JP2013221763A - 分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラム - Google Patents

分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の受光素子で各波長の光を受光する場合に、波長ごとに適切な迷光量を算出することができる分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラムを提供する。
【解決手段】迷光率算出部42が、光路上に吸収を有する試料がない状態で光量算出部41により算出された特定波長の光量、及び、特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに光量算出部41により算出された特定波長の光量に基づいて、特定波長における迷光率を算出する。迷光量算出部43が、特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値(例えば、係数記憶部53に記憶されている波長ごとに異なる係数)を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより分析を行う分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラムに関するものである。
分光分析装置の中には、例えばフォトダイオードアレイなどの複数の受光素子を用いて、分光器からの光を受光することができるようになっているものがある。この種の分光分析装置では、分光器により分光された各波長の光が、各波長に対応する受光素子で受光されることにより、波長ごとの光量を測定することができる。
上記のような分光分析装置において各受光素子で受光される光は、必ずしも試料を透過して分光器で分光された光だけとは限らない。例えば、分光器に入射しなかった光や、分光分析装置内の各種光学部品で反射した光など(いわゆる迷光)が、受光素子に入射した場合には、試料を透過した光の光量よりも多い光量が受光素子で受光されることとなる。
このような迷光が分析に与える影響は、試料における吸光度が高い波長領域、すなわち受光素子で受光される光量が少ない波長領域において、特に顕著となる。また、複数の受光素子で各波長の光を受光するような構成においては、それらの各受光素子の位置などによっても、迷光の影響が左右されるおそれがある。
上記のような迷光が分析に与える影響を除去するために、迷光量を測定することが一般的に行われている(例えば、下記特許文献1参照)。当該特許文献1では、試料における吸光度が高い(透過率が低い)短波長領域において、迷光量を測定することが開示されている(段落[0004]など)。
特開平10−170339号公報
例えば、測定した迷光量を補正値として、各受光素子における受光量から補正値を差し引く補正を行えば、迷光が分析に与える影響を抑制することが可能である。しかしながら、受光量は波長ごと(受光素子ごと)に異なるため、各受光素子における受光量から一定の迷光量を差し引くだけでは、迷光が分析に与える影響を効果的に抑制することができないおそれがある。
図6は、迷光が分析に与える影響について説明するための図であり、本来の吸光度と測定結果から得られる吸光度との関係を示している。この図に実線で示す直線は、基準波長(迷光量を測定したときの波長)における本来の吸光度と測定結果から得られる吸光度との関係を示している。
基準波長と比べて吸光度が高い波長領域、すなわち受光量が少ない波長領域においては、受光量に対する上記一定の迷光量の割合が多くなる。そのため、当該一定の迷光量が補正値として大きすぎる結果、図中に二点鎖線で示すように、吸光度の直線性が低下してしまう。一方、基準波長と比べて吸光度が低い波長領域、すなわち受光量が多い波長領域においては、受光量に対する上記一定の迷光量の割合が少なくなる。そのため、当該一定の迷光量が補正値として小さすぎる結果、図中に破線で示すように、吸光度の直線性が低下してしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の受光素子で各波長の光を受光する場合に、波長ごとに適切な迷光量を算出することができる分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラムを提供することを目的とする。また、本発明は、各波長における迷光量を容易に算出することができる分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、迷光が分析に与える影響を効果的に抑制することができる分光分析装置、分光分析方法及び分光分析装置用プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る分光分析装置は、光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより、各受光素子からの信号に基づいて、各波長の光量を光量算出部で算出する分光分析装置であって、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された特定波長の光量、及び、前記特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量に基づいて、前記特定波長における迷光率を算出する迷光率算出部と、前記特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する迷光量算出部とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、複数の受光素子で各波長の光を受光する場合に、特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、波長ごとに適切な迷光量を算出することができる。