JP2013242745A - 診療データ統合管理システム及びこの診療データ統合管理システムを連携した病診連携システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 医療機関内の複数の部門に設置される複数の情報処理装置20a〜20nと、各情報処理装置と接続されたサーバーコンピュータ10と、サーバーコンピュータ10と接続された複数のデータ表示用の参照ビューア装置30を備え、サーバーコンピュータ10が各情報処理装置から送信されるカルテ情報,PACS画像データ,生理検査データ,検体検査データ,文章データを含む診療データを受信して、その診療データを患者毎に割り当てられた識別情報に基づいて抽出し、抽出されたデータを縦軸及び横軸にそれぞれ所定項目を割り当てた一覧表示形式の表示データとして生成し、参照ビューア装置30が、その一覧表示形式の表示データを受信して閲覧可能に表示する構成としてある。
【選択図】 図1
Description
現在、医療機関で運用されている医療情報や診療データを取り扱うシステムは、電子カルテや医事システム,健診システムによる上位根幹システムと、実際に患者の検査をおこなう検査機器や検査システムなどの複数の部門システムとで構成されるようになっている(例えば、特許文献1,2参照。)。
このため、各部門のシステム毎に個別にデータベース化が図られたり、保存データの形式も統一基準が曖昧な場合や基準自体が存在していないケースも多く、メーカー毎にデータ形式が異なるためにデータに共有性・互換性等が無いということも少なくなかった。
また、このようなシステムを使用して医師や看護師,技師等の医療従事者が診察・診断・検査等を行う場合には、必要な診療データを参照する際に、各部門毎に異なるメーカーのシステムを使用することになるため、使用するプログラムも操作方法も異なる複数のシステムを同時並行して使いこなす必要があり、システムを使用する医師やスタッフに煩雑な運用を強いることとなっていた。
また、このようにプログラムが部門毎に独立して起動・操作されるシステムでは、他の部門においてどのようなデータや情報が存在するかは分からず、検査を行うにあたり他の検査との相対関係等を参照するようなことも不可能であった。
このような背景から、診察・診断に必要な医療情報,診療データを容易に取り扱うことができ、複数の情報・データを患者毎に統合させ、過去の履歴から現在(リアルタイム)のデータまでを参照できるようなビューアシステムや情報管理システムが求められているが、現在までのところ有用な発明は出願されていないのが現状である。
しかし、この特許文献2に開示されているのは、実施乃至予約された検査の「進捗状況」や、実施された検査における画像やレポートの「有無」が表として示されるもので、主に検査技師や受付事務のスタッフなどが検査の進捗管理として使用するためのもので、上述した複数の診療データ自体を統合的に管理・表示させるようなことはできず、また、部門毎に異なるプログラムや操作方法によるシステム使用上の煩雑さや不都合を解消できるものではなかった。
そして、このような複数医療機関間における地域医療の連携が進められることにより、医療機関個別でのデータ管理から、複数の医療機関の診療データを統合・管理して相互に情報共有とこれに基づく医療連携が取れるシステム構築の実現が可能になると考えられている。
しかしながら、このような複数医療機関にわたる医療情報の統合や地域医療連携を可能とするシステム等についても、現在までのところ有用な発明は出願されていない。特に、複数の医療機関では、各医療機関毎に、メーカーや仕様,システム構成等が異なる電子カルテが独自に導入されていることが一般的であり、それら複数の異なる電子カルテを連携させることは、費用やシステム構成の面から極めて困難であった。
さらに、そのように医療機関単位で統合管理された医療情報を、ローカルネットワークやWEBネットワークを介して他の医療機関における比較参照を可能とすることで、複数の医療機関相互間で必要な診療情報を共有・連携できる医療機関の地域連携を実現する病診連携システムの提供を目的とする。
すなわち、本発明に係る診療データ統合管理システムでは、医療情報として取り扱う項目として、医療機関において診断・診断に必要とされる各部門のデータを、サーバーコンピュータにて一元管理しデータ連携することで、例えばカルテ情報・PACS画像データ・生理及び検体検査データ・文章データ・地域連携データ等を取得して、サーバーコンピュータに構築されるデータベースで管理統合される。
これによって、医療情報,診療データを必要とする医療機関において患者毎の一覧データとして参照・出力・表示することができ、医療情報データを例えば放射線科のPACS画像等の画像データと連携して出力・表示させることができ、複数部門にまたがる医療情報を統合・連携することができる。
これによって、例えば同一都道府県内や市町村内に設置されている複数の医療機関相互間において、地域医療のデータ連携を行うことができる。
