JP2013253315A - 二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管 - Google Patents

二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管 Download PDF

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Abstract

【課題】塩化物、硫化水素、炭酸ガスなどの腐食性物質を含有する環境において良好な耐食性を発現する二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管を提供することにある。
【解決手段】フェライト相とオーステナイト相とからなる二相ステンレス鋼材であって、前記二相ステンレス鋼材の成分組成は、C:0.10質量%以下、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:0.1〜2.0質量%、P:0.05質量%以下、S:0.03質量%以下、Al:0.005〜0.050質量%、Cr:18.0〜29.0質量%、Ni:1.0〜10.0質量%、Mo:2.5〜6.0質量%、Sn:0.001〜0.30質量%、N:0.16〜0.50質量%、かつ、前記N量と前記Sn量との質量比(N/Sn)が1〜400であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩化物、硫化水素、炭酸ガスなどの腐食性物質を含有する環境(以下、腐食環境と称することがある)において使用される二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管に関するものである。
ステンレス鋼材は、腐食環境において不働態皮膜と呼ばれるCrの酸化物を主体とする安定な表面皮膜を自然に形成し、耐食性を発現する材料である。特に、フェライト相とオーステナイト相からなる二相ステンレス鋼材は、強度特性がオーステナイト系ステンレス鋼やフェライト系ステンレス鋼に対して優れ、耐孔食性と耐応力腐食割れ性が良好である。このような特徴のため、二相ステンレス鋼材は、アンビリカル、海水淡水化プラント、LNG気化器などの海水環境の構造材料を初めとして、油井管や各種化学プラントなどの腐食性が厳しい環境の構造材料として使用されている。
しかしながら、使用環境に塩化物(塩化物イオン)などの腐食性物質が多量に含有される場合には、二相ステンレス鋼材中の介在物や不働態皮膜の欠陥などを起点として、二相ステンレス鋼材に局部腐食いわゆる孔食が発生する場合がある。また、二相ステンレス鋼材のすきま部分においては、すきま内部では塩化物イオンなどの腐食性物質が濃縮してより厳しい腐食環境となり、さらにすきま外部と内部との間で酸素濃淡電池を形成して、すきま内部の局部腐食がより促進され、いわゆるすきま腐食が発生する場合がある。さらに、孔食やすきま腐食などの局部腐食は、応力腐食割れの起点となる場合が多く、安全性の観点から耐食性、特に耐局部腐食特性のさらなる向上が求められている。
特に、油井管材料においては、より深層の油井やガス井の開発が進められており、従来よりも高温で、かつ、硫化水素、炭酸ガス、塩化物などの腐食性物質を多量に含む環境に曝される場合が多くなっているため、従来よりもさらに優れた耐食性が要求されている。
ステンレス鋼の耐孔食性は、Cr量を[Cr]、Mo量を[Mo]、N量を[N]とした際、[Cr]+3.3[Mo]+16[N]で計算される孔食指数PRE(Pitting Resistance Equivalent)で表され、Cr、Mo、Nの含有量を多くすれば優れた耐孔食性が得られることが知られている。また、Cr、Mo、Nの含有量の増加は、耐すきま腐食性の向上にも寄与することが知られている。しかしながら、Cr、Mo、Nの含有量の増加は、鋳造性や圧延性などを低下させるため素材製造面で問題が生じる可能性が大きいことに加えて、溶接性や加工性も低下させるため施工面でも問題が生じる場合が多い。二相ステンレス鋼材において、実用上十分な耐食性を得るための技術としては、特許文献1にCr、Mo、N以外にCu、Ni、V、などの化学成分を調整することが提案され、特許文献2にCr、Mo,N以外にミッシュメタルおよび/またはYを活用することが提案されている。
国際公開第2009/119895号パンフレット 特開2011−174183号公報
