JP2013222520A - カラーフィルター層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

カラーフィルター層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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晴支 野中
Masahiro Yoshioka
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Abstract

【課題】画像表示装置、特に有機エレクトロルミネッセンス表示装置に好適な、信頼性が高く欠陥のないカラーフィルター基板、およびそれを用いた鮮明で表示品位に優れた有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供する
【解決手段】カラーフィルター層を構成する着色層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置、特にカラーフィルター層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関するものである。
近年、新しい薄型ディスプレイの1つとして有機エレクトロルミネッセンスディスプレイが注目を集めており、携帯電話やモバイル機器などの表示用ディスプレイとして市場に出回り始めている。薄型ディスプレイの先駆者である液晶ディスプレイが非自発光型であるのに対し、有機ディスプレイは自発光型表示素子であるため、色再現範囲が広く鮮やかな発色が可能であること、応答性が速くより滑らかな動画映像を実現可能であるなどの点で液晶ディスプレイよりも優れており、次世代薄型ディスプレイの本命候補として有望視されている。
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイをフルカラー化する方法としては、従来から赤(R)、緑(G)、青(B)の各発光材料を製膜するRGB塗り分け方式の開発が進められてきたが、ディスプレイの大型化に伴い製膜装置の巨大化によるコスト増や、高精細化に限界があるなどの弊害がでてきており、各種方式が検討されている。なかでも、白色発光の有機EL素子とRGBの各着色層を有するカラーフィルター基板を組み合わせるカラーフィルター方式が注目を集めており、さまざまな提案がなされている(例えば、特許文献1〜3)。
カラーフィルター方式の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの一例を図1に示す。ガラス基板1上に有機エレクトロルミネッセンス駆動素子用のTFT2が形成されている。TFT2上にはカラーフィルター層3が形成されている。カラーフィルター層3をオーバーコート層4が保護している。TFT2にはITOからなるアノード層5が接続され、アノード層5の端部を被覆するように絶縁膜6が形成されている。アノード層5上に有機エレクトロルミネッセンス層7が形成され、有機エレクトロルミネッセンス層7上にカソード層8が形成されている。これらは封止剤9と封止ガラス10によって封止されている。
有機エレクトロルミネッセンス層7から放出された白色光がカラーフィルター層3のRGB画素を通過して色度変換されることにより、フルカラー表示が可能となっている。したがって、有機エレクトロルミネッセンス層7は白色発光する1種類のみで良いため、コスト面や製造歩留り、大画面化の容易さなどの点でRGB塗り分け方式よりも優れている。
しかしながら、このようなカラーフィルター方式有機エレクトロルミネッセンスディスプレイにおいては、電気エネルギーを光に変換する有機エレクトロルミネッセンス素子の原理上、不純物や水分などによる不具合(ダークスポットなどの欠陥等)が生じやすく、従来のカラーフィルター基板を用いた場合、安定した製造や画像表示が困難であり、その解決が望まれていた。また、ITOからなるアノード層5を形成する場合、240℃以上の温度で形成するため、また、有機エレクトロルミネッセンス素子は上述のとおり電気エネルギーを光に変換するものであるが、光に変換できなかった電気エネルギーは熱エネルギーとなってしまうため、従来のカラーフィルター基板では耐熱性に課題があり、アノード層5の形成前後での、あるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの作動中に色度が変化する課題があった。
特開2004−227853号公報 特開2004−273317号公報 特開2010−072106号公報
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、ダークスポットなどの欠陥等が少なく、また色度が変化しない、表示品位に優れ、また表示信頼性が高い、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することが目的である。
上記の課題は、以下の手段により解決することが可能である。すなわち、少なくともカラーフィルター層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、カラーフィルター層を構成する着色層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置である。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示素子駆動用のTFTを具備し、前記カラーフィルター層が前記TFTと同一基板上に形成された請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置である。
本発明により、ダークスポットなどの欠陥等が少なく、また色度が変化しない、表示品位に優れ、また表示信頼性が高い有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することができる。
本発明における画像表示装置の一例(構成1)を示す概略断面図である 本発明における画像表示装置の一例(構成2)を示す概略断面図である 本発明における画像表示装置の一例(構成3)を示す概略断面図である
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、カラーフィルター層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、カラーフィルター層を構成する着色層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂であることを特徴とする。着色層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂であることによって、不純物や水分が染み出しにくく、ダークスポットなどの欠陥等が少なくなる。また、耐熱性が高く、色度が変化しにくい。
