JP2013221458A - 油圧回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧回転機械において、ポンプを駆動する駆動源の負荷の増大を応答性よく防止するとともに、消費エネルギを有効に低減することである。
【解決手段】ポンプユニットは、油圧ポンプ74(82)と、油圧ポンプ74(82)の可動斜板90の斜板角度を制御するサーボ機構92(96)と、可動斜板90の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構248とを含む。ピストン移動規制機構248は、外側シリンダ258と、外側シリンダ258内に軸方向の摺動可能に設けられ、一端部をサーボピストン100の軸方向端面に対向させた制御ピストン252と、制御ピストン252が制御バネ254の付勢力に抗してサーボピストン100に近づくように、作動油圧力を制御ピストン252の他端側に導入する圧力導入路256とを含む。
【選択図】図16

Description

本発明は、例えば、油圧ポンプユニットまたは油圧式無段変速装置として使用される油圧回転機械に関する。
従来から例えば対地作業車両であるバックホーと呼ばれる掘削作業機では、旋回部である上部構造に、アーム、ブーム、及びバケットやフォーク等を含む掘削部を設け、掘削部を油圧シリンダ等の油圧アクチュエータで作動させることによって掘削作業を可能としている。例えば、特許文献1には、油圧操作装置を含むバックホーが記載されている。
特許文献1の掘削作業機の場合、ブームと旋回台との間に設けたブームシリンダ、アームと別のブームとの間に設けたアームシリンダ、アームとバケットとの間に設けたバケットシリンダ、及びクローラ式走行装置に設けたモータをそれぞれ備える。各シリンダ及びモータは、アクチュエータに相当する。例えば、ブームシリンダの伸縮によりブームを上下回動可能としている。また、第一から第四の油圧ポンプを含む油圧ポンプユニットが設けられており、エンジンの出力軸に第一から第四の油圧ポンプが並列に駆動できるように連結されている。第一油圧ポンプ及び第二油圧ポンプの吐出側にモータが接続されている。第一油圧ポンプの吐出側にブーム切換バルブ等のアクチュエータ切替弁が接続されている。第三油圧ポンプの吐出側にアーム切換バルブ等のアクチュエータ切換弁が接続されている。各切換弁は、パイロット式で、それぞれの操作部はパイロット油路を介してパイロットバルブと接続されている。パイロットバルブは操作レバーの回動によって切り換え、油圧シリンダを作動できるようにしている。なお、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に特許文献2から7がある。
特開2000−220566号公報 特開2007−92803号公報 特開2000−319942号公報 特許第3752326号公報 特公平4−9922号公報 特開平6−10827号公報 特開2007−100317号公報
特許文献1には、可変容量ポンプを可動斜板式とし、その図2に示されるように可動斜板の操作力を軽減するために、ポンプケース内部の可動斜板に対して油圧ピストン機構等の斜板操作部を設けることが記載されている。
ただし、特許文献1に記載された油圧回転機械に対応する油圧ポンプユニットでは、可変容量ポンプをエンジンまたは電動機である駆動源により駆動しているが、駆動源の負荷の増大を応答性よく防止するとともに、駆動源の消費エネルギを有効に低減する面から改良の余地がある。例えば、ポンプにより油圧を供給し、駆動するアクチュエータの負荷が過度に高いとエンジンがエンストする等、駆動源の使用に不都合が生じる可能性がないとはいえない。このため、負荷の増大を応答性よく防止するとともに、消費エネルギを有効に低減する面から改良の余地がある。
また、上記では油圧回転機械が、可動斜板を備える可変容量型の油圧ポンプユニットである場合の不都合を説明したが、油圧回転機械として、特許文献2のように、ケースに油圧ポンプ及び油圧モータが設けられ、少なくとも油圧ポンプが可動斜板を有する可変容量型の油圧式無段変速装置を使用する場合もある。このような油圧式無段変速装置の場合も、油圧ポンプをエンジンにより駆動しているが、エンジンの消費エネルギの低減を図るとともに、エンジンの負荷の増大防止を応答性よく図る面から改良の余地がある。例えば、特許文献2の構成では、少なくとも一方が可変容量型の可動斜板式である油圧ポンプと油圧モータとを備え、それぞれに対応して油圧サーボ機構が設けられている。また、油圧ポンプと油圧モータとは、閉回路のメイン油路により接続されている。各油圧サーボ機構は、ピストンと、ピストン内部に摺動自在に嵌装されたサーボスプールとを含み、サーボスプールの外周に設けられた溝に変速駆動部材である変速駆動ピンの端部が嵌合されている。また、ケースに設けられたサーボシリンダ内にピストンが摺動自在に収納され、ピストンの側面に、可動斜板から突設されるピン軸が嵌合され、可動斜板に変速駆動部材が連動連結されている。また、変速駆動ピンに変速操作レバーが連動連結されている。さらに、油圧ポンプ及び油圧モータのそれぞれに対応して負荷制御機構が設けられている。各負荷制御機構は、メイン油路の作動油が吸排される制御用シリンダと、制御用シリンダに摺動自在に挿入され、対応する変速駆動ピンと係合する制御用スプールとを有する。制御用シリンダ内で制御用スプールの片側にメイン油路が連通され、負荷制御時に、メイン油路からの圧油力により制御用ピンを押圧し、制御用ピンと対向する制御用スプールが押圧され、変速駆動ピンを移動させることで、可動斜板の斜板角度を制御するとされている。
ただし、このように負荷制御機構を設ける特許文献2に記載された構成の場合でも、負荷制御機構の制御用スプールを介してサーボシリンダを移動させるので、エンジンの負荷が高い場合に負荷の増大を応答性よく防止する面から改良の余地がある。負荷の増大を応答性よく防止できないと、燃費低減を有効に図ることができない可能性がある。
このような課題を解決できる手段は、特許文献1から7のいずれにも開示されていない。このように、特許文献1から7に記載された技術では、負荷の増大を応答性よく防止するとともに、消費エネルギを有効に低減する面から改良の余地がある。
本発明に係る油圧回転機械の目的は、ポンプを駆動する駆動源の負荷の増大を応答性よく防止するとともに、消費エネルギを有効に低減することである。
本発明に係る第1の油圧回転機械は、可動斜板を備える可変容量型の油圧回転機械であって、ケースの内部に設けられ、前記可動斜板の斜板角度を制御する油圧サーボ機構であって、前記ケースに設けられたサーボシリンダと、前記サーボシリンダ内に軸方向の摺動可能に設けられ、前記可動斜板と連動するサーボピストンとを含み、前記サーボピストンの軸方向の移動により前記油圧回転機械の容量を変化させる前記油圧サーボ機構と、前記可動斜板の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構であって、前記ケースまたは前記ケースに固定された固定部材の内側に設けられた規制シリンダと、前記規制シリンダ内に軸方向の摺動可能に設けられ、一端部を前記サーボピストンの軸方向端面に対向させた制御ピストンと、前記ケースまたは前記固定部材と前記制御ピストンとの間に設けられ、前記前記制御ピストンを、前記制御ピストンの一端部が前記サーボピストンから離れる方向に付勢する付勢部材と、前記制御ピストンが前記付勢部材の付勢力に抗して前記サーボピストンに近づくように、作動油圧力を前記制御ピストンの他端側に導入する規制用圧力導入路とを含むピストン移動規制機構とを備えることを特徴とする油圧回転機械である。
本発明に係る第1の油圧回転機械によれば、可動斜板と連動するサーボピストンに対向させる制御ピストンと、制御ピストンを付勢部材の付勢力に抗してサーボピストンに近づくように、作動油圧力を制御ピストンのサーボピストンとは反対側の他端側に導入する規制用圧力導入路とを含む。このため、作動油圧力として油圧回転機械の負荷の増大に応じて高圧となる圧力を規制用圧力導入路を通じてサーボピストンの他端側に導入することで、可動斜板の傾転角の範囲を規制できる。したがって、ポンプを駆動する駆動源の負荷の増大を応答性よく防止できるとともに、消費エネルギを有効に低減できる。
また、本発明に係る第2の油圧回転機械は、可動斜板を含む可変容量型の可変容量ポンプを備える油圧回転機械であって、ケースの内部に設けられ、前記可動斜板の斜板角度を制御する油圧サーボ機構であって、前記ケースに設けられたサーボシリンダと、前記サーボシリンダ内に軸方向の摺動可能に設けられ、前記可動斜板と連動するサーボピストンとを含み、サーボピストンの一端側と他端側とに形成した前記サーボシリンダの第一油室及び第二油室のいずれかに選択的に作動油を導入することにより前記サーボピストンが軸方向へ移動して前記油圧回転機械の容量を変化させる前記油圧サーボ機構と、前記サーボシリンダへの作動油を供給する固定容量ポンプと、さらに、前記可動斜板の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構であって、前記作動油の導入により前記サーボピストンを容量小方向に移動させる第一油室に対して前記固定容量ポンプの吐出側を通じさせる接続路と、前記接続路に設けられ、パイロット圧が所定圧以上で前記接続路を接続し、前記パイロット圧が所定圧未満で前記接続路を遮断するパイロット式切換弁とを含む前記ピストン移動規制機構を備え、前記パイロット式切換弁のパイロット圧として前記可変容量ポンプから吐出後の作動油圧力が導入されることを特徴とする油圧回転機械である。
本発明に係る第2の油圧回転機械によれば、負荷の増大により可変容量ポンプから吐出後の作動油圧力が高くなった場合に、パイロット式切換弁が接続路を接続し、固定容量ポンプから吐出後の作動油圧力が第一油室に導入される。第一油室は、作動油圧力が導入されることで、可動斜板と連動するサーボピストンを容量小方向に移動させる。このため、可動斜板と連動するサーボピストンが容量小方向に移動し、ポンプを駆動する駆動源の負荷の増大を応答性よく防止できるとともに、消費エネルギを有効に低減できる。
本発明に係る油圧回転機械によれば、ポンプを駆動する駆動源の負荷の増大を応答性よく防止できるとともに、消費エネルギを有効に低減できる。
本発明に係る第1の実施の形態の油圧回転機械であるポンプユニットを含む作業車両である掘削作業機の略図である。 図1の掘削作業機を構成する機器収容部内部に設けた複数の装置を、一部を省略して示す平面図である。 図1の掘削作業機の油圧回路の全体図である。 第1の実施の形態のポンプユニットの基本構成を示す図である。 同じくポンプユニットの基本構成の横断断面図である。 図5のA−A断面図である。 図6からポートブロックを取り出して、図6の左側から右側に見た図である。 図6のB−B断面図である。 一部を省略して示す、図6のC−C断面図である。 図6の左側から右側に見た図である。 図6の上側から下側に見た図である。 図6のD−D断面図である。 図6のE−E断面図である。 回転角度検出用レバーの取付状態を示す、図11から回転角度センサ及びセンサ支持部材を省略した状態を示す図である。 図5のポンプユニットの基本構成において、サーボ機構及びバランスピストン機構の作動を説明するための図である。 第1実施形態のポンプユニットの具体的構成において、図15に対応する図である。 本発明に係る第2実施形態の油圧回転機械である無段変速装置を構成するサーボ機構を含む、無段変速装置の油圧回路を示す図である。 本発明に係る第3実施形態のポンプユニットを示す、図15に対応する図である。 本発明に係る第4実施形態の油圧回転機械である無段変速装置を構成するサーボ機構を含む、無段変速装置の油圧回路を示す図である。
[第1実施形態]
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1から図16は、本発明に係る第1の実施の形態を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の油圧回転機械であるポンプユニットを含む作業車両である、掘削作業機10は、左右一対のクローラベルトを含む走行装置12と、走行装置12の中央部に配置された回転台14と、回転台14の中心部に設けられた旋回モータ16と、走行装置12の上側に、回転台14により、上下方向の旋回軸O(図2)を中心に旋回可能に取り付けた旋回部である上部構造18とを備える。なお、本発明の油圧回転機械は、このような掘削作業機10に搭載して使用する構成に限定するものではなく、作動油等の作動流体により駆動するモータ等、種々のアクチュエータを含む装置に使用できる。例えば、2の油圧モータで左右の車輪を独立駆動し掘削作業機を機体後部に搭載する農用トラクタ等の作業車両に本発明に係る油圧回転機械を搭載して使用することもできる。また、以下では、ポンプユニットが2つの油圧ポンプを備える場合を説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、1つまたは3つ以上の油圧ポンプを備えるポンプユニットに、本発明を適用することもできる。
