JP2013227882A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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智克 青山
Yoshitaka Ito
義孝 伊藤
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岳秀 下田
Hirofumi Sakamoto
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Abstract

【課題】排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を少なくすることが可能な排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】セル2を区画形成する隔壁を有するハニカム構造体10及びセル2のいずれか一方の開口部を目封止する目封止部7を備えたハニカムフィルタ20と、このハニカムフィルタ20を収納する缶体50と、を備え、エンジン排気マニホルドから排出された排ガスの温度が、ハニカムフィルタの流入端面において450℃以上となる場合に、多孔質の隔壁1を通過する排ガスの平均流速が20〜110mm/秒となるように構成されてなる排ガス浄化装置100。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化装置に関する。更に詳しくは、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を少なくすることが可能な排ガス浄化装置に関する。
内燃機関や各種の燃焼装置等から排出されるガスには、煤を主体とする粒子状物質が、多量に含まれている。この粒子状物質がそのまま大気中に放出されると、環境汚染を引き起こすおそれがある。そのため、自動車のエンジン等の排気系には、排ガス中の粒子状物質を捕集するためのフィルタを備えた排ガス浄化装置が搭載されている。そして、現在、ガソリンエンジンから排出される煤の排出個数規制導入を背景に、ガソリンエンジン用の排ガス浄化装置の開発が盛んに行われている。
上述した排ガス浄化装置における粒子状物質を捕集するためフィルタとして、例えば、ハニカムフィルタが用いられている。このハニカムフィルタは、例えば、複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体と、所定のセルの一方の端部及び残余のセルの他方の端部に配置された目封止部とを備えたもの挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。
このようなハニカムフィルタでは、ハニカム構造体の一方の端部が開口したセルに排ガスを流入させると、排ガスが隔壁を通過する際に、その排ガスに含まれる煤等の粒子状物質が隔壁に捕集される。その後、粒子状物質が除去された浄化ガスが、他方の端部が開口したセルから流出する。
特開2002−159811号公報
従来の排ガス浄化装置においては、上述したように、排ガスに含まれる煤等の粒子状物質を、ハニカム構造体の隔壁に堆積させて捕集している。この際、内燃機関等の高負荷運転時において、排ガスの温度が上昇すると、隔壁に堆積した煤が燃焼し、煤の粒子径が小さくなる。そのため、従来の排ガス浄化装置は、高負荷運転時に、排ガスの流れに乗って、上述した粒子径の小さくなった煤が隔壁を通過し、浄化ガスとともに外部に放出されてしまうという問題があった。即ち、内燃機関等の通常運転時と比較して、高負荷運転時においては、浄化ガスとともに外部に放出される煤の個数が増加してしまうという問題があった。特に、ガソリンエンジンにおいては、エンジンから排出される煤の個数が、排ガス規制の対象となるため、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を、上記高負荷運転時において低減することが可能な排ガス浄化装置の開発が要望されていた。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものである。本発明は、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を少なくすることが可能な排ガス浄化装置を提供するものである。
本発明者らは、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。上記のように高負荷運転時において煤の粒子径が小さくなった場合であっても、排ガス浄化装置を構成するフィルタの隔壁を通過するガスの平均ろ過流速がある一定条件以下であれば、上記フィルタによって、粒子径が小さくなった煤をある程度捕集することができる。従って、隔壁を通過する排ガスの平均ろ過流速を規定することにより、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を少なくすることができることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下の排ガス浄化装置が提供される。
[1] 流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁及び最外周に配置された外周壁を有する筒状のハニカム構造体、及び前記ハニカム構造体の前記流入端面における所定のセルの開口部と前記流出端面における残余のセルの開口部とに配設された目封止部を備えたハニカムフィルタと、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口、及び前記流入口から流入した排ガスを流出する流出口を有し、前記ハニカムフィルタをその内部のガス通路内に保持する筒状の缶体と、を備え、前記エンジン排気マニホルドから排出された前記排ガスの温度が、前記ハニカムフィルタの前記流入端面において450℃以上となる場合に、前記多孔質の前記隔壁を通過する前記排ガスの平均流速が20〜110mm/秒となるように構成されてなる排ガス浄化装置。
[2] 前記隔壁の厚さが、0.13〜0.48mmである前記[1]に記載の排ガス浄化装置。
