JP2013218898A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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昌宏 森田
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友祐 福本
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Abstract

【課題】正負極間における非水電解質の保持性が向上した非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明により、正極と負極との間に多孔質フィラー層が配置された電極体を備える非水電解質二次電池が提供される。かかる非水電解質二次電池の前記多孔質フィラー層には非水電解質が含まれており、前記電極体は、前記正極と前記負極との間の領域から前記電極体外に通じる開口を有しており、前記多孔質フィラー層は、第1領域と、該第1領域の少なくとも一部より前記開口側に位置する第2領域とを備えており、前記第2領域は、前記第1領域より低い多孔度を有し、かつ前記第1領域より高い硬度を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。詳しくは車両搭載用電源に適用可能なリチウムイオン二次電池その他の非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコンおよび携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池その他の非水電解質二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられることが期待されている。この種の二次電池の一構成例では、正極と負極とがセパレータを介して配置された電極体を備えている。かかるセパレータの片面にフィラーを含む耐熱層を形成する電池において、該フィラーのモース硬度を開示している文献として特許文献1が挙げられる。
特開2011−110704号公報
本発明は、正極と負極との間に多孔質フィラー層が配置されている非水電解質二次電池の改良に関するものであり、その目的は、正負極間における非水電解質の保持性が向上した非水電解質二次電池を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明により、正極と負極との間に多孔質フィラー層が配置された電極体を備える非水電解質二次電池が提供される。この非水電解質二次電池の前記多孔質フィラー層には非水電解質が含まれており、前記電極体は、前記正極と前記負極との間の領域から前記電極体外に通じる開口を有しており、前記多孔質フィラー層は、第1領域と、該第1領域の少なくとも一部より前記開口側に位置する第2領域とを備えており、前記第2領域は、前記第1領域より低い多孔度を有し、かつ前記第1領域より高い硬度を有する。
二次電池の充放電において正極(典型的には正極活物質)や負極(典型的には負極活物質)は膨張と収縮を繰り返す。かかる膨張によって、正負極間に配置される多孔質フィラー層は圧縮され得る。また電池が拘束されることによっても多孔質フィラー層は圧縮され得る。この圧縮作用によって、多孔質フィラー層が保持している非水電解質は、多孔質フィラー層から押し出され得る。かかる場合、正負極間の非水電解質量が減少し、サイクル特性が低下してしまうことが懸念される。本発明の上記構成によると、多孔質フィラー層の第1領域は多孔度が相対的に高いので、非水電解質を多く含むことができる。また、多孔質フィラー層は、第1領域より低い多孔度を有する第2領域を、正負極間の領域から電極体外に通じる開口側に備えている。この第2領域は、相対的に中央側に位置する第1領域の少なくとも一部(典型的には多孔質フィラー層の中央近傍を含む主要部)が正負極の膨張等によって圧縮されたときに、非水電解質が第1領域の少なくとも一部から押し出されることを阻止する。そのため、第1領域に留まる非水電解質量が増加し、多孔質フィラー層全体、ひいては正負極間における非水電解質の保持性が向上する。さらに、第2領域は第1領域より硬質であるため、圧縮され難い。このような低圧縮性の第2領域が存在することにより、第1領域が圧縮されることが抑制される。これによって、かかる圧縮によって第1領域の非水電解質が押し出されることが抑制されて、多孔質フィラー層全体、ひいては正負極間における非水電解質の保持性が向上する。その結果、サイクル特性が向上する。また、上記圧縮の抑制は、圧縮による多孔度の低下(典型的には多孔構造のつぶれ)も抑制するため、多孔度の低下に起因するハイレート特性の低下も抑制され得る。また、前記第2領域は前記第1領域の両側に存在することが好ましい。これによって、硬質の第2領域は、その内側に位置する第1領域が圧縮されることをより効果的に抑制する。なお、上述の「開口」は特に限定されないが、正負極が所定の間隔をもって対向するように配置される構成において、正負極間の領域が電極体の端面(典型的には側面)に現れた部分を意味する。開口および開口内は空間(空隙)である必要はなく、正負極以外の構成要素(例えば多孔質フィラー層等)が配置された部分であり得る。したがって、上記第2領域は、上記第1領域の少なくとも一部より上記電極体の端面(典型的には側面)側に位置するということもできる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、前記正極と前記負極との間にはセパレータが配置されており、前記多孔質フィラー層は、前記セパレータの前記正極側表面および前記負極側表面の少なくとも一方に形成されている。多孔質フィラー層がセパレータ上に形成されることによって、セパレータの伸び率が好適な範囲に調整されることとなり、またセパレータの強度(保形性)が向上する。その結果、セパレータ中の非水電解質の保持性は向上する。特に、多孔質フィラー層の低多孔質かつ高硬質の第2領域は、多孔質フィラー層だけでなく、セパレータ中の非水電解質がセパレータ外に移動することを抑制するように作用しているとも考えられ得る。そのため、非水電解質はセパレータ内に留まる傾向が強まり、これによっても正負極間における非水電解質の保持性は向上し得る。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、前記正極、前記負極、前記多孔質フィラー層および前記セパレータは、長尺状に形成されており、前記電極体は、前記正極と前記負極とを前記多孔質フィラー層および前記セパレータを介して積層し、捲回してなる捲回電極体として構成されており、前記多孔質フィラー層の幅方向において、前記第2領域は前記第1領域の両側に隣接するように配置されており、前記多孔質フィラー層の全幅Laと前記第1領域の幅Lbとの比(Lb/La)は0.3〜0.7の範囲内である。かかる捲回電極体では、正負の電極と多孔質フィラー層とが密に配置されやすい傾向があるため、正負極による圧縮作用が顕著になりやすい。捲回電極体を備える二次電池に本発明の上記構成を適用することで、かかる圧縮作用によって非水電解質が多孔質フィラー層外に押し出されることが抑制されて、正負極間における非水電解質の保持性向上がより好適に実現され得る。また、上記比(Lb/La)が0.3以上であることによって第1領域の体積比率が高くなり、多孔質フィラー層全体としての非水電解質の含有量が増大しやすい傾向がある。比(Lb/La)が0.7以下であることによって、低多孔性の第2領域の比率が高くなるので、第1領域に存在する非水電解質が幅方向外側に押し出されることを阻止しやすい傾向がある。また第2領域は第1領域より硬質でもあるので、正負極によって第1領域が圧縮されることを抑制しやすい傾向がある。その結果、多孔質フィラー層全体における非水電解質の保持量と、第2領域による圧縮抑制作用とが最適なバランスを得ることとなり、正負極間全体における非水電解質の保持性が向上する。
ここで開示される非水電解質二次電池の好適な一態様では、前記第1領域の多孔度は55%以上である。該多孔度が55%以上であることによって、第1領域における非水電解質の保持量が増大する。また、前記第2領域は主成分として硬質フィラーを含み、該硬質フィラーのモース硬度は8以上であることが好ましい。これによって、第2領域は硬度が高くなり、正負極による圧縮作用に対して充分に抗うことができる。
