JP2013226616A - 工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、主軸ヘッド内の主軸の軸受けに切削液が侵入するのを防止できる工作機械を提供する。
【解決手段】端面カバー50は主軸8の主軸先端面11に固定する。端面カバー50に設けたファン構成部52は複数の羽根56によってシロッコファンを構成する。複数の羽根56は主軸8の先端部の外周を囲むように設ける。端面カバー50は主軸8と共に回転する。ファン構成部52は主軸8の軸心から外方に向けて空気の流れを形成し、被加工物等に跳ね返った切削液を外方に吹き飛ばす。故に工作機械は主軸ヘッド7内の軸受け45,46に切削液が侵入するのを防止できる。
【選択図】図4

Description

本発明は主軸ヘッド内に軸受けを介して主軸を支持する工作機械に関する。
主軸ヘッドは端面に支持穴を備える。支持穴は軸受けを介して主軸を回転自在に支持する。切削液は加工中に被加工物又は工具からの跳ね返りで主軸に当たる場合がある。切削液は主軸周囲の隙間から侵入する。隙間から主軸の軸受け内に侵入した切削液は軸受け内の潤滑油を洗い流す。故に工作機械は軸受けの焼き付きを引き起こす可能性がある。
特許文献1が開示する主軸のエアカーテン装置は、主軸頭(主軸ヘッド)と主軸の隙間からエアを放射方向の外に向かって噴出し、異物が主軸頭内に入らないようにする。さらに主軸先端部は遮蔽円板を付設する。遮蔽円板は主軸頭の先端面に対して少量の隙間を以って対面する。遮蔽円板は主軸と一体回転する。遮蔽円板は複数のスリット溝を備える。スリット溝は放射方向に伸びる。被加工物で跳ね返った切削液は最初に主軸端の遮蔽円板に衝突する。切削液の運動エネルギーは弱まる。
特許文献2が開示する工作機械は、ケーシング等からなる軸保持部材(主軸ヘッド)にベアリングを介して主軸を回転可能に支持する。主軸は前端部に羽根車を組付ける。ラビリンス状の隙間は、羽根車とケーシングに組付ける押え部材及びカバー部材との間に形成する。主軸の回転駆動に伴い、羽根車は気体を圧送し隙間の入口から吐出する。
実開平7−11248号公報 特開2001−310234号公報
特許文献1に記載のエアカーテン装置は、主軸の隙間からエアを噴出する為の各種部品を工作機械に取り付けなければならないので、工作機械が大型化する可能性があった。エアを噴出する為の電力消費がかかるという問題点もあった。特許文献2に記載の工作機械はラビリンス状の隙間を主軸前端側周囲に形成する為、主軸の前端部周囲の構造が肥大化及び複雑化するという問題点があった。主軸が回転しない場合、羽根車は気体を隙間に圧送できないので、隙間から切削液が侵入する可能性があった。
本発明の目的は、簡単な構造で、主軸ヘッド内の主軸の軸受けに切削液が侵入するのを防止できる工作機械を提供することである。
本発明の請求項1に係る工作機械は、主軸ヘッドの端面に設けた支持穴に軸受けを介して回転自在に支持した主軸と、環状であって前記主軸の前記端面側を内側に挿入した状態で前記主軸ヘッドの前記端面に固定し且つ前記支持穴に配置した前記軸受けを前記端面側から押さえる押さえ部材とを備え、前記主軸の前記端面側に工具を装着する工作機械であって、前記主軸の前記端面側の外周を囲むように設け、前記主軸と共に回転して前記主軸の軸心から外方に向けて空気の流れを形成する複数の羽根を有するファンと、前記ファンよりも前記軸受け側に位置し、前記押さえ部材の内周面と前記主軸の外周面で形成する空間部と、前記空間部に面する前記ファン又は前記主軸に設け且つ前記端面側から前記軸受け側への流体の流通を阻止するシール部とを備え、前記シール部は、前記押さえ部材に接離可能であって、前記主軸の停止状態では前記押さえ部材に接触し、前記主軸の回転状態では前記主軸の回転によって生じる遠心力により前記軸心から離れる方向に移動して前記押さえ部材から離間する接触部を備える。