しかしながら、二相ステンレス鋼材は強度特性に優れる反面、圧延や引抜などの加工が通常の単相ステンレス鋼材よりも難しい場合が多い。また、σ相析出を助長するNi、Mo、Si、Mnなどの元素の含有量の増量はσ脆化を促進して靭性を劣化させる懸念があり、実用が困難である場合が多い。また、二相ステンレス鋼材の耐食性向上に対しては、特許文献1、2では必ずしも十分であるとは言えず、特に塩化物腐食環境において発生する局部腐食に関して問題があり、さらに効果的な耐食性向上の要望がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その課題は塩化物、硫化水素、炭酸ガスなどの腐食性物質を含有する環境において良好な耐食性を発現する二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管を提供することにある。
前記のようにステンレス鋼材は、Crの酸化物を主体とする不働態皮膜により耐食性を発現する材料である。二相ステンレス鋼材では、フェライト相とオーステナイト相の異相界面で不連続性を有しており、フェライト相とオーステナイト相との界面においては不働態皮膜が不安定になる傾向が強いため、塩化物イオンの不働態皮膜破壊作用を受けやすく、局部腐食が発生しやすくなる。本発明者らは、前記課題を解決するために製造面や諸特性を害さない範囲において、二相ステンレス鋼材の不働態皮膜の安定性および保護性を強化することに着目し、耐食性を向上させる技術検討を行った。
本発明に係る二相ステンレス鋼材は、フェライト相とオーステナイト相とからなる二相ステンレス鋼材であって、前記二相ステンレス鋼材の成分組成は、C:0.10質量%以下、Si:0.1〜2.0質量%、Mn:0.1〜2.0質量%、P:0.05質量%以下、S:0.03質量%以下、Al:0.005〜0.050質量%、Cr:18.0〜29.0質量%、Ni:1.0〜10.0質量%、Mo:2.5〜6.0質量%、Sn:0.001〜0.30質量%、N:0.16〜0.50質量%、かつ、前記N量と前記Sn量との質量比(N/Sn)が1〜400であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
前記のように、二相ステンレス鋼材は、所定量のSnを含有すると共に、所定範囲のN/Snを満足し、このSnが固溶することによって、Feの溶解反応が促進されて、Crの酸化物皮膜が形成されやすくなる。その結果、フェライト相とオーステナイト相との界面においても不働態皮膜が形成しやすくなり、しかもその安定性が高まるため、局部腐食を大幅に抑制できる。また、二相ステンレス鋼材は、不働態皮膜が局所的に破壊された場合にも、固溶Snの作用により不働態皮膜が再生されやすく、結果として不働態皮膜の安定性が高まる。
そして、二相ステンレス鋼材において、Nは、溶解時に溶液中のHと反応してNH4を形成することにより、溶液中のH濃度を低下させる、すなわちpHを上昇させる作用がある。このようなNの作用により、腐食起点のpH低下(酸性化)によって発生・加速される孔食やすきま腐食などの局部腐食が抑制される。所定量のSn含有は、このようなNの溶解性も促進するため、NとHとの反応を促進して、pH緩和作用を極大化する。なお、前記のような所定量のSnの作用は、二相ステンレス鋼材にSnを固溶させた場合に得られるものであり、Snが他の合金元素と化合物を形成した場合には、FeやNの溶解反応に影響を及ぼさなくなるため、前記効果は得られにくくなる。したがって、Snは固溶させることが好ましい。
また、二相ステンレス鋼材は、所定量のMn、P、S、Al、Moを含有することによって、前記のSnの作用効果が向上し、所定量のC、Si、Niを含有することによって、二相組織が得られ、構造材料として必要な加工性、低温靭性などの諸特性が得られる。
また、本発明に係る二相ステンレス鋼材は、前記成分組成が、さらに、Cu:0.1〜2.0質量%、Co:0.1〜2.0質量%、W:0.1〜6.0質量%の1種または2種以上を含有することが好ましい。また、前記成分組成が、さらに、Mg:0.0005〜0.020質量%、Ca:0.0005〜0.020質量%の1種または2種を含有することが好ましい。また、前記成分組成が、さらに、Ti:0.01〜0.50質量%、Zr:0.01〜0.50質量%、V:0.01〜0.50質量%、Nb:0.01〜0.50質量%、B:0.0005〜0.010質量%よりなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
