JP2013249048A - 自動制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両と対象物との間の距離が自動制動の開始から所定値に達するための減速量が望まれる値に対して小さくなることを抑えられる自動制動制御装置を提供する。
【解決手段】制動制御部62は、エアタンク内の圧縮空気の圧力を取得し、対象物に対する車両の衝突予測時間を推定し、衝突予測時間が閾値以下であるか否かを判断する。また、制動制御部62は、衝突予測時間が閾値以下である場合に、エアタンクから各チャンバーへの圧縮空気の供給と供給停止とを切り替える比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動を制御する。制動制御部62は、空気圧が相対的に低い第1圧力であるときに、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動の開始を相対的に判断時に近い第1タイミングとし、空気圧が相対的に高い第2圧力であるときに、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動の開始を第2タイミングとする。
【選択図】図2

Description

本開示の技術は、自車両と他車両等の対象物との衝突が予測されるときに車両の制動を自動で行う自動制動制御装置に関する。
従来から、例えば特許文献1に記載のように、自車両と他車両や障害物等の対象物との衝突が予測されるときに、運転者のブレーキ操作に関わらずブレーキ装置による車両の制動を自動で行う自動制動制御装置が知られている。自動制動制御装置では、例えば、レーダーから得られる自車両と対象物との相対距離と自車両の相対速度とから算出される衝突予測時間が所定の時間以下であるときに、ブレーキ装置による車両の制動を自動で行う。そのため、自車両と対象物との衝突を避けること、あるいは、自車両と対象物とが衝突した場合であっても、自車両に対する衝撃を抑えることができる。
特開2009−149111号公報
ところで、例えば、トラックやバス等の大型自動車のブレーキ装置には、圧縮空気を作動流体とするエアブレーキ装置が広く用いられている。エアブレーキ装置の概略構成を図5に示す。なお、エアブレーキ装置における車両の前輪用の構成と後輪用の構成とは略同一であるため、以下では、図5を参照して、前輪用の構成についてのみ説明する。
エアブレーキ装置80では、コンプレッサー81からの圧縮空気がエアタンク82に溜められている。そして、車両の自動制動時には、制動に必要とされる空気圧に応じた開度で比例電磁弁83が開かれることで、エアタンク82の圧縮空気が右輪用及び左輪用のブレーキチャンバー84R,84Lに供給される。これにより、各車輪用のブレーキ85R,85Lによって車両が制動される。
ここで、エアタンク82の圧縮空気は、ブレーキチャンバー84R,84Lへの供給によって消費される一方、コンプレッサー81から新たに供給されている。この際、コンプレッサー81における過給圧が変わること、ブレーキチャンバー84R,84Lに供給される圧縮空気の量が車両の走行状態に応じて変わること等によって、エアタンク82内の圧縮空気の圧力も車両の走行状態に応じて変わる。
これにより、その時々の圧縮空気の圧力によっては、自動での制動が行われたとしても、ブレーキチャンバー84R,84Lに供給される空気量が十分でないために、自車両と対象物との間の距離が所定値に達するまでに望まれる減速量が得られなくなってしまう。またあるいは、ブレーキチャンバー84R,84Lに供給される空気量が過剰であるために、自車両と対象物との間の距離が所定値に達する前に、必要以上に車両が減速してしまう。
本開示の技術は、自車両と対象物との間の距離が自動制動の開始から所定値に達するまでの減速量が望まれる値に対してばらつくことを抑えられる自動制動制御装置を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段及び作用効果について記載する。
本開示における自動制動制御装置の一態様は、エアブレーキ装置の備えるエアタンク内の圧縮空気の圧力を取得する圧力取得部と、対象物に対する車両の衝突予測時間を算出する衝突予測時間算出部と、前記衝突予測時間が閾値以下であるか否かを判断する衝突判断部と、前記衝突予測時間が閾値以下である場合に、前記エアタンクからブレーキチャンバーへの圧縮空気の供給と供給停止とを切り替える切り替え部の駆動の開始時期を制御する切り替え制御部を備えている。前記切り替え制御部は、前記圧力が第1圧力であるときに、前記切り替え部の駆動による前記圧縮空気の供給の開始を第1タイミングとし、前記圧力が第2圧力であるときに、前記切り替え部の駆動による前記圧縮空気の供給の開始を第2タイミングとし、前記第1圧力は前記第2圧力よりも低く、前記第1タイミングを前記第2タイミングよりも前記衝突判断部の判断時に近くする。
上述したように、エアブレーキ装置では、エアタンクにおける圧縮空気の圧力が低いときほど、ブレーキチャンバーに対する圧縮空気の供給によって所定の減速量が得られるまでに必要な時間が長くなる。この点で、上記一態様であれば、圧縮空気の圧力が相対的に低い第1圧力では、切り替え部の駆動の開始が相対的に早められ、圧縮空気の圧力が相対的に高い第2圧力では、切り替え部の駆動の開始が相対的に遅らせられる。これにより、第1圧力では、ブレーキチャンバーに対する圧縮空気の供給が相対的に早められ、第2圧力では、ブレーキチャンバーに対する圧縮空気の供給が相対的に遅らせられる。それゆえに、車両と対象物との間の距離が自動制動の開始から所定値に達するまでの減速量が望まれる値に対してばらつくことが抑えられる。
本開示における自動制動制御装置の他の態様は、前記切り替え制御部は、前記圧縮空気の圧力が所定の基準圧力以下であるときに、前記圧縮空気の圧力が前記基準圧力よりも高いときと比べて、前記切り替え部の駆動の開始を早める状態を備える。
