JP2013227423A - 樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有し、樹脂(A)と樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、樹脂(B)が1〜30質量%であり、樹脂(A)が連続相をなし、樹脂(B)が分散相をなし、連続相と分散相との相間に空隙を有する。連続相を構成する樹脂(A)と分散相を構成する樹脂(B)とを含む溶融混合樹脂を冷却する工程を備え、樹脂(A)の結晶化温度TA、樹脂(B)の結晶化温度TBにおいて、TB<TAであり、TA以下且つTBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する工程と、TB未満の温度まで先の降温速度よりも小さい降温速度で冷却する工程と、を備える。
【選択図】図1
Description
更に、上記非特許文献2には、特殊な高剪断成形加工機を用いて、ポリアミド11をポリフッ化ビニリデン中に微分散させることで、ポリフッ化ビニリデンの伸びを向上させる技術が開示されている。しかし、この技術では特殊な高剪断成形加工機を用いる必要あるという点において実際に利用する観点からは困難である。
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有することを要旨とする。
前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTAとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTBとした場合に、TB<TAであり、前記TA以下且つ前記TBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
第1冷却工程に引き続いて、前記TB未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを要旨とする。
前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTAとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTBとした場合に、TB<TAであり、前記TA以下且つ前記TBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
第1冷却工程に引き続いて、前記TB未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを要旨とする。
オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンである場合は、とりわけ衝撃強度が高い成形体を得ることができる。
脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂である場合は、環境負荷を抑制しつつ、衝撃強度が高い成形体を得ることができる。
オレフィン系樹脂(B)の平均分散粒径が10μm以下である場合は、特に高い衝撃強度を有する成形体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法によれば、汎用性(特に、樹脂種の選択範囲及び製造方法等における汎用性)を維持しつつ簡便に衝撃強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相とし、オレフィン系樹脂(B)を分散相とするとともに、これらの連続相と分散相との相間に空隙を有する樹脂組成物を得ることができる。
第1冷却工程の冷却を、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度TBよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にした場合は、より優れた耐衝撃性を得ることができる。
本発明の成形体の製造方法によれば、汎用性(特に、樹脂種の選択範囲及び製造方法等における汎用性)を維持しつつ簡便に衝撃強度に優れた成形体を得ることができる。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相とし、オレフィン系樹脂(B)を分散相とするとともに、これらの連続相と分散相との相間に空隙を有した樹脂組成物からなる成形体を得ることができる。
第1冷却工程の冷却を、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度TBよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にした場合は、より優れた耐衝撃性を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)とオレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、オレフィン系樹脂(B)を1質量%以上30質量%未満含有し、更に、脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、オレフィン系樹脂(B)が分散相をなし、これらの連続相と分散相との相関に空隙を有することを特徴とする。
即ち、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド12、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T等が挙げられる。これらの他のポリアミドは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。但し、他のポリアミドが含有される場合、脂肪族ポリアミド樹脂(A)全体100質量%に対して、他のポリアミドは40質量%未満である。