ポリイミド樹脂からなるカラーフィルター層を形成するためには、少なくともポリアミック酸、着色剤、溶剤からなる非感光性カラーペーストを、基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより乾燥し、非感光性ポリアミック酸着色被膜を形成し、ポジ型フォトレジストを用いて、所望パターンを形成後、フォトレジストをアルカリ剥離し、最後に200〜300℃で1分〜3時間加熱することにより着色層を硬化(ポリイミド化)させる方法が一般的である。
本発明で用いる非感光性カラーペーストについて以下に述べる。
非感光性カラーペーストに含まれるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得ることができる。
ポリアミック酸の合成には、テトラカルボン酸二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができ、その具体的な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができる。
その具体的な例として、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル酸無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタターフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例として、4,4´−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物などが挙げられる。なお、本発明は、これらに限定されずにテトラカルボン酸二無水物が1種または2種以上用いられる。
また、ジアミンとして、たとえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることができ、その具体的な例として、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができる。
その具体的な例として、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3´−ジメチルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンなどが挙げられる。また、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良好な膜に変換しうるポリアミック酸を得ることができ、その具体的な例として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
また、ジアミンの一部として、シロキサンジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にすることができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンなどが挙げられる。本発明は、これに限定されずにジアミンが1種または2種以上用いられる。ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合して反応させることにより行うのが一般的である。この時、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により、得られるポリアミック酸の重合度を調節することができる。
このほか、テトラカルボン酸ジクロライドとジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得るなど、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。
本発明の非感光カラーペーストに用いられる着色剤としては、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものであれば顔料でも染料でも特に制限はない。代表的な顔料の具体的な例をカラーインデックス(CI)ナンバーで示す。黄色顔料の例としてはピグメントイエロー20、24、83、86、93、94、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、173などが挙げられる。橙色顔料の例としてはピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65などが挙げられる。赤色顔料の例としてはピグメントレッド9、97、122、123、144、149、166、168、177、180、192、215、216、224などが挙げられる。紫色顔料の例としてはピグメントバイオレット19、23、29、32、33、36、37、38などが挙げられる。青色顔料の例としてはピグメントブルー15(15:3、15:4、15:6など)、21、22、60、64などが挙げられる。緑色顔料の例としてはピグメントグリーン7、10、36、47、58などが挙げられる。本発明ではこれらに限定されずに種々の顔料を使用することができる。なお、顔料は必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理が施されているものを使用してもよい。
本発明の非感光カラーペーストにおける溶媒としては、ポリアミック酸を溶解するものを使用するのが一般的である。具体的な例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。また、これらの溶媒とともに、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコールあるいはプロピレングリコール誘導体、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどの脂肪族エステル類などを副溶媒として添加することも可能である。
本発明の非感光カラーペーストの製造には、溶媒と顔料を混合してあらかじめ分散した顔料分散液に、ポリアミック酸溶液を混合する方法、あるいは、ポリアミック酸と、溶媒と、顔料とを混合して分散する方法などを用いることができる。これら製造方法の選択については、顔料の種類により、適宜、適当なものを選ぶことが好ましい。
