JP2013223846A - 被処理水の評価方法、膜処理装置およびその運転方法 - Google Patents

被処理水の評価方法、膜処理装置およびその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水道原水等の被処理水に含まれる膜閉塞物質を正確かつ簡単に、そして迅速に測定して被処理水を評価する方法の提供。
【解決手段】分離膜を用いて処理する被処理水の評価方法であって、前記被処理水が、原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得られるものであり、前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水の膜閉塞度を評価する、被処理水の評価方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理水の評価方法、膜処理装置およびその運転方法に関する。
限外ろ過膜や精密ろ過膜を用いた膜ろ過装置は、圧力容器内に分離膜を配設して、分離膜で容器内を原水側と透過水側(ろ過水側)に仕切り、原水側に原水をポンプで加圧導入するとともに、膜ろ過により透過水側から透過水を得るものである。
特に近年は、クリプトスポリジウムなどの病原性微生物の問題から、河川水、地下水を原水とした浄水処理への適用が進んでいる。
このような膜ろ過装置では、分離膜の原水側膜面や膜細孔内に原水中に含まれる成分の付着や析出が生じて分離膜が汚染され、継続使用によってろ過性能が次第に低下する。
浄化処理において膜汚染を生じさせる物質は、有機物、鉄、マンガン、アルミニウム、シリカ等であると言われており、現状、膜透過流速等の運転条件を選定する際には、原水中のこれらの濃度を測定し、その結果と今までの実績等から経験的に決定することが多い。
また、膜汚染の原因物質として有機物は最も重要である。この水質指標としては全有機炭素(TOC)が使用されているが、TOCの値が同じ原水でも膜のろ過抵抗の上昇速度が異なる場合が度々見受けられ、実際の運転と設計時の予想が大きく異なるため、薬品洗浄の頻度が増えたりするなどのトラブルが発生することは少なくない。
また、運転管理においても同様であり、TOC濃度に変化がないのに膜汚染が急激に進行する場合もある。この原因としては、膜汚染を引き起こす原因となる有機物がTOC成分の極々一部であり、その濃度が低いため、その変化がTOCを測定しても検出できないことにある。
TOC等の個々の水質ではなく、オーバーオールに分離膜供給水の膜閉塞性を評価する手法として、JIS K3802に定義されているファウリングインデックス(FI値)を使用した方法等があるが、これら従来の指標は、基本的に逆透過膜装置への供給水の評価を想定した指標であり、数度の濁度がある水道原水では、同じFI値となり評価方法として適切でない。
また、関連する従来法として、例えば特許文献1には、膜供給水の濁質量と溶解性有機炭素(DOC)の測定値および膜透過流速の関数から、膜透過流速、物理洗浄間隔、薬品洗浄間隔、前処理条件等の最適化を図る方法が記載されている。しかしながら、この方法では、DOC、紫外線吸光度(E260)、濁度を分析する必要があり、また、比較的難解な理論式を用いるため煩雑であり、汎用的ではない。また、この方法は有機成分由来の汚染原因をフミン質に限定し、膜汚染の進行割合をDOCとE260の比率から単に計算しているため、フミン質以外の有機成分が膜汚染に関与する場合には、その影響を正しく評価できない。
また、近年の研究では、浄水処理における膜汚染に関与する有機物で重要なものは、紫外線吸光度発現物質であるフミン質よりも、多糖類であることが明らかになっており、その意味でも特許文献1に記載の方法は妥当性に欠けるものである。
また、特許文献2および特許文献3においても原水、膜供給水、膜ろ過水などのフミン質や紫外線吸光度(E260)に基づき凝集処理などの制御を行うことが記載されているが、これらは近年の研究報告から考えると合理性に欠く運転方法である。
本発明者は鋭意研究を重ね、非特許文献1〜4に記載の水道原水等の膜供給水中の膜閉塞有機物質に関する新しい指標である「ファウリングポテンシャル(Fouling Potential:FP)」を開発した。
本指標は、水道原水やそれについて前処理を行った膜供給水中の膜閉塞有機物、すなわち、多糖類の存在量や分子量に関する有益な情報を与える指標である。
また、FP測定に必要な試料量は500〜1000mL程度であり、浄水処理で凝集剤注入率選択のために一般的に行われるジャーテストに必要な試料量とほぼ同じであることから、ジャーテストを行った後に引き続いてFPを測定することで、凝集処理による膜閉塞物質量の減少量を定量的に把握することが可能となる、非常に有効な指標である。
特開2001−327967号公報 特開2001−170458号公報 特開2008−126223号公報