[3] 前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に垂直な方向の断面におけるセルピッチが、1.36〜2.54mmである前記[1]又は[2]に記載の排ガス浄化装置。
[4] 前記隔壁の平均細孔径が、5〜30μmである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
[5] 前記隔壁に、前記排ガスに含まれる煤を酸化するための酸化触媒又は前記排ガスを浄化するための三元触媒が担持されている前記[1]〜[4]のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
[6] ガソリンエンジン排気マニホルドに接続され、前記ガソリンエンジンから排出される前記排ガスを浄化する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
本発明の排ガス浄化装置によれば、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を少なくすることができる。従来の排ガス浄化装置においては、排ガスの温度が450℃以上となる高負荷運転時において、隔壁に捕集された煤の粒子径が小さくなった場合に、粒子径が小さくなった煤がハニカムフィルタの隔壁を通り抜けて、浄化されたガスとともに多数排出されてしまうことがあった。本発明の排ガス浄化装置においては、上述したような煤の粒子径が小さくなるような温度条件において、隔壁を通過する排ガスの平均流速を20〜110mm/秒としている。そのため、粒子径が小さくなった煤を含む排ガスの流速が遅くなり、粒子径が小さくなった煤が隔壁を通過してしまうのを有効に抑制することができる。
本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、ハニカムフィルタのセルの延びる方向の中心軸を含む断面を示す。 本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態に用いられるハニカムフィルタを模式的に示す斜視図である。 図2に示すハニカムフィルタの流入端面を模式的に示す平面図である。 図2に示すハニカムフィルタのセルの延びる方向に平行な断面を示す模式図である。 図4中のAに示す領域を拡大した模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)排ガス浄化装置:
図1に示すように、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態は、ハニカムフィルタ20と、このハニカムフィルタ20を収納する筒状の缶体50と、を備えた排ガス浄化装置100である。本実施形態の排ガス浄化装置100は、エンジン排気マニホルドから排出される排ガスG1を浄化するための排ガス浄化装置である。ここで、図1は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態の構成を模式的に示す断面図であり、ハニカムフィルタのセルの延びる方向の中心軸を含む断面を示す。なお、図1において、符号G1に示す矢印が、排ガスG1の流れを示す。また、符号G2に示す矢印が、排ガスG1が隔壁1を通過した後のガスG2の流れを示す。
本実施形態の排ガス浄化装置100のハニカムフィルタ20は、筒状のハニカム構造体10、及びハニカム構造体10のセル2のいずれか一方の開口部を封止するように配置された目封止部7を備えたものである。ハニカム構造体10は、流入端面11から流出端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1及び最外周に配置された外周壁3を有するものである。目封止部7は、上述したようにハニカム構造体10の流入端面11における所定のセル2aの開口部と、流出端面12における残余のセル2bの開口部とに配置されて、それぞれのセル2(2a,2b)のいずれか一方の開口部を封止している。
また、缶体50は、本実施形態の排ガス浄化装置100における筐体(別言すれば、外装)であり、この缶体50がエンジン排気マニホルドに接続可能に構成されている。即ち、缶体50は、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口52、及び流入口52から流入した排ガス(即ち、隔壁1を通過した後のガスG2)を流出する流出口53を有している。そして、この缶体50の内部のガス通路内に、上記ハニカムフィルタ20が保持されている。本実施形態の排ガス浄化装置100により排ガスを浄化する際には、この缶体50の流入口52を、エンジン排気マニホルドの出口側に接続し、当該缶体50の流入口52から流入した排ガスを、缶体50内に保持されたハニカムフィルタ20によって浄化する。
そして、本実施形態の排ガス浄化装置100は、排ガスG1の温度が、ハニカムフィルタ20の流入端面11において450℃以上となる場合に、隔壁1を通過する排ガスG1の平均流速が20〜110mm/秒となるように構成されている。このように構成することによって、排ガス浄化装置100から排出されるガスG2に含まれる煤の個数を少なくすることができる。
従来の排ガス浄化装置においては、内燃機関から排出される排ガスを浄化する際に、以下のような問題が生じることがあった。従来の排ガス浄化装置においては、排ガスの温度が450℃以上となる高負荷運転時において、隔壁に捕集された煤の粒子径が小さくなってしまう。そして、このように煤の粒子径が小さくなった場合に、粒子径が小さくなった煤がハニカムフィルタの隔壁を通り抜けて、浄化されたガスとともに多数排出されてしまう。即ち、従来の排ガス浄化装置では、上記高負荷運転時において、排ガス浄化装置を設置したが故に、却って、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数が多くなってしまうことがあった。特に、ガソリンエンジンにおいては、エンジンから排出される煤の個数が、排ガス規制の対象となるため、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を、上記高負荷運転時において低減することが可能な排ガス浄化装置の開発が要望されていた。