また、本発明によると、ここで開示される非水電解質二次電池を2つ以上備える組電池が提供される。この組電池では、前記捲回電極体は扁平形状を有しており、隣り合う少なくとも2つの前記非水電解質二次電池は、該非水電解質二次電池それぞれが備える前記捲回電極体の扁平な面が対向するように配列されるとともに該捲回電極体に対して該配列方向に荷重が加えられた状態で拘束されている。このように、組電池は所定の荷重によって拘束されているため、正負の電極との間に配置される多孔質フィラー層は圧縮されやすく、またその圧縮量も大きい状態となり得る。このような組電池に本発明の上記構成を適用することで、かかる圧縮作用によって非水電解質が多孔質フィラー層外に押し出されることが抑制されて、正負極間における非水電解質の保持性向上がより好適に実現され得る。
また、本発明によると、ここで開示される組電池を備える車両が提供される。かかる組電池は、正負極間の非水電解質の保持性に優れるため、サイクル特性が向上している。また多孔度の低下も抑制されることからハイレート特性の低下も抑制されている。したがって、高いサイクル特性やハイレート特性が要求され得る用途、例えばハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1のII−II線における断面図である。 一実施形態に係る電極体を捲回して作製する状態を模式的に示す斜視図である。 (a)は図3のセパレータを模式的に示す上面図であり、(b)は(a)のセパレータの断面図である。 多孔質フィラー層の形成に用いるグラビアコーターの一例を模式的に示す図であって、(a)は上記グラビアコーターを正面から見た説明図であり、(b)は(a)のb−b線における断面図である。 多孔質フィラー層の形成に用いるダイの一例を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る組電池を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による一実施形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや非水電解質(非水電解液)の構成および製法、電池(ケース)の形状等、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
ここで開示される非水電解質二次電池に係る好適な一実施形態として、リチウムイオン二次電池を例にして説明するが、本発明の適用対象をかかる電池に限定することを意図したものではない。例えば、リチウムイオン以外の金属イオン(例えばナトリウムイオン)を電荷担体とする非水電解質二次電池に本発明を適用することも可能である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池等の蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。さらに、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1および図2に示すように、リチウムイオン二次電池100は、直方体箱形状の角型の電池ケース10と、電池ケース10内に収容される捲回電極体20とを備える。電池ケース10は上面に開口部12を有しており、捲回電極体20が開口部12から電池ケース10内に収容された後、蓋体14によって開口部12は封止される。電池ケース10内にはまた、非水電解質(非水電解液)25が収容されている。蓋体14には、外部接続用の外部正極端子38と外部負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体14の表面側に突出している。また、外部正極端子38の一部は電池ケース10内部で内部正極端子37に接続されており、外部負極端子48の一部は電池ケース10内部で内部負極端子47に接続されている。
図3に示すように、捲回電極体20は、長尺シート状の正極(正極シート)30と、長尺シート状の負極(負極シート)40とを備える。正極シート30は、長尺状の正極集電体32とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された正極合材層34とを備える。負極シート40は、長尺状の負極集電体42とその少なくとも一方の表面(典型的には両面)に形成された負極合材層44とを備える。捲回電極体20はまた、長尺シート状の2枚のセパレータ50A,50Bを備える。正極シート30および負極シート40は、2枚のシート状のセパレータ50A,50Bを介して積層されており、正極シート30、セパレータ50A、負極シート40、セパレータ50Bの順に積層されている。該積層体は、長尺方向に捲回されることによって捲回体とされ、さらにこの捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。なお、電極体は捲回電極体に限定されない。電池の形状や目的に応じて適切な形状、構成を適宜採用することができる。
捲回電極体20の捲回方向に直交する幅方向の中心部には、正極集電体32の表面上に形成された正極合材層34と、負極集電体42の表面上に形成された負極合材層44とが重なり合って密に積層された部分が形成されている。また、正極シート30の幅方向の一方の端部には、正極合材層34が形成されずに正極集電体32が露出した部分(正極合材層非形成部36)が設けられている。この正極合材層非形成部36は、セパレータ50A,50Bおよび負極シート40からはみ出た状態となっている。すなわち、捲回電極体20の幅方向の一端には、正極集電体32の正極合材層非形成部36が重なり合った正極集電体積層部35が形成されている。また、捲回電極体20の幅方向の他端にも、上記一端の正極シート30の場合と同様に、負極集電体42の負極合材層非形成部46が重なり合った負極集電体積層部45が形成されている。なお、セパレータ50A,50Bは、正極合材層34および負極合材層44の積層部分の幅より大きく、捲回電極体20の幅より小さい幅を有する。これを正極合材層34および負極合材層44の積層部分に挟むように配することで、正極合材層34および負極合材層44が互いに接触して内部短絡が生じることを防いでいる。
セパレータ50A,50Bはそれぞれ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンからなる三層構造フィルムである。なお、セパレータは三層構造に限定されず、単層構造からなるものであってもよく、二層または四層以上の多層構造からなるものであってもよい。なお、電解液に代えて、例えばかかる電解液にポリマーが添加された固体状(ゲル状)電解質を使用する場合には、電解質自体がセパレータとして機能し得るため、セパレータが不要になることがあり得る。
図4に示すように、セパレータ50Aの一方の表面には、多孔質フィラー層51が該表面の全体を覆うように形成されている。多孔質フィラー層51は、セパレータ50Aの捲回方向(長手方向)に直交する方向(幅方向)において、第1領域(以下、中央部ともいう。)52と中央部52の両側に隣接するように配置される第2領域(以下、端部ともいう。)53A,53Bとから構成されている。換言すると、端部53A、中央部52、端部53Bは、セパレータ上において幅方向に3分割された状態で、それぞれ長手方向に延びるように配置されており、それぞれの境界は長手方向に平行している。以下、端部53A,53Bをあわせて両端部53A,53Bということもある。
多孔質フィラー層51の両端部53A,53Bは、中央部52よりも多孔度が低い。これによって、低多孔性の両端部53A,53Bは、中央部52に含まれる非水電解質25が中央部52から押し出されることを阻止する。また、両端部53A,53Bは中央部52よりも硬度が高い。さらに両端部53A,53Bはいずれも、多孔質フィラー層51が正極シート30および負極シート40の少なくとも一方(典型的には両方)と対向する領域内に存在しているので、正負極の膨張等によって両端部53A,53Bは圧縮され得る。これによって、硬質ゆえ圧縮され難い両端部53A,53Bは、両端部53A,53Bに挟まれるように配置されている中央部52が圧縮されることを抑制するように作用する。中央部52および両端部53A,53Bの多孔度や硬度の調整方法は特に限定されない。例えば、中央部52または両端部53A,53Bに主成分として含まれるフィラーの種類を適切に選定することによって所望の多孔度や硬度を得ることができる。また、塗付方法や乾燥方法を調整することによっても多孔度の調整は可能である。