請求項1に記載の工作機械によれば、主軸が回転すると、ファンは主軸の中心から外方に向けて空気の流れを形成する。切削液は主軸に接近することができない。故に主軸内部の軸受けに対する切削液の侵入を防止できる。空気の流れを形成する為の装置は不要であるので工作機械の小型化、電力消費の節約、及び費用削減が可能である。主軸の停止状態ではファンは空気の流れを形成しないが、空間部においてシール部の接触部が押さえ部材に接触するので切削液が侵入するのを防止できる。主軸の回転状態では、主軸の回転によって生じる遠心力により接触部が主軸の軸心から離れる方向に移動し、押さえ部材から離間する。故に主軸は接触部と押さえ部材との摩擦の影響を受けることなく回転できる。
請求項2に係る発明の工作機械は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記ファンは、各羽根の外周側端部が前記主軸の回転中心と内周側端部を結ぶ直線の延長線に対して前記主軸の回転方向側に位置する多翼ファンであることを特徴とする。ファンは多翼ファンであるので、主軸と共に回転することによって、主軸の軸心から外方に向けて空気の流れを形成できる。
請求項3に係る発明の工作機械は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記シール部は、前記主軸又は前記ファンに固定する固定部と、前記固定部に設け前記接触部を前記押さえ部材に向けて支持する首部とを備え、前記首部は可撓性を有する材質で形成したことを特徴とする。首部は可撓性を有する材質で形成してあるので、主軸の回転による遠心力と接触部の重さによって首部を外方に倒すことができる。故に接触部は外方に移動して押さえ部材から離間できる。
請求項4に係る発明の工作機械は、請求項1から3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記接触部の前記押さえ部材に接触する部分は円弧状であることを特徴とする。故に接触部と押さえ部材とは断面で見た場合に点接触であるので、接触部と押さえ部材とのシールを確保しつつ主軸の回転始めにおいて両部品に生じる摩擦を軽減できる。
請求項5に係る発明の工作機械は、請求項3又は4に記載の発明の構成に加え、前記接触部の断面は円形状であって、前記首部の断面の幅は前記接触部の直径よりも短いことを特徴とする。故に主軸の回転による遠心力と接触部の重さによって、首部を容易に外方に倒すことができる。
請求項6に係る発明の工作機械は、請求項1から5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記接触部は前記主軸の前記軸線方向から見た形状が環状であって、径方向に切断した切断部を備える。環状である接触部は切断部において分断してあるので、接触部は外方に容易に移動できる。
請求項7に係る発明の工作機械は、請求項1から6の何れかに記載の発明の構成に加え、前記接触部は弾性を有する材質で形成したことを特徴とする。故に接触部は押さえ部材に密着できる。故に接触部と押さえ部材とのシール性は向上する。
請求項8に係る発明の工作機械は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記接触部は金属部材を包含したことを特徴とする。接触部は金属部材を包含するので、主軸の回転による遠心力を受け易い。故に首部は容易に外方に倒れることができるので、接触部は押さえ部材から容易に離間できる。
請求項9に係る発明の工作機械は、請求項1から8の何れかに記載の発明の構成に加え、前記複数の羽根は、前記主軸の前記先端部に取り付けるカバー部材に設ける。カバー部材を主軸の先端部に取り付けることによってファンを主軸の先端部に形成できる。
工作機械1の斜視図。 主軸ヘッド7の正面図。 主軸ヘッド7を下方から見上げた斜視図。 主軸ヘッド7先端側の断面図。 主軸ヘッド7を下方から見た図。 端面カバー50の斜視図。 端面カバー50の底面図。 図4に示す二点鎖線W1の拡大図。 シール部80周囲の断面図。 シール部80の平面図。 金属リング85の平面図。 第一変形例の図4に対応する図。 図12に示す二点鎖線W2の拡大図。 シール部180周囲の断面図。 シール部180の平面図。
