JP2013244650A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
傷回復性と耐化粧品性が良好な、成型用途に適合する積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】
基材フィルムの少なくとも片側に、A層を有し、A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmである、積層フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、成型材料として成型追従性、耐傷性、樹脂基材との密着性に優れ、かつ生産性、コスト面で有利な積層フィルムに関し、加飾成型用として好適に使用できる。
加飾成型などの成型材料は、成型時の傷防止や成型後の物品使用過程での傷を防止するために表面硬度化層が設けられる。しかしながら表面硬度化層は、成型に追従する伸びが不足するため、成型時にクラックが発生したり、極端な場合にはフィルムが破断したり、表面硬度化層が剥離したりするために、一般的には成型後に表面硬度化層を形成したり、セミ硬化状態で成型した後、加熱や活性線照射などで完全硬化させるなどの手段が適用されている。しかしながら成型後の物品は3次元に加工されているため、後加工で表面硬度化層を設けるのは非常に困難であり、またセミ硬化状態で成型する場合には、成型条件によっては金型の汚れを誘発する場合がある。そのため、成型に追従する耐擦傷性材料が嘱望され、近年硬度アップによる傷防止から軽度の傷を自己修復する「自己治癒材料」(特許文献1および2)が注目されている。自己治癒材料は、自身の弾性回復範囲の変形を自己修復できるもので、大きく熱硬化型と紫外線や電子線を用いた活性エネルギー線硬化型の2種類が知られている。
特許文献1、2に記載の熱硬化型の材料は、成形性と自己修復性に優れる。
また、特許文献3、4に記載された紫外線線硬化型の自己治癒材料は、耐汚染性に比較的優れている。
国際公開第2011/136042号パンフレット 特許3926461号公報 特開2001−2744号公報 特許3676260号公報
しかしながら特許文献1、2に記載の熱硬化型の材料は、耐汚染性が悪いことから、化粧品のついた指や、可塑剤が添加された樹脂バックに接することにより種々の問題を引き起こすことがある。ここに示す耐汚染性とは、塩ビシートに含有される可塑剤(ジオクチルフタレート等)や化粧品、油性マジックなどのインキ成分などが自己治癒材料に浸透し、着色や紋斑を引き起こすものであり、表面を拭き取っただけでは解消しない。
また、特許文献3、4に記載された紫外線線硬化型の自己治癒材料は、自己修復性が悪く、両方の特性を両立するものは未だ得られていなかった。
そこで本発明の目的は、自己修復性と耐汚染性に優れた自己修復層を有する積層フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。つまり本発明は以下である。
基材フィルムの少なくとも片側に、A層を有し、
A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10質量%以下であり、
微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmである、積層フィルム。
本発明の積層フィルムは、表面傷の補修機能(自己修復性)を有し、優れた耐汚染性を有する。そのため本発明の積層フィルムは、特に表面傷の発生しやすいフィルムを基材フィルムとして用いる場合に有用である。
本発明の積層フィルムに対し、三角錐圧子(berkovich型)を用いて押し込み負荷/除荷試験を行ったときの加重―押し込み深さ線図。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。

「基材フィルム(base film)」
本発明において基材フィルムを構成する樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよく、ホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。より好ましくは、基材フィルムを構成する樹脂は、成型性が良好であるため、熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂は、十分な延伸性と追従性を備える樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、強度・耐熱性・透明性の観点から、特に、ポリエステル樹脂であることがより好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂とは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、酸成分及びそのエステルとジオール成分の重縮合によって得られる。具体例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを挙げることができる。またこれらに酸成分やジオール成分として他のジカルボン酸およびそのエステルやジオール成分を共重合したものであっても良い。これらのポリエステル樹脂の中で、透明性、寸法安定性、耐熱性などの点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
また、基材フィルムには、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが含有されていてもよい。
基材フィルムは、単層構成の基材フィルムや積層構成の基材フィルムのいずれであってもよい。

「ポリエステル基材フィルム(polyester base film)」
本発明では、基材フィルムを構成する樹脂が、基材フィルムの全成分100質量%において、ポリエステル樹脂を50質量%以上100質量%以下含む場合、該基材フィルムをポリエステル基材フィルムという。
本発明では、ポリエステル基材フィルムを構成するポリエステル樹脂は、用いるポリエステルの極限粘度(JIS K7367(2000)に従って25℃のo−クロロフェノール中で測定)が、0.4〜1.2dl/gが好ましく、0.5〜0.8dl/gが特に好ましい。
ポリエステル基材フィルムは、未延伸(未配向)フィルム、一軸延伸(一軸配向)フィルム、二軸延伸(二軸配向)フィルムのいずれも使用しうるが、寸法安定性や耐熱性に優れる二軸延伸フィルムを用いるのが好ましい。二軸延伸フィルムは、高度に結晶配向されたものが好ましい。本発明では、二軸配向とは広角X線回折で二軸配向パターンを示すものをいう。
ポリエステル基材フィルムは、内部に微細な空洞を有するポリエステルフィルムであっても良い。
ポリエステル基材フィルムは、単層構成であっても積層構成であっても良い。
ポリエステル基材フィルムが積層構成の場合には、異なるポリエステル樹脂、好ましくは、ポリエステル樹脂Cを50質量%以上100質量%以下含む層とポリエステル樹脂Dを50質量%以上100質量%以下含む層を積層させる。ポリエステル基材フィルムが積層構成の場合、本発明では、異なるポリエステル樹脂とは、分子構造が異なるポリエステル樹脂である場合も、共重合ポリエステル樹脂の一部の成分が異なる場合も意味する。

「A層を有する積層フィルム」
以下、基材フィルムの少なくとも片側に、A層を有する積層フィルムについて説明する。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片側に、A層を有し、A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmである、積層フィルムである。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも片側にA層を有することで、自己修復性及び耐汚染性に優れた効果を有する。
A層は、基材フィルムの両側に設けることも可能であるが、その用途にも依存するものの、コストを考慮すると基材フィルムの片側のみに存在することが好ましい。多くの用途の場合、A層は基材フィルムの片側に存在するのみで、積層フィルムは十分な自己修復性及び耐汚染性を有することとなるからである。
A層に含まれる樹脂は特に限定されないが、A層は(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント、及び(2)ウレタン結合を有する樹脂を含有することが好ましい。そしてA層に含まれる樹脂が、(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント及び(2)ウレタン結合を有するとは、A層が(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント及び(2)ウレタン結合を有する樹脂を含有することもできるし、A層が(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有する樹脂及び(2)ウレタン結合を有する樹脂という複数の樹脂を含有することもできる。以下、A層に含まれる成分について、説明する。