図1に示すように、上部構造18は、上側に設けられて、蓋部により開口部を塞ぐ機器収容部20を含む。機器収容部20の内部に、駆動源であるエンジン22、ポンプユニット24、複数の方向制御弁26a,26b、及び複数の切換用パイロット弁28a,28bが設けられている。また、機器収容部20の上部外側に運転席30が設けられている。運転席30の前側及び左右片側または両側に、切換用パイロット弁と連係する操作レバーやペダル等の操作子32が設けられている。
上部構造18は、旋回モータ16により、走行装置12に対し上下方向の旋回軸O(図2)を中心に回動可能としている。また、走行装置12に備えられる左右のクローラベルト240,242は、それぞれに対応する2の走行用モータ34a、34b(図2)により車両の前進側または後進側に回転可能である。すなわち、左右のクローラベルトは、アクチュエータである、左右の走行用モータ34a、34bにより互いに独立して駆動される。また、走行装置12の後側(図1の右側)に排土板であるブレード36が取り付けられており、ブレード36は、ブレードシリンダ38(図2)の伸縮により上下に回動可能に、走行装置12に支持されている。
上部構造18の前部(図1の左部)に掘削部40が取り付けられている。掘削部40の下端部は、揺動支持部42に支持されている。図2に示すように、揺動支持部42は、上部構造18の前部に、上下方向(図2の裏表方向)の軸44を中心に回動可能である。揺動支持部42と上部構造18との間にスイングシリンダ46が設けられている。図1に示すように、揺動支持部42に、掘削部40のブーム48が、水平方向の軸50を中心に揺動可能に支持されている。
掘削部40は、ブーム48と、ブーム48の先端に上下回動可能に支持されたアーム52と、アーム52の先端に上下回動可能に支持されたバケット54とを含む。ブーム48の中間部と揺動支持部42との間にブームシリンダ56が取り付けられ、ブームシリンダ56の伸縮によりブーム48を上下回動可能としている。
ブーム48の中間部とアーム52の端部との間に、アームシリンダ58が取り付けられ、アームシリンダ58の伸縮によりアーム52を、ブーム48に対し回動可能としている。また、アーム52の端部とバケット54に連結したリンクとの間にバケットシリンダ60が取り付けられ、バケットシリンダ60の伸縮によりバケット54をアーム52に対し回動可能としている。図2に示すように、スイングシリンダ46の伸縮により、掘削部40(図1)全体を左右にスイング可能としている。ブームシリンダ56、アームシリンダ58、及びバケットシリンダ60のそれぞれは、掘削部40の昇降用シリンダである。
機器収容部20に、エンジン22と、エンジン冷却用のラジエータ64と、エンジン22に結合したポンプユニット24と、ポンプユニット24から作動流体である作動油を供給可能とする複数(本例の場合は8)の方向制御弁を含むバルブユニット66と、油タンク68と、エンジン用の燃料タンク(図示せず)とを配置している。ポンプユニット24は、エンジン22のフライホイール側に結合するギヤケース70と、切換用パイロット弁28a,28b(図1)に作動油を供給するためのパイロットポンプである、ギヤポンプ72とを含む。なお、上部構造18は、上記のような構成に限定するものではなく、例えば、上部構造の左右方向片側に運転席を設けるとともに、左右方向他側に油タンクやエンジン、ポンプユニット等を配置する機器収容部を設け、全体をボンネットにより被覆することもできる。
図3は、上記の掘削作業機10(図1)の油圧回路であって、アクチュエータと、アクチュエータ切換弁と、ポンプユニットとを含む油圧回路の全体図である。図3に示すように、エンジン22の出力軸に、ポンプユニット24を構成する第1油圧ポンプ74と、ギヤポンプ72とを連結しており、これら各ポンプ74,72をエンジン22により駆動可能としている。また、エンジン22の動力は、大径歯車76及び小径歯車78により構成する増速機構80により増速して、ポンプユニット24を構成する第2油圧ポンプ82に伝達可能とし、第2油圧ポンプ82もエンジン22により駆動可能としている。
第1油圧ポンプ74に、それぞれに対応するクローズドセンター型のアクチュエータ切換弁である方向制御弁26aを介して、それぞれアクチュエータであるバケットシリンダ60、ブームシリンダ56、スイングシリンダ46、及び左側の走行用モータ34aを並列接続している。また、第2油圧ポンプ82に、それぞれに対応するクローズドセンター型のアクチュエータ切換弁である方向制御弁26bを介して、それぞれアクチュエータであるアームシリンダ58、ブレードシリンダ38、旋回モータ16、及び右側の走行用モータ34bを並列接続している。
各方向制御弁26a,26bの左右端に設けた切換油室には、それぞれ切換用パイロット弁28a,28bの出力ポートが接続されている。また、各切換用パイロット弁28a,28bもクローズドセンター型であり各々の入力ポートは、ギヤポンプ72の吐出口に並列接続されている。ギヤポンプ72の吸入口は、油タンク68に接続されている。各切換用パイロット弁28a,28bは、運転席30(図1)の周辺部にそれぞれに対応して設けられる操作子32により機械的に切換可能としている。各切換用パイロット弁28a,28bの切換により、対応する方向制御弁26a,26bが油圧的に中立位置から作用位置へ切り換えられると、対応するシリンダ60,56,46,58,38の伸長・収縮及び走行用モータ34a,34bや旋回モータ16の回転方向が切り換えられる。また、旋回モータ16に対応する方向制御弁26bの切換により、旋回モータ16の回転方向が切り換えられる。例えば、旋回モータ16に方向制御弁26bを介して第2油圧ポンプ82の吐出口が接続されることで、上部構造18(図1)を所望の方向へ左右旋回させることができる。なお、操作子32は、十字方向にレバーを揺動操作可能とし、それぞれの方向の操作量で、異なる2つのアクチュエータの操作量の指示に対応させることもできる。方向制御弁26a,26bの作用位置にはアクチュエータへの吐出流量を徐々に増やす可変絞り弁が設けられる。したがって各切換用パイロット弁28a,28bの操作量に応じて方向制御弁26a,26bの開度が任意に調整される。
また、左右の走行用モータ34a,34bの可動斜板の、モータ軸に対する傾きである、傾転角度を同時に変えるために、1の増速切換弁84を設け、増速切換弁84を、ギヤポンプ72の吐出口に接続している。増速切換弁84は、各走行用モータ34a,34bの可動斜板の傾転角度を2段階で変化可能とする。例えば、増速切換弁84は、走行用モータ34a,34bの可動斜板に連結された容積変更アクチュエータ86の各々にギヤポンプ72から同時給排されるように切り替えることで、走行用モータ34a,34bの容積が大きくなる。一方、容積変更アクチュエータ86内の油を油タンク68へ排出するように切り換えることで、走行用モータ34a,34bの容積が小さくなる。このため、各走行用モータ34a,34bの速度変更が可能となる。増速切換弁84は、各走行用モータ34a,34bで共通に設けている。増速切換弁84は、運転席30(図1)周辺部に設けた操作子32のうち、2速切換レバーである操作子32により切換可能としている。
各走行用モータ34a,34bは、対応する油圧ポンプ74,82の吐出口に、方向制御弁26a,26bを介して接続している。方向制御弁26a,26bを油圧的に切り換える各切換用パイロット弁28a,28bは、運転席30(図1)の周辺部に設けた操作子32のうち、変速レバーとしての操作子32により、対応する油圧ポンプ74,82の吐出口を走行用モータ34a,34bの2つのポートのいずれに接続するかを切換可能とするとともに、走行用モータ34a,34bへの供給油量を変更可能としている。このため、対応する操作子32の操作によって、前進と後進とにそれぞれ対応する、各走行用モータ34a,34bの正転と逆転とが変更可能となるとともに、速度調節が可能となる。
左右の走行用モータ34a,34bに対応する切換用パイロット弁28a,28b切換用の操作子32によって給油量・給油方向を同じとすることで、作業車両が直進走行する。また、操作子32を独立に操作して給油量・給油方向を異ならせることで、各走行用モータ34a,34bの出力が異なり、掘削作業機10(図1)の旋回が可能となる。
本実施の形態では、バケットシリンダ60、ブームシリンダ56、スイングシリンダ46、及び左側走行用モータ34aに、第1油圧ポンプ74から作動油を供給可能とし、アームシリンダ58、ブレードシリンダ38、旋回モータ16、及び右側走行用モータ34bに、第2油圧ポンプ82から作動油を供給可能としている。このように構成する理由は、基本的に同時使用する頻度が高いアクチュエータが同じ油圧ポンプにより駆動されるのを避けるようにして、異なるアクチュエータが同じ油圧ポンプにより駆動された場合の圧力の干渉が生じることを少なくするためである。すなわち、バケットシリンダ60、ブームシリンダ56、スイングシリンダ46、及び左側走行用モータ34aは同時使用される頻度が少ない。また、アームシリンダ58、ブレードシリンダ38、及び右側走行用モータ34bは同時使用される頻度が少ない。一方、旋回モータ16は、アームシリンダ58等の他のアクチュエータと同時に使用される頻度が高く、この場合の圧力干渉を少なくして、このアクチュエータ及び旋回モータ16を高い速度で作動させる必要があるとともに、円滑な動作が損なわれることを防止する必要がある。この目的のため、上記のように増速機構80を用いて、第2油圧ポンプ82の吐出量が、第1油圧ポンプ74の吐出量よりも多くなるようにしている。また、この構成により、旋回モータ16のみを専用に駆動させるための別のポンプを設ける必要がなくなる。
図4は、本実施の形態のポンプユニットの基本構成を示す図である。ポンプユニット24は、第1可変容量ポンプである第1油圧ポンプ74と、第1油圧ポンプ74の容量を変化させるための可動斜板90と、第1斜板操作部であり第1サーボピストンユニットである第1サーボ機構92と、第1サーボ機構92に対し動力の伝達可能に接続される第1バランスピストン機構94とを含む。
また、ポンプユニット24は、第2可変容量ポンプである第2油圧ポンプ82と、第2油圧ポンプ82の容量を変化させるための可動斜板90と、第2斜板操作部であり第2サーボピストンユニットである第2サーボ機構96と、第2サーボ機構96に対し動力の伝達可能に接続される第2バランスピストン機構98とを含む。
各サーボ機構92,96は、後述するポンプケース108(図5、6、8参照)の本体の内壁に形成されるシリンダの内側に軸方向の摺動可能に設けられるサーボピストン100と、サーボピストン100の内側に相対的に軸方向の摺動可能に設けられる方向切り換え弁を構成するスプール102とを含む。スプール102とサーボピストン100との間に、スプール102を軸方向の一方向へ付勢する付勢部材であるバネ104を設けている。サーボピストン100に、可動斜板90に連結した操作ピン106を係合させ、サーボピストン100の移動により可動斜板90の傾転角度の変更を可能としている。
スプール102が一方向に移動すると、サーボピストン100片側の受圧室から作動油がポンプケース108(図5)内の油溜め110に排出されるとともに、ギヤポンプ72から圧力PPLで吐出され、圧力Pchに調整された作動油がサーボピストン100他側の受圧室に導入される。このため、サーボピストン100は、他側の受圧室内の圧力により押圧され、スプール102に追従して一方向に移動する。逆に、スプール102が他方向に移動すると、サーボピストン100他側の受圧室から作動油が油溜め110に排出されるとともに、ギヤポンプ72から圧力Pchで調整された作動油がサーボピストン100片側の受圧室に導入される。このため、サーボピストン100は、スプール102に追従して他方向に移動する。
また、各バランスピストン機構94,98は、後述するピストンケース180(図6,8参照)内に軸方向の摺動可能に設けられたピストン本体112を含む。また、各ピストン本体112の軸方向一端側の小径部に対向する部分に、対応する油圧ポンプ74,82の吐出圧である、各方向制御弁26a,26b(図3)の通過前の一次側圧力PP1(=P1),PP2(=P2)を導入している。また、各ピストン本体112の軸方向一端側の大径部に対向する部分に、ギヤポンプ72の吐出側に接続され、電気信号の入力により減圧量を調節可能な可変減圧弁114から、調節された圧力PCON1、PCON2を導入可能としている。