前記のように、二相ステンレス鋼材は、Cu、Co、Wの1種または2種以上をさらに含有すること、Mg、Caの1種または2種をさらに含有すること、Ti、Zr、V、Nb、Bよりなる群からから選ばれる1種以上を含有することによって、不働態皮膜の安定性がより一層高まるため、局部腐食をより一層大幅に抑制できる。
さらに、本発明に係る二相ステンレス鋼管は、前記の二相ステンレス鋼材からなることを特徴とする。
前記のように、二相ステンレス鋼管は、鋼管を二相ステンレス鋼材で構成することによって、鋼管表面に形成される不働態皮膜の安定性が高まるため、局部腐食を大幅に抑制できる。
本発明の二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管によれば、塩化物、硫化水素、炭酸ガスなどの腐食性物質を含有する環境において良好な耐食性を発現する。その結果、アンビリカル、海水淡水化プラント、LNG気化器などの海水環境の構造材料を初めとして、油井管や各種化学プラントなどの腐食性が厳しい環境の構造材料への使用が可能となる。
PRE値と孔食電位(Epit)との関係を示す図である。 PRE値と腐食すきま再不働態化電位(Ercrev)との関係を示す図である。
<二相ステンレス鋼材>
本発明に係る二相ステンレス鋼材の実施形態について詳細に説明する。
本発明の二相ステンレス鋼材は、フェライト相とオーステナイト相とからなる二相ステンレス鋼材であって、前記二相ステンレス鋼材の成分組成は、C、Si、Mn、P、S、Al、Cr、Ni、Mo、Sn、Nを所定量含有し、かつ、前記N量と前記Sn量との質量比(N/Sn)が所定範囲であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。以下、各構成について説明する。
(鋼材組織)
本発明の二相ステンレス鋼材は、フェライト相とオーステナイト相の二相からなるものである。フェライト相とオーステナイト相からなる二相ステンレス鋼材においては、CrやMoなどのフェライト相安定化元素はフェライト相に濃縮し、NiやNなどのオーステナイト相安定化元素はオーステナイト相に濃縮する傾向にある。このとき、フェライト相のオーステナイト相に対する面積率が30%未満または70%を超える場合には、Cr、Mo、Ni、Nなどの耐食性に寄与する元素のフェライト相とオーステナイト相における濃度差異が大きくなりすぎて、フェライト相とオーステナイト相のいずれか耐食性に劣る側が選択腐食されて耐食性が劣化する傾向が大きくなる。したがって、フェライト相とオーステナイト相との面積率も最適化することが推奨され、フェライト相の面積率は、耐食性の観点から30〜70%が好ましく、40〜60%がさらに好ましい。このようなフェライト相とオーステナイト相の面積率は、フェライト相安定化元素とオーステナイト相安定化元素の含有量を調整することによって適正化することが可能である。
また、本発明の二相ステンレス鋼材は、フェライト相とオーステナイト相以外にσ相やCrの炭窒化物などの異相も耐食性や機械特性などの諸特性を害さない程度に許容できる。フェライト相とオーステナイト相との面積率の合計は、95%以上とすることが好ましく、97%以上とすることがさらに好ましい。
二相ステンレス鋼材の成分組成の数値範囲の限定理由について説明する。
(C:0.10質量%以下)
Cは、鋼材中でCrなどとの炭化物を形成して耐食性を低下させるため、有害な元素である。Cの含有量はできる限り少なくする必要があり、C含有量の上限値は0.10質量%である。C含有量の好ましい上限値は0.08質量%であり、より好ましくは0.06質量%以下とするのが良い。なお、Cは、鋼材中に含有されていない、すなわち、0質量%であっても良い。
(Si:0.1〜2.0質量%)
Siは、脱酸とフェライト相の安定化のために必要な元素である。このような効果を得るためには、Siは0.1質量%以上含有させることが必要である。しかし、過剰にSiを含有させると加工性が劣化することからSi含有量は2.0質量%以下とすることが必要である。Si含有量の好ましい下限値は0.15質量%であり、さらに好ましい下限値は0.2質量%である。また、Si含有量の好ましい上限値は1.9質量%であり、さらに好ましい上限値は1.8質量%である。
(Mn:0.1〜2.0質量%)
Mnは、Siと同様に脱酸効果があり、さらに強度確保のために必要な元素である。このような効果を得るためには、Mnは0.1質量%以上含有させることが必要である。しかし、過剰にMnを含有させると粗大なMnSを形成して耐食性が劣化することからMn含有量は2.0質量%以下とすることが必要である。Mn含有量の好ましい下限値は0.15質量%であり、さらに好ましい下限値は0.2質量%である。また、Mn含有量の好ましい上限値は1.9質量%であり、さらに好ましい上限値は1.8質量%である。