このように本発明において、統合サーバーによってデータ共有された統合診療データを用いることで、複数の連携医療機関で診療データの共有を図ることができ、例えば過疎地からの診断補助や診察,検査,読影の依頼連携、また地域連携パスなどをシステム連携することができるようになる。また、統合サーバーを介してデータ連携が行われることで、複数の各医療機関に既設の電子カルテ等の病院システムや上位システムに依存することなく診療データの共有・連携を図ることができ、汎用性の高い病診連携システムを実現することができる。
さらに、本発明の病診連携システムによれば、本発明の診療データ統合管理システムにより医療機関単位で統合管理された医療情報を、ローカルネットワークやWEBネットワークを介して他の医療機関における比較参照を可能とすることで、複数の医療機関相互間で必要な診療情報を共有・連携できる医療機関の地域連携を実現することができる。
ここで、以下に示す本発明の診療データ統合管理システム及びこの診療データ統合管理システムを連携した病診連携システムは、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理や機能、例えば、医療機関に設置される複数の各情報処理装置で生成される医療データの送受信や記憶,抽出、抽出された医療データの一覧表示形式の表示データの生成,表示等の処理を行わせる。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係る診療データ統合管理システム1について説明する。
図1は、本実施形態に係る診療データ統合管理システム1の構成を示すブロック図である。
同図に示す診療データ統合管理システム1は、病院や診療所,医院等の医療機関に設置されるコンピュータネットワークシステムであり、同図に示すように、サーバーコンピュータ10と、複数の部門にそれぞれ設置される複数の情報処理装置20、及び参照ビューア装置30とを備えている。
なお、以下に示す診療データ統合管理システム1は、病院に来院した患者に対して診察・検査・診断を経て必要な処置が行われる医療系システム(後述する図4参照)に適用することを対象としているが、処置や診断等が行われず検査や簡単な診察のみを主体とする健診・検診系システムに適用することも当然に可能である。
複数の情報処理装置20は、医療機関内の複数の治療部門や診療情報部門,検査部門等にそれぞれ設置される情報処理端末装置であり、所定の電子データを入力,記録,編集,出力等可能なコンピュータ装置及び周辺装置で構成されている。
具体的には、本実施形態では、複数の情報処理装置20は、図1に示すように、電子カルテシステムを構成する装置20a、放射線システム所謂PACS(Picture Archiving and Communication Systems:画像保存通信システム)を構成する装置20b、内視鏡システムを構成する装置20c、生理検査システムを構成する装置20d、心電図の検査・管理を行うシステムを構成する装置20e、検体の検査を行う検体ラボシステムを構成する装置20f、・・・薬剤投薬処方の処理・管理を行うための装置20n、等であり、各装置20a〜20nにおいて、カルテ情報やPACS画像データ,生理検査データ,検体検査データ,文章データ等の医療情報・診療データとなる所定の電子データが入力・生成されるようになっている。
そして、これら複数の装置20a〜20nは、例えばLANやWAN等の所定のネットワーク回線を介してサーバーコンピュータ10と接続され、サーバーコンピュータ10との間で所定データの送受信が行われるようになっており、複数の各装置20a〜20nにおいて入力,生成された医療情報・診療データが、サーバーコンピュータ10に送信されて蓄積・格納されるようになっている。
また、各装置20a〜20nでは、電子化されていない紙面やアナログデータ(例えばJPEG,PDF,AVIデータ等)をスキャナ等で取り込んで電子データ化される場合があり、このような電子化されたデータをサーバーコンピュータ10に送信してデータベースに格納させ統合管理させることができる。
各装置20a〜20nからの診療データは、後述するように所定のタイミングでサーバーコンピュータ10に送信される。
サーバーコンピュータ10は、上記の複数の情報処理装置20とデータ送受信可能に接続されたコンピュータ装置であり、本実施形態に係る診療データ統合管理システム1の中核をなす装置である。
図1に示すように、本実施形態では、サーバーコンピュータ10の本体を構成するサーバー(メインサーバー)と、このメインサーバーをミラーリングによりバックアップするバックアップサーバー、及びISDN回線に接続されたメンテナンス用ルータ等の周辺装置を備えており、LAN等のネットワーク回線を介して上述した情報処理装置20とデータ送受信可能に接続されるようになっている。