本実施形態の排ガス浄化装置100においては、上述したような煤の粒子径が小さくなるような温度条件において、隔壁1を通過する排ガスG1の平均流速を20〜110mm/秒としている。そのため、粒子径が小さくなった煤を含む排ガスG1の流速が遅くなり、粒子径が小さくなった煤が隔壁1を通過してしまうのを有効に抑制することができる。その結果、缶体50の流出口53から流出するガスG2に含まれる煤の個数を、従来の排ガス浄化装置と比較して、少なくすることができる。
「隔壁1を排ガスG1が通過する」とは、多孔質の隔壁1に形成された細孔を排ガスG1が通過して、流入端面11の開口端が開口したセル2bから、流出端面12の開口端が開口したセル2aへと排ガスG1が移動することを意味する。そして、上述したように排ガスG1が隔壁1を通過する際に、排ガスG1に含まれる煤等の粒子状物質が隔壁1に捕集され、排ガスG1が浄化される。
「隔壁1を通過する排ガスG1の平均流速」は、ハニカムフィルタ20の流入端面11から流入する排ガスの流量を、ハニカムフィルタ20の有効ろ過面積で除算することによって求めることができる。以下、「隔壁1を通過する排ガスG1の平均流速」のことを、「排ガスG1の平均ろ過流速」ということがある。
「ハニカムフィルタ20の有効ろ過面積」は、目封止部7を除くハニカムフィルタ20の容積に、当該ハニカムフィルタ20の幾何学的表面積を掛算し、更に、流入端面11の開口端が開口したセル2bの個数の割合を掛算することによって求めることができる。なお、「流入端面11の開口端が開口したセル2bの個数の割合」とは、全てのセル2の個数に対する、流入端面11の開口端が開口したセル2bの個数の割合のことである。例えば、流入端面11の開口端が開口したセル2bの個数と、流出端面12の開口端が開口したセル2aの個数とが同じ場合には、上記割合は0.5である。「幾何学的表面積」とは、セルを区画形成する単位体積当たりのハニカムフィルタ20の隔壁1の表面積のことを意味する。また、「ハニカムフィルタの有効ろ過面積」とは、目封止部(排ガスが通過しない隔壁部分)を除いた、排ガスが通過し得る入口側が開口したセルを区画する隔壁の表面積の総和のことを意味する。上述したように、「有効ろ過面積」においては、目封止部が配置された隔壁の表面が、当該「有効ろ過面積」には含まれず、あくまで実質的にフィルタとして機能する隔壁の表面積を示す。
また、「ハニカムフィルタ20の流入端面11における排ガスG1の温度」とは、ハニカムフィルタ20の流入端面11の中心から、排ガスG1の流れの上流側に20mm離れた位置にて測定された排ガスG1の温度のことを意味する。
本実施形態の排ガス浄化装置において、排ガスG1の温度が450℃以上の場合における「排ガスG1の平均ろ過流速」を規定しているのは、上述したように、上記温度が450℃以上の場合に、隔壁に捕集された煤の燃焼が起こるからである。即ち、排ガスG1の温度が450℃未満の状態では、煤の燃焼が十分に起こらないため、隔壁に捕集された煤の小粒子径化は起こらない。従って、排ガスG1の温度が450℃未満の状態では、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数が極端に増加することは無く、特段に「排ガスG1の平均ろ過流速」の制御を行わなくてもよい。本実施形態の排ガス浄化装置は、排ガスG1の温度が450℃未満の場合において、「排ガスG1の平均ろ過流速」が、20〜110mm/秒となるように構成されていてもよいし、20mm/秒未満又は110mm/秒超となるように構成されていてもよい。
上記「排ガスG1の平均ろ過流速」は、より遅い方が、粒子径が小さくなった煤が隔壁を通過してしまうのを抑制することができる。但し、「排ガスG1の平均ろ過流速」が20mm/秒未満であると、一般的に、エンジンの排気量に対して、ハニカムフィルタが過大なろ過面積を要するため、現実的でない。また、「排ガスG1の平均ろ過流速」が110mm/秒を超えると、隔壁を通過する排ガスの流速が速すぎて、隔壁を通過する排ガスの流れに乗って、粒子径が小さくなった煤が隔壁を通過してしまう。「排ガスG1の平均ろ過流速」の上限値は、100mm/秒であることが好ましい。「排ガスG1の平均ろ過流速」を100mm/秒以下とすることで、例えば、ガソリンエンジンから排出される煤の排出個数規制値を十分に満足し得るものとなる。なお、想定される上記排出個数規制値としては、6×1011個/km程度である。
以下、本実施形態の排ガス浄化装置について、各構成要素毎に更に詳細に説明する。
(1−1)ハニカムフィルタ:
本実施形態の排ガス浄化装置に用いられるハニカムフィルタとしては、例えば、図2〜図5に示すようなハニカムフィルタ20を挙げることができる。ここで、図2は、本発明の排ガス浄化装置の一の実施形態に用いられるハニカムフィルタを模式的に示す斜視図である。図3は、図2に示すハニカムフィルタの流入端面を模式的に示す平面図である。図4は、図2に示すハニカムフィルタのセルの延びる方向に平行な断面を示す模式図である。図5は、図4中のAに示す領域を拡大した模式図である。
図2〜図5に示すように、ハニカムフィルタ20は、筒状のハニカム構造体10、及びこのハニカム構造体10の流入端面11における所定のセル2aの開口部と流出端面12における残余のセル2bの開口部とに配設された目封止部7を備えたものである。図5に示すように、多孔質の隔壁1には、隔壁1の一方の表面から他方の表面まで通じる細孔8が形成されており、この細孔8を排ガスが通過することにより、排ガスに含まれる煤等の粒子状物質が、隔壁1によって捕集される。
ハニカムフィルタの隔壁の厚さが、0.13〜0.48mmであることが好ましく、0.15〜0.43mmであることが更に好ましい。隔壁の厚さが、0.13mm未満であると、ハニカムフィルタの捕集性能が大幅に低下してしまうことがある。また、隔壁の厚さが、0.48mmを超えると、排ガス浄化装置の圧力損失が大きくなり、エンジンの出力低下への影響を及ぼすことがある。
ハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な方向の断面におけるセルピッチが、1.36〜2.54mmであることが好ましく、1.47〜1.80mmであることが更に好ましい。セルピッチが、1.36mm未満であると、排ガス浄化装置の圧力損失が大きくなり、エンジンの出力低下への影響を及ぼすことがある。セルピッチが、2.54mmを超えると、ハニカムフィルタのアイソスタティック強度が大幅に低下することがある。なお、「セルピッチ」とは、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な方向の断面における、一のセルを区画する隔壁の厚さと、当該隔壁の厚さ方向のセルの水力直径とを合計したピッチ長さを意味する。「セルの水力直径」とは、セルの断面積と内周長の比の4倍である。なお、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な方向の断面におけるセルの形状が六角形の場合には、上記セルピッチが1.45〜2.73mmであることが好ましく、1.57〜1.93mmであることが更に好ましい。
ハニカムフィルタの隔壁の平均細孔径は、5〜30μmが好ましく、10〜25μmが更に好ましい。平均細孔径が5μm未満であると、圧力損失が大きくなり、エンジンの出力低下への影響を及ぼすことがある。また、平均細孔径が30μmを超えると、ハニカムフィルタの捕集性能が低下することがある。平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカムフィルタの隔壁の気孔率は、35〜80%が好ましく、40〜65%が更に好ましい。気孔率が35%未満であると、圧力損失が大きくなり、エンジンの出力低下への影響を及ぼすことがある。気孔率が80%を超えると、ハニカムフィルタのアイソスタティック強度が大幅に低下することがある。平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカムフィルタを構成するハニカム構造体(即ち、隔壁及び外周壁)の材質については、上記「排ガスG1の平均ろ過流速」を実現可能な材質であれば、特に制限はない。例えば、炭化珪素、珪素−炭化珪素複合材、アルミニウムチタネート、コージェライト、ムライトからなる群から選択される少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。また、ハニカム構造体の材質は、炭化珪素、珪素−炭化珪素複合材、アルミニウムチタネート、コージェライト又はムライトを主成分とすることが更に好ましい。また、ハニカム構造体の材質は、炭化珪素、珪素−炭化珪素複合材、アルミニウムチタネート、コージェライト又はムライトであることが特に好ましい。ここで、「主成分」は、全体の中の90質量%を超える成分を意味する。
本実施形態の排ガス浄化装置において、ハニカム構造体の形状は、特に限定されない。ハニカム構造体の形状としては、円筒形状、端面が楕円形の筒形状、端面が「正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、八角形等」の多角形の筒形状、等が好ましい。図2〜図5に示すハニカム構造体10においては、ハニカム構造体10の形状は円筒形状である。外周壁は、ハニカム構造体を作製する過程において、ハニカム成形体を押出成形する際に、隔壁とともに形成されることが好ましい。また、外周壁は、セラミック材料をハニカム構造体の外周に塗工して形成したものであってもよい。
ハニカムフィルタを構成するハニカム構造体のセル形状(セルが延びる方向に直交する断面におけるセル形状)としては、特に制限はない。セル形状としては、三角形、四角形、六角形、八角形、円形、或いはこれらの組合せを挙げることができる。四角形のなかでも、正方形、長方形が好ましい。
ハニカムフィルタは、ハニカム構造体の流入端面における所定のセルの開口部と流出端面における残余のセルの開口部とに配設された目封止部を備えている。目封止部は、流入端面側の端部に目封止部が配置された所定のセルと、流出端面側の端部に目封止部が配置された残余のセルとが隔壁を隔てて交互に配置されるように、ハニカム構造体のセルの開口部に配置されたものであることが好ましい。
ハニカムフィルタの目封止部としては、従来公知のハニカムフィルタにおいて用いられる目封止部と同様に構成されたものを用いることができる。なお、目封止部は、ハニカム構造部と同様の材質のセラミック原料を用いて形成されたものであることが好ましい。
目封止部を形成するための目封止材は、ハニカム構造体と同様の材質のセラミック原料に、例えば、界面活性剤、水、焼結助剤等を混合してスラリー状にし、その後、ミキサー等を使用して混練することにより調製することができる。上述した目封止材には、必要に応じて造孔材等を添加してもよい。
また、ハニカムフィルタを構成するハニカム構造体の隔壁に、触媒が担持されていてもよい。隔壁に担持される触媒としては、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を耐熱性無機酸化物からなる担体に担持させたものを用いることができる。上記「耐熱性無機酸化物からなる担体」としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、酸化セリウム、酸化タングステン、ゼオライト、遷移金属酸化物、希土類酸化物、又はこれらの混合物等からなる担体を挙げることができる。
(1−2)缶体:
本実施形態の排ガス浄化装置は、ハニカムフィルタを収納するための缶体を備えている。缶体は、ハニカムフィルタを、その内部に保持するための胴部51を有している。図1に示す缶体50は、エンジン排気マニホルドの口径、及び浄化済みの排ガスが排出される排気系の口径(例えば、上記の排気管、マフラー等の口径)に適合するように、流入口52及び流出口53が形成されている。
缶体50の胴部51は、ハニカムフィルタ20の外周面を覆うようにして、その内部にハニカムフィルタ20を保持することができるように、胴部51の内径が、ハニカムフィルタ20のそれぞれよりも一定割合で大きく形成された筒状体であることが好ましい。
また、缶体50の胴部51と、缶体50の流入口52及び流出口53とは、流入口52から口径が漸増する拡管部と、流出口53に向けて口径が漸減する狭管部とを更に有していてもよい。なお、例えば、エンジン排気マニホルドや排気管、マフラー等の口径と、缶体50の胴部51の口径が同一の場合には、上述の拡管部や狭管部については特に有していなくてもよい。