「(ポリ)アルキレングリコールセグメント」
本発明では、A層が、(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有することが好ましい。A層が(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有することで、A層に自己修復性を賦与することができる。
本発明において、(ポリ)アルキレングリコールセグメントとは、以下の化学式1で示されるセグメントを指す。
Figure 2013244650
但し、nは2〜4の整数、mは2〜11の整数である。
アルキレングリコールはその炭素数nが2〜4のグリコールである。更に、アルキレングリコールの繰返し単位数mは2〜11であり、好ましくは3〜6である。アルキレングリコールの炭素数nが4を越える場合又はアルキレングリコールの繰返し単位数mが11を越える場合には、アルキレングリコールの分子鎖が長くなって硬化物の架橋密度が低くなり、その硬度が低くなって塗膜強度、耐擦傷性等が低下する。一方、アルキレングリコールの繰返し単位数mが2未満となる場合には、アルキレングリコールの分子鎖が短くなり硬化物の架橋密度が高くなり、硬化物が柔軟性を失うため、硬化物の自己修復性と加工性が低下する。
なお、(ポリ)アルキレングリコールセグメントを含有する樹脂を含む組成物を用いてA層を形成することにより、A層は、(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有することができる。
(ポリ)アルキレングリコールセグメントを含有する樹脂は、少なくとも1以上の水酸基(ヒドロキシル基)を有することが好ましい。水酸基は、(ポリ)アルキレングリコールセグメントを含有する樹脂の末端にあることが好ましい。
(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有する樹脂をA層が含むことにより、A層は自己修復性を持つことができる。すなわち、A層表面に傷が付されたとしても、数秒の短時間で傷を消滅させる(自己修復させる)ことができる。
(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有する樹脂としては、弾性を付与するために、末端にアクリレート基を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートであることが好ましい。(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートのアクリレート官能基(またはメタクリレート官能基)数は限定されないが、硬化物の自己修復性の点から単官能であることが最も好ましい。
A層を形成するために用いる組成物中に含有される(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートの一般式は化学式2に、(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレートの一般式は化学式3に、(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレートの一般式は化学式4にそれぞれ表される。
Figure 2013244650
Figure 2013244650
Figure 2013244650
これらのポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのうち、アルキレングリコールの炭素数nが2のエチレングリコールである(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートが特に好ましい。(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートは、化学式1における炭素数nが最も小さいことから、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートを含むA層を形成するために用いる組成物から得られる硬化物(A層)の耐化粧品性と耐擦傷性の両立に寄与することができる。
また、本発明において、A層中の(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有する樹脂は、(ポリ)アルキレングリコールセグメント以外に、他のセグメントやモノマーが含有(あるいは、共重合)されていても良い。たとえば、ポリジメチルシロキサンセグメントや(ポリ)シロキサンセグメントが含有(あるいは、共重合)されていても良い。
本発明では、後述するイソシアネート基を含有する化合物と(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートの水酸基とを反応させて、ウレタン(メタ)アクリレートとしてA層に用いることにより、A層が(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント及び(2)ウレタン結合を有することができ、結果としてA層の強靱性を向上させると共に自己修復性を向上することができる。
後述のイソシアネート基を含有する化合物と(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとのウレタン化反応の際には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、長鎖アルコール等を配合することができる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを配合することにより、硬化物であるA層の硬度を高めることができる。長鎖アルコールを配合することにより、硬化物であるA層の表面滑性を高めることができ、その結果耐擦傷性を向上させることができる。なお、この長鎖アルコールは前記長鎖アルキル基含有化合物の概念に含まれる化合物である。
イソシアネート基を含有する化合物と(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとのウレタン化反応の際に同時に配合するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が例示される。
イソシアネート基を含有する化合物と(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとのウレタン化反応の際に同時に配合する長鎖アルコールとしては、トリデカノール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、グリセロールモノステアレート等が挙げられる。特に好ましい長鎖アルコールとしては、ポリエーテル変性セチルアルコール等のポリエーテル変性された長鎖アルコールが挙げられる。なぜならば、ポリエーテルにより変性された長鎖アルコールを使用すれば、硬化物であるA層に帯電防止効果を付与することができるからである。
後述のイソシアネート基を含有する化合物と(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとのウレタン化反応は、有機溶剤中で触媒、重合禁止剤等の存在下に行われる。ウレタン化反応における反応温度は常温〜100℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。反応温度が常温より低い場合又は反応時間が1時間より短い場合には、反応の進行が遅く、目的とするウレタン(メタ)アクリレートの収率が低下しやすくなる。一方、反応温度が100℃を越える場合又は反応時間が10時間より長い場合には、副反応が起きやすくなる傾向を示す。
前記イソシアネート基を含有する化合物と(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとのウレタン化反応に用いる有機溶剤の例は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤が挙げられる。触媒の例としては、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジエチルヘキソエート、ジブチル錫サルファイト等が挙げられる。重合禁止剤の例としては、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールセグメントが共重合される場合であっても、別途添加される場合であっても、A層を形成するために用いる組成物の全成分100質量%において、(ポリ)アルキレングリコールセグメントの量が5〜50質量%であると、自己修復性、耐汚染性の点で好ましい。ここで、組成物の全成分100質量%には、反応に関与しない溶媒は含まない。反応に関与するモノマー成分は含む。

「ウレタン結合」
本発明では、A層に含まれる樹脂が(2)ウレタン結合を有することが好ましい。
本発明では、イソシアネート基と水酸基とを反応させてウレタン結合を生成させることにより、A層に含まれる樹脂がウレタン結合を有する樹脂とすることができる。イソシアネート基と水酸基とを反応させてウレタン結合を生成させることにより、A層の強靱性を向上させると共に弾性回復性(自己修復性)を向上することができる。
また、ポリシロキサンセグメントを含有する樹脂やポリジメチルシロキサンセグメントを含有する樹脂が、水酸基を有する場合は、熱などによってこれら樹脂とイソシアネート基を含有する化合物との間にウレタン結合を生成させることが可能である。イソシアネート基を含有する化合物と、水酸基を有する(ポリ)シロキサンセグメントを含有する樹脂や水酸基を有するポリジメチルシロキサンセグメントを含有する樹脂を用いてA層を形成すると、A層の強靱性および弾性回復性(自己修復性)および表面のすべり性を高めることができ、好ましい。
本発明において、イソシアネート基を含有する化合物とは、イソシアネート基を含有する樹脂や、イソシアネート基を含有するモノマーやオリゴマーを指す。イソシアネート基を含有する化合物は、例えば、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンイソシアネートのビューレット体などのポリイソシアネート、および上記イソシアネートのブロック体などを挙げることができる。
A層を形成するために用いる組成物中のイソシアネート基を含有する化合物としては、脂環族や芳香族のイソシアネートに比べて脂肪族のイソシアネートを用いることが、得られるA層の自己修復性を高めることができるために好ましい。イソシアネート基を含有する化合物は、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネートである。また、イソシアネート基を含有する化合物は、イソシアヌレート環を有するイソシアネートが耐熱性の点で特に好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が最も好ましい。イソシアヌレート環を有するイソシアネートを用いることで、自己修復性と耐熱特性を併せ持つA層を形成することができる。
A層を形成するために用いる組成物中には、アルコキシメチロールメラミンなどのメラミン架橋剤、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸などの酸無水物系架橋剤、ジエチルアミノプロピルアミンなどのアミン系架橋剤などの他の架橋剤を含むことも可能である。必要に応じてウレタン結合の形成反応を促進させるためにジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジエチルヘキソエートなどの架橋触媒を用いても良い。

