JP2013248657A - ろう材、ろう材による接合方法及び半導体モジュール - Google Patents

ろう材、ろう材による接合方法及び半導体モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材を有する半導体モジュールにおいて、複合部材と他の部材との接合部の信頼性を向上する。
【解決手段】炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材からなる伝熱層4(または、放熱基板6)と絶縁基板5とを接合するろう材であって、このろう材は、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有する。伝熱層4は、半導体素子2が設けられる配線層3と絶縁基板5との間に設けられる。伝熱層4にろう材を塗布し、ろう材の塗布面に絶縁基板5に設け、伝熱層4を絶縁基板5方向に押圧して加熱し、ろう付けを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ろう材及びろう材による接合方法、並びにろう材による接合部を有する半導体モジュールに関する。
従来技術に係る半導体モジュール11の断面図を図3に示す。図3に示す半導体モジュール11において、半導体素子2は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などであり、絶縁基板5上に形成された配線層3に設けられる。そして、絶縁基板5の配線層3が形成された面と反対側の面には、伝熱層13を介して放熱基板14が設けられる。
この配線層3と伝熱層13は、例えば、アルミニウム若しくは銅などを用いて形成される。また、放熱基板14の伝熱層13が設けられる面と反対側の面には、Oリング(図示せず)を介して水冷ジャケット7が設けられる。水冷ジャケット7内には、冷却液が流通する冷媒流路7aが形成されている。そして、放熱基板14と水冷ジャケット7が、ボルト8で固定される。なお、ボルト8を用いず、ろう付けにより放熱基板14と水冷ジャケット7が接合される場合もある。
このようなパワー半導体モジュール11において、半導体素子2から発生する熱は、放熱基板14を経て水冷ジャケット7に伝わり、水冷ジャケット7から放熱される(例えば、特許文献1,2)。
絶縁基板5は、例えば、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板、または窒化ケイ素基板などである。また、放熱基板14及び水冷ジャケット7には、例えば、熱伝導性に優れるアルミニウムが用いられる。そして、絶縁基板5と伝熱層13の接合や伝熱層13と放熱基板14の接合など各部材の接合方法には、ろう付けなどの方法が用いられる(例えば、特許文献3,4、非特許文献1)。
絶縁基板5を構成するセラミックは、配線層3や伝熱層13を構成するアルミニウムと比較して線膨張係数が小さい。よって、半導体素子2が発熱した場合、絶縁基板5と伝熱層13(または、放熱基板14)の熱膨張差により、絶縁基板5にクラックが生じたり、絶縁基板5と伝熱層13との接合面において剥離が生じたりするおそれがあった。
この課題を改善するために、図4に示すような、絶縁基板5と放熱基板14との間に応力緩和層15を介在させる半導体モジュール12が知られている。応力緩和層15として、例えば、AlSiC複合材料が用いられる。しかしながら、AlSiC複合材料を用いた場合、絶縁基板5におけるクラックの発生や絶縁基板5と伝熱層13との剥離の発生は抑制できても、応力緩和層15を介在させることから半導体素子2の放熱性が低下するおそれがあった。
そこで、応力緩和層として、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材を用いる半導体モジュールが提案されている(例えば、特許文献5,6)。
特開2007−141932号公報 特開2003−86744号公報 特開平4−294890号公報 特開平11−130555号公報 特開2010−98059号公報 特開2011−35308号公報
宮川 和幸、外2名、"難接合材のろう付技術に関する研究"、[online]、2002年、山梨県工業技術センター、研究報告、No.16、[平成24年5月30日検索]、インターネット、〈URL: http://www.pref.yamanashi.jp/yitc/Houkoku/data/H13/01.pdf〉
しかしながら、複合部材はろう付け性に乏しい炭素が主成分であるため、複合部材と絶縁基板の接合強度が弱くなるおそれがあり、より信頼性の高い接合を行うことが求められている。従来技術では半導体モジュールに複合部材を設ける場合、複合部材の表面に金属スキン層などを形成して、複合部材と他の部材との接合部の信頼性を確保している。
