JP2013226880A - 電動パワーステアリング装置の減速装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の減速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 歯付ベルトを用いた減速装置を有する電動パワーステアリング装置において、歯付プーリのフランジ部材をプーリ本体に強固に固定し、この歯付プーリからの歯付ベルトの脱落を防止し、操舵アシスト不能のおそれのない電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 電動パワーステアリング装置10の減速装置において、歯付プーリ30におけるプーリ本体31の取付孔31Hに挿入されたフランジ部材34の取付軸部34Aの挿入端34Jが、該取付孔31Hの内周に設けた係止部31Jに加締止めされてなるもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は電動パワーステアリング装置の減速装置に関する。
電動パワーステアリング装置の減速装置として、特許文献1に記載の如く、ハウジングにラック軸を直線移動可能に支持し、ハウジングに取付けた電動モータの回転軸に駆動側歯付プーリを固定し、ラック軸に設けたボールねじに噛合うボールナットに従動側歯付プーリを固定し、駆動側歯付プーリの回転力が歯付ベルトを介して従動側歯付プーリに伝えられるようにしてなるものがある。
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の減速装置では、駆動側歯付プーリと従動側歯付プーリがプーリ本体の歯部の両側に、該歯部より外径の大きなフランジ部材を固定している。歯付プーリのフランジ部材は、プーリ本体の歯部に巻き掛けられた歯付ベルトの巻き掛け位置を規制し、その脱落を防止している。
尚、プーリ本体にフランジ部材を固定した歯付プーリは、特許文献2に記載の如く、プーリ本体にフランジ部材を嵌合し、これを加締めて抜け止めしている。
特開2007-153300 特開2004-183742
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置の減速装置において、歯付プーリは特許文献2に記載の如く、プーリ本体にフランジ部材を嵌合、加締め止めしたり、又は圧入、ねじ止め、接着等で固定している。
しかしながら、歯付プーリのフランジ部材はプーリ本体に加締止め等により固定されているのみである。従って、歯付ベルトがフランジ部材に及ぼす接触力により、プーリ本体に対するフランジ部材の固定が外れてフランジ部材が抜け落ちると、歯付ベルトがこの歯付プーリから脱落するものになる。電動モータの回転力がラック軸に伝達されなくなり、電動モータによる操舵アシストが不能になる。
本発明の課題は、歯付ベルトを用いた減速装置を有する電動パワーステアリング装置において、歯付プーリのフランジ部材をプーリ本体に強固に固定し、この歯付プーリからの歯付ベルトの脱落を防止し、操舵アシスト不能のおそれのない電動パワーステアリング装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、ハウジングにラック軸を直線移動可能に支持し、ハウジングに取付けた電動モータの回転軸に駆動側歯付プーリを固定し、ラック軸に設けたボールねじに噛合うボールナットに従動側歯付プーリを固定し、駆動側歯付プーリの回転力が歯付ベルトを介して従動側歯付プーリに伝えられる電動パワーステアリング装置の減速装置において、歯付プーリがプーリ本体の一端側の歯部の一側に、該歯部より外径の大きなフランジ部材を固定してなり、フランジ部材は、プーリ本体の一端の中心軸上に穿設した取付孔に挿入されて取付けられる取付軸部と、取付軸部の一端に設けられて半径方向に張り出るフランジ部とからなり、プーリ本体の取付孔に挿入されたフランジ部材の取付軸部の挿入端が、該取付孔の内周に設けた係止部に加締止めされてなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記プーリ本体の取付孔の内周に設けられる係止部が環状溝からなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の減速装置を備えた電動パワーステアリング装置である。
(請求項1、3)