また、サーバーコンピュータ10は、記憶手段(サーバー)に記憶された診療データを、患者毎に割り当てられた識別情報に基づいて抽出し、抽出されたデータを、縦軸及び横軸にそれぞれ所定項目を割り当てた一覧表示形式の表示データとして生成する制御手段を備えている。
また、サーバーコンピュータ10は、接続する通信インターフェースを複数有し、複数の装置20a〜20nが構成する各システムから送信される診療データを、ネットワークを通じて対応する連携インターフェースによってデータ取得・変換し、これによってデータベースを構築するようになっている。サーバーコンピュータ10が備える通信インターフェースとしては、接続する装置20a〜20nに対応して、例えば232C,XML,CSV,PDF,JPEG,AVI,DICOM等に対応した通信インターフェースを備えることができる。
ここで、各装置20a〜20nにおいて入力・生成される各種の診療データは、所定のタイミングで各装置20a〜20nからサーバーコンピュータ10に送信される。
具体的には、サーバーコンピュータ10が、ネットワーク接続されている各装置20a〜20nを所定時間間隔で監視し、入力・更新された診療データを要求・送信させることができる。また、各装置20a〜20n側で、新たに診療データの入力・更新が行われた場合に、その都度当該診療データをサーバーコンピュータ10に送信するようにしてもよい。
このようにして、サーバーコンピュータ10には常に最新の診療データがリアルタイムで送信・格納されるようになり、そのリアルタイムの診療データが、サーバーコンピュータ10で生成される一覧形式の表示データとして抽出・出力されるようになる。
なお、図2では、時系列順に横軸に配置される日付項目は、左から右に古い日付順に配置されるようにしてあるが、これを左から右に新しい日付順に配置させることもでき、サーバーコンピュータ10や参照ビューア装置30に対する入力操作に応じて、日付項目を古い順あるいは新しい順に配置するように任意に指定・選択でき、また、随時その配置を切り替えることができる。
また、このように横軸に沿って日付単位で表示される項目数は、入力操作に応じて指定・選択が可能となっており(図2上部の「8回」「12回」参照)、一画面中に表示される項目数を所定数に指定し、また随時切替することができるようになっている。なお、この表示項目数は、本実施形態では、予め選択可能に設けられた所定回数の範囲(例えば1〜40回)の中から入力操作により選択できるようになっているが、所望の表示項目回数を示す数値を直接入力することで表示項目数を指定できるようにしてもよい。
このように患者を一意に特定できる識別情報を基準に診療データを抽出・管理することにより、例えば同一患者に対して来院日や診察券の再発行等により異なる複数の診察番号等が割り振られたとしても、当該患者に関する診療データを誤りなく抽出・管理することができる。
また、このようにすると、後述する病診連携システム(図5)において、複数の医療機関にまたがって診療データを統合・連携する場合にも、複数医療機関に存在する同一患者の診療データを正しく抽出・管理することができる。
本実施形態では、図2に示すように、一覧表の横軸に沿って、過去の来院日付に日付項目が時系列の古い順に左から右に配置されており、一覧表の縦軸には、所定の診療データ項目が割り当てられ、例えば来院情報,傷病歴,診療情報,(生理・検体)検査情報,レポート,各種(PACS)画像,グラフ,検査データ等がそれぞれ表示されている。なお、上述したように、時系列で示される日付項目の配置順序は、入力操作に応じて古い順,新しい順を任意に指定・切替することができる。
従って、この一覧表示形式を表示・参照することで、該当患者がいつ来院し、どのような診察・診断・検査等を受けたのかが、過去の来院歴と複数存在する診療データに渡って一目で把握することができるようになる。
また、検査データ等の数値で示される項目・データについては、当該項目を選択してリアルタイムでグラフ化して表示することもできる。ここで、グラフ化は、検査データ等の数値を、所定の標準値を基準(中心)にして高低を示す折れ線グラフとして変換・出力するようになっており(図2参照)、検査結果等が、標準値と比較してどのような値を取っているのかが一目で分かるようになっている。
このように患者毎の複数の医療情報・診療データが一覧表示形式で表示されることにより、各患者の基本的な医療情報・診療データが時系列でリアルタイムに表示され、血液検査や心電図,投薬情報,各種文章データまで統合的に把握・管理することが可能となる。
その場合には、参照ビューア装置30を構成するコンピュータの入力手段(マウス,キーボード等)の操作により、一覧表示形式の表示は、横軸方向及び縦軸方向に移動表示(スクロール)させることができる。
また、上述したように、横軸に沿って時系列の日付単位で表示される項目数は、入力操作に応じて、一画面中に表示される項目数を所定数に指定・切替することができる。従って、例えば過去の来院数の多い患者の場合には、一画面に表示される表示項目数が多くなるように設定し、過去の来院状況が一目で分かるようにすることができ、一方、来院数の少ない患者であれば、一画面に表示される表示項目数を少なくし、各来院時のデータ・情報を大きく見易い状態で表示させることができる。