上記事情に鑑み、本発明は、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材を有する半導体モジュールにおいて、複合部材と他の部材との接合部の信頼性の向上に貢献する技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成する本発明のろう材の一態様は、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明のろう材の他の態様は、前記ろう材が、Al粉末、Cu粉末、Si粉末、Ti粉末の混合物に、溶媒を混合してなることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明のろう材の他の態様は、前記ろう材が、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材と、絶縁基板とを接合することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明のろう材による接合方法の一態様は、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材に、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有するろう材を介して絶縁基板を設け、前記複合部材と前記絶縁基板とを圧着して、当該ろう材を不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下で加熱しろう付けすることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの一態様は、半導体素子と、当該半導体素子が設けられる配線層と、この配線層が、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた第1複合部材を介して設けられる絶縁基板と、前記絶縁基板の前記配線層が設けられる面の反対側の面に、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた第2複合部材を介して設けられる放熱器と、を有し、前記第1複合部材と前記絶縁基板の接合部、または前記第2複合部材と前記絶縁基板の接合部の少なくとも一方の接合部を、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有するろう材で接合することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの他の態様は、前記第1複合部材または前記第2複合部材のろう接面にニッケル層を形成することを特徴としている。
以上の発明によれば、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材を有する半導体モジュールにおいて、複合部材と他の部材との接合部の信頼性の向上に貢献することができる。
本発明の実施形態に係る半導体モジュールの要部断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体モジュールの接合方法を説明する説明図である。 従来技術に係る半導体モジュールの断面図である。 従来技術の複合部材を有する半導体モジュールの断面図である。
本発明のろう材及びろう材による接合方法、並びにろう材による接合部を有する半導体モジュールについて、図を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、図1,2は、本発明の実施形態に係る半導体モジュールを模式的に示したものであり、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体モジュール1の要部断面図である。図1に示すように、実施形態に係る半導体モジュール1は、半導体素子2、配線層3、伝熱層4、絶縁基板5、放熱基板6、水冷ジャケット7を有する。
半導体素子2は、例えば、IGBTやMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング素子であり、配線層3にはんだ付けにより設けられる。なお、半導体素子2として、スイッチング素子単独ではなく、スイッチング素子とFWD(Free Wheeling Diode)などの整流素子を有する回路など複数の素子が電気回路を形成するものを用いてもよい。
配線層3は、伝熱層4を介して絶縁基板5に設けられる。配線層3は、例えば、アルミニウム若しくは銅を用いて形成される。