本開示における自動制動制御装置によれば、圧縮空気の圧力が基準圧力以下であるときと、基準圧力よりも高いときとで、切り替え部の駆動を開始するタイミングを異ならせる。そのため、圧縮空気における圧力の差に応じて切り替え部の駆動を開始するタイミングを異ならせつつも、圧縮空気の圧力の変化に応じて連続的に切り替え部の駆動を開始するタイミングを変える構成と比べて、切り替え部の駆動を開始するタイミングの算出をより簡素化することができる。
本開示における自動制動制御装置の他の態様は、前記対象物に対する前記車両の相対速度を取得する相対速度取得部をさらに備え、前記切り替え制御部は、前記相対速度が大きいときほど、前記切り替え部の駆動を早める度合いを大きくする。
本開示における自動制動制御装置の他の態様では、車両の相対速度が大きいときほど、切り替え部の駆動を早く開始することで、エアタンクからブレーキチャンバーへの圧縮空気の供給を開始するタイミングを早める度合いを大きくしている。そのため、車両と対象物との距離が所定値に達するまでに望まれる減速量が相対速度の増加する度合い以上の度合いで大きくなっても、車両の減速量が小さくなることを抑えられる。
本開示における自動制動制御装置の他の態様は、前記圧力取得部は、前記エアタンクにおける前記圧縮空気の圧力を検出する圧力検出部の検出結果を前記エアタンクにおける前記圧縮空気の圧力として取得する。
本開示における自動制動制御装置の他の態様では、圧力取得部が、圧力検出部によって検出されたエアタンクにおける圧縮空気の圧力を取得する。そのため、エアタンクにおける圧縮空気の圧力を他の情報から推定する構成と比べて、圧縮空気の圧力の精度や信頼性を高めること、ひいては、減速量のばらつきの抑制が、より確実なものになる。
本開示における自動制動制御装置の他の態様は、前記切り替え制御部は、前記圧縮空気の圧力が低いときほど前記切り替え部の駆動の開始を早める状態を備える。
圧縮空気の圧力が相互に異なる状態でのブレーキチャンバーに対する圧縮空気の供給では、ブレーキチャンバーに対する圧縮空気の供給によって得られる減速量も相互に異なる。この点で、上記他の態様によれば、各圧力にてその圧力に応じた相互に異なるタイミングで切り替え部の駆動が開始される。そのため、減速量におけるばらつきの抑制がより高い精度で実現される。
本開示における自動制動制御装置の一実施形態が備えるブレーキ装置の概略構成を示すブロック図である。 自動制動制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 開始時間算出マップを示す図である。 自動制動制御装置での処理の手順を示すフローチャートである。 従来のブレーキ装置の概略構成を示すブロック図である。
本開示の自動制動制御装置をバスやトラック等の大型自動車の備える自動制動制御装置として具体化した一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。まず、自動制動制御装置の制御の対象である電子式のエアブレーキ装置について、図1を参照して説明する。なお、図1では、各部材を接続する圧縮空気の供給通路が、実線で示されている。
[エアブレーキ装置]
図1に示されるように、車両における前輪側に圧縮空気を供給するフロントエアタンク11には、供給通路を介して比例電磁弁12が接続されている。比例電磁弁12には、供給通路を介して右輪用のフロントチャンバー13Rと、左輪用のフロントチャンバー13Lとが接続されている。このうち、右輪用のフロントチャンバー13Rには、右輪用のフロントブレーキ14Rが接続されている。一方、左輪用のフロントチャンバー13Lには、左輪用のフロントブレーキ14Lが接続されている。これらフロントブレーキ14R,14Lには、例えばドラム式のブレーキが用いられている。
車両における後輪側に圧縮空気を供給するリアエアタンク21には、供給経路を介してアクスルモジュレーター22が接続されている。アクスルモジュレーター22には、供給通路を介して右輪用のリアチャンバー23Rと、左輪用のリアチャンバー23Lとが接続されている。アクスルモジュレーター22は、例えば、各リアチャンバー23R,23Lに供給する圧縮空気の量を調節する弁や、各リアチャンバー23R,23Lを減圧するための弁等から構成されている。アクスルモジュレーター22は、通常時に各チャンバー23R,23Lに供給される空気圧と、アンチロックブレーキシステムの作動時に各チャンバー23R,23Lに供給される空気圧とを調節する。そして、各リアチャンバー23R,23Lには、上述の各フロントブレーキ14R,14Lと同様、例えばドラム式のリアブレーキ24R,24Lが接続されている。なお、各フロントチャンバー13R,13L、及び各リアチャンバー23R,23Lによってブレーキチャンバーが構成されている。
フロントエアタンク11とリアエアタンク21とには、各エアタンク11,21に圧縮空気を供給するコンプレッサー31が接続されている。コンプレッサー31には、例えば、車両に搭載されたエンジンの回転によって駆動される機械式のエアコンプレッサーや、モーターによって駆動される電動式のエアコンプレッサーが用いられている。
車両には、運転者によって操作されるブレーキペダル41が搭載されている。ブレーキペダル41には、ブレーキペダル41の操作によって開弁するブレーキ弁42が接続されている。
こうしたエアブレーキ装置10では、加圧された空気が、各エアタンク11,21に対してコンプレッサー31から供給されている。そして、エアブレーキ装置10が通常状態であるとき、運転者によってブレーキペダル41が操作されると、ブレーキ弁42の開弁量や車両の走行状態等に応じた制御指令によって、比例電磁弁12と、アクスルモジュレーター22とが駆動する。これにより、比例電磁弁12が制御指令に応じた開度で開き、アクスルモジュレーター22が制御指令に応じた駆動をすることで、圧縮空気が、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給される。次いで、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給された圧力によって、各ブレーキ14R,14L,24R,24Lにおいて所定の制動力が生じる。