すなわち、従来のように特定波長の測定による迷光量を一律に適用するのではなく、特定波長における迷光率を算出し、当該迷光率を用いた演算を波長ごとに行うことにより、各波長における迷光量を好適に算出することができる。
前記光路上に吸収を有する試料がない状態には、前記光路上に溶媒のみが存在し、試料が存在しない状態や、試料及び溶媒が存在しない状態などが含まれる。例えば、試料セル内に溶媒及び試料を導入することにより分析を行うような構成の場合には、試料セル内に溶媒のみが存在する状態や、試料セル内が空の状態などが、前記光路上に吸収を有する試料がない状態に含まれていてもよい。
前記分光分析装置は、前記特定波長における迷光量に対する各波長における迷光量の比率として、予め算出された波長ごとに異なる係数を記憶する係数記憶部をさらに備えていてもよい。この場合、前記迷光量算出部は、前記特定波長における迷光率、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量、及び、前記係数記憶部に記憶されている波長ごとに異なる係数を用いた演算により、各波長における迷光量を算出するものであってもよい。
このような構成によれば、特定波長における迷光量に対する各波長における迷光量の比率として、予め算出された波長ごとに異なる係数を用いることにより、波長ごとに適切な迷光量を算出することができる。すなわち、特定波長における迷光率、及び、光路上に吸収を有する試料がない状態で光量算出部により算出された特定波長の光量に基づいて、特定波長における迷光量を特定することができるため、当該特定波長における迷光量及び前記係数に基づいて、各波長における迷光量を好適に算出することができる。
特に、上記のような構成によれば、各波長の光量を測定する必要がなく、特定波長の光量を測定するだけで、各波長における迷光量を算出することができる。したがって、各波長の光量を測定することにより各波長における迷光量を算出するような構成と比較して、各波長における迷光量を容易に算出することができる。
この場合、前記特定波長における迷光率に対して、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量を乗算し、さらに、前記係数記憶部に記憶されている波長ごとに異なる係数をそれぞれ乗算した値が、各波長における迷光量として算出されてもよい。
上記のような構成に限らず、前記迷光量算出部は、前記特定波長における迷光率、及び、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された波長ごとに異なる光量を用いた演算により、各波長における迷光量を算出するものであってもよい。この場合、前記特定波長における迷光率に対して、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された波長ごとに異なる光量をそれぞれ乗算した値が、各波長における迷光量として算出されてもよい。
前記分光分析装置は、任意の試料に光を透過させた場合に、各受光素子で受光される各波長の光量、及び、前記迷光量算出部により算出された各波長における迷光量に基づいて、各波長の光量を補正する光量補正部をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、波長ごとに予め算出された迷光量を補正値として、各受光素子で受光される各波長の光量を補正することにより、適切な迷光量を差し引いた各波長の光量を得ることができる。このようにして得られた各波長の光量を用いて分析を行うことにより、迷光が分析に与える影響を効果的に抑制することができる。
本発明に係る分光分析方法は、光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより、各受光素子からの信号に基づいて、各波長の光量を光量算出部で算出する分光分析方法であって、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された特定波長の光量、及び、前記特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量に基づいて、前記特定波長における迷光率を算出する迷光率算出ステップと、前記特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する迷光量算出ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る分光分析装置用プログラムは、光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより、各受光素子からの信号に基づいて、各波長の光量を光量算出部で算出する分光分析装置用プログラムであって、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された特定波長の光量、及び、前記特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量に基づいて、前記特定波長における迷光率を算出する迷光率算出ステップと、前記特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する迷光量算出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、複数の受光素子で各波長の光を受光する場合に、特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、波長ごとに適切な迷光量を算出することができる。また、本発明によれば、各波長の光量を測定する必要がなく、特定波長の光量を測定するだけで、各波長における迷光量を容易に算出することができる。さらに、本発明によれば、波長ごとに予め算出された適切な迷光量を補正値として、各受光素子で受光される各波長の光量を補正することにより、迷光が分析に与える影響を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る分光分析装置の構成例を示した概略図である。 図1の分光分析装置の電気的構成を示したブロック図である。 迷光率Rを算出する際の処理の流れを示したフローチャートである。 分析時に各波長の光量I(λ)を補正する際の流れを示したフローチャートである。 別の実施形態に係る分光分析装置において分析時に各波長の光量I(λ)を補正する際の流れを示したフローチャートである。 迷光が分析に与える影響について説明するための図であり、本来の吸光度と測定結果から得られる吸光度との関係を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係る分光分析装置の構成例を示した概略図である。この分光分析装置は、光源1、集光器2、スリット板3、分光器4及びフォトダイオードアレイ5などを含む光学系10を備えている。分析時には、光学系10により形成される光路L上に、例えばフローセルなどからなる試料セル20が配置され、当該試料セル20内の試料に白色光などの光が照射される。
光源1から照射された光は、例えば集光レンズなどからなる集光器2により集光され、試料セル20内の試料に照射される。試料を透過した光のうち、スリット板3を通過した光は、例えば回折格子などからなる分光器4に入射する。この分光器4により、試料を透過した光が波長ごとのスペクトルに分解される。
フォトダイオードアレイ5は、複数の受光素子6を備えている。分光器4により分光された各波長の光は、フォトダイオードアレイ5のそれぞれ異なる受光素子6で受光される。したがって、各受光素子6からの信号に基づいて、各波長の光量を算出することができる。
図2は、図1の分光分析装置の電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る分光分析装置は、A/D変換部30、データ処理部40及び記憶部50などを備え、これらの各部の動作によって、フォトダイオードアレイ5の各受光素子6からの信号を処理することができる。
A/D変換部30では、フォトダイオードアレイ5の各受光素子6から入力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換する処理が行われる。データ処理部40には、A/D変換部30によりデジタル信号に変換された各受光素子6からの信号が入力されるようになっている。
データ処理部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、当該CPUがプログラムを実行することにより、光量算出部41、迷光率算出部42、迷光量算出部43及び光量補正部44などとして機能する。記憶部50は、例えばROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random-Access Memory)などにより構成することができる。この例では、記憶部50には、光量記憶部51、迷光率記憶部52、係数記憶部53及び迷光量記憶部54などが割り当てられている。
光量算出部41は、フォトダイオードアレイ5の各受光素子6からの信号に基づいて、各波長の光量を算出する。光量算出部41で算出された光量は、波長ごとに光量記憶部51に記憶することができる。迷光率算出部42、迷光量算出部43及び光量補正部44では、光量記憶部51に記憶されている光量のデータを用いて、後述するような処理が行われる。
迷光率算出部42は、特定波長λにおける迷光の割合を迷光率Rとして算出する。この迷光率算出部42による処理に先立って、試料セル20内に溶媒が導入され、当該試料セル20内に吸収を有する試料がない状態で、特定波長λの光量Iが光量算出部41により算出される。その後、特定波長λに吸収を有する試料(以下、「基準試料」という。)が試料セル20内に導入され、当該基準試料に光を透過させたときの特定波長λの光量Iが光量算出部41により算出される。
