JP2013222770A - 回路基板及び電子部品搭載基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】大電流・高発熱性電子部品を実装可能な回路基板を提供する。
【解決手段】基板1と、この基板1上に形成された絶縁層2と、前記絶縁層2上に形成された導体層3を有し、前記基板1は、線膨張係数が19〜21ppm/℃のアルミニウム合金からなり、前記絶縁層2は、樹脂と、無機フィラーとを含み、前記フィラーの充填率は、70〜78体積%であり、前記導体層3は、厚さが90〜300μmである、回路基板が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】基板1と、この基板1上に形成された絶縁層2と、前記絶縁層2上に形成された導体層3を有し、前記基板1は、線膨張係数が19〜21ppm/℃のアルミニウム合金からなり、前記絶縁層2は、樹脂と、無機フィラーとを含み、前記フィラーの充填率は、70〜78体積%であり、前記導体層3は、厚さが90〜300μmである、回路基板が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、電源回路部品などの大電流・高発熱性電子部品を実装する回路基板及び電子部品搭載基板に関する。
高発熱性電子部品を実装する回路基板として、金属板上に無機フィラーを充填したエポキシ樹脂等からなる絶縁層を設け、その上に導体層で回路を形成した金属ベース回路基板が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の回路基板は、優れた放熱性を示すものであるが、その一方で、電源回路部品などの電流量及び発熱量が極めて大きい電子部品を搭載する場合には、回路を構成する導体層の抵抗が大きく且つ絶縁層の放熱性が不十分である場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、大電流・高発熱性電子部品を実装可能な回路基板を提供するものである。
本発明によれば、基板と、この基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体層を有し、前記基板は、線膨張係数が19〜21ppm/℃のアルミニウム合金からなり、前記絶縁層は、樹脂と、無機フィラーとを含み、前記フィラーの充填率は、70〜78体積%であり、前記導体層は、厚さが90〜300μmである、回路基板が提供される。
本発明者らは、まず、従来の回路基板では、導体層の厚さは、通常、35〜75μmであり、このような導体層で構成される回路に大電流を流した場合には、導体層自体の抵抗によって発熱が大きくなることに気がついた。そこで、導体層の抵抗値を低減すべく、その厚さを90〜300μmにすることによって大電流を流すことを可能にした。
次に、従来の回路基板では、無機フィラーの充填率が50〜60%程度であり、このフィラーの充填率を高めることによって放熱性が高めることができることに気がついた。そして、この充填率を70〜78体積%に高めることによって、放熱性を高めることを可能にした。
このように、導電層の厚さ増大及びフィラー充填率の増大によって、大電流・高発熱性電子部品を実装可能な回路基板を提供するという当初の目的は達成できた。ところが、得られた回路基板を詳細に検討したところ、絶縁層にクラックが発生する場合があることに気がついた。このようなクラックが存在していると、絶縁層の耐電圧が低下するので、大電流・高発熱性電子部品を実装可能な回路基板としては使用不可能である。
このクラックが発生する条件について詳細な検討を行ったところ、導体層の厚さが従来のように35〜70μmであったり、フィラー充填率が66体積%以下である場合には、クラックが全く発生しないことが分かった。より詳しく説明すると、導体層の厚さが35μmの場合には、フィラー充填率を78体積%にまで高めてもクラックが発生せず、導体層の厚さが70μmの場合には、フィラー充填率を72体積%にまで高めてもクラックが発生しなかった。また、フィラー充填率が66体積%の場合には、導体層の厚さを300μmにしてもクラックは発生しなかった。
これらの検討により、絶縁層のクラックは、導体層の厚さが90μm以上であり且つフィラーの充填率が70体積%以上であるという従来技術とは異なる仕様を採用することによって初めて顕在化した問題であることが分かった。