そして、運転者によるブレーキペダル41の操作が終了すると、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給された圧縮空気が、比例電磁弁12と、アクスルモジュレーター22とから排出される。これにより、各ブレーキ14R,14L,24R,24Lにて制動力が生じなくなる。
これに対し、エアブレーキ装置10が通常状態から自動制動状態に遷移すると、運転者によるブレーキペダル41の操作に関わらず、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22が自動制動用の制御指令によって駆動する。これにより、比例電磁弁12が所定の開度で開き、アクスルモジュレーター22が所定の状態で駆動することで、圧縮空気が、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給される。次いで、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給された圧力によって、各ブレーキ14R,14L,24R,24Lにおいて所定の制動力が生じる。
[自動制動制御装置の電気的構成]
次に、車両に搭載された自動制動制御装置の電気的構成について、図1及び図2を参照して説明する。なお、本実施形態では、自動制動制御装置は、制動制御装置60とブレーキ制御装置70とから構成されている。
図1に示されるように、エアブレーキ装置10のフロントエアタンク11には、フロントエアタンク11内の圧縮空気の圧力である空気圧を検出するフロント空気圧センサー51が取り付けられている。また、リアエアタンク21には、リアエアタンク21内の空気圧を検出するリア空気圧センサー52が取り付けられている。これらフロント空気圧センサー51とリア空気圧センサー52とが、圧力検出部を構成している。また、ブレーキ弁42には、ブレーキ弁42の開度を検出するストロークセンサー53が取り付けられている。
図2に示されるように、制動制御装置60には、制動用入出力部61と制動制御部62と制動用記憶部63とが含まれている。制動用入出力部61は、制動制御装置60に入力される入力信号の入力処理と、制動制御装置60から出力される出力信号の出力処理とを実行する。制動制御部62は、制動制御装置60が実行する各種の処理を制御し、制動用記憶部63は、制動制御部62の用いる各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。制動制御装置60には、フロント空気圧センサー51とリア空気圧センサー52とミリ波レーダー54とが接続されている。ミリ波レーダー54は、自車両の進行方向を走行する他車両や自車両の進行方向における障害物等の対象物と自車両との相対距離を計測し、また、対象物に対する自車両の相対速度を計測する。
ブレーキ制御装置70には、ブレーキ用入出力部71とブレーキ制御部72とブレーキ用記憶部73と電磁弁駆動部74とモジュレーター駆動部75とが含まれている。ブレーキ用入出力部71は、ブレーキ制御装置70に入力される入力信号の入力処理と、ブレーキ制御装置70から出力される出力信号の出力処理とを実行する。ブレーキ制御部72は、ブレーキ制御装置70が実行する各種の処理を制御し、ブレーキ用記憶部73は、ブレーキ制御部72の用いる各種の制御プログラムや各種のデータを記憶する。ブレーキ制御装置70には、ストロークセンサー53と、比例電磁弁12と、アクスルモジュレーター22とが接続されている。
制動用入出力部61は、例えば、フロント空気圧センサー51から入力される空気圧、リア空気圧センサー52から入力される空気圧、ミリ波レーダー54から入力される相対速度、及びミリ波レーダー54から入力される相対距離の入力処理を実行する。
制動用記憶部63は、車両と対象物との衝突を予測するためのプログラムを格納している。制動用記憶部63は、比例電磁弁12の開弁を開始する時間と、アクスルモジュレーター22の駆動を開始する時間とを算出する開始時間算出マップを格納している。
衝突の予測に際して算出される衝突予測時間は、相対距離に対する相対速度の比である。開始時間算出マップは、相対速度と開始時間とが関連付けられた2次元マップであって、各エアタンク11,21の空気圧が所定の基準圧力以下であるときに用いられる低圧範囲用のマップと、基準圧力よりも高いときに用いられる高圧範囲用のマップとから構成されている。上記基準圧力は、例えばエアブレーキ装置10の搭載された車両の重量や、自動での制動が行われる際の車速等に応じて設定される圧力であって、車両の重量が大きいときほど、基準圧力は大きい値に設定される。また、自動の制動が行われる際の車速の範囲において、相対的に低い第1範囲と相対的に高い第2範囲とを設定した場合、第2範囲にて自動での制動が行われる場合に、基準圧力はより大きい値に設定される。
上記衝突予測時間の経過時点を基準として圧縮空気の供給が開始される時間、すなわち比例電磁弁12の開弁とアクスルモジュレーター22の駆動とが開始される開始時間として設定される場合に、開始時間は、各エアタンク11,21における空気圧に応じた時間として設定される。この開始時間は、衝突の回避や衝突による衝撃の緩和を目的として、開始時間のうち、望まれる減速量が所定の相対距離で得られる時間として設定される。
制動制御部62は、制動用入出力部61の入力する相対距離と、同じく制動用入出力部61の入力する相対速度とを用いて衝突予測時間を算出する。すなわち、制動制御部62は、衝突予測時間を算出するための算出式に従い、相対距離の入力値と相対速度の入力値とを算出式に適用して衝突予測時間を算出する。また、制動制御部62は、衝突予測時間の算出値と上記閾値とを比較し、衝突予測時間の算出値が上記閾値以上か否かを判断する。
制動制御部62は、制動用入出力部61の入力するフロントエアタンク11の空気圧と、同じく制動用入出力部61の入力する相対速度とを用いて、比例電磁弁12を開いて圧縮空気の供給を開始する時間を算出する。この際、制動制御部62は、開始時間算出マップに空気圧と相対速度とを適用して圧縮空気の供給を開始する時間を算出する。