(P:0.05質量%以下)
Pは、耐食性に有害な元素であり、溶接性や加工性も劣化させる元素であり、Pの許容される含有量は0.05質量%までである。P含有量はできる限り少ない方が好ましく、好ましい上限値は0.04質量%であり、さらに好ましくは0.03質量%以下とするのが良い。なお、Pは、鋼材中に含有されていない、すなわち、0質量%であって良い。
(S:0.03質量%以下)
Sは、MnSを形成して耐食性を低下させるため、有害な元素である。また、Sが過剰に含有されると加工性も劣化する。よって、許容されるS含有量は0.03質量%までである。S含有量はできる限り少ない方が好ましく、好ましい上限値は0.025質量%であり、さらに好ましくは0.02質量%以下とするのが良い。なお、Sは、鋼材中に含有されていない、すなわち、0質量%であっても良い。
(Al:0.005〜0.050質量%)
Alは、Si、Mnと同様に脱酸の効果がある元素である。このような効果を得るためには、Alは0.005質量%以上含有することが必要である。しかし、過剰にAlを含有させるとSnの耐食効果を害することに加えて、靭性も低下させることからAl含有量は0.050質量%以下とすることが必要である。Al含有量の好ましい下限値は0.006質量%であり、さらに好ましい下限値は0.007質量%である。また、Al含有量の好ましい上限値は0.045質量%であり、さらに好ましい上限値は0.040質量%である。
(Cr:18.0〜29.0質量%)
Crは、不働態皮膜の主要成分であり、ステンレス鋼材の耐食性発現の基本元素である。このような耐食性を得るためには、Crは18.0質量%以上含有することが必要である。しかし、過剰にCrを含有させると加工性を劣化させることからCr含有量は29.0質量%以下とすることが必要である。Cr含有量の好ましい下限値は18.5質量%であり、さらに好ましい下限値は19.0質量%である。また、Cr含有量の好ましい上限値は28.5質量%であり、さらに好ましい上限値は28.0質量%である。
(Ni:1.0〜10.0質量%)
Niは、耐食性向上に必要な元素であり、特に、塩化物環境における局部腐食抑制に効果が大きい。また、Niは低温靱性を向上させるのにも有効であり、オーステナイト相を安定化させるためにも必要な元素である。こうした効果を得るためには、Niは1.0質量%以上含有させることが必要である。しかし、過剰にNiを含有させるとオーステナイト相が多くなりすぎて、強度が低下することからNi含有量は10.0質量%以下とすることが必要である。Ni含有量の好ましい下限値は1.2質量%であり、さらに好ましい下限値は1.5質量%である。また、Ni含有量の好ましい上限値は9.5質量%であり、さらに好ましい上限値は9.0質量%である。
(Mo:2.5〜6.0質量%)
Moは、溶解時にモリブデン酸を生成して、インヒビター作用により耐局部腐食性を向上させる効果を発揮し、耐食性を向上させる元素である。本発明の所定量のSnの効果はこのようなモリブデン酸生成時に得られるため、Moは、本発明に必要な元素である。また、Moはフェライト相を安定化させるためにも必要な元素である。このような効果を得るためには、Moは2.5質量%以上含有させることが必要である。しかし、過剰にMoを含有させると加工性を劣化させることからMo含有量は6.0質量%以下とすることが必要である。Mo含有量の好ましい下限値は2.6質量%であり、さらに好ましい下限値は2.7質量%である。また、Mo含有量の好ましい上限値は5.9質量%であり、さらに好ましい上限値は5.8質量%である。
(Sn:0.001〜0.30質量%)
Snは、所定量含有させることにより、塩化物環境における不働態皮膜を強化・安定化し、NのpH緩和作用を極大化させて、耐食性を向上させる効果を有する。このような効果を得るためには、Snは0.001質量%以上含有させることが必要である。しかし、過剰にSnを含有させると熱間加工性が劣化することからSn含有量は0.30質量%以下とする必要がある。Snの含有量の好ましい下限値は0.010質量%であり、さらに好ましい下限値は0.015質量%である。また、Snの含有量の好ましい上限値は0.28質量%であり、さらに好ましい上限値は0.25質量%である。
(N:0.16〜0.50質量%)