缶体の材質としては、例えば、ステンレス製であることが好ましく、クロム系、クロム・ニッケル系のステンレス製であることが特に好ましい。
ハニカムフィルタ20を缶体50の内部に保持する方法としては、例えば、ハニカムフィルタ20の外周面の周囲をセラミック繊維製マット等の把持材33で包み、缶体50の内部に圧入する方法等を挙げることができる。この際、ハニカムフィルタ20の流入端面11が缶体50の流入口52側に位置し、ハニカムフィルタ20の流出端面12が缶体50の流出口53側に位置するようにして、ハニカムフィルタ20を缶体50の内部に保持する。上述したセラミック繊維製マット等の把持材33を用いることにより、ハニカムフィルタ20を外部からの衝撃から守るとともに、断熱することができる。また、上述の方法によってハニカムフィルタ20を缶体50の内部に配置した後、更に、ハニカムフィルタ20の一部と缶体50の内面とを溶接して固定してもよい。
ハニカムフィルタ20を缶体50の内部に保持するための把持材33としては、上述したセラミック繊維製マットを好適例として挙げることができる。このようなセラミック繊維製マットは、その入手や加工が容易であるとともに、十分な耐熱性及びクッション性を有するものである。セラミック繊維製マットとしては、バーミュキュライトを実質上含まない無膨張性マット、又は少量のバーミュキュライトを含む低膨張性マット等を挙げることができる。
なお、ハニカムフィルタの搭載位置を変更することで、排ガスG1の温度が変わり、それに伴って、排ガス流量(Actual)が変化する。このため、本実施形態の排ガス浄化装置によって、エンジン排気マニホルドから排出された排ガスの浄化を行う際には、ハニカムフィルタの隔壁を通過する排ガスの平均流速が20〜110mm/秒になるように、ハニカムフィルタの搭載位置を変更してもよい。
(2)排ガス浄化装置の製造方法:
次に本発明の排ガス浄化装置の製造方法について、図1に示すような本実施形態の排ガス浄化装置100を製造する方法を例に説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置100を製造する際には、まず、多孔質の隔壁及び外周壁を有するハニカム構造体を得、得られたハニカム構造体のセルのいずれか一方の開口部を封止して、ハニカムフィルタを作製する。
ハニカム構造体を作製する際には、まず、セラミック原料を含有する成形原料を混合し混練して坏土を得る。セラミック原料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素複合材、アルミニウムチタネート、コージェライト及びムライトからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。なお、コージェライト化原料とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック原料である。コージェライト化原料は、焼成されてコージェライトになるものである。
また、成形原料は、上記セラミック原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、界面活性剤、造孔材等を更に混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造体の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
分散媒としては、水を用いることができる。分散媒の添加量は、セラミック原料100質量部に対して、10〜30質量部であることが好ましい。
有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、又はこれらを組み合わせたものとすることが好ましい。また、有機バインダの添加量は、セラミック原料100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の添加量は、セラミック原料100質量部に対して、0.5〜2質量部が好ましい。
造孔材としては、樹脂粒子、デンプン、カーボン等を用いることができる。造孔材は、作製するハニカム構造体の隔壁に細孔を形成するためのものである。造孔材の添加量は、作製するハニカム構造体の隔壁の平均細孔径や気孔率を考慮して適宜調製することが好ましい。
成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、得られた坏土を成形して、円筒状のハニカム成形体を形成する。ハニカム成形体は、複数のセルを区画形成する隔壁を有するものである。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する押出成形用口金を用いて押出成形する方法等を好適例として挙げることができる。押出成形用口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
次に、得られたハニカム成形体を乾燥する。乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができる。なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組み合わせて行うことが好ましい。
次に、ハニカム成形体の、一方の端面における「所定のセル」の開口部に、目封止部を配設する。なお、目封止部は、ハニカム成形体を焼成した後に、焼成後のハニカム成形体に配設してもよい。具体的には、まず、ハニカム成形体の一方の端面のセルの開口部に目封止材料を充填する。一方の端面のセルの開口部に目封止材料を充填する方法としては、マスキング工程と圧入工程とを有する方法が好ましい。マスキング工程は、ハニカム成形体の一方の端面にシートを貼り付け、シートにおける、「目封止部を形成しようとするセル」と重なる位置に孔を開ける工程である。圧入工程は、「ハニカム成形体の、シートが貼り付けられた側の端部」を目封止材料が貯留された容器内に圧入して、目封止材料をハニカム成形体のセル内に圧入する工程である。目封止材料をハニカム成形体のセル内に圧入する際には、目封止材料は、シートに形成された孔を通過し、シートに形成された孔と連通するセルのみに充填される。