制動制御部62は、制動用入出力部61の入力するリアエアタンク21の空気圧と、同じく制動用入出力部61の入力する相対速度とを用いて、アクスルモジュレーター22を駆動して圧縮空気の供給を開始する時間を算出する。この際、制動制御部62は、開始時間算出マップに検空気圧と相対速度とを適用して圧縮空気の供給を開始する時間を算出する。
制動制御部62は、衝突予測時間の算出値が上記閾値以下である場合に、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22とを含むエアブレーキ装置10を通常状態から自動制動状態へ遷移させるための制御指令を生成する。この際に、制動制御部62は、上記開始時間になるタイミングで制御指令の出力処理を制動用入出力部61に実行させる。制動制御部62は、圧力取得部、衝突予測時間算出部、衝突判断部、切り替え制御部、及び相対速度取得部を構成している。
ブレーキ用入出力部71は、例えば、制動制御装置60の出力する制御指令の入力処理を実行する。また、ブレーキ用入出力部71は、例えば、比例電磁弁12を所定の開度で開弁させる開度指令を電磁弁駆動部74に出力する。また、ブレーキ用入出力部71は、例えば、アクスルモジュレーター22を所定の状態で駆動させるための駆動指令をもモジュレーター駆動部75に出力する。
ブレーキ用記憶部73には、通常の制動時に比例電磁弁12を開弁及び閉弁するためのプログラムと、自動制動時に割り込み処理を実行するためのプログラムとが格納されている。また、ブレーキ用記憶部73には、通常の制動時にアクスルモジュレーター22を駆動させるためのプログラムと、自動制動時に割り込み処理を実行するためのプログラムとが格納されている。
ブレーキ制御部72は、通常の制動時には、ストロークセンサー53の開弁量や車両の走行状態等から、比例電磁弁12の開度を算出し、その算出値で比例電磁弁12を開弁するための開度指令を生成する。また、ブレーキ制御部72は、同じくストロークセンサー53の開弁量や車両の走行状態から、アクスルモジュレーター22の駆動指令を生成する。
ブレーキ制御部72は、ブレーキ用入出力部71の入力する制御指令に応じて割り込み処理である制動処理を実行する。すなわち、ブレーキ制御部72は、ブレーキ用入出力部71の入力する自動制動用の制御指令に応じて、比例電磁弁12を開状態とする開弁指令を生成する。また、ブレーキ制御部72は、アクスルモジュレーター22を所定の状態で駆動するための駆動指令を生成する。
電磁弁駆動部74は、ブレーキ用入出力部71の入力する開弁指令に基づいて、比例電磁弁12を所定の開度で開弁させるための駆動信号を生成する。
モジュレーター駆動部75は、ブレーキ用入出力部71の入力する駆動指令に基づいて、アクスルモジュレーター22を所定の状態で駆動させるための駆動信号、あるいは、アクスルモジュレーター22の駆動を停止させるための駆動停止信号を生成する。
[開始時間算出マップ]
上述の開始時間算出マップについて、図3を参照して説明する。なお、図3では、エアタンク11,21の空気圧が所定の基準圧力よりも高いときに用いられる高圧範囲用のマップが実線で示され、エアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときに用いられる低圧範囲用のマップが一点鎖線で示されている。
上述の各エアタンク11,21では、例えば、各エアタンク11,21の容量や、各エアタンク11,21に取り付けられた圧力調節機構等によって、エアタンク11,21内の空気圧が、例えば、5.5kg/cm以上10kg/cm以下の範囲とされる。
各エアタンク11,21の空気圧は、上述のようにコンプレッサー31での過給圧、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに対して圧縮空気が供給されるタイミング、及び、各エアタンク11,21に対して圧縮空気が供給されるタイミング等により変わる。例えば、コンプレッサー31が機械式のコンプレッサーであれば、エンジンの駆動状態に応じて過給圧が変わるため、各エアタンク11,21の空気圧がより変わりやすくなる。こうした理由から、例えば、比例電磁弁12の開度や、アクスルモジュレーター22の駆動の状態が同一であっても、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給される空気圧が変わってしまう。これにより、各エアタンク11,21内の圧力が上述の圧力範囲における最小値に近いほど、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給される空気圧が低くなり、ひいては、各ブレーキ14R,14L,24R,24Lで生じる制動力が小さくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図3に示されるように、各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力よりも高いときには、実線で示される開始時間が比例電磁弁12を開く、あるいは、アクスルモジュレーター22を駆動するタイミングとされる。すなわち、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに対する圧縮空気の供給が開始されるタイミングとされる。これに対し、各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときには、一点鎖線で示される開始時間、つまり、相対的に高い空気圧のときの開始時間以上の時間が、比例電磁弁12を開く、あるいは、アクスルモジュレーター22を駆動するタイミングとされる。すなわち、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに対する圧縮空気の供給が開始されるタイミングとされる。
これにより、各エアタンク11,21の空気圧が相対的に低くとも、より早いタイミングから圧縮空気の供給が開始されることにより、車両と対象物との間の距離が所定値に達するまでの減速量が小さくなることを抑えられる。他方、各エアタンク11,21の空気圧が相対的に高くとも、より遅いタイミングから圧縮空気の供給が開始されることにより、車両と対象物との間の距離が所定値に達するまでの減速量が大きくなることを抑えられる。