本発明のペーストにおいては、顔料の分散方法は特に限定されず、ボールミル、サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルなど、種々の方法がとりうる。
本発明のペーストには、塗布性、着色被膜の乾燥性の改良、あるいは、顔料の分散性を良好にする目的で、本発明のペーストに界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加量は通常、顔料の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。添加量が少なすぎると塗布性、着色被膜の乾燥性の改良、あるいは顔料の分散性の改良の効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝集が起こる。
界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤などが挙げられる。本発明では、これらに限定されずに、界面活性剤が1種または2種以上用いることができる。界面活性剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行うことができる。しかし、添加の時点により顔料の分散性が変わる場合があるので、注意を要する。
本発明の非感光カラーペーストには、顔料の分散性を向上させる目的で、分散剤を添加することができる。分散剤としては、上記の界面活性剤や、その他の化合物、とくに顔料の表面に吸着しやすい化合物を用いることができる。分散剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行うことができる。
本発明の非感光カラーペーストを基板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板を溶液中に浸漬する方法、溶液を基板に噴霧するなどの種々の方法を用い
ることができる。基板としては通常、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの透明基板や、シリコン、ガリウム−ひ素などの半導体基板などが用いられるが、特にこれらに限定されない。なお、基板上にペーストを塗布する場合、シランカップリング剤、アルミニウムキレート剤、チタニウムキレート剤などの接着助剤で基板表面を処理しておくと、着色被膜と基板の接着力を向上させることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の構成は図1に示す構成1以外に、図2、図3に示すような構成2、構成3であってもよい。
図2において、ガラス基板11に有機エレクトロルミネッセンス駆動用TFT12を形成している。オーバーコート層13の上にTFT12に接続したITOからなるアノード層14が形成されている。アノード層14の端部を被覆するように絶縁膜15、またアノード層14の上部には有機エレクトロルミネッセンス層16を形成している。さらに有機エレクトロルミネッセンス層16の上にカソード層17を形成したものが、有機EL基板24である。一方、ガラス基板18にブラックマトリックス層19、カラーフィルター層20、オーバーコート層21、無機バリア層22を形成したものが、カラーフィルター基板25である。
有機エレクトロルミネッセンス基板24とカラーフィルター基板25を真空下、封着剤23で封着したのが構成2である。
図3において、ガラス基板26に遮光層27、カラーフィルター層28、オーバーコート層29、無機バリア層30を形成する。無機バリア層30の上にITOをからなるアノード層31、アノード層31の端部に絶縁層32を形成する。この上に有機エレクトロルミネッセンス層33を形成し、さらにその上に、カソード層34を形成する。封止ガラス35を封止剤36で封止したのが構成3である。
構成2、3においても本発明のポリイミド樹脂からなるカラーフィルター層を用いることにより、表示信頼性の優れた効果を発現することができるが、これらの構成では無機バリア層により、カラーフィルター層から出る水分、有機ガスが有機エレクトロルミネッセンス層に浸透するのを低減できる。この点では、本発明の効果は無機バリア層を設けることが困難な、構成1でより効果を発揮する。
すなわち、カラーフィルター層が有機エレクトロルミネッセンス表示素子駆動用のTFTと同一基板上に形成され有機エレクトロルミネッセンス表示装置に適用させることが好ましい。
以下に構成1について図1で説明する。
カラーフィルター方式の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイの一例を図1に示す。
少なくともポリアミック酸、着色剤、溶剤からなる前記非感光性カラーペーストを、TFT2が形成された基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより乾燥し、非感光性ポリアミック酸着色被膜を形成する。ポリアミック酸着色被膜の厚さとしては通常0.5〜3.0μmの範囲が用いられる。加熱乾燥の場合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、60〜200℃の範囲で1分〜60分行うのが好ましい。次に、このようにして得られたポリアミック酸着色被膜の上にポジ型フォトレジストを塗布し、ホットプレートなどを使用して60〜150℃の範囲で1〜30分加熱乾燥させる(プリベーク)。次に、フォトマスクと近接露光装置を用いてh線露光量20〜300mJ/cm2の紫外線を照射し、目的のパターンを焼き付けた後、アルカリ現像して所望位置に所望パターンで着色層を得る。フォトレジストをアルカリ剥離し、最後に200〜300℃で1分〜3時間加熱することにより着色層を硬化(ポリイミド化)させる。
本発明はカラーフィルター層を形成する着色層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂であることによって、不純物や水分が染み出しにくく、ダークスポットなどの欠陥等が少なくなることを特徴とする。
すなわち、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに使用される好適なカラーフィルター層として、ヘリウム雰囲気中で300℃まで加熱したときのRGB各着色層、単位体積(mm)当りから発生する、水分、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、有機ガス等を含めた全気体発生量が3.0(wtppm)以下であることが好ましい。また全気体発生量に対して水分が2.0(wtppm)以下、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素の合計が1.0(wtppm)以下、有機ガスが1.0(wtppm)以下であることが好ましい。