例えば、図2に示す表示データの「来院情報」欄に示される日付項目のいずれかが入力操作により指定・選択(クリック)されると、サーバーコンピュータ10では、指定された日付に該当する診療データのみを抽出して、図3に示すように、所定レイアウトに配置した一覧表示形式の表示として生成・出力する。
これにより、参照ビューア装置30において入力操作により表示中の特定の項目が指定されると、指定された当該項目に関する所定の詳細データがサーバーコンピュータ10により抽出・送信され、当該詳細データを参照ビューア装置30側で一覧表示形式の表示データとは別に表示させることができる。
このようにして、図2に示す一覧表示形式の表示から、指定された特定日の診療データのみの情報を拡大表示させることができ、図3に示すような診察・診療に、より有用で使い易い診療データを簡単に出力・表示させることができる。
ここで、画像データが例えば放射線科画像(DICOM)のような場合には、専用ビューアによらなければ当該画像(DICOM)を表示させることができない場合がある。そこで、本実施形態に係るサーバーコンピュータ10では、図2に示す表示データの「画像」欄には例えばJPEG画像のような汎用画像をサムネイル表示させるようにし、当該JPEG画像が入力操作により指定・選択されると、それに対応するDICOM画像を抽出するとともに、DICOM画像用の専用のビューア(DICOMビューア)を起動させるようにしてある。これにより、DICOMビューアで画像を表示させることや画像データにリンクした形で所見を入力及び表示できるようになっている。
診療データのうち、画像データと所見データは、入力・生成する際に連携性がないと患者の取り間違えになる危険性があることから、本実施形態においてサーバーコンピュータ10が画像指定に伴って画像専用のビューア(DICOMビューア)を起動させることはきわめて有用である。
従って、医師や看護師,技師等の医療従事者が、より詳しく見たい医療データのみを抽出して表示させることができ、一覧表示から詳細内容を容易に抽出できることで、診療・診断等に有用な利便性の高いデータ管理システムを提供することができる。
このため、データ保護の観点から、サーバーコンピュータ10には、メインサーバーとこれをミラーリングによりバックアップするバックアップサーバーを備えることが好ましい(図1参照)。
参照ビューア装置30は、サーバーコンピュータ10とデータ送受信可能に接続された一又は二以上のデータ表示用のビューア装置である。
参照ビューア装置30は、医療機関の医師や看護師等の医療従事者が操作・閲覧するコンピュータ装置及びその周辺装置からなり、例えば医療機関に在籍する医師やスタッフ各人に1台ずつ、医療機関全体で数台〜数10台設置され、診療・診断の際に使用される。
具体的には、各参照ビューア装置30は、上述したサーバーコンピュータ10とLAN等のネットワークを介して接続され、サーバーコンピュータ10の制御手段で生成された上述した一覧表示形式の表示データ(図2,3参照)を受信して、閲覧可能に表示する表示手段を備えている。
そして、そのようなマウスやキーボード等の入力操作により特定の項目が指定されると、参照ビューア装置30では、指定された当該項目に関する所定の詳細データをサーバーコンピュータ10から受信して、上述したように、指定された項目に関する詳細データが一覧表示形式の表示データとは別に表示される(図3参照)。
すなわち、サーバーコンピュータ10のデータベースに登録されたデータは、参照ビューア装置30から汎用データとして出力が可能となり、出力されたデータに汎用性があるため用途に合わせてデータの加工・編集等が可能となる。
従って、参照ビューア装置30を操作する医師や看護師等の医療従事者は、所定の患者毎に一覧表示形式の表示データや特定項目の詳細データをサーバーコンピュータ10から随時要求・受信して、自己の参照ビューア装置30で表示・閲覧・参照・出力・加工等することができるようになり、きわめて利便性の高い診療データ管理システムとなる。
従って、医療従事者の使用用途に合わせ、例えば日付別に1日の全検査を表示したり、生理検査データをグラフ化したり、その判定値を表示させることができ、また、検査部門の心電図ビューアと連携して表示したり、MFER(Medical waveform Format Encoding Rules:医用波形標準化記述規約)のデータを表示させる等、柔軟で自由度の高いデータの表示・参照・閲覧等が可能となる。