なお、開始時間を変える閾値となる基準圧力は、例えば、圧力範囲における中央値よりも最大値側の値である8Kg/cmに設定されている。ここで、車両の前方にある対象物との衝突を回避する、あるいは、衝突による衝撃を緩和する上では、車両と対象物との間の距離が所定値に達するまでの減速量は、望まれる値よりも小さい構成と比べて、大きい構成の方が好ましい。この点で、閾値が中央値よりも最小値側である構成と比べて、相対的に低い空気圧とされる範囲が大きくなり、ひいては、より広範囲で減速量が小さくなることを抑えられ、ひいては、車両の前方にある対象物との衝突を回避すること、及び、衝突による衝撃を緩和することがより広範囲で確実になる。
また、各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときには、車両の相対速度が大きいときほど、空気圧が基準圧力よりも大きいときに比べて、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動が開始されるタイミングを早める度合いが大きくされる。ここで、車両と対象物との間の距離が所定値に達するまでに望まれる減速量は、相対速度の増加する度合い以上の度合いで大きくなる。そのため、相対速度が大きくなるほど、比例電磁弁12における開弁のタイミング、及び、アクスルモジュレーター22における駆動のタイミングを早める度合いを大きくすることで、車両の相対速度に関わらず、車両と対象物との距離が所定値に達するまでの減速量が小さくなることを抑えられる。
さらには、開始時間算出マップが、各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力よりも高いときに用いられる高圧範囲用のマップと、各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときに用いられる低圧範囲用のマップとの2つのマップから構成される。そのため、空気圧に関わらず同じタイミングにて圧縮空気の供給を開始する構成と比べて、減速量がばらつくことを抑えながら、空気圧の変化に応じて連続的に開始時間を変更する構成と比べて、開始時間算出マップの情報量を小さくすることができる。
[自動制動制御装置の作用]
自動制動制御装置で行われる動作の一つである自動制動処理について、図4を参照して説明する。なお、自動制動処理は、制動制御装置60によって、所定期間毎に繰り返し行われる。また、以下では、第1の場合、第2の場合、及び第3の場合における自動制動処理について順に説明する。このうち、第1の場合とは、各エアタンク11,21の空気圧がいずれも基準圧力以下である、あるいは、基準圧力よりも高い場合である。また、第2の場合とは、フロントエアタンク11の空気圧が基準圧力以下であり、且つ、リアエアタンク21の空気圧が基準圧力よりも高い場合である。そして、第3の場合とは、フロントエアタンク11の空気圧が基準圧力よりも高く、且つ、リアエアタンク21の空気圧が基準圧力以下である場合である。
[第1の場合]
図4に示されるように、自動制動処理では、まず、制動制御部62が、フロントエアタンク11の空気圧と、リアエアタンク21の空気圧とを制動用入出力部61から取得する(ステップS11)。そして、制動制御部62が、各空気圧に基づいて開始時間算出マップを選択する(ステップS12)。この際、各空気圧が上記基準圧力よりも高いときには、制動制御部62は、比例電磁弁12の開弁、及びアクスルモジュレーター22の駆動の開始時間を算出するマップとして高圧範囲用のマップを選択する。これに対し、各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときには、制動制御部62は、比例電磁弁12の開弁、及びアクスルモジュレーター22の駆動の開始時間を算出するマップとして低圧範囲用のマップを選択する。
次いで、制動制御部62は、相対速度と相対距離とを制動用入出力部61から取得した後(ステップS13)、相対速度と相対距離とを衝突予測時間の算出式に適用することによって、衝突予測時間を算出する(ステップS14)。そして、制動制御部62は、衝突予測時間と閾値とを比べ、衝突予測時間が閾値以下であるか否かを判断する(ステップS15)。衝突予測時間が閾値よりも大きいときには(ステップS15:NO)、制動制御部62は、自動制動処理を一旦終了する。
一方、衝突予測時間が閾値以下であるときには(ステップS15:YES)、制動制御部62は、経過時間の測定を開始する(ステップS16)。そして、制動制御部62は、開始時間算出マップに相対速度を適用して比例電磁弁12に対する開始時間と、アクスルモジュレーター22に対する開始時間とをそれぞれ算出する(ステップS17)。次いで、制動制御部62は、ステップS14にて算出した衝突予測時間から経過時間を引いた衝突予測時間の経過までの残り時間と各開始時間とを比べる(ステップS18)。そして、残り時間が各開始時間よりも長いときには(ステップS18:NO)、制動制御部62は、残り時間が各開始時間以下になるまで待機する。
一方、残り時間が各開始時間以下になると(ステップS18:YES)、制動制御部62は、比例電磁弁12に対する制御指令とアクスルモジュレーター22に対する制御指令とを生成し、制動用入出力部61を介して各制御指令をブレーキ制御装置70に出力する(ステップS19)。第1の場合では、比例電磁弁12の開弁の開始時間と、アクスルモジュレーター22の駆動の開始時間とが同じであるため、比例電磁弁12に対する制御指令とアクスルモジュレーター22に対する制御指令とが同時に出力される。そして、制動制御部62は、経過時間をリセットした後(ステップS20)、自動制動処理を一旦終了する。