そして、さらに検討を進めたところ、上記検討で使用した基板の線膨張係数が23ppm/℃という比較的大きな値のものであることが分かり、この基板の代わりに、線膨張係数が19〜21ppm/℃であるアルミニウム合金基板を用いたところ、導体層の厚さが90〜300μmであり且つフィラーの充填率が70〜78体積%である場合であっても、絶縁層にクラックが発生しないことが分かり、本発明の完成に到った。
このように、本発明においては、基板の線膨張係数:19〜21ppm/℃、導体層の厚さ:90〜300μm、及びフィラー充填率:70〜78体積%という3つの条件を組み合わせによって初めて、大電流・高発熱性電子部品を実装可能な回路基板の提供が可能になった。
好ましくは、前記無機フィラーは、平均粒径が異なる複数種類のアルミナ粒子の混合物である。
好ましくは、前記樹脂は、エポキシ樹脂である。
好ましくは、前記樹脂は、エポキシ樹脂である。
また、本発明によれば、上記回路基板と、この回路基板上に搭載された電子部品を有する電子部品搭載基板が提供される。
以下、図1を用いて、本発明の一実施形態の回路基板について説明する。
図1に示すように、本実施形態の回路基板は、基板1と、基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された導体層3を有する。
図1に示すように、本実施形態の回路基板は、基板1と、基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された導体層3を有する。
1.基板1
基板1は、線膨張係数が19〜21ppm/℃(好ましくは19.5〜20.5ppm/℃)のアルミニウム合金からなる。線膨張係数が19〜21ppm/℃以下である材料の一例は、アルミニウムに珪素を9〜11質量%固溶したアルミニウム−珪素合金(例:A4045P)である。
基板1は、線膨張係数が19〜21ppm/℃(好ましくは19.5〜20.5ppm/℃)のアルミニウム合金からなる。線膨張係数が19〜21ppm/℃以下である材料の一例は、アルミニウムに珪素を9〜11質量%固溶したアルミニウム−珪素合金(例:A4045P)である。
基板1の厚さは、特に限定されないが、例えば0.5mm以上4mm以下である。基板1が薄すぎるとハンドリングが困難であったり、放熱性が悪化したりするからであり、基板1が厚すぎると、回路基板全体が不必要に厚くなってしまうからである。
2.絶縁層2
絶縁層2は、樹脂と、無機フィラーとを含む。樹脂は、特に限定されないが、エポキシ樹脂が好ましい。
絶縁層2は、樹脂と、無機フィラーとを含む。樹脂は、特に限定されないが、エポキシ樹脂が好ましい。
2−1.絶縁層の厚さ
本実施形態において、絶縁層の厚さは、80μm以上200μm以下が好ましい。この範囲が好ましいのは、あまりに薄いと電気絶縁性が確保できなくなる傾向にあり、あまりに厚いと熱放散性が低下する傾向にあり、さらに小型化や薄型化に寄与できなくなる傾向にあるためである。
本実施形態において、絶縁層の厚さは、80μm以上200μm以下が好ましい。この範囲が好ましいのは、あまりに薄いと電気絶縁性が確保できなくなる傾向にあり、あまりに厚いと熱放散性が低下する傾向にあり、さらに小型化や薄型化に寄与できなくなる傾向にあるためである。
2−2.エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂、例えばナフタレン型、フェニルメタン型、テトラキスフェノールメタン型、ビフェニル型、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物型のエポキシ樹脂等があげられ、このうち応力緩和性という理由で、主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂が好ましい。
主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型の水素添加エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ポリテトラメチレングリコール型エポキシ樹脂に代表される脂肪族エポキシ樹脂、およびポリサルファイド変性エポキシ樹脂等があり、これらを複数組み合わせてもよい。
これらエポキシ樹脂のうち、回路基板に高い耐熱性が必要な場合には、電気絶縁性、熱伝導率が共に高く、耐熱性の高い樹脂硬化体が得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、このビスフェノールA型エポキシ樹脂の効果が発揮する範囲内であれば、当該ビスフェノールA型エポキシ樹脂に他のエポキシ樹脂を組み合わせて用いることもできる。
エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂、例えばナフタレン型、フェニルメタン型、テトラキスフェノールメタン型、ビフェニル型、およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物型のエポキシ樹脂等があげられ、このうち応力緩和性という理由で、主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂が好ましい。
主鎖がポリエーテル骨格を有し直鎖状であるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型の水素添加エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ポリテトラメチレングリコール型エポキシ樹脂に代表される脂肪族エポキシ樹脂、およびポリサルファイド変性エポキシ樹脂等があり、これらを複数組み合わせてもよい。
これらエポキシ樹脂のうち、回路基板に高い耐熱性が必要な場合には、電気絶縁性、熱伝導率が共に高く、耐熱性の高い樹脂硬化体が得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、このビスフェノールA型エポキシ樹脂の効果が発揮する範囲内であれば、当該ビスフェノールA型エポキシ樹脂に他のエポキシ樹脂を組み合わせて用いることもできる。
2−3.ビスフェノールA型エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ当量300以下であることが一層好ましい。エポキシ当量が300以下であれば、高分子タイプになるときに見られる架橋密度の低下によるTg(ガラス転移温度)の低下、従って耐熱性の低下を引き起こすことが防止されるからである。また、分子量が大きくなると、液状から固形状となり、無機フィラーを硬化性樹脂中にブレンドすることが困難になり、均一な樹脂組成物が得られなくなるという問題をも避けることができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ当量300以下であることが一層好ましい。エポキシ当量が300以下であれば、高分子タイプになるときに見られる架橋密度の低下によるTg(ガラス転移温度)の低下、従って耐熱性の低下を引き起こすことが防止されるからである。また、分子量が大きくなると、液状から固形状となり、無機フィラーを硬化性樹脂中にブレンドすることが困難になり、均一な樹脂組成物が得られなくなるという問題をも避けることができる。
2−4.硬化剤
エポキシ樹脂には硬化剤を添加することが好ましい。硬化剤としては、芳香族アミン系樹脂、酸無水物系樹脂、フェノール系樹脂及びジシアンアミドからなる群から選ばれる1種類以上を用いることができる。
エポキシ樹脂には硬化剤を添加することが好ましい。硬化剤としては、芳香族アミン系樹脂、酸無水物系樹脂、フェノール系樹脂及びジシアンアミドからなる群から選ばれる1種類以上を用いることができる。
2−5.硬化剤の添加量
硬化剤の添加量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、例えば5、10、15、20、25、30、35、40、45、50質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
硬化剤の添加量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、例えば5、10、15、20、25、30、35、40、45、50質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
2−6.無機フィラー
絶縁層2に含有される無機フィラーとしては、電気絶縁性に優れかつ熱伝導率の高いものが用いられ、例えばアルミナ、シリカ、窒化アルミ、窒化硼素の単独又は複数の組み合わせがあり、高い充填可能性及び高い熱伝導性の見地から、アルミナが好ましい。無機フィラーの充填率は、絶縁層を形成する樹脂全体のうちの70〜78体積%であり、好ましくは、72〜78体積%である。充填率が低すぎると絶縁層の熱伝導性が低下する傾向にあり、充填率が高すぎると、導体層3を絶縁層2に接着することが困難になるので、好ましくない。