また、ログインIDを識別・管理することで、特定の参照ビューア装置30からのサーバーコンピュータ10へのアクセスを特定の者に限定したり、参照可能な情報に制限を加えることができる。例えば、診察室に設置される参照ビューア装置30からは当該診察室の医師のみがサーバーコンピュータ10にログイン/アクセス可能としたり、ナースステーションに設置される参照ビューア装置30は当該病院の全医療従事者がログイン/アクセス可能であるが、参照可能な情報が患者のカルテ情報に限定される等、参照ビューア装置30の使用者や参照ビューア装置30が設置される場所などに応じたアクセス制限・アクセス管理を行うことができる。
さらに、ログイン後、一定時間を経過した場合、参照ビューア装置30からのログインを自動的にログオフ/シャットダウンするようにすることもできる。このようにすると、例えばナースステーション等の比較的オープンな場所に設置される参照ビューア装置30において、ログインされたまま放置されてサーバーコンピュータ10に無断アクセス等されるようなことを防止することができる。
次に、以上のような構成からなる本実施形態に係る診療データ統合管理システム1の動作(診療データのフロー)について、図4を参照しつつ、外来患者の来院・受診の流れに沿って説明する。
図4は、本実施形態に係る診療データ統合管理システム1における医療情報・診療データの流れを、外来患者の来院・受診の流れに沿って示すフロー図である。
なお、上述したように、以下に示す診療データ統合管理システム1は、病院に来院した患者に対して診察・検査・診断を経て必要な処置が行われる医療系システムを対象としているが、本システム1は、処置や診断等が行われず検査や簡単な診察のみを主体とする健診・検診系システムに適用することもできる。その場合には、以下に示す「処置」以降の処理・動作が不要となる点が主な相違点で、その他の点では以下に示す医療系システムの場合とほぼ同様に動作・機能することになる。
同図に示すように、外来患者が受診のために医療機関を訪れると、まず外来受付が行われる。外来受付では、医事/受付部門において、患者の基本属性(氏名,性別,年齢,生年月日,住所等)と、来院データ、予約情報等の情報が医事システム(レセプトコンピュータ:レセコン)を構成する情報処理装置20に入力される。
この医事システムに入力・更新された情報は、サーバーコンピュータ10からの要求により、又は入力・更新を行った情報処理装置20からのデータ送信により、サーバーコンピュータ10に送信され、データベースサーバーに格納される。
次に、患者に対する医師の診察が行われる。診察は、医師が在室する診察室において行われ、例えば患者が持参した同意書や紹介状、医師が作成した問診票等の紙面による書類・情報が、所定の入力操作を経て電子データとして診察室に設置された情報処理装置20から呼び出し・起動された電子カルテに入力される。
電子カルテに入力・更新された情報は、サーバーコンピュータ10からの要求により、又は入力・更新を行った情報処理装置20からのデータ送信により、患者の基本属性情報とともに、サーバーコンピュータ10に送信され、データベースサーバーに格納される。
なお、ここでの同意書や紹介状,問診票等の情報は、電子カルテを介さずに、例えば後述する参照ビューア装置30を介して、あるいはサーバーコンピュータ10に直接接続された入力手段を介して、サーバーコンピュータ10に直接送信・入力することもできる。
次に、医師による診察が患者に対して行われた場合に、医師の判断・指示に応じて必要な検査が行われる。検査としては、例えば検査科部門や放射線科部門で行われる各種検査があり、検査結果を示す各種情報・データが、患者の基本属性情報とともに、検査部門に設置された情報処理装置20に入力・更新される。
ここで、検査部門で生成・入力されるデータとしては、検査科部門においては、検体検査・病理検査・生理検査・バイタルの検査を示す数値データ、眼底カメラ・超音波検査・内視鏡検査で生成されるJPEG画像やDICOM画像、その他の専用データ等がある。また、放射線科部門においては、放射線撮影機器(CR,CT,MR,US,ES等)のDICOM画像がある。
これらの検査部門で生成される数値データや画像データは、サーバーコンピュータ10からの要求により、又は入力・更新を行った情報処理装置20からのデータ送信により、患者の基本属性情報とともにサーバーコンピュータ10に送信され、データベースサーバーや画像ストレージに格納される。
なお、この検査部門で生成される数値データや画像データについては、検査部門に設置された情報処理装置20を介さず、例えば参照ビューア装置30を介して、あるいはサーバーコンピュータ10に直接接続された入力手段を介して、サーバーコンピュータ10に直接送信・入力することもできる。
次に、患者に対して行われた検査結果についての医師による診断が行われる。診断は、医局/読影部門において行われ、医師・看護師・技師等の医療従事者が操作する情報処理装置20又は参照ビューア装置30で参照される画像データや、印刷された紙面についての所見・読影の結果がレポートとして作成される。
作成されたレポートは、医局/読影部門に例えば同意書や紹介状,問診票等の紙面による書類・データが作成され、そのデータが、医局/読影部門に設置されたレポートシステムを構成する情報処理装置20に直接又は参照ビューア装置30を介して入力・更新される。