上記のようにして算出された光量I及び光量Iを下記式(1)に代入することにより、特定波長λにおける迷光率Rを算出することができる。この迷光率Rは、特定波長λにおいて、試料セル20内に吸収を有する試料がない状態と、特定波長λに吸収を有する基準試料がある状態との各状態での光量I,Iの比率を示している。算出された特定波長λにおける迷光率Rは、迷光率記憶部52に記憶される。
=I/I ・・・(1)
迷光量算出部43は、特定波長λにおける迷光率R、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する。本実施形態では、上記波長ごとに異なる特有の値として、係数記憶部53に予め記憶されている波長ごとの係数C(λ)が用いられる。係数記憶部53には、例えば特定波長λにおける迷光量に対する各波長における迷光量の比率として、予め算出された波長ごとに異なる係数C(λ)が記憶されている。ただし、上記波長ごとに異なる特有の値は、波長ごとの係数C(λ)に限らず、他の値であってもよい。
迷光量算出部43による処理は、迷光率算出部42による処理とは別に、例えば任意の試料を分析する際に行われる処理である。分析時には、まず、迷光量算出部43による処理に先立って、試料セル20内に溶媒が導入され、当該試料セル20内に吸収を有する試料がない状態で、特定波長λの光量Iが光量算出部41により算出される。そして、このようにして算出された特定波長λの光量Iと、迷光率記憶部52に記憶されている特定波長λにおける迷光率Rと、係数記憶部53に記憶されている波長ごとに異なる係数C(λ)とを下記式(2)に代入することにより、各波長における迷光量S(λ)を算出することができる。
S(λ)=I×R×C(λ) ・・・(2)
本実施形態では、複数の受光素子6で各波長の光を受光する場合に、特定波長λにおける迷光率R、及び、波長ごとに異なる特有の値である係数C(λ)を用いた演算により、波長ごとに適切な迷光量S(λ)を算出することができる。すなわち、従来のように特定波長の測定による迷光量を一律に適用するのではなく、特定波長λにおける迷光率Rを算出し、当該迷光率Rを用いた演算を波長ごとに行うことにより、各波長における迷光量S(λ)を好適に算出することができる。
この例では、特定波長λにおける迷光量に対する各波長における迷光量の比率として、予め算出された波長ごとに異なる係数C(λ)を用いることにより、波長ごとに適切な迷光量S(λ)を算出することができる。すなわち、特定波長λにおける迷光率R、及び、光路L上に吸収を有する試料がない状態で光量算出部41により算出された特定波長λの光量Iに基づいて、特定波長λにおける迷光量を特定することができるため、当該特定波長λにおける迷光量及び係数C(λ)に基づいて、各波長における迷光量S(λ)を好適に算出することができる。
特に、上記のような構成によれば、各波長の光量を測定する必要がなく、特定波長λの光量Iを測定するだけで、各波長における迷光量S(λ)を算出することができる。したがって、各波長の光量を測定することにより各波長における迷光量S(λ)を算出するような構成と比較して、各波長における迷光量S(λ)を容易に算出することができる。
光量補正部44は、光量算出部41により算出されて、光量記憶部51に記憶された各波長の光量I(λ)を補正する処理を行う。この光量補正部44による処理は、迷光量算出部43による処理と同様、迷光率算出部42による処理とは別に行われる処理であり、例えば任意の試料を分析する際に行われる。具体的には、任意の試料に光を透過させた場合に、各受光素子6で受光される各波長の光量I(λ)、及び、迷光量算出部43により算出された各波長における迷光量S(λ)を下記式(3)に代入することにより、迷光量S(λ)が差し引かれた各波長の補正後の光量I´(λ)を算出することができる。
I´(λ)=I(λ)−S(λ) ・・・(3)
このように、波長ごとに予め算出された迷光量S(λ)を補正値として、各受光素子6で受光される各波長の光量I(λ)を補正することにより、適切な迷光量S(λ)を差し引いた各波長の光量I´(λ)を得ることができる。このようにして得られた各波長の光量I´(λ)を用いて分析を行うことにより、迷光が分析に与える影響を効果的に抑制することができる。
図3は、迷光率Rを算出する際の処理の流れを示したフローチャートである。本実施形態では、任意の試料に対する分析に先立って、迷光率Rが予め算出され、迷光率記憶部52に記憶されるようになっている。
迷光率Rを算出する際には、まず、試料セル20内に溶媒が導入され(ステップS101)、当該試料セル20内に吸収を有する試料がない状態で光源1から光が照射される。このとき、特定波長λに対応する受光素子6での受光量に基づいて、特定波長λの光量Iが算出される(ステップS102)。その後、特定波長λに吸収を有する基準試料が試料セル20内に導入され(ステップS103)、当該基準試料に光を透過させたときの特定波長λの光量Iが算出される(ステップS104)。このようにして、光量I及び光量Iが算出された後、それらの値が上述の式(1)に代入されることにより、特定波長λにおける迷光率Rが算出される(ステップS105)。
