JP2013246049A - 水中の低濃度の放射性セシウムのモニタリング方法及びモニタリング装置 - Google Patents

水中の低濃度の放射性セシウムのモニタリング方法及びモニタリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来方法における、測定時間に関する課題、定量下限に関する課題、コストの課題、輸送の課題、及び放射性物質Csの存在形態に関する問題等を解決した、新規な放射性セシウムのモニタリング方法を提供する。
【解決手段】 水中に存在する低濃度の放射性Csを対象として、溶存態の放射性Csを特異的に吸着するプルシアンブルーを担持させた不織布を用いることにより、現場で、水中の放射性セシウムを簡便にモニタリングすることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水中の低濃度の放射性セシウムのモニタリング方法及び装置に関し、特に、プルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布を用いた水中の低濃度の放射性セシウムのモニタリング方法及びそのための装置に関する。
福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の多くは山林に沈着し、降雨等に伴い山林から徐々に環境水中に流出する。例えば、文部科学省が昨年7月に福島県内の河川水51箇所で実施した調査結果(非特許文献1)では、平均で134Csが0.54Bq/L、137Csが0.58Bq/Lと低濃度の放射性セシウム(以下、Cs)が検出されている。
これらの森林等から継続的に流出する環境水を灌漑用水として利用することで、水田に新たに移動性が高い溶存態の放射性セシウムが流入し、稲に影響を与えることが懸念されている。別途行った調査では水口付近の土壌で灌漑用水に起因すると考えられる放射性Cs濃度の高まりが確認された圃場もあり、これらの水中の低濃度の放射性Csを適切にモニタリングすることは、来年度以降の対策方針を検討する上でも重要である。
海水等の水中の低濃度の放射性Csのモニタリングについては、例えば柏崎刈羽原子力発電所周辺の環境放射線監視調査の一環としての新潟県と東京電力による調査(非特許文献2)など、既に実施されているところである。
既往の低濃度の放射性Csのモニタリング方法の1つとして、採水した後、室内でゲルマニウム半導体検出器(ガンマ線スペクトロメトリー)を用いて、測定する方法があり、たとえば、非特許文献2では、海水20Lを用いてリンモリブデン酸アンモニウム・二酸化マンガン共沈法により137Csを分離し、ガンマ線スペクトロメトリーにより測定した(測定時間8万秒)ことが記載されている。
もう1つの方法として、放射性Csを濃縮した上でゲルマニウム半導体検出器により分析する方法もある。
この方法は、超低濃度の水溶液10〜100Lを採取して、SS分についてはフィルタ(例えば、1μm)等で除去した後に、フィルタ通過分を対象に、固相抽出媒体を用いて放射性Csを特異的に吸着させ、放射性Csを濃縮した上で分析を実施する方法であり、該方法に用いるカラムとして、例えば、非特許文献3には、プルシアンブルー類似体のフェロシアン化コバルトを使用したカラムを用いることが記載されている。
また、ディスクとしては、セシウム選択性を有する粒子を、ポリテトラフルオロエチレンマトリックス中に保持した3M社のRad Disk(非特許文献4参照)がある。
文部科学省(2011):文部科学省による放射性物質の分布状況等に関する調査研究(河川水・井戸水における放射性物質の移行調査)の結果について[http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/27/1312442_4.pdf] 新潟県放射監視センター年報第1巻、2003年[http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/H14-21kato,0.pdf] A.L.BONI,"Rapid Ion ExchageAnalysis of Radiocesium in Milk,Urine,Sea Water,and Enviromental Samples"ANALYTICAL CHEMISTRY,Vol.38,NO.1,pp89〜92,(1966) http://www.mmm.co.jp/filter/empore/rad/pdf/sced11-014.pdf(3MTMエムポアTMラドディスク セシウムのホームページ) 2011年8月24日産総研プレスリリース"プルシアンブルーを利用して多様な形態のセシウム吸着材を開発"」[http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110824/pr20110824.html]
しかしながら、環境水中の放射性Cs濃度は0.58Bq/L未満の場合が多く、前者の方法では、測定に長時間を要し、数が限られているゲルマニウム半導体検出器の使用時間を8〜12時間程度使用せねばならず、多数の検体を対象にした分析には向いていないという問題がある。
また、凝集沈殿法は、処理が煩雑であり、大きなタンクなどが必要であるという問題がある。
さらにまた、水中の放射性Csの存在形態(溶存態、粒子付着態等)について把握することはできないという、放射性物質Csの存在形態に関する問題がある。
一方、後者の固相抽出法などの方法は、フィルタによる分離により水中の放射性Csの存在形態を推定することはできるが、環境水のように元々SS分が多い試料では、SS分除去の前処理、及び固相抽出に、手間及び時間がかかるという問題がある。また,0.025μmフィルタ通過分を溶存態とみなすため,必ずしも溶存態そのものを確認しているわけではない.
