JP2013233097A - 風味良好なドリンクタイプヨーグルト - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な、風味や味覚を付与する乳酸菌を用いて、風味や味覚の良好なドリンクタイプのヨーグルトを製造し、しかも、乳酸菌を用いた場合に発生するアミノ酸臭のような望ましくない臭いをマスキングすることにより、風味良好なドリンクタイプのヨーグルトを提供すること。
【解決手段】ラクトコッカス属の乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、ヨーグルトの粘度を750〜1250mPa・sに調整し、かつ、ヨーグルト用フレーバーを添加して、ドリンクタイプのヨーグルトとして調製することにより、アミノ酸臭をマスキングし、風味良好なヨーグルトを製造する。本発明において、ヨーグルト用の乳酸菌としては、lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805のようなラクトコッカス属の乳酸菌を用いることができる。用いるフレーバーとしては、バニラ系、ミルク系、又はシトラス系エッセンスからなるヨーグルト用フレーバーを用いることができる。
【選択図】なし
【解決手段】ラクトコッカス属の乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、ヨーグルトの粘度を750〜1250mPa・sに調整し、かつ、ヨーグルト用フレーバーを添加して、ドリンクタイプのヨーグルトとして調製することにより、アミノ酸臭をマスキングし、風味良好なヨーグルトを製造する。本発明において、ヨーグルト用の乳酸菌としては、lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805のようなラクトコッカス属の乳酸菌を用いることができる。用いるフレーバーとしては、バニラ系、ミルク系、又はシトラス系エッセンスからなるヨーグルト用フレーバーを用いることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、風味良好なドリンクタイプヨーグルト、及びその製造方法、特に、乳酸菌としてラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)のようなラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌を用いて良好な風味を付与するとともに、該乳酸菌を用いた場合に発生するアミノ酸臭をマスキングすることにより、風味良好なドリンクタイプのヨーグルト、及び該ヨーグルトを製造する方法に関する。
ヨーグルトは、古来から、ヨーロッパで飲用されてきた発酵食品であり、通常、牛乳をヨーグルト用乳酸菌で発酵させて、カード状に凝固したものであり、その特有の爽やかな呈味性と、栄養学的な効能から、古くから親しまれてきたものである。わが国で市販されているヨーグルトには、その製造方法の違いにより、(1)乳原料をヨーグルト用乳酸菌で発酵させて、カード状に凝固させ、添加物を一切加えていないプレーンヨーグルト、(2)脱脂乳を主原料に、砂糖、香料などを加え、ゼラチンや寒天でプリン状に固めたハードヨーグルト、(3)発酵後、生じたカード(凝乳)に、果肉を混合して、攪拌し、流動状にした果肉入りのソフトヨーグルト、(4)カードを、均質機で更に細かく砕いて液状にしたドリンクヨーグルト、及び、(5)カードをアイスクリーム用フリーザーで空気を混入保持して凍結したフローズンヨーグルト、等の各種のタイプのものがある。
近年、新食感と飲みやすさとから、ドリンクタイプのヨーグルトの提供も盛んになり、各種のドリンクヨーグルトが開示されている。例えば、特開2002−165557号公報には、チーズ製造の際に得られるチーズホエーを脱脂後、不快フレーバー形成原因物質を除去処理し、該ホエーにカゼイン含有物質を添加し、ヨーグルト用乳酸菌を加えて発酵、冷蔵して得たカードをホモゲナイズすることにより調製したチーズホエードリンクヨーグルトについて、特開2004−180553号公報には、固形状ヨーグルトにプロテアーゼD3を作用させて低粘度とすることにより、ヨーグルトの離水防止と食感を改善したドリンクタイプのヨーグルトについて開示されている。
また、特開2009−82023号公報には、増粘剤及び低強度寒天をゲル化剤として含む液を加熱・殺菌・冷却して副原料液とし、カードを破砕して微粒化した発酵乳を冷却して液状発酵乳に、該副原料液を混合して、喉越しや切れ味の良好な、ドリンクヨーグルトとソフトヨーグルトとの中間の物性を有するドリンクタイプのトロミヨーグルトについて、特表2010−517515号公報には、酸ホエイやスイートホエイのようなホエイ生成物を、水に、カゼイン塩及びホエイ蛋白濃縮物、クリーム、スキムミルク、全脂肪乳から選択される脂肪含有成分を混合することにより調製されたミルク生成物に添加して、カゼイン:ホエイタンパク比が、4:96〜12:88となるようにカゼイン及びホエイタンパクを含むようにした、従来のドリンクヨーグルトと同じ風味及び官能特性を有するが、その製造に際して、発酵後の凝塊(カード)の形成を伴わずに製造することができるドリンクヨーグルトについて開示されている。
一方、ヨーグルトの製造に際し、乳の発酵に用いられるヨーグルト用乳酸菌として、特に、ヨーグルトの乳酸発酵に適している菌として用いられているのは、ブルガリア菌(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)とサーモフィラス菌(Streptococcus salivarius subsp. Thermophilus)であり、これらの乳酸菌が、ヨーグルトに使われる乳酸菌としては主流となっている。