端部53A,53Bは、多孔質フィラー層51の捲回方向(長手方向)に直交する方向(幅方向)における全長(全幅)Laと中央部52の長さ(幅)Lbとの比(Lb/La)が0.3〜0.7の範囲内となるように構成されている。これによって、多孔質フィラー層51全体における非水電解質25の保持量と、両端部53A,53Bによる圧縮抑制作用とが最適なバランスを得ることとなり、正負極間全体における非水電解質25の保持性が向上する。上記比(Lb/La)は0.4以上(例えば0.5以上、典型的には0.6以上)であることが好ましい。
また、端部53A,53Bは多孔質フィラー層51の幅方向において同じ長さ(幅)を有することが好ましい。また、多孔質フィラー層51の幅方向における中央から多孔質フィラー層51の一端(図4における多孔質フィラー層51の左端)までの距離L1aと、該中央から中央部52の一端(図4における中央部52の左端)までの距離L1bとの比(L1b/L1a)は0.3〜0.7の範囲内となるように構成されている。このとき、上記幅方向において、多孔質フィラー層51の一端(左端)から中央部52の一端(左端)には、端部53Aが配置されている。同様に、多孔質フィラー層51の幅方向における中央から多孔質フィラー層51の他端(図4における多孔質フィラー層51の右端)までの距離L2aと、該中央から中央部52の他端(図4における中央部52の右端)までの距離L2bとの比(L2b/L2a)も0.3〜0.7の範囲内となるように構成されている。このとき、上記幅方向において、多孔質フィラー層51の他端(右端)から中央部52の他端(右端)には、端部53Bが配置されている。これら比(L1b/L1a)と比(L2b/L2a)は同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。また、それぞれ0.4以上(例えば0.5以上、典型的には0.6以上)であることがより好ましい。なお、セパレータ50Bにも、セパレータ50Aと同様に多孔質フィラー層が形成されているが、その構成はセパレータ50Aの場合と基本的に同様であるので、説明は繰り返さない。
なお、この実施形態では多孔質フィラー層51はセパレータ50A,50Bの一表面に形成されているが、これに限定されない。多孔質フィラー層はセパレータの両表面に形成されていてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、多孔質フィラー層は正極と負極との間に形成することができる。例えば、正極および/または負極の表面に多孔質フィラー層を形成することによっても、セパレータ上に多孔質フィラー層を形成した場合と同様の効果が得られる。さらに、上述したセパレータレスの電池では、多孔質フィラー層を固体状(ゲル状)電解質上に設けることも可能である。また、正極、負極またはセパレータ上には、従来公知の耐熱層を上記多孔質フィラー層とは別に形成してもよい。
また、多孔質フィラー層の上記端部(第2領域)は、上記中央部(第1領域)の両端に配置されていなくてもよい。多孔質フィラー層は、第1領域と、該第1領域の少なくとも一部より電極体の開口側(端面側)に位置する第2領域とを備えていれば、多孔度が低く硬質の第2領域が、多孔度の高い第1領域からの非水電解質の通過を阻止し得ることとなり、また第1領域の圧縮を抑制するので、正負極間の非水電解質の保持性は向上し得る。したがって、第2領域の位置は、第1領域の位置との相対的な関係によって画定され得るものであり、多孔質フィラー層の端部に限定されない。そして、電極体の開口とは、正負極間の領域から電極体外に通じる開口を意味し、正負極間の領域が電極体の端面(典型的には側面)に露出した部分(開口部分)を包含する。例えば、上記実施形態のような捲回電極体の開口は、長尺状の電極体の幅方向の両端に位置する側面に存在し得る。また、積層構造の電極体の開口は電極体の全側面に存在し得る。さらに、開口および開口内は空間(空隙)である必要はなく、正負極以外の構成要素(例えばセパレータや多孔質フィラー層等)が配置された部分であり得る。
換言すれば、多孔質フィラー層は、多孔質フィラー層が正負極の少なくとも一方(典型的には両方)と対向する領域の中央から電極体外に向かって非水電解質が移動し得る一方向において、上記第1領域が中央側に位置しており、上記第2領域が第1領域より上記開口側(電極体の端面側)に位置していてもよい。かかる構成によっても、多孔度が低く硬質の第2領域が、多孔度の高い第1領域からの非水電解質の通過を阻止し得ることとなり、また第1領域の圧縮を抑制するので、正負極間の非水電解質の保持性は向上し得る。したがって、多孔質フィラー層の上記第2領域は、第1領域の全周を囲むように配置されていてもよく、第1領域の全周の一部を囲むように配置されていてもよい。より具体的には、多孔質フィラー層が矩形シート状の場合、上記第2領域が多孔質フィラー層の一端(中央部を囲む四辺のうちの一辺)のみに配置されている構成や、多孔質フィラー層を上面からみたときにL字状(隣接する二辺)に配置されている構成、コ字状(三辺)に配置されている構成が挙げられる。多孔質フィラー層が上面からみて円形状、楕円形状を有する場合には、第2領域を、第1領域を囲むようにO字状、C字状、U字状に形成することも可能である。なお、上述の「多孔質フィラー層が正極および負極の少なくとも一方と対向する領域の中央から電極体外に向かって非水電解質が移動し得る一方向」とは、本明細書においてフィラー層の厚さ方向に直交する方向(面方向)のうちの一方向であり、「電極体外に向かう」とは、電極体の正負極間の領域から電極体外(典型的には電極体の端面)に向かうことを包含する。
さらに、上記比(Lb/La)や、比(L1b/L1a)または比(L2b/L2a)の範囲は、上記実施形態と異なる形態の場合には異なり得る。そのため、上記比は種々の形態に応じて適切な範囲とすればよく、特に限定されるものではないが、後述する実施例の結果を考慮すると、多孔質フィラー層が正極および負極の少なくとも一方と対向する領域の中央から電極体外に向かって非水電解質が移動し得る一方向において、中央側に位置する第1領域(中央部)と、第1領域より外側(開口側)に位置する第2領域(端部)とを備える構成の多孔質フィラー層では、第1領域の中心から上記一方向における多孔質フィラー層の一端までの距離をLaとし、第1領域の中心から上記一方向における第2領域の一端までの距離をLbとしたときに、比(Lb/La)が0.3〜0.7の範囲内であることが好ましいと考えられ得る。この比(Lb/La)は0.4以上(例えば0.5以上、典型的には0.6以上)であることがより好ましいと考えられ得る。
上述の電極体を構成する構成要素は、多孔質フィラー層を除いて従来のリチウムイオン二次電池の電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば、正極(典型的には正極シート)を構成する正極集電体には、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えばアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は、電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。正極集電体の厚さも特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。
正極合材層は、正極活物質の他、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有し得る。正極活物質としては、リチウムおよび少なくとも1種の遷移金属元素(好ましくはニッケル、コバルトおよびマンガンのうちの少なくとも1種)を含む複合酸化物が挙げられる。上記複合酸化物としては、例えば上記遷移金属元素を1種含むいわゆる一元系リチウム遷移金属複合酸化物、上記遷移金属元素を2種含むいわゆる二元系リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属元素としてニッケル、コバルトおよびマンガンを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物、固溶型のリチウム過剰遷移金属複合酸化物が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記一元系リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えばコバルトリチウム複合酸化物(LiCoO)、ニッケルリチウム複合酸化物(LiNiO)、マンガンリチウム複合酸化物(LiMn)が挙げられる。上記二元系リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えばニッケル・コバルト系のLiNiCo1−x(0<x<1)、コバルト・マンガン系のLiCoMn1−x(0<x<1)、ニッケル・マンガン系のLiNiMn1−x(0<x<1)やLiNiMn2−x(0<x<2)で表される二元系リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。上記三元系リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば一般式:
Li(LiMnCoNi)O
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z=1を満足する実数)で表される三元系リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。上記固溶型のリチウム過剰遷移金属複合酸化物としては、例えば一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O・(1−x)LiMeO
(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす)で表される固溶型のリチウム過剰遷移金属複合酸化物が挙げられる。なかでも、遷移金属元素としてニッケル、コバルトおよびマンガンを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。
また、正極活物質として、一般式がLiMAO(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVからなる群から選択される元素である。)で表されるポリアニオン型化合物も好ましく用いられる。上記一般式においてAがPおよび/またはSiであるもの(例えばLiFePO、LiFeSiO、LiCoPO、LiCoSiO、LiFe0.5Co0.5PO、LiFe0.5Co0.5SiO、LiMnPO、LiMnSiO、LiNiPO、LiNiSiO)は、上記ポリアニオン型化合物の好適例である。
正極合材層に占める正極活物質の割合は凡そ50質量%を超え、凡そ70質量%〜97質量%(例えば75質量%〜95質量%)であることが好ましい。
導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック、例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、グラファイト粉末等が好ましい。また、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等を、1種を単独でまたは2種以上の混合物として含ませることができる。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物(活物質粒子の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、結着材として水に溶解または分散する(水溶性または水分散性の)ポリマー材料を好ましく採用し得る。水溶性または水分散性のポリマー材料としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;が例示される。あるいは、溶剤系の組成物(活物質粒子の分散媒が主として有機溶媒である組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等のポリマー材料を用いることができる。このような結着材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材として用いられる他に正極合材層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。
正極合材層に占めるこれら添加材の割合は特に限定されないが、導電材の割合は凡そ2質量%〜20質量%(例えば3質量%〜18質量%)とすることが好ましく、結着材の割合は凡そ1質量%〜10質量%(例えば2質量%〜7質量%)とすることが好ましい。
上述したような正極の作製方法は特に限定されず、従来の方法を適宜採用することができる。例えば以下の方法によって作製することができる。まず、正極活物質、必要に応じて導電材、結着材等を適当な溶媒(水系溶媒、非水系溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合してペースト状またはスラリー状の正極合材層形成用組成物を調製する。混合操作は、例えば適当な混練機(プラネタリーミキサー、ホモディスパー、クレアミックス、フィルミックス等)を用いて行うことができる。上記組成物を調製するために用いられる溶媒としては、水系溶媒および非水系溶媒のいずれも使用可能である。水系溶媒は全体として水性を示すものであればよく、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。非水系溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン、トルエン等が例示される。こうして調製した上記組成物を正極集電体に塗付し、乾燥により溶媒を揮発させた後、圧縮(プレス)する。正極集電体に上記組成物を塗付する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の適当な塗付装置を使用することにより、正極集電体に該組成物を好適に塗付することができる。また、溶媒を乾燥するにあたっては、自然乾燥、熱風、低湿風、真空、赤外線、遠赤外線および電子線を、単独でまたは組み合わせて用いることにより良好に乾燥し得る。さらに、圧縮方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。かかる厚さを調整するにあたり、膜厚測定器で該厚さを測定し、プレス圧を調整して所望の厚さになるまで複数回圧縮してもよい。このようにして正極合材層が正極集電体上に形成された正極が得られる。
正極集電体上への正極合材層の単位面積当たりの目付量(正極合材層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(導電パス)を確保する観点から、正極集電体の片面当たり3mg/cm以上(例えば6mg/cm以上、典型的には12mg/cm以上)であり、45mg/cm以下(例えば28mg/cm以下、典型的には18mg/cm以下)とすることが好ましい。
負極(典型的には負極シート)を構成する負極集電体としては、従来のリチウムイオン二次電池と同様に、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。そのような導電性部材としては、例えば銅または銅を主成分とする合金を用いることができる。負極集電体の形状は、電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。負極集電体の厚さも特に限定されず、例えば5μm〜30μmとすることができる。
負極合材層には、電荷担体となるリチウムイオンを吸蔵および放出可能な負極活物質が含まれる。負極活物質の組成や形状に特に制限はなく、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の1種または2種以上を使用することができる。かかる負極活物質としては、例えばリチウムイオン二次電池で一般的に用いられる炭素材料が挙げられる。かかる炭素材料の代表例としては、グラファイトカーボン(黒鉛)、アモルファスカーボン等が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が好ましく用いられる。なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。かかる天然黒鉛は鱗片状の黒鉛を球形化したものであり得る。また、黒鉛の表面にアモルファスカーボンがコートされた炭素質粉末を用いてもよい。その他、負極活物質として、チタン酸リチウム等の酸化物、ケイ素材料、スズ材料等の単体、合金、化合物、上記材料を併用した複合材料を用いることも可能である。負極合材層に占める負極活物質の割合は凡そ50質量%を超え、凡そ90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%、典型的には97質量%〜99質量%)であることが好ましい。