鹿島田浩二、他1名、「浄水処理におけるファウリングポテンシャルの提案とその特性評価(I)」、第60回全国水道研究発表会講演集、社団法人日本水道協会、2009年5月、p.134−135 貝谷吉英、他1名、「浄水処理におけるファウリングポテンシャルの提案とその特性評価(II)」、第60回全国水道研究発表会講演集、社団法人日本水道協会、2009年5月、p.136−137 貝谷吉英、他1名、「浄水処理におけるファウリングポテンシャルの提案とその特性評価(III)」、第61回全国水道研究発表会講演集、社団法人日本水道協会、2010年5月、p.252−253 貝谷吉英、他1名、「浄水処理におけるファウリングポテンシャルの提案とその特性評価(IV)」、第62回全国水道研究発表会講演集、社団法人日本水道協会、2011年5月、p.352−353
このようにFPの測定は比較的煩雑な操作を伴わず、必要試料量も少ないが、測定時間は、試料の膜閉塞物質量によるものの、1〜3時間程度が標準的であり、また、専用の測定装置が必要であることから、現場における連続モニタリング指標としては、必ずしも適しているとはいえない。
以上のように従来法では、水道原水等の被処理水に含まれる膜閉塞物質の含有量を正確かつ簡単に、そして迅速に測定することができなかった。また、それに伴って、膜処理装置およびそれを含む水処理プラントをトラブルなく継続して運転することが困難であった。
本発明の目的は、水道原水等の被処理水に含まれる膜閉塞物質を正確かつ簡単に、そして迅速に測定して被処理水を評価する方法、その評価を行う手段を備える膜処理装置、その装置を含む水処理プラント、ならびにその膜処理装置および水処理プラントの運転方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、紫外線吸光度発現物質よりも多糖様物質の方が膜閉塞において遥かに重大な影響を与え、被処理水の膜閉塞性と相関性が高いのは、紫外線吸光度発現物質の存在量ではなく、多糖様物質の存在量であることを見出した。そして、紫外線吸光度発現物質の存在量とFPに代表される膜閉塞物質指標とには直接的な相関関係が見いだせないものの、紫外線吸光度の除去率とFPに代表される膜閉塞物質指標の除去率との良好な相関関係が存在することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の(1)〜(9)である。
(1)分離膜を用いて処理する被処理水の評価方法であって、
前記被処理水は、原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得られるものであり、
前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水の膜閉塞度を評価する、被処理水の評価方法。
(2)紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求め、その関係に基づいて前記膜閉塞度を評価する、上記(1)に記載の被処理水の評価方法。
(3)分離膜を用いて被処理水を処理してろ過水を得る膜処理装置であって、
前記被処理水について紫外線吸光度を測定するための紫外線吸光度測定手段と、
原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施す低下処理手段とを有し、
前記紫外線吸光度測定手段によって得られた紫外線吸光度からその除去率を求め、前記被処理水の膜閉塞度を評価し、その評価結果に基づいて前記低下処理手段を行う、膜処理装置。
(4)前記紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求めておき、その関係に基づいて前記膜閉塞度を評価する、上記(3)に記載の膜処理装置。
(5)さらに、前記紫外線吸光度測定手段によって得られた紫外線吸光度からその除去率を求め、前記被処理水の膜閉塞度を評価する評価手段を有する、上記(3)または(4)に記載の膜処理装置。
(6)上記(3)〜(5)のいずれかに記載の膜処理装置を含む、水処理プラント。
(7)原水について紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得た被処理水を、分離膜を用いて処理してろ過水を得る膜処理装置の運転方法であって、
前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水の膜閉塞度を評価する評価ステップと、
前記評価ステップによる膜閉塞度の評価結果に基づいて、前記原水へ紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を行う低下処理ステップと
を備える、膜処理装置の運転方法。
(8)前記評価ステップにおいて、前記紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求めておき、その関係に基づいて前記膜閉塞度を評価する、上記(7)に記載の膜処理装置の運転方法。
(9)上記(7)または(8)に記載の膜処理装置の運転方法を含む、水処理プラントの運転方法。
紫外線吸光度の除去率は非常に簡単かつ迅速に測定することができるので、本発明によれば、水道原水等の被処理水に含まれる膜閉塞物質を正確かつ簡単に、そして迅速に測定して被処理水を評価する方法、その評価を行う手段を備える膜処理装置、その装置を含む水処理プラント、ならびにその膜処理装置および水処理プラントの運転方法を提供することができる。