その他にも、Lactobacillus acidophilusのようなラクトバシラス属の乳酸菌、Lactococcus lactis subsp. cremoris及びLactococcus lactis subsp. Lactisのようなラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の乳酸菌などが使用されている(特開2008−102号公報)。該乳酸菌のうち、ラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌は、風味の強いチーズフレーバーを生成する性質があり、本来は、発酵バターや、チーズに使用されているケースが多いが(特公昭61−21069号公報、特表2004−501633号公報、特開2009−296972号公報)、該乳酸菌の性質から、該乳酸菌を発酵乳向きの良好な風味を持ち合わせている菌として、直接ヨーグルトのような発酵乳の製造に用いるには適していないという理由もあって、ヨーグルト用乳酸菌と用いられるケースは多くはなかった。
例えば、lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805のようなラクトコッカス属の乳酸菌は、チーズ用の乳酸菌として使用されているが(特開2009−296972号公報)、該乳酸菌は、アミノ酸生成能力を有している菌として知られているものであり、該アミノ酸の生成によりアミノ酸臭を発生することから、チーズ用の乳酸菌としては必ずしも適合したものではなかった。特に、ドリンクタイプのヨーグルトにおいては、発酵時に独特なアミノ酸臭が出され、アミノ酸臭の発生の影響が大きいことから、該乳酸菌がドリンクヨーグルトに使用されているケースはなく、該乳酸菌をヨーグルトに使用するには問題があった。
本発明の課題は、風味良好なドリンクタイプのヨーグルトを提供すること、特に、良好な、風味や味覚を付与する乳酸菌を用いて、風味や味覚の良好なドリンクタイプのヨーグルトを製造し、しかも、乳酸菌を用いた場合に発生するアミノ酸臭のような望ましくない臭いをマスキングすることにより、風味良好なドリンクタイプのヨーグルトを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805のようなラクトコッカス属の乳酸菌は、アミノ酸生成能力を有している菌として知られているもので、ヨーグルト用の乳酸菌として用いた場合に、味覚の良いヨーグルトを製造することが可能であり、しかも、乳風味としても良好な風味をヨーグルトに付与できることを見出した。しかし、該乳酸菌は、アミノ酸生成能力がある反面、発酵時に生成するアミノ酸臭のような望ましくない臭いがヨーグルトに付与されるという問題がある。特に、ドリンクヨーグルト類においては、他の領域のヨーグルトと比較して、発酵時のアミノ酸臭を強く感じてしまうという問題があり、該乳酸菌をドリンクタイプの乳酸菌として用いることは望ましくないという問題がある。そこで、この問題について検討した結果、lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805のようなラクトコッカス属の乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、ヨーグルトの粘度を特定範囲に調整し、かつ、ヨーグルト用フレーバーを添加して、ドリンクタイプのヨーグルトとして調製することにより、アミノ酸臭をマスキングすることが可能であり、風味良好なヨーグルトを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ラクトコッカス属の乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、ヨーグルトの粘度を750〜1250mPas.secに調整し、かつ、ヨーグルト用フレーバーを添加して、ドリンクタイプのヨーグルトとして調製することにより、アミノ酸臭をマスキングし、風味良好なヨーグルトを製造する方法からなる。本発明においては、該ヨーグルトの一定範囲の粘度とフレーバー添加を組み合わせする事で、効果的にアミノ酸臭マスキングし、風味、味覚の良好なヨーグルトを製造することができる。
本発明において、ラクトコッカス属の乳酸菌としては、ラクトコッカス・ラクティス、例えば、lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805のようなラクトコッカス属の乳酸菌を用いることができる。また、本発明において、用いるヨーグルト用フレーバーとしては、バニラ系、ミルク系、又はシトラス系エッセンスからなるヨーグルト用フレーバーを用いることができる。更に、本発明は、本発明のヨーグルトの製造方法によって製造されたアミノ酸臭をマスキングした風味良好なドリンクタイプのヨーグルト自体の発明を包含する。
本発明は、風味良好なドリンクタイプのヨーグルトを提供すること、特に、良好な、風味や味覚を付与する乳酸菌を用いて、風味や味覚の良好なドリンクタイプのヨーグルトを製造し、しかも、乳酸菌を用いた場合に発生するアミノ酸臭のような望ましくない臭いをマスキングすることにより、風味良好なドリンクタイプのヨーグルトを提供する。
本発明は、ラクトコッカス属の乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、ヨーグルトの粘度を750〜1250mPas.secに調整し、かつ、ヨーグルト用フレーバーを添加して、ドリンクタイプのヨーグルトとして調製することにより、アミノ酸臭をマスキングし、風味良好なヨーグルトを製造することからなる。