以下、本発明の一実施形態の工作機械1について、図面を参照して説明する。図1の左斜め下方、右斜め上方、右斜め下方、左斜め上方は、夫々、工作機械1の前方、後方、右方、左方である。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向を、夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向とする。
図1,図2を参照して、工作機械1の構造について説明する。工作機械1は、基台部2、コラム5、運搬体12、X軸移動機構(図示略)、Y軸移動機構(図示略)、Z軸移動機構(図示略)、カバー部材70、主軸ヘッド7、主軸8、テーブル装置60、工具交換装置(図示略)、工具洗浄装置(図示略)等を備える。
基台部2はY軸方向に長い矩形箱状の鉄製部材である。基台部2は下部四隅に脚3を夫々備える。基台部2は上面後部側に台座部4を備える。台座部4は例えば略直方体状である。台座部4は後述する運搬体12を介してコラム5を支持する。
X軸移動機構は台座部4上面に設ける。X軸移動機構は運搬体12をX軸方向に移動する。運搬体12は上面が開口する筐体である。X軸移動機構は一対のX軸レール、X軸ボールネジ、及びX軸モータ等を備える。X軸レール、X軸ボールネジはX軸方向に延設する。運搬体12はX軸レールに沿って移動可能である。運搬体12は底部にナット(図示略)を備える。ナットはX軸ボールネジに螺合する。X軸モータがX軸ボールネジを回転すると、運搬体12はナットと共にX軸方向に移動する。
Y軸移動機構は運搬体12内に設ける。Y軸移動機構はコラム5をY軸方向に移動する。Y軸移動機構は一対のY軸レール、Y軸ボールネジ、及びY軸モータ(図示略)等を備える。Y軸レール及びY軸ボールネジはY軸方向に延設する。コラム5はY軸レールに沿って移動可能である。コラム5は下面にナット(図示略)を備える。ナットはY軸ボールネジに螺合する。Y軸モータがY軸ボールネジを回転すると、コラム5はナットと共にY軸方向に移動する。コラム5は運搬体12を介してX軸方向に移動する。即ちコラム5はY軸移動機構、X軸移動機構、及び運搬体12によって、X軸方向及びY軸方向に移動可能である。
Z軸移動機構はコラム5前面に設ける。Z軸移動機構は主軸ヘッド7をZ軸方向に移動する。Z軸移動機構は一対のZ軸レール14,15、Z軸ボールネジ13、Z軸モータ65等を備える。Z軸レール14,15、Z軸ボールネジ13はZ軸方向に延設する。Z軸ボールネジ13はZ軸レール14,15の間に配置する。主軸ヘッド7はZ軸レール14,15に沿って移動可能である。主軸ヘッド7は後述するヘッド支持部72の背面にナット(図示略)を備える。ナットはZ軸ボールネジ13に螺合する。Z軸モータ65はZ軸ボールネジ13の上端部の軸受け13Aに固定する。Z軸モータ65はZ軸ボールネジ13を回転すると、主軸ヘッド7はZ軸方向に移動する。
コラム5は略長方形状の金属製柱部材である。コラム5は前面にZ軸シャッタ6を備える。Z軸シャッタ6は主軸ヘッド7の上下動に従い伸縮する。Z軸シャッタ6はZ軸移動機構内に切粉及び切削液が侵入するのを防止する。
カバー部材70は運搬体12の露出する上面を覆う。カバー部材70の基端部(後端部)はコラム5下部の前端部に取り付ける。カバー部材70の前端部は運搬体12の前側に垂れ下がっている。運搬体12のX軸方向両端部はカバー部材70の下面を夫々支持する。カバー部材70はコラム5と共にY軸方向に移動する。故にカバー部材70はコラム5前方の運搬体12上面を常時覆うことができる。
テーブル装置60は基台部2上面前部側に設ける。テーブル装置60は上部に回転テーブル61を備える。回転テーブル61は水平方向に360°回転可能である。回転テーブル61は上面に治具等を用いて被加工物を支持する。工具交換装置は例えば工具マガジン(図示略)を備える。工具マガジンは多数の工具を格納する。工具交換装置は工作機械1の操作によって主軸8に装着する工具Tを、工具マガジン内の他の工具Tと自動的に交換する。工具洗浄装置は、例えば工具交換装置による工具交換の際に、主軸8の先端部に設けた後述するシャワーフランジ40(図3参照)から切削液を噴出することで、工具Tの装着部(図示略)に付着する切粉を洗い落とすことができる。