また、各ピストン本体112の軸方向他端側の小径部に対向する部分に、各方向制御弁26a,26b(図3)の通過後の二次側圧力、すなわち負荷側圧力(負荷圧)のうち、最高負荷圧PL1,PL2を導入している。例えば、複数のシャトル弁を含む回路部により、最高負荷圧を各バランスピストン機構94,98に導入可能とする。また、ピストン本体112の軸方向他端側の大径部に対向する部分に、ギヤポンプ72から圧力PPLで吐出され、固定減圧弁116で所望圧に調整された圧力ΔPLSを導入している。固定減圧弁116は、減圧量を予め設定した状態で一定に維持、すなわち固定されている。
そして、各バランスピストン機構94,98により、対応する方向制御弁26a,26bの通過前の一次側圧力PP1,PP2と最高負荷圧PL1,PL2との差圧である、ロードセンシング差圧(LS差圧)が予め設定した所望圧となるように、対応する油圧ポンプ74,82の可動斜板90のポンプ軸に対する傾きである、傾転角度を制御している。すなわち、ロードセンシング差圧の変化に応じて、対応するバランスピストン機構94,98によりサーボ機構92,96を操作し、対応する油圧ポンプ74,82の可動斜板90の傾転角度を変化させている。これについては、以下で詳しく説明する。
図3に戻って、各油圧ポンプ74,82は、初期位置において、可動斜板90(図4)をポンプ軸に対し直交する平面に対しわずかに(例えば2度程度)傾けた状態が維持されるようにしてスタンバイしている。このため、エンジン22駆動時には、対応するすべてのシリンダ等のアクチュエータを作動させず、対応する方向制御弁26a,26b及び走行切換弁88が中立位置で閉鎖状態(クローズ)にある場合でも、わずかに油圧ポンプ74,82から作動油が吐出される。これに伴って、油圧ポンプ74,82吐出側の油路にアンロード弁118をそれぞれ設けて、対応するすべての方向制御弁26a(または26b)及び走行切換弁88が中立位置にある場合に、アンロード弁118を開放して油タンク68に作動油が排出されるようにしている。なお、このアンロード弁118は、方向制御弁26a,26bを作用位置にしたときにその出力油圧を切換信号として閉鎖側に導入して、油タンク68への作動油排出を停止させるべく構成されている。
次に、図5から図14を用いて、ポンプユニット24の基本構成を説明する。ポンプユニット24は、上記の図4に示した回路構成を有する。以下の説明では、図1から図4に示した要素と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
図5は、ポンプユニット24の横断断面図である。図6は、図5のA−A断面図であり、図7は、図6からポートブロックを取り出して、図6の左側から右側に見た図である。図8は、図6のB−B断面図であり、図9は、一部を省略して示す図6のC−C断面図である。図10は、図6の左側から右側に見た図であり、図11は、図6の上側から下側に見た図である。図12は、図6のD−D断面図であり、図13は、図6のE−E断面図である。図14は、回転角度検出用レバーの取付状態を示す、図11から回転角度センサ及びセンサ支持部材を省略した状態を示す図である。
図5に示すように、ポンプユニット24は、2のアキシャルピストン型の可変容量ポンプを有するもので、ポンプケース108と、ポンプケース108に収容するそれぞれ可変容量ポンプである、第1油圧ポンプ74及び第2油圧ポンプ82と、第1ポンプ軸120及び第2ポンプ軸122と、2の可動斜板90とを備える。また、図8に示すように、ポンプユニット24は、第1サーボ機構92及び第2サーボ機構96と、第1バランスピストン機構94及び第2バランスピストン機構98と、ギヤポンプ72(図5)とを備える。
図5に示すように、ポンプケース108は、一端(図5の右端)に開口部を有するケース本体124と、ケース本体124の開口部を塞ぐとともに第1油圧ポンプ74及び第2油圧ポンプ82に対する油給排を行うポートを形成したブロックである、ポートブロック126と、ポートブロック126のケース本体124と反対側に結合してフライホイールを包み込むラッパ(ホルン)形状のフライホイールハウジングを備えたギヤケース128と、ピストンケース180(図6、図8等)とを含む。図6、図7に示すように、ポートブロック126の上面及び下面に、後述するキドニーポートに通じる複数のポートT1,T2,T3,T4を開口させている。また、図5に示すように、ケース本体124及びポートブロック126に第1ポンプ軸120及び第2ポンプ軸122の両端部を軸受により両持ち支持状態で、回転可能に支持している。図10に示すように、ギヤケース128のフライホイールハウジングにおいては、エンジン側端部の外周部周方向複数個所に孔部130を形成しており、各孔部130に挿通したボルト(図示せず)により、エンジン22(図2)のマウンティング・フランジに結合可能としている。なお、ギヤケース128とフライホイールハウジングとは本実施の形態においては一体的に形成したが、両部材を分離自在に結合したものであっても構わない。
また、図5に示すように、ギヤケース128に、エンジン22の出力軸に連結可能とする入力軸132を軸受により回転可能に支持してフライホイールハウジングの径方向略中央に位置させている。第1ポンプ軸120及び入力軸132は、同軸上に配置し、増速機構80を構成する大径歯車76の中心筒軸の内側にそれぞれスプライン係合させている。このため、第1ポンプ軸120及び入力軸132は、大径歯車76を介して、互いに同期した回転を可能に結合される。
また、増速機構80を構成する小径歯車78の中心筒軸の内側に第2ポンプ軸122をスプライン係合させ、大径歯車76及び小径歯車78を噛合させている。このため、第2油圧ポンプ82は、第1油圧ポンプ74に対し増速機構80のギヤ比により増速される。各歯車76,78の中心筒軸の両端部は、ポートブロック126及びギヤケース128に、それぞれ軸受により回転可能に支持されている。このように、2以上のポンプ74,82を同時駆動するポンプユニット24において、増速機構80等の複数の歯車76,78を、それぞれポンプケース108に対し両持ち支持するともに、各ポンプ軸120,122をそれぞれポンプケース108に対し両持ち支持し、対応するポンプ軸120,122及び歯車76,78同士を連結する構成を採用できる。このため、ポンプ軸120,122及び歯車76,78の強度及び耐久性の向上を図れ、油圧ポンプ74,82のメンテナンス作業が容易になる。
ポンプケース108内側にポンプ側空間である油溜め110を設けるとともに、増速機構80を配置したギヤケース128内側に歯車側空間134を設けて、油溜め110及び歯車側空間134を互いに独立させている。このように、2以上のポンプ74,82を同時駆動するポンプユニット24において、各ポンプ74,82に連動する歯車76,78を収容する部屋である歯車側空間134と、各ポンプ74,82を収容する部屋であるポンプ側空間とを、互いに油の流通不能に独立させる構成を採用できる。このため、各ポンプ74,82を駆動する動力の損失低減を図れる。油溜め110に油を充填させる一方、歯車側空間134に封入する油の量は少なくしている。例えば、図5で歯車側空間134に封入する油は、各歯車76,78の下端部が浸る程度としている。
また、図6、図9に示すように、ギヤケース128の歯車側空間134に面する支持壁内にはその軸受支持凹部128aを上下に貫く油孔136を形成している。各油孔136において、ギヤケース128の外面に開口する上下端部は、着脱可能なプラグ138により塞いでいる。各油孔136は、各歯車76,78の上下位置歯先周辺部と対向するように形成した横穴136aを介して歯車側空間134に通じさせている。このため、上側のプラグ138を取り外した状態で、各油孔136及び横穴136aを通じて歯車側空間134に対する油の給排が可能となる。
図5に示すように、エンジン22(図2)に連結するための入力軸132に、第1ポンプ軸120の一端面(図5の右端面)側に開口する軸方向孔140と、軸方向孔140に連通する、放射状に形成した径方向孔142とを設けている。径方向孔142の外端部は、軸受支持凹部128aに開口させている。このため、図9に示すように、歯車側空間134内の油は各歯車76,78が回転したときにギヤポンプの作用で横穴136aから油孔136を通じて軸受支持凹部128aに到達し、入力軸132の各孔140,142を通じて、図5に示す、第1ポンプ軸120の一端部外周面と大径歯車76内周面との間のスプライン部に供給することが可能となる。このため、スプライン部の耐久性をより有効に向上できる。なお、第2ポンプ軸122の小径歯車78側の一端面(図5の右端面)も同様に軸受支持凹部128aに開いているため、横穴136aと油孔136とを経て軸受支持凹部128a内に放出される油によって、第2ポンプ軸122の一端部外周面と小径歯車78内周面との間のスプライン部に十分に潤滑を施すことが可能となる。
次に、各油圧ポンプ74,82を説明する。各油圧ポンプ74,82は、ポンプ軸120,122にスプライン係合させることによりポンプ軸120,122と一体的に回転可能としたシリンダブロック154と、シリンダブロック154のシリンダに往復動可能に収容された複数のピストン156と、シリンダブロック154の内周面とポンプ軸120,122の外周面との間に設けたバネとを備える。バネは、ピンを介して、外周面が球面状のワッシャにより、各ピストン156の一端に支持したシューを可動斜板90側に押圧する機能を有する。
また、各油圧ポンプ74,82は、ポートブロック126の片面側(図5の左側)に面方向の位置ずれを防止するように支持した弁板144を備える。弁板144は、上下方向の両側でそれぞれポンプ軸120,122と平行方向に貫通した、それぞれ略円弧形の吸入ポート及び吐出ポートを有する。吸入ポートは、図7に示す車両搭載状態でポートブロック126の下側に形成した吸入油路U1,U2に通じさせ、吐出ポートは、図7に示すポートブロック126に上側に形成した吐出油路U3,U4に通じさせている。各油路U1,U2,U3,U4の一端には、ポートブロック126の片面(図7の表面)に開口するキドニーポートが設けられており、それぞれ弁板144の吸入ポートまたは吐出ポートに通じさせている。ポートブロック126の下面及び上面の幅方向(図7の左右方向)両側に、それぞれ第1油圧ポンプ74(図5)用または第2油圧ポンプ82(図5)用である、入口ポートT1,T2と出口ポートT3,T4とを、それぞれ開口させている。このような構成では、ポンプユニット24(図6)に対し、下側から作動油が吸入され、上側から作動油が排出される。このように、2以上のポンプ74,82を同時駆動するポンプユニット24において、出口ポートT3,T4を上向きに配置するように、作業車両に取り付けて使用するので、ポンプユニット24に対するバルブ配管の取付作業が容易に行える。
また、各入口ポートT1,T2に油を供給するために、図10に示すように、ポンプユニット24に供給配管146を接続可能としている。供給配管146のポンプユニット24接続側とは反対側の端部は、外部の油タンク68(図2)に接続される。また、供給配管146は、ポンプユニット24接続側で、本体部148と、本体部148の直径よりも小さくなった小径部150とに分岐させている。本体部148は、少なくともポンプユニット24接続側で略直線状に設けられている。小径部150の上端部は、第1油圧ポンプ74側の入口ポートT1に接続され、本体部148の上端部は、第2油圧ポンプ82側の入口ポートT2に接続されている。このように直径が大きい配管を第2油圧ポンプ82側に接続し、直径が小さい配管を第1油圧ポンプ74側に接続しているのは、増速機構80(図5)により、第2油圧ポンプ82の回転が第1油圧ポンプ74よりも増速され、第2油圧ポンプ82で第1油圧ポンプ74よりも単位時間当たりの吐出容量が大きくなり、必要な吸い込み油量に対応するようにするためである。なお、供給配管として、このように分岐型の構成を用いず、各入口ポートT1,T2に、互いに独立した内径寸法の異なる2の供給配管を接続することもできる。
このように、2以上の吐出容量が異なるポンプ74,82を同時駆動するポンプユニット24において、吐出容量が大きい油圧ポンプ82の供給配管である本体部148は略直線状に設けられ、本体部148から、吐出容量が小さい油圧ポンプ74の供給配管である小径部150を分岐させる構成を採用できる。このため、吐出容量大の油圧ポンプ82での吸い込み流量が、吐出容量小の油圧ポンプ74よりも大きくなるのにもかかわらず、供給配管146内でキャビテーションが発生するのを有効に防止できる。