「(ポリ)カプロラクトンセグメント」
本発明では、A層に含まれる樹脂が、(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントを有することが好ましい。A層に含まれる樹脂が(ポリ)カプロラクトンセグメントを有することで、A層の自己修復性を高めることが出来る。
本発明において、(ポリ)カプロラクトンセグメントとは、下記の化学式5で示されるセグメントを指す。
Figure 2013244650
(ポリ)カプロラクトンセグメントを有する樹脂を含む組成物を用いてA層を形成することにより、A層に含まれる樹脂は、(ポリ)カプロラクトンセグメントを有することができる。
(ポリ)カプロラクトンセグメントを有する樹脂は、少なくとも1以上の水酸基(ヒドロキシル基)を有することが好ましい。水酸基は、(ポリ)カプロラクトンセグメントを含有する樹脂の末端にあることが好ましい。
(ポリ)カプロラクトンセグメントを有する樹脂としては、特に、2〜3官能の水酸基を有する(ポリ)カプロラクトンが好ましい。具体的には、(ポリ)カプロラクトンジオール、
Figure 2013244650
(ポリ)カプロラクトントリオール、
Figure 2013244650
(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
Figure 2013244650
などのラジカル重合性カプロラクトンを用いることができる。ラジカル重合性とは活性エネルギー線によって架橋が進行する性質のことであり、アクリレート基の(CH2=)官能基を有する化合物が該当する。ほかのラジカル重合性カプロラクトンの例として、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、本発明において、(ポリ)カプロラクトンセグメントを有する樹脂は、(ポリ)カプロラクトンセグメント以外に、他のセグメントやモノマーを有(あるいは、共重合)しても良い。たとえば、ポリジメチルシロキサンセグメントや(ポリ)シロキサンセグメントを有(あるいは、共重合)しても良い。
また、本発明において、(ポリ)カプロラクトンセグメントを有する樹脂中の、(ポリ)カプロラクトンセグメントの重量平均分子量は500〜2,500であることが好ましく、より好ましい重量平均分子量は1,000〜1,500である。(ポリ)カプロラクトンセグメントの重量平均分子量は500〜2,500であると、自己治癒性の効果がより発現し、また耐傷性がより向上する。

「(ポリ)シロキサンセグメント」
本発明では、A層に含まれる樹脂が(4)(ポリ)シロキサンセグメント及び/又はポリジメチルシロキサンセグメントを有することが好ましい。本発明において、(ポリ)シロキサンセグメントとは、化学式9で示されるセグメントを指す。なお、化学式9においてR、Rは、OHと炭素数1〜8のアルキル基のいずれかであり、式中においてそれぞれを少なくとも1つ以上有する。
Figure 2013244650
A層に含まれる樹脂が(ポリ)シロキサンセグメント及び/又はポリジメチルシロキサンセグメントを有するためには、A層を形成するために用いる組成物が、(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂を含むことで可能となる。
本発明では、加水分解性シリル基を含有するシラン化合物の部分加水分解物、オルガノシリカゾルまたは該オルガノシリカゾルにラジカル重合体を有する加水分解性シラン化合物を付加させた組成物を、ポリシロキサンセグメントを有する樹脂として用いることができる。
(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂は、テトラアルコキシシラン、メチルトリアルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシランなどの加水分解性シリル基を有するシラン化合物の完全もしくは部分加水分解物や有機溶媒に分散させたオルガノシリカゾル、オルガノシリカゾルの表面に加水分解性シリル基の加水分解シラン化合物を付加させたものなどを例示することができる。
また、本発明において、(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂は、(ポリ)シロキサンセグメント以外に、他のセグメント等が含有(共重合)されていても良い。たとえば、(ポリ)アルキレングリコールセグメント、(ポリ)カプロラクトンセグメント、ポリジメチルシロキサンセグメントを有するモノマー成分が含有(共重合)されていても良い。
本発明においては、(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂として、イソシアネート基と反応する水酸基を有するモノマー等が共重合されていることが好ましい。(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂に、イソシアネート基と反応する水酸基を有するモノマー等が共重合すると、得られるA層の強靱性を向上する。
(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂が、水酸基をも含む共重合体である場合、水酸基を含む(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂(共重合体)及びイソシアネート基を含有する化合物とを含む組成物を用いてA層を形成すると、効率的に、(ポリ)シロキサンセグメントとウレタン結合とを有する樹脂を含むA層とすることができる。
(ポリ)シロキサンセグメントが、共重合される場合であっても、別途添加される場合であっても、A層を形成するために用いる組成物の全成分100質量%において(ポリ)シロキサンセグメントが1〜20質量%であると、得られるA層の自己修復性、耐汚染性、耐候性、耐熱性の点で好ましい。組成物の全成分100質量%には、反応に関与しない溶媒は含まない。反応に関与するモノマー成分は含む。

「ポリジメチルシロキサンセグメント」
本発明において、ポリジメチルシロキサンセグメントとは、化学式10で示されるセグメントを指す。
Figure 2013244650
A層に含まれる樹脂が、ポリジメチルシロキサンセグメントを有すると、ポリジメチルシロキサンセグメントがA層の表面に配位することとなる。ポリジメチルシロキサンセグメントがA層の表面に配位することにより、A層表面の潤滑性が向上し、摩擦抵抗を低減することができる。この結果、傷付き性を抑制することができる。
A層に含まれる樹脂が、(ポリ)シロキサンセグメント及び/又はポリジメチルシロキサンセグメントを有するためには、A層を形成するために用いる組成物が、ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂を含むことで可能である。本発明においては、ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂としては、ポリジメチルシロキサンセグメントにビニルモノマーが共重合された共重合体を用いることが好ましい。
A層の強靱性を向上させる目的で、ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂は、イソシアネート基と反応する水酸基を有するモノマー等が共重合されていることが好ましい。ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂が水酸基を有する共重合体である場合、水酸基を含むポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂(共重合体)とイソシアネート基を含有する化合物とを含む組成物を用いてA層を形成すると、効率的にポリジメチルシロキサンセグメントとウレタン結合とを有するA層とすることができる。
ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂が、ビニルモノマーとの共重合体の場合は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体のいずれであっても良い。ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂がビニルモノマーとの共重合体の場合、これを、ポリジメチルシロキサン系共重合体という。ポリジメチルシロキサン系共重合体は、リビング重合法、高分子開始剤法、高分子連鎖移動法などに製造することができるが、生産性を考慮すると高分子開始剤法、高分子連鎖移動法を用いるのが好ましい。
高分子開始剤法を用いる場合には、化学式11で示される高分子アゾ系ラジカル重合開始剤を用いて他のビニルモノマーと共重合させることができる。またペルオキシモノマーと不飽和基を有するポリジメチルシロキサンとを低温で共重合させて過酸化物基を側鎖に導入したプレポリマーを合成し、該プレポリマーをビニルモノマーと共重合させる二段階の重合を行うこともできる。
Figure 2013244650
高分子連鎖移動法を用いる場合は、例えば、化学式12に示すシリコーンオイルに、HS−CHCOOHやHS−CHCHCOOH等を付加してSH基を有する化合物とした後、SH基の連鎖移動を利用して該シリコーン化合物とビニルモノマーとを共重合させることでブロック共重合体を合成することができる。
Figure 2013244650
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体を合成するには、例えば、化学式13に示す化合物、すなわちポリジメチルシロキサンのメタクリルエステルなどとビニルモノマーを共重合させることにより容易にグラフト共重合体を得ることができる。
Figure 2013244650
ポリジメチルシロキサンとの共重合体に用いられるビニルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート,n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアセチトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコールなどを挙げることができる。
また、ポリジメチルシロキサン系共重合体は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤などを単独もしくは混合溶媒中で溶液重合法によって製造されることが好ましい。
必要に応じてベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチルニトリルなどの重合開始剤を併用する。重合反応は50〜150℃で3〜12時間行うのが好ましい。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体中のポリジメチルシロキサンセグメントの量は、A層の潤滑性や耐汚染性の点で、ポリジメチルシロキサン系共重合体の全成分100質量%において1〜30質量%であるのが好ましい。またポリジメチルシロキサンセグメントの重量平均分子量は1,000〜30,000とするのが好ましい。
ポリジメチルシロキサンセグメントが、共重合される場合であっても、別途添加される場合であっても、A層を形成するために用いる組成物の全成分100質量%においてジメチルシロキサンセグメントが1〜20質量%であると、自己修復性、耐汚染性、耐候性、耐熱性の点で好ましい。組成物の全成分100質量%には、反応に関与しない溶媒は含まない。反応に関与するモノマー成分は含む。
本発明において、A層を形成するために用いる組成物として、ポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂を使用する場合は、ポリジメチルシロキサンセグメント以外に、他のセグメント等を有(共重合)していても良い。たとえば、(ポリ)アルキレングリコールセグメント、(ポリ)カプロラクトンセグメント、および(ポリ)シロキサンセグメントを有(共重合)していても良い。
A層を形成するために用いる組成物には、(ポリ)アルキレングリコールセグメントとポリジメチルシロキサンセグメントの共重合体、(ポリ)アルキレングリコールセグメントと(ポリ)シロキサンセグメントとの共重合体、(ポリ)アルキレングリコールセグメントとポリジメチルシロキサンセグメントと(ポリ)シロキサンセグメントとの共重合体、(ポリ)カプロラクトンセグメントとポリジメチルシロキサンセグメントの共重合体、(ポリ)カプロラクトンセグメントと(ポリ)シロキサンセグメントとの共重合体、(ポリ)カプロラクトンセグメントとポリジメチルシロキサンセグメントと(ポリ)シロキサンセグメントとの共重合体などを用いることが可能である。このような組成物を用いて得られるA層は、(ポリ)アルキレングリコールセグメントまたは(ポリ)カプロラクトンセグメント、ポリジメチルシロキサンセグメント及び/又は(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂を含むことが可能となる。
(ポリ)アルキレングリコールセグメントまたは(ポリ)カプロラクトンセグメント、(ポリ)シロキサンセグメント及びポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂を含むA層を形成するために用いる組成物中の、ポリジメチルシロキサン系共重合体、(ポリ)アルキレングリコールまたは(ポリ)カプロラクトン、および(ポリ)シロキサンの反応は、ポリジメチルシロキサン系共重合体合成時に、適宜(ポリ)アルキレングリコールセグメントまたは(ポリ)カプロラクトンセグメント、及びポリシロキサンセグメントを添加して共重合することができる。