図1〜図4を参照して、主軸ヘッド7の構造について説明する。主軸ヘッド7は金属製のハウジング71及びヘッド支持部72を備える。ハウジング71はZ軸方向に軸線を有する略円筒状(図3参照)である。ヘッド支持部72は空洞で且つ略三角柱状である。ヘッド支持部72はハウジング71をコラム5前方に支持する。
図4の如く、ハウジング71は内側に支持穴75を備える。支持穴75はハウジング71の軸線方向に沿って延設する。主軸8は支持穴75内に配置する。支持穴75は軸線方向先端側(下端側)の内周面に軸受け45,46を備える。軸受け45,46は軸線方向に対して平行に配置する。支持穴75内において、軸受け45,46は主軸8を回転可能に支持する。
ハウジング71は主軸モータ66、ヘッド端面17、軸受け押さえ30、及びシャワーフランジ40を備える。主軸モータ66はハウジング71の上部に設ける。主軸モータ66は主軸8を回転する。ヘッド端面17はハウジング71の下方端面である。ヘッド端面17の軸線方向側から見た形状は環状である。軸受け押さえ30は円筒状且つ内側に挿入穴31を備える。軸受け押さえ30は、挿入穴31に主軸8の先端側を挿入した状態で、ヘッド端面17に複数の螺子92(図3参照)で固定する。主軸8の先端側は挿入穴31から下方に突出する。軸受け押さえ30はカラー48を介して軸受け45,46をヘッド端面17側から支持穴75に対して押さえる。
カラー48は環状であり、材質は金属である。カラー48は軸受け45、46の与圧を調整するために用いる。
シャワーフランジ40は軸受け押さえ30の下端面32に設ける。シャワーフランジ40は環状であって主軸8先端部周囲に環状の噴出口41を形成する。工具洗浄装置は噴出口41から切削液を噴出し、工具Tの装着部に付着した切粉を洗い落とす。
図4,図5を参照して、主軸8の構造について説明する。図4の如く、主軸8はハウジング71の支持穴75に軸受け45,46を介して回転自在に設ける。主軸8は、主軸先端面11、テーパ穴21、係止爪23,24、及び端面カバー50等を備える。図5の如く、主軸先端面11の軸線方向先端側から見た形状は環状である。テーパ穴21は主軸先端面11の中心に設けてある。テーパ穴21はテーパ状の内周面を備える。工具Tの装着部は円錐状であるので、テーパ穴21の内周面に密着して嵌まる。図4,図5の如く、係止爪23,24は主軸先端面11においてテーパ穴21を両側から挟み込む位置に夫々設ける。係止爪23,24は矩形状であって下方に夫々突出する。工具Tの装着部は矩形状の一対の溝部(図示略)を備える。工具Tの装着部をテーパ穴21に装着する際に、係止爪23,24は一対の溝部に係合する。故に工具Tの周方向の位置は決まる。
端面カバー50は主軸先端面11に複数の螺子91で固定する。端面カバー50は環状である。端面カバー50は主軸8の先端部を覆う。主軸8の係止爪23,24は端面カバー50の後述する挿入穴53の内側から下方に突出する。端面カバー50は主軸8と共に回転する。端面カバー50は下面に後述するファン構成部52を備える。ファン構成部52は、主軸8と共に高速で回転することで、主軸8の軸心から外方に向けて空気を吹き出すことができる。故に端面カバー50は工作機械1の加工中に、被加工物又は工具Tから主軸8の先端部に向けて跳ね返った切削液の飛沫を、外方に吹き飛ばすことができる。
図6,図7を参照して、端面カバー50の構造について説明する。端面カバー50は本体部51とファン構成部52を備える。本体部51は筒状である。本体部51は挿入穴53及び4つの固定穴54を備える。挿入穴53は本体部51の中央に設ける。端面カバー50は挿入穴53に主軸8の先端側を挿入した状態で、主軸先端面11に固定する(図4,図5参照)。4つの固定穴54は挿入穴53の外周に沿って等間隔で設ける。固定穴54は螺子91(図4参照)で端面カバー50を主軸先端面11に固定する為の螺子穴である。