さらに、凝集沈殿法に用いるリン酸モリブデンアンモニウム、及び固相抽出法に用いるフェロシアン化コバルトは、いずれもレアメタルを含むためにコストが高いという課題がある。
さらにまた、これらのいずれの方法も20〜100Lの水の移動が必要であるという、輸送の問題もある。
本発明は、こうした現状を鑑みてなされたものであって、従来方法における、測定時間に関する課題、定量下限に関する課題、コストの課題、輸送の課題、及び放射性物質Csの存在形態に関する問題等を解決した、新規な放射性セシウムのモニタリング方法を提供することを目的とするものである。
プルシアンブルー(フェロシアン化鉄)等のプルシアンブルー型錯体化合物は、溶存態の放射性Csを特異的に吸着することが知られており(上記非特許文献5参照)、本発明者らは、上記目的を達成すべく、プルシアンブルー型錯体化合物を用いたビーズ状カラム材を検討したが、造粒に課題があり、微粉がでるなどの問題があった。
そこで本発明者らは、更に鋭意研究を重ねた結果、水中に存在する低濃度の放射性Csを対象として、溶存態の放射性Csを特異的に吸着するプルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布(以下、「PB不織布」ということもある。)を用いて、現場で、水中の放射性Csを簡便にモニタリングすることができるという知見を得た。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]モニタリング現地において、プルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布に水を一定速度で一定時間通水させ、該不織布上で濃縮された水中の放射性セシウム量を測定することを特徴とする、水中の放射性セシウムのモニタリング方法。
[2]前記プルシアンブルー型錯体化合物として、ナノ粒子のプルシアンブルーを用いることを特徴とする[1]に記載のモニタリング方法。
[3]内部にプルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布が複数枚積層されたカラムに水を通水させることを特徴とする[1]又は[2]に記載のモニタリング方法。
[4]通水後の前記不織布をそのまま検出器を用いて測定することにより、SS分と溶存態の放射性セシウム量を測定することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のモニタリング方法。
[5]通水後の前記不織布を、水洗浄及び超音波洗浄を施した後に検出器を用いて測定することにより、溶存態の放射性セシウム量を測定することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のモニタリング方法。
[6]放射性セシウム量の測定に、ゲルマニウム半導体検出器を用いることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のモニタリング方法。
[7]水を汲み上げる定量ポンプ、積算流量計、プルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布を設置したセシウム吸着器、及び放射性セシウム検出手段を備えたことを特徴とする水中の放射性セシウムのモニタリング装置。
[8]前記プルシアンブルー型錯体化合物として、ナノ粒子のプルシアンブルーを用いることを特徴とする[7]に記載のモニタリング装置。
[9]前記吸着器として、内部にプルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布が複数枚積層されたカラムを用いることを特徴とする[7]又は[8]に記載のモニタリング装置。
[10]前記検出手段に、ゲルマニウム半導体検出器を用いることを特徴とする[7]〜[9]のいずれかに記載のモニタリング装置。
本発明によれば、現地で、環境水をプルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布に通水することにより、不織布上で濃縮された水中の放射性セシウム濃度を測定するものであるため、0.3Bq/L未満の低濃度の放射性セシウムであっても、測定に長時間を要さないばかりでなく、大きなタンクや大量の水の運搬等の問題がない。