本発明の装置の概略図である。 実施例1において求めたグラフである。 実施例2において求めたグラフである。
本発明について説明する。
本発明は、分離膜を用いて処理する被処理水の評価方法であって、前記被処理水は、原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得られるものであり、前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水の膜閉塞度を評価する、被処理水の評価方法である。
このような評価方法を、以下では「本発明の評価方法」ともいう。
また、本発明は、分離膜を用いて被処理水を処理してろ過水を得る膜処理装置であって、前記被処理水について紫外線吸光度を測定するための紫外線吸光度測定手段と、原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施す低下処理手段とを有し、前記紫外線吸光度測定手段によって得られた紫外線吸光度からその除去率を求め、前記被処理水の膜閉塞度を評価し、その評価結果に基づいて前記低下処理手段を行う、膜処理装置である。
このような膜処理装置を、以下では「本発明の装置」ともいう。
また、本発明は、本発明の装置を含む水処理プラントである。
このような水処理プラントを、以下では「本発明のプラント」ともいう。
また、本発明は、本発明の装置の運転方法である。
このような運転方法を、以下では「本発明の装置の運転方法」ともいう。
さらに、本発明は、本発明のプラントの運転方法である。
このような運転方法を、以下では「本発明のプラントの運転方法」ともいう。
<本発明の評価方法>
初めに、本発明の評価方法について説明する。
本発明の評価方法は、原水と、分離膜を用いて処理する前の被処理水とについて紫外線吸光度を測定してその除去率を求めることで、その被処理水について分離膜を用いて処理した場合に分離膜を閉塞させてしまう程度を評価する方法である。
本発明の評価方法では、初めに原水と被処理水とを用意する。
本発明の評価方法において、原水は紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質を含むものであれば特に限定されない。
ここで紫外線吸光度発現物質とは、紫外部(200〜300nm、好ましくは220〜280nm、より好ましくは250〜260nmの波長)に吸収を示す物質を意味するものとする。原水に含まれる不飽和結合を有する有機物は、概ね紫外線吸光度発現物質と考えられる。具体的な紫外線吸光度発現物質としてはフミン質が挙げられる。フミン質とは、植物などが微生物によって分解されるときの最終分解生成物で、直鎖炭化水素および多環芳香族化合物等からなる高分子化合物である。
また、膜閉塞物質は、分離膜を継続使用した場合に目詰まりを生じさせるものであり、主として多糖様物質であると本発明者は考えている。
なお、紫外線吸光度発現物質に該当するものであっても、分離膜を継続使用した場合に目詰まりを生じさせ得るし、逆に、多糖様物質等の膜閉塞物質も紫外部に吸収を示し得るが、本発明においては、両者を厳密に区別する必要はない。例えば、紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の両方に該当するものが原水に含まれていてもよい。
原水に含まれる紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量は特に限定されないが、これらの合計濃度が0.01〜200ppbであることが好ましく、0.1〜100ppbであることがより好ましい。
原水は、紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の他に、さらに別の有機物、無機物(鉄、マンガン、アルミニウム、シリカ等)、病原性微生物などを含んでもよい。
原水として、具体的には、水道原水(河川水、地下水など)、海水、汽水等が挙げられる。
本発明の評価方法において、被処理水は、前記原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得られるものであって、分離膜を用いて処理されることで、それに含まれる紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の少なくとも一部を除去される水であればよい。
被処理水に含まれる紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量は特に限定されないが、これらの合計濃度が0.01〜2000ppbであることが好ましく、0.1〜1000ppbであることがより好ましい。