目封止材料は、上記成形原料として挙げた各原料を適宜混合して作製することができる。目封止材料に含有されるセラミック原料としては、隔壁の原料として用いるセラミック原料と同じであることが好ましい。所定のセルの開口部に目封止材料を充填した後、その目封止材料を乾燥させることが好ましい。
次に、ハニカム成形体の、他方の端面における「残余のセル」の開口部に、一方の端面の場合と同様にして、目封止部を配設する。これにより、目封止が施されたハニカム成形体が得られる。なお、目封止材料の乾燥は、ハニカム成形体の両端面において、目封止材料を充填した後に、行ってもよい。このようしてハニカム成形体の目封止を行う際には、ハニカム成形体の一方の端面において、目封止部が形成されたセルと目封止部が形成されていないセルとが交互に並ぶことが好ましい。この場合、目封止部が形成された一方の端面において、目封止部と「セルの開口部」とにより市松模様が形成されることになる。
次に、目封止を施したハニカム成形体を焼成する。ハニカム成形体を焼成する前には、このハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものである。仮焼の方法については特に制限はない。例えば、ハニカム成形体中の有機物の少なくとも一部を除去することができればよい。上記有機物としては、有機バインダ、界面活性剤、造孔材等を挙げることができる。有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度である。このため、仮焼は、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、10〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われるものである。焼成の条件は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1350〜1440℃が好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、3〜10時間が好ましい。仮焼、本焼成を行う装置としては、電気炉、ガス炉等を挙げることができる。
以上のようにして、本実施形態の排ガス浄化装置用のハニカムフィルタを作製することができる。本実施形態の排ガス浄化装置用のハニカムフィルタを作製する際には、排ガス浄化装置を設置する排気系の排ガス流量等を考慮して、作製するハニカムフィルタの容積、セルの数、隔壁の厚さ、隔壁の平均細孔径、隔壁の気孔率等を適宜調製することが好ましい。即ち、ハニカムフィルタの流入端面における排ガスの温度が450℃以上となる場合に、隔壁を通過する排ガスの平均流速が20〜110mm/秒となるようなハニカムフィルタを作製する。
また、得られたハニカムフィルタの隔壁には、排ガスを浄化するための触媒を担持してもよい。触媒を担持する方法については特に制限はなく、従来公知のハニカムフィルタの製造方法において行われる方法に準じて行うことができる。隔壁に担持する触媒としては、排ガスに含まれる煤を酸化するための酸化触媒又は排ガスを浄化するための三元触媒を好適例として挙げることができる。
次に、本実施形態の排ガス浄化装置用の缶体を作製する。缶体は、ステンレス等を用いて、従来公知の金属加工方法を用いて作製することができる。缶体としては、ハニカムフィルタを保持するガス通路を構成する胴部、エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口、流入口から流入した排ガスを流出する流出口を有するものであることが好ましい。
次に、缶体の内部に、ハニカムフィルタを配置する。このようにして、本実施形態の排ガス浄化装置を製造することができる。缶体の内部にハニカムフィルタを配置する際には、ハニカムフィルタの外周面の周囲を、セラミック繊維製マット等の把持材で覆った後、把持材で覆われたハニカムフィルタを缶体の内部に配置する。このとき、ハニカムフィルタが缶体内に圧縮された状態で収納されることが好ましい。このように構成することによって、缶体内でハニカムフィルタが移動することを防止することができる。
以下、本発明の排ガス浄化装置を、実施例により更に具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[ハニカムフィルタの作製]
実施例1の排ガス浄化装置に使用するハニカムフィルタを作製した。具体的には、まず、セラミック原料を含有する成形原料を用いて、ハニカム成形体を成形するための坏土を調製した。セラミック原料として、コージェライト化原料を用いた。コージェライト化原料に、分散媒、有機バインダ、分散剤、造孔材を添加して、成形用の坏土を調製した。分散媒の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、35質量部とした。有機バインダの添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、6質量部とした。造孔材の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、13質量部とした。得られたセラミック成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
コージェライト化原料として、タルク、カオリン、アルミナ、シリカを、MgOが13.5質量%、Alが36.0質量%、SiOが50.5質量%という組成になるように調合した。
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて押出成形し、ハニカム成形体を得た。次に、得られたハニカム成形体の、一方の端面における「所定のセル」の開口部に、目封止部を配設した。次に、ハニカム成形体の、他方の端面における「残余のセル」の開口部に、一方の端面の場合と同様にして、目封止部を配設した。本実施例においては、上記ハニカム成形体の一方の端面を、ハニカムフィルタの流入端面とし、上記ハニカム成形体の他方の端面を、ハニカムフィルタの流出端面とすることとした。目封止部は、ハニカム成形体のセルの開口部に目封止材料を充填することによって行った。目封止材料は、ハニカム成形体を作製するための成形原料と同じ材料をスラリー状にし、その後、ミキサーを使用して混練することにより調製した。