なお、ブレーキ制御装置70に制御指令が入力されると、ブレーキ制御装置70では、電磁弁駆動部74が、開度信号に基づく開弁信号を生成して比例電磁弁12を開弁させる。また、モジュレーター駆動部75が、駆動指令に基づく駆動信号を生成してアクスルモジュレーター22を所定の状態で駆動させる。これにより、各エアタンク11,21の圧縮空気が、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに供給されることによって、各ブレーキ14R,14L,24R,24Lによる車両の制動が行われる。
[第2の場合]
まず、第1の場合と同様、制動制御部62が、各エアタンク11,21の空気圧を制動用入出力部61から取得した後(ステップS11)、各空気圧に基づいて開始時間算出マップを選択する(ステップS12)。この際、フロントエアタンク11の空気圧が基準圧力以下であるため、制動制御部62は、比例電磁弁12の開弁の開始時間を算出するマップとして低圧範囲用のマップを選択する。一方、リアエアタンク21の空気圧が基準圧力よりも高いため、制動制御部62は、アクスルモジュレーター22の駆動の開始時間を算出するマップとして高圧範囲用のマップを選択する。
その後、制動制御部62は、ステップS13からステップS17までの処理を行うことによって、比例電磁弁12における開弁の開始時間と、アクスルモジュレーター22における駆動の開始時間とを個別に算出する。そして、制動制御部62は、ステップS18及びステップS19の処理を行うことによって、比例電磁弁12に対する制御指令をアクスルモジュレーター22に対する制御指令よりも先に、制動用入出力部61を介してブレーキ制御装置70に出力する。そのため、第2の場合では、比例電磁弁12の開弁の開始時間と比較される残り時間の算出に用いられる経過時間が先にリセットされ、アクスルモジュレーター22の駆動の開始時間と比較される残り時間の算出に用いられる経過時間がその後にリセットされる(ステップS20)。そして、制動制御部62は、自動制動処理を一旦終了する。
[第3の場合]
まず、第1の場合と同様、制動制御部62は、各エアタンク11,21の空気圧を制動用入出力部61から取得した後(ステップS11)、各空気圧に基づいて開始時間算出マップを選択する(ステップS12)。この際、フロントエアタンク11の空気圧が基準圧力よりも高いため、制動制御部62は、比例電磁弁12の開弁の開始時間を算出するマップとして高圧範囲用のマップを選択する。一方、リアエアタンク21の空気圧が基準圧力以下であるため、制動制御部62は、アクスルモジュレーター22の駆動の開始時間を算出するマップとして低圧範囲用のマップを選択する。
その後、制動制御部62は、ステップS13からステップS17までの処理を行うことによって、比例電磁弁12における開弁の開始時間と、アクスルモジュレーター22における駆動の開始時間とを個別に算出する。そして、制動制御部62は、ステップS18及びステップS19の処理を行うことによって、アクスルモジュレーター22に対する制御指令を比例電磁弁12に対する制御指令よりも先に、制動用入出力部61を介してブレーキ制御装置70に出力する。そのため、第3の場合では、アクスルモジュレーター22の駆動の開始時間と比較される残り時間の算出に用いられる経過時間が先にリセットされ、比例電磁弁12の開弁の開始時間と比較される残り時間の算出に用いられる経過時間がその後にリセットされる(ステップS20)。そして、制動制御部62は、自動制動処理を一旦終了する。
上述のように、第2の場合と第3の場合とでは、フロントエアタンク11の空気圧と、リアエアタンク21の空気圧とが、基準圧力を挟んで相互に異なる圧力範囲に含まれるときに、基準圧力以下のエアタンクからの圧縮空気の供給が他方のエアタンクからの圧縮空気の供給に先行して開始される。そのため、車両の前輪側と後輪側との両方において、車両と対象物との間の距離が、自動制動の開始から所定値に達するまでに望まれる減速量が得られる。それゆえに、いずれか一方のエアタンクにおける空気圧に基づいて行われる構成よりも、減速量におけるばらつきの抑制が、より高い精度で実現される。
以上説明したように、本開示の自動制動制御装置の一実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)圧縮空気の圧力が相対的に低いときには、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22との駆動が相対的に早められ、圧縮空気の圧力が相対的に高いときには、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22の駆動が相対的に遅らせられる。それゆえに、車両と対象物との間の距離が自動制動の開始から所定値に達するまでの減速量が望まれる値に対してばらつくことが抑えられる。
(2)圧縮空気の圧力が相互に異なる状態での各チャンバー13R,13L,23R,23Lに対する圧縮空気の供給では、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに対する圧縮空気の供給によって得られる減速量も相互に異なる。この点で、各圧力にてその圧力に応じた相互に異なるタイミングで比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22との駆動が開始される。そのため、減速量におけるばらつきの抑制がより高い精度で実現される。
(3)圧縮空気の圧力が基準圧力以下であるときと、基準圧力よりも高いときとで、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22の駆動を開始するタイミングを異ならせる。そのため、圧縮空気における圧力の差に応じて比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22の駆動を開始するタイミングを異ならせつつも、圧縮空気の圧力の変化に応じて連続的に比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22との駆動を開始するタイミングを変える構成と比べて、切り替え部の駆動を開始するタイミングの算出をより簡素化することができる。