被処理水を得るための、前記原水に含まれる紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理は、特に限定されず、原水に活性炭を浸漬させて紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の少なくとも一部を吸着することで含有量を低下させる吸着処理等であってもよいが、前記原水へ凝集剤を添加して紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の少なくとも一部を凝集することで含有量を低下させる凝集処理であることが好ましい。凝集処理において用いる凝集剤は、例えば従来公知のPAC(ポリ塩化アルミニウム)、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、硫酸ばん土、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド系、ポリアミン系、ポリアクリルエステル系、ポリエチレンイミン系など)などを用いることができる。
本発明の評価方法において分離膜は特に限定されず、上記のような被処理水について分離膜を用いて処理することで、その被処理水に含まれる紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の少なくとも一部を分離できる性能を備えるものであればよい。
具体的に、分離膜として、限外ろ過膜(UF膜)、精密ろ過膜(MF膜)、逆浸透膜(RO膜)、ナノろ過膜(NF膜)などが挙げられる。
本発明の評価方法では、前記原水および前記被処理水について、紫外線吸光度を測定する。
紫外線吸光度の測定方法は、上水試験方法(2011年版、II.理化学編(無機物部会)、日本水道協会)において示されている方法であり、具体的には次に示す方法である。
初めに、以下のガラス繊維ろ紙、分光光度計、吸収セルを用意する。
・ガラス繊維ろ紙:孔径1μmのガラス繊維のもの。
・分光光度計:波長200〜400nmの紫外部域の波長に設定できるもの。
・吸収セル:10mmまたは50mmの光路長をもつ石英製のもの。
次に、被処理水の約100mLをガラス繊維ろ紙でろ過し、これを検液とする。
そして適量の検液を10mmまたは50mm吸収セルに採り、分光光度計を用いて波長250〜260nmの範囲で吸光度を測定する。
このようにして得られた紫外線吸光度を「E260」ともいう。
このような方法によって、前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定した後、得られた原水および被処理水の各々の紫外線吸光度から紫外線吸光度の除去率を求める。「紫外線吸光度の除去率」を、以下では「E260除去率」ともいう。
E260除去率は、次の式(I)より求めるものとする。
E260除去率(%)=(原水のE260−被処理水のE260)/原水のE260×100 ・・・・式(I)
そして、E260除去率から膜閉塞物質指標の除去率を求める。E260除去率と膜閉塞物質指標の除去率とは良好な相関関係が存在するため、E260除去率を求めることで、膜閉塞物質指標の除去率を算出することができる。被処理水に含まれる膜閉塞物質の含有量の測定は手間と時間がかかるが、それに比べて紫外線吸光度は簡単かつ短時間で測定することができる。
ここでE260除去率と膜閉塞物質指標の除去率との相関関係は、評価対象の被処理水およびその原水によって異なり得る。したがって、本発明の評価方法では、評価対象の被処理水およびその原水における紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求めておくことが好ましい。
紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係は、後の実施例1および2を用いて説明するように良好な相関があり、具体的には図2および図3に示すように、双方は概ね比例関係(多くの場合、原点を通過する正比例の関係)を有するとみなすことができることを本発明者は見出した。
したがって、図2や図3に示すような相関関係を予め求めておけば、上記のようにしてE260除去率を求めるだけで、膜閉塞物質指標の除去率を正確に求めることができる。そして、膜閉塞物質指標の除去率から被処理水中の膜閉塞物質の含有量を算出できるので、得られた膜閉塞物質の含有量から、被処理水における膜閉塞性の評価を正確に行うことができる。
ここで本発明の評価方法においてE260除去率を求める際は、前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定するが、原水の紫外線吸光度が大きく変化しない場合は、原水の紫外線吸光度については測定せずに、以前に測定した値を利用し、被処理水についてのみ外線吸光度を測定して、その除去率を求めてもよい。その場合であっても本発明の範囲内である。
なお、膜閉塞物質指標の除去率は、次の式(II)から求めるものとする。
膜閉塞物質指標の除去率(%)=(原水の膜閉塞物質指標−被処理水の膜閉塞物質指標)/原水の膜閉塞物質指標×100 ・・・・式(II)
本発明の評価方法において膜閉塞物質指標とは、被処理水に含まれる膜閉塞物質の含有量を示す指標であれば特に限定されない。
膜閉塞物質指標として、例えば、
1)FP
2)SDI、修正SDI