また、吸着剤にセシウムイオンを特異的に吸着できるプルシアンブルー型錯体化合物を用いるため、不織布上のSS分を含めた放射性セシウム全量ばかりでなく、溶存態の放射性セシウム量を測定することができる。
さらに、本発明は、簡便なカラム法に、プルシアンブルー型錯体化合物からなる吸着材を使用しているため、微粉等の問題なく使用することができる。さらにまた、プルシアンブルー型錯体化合物は、従来の方法で使用されているフェロシアン化コバルトやリンモリブデン酸アンモニウムなどにくらべて圧倒的に安価な材料であるうえ、さらに担持量を調整できるため、トータルでかなり安価にすることができる。さらに、プルシアンブルー型錯体化合物を有機物に担持しているため、焼却などの後処分が容易である。
本発明の方法の1つの実施形態を模式的に示す図 内部にPB不織布を配置したカラムを撮影した写真 本発明の方法の別の実施形態を模式的に示す図 本発明の方法によるPB不織布で回収した放射性Cs量のセット数による変化を示す図
本発明は、水中に存在する低濃度の放射性Csを対象として、溶存態の放射性Csを特異的に吸着するPB不織布を用いて、現場で、水中の放射性Csを簡便にモニタリングすることを特徴とする。
すなわち、本発明のモニタリング方法は、現地で水を一定速度で一定量吸引し、PB不織布カラムを通過させ、放射性Csが濃縮したPB不織布を用いて、放射性Csを測定する方法である。
また、本発明のモニタリング装置は、水を汲み上げる定量ポンプ、積算流量計、PB不織布を設置したセシウム吸着器、及び放射性セシウム検出手段を備える。
図1は、本発明の方法の1つの実施形態を模式的に示す図である。
図1に示すとおり、本発明の方法は、水を汲み上げるためのポンプ、積算流量を測定する積算流量計(流速もこれで測定)、内部にPB不織布を配置したPB不織布カラムから構成された装置を用い、ポンプを用いて一定流速で一定量の水を汲み上げ、PB不織布カラムを通水させる。
該実施形態に用いるPB不織布カラムは、円筒形カラム内に、複数枚(5枚〜8枚)のPB不織布を1セットとし、該セットを、所定間隔で複数設置したものであり、図2は、後述する実施例に用いたカラムの写真である。
図3は、本発明の方法の別の実施形態を模式的に示す図である。
該図に示す方法は、本発明の方法は、水を汲み上げるためのポンプ、内部にPB不織布を袋状に加工したものを数層重ねた吸着層、一定量の水を貯めるタンクから構成された装置を用い、事前にタンクに一定量組み上げた水を、ポンプを用いて、一定流速で一定時間、PB不織布袋を循環通水させる方法である。本方法の対象とする水とは、例えば、森林からの浸出水、地下水、河川水、湖沼水などの環境中に存在する水や、除染で使用した汚染水や、工業排水など広範囲の放射性Csを含有する水である。
本発明に使用するプルシアンブルー型化合物は、組成がAxM[Fe(CN)6]y・zH2Oと書けるものである。ここでAは陽イオンであり、カリウム、リチウム、ナトリウム、ルビジウム、アンモニアなどが利用でき、さらにはそれらの混合でもよい。Mは金属原子であり、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀などが使用できる。一般的に結晶構造は立方晶であるが、三方晶、正方晶などを取る材料もあり、特に制限はなく、放射性セシウムを水から除去する能力があればよい。また、Fe(CN)6はヘキサシアノ鉄イオンであり、その一部が水や水酸化物イオンなど置換されている、もしくは配位数(この場合6)は、その一部が2〜8に変更されていてもよい。
本発明に使用するプルシアンブルー型化合物は、ジャングルジムのような内部に空隙を持つ構造を有しており、その空隙にセシウムを取り込むと考えられており、海水のようにナトリウムイオンやカリウムイオンなど、類似のイオンが共存している環境下でも、セシウムイオンを選択的に吸着する能力を有するものである。
したがって、本発明の方法によれば、通水後のPB不織布を、水洗浄及び超音波洗浄することにより、溶存態の放射性Cs、すなわち、プルシアンブルー型化合物取り込まれたセシウムイオンの量を、SS分も含めた放射性Cs全量と区別して測定することができるものである。
