JP2013229751A - 音叉型屈曲水晶振動素子 - Google Patents

音叉型屈曲水晶振動素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 一回のウェットエッチングで外形と溝部の両方を形成し得る構造を有する振動素子を提供する。
【解決手段】 表側溝部14A及び裏側溝部には、それぞれ表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bが設けられている。表側隔壁16Aは、基部11側から先端121側に沿って表側溝部14Aを二分するとともに、ウェットエッチングを抑制する構造からなる。表側溝部14Aは二分された表側溝部141,142からなる。表側溝部14Aの底面と裏側溝部の底面とは、互いに対向している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば基準信号源やクロック信号源に用いられる音叉型屈曲水晶振動素子(以下「振動素子」と略称する。)に関する。
特許文献1の第6図には、振動腕部の表面及び裏面のそれぞれに溝部が形成された振動素子が開示されている。この振動素子の製造方法は、特許文献1の第3頁右下欄第10行〜第4頁左上欄第3行に、次のように開示されている。まず、水晶ウェハーの表裏に、外形形成用のマスクを作成する。続いて、このマスクを用いてフッ酸により一回目のエッチングをし、外形を途中まで形成する。続いて、このマスクの一部を開口して、溝部形成用兼外形形成用のマスクを作成する。最後に、このマスクを用いてフッ酸により二回目のエッチングをし、外形を完全に形成するとともに一定の深さの溝部を形成する。
特許文献1に記載の従来技術では、外形形成と溝形成とに前述のように二回のウェットエッチング工程が必要であった。その理由は、一回のウェットエッチングで外形と溝部の両方を形成しようとすると、溝部が表裏で貫通してしまうからである。そのため、従来技術では、二回のウェットエッチング工程が必要となるために製造工程が複雑化する他に、次のような問題もあった。
一回目の外形作成用マスクと二回目の溝部形成用兼外形形成用マスクとを作成するために、二回の露光工程が必要となる。このとき、露光時のアライメント精度によって一回目のマスクと二回目のマスクとに位置ずれが生ずると、外形と溝部とにも位置ずれが生ずることになる。その結果、二本の振動腕部の振動バランスが崩れることにより、振動腕部を支持する基部に振動が大きく伝播し、周波数バラツキの増大やクリスタルインピーダンスの劣化を招く問題があった。これらの諸問題は、近年の微細化及び小型化の進展に伴い、ますます顕著になる傾向にある。
これに対し、一回のウェットエッチングで外形と溝部の両方を形成し得る構造を有する振動素子が、本発明者によって提案されている(特許文献2)。以下、この振動素子を本発明の関連技術として説明する。
図7は、関連技術の振動素子の表主面を示す平面図である。図8は、図7におけるVIII−VIII線縦断面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。なお、平面図中のX軸、Y’軸及びZ’軸は、水晶ウェハーの結晶軸である。これらの結晶軸に依存して生ずる突起は、煩雑化を避けるために平面図では図示を略している。
振動素子80は、基部81と、基部81から延びる二本の振動腕部82,83と、振動腕部82,83に設けられた溝部84,85とを備えている。溝部84は、振動腕部82の表主面81Aに設けられた表側溝部841,842と、振動腕部82の裏主面81Bに設けられた裏側溝部843,844とからなる。溝部85は、振動腕部83の表主面81Aに設けられた表側溝部851,852と、振動腕部83の裏主面81Bに設けられた裏側溝部(図示せず)とからなる。表側溝部841,842の底面845,846と、裏側溝部843,844の底面847,848とは、互いに対向する。溝部85も溝部84と同様の構成である。