「他の添加剤」
A層を形成するために用いる組成物には、開始剤や硬化剤や触媒を含むことが好ましい。開始剤および触媒は、A層の硬化を促進するために用いられる。開始剤としては、塗料組成物をアニオン、カチオン、ラジカル反応等による重合、縮合または架橋反応を開始あるいは促進できるものが好ましい。
開始剤、硬化剤および触媒は種々のものを使用できる。また、開始剤、硬化剤および触媒はそれぞれ単独で用いてもよく、複数の開始剤、硬化剤および触媒を同時に用いてもよい。さらに、酸性触媒や、熱重合開始剤や光重合開始剤を併用してもよい。酸性触媒の例としては、塩酸水溶液、蟻酸、酢酸などが挙げられる。熱重合開始剤の例としては、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。また、光重合開始剤の例としては、アルキルフェノン系化合物、含硫黄系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、アミン系化合物などが挙げられる。光重合開始剤としては、硬化性の点から、アルキルフェノン系化合物が好ましい。アルキルフェノン形化合物の具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2.2−ジメトキシ−1.2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−フェニル)−1−ブタン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタン、1−シクロヒキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−エトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、などが挙げられる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、A層を形成するために用いる組成物にレベリング剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等を加えてもよい。これにより、A層はレベリング剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等を含有することができる。レベリング剤の例としては、アクリル共重合体又はシリコーン系、フッ素系のレベリング剤が挙げられる。紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系、トリアジン系及びヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が挙げられる。帯電防止剤の例としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩が挙げられる。

「A層の性能」
本発明の積層フィルムは、A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10.0質量%以下であることが重要である。
特に、前述の条件におけるA層の質量増加率は、より好ましくは0.3質量%以上5.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以上3.0質量%以下である。A層のオレイン酸による質量増加率が10.0質量%以下であると耐汚染性が良好となり、3.0質量%以下であれば汚染性に由来する問題がほとんど生じなくなる。A層のオレイン酸による質量増加率は低ければ低いほど良いが、A層に含まれる樹脂が(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有する場合、オレイン酸による質量増加率を0.3質量%未満とすることが困難であるので、下限は0.3質量%程度と考えられる。耐汚染性とはクリーム剤や油性マジック、塩ビシートに接触したときの表面の変色や紋斑の生じにくさを示したものである。
A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率を10.0質量%以下に制御するためには、A層が(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント、及び(2)ウレタン結合を有する樹脂を含む層とすることで可能である。

また、本発明の積層フィルムは、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmであることが重要である。
A層の厚み方向の最大変位量は、1.0〜1.7μmであることがより好ましい。A層の厚み方向の最大変位量が3.0より大きいと、A層の自己修復が不完全となり、A層の厚み方向の最大変位量が1.0より小さいと、A層の自己修復の視認性が悪くなる。また、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.3μmの範囲にあると、自己修復が瞬時に起こるので重要である。A層の厚み方向のクリープ変位量が、0.05〜0.5μmの範囲にあると、A層の自己修復の視認性が高いため意匠性に優れ好ましい。また、A層の厚み方向の残存変位量が0.4〜0.6μmであることがより好ましい。A層の厚み方向の残存変位量が0.65μmより大きいと、A層の自己修復後にも視認可能な傷が残り、外観性が悪くなる。A層の自己修復性の観点からは、残存変位量は小さければ小さいほど好ましいが、一般的に自己治癒材料は塑性変形するため、残存変位量の下限は0.2μm程度と考えられる。
A層の厚み方向の最大変位量が、1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が、0.05〜0.5μmであり、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmであることにより、優れた自己修復性を発揮する。
本発明の積層フィルムは、A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmであることで、耐化粧品性と自己修復性を両立するものである。
なお、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量を1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量を0.05〜0.5μm、荷重を0mNにしたときのA層の厚み方向の残存変位量を0.2〜0.65μmとするためには、A層が(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント、及び(2)ウレタン結合を有する樹脂を含む層とすることで可能である。

一般的に、自己治癒材料は、含有されるソフトセグメント成分がクッション的な働きをすることによって軽微な傷を弾性回復するため、ソフトセグメント成分を増量することにより、自己修復性を向上することが可能となる。具体的には、A層中における(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントや(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントを増やすことにより、微小硬度計測定における最大変位量、クリープ変位量、残存変位量を変化させることができ、優れた自己修復性を達成しうる。
しかしながら、そのような改良方法によってA層の自己修復性を向上させる方法を採ると、A層を構成する分子の自由体積の比率が大きくなることから、油分や薬品が分子間に浸透しやすくなり、A層の耐化粧品性は悪化する。一方で、A層中における(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントや(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントを減らすことにより、A層の耐化粧品性は向上するが、自己修復性は悪化する。このため、自己修復性と耐化粧品性は相反する特性であることから、両立することが非常に困難である。
この自己修復性と耐化粧品性という特性を両立するためには、自己修復性の優れたウレタン(メタ)アクリレートBと耐化粧品性の優れたウレタン(メタ)アクリレートCとを含むA層を形成するために用いる組成物について、紫外線、電子線などの活性エネルギー線で硬化させることが重要である。