Nは、塩化物環境におけるpH緩和作用による耐局部腐食性を向上させる効果を発揮し、オーステナイト相を安定化させるために必要な元素である。このような効果を得るためには、Nは0.16質量%以上含有させることが必要である。しかし、過剰にNを含有させると加工性を劣化させることからN含有量は0.50質量%以下とする必要がある。N含有量の好ましい下限値は0.17質量%であり、さらに好ましい下限値は0.18質量%である。また、N含有量の好ましい上限値は0.49質量%であり、さらに好ましい上限値は0.48質量%である。
(N/Sn:1〜400)
N/Snは、本発明の二相ステンレス鋼材の耐食性を発現させるのに重要な比である。N/Snが1に満たない場合には、Snが過剰となるためにNの溶解が促進されすぎて、二相ステンレス鋼材中のNが早期に消費され、NのpH緩和効果が持続しないため、効果的な耐食性向上が得られない。また、N/Snが400を超える場合には、Snが不足するためにNの溶解が促進されず、H消費作用は向上しないため、pH緩和効果が向上しない。このような理由から、N/Snは1〜400に調整する必要がある。N/Snの好ましい下限値は20であり、さらに好ましい下限値は25である。また、N/Snの好ましい上限値は380であり、さらに好ましい上限値は350である。
(不可避的不純物)
不可避的不純物は、二相ステンレス鋼材の諸特性を害さない程度に含有することができ、その含有量は合計で0.1質量%以下であり、好ましくは0.09質量%以下におさえることによって、本発明の耐食性発現効果を極大化することができる。
また、本発明の二相ステンレス鋼材は、前記成分組成が、さらに、所定量のCu、Co、Wの1種または2種以上を含有することが好ましい。
(Cu:0.1〜2.0質量%、Co:0.1〜2.0質量%、W:0.1〜6.0質量%)
Cu、Co、Wは、いずれも本発明の二相ステンレス鋼材において耐食性を向上させる元素である。また、CuおよびCoはオーステナイト相を安定化させ、Wはフェライト相を安定化させる作用もあり、強度および靭性の向上に有効である。しかし、Cu、Co、Wは過剰に含有させると熱間加工性を劣化させる元素であり、必要に応じて適量含有させることが好ましい。
CuとCoを含有させる場合の好ましい範囲はそれぞれ0.1〜2.0質量%である。Wを含有させる場合の好ましい範囲は0.1〜6.0質量%である。Cu、CoおよびWの含有量のより好ましい下限値はそれぞれ0.12質量%であり、さらに好ましい下限値はそれぞれ0.15質量%である。また、CuとCoの含有量のより好ましい上限値はそれぞれ1.95質量%であり、さらに好ましい上限値はそれぞれ1.90質量%である。W含有量のより好ましい上限値は5.95質量%であり、さらに好ましい上限値は5.90質量%である。
また、本発明の二相ステンレス鋼材は、前記成分組成が、さらに、所定量のMg、Caの1種または2種を含有することが好ましい。
(Mg:0.0005〜0.020質量%、Ca:0.0005〜0.020質量%)
MgおよびCaは、局部腐食の起点となりやすいMnSの形成を抑制して、耐局部腐食性を向上させる元素である。また、これらの元素は、腐食溶解時に表面近傍のpHを上昇させて環境の腐食性を緩和する作用があるため、耐食性向上に有効な元素である。しかし、MgおよびCaは過剰に含有させると加工性や靭性を劣化させる元素であり、適量含有することが好ましい。
MgとCaを含有させる場合の好ましい範囲は、それぞれ0.0005〜0.020質量%である。MgとCaを含有させる場合のより好ましい下限値は、それぞれ0.0008質量%であり、さらに好ましい下限値は、それぞれ0.0010質量%である。また、MgとCaを含有させる場合のより好ましい上限値は、それぞれ0.019質量%であり、さらに好ましい上限値は、それぞれ0.018質量%である。
また、本発明の二相ステンレス鋼材は、前記成分組成が、さらに、所定量のTi、Zr、V、Nb、Bよりなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
(Ti:0.01〜0.50質量%、Zr:0.01〜0.50質量%、V:0.01〜0.50質量%、Nb:0.01〜0.50質量%、B:0.0005〜0.010質量%)
Ti、Zr、V、NbおよびBは、耐食性を初め、強度特性や加工性を向上させるのに有効な元素である。しかし、Ti、Zr、V、NbおよびBは過剰に含有させると粗大な炭化物もしくは窒化物などの介在物を形成して靭性を低下させる元素であり、適量含有することが好ましい。