ファン構成部52は羽根支持部55と複数の羽根56を備える。羽根支持部55は環状で且つ本体部51の一端面58の外周に沿って設ける。複数の羽根56は羽根支持部55の支持面上に周方向に等間隔で各々立設する。図7の如く、各羽根56の外周側端部は、主軸8の回転中心Pと内周側端部を結ぶ仮想直線の延長線L上よりも主軸8の回転方向(図7中R)側に位置する。故にファン構成部52は複数の羽根56によってシロッコファン(多翼ファン)を構成できる。
端面カバー50が主軸8と共に高速で回転すると、ファン構成部52は主軸8の軸心から外方に向けて空気を吹き出すことができる。故に工作機械1は、例えば被加工物の加工中に、被加工物又は工具Tから主軸8の先端部に向けて跳ね返った切削液の飛沫を外方に吹き飛ばすことができる。なお主軸8は反対方向に回転する場合がある。例えばタップの場合、往きと戻りで主軸8の回転は反転する。ファン構成部52はシロッコファンであるので、主軸8の回転方向に関係なく、主軸8の軸心から外方に向けて空気を吹き出すことができる。
本実施形態は、端面カバー50を主軸8の主軸先端面11に固定するだけで、主軸8の先端部にシロッコファンを簡単に設けることができる。ファン構成部52の羽根56が折損した場合、作業者は新しい端面カバー50を付け替えればよい。故に保守点検等の作業性も向上する。
図8を参照して、微小隙間19のシール構造について説明する。微小隙間19は主軸8外周面と軸受け押さえ30の挿入穴31内周面との間に生じる微小な隙間である。微小隙間19は主軸8の軸線方向に沿って生じ、主軸ヘッド7の支持穴75に連通する。工作機械1は、微小隙間19を介して切削液が支持穴75に侵入するのを防止する必要がある。
主軸8は先端側外周面に拡径部22を備える。拡径部22は径方向外側に拡径している。拡径部22は上端に支持面22Aを備える。支持面22Aは環状である。軸受け押さえ30は挿入穴31の軸線方向後端側(上端側)の内周面に突出部35を備える。突出部35は径方向内側に突出している。突出部35は下端に接触面35Aを備える。接触面35Aは支持面22Aに対して空間部26を隔てて対向する。空間部26は微小隙間19の延設方向の略中間部に介在する。空間部26はシール部80を備える。シール部80は主軸8の回転状態に応じて空間部26をシールする。
図8〜図11を参照して、シール部80の構造について説明する。シール部80は主軸8の拡径部22の支持面22Aに沿って設ける。シール部80は環状(図10参照)である。図9の如く、シール部80は、固定部81、首部82、接触部83を備える。固定部81は環状であり断面は略長方形状である。固定部81の材質は限定しないが本実施例では弾性を有する材質(例えば樹脂又はゴム等)である。固定部81は主軸8の拡径部22の支持面22Aに設けた溝部に固定する。
首部82は固定部81上面に設ける。首部82は固定部81幅方向中央部から上方に向けて幅が細くなる略三角形状の断面を備える。首部82の断面の幅は後述する接触部83の直径よりも短い。首部82は弾性を有する材質(例えば樹脂又はゴム等)であるが、少なくとも可撓性を有する材質であればよく、例えば金属でもよい。接触部83は平面視環状であり断面は円形状である。接触部83の断面形状は円でなくてもよいが、上部は円弧状であるのが好ましい。接触部83は弾性を有する材質(樹脂又はゴム等)である。接触部83は環状の金属リング85を包含する。金属リング85の材質は、例えば鉄、ステンレス、銅等が利用可能である。
図11の如く、金属リング85は環状であり4つの切断部86を備える。4つの切断部86は周方向に等間隔で配置し金属リング85を4つの部品に分断する。接触部83は4つの部品に分断した金属リング85を包含する。故に接触部83は金属リング85の各切断部86において伸長可能である。故に接触部83は径方向に伸長可能である。なお接触部83は金属リング85の各切断部86において分断してもよい。