「ウレタン(メタ)アクリレートB」
自己修復性の優れたウレタン(メタ)アクリレートBとは、ウレタン(メタ)アクリレートBと光開始剤の混合物を、照度400mW/cmの高圧水銀灯による紫外線で、厚み30μmに硬化させた層(以下、B層という)の物性が、次の範囲にあるウレタン(メタ)アクリレートを意味する。
B層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのB層の質量増加率が45質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、B層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、B層の厚み方向のクリープ変位量が0.4〜0.7μm。
B層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのB層の質量増加率が45質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、B層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、B層の厚み方向のクリープ変位量が0.4〜0.7μmであるB層を形成するためには、B層を形成するために用いる組成物中の、ウレタン(メタ)アクリレートBが少なくとも(2)ウレタン結合を有していることが好ましい。

「ウレタン(メタ)アクリレートC」
耐化粧品性の優れたウレタン(メタ)アクリレートCとは、ウレタン(メタ)アクリレートCと光開始剤の混合物を、照度400mW/cmの高圧水銀灯による紫外線で、厚み30μmに硬化させた層(以下、C層という)の物性が、次の範囲にあるウレタン(メタ)アクリレートを意味する。
C層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのC層の質量増加率が5.0質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、C層の厚み方向の最大変位量が0.2〜3.0μm、C層の厚み方向のクリープ変位量が0.02〜0.35μm。
C層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのC層の質量増加率が5.0質量%以下、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、C層の厚み方向の最大変位量が0.2〜3.0μm、C層の厚み方向のクリープ変位量が0.02〜0.35μmであるC層を形成するためには、C層を形成するために用いる組成物中の、ウレタン(メタ)アクリレートCが少なくとも(2)ウレタン結合を有していることが好ましい。

さらに、A層を形成するために用いる組成物中のウレタン(メタ)アクリレートBとウレタン(メタ)アクリレートCとの含有比率(ウレタン(メタ)アクリレートBの質量/ウレタン(メタ)アクリレートCの質量)を70/30〜30/70の範囲として、該A層を形成するために用いる組成物を硬化させることにより、得られるA層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10.0質量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmである積層フィルムを得ることができ、耐化粧品性と自己修復性を両立することができる。A層を形成するために用いる組成物中の、ウレタン(メタ)アクリレートBとウレタン(メタ)アクリレートCの含有比率(ウレタン(メタ)アクリレートBの質量/ウレタン(メタ)アクリレートCの質量)が、70/30〜30/70から外れると、自己修復性と耐化粧品性の特性を両立することが困難となる。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートB及びウレタン(メタ)アクリレートCは、どちらか一方に、(ポリ)アルキレングリコールセグメント、もしくは(ポリ)カプロラクトンセグメントを有するウレタン(メタ)アクリレートであれば特に限定されない。
また、A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が3.0量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜1.7μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.3〜0.5μmであり、A層の厚み方向の残存変位量が0.4〜0.6μmとするためには、A層を形成するために用いる組成物中の、ウレタン(メタ)アクリレートBが少なくとも(ポリ)カプロラクトンセグメントを有しており、ウレタン(メタ)アクリレートCが少なくとも(ポリ)アルキレングリコールセグメントを有していることが好ましい。また、B層と、C層の物性を下記範囲内とすることにより達成できる。
(B層の物性)B層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのB層の質量増加率が5.0質量%以下、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、B層の厚み方向の最大変位量が、1.0〜3.0μm、B層の厚み方向のクリープ変位量が0.4〜0.5μm。
B層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのB層の質量増加率が5.0質量%以下、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、B層の厚み方向の最大変位量が、1.0〜3.0μm、B層の厚み方向のクリープ変位量が0.4〜0.5μmであるB層を形成するためには、B層を形成するために用いる組成物中の、ウレタン(メタ)アクリレートBが少なくとも(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントおよび(2)ウレタン結合を有することが重要である。
(C層の物性)C層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのC層の質量増加率が3.0質量%以下、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、C層の厚み方向の最大変位量が0.8〜3.0μm、C層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.35μm。
C層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのC層の質量増加率が3.0質量%以下、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、C層の厚み方向の最大変位量が0.8〜3.0μm、C層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.35μmであるC層を形成するためには、C層を形成するために用いる組成物中の、ウレタン(メタ)アクリレートCが少なくとも(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントおよび(2)ウレタン結合を有することが重要である。

さらに、ウレタン(メタ)アクリレートBとウレタン(メタ)アクリレートCの含有比率を70/30〜30〜70として混合した、A層を形成するために用いる組成物を硬化させることにより、得られるA層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が3.0量%以下であり、微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜1.7μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.3〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.4〜0.6μmである積層フィルムを得ることができ、耐化粧品性と自己修復性に非常に優れる。
A層を形成するために用いる組成物がウレタン(メタ)アクリレートB及びウレタン(メタ)アクリレートCを含み、該ウレタン(メタ)アクリレートBが(ポリ)カプロラクトンセグメントを有し、該ウレタン(メタ)アクリレートCが(ポリ)アルキレングリコール(メタ)セグメントを有することにより、自己修復性と耐化粧品性により優れたA層が得ることができる。これは耐化粧品性に優れる(ポリ)アルキレングリコールセグメントが表面張力と分子間力の差により、硬化時に表面に偏在し、自己修復性に優れる(ポリ)カプロラクトンセグメントが内層に偏在することにより、効果がより顕著になったものと考えられる。
特に、A層に含まれる樹脂中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mとA層に含まれる樹脂中の(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nが、0.3n≦m≦10nを満たすことが好ましく、0.3n≦m≦5nを満たすことがより好ましく、0.65n≦m≦1.20nを満たすことがさらに好ましい。A層に含まれる樹脂中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mとA層に含まれる樹脂中の(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nが、0.3n≦m≦10nを満たすと、前述の硬化時における各セグメントの偏在がより顕著に起こり、自己修復性と耐化粧品性がさらに優れたA層を得ることが出来る。A層に含まれる樹脂中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mとA層に含まれる樹脂中の(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nが、0.3n≦m≦10nを満たさない場合、前述の硬化時における各セグメントの分散性があがり、偏在が弱くなる。

(A層の厚み)
本発明の積層フィルムでは、自己修復性および耐化粧品性のよい積層フィルムを得るため、A層の厚みを、10〜30μmとすることが好ましい。A層の厚みを、10〜30μmとすることにより、自己修復効果があって、耐化粧品性のよい積層フィルムとすることができる。さらに好ましくはA層の厚みを10〜20μmとすることにより、A層表面にオレイン酸を塗布した際のA層の質量増加率が少なくなり、耐化粧品性が向上する。