これらのステップS101〜S105は、プログラムが実行されることにより、全て自動で行われるような構成であってもよいし、その一部だけが自動で行われるような構成であってもよい。例えば、少なくとも1つのステップが人間により実行されるような構成などであってもよい。
図4は、分析時に各波長の光量I(λ)を補正する際の流れを示したフローチャートである。試料を分析する際には、まず、試料セル20内に溶媒が導入され(ステップS201)、当該試料セル20内に吸収を有する試料がない状態で光源1から光が照射される。このとき、特定波長λに対応する受光素子6での受光量に基づいて、特定波長λの光量Iが算出される(ステップS202)。そして、予め算出された迷光率Rが迷光率記憶部52から読み出されるとともに、波長ごとに異なる係数C(λ)が係数記憶部53から読み出される(ステップS203)。
その後、ステップS202で算出された特定波長λの光量I、並びに、ステップS203で読み出された迷光率R及び係数C(λ)が、それぞれ上述の式(2)に代入されることにより、各波長における迷光量S(λ)が算出される(ステップS204)。このようにして算出された各波長における迷光量S(λ)を補正値として、その後のステップS205〜S207で、各受光素子6における受光量から各補正値を差し引く補正が行われることにより、迷光が分析に与える影響を抑制することができる。
具体的には、まず、分析対象となる任意の試料が試料セル20内に導入され(ステップS205)、当該試料に光源1からの光が照射される。そして、試料を透過して分光器4により分光された各波長の光が、各受光素子6で受光されることにより、各波長の光量I(λ)が算出される(ステップS206)。このようにして算出された各波長の光量I(λ)と、ステップS204で算出された各波長の迷光量S(λ)が、それぞれ上述の式(3)に代入されることにより、迷光量S(λ)が差し引かれた各波長の補正後の光量I´(λ)が算出される(ステップS207)。算出された補正後の光量I´(λ)は、光量記憶部51に記憶されている各波長の光量I(λ)に対して上書き保存されてもよいし、各波長の光量I(λ)とは別に記憶されてもよい。
これらのステップS201〜S207は、プログラムが実行されることにより、全て自動で行われるような構成であってもよいし、その一部だけが自動で行われるような構成であってもよい。例えば、少なくとも1つのステップが人間により実行されるような構成などであってもよい。
図5は、別の実施形態に係る分光分析装置において分析時に各波長の光量I(λ)を補正する際の流れを示したフローチャートである。本実施形態では、迷光量算出部43による処理の態様のみが上記実施形態とは異なり、迷光率算出部42及び光量補正部44による処理の態様は上記実施形態と同様である。したがって、迷光率算出部42は、上記実施形態と同様、図3に示した処理により迷光率Rを算出することができる。
本実施形態において試料を分析する際には、まず、試料セル20内に溶媒が導入され(ステップS301)、当該試料セル20内に吸収を有する試料がない状態で光源1から光が照射される。このとき、各受光素子6における受光量に基づいて、各波長の光量I(λ)が算出される(ステップS302)。このように、上記実施形態では特定波長λの光量Iのみが算出されるのに対し、本実施形態では各波長の光量I(λ)が算出されるようになっている。このようにして算出される各波長の光量I(λ)は、波長ごとに異なる特有の値として、迷光量算出部43における演算に用いられる。すなわち、本実施形態では、迷光量算出部43が、特定波長λにおける迷光率R、及び、光路L上に吸収を有する試料がない状態で光量算出部41により算出された波長ごとに異なる光量I(λ)を用いた演算により、各波長における迷光量S(λ)を算出するようになっている。
具体的には、上記のようにして各波長の光量I(λ)が算出された後(ステップS302)、予め算出された迷光率Rが迷光率記憶部52から読み出される(ステップS303)。その後、ステップS302で算出された各波長の光量I(λ)、及び、ステップS303で読み出された迷光率Rが、それぞれ下記式(4)に代入されることにより、各波長における迷光量S(λ)が算出される(ステップS304)。
S(λ)=I(λ)×R ・・・(4)
このようにして算出された各波長における迷光量S(λ)を補正値として、その後のステップS305〜S307で、各受光素子6における受光量から各補正値を差し引く補正が行われることにより、迷光が分析に与える影響を抑制することができる。
具体的には、まず、分析対象となる任意の試料が試料セル20内に導入され(ステップS305)、当該試料に光源1からの光が照射される。そして、試料を透過して分光器4により分光された各波長の光が、各受光素子6で受光されることにより、各波長の光量I(λ)が算出される(ステップS306)。このようにして算出された各波長の光量I(λ)と、ステップS304で算出された各波長の迷光量S(λ)が、それぞれ上述の式(3)に代入されることにより、迷光量S(λ)が差し引かれた各波長の補正後の光量I´(λ)が算出される(ステップS307)。算出された補正後の光量I´(λ)は、光量記憶部51に記憶されている各波長の光量I(λ)に対して上書き保存されてもよいし、各波長の光量I(λ)とは別に記憶されてもよい。