負極合材層は、負極活物質の他に、一般的なリチウムイオン二次電池の負極合材層に配合され得る1種または2種以上の結着材や増粘材その他の添加材を必要に応じて含有することができる。結着材としては各種のポリマー材料が挙げられる。例えば、水系の組成物または溶剤系の組成物に対して、正極合材層に含有され得るものを好ましく用いることができる。かかる結着材は、結着材として用いられる他に負極合材層形成用組成物の増粘材その他の添加材として使用されることもあり得る。負極合材層に占めるこれら添加材の割合は特に限定されないが、凡そ0.8質量%〜10質量%(例えば凡そ1質量%〜5質量%、典型的には1質量%〜3質量%)であることが好ましい。
負極の作製方法は特に限定されず、従来の方法を採用することができる。例えば以下の方法によって作製することができる。まず、負極活物質を結着材等とともに上記適当な溶媒(水系溶媒、有機溶媒またはこれらの混合溶媒)で混合して、ペースト状またはスラリー状の負極合材層形成用組成物を調製する。こうして調製した上記組成物を負極集電体に塗付し、乾燥により溶媒を揮発させた後、圧縮(プレス)する。これによって該組成物を用いて形成された負極合材層を負極集電体上に備える負極が得られる。なお、混合、塗付、乾燥および圧縮方法は、上述の正極の作製と同様の手段を採用することができる。
負極集電体上への負極合材層の単位面積当たりの目付量(負極合材層形成用組成物の固形分換算の塗付量)は特に限定されるものではないが、充分な導電経路(導電パス)を確保する観点から、負極集電体の片面当たり3mg/cm以上(例えば6mg/cm以上、典型的には10mg/cm以上)であり、40mg/cm以下(例えば25mg/cm以下、典型的には18mg/cm以下)とすることが好ましい。
正極と負極とを隔てるように配置されるセパレータ(セパレータシート)は、正極合材層と負極合材層とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。セパレータの好適例としては、単層または二層以上の多層構造を有する樹脂層からなるものが挙げられる。樹脂層を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。なかでも、PP、PE、PPが順に積層された三層構造のセパレータが好ましい。
セパレータや該セパレータを構成する樹脂層としては、例えば一軸延伸または二軸延伸された多孔性樹脂フィルムを好適に用いることができる。なかでも、長手方向に一軸延伸された多孔性樹脂フィルムは、適度な強度を備えつつ幅方向の熱収縮が少ないため特に好ましい。一軸延伸された多孔性樹脂フィルムを有するセパレータを用いると、長尺シート状の正極および負極とともに捲回された態様において、長手方向の熱収縮も抑制され得る。したがって、長手方向に一軸延伸された多孔性樹脂フィルムは、かかる捲回電極体を構成するセパレータの一要素として特に好適である。
セパレータの多孔度は特に限定されないが、非水電解質の保持性やイオン通過性向上の観点から、20%以上(例えば30%以上、典型的には35%以上)であることが好ましい。また多孔度は、セパレータの伸び率を好適な範囲に調整しやすく、破膜が生じない程度の強度を得る観点から、60%以下(例えば55%以下、典型的には50%以下)程度であることが好ましい。なお、セパレータの多孔度は以下の方法により算出することができる。単位面積(表面積)のセパレータが占める見かけの体積をV1[cm]とし、上記単位面積のセパレータの質量をW[g]とする。この質量Wと上記セパレータを構成する樹脂材料の真密度ρ[g/cm]との比、すなわちW/ρをV0とする。なお、V0は質量Wの樹脂材料の緻密体が占める体積である。このとき、セパレータの多孔度は、[(V1−V0)/V1]×100によって算出することができる。
セパレータの厚さは特に限定されるものではないが、5μm〜30μm(例えば10μm〜30μm、典型的には15μm〜25μm)程度が好ましい。セパレータの厚さが上記の範囲内であることにより、セパレータのイオン通過性がより良好となり、破膜がより生じにくくなる。
多孔質フィラー層は、上述のように第1領域と第2領域とを備えており、第2領域は第1領域より低い多孔度を有し、かつ第1領域より高い硬度を有する。第1領域、第2領域は、ともにフィラーを主成分として含み、必要に応じて結着材等の添加材を含み得る。フィラーは、有機フィラー、無機フィラーのいずれであってもよいが、分散性や安定性を考慮すると、無機フィラーを用いることが好ましい。無機フィラーとしては、特に限定されないが、例えばベーマイト、アルミナ、ネッキングアルミナ等のアルミニウム化合物、マグネシア、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化鉄等の無機酸化物、窒化アルミニウム等の無機窒化物、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、塩化マグネシウム等の塩化物、フッ化バリウム等のフッ化物、シリコン等の共有結合性結晶、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト等の鉱物系材料あるいはこれらの人造物等であってもよい。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。耐熱性、サイクル特性に優れるという理由から、アルミニウム化合物、マグネシア、シリカ、チタニア、ジルコニアが好ましく、ベーマイト、アルミナ、ネッキングアルミナ、マグネシアが特に好ましい。
第1領域は第2領域よりも硬度が低いことが好ましい。そのため、第1領域に用いるフィラーのモース硬度は、第2領域に用いるフィラー(硬質フィラー)のモース硬度より低いことが好ましい。第1領域に用いるフィラーのモース硬度は、第2領域に用いるフィラーのモース硬度よりも0.5以上(例えば3以上、典型的には5以上)低いことがより好ましい。かかる構成を実現しやすいという理由から、第1領域に用いるフィラーのモース硬度は8.5以下(例えば6以下、典型的には4以下)であることが好ましい。また、第2領域に用いるフィラーのモース硬度は6以上(例えば8以上、典型的には9以上)であることが好ましい。
フィラーの形態は特に限定されず、例えば粒子状、繊維状、板状(フレーク状)等であってもよい。フィラーの平均粒径は特に限定されないが、分散性等を考慮して例えば0.1μm〜2μm(例えば0.3μm〜1.5μm、典型的には0.5μm〜0.8μm)とするのが適当である。フィラーの平均粒径としては、レーザー散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布から導き出せるメジアン径(平均粒径D50:50%体積平均粒径)を採用することができる。
フィラーの比表面積は特に限定されないが、凡そ1m/g〜50m/g(例えば1.5m/g〜35m/g、典型的には2m/g〜20m/g)が好ましい。フィラーの比表面積としては、BET比表面積を採用するものとする。
多孔質フィラー層はまた、結着材を含有することが好ましい。多孔質フィラー層形成用組成物が水系の溶媒(結着材の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた溶液)の場合には、結着材は水系の溶媒に分散または溶解するポリマーを用いることができる。水系溶媒に分散または溶解するポリマーとしては、例えばアクリル系樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート等のモノマーを1種類で重合した単独重合体が好ましく用いられる。あるいは、上記モノマーの2種以上を重合した共重合体であってもよい。さらに、上記単独重合体および共重合体の2種類以上を混合したものであってもよい。上述したアクリル系樹脂のほかに、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類;ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂;カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等を用いることができる。これらポリマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アクリル系樹脂、SBR、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。これらの水系結着材は、大気中の水分と反応・硬化しないので、多孔質フィラー層の伸展性を容易に(例えば製造時に水分管理を行うことなく)調整し得る点で好ましい。