Ti、Zr、V、Nbを含有させる場合の好ましい範囲は、それぞれ0.01〜0.50質量%である。Ti、Zr、V、Nbを含有させる場合のより好ましい下限値はそれぞれ0.012質量%であり、さらに好ましい下限値はそれぞれ0.015質量%である。また、Nb、Ti、Zr、Vを含有させる場合のより好ましい上限値はそれぞれ0.48質量%であり、さらに好ましい上限値はそれぞれ0.45質量%である。Bを含有させる場合の好ましい範囲は0.0005〜0.010質量%以下である。Bを含有させる場合のより好ましい下限値は0.0006質量%であり、さらに好ましい下限値は0.0008質量%である。Bを含有させる場合のより好ましい上限値は0.0095質量%であり、さらに好ましい上限値は0.0090質量%である。
(二相ステンレス鋼材の製造方法)
本発明の二相ステンレス鋼材は、通常のステンレス鋼材の量産に用いられている製造設備および製造方法によって製造することができる。例えば、転炉あるいは電気炉にて溶解した溶鋼に対して、AOD法やVOD法などによる精錬を行って成分調整した後、連続鋳造法や造塊法などの鋳造方法で鋼塊とする。得られた鋼塊を1100℃〜1300℃程度の温度域にて熱間加工を行い、次いで冷間加工を行って所望の寸法形状にすることができる。
本発明においては、所定量のSnの作用効果を得るためには、二相ステンレス鋼材にSnを固溶させることが好ましい。熱間加工後の冷却時などにSnが他の合金元素と化合物として析出した場合などには耐食効果が得られにくくなる。このため、熱間加工工程以降に固溶化熱処理を施して急冷することが好ましい。固溶化熱処理の温度は、950℃〜1050℃が好ましく、保持時間は10分から30分が好ましく、急冷は10℃/秒以上の冷却速度で冷却することが好ましい。また、必要に応じてスケール除去などの表面調整のための酸洗を行うことができる。
<二相ステンレス鋼管>
本発明に係る二相ステンレス鋼管の実施形態について説明する。
本発明の二相ステンレス鋼管は、前記二相ステンレス鋼材からなるもので、通常のステンレス鋼管の量産に用いられる製造設備および製造方法によって製造することができる。例えば、丸棒を素材とした押出製管やマンネスマン製管、板材を素材として成形後に継ぎ目を溶接する溶接製管などによって、所望の寸法にすることができる。また、二相ステンレス鋼管の寸法は、鋼管が使用されるアンビリカル、海水淡水化プラント、LNG気化器、油井管、各種化学プラントなどに応じて適宜設定することができる。
本発明に係る二相ステンレス鋼材の実施例について、以下に説明する。
<第1の実施例>
[供試材の作製]
25Cr系二相ステンレス鋼材を溶製して、塩化物腐食環境における耐食性の評価を行った。表1および表2に示す種々の成分組成のステンレス鋼材を約50kg真空溶解炉により溶解し、鋳造により鋳塊とした。得られた鋳塊を熱間鍛造により、断面が50×120mm(長さ適宜)のステンレス鋼塊を得た。次いで、1150℃に加熱した後、熱間圧延を行って、板厚6mmのステンレス鋼素材とした。次いで、1050℃に加熱し、30分保持後に水冷する条件の固溶化熱処理を行った。
Figure 2013253315
Figure 2013253315
作製したステンレス鋼素材より以下の電気化学試験およびSCC(応力腐食割れ)試験に用いるテストピースを切り出した。電気化学試験に用いたテストピースは、大きさが50×20×2(mm)であり、測定面は湿式回転研磨機によるSiC#600まで研磨仕上げとした。SCC試験に用いたテストピースは、大きさが75×10×2(mm)であり、全面を湿式回転研磨機によるSiC#600まで研磨仕上げとした。すべてのテストピースは、水洗およびアセトン洗浄をしてから下記試験方法に従って試験に供試した。また、電気化学試験およびSCC試験の結果に基づいて、耐食性について総合評価を行った。その結果を表3、表4に示す。なお、総合評価は、耐食性が不良(×)、良好(○)、やや優れている(○〜◎)、優れている(◎)の4段階で評価した。
また、作製したステンレス鋼素材を圧延方向と平行な断面を埋込み鏡面研磨し、シュウ酸水溶液中で電解エッチングを行った後、倍率100倍で光学顕微鏡観察を行い、画像解析により着色されたフェライト相の面積率(α面積率)を求めた。α面積率は10視野の平均値とした。その結果を、ステンレス鋼材の耐孔食性を表す指標であるPRE値([Cr]+3.3[Mo]+16[N])と共に、表3、表4に示す。
[電気化学試験方法]
塩化物環境における耐食性評価試験として、80℃の20%塩化ナトリウム水溶液中での孔食電位(Epit)および腐食すきま再不働態化電位(Ercrev)の電気化学測定を実施した。これらの特性値はそれぞれ、孔食およびすきま腐食発生の臨界電位と考えられ、ステンレス鋼材の耐食性を示す指標である。