表側溝部841,842の側壁には、突条861,862が形成されている。同様に、裏側溝部843,844の側壁には突条863,862が形成され、表側溝部851,852の側壁にも突条871,872が形成されている。以下、主に表側溝部841について説明するが、他の表側溝部及び裏側溝部も同様である。
そして、直線状の表側溝部841内に突条861を形成するためのパターンを有するマスクを作成し、このマスクを用いて表側溝部841等のウェットエッチングを行うことにより、表側溝部841の断面形状を略V字型に形成できるので、対称性が改善された表側溝部841の断面形状を得ることができる。
特開昭56−66517号公報 特開2011−217041号公報(図4)
しかしながら、この関連技術には次のような問題があった。
(1).突条861は、微小であってかつ複数である。つまり、突条861の幅は数μmと微小であるため、露光時の寸法バラツキが生じる。また、突条861の幅は小型化に伴い更に狭くなるため、近年の傾向として突条861がますます形成しにくくなっている。(2).両面露光装置を用いた場合に表裏の合致精度が悪い。例えば、突条861,863がY’軸方向に表裏で2μmずれると、これらの重なる部分がほとんど無くなる。(3).上記(1)(2)により、水晶ウェハー間及び水晶ウェハー内での加工精度バラツキが大きくなり、結果として振動素子80の水晶ウェハー間及び水晶ウェハー内の周波数バラツキが大きくなる。周波数バラツキが大きくなると、その後の周波数粗調整工程で調整困難な振動素子80も出現するので、製造歩留まりが大きく低下する。
そこで、本発明の主な目的は、一回のウェットエッチングで外形と溝部の両方を形成し得る構造を、容易に製造できる振動素子を提供することにある。
本発明者は、自ら発明した関連技術を更に改良すべく研究を重ねた結果、次の知見を得た。関連技術における突条は、溝内の一端から他端まで万遍なく多数形成されており、溝内全体のエッチングを抑制している。また、エッチング速度が最も大きい部分は、エッチング液が最も流れる溝の長さ方向の中央部である。そこで、溝内全体のエッチングを抑制しつつ、溝の長さ方向の中央部のエッチングを重点的に抑制できれば、一回のウェットエッチングで外形と溝部の両方を形成でき、しかも製造が容易な、新たなエッチング抑制パターンを採用することができる。本発明は、この知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明に係る振動素子は、
平板形状の基部と、
この基部の側面から同一の方向に延びる、二本の平板形状の振動腕部と、
前記基部側から前記振動腕部の先端側に沿って前記振動腕部の長さ方向に設けられ、前記振動腕部の厚み方向に窪んだ溝部と、
を備えた音叉型屈曲水晶振動素子であって、
前記溝部は、前記振動腕部の表主面に開口する表側溝部と、前記振動腕部の裏主面に開口する裏側溝部との、少なくとも一組からなり、
前記表側溝部の底面と前記裏側溝部の底面とは互いに対向し、
前記表側溝部及び前記裏側溝部には、前記基部側から前記先端側に沿って当該表側溝部及び当該裏側溝部をそれぞれ二分するとともに、当該表側溝部及び当該裏側溝部の前記長さ方向の中央付近におけるウェットエッチングを抑制する構造からなる、表側隔壁及び裏側隔壁がそれぞれ設けられた、
ことを特徴とする。
本発明によれば、ウェットエッチングを抑制する構造からなる表側隔壁及び裏側隔壁をそれぞれ表側溝部及び裏側溝部に設けることにより、溝部におけるウェットエッチングを抑制できるので、外形に比べて溝部のエッチング速度を低下できる。したがって、外形のエッチングが終了する時間で溝部をエッチングしても、底面を介して対向する表側溝部及び裏側溝部が貫通しないので、一回のウェットエッチングで外形と溝部の両方を形成できる。しかも、溝部の中央付近のウェットエッチングを重点的に抑制する構造を採用したことにより、関連技術のような微細な構造にする必要がなくなるので、製造を容易化できる。