また、多孔質フィラー層形成用組成物が溶剤系の溶媒(結着材の分散媒が主として有機溶媒である溶液)の場合には、結着材は溶剤系の溶媒に分散または溶解するポリマーを用いることができる。溶剤系溶媒に分散または溶解するポリマーとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン化ビニル樹脂が挙げられる。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンの単独重合体が好ましく用いられる。さらに、ポリフッ化ビニリデンは、フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体との共重合体も好ましく用いられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、三塩化フッ化エチレン等が例示される。あるいは、溶剤系溶媒に分散または溶解するポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル等も好ましく用いられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤系結着材は、多孔質フィラー層の伸展性を好適に向上し得る点で好ましい。ただし、溶剤系結着材は大気中の水分と反応して硬化し得るので、製造時に水分管理を行う必要がある。
結着材の形態は特に制限されず、粒子状(粉末状)のものをそのまま用いてもよく、溶液状あるいはエマルション状に調製したものを用いてもよい。2種以上の結着材を、それぞれ異なる形態で用いてもよい。粒子状の結着材を用いる場合、その平均粒径(上述の平均粒径D50)は、例えば0.09μm〜0.15μm程度である。なお、上記結着材は、結着材としての機能の他に、多孔質フィラー層形成用組成物の増粘材その他の添加材としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
多孔質フィラー層全体に占めるフィラーの割合は特に限定されないが、凡そ90質量%以上(例えば92質量%〜99.5質量%、典型的には95質量%〜99質量%)であることが好ましい。また、多孔質フィラー層が結着材、増粘材等の添加材を含有する場合、多孔質フィラー層に占める添加材の割合は凡そ10質量%以下(例えば0.5質量%〜8質量%、典型的には1質量%〜5質量%)とすることが好ましい。フィラー、必要であれば結着材やその他の添加成分の割合が上記の範囲内であることにより、多孔質フィラー層の投錨性や多孔質フィラー層自体の強度(保形性)が向上する。また、多孔質フィラー層の多孔性を良好な範囲に調整しやすくなり、イオン通過性がより向上する傾向がある。さらに、多孔質フィラー層をセパレータ上に形成する場合には、セパレータの強度や伸び率を好適な範囲に調整しやすい。
多孔質フィラー層の多孔度は特に限定されないが、非水電解質の保持性やイオン通過性向上の観点から40%以上(例えば45%以上、典型的には50%以上)であることが好ましい。また多孔度は、熱収縮を抑制する観点、ヒビや剥落等の不具合が生じない程度の強度を得る観点から75%以下(例えば70%以下、典型的には65%以下)であることが好ましい。
また、多孔質フィラー層の第1領域は第2領域より多孔度が高いことが好ましい。第1領域の多孔度は第2領域の多孔度より5%以上(例えば10%以上、典型的には15%以上)高いことが好ましい。かかる構成を実現しやすいという理由から、第1領域の多孔度は50%以上(例えば55%〜75%、典型的には60%〜70%)であることが好ましい。また、第2領域の多孔度は60%以下(例えば40%〜55%、典型的には45%〜50%)であることが好ましい。多孔質フィラー層、その第1領域および第2領域の多孔度は、セパレータの多孔度の算出と同様の方法により算出することができる。その場合において、多孔質フィラー層の質量Wは例えば以下のようにして測定することができる。すなわち、多孔質フィラー層が設けられたセパレータ、正極シートまたは負極シートを所定の面積に切り抜いて試料とし、その質量を測定する。次に、その試料の質量から、上記所定面積のセパレータ、正極シートまたは負極シートの質量を減ずることにより、上記所定面積の多孔質フィラー層の質量Wを算出する。このようにして算出した多孔質フィラー層の質量を単位面積当たりに換算することにより、多孔質フィラー層の質量W[g]を算出することができる。
多孔質フィラー層の多孔を構成する孔の平均孔径は特に限定されないが、例えば0.01μm〜10μmの範囲内にあってもよく、0.1μm〜4μmの範囲内にあってもよい。平均孔径は市販の水銀ポロシメータ等を用いて測定することができる。
多孔質フィラー層の厚さは特に限定されないが、凡そ1μm〜12μm(例えば2μm〜10μm、典型的には3μm〜8μm)であることがより好ましい。多孔質フィラー層の厚さが上記の範囲内であることにより、短絡防止効果や非水電解質の保持性が向上する。セパレータ上に多孔質フィラー層を設ける場合には、セパレータの強度や伸び率を好適な範囲に調整しやすい。第1領域と第2領域の厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。第2領域による第1領域の圧縮抑制作用を考慮すると、第2領域の厚さは第1領域と同じか、第1領域より厚いことが好ましい。多孔質フィラー層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求めることができる。
リチウムイオン二次電池に注入される非水電解質を構成する非水溶媒と支持塩は、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解質は、典型的には適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する電解液である。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトンが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒が好ましい。
また、上記支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)の1種または2種以上を用いることができる。なお、支持塩の濃度は特に限定されないが、凡そ0.1mol/L〜5mol/L(例えば0.5mol/L〜3mol/L、典型的には0.8mol/L〜1.5mol/L)の濃度とすることができる。
次に、非水電解質二次電池の製造方法について説明する。かかる二次電池の製造方法は、正極および負極を構築すること、正極と負極との間に多孔質フィラー層を配置すること、正極、負極および多孔質フィラー層を用いて非水電解質二次電池を構築することを包含し得る。以下、好適例としてリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。なお、正極と負極は、上述の手法や従来公知の手法を適宜採用して構築することができる。また、電池の構築一般についても従来公知の手法を適宜採用することができる。これらは本発明を特徴付けるものではないので、ここでは特に説明しない。
上記製造方法においては、正極と負極との間に多孔質フィラー層を配置することを含み得る。多孔質フィラー層の配置箇所(典型的には形成箇所)は特に限定されず、セパレータの少なくとも一方の表面(正極および/または負極と対向する面)上に多孔質フィラー層を形成してもよく、あるいは正極および/または負極の表面に形成してもよい。非水電解質の保持性向上を考慮すると、セパレータ上に多孔質フィラー層を形成することが好ましい。以下、セパレータに多孔質フィラー層を形成する方法について説明する。
多孔質フィラー層の形成においては、まず第1領域形成用組成物(組成物A)と第2領域形成用組成物(組成物B)を調製する。組成物Aと組成物Bには、それぞれ異なるフィラーを用いることが好ましい。これらの組成物は、それぞれフィラーを結着材等の添加材とともに上述の溶媒(水系溶媒、非水系溶媒(有機溶媒)またはこれらの混合溶媒)で混合する。混合(分散)操作は、ディスパーミル、クレアミックス、フィルミックス、ボールミル、ホモディスパー、超音波分散機等の適当な混練機を用いて行うことができる。これによって、ペースト状またはスラリー状の組成物Aと組成物B(以下、組成物Aと組成物Bとをまとめて多孔質フィラー層形成用組成物ともいう。)がそれぞれ調製される。得られた多孔質フィラー層形成用組成物におけるフィラー、必要であれば結着材等の添加材の配合割合は、固形分換算において、上述した多孔質フィラー層に占める各成分の割合と同じとすることができる。