伝熱層4は、高熱伝導性であり、絶縁基板5の線熱膨張係数に近い線熱膨張係数を有する部材であり、例えば、炭素材料(多孔質炭素材料、炭素繊維など)にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた炭素・アルミニウム複合部材(以下、複合部材とする)が用いられる。複合部材の具体例として、多孔質炭素材料にアルミニウムを含浸させた複合部材であるALC400(エーエムテクノロジー社製)がある。ALC400の線膨張係数は、7ppm/Kであり、アルミニウムの線膨張係数(17ppm/K)と比較して小さく、絶縁基板5として使用されるアルミナ基板(線膨張係数:8ppm/K)、窒化アルミニウム基板(線膨張係数:4.6ppm/K)、窒化ケイ素基板(線膨張係数:3.5ppm/K)に近い。また、ALC400の熱伝導率は、440W/mKであり、銅の熱伝導率(390W/mk)アルミニウムの熱伝導率(220W/mK)と比較して高い。なお、伝熱層4の厚さは、0.5〜6.0mmが好ましい。伝熱層の厚さを0.5mm以上とすることで、炭素材料を含有する伝熱層4と配線層3を機械的な手段(ボルトで締結するなど)で固定した場合でも、伝熱層4の機械強度を確保するこができる。また、伝熱層4の厚さが厚くなるほど伝熱層4の熱伝導性が低下する。そこで、伝導層4の厚さを6.0mm以下とすることで伝熱層4の熱伝導性を良好なものとすることができる。
絶縁基板5は、伝熱層4を介して配線層3が設けられる第1主面と、第1主面の反対側に放熱基板6を介して水冷ジャケット7が設けられる第2主面とを有する。絶縁基板5は、必要とされる絶縁特性、熱伝導性、機械的強度を勘案して、構成する材料や厚さが決定される。例えば、絶縁基板5としては、厚さ、0.3〜2.0mmの窒化アルミニウム(AlN)板、酸化アルミニウム(Al23)板、または窒化ケイ素(N4Si3)板などが用いられる。
放熱基板6は、伝熱層4と同じ複合部材であり、半導体素子2で発生した熱を水冷ジャケット7に伝達する。放熱基板6の厚さは、3.0〜6.0mmが好ましく、この厚さは、伝熱層4の厚さと同様に、放熱基板6の機械強度と熱伝導性を考慮して決定される。
水冷ジャケット7は、放熱基板6を介して絶縁基板5の第2主面に設けられる。水冷ジャケット7は、例えば、熱伝導性に優れるアルミニウム製であり、その内部には、冷却液が流通する冷媒流路7aが形成される。また、水冷ジャケット7と放熱基板6との間には、Oリング(図示せず)が設けられ、水冷ジャケット7と放熱基板6はボルト8で固定される。なお、ボルト8を用いず、ろう付けにより水冷ジャケット7と放熱基板6を接合してもよく、ろう材としては、例えば、Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金などからなるシート状アルミニウムろう材が用いられる。
本発明の実施形態に係る半導体モジュール1では、伝熱層4と絶縁基板5及び放熱基板6と絶縁基板5との接合に、Ti(チタン)を0.1〜2.0重量%含み、残部は、Al−Cu−Si(アルミニウム−銅−ケイ素)系合金と不可避的不純物であるAl−Cu−Si−Ti系合金を用いる。Tiを含有するAl−Cu−Si系合金は、共晶組成がAl−26.6Cu−5.4Siであり、その融点が524℃である。そこで、600℃以下でセラミック基板(絶縁基板5)と複合部材(伝熱層4または放熱基板6)を接合するろう材として、Tiを0.1〜2.0重量%含有するAl−Cu−Si系合金を用いて、信頼性の高い接合面を得たものである。なお、Al−Cu−Si系合金中のCu量またはSi量が、Al−Cu−Si系合金の共晶組成であるCu量またはSi量から大きく異なると、550〜600℃の温度範囲でのろう付けが困難となる。ゆえに、Al−Cu−Si系合金に対するCuの含有量は、22〜32重量%、Siの含有量は3.4〜7.4重量%が好ましい。特に、Al−Cu−Si系合金に対するCu及びSiの含有量を共晶組成比(Al−26.6Cu−5.4Si)となるように調製することで、融点の変化が少なく、良好なろう接を行うことができるろう材を得ることができる。
次に、具体的な実施例をあげて、本発明のろう材、ろう材による接合方法、並びにろう材による接合部を有する半導体モジュール1についてより詳細に説明する。
[実施例1]
(1)ろう材の調製
ろう材が、1.6重量%のTiと、Cuを26.6重量%、Siを5.4重量%、残部がAlである混合物とを含有するようにTi粉末(粒子径:38μm以下)、Cu粉末(50%粒子径:1μm)、Si粉末(50%粒子径:5μm)、Al粉末(50%粒子径:3μm)を混合し、4元混合粉末を得た(いずれの粉末も高純度化学研究所製)。Ti粉末は、Al,Cu,Si粉末と比較して粒子径が大きいので、予め乳鉢で粉砕してから他の粉末と混合した。この4元混合粉末をボールミルで1h混合し、その後ペースト状となるようにエタノールを適量加えて実施例1のろう材を調製した。