絶縁層2に含有される無機フィラーとしては、電気絶縁性に優れかつ熱伝導率の高いものが用いられ、例えばアルミナ、シリカ、窒化アルミ、窒化硼素の単独又は複数の組み合わせがあり、高い充填可能性及び高い熱伝導性の見地から、アルミナが好ましい。無機フィラーの充填率は、絶縁層を形成する樹脂全体のうちの70〜78体積%であり、好ましくは、72〜78体積%である。充填率が低すぎると絶縁層の熱伝導性が低下する傾向にあり、充填率が高すぎると、導体層3を絶縁層2に接着することが困難になるので、好ましくない。
2−7.平均粒径が異なる複数種類の粒子
無機フィラーは、充填率を高めるために、平均粒子径が異なる複数種類の粒子を混合したものを用いることができる。例えば、三種類の粒子を混合する場合、平均粒子径が13〜23μmの大粒子と、平均粒径が2〜8μmの中粒子と、平均粒径が0.4〜1μmの小粒子とを混合することができる。混合割合は、例えば、大粒子が50〜80質量%、中粒子が10〜20質量%、小粒子が、15〜25質量%である。複数種類の粒子の少なくとも1つは球状であることが好ましい。なお、本明細書において、「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
無機フィラーは、充填率を高めるために、平均粒子径が異なる複数種類の粒子を混合したものを用いることができる。例えば、三種類の粒子を混合する場合、平均粒子径が13〜23μmの大粒子と、平均粒径が2〜8μmの中粒子と、平均粒径が0.4〜1μmの小粒子とを混合することができる。混合割合は、例えば、大粒子が50〜80質量%、中粒子が10〜20質量%、小粒子が、15〜25質量%である。複数種類の粒子の少なくとも1つは球状であることが好ましい。なお、本明細書において、「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
3.導体層3
導体層の素材としては、銅、アルミニウム、鉄、錫、金、銀、モリブデン、ニッケル、チタニウムの単体又はこれら金属を二種類以上含む合金があり、汎用性の高い銅が好ましい。導体層の形状としては、板、シート、箔、これらの積層体がある。導体層の厚さは、90〜300μmである。厚さが薄すぎると、大電流を流したときの発熱が大きくなり、厚さが厚すぎると、絶縁層2にクラックが生じやすくなるからである。導体層3の表面にニッケルメッキ、ニッケル−金メッキ等のメッキ処理をしても良い。
導体層の素材としては、銅、アルミニウム、鉄、錫、金、銀、モリブデン、ニッケル、チタニウムの単体又はこれら金属を二種類以上含む合金があり、汎用性の高い銅が好ましい。導体層の形状としては、板、シート、箔、これらの積層体がある。導体層の厚さは、90〜300μmである。厚さが薄すぎると、大電流を流したときの発熱が大きくなり、厚さが厚すぎると、絶縁層2にクラックが生じやすくなるからである。導体層3の表面にニッケルメッキ、ニッケル−金メッキ等のメッキ処理をしても良い。
4.製造方法
本実施形態の回路基板の製造方法は、従来公知の回路基板の製造方法で良く、例えば、基材に絶縁層としての絶縁材を塗布した後に加熱半硬化させ、さらに絶縁層の表面に導体層としての金属箔をラミネート又は熱プレスする製造方法、絶縁剤をシート状にしたものを介して基材と導体層としての金属箔を貼り合わせる製造方法がある。
本実施形態の回路基板の製造方法は、従来公知の回路基板の製造方法で良く、例えば、基材に絶縁層としての絶縁材を塗布した後に加熱半硬化させ、さらに絶縁層の表面に導体層としての金属箔をラミネート又は熱プレスする製造方法、絶縁剤をシート状にしたものを介して基材と導体層としての金属箔を貼り合わせる製造方法がある。
以下に示す方法で、本発明の回路基板を実際に作製し、評価を行った。
(絶縁剤の作製)
絶縁層2を形成する絶縁剤は次のように作製した。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、「EXA850CRP」)と、アミン系硬化剤(日本合成化工社製、「アクメックス H−84B」)と、無機フィラーとを自転公転式スーパーミキサー「あわとり練太郎」AR−250(株式会社シンキー製、登録商標)で5分間、攪拌混合し絶縁剤を作製した。エポキシ樹脂と硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化剤37質量部の割合で混合した。無機フィラーは、以下の3種類のアルミナ粒子を以下に示す比率で混合したものを用いた。