本発明において用いる、ラクトコッカス属の乳酸菌としては、例えば、次の5種の乳酸菌を挙げることができる:ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・ラフィノラクティス(Lactococcus raffinolactis)、ラクトコッカス・ガルビアエ(Lactococcus garvieae)、ラクトコッカス・ピシウム(Lactococcus piscium )、及び、ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)。更に、ラクトコッカス・ラクティスの亜種(subspecies)として、次の3種を挙げることができる:ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. Lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp. Cremoris)、及び、ラクトコッカス・ラクティス亜種ホルドニアエ(Lactococcus lactis subsp. Hordniae)。
ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. Lactis)の菌株としては、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスJCM5805(Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805)のようなラクトコッカス属の乳酸菌を挙げることができる。その他に、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスでは、Lactococcus lactis subsp. Lactis FERM P-21490)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp. Cremoris)だとLactococcus lactis subsp. Cremoris FERM P-10053、Lactococcus lactis subsp. Cremoris FERM P-18320、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE P-143、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE P-174、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE P-175、Lactococcus lactis subsp. Cremoris FERM AP-20185、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE AP-92、Lactococcus lactis subsp. Cremoris FERMP-21490を挙げる事が出来る。
ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. Lactis)の菌株としては、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスJCM5805(Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805)のようなラクトコッカス属の乳酸菌を挙げることができる。その他に、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティスでは、Lactococcus lactis subsp. Lactis FERM P-21490)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp. Cremoris)だとLactococcus lactis subsp. Cremoris FERM P-10053、Lactococcus lactis subsp. Cremoris FERM P-18320、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE P-143、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE P-174、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE P-175、Lactococcus lactis subsp. Cremoris FERM AP-20185、Lactococcus lactis subsp. Cremoris NITE AP-92、Lactococcus lactis subsp. Cremoris FERMP-21490を挙げる事が出来る。
本発明において用いるヨーグルト用フレーバーとしては、バニラ系、ミルク系、又はシトラス系エッセンスからなるヨーグルト用フレーバーを挙げることができる。該フレーバー自体は、従来から、プレーンタイプのヨーグルトフレーバーとして、一般的に知られているものであり、該フレーバーに、種類によってアクセントとして、サイダー、フルーツのバナナ、パインアップルの香料を使用する(「食品と香り」光琳社、平成16年1月20日発行、196頁)。フレーバーの添加量は、特に限定されないが、通常、0.03〜0.15%の範囲で添加される。
本発明において、ドリンクタイプのヨーグルトの製造方法は、乳酸菌としてラクトコッカス属の乳酸菌を用い、該ヨーグルトの粘度を特定の粘度に調整し、特定のフレーバーを添加する点を除いて、通常、ドリンクタイプのヨーグルトを製造する方法を用いることができる。粘度の調整は、通常、ドリンクタイプのヨーグルトの製造において採用される、ホモゲナイザーを用いた均質化処理(例えば、卓上ホモゲナイザーを用いて、3000rpmで、1〜3分間)により、行うことができる。通常のドリンクヨーグルトは飲用に適するように、均質化処理により粘度を低下させて100mPa・s以下で製品化されているが、本発明においては、750〜1250mPa・sに調整される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[1.ドリンクヨーグルトの製造方法]
<(1)原材料>