これらのステップS301〜S307は、プログラムが実行されることにより、全て自動で行われるような構成であってもよいし、その一部だけが自動で行われるような構成であってもよい。例えば、少なくとも1つのステップが人間により実行されるような構成などであってもよい。
以上の実施形態では、特定波長λにおける迷光率Rを算出する迷光率算出ステップと、各波長における迷光量S(λ)を算出する迷光量算出ステップとが、いずれも分光分析装置により実行されるような構成について説明した。この場合、各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが、分光分析装置とは別個に提供されてもよい。これにより、当該プログラムを用いて制御を行うコンピュータが、分光分析装置として機能し、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。また、上記プログラムを記憶媒体に記憶した状態で提供することも可能である。
本発明は、例えば高速液体クロマトグラフなどの分光分析装置に適用することができる。ただし、本発明は、高速液体クロマトグラフに限らず、試料を透過して分光された光を複数の受光素子6で受光するような構成を備えた分光分析装置であれば、他のあらゆる分光分析装置に適用することが可能である。また、複数の受光素子6としては、フォトダイオードアレイ5により構成されるものに限らず、他のあらゆる受光素子を採用することができる。
1 光源
2 集光器
3 スリット板
4 分光器
5 フォトダイオードアレイ
6 受光素子
10 光学系
20 試料セル
30 A/D変換部
40 データ処理部
41 光量算出部
42 迷光率算出部
43 迷光量算出部
44 光量補正部
50 記憶部
51 光量記憶部
52 迷光率記憶部
53 係数記憶部
54 迷光量記憶部

Claims (5)

  1. 光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより、各受光素子からの信号に基づいて、各波長の光量を光量算出部で算出する分光分析装置であって、
    前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された特定波長の光量、及び、前記特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量に基づいて、前記特定波長における迷光率を算出する迷光率算出部と、
    前記特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する迷光量算出部とを備えたことを特徴とする分光分析装置。
  2. 前記特定波長における迷光量に対する各波長における迷光量の比率として、予め算出された波長ごとに異なる係数を記憶する係数記憶部をさらに備え、
    前記迷光量算出部は、前記特定波長における迷光率、前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量、及び、前記係数記憶部に記憶されている波長ごとに異なる係数を用いた演算により、各波長における迷光量を算出することを特徴とする請求項1に記載の分光分析装置。
  3. 任意の試料に光を透過させた場合に、各受光素子で受光される各波長の光量、及び、前記迷光量算出部により算出された各波長における迷光量に基づいて、各波長の光量を補正する光量補正部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の分光分析装置。
  4. 光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより、各受光素子からの信号に基づいて、各波長の光量を光量算出部で算出する分光分析方法であって、
    前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された特定波長の光量、及び、前記特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量に基づいて、前記特定波長における迷光率を算出する迷光率算出ステップと、
    前記特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する迷光量算出ステップとを含むことを特徴とする分光分析方法。
  5. 光路上の試料を透過した光を分光器により分光し、各波長の光をそれぞれ異なる受光素子で受光することにより、各受光素子からの信号に基づいて、各波長の光量を光量算出部で算出する分光分析装置用プログラムであって、
    前記光路上に吸収を有する試料がない状態で前記光量算出部により算出された特定波長の光量、及び、前記特定波長に吸収を有する試料に光を透過させたときに前記光量算出部により算出された前記特定波長の光量に基づいて、前記特定波長における迷光率を算出する迷光率算出ステップと、
    前記特定波長における迷光率、及び、波長ごとに異なる特有の値を用いた演算により、各波長における迷光量を算出する迷光量算出ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする分光分析装置用プログラム。
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