実施形態1の振動素子の表主面を示す平面図である。 図1の振動素子の断面を示し、図2[a]は図1におけるIIa−IIa線縦断面図、図2[b]は図1におけるIIb−IIb線縦断面図、図2[c]は図1におけるIIc−IIc線縦断面図である。 図3[a]は、実施形態1の振動素子における、電極及び配線形成後の振動腕部を示す断面図である。図3[b]は、実施形態1の振動素子における、表側隔壁の他例を示す平面図である。 実施形態2の振動素子の表主面を示す平面図である。 図4の振動素子の断面を示し、図5[a]は図4におけるVa−Va線縦断面図、図5[b]は図4におけるVb−Vb線縦断面図、図5[c]は図4におけるVc−Vc線縦断面図である。 図6[a]は、実施形態2の振動素子における、電極及び配線形成後の振動腕部を示す断面図である。図6[b]は、実施形態2の振動素子における、表側隔壁の他例を示す平面図である。 関連技術の振動素子の表主面を示す平面図である。 図7におけるVIII−VIII線縦断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の振動素子の表主面を示す平面図である。図2は、図1の振動素子の断面を示し、図2[a]は図1におけるIIa−IIa線縦断面図、図2[b]は図1におけるIIb−IIb線縦断面図、図2[c]は図1におけるIIc−IIc線縦断面図である。図3[a]は、実施形態1の振動素子における、電極及び配線形成後の振動腕部を示す断面図である。図3[b]は、実施形態1の振動素子における、表側隔壁の他例を示す平面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1の振動素子10は、平板形状の基部11と、基部11の側面から同一の方向に延びる、二本の平板形状の振動腕部12,13と、基部11側から振動腕部12,13の先端121,131側に沿って振動腕部12,13の長さ方向(Y’軸方向)に設けられ、振動腕部12,13の厚み方向(Z’軸方向)に窪んだ溝部14,15と、を備えている。溝部14は、振動腕部12の表主面11Aに開口する表側溝部14Aと、振動腕部12の裏主面11Bに開口する裏側溝部14Bとからなる。溝部15は、振動腕部13の表主面11Aに開口する表側溝部15Aと、振動腕部13の裏主面11Bに開口する裏側溝部(図示せず)とからなる。
表側溝部14A及び裏側溝部14Bには、それぞれ表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bが設けられている。表側隔壁16Aは、基部11側から先端121側に沿って表側溝部14Aを二分するとともに、表側溝部14Aの長さ方向の特に中央付近におけるウェットエッチングを抑制する構造からなる。裏側隔壁16Bは、基部11側から先端121側に沿って裏側溝部14Bを二分するとともに、裏側溝部14Bの長さ方向の特に中央付近におけるウェットエッチングを抑制する構造からなる。表側溝部14Aは二分された表側溝部141,142からなる。裏側溝部14Bは二分された裏側溝部143,144からなる。表側溝部141の底面145と裏側溝部143の底面147とが、主に互いに対向している。表側溝部142の底面146と裏側溝部144の底面148とが、主に互いに対向している。同様に、表側溝部15A及び裏側溝部(図示せず)には、それぞれ表側隔壁17A及び裏側隔壁17Bが設けられている。
以下、振動腕部12,13はともにほぼ同じ構造であるので、振動腕部12について説明する。
表側隔壁16Aは、ウェットエッチングを抑制する構造として、振動腕部12の長さ方向(Y’軸方向)に対して第一の斜め方向12Aに表側溝部14Aを二分する構造からなる。裏側隔壁16Bは、振動腕部12の長さ方向(Y’軸方向)に対して第二の斜め方向12Bに裏側溝部14Bを二分する構造からなる。第一の斜め方向12Aと第二の斜め方向12Bとは、表主面11Aから見て互いに交差する。
表側溝部141は基部11側から先端121側に沿って幅W1が広くなり、表側溝部142は基部11側から先端121側に沿って幅W2が狭くなる。逆に、裏側溝部143は基部11側から先端121側に沿って幅W3が狭くなり、裏側溝部144は基部11側から先端121側に沿って幅W4が広くなる。