このような気体の発生量の測定方法としては、昇温脱離−質量分析法を使用することができ、例えば10mm×20mm程度に切断した着色層を形成した基板を準備し、ヘリウム雰囲気下、50ml/分のヘリウム流の雰囲気下において、室温より300℃まで昇温速度10℃/分の条件下で発生する気体の量を定量し、各気体質量数のピークとして観測することができる。
次にその上に表面平坦化のためのオーバーコート層4を形成する。オーバーコート層に要求される性能としては平坦性、高透過率、低脱ガス性、高耐熱性、パターン加工性が要求される。オーバーコートの材質としては上記要求を満たせば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、シロキサン系樹脂のいずれであっても構わない。本発明ではポジ型感光性シロキサンペーストを例に説明する。
ポジ型感光性シロキサンペーストは少なくともアルカリ可溶性ポリシロキサン樹脂、ナフトキノンジアジド化合物、溶剤、金属キレート化合物から構成される。
本発明におけるポリシロキサンは、オルガノシランなどのモノマーを加水分解および部分縮合させることにより合成される。加水分解および部分縮合には一般的な方法を用いることができる。例えば、混合物に溶媒、水、必要に応じて触媒を添加し、50〜150℃、好ましくは、90〜130℃で0.5〜100時間程度加熱攪拌する。なお、攪拌中、必要に応じて、蒸留によって加水分解副生物(メタノールなどのアルコール)や縮合副生物(水)の留去を行ってもよい。 上記の反応溶媒としては特に制限は無い。溶媒の添加量はオルガノシランなどのモノマー100重量部に対して10〜1000重量部が好ましい。また加水分解反応に用いる水の添加量は、加水分解性基1モルに対して0.5〜2モルが好ましい。
必要に応じて添加される触媒に特に制限はないが、酸触媒、塩基触媒が好ましく用いられる。酸触媒の具体例としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂が挙げられる。塩基触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ基を有するアルコキシシラン、イオン交換樹脂が挙げられる。触媒の添加量はオルガノシランなどのモノマー100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましい。
ナフトキノンジアジド化合物に特に制限は無いが、好ましくはフェノール性水酸基を有する化合物にナフトキノンジアジドスルホン酸がエステル結合した化合物であり、当該化合物のフェノール性水酸基のオルト位、およびパラ位がそれぞれ独立して水素、水酸基のいずれかである化合物などが用いられる。
ナフトキノンジアジド化合物の添加量は特に制限されないが、好ましくはアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して2〜30重量部であり、さらに好ましくは3〜15重量部である。
ナフトキノンジアジド化合物の添加量が1重量部より少ない場合、露光部と未露光部との溶解コントラストが低すぎて、実用に足る感光性を発現しない。また、さらに良好な溶解コントラストを得るためには5重量部以上が好ましい。一方、ナフトキノンジアジド化合物の添加量が30重量部より多い場合、ポリシロキサンとナフトキノンジアジド化合物との相溶性が悪くなることによる塗布膜の白化が生じたり、熱硬化時に起こるキノンジアジド化合物の分解による着色が生じたりするために、硬化膜の無色透明性が低下する。また、さらに高透明性の膜を得るためには20重量部以下、好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下が好ましい。
使用する溶剤に特に制限はないが、好ましくはアルコール性水酸基を有する化合物が用いられる。これらの溶剤を用いると、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド化合物とが均一に溶解し、組成物を塗布成膜しても膜は白化することなく、高透明性が達成できる。
上記アルコール性水酸基を有する化合物は特に制限されないが、好ましくは大気圧下の沸点が110〜250℃である化合物である。沸点が250℃より高いと膜中の残存溶剤量が多くなりキュア時の膜収縮が大きくなり、良好な平坦性が得られなくなる。一方、沸点が110℃より低いと、塗膜時の乾燥が速すぎて膜表面が荒れるなど塗膜性が悪くなる。
アルコール性水酸基を有する化合物の具体例としては、アセトール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどが挙げられる。なお、これらのアルコール性水酸基を有する化合物は、単独、あるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
金属キレート化合物の含有量に特に制限はないが、(a)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部である。さらに好ましくは、0.3〜4重量部である。上記範囲であることにより、現像密着性、耐湿熱性を高いレベルで両立できる。
以上のポジ型感光性シロキサンペーストを、前記のカラーフィルター層が形成された基板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより乾燥し、フォトマスクと近接露光装置を用いてh線露光量20〜300mJ/cm2の紫外線を照射し、目的のパターンを焼き付けた後、アルカリ現像して所望位置に所望パターンでオーバーコート層を得る。この後、h線露光量50〜300mJ/cm2の紫外線を照射するブリーチング工程を実施することにより、元々黄色を帯びていた余剰増感材を失活させ、透明なオーバーコート層を得ることができる。次の加熱工程によっても増感材をほぼ失活させることは可能なため、このブリーチング工程は省略しても良い。最後に200〜300℃で1分〜3時間加熱することにより増感材の失活および樹脂の硬化反応を完了させて、オーバーコート層を得る。
この際、平坦化層の膜厚としては1.5μm以上が好ましい。その理由としては、着色層の端部にはフォトレジストを剥離する際の応力緩和でバリが生じることがあり、このようなバリを完全に埋めるためには膜厚1.5μm以上の平坦化層が必要となるからである。バリが埋めきれていない場合、バリによる凹凸が残ってしまい、脱ガスの通り道となり、ダークスポットの発生に至らしめてしまう。