(2)ろう材による接合試料の作成
図1に示す半導体モジュール1の伝熱層4及び放熱基板6として、ALC400(エーエムテクノロジー社製)を用いた。また、絶縁基板5として、AlN基板を用いた。なお、実施例の説明では、伝熱層4と絶縁基板5との接合について詳細に説明するが、放熱基板6と絶縁基板5も同様の方法で接合することができる。
図2に示すように、伝熱層4の一面に実施例1のろう材9を塗布し、絶縁基板5上にろう材9を介して伝熱層4を設けた。なお、伝熱層4及び絶縁基板5の接合面は、ろう付け前に1 mol/lの水酸化ナトリウム水溶液中で30分間脱脂、洗浄を行った。押圧部材10により伝熱層4を絶縁基板5方向に押圧した状態で、アルゴンガス雰囲気中で加熱し、伝熱層4と絶縁基板5のろう付けを行った。荷重圧力は、0.05MPaであり、伝熱層4が設けられた絶縁基板5を、525℃−30min、550℃−30min、575℃−30min、600℃−30min、625℃−30minの各温度に保持して5つの接合試料を得た。表1に、実施例1,2及び比較例1,2のろう材を用いて接合した接合試料の接合条件を示す。
Figure 2013248657
[実施例2]
(1)ろう材の調製
ろう材が、0.8重量%のTiと、Cuを26.6重量%、Siを5.4重量%、残部がAlである混合物とを含有するようにTi,Cu,Si,Al粉末を混合し、4元混合粉末を得た(いずれの粉末も高純度化学研究所製)。各粉末は、実施例1と同じものを用いた。そして、実施例1と同様にTi粉末を予め乳鉢で粉砕してから他の粉末と混合した。この4元混合粉末をボールミルで1h混合し、その後ペースト状となるようにエタノールを適量加えて実施例2のろう材を調製した。
(2)ろう材による接合方法
実施例1の接合方法と同様に、伝熱層の一面に実施例2のろう材を塗布し、絶縁基板上にろう材を介して伝熱層を設けた。押圧部材により伝熱層を絶縁基板方向に押圧した状態で、アルゴン雰囲気中、所定の接合温度まで加熱してろう付けを行い5つの接合試料を得た。
[比較例1]
(1)ろう材の調製
ろう材が、Cuが26.6重量%、Siが5.4重量%、残部がAlである混合物となるようにCu,Si,Al粉末を混合し、3元混合粉末を得た(いずれの粉末も高純度化学研究所製)。各粉末は、実施例1と同じものを用いた。この3元混合粉末をボールミルで1h混合し、その後ペースト状となるようにエタノールを適量加えて比較例1のろう材を調製した。
(2)ろう材による接合方法
実施例1の接合方法と同様に、伝熱層の一面に比較例1のろう材を塗布し、絶縁基板上にろう材を介して伝熱層を設けた。押圧部材により伝熱層を絶縁基板方向に押圧した状態で、アルゴン雰囲気中、所定の接合温度まで加熱してろう付けを行い5つの接合試料を得た。
[比較例2]
(1)ろう材の調製
ろう材が、2.5重量%のTiと、Cuを26.6重量%、Siを5.4重量%、残部がAlである混合物とを含有するようにTi,Cu,Si,Al粉末を混合し、4元混合粉末を得た(いずれの粉末も高純度化学研究所製)。各粉末は、実施例1と同じものを用いた。そして、実施例1と同様にTi粉末を予め乳鉢で粉砕してから他の粉末と混合した。この4元混合粉末をボールミルで1h混合し、その後ペースト状となるようにエタノールを適量加えて比較例2のろう材を調製した。
(2)ろう材による接合方法
実施例1の接合方法と同様に、伝熱層の一面に実施例2のろう材を塗布し、絶縁基板上にろう材を介して伝熱層を設けた。押圧部材により伝熱層を絶縁基板方向に押圧した状態で、アルゴン雰囲気中、所定の接合温度まで加熱してろう付けを行い5つの接合試料を得た。
[ろう材の評価]
(1)目視による接合部の評価
550℃,575℃,600℃で接合した接合試料は、実施例1,2及び比較例1,2のいずれのろう材を用いた場合であっても、伝熱層と絶縁基板が良好に接合されていることが目視により確認された。
一方、525℃で接合した接合試料は、実施例1,2及び比較例1,2のいずれのろう材を用いた場合であっても、接合部の一部にろう材成分が溶融しない状態が残存していることが確認された。
また、625℃で接合した接合試料は、実施例1,2及び比較例1,2のいずれのろう材を用いた場合であっても、伝熱層であるALC400の構成成分であるAlの染み出し、Alの染み出しによって伝熱層の表面に凹凸が形成されることが確認された。
そこで、伝熱層に変化が起こらない温度条件(600〜525℃)で接合した接合試料に対してヒートサイクル試験を行い、伝熱層と絶縁基板との間の接合部に対する評価を行った。
(2)ヒートサイクル試験