(A層の動摩擦係数)
本発明の積層フィルムは、A層の動摩擦係数(μk)が、0.10〜0.45であることが好ましく、0.10〜0.30であることがさらに好ましい。動摩擦係数(μk)が、0.10〜0.45であると、触ったときの触り心地に優れる。また、動摩擦係数(μk)が0.10〜0.30であると、触り心地に優れるだけでなく、物体との抵抗力が低下するため、より耐傷性に優れたものが得られる。A層の動摩擦係数(μk)は低ければ低いほど良いが、下限は0.10程度と考えられる。
A層の動摩擦係数を低くして、0.10〜0.45にするためには、A層中の(ポリ)シロキサンセグメントを有する樹脂及びポリジメチルシロキサンセグメントを有する樹脂が、A層を構成する全成分100質量%において1〜5質量%であるのが好ましい。

(A層の破断伸度と粒子)
本発明の積層フィルムのA層の破断伸度は30〜80%であることが好ましく、50〜80%であるとより好ましい。A層の破断伸度が30〜80%であると、成型追従性に優れるため、成形加飾用途に用いることが可能となる。A層の破断伸度は高ければ高いほど成型追従性に優れるが、A層の破断伸度が80%より高い場合、A層を構成する樹脂の柔軟性が高く、耐化粧品性を維持することが困難となる。
A層の破断伸度を30〜80%とするには、A層が粒子を含むことが好ましい。A層が粒子を含むと、A層を伸張した際に、粒子を起点とした目視不可能な微細な破断(空洞)が発生する。この微細な破断(空洞)により、A層に柔軟性が生まれ、粒子を含まない場合に比べて破断伸度が良好となる。A層の伸張をさらに続けていくと、上述の微細な破断(空洞)がやがて連結し、最終的にA層は目視可能な破断となる。A層が含む粒子は、平均粒子径が0.3μm以下であることが好ましい。A層が含む粒子の平均粒子径が0.3μmより大きいと、A層の透明性が損なわれるため好ましくない。また、A層を形成するために用いる組成物の全成分100質量%において、粒子の含有量は0.05〜2質量%であることが好ましい。ここで、A層を形成するために用いる組成物の全成分100質量%には、反応に関与しない溶媒は含まないが、反応に関与するモノマー成分は含む。A層を形成するために用いる組成物中の粒子の含有量が0.05質量%未満では、二次凝集が起こりやすく、また2質量%を超えるとA層表面が粗くなって透明性が失われるため好ましくない。
A層に含まれる粒子は、乾式シリカ、湿式シリカなどのシリカ粒子、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム、酸化アンチモン、インジウム錫混合酸化物及びアンチモン錫混合酸化物などの金属酸化物粒子、アクリル、スチレンなどの有機粒子などが挙げられ、有機溶剤を分散媒とした市販品各種も使用することができる。粒子の形状は、球状、数珠状が好ましく用いられるが、特にこれらに限定されない。とりわけ、得られた積層フィルムの透明性が低いこと及びコート剤に混入させた際に分散性が良好であることなどからシリカ粒子を採用するのが好ましい。

「A層の形成方法」
本発明の積層フィルムのA層は、例えば、後述する積層工程、加熱工程、エネルギー線照射工程をこの順に経て、製造することができる。
(積層工程)
基材フィルムへのA層の積層は、例えば、A層を形成するために用いる組成物を、基材フィルムの少なくとも片側に、塗布する手法を挙げることができる。また、塗布方法としては、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、リバースコート法、ナイフコート法、バーコート法など公知の塗布方法を適用することができる。
(加熱工程)
加熱を行うことにより、層中の溶媒を揮発することができる。加熱工程における加熱方法は、加熱効率の点から熱風で行うのが好ましく、公知の熱風乾燥機、または、ロール搬送やフローティングなどの連続搬送が可能な熱風炉などを適用できる。加熱工程における加熱温度は60℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上で行うことにより、溶媒の揮発が十分となる。また、基材フィルムの熱収縮によるしわの発生などを考慮すると、加熱温度は180℃以下であることが好ましいが、基材フィルムとの密着性を向上させるためには120℃以上の温度で行うことが好ましい。
加熱時間は、1分以上、好ましくは、2分以上、更に好ましくは、3分以上である。生産性、基材フィルムの寸法安定性、透明性の維持の点で、加熱時間は、5分以下とすることが望ましい。
(エネルギー線照射工程)
エネルギー線を照射する事により、A層を形成するために用いる組成物を硬化させることができる。エネルギー線による硬化は、汎用性の点から電子線(EB線)または紫外線(UV線)が好ましい。また、紫外線を照射する際に用いる紫外線ランプの種類としては、例えば、放電ランプ方式、フラッシュ方式、レーザー方式、無電極ランプ方式等が挙げられる。放電ランプ方式である高圧水銀灯を用いて紫外線硬化させる場合、紫外線の照度は100mW/cm以上3,000mW/cm以下である。自己修復性と耐汚染性を両立させるためには紫外線の照度は200mW/cm以上1,000mW/cm以下で行うことが好ましい。ここで、紫外線照度とは、単位面積当たりに受ける照射強度で、ランプ出力、発光スペクトル効率、発光バルブの直径、反射鏡の設計および被照射物との光源距離によって変化する。しかし、搬送スピードによって照度は変化しない。また、紫外線積算光量とは単位面積当たりに受ける照射エネルギーで、その表面に到達するフォトンの総量である。積算光量は、光源下を通過する照射速度に反比例し、照射回数とランプ灯数に比例する。
本発明の積層フィルムの好ましい用途は、パソコンや携帯電話などの筐体に適用される加飾成型用途、タッチパネルや反射防止板などの画面保護用途である。本発明の積層フィルムは、射出成型、圧空成型、真空成型、熱成型、プレス成型などの成型方法を適用して、成型体とすることができる。中でも、成型時に80℃〜180℃に加温される用途に特に好適に適用することができる。