尚、上記脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、主鎖を構成する炭素原子のうちの半数以上(50%以上)の炭素原子が鎖状骨格を構成する。即ち、脂肪族ポリアミド樹脂(A)は、芳香族骨格を含んでもよいが、芳香族骨格を構成する炭素原子は、主鎖を構成する炭素原子のうちの半数未満(50%未満)である。
オレフィン系樹脂を構成するオレフィン(オレフィン単量体)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
従って、オレフィン系樹脂(B)としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、1−ブテン系重合体、1−ヘキセン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体等が挙げられる。これら重合体は1種のみで用いてもよく、2種以上を併用してもよい。即ち、オレフィン系樹脂は各種の重合体の混合物であっても良い。
尚、エチレン共重合体に含まれるエチレン単位(エチレンに由来する構成単位)は、全構成単位数のうち50%以上(通常99.999%以下)であればよいが、例えば、全構成単位数のうち80〜99.999%とすることができ、また90〜99.995%とすることができ、更には99.0〜99.990%とすることができる。但し、エチレン単位と下記プロピレン単位とが1:1で含まれた共重合体は、本明細書ではエチレン・プロピレン共重合体というものとする。
尚、プロピレン共重合体に含まれるプロピレン単位(プロピレンに由来する構成単位)は、全構成単位数のうち50%以上(通常99.999%以下)であればよいが、例えば、全構成単位数のうち80〜99.99%とすることができ、また90〜99.995%とすることができ、更には99.0〜99.990%とすることができる。但し、エチレン単位と下記プロピレン単位とが1:1で含まれた共重合体は、本明細書ではエチレン・プロピレン共重合体というものとする。
尚、オレフィン系重合体に含まれるオレフィン以外の単量体に由来する構成単位は、含まれるとしても全構成単位数のうち1%以下(通常0.001%以上)が好ましい。例えば、全構成単位数のうち0.001〜0.8%とすることができ、また0.005〜0.5%とすることができ、更には0.01〜0.1%とすることができる。
尚、分散平均粒径は、電子顕微鏡により1万倍に拡大した樹脂組成物の切断面において、無作為に抽出した3ヶ所の各12.78μm×8.66μmの範囲に含まれる全分散相の粒径(最大長)を実測し、これらの3ヶ所における各々平均値D1、D2及びD3を得た後、更に、これらD1〜D3の平均した値を平均分散粒径とする。
尚、ここでいう結晶化温度は、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に定められた結晶化ピーク温度(Tpc)を意味する。
尚、ここでいう成形収縮率は、JIS K7152−4(プラスチック−熱可塑性プラスチック材料の射出成形試験片−第4部:成形収縮率の求め方)に規定された成形収縮率のうち、流動方向に平行な成形収縮率(Smp)を意味する。
上記他の熱可塑性樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリブチレンサクシネートなど)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど)等が挙げられる。
上記難燃助剤としては、各種アンチモン化合物、亜鉛を含む金属化合物、ビスマスを含む金属化合物、水酸化マグネシウム、粘土質珪酸塩等が挙げられる。
上記充填剤としては、ガラス成分(ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等)、シリカ、無機繊維(ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維)、黒鉛、珪酸化合物(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー等)、金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、アルミナ等)、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の炭酸塩及び硫酸塩、有機繊維(芳香族ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維、ポリイミド繊維、植物性繊維等)
上記着色剤としては、顔料及び染料等が挙げられる。
上記樹脂組成物はどのようにして製造してもよく、その方法は特に限定されない。即ち、混練後の樹脂組成物の冷却方法に関係無く、優れた耐衝撃性を有する樹脂組成物を得ることができる。しかし、後述する製造方法を用いることで、この耐衝撃を向上させることができる。
即ち、本発明の樹脂組成物の製造方法は、連続相を構成する樹脂と、分散相を構成する樹脂と、を含む溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備えるとともに、下記第1冷却工程及び下記第2冷却工程を備えることを特徴とするものである。より具体的には、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTAとし、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTBとした場合に、TB<TAであり、上記冷却工程において、先ず第1冷却工程において、TA以下且つTBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却した後、第2冷却工程において、TB未満の温度まで第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で冷却するものである。