実施例1,2及び比較例1,2の各ろう材を用いて、525℃,550℃,575℃,600℃で接合した接合試料に対してヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクル試験は、125℃(保持時間30min)と−40℃(保持時間30min)とを交互に1000サイクル繰り返す試験を行った。接合試料の接合部の評価は、ヒートサイクル試験後の伝熱層と絶縁基板との間の接合部に剥離が生じたかどうかを目視で評価した。表2に、接合部の評価結果を示す。表2では、伝熱層と絶縁基板が剥離しなかった接合試料には○を付し、伝熱層と絶縁基板に剥離が確認された接合試料には×を付した。
Figure 2013248657
表2に示すように、実施例1,2のろう材を用いた場合、550℃〜600℃で接合したいずれの接合試料でも、ヒートサイクル試験後に伝熱層と絶縁基板の接合部に剥離が確認されず、伝熱層と絶縁基板の接合が維持されていた。一方で、比較例1,2のろう材を用いた場合、525℃〜600℃で接合したいずれの接合試料でも、ヒートサイクル試験後に伝熱層と絶縁基板との接合部に剥離が確認された。
実施例1,2のろう材は、Al−Cu−Si系合金にTiを微量添加することで、Tiが複合部材表面のアルミニウム酸化膜を活性化し、ろう付け面の反応を促進しているものと考えられる。Tiの混合量が、0.1重量%以下では、複合部材表面のアルミニウム酸化膜を活性化できず、Tiが2.0重量%以上では、4元合金の融点が高くなるとともに、金属間化合物TiAl3が生成されることによりろう材が硬く脆くなると考えられる。よって、ろう材に対して0.1重量%以上2.0重量%以下のTiを混合することで、信頼性の高い伝熱層と絶縁基板の接合を行うことができる。
以上のように、本発明のろう材は、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有することを特徴とし、このろう材及びこのろう材を用いた接合方法によれば、窒化アルミニウムなどの絶縁基板と炭素を主成分とする複合部材との接合の信頼性を向上させることができる。
Tiは、高融点なので、ろう材の融点を下げる効果は期待できないが、Tiが活性金属であり複合部材表面のアルミニウム酸化膜を活性化させるためアルミニウムとの濡れ性が良く、Tiと炭素はTiC(チタンカーバイド)を形成することが知られており、炭素とも濡れ性が良いものと考えられる。また、共晶組成となるAl−Cu−Si系合金にTiを微量添加した場合、得られるろう材の組成は、Al−Cu−Si系合金の共晶組成からわずかにずれるだけなので、この合金の融点は、共晶組成における融点(524℃)から高温側にシフトするだけであると考えられる。よって、Al−Cu−Si系合金にTiを0.1〜2.0重量%添加することで、複合部材と絶縁基板との接合部の信頼性を向上させ、600℃以下でろう接を行うことができるろう材を得ることができる。
また、ろう材の構成成分の粉末を混合してろう材を調製することで、ろう材の成分比を容易に変化させる(または、所定の成分比となるようにろう材を調製する)ことができる。
さらに、絶縁基板と炭素を主成分とする複合材料の接合部や絶縁基板とアルミニウムまたはアルミニウム合金の接合部などをノンフラックスで接合することができる。
また、本発明の半導体モジュールは、絶縁基板と複合部材の接合部のろう材として、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有するろう材を用いることにより、ヒートサイクルを繰り返しても絶縁基板と複合部材の接合部の剥離が生じにくく、より信頼性の高い半導体モジュールを得ることができる。
また、本発明の半導体モジュールは、放熱基板に線膨張係数が絶縁基板の線膨張係数に近い部材を用いることで、絶縁基板の反りや絶縁基板におけるクラックの発生、絶縁基板と放熱基板との接合面の剥離を防止することができる。また、絶縁基板の放熱基板が接合される面と反対側の面に絶縁基板の線膨張係数と近い線膨張係数を有する伝熱層を設けることで、絶縁基板の両面に絶縁基板の線膨張係数に近い係数を有する部材が設けられる。その結果、線膨張係数の違いによる応力の発生を低減し、絶縁基板が反ったりすることがなく、絶縁基板におけるクラックの発生や絶縁基板と放熱基板(または伝熱層)の接合面の剥離がより抑制される。
なお、本発明のろう材及びろう材による接合方法、並びにろう材による接合部を有する半導体モジュールについて、具体例を示して詳細に説明したが、本発明のろう材及びろう材による接合方法並びに半導体モジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。つまり、本発明のろう材及びろう材による接合方法、並びに半導体モジュールは、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、そのように変更された形態も本発明のろう材及びろう材による接合方法、並びに半導体モジュールに属する。