(4)制動制御部62が、フロント空気圧センサー51及びリア空気圧センサー52によって検出された各エアタンク11,21における圧縮空気の圧力を取得する。そのため、各エアタンク11,21における圧縮空気の圧力を他の情報から推定する構成と比べて、圧縮空気の圧力の精度や信頼性を高めること、ひいては、減速量のばらつきの抑制が、より確実なものになる。
(5)車両の相対速度が大きいときほど、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22との駆動を早く開始することで、各エアタンク11,21から各チャンバー13R,13L,23R,23Lへの圧縮空気の供給を開始するタイミングを早める度合いを大きくしている。そのため、車両と対象物との距離が所定値に達するまでに望まれる減速量が相対速度の増加する度合い以上の度合いで大きくなっても、車両の減速量が小さくなることを抑えられる。
なお、上述の実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・各エアタンク11,21内の空気圧には、フロント空気圧センサー51及びリア空気圧センサー52の検出値が用いられるが、他のセンサー等によって検出された検出値から推定された空気圧が用いられる構成でもよい。
・各エアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときには、車両の相対速度に関わらず、空気圧が基準圧力より大きいときよりも、比例電磁弁12の開弁とアクスルモジュレーター22の駆動とを一定の時間だけ早く開始してもよい。こうした構成であっても、空気圧が基準圧力以下であるときに、空気圧が基準圧力より大きいときよりも早く圧縮空気の供給を開始する分、車両の減速量が小さくなることを抑えることは可能である。
・各エアタンク11,21の空気圧が3以上の複数の圧力範囲に分割され、分割された圧力範囲では共通の開始時間算出マップが適用される構成でもよい。こうした構成であっても、分割された圧力範囲の単位では、空気圧が低いほど、開始時間を長くすることは可能である。
・各エアタンク11,21の空気圧が低いほど、算出される開始時間が連続的に長くなる構成であってもよい。こうした構成によれば、相互に異なる空気圧に応じて開始時間が設定されるため、減速量におけるばらつきの抑制がより高い精度で実現される。また、このように空気圧が低いほど、算出される開始時間を長くし、且つ、相対速度が大きいほど、算出される開始時間を長くする構成であってもよい。つまり、空気圧と相対速度と開始時間とが対応付けられた3次元マップによって、開始時間が算出される構成でもよい。こうした構成によれば、開始時間の算出に際して、空気圧と相対速度との両方が加味されるため、減速量におけるばらつきの抑制がより高い精度で実現される。
・開始時間は、開始時間算出マップが用いられることなく、所定の空気圧における開始時間を基準開始時間とし、この基準開始時間と、空気圧に応じて算出される補正係数とから補正開始時間として算出されてもよい。この場合、補正開始時間は、基準開始時間に補正係数の乗算された乗算値でもよいし、基準開始時間に補正係数の加算された加算値でもよいし、基準開始時間から補正係数の減算された減算値でもよいし、基準開始時間が補正係数で除算された除算値でもよい。さらには、補正開始時間は、これら値の組み合わせであってもよい。
要は、衝突予測時間が閾値以下であるか否かの判断が判断時に実行され、エアタンクの空気圧が第1圧力であるときに第1タイミングで比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動を開始し、エアタンクの空気圧が第2圧力であるときに第2タイミングで比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動を開始する制動制御部62を備える。そして、第1圧力は第2圧力よりも低く、第1タイミングでは第2タイミングより判断時に近くなるように、自動制動制御装置では、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22の駆動を行えばよい。
・衝突予測時間が閾値以下である旨の判断のなされた時点が判断時として設定され、開始時間は、判断時からの経過時間として設定されてもよい。なお、この際に、自動制動処理では、残り時間が算出されるのではなく、判断時からの経過時間と開始時間とが比べられ、経過時間が開始時間に達するときに制御指令が出力されることが好ましい。
・フロントエアタンク11の空気圧と、リアエアタンク21の空気圧とが相互に異なるときには、フロントエアタンク11の空気圧が優先される構成、あるいは、リアエアタンク21の空気圧が優先される構成でもよい。こうした構成であっても、いずれかのエアタンク11,21の空気圧が基準圧力以下であるときには、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動が早められることで、圧縮空気の供給を開始するタイミングが早められるため、減速量が小さくなることは抑えられる。しかも、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22に対する制御指令の出力は、制動制御部62にて同時に行うことができるため、比例電磁弁12に対する制御指令と、アクスルモジュレーター22に対する制御指令との出力を個別に行う構成と比べて、自動制動処理に関わる制御を簡素化することができる。
・フロントエアタンク11の空気圧と、リアエアタンク21の空気圧とが相互に異なり、且つ、いずれかの空気圧が基準圧力以下であり、他方の空気圧が基準圧力よりも大きいときには、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動の両方を早める構成でもよい。こうした構成であっても、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22の駆動が早められることで、圧縮空気の供給を開始するタイミングが早められるため、減速量が小さくなることは抑えられる。しかも、比例電磁弁12及びアクスルモジュレーター22に対する制御指令の出力は、制動制御部62にて同時に行うことができるため、比例電磁弁12に対する制御指令と、アクスルモジュレーター22に対する制御指令との出力を個別に行う構成と比べて、自動制動処理に関わる制御を簡素化することができる。