一方、第2冷却工程における降温速度(冷却速度)は、第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度であればよい。この降温速度は、10℃/分以下が好ましく、0.1℃/分以上10℃/分以下がより好ましく、0.5℃/分以上9℃/分以下が更に好ましく、1℃/分以上8℃/分以下が特に好ましい。
一方、第2冷却工程におけるTB未満の温度(以下、単に「温度T2」ともいう)は、T2<TBである。このT2は具体的には限定されないものの、前述のごとく、90℃≦TB≦150℃の場合には、例えば、10℃≦T2<90℃とすることができ、更には、20℃≦T2<80℃、特に30℃≦T2<70℃とすることができる。
一方、上記第2冷却工程における具体的な冷却方法も特に限定されず、10℃/分以下の降温速度を得ることができればよい。例えば、放冷、風冷などの方法が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記樹脂組成物はどのように成形してもよく、その方法は特に限定されない。即ち、金型等の内部で成形された樹脂組成物を冷却する方法に関係無く、優れた耐衝撃性を有する成形体を得ることができる。しかし、後述する成形体の製造方法を用いることで、この成形体の耐衝撃を向上させることができる。
即ち、本発明の成形体の製造方法は、連続相を構成する樹脂と、分散相を構成する樹脂と、を含む成形された溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備えるとともに、下記第1冷却工程及び下記第2冷却工程を備えることを特徴とするものである。より具体的には、脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTAとし、オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTBとした場合に、TB<TAであり、上記冷却工程において、先ず第1冷却工程において、TA以下且つTBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却した後、第2冷却工程において、TB未満の温度まで10℃/分以下の降温速度で冷却するものである。
〈1〉樹脂組成物の製造(PA11−HDPE)
連続相を形成するための脂肪族ポリアミド樹脂(A)としてPA11(ナイロン11樹脂、アルケマ株式会社製、品名「RilsanB」、融点186℃、結晶化開始温度170℃、結晶化温度166℃)を用いた。
分散相を形成するためのオレフィン系樹脂(B)としてHDPE(高密度ポリエチレン、アルドリッチ社製、製品番号「427985」、密度0.952g/cm3、融点128℃、結晶化開始温度120℃、結晶化温度115℃)を用いた。
(1)実験例1の試験片
脂肪族ポリアミド樹脂(A)であるPA11(ナイロン11樹脂、アルケマ株式会社製、品名「RilsanB」、融点186℃、結晶化開始温度170℃、結晶化温度166℃)を、金型を用いてJIS K7111−1に準拠したシャルピー衝撃試験用試験片に成形した。この成形に際しては、溶融プレスした後(水冷プレス前のPA11の温度は約200℃)、水冷プレスにて、200℃から125℃の間におけるPA11の降温速度が375℃/分であり、125℃から60℃の間におけるPA11の降温速度が約175℃/分となるように急冷した。尚、上記降温速度の測定は熱電対(データロガー)により直接溶融状態の樹脂を測定することで行った(以下同様)。
上記〈1〉で得られた7種類の樹脂組成物(PA11−HDPE混合樹脂)の各々を、上記〈3〉(1)と同様に成形した後、(1)と同様に冷却を行った。
オレフィン系樹脂(B)であるHDPE(高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アルドリッチ社製、製品番号「427985」、密度0.952g/cm3、融点128℃、結晶化開始温度120℃、結晶化温度115℃)を、上記〈3〉(1)と同様に成形した後、(1)と同様に冷却を行った。
上記〈1〉で得られたPA11:HDPEの質量割合(PA11+HDPEの合計100質量部)が90:10である実験例3の樹脂組成物(PA11−HDPE混合樹脂)を、金型を用いてJIS K7111−1に準拠したシャルピー衝撃試験用試験片に成形した。この成形に際しては、溶融プレスした後(水冷プレス前のPA11の温度は約200℃)、水冷プレスと放冷とを組み合わせて、200℃から125℃の間における樹脂組成物の降温速度が560℃/分となるように急冷した(第1冷却工程)。その後、引き続いて100℃から60℃の間における樹脂組成物の降温速度が約3.0℃/分となるように徐冷した(第2冷却工程)。この冷却方法(急冷→徐冷)を以下「冷却2」と標記する。
上記〈1〉で得られたPA11:HDPEの質量割合(PA11+HDPEの合計100質量部)が90:10である実験例3の樹脂組成物(PA11−HDPE混合樹脂)を、金型を用いてJIS K7111−1に準拠したシャルピー衝撃試験用試験片に成形した。この成形に際しては、溶融プレスした後(水冷プレス前のPA11の温度は約200℃)、水冷プレスと放冷とを組み合わせて、200℃から140℃の間における樹脂組成物の降温速度が4.2℃/分となるように徐冷した。その後、引き続いて140℃から60℃の間における樹脂組成物の降温速度が約68℃/分となるように急冷した。この冷却方法(徐冷→急冷)を以下「冷却3」と標記する。
上記〈3〉で得られた実験例1〜11の各試験片を用いて、JIS K7111−1に準拠してシャルピー衝撃試験を行った。その結果を表1に併記した。