オーバーコート層4の上にアノード層5を形成する。アノード層の形成材料としては、例えば透明性および導電性を有する金属酸化物等が挙げられる。このような金属酸化物としては、例えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化第二錫等が挙げられる。 また、透明電極層の膜厚としては、通常100nm〜300nm程度である。上記透明電極層の形成方法としては、例えば蒸着法もしくはスパッタリング法等によって薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が好ましく用いられる。
本発明の構成ではアノード層5の端部を被覆するために、絶縁層6を形成する。絶縁層の形成材料としては、例えば感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、あるいは無機材料などを用いることができる。絶縁層のパターンは、通常、線状であり、例えばマトリクス状またはストライプ状等の開口部を有するパターンが例示される。 また、絶縁層の形成方法としては、上記材料を塗布して、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が挙げられる。また、印刷法等を用いることもできる。
本発明の構成1では絶縁層6を形成後、アノード増5の上に有機エレクトロルミネッセンス層7を形成する。有機エレクトロルミネッセンス層はRGB発光タイプで、カラーフィルターによりさらに色純度を向上させても構わないが、有機エレクトロルミネッセンス層は白色発光タイプを用いることが好ましい。
本発明に用いられる白色発光層は、白色光を発光することができるものであれば良い。このような白色発光層としては、具体的には、上記有機EL層に電圧が加えられた際に、少なくとも青色光(430nm〜470nm)、緑色光(470nm〜600nm)、および赤色光(600nm〜700nm)の波長域の発光スペクトルを有するものであれば良いが、発光スペクトルのうち緑色光(470nm〜600nm)の最大発光強度である緑色ピークと、青色光(430nm〜470nm)の最大発光強度である青色ピークとの比(緑色ピーク/青色ピーク)が、0.3〜0.8の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.3〜0.7の範囲内であることが好ましく、特に0.3〜0.5の範囲内であることが好ましい。
上記緑色ピークおよび青色ピークの比が上記範囲内であることにより、上記緑色パターンの透過率が大きいことによる消費電力低減効果を、より効果的に発揮することができるからである。 また、赤色光(600nm〜700nm)については、その最大発光強度と青色光の最大発光強度との比が所定の範囲内にあれば良い。
このような白色発光層を構成する材料としては、蛍光または燐光を発するものであれば特に限定されるものではない。また、発光材料は、正孔輸送性や電子輸送性を有していていもよい。発光材料としては、色素系材料、金属錯体系材料、および高分子系材料を挙げることができる。
上記色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体
、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ−ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジス
チリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化
合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、
トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げる
ことができる。
上記金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウ
ム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体
、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、あるいは、中心金属に、Al、Zn、Be
等またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジ
アゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金
属錯体などを挙げることができる。
上記高分子系の材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘
導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフ
ルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記の色素系材料や金属錯体系材料を
高分子化したもの等を挙げることができる。
上記白色発光層の形成方法としては、例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、また
はスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート
法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、および自
己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等を挙げることができる。中でも、蒸
着法、スピンコート法、およびインクジェット法を用いることが好ましい。
本発明に用いられる白色発光層の膜厚としては、通常5nm〜5μm程度である。
本発明においては、白色発光層と陽極(透明電極層もしくは背面電極層)との間に正孔
注入層が形成されていても良い。正孔注入層を設けることにより、白色発光層への正孔の
注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。
本発明に用いられる正孔注入層の形成材料としては、一般的に有機EL素子の正孔注入
層に使用されている材料を用いることができる。また、正孔注入層の形成材料は、正孔の
注入性もしくは電子の障壁性のいずれかを有するものであれば良い。
具体的に正孔注入層の形成材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン
誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体
、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン
誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、もし
くはチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等を例示することができる。さら
に、正孔注入層の形成材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、
もしくはスチリルアミン化合物等を例示することができる。
また、正孔注入層の膜厚としては、通常5nm〜1μm程度である。
本発明においては、白色発光層と陰極(透明電極層もしくは背面電極層)との間に電子
注入層が形成されていても良い。電子注入層を設けることにより、白色発光層への電子の
注入が安定化し、発光効率を高めることができるからである。
本発明に用いられる電子注入層の形成材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導
体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導
体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレ
ニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、もしくはオキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原
子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有した
キノキサリン誘導体、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等の8−キノリノール誘
導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、もしくはジスチリルピラジン誘
導体等を例示することができる。 上記電子注入層の膜厚としては、通常5nm〜1μm程度である。
有機エレクトロルミネッセンス層7を形成後、カソード層8を形成する。カソード層の形成材料としては、例えば仕事関数が4eV以下程度と小さい金属、合金、もしくはそれらの混合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、もしくはリチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等を例示することができる。より好ましくは、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、もしくはリチウム/アルミニウム混合物を挙げることができる。上記カソード層は、シート抵抗が数Ω/cm以下であることが好ましい。
また、カソードの膜厚としては、通常10nm〜1μm程度である。
上記カソード層の形成方法としては、例えば蒸着法もしくはスパッタリング法等によっ
て薄膜を形成した後に、フォトリソグラフィー法によりパターニングする方法が好ましく
用いられる。
カソード層8を形成後、封止剤で有機エレクトロルミネッセンス素子を封止する。このような封止剤の構成材料としては、上記有機EL素子を、大気中の水分等と接触することを抑制することができるものであれば良く、有機EL表示装置に一般的に用いられるものを使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例
(ポリアミック酸溶液の作製)
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル95.1g及びビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン6.2gをN−メチルピロリドン745gと共に仕込み、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物144.1gを添加し、70℃で3時間反応させた後、無水フタル酸3.0gを添加し、更に70℃で2時間反応させ、25重量%のポリアミック酸溶液(PAA)を得た。
( 高分子分散剤の合成)
4,4′−ジアミノベンズアニリド161.3g、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン176.7g、及びビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン18.6gをN−メチルピロリドン3194gと共に仕込み、3,3′,4,4 ′ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物439.1gを添加し、70℃で3時間反応させた後、無水フタル酸2.2gを添加し、更に70℃で2時間反応させ、20重量%のポリアミック酸溶液である高分子分散剤(PD)を得た。
( 非感光カラーペーストの作製)
ピグメントレッドPR254、3.6g(80wt%)、ピグメントレッドPR177、0.9g(20wt%)とポリマー分散剤(PD) 22.5g及びN−メチルピロリドン63gをガラスビーズ 90gとともに仕込み、ホモジナイザーを用い、7000rpmで5時間分散後、ガラスビーズを濾過し、除去した。このようにしてPR254とPR177からなる分散液5%溶液(RD)を得た。
分散液(RD) 45.6gにポリアミック酸溶液(PAA) 18.2g、密着改良剤として3−アミノプロピルトリエトキシシランを0.1g、界面活性剤としてアクリル系界面活性剤を0.03g、および適量のN−メチルピロリドンを添加混合し、顔料/樹脂比率が25/75、固形分濃度が6%で溶剤としてNMPを94%含む赤色カラーペースト(PR−1)を得た。同様にして、ピグメントグリーンPG36とピグメントイエローPY150の重量混合比(G/Y)が60/40で、顔料/樹脂比率が25/75、固形分濃度6%、溶剤としてNMPを94%含む緑色カラーペースト(PG−1)、ピグメントブルーPB15:6からなり、顔料/樹脂比率が25/75で固形分濃度6%、溶剤としてNMPを94%含む青色カラーペースト(PB−1)を得た。
(ポリシロキサン溶液の合成)
500mlの三口フラスコにメチルトリメトキシシランを81.72g(0.60mol)、フェニルトリメトキシシランを59.49g(0.30mol)、(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを24.64g(0.10mol)、DAAを163.1g仕込み、室温で攪拌しながら水55.8gにリン酸0.54g(仕込みモノマーに対して0.3重量%)を溶かしたリン酸水溶液を10分かけて添加した。その後、フラスコを40℃のオイルバスに浸けて30分攪拌した後、オイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから1.5時間加熱攪拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液を得た。なお、加熱攪拌中、窒素を0.05l(リットル)/min流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計131g留出した。