また、図6、図7に示すように、吸入油路U1,U2のポートブロック126の弁板144側に開口する弓形開口部であるキドニーポートの中間部に、弁板144の下側に外れる位置まで伸ばした延長部152を設けている。延長部152の下端部は、ケース本体124の一端開口を通じて、油溜め110に通じさせる。このため、各油圧ポンプ74,82等のケース本体124内の要素から油が漏れ出して油溜め110に溜まるとしても延長部152を通じて、弁板144の吸入ポートから直ぐ吸入されるようにしている。このように、2以上のポンプ74,82を同時駆動するポンプユニット24において、複数のポンプ74,82から漏れ出た油が溜まるポンプケース108内に、各油圧ポンプ74,82の吸入ポートを連通させた構成を採用できる。このため、ポンプケース108内の余剰油を配管等を介してリザーバタンクに戻す必要がなくなり、配管を省略または少なくでき、部品点数の削減によるコスト低減を図れる。
また、ケース本体124の外面に、固定容量ポンプである外接式ギヤポンプ72のケース158を固定し、ギヤポンプ72のギヤポンプ軸を、ポンプケース108の内側で第1ポンプ軸120と結合固定している。また、ギヤポンプ軸に、駆動歯車(またはインナーロータ)を固定している。ギヤポンプ72は、駆動歯車に従動歯車を噛合させるか、または、アウターロータをインナーロータに対し偏心させつつ回転させるトロコイドポンプ等とすることができる。なお、図示は省略するが、ギヤポンプ72のケース158の外面からギヤポンプ軸を突出させ、その突出させた部分に、他の装置に連結するための動力伝達部を設けることもできる。例えば、動力伝達部は、ギヤポンプ軸の端部に雄スプライン部または雌スプライン部を形成することにより構成できる。例えば、この動力伝達部に図示しない冷却ファンの回転軸を、スプライン結合することができる。
また、図5、図6、図8に示すように、各可動斜板90は、斜板操作部であり、油圧サーボ機構である、対応するサーボ機構92,96により斜板角度である傾転角度を変更される、すなわち制御される。各可動斜板90は、各ピストン156と反対側面である、断面円弧形の凸状面部160と、上側に向く上面部162とを有する。ケース本体124に固定の部材に凸状面部160と合致する断面円弧形の凹状面部を設けており、凹状面部に沿って凸状面部160を摺動可能としている。図8に示すように、上面部162に上下方向に操作ピン106を結合しており、操作ピン106を、サーボ機構92,96を構成するサーボピストン100に係合させている。
各サーボ機構92,96は、ケース本体124に、各ポンプ軸120,122に対し直交する方向に対し平行に設けられたサーボシリンダであるシリンダ164と、シリンダ164内に軸方向の摺動可能に設けられた中空状のサーボピストン100と、サーボピストン100の内側に軸方向の摺動可能に設けられた方向切換弁である、スプール102と、スプール102にサーボピストン100に対し軸方向の一方向へ付勢する付勢部材であるバネ104とを備える。各サーボピストン100は、その外表面に、対応する可動斜板90に結合された操作ピン106と係合する係止部である係止溝166と、複数の内部油路とを含む。係止溝166は、シリンダ164の軸方向と直交する方向に設けられている。このため、各サーボピストン100は、対応する可動斜板90と連動する。
図15は、ポンプユニット24において、サーボ機構92(96)を駆動するバランスピストン機構94(98)及びサーボ機構92(96)の作動を説明するための図である。図15に示すように、サーボピストン100に、第1油路168、第2油路170及び第3油路172を設けている。また、シリンダ164内において、サーボピストン100の一端側(図15の左端側)と他端側(図15の右端側)とに、それぞれ第一油室244と第二油室246とが形成されている。第1油路168は、ギヤポンプ72の吐出口に接続された油路に接続されるもので、所定の調整圧をピストン100外周面側からピストン100内周面側に導入する機能を有する。すなわち、ギヤポンプ72は、シリンダ164内へ作動油を供給する。また、第2油路170は、ピストン100の内周面において、第1油路168のピストン100側開口端に対し、ピストン100の軸方向一側(図15の左側)にずれた位置に一端を開口させ、ピストン100の軸方向他端面(図15の右端面)に他端を開口させている。このため、第2油路170の他端は第二油室246に接続される。また、第3油路172は、ピストン100の内周面において、第1油路168のピストン100側開口端に対し、ピストンの軸方向他側(図15の右側)にずれた位置に一端を開口させ、ピストン100の軸方向一端面(図15の左端面)に他端を開口させている。このため、第3油路172の他端は第一油室244に接続される。
スプール102は、外周面に設けられ、第1油路168のピストン100内周面側開口端と、第2油路170または第3油路172の一端開口とに同時対向可能とする円環状の溝部174を含む。溝部174は、第1油路168及び第2油路170を連通させる状態と、第1油路168及び第3油路172を連通させる状態とを切り換える機能を有する。また、サーボ機構92,96は、対応するバランスピストン機構94,98を構成するピストン本体112とスプール102との間に設けられ、スプール102をピストン本体112の軸方向の移動に同期させて移動させる中間係止部材であるアーム部材176を備える。
また、スプール102は内側に油路238を設けており、油路238は、図6のケース本体124内の油溜め110に常に連通させている。油路238は、第1油路168及び第2油路170が溝部174を介して連通した状態で、第3油路172と連通し、第1油路168及び第3油路172が溝部174を介して連通した状態で、第2油路170と連通する。このようなサーボ機構92,96は、サーボピストン100に対するスプール102の軸方向への移動により、第一油室244及び第二油室246のいずれかに選択的に作動油を導入することによりサーボピストン100が軸方向へ移動して対応する油圧ポンプ74(または82)の容量を変化させる。
図8に示すように、各サーボ機構92,96は、ケース本体124の上部の内部空間に収容しており、それぞれの内部空間の上部にアーム部材176の上端部を突出させるための開口部178を設けている。また、ケース本体124の上側にピストンケース180を、締結部材であるボルトにより結合固定している。そしてピストンケース180に、各サーボ機構92,96にそれぞれ対向する第1バランスピストン機構94及び第2バランスピストン機構98を収容している。各バランスピストン機構94,98は、対応するサーボ機構92,96のスプール102に対し、同期した移動を可能に接続され、バランスシリンダであるシリンダ182と、シリンダ182内での軸方向摺動可能に設けられたピストン本体112とを含む。各サーボ機構92,96のスプール102と、対応するピストン本体112との間にアーム部材176を設けている。
図6に示すように、アーム部材176は、上下方向の同軸上に設けた上軸184及び下軸186と、両軸184,186の間に結合したフランジ188と、フランジ188の先端部上面に上下方向に立設した支持軸190とを含む。図8に示すように、上軸184は、ピストン本体112の中間部全周に設けた係止溝192に係合させ、下軸186は、スプール102の中間部全周に設けた係止溝194に係合させている。この構成により、サーボ機構92,96のスプール102は、対応するバランスピストン機構94,98のピストン本体112の軸方向の移動に同期した移動を可能としている。
また、各バランスピストン機構94,98は、シリンダ182の軸方向一端側に設けられた第一受圧室196及び第四受圧室198と、シリンダ182の軸方向他端側に設けられた第二受圧室200及び第三受圧室202とを含む。第一受圧室196には、可変容量ポンプである第1、第2各油圧ポンプ74,82の吐出圧であって、アクチュエータ切換弁である方向制御弁26a,26b(図3)の通過前の一次側の作動油圧力PPが導入され、第二受圧室200には、方向制御弁26a,26bを通過後の最高負荷圧PL(以下、単に「負荷圧PL」という。)が導入される。また、第三受圧室202には、設定ロードセンシング圧ΔPLSが導入される。設定ロードセンシング圧ΔPLSは、方向制御弁26a,26bの作用位置での定常状態で、方向制御弁26a,26bの通過前後に生じる作動流体差圧に相当し、予め設定される設定圧力である。図15に示すように、ギヤポンプ72の吐出圧PPLを調整して得られた圧力Pchを固定減圧弁116により所望値に減圧して、設定ロードセンシング圧ΔPLSが得られるようにしている。
また、図8に示すように、ピストンケース180の上面で、2のバランスピストン機構94,98同士の間の幅方向中間部の上側と対向する位置に、弁ケース204を固定している。図12に示すように、弁ケース204に、各バランスピストン機構94,98(図8)で共通の固定減圧弁116を設けている。固定減圧弁116は、シリンダと、シリンダに対し摺動可能に設けられた弁体206と、弁ケース204に固定のキャップ208と、キャップ208にねじ結合されたネジ軸210と、ネジ軸210により押圧される間座212と、弁体206と間座212との間に設けたバネ214とを備え、バネ214により弁体206を一方向に付勢している。弁ケース204の図示しない油路を通じてギヤポンプ72(図15)からの圧力Pchが弁体206を配置した空間に導入されている。圧力Pchは、バネ214の付勢力に応じて減圧され、油路を通じて各第三受圧室202(図8)に設定ロードセンシング圧ΔPLSが導入されている。図12に示すように、固定減圧弁116による減圧量は、ネジ軸210のキャップ208内側への進入量を調整してバネ214の付勢力を変更することにより調整可能である。
図13に示すように、第四受圧室198は、対応する比例制御型の可変減圧弁114により、ギヤポンプ72(図15)の吐出圧が減圧された後の可変圧力を導入可能としている。すなわち、第四受圧室198は、任意に設定自在な可変圧力を導入される。通常時には、ギヤポンプ72から第四受圧室198に導入される作動油を遮断することができる。各可変減圧弁114は、比例ソレノイド216と、比例ソレノイド216により減圧量を制御される減圧弁本体218とを有し、比例ソレノイド216には、例えばエンジン22(図2)の負荷を表す信号が入力される。エンジン負荷が高い場合には、比例ソレノイド216は、減圧弁本体218に二次側の圧力PCONの減少量を低くし、圧力Pchに近い圧力が第四受圧室198に導入されるように減圧量を規制する。また、比例ソレノイド216は、ピストンケース180の水平方向に向いた側面から突出する状態で固定されている。また、比例ソレノイド216に、指令信号を入力するためのケーブル220が接続されている。
このように、2以上の可変容量ポンプを同時駆動するポンプユニット24において、作業車両に搭載する場合に、可動斜板90のそれぞれに連動させるサーボ機構92,96は、ケース本体124の上部に設けられ、バランスピストン機構94,98を収容する部材であるピストンケース180は、サーボ機構92,96の上側に設けられている。このため、機器収容部20(図1)に通例のごとく備えられたボンネットを開放することでメンテナンス作業を容易に行える。
また、図8に示すように、各可動斜板90の傾転角度を検知するために、各可動斜板90にそれぞれ対応する2のポテンショメータである回転角度センサ222を設けている。このために、ピストンケース180の上側で、各バランスピストン機構94,98の上側に対向する2個所位置に、センサ支持部材224を締結部材であるボルトにより結合固定している。各センサ支持部材224は、ピストンケース180と弁ケース204との上側に、それぞれ固定している。各センサ支持部材224の上側に回転角度センサ222を固定し、センサ軸226を上下方向に向けている。センサ軸226の下端部は、センサ支持部材224の下面から下側に突出させている。
一方、上記で説明したように、各サーボ機構92,96と、対応するバランスピストン機構94,98との間に係合させたアーム部材176は、支持軸190(図6)を有する。支持軸190は、ピストンケース180に上下方向に貫通した孔部を通じてピストンケース180の上側に突出させ、その突出させた部分に回転角度検出用レバーである、第1レバー228の中間部を結合している。また、第1レバー228の先端部にピンにより、回転角度検出用レバーである第2レバー230の一端部を揺動可能に支持している。第2レバー230の他端部は、センサ軸226の下端部に結合固定されている。このため、可動斜板90の傾転角度が変化し、スプール102がサーボピストン100に追従して移動すると、アーム部材176の上軸184及び下軸186が、図6の裏表方向に移動し、これに伴って、支持軸190がピストンケース180の孔部中心に回転し、第1、第2各レバー228,230がそれぞれ揺動するので、回転角度センサ222のセンサ軸226が回転する。したがって、回転角度センサ222により、可動斜板90の傾転角度に対応する回転角度が検出可能となる。ピンにより連結した各レバー228,230と、回転角度センサ222とにより、回転角度検出ユニットを構成している。このように、2以上の可変容量ポンプを同時駆動するポンプユニット24において、ポンプケース108またはポンプケース108に固定の部材に回転可能に支持された2以上の支持軸190を備え、各支持軸190は、対応する回転角度センサ222に連結されるとともに、対応する可動斜板90の動きと連動する回転を検出可能とする構成を採用できる。