多孔質フィラー層形成用組成物に用いられる溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒が挙げられる。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(エタノール等の低級アルコール、低級ケトン等)の1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。あるいは、N‐メチル−2−ピロリドン(NMP)、ピロリドン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクサヘキサノン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機系溶媒の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。多孔質フィラー層形成用組成物における溶媒の含有率は特に限定されないが、組成物全体の30質量%〜90質量%(例えば40質量%〜60質量%)とするのが適当である。
次いで、調製した組成物Aをセパレータに付与(典型的にはセパレータの中央部近傍に塗付)し、組成物Bをセパレータの電極体開口側(例えば端部近傍、典型的には両端部近傍)に付与(典型的には塗付)する。付与方法は特に限定されないが、例えば図5に模式的に示すような構成を有するグラビアコーター60を用いて長尺シート状のセパレータ50上に組成物Aおよび組成物Bを付与することができる。このグラビアコーター60は、塗付対象物であるセパレータ50に組成物Aおよび組成物B(以下、まとめて塗液64ともいう。)を付与するグラビアロール61と、グラビアロール61に塗液64を供給する液パン62とを備えている。グラビアロール61は、その軸方向が水平方向と平行するように、かつその下部が液パン62に供給された塗液64と接触するように配置されている。また、グラビアコーター60の上部は、セパレータ50の下面と接触するように構成されている。これによって、液パン62に供給された塗液64は、グラビアロール61によってかき揚げられ、セパレータ50に転写される。この点については従来公知のグラビアコーターと同様である。
グラビアコーター60の液パン62内には2枚の仕切り板63A,63Bが配置されている。この仕切り板63A,63Bは、グラビアロール61の軸方向を区切るように、該軸方向に直交して配置されている。つまり、液パン62内には、側部66Aと中央部65と側部66Bとが2枚の仕切り板63A,63Bによって分割されている。これによって、液パン62の側部66Aと中央部65と側部66Bにそれぞれ供給された塗液64A,64Bは仕切り板63A,63Bを超えて他の部分に移動せず、側部66A、中央部65、側部66Bに異なる組成の塗液64A,64Bを供給することができる。ここでは、液パン62の側部66Aに組成物Bを供給し、中央部65に組成物Aを供給し、側部66Bに組成物Bを供給する。グラビアロール61の軸方向は、長尺シート状のセパレータ50上に形成された多孔質フィラー層51の幅方向に対応する方向であるため、上記のように組成物Aと組成物Bとを供給することにより、セパレータ50上において、組成物Bからなる第2領域(両端部)53A,53Bが形成され、組成物Aからなる第1領域(中央部52)が形成されることとなる。
また、仕切り板63A,63Bは圧縮可能であり、可撓性を有する可変部材である。そのため、図5の(b)に示すようにグラビアロール61の形状に追従するように変形し、グラビアロール61の外表面と仕切り板63A,63Bとの間には塗液が浸入し難い。なお、上記可変部材としては、例えばウレタン製のスポンジが挙げられる。また、仕切り板63A,63Bの上側には、グラビアロール61の形状に沿うように半円状の切欠きを形成することが好ましい。仕切り板63A,63Bの数や配置位置は、第1領域や第2領域の形成状態に応じて変えることが可能である。
あるいは、多孔質フィラー層の形成には、例えば図6に模式的に示すようなダイコーター70を用いることも可能である。ダイコーター70を構成するダイ71は横長の吐出口72を有する。ダイ71の吐出口72は、中間部分72aと両側部72b1,72b2に仕切られており、ダイ71の内部には、それぞれ中間部分72aと両側部72b1,72b2に連なる流路が形成されている。吐出口72の中間部分72a、両側部72b1,72b2には、異なるタンク、異なる流路から、組成物Aと組成物Bが供給される。そして、セパレータ50の幅方向における中央部近傍A1に、ダイ71の吐出口72の中間部分72aを合わせる。また、セパレータ50の幅方向における両端部近傍A2,A3に、ダイ71の吐出口72の両側部72b1,72b2を合わせる。これによって、中央部近傍A1に組成物Aを付与し、また、上記両端部近傍A2,A3に組成物Bを付与することが可能となる。ダイコーター70のその他の部分については、ダイ71の構成に適合するように従来公知の構成を適宜変更して構成すればよいので、ここでは特に説明しない。
上記のようにして組成物Aと組成物Bとが付与されたセパレータに対して、適当な乾燥手段で塗付物を乾燥し、多孔質フィラー層形成用組成物中の溶媒を除去する。乾燥温度は特に限定されないが、セパレータ上に多孔質フィラー層を形成する場合にはセパレータの融点よりも低い温度、例えば110℃以下(典型的には30〜80℃)であることが好ましい。あるいは低温減圧下に保持して乾燥させてもよい。これによって、正負極の間に(典型的にはセパレータ上に)、多孔度と硬度が異なる第1領域と第2領域とを備える多孔質フィラー層を形成することができる。なお、混合、乾燥方法は、正極の作製と同様の手段や従来公知の手段を用いて行えばよい。また、組成物Aおよび組成物Bの付与手段も上記の方法に限定されない。さらに、乾燥の前後で従来公知の圧縮操作を行ってもよい。さらに、上記多孔質フィラー層の形成方法は、正極や負極上に多孔質フィラー層を形成する場合にも適用することが可能である。
次に、かかる構成のリチウムイオン二次電池100を単電池とし、該単電池を複数備えてなる組電池の一構成例を説明する。図7に示すように、組電池200は、複数個(典型的には10個以上、好ましくは10〜30個程度、例えば20個)のリチウムイオン二次電池(単電池)100を、それぞれの外部正極端子38および外部負極端子48が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、電池ケース10の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列したものである。当該配列した単電池100間には、所定形状の冷却板210が挟み込まれている。この冷却板210は、使用時に各単電池100内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池100間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。熱伝導性のよい金属製または軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製の冷却板が好適である。
図7に示すように、上記配列した単電池100および冷却板210の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)220A,220Bが配置されている。また、上記冷却板210とエンドプレート220A,220Bの各々との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材250を一枚または複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池100、冷却板210およびスペーサ部材250は、両エンドプレート220A,220Bの間を架橋するように取り付けられた締付け用の拘束バンド230によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、図7に示すように、拘束バンド230の端部をビス255によりエンドプレート220A,220Bに締付かつ固定することによって、上記複数の単電池100等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池100の電池ケース10の内部に収容されている捲回電極体20にも拘束圧がかかる。そして、隣接する単電池100間において、一方の外部正極端子38と他方の外部負極端子48とが、接続部材(バスバー)240によって電気的に接続されている。このように各単電池100を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築されている。