本実施形態1の振動素子10について、更に詳しく説明する。
振動素子10は、基部11からY’軸方向に延びる振動腕部12,13を有する。振動腕部12には、少なくとも表裏に表側溝部14A及び裏側溝部14Bが形成されている。表側溝部14A及び裏側溝部14Bの内側には、表側溝部14A及び裏側溝部14Bをそれぞれ二分するように、エッチング抑制パターンとしての表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bが設けられている。表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bは、基部11側から振動腕部12の長手方向(Y’軸方向)に向かって、斜めになっている。これにより、表側溝部141の幅W1と表側溝部142の幅W2とは、基部11付近ではW1<W2となり、中央部付近ではW1≒W2となり、先端121付近ではW1>W2となる。
Y’軸方向に対する斜め角度は、フッ酸での加工断面や電気特性により最適値を求めればよい。表側隔壁16A,17Aの斜め角度は、本実施形態1のように同じ向きにしてもよいが、逆向きにしてもよい。一方、表側隔壁16Aと裏側隔壁16Bとの斜め角度は逆向きとし、表側隔壁17Aと裏側隔壁17Bとの斜め角度も逆向きとする。すなわち、表側隔壁16Aと裏側隔壁16Bは表主面11A側から見てX字形状となるように配置し、同様に、表側隔壁17Aと裏側隔壁17Bも表主面11A側から見てX字形状となるように配置する。
図2[a]に示すように、振動腕部12の先端121側の断面を見ると、表側溝部141の方が表側溝部142よりも幅が広く深さも深い。図2[b]に示すように、振動腕部12の中央部の断面を見ると、表側溝部141と表側溝部142とは同じ幅かつ同じ深さとなる。図2[c]に示すように、振動腕部12の基部11側の断面を見ると、図2[a]の場合とは逆に、表側溝部141の方が表側溝部142よりも幅が狭く深さも浅い。一方、裏側溝部14Bの場合は、表側溝部14Aの場合とは全く逆の関係になる。したがって、表側溝部14Aの深い部分では裏側溝部14Bが浅く、表側溝部14Aの浅い部分では裏側溝部14Bが深くなる。
ここで、振動腕部12の厚さをtとし、振動腕部12の外形加工が終了するまで溝部14をエッチング液に浸漬した場合に、表側溝部14A及び裏側溝部14Bに形成される深い部分及び浅い部分の深さをそれぞれd1,d2とする(図2[a]参照)。このとき、t>d1+d2の関係が成り立つので、表側溝部14Aと裏側溝部14Bとは貫通しない。特に、表側溝部14A及び裏側溝部14Bの長さ方向の特に中央付近において、ウェットエッチングが抑制される。その理由及び前述のt>d1+d2の関係が成り立つ理由は、表側溝部14A及び裏側溝部14Bのエッチング深さは表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bが無ければ両端よりも中央が深くなるが、表側溝部14A内及び裏側溝部14B内のエッチング液の流れを表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bの斜め角度が妨げることにより、エッチング液により除去された成分の拡散が悪くなるので、エッチング速度が抑えられるためと考えられる。
振動素子10は、例えば次の工程によって製造される。水晶ウェハーの両面に例えばスパッタによりクロム及び金の二層からなる耐食膜を成膜する。続いて、フォトリソグラフィ及びエッチングによって耐食膜の不要な部分を除去することによって、表主面11A及び裏主面11Bのパターンからなるマスクを作成する。続いて、一回のウェットエッチングによって、振動腕部12の外形と表側溝部14A及び裏側溝部14Bとの両方を形成する。その後、図3[A]に示すように、電極181,182及び配線191,192を、振動腕部12に形成する。