・フロント空気圧センサー51とリア空気圧センサー52とのいずれかを割愛した構成であってもよい。この場合、空気圧センサーの取り付けられたエアタンクの空気圧が基準圧力以下であるときに、比例電磁弁12とアクスルモジュレーター22の駆動とを早める構成であればよい。こうした構成であっても、いずれかのエアタンクの空気圧が相対的に低いときに、各チャンバー13R,13L,23R,23Lに対して圧縮空気の供給を開始するタイミングが早められるため、減速量が小さくなることは抑えられる。
・各エアタンク11,21の圧力範囲が、上述の5.5kg/cm以上10kg/cm以下である場合、基準圧力には8kg/cm以外の圧力が選択されてもよい。
・各エアタンク11,21の内部に溜められる空気圧の範囲は、任意に変更可能である。こうした圧力範囲の変更に応じて、基準圧力も適宜変更可能である。
・各ブレーキ14R,14L,24R,24Lは、ディスク式のエアブレーキであってもよい。
・フロントエアタンク11からの圧縮空気は、比例電磁弁12に代えてアクスルモジュレーターを介してフロントチャンバー13R,13Lに供給される構成でもよい。また、リアエアタンク21からの圧縮空気は、アクスルモジュレーター22に代えて比例電磁弁から供給される構成でもよい。更には、各エアタンク11,21と各チャンバー13R,13L,23R,23Lとの間に比例電磁弁とアクスルモジュレーターとのいずれが取り付けられるかは、任意の組み合わせとすることができる。
・自動制動処理時の比例電磁弁12の開度は、相対速度や相対距離が大きくなるに従って大きくする構成でもよい。また、アクスルモジュレーター22の駆動の状態は、相対速度や相対距離が大きくなるに従って圧縮空気の供給量が大きくなるように変えられてもよい。
・相対速度と相対距離とが検出されるセンサーであれば、ミリ波レーダー54に限らず、他のレーダーやセンサー等が用いられてもよい。要するに、自動制動制御装置における衝突予測時間算出部には、衝突予測時間を推定するための対象物の情報が入力され、当該情報を取得するためのセンサーや通信部等が車両に搭載されている構成であればよい。
・本開示の自動制動制御装置は、自動制動処理を制動制御装置60で実行する。これを変更して、例えば、ステップS11からステップS15までの処理は制動制御装置60で実行される。そして、衝突予測時間が閾値以下である旨を示す信号が、制動制御装置60からブレーキ制御装置70に出力され、ステップS16以降の処理はブレーキ制御装置70で実行されてもよい。
・あるいは、自動制動制御装置は、制動制御部62の機能とブレーキ制御部72の機能とを有する1つの制御部を含み、自動制動処理はその制御部で実行されてもよい。
・本開示の自動制動制御装置は、大型自動車に限らず、普通自動車等に搭載されてもよい。
10,80…エアブレーキ装置、11…フロントエアタンク、12,83…比例電磁弁、13R,13L…フロントチャンバー、14R,14L…フロントブレーキ、21…リアエアタンク、22…アクスルモジュレーター、23R,23L…リアチャンバー、24R,24L…リアブレーキ、31,81…コンプレッサー、41…ブレーキペダル、42…ブレーキ弁、51…フロント空気圧センサー、52…リア空気圧センサー、53…ストロークセンサー、54…ミリ波レーダー、60…制動制御装置、61…制動用入出力部、62…制動制御部、63…制動用記憶部、70…ブレーキ制御部、71…ブレーキ用入出力部、72…ブレーキ制御部、73…ブレーキ用記憶部、74…電磁弁駆動部、75…モジュレーター駆動部、82…エアタンク、84R,84L…ブレーキチャンバー、85R,85L…ブレーキ。

Claims (5)

  1. エアブレーキ装置の備えるエアタンク内の圧縮空気の圧力を取得する圧力取得部と、
    対象物に対する車両の衝突予測時間を算出する衝突予測時間算出部と、
    前記衝突予測時間が閾値以下であるか否かを判断する衝突判断部と、
    前記衝突予測時間が閾値以下である場合に、前記エアタンクからブレーキチャンバーへの圧縮空気の供給と供給停止とを切り替える切り替え部の駆動の開始時期を制御する切り替え制御部を備え、
    前記切り替え制御部は、
    前記圧力が第1圧力であるときに、前記切り替え部の駆動による前記圧縮空気の供給の開始を第1タイミングとし、
    前記圧力が第2圧力であるときに、前記切り替え部の駆動による前記圧縮空気の供給の開始を第2タイミングとし、
    前記第1圧力は前記第2圧力よりも低く、
    前記第1タイミングを前記第2タイミングよりも前記衝突判断部の判断時に近くする
    自動制動制御装置。
  2. 前記切り替え制御部は、
    前記圧縮空気の圧力が所定の基準圧力以下であるときに、前記圧縮空気の圧力が前記基準圧力よりも高いときと比べて、前記切り替え部の駆動の開始を早める状態を備える
    請求項1に記載の自動制動制御装置。
  3. 前記対象物に対する前記車両の相対速度を取得する相対速度取得部をさらに備え、
    前記切り替え制御部は、
    前記相対速度が大きいときほど、前記切り替え部の駆動を早める度合いを大きくする
    請求項1又は2に記載の自動制動制御装置。
  4. 前記圧力取得部は、
    前記エアタンクにおける前記圧縮空気の圧力を検出する圧力検出部の検出結果を前記エアタンクにおける前記圧縮空気の圧力として取得する
    請求項1から3のいずれか1つに記載の自動制動制御装置。
  5. 前記切り替え制御部は、
    前記圧縮空気の圧力が低いときほど前記切り替え部の駆動の開始を早める状態を備える
    請求項1から4のいずれか1つに記載の自動制動制御装置。
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