図9を参照して、主軸8の状態によって異なるシール部80の形状について説明する。シール部80は主軸8の状態に応じて形状を変えることができる。主軸8の停止状態では、首部82は接触部83を上方に支持する。故に接触部83は軸受け押さえ30の突出部35の接触面35Aに接触する。上述の通り、接触部83は球状且つ弾性を有する樹脂で形成する。接触部83は接触面35Aに密着する。故に主軸8の停止状態では、シール部80は微小隙間19を空間部26において閉塞する。
工作機械1は被加工物を加工する為に主軸8の回転を開始する。主軸8の拡径部22に固定したシール部80は、主軸8の回転に伴う遠心力の影響を徐々に受ける。上述の通り、首部82は樹脂であり断面の幅は接触部83の直径よりも小さい。さらに接触部83は金属リング85を包含するので主軸8の遠心力の影響を受けやすい。故に首部82は接触部83を上方に向けて支持することが困難になる。接触部83は遠心力の方向に徐々に倒れる。主軸8が高回転に達したときは、接触部83は遠心力の方向に完全に倒れて接触面35Aから完全に離れ、接触部83と接触面53Aの接触による摩擦は無くなる。故に工作機械1はシール部80による摩擦の影響を受けることなく、主軸8を高速で回転できる。
主軸8と共に、端面カバー50は高速で回転する。端面カバー50のファン構成部52は主軸8の軸心から外方に向けて空気を吹き出す。故に端面カバー50は主軸8の先端部に向かって飛散する切削液の飛沫を外方に吹き飛ばすことができる。故に工作機械1は、主軸8が高速で回転している間は、被加工物又は工具Tに当たって跳ね返った切削液の飛沫が主軸8の先端部に付着するのを防止できる。またファン構成部52は内側の空気を外方に向けて吹き出すので、既に主軸8の先端部に付着してしまった切削液も外方に吹き飛ばすことができる。
工作機械1は加工を終了する為に、例えば主軸8の回転数を徐々に落とす。主軸8の回転数の低下と共に、端面カバー50の回転数も低下する。端面カバー50のファン構成部52から吹き出す空気の勢いは徐々に弱まる。シール部80では、主軸8の回転に伴う遠心力は徐々に弱まるので、首部82の弾性復帰力が主軸8の遠心力よりも優勢となり、外方に倒れ込んでいた接触部83は徐々に立ち直る。主軸8が低回転になったときには、接触部83は軸受け押さえ30の突出部35の接触面35Aに密着する。主軸8は停止し加工が終了する。
従って、工作機械1は、主軸8が高速で回転する間は、端面カバー50のファン構成部52から吹き出す空気によって、主軸8の先端部に切削液が付着するのを防止する。主軸8が低回転になったときは、ファン構成部52から吹き出す空気の勢いは弱まるので、シール部80によって空間部26を閉塞することで、主軸ヘッド7の支持穴75内に切削液が侵入するのを防止する。故に工作機械1は、主軸8の状態に関係なく、常に主軸ヘッド7の支持穴75内の軸受け45,46に切削液が侵入するのを防止できる。
以上説明したように、本実施形態の工作機械1は、主軸ヘッド7、主軸8、軸受け押さえ30、端面カバー50、シール部80を備える。主軸ヘッド7は支持穴75に軸受け45,46を介して主軸8を回転可能に支持する。軸受け押さえ30は主軸8の先端側を内側に挿入した状態で主軸ヘッド7のヘッド端面17に固定する。軸受け押さえ30は支持穴75に配置した軸受け45,46をヘッド端面17側から押さえる。端面カバー50は主軸8の主軸先端面11に固定する。端面カバー50はファン構成部52を備える。ファン構成部52は複数の羽根56によってシロッコファンを構成する。複数の羽根56は主軸8の先端部の外周を囲むように設ける。端面カバー50が主軸8と共に高速で回転することで、ファン構成部52は主軸8の軸心から外方に向けて空気の流れを形成する。ファン構成部52は被加工物又は工具Tに当たって跳ね返った切削液を外方に吹き飛ばすことができる。工作機械1による加工中、切削液は主軸8周囲の隙間に侵入できないので、主軸ヘッド7の支持穴75内の軸受け45,46に侵入するのを防止できる。
工作機械1は、主軸8の回転を利用して端面カバー50を高速で回転することで、切削液を吹き飛ばす空気の流れを形成するので、例えば空気を送出する為のポンプ等は不要である。故に電力消費の節約及び部品等の費用削減が可能である。端面カバー50から吹き出す空気は主軸8周囲の空気であり、機械で送出する空気ではないので、衛生環境的にも優れている。また工作機械1は主軸8内部から空気を外方に向かって噴出する構造を持たないので、主軸8先端部に空気を供給する為の供給路を設ける必要がない。故に主軸8先端部は肥大化しない。