また、図12、14に示すように、各第1レバー228の第2レバー230(図6)結合側とは反対側の端部(図12の左端部)に、水平方向に初期位置設定用のネジ軸232の端部を突き当てている。各ネジ軸232はストッパとして機能し、ピストンケース180の上面に固定の部材に立設した板部234に挿通させ、両側からナットを締め付けることで、板部234に対するネジ軸232の突出量を調整可能としている。このため、可動斜板90(図5)の初期位置である初期の傾転角度を任意に設定でき、操作レバーやペダル等の操作子32(図3)が中立位置にあってモータ等のアクチュエータ236(図15参照)の非作動時でも各油圧ポンプ74,82からわずかに作動油が吐出されるようにスタンバイしている。
図11に示す回転角度センサ222の検出値は、図示しないコントローラに入力される。コントローラは、可動斜板90(図5)の傾転角度が予め設定した閾値以上に大きくなったと判定すると、比例ソレノイド216に、減圧弁本体218による減圧量を小さくするように制御するための指令信号を出力する。これにより、第四受圧室198(図13)に大きな圧力が導入され、可動斜板90の傾転角度が所望の範囲内に維持されるように規制される。
また、コントローラには、エンジン22(図2)からエンジン回転数も入力され、エンジン22の負荷が予め設定した閾値以上に高くなったと判定すると、比例ソレノイド216に、減圧弁本体218による減圧量を小さくするように制御するための指令信号を出力する。この場合、可動斜板90の傾転角度を小さくし、エンジン22の負荷が小さくなるように、可動斜板90の傾転角度が規制される。
次に、図15を用いて本実施の形態により得られる効果を説明する。なお、図15は、ポンプ72,74に対するサーボ機構92(または96)、バランスピストン機構94(または98)、及びアクチュエータの接続関係を模式的に表したものである。また、モータのごときアクチュエータ236を1つ示しているが、これは説明の便宜上のためで、実際には、図3に示すようにギヤポンプ72からはサーボ機構92(または96)及びバランスピストン機構94(または98)に対応するバケットシリンダ60等のシリンダ、走行用モータ34a等のモータ等の並列接続された複数のアクチュエータに、作動油が供給されるようにしている。また、以下の説明では、第1油圧ポンプ74の可動斜板90の傾転角度を制御する場合を代表して説明するが、第2油圧ポンプ82の場合も同様である。図15に示すように、可動斜板90の傾転角度は、サーボ機構92とバランスピストン機構94と可変減圧弁114と固定減圧弁116とにより制御されている。
ギヤポンプ72の吐出圧PPLから調整された圧力Pchが、サーボピストン100の第1油路168に導入されている。また、バランスピストン機構94の第一受圧室196には、方向制御弁26aの通過前の一次側の作動油圧力PPが導入されている。また、第二受圧室200には、各方向制御弁26aを通過後の二次側の負荷圧PLが導入されている。また、第三受圧室202には、圧力Pchを固定減圧弁116により減圧して得られた設定ロードセンシング圧ΔPLSが導入されている。また、ピストン本体112の両側に加わる圧力が以下の条件で釣り合うようにしている。
(一次側圧力PP)=(設定ロードセンシング圧ΔPLS)+(負荷圧PL
エンジン始動時に、可変減圧弁114による圧力PCONがゼロで、かつ、クローズドセンター型の方向制御弁26aが中立位置にある場合にポンプ72,74が駆動されると、図15に示すように第一受圧室196には一次側圧力PP(アンロード圧)が作用し、第三受圧室202には設定ロードセンシング圧ΔPLSが、それぞれ作用する。第二受圧室200に作用する負荷圧PLはゼロであるため、PP>ΔPLS+PLとなり、ピストン本体112が図示位置に移動する。ピストン本体112がこの位置にあるとき前述のアーム部材176(図8)、支持軸190、ネジ軸232(図12)によるストッパによってそれ以上の図15の紙面右方向への移動は阻止され、ピストン本体112と連係するサーボ機構92のスプール102にサーボピストン100が追従し、可動斜板90は油圧ポンプ74から吐出される油量を規定した最小値に維持するように傾転し待機する。
次に、方向制御弁26aを中立位置から外れた作用位置に保持する場合には第二受圧室200への負荷圧力PLが生じるものの、方向制御弁26aの通過前後の差圧に変動がないので、PP=ΔPLS+PLの関係が保たれてピストン本体112がその位置に維持され、油圧ポンプ74から一定の油量が吐出される。これに対して、方向制御弁26aの中立位置から作用位置へ至る切換の過渡的な状態では、それまで堰き止められていた油がアクチュエータ236へ流れ始めた瞬間、一次側圧力PPは低くなり、負荷圧PLの値に近づく方向に方向制御弁26aの通過前後の差圧が変化する。よって、PP<ΔPLS+PLの関係となる。よって、ピストン本体112に加わる図15の紙面右方向への推力と左方向への推力とのバランスが崩れて、ピストン本体112が、「吐出量大方向」である、図15の左方向へ移動する。これに伴って、サーボ機構92のスプール102及びサーボピストン100が図15の左方向へ移動する。そして、可動斜板90の傾転角度が大きくなり、第1油圧ポンプ74の吐出油量が増える。
その後、第1油圧ポンプ74の吐出油量が上昇し、時間経過とともに前記の可変絞り弁の通過前後で差圧の変動が解消し、PP=ΔPLS+PLの関係が成立した時点で、ピストン本体112の図15の紙面右方向への推力が左方向への推力とバランスしてピストン本体112の左方向への移動は停止する。この場合、サーボ機構92を介して可動斜板90の傾転角度がその位置に維持され、第1油圧ポンプ74の吐出油量が一定に維持され、所望のアクチュエータ作動油量が得られる。切換用パイロット弁28a,28bを中立位置にすればアンロード弁118が開放作動しピストン本体112が図15の位置に戻る。このようにサーボ機構92(または98)は、サーボピストン100の軸方向の移動により、ポンプユニット24の対応する油圧ポンプ74(または82)の容量を変化させる。
このように、本実施の形態によれば、ロードセンシングにより、アクチュエータの作業負荷圧に応じて油圧ポンプ74,82の吐出油量を制御できるので、負荷に必要な油圧動力に対する流量を油圧ポンプ74,82から吐出させつつ、油圧ポンプ74,82から吐出される余剰流量の削減を図れる。このため、消費エネルギの低減を図れる。また、上記の特許文献4に記載された構成の場合と異なり、ポンプ吐出容量の制御を、バランスピストン機構94,98を構成する受圧室196,198,200,202の圧力変化のみにより行え、ロードセンシング弁に対応するレギュレータバルブのパイロット室側に設けたスプリングの伸張量にポンプの制御圧が影響されるという不都合が生じることがない。このため、アクチュエータの制御をより安定して行える。
さらに、斜板操作部である、サーボ機構を設けた従来品のポンプユニットの多くの部品の共通化を図れる。例えば、本実施の形態では、サーボ機構を備えるが、ロードセンシング機能を持たないポンプユニットに対して、多くの部品を使用して、本実施の形態のポンプユニット24を構成できる。このため、従来品にロードセンシング機能を持たせる構成をオプションとして装着してポンプユニット24を構成することができ、その場合に、油圧ポンプ74,82側の部品に大幅な変更を加えることがなく、コスト低減を図りやすい。この結果、ポンプユニット24によれば、サーボ機構を備えるが、ロードセンシング機能を持たないポンプユニットに対し、多くの部品を共通化できる構造で、消費エネルギの低減を安定して図れるとともに、油圧ポンプ74,82の吐出量をより安定して制御できる。
また、バランスピストン機構94,98は、さらにピストン本体112の軸方向一端側で前記第一受圧室196に隣接して設けられた第四受圧室198を含み、第四受圧室198には、可変減圧弁114によって任意に設定自在な可変圧力を導入する。これにより第四受圧室198からの推力は第一受圧室196からの推力に加担されピストン本体112の図15の紙面右方向への移動を強め、前記第二、第三受圧室200,202からの図15の紙面左方向への推力の抵抗となる。このため、例えば、本実施の形態のように、切換用パイロット弁28a,28bが作用位置に操作され油圧ポンプ74,82が所望の油量を吐出しているときに、ポンプユニット24を駆動するエンジン22の負荷が所定値に達したり可動斜板90が所定の傾転角度に達した場合など、ポンプ吐出油量をそれ以上に増やす必要がない、或いは、油量を現状から低減させる必要が生じたときには、それぞれ外部信号に応じて可変減圧弁114の二次側可変圧力であり、ギヤポンプ72からの吐出後で可変減圧弁114通過後の比例弁二次側圧力PCON(0≦Pcon≦Pch)を制御する。このため、油圧ポンプ74,82の最大吐出量設定や、エンジン22負荷制御に有効に利用できる。したがって、ポンプユニット24を使用する装置の高性能化を有効に図れる。
また、可動斜板90の操作部として上記のようなサーボ機構92,96を設けているので、バランスピストン機構94,98がこのサーボピストン100を駆動する。このため可動斜板90の操作力を低減できるとともに、可動斜板90の傾転角度をより安定して制御できる。
なお、本実施の形態では、ポンプユニット24は、エンジン22側より順に、ギヤケース128、ポートブロック126、ケース本体124が配置されるように、互いにボルト等により結合されている。ただし、その配置順は、自由に変更することができる。また、ギヤケース128は、エンジンマウンティングフランジと呼ばれるエンジン22結合用フランジを分離可能に結合させることもできる。この場合、エンジン22の種類に応じて、エンジン結合用フランジのみを交換することで、部品を大きく変更することなく、種々のエンジン22に取り付けることが可能となる。
本実施形態のポンプユニット24の基本構成は、上記で説明したとおりであるが、本実施形態の場合、さらに、各油圧ポンプ74,82を駆動する駆動源であるエンジン22(図2、図3)の負荷の増大防止を応答性よく図るとともに、消費エネルギの低減をより有効に図るために、後述する特別な構成を採用している。まず、この特別な構成を考え付いた理由を、上記の図15等に示した基本構成の図を用いて説明する。上述したように、基本構成では、コントローラにはエンジン回転数が入力され、コントローラは、エンジン22の負荷が閾値以上に高くなったと判定すると、可変減圧弁114の比例ソレノイドに指令信号を出力する等により、可動斜板90の傾転角度を小さくし、エンジン22の負荷が小さくなるように制御している。
ただし、エンジン回転数の検出等を行うので負荷制御が必要な場合に制御の応答遅れが生じる可能性がある。すなわち、応答性よくエンジン22の負荷の増大防止を図る面から改良の余地がある。負荷が高いとポンプユニット24の消費エネルギが増大し、ポンプユニット24を駆動するエンジン22の燃費が悪化する可能性がある。これに対して、本発明者は、下記のように、サーボ機構92,96のサーボピストン100に対向配置される制御ピストンを有するピストン移動規制機構を設けることで、これらの課題の解決を図ることを考えた。
図16は、本実施形態のポンプユニットの具体的構成において、図15に対応する図である。なお、図16では、油圧ポンプ74(または82)とサーボ機構92(または96)とバランスピストン機構94(または98)との上下の位置関係を、図15の場合と逆にして示している。なお、図16で可変減圧弁114の位置は実際の配置位置を示したものではなく、可変減圧弁114は、図16の上下方向に関してバランスピストン機構94(または98)と同位置に配置されている。
図16に示すように、本実施形態では、上記の図8の基本構成に対して、ポンプケース108の図8の左右両側に、対応する可動斜板90の斜板角の増大を規制する2つのピストン移動規制機構248が取り付けられている。なお、図16では、上記の図1〜15に示した基本構成と同一または対応する要素に同一の符号を付して、以下、重複する図示及び説明は省略もしくは簡略化する。また、1つのサーボ機構92に対応する1つのピストン移動規制機構248と、別のサーボ機構96に対応する別のピストン移動規制機構248とは、図16において左右方向が逆になるだけで同様の構成を有する。