3)MFI(MFI0.45)、MFI−UF、NF−MFI、CFS−MFIUF
4)SUR
5)UMFI
6)MF、KMF
が挙げられる。
本発明の評価方法では、膜閉塞物質指標としてFPを利用して被処理水の膜閉塞度を評価することが好ましい。より正確かつ簡単に、そして迅速に被処理水の膜閉塞度を把握することができるからである。
以下に膜閉塞物質指標の具体的内容を説明する。
1)FP(Fouling Potential)
被処理水を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過して濁度成分を除去し、試料水とする。
次に、500〜1000mLの試料水を、公称孔径0.22μmの疎水性PVDF膜(平膜)を用い、撹拌式加圧セルを使用して、全量を定速ろ過する。
そして、所定の膜差圧上昇が生じた後、スポンジ洗浄とシュウ酸洗浄を行い、これらの洗浄によって回復しなかった膜差圧(m−Aq at 25℃)の増分を測定し、それを単位膜面積当たりのろ過水量で除した値(m3/m2)を求め、FPとする。
参考資料:鹿島田浩二、他1名、「浄水処理におけるファウリングポテンシャルの提案とその特性評価(I)」、第60回全国水道研究発表会講演集、社団法人日本水道協会、2009年5月、p.134−135
2)SDI(Silt Density Index)、修正SDI
SDIは、ASTM D4189−95に記載されている方法であり、FI(Fouling Index)とも呼ばれる。
平均孔径0.45μm±0.02μm、直径47mmのメンブレンフィルター(一般に、ミリポア社製、セルロース混合エステル(TYPE HA))を用い、これに圧力207KPa(30psi)で被処理水を通水し、ろ過を行う。
まず、最初の500mLをろ過するのに要した時間(T0)を測定する。そして、そのままろ過を継続し、15分経過した後、さらに500mLをろ過し、それに要した時間(T15)を測定する。この2つの時間から、次式により、SDI(=FI)を求める。
SDI=(1−T0/T15)×100/T
ここでT=15であり、採取した時間(分)を意味する。
また、SDIが75%を超える場合は、15分ではなく、10分や5分と短い時間を採用し、それぞれ採用した時間Tで除す。
また、修正SDIは、測定方法はSDIと同じであるが、任意の細孔径の膜を使用した場合として提案されたものであり、細孔径0.2μmのナイロン膜が用いられる例がある。
参考資料:ASTM D4189−95
参考資料:松本幹治、古市光春、他2名、「膜ろ過プロセスにおける修正SDIによる水質評価」、膜、34(2)p.94−103(2009)
3)MFI(MFI0.45)、MFI−UF、NF−MFI、CFS−MFIUF
MFI(Modified Fouling Index)では、SDIと同じ平均孔径0.45μm、直径47mmのメンブレンフィルター(一般に、ミリポア社製、セルロース混合エステル(TYPE HA))を用い、これに圧力2.0bar(200kPa)で被処理水を通水し、ろ過を行う。
グラフの横軸及び縦軸をそれぞれ、ろ過水量:V(l)及びろ過時間/ろ過水量:t/V(s/l)として、20℃におけるろ過試験結果としてプロットし、t/V−Vカーブの直線となる部分の傾きを算出し、その値をMFIとする。
MFI−UF(Modified Fouling Index-Ultrafiltration)は、UF膜を利用して測定する場合であり、分画分子量13,000ダルトンのUF膜を使用する例がある
NF−MFI(Nanofiltration-Modified Fouling Index)は、NF膜を使用して測定する場合であり、500〜1500ダルトンのNF膜を使用する例がある。
CFS−MFIUF(Crossflow Sampler-Modified Fouling Index-Ultrafiltration)は、MFI−UF法に供給する試験水の前処理として、クロスフローろ過方式の膜ろ過装置を使用し、その膜ろ過水をMFI−UF法の評価装置に供給する方式である。
参考資料:Desalination, Vol.32, pp.137-148(1980)
参考資料:Jornal of Membrane Science, Vol.197, pp.1-21(2002)
参考資料:Desalination, Vol.192, pp.1-7(2006)
参考資料:Water Research, Vol.45, pp.1639-1650(2011)
4)SUR
SUR(Specific Ultrafiltration Resistance)の測定方法は、基本的には、MFIと同じだが、実際に使用するUF膜から作成したミニモジュールを利用する。
MFI同様、t/V−Vカーブの直線となる部分の傾きを算出するが、それをろ過水量及び膜面積当たりに換算した値をSURとする。
参考資料:Desalination, Vol.179, pp.131-150(2005)
5)UMFI
UMFI(Unified Membrane Fouling Index)は、実際に使用する膜でミニモジュールを作成し、それを用いてろ過試験を行う方法である。従って、ろ過条件は、使用する膜や実機の運転条件などによって選択される。