さらに工作機械1は空間部26を備える。空間部26は、端面カバー50よりも軸受け45,46側に設け、軸受け押さえ30の内周面と主軸8の外周面とで形成する。空間部26はシール部80を備える。シール部80は主軸8の外周面に設ける。シール部80の接触部83は軸受け押さえ30に接離可能である。主軸8が停止状態の場合、接触部83は軸受け押さえ30に接触する。シール部80は空間部26をシールする。主軸8が回転状態の場合、主軸8の回転によって生じる遠心力により、接触部83は軸心から離れる方向に移動して軸受け押さえ30から離間する。故に主軸8は接触部83と軸受け押さえ30との摩擦の影響を受けることなく高速で回転できる。
また本実施形態では特に、シール部80を配置する空間部26を、主軸8の外周面と、軸受け押さえ30の内周面とによって形成する。主軸8の外周面と軸受け押さえ30の内周面とは、主軸8の軸線方向において離間して対向する。シール部80は主軸8の内周面に固定し、接触部83を軸受け押さえ30の内周面に接触する。故に主軸8が回転した場合による遠心力の影響により、接触部83は空間部26内において外方に倒れ、且つ軸受け押さえ30の内周面から離れることができる。
なお本発明は上記実施形態に限らず様々な変形が可能である。上記実施形態は、端面カバー50にファン構成部52を設け、該端面カバー50を主軸8先端部に固定することで、主軸8先端部にシロッコファンを構成しているが、例えば主軸8の先端部に直接複数の羽根を設けてもよい。
また上記実施形態は、コラム5がX軸方向とY軸方向の双方に移動できるものであるが、例えばコラムを固定し、テーブル装置を移動できるものでもよい。主軸に装着する工具と、テーブルに支持する被加工物との相対移動ができれば、コラム、テーブルの何れが移動できるものでもよい。
また上記実施形態は、シール部80を主軸8の拡径部22の支持面22Aに固定しているが、主軸8と共に回転する場所であればどこでもよく、例えば端面カバーに固定してもよい。後述する第一変形例にて具体的に説明する。
また上記実施形態では、シール部80の接触部83は樹脂で形成し且つ金属リング85を包含する構成であるが、例えば接触部全体を金属で構成してもよい。後述する第二変形例にて具体的に説明する。
図12,図13を参照して、第一変形例について説明する。第一変形例はシール部80を端面カバー150に固定する。端面カバー150以外の形態は上記実施形態と略同一である。第一変形例は上記実施形態と共通する部分は上記実施形態と同じ符号を付して説明する。
端面カバー150は、図6に示す端面カバー50の形状を基礎とし、本体部51の代わりに本体部151を備える。本体部151は後方突起部157を備える。後方突起部157はファン構成部52を形成する一端面とは反対側の面の外周に沿って設ける。後方突起部157は環状であり後方に突出する。後方突起部157の後端面である支持面157Aは、軸受け押さえ30の接触面35Aに対して空間部126を隔てて対向する。シール部80の固定部81は、後方突起部157の支持面157Aに固定する。接触部83は軸受け押さえ30の突出部35の接触面35Aに接触する。
シール部80は端面カバー150の後方突起部157に固定しているので、主軸8及び端面カバー150と共に回転する。故にシール部80は上記実施形態と同様に、主軸8の回転に伴う遠心力の影響を受けることができる。接触部83は例えば図9と同様に遠心力の方向に倒れる。主軸8が高回転に達したときは、接触部83は遠心力の方向に完全に倒れて接触面35Aから完全に離れる。故に第一変形例でも上記実施形態と同じ効果を得ることができる。
図14,図15を参照して、第二変形例について説明する。第二変形例はシール部180を備える。シール部180は固定部81、首部82、及び接触部183を備える。固定部81及び首部82は上記実施形態と同じである。接触部183は上記実施形態の接触部83と形状は同じであるが金属で形成する。接触部183の材質は、例えば鉄、ステンレス、銅等が利用可能である。