ピストン移動規制機構248は、ポンプケース108に結合固定された第1固定部材であるカバー108aの外端部にねじ結合等により固定された第2固定部材である外側シリンダ部材250と、カバー108a及び外側シリンダ部材250の内側に配置された制御ピストン252と、付勢部材である制御バネ254と、規制用圧力導入路である圧力導入路256とを含む。制御ピストン252の一部は、外側シリンダ部材250の内側に設けられた規制シリンダである外側シリンダ258内に軸方向の摺動可能に設けられている。
すなわち、外側シリンダ258は、外側シリンダ部材250に、内端部(図16の左端部)が開口し外端部(図16の右端部)が塞がれるように形成されている。外側シリンダ258は、内端側の大径部260と、外端側の小径部262とを含む。制御ピストン252は、小径部262内に軸方向の摺動可能に設けられた摺動軸部264と、摺動軸部264に連結された中間軸部266と、中間軸部266の一端側である内端側(図16の左端側)に設けられたねじ軸268と、ねじ軸268に外嵌された押圧部材270と、押圧部材270をねじ軸268に結合固定するナット280とを含む。また、制御バネ254は、カバー108aに設けられた壁部282と、制御ピストン252の軸方向中間部に設けられたフランジ284との間に設けられている。
制御ピストン252の一端部に設けられた押圧部材270は、サーボピストン100の軸方向他端面(図16の右端面)に対向させている。制御バネ254は、制御ピストン252を、押圧部材270がサーボピストン100から離れる方向に付勢している。なお、カバー108aと外側シリンダ部材250とを単一の部材により形成したり、または、カバー108aに相当する部分をポンプケース108の一部により形成したり、または、カバー108a及び外側シリンダ部材250に相当する部分をポンプケース108の一部により形成することもできる。
また、圧力導入路256は、外側シリンダ部材250の外端部に、外側シリンダ部材250の径方向に設けられている。圧力導入路256の一端は、外側シリンダ258の小径部262の外端部に接続されている。圧力導入路256の他端は、外側シリンダ部材250の外周面に開口させている。なお、圧力導入路256を外側シリンダ部材250の軸方向に設けるとともに、圧力導入路256の端部を外側シリンダ部材250の軸方向外端面に開口させることもできる。圧力導入路256の他端に、第1油圧ポンプ74(または第2油圧ポンプ82)の吐出側に接続された外部配管286の下流端部が接続されている。このため、第1油圧ポンプ74(または第2油圧ポンプ82)から圧力導入路256を通じて外側シリンダ258内に導入された圧力により制御ピストン252がサーボピストン100側(図16の左側)に押圧される。すなわち、圧力導入路256は、制御ピストン252が制御バネ254の付勢力に抗してサーボピストン100に近づくように、第1油圧ポンプ74(または第2油圧ポンプ82)からの吐出後でアクチュエータ切換弁である方向制御弁26a(または26a)の通過前の一次側の作動油圧力PPを、制御ピストン252の他端側である、小径部262の外側(図16の右側)に設けられた油圧室287に導入する機能を有する。
なお、図16のように、圧力導入路256に、内部にオリフィスを有するオリフィス部材288を固定し、圧力導入路256を通じて制御ピストン252の外側(図16の右側)に導入される圧力の急激な変動を抑制することもできる。また、外側シリンダ258において、カバー108aの壁部282と制御ピストン252のフランジ284とにより、制御バネ254が収容されるバネ室290が形成されている。また、バネ室290は、壁部282に形成された孔と制御ピストン252の外周面との間の隙間を通じて、サーボシリンダであるシリンダ164内の制御ピストン252の他端側である第一油室244に連通されている。このため、外側シリンダ部材250に、バネ室290に接続される排出路であって、外部配管を介して油タンクに接続される排出路を形成する必要がない。
このようなピストン移動規制機構248を備えるポンプユニットによれば、各油圧ポンプ74,82を駆動するエンジン22(図2、図3等)の負荷の増大防止を応答性よく図れるとともに、消費エネルギをより有効に低減できる。すなわち、方向制御弁26a(または26b)の中立位置から作用位置へ至る切換の過渡的な状態では、一次側圧力PPが低くなり、バランスピストン機構94(または98)を構成するピストン本体112が「吐出量大方向」である、図16の右側へ移動する。これに伴って、サーボ機構92(または96)を構成するスプール102も同方向へ移動し、ギヤポンプ72からサーボ機構92(または96)を構成する第二油室246に作動油が導入され、第一油室244から油路238を通じてポンプケース108内の油溜め110に作動油が排出される。このため、サーボピストン100が可動斜板90の斜板角を増大する方向(図16の右側)に移動する。
また、圧力導入路256に導入される作動油圧力PPが低い場合には、図16に示すように、制御バネ254の付勢力で制御ピストン252の押圧部材270は、サーボ機構92(または96)を構成するサーボピストン100から離れている。このため、対応する油圧ポンプ74(または82)の可動斜板90の傾転角度は制御ピストン252により規制されることなく変更可能である。
これに対して、アクチュエータ236に負荷が加わることで第1油圧ポンプ74(または第2油圧ポンプ82)からの吐出後の一次側の作動油圧力PPが予め設定した閾値以上に高くなると、圧力導入路256を通じて導入された作動油圧力PPが制御バネ254の付勢力に抗して制御ピストン252をサーボピストン100側に押圧する。このため、サーボピストン100の変位であるストローク量の最大値が小さくなるように規制されて、場合によりサーボピストン100を押し戻して、対応する油圧ポンプ74(または82)の可動斜板90の傾転角度が小さくなる。すなわち、可動斜板90の最大斜板角が小さくなるように規制される。このため、油圧ポンプ74(または82)の最大吐出量が小さくなり、エンジン22の負荷の増大防止を迅速に、すなわち応答性よく図れる。これとともに、各油圧ポンプ74,82の消費エネルギをより有効に低減でき、エンジン22の燃費をより有効に低減できる。
また、本実施形態のように、エンジン回転数の検出等に応じて、エンジン22の負荷が予め設定した閾値以上に高くなったと判定された場合に、コントローラにより可変減圧弁114が制御されてピストン本体112のストローク量が制限される場合でも、コントローラにより制限される前に、ピストン移動規制機構248により応答性よく負荷の増大防止を図れる。なお、ピストン移動規制機構248のみにより負荷の過度な増大を防止できるのであれば、エンジン22側での回転数検出等の負荷検出による負荷制御を行わないように構成することもできる。
[第2実施形態]
図17は、本発明に係る第2実施形態の油圧回転機械である無段変速装置を構成するサーボ機構を含む、無段変速装置の油圧回路を示す図である。本実施形態では、油圧回転機械である無段変速装置に本発明を適用している。図17に示す無段変速装置292は、静油圧伝動装置であるHST(Hydro Static Transmission)と呼ばれるもので、例えば、芝刈り機や、耕運機等の対地作業機を有する作業車両や、上記の第1実施形態で説明した掘削作業機10(図1参照)等の作業車両に搭載されて使用される。例えば、掘削作業機10の走行装置において、油圧モータにより車輪またはクローラベルト等の駆動部を駆動するために使用される。また、無段変速装置292は、ケース294にそれぞれ設けられる油圧ポンプ296及び油圧モータ298を備え、油圧モータ298は、油圧ポンプ296から吐出された作動油である圧油が供給され、駆動される。無段変速装置292は、油圧ポンプ296及び油圧モータ298により静油圧伝動を行う。
すなわち、油圧ポンプ296は、2つのポートである、ポンプ側第1ポートP1及びポンプ側第2ポートP2を有する。油圧モータ298は、2つのポートである、モータ側第1ポートM1及びモータ側第2ポートM2を有する。油圧ポンプ296及び油圧モータ298のそれぞれの第1ポートP1,M1は、前進側メイン油路である第1油路S1により接続され、油圧ポンプ296及び油圧モータ298のそれぞれの第2ポートP2,M2は、後進側メイン油路である第2油路S2により接続されている。第1油路S1及び第2油路S2は、油圧ポンプ296及び油圧モータ298を流体動力的に結合する、すなわち接続する閉回路である主回路を構成する。
油圧ポンプ296は、可動斜板90を有する可変容量ポンプであり、エンジンや電動モータ等の駆動源(図示せず)により駆動される。また、補助ポンプであり、固定容量ポンプであるチャージポンプ300も駆動源により駆動される。例えば、油圧ポンプ296とチャージポンプ300とは、駆動源により駆動される単一の、または互いに別の回転軸により駆動される。油圧ポンプ296の回転軸が駆動することにより、第1ポートP1及び第2ポートP2の一方のポートから加圧された作動油が吐出され、他方のポートから作動油が吸入される。油圧ポンプ296は、ケース294に揺動可能に支持された可動斜板90を含み、駆動軸に対する可動斜板90の傾斜角度、すなわち傾転角度を変更可能としている。
可動斜板90は、ケース294に設けられた斜板操作軸である操作ピンが回転することにより可動斜板90の向き及び角度が変更可能となる。可動斜板90の向きや角度により第1ポートP1及び第2ポートP2の吐出側及び吸入側が決定され、吐出容量も決定される。また、車両の運転席周辺部に設けられた加速指示部である変速操作レバー302の操作に対応して、変速操作レバー302に連結されたレバー304が揺動し、以下で説明するサーボ機構306を介して斜板操作ピンが回転し、油圧ポンプ296の容量が変化する。
すなわち、ケース294内にサーボ機構306が設けられている。サーボ機構306の基本構成は、上記の図15等に示したポンプユニットに設けられたサーボ機構92,96と同様である。このため、図17では、図15に示した要素と同一または対応する要素には同一符号を付して、重複する説明を省略もしくは簡略にする。また、無段変速装置292には、図15に示した構成の場合と異なり、バランスピストン機構94,98が設けられていない。サーボ機構306を構成するスプール102の外周面に変速駆動部材である変速駆動ピン308が係合されている。変速駆動ピン308には、レバー304に連動連結されている。変速操作レバー302が、図17のF側(車両の前進を指示する側)またはR側(車両の後進を指示する側)に操作されることにより、レバー304が揺動中心を中心として揺動する。この場合、スプール102が矢印α、βのいずれかの方向に移動するので、サーボピストン100もスプール102と同方向に移動する。このため、可動斜板90の傾転角度が中立位置から前進側または後進側に対応する方向に傾斜し、油圧ポンプ296が車両の前進側または後進側に対応して油圧モータ298の第1ポートM1または第2ポートM2に作動油が供給されるように駆動され、かつ、変速操作レバー302の操作量が大きくなるほど、油圧ポンプ296からの吐出容量が大きくなるように変化する。すなわち、サーボ機構306は、ケース294に設けられたサーボシリンダであるシリンダ164と、シリンダ164内に軸方向の摺動可能に設けられ、可動斜板90と連動するサーボピストン100とを含み、サーボピストン100の軸方向の移動により油圧ポンプ296の容量を変化させる。
油圧モータ298は、固定斜板を有する定容量モータであり、車両の車輪等の駆動部に、直接または動力伝達部等を介して、動力の伝達可能に連結される回転可能なモータ駆動軸(図示せず)を備える。第1ポートM1及び第2ポートM2の一方のポートから高圧の作動油が吸入されると、油圧モータ298のシリンダボア内に設けられたピストンが往復運動し、モータ駆動軸が回転駆動する。この場合、第1ポートM1及び第2ポートM2の他方のポートから作動油が吐出される。油圧モータ298は、ケース294に、モータ駆動軸に対する傾斜角度の変更不能に固定斜板を支持している。第1ポートM1及び第2ポートM2で、吐出側と吸入側とのいずれになるかに応じて、モータ駆動軸の回転方向が切り換わる。例えば、変速操作レバー302の前進操作時には、第1ポートM1が吸入側となり、第2ポートM2が吐出側となる。この場合、車輪等の駆動部が前進側に回転し、車両が前進走行する。また、変速操作レバー302の後進操作時には、第2ポートM2が吸入側となり、第1ポートM1が吐出側となる。この場合、車両が後進走行する。また、油圧ポンプ296の吐出流量が変化することに伴って、油圧モータ298の回転速度が変化する。すなわち、油圧ポンプ296の吐出流量が大きくなると、油圧モータ298の回転速度が高くなり、油圧ポンプ296の吐出流量が小さくなると、油圧モータ298の回転速度が低くなる。