原材料として、乳原料(牛乳、生クリーム、脱脂粉乳等)、砂糖7.0%、ペクチン(ユニテックフーズ社製の“LM−407”(商品名))、乳ペプチド(商品名“LE80GF−US”FrieslandCampina Domo社)、必要に応じ香料を使用した。尚、牛乳、生クリーム、脱脂粉乳等の配合を工夫することにより、無脂乳固形分は8.1%に統一し、乳脂肪含量は1%以下とした。又、ペクチン含量は官能評価試験の内容により変動させた。なお、乳ペプチドとしては、特に特定するものではないが、LE80GF以外には、例えばMCH−30(森永乳業(株))、森永ミルクペプチドC800(森永乳業(株))、CE−90GMM(FrieslandCampina Domo社)、を0.05〜0.5%の範囲で添加することができる。配合例を表1に示す。
<(1)原材料>
原材料として、乳原料(牛乳、生クリーム、脱脂粉乳等)、砂糖7.0%、ペクチン(ユニテックフーズ社製の“LM−407”(商品名))、乳ペプチド(商品名“LE80GF−US”FrieslandCampina Domo社)、必要に応じ香料を使用した。尚、牛乳、生クリーム、脱脂粉乳等の配合を工夫することにより、無脂乳固形分は8.1%に統一し、乳脂肪含量は1%以下とした。又、ペクチン含量は官能評価試験の内容により変動させた。なお、乳ペプチドとしては、特に特定するものではないが、LE80GF以外には、例えばMCH−30(森永乳業(株))、森永ミルクペプチドC800(森永乳業(株))、CE−90GMM(FrieslandCampina Domo社)、を0.05〜0.5%の範囲で添加することができる。配合例を表1に示す。
<(2)製造方法>
上記原材料を混合分散し、70℃付近まで加熱し、均質圧(15〜17MPa)でホモジナイザーにかけた。95℃10分ほど加熱殺菌し、35℃付近まで冷却し、乳酸菌(菌種:Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805)を添加し、30℃で10時間発酵させた。pHが4.60に達した時点で攪拌し、25℃付近まで冷却し、乳化(均質化含む)工程を諸条件によって行い、10℃まで冷却保管した。尚、官能評価試験に使用したヨーグルトは官能評価試験時のpHをいずれも4.60に調整した。乳化(均質化含む)は、ホモゲナイザーで0〜15MPaの圧力での乳化を行った。なお、乳化には、ポンプ搬送及び静置形ミキサーでの乳化・分散、ベンチュリー管を利用したマルチミキサー(ニチラク機械(株))による乳化方法があり、適宜、該乳化方法を採用することができるる。
上記原材料を混合分散し、70℃付近まで加熱し、均質圧(15〜17MPa)でホモジナイザーにかけた。95℃10分ほど加熱殺菌し、35℃付近まで冷却し、乳酸菌(菌種:Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805)を添加し、30℃で10時間発酵させた。pHが4.60に達した時点で攪拌し、25℃付近まで冷却し、乳化(均質化含む)工程を諸条件によって行い、10℃まで冷却保管した。尚、官能評価試験に使用したヨーグルトは官能評価試験時のpHをいずれも4.60に調整した。乳化(均質化含む)は、ホモゲナイザーで0〜15MPaの圧力での乳化を行った。なお、乳化には、ポンプ搬送及び静置形ミキサーでの乳化・分散、ベンチュリー管を利用したマルチミキサー(ニチラク機械(株))による乳化方法があり、適宜、該乳化方法を採用することができるる。
以下に示す官能評価試験はいずれも上記製造方法に従って製造したドリンクヨーグルトを使用した。尚、粘度測定は、東機産業RB−80Lで測定した。
[2.無香料化での粘性違いによるアミノ酸臭マスキング効果]
<(1)試験方法>
Lactococcus lactis subsp. lactis JCM5805で発酵させたヨーグルトを各条件に均質化しドリンクタイプにした場合のマスキング効果を確認した。マスキング効果の評価は、訓練された官能評価パネル4〜6人で5段階評価にて行った。4〜6人の結果の平均値の結果を表2(無香料でのドリンクヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)に示すが、点数が大きい程「酒粕様のアミノ酸臭」のマスキング効果が高いことを意味する。同じ菌種で発酵させたドリンクヨーグルトでの香味評価も行い、3段階で評価した。評価は、訓練された官能評価パネル4人で3段階評価にて行った。4人の結果の平均値の結果を表3(無香料でのドリンクヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)、表4(無香料でのドリンクヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種 小岩井乳業 保有株 Lactococcus lactis LC616)に示すが、点数が大きい程、発酵乳としての官能評価が高いことを意味する。
<(1)試験方法>
Lactococcus lactis subsp. lactis JCM5805で発酵させたヨーグルトを各条件に均質化しドリンクタイプにした場合のマスキング効果を確認した。マスキング効果の評価は、訓練された官能評価パネル4〜6人で5段階評価にて行った。4〜6人の結果の平均値の結果を表2(無香料でのドリンクヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)に示すが、点数が大きい程「酒粕様のアミノ酸臭」のマスキング効果が高いことを意味する。同じ菌種で発酵させたドリンクヨーグルトでの香味評価も行い、3段階で評価した。評価は、訓練された官能評価パネル4人で3段階評価にて行った。4人の結果の平均値の結果を表3(無香料でのドリンクヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)、表4(無香料でのドリンクヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種 小岩井乳業 保有株 Lactococcus lactis LC616)に示すが、点数が大きい程、発酵乳としての官能評価が高いことを意味する。