(a)歯付ベルトが巻き回された歯付プーリにおいて、プーリ本体の取付孔に挿入されたフランジ部材の取付軸部の挿入端が、該取付孔の内周に設けた係止部に加締止めされる。フランジ部材の取付軸部が、プーリ本体の取付孔に挿入されて例えば圧入等により取付けられる上に、その挿入端を該取付孔の内周の係止部に加締止めされる。従って、歯付プーリのフランジ部材がプーリ本体に強固に固定される。よって、歯付ベルトは歯付プーリに巻き掛けられた状態で、このフランジ部材に掛かって脱落を防止され、電動モータの回転力をラック軸に伝達し続ける。電動モータによる操舵アシストを不能にすることがない。
フランジ部材の取付軸部の挿入端は、プーリ本体の取付孔の内周の一部において係止部に加締止めされるものでも良く、取付工数を低減できる。
フランジ部材の取付軸部がプーリ本体の取付孔に圧入して取付けられるとき、フランジ部材をプーリ本体により強固に固定するものになる。
(請求項2)
(b)前記プーリ本体の取付孔の内周に設けられる係止部が環状溝からなるものとすることにより、フランジ部材の取付軸部の挿入端をプーリ本体の取付孔の内周の係止部により安定的に加締止めし、フランジ部材をプーリ本体により強固に固定できる。
図1は電動パワーステアリング装置の全体を示す正面図である。 図2は減速装置を示す断面図である。 図3は減速装置の要部を拡大して示す断面図である。 図4は歯付プーリの要部を拡大して示す断面図である。
電動パワーステアリング装置10は、図1に示す如く、ギヤハウジング11を分割した、第1ギヤハウジング11Aと第2ギヤハウジング11Bを有するものにし、このギヤハウジング11(第1ギヤハウジング11A)にステアリング入力軸12を支持し、入力軸12にトーションバー13を介して出力軸(不図示)を連結し、この出力軸にピニオン(不図示)を設け、このピニオンに噛合うラック軸14をギヤハウジング11に左右方向に直線移動可能に支持している。入力軸12と出力軸の間には、不図示の操舵トルクセンサを設けている。操舵トルクセンサは、ステアリングホイールに加えた操舵トルクに起因するトーションバーの弾性ねじり変形により、入力軸12と出力軸の間に生ずる相対回転変位に基づき、操舵トルクを検出する。
電動パワーステアリング装置10は、ラック軸14の両端部をギヤハウジング11(第1ギヤハウジング11A、第2ギヤハウジング11B)の両側に突出し、それらの端部にタイロッド15A、15Bを連結し、ラック軸14の直線移動に連動するタイロッド15A、15Bを介して、左右の車輪を転舵可能にする。
電動パワーステアリング装置10は、電動モータ20を有する。電動モータ20は、第1ギヤハウジング11Aに固定された軸受ハウジング21に取付けられ、電動モータ20の回転軸20Aのセレーション孔に駆動側歯付プーリ30の駆動軸32のセレーションを同軸的に結合している。
電動パワーステアリング装置10は、電動モータ20が付与する駆動側歯付プーリ30の回転力を、小径駆動側歯付プーリ30に歯付ベルト50を介して接続された大径従動側歯付プーリ40を含む動力伝達機構を介してラック軸14に伝えることにより、減速装置を構成する。
駆動側歯付プーリ30は、図2、図3に示す如く、プーリ本体31の駆動軸32が備える歯部31Aの両側に、該歯部31Aより外径の大きなフランジ部材33、34を固定して備える。両側のフランジ部材33、34は、歯部31Aに巻き掛けられた歯付ベルト50の巻掛け位置を規制し、その脱落を防止する。
駆動側歯付プーリ30は、プーリ本体31の歯部31Aの一側に延びる駆動軸32に2個のころがり軸受35、36を装填し、これらの軸受35、36を前述の軸受ハウジング21に支持している。ここで、軸受35は、外輪35Aの両端面を軸受ハウジング21の小径の軸受保持孔のモータ寄りの段差部21Jと軸受ハウジング21のその軸受保持孔に係着した止め輪35Cとに挟まれて位置規制されて固定され、内輪35Bのモータ寄りの一端面を駆動軸32に係着した止め輪35Dにより位置規制されて固定されている。軸受36は、外輪36Aの両端面を軸受ハウジング21の大径の軸受保持孔のモータ寄りの段差部21Kと軸受ハウジング21のその軸受保持孔に係着した止め輪36Cとに挟まれて位置規制されて固定されている。軸受36の内輪36Bは、プーリ本体31の歯部31Aのモータ寄りの端面との間に、フランジ部材33を挟持している。
従動側歯付プーリ40は、図2、図3に示す如く、カップ状のプーリ本体41の外周に歯部41Aを備え、プーリ本体41の中心部に中空筒状のボス42を備えている。