[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は以下のとおりである。
(1) A層の厚み
積層フィルムの断面を、凍結させた後にミクロトーム(日本ミクロトーム製、RMS−50)のダイヤモンドナイフにて切削して得る。得られた断面を光学顕微鏡にて、100倍〜300倍の倍率の範囲まで拡大し、基材フィルムとA層との明瞭な界面が見られた像写真からA層の層厚みを測定した。なお測定は3サンプルの平均値とした。
(2) A層のオレイン酸による質量増加率
積層フィルムを200mm×200mm長に切り出し、この積層フィルムの質量をAとした。ベークライト板に固定し、A層側の100 mm×100 mm長にオレイン酸を塗布した。塗布する際はプラスチックで囲いを作り、オレイン酸が流れ出ないようにした。これを60℃に加熱したオーブンに1時間保存した。保存後、ハイゼガーゼを用いて積層フィルムが透明になるまで拭き取りを行い、23℃の雰囲気下で24時間保存した。この後測定したフィルムの質量をBとした。このときのオレイン酸による質量増加率は以下の計算式より求めた。測定はそれぞれ3回行い、その平均値を採用した。
(B−A)/(100×t×d)×100
t:A層厚み(cm)
d:A層の比重(g/cm
(3) A層の比重
積層フィルムからA層の切片を片刃ナイフで切り出し、臭化ナトリム水溶液を媒体とした密度勾配管法(JISK7112 JISハンドブック(1999年度版))に従い測定した。この時、測定はn数5で行い、その平均値を採用した。
(4) A層の厚み方向の最大変位量、クリープ変位量、および残存変位量
平滑な金属板(ダイス鋼:SKD−11)に、東レ・ダウコーニング社製「ハイバキュームグリース」を1g塗布し、それに積層フィルムの基材フィルム側を塗布部分に貼り付け、表面に濾紙を挟んでハンドプレス機で空気が噛まないようにプレスした。このような方法で得られた静地された試料に対し、三角錐圧子(berkovich型)を用いて押し込み負荷/除荷試験を行い、加重−押し込み深さ線図(図1参照)を取得した。
この線図から、0.5mN荷重を10秒間加えてから除荷するまでの厚み方向の変位量(最大変位量)と、0.5mNに達してから10秒間保持し続けたときの厚み方向の変位量(クリープ変位量)と、10秒間保持してから荷重を0mNとした時の厚み方向の変位量(残存変位量)を求めた。測定はそれぞれ3回行い、その平均値を採用した。
装置:ダイナミック超微小硬度計「DUH−201」(島津製作所製)
使用圧子:ダイヤモンド製三角錐圧子(berkovich型、稜間角115°)
測定モード:2
最大荷重:0.5mN
10mN荷重に達したときの保持時間:10秒
荷重速度、除荷速度:0.1422mN/sec
(5) 耐化粧品性
5cm角に切り出した試料に花王(株)製アトリックス「ハンドクリームA」(NO413)を0.5g塗布し、温度60℃、相対湿度95%の雰囲気下で6時間放置後、25℃相対湿度65%の雰囲気下で30分間放置し、表面をガーゼできれいに拭き取る。温度25℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間放置後、表面の状態を観察し、下記の基準に則り判定を行った。
○(優):白斑の発生なし。
●(良):白斑の発生がほとんどなし。
△(可):白斑が発生するが、拭き取ればきれいになる。
×(不可):白斑が発生する。拭き取っても温度25℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間放置後に再度発生する。
(6) A層の自己修復性
A層表面を、真鍮ブラシ(TRUSCO製)で、500gの荷重で水平に引っ掻いたときの傷の回復状態を、下記の基準に則り目視で判定を行った。
◎(優):全ての傷が3秒以内に回復する。
○(良): 全ての傷が4〜10秒以内に回復する。
●(可):全ての傷が11〜30秒以内に回復する。
×(不可):その他(全ての傷の回復が31秒以上かかるか、回復しない傷が存在するか、または、傷が入らないなど。)
(7) A層の動摩擦係数
23℃、60%(相対湿度)の雰囲気下で、先端形状が半径0.8mmRの半球状のポリアセタール樹脂製タッチペン(スタイラス製)を用いて、荷重200g、速度100mm/secでシート部材表面を移動させたときの動摩擦係数(μk)を、新東科学(株)製の表面性測定機(商品名「トライボギア」、タイプ「14FW」)にて測定した。測定はそれぞれ3回行い、その平均値を採用した。
<測定条件>
・測定長さ;100mm
・出力機;コンピューターに自動検出
・荷重変換器容量;2000g
・サンプリング速度;2ms
・動摩擦係数:測定長さ100mmの中の最後の20mmの平均荷重から計算
(8) A層の破断伸度
積層フィルムを10mm幅×200mm長に切り出し、長手方向にチャックで把持してインストロン型引っ張り試験機(インストロン社製超精密材料試験機MODEL5848)にて引っ張り速度100mm/minで伸張した。この時の測定雰囲気は23℃・65RH%である。伸張する際に、伸張中のサンプルを観察しておき、目視でクラック(亀裂)が生じたら停止する(停止するときの伸度は5の整数となるように調整する)。次から測定するサンプルは、停止時の伸度より、5%単位で伸張伸度を低くしていったサンプルを順次採取し、最終的に目視にてクラックが入らなくなる伸度まで行った。
採取したサンプルのクラック部分の薄膜断面を切り出し、観察するA層の厚みが、透過型電子顕微鏡の観察画面上において、30mm以上になるような倍率でA層を観察し、A層の平均厚みの50%以上のクラックが発生している場合をクラック有り(A層の破断有り)として、クラック有りとされたサンプルの中で、最も低い伸度を有するサンプルの伸度値を破断伸度とした。
そして、同一の測定を計3回行い、それらの破断伸度の平均値をA層の破断伸度とした。
(9) A層中の平均粒子径
ミクロトームを用いて積層フィルムの断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を20,000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いても良い。
「原料」
(原料1)
トルエン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N)50質量部、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA2D)90質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、70℃で5時間保持した。その後、トルエン79質量部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートの混合物を得た。
(原料2)
トルエン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット変性タイプ(旭化成工業株式会社製デュラネート24A−90CX、不揮発分:90質量%、イソシアネート含有量:21.2質量%)50質量部、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA5)80質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、70℃で5時間保持した。その後、トルエン82質量部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートを得た。なお、このウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は2である。
(原料3)
トルエン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N)25質量部、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA10)162.8質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、70℃で5時間保持した。その後、トルエン137.8部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートを得た。なお、このウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は10である。
(原料4)
トルエン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N)50質量部、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA3)114質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を加え、70℃で3時間保持した。その後、トルエン118.2質量部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートを得た。なお、このウレタンアクリレートにおけるアクリレートモノマー残基当たりのカプロラクトン単位の繰り返し数は3である。
(原料5)
トルエン100質量部、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート(協和発酵工業社製LDI)50質量部及びポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製プラクセルCD−210HL)119質量部を混合し、40℃にまで昇温して8時間保持した。それから、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学社製ライトエステルHOA)28質量部、ジペンタエリストールヘキサアクリレート(東亞合成社製M−400)5質量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を加えて70℃で30分間保持した後、ジブチル錫ラウレート0.02質量部を加えて80℃で6時間保持した。そして、最後にトルエン97質量部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートを得た。
(原料6)
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(武田薬品工業製タケネートD−170N、イソシアネート基含有量:20.9質量%)50質量部、ポリエチレングリコールモノアクリレート(日本油脂製ブレンマーAE−90、水酸基価:332(mgKOH/g))42質量部、ジブチルスズラウレート0.02質量部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を仕込んだ。そして、70℃で5時間保持して反応を行った。反応終了後、反応液にメチルエチルケトン(MEK)92質量部を加え、固形分50質量%のウレタンアクリレートを得た。
(原料7〜9)
原料6において、ポリエチレングリコールモノアクリレートをブレンマーAE−150(水酸基価:264(mgKOH/g))53質量部、反応液のMEKを102質量部に変更した以外は原料6と同様にしてウレタンアクリレート(原料7)を得た。
また、ポリエチレングリコールモノアクリレートをブレンマーAE−200(水酸基価:205(mgKOH/g))68質量部、反応液のMEKを118質量部に変更した以外は原料6と同様にしてウレタンアクリレート(原料8)を得た。
また、ポリエチレングリコールモノアクリレートをブレンマーAE−400(水酸基価:98(mgKOH/g))142質量部、反応液のMEKを192質量部に変更した以外は原料6と同様にしてウレタンアクリレート(原料9)を得た。
(原料10)
トルエン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N)50質量部、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA5)70質量部、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製X−22−160AS)8質量部ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、70℃で5時間保持した。その後、トルエン79質量部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートの混合物を得た。
(原料11)
<ポリシロキサン(a)の合成>
攪拌機、温度計、コンデンサ及び窒素ガス導入管を備えた500mlのフラスコにエタノール106質量部、メチルトリメトキシシラン270質量部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン23質量部、脱イオン水100質量部、1質量%塩酸1質量部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1質量部を仕込み、80℃で3時間反応させ、ポリシロキサン(a)を合成した。これをメチルイソブチルケトンで50質量%に調整した。
<ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体(a)の合成>
ポリシロキサン(a)の合成と同様の装置を用い、トルエン50質量部、およびメチルイソブチルケトン50質量部、ポリジメチルシロキサン系高分子重合開始剤(和光純薬株式会社製、VPS−0501)20質量部、メタクリル酸メチル18質量部、メタクリル酸ブチル38質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23質量部、メタクリル酸1質量部および1−チオグリセリン0.5質量部を仕込み、180℃で8時間反応させてポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体(a)を得た。得られたブロック共重合体は、固形分50質量%であった。