住友化学社製 AA−18(65質量%) d50=18μm
電気化学工業製 DAW05(15質量%) d50=5μm
住友化学社製 AKP−15(20質量%) d50=0.7μm
絶縁層2を形成する絶縁剤は次のように作製した。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、「EXA850CRP」)と、アミン系硬化剤(日本合成化工社製、「アクメックス H−84B」)と、無機フィラーとを自転公転式スーパーミキサー「あわとり練太郎」AR−250(株式会社シンキー製、登録商標)で5分間、攪拌混合し絶縁剤を作製した。エポキシ樹脂と硬化剤は、エポキシ樹脂100質量部に対して、硬化剤37質量部の割合で混合した。無機フィラーは、以下の3種類のアルミナ粒子を以下に示す比率で混合したものを用いた。
住友化学社製 AA−18(65質量%) d50=18μm
電気化学工業製 DAW05(15質量%) d50=5μm
住友化学社製 AKP−15(20質量%) d50=0.7μm
(導体層3の積層)
作製した絶縁剤を、基板1としての厚さ2.0mmのアルミニウム板(材質:表1の通り、昭和電工株式会社製)上に、スクリーン印刷法で乾燥後の厚さが125μmとなるように塗布して絶縁層2を形成した。絶縁層2の上に導体層3としての表1に示す厚さの銅箔GTS−MP(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)を貼り合わせ、180℃で7時間の加熱を行い絶縁層2を硬化させた。
作製した絶縁剤を、基板1としての厚さ2.0mmのアルミニウム板(材質:表1の通り、昭和電工株式会社製)上に、スクリーン印刷法で乾燥後の厚さが125μmとなるように塗布して絶縁層2を形成した。絶縁層2の上に導体層3としての表1に示す厚さの銅箔GTS−MP(古河サーキットフォイル株式会社製、商品名)を貼り合わせ、180℃で7時間の加熱を行い絶縁層2を硬化させた。
(導体層3に回路パターンを形成)
この導体層3をエッチングして回路パターンを形成し、回路基板を得た。
この導体層3をエッチングして回路パターンを形成し、回路基板を得た。
(絶縁層2の熱伝導率の測定)
絶縁層2の熱伝導率は、厚さ1mmにて180℃で7時間硬化させた硬化体を用い、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社製LFA 447 Nanoflash)法にて評価した。熱伝導率の測定結果を表1に示す。
絶縁層2の熱伝導率は、厚さ1mmにて180℃で7時間硬化させた硬化体を用い、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社製LFA 447 Nanoflash)法にて評価した。熱伝導率の測定結果を表1に示す。
(クラックの有無)
上記工程で作製した回路基板に対してはんだリフロー(260℃×5分)を行い、その後の絶縁層2の断面の電子顕微鏡写真を倍率500倍で撮影し、撮影した画像中の絶縁層2にクラックが発生しているかどうかを目視で判定した。撮影した写真を図2に示す。図2は、全てフィラー充填率が72体積%の回路基板についてのものである。
上記工程で作製した回路基板に対してはんだリフロー(260℃×5分)を行い、その後の絶縁層2の断面の電子顕微鏡写真を倍率500倍で撮影し、撮影した画像中の絶縁層2にクラックが発生しているかどうかを目視で判定した。撮影した写真を図2に示す。図2は、全てフィラー充填率が72体積%の回路基板についてのものである。
図2を見ると、基板1の材質がA5052Pである回路基板については、導体層3の厚さが105〜300μmの何れの場合であっても、矢印で示す位置にクラックが発生し、基板1の材質がA4045Pである回路基板については、導体層3の厚さが105〜300μmの何れの場合であってもクラックが発生しなかったことが分かる。フィラー充填率と導体層厚さが異なる種々の回路基板について、このような方法でクラックの有無を判定した結果を表1に示す。