例えば、実施例の説明では、共晶合金を構成する各成分の粉末を混合したろう材を用いた形態を例示して説明しているが、共晶合金粉末にTi粉末を混合したろう材や、共晶合金成分に所定量のTiを混合したシート状のろう材を用いてもよい。また、Tiと共晶組成のAl−Cu−Si粉末の混合物に加える溶媒は、エタノールに限定されるものではなく、適宜周知の溶媒を用いればよい。また、ろう材層の形成方法として塗布法に限らず、4元混合粉末に適量の溶媒を加えてスプレー噴霧法やスクリーン印刷法などを用いることができる。
また、ろう材の接合時の雰囲気は、アルゴンガス雰囲気下で接合を行うことに限定されるものではなく、窒素ガス雰囲気下などの不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下で接合を行うことで信頼性の高い接合部を得ることができる。
また、実施例の説明では、複合部材と窒化アルミニウム基板との接合について詳細に説明したが、本発明のろう材及びろう材による接合方法は、複合部材と他のセラミック基板(例えば、酸化アルミニウム基板や窒化ケイ素基板など)の接合に適用しても信頼性の高い接合部を得ることができる。また、本発明のろう材及びろう材による接合方法は、複合部材と絶縁基板とを接合することができることから、複合部材と複合部材、及び絶縁基板と絶縁基板の接合に適用することができることは明らかである。
また、本発明のろう材は、金属とセラミック基板との接合を行うこともできるので、セラミック基板と金属層との接合に用いてもよい。
また、配線層と伝熱層、伝熱層と絶縁基板、絶縁基板と放熱基板などをろう付けするにあたり、伝熱層及び放熱基板である複合部材の表面に予めニッケルメッキなどの表面処理をすると、ろう材の濡れ性が向上し、各部材間のろう付け性をより向上させることができる。
1,11,12…半導体モジュール
2…半導体素子
3…配線層
4…伝熱層(第1複合部材)
5…絶縁基板
6…放熱基板(第2複合部材)
7…水冷ジャケット(放熱器)
7a…冷媒流路
8…ボルト
9…ろう材
10…押圧部材
13…伝熱層
14…放熱基板
15…応力緩和層

Claims (6)

  1. 0.1〜2.0重量%のTiと、
    Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有する
    ことを特徴とするろう材。
  2. 前記ろう材は、
    Al粉末、Cu粉末、Si粉末、Ti粉末の混合物に、溶媒を混合してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のろう材。
  3. 前記ろう材は、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材と、絶縁基板とを接合する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のろう材。
  4. 炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた複合部材に、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有するろう材を介して絶縁基板を設け、
    前記複合部材と前記絶縁基板とを圧着して、当該ろう材を不活性ガス雰囲気下または真空雰囲気下で加熱しろう付けする
    ことを特徴とするろう材による接合方法。
  5. 半導体素子と、
    当該半導体素子が設けられる配線層と、
    この配線層が、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた第1複合部材を介して設けられる絶縁基板と、
    前記絶縁基板の前記配線層が設けられる面の反対側の面に、炭素材料にアルミニウムまたはアルミニウム合金を含浸させた第2複合部材を介して設けられる放熱器と、を有し、
    前記第1複合部材と前記絶縁基板の接合部、または前記第2複合部材と前記絶縁基板の接合部の少なくとも一方の接合部を、0.1〜2.0重量%のTiと、Cuを22〜32重量%、Siを3.4〜7.4重量%、残部がAlと不可避的不純物からなる混合物と、を含有するろう材で接合する
    ことを特徴とする半導体モジュール。
  6. 前記第1複合部材または前記第2複合部材のろう接面にニッケル層を形成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
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