<(2)結果>
750〜1250mPas.secで酒粕様のアミノ酸臭の軽減効果が見られた。750mPas.sec以下だと、フレーバーリリース(ここでいうフレーバーとは酒粕様のアミノ酸臭を指す)が良すぎて発酵乳としての価値を下げる結果となった。1250mPas以上になると、製品液の粘度が上がりすぎて口の中に特有の香りが残り、後切れの面で香味評価を下げる結果となった。同じ菌種との対比においても、他の乳酸菌に関しては、独特の発酵臭は見られず、発酵乳、乳酸菌飲料においても使用時にも発酵乳としての価値を損なう事はない。
750〜1250mPas.secで酒粕様のアミノ酸臭の軽減効果が見られた。750mPas.sec以下だと、フレーバーリリース(ここでいうフレーバーとは酒粕様のアミノ酸臭を指す)が良すぎて発酵乳としての価値を下げる結果となった。1250mPas以上になると、製品液の粘度が上がりすぎて口の中に特有の香りが残り、後切れの面で香味評価を下げる結果となった。同じ菌種との対比においても、他の乳酸菌に関しては、独特の発酵臭は見られず、発酵乳、乳酸菌飲料においても使用時にも発酵乳としての価値を損なう事はない。
[3.フレーバー品種および粘度の組合せでのアミノ酸臭マスキング効果]
<(1)試験方法>
Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805で発酵させたヨーグルトを各条件に均質化し、各種のフレーバーを添加した場合のマスキング効果を確認した。マスキング効果の評価は、訓練された官能評価パネル6人で5段階評価にて行った。6人の結果の平均値の結果を表5(ミルク系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)、表6(バニラ系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)、表7(シトラス系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)に示すが、点数が大きい程「酒粕様のアミノ酸臭」のマスキング効果が高いことを意味する。
<(1)試験方法>
Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805で発酵させたヨーグルトを各条件に均質化し、各種のフレーバーを添加した場合のマスキング効果を確認した。マスキング効果の評価は、訓練された官能評価パネル6人で5段階評価にて行った。6人の結果の平均値の結果を表5(ミルク系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)、表6(バニラ系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)、表7(シトラス系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種Lactococcus lactis JCM5805)に示すが、点数が大きい程「酒粕様のアミノ酸臭」のマスキング効果が高いことを意味する。
<(2)結果>
ミルク系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に1000mPa・sで香味改善効果が見られた。
バニラ系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。
シトラスフレーバーを入れたサンプルでは、500〜2000mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。
3つ共に、750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られたが、更に1000mPa・sで香味改善効果が確認でき、シトラス系のフレーバーに関しては、最も改善効果が見られた。
ミルク系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に1000mPa・sで香味改善効果が見られた。
バニラ系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。
シトラスフレーバーを入れたサンプルでは、500〜2000mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。
3つ共に、750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られたが、更に1000mPa・sで香味改善効果が確認でき、シトラス系のフレーバーに関しては、最も改善効果が見られた。
[4.他乳酸菌添加時のヨーグルトの粘度違い及びフレーバー違いによるマスキング効果]
<(1)試験方法>
Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805で発酵させたヨーグルト(80〜90%)とその他乳酸菌で発酵したヨーグルト(10〜20%)を混合後に各条件に均質化し、各種のフレーバーを添加した場合のマスキング効果を確認した。マスキング効果の評価は、訓練された官能評価パネル6人で5段階評価にて行った。6人の結果の平均値の結果を表8〜13に示す。
<(1)試験方法>
Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805で発酵させたヨーグルト(80〜90%)とその他乳酸菌で発酵したヨーグルト(10〜20%)を混合後に各条件に均質化し、各種のフレーバーを添加した場合のマスキング効果を確認した。マスキング効果の評価は、訓練された官能評価パネル6人で5段階評価にて行った。6人の結果の平均値の結果を表8〜13に示す。