実際の膜ろ過装置は、定速ろ過で運転される場合が多いため、ろ過試験においても定速ろ過が採用される事が多い。
ケーキろ過理論が適用できるので、ケーキろ過定数を算出し、それをUMFIとする。
参考資料:Environ. Sci.Technol., Vol.42, pp.714-720(2008)
6)MF、KMF
MF(Membrane Filtration Time)法は、孔径0.45μm、直径47mmのメンブレンフィルター(例えばミリポア社製、セルロース混合エステル(TYPE HA))を用い、1リットルの被処理水を500mmHg(66kPa)の真空圧で吸引ろ過するのに要する吸引時間(t、秒)を求め、それを次式のように粘度補正して求める。
MF=μ25/μ×t
ここでμ25は25℃での粘度(Pa・s)、μは測定時の水温での粘度(Pa・s)を意味する。
なお、MFとKMFは同じ手法である。
参考資料:Desalination, Vol.20, pp.353-364(1977)
参考資料:澤田繁樹著、現場で役立つ膜ろ過技術、工業調査会(2006)
本発明の評価方法では、膜閉塞物質指標として、上記のようなものを用いることができる。
本発明の評価方法では、前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度(E260)を測定する。そして式(I)に基づきE260除去率を求める。そして、好ましくは予め求めたE260の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係に基づいて、膜閉塞度指標の除去率を求め、さらに式(II)に基づいて被処理水の膜閉塞度指標を求めて、被処理水における膜閉塞度を把握し、評価することができる。
被処理水に含まれる膜閉塞物質の含有量の測定は手間と時間がかかるが、それに比べて紫外線吸光度は簡単かつ短時間で測定することができるので、本発明の評価方法によれば、水道原水等の被処理水に含まれる膜閉塞物質を正確かつ簡単に、そして迅速に測定して被処理水を評価することができる。
<本発明の装置、本発明の装置の運転方法>
次に、本発明の装置について図1を用いて説明する。図1は本発明の装置の好適態様を示すものであるが、本発明の装置はこれに限定されない。
図1に示すように、本発明の装置10は、膜処理部12、紫外線吸光度測定手段としてのUV計14および低下処理手段としての凝集剤注入装置16を有し、さらに評価手段としての制御部18を有する。
原水1はタンク20へ供給され、ここで必要に応じて凝集剤注入装置16から注入管22を介して注入された凝集剤と混合される。そして、タンク20から被処理水3として排出される。排出された被処理水3は供給管24を介して膜処理部12へ供給される。膜処理部12は前述の分離膜を備えるものであり、例えば上向流式の態様のものであってよい。膜処理部12からは、膜分離された後のろ過水5が排出される。
また、供給管24には被処理水3の紫外線吸光度を測定するUV計14が配置されている。UV計14は被処理水3の紫外線吸光度を測定し、その計測データを制御部18へ送る。
制御部18では、本発明の評価方法の場合と同様に、原水1および被処理水3の紫外線吸光度の計測データから前述の式(I)に基づいてE260除去率を算出し、後に図2または図3として示すような、予め求められた紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係に基づいて、被処理水の膜閉塞度指標を算出し、膜閉塞度を評価する。そして、膜閉塞度の程度(すなわち、多糖様物質等の膜閉塞物質の含有率)に基づいて、被処理水の膜閉塞度が所定値となるように、凝集剤注入装置16へ凝集剤注入量についての指示を送る。ここで凝集剤の注入量は、膜閉塞度の程度に基づいて変化させてもよいし、凝集剤注入量は一定としてUV計14による紫外線吸光度の測定を逐次行い、その測定結果に基づく膜閉塞度が所定値になるまで凝集剤の注入を繰り返し行ってもよい。
また、本発明の装置10は原水の紫外線吸光度を測定する手段を有していて被処理水3の紫外線吸光度と合わせて、または不定期にその紫外線吸光度を測定することが好ましい。しかし、原水1の紫外線吸光度が大きく変動しない場合は、例えば原水1の一部を採取し、本発明の装置の系外でその紫外線吸光度を測定して、その測定値を制御部18において利用してもよい。
本発明の装置は図1に示した態様のように、評価手段(図1における制御部18)を備えることが好ましい。ただし、本発明の装置は評価手段を有さず、紫外線吸光度測定手段によって得られた紫外線吸光度から、人間が被処理水の膜閉塞度を評価し、その評価結果に基づいて低下処理手段を行ってもよい。
また、低下処理手段16としては、凝集剤注入装置の他にも、活性炭等を用いた吸着槽を用いることもできる。
このような本発明の装置10は、次のような本発明の装置の運転方法によって運転(操業)することが好ましい。