レポートシステムに入力・更新された情報は、サーバーコンピュータ10からの要求により、又は入力・更新を行った情報処理装置20又は参照ビューア装置30からのデータ送信により、患者の基本属性情報とともにサーバーコンピュータ10に送信され、データベースサーバーや画像ストレージに格納される。
また、診察・検査・診断が行われた患者に対して、必要な医療上の処置が行われる。処置は、診察室において医師や看護師等の医療従事者により行われ、行われた処置に関するデータ、例えば処置データ・注射データ・投薬データ・病歴データ等のデータが、医師・看護師等の医療従事者が操作する情報処理装置20から呼び出し・起動された電子カルテに入力される。
電子カルテに入力・更新されたデータ・情報は、サーバーコンピュータ10からの要求により、又は入力・更新を行った情報処理装置20からのデータ送信により、患者の基本属性情報とともに、サーバーコンピュータ10に送信され、データベースサーバーや画像ストレージに格納される。
その他、救急患者や手術患者がある場合には、救急部門やオペ室からデジタルカメラによるJPEG画像等の汎用データが、サーバーコンピュータ10に対して送信され、データがデータベースサーバーや画像ストレージに格納される。
また、サーバーコンピュータ10は、格納されたデータのバックアップとしてミラーリング形式のバックアップ機能を有し、ネットワークを介して接続されたサブサーバーコンピュータ(バックアップサーバー)にリアルタイムで同一データベースの構築,診療データのバックアップが行われる。
参照ビューア装置30は、例えば医師のいる診察室や医局等に設置され、ネットワークを介してサーバーコンピュータ10と接続され、サーバーコンピュータ10にアクセスすることで、サーバーコンピュータ10に格納されたリアルタイムの医療情報・診療データに基づいて生成される上述した一覧表示形式の表示データ(図2,3参照)を受信して、当該表示データが参照ビューア装置30に備えられた液晶表示装置等に表示される。
さらに、参照ビューア装置30では、一覧表示形式の表示データや特定項目の詳細データに表示されている医療情報・診療データを汎用データとして出力することができ、出力されたデータは加工等が可能となり、様々な用途に利用が可能となる。
従って、参照ビューア装置30を操作する医師や看護師等の医療従事者は、所定の患者毎に一覧表示形式の表示データや特定項目の詳細データをサーバーコンピュータ10から随時要求・受信して、自己の参照ビューア装置30で表示・閲覧・参照・出力・加工等することができ、きわめて利便性の高い診療,診断等の医療行為を行うことができるようになる。
すなわち、本実施形態に係る診療データ統合管理システムでは、医療情報として取り扱う項目として、医療機関において診断・診断に必要とされる各部門のデータを、サーバーコンピュータにて一元管理しデータ連携することで、例えばカルテ情報・PACS画像データ・生理及び検体検査データ・文章データ・地域連携データ等を取得して、サーバーコンピュータに構築されるデータベースで管理統合される。
これによって、医療情報,診療データを必要とする医療機関において患者毎の一覧データとして参照・出力・表示することができ、医療情報データを例えば放射線科のPACS画像等の画像データと連携して出力・表示させることができ、複数部門にまたがる医療情報を統合・連携することができる(後述する病診連携システムも参照)。
次に、図5〜図7を参照して、上述した診療データ統合管理システム1を複数接続・連携してなる本発明の病診連携システムの一実施形態について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る診療データ統合管理システムを連携した病診連携システム2の構成を示すブロック図である。
同図に示す本実施形態に係る病診連携システム2は、上述した診療データ統合管理システム1を複数備え、各診療データ統合管理システム1を接続・連携するためのシステムである。
そして、センターサーバーコンピュータ50は、複数の診療データ統合管理システム1の各サーバーコンピュータ10a〜10nからそれぞれ送信されるカルテ情報,PACS画像データ,生理検査データ,検体検査データ,文章データの一部又は全部を含む診療データを受信して記憶する記憶手段となるサーバーを備えている。
具体的には、センターサーバーコンピュータ50が、ネットワーク接続されている各サーバーコンピュータ10a〜10nから出力されたデータを監視し、入力・更新された診療データを要求・送信させることができる。また、各サーバーコンピュータ10a〜10n側で、新たに診療データの入力・更新が行われた場合に、その都度当該診療データをセンターサーバーコンピュータ50に送信するようにしてもよい。