上記〈3〉で得られた実験例3〜実験例8の各試験片の断面を電子顕微鏡により3000倍に拡大し、無作為に選択した1ヶ所の12.78μm×8.66μmの範囲に含まれる空隙を伴った分散相の有無を観察した。そして、空隙を伴った分散相が、上記範囲に含まれる全分散相(個数)のうちの60%以上である実験例に「○」を表1の「空隙の有無」の欄に示した。また、空隙を伴った分散相の割合が60%未満である実験例に「×」を表1の「空隙の有無」の欄に示した。更に、図4の一部を3万倍に拡大したデジタル画像を取得し、図3として示した。また、各図内には、連続相12とそれを構成する樹脂の種類、分散相11とそれを構成する樹脂の種類、空隙13等を符号で示した。但し、分散相11又は連続相12の判別が困難なものには、樹脂の種類のみを示した。
表1のシャルピー衝撃強度の結果のうち、実験例1〜9を用いて、PA11とHDPEとの配合比と、シャルピー衝撃強度と、の相関をグラフに表して図1に示した。
図1の結果から、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を連続相11とし、この脂肪族ポリアミド樹脂(A)内にオレフィン系樹脂(B)を分散相12として混合した樹脂組成物では、実験例2〜4の特定の範囲でのみ、実験例1(12.91kJ/m2)を大幅に超えるシャルピー衝撃強度(41.61〜52.44kJ/m2)が得られた。更に、その衝撃強度は、実験例1(PA11単独)が12.91kJ/m2であるのに対して、実験例3(PA11:HDPE=90:10)では52.44kJ/m2にも達しており、実験例1の値の4倍と極めて顕著な耐衝撃性の向上が認められた。
尚、実験例5による図6では、連続相11をPA11がなし、分散相12をHDPEがなし、その間に間隙も認められるものの、PA11の配合量が多いために分散粒径が大きくなり、結果として空隙の形成量が減ったために十分な耐衝撃性の向上が認められないものと考えられる。
尚、図4及び図5において、内部に分散相12が認められない連続相11の凹部15は、空隙13が存在したために切断時に分散相12が脱落して形成された凹部15と考えられ、切断前の状態においては、これらの凹部15はいずれも、空隙13を伴った分散相12であったと考えられる。
この冷却操作による差異は、冷却1では急冷したのに対して、冷却2では、連続相を構成する樹脂(A)の結晶化温度TAと、分散相を構成する樹脂(B)の結晶化温度TBと、間の温度125℃までは急冷して、樹脂(A)の結晶化を抑制したうえで、温度TB未満の温度60℃まで徐冷して、樹脂(B)の結晶化を促し、結晶化に伴う収縮を促進している。このため、冷却1による試験片に比べて、冷却2の試験片では空隙量が増えて耐衝撃性が向上されたと考えることができる。
Claims (8)
- 脂肪族ポリアミド樹脂(A)と、オレフィン系樹脂(B)と、を含有するとともに、該脂肪族ポリアミド樹脂(A)と該オレフィン系樹脂(B)との合計を100質量%とした場合に、該オレフィン系樹脂(B)が1質量%以上30質量%未満であり、
前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が連続相をなし、
前記オレフィン系樹脂(B)が前記連続相に分散された分散相をなし、
前記連続相と前記分散相との相間に空隙を有することを特徴とする樹脂組成物。 - 前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、炭素原子数が11であるアミド結合含有単位を主鎖に含む脂肪族ポリアミド樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系樹脂(B)が、高密度ポリエチレンである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記オレフィン系樹脂(B)は、平均分散粒径が10μm以下である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法であって、前記連続相を構成する樹脂と、前記分散相を構成する樹脂と、を含む溶融混合樹脂を冷却する冷却工程を備え、
前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTAとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTBとした場合に、TB<TAであり、前記TA以下且つ前記TBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
第1冷却工程に引き続いて、前記TB未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。 - 前記第1冷却工程の冷却を温度TBより5℃以上高い温度で停止するとともに、前記第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にする請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の樹脂組成物を用いた成形体の製造方法であって、溶融状態の請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の樹脂組成物を冷却する冷却工程を備え、
前記冷却工程は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度をTAとし、前記オレフィン系樹脂(B)の結晶化温度をTBとした場合に、TB<TAであり、前記TA以下且つ前記TBを超える温度まで40℃/分以上の降温速度で冷却する第1冷却工程と、
第1冷却工程に引き続いて、前記TB未満の温度まで、前記第1冷却工程における降温速度よりも小さい降温速度で、冷却する第2冷却工程と、を備えることを特徴とする成形体の製造方法。 - 前記第1冷却工程の冷却を温度TBよりも5℃以上高い温度で停止するとともに、前記第2冷却工程における降温速度を10℃/分以下にする請求項7に記載の成形体の製造方法。
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