また、図2[b]に示すように、表側溝部141の幅W1と表側溝部142の幅W2とは、中央部付近ではW1≒W2となる。そのため、表側溝部14A及び裏側溝部14Bの中央部付近は、表側隔壁16A及び裏側隔壁16BをY’軸方向に平行にした場合に近い状態になるので、表側溝部14Aの底面から裏側溝部14Bの底面までの厚みt1が薄くなりやすい。この場合は、図3[b]に示すように、中央部付近を幅広にした表側隔壁16A’及び裏側隔壁16B’を用いてもよい。これにより、中央部付近の幅W1,W2を狭くできるので、中央部付近の厚みt1を更に厚くでき、幅方向により均一な厚みt1で表側溝部14A及び裏側溝部14Bを形成できる。
本実施形態1の振動素子10によれば、次の効果を奏する。
(1)ウェットエッチングを抑制する構造からなる表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bをそれぞれ表側溝部14A及び裏側溝部14Bに設けることにより、溝部14におけるウェットエッチングを抑制できるので、振動腕部12の外形に比べて溝部14のエッチング速度を低下できる。したがって、振動腕部12の外形のエッチングが終了する時間で溝部14をエッチングしても、底面を介して対向する表側溝部14A及び裏側溝部14Bが貫通しないので、一回のウェットエッチングで振動腕部12の外形と溝部14との両方を形成できる。(2)エッチング抑制パターンである表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bは、図7に示す関連技術における突条861,862に比べて、例えば一桁以上大きい構造であるので、露光時の位置ズレの影響を軽減できる。例えばY’軸方向に表裏で2μmずれた場合、前述したように関連技術では表裏の突条861,863の重なる部分がほとんど無くなるのに対して、本実施形態1では表側隔壁16Aと裏側隔壁16Bとの交点が多少ずれるだけであり大きな影響はない。(3)表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bは、図7に示す突条861,862と異なり、平面的に突き出す部分がない。そのため、溝部14内に形成する電極182の面積が増加することにより、側面の電極181との電界効果が向上するので、クリスタルインピーダンスを低減できる。なお、関連技術では、溝内の電極と外形の電極とに電圧が印加されるが、突条861,862の先端に形成された電極は外形の電極から離れているため、これらの電極間の電界強度は低くなる。(4)表側隔壁16A及び裏側隔壁16BがX字形状であるため、振動素子10の長手方向の曲げ試験などでは強度が向上する。
なお、溝部14は、本実施形態1では振動腕部12の長手方向に一組設けているが、振動腕部12の長手方向に複数組設けてもよい。表側隔壁16A及び裏側隔壁16Bは、本実施形態1では一定の斜め方向(すなわち直線状)となっているが、連続的に変化する斜め方向(すなわち曲線状)としてもよいし、不連続的に変化する斜め方向(すなわち階段状)としてもよい。
図4は、実施形態2の振動素子の表主面を示す平面図である。図5は、図4の振動素子の断面を示し、図5[a]は図4におけるVa−Va線縦断面図、図5[b]は図4におけるVb−Vb線縦断面図、図5[c]は図4におけるVc−Vc線縦断面図である。図6[a]は、実施形態2の振動素子における、電極及び配線形成後の振動腕部を示す断面図である。図6[b]は、実施形態2の振動素子における、表側隔壁の他例を示す平面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態2の振動素子20は、平板形状の基部21と、基部21の側面から同一の方向に延びる、二本の平板形状の振動腕部22,23と、基部21側から振動腕部22,23の先端221,231側に沿って振動腕部22,23の長さ方向(Y’軸方向)に設けられ、振動腕部22,23の厚み方向(Z’軸方向)に窪んだ溝部24,25と、を備えている。溝部24は、振動腕部22の表主面21Aに開口する表側溝部24Aと、振動腕部22の裏主面21Bに開口する裏側溝部24Bとからなる。溝部25は、振動腕部23の表主面21Aに開口する表側溝部25Aと、振動腕部23の裏主面21Bに開口する裏側溝部(図示せず)とからなる。