表8は、ミルク系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果(使用菌種Lactococcus lactis subsp. Lactis JCM5805、 Lactobacillus bulgaricus+Streptococcus thermophilus)を、表9はバニラ系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果(使用菌種、Lactobacillus bulgaricus+Streptococcus thermophilus)を、表10は、シトラス系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果:使用菌種 Lactococcus lactis JCM5805;Lactobacillus bulgaricus+Streptococcus thermophilus)を、表11は、ミルク系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果(使用菌種Lactococcus lactis JCM5805;Lactobacillus acidophilus +Streptococcus thermophilus)を、表12は、バニラ系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果(使用菌種 Lactococcus lactis JCM5805;Lactobacillus acidophilus +Streptococcus thermophilus)を、表13は、シトラス系香料でのヨーグルトの粘度違いによるマスキング効果(使用菌種 Lactococcus lactis JCM5805;Lactobacillus acidophilus+Streptococcus thermophilus)を示す。点数が大きい程「酒粕様のアミノ酸臭」のマスキング効果が高いことを意味する。なお、その他乳酸菌としては、例えばLactobacillus delbrueckii subspecies bulgaricus、Streptococcus salivarius subsp. Thermophilus(LB340 DANISCO社)が挙げられる。その他には、Lactobacillus acidophilusが挙げられ、ビフィズス(Bifidobacterium)菌でも良い。
<(2)結果>
その他乳酸菌で発酵させたヨーグルトを入れた場合でも、傾向は同じであり、ミルク系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に1000mPa・sで香味改善効果が見られた。バニラ系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。シトラスフレーバーを入れたサンプルでは、500〜2000mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。3つ共に、750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られたが、更に1000mPa・sで香味改善効果が確認でき、シトラス系のフレーバーに関しては、最も改善効果が見られた。
その他乳酸菌で発酵させたヨーグルトを入れた場合でも、傾向は同じであり、ミルク系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に1000mPa・sで香味改善効果が見られた。バニラ系フレーバーを入れたサンプルでは、500〜1250mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。シトラスフレーバーを入れたサンプルでは、500〜2000mPa・sの粘度で香味の改善効果が見られた。特に750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られた。3つ共に、750〜1250mPa・sで香味改善効果が見られたが、更に1000mPa・sで香味改善効果が確認でき、シトラス系のフレーバーに関しては、最も改善効果が見られた。
本発明は、良好な、風味や味覚を付与する乳酸菌を用いて、風味や味覚の良好なドリンクタイプのヨーグルトを製造し、しかも、乳酸菌を用いた場合に発生するアミノ酸臭のような望ましくない臭いをマスキングすることにより、風味良好なドリンクタイプのヨーグルトを提供する。
Claims (4)
- ラクトコッカス属の乳酸菌を用いたヨーグルトの製造方法において、ヨーグルトの粘度を750〜1250mPa・sに調整し、かつ、ヨーグルト用フレーバーを添加して、ドリンクタイプのヨーグルトとして調製することを特徴とするアミノ酸臭をマスキングした風味良好なヨーグルトの製造方法。
- ラクトコッカス属の乳酸菌として、ラクトコッカス・ラクティスを用いることを特徴とする請求項1記載のアミノ酸臭をマスキングした風味良好なヨーグルトの製造方法。
- ヨーグルト用フレーバーが、バニラ系、ミルク系、又はシトラス系エッセンスからなるヨーグルト用フレーバーであることを特徴とする請求項1又は2記載のアミノ酸臭をマスキングした風味良好なヨーグルトの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか記載のヨーグルトの製造方法によって製造されたことを特徴とするアミノ酸臭をマスキングした風味良好なドリンクタイプのヨーグルト。
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2012
- 2012-05-07 JP JP2012106204A patent/JP2013233097A/ja active Pending
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