、R101及びR102は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R101及びR102の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
(付記7)
前記フッ素含有エーテルが、1,1,2,2−Tetrafluoroethyl 2,2,3,3−tetrafluoropropyl ether(TFETFPE)、1H,1H,5H−Perfluoropentyl−1,1,2,2−tetrafluoroethyl ether(PFPTFEE)、1H,1H,2’H−Perfl
uorodipropyl ether(PFDPE)、又はEthyl 1,1,2,3,3,3−hexafluoropropyl ether(EHFPE)である付記5又は6に記載のリチウムイオン電池。
(付記8)
前記フッ素含有溶媒が、さらにフッ素含有カルボン酸エステルを含む付記2乃至4のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記9)
前記フッ素含有カルボン酸エステルは下記式(3)で表される付記8に記載のリチウムイオン電池;
(式(3)において、R201及びR202は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R201及びR202の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
(付記10)
前記フッ素含有カルボン酸エステルが、Methyl 2,2,3,3−tetrafluoropropionate(MTFP)、又は2,2,3,3−Tetrafluoropropyl trifluoroacetate(TFPTFA)である付記8又は9に記載のリチウムイオン電池。
(付記11)
前記フッ素含有溶媒が、さらにフッ素含有カーボネートを含む付記2乃至4のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記12)
前記フッ素含有カーボネートは下記式(4)で表される付記11に記載のリチウムイオン電池;
(式(4)において、R301及びR302は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R301及びR302の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
(付記13)
前記フッ素含有カーボネートが、Methyl 2,2,3,3−tetrafluoropropyl carbonate(MTFPC)、又はMethyl 2,2,2−trifluoroethyl carbonate(MTFEC)である付記11又は12に記載のリチウムイオン電池。
(付記14)
前記M1が少なくともMnを含む付記1乃至13のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記15)
前記M2が少なくともFeを含む付記1乃至14のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記16)
前記M2が少なくともFeとNiを含む付記1乃至14のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記17)
リチウムを吸蔵・放出可能な材料からなる負極活物質を含む負極を有する付記1乃至16のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(付記18)
プレサイクル法にて電気化学的に酸化処理されている付記1乃至17のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
1 正極活物質層
1A 正極集電体
1B 正極タブ
2 負極活物質層
2A 負極集電体
2B 負極タブ
3 セパレータ
4 外装体

Claims (10)

  1. 正極活物質を含む正極と、電解液と、を少なくとも有するリチウムイオン電池であって、
    前記正極活物質は、層状岩塩型構造を有し、かつ化学式Lix1 y2 z2-d(但し、1.16≦x≦1.32、0.33≦y≦0.63、0.06≦z≦0.50、0≦d≦0.2であり、さらに、M1はMn,Ti及びZrから選択される少なくとも1種の金属であり、M2はFe,Co及びNiから選ばれる少なくとも1種の金属である)で表されるリチウム酸化物を含み、
    前記電解液がフッ素含有溶媒を含むことを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記フッ素含有溶媒が、フッ素含有リン酸エステルを含む請求項1に記載のリチウムイオン電池。
  3. 前記フッ素含有リン酸エステルが、下記式(1)で表される請求項2に記載のリチウムイオン電池;
    (式(1)において、R1,R2及びR3は、それぞれ独立に、置換又は無置換のアルキル基であって、R1,R2及びR3の少なくとも1つはフッ素含有アルキル基である。)。
  4. 前記フッ素含有溶媒が、さらにフッ素含有エーテルを含む請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池。
  5. 前記フッ素含有エーテルは下記式(2)で表される請求項4に記載のリチウムイオン電池;
    (式(2)において、R101及びR102は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R101及びR102の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
  6. 前記フッ素含有溶媒が、さらにフッ素含有カルボン酸エステルを含む請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池。
  7. 前記フッ素含有カルボン酸エステルは下記式(3)で表される請求項6に記載のリチウムイオン電池;
    (式(3)において、R201及びR202は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R201及びR202の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
  8. 前記フッ素含有溶媒が、さらにフッ素含有カーボネートを含む請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池。
  9. 前記フッ素含有カーボネートは下記式(4)で表される請求項8に記載のリチウムイオン電池;
    (式(4)において、R301及びR302は、それぞれ独立に、アルキル基又はフッ素置換アルキル基を示し、R301及びR302の少なくとも一つはフッ素置換アルキル基である。)。
  10. プレサイクル法にて電気化学的に酸化処理されている請求項1乃至9のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
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