Epitは、JISG0577(1981)に規定された測定手順に準じて電流密度が1000μA/cmとなるまでアノード分極曲線を測定し、電流密度が100μA/cmに相当する最も貴な電位(V vs.SCE:飽和カロメル電極基準の電位)とした。なお、アノード分極曲線においては、0.9V(vs.SCE)付近から水の分解の酸素発生反応による電流上昇が起こるため、Epitが0.9V(vs.SCE)を大きく超える材料については本手法ではEpitを測定できない。そこで、上記方法により孔食電位が0.9V(vs.SCE)と測定されたものについては、アノード分極曲線測定後のテストピースを50倍の光学顕微鏡にて孔食の発生状況を観察した。孔食が発生していないものについては、電流上昇は酸素発生によるものとし、Epitは0.9V(vs.SCE)を超えるものとした。Ercrevは、JISG0592(2002)の規定に準じて測定した電位(V vs.SCE)とした。ただし、すきま形成材はPTFE製のマルチクレビスとして、すきま腐食成長過程は電流値500μA、時間3hの定電流電解とした。
なお、本実施例においては、耐孔食性についてはEpitが0.400V(vs.SCE)以上である場合を良好と判断し、耐すきま腐食性についてはErcrevが−0.300V(vs.SCE)以上である場合を良好と判断した。
[SCC試験方法]
応力負荷したテストピースを腐食環境に暴露し、HSおよびCOを含有する塩化物環境における応力腐食割れ(SCC)の有無を調査した。75×10×2(mm)のテストピースには、各材料の降伏応力と等しい応力を4点曲げによって負荷した。応力負荷したテストピースを、HS+COガスを封入したオートクレーブ中に20%NaCl水溶液中に14日間浸漬した。このとき、HS分圧は0.1MPa、CO分圧は0.9MPaとして、温度は200℃とした。14日間浸漬後に目視によりテストピースの割れ発生の有無を観察し、割れが認められないテストピースについては長手方向の断面を100倍の光学顕微鏡により割れ発生の有無を観察した。
本試験では、目視観察で割れ発生が認められたか、または光学顕微鏡により深さ50μm以上の割れ発生が認められた場合を「SCC有り」、光学顕微鏡により深さ50μm未満の微小な割れの発生が認められた場合を「SCC無し(微小割れ)」、光学顕微鏡により割れが全く認められなかった場合を「SCC無し(割れ無し)」と判定した。
Figure 2013253315
Figure 2013253315
表3および表4の結果から、本発明の特許請求の範囲を満足しないNo.1〜9、63、64(比較例)は、後記するNo.10〜47、58〜62(実施例)に比べてEpitおよびErcrevが卑となり、SCC(応力腐食割れ)も発生したため、耐食性が不良(×)であった。なお、No.1〜8、63(比較例)のそれぞれは、Mn、P、S、Al、Mo、SnおよびNが特許請求の範囲を満足しないため、耐食性向上効果が得られない。また、No.7、9、64(比較例)のそれぞれは、N/Snが特許請求の範囲を満足しないため耐食性向上効果が得られない。
これらに対して、本発明の特許請求の範囲を満足するNo.10〜47、58〜62(実施例)は、いずれもEpitが0.400V(vs.SCE)以上となっており、No.1〜9、63、64(比較例)に比べて孔食が発生しにくい。また、Ercrevもいずれもが−0.300V(vs.SCE)以上となっており、No.1〜9、63、64(比較例)に比べてすきま腐食も発生しにくい。さらに、SCCも発生しない。したがって、No.10〜47、58〜62(実施例)は、耐食性が、良好(○)、やや優れている(○〜◎)、優れている(◎)であった。
次に、作製したステンレス鋼素材より以下の耐すきま腐食性試験に用いるテストピースを切り出した。耐すきま腐食性試験に用いたテストピースは、大きさが30×20×2(mm)であり、全面を湿式回転研磨機によるSiC#600まで研磨仕上げとした。テストピースは、水洗およびアセトン洗浄をしてから下記試験方法に従って試験に供試した。また、耐すきま腐食性試験の結果に基づいて、耐食性の総合評価を再度行った。その結果を、PRE値と共に、表5に示す。
[耐すきま腐食性評価法]
すきまを付与したテストピースを塩化鉄(FeCl)の溶液に浸漬し、すきま腐食発生確率を調査した。30×20×2(mm)のテストピースをPTFE製のマルチクレビスではさんで固定し、JISG0578(1981)に規定された測定手順に準じて0.05NHCl+6質量%FeCl水溶液に24時間浸漬した。この時温度は60℃とした。浸漬後、テストピースを目視で観察し腐食が発生したすきまの数から腐食発生確率を算出した。