表1を参照すると、基板1の材質がA5052Pである回路基板では、フィラー充填率が66体積%である場合には導体層厚さが厚くなってもクラックが発生しなかったが、フィラー充填率が72体積%以上である場合には、導体層厚さが105μm以上である場合に、クラックが発生したことが分かる。これに対して、基板1の材質がA4045Pである回路基板では、フィラー充填率・導体層厚さに関わらず、クラックが発生しなかった。A5052Pは、線膨張係数が23ppm/℃であるアルミニウム合金であり、A4045Pは、線膨張係数が20ppm/℃であるアルミニウム合金である。
表1の結果は、線膨張係数が23ppm/℃であるアルミニウム合金を基板材料として用いると、フィラー充填率が高く且つ導体層厚さが厚い場合に絶縁層にクラックが発生するが、線膨張係数が19〜21ppm/℃であるアルミニウム合金を基板材料として使用することによって、フィラー充填率が高く且つ導体層厚さが厚い場合であっても、クラックを防ぎ、これによって、大電流・高発熱性電子部品を実装可能な回路基板が得られることを示している。
高発熱性電子部品を実装する回路基板として、金属板上に無機フィラーを充填したエポキシ樹脂等からなる絶縁層を設け、その上に導体層で回路を形成した金属ベース回路基板が知られている(例えば、特許文献1)。
また、回路基板としては、特許文献2及び3も知られている。
特許文献2には、金属製で板状の基材と、基材の一方の面に積層された絶縁層と、絶縁層に積層された導体層を有し、絶縁層を形成する樹脂が、水添エポキシ樹脂、高分子量エポキシ、又は、ビスフェノールA骨格とポリジメチルシロキサン骨格からなるエポキシ−シリコーン共重合体、のうち少なくとも一種類以上からなり、基材がアルミニウムにSi(珪素)を9〜11%固溶した回路基板が開示されており、基材の線膨張率は、19〜21ppm/℃になっている。
特許文献3には、金属製で板状の基材と、基材の一方の面に積層された絶縁層と、絶縁層に積層された導体層を有し、基材が、両面またはアルミ基材と絶縁層と接する面にアルマイト処理されたアルミニウム板で、絶縁層が、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、エポキシ−シリコーン共重合体のうち少なくとも1種類以上を含む回路基板が開示されており、この文献においても、アルミニウムに珪素を9〜11%固溶したアルミニウム−珪素板からなる基材が利用されている。
また、回路基板としては、特許文献2及び3も知られている。
特許文献2には、金属製で板状の基材と、基材の一方の面に積層された絶縁層と、絶縁層に積層された導体層を有し、絶縁層を形成する樹脂が、水添エポキシ樹脂、高分子量エポキシ、又は、ビスフェノールA骨格とポリジメチルシロキサン骨格からなるエポキシ−シリコーン共重合体、のうち少なくとも一種類以上からなり、基材がアルミニウムにSi(珪素)を9〜11%固溶した回路基板が開示されており、基材の線膨張率は、19〜21ppm/℃になっている。
特許文献3には、金属製で板状の基材と、基材の一方の面に積層された絶縁層と、絶縁層に積層された導体層を有し、基材が、両面またはアルミ基材と絶縁層と接する面にアルマイト処理されたアルミニウム板で、絶縁層が、ポリジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、エポキシ−シリコーン共重合体のうち少なくとも1種類以上を含む回路基板が開示されており、この文献においても、アルミニウムに珪素を9〜11%固溶したアルミニウム−珪素板からなる基材が利用されている。
Claims (4)
- 基板と、この基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導体層を有し、
前記基板は、線膨張係数が19〜21ppm/℃のアルミニウム合金からなり、
前記絶縁層は、樹脂と、無機フィラーとを含み、前記フィラーの充填率は、70〜78体積%であり、
前記導体層は、厚さが90〜300μmである、回路基板。 - 前記無機フィラーは、平均粒径が異なる複数種類のアルミナ粒子の混合物である、請求項1に記載の回路基板。
- 前記樹脂は、エポキシ樹脂である、請求項1又は2に記載の回路基板。
- 請求項1〜3の何れか1つに記載の回路基板と、この回路基板上に搭載された電子部品を有する電子部品搭載基板。
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2012
- 2012-04-13 JP JP2012092374A patent/JP2013222770A/ja active Pending
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