得られたポリシロキサン溶液の固形分濃度は43重量%、ポリシロキサンの重量平均分子量は4200であった。なお、ポリシロキサン中のフェニル基置換シランの含有比はSi原子モル比で30%であった。
(感光性ポジ型透明レジストの作製)
上記合成で得られたポリシロキサン溶液15.43g、合成例7で得られたキノンジアジド化合物0.59g、溶剤としてDAA3.73g、PGMEA9.84gを黄色灯下で混合、攪拌して均一溶液とした後、0.45μmのフィルターで濾過して組成物1を調製した。
(TFT基板の作製)
ガラス基板(コーニング社製1737)ガラス、100mm×100mm、厚み0.7mmを準備した。この基板を定法に従って、TFT基板を作製した。
(カラーフィルター層の作製)
前記TFT基板に上記非感光カラーペーストPR−1をスリットコーターで塗布し、120℃のホットプレートで、10分間加熱することによりセミキュア処理した赤色の樹脂塗膜を形成した。ポジ型フォトレジスト(ロームアンドハース電子材料社製、“LC−100A”)をスリットコーターでプリベーク後の膜厚が1.0μmになるように塗布し、100℃のホットプレートで、5分間乾燥し、プリベークを行った。
キャノン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、フォトマスクを介して100mJ/cm2 (365nmの紫外線強度)でマスク露光し、次に2.0%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と樹脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、続いてメチルセロソルブアセテートでレジストを剥離した。次に270℃のオーブンで、30分間熱処理することでキュアを行い、膜厚1.9μmの赤色カラーフィルター層を形成した。
同様にして緑色カラーペーストPG−1を用いて緑色カラーフィルター層を、青色カラーペーストを用いて青色カラーフィルター層を形成した。
(カラーフィルター層の脱ガス性評価)
カラーフィルター層からの気体発生量は昇温脱離−質量分析法にて測定を行った。ガラス基板(0.7mm)に上記非感光カラーペーストPR−1をスリットコーターで塗布し、120℃のホットプレートで、10分間加熱することによりセミキュア処理したRの樹脂塗膜を形成した。次に270℃のオーブンで、30分間熱処理することでキュアを行い、膜厚1.9μmのR着色ベタ層を形成した。PG−1、PB−1についても同様に形成した。
作製した基板を10mm×20mmに切断し、切断基板10枚をヘリウム雰囲気下、50ml/分のヘリウム流の雰囲気下において、室温より300℃まで昇温速度10℃/分の条件下で発生する気体の量を定量した。発生した気体は島津製作所製のガスクロマトグラフィー質量分析装置GC/MS“QP5050A”を使用して分析し、各気体質量数のピークをNMPの発生量として求めた。PR−1の全気体発生量0.5、水分0.4、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素総量0.05、有機ガス0.05(単位:wtppm/mm)。PG−1の全気体発生量0.5、水分0.4、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素総量0.05、有機ガス0.05(単位:wtppm/mm)。PB−1の全気体発生量0.5、水分0.4、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素総量0.05、有機ガス0.05(単位:wtppm/mm)。いずれの着色層も脱ガス性は良好であった。
(カラーフィルター層の耐熱性評価)
上記で得られたカラーフィルター層の色度を大塚電子(株)製MCPD2000を用いて測定した。次にカラーフィルター層を形成した基板をオーブン240℃、60分加熱した。加熱前と同じ測定場所の色度をMCPD2000で再度測定し、色差ΔE*abを求めた。結果を表1に示す。240℃、60分加熱前後の色差はRGBともに1.0以下で耐熱性が良好であることがわかった。
(オーバーコート層の作製)
組成物1をカラーフィルター層を形成した基板にスピンコーター(ミカサ(株)製1H−360S)を用いて任意の回転数でスピンコートした後、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)を用いて90℃で2分間プリベークし、膜厚3μmの膜を作製した。作製した膜をパラレルライトマスクアライナー(以下、PLAと略する)(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、超高圧水銀灯を感度測定用のグレースケールマスクを介してパターン露光した後、自動現像装置(滝沢産業(株)製AD−2000)を用いて2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液であるELM−D(商品名、三菱ガス化学(株)製)で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。その後、ブリーチング露光として、PLA(キヤノン(株)製PLA−501F)を用いて、膜全面に超高圧水銀灯を3000J/m(波長365nm露光量換算)露光した。
その後、ホットプレートを用いて110℃で2分間ソフトベークし、次いでオーブン(タバイエスペック(株)製IHPS−222)を用いて空気中230℃で1時間キュアして硬化膜を作製した。
(アノード層の作製)
オーバーコート層を形成した基板上に、DCスパッタリング法により膜厚0.4μmのクロム膜を形成し、さらに連続してスパッタリング法により膜厚150nmのITO膜を形成した。次に、このITO膜上の全面に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、ITO膜のエッチングを行って、透明電極層を形成した。その後、クロム膜をパターニングするために、ITO膜およびクロム膜の上に感光性レジストを塗布し、マスク露光、現像、クロム膜のエッチングを行って、補助電極を形成した。
(絶縁層の形成)