表側溝部24A及び裏側溝部24Bには、それぞれ表側隔壁26A及び裏側隔壁26Bが設けられている。表側隔壁26Aは、基部21側から先端221側に沿って表側溝部24Aを二分するとともに、表側溝部24Aの長さ方向の特に中央付近におけるウェットエッチングを抑制する構造からなる。裏側隔壁26Bは、基部21側から先端221側に沿って裏側溝部24Bを二分するとともに、裏側溝部24Bの長さ方向の特に中央付近におけるウェットエッチングを抑制する構造からなる。表側溝部24Aは二分された表側溝部241,242からなる。裏側溝部24Bは二分された裏側溝部243,244からなる。表側溝部241の底面245と裏側溝部243の底面247とが、互いに対向している。表側溝部242の底面246と裏側溝部244の底面248とが、互いに対向している。同様に、表側溝部25A及び裏側溝部(図示せず)には、それぞれ表側隔壁27A及び裏側隔壁(図示せず)が設けられている。
以下、振動腕部22,23はともにほぼ同じ構造であるので、振動腕部22について説明する。
表側隔壁26Aは、ウェットエッチングを抑制する構造として、基部21側と先端221側との中間から基部21側及び先端221側に沿って、それぞれ幅22Aが狭くなる構造からなる。裏側隔壁26Bは、ウェットエッチングを抑制する構造として、基部21側と先端221側との中間から基部21側及び先端221側に沿って、それぞれ幅22Bが狭くなる構造からなる。つまり、表側隔壁26Aと裏側隔壁26Bとは、同一形状となっている。
仮に、表側隔壁26Aの幅22Aが基部21側から先端221側まで同一であったならば、表側溝部241,242は前記中間で最も深くなる。そこで、本実施形態2では、表側隔壁26Aの幅22Aを前記中間になるにつれて大きくすることにより、ウェットエッチングを抑制する構造としている。これは、表側隔壁26Aが表側溝部241,242内のエッチング液の流れを妨げることにより、エッチング液により除去された成分の拡散が悪くなるので、エッチング速度が抑えられるためと考えられる。具体的な幅22Aの寸法は、振動腕部22の外形のエッチングが終了する時間で溝部24をエッチングしても溝部24が表裏で貫通しないように、適正値に設定する。
振動素子20は、例えば次の工程によって製造される。水晶ウェハーの両面に例えばスパッタによりクロム及び金の二層からなる耐食膜を成膜する。続いて、フォトリソグラフィ及びエッチングによって耐食膜の不要な部分を除去することによって、表主面21A及び裏主面21Bのパターンからなるマスクを作成する。続いて、一回のウェットエッチングによって、振動腕部22の外形と表側溝部24A及び裏側溝部24Bとの両方を形成する。その後、図6[a]に示すように、電極281,282及び配線291,292を、振動腕部12に形成する。
表側隔壁26Aの幅22Aが狭くなる構造は、本実施形態2では連続的に幅22Aが狭くなる構造(曲線状)であるが、一定の割合で幅が狭くなる構造(直線状)、又は不連続的に幅が狭くなる構造(階段状)としてもよい。図6[b]に示す表側隔壁26A’は、その幅22Aが階段状に狭くなる例である。また、不連続でなく連続的に幅が狭くなる構造又は一定の割合で幅が狭くなる構造とした場合は、加工バラツキが小さく、製造歩留りが向上する、という利点がある。以上、表側隔壁26Aの幅22Aについて説明したが、表側隔壁27Aの幅23Aについてもこれと同様である。
本実施形態2の振動素子20によれば、次の効果を奏する。