Figure 2013253315
表5の結果から、No.1、63、64(比較例)は、Sn、N/Sn比が本発明の特許請求の範囲を満足しないため、腐食発生確率が高かった。これらに対して、本発明の特許請求の範囲を満足するNo.10、58〜62(実施例)は、いずれも腐食発生確率がNo.1、63、64(比較例)の半分以下であった。したがって、No.10、58〜62(実施例)は、耐食性が良好(○)、優れている(◎)であった。
<第2の実施例>
[供試材の作製および試験方法]
18〜30Cr系二相ステンレス鋼材を溶製して、塩化物腐食環境における耐食性の評価を行った。用いたステンレス鋼材の成分組成は表6に示す通りであり、溶製方法は第1の実施例と同様である。第1の実施例と同様のテストピースを用いて、第1の実施例と同様の電気化学試験およびSCC試験を行い、これらのステンレス鋼材の耐食性評価を行った。また、PRE値、α面積率についても第1の実施例1と同様にして測定した。その結果を表7に示す。
Figure 2013253315
Figure 2013253315
表6、表7、図1、図2の結果から、本発明の特許請求の範囲を満足するNo.53〜56(実施例)はいずれもEpitが0.400V(vs.SCE)以上、Ercrevが−0.300V(vs.SCE)以上と、本発明の特許請求の範囲を満足しないNo.48〜51(比較例)に比べて、EpitおよびErcrevの双方が貴化しており、耐食性向上効果が得られることがわかる。なお、Cr含有量を30質量%とした材料で比較すると、Sn添加のNo.57(比較例)はSnを添加しないNo.52(比較例)よりもErcrevの貴化は認められるものの、No.52(比較例)とNo.57(比較例)は双方とも、Crを過剰に含有するため、加工性が低下し、実用的ではない。
以上のように、本発明の二相ステンレス鋼材および二相ステンレス鋼管について説明したが、本発明はもとより前記の実施形態および実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含されるものである。

Claims (5)

  1. フェライト相とオーステナイト相とからなる二相ステンレス鋼材であって、前記二相ステンレス鋼材の成分組成は、
    C :0.10質量%以下、
    Si:0.1〜2.0質量%、
    Mn:0.1〜2.0質量%、
    P :0.05質量%以下、
    S :0.03質量%以下、
    Al:0.005〜0.050質量%、
    Cr:18.0〜29.0質量%、
    Ni:1.0〜10.0質量%、
    Mo:2.5〜6.0質量%、
    Sn:0.001〜0.30質量%、
    N :0.16〜0.50質量%、かつ、
    前記N量と前記Sn量との質量比(N/Sn)が1〜400であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする二相ステンレス鋼材。
  2. 前記成分組成は、さらに、
    Cu:0.1〜2.0質量%、
    Co:0.1〜2.0質量%、
    W :0.1〜6.0質量%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の二相ステンレス鋼材。
  3. 前記成分組成は、さらに、
    Mg:0.0005〜0.020質量%、
    Ca:0.0005〜0.020質量%
    の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二相ステンレス鋼材。
  4. 前記成分組成は、さらに、
    Ti:0.01〜0.50質量%、
    Zr:0.01〜0.50質量%、
    V :0.01〜0.50質量%、
    Nb:0.01〜0.50質量%、
    B :0.0005〜0.010質量%
    よりなる群から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の二相ステンレス鋼材。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の二相ステンレス鋼材からなることを特徴とする二相ステンレス鋼管。
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