また、無段変速装置292では、チャージポンプ300の吐出口が、外部配管と、ケース294の内部に形成された内部油路とを介して、チャージ回路SCをそれぞれ構成するリリーフ弁310と、2つのチャージチェック弁312,314の間とに接続されている。リリーフ弁310は、チャージ回路SC内の油圧を設定値以下の油圧に規制する機能を有する。リリーフ弁310の油逃がし側は、ケース294内空間である油溜め(図示せず)に接続されている。また、チャージチェック弁312,314は、低圧側となる第1油路S1もしくは第2油路S2が、チャージ回路SCの圧力であるチャージ圧よりも低くなったときに、二次側が低圧側となるチャージチェック弁312(または314)が開放され、チャージ回路SCが第1油路S1または第2油路S2に連通する。
なお、チャージチェック弁312,314に、高圧リリーフ弁機能を持たせて、高圧側となる第1油路S1もしくは第2油路S2が設定圧以上の高圧になることにより高圧リリーフ弁で高圧側の油路S1(またはS2)と、チャージチェック弁312,314同士の間とを接続し、二次側が低圧側となるチャージチェック弁314(または312)を開放し、低圧側となる第2油路S2もしくは第1油路S1に余剰圧が加えられるようにすることもできる。
このような無段変速装置292では、油圧ポンプ296及び油圧モータ298のうち、油圧ポンプ296のみを、可動斜板90を有する可変容量型としているが、油圧ポンプ296及び油圧モータ298のうち、油圧モータ298のみ、または両方が可動斜板を有する可変容量型である構成を採用することもできる。また、サーボ機構306は、油圧ポンプ296及び油圧モータ298の少なくとも一方の可動斜板90の傾斜角度を制御し、可動斜板90に連動連結される変速駆動ピン308を変速操作レバー302の操作により移動させるように構成されている。
また、無段変速装置292は、可動斜板90の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構248を備える。ピストン移動規制機構248は、ケース294に固定された固定部材である外側シリンダ部材250の内側に設けられた規制シリンダである外側シリンダ258と、外側シリンダ258内に軸方向の摺動可能に設けられ、一端部をサーボピストン100の軸方向端面に対向させた制御ピストン252と、付勢部材である制御バネ254と、規制用圧力導入路である圧力導入路256とを含む。制御バネ254は、ケース294に固定された固定部材であるカバー316と制御ピストン252との間に設けられ、制御ピストン252を、制御ピストン252の一端部(図17の左端部)がサーボピストン100から離れる方向に付勢する。
また、圧力導入路256は外側シリンダ部材250に形成され、圧力導入路256の一端が外側シリンダ258内の摺動軸部264の外側端面と対向する油圧室287に接続され、圧力導入路256の他端が外側シリンダ部材250の外周面に開口している。圧力導入路256の開口端部には、車両の前進時に高圧側となる第1油路S1から分岐するように接続された分岐路318を構成する外部配管の端部が接続されている。このため、圧力導入路256は、制御ピストン252が制御バネ254の付勢力に抗してサーボピストン100に近づくように、制御ピストン252の摺動軸部264の他端側(図16の右側)である油圧室287に作動油圧力を導入する機能を有する。すなわち、圧力導入路256を通じて、制御ピストン252が制御バネ254の付勢力に抗してサーボピストン100に近づくように、第1油路S1及び第2油路S2のうち、前進時に高圧側となる第1油路S1からの作動油圧力が油圧室287に導入されている。
このような構成では、変速操作レバー302が中立位置(図17のN位置)から前進側(図17のF側)に操作されることでチャージポンプ300から第二油室246に作動油が導入され、第一油室244から油路238を通じてケース294内の油溜めに作動油が排出されることで、サーボピストン100が斜板角を増大する方向(図17の右側)に移動する。
これに対して、ピストン移動規制機構248の制御ピストン252が、前進時に高圧となる第1油路S1からの圧力で制御バネ254の付勢力に抗してサーボピストン100側(図17の左側)に移動することで、可動斜板90の最大斜板角が小さくなるように規制される。このため、作動油圧力として油圧ポンプ296及び油圧モータ298の負荷の増大に応じて高圧となる第1油路S1からの圧力を圧力導入路256を通じて油圧室287に導入することで、制御バネ254の付勢力に抗して制御ピストン252をサーボピストン100側に押圧し、可動斜板90の傾転角の範囲を規制できる。したがって、油圧ポンプ296の最大吐出量が小さくなり、エンジン22の負荷の増大防止を迅速に、すなわち応答性よく図れる。これとともに、油圧ポンプ296の消費エネルギをより有効に低減できる。
なお、上記では、第1油路S1及び第2油路S2のうち、前進時に高圧側となる第1油路S1からの作動油圧力が制御ピストン252の他端側である油圧室287に導入されるようにしている。ただし、上記の特許文献2に記載された構成と同様に、第1油路S1から分岐する第1分岐路と、第2油路S2から分岐する第2分岐路とを集合部で接続し、油圧室287と集合部とを接続するとともに、第1分岐路と第2分岐路とのそれぞれにチェックバルブを設けて、前進時及び後進時のいずれの場合においてもピストン移動規制機構248により負荷制御を行うように構成することもできる。
また、上記では、油圧モータ298が固定容量モータである場合を説明したが、油圧モータ298が可動斜板を有する可変容量式である場合でも本実施形態を適用できる。この場合、油圧モータ298の可動斜板に連動するサーボピストンを有するサーボ機構を設けるとともに、サーボ機構のサーボシリンダを構成し、作動油の導入によりサーボピストンを容量大方向に移動させる油室内で、制御ピストンの押圧部材をサーボピストンに対向させる。また、上記のように第1油路S1から分岐する第1分岐路と、第2油路S2から分岐する第2分岐路とを接続する集合部を、ケース内の圧力導入路を介して、制御ピストンのサーボピストンと反対側の油圧室に接続する。このような構成によれば、前進時または後進時に高圧となる第1油路または第2油路の圧力により、油圧モータ298の可動斜板を容量大方向に傾転させることができ、油圧モータ298を減速させて、エンジン等の駆動源の負荷の増大を防止できる。
[第3実施形態]
図18は、本発明に係る第3実施形態のポンプユニットを示す、図15に対応する図である。本実施形態では、上記の図1〜16に示した第1実施形態において、第1油圧ポンプ74(または第2油圧ポンプ82)の可動斜板90の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構320として、制御ピストンをサーボピストン100側に近づける手段を有する構成を使用せず、その代わりに、アクチュエータ236の負荷が高くなった場合に固定容量ポンプであるギヤポンプ72の吐出圧がサーボシリンダであるシリンダ164に導入される構成を採用している。
すなわち、本実施形態のポンプユニットは、上記の第1実施形態において、外側シリンダ部材250、制御ピストン252及び制御バネ254(図16参照)を省略するとともに、ポンプケース108に固定されたカバー108aを構成する底板部に内外両面を貫通させる圧力導入路322を形成している。ポンプケース108にカバー108aが固定されることで、シリンダ164に第一油室244が形成される。第一油室244は、作動油の導入により可動斜板90と連動するサーボピストン100を容量小方向(図18の左方向)に移動させる。ピストン移動規制機構320は、対応するサーボ機構92(または96)を構成し、第一油室244に対してギヤポンプ72の吐出側を通じさせる接続路324と、パイロット式切換弁326とを含む。接続路324は、ポンプケース108内に設けられた内部油路と、上記の圧力導入路322と、上記の内部油路に上流端が接続され、下流端が圧力導入路256に接続された外部配管とにより形成される。
また、パイロット式切換弁326は、接続路324に設けられ、パイロット圧が予め設定された所定圧以上で接続路324をパイロット式切換弁326を介して接続し、パイロット圧が所定圧未満で接続路324を遮断するように構成されている。また、パイロット式切換弁326では、パイロット圧として、対応する油圧ポンプ74(または82)から吐出後の作動油圧力PPが導入されるようにしている。すなわち、対応する油圧ポンプ74(または82)からの吐出後でアクチュエータ切換弁である方向制御弁26a(または26b)の通過前の一次側の作動油圧力PPがパイロット式切換弁326のパイロット圧として導入されている。また、パイロット式切換弁326により、対応する油圧ポンプ74(または82)の吐出側と第一油室244とが接続された状態で、ギヤポンプ72の吐出側は、パイロット式切換弁326を介して油タンク68に接続される。
このような実施形態によれば、アクチュエータ236の負荷の増大により、対応する油圧ポンプ74(または82)から吐出後の作動油圧力が高くなった場合に、パイロット式切換弁326が接続路324を接続し、ギヤポンプ72から吐出後の作動油圧力が第一油室244に導入される。このため、可動斜板90と連動するサーボピストン100が容量小方向(図18の左方向)に移動し、各油圧ポンプ74,82を駆動する駆動源であるエンジン22(図2、図3等参照)の負荷の増大を応答性よく防止できるとともに、消費エネルギを有効に低減でき、エンジン22の燃費をより有効に低減できる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜16に示した第1実施形態と同様である。
[第4実施形態]
図19は、本発明に係る第4実施形態の油圧回転機械である無段変速装置を構成するサーボ機構306を含む、無段変速装置の油圧回路を示す図である。本実施形態では、上記の図18に示した第3実施形態で使用したピストン移動規制機構320を、上記の図17に示した第2実施形態の無段変速装置292に組み合わせている。
すなわち、本実施形態の無段変速装置292は、上記の第2実施形態において、外側シリンダ部材250、制御ピストン252及び制御バネ254を省略するとともに、カバー316を構成する底板部に内外両面を貫通させる圧力導入路322を形成している。また、ケース294にカバー316が固定されることで、サーボシリンダであるシリンダ164に第一油室244が形成される。第一油室244は、作動油の導入により可動斜板90と連動するサーボピストン100を容量小方向(図19の左方向)に移動させる。また、ピストン移動規制機構320は、サーボ機構306を構成し、第一油室244に対してチャージポンプ300の吐出側を通じさせる接続路324と、パイロット式切換弁326とを含む。接続路324は、ケース294内に設けられた内部油路と、上記の圧力導入路256と、上記の内部油路に上流端が接続され、下流端が圧力導入路256に接続された外部配管とにより形成されている。
パイロット式切換弁326は、接続路324に設けられ、パイロット圧が所定圧以上で接続路324を、パイロット式切換弁326を介して接続し、パイロット圧が所定圧未満で接続路324を遮断するように構成されている。また、パイロット式切換弁326では、パイロット圧として、油圧ポンプ296から吐出後の作動油圧力が導入されるようにしている。すなわち、油圧ポンプ296から吐出後の作動油圧力であって、第1油路S1及び第2油路S2のうち、前進時に高圧側となる第1油路S1を介して供給される作動油圧力がパイロット式切換弁326のパイロット圧として導入されるようにしている。
このような実施形態によれば、前進時に高圧となる第1油路S1からの圧力でパイロット式切換弁326が接続路324を接続し、チャージポンプ300から吐出後の作動油圧力が第一油室244に導入される。このため、可動斜板90と連動するサーボピストン100が容量小方向(図19の左方向)に移動し、油圧ポンプ296を駆動するエンジン等の駆動源の負荷の増大を応答性よく防止できるとともに、消費エネルギを有効に低減できる。その他の構成及び作用は、上記の図17に示した第1実施形態または図18に示した第2実施形態と同様である。