ポリイミド系樹脂(東レ社製、DL1602)を用いて絶縁層形成用塗工液を調製した。この絶縁層形成用塗工液をスピンコート法により透明電極層上に塗布した後、プリベーク(100℃、5分間)を行って、厚み1μmの樹脂膜を形成した。次に、マスク露光、現像、ポストベーク(200℃、30分間)を行って、絶縁層を形成した。
(有機エレクトロルミネッセンス層の作製)
絶縁層を形成した基板に電子輸送層としてトリス(8-キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と略す)を真空蒸着法により成膜した後、発光層としてAlq3にジシアノメチレンピラン、キナクリドン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルをドーピングした白色発光層を形成した。次に正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを真空蒸着法にて成膜した。最後に透明電極としてITOをスパッタリングにて成膜し、白色発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層を形成した。
(カソード層の作製)
次に、表示領域よりも広い所定の開口部を備えたマスクを介して、真空蒸着法によりマ
グネシウムと銀とを同時に蒸着(マグネシウムの蒸着速度=1.3nm/秒〜1.4nm
/秒、銀の蒸着速度=0.1nm/秒)して成膜した。これにより、隔壁がマスクとなっ
て、マグネシウム/銀化合物からなる厚み200nmのカソード層を有機EL層上に形成
した。
最後に、窒素が充填されたグローボックスにてカラーフィルター基板により封止を行い、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を得た。
(有機レクトロルミネッセンス表示装置の評価)
大気中、85℃、100時間、点灯させ、ダークスポットの有無を評価した。ダークスポットの有無は直径30μm以上のものをダークスポットと認識した。結果を表1に示す。100時間後の評価結果、ダークスポットは確認できず、良好な結果であった。
比較例
キュア温度、および着色ペーストの溶剤を変更した以外は実施例1と同様にしてカラーフィルター基板および画像表示装置を作製した。結果を表1に示した。比較例3
( 着色ペーストの作製)
着色ペーストとして、顔料、アクリル系樹脂、光重合開始剤、溶剤を含む感光性カラーペーストを用いた。固形分濃度20%、溶剤としてPMAを80%含む赤色感光性カラーペースト(AR−1)、同じく緑色感光性カラーペースト(AG−1)、同じく青色感光性カラーペースト(AB−1)を作製した。
(カラーフィルター層の作製)
TFT作製基板(コーニング製、イーグルXG材)に上記赤色感光性カラーペーストAR−1をスリットコーターで塗布し、90℃のホットプレートで、10分間加熱することによりプリベーク処理した赤色の樹脂塗膜を形成した。キャノン株式会社製紫外線露光機PLA−501Fを用い、フォトマスクを介して100mJ/cm2(365nmの紫外線強度)でマスク露光し、次に0.05%の水酸化カリウム水溶液を用いて現像を行いパターン形成した。次に230℃のオーブンで、30分間熱処理することでキュアを行い、膜厚1.9μmの赤色着色層を形成した。
同様にして緑色感光性カラーペーストAG−1を用いて緑色着色層を、青色感光性カラーペーストAB−1を用いて青色着色層を形成した。
(カラーフィルター層の脱ガス性評価)
各着色ベタ層形成において、230℃のオーブンで、30分間熱処理すること以外は、実施例同様の操作を実施した。AR−1の全気体発生量4.0、水分1.0、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素総量1.0、有機ガス2.0(単位:wtppm/mm)。AG−1の全気体発生量4.0、水分1.0、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素総量1.0、有機ガス2.0(単位:wtppm/mm)。AB−1の全気体発生量4.0、水分1.0、窒素/一酸化炭素/二酸化炭素総量1.0、有機ガス2.0(単位:wtppm/mm)。いずれの着色層も全気体発生量が多く、特に有機ガスの発生が実施例に比べ多かった。
上記の違い以外は実施例と同様にして、カラーフィルター層の耐熱性評価および有機エレクトロルミネッセンス表示装置の作製、評価を行った。結果は表1に示す。カラーフィルター層の耐熱性を示す、色差はRGBともに1.0より大きく、特にB着色層の色差が大きかった。また表示装置の信頼性評価では100時間後、ダークスポットが無数に発生し、表示性能は悪かった。
Figure 2013222520
1 ・・・ガラス基板
2 ・・・TFT
3 ・・・カラーフィルター層
4 ・・・オーバーコート層
5 ・・・アノード層
6 ・・・絶縁層
7 ・・・有機エレクトロルミネッセンス層
8 ・・・カソード層
9 ・・・封止剤
10 ・・・封止ガラス
11 ・・・ガラス基板
12 ・・・TFT
13 ・・・オーバーコート層
14 ・・・アノード層
15 ・・・絶縁層
16 ・・・有機エレクトロルミネッセンス層
17 ・・・カソード層
18 ・・・ガラス基板
19 ・・・遮光層
20 ・・・カラーフィルター層
21 ・・・オーバーコート層
22 ・・・無機バリア層
23 ・・・封止剤
24 ・・・有機エレクロトルミネッセンス素子基板
25 ・・・カラーフィルター基板
26 ・・・ガラス基板
27 ・・・遮光層
28 ・・・カラーフィルター層
29 ・・・オーバーコート層
30 ・・・無機バリア層
31 ・・・アノード層
32 ・・・絶縁層
33 ・・・有機エレクトロルミネッセンス層
34 ・・・カソード層
35 ・・・封止ガラス
36 ・・・封止剤

Claims (2)

  1. 少なくともカラーフィルター層を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、カラーフィルター層を構成する着色層に使用されている樹脂がポリイミド樹脂であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 有機エレクトロルミネッセンス表示素子駆動用のTFTを具備し、前記カラーフィルター層が前記TFTと同一基板上に形成された請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022113415A1 (ja) * 2020-11-27 2022-06-02 東洋紡株式会社 積層体

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