電動パワーステアリング装置10は、ラック軸14にボールねじ60を設け、ボールねじ60にボール61を介して噛合うボールナット62を有し、ギヤハウジング11(第1ギヤハウジング11A)に支持したころがり軸受63によりボールナット62を回転自在に支持する。ボールナット62の外周には、従動側歯付プーリ40のボス42が固定される。ここで、軸受63は、外輪63Aの両端面を第1ギヤハウジング11Aの軸受保持孔の段差部11Jと第1ギヤハウジング11Aのその軸受保持孔に螺着した軸受ナット64とに挟まれて位置規制されて固定されている。従動側歯付プーリ40のボス42と軸受63の内輪63Bは、ボールナット62の外周で、該ボールナット62の外周の一端側段差部62Jとボールナット62の外周の他端側に螺着された止めナット65との間に挟持されて固定されている。
電動パワーステアリング装置10は、電動モータ20の側の駆動側歯付プーリ30のプーリ本体31の歯部31Aと、ボールナット62の側の従動側歯付プーリ40のプーリ本体41の歯部41Aに歯付ベルト50を巻き掛け、駆動側歯付プーリ30の回転力を歯付ベルト50から従動側歯付プーリ40経由でボールナット62に伝え、ひいてはラック軸14に伝えて該ラック軸14を直線移動させる。
以下、電動パワーステアリング装置10の動作について説明する。
(1)操舵トルクセンサが検出した操舵トルクが所定値より低いとき、操舵アシスト力は不要であり、電動モータ20は駆動されない。
(2)操舵トルクセンサが検出した操舵トルクが所定値を超えるとき、操舵アシスト力を必要とするから、電動モータ20が駆動される。電動モータ20の発生トルクに基づく駆動側歯付プーリ30の回転力が、歯付ベルト50から従動側歯付プーリ40経由でボールナット62に伝えられ、ボールねじ60を介してラック軸14を直線移動させる操舵アシスト力になる。
しかるに、電動パワーステアリング装置10にあっては、駆動側歯付プーリ30のフランジ部材34をプーリ本体31に強固に固定し、この駆動側歯付プーリ30からの歯付ベルト50の脱落を防止し、操舵アシスト不能のおそれのない電動パワーステアリング装置を提供するため、以下の構成を具備する。
電動パワーステアリング装置10は、図3に示す如く、駆動側歯付プーリ30がプーリ本体31の駆動軸32と反対側に設けた歯部31Aの一側(第2ギヤハウジング11Bの内壁面寄りの側)に、前述の如く、歯部31Aより外径の大きなフランジ部材34を固定している。
フランジ部材34は、プーリ本体31の駆動軸32と反対側の端部の中心軸上に穿設した取付孔31Hに挿入されて圧入等により取付けられる取付軸部34Aと、取付軸部34Aの一端に設けられて半径方向に張り出るフランジ部34Bとからなる。フランジ部材34は例えばプレス成形品であり、取付軸部34Aは中空筒からなり、フランジ部34Bは取付軸部34Aの筒の一端から半径方向の外方に拡張された円環板(板厚b)からなる。フランジ部材34は取付軸部34Aがプーリ本体31の取付孔31Hに挿入され、フランジ部34Bがプーリ本体31の取付孔31Hの開口端面に衝接して取付けられる。
更に、駆動側歯付プーリ30にあっては、図4に示す如く、プーリ本体31の取付孔31Hに挿入されたフランジ部材34の取付軸部34Aの挿入端34Jが、取付孔31Hの内周に設けた係止部31Jに加締止めされる。即ち、本実施例では、フランジ部材34の取付軸部34Aはプーリ本体31の取付孔31Hに圧入された後に、その挿入端34Jを取付孔31Hの内周の係止部31Jに加締止めされる。
このとき、プーリ本体31の取付孔31Hに設けた係止部31Jは、取付孔31Hの内周に設けた環状溝からなる。これにより、取付軸部34Aの筒状挿入端34Jの周方向の全部又は一定間隔を介する複数部分が取付孔31H内で半径方向外方に拡開されてその環状溝(係止部31J)に加締止めされる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)歯付ベルト50が巻き回された駆動側歯付プーリ30において、プーリ本体31の取付孔31Hに挿入されたフランジ部材34の取付軸部34Aの挿入端34Jが、該取付孔31Hの内周に設けた係止部31Jに加締止めされる。フランジ部材34の取付軸部34Aが、プーリ本体31の取付孔31Hに挿入されて例えば圧入等により取付けられる上に、その挿入端34Jを該取付孔31Hの内周の係止部31Jに加締止めされる。従って、駆動側歯付プーリ30のフランジ部材34がプーリ本体31に強固に固定される。よって、歯付ベルト50は駆動側歯付プーリ30に巻き掛けられた状態で、このフランジ部材34に掛かって脱落を防止され、電動モータ20の回転力をラック軸14に伝達し続ける。電動モータ20による操舵アシストを不能にすることがない。