なお、上記では、第1油路S1及び第2油路S2のうち、前進時に高圧側となる第1油路S1からの作動油圧力がサーボピストン100の他端側である第一油室244に導入されるようにしている。ただし、上記の特許文献2に記載された構成と同様に、第1油路S1から分岐する第1分岐路と、第2油路S2から分岐する第2分岐路とを集合部で接続し、第一油室244と集合部とを接続するとともに、第1分岐路と第2分岐路とのそれぞれにチェックバルブを設けて、前進時及び後進時のいずれの場合においてもピストン移動規制機構320により負荷制御を行うように構成することもできる。
また、上記では、油圧モータ298が固定容量モータである場合を説明したが、油圧モータ298が可動斜板を有する可変容量式である場合でも本実施形態を適用できる。この場合、油圧モータ298の可動斜板に連動するサーボピストンを有するサーボ機構を設けるとともに、サーボ機構のサーボシリンダを構成し、作動油の導入によりサーボピストンを容量大方向に移動させるモータ片側油室に接続される圧力導入路を形成する。そして、上記のように第1油路S1から分岐する第1分岐路と、第2油路S2から分岐する第2分岐路とを接続する集合部を、上記の圧力導入路を介して、上記のモータ片側油室に接続する。このような構成により、前進時または後進時に高圧となる第1油路S1または第2油路S2の圧力により、油圧モータ298の可動斜板を容量大方向に傾転させることができ、油圧モータ298を減速させて、エンジン等の駆動源の負荷の増大を防止できる。
10 掘削作業機、12 走行装置、14 回転台、16 旋回モータ、18 上部構造、20 機器収容部、22 エンジン、24 ポンプユニット、26a,26b 方向制御弁、28a,28b 切換用パイロット弁、30 運転席、32 操作子、34a,34b 走行用モータ、36 ブレード、38 ブレードシリンダ、40 掘削部、42 揺動支持部、44 軸、46 スイングシリンダ、48 ブーム、50 軸、52 アーム、54 バケット、56 ブームシリンダ、58 アームシリンダ、60 バケットシリンダ、64 ラジエータ、66 バルブユニット、68 油タンク、70 ギヤケース、72 ギヤポンプ、74 第1油圧ポンプ、76 大径歯車、78 小径歯車、80 増速機構、82 第2油圧ポンプ、84 増速切換弁、86 容積変更アクチュエータ、88 走行切換弁、90 可動斜板、92 第1サーボ機構、94 第1バランスピストン機構、96 第2サーボ機構、98 第2バランスピストン機構、100 サーボピストン、102 スプール、104 バネ、106 操作ピン、108 ポンプケース、108a カバー、110 油溜め、112 ピストン本体、114 可変減圧弁、116 固定減圧弁、118 アンロード弁、120 第1ポンプ軸、122 第2ポンプ軸、124 ケース本体、126 ポートブロック、128 ギヤケース、128a 軸受支持凹部、130 孔部、132 入力軸、134 歯車側空間、136 油孔、136a 横穴、138 プラグ、140 軸方向孔、142 径方向孔、144 弁板、146 供給配管、148 本体部、150 小径部、152 延長部、154 シリンダブロック、156 ピストン、158 ケース、160 凸状面部、162 上面部、164 シリンダ、166 係止溝、168 第1油路、170 第2油路、172 第3油路、174 溝部、176 アーム部材、178 開口部、180 ピストンケース、182 シリンダ、184 上軸、186 下軸、188 フランジ、190 支持軸、192,194 係止溝、196 第一受圧室、198 第四受圧室、200 第二受圧室、202 第三受圧室、204 弁ケース、206 弁体、208 キャップ、210 ネジ軸、212 間座、214 バネ、216 比例ソレノイド、218 減圧弁本体、220 ケーブル、222 回転角度センサ、224 センサ支持部材、226 センサ軸、228 第1レバー、230 第2レバー、232 ネジ軸、234 板部、236 アクチュエータ、238 油路、240,242 クローラベルト、244 第一油室、246 第二油室、248 ピストン移動規制機構、250 外側シリンダ部材、252 制御ピストン、254 制御バネ、256 圧力導入路、258 外側シリンダ、284 フランジ、287 油圧室、288 オリフィス部材、290 バネ室、292 無段変速装置、294 ケース、296 油圧ポンプ、298 油圧モータ、300 チャージポンプ、302 変速操作レバー、304 レバー、306 サーボ機構、308 変速駆動ピン、310 リリーフ弁、312,314 チェック弁、316 カバー、318 分岐路、320 ピストン移動規制機構、322 圧力導入路、324 接続路、326 パイロット式切換弁。

Claims (6)

  1. 可動斜板を備える可変容量型の油圧回転機械であって、
    ケースの内部に設けられ、前記可動斜板の斜板角度を制御する油圧サーボ機構であって、前記ケースに設けられたサーボシリンダと、前記サーボシリンダ内に軸方向の摺動可能に設けられ、前記可動斜板と連動するサーボピストンとを含み、前記サーボピストンの軸方向の移動により前記油圧回転機械の容量を変化させる前記油圧サーボ機構と、
    前記可動斜板の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構であって、前記ケースまたは前記ケースに固定された固定部材の内側に設けられた規制シリンダと、前記規制シリンダ内に軸方向の摺動可能に設けられ、一端部を前記サーボピストンの軸方向端面に対向させた制御ピストンと、前記ケースまたは前記固定部材と前記制御ピストンとの間に設けられ、前記制御ピストンを、前記制御ピストンの一端部が前記サーボピストンから離れる方向に付勢する付勢部材と、前記制御ピストンが前記付勢部材の付勢力に抗して前記サーボピストンに近づくように、作動油圧力を前記制御ピストンの他端側に導入する規制用圧力導入路とを含むピストン移動規制機構とを備えることを特徴とする油圧回転機械。
  2. 請求項1に記載の油圧回転機械において、
    前記ケースに設けられた可変容量ポンプ及びバランスピストン機構を備え、アクチュエータとクローズドセンター型のアクチュエータ切換弁とを含む油圧回路を構成する油圧ポンプユニットとして使用され、
    前記可変容量ポンプは、前記可動斜板を有し、前記アクチュエータに、前記アクチュエータ切換弁を介して作動流体を供給するために使用され、
    前記バランスピストン機構は、前記油圧サーボ機構の前記サーボピストンに接続され、かつ、バランスシリンダ内で軸方向摺動可能に設けられるピストン本体と、前記バランスシリンダの軸方向一端側に設けられた第一受圧室と、前記バランスシリンダの軸方向他端側に設けられた第二受圧室及び第三受圧室とを含み、
    前記第一受圧室は、前記可変容量ポンプからの吐出後で前記アクチュエータ切換弁の通過前の一次側の作動油圧力(PP)を導入され、
    前記第二受圧室は、前記アクチュエータ切換弁を通過後の二次側の作動油圧力(PL)を導入され、
    前記第三受圧室は、前記アクチュエータ切換弁の作用位置での定常状態で、前記アクチュエータ切替弁の通過前後に生じる作動油差圧に相当し、予め設定される設定圧力(ΔPLS)を導入され、
    前記規制用圧力導入路を通じて、前記制御ピストンが前記付勢部材の付勢力に抗して前記サーボピストンに近づくように、前記可変容量ポンプからの吐出後で前記アクチュエータ切換弁の通過前の一次側の作動油圧力(PP)が前記制御ピストンの他端側に導入されることを特徴とする油圧回転機械。
  3. 請求項1に記載の油圧回転機械において、
    前記ケースに設けられる油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくともいずれか一方が前記可動斜板を有する可変容量型である油圧式無段変速装置として使用され、
    前記油圧サーボ機構は、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくとも一方の前記可動斜板の傾斜角度を制御し、前記可動斜板に連動連結される変速駆動部材を変速操作レバーの操作により移動させるように構成され、
    前記油圧ポンプと前記油圧モータとを接続する閉回路であって、前進時に高圧側となる前進側メイン油路と、後進時に高圧側となる後進側メイン油路とを含む前記閉回路を備え、
    前記規制用圧力導入路を通じて、前記制御ピストンが前記付勢部材の付勢力に抗して前記サーボピストンに近づくように、前記前進側メイン油路及び前記後進側メイン油路のうち高圧側の前記メイン油路からの作動油圧力が前記制御ピストンの他端側に導入されることを特徴とする油圧回転機械。
  4. 可動斜板を含む可変容量型の可変容量ポンプを備える油圧回転機械であって、
    ケースの内部に設けられ、前記可動斜板の斜板角度を制御する油圧サーボ機構であって、前記ケースに設けられたサーボシリンダと、前記サーボシリンダ内に軸方向の摺動可能に設けられ、前記可動斜板と連動するサーボピストンとを含み、サーボピストンの一端側と他端側とに形成した前記サーボシリンダの第一油室及び第二油室のいずれかに選択的に作動油を導入することにより前記サーボピストンが軸方向へ移動して前記油圧回転機械の容量を変化させる前記油圧サーボ機構と、
    前記サーボシリンダへの作動油を供給する固定容量ポンプと、
    さらに、前記可動斜板の斜板角の増大を規制するピストン移動規制機構であって、前記作動油の導入により前記サーボピストンを容量小方向に移動させる第一油室に対して前記固定容量ポンプの吐出側を通じさせる接続路と、前記接続路に設けられ、パイロット圧が所定圧以上で前記接続路を接続し、前記パイロット圧が所定圧未満で前記接続路を遮断するパイロット式切換弁とを含む前記ピストン移動規制機構を備え、
    前記パイロット式切換弁のパイロット圧として前記可変容量ポンプから吐出後の作動油圧力が導入されることを特徴とする油圧回転機械。
  5. 請求項4に記載の油圧回転機械において、
    前記ケースに設けられた可変容量ポンプ及びバランスピストン機構を備え、アクチュエータとクローズドセンター型のアクチュエータ切換弁とを含む油圧回路を構成する油圧ポンプユニットとして使用され、
    前記可変容量ポンプは、前記可動斜板を有し、前記アクチュエータに、前記アクチュエータ切換弁を介して作動流体を供給するために使用され、
    前記固定容量ポンプは、前記可変容量ポンプと作動的に連結され、
    前記バランスピストン機構は、前記可変容量ポンプの容量を変化させる可動斜板の操作部である前記油圧サーボ機構に対し接続され、かつ、バランスシリンダ内で軸方向摺動可能に設けられるピストン本体と、前記バランスシリンダの軸方向一端側に設けられた第一受圧室と、前記バランスシリンダの軸方向他端側に設けられた第二受圧室及び第三受圧室とを含み、
    前記第一受圧室は、前記可変容量ポンプからの吐出後で前記アクチュエータ切換弁の通過前の一次側の作動流体圧力(PP)を導入され、
    前記第二受圧室は、前記アクチュエータ切換弁を通過後の二次側の作動流体圧力(PL)を導入され、
    前記第三受圧室は、前記アクチュエータ切換弁の作用位置での定常状態で、前記アクチュエータ切替弁の通過前後に生じる作動流体差圧に相当し、予め設定される設定圧力(ΔPLS)を導入され、
    前記可変容量ポンプからの吐出後で前記アクチュエータ切換弁の通過前の一次側の作動油圧力(PP)が前記パイロット式切換弁のパイロット圧として導入されることを特徴とする油圧回転機械。
  6. 請求項4に記載の油圧回転機械において、
    前記ケースに設けられる油圧ポンプ及び油圧モータを備え、前記油圧ポンプは前記可動斜板を有する前記可変容量ポンプである油圧式無段変速装置として使用され、
    前記油圧サーボ機構は、前記可変容量ポンプの前記可動斜板の傾斜角度を制御し、前記可動斜板に連動連結される変速駆動部材を変速操作レバーの操作により移動させるように構成され、
    前記可変容量ポンプと前記油圧モータとを接続する閉回路であって、前進時に高圧側となる前進側メイン油路と、後進時に高圧側となる後進側メイン油路とを含む前記閉回路を備え、
    前記可変容量ポンプから吐出後の作動油圧力であって、前記前進側メイン油路及び前記後進側メイン油路のうち高圧側の前記メイン油路を介して供給される前記作動油圧力が前記パイロット式切換弁のパイロット圧として導入されることを特徴とする油圧回転機械。
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JP2017101727A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 株式会社 神崎高級工機製作所 マイクロトラクションドライブユニット、油圧式無段変速装置及び油圧装置
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