本実施例においてハニカム成形体の目封止を行う際には、ハニカム成形体の一方の端面において、目封止部が形成されたセルと目封止部が形成されていないセルとが交互に並ぶようにした。
次に、ハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。その後、1350〜1450℃で10時間焼成してハニカムフィルタを得た。ハニカムフィルタは、流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁及び最外周に配置された外周壁を有する筒状のハニカム構造体と、セルの開口部を目封止する目封止部とを備えたものである。
また、実施例1においては、得られたハニカムフィルタの隔壁に、触媒を担持した。触媒としては、三元触媒を用いた。触媒のコート量としては、200g/Lとした。触媒のコート量(g/L)とは、ハニカムフィルタを構成するハニカム構造体の単位体積(1L)あたりに担持される触媒の量(g)のことである。
実施例1において作製したハニカムフィルタは、セルの延びる方向の長さ(全長)が152.4mmであり、流入端面及び流出端面の外径が105.7mmの円筒状のものであった。このハニカムフィルタの容積は、1337cmであった。また、隔壁の厚さは0.30mmであった。セルの延びる方向に垂直な断面における各セルの形状は正方形であり、各セルのセルピッチは1.80mmであった。また、このハニカムフィルタの隔壁の気孔率は70%であり、隔壁の平均細孔径は30μmであった。気孔率及び平均細孔径は、マイクロメリティクス社(Micromeritics社)製の「オートポアIII 9420(商品名)」によって測定した値である。
実施例1に使用したハニカムフィルタの「外径(mm)」、「全長(mm)」及び「容積(cm)」を、表1に示す。また、このハニカムフィルタの「気孔率(%)」、「平均細孔径(μm)」、「隔壁厚さ(mm)」、「セルピッチ(mm)」を表1に示す。また、表1の「触媒の有無」の欄は、排ガス浄化装置に使用するハニカムフィルタの隔壁に、触媒が担持されているか否かを示すものである。ハニカムフィルタの隔壁に、触媒が担持されている場合には、「有り」と記す。
[排ガス浄化装置の製造]
実施例1において作製したハニカムフィルタを、排ガスが流入する流入口、及び流入口から流入した排ガスを流出する流出口を有する缶体の内部に収納して、実施例1の排ガス浄化装置を製造した。
実施例1の排ガス浄化装置を用いて、以下の方法で、煤の個数判定を行った。「煤の個数判定」の結果を表1に示す。また、この「煤の個数判定」を行った際の「排ガス流量(Actual)(m/分)」、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」、及び「隔壁の平均ろ過流速(mm/秒)」についても表1に示す。
[煤の個数判定]
2.4L直噴ガソリンエンジン車両のエンジン排気マニホルドの出口側に、排ガス浄化装置を接続して、排ガス浄化装置の流出口から排出されるガスに含まれる煤の個数を、PN測定方法によって測定した。「PN測定方法」とは、国際連合(略称UN)の欧州経済委員会(略称ECE)における自動車基準調和世界フォーラム(略称WP29)の排出ガスエネルギー専門家会議(略称GRPE)による粒子測定プログラム(略称PMP)によって提案された測定方法のことである。なお、具体的には、煤の個数判定においては、NEDC(New European Driving Cycle)モード走行後に排出された煤の個数の累計を、判定対象となる排ガス浄化装置の煤の個数とした。
「煤の個数判定」の判定基準は、以下の通りである。煤の個数が、6×1011個/km以下の場合を「○(良)」とする。煤の個数が、6×1011個/kmを超えた場合であっても、排ガス浄化装置を設置することにより、煤の個数の減少が見られた場合を、「△(可)」とする。排ガス浄化装置を設置することにより、煤の個数が増加した場合を、「×(不可)」とする。
[フィルタ入口排ガス温度(℃)]
NEDCモード中の最高車速である120km/時時点の、ハニカムフィルタの流入端面から排ガスの流れの上流側20mmの位置における、排ガスの温度を測定した。排ガスの温度を測定する際には、排ガス浄化装置の缶体の径方向の中心部を通過する排ガスの温度を測定した。排ガスの温度の測定は、直径0.5mmのK型熱電対を用いた。
[排ガス流量(Actual)(m/分)]
排ガス流量の「Actual」とは、操業状態(オペレーション状態)のことを意味する。「排ガス流量(Actual)(m/分)」は、排ガス浄化装置の缶体の流入口から流入する排ガスの流量のことである。具体的には、NEDCモード中の最高車速である120km/時時点の排ガス流量を、「エンジン吸入空気量」と上記「フィルタ入口排ガス温度(℃)」から算出した。
[隔壁の平均ろ過流速(mm/秒)]
隔壁の平均ろ過流速は、上記「排ガス流量(Actual)(m/分)」を、「ハニカムフィルタの有効ろ過面積」で除算することによって求めた。「ハニカムフィルタの有効ろ過面積」は、目封止部を除くハニカムフィルタの容積に、当該ハニカムフィルタの幾何学的表面積を掛算し、更に、流入端面の開口端が開口したセルの個数の割合を掛算することによって求めた。本実施例においては、流入端面の開口端が開口したセルの個数と、流出端面の開口端が開口したセルの個数とが同じであるため、上記「流入端面の開口端が開口したセルの個数の割合」は、0.5である。
(実施例2〜12)
ハニカムフィルタの「外径」、「全長」、「容積」、「気孔率」、「平均細孔径」、「隔壁厚さ」、「セルピッチ」を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化装置を作製した。得られた実施例2〜12の排ガス浄化装置を用いて、実施例1と同様の方法で、煤の個数判定を行った。「煤の個数判定」の結果を表1に示す。また、この「煤の個数判定」を行った際の「排ガス流量(Actual)(m/分)」、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」、及び「隔壁の平均ろ過流速(mm/秒)」についても表1に示す。なお、実施例12に関しては、排ガス浄化装置を設置する位置を、エンジンから離すことにより、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」を調節した。