本発明において不織布に担持させるプルシアンブルー型化合物としては、市販のプルシアンブルーを用いることができる。
また、特に、プルシアンブルーのナノ粒子を用いた場合には、粒径が小さく、大きな比表面積を有するため、高い吸着効果を有するものであるので、セシウム吸着剤として特に好ましく、その一次平均粒径は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、10nm以下が特に好ましい。具体的には、特開2006−256954号公報及び国際公開第2008/081923号に記載の表面処理が施されていない水不溶性ナノ粒子又は同表面処理を施した水分散性ナノ粒子、或いは特願2012−12458号出願明細書に記載のナノ粒子が使用できる。
本発明で用いる不織布については、特に限定されず、材質及び透過性などは、必要に応じて、適宜選択して用いる。
また、不織布への担持方法は、プルシアンブルー型化合物を担持しうる方法であれば特に限定されないが、不織布製造の際、不織布材料にプルシアンブルー(紺青)等のプルシアンブルー型化合物を練り込む方法や、不織布の基材を製造後に、バインダと紺青を混練し、不織布表面に坦持させる方法などが、簡便な方法として好ましく採用される。
この際、不織布に練り込まれるプルシアンブルー型錯体の含有量としては、0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.5%以上が特に好ましい。
本発明においては、溶存態Csの濃度のみを測定するには、SS分を透過する不織布を使用することが望ましい。一方、SS分を補足できる不織布にプルシアンブルー型化合物を坦持させるなどの手法により、SS分と溶存態を同時に捕捉する形態も可能である。また、SS態を捕捉するためのフィルタと、プルシアンブルー型化合物を坦持させるフィルタを別に用意し、SS態及び溶存態を別に捕捉することも可能である。この場合SS態を捕捉するためのフィルタについては、不織布である必要はなく、膜状のものなど、SSを捕捉することができればよい。
通水後のPB不織布の分析は、ア)SS分および溶存態の放射性Cs量として、通水後のPB不織布をそのままゲルマニウム半導体検出器で測定、イ)溶存態の放射性Cs量のみを測定することができる。ただし、イ)の場合は、PB不織布を水洗浄や超音波洗浄により、SS分を除去した上で、ゲルマニウム半導体検出器で測定することが望ましい。また、各形態の水中の放射性Cs濃度は、以下の算定式に示すとおり、PB不織布に付着した放射性Cs量(Bq)を通過水量(L)で除して算出した濃度(Bq/L)を、事前に求めていた回収率(%)で除して算定する。回収率(%)は通過させるPB不織布の枚数、流速により異なる係数を事前に算定したものを用いる。
算定式:
水中の放射性Cs濃度=PB付着量合計(Bq/kg)×PB重量(kg)/通過流量(L)/回収効率(%)
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
定量ポンプを用いて水を汲み上げ、PB不織布を設置した円筒形カラム(内径5cm,長さ50cm程度)に100L通水させた。
流速による回収率の変化を見るため、流量は、1.1L/分、2.2L/分、3.5L/分と変化させて試験を実施した。不織布は7枚を1セットとし、10セットを通過させ、回収率を確認した。
回収した不織布は水及び超音波洗浄器で洗浄しSS分を除去した後、U−8容器に入れゲルマニウム半導体検出器により放射性セシウム濃度を測定した。また、溶存態の放射性Csの存在比率を推定するため、原水を採取し2Lマルネリ容器に入れ、放射性Cs濃度をゲルマニウム半導体検出器(セイコー・イージーアンドジー株式会社製 SEG-EMS(ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリー、ゲルマニウム半導体検出器型式:GEM20-70))で測定した。
なお、PB不織布には、(株)タウンアート社が販売するPB不織布(品名FF-11603、厚さ:1cm(使用前))、(材質 繊維:モダアクリル、ポリエステル、接着剤等:ポリ塩化ビニル系接着剤、プルシアンブルー)を直径約6cmの円形にカットし使用した。
調査は2時期に分けて2地点で実施し、同一地点での測定誤差確認のため地点Bで3回繰返し試験を実施した。