すなわち、原水1について凝集剤注入装置16から凝集剤を添加して(紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して)得た被処理水3を、分離膜を用いて処理してろ過水5を得る膜処理装置10の運転方法であって、前記原水1および前記被処理水3についてUV計14を用いて紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水3の膜閉塞度を評価する評価ステップと、前記評価ステップによる膜閉塞度の評価結果に基づいて、前記原水1へ凝集剤を注入する(紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を行う)低下処理ステップとを備える方法によって、本発明の装置を運転することが好ましい。
このように本発明の装置は、本発明の評価方法に基づいて被処理水を評価して、必要に応じて凝集剤の注入量を迅速かつ正確に調整することができるので、トラブルなく装置を運転することができる。
<本発明のプラント、本発明のプラントの運転方法>
本発明のプラントについて説明する。
本発明のプラントは、本発明の装置を含む水処理プラントであれば特に限定されず、本発明の装置の他に、例えば従来公知の装置を含むプラントであってよい。
例えば、急速撹拌槽と、ここへpH調整剤(酸剤、アルカリ剤)および凝集剤を添加する添加手段と、緩速撹拌槽と、凝集沈殿槽と、本発明の装置とを含むプラントが挙げられる。このようなプラントでは、例えば水道原水を急速撹拌装置へ受け入れて、ここへpH調整剤(酸剤、アルカリ剤)および凝集剤を添加して急速撹拌することで微細なフロックを形成した後、緩速撹拌槽において一定時間緩やかに撹拌してフロックを成長させる。そして、凝集沈殿槽において凝集フロックと上澄水とに分離し、上澄水を本発明の装置によって処理することでろ過水を得ることができる。
このような本発明のプラントは、本発明の装置の運転方法を含むことが好ましい。すなわち、本発明のプラントにおける本発明の装置の部分は、前述の本発明の装置の運転方法によって運転し、それ以外の部分は、従来公知の方法で運転することが好ましい。
このように本発明のプラントは、本発明の評価方法に基づいて被処理水を評価して、必要に応じて凝集剤の注入量を迅速かつ正確に調整することができるので、トラブルなくプラントを運転することができる。
<実施例1>
3種類の水道原水(原水A、B、C)を用意し、各々について紫外線吸光度およびFPを測定した。紫外線吸光度およびFPの測定方法は、前述のとおりである(以下の実施例においても同様)。
次に、各々の水道原水に所定量の凝集剤を添加して(PAC:10〜40mg/L)凝集処理した後、得られた凝集処理水の紫外線吸光度およびFPを、水道原水の場合と同様の方法で測定した。
そして、水道原水および凝集処理水の各々についての紫外線吸光度およびFPから、紫外線吸光度除去率(E260除去率)およびFP除去率を算出した。紫外線吸光度除去率(E260除去率)およびFP除去率の算出方法は、前述のとおりである(以下の実施例においても同様)。
このような処理を、凝集剤の添加量を変化させて、各々の水道原水に対して4回行い、E260除去率とFP除去率との関係をグラフに示した。そのグラフを図2に示す。
図2から、各水道原水におけるE260除去率とFP除去率とは正比例関係を備えることがわかる。
<実施例2>
4種類の水道原水(原水D、E、F、G)について、紫外線吸光度およびFPを測定した。
次に、各々の水道原水に所定量の凝集剤を添加して(PAC:10〜80mg/L)凝集処理した後、得られた凝集処理水の紫外線吸光度およびFPを、水道原水の場合と同様の方法で測定した。
そして、水道原水および凝集処理水の各々についての紫外線吸光度およびFPから、紫外線吸光度除去率(E260除去率)およびFP除去率を算出した。
このような処理を採取日を変えて複数回行った。また、凝集剤の添加量を変化させた。
そして、E260除去率とFP除去率との関係をグラフに示した。そのグラフを図3に示す。
図3から、各水道原水におけるE260除去率とFP除去率とは正比例関係を備えることがわかる。
<実施例3>
水道原水Hについて、紫外線吸光度およびFPを複数回測定し、実施例1および実施例2と同様の方法でE260除去率とFP除去率との関係を求めた。
その結果、水道原水HにおけるE260除去率とFP除去率との関係は原点を通過する正比例の関係であり、FP除去率/E260除去率=1.27であった。
<実施例3−1>
水道原水Hを採取し、紫外線吸光度およびFPを測定したところ、紫外線吸光度(E260)は0.527、FPは8.0であった。
次に、この水道原水Hへ凝集剤(PAC、タイパック、大明化学工業社製)を50mg/Lで添加して混合し、凝集処理水を得た。そして、凝集処理水の紫外線吸光度およびFPを測定したところ、紫外線吸光度(E260)は0.174、FPは0.94であった。また、水道原水および凝集処理水の紫外線吸光度(E260)から、紫外線吸光度除去率(E260除去率)は67.0%と算出された。
次に、上記のE260除去率(67.0%)と、FP除去率/E260除去率(1.27)とから、FP除去率の予測値を算出し、さらにその算出結果から凝集処理水のFPを算出した。その結果、凝集処理水のFPの予測値は1.19であり、実測値と非常に近い値であった。