(参考例1〜3)
ハニカムフィルタの「外径」、「全長」、「容積」、「気孔率」、「平均細孔径」、「隔壁厚さ」、「セルピッチ」を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化装置を作製した。得られた参考例1〜3の排ガス浄化装置を用いて、実施例1と同様の方法で、煤の個数判定を行った。「煤の個数判定」の結果を表1に示す。また、この「煤の個数判定」を行った際の「排ガス流量(Actual)(m/分)」、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」、及び「隔壁の平均ろ過流速(mm/秒)」についても表1に示す。なお、参考例1〜3に関しては、排ガス浄化装置を設置する位置を、エンジンから離すことにより、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」を調節した。参考例1〜3においては、フィルタ入口排ガス温度が440℃であるため、煤の個数判定時において、煤の燃焼による小粒子径化が生じていない。即ち、参考例1〜3の煤の個数判定は、煤の個数が増加しない状態において、排出される煤の個数を測定している。そのため、上記参考例1〜3の排ガス浄化装置については、それぞれ参考例とすることとした。
(比較例1〜6)
ハニカムフィルタの「外径」、「全長」、「容積」、「気孔率」、「平均細孔径」、「隔壁厚さ」、「セルピッチ」を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で排ガス浄化装置を作製した。得られた比較例1〜6の排ガス浄化装置を用いて、実施例1と同様の方法で、煤の個数判定を行った。「煤の個数判定」の結果を表1に示す。また、この「煤の個数判定」を行った際の「排ガス流量(Actual)(m/分)」、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」、及び「隔壁の平均ろ過流速(mm/秒)」についても表1に示す。なお、比較例1〜3に関しては、排ガス浄化装置を設置する位置を、エンジンから離すことにより、「フィルタ入口排ガス温度(℃)」を調節した。
(結果)
実施例1〜12の排ガス浄化装置は、煤の燃焼による小粒子径化が生じる温度条件において、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数を減少させることができた。一方、比較例1〜6の排ガス浄化装置は、実施例1〜12と同様の温度条件において、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数が明らかに増加するものであった。特に、比較例1〜6の排ガス浄化装置においては、排ガス浄化装置を設置したが故に、却って、排ガス浄化装置から排出されるガスに含まれる煤の個数が多くなってしまっていた。実施例1〜12の排ガス浄化装置によれば、排ガスに含まれる煤を、ハニカムフィルタの隔壁によって有効に捕集することができるとともに、煤の燃焼による小粒子径化が生じる温度条件においても、排出される煤の個数の増加を抑制することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、内燃機関から排出される排ガスの浄化に用いることができる。特に、ガソリンエンジンから排出される排ガスの浄化に好適に用いることができる。
1:隔壁、2:セル、2a:セル(所定のセル)、2b:セル(残余のセル)、3:外周壁、7:目封止部、8:細孔、10:ハニカム構造体、11:流入端面、12:流出端面、20:ハニカムフィルタ、33:把持材、50:缶体、51:胴部、52:流入口、53:流出口、100:排ガス浄化装置、G1:排ガス、G2:ガス(排ガスが隔壁を通過した後のガス)。

Claims (6)

  1. 流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁及び最外周に配置された外周壁を有する筒状のハニカム構造体、及び前記ハニカム構造体の前記流入端面における所定のセルの開口部と前記流出端面における残余のセルの開口部とに配設された目封止部を備えたハニカムフィルタと、
    エンジン排気マニホルドの出口側に接続される流入口、及び前記流入口から流入した排ガスを流出する流出口を有し、前記ハニカムフィルタをその内部のガス通路内に保持する筒状の缶体と、を備え、
    前記エンジン排気マニホルドから排出された前記排ガスの温度が、前記ハニカムフィルタの前記流入端面において450℃以上となる場合に、前記多孔質の前記隔壁を通過する前記排ガスの平均流速が20〜110mm/秒となるように構成されてなる排ガス浄化装置。
  2. 前記隔壁の厚さが、0.13〜0.48mmである請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記ハニカムフィルタの前記セルの延びる方向に垂直な方向の断面におけるセルピッチが、1.36〜2.54mmである請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記隔壁の平均細孔径が、5〜30μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記隔壁に、前記排ガスに含まれる煤を酸化するための酸化触媒又は前記排ガスを浄化するための三元触媒が担持されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  6. ガソリンエンジン排気マニホルドに接続され、前記ガソリンエンジンから排出される前記排ガスを浄化する請求項1〜5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
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