フランジ部材34の取付軸部34Aの挿入端34Jは、プーリ本体31の取付孔31Hの内周の一部において係止部31Jに加締止めされるものでも良く、取付工数を低減できる。
フランジ部材34の取付軸部34Aがプーリ本体31の取付孔31Hに圧入して取付けられるとき、フランジ部材34をプーリ本体31により強固に固定するものになる。
(b)前記プーリ本体31の取付孔31Hの内周に設けられる係止部31Jが環状溝からなるものとすることにより、フランジ部材34の取付軸部34Aの挿入端34Jをプーリ本体31の取付孔31Hの内周の係止部31Jにより安定的に加締止めし、フランジ部材34をプーリ本体31により強固に固定できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、従動側歯付プーリのプーリ本体の一端側に固定されるフランジ部材にあっても、このフランジ部材が、プーリ本体の一端の中心軸上に穿設した取付孔に挿入されて取付けられる取付軸部と、取付軸部の一端に設けられて半径方向に張り出るフランジ部とからなり、プーリ本体の取付孔に挿入されたフランジ部材の取付軸部の挿入端が、該取付孔の内周に設けた係止部に加締止めされてなるものでも良い。
本発明は、ハウジングにラック軸を直線移動可能に支持し、ハウジングに取付けた電動モータの回転軸に駆動側歯付プーリを固定し、ラック軸に設けたボールねじに噛合うボールナットに従動側歯付プーリを固定し、駆動側歯付プーリの回転力が歯付ベルトを介して従動側歯付プーリに伝えられる電動パワーステアリング装置の減速装置において、歯付プーリがプーリ本体の一端側の歯部の一側に、該歯部より外径の大きなフランジ部材を固定してなり、フランジ部材は、プーリ本体の一端の中心軸上に穿設した取付孔に挿入されて取付けられる取付軸部と、取付軸部の一端に設けられて半径方向に張り出るフランジ部とからなり、プーリ本体の取付孔に挿入されたフランジ部材の取付軸部の挿入端が、該取付孔の内周に設けた係止部に加締止めされる。これにより、歯付ベルトを用いた減速装置を有する電動パワーステアリング装置において、歯付プーリのフランジ部材をプーリ本体に強固に固定し、この歯付プーリからの歯付ベルトの脱落を防止し、操舵アシスト不能のおそれのない電動パワーステアリング装置を提供することができる。
10 電動パワーステアリング装置
11 ハウジング
14 ラック軸
20 電動モータ
20A 回転軸
30 駆動側歯付プーリ
31 プーリ本体
31A 歯部
31H 取付孔
31J 係止部
32 駆動軸
34 フランジ部材
34A 取付軸部
34B フランジ部
34J 係止部(環状溝)
40 従動側歯付プーリ
50 歯付ベルト

Claims (3)

  1. ハウジングにラック軸を直線移動可能に支持し、
    ハウジングに取付けた電動モータの回転軸に駆動側歯付プーリを固定し、
    ラック軸に設けたボールねじに噛合うボールナットに従動側歯付プーリを固定し、
    駆動側歯付プーリの回転力が歯付ベルトを介して従動側歯付プーリに伝えられる電動パワーステアリング装置の減速装置において、
    歯付プーリがプーリ本体の一端側の歯部の一側に、該歯部より外径の大きなフランジ部材を固定してなり、
    フランジ部材は、プーリ本体の一端の中心軸上に穿設した取付孔に挿入されて取付けられる取付軸部と、取付軸部の一端に設けられて半径方向に張り出るフランジ部とからなり、
    プーリ本体の取付孔に挿入されたフランジ部材の取付軸部の挿入端が、該取付孔の内周に設けた係止部に加締止めされてなることを特徴とする電動パワーステアリング装置の減速装置。
  2. 前記プーリ本体の取付孔の内周に設けられる係止部が環状溝からなる請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の減速装置。
  3. 請求項1又は2に記載の減速装置を備えた電動パワーステアリング装置。
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