このようにして、センターサーバーコンピュータ50には複数の医療機関における最新の診療データがリアルタイムで送信・格納されるようになり、そのリアルタイムの診療データが、センターサーバーコンピュータ50で生成される一覧形式の表示データとして抽出・出力されるようになる。
これによって、複数の医療機関の様々な診療データと連携を行う場合に、メーカーや規模に関係なく診療情報を連携・共有することが可能となる。
このようにすることで、各医療機関からのデータ参照は、医療機関毎に付与・管理された患者IDにてデータ参照を行うことが可能となり、各医療機関の利用者の利便性を向上させることができる。また、各患者に対して病診連携システム上で使用される固有のIDを付与することができ、また、患者一人に対して複数の固有IDを付与することも可能である。
また、センターサーバーコンピュータ50は、格納されたデータのバックアップとしてミラーリング形式のバックアップ機能を有し、ネットワークを介して接続された図示しないサブサーバーにリアルタイムで同一データベースの構築,診療データのバックアップが行われるようになっている。
すなわち、センターサーバーコンピュータ50は、上述した診療データ統合管理システム1に備えられるサーバーコンピュータ10の上位のサーバーとして、サーバーコンピュータ10とほぼ同様の構成を備え、上述したサーバーコンピュータ10で生成・出力される一覧形式の表示データとほぼ同様の表示データを生成・出力するようになっている。
そして、このセンターサーバーコンピュータ50の制御手段で生成された一覧表示形式の表示データは、センターサーバーコンピュータ50に接続されている各サーバーコンピュータ10を介して、複数の診療データ統合管理システム1の各参照ビューア装置30において受信され、各参照ビューア装置30において閲覧可能に表示されるようになっている。
同図に示すように、センターサーバーコンピュータ50で生成される一覧形式の表示データは、上述したサーバーコンピュータ10で生成・出力される一覧形式の表示データ(図2参照)とほぼ同様の表示データが生成・出力されるようになっている。
まず、各医療機関の参照ビューア装置30からセンターサーバーコンピュータ50の情報を参照する場合には、所定のログインIDやパスワード入力を経て、センターサーバーコンピュータ50にアクセスする。これにより、ログインIDを持たない無関係の者や部外者等が無断でセンターサーバーコンピュータ50にアクセスして情報を参照・閲覧することを防止することができる。
ここで、ログインIDを識別・管理することで、センターサーバーコンピュータ50へのアクセスを制御・制限することができる。例えば、特定の医療機関からのアクセスに対してはセンターサーバーコンピュータ50が保有する患者の全情報を閲覧・参照可能とし、他の特定の医療機関からのアクセスに対しては特定の患者の情報については閲覧・参照できないようにすることができる。このようにすることで、複数医療機関における病診連携を図りつつ、患者の個人情報・プライバシー情報の漏洩等を防止することができる。
センターサーバーコンピュータ50は、図6に示すように、記憶手段(サーバー)に格納されている患者の情報について、各患者の基本属性(氏名,性別,生年月日等)とともに一覧表示情報として生成・出力し、アクセス許可された参照ビューア装置30において閲覧・選択可能に表示させるようになっている。
また、センターサーバーコンピュータ50を介して同一患者の同一画像をWebにアップすることにより、提携先病院との所謂Webカンファレンス(症例検討)を行うことが可能となる。
すなわち、センターサーバーコンピュータ50で生成・出力される表示データは、基本的には上述したサーバーコンピュータ10で生成される表示データと同様となっており、表示レイアウトや表示フォーマットも同様であり,項目の選択や詳細表示,表示項目数の選択・切替,表示面のスクロール,表示データの出力・加工・編集等が可能な点もサーバーコンピュータ10で生成される表示データと同様である(図2,3参照)。
図7に、本実施形態に係る病診連携システム2において実現される医療機関の地域連携の概念図を示す。
同図に示すように、まずセンターサーバーコンピュータ50には、各医療機関に設置された診療データ統合管理システム1から送信された医療情報・診療データ(例えばカルテ情報,PACS画像データ,生理・検体検査データ,様々な文章情報や地域連携情報)が格納・蓄積される。
各医療機関内部の診療情報の共有からその診療情報の地域での共有化まで実現でき、遠隔読影の対応、地域連携パスの連携、検査予約システムの実装も行え、単なるWEB参照とはことなる、具体的な地域連携が行えるようになる。
また、個別メーカーに依存することなく、シームレスに診療情報の連携を図ることができる。
また、複数医療機関にまたがる紹介状の連携や検査予約も可能で、ネットワーク(WEB)を介して入力・連携が行え、また、紹介状のテンプレートを提供することで、紹介状の作成・入力を簡素化でき、そのままデータとして入力・共有等することも可能となる。