(1)ウェットエッチングを抑制する構造からなる表側隔壁26A及び裏側隔壁26Bをそれぞれ表側溝部24A及び裏側溝部24Bに設けることにより、溝部24におけるウェットエッチングを抑制できるので、振動腕部22の外形に比べて溝部24のエッチング速度を低下できる。したがって、振動腕部22の外形のエッチングが終了する時間で溝部24をエッチングしても、底面を介して対向する表側溝部24A及び裏側溝部24Bが貫通しないので、一回のウェットエッチングで振動腕部22の外形と溝部24との両方を形成できる。(2)エッチング抑制パターンである表側隔壁26A及び裏側隔壁26Bは、図7に示す関連技術における突条861,862に比べて、例えば一桁以上大きい構造であるので、露光時の位置ズレの影響を軽減できる。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
10 振動素子
11 基部
11A 表主面
11B 裏主面
12 振動腕部
121 先端
14 溝部
14A 表側溝部
141,142 表側溝部
145,146 底面
16A,16A’ 表側隔壁
12A 斜め方向
14B 裏側溝部
143,144 裏側溝部
147,148 底面
16B,16B’ 裏側隔壁
12B 斜め方向
13 振動腕部
131 先端
15 溝部
15A 表側溝部
151,152 表側溝部
17A 表側隔壁
17B 裏側隔壁
181,182 電極
191,192 配線
20 振動素子
21 基部
21A 表主面
21B 裏主面
22 振動腕部
221 先端
24 溝部
24A 表側溝部
241,242 表側溝部
245,246 底面
26A 表側隔壁
22A 幅
24B 裏側溝部
243,244 裏側溝部
247,248 底面
26B 裏側隔壁
22B 幅
23 振動腕部
231 先端
25 溝部
25A 表側溝部
251,252 表側溝部
27A 表側隔壁
23A 幅
281,282 電極
291,292 配線
80 振動素子
81 基部
81A 表主面
81B 裏主面
82 振動腕部
84 溝部
841,842 表側溝部
845,846 底面
861,862 突条
843,844 裏側溝部
847,848 底面
863,864 突条
83 振動腕部
85 溝部
851,852 表側溝部
871,872 突条

Claims (4)

  1. 平板形状の基部と、
    この基部の側面から同一の方向に延びる、二本の平板形状の振動腕部と、
    前記基部側から前記振動腕部の先端側に沿って前記振動腕部の長さ方向に設けられ、前記振動腕部の厚み方向に窪んだ溝部と、
    を備えた音叉型屈曲水晶振動素子であって、
    前記溝部は、前記振動腕部の表主面に開口する表側溝部と、前記振動腕部の裏主面に開口する裏側溝部との、少なくとも一組からなり、
    前記表側溝部の底面と前記裏側溝部の底面とは互いに対向し、
    前記表側溝部及び前記裏側溝部には、前記基部側から前記先端側に沿って当該表側溝部及び当該裏側溝部をそれぞれ二分するとともに、当該表側溝部及び当該裏側溝部の前記長さ方向の中央付近におけるウェットエッチングを抑制する構造からなる、表側隔壁及び裏側隔壁がそれぞれ設けられた、
    ことを特徴とする音叉型屈曲水晶振動素子。
  2. 前記表側隔壁は、前記ウェットエッチングを抑制する構造としての、前記振動腕部の長さ方向に対して第一の斜め方向に前記表側溝部を二分する構造からなり、
    前記裏側隔壁は、前記ウェットエッチングを抑制する構造としての、前記振動腕部の長さ方向に対して第二の斜め方向に前記裏側溝部を二分する構造からなり、
    前記第一の斜め方向と前記第二の斜め方向とは、前記表主面から見て互いに交差する、
    請求項1記載の音叉型屈曲水晶振動素子。
  3. 前記第一の斜め方向と前記第二の斜め方向とが交差する部分における前記表側隔壁及び前記裏側隔壁の幅は、他の部分よりも広くなっている、
    請求項2記載の音叉型屈曲水晶振動素子。
  4. 前記表側隔壁及び裏側隔壁は、いずれも前記ウェットエッチングを抑制する構造としての、前記基部側と前記先端側との中間から前記基部側及び前記先端側に沿ってそれぞれ幅が狭くなる構造からなる、
    請求項1記載の音叉型屈曲水晶振動素子。
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