実測値および予測値を第1表に示す。
<実施例3−2>
実施例3−1とは別の日に水道原水Hを採取し、実施例3−1と同様に、紫外線吸光度を測定したところ0.512であった。FPは数日ではほぼ変化しないため、実施例3−1と同様に8.0とした。
そして、実施例3−1の場合と同様に、水道原水Hへ凝集剤を50mg/Lで添加して混合し、凝集処理水を得た後、凝集処理水の紫外線吸光度およびFPを測定したところ、紫外線吸光度は0.189、FPは1.41であった。また、水道原水および凝集処理水の紫外線吸光度から、紫外線吸光度除去率(E260除去率)は63.1%と算出された。
次に、上記のE260除去率(63.1%)と、FP除去率/E260除去率(1.27)とから、FP除去率の予測値を算出し、さらにその算出結果から凝集処理水のFPを算出した。その結果、凝集処理水のFPの予測値は1.60であり、実測値と非常に近い値であった。
実測値および予測値を第1表に示す。
<実施例3−3>
実施例3−1および実施例3−2とは別の日に水道原水Hを採取し、実施例3−1と同様に、紫外線吸光度を測定したところ0.502であった。FPは数日ではほぼ変化しないため、実施例3−1と同様に8.0とした。
そして、実施例3−1の場合と同様に、水道原水Hへ凝集剤を50mg/Lで添加して混合し、凝集処理水を得た後、凝集処理水の紫外線吸光度およびFPを測定したところ、紫外線吸光度は0.201、FPは1.72であった。また、水道原水および凝集処理水の紫外線吸光度から、紫外線吸光度除去率(E260除去率)は60.0%と算出された。
次に、上記のE260除去率(60.0%)と、FP除去率/E260除去率(1.27)とから、FP除去率の予測値を算出し、さらにその算出結果から凝集処理水のFPを算出した。その結果、凝集処理水のFPの予測値は1.90であり、実測値と非常に近い値であった。
実測値および予測値を第1表に示す。
Figure 2013223846
1 原水
3 被処理水
5 ろ過水
10 本発明の装置
12 膜処理部
14 UV計
16 凝集剤注入装置
18 制御部
20 タンク
22 注入管
24 供給管

Claims (9)

  1. 分離膜を用いて処理する被処理水の評価方法であって、
    前記被処理水は、原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得られるものであり、
    前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水の膜閉塞度を評価する、被処理水の評価方法。
  2. 紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求め、その関係に基づいて前記膜閉塞度を評価する、請求項1に記載の被処理水の評価方法。
  3. 分離膜を用いて被処理水を処理してろ過水を得る膜処理装置であって、
    前記被処理水について紫外線吸光度を測定するための紫外線吸光度測定手段と、
    原水に紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施す低下処理手段とを有し、
    前記紫外線吸光度測定手段によって得られた紫外線吸光度からその除去率を求め、前記被処理水の膜閉塞度を評価し、その評価結果に基づいて前記低下処理手段を行う、膜処理装置。
  4. 前記紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求めておき、その関係に基づいて前記膜閉塞度を評価する、請求項3に記載の膜処理装置。
  5. さらに、前記紫外線吸光度測定手段によって得られた紫外線吸光度からその除去率を求め、前記被処理水の膜閉塞度を評価する評価手段を有する、請求項3または4に記載の膜処理装置。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の膜処理装置を含む、水処理プラント。
  7. 原水について紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を施して得た被処理水を、分離膜を用いて処理してろ過水を得る膜処理装置の運転方法であって、
    前記原水および前記被処理水について紫外線吸光度を測定し、その除去率を求めて前記被処理水の膜閉塞度を評価する評価ステップと、
    前記評価ステップによる膜閉塞度の評価結果に基づいて、前記原水へ紫外線吸光度発現物質および膜閉塞物質の含有量を低下させる処理を行う低下処理ステップと
    を備える、膜処理装置の運転方法。
  8. 前記評価ステップにおいて、前記紫外線吸光度の除去率と膜閉塞物質指標の除去率との関係を予め求めておき、その関係に基づいて前記膜閉塞度を評価する、請求項7に記載の膜処理装置の運転方法。
  9. 請求項7または8に記載の膜処理装置の運転方法を含む、水処理プラントの運転方法。
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