また、複数医療機関において遠隔読影を実現することも可能となり、例えば読影対象となる画像を読影先の病院に送信して遠隔先の病院で読影を行ったり、医師の自宅や出張先での読影、他の医師への読影協力等も可能となる。
そして、上述したように、センターサーバーコンピュータ50で生成される一覧形式の表示データ(図6参照)は、各医療機関のサーバーコンピュータ10で生成・出力される一覧形式の表示データ(図2参照)と同様の表示データが生成・出力されるようになっており、各医療機関内の全診療データを、連携医療機関間において一覧形式の表示データとして参照・表示でき、例えば複数の部門項目や検査項目が時系列に表示された表示データから、DICOM画像を専用ビューアにより拡大・詳細表示させることができる。また、検査単位で撮影されたDICOM画像をサムネイル化してマトリックス状に表示させることもできる。また、例えば心電図の参照においては、MFERかJPEG,PDF形式の画像を連携医療機関の間で表示・閲覧することができるようになる。
従って、本実施形態の病診連携システム2によれば、特定メーカーのシステム等に依存しないフラットなシステム構築が可能となり、単なるカルテ情報の開示ではない「病院間でのオーダー連携」を実現することができる。
これによって、例えば同一都道府県内や市町村内に設置されている複数の医療機関相互間において、地域医療のデータ連携を行うことができる。
そして、このように本実施形態において、センターサーバーコンピュータ50によってデータ共有された統合診療データを用いることで、複数の連携医療機関で診療データの共有を図ることができ、例えば過疎地からの診断補助や診察,検査,読影の依頼連携、また地域連携パスなどをシステム連携することができるようになる。
2 病診連携システム
10 サーバーコンピュータ
20 情報処理装置
30 参照ビューア装置
50 センターサーバーコンピュータ
Claims (4)
- 医療機関内の複数の部門にそれぞれ設置される複数の情報処理装置と、
この複数の情報処理装置とデータ送受信可能に接続されたサーバーコンピュータと、
このサーバーコンピュータとデータ送受信可能に接続された一又は二以上のデータ表示用の参照ビューア装置と、を備え、
前記サーバーコンピュータが、
前記複数の情報処理装置からそれぞれ送信されるカルテ情報,PACS画像データ,生理検査データ,検体検査データ,文章データの一部又は全部を含む診療データを受信して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された診療データを、患者毎に割り当てられた識別情報に基づいて抽出し、抽出されたデータを、縦軸及び横軸にそれぞれ所定項目を割り当てた一覧表示形式の表示データとして生成する制御手段と、を備え、
前記参照ビューア装置が、
前記サーバーコンピュータの制御手段で生成された一覧表示形式の表示データを受信して閲覧可能に表示する表示手段を備える
ことを特徴とする診療データ統合管理システム。 - 前記制御手段が、
前記表示データの横軸に、時系列順に配置された日付項目を割り当てるとともに、当該表示データの縦軸に、画像データ,検査データを含む診療データ項目を割り当てて、前記一覧表示形式の表示データを生成する請求項1記載の診療データ統合管理システム。 - 前記参照ビューア装置が、
前記一覧表示形式の表示データに表示された前記日付項目及び診療データ項目のそれぞれを、所定の入力操作に応じて指定可能に表示するとともに、
前記入力操作により特定の項目が指定されると、指定された当該項目に関する所定の詳細データを前記サーバーコンピュータから受信し、当該詳細データを前記一覧表示形式の表示データと別に表示する請求項2記載の診療データ統合管理システム。 - 請求項1〜3記載の診療データ統合管理システムを複数備えるとともに、
前記複数の診療データ統合管理システムの各サーバーコンピュータとデータ送受信可能に接続されるセンターサーバーコンピュータを備え、
前記センターサーバーコンピュータが、
前記複数の診療データ統合管理システムの各サーバーコンピュータからそれぞれ送信されるカルテ情報,PACS画像データ,生理検査データ,検体検査データ,文章データの一部又は全部を含む診療データを受信して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された診療データを、患者毎に割り当てられた識別情報に基づいて抽出し、抽出されたデータを、縦軸及び横軸にそれぞれ所定項目を割り当てた一覧表示形式の表示データとして生成する制御手段と、を備え、
前記複数の診療データ統合管理システムの各参照ビューア装置が、
前記センターサーバーコンピュータの制御手段で生成された一覧表示形式の表示データを受信して閲覧可能に表示する表示手段を備える
ことを特徴とする診療データ統合管理システムを連携した病診連携システム。
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