図4に、PB不織布で回収した放射性Cs量のセット数による変化を示す。全地点でセット数の増加により付着量が減少する傾向があり、1〜3セット回収量は10セット合計の60〜76%、1〜6セット回収量は、85〜94%であった。
一方、10セット目の回収量は1%未満〜3%程度であり、大部分が1〜6セット目で回収されていることが確認された。
また、流速が1.1L/分の1〜3セットの回収率は76%であるのに対して、流速が3.5L/分の回収率は60%であり、流速が遅いほど回収率が高いことが確認された。
一方、水中の放射性Csが定量下限未満の地点でも、PB不織布からは定量下限値以上の濃度が確認されており、低濃度領域の測定において本方法が有効であることが示された。
次に吸引法によるPB不織布への放射性Cs回収量(10セット)と水中の放射性Cs濃度の比較を表1に示す。
Figure 2013246049
本結果から、本試験で使用した水中の放射性Cs中の溶存態放射性Csの比率は28〜38%程度と推定された。
最後に本方法のばらつきの確認のため、同一地点で実施した3回繰り返し試験の結果を表2に示す。
Figure 2013246049
3回繰り返し試験(3セットで試験を実施)の結果、PB不織布に付着した放射性Cs量は平均値(0.0065Bq/L)に対して、90〜110%の範囲に収まることが確認された。
本方法の適用により、水中の低濃度の溶存態の放射性Csを簡便かつ迅速にモニタリングできることが確認された。実際の用途としては、農業用水のモニタリング、植物工場で使用する用水モニタリング等に加え、放射性Csの除染時に発生する排水や、工業用水などの、環境へ排出する際の水のモニタリングに使用することも可能である。

Claims (10)

  1. モニタリング現地において、プルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布に水を一定速度で一定時間通水させ、該不織布上で濃縮された水中の放射性セシウム量を測定することを特徴とする、水中の放射性セシウムのモニタリング方法。
  2. 前記プルシアンブルー型錯体化合物として、ナノ粒子のプルシアンブルーを用いることを特徴とする請求項1に記載のモニタリング方法。
  3. 内部にプルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布が複数枚積層されたカラムに水を通水させることを特徴とする請求項1又は2に記載のモニタリング方法。
  4. 通水後の前記不織布をそのまま検出器を用いて測定することにより、SS分と溶存態の放射性セシウム量を測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモニタリング方法。
  5. 通水後の前記不織布を、水洗浄及び超音波洗浄を施した後に検出器を用いて測定することにより、溶存態の放射性セシウム量を測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモニタリング方法。
  6. 放射性セシウム量の測定に、ゲルマニウム半導体検出器を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモニタリング方法。
  7. 水を汲み上げる定量ポンプ、積算流量計、プルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布を設置したセシウム吸着器、及び放射性セシウム検出手段を備えたことを特徴とする水中の放射性セシウムのモニタリング装置。
  8. 前記プルシアンブルー型錯体化合物として、ナノ粒子のプルシアンブルーを用いることを特徴とする請求項7に記載のモニタリング装置。
  9. 前記吸着器として、内部にプルシアンブルー型錯体化合物を担持させた不織布が複数枚積層されたカラムを用いることを特徴とする請求項7又は8に記載のモニタリング装置。
  10. 前記検出手段に、ゲルマニウム半導体検出器を用いることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のモニタリング装置。
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