さらに図15の如く、接触部183は周方向に等間隔で4つの切断部186を備える。故に接触部183は、主軸8の回転に伴う遠心力によって、4つの切断部186で分断した各部分毎に外方に倒れることができる。接触部183は金属で形成するので、主軸8の遠心力の影響を上記実施形態よりも受けやすい。故に第二変形例でも上記実施形態と同じ効果を得ることができる。
1 工作機械
7 主軸ヘッド
8 主軸
11 主軸先端面
17 ヘッド端面
26 空間部
31 挿入穴
35A 接触面
45,46 軸受け
50 端面カバー
53 挿入穴
53A 接触面
56 羽根
75 支持穴
80 シール部
81 固定部
82 首部
83 接触部
85 金属リング
86 切断部
126 空間部
150 端面カバー
180 シール部
183 接触部
186 切断部

Claims (9)

  1. 主軸ヘッドの端面に設けた支持穴に軸受けを介して回転自在に支持した主軸と、環状であって前記主軸の前記端面側を内側に挿入した状態で前記主軸ヘッドの前記端面に固定し且つ前記支持穴に配置した前記軸受けを前記端面側から押さえる押さえ部材とを備え、前記主軸の前記端面側に工具を装着する工作機械であって、
    前記主軸の前記端面側の外周を囲むように設け、前記主軸と共に回転して前記主軸の軸心から外方に向けて空気の流れを形成する複数の羽根を有するファンと、
    前記ファンよりも前記軸受け側に位置し、前記押さえ部材の内周面と前記主軸の外周面で形成する空間部と、
    前記空間部に面する前記ファン又は前記主軸に設け且つ前記端面側から前記軸受け側への流体の流通を阻止するシール部と
    を備え、
    前記シール部は、
    前記押さえ部材に接離可能であって、前記主軸の停止状態では前記押さえ部材に接触し、前記主軸の回転状態では前記主軸の回転によって生じる遠心力により前記軸心から離れる方向に移動して前記押さえ部材から離間する接触部を備えたことを特徴とする工作機械。
  2. 前記ファンは、各羽根の外周側端部が前記主軸の回転中心と内周側端部を結ぶ直線の延長線に対して前記主軸の回転方向側に位置する多翼ファンであることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記シール部は、
    前記主軸又は前記ファンに固定する固定部と、
    前記固定部に設け前記接触部を前記押さえ部材に向けて支持する首部と
    を備え、
    前記首部は可撓性を有する材質で形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
  4. 前記接触部の前記押さえ部材に接触する部分は円弧状であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の工作機械。
  5. 前記接触部の断面は円形状であって、
    前記首部の断面の幅は前記接触部の直径よりも短いことを特徴とする請求項3又は4に記載の工作機械。
  6. 前記接触部は前記主軸の前記軸線方向から見た形状が環状であって、径方向に切断した切断部を備えたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の工作機械。
  7. 前記接触部は弾性を有する材質で形成したことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の工作機械。
  8. 前記接触部は金属部材を包含したことを特徴とする請求項7に記載の工作機械。
  9. 前記複数の羽根は、前記主軸の前記先端部に取り付けるカバー部材に設けたことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の工作機械。
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