(原料12)
トルエン50質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプ(武田薬品工業株式会社製タケネートD−170N)34質量部、(ポリ)カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA10)57質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル化学工業株式会社製プラクセルFA3)57質量部、ジブチル錫ラウレート0.02質量部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02質量部を混合し、70℃で5時間保持した。その後、トルエン137.8質量部を加えて固形分50質量%のウレタンアクリレートを得た。
(原料13)
1,3−ビスイソシアネートメチルシクロヘキサンを50質量部、ヒドロキシアルキルアクリレートを100質量部、ジブチル錫ラウレート0.05質量部、ハイドロキノン2質量部を添加し、70℃で3時間保持した。その後85℃で2時間の熟成を行い、ウレタンアクリレートを得た。
(原料14)
ウレタンアクリレート(新中村化学製 U5201)50質量部を80℃でMEK50部に溶解して得た。
「実施例」
(実施例1)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料2を50質量部、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(東亞合成株式会社製M−5400)10質量部、トルエン10質量部、及び光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。
(実施例2)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料3を70質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料4を30質量部、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。
(実施例3)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料5を30質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料4を70質量部、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。
(実施例4)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料6を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=0.46nである。
(実施例5)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料7を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=0.67nである。
(実施例6)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料8を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=0.88nである。
(実施例7)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料9を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=1.6nである。
(実施例8)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料10を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料7を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=0.65nである。
(実施例9)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を47質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料7を47質量部、シリカ粒子のMEK分散液(日揮触媒化成製:スフェリカスラリー120、平均粒子径120nm、SiO濃度5質量%)を5質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分100質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=0.67nである。
(実施例10)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を20質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料8を80質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=3.5nである。
(実施例11)
ウレタン(メタ)アクリレートCである原料7を100質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(実施例12)
ウレタン(メタ)アクリレートCである原料8を100質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(実施例13)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を20質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料9を80質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=6.3nである。
(実施例14)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を10質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料9を90質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
また、このラジカル重合性組成物中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mと(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nの比率はm=14nである。
「比較例」
(比較例1)
ポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体(a)75質量部、ポリシロキサン(a)10質量部および水酸基を有する(ポリ)カプロラクトントリオール(ダイセル化学工業(株)製 プラクセル308、重量平均分子量850)15質量部を配合(混合)し、原料11を得た。原料11を100質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(武田薬品工業(株)製、タケネートD−170N)を25質量部添加し、さらにメチルエチルケトンを用いて希釈し、固形分40質量%の熱硬化性組成物を得た。
(比較例2)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料1を100質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(比較例3)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料3を100質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(比較例4)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料12を100質量部、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。
(比較例5)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料3を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料1を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(比較例6)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料5を80質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料4を20質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分20質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(比較例7)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料5を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料3を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。
(比較例8)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料13を100質量部、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。
(比較例9)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料14を100質量部、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。
(比較例10)
ウレタン(メタ)アクリレートBである原料5を50質量部、ウレタン(メタ)アクリレートCである原料14を50質量部、光重合開始剤(チバガイギー社製イルガキュア184)3質量部を配合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を得た。

「B層およびC層の形成)
原料1〜10、原料12〜14の各組成物100質量部に対し、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。この組成物を厚み100μmのポリエステル基材フィルム(東レ(株)製、“ルミラー”U46)上に、乾燥後の層の膜厚が30μmとなるようバーコーターで塗工した。それを、80℃の乾燥炉中に通して1分間乾燥処理し、次いで出力400mW/cm2の高圧水銀灯による紫外線(UV)乾燥炉によりコンベアースピード4m/分で移動させながら硬化させ、積層フィルムを得た。得られた結果を表1および2に示す。
「原料11の組成物から形成される層の形成」
原料11の組成物は、厚み100μmのポリエステル基材フィルム(東レ(株)製、“ルミラー”U46)上に、エージング工程後の層の膜厚が30μmとなるようバーコーターで塗工した。塗布後、160℃で2分間、熱風乾燥機で加熱した(加熱工程)。その後、40℃で2日間加熱(エージング)を行い(エージング工程)、積層フィルムを得た。得られた結果を表3に示す。
「A層の形成」
実施例1〜14、比較例2〜10の各組成物100質量部に対し、光開始剤(チバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア184)3質量部を混合し、固形分50質量%のラジカル重合性組成物を調製した。この組成物を厚み100μmのポリエステル基材フィルム(東レ(株)製、“ルミラー”U46)上に、乾燥後の層の膜厚が30μmとなるようバーコーターで塗工した。それを、80℃の乾燥炉中に通して1分間乾燥処理し、次いで出力400mW/cm2の高圧水銀灯による紫外線(UV)乾燥炉によりコンベアースピード4m/分で移動させながら硬化させ、積層フィルムを得た。得られた結果を表4および5に示す。
比較例1
比較例1の組成物を、エージング工程後の層の厚みが30μmとなるように、厚み100μmのポリエステル基材フィルム(東レ(株)製、“ルミラー”U46)上に、バーコーターで塗工した。塗布後、160℃で2分間、熱風乾燥機で加熱した(加熱工程)。その後、40℃で2日間加熱(エージング)を行い(エージング工程)、積層フィルムを得た。得られた結果を表5に示す。
Figure 2013244650
Figure 2013244650
Figure 2013244650
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Claims (8)

  1. 基材フィルムの少なくとも片側に、A層を有し、
    A層表面にオレイン酸を塗布して60℃で1時間保持したときのA層の質量増加率が10質量%以下であり、
    微小硬度計測定において0.5mN荷重を10秒間加えたときの、A層の厚み方向の最大変位量が1.0〜3.0μm、A層の厚み方向のクリープ変位量が0.05〜0.5μmであり、荷重を0mNにしたときの、A層の厚み方向の残存変位量が0.2〜0.65μmである、積層フィルム。
  2. A層に含まれる樹脂が、(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメント、及び(2)ウレタン結合を有している、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. A層に含まれる樹脂が、(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントを有している、請求項2に記載の積層フィルム。
  4. A層に含まれる樹脂中の(1)(ポリ)アルキレングリコールセグメントの質量mとA層に含まれる樹脂中の(3)(ポリ)カプロラクトンセグメントの質量nが、以下の式を満たす、請求項3に記載の積層フィルム。
    0.3n≦m≦10n
  5. A層の破断伸度が30〜80%である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. A層が粒子を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. A層の動摩擦係数(μk)が0.10〜0.45である、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. A層に含まれる樹脂が、(4)(ポリ)シロキサンセグメント及び/またはポリジメチルシロキサンセグメントを有している、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
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