このようにして構築された組電池は、正負極が膨張した場合や拘束されている場合であっても、正負極間の非水電解質が押し出されることが抑制されるので、正負極間における非水電解質の保持性に優れる。その結果、サイクル特性が向上する。また多孔度の低下も抑制されることからハイレート特性の低下も抑制され得る。かかる組電池は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。したがって、本発明は、図8に模式的に示すように、組電池200を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1〜例7>
[正極シートの作製]
正極活物質としてニッケルマンガンコバルト酸リチウム(Li[Ni1/3Mn1/3Co1/3]O)粉末と、導電材としてアセチレンブラック(AB)と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が93:4:3となるようにN−メチル−2−ピロリドンで混合して、ペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状のアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に、片面当たりの塗付量が15mg/cm(固形分基準)となるように均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の正極(正極シート)を作製した。
[負極シートの作製]
負極活物質として天然黒鉛粉末と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)と、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が98:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の負極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状の銅箔(厚さ14μm)の両面に、片面当たりの塗付量が13.5mg/cm(固形分基準)となるように均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、シート状の負極(負極シート)を作製した。
[多孔質フィラー層の形成]
フィラーとしてベーマイトと、結着材としてアクリル系バインダと、増粘材としてCMCとを、これらの質量比が96.7:2.6:0.7となるようにイオン交換水で混合することによってペースト状の組成物を調製した。この組成物を中央部(第1領域)形成用組成物とした。混合は、エム・テクニック(株)製の超音波分散機「クレアミックス」を用いて、予備分散を15000rpmで5分行い、本分散を20000rpmで15分行った。またフィラーをアルミナに代えた他は中央部形成用組成物の場合と同様にしてペースト状の端部(第2領域)形成用組成物を調製した。得られた中央部形成用組成物と端部形成用組成物とをそれぞれ、セパレータの幅方向の中央部近傍と両端部近傍に塗付した。具体的には、図5に模式的に示すグラビアコーター60を用いて、中央部形成用組成物を液パン62の中央部65に供給し、端部形成用組成物を液パン62の側部66A,66Bに供給した。そして、グラビアロール61で中央部形成用組成物と端部形成用組成物とを掻き揚げ、セパレータの片面に塗付し、温度70℃で乾燥させた。このようにして、図4に示すように、幅方向において、異なる多孔度および硬度を有する中央部(第1領域)と両端部(第2領域)とを有する多孔質フィラー層をセパレータの片面全体を覆うように形成した。また、グラビアコーター60の液パン62の仕切り板63A,63Bの配置を変更し、多孔質フィラー層の全幅Laと中央部の幅Lbとの比(Lb/La)がそれぞれ表2に示す比となるように、各例で用いるセパレータ上に多孔質フィラー層を形成した。両端部を構成する各端部の幅は同じとした。中央部と端部の特性、La、Lbを表2に示す。多孔質フィラー層の厚さは5μmであった。セパレータとしては、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンからなる長尺シート状の三層構造フィルム(厚さ:20μm、多孔度:48%)を用いた。なお、各例で使用したフィラーのモース硬度、BET比表面積(m/g)、平均粒径D50(μm)を表1に示す。
[リチウムイオン二次電池の構築]
作製した正極シートと負極シートとを、多孔質フィラー層が片面に形成されたセパレータを介して楕円状に捲回して捲回電極体を作製した。この捲回電極体の正負の電極集電体の端部にそれぞれ電極端子を接合し、アルミ製の電池ケースに収容した。その後、非水電解液を注入して密封することにより、定格容量が1Ahの18650円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:4:3(体積比)混合溶媒に、支持塩として約1mol/LのLiPFを溶解させた電解液を用いた。
<例8〜例14>
中央部のフィラーをベーマイトからマグネシアに変更した他はそれぞれ例1〜7と同様にして、例8〜例14のリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 2013218898
[サイクル特性評価]
25℃の温度環境において、4.1Vまで1Cの充電を行って5分間休止した後、3.0Vまで1Cの放電を行って5分間休止した。その後、定電流定電圧(CC−CV)充電(4.1V、1C、0.1Cカット)とCC−CV放電(3.0V、1C、0.1Cカット)を行った。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。初期容量を測定した後、2CのCCサイクル充放電を1000サイクル繰り返し、1000サイクル後の放電容量を測定した。式:
サイクル特性(%)=1000サイクル後の放電容量/初期容量×100
からサイクル特性(%)を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2013218898
<例15〜例17>
中央部のフィラーをベーマイトからチタニア(例15)、シリカ(例16)、ネッキングアルミナ(例17)に変更した他は例3と同様にして、例15〜例17のリチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池につき、上述のサイクル特性評価を行った。結果を表3に示す。表3には、中央部と端部の特性、La、Lb、比(Lb/La)も示す。
Figure 2013218898
<例18〜例22>
端部のフィラーをアルミナからネッキングアルミナに変更した他はそれぞれ例1〜例5と同様にして、例18〜例22のリチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池につき、上述のサイクル特性評価を行った。結果を表4に示す。表4には、中央部と端部の特性、La、Lb、比(Lb/La)も示す。
<例23>
端部のフィラーをアルミナからジルコニアに変更した他は例3と同様にして例23のリチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池につき、上述のサイクル特性評価を行った。結果を表4に示す。表4には、中央部と端部の特性、La、Lb、比(Lb/La)も示す。
Figure 2013218898
<例24〜例26>
中央部のフィラーと多孔度、端部のフィラーと多孔度を表5に示すフィラーと多孔度に変更した他はそれぞれ例3と同様にして例24〜例26のリチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池につき、上述のサイクル特性評価を行った。結果を表5に示す。表5には、中央部と端部の特性、La、Lb、比(Lb/La)も示す。
<例27>
中央部と異なる組成の端部を形成しなかった他は例1と同様にして例27のリチウムイオン二次電池を作製した。すなわち、この例では例1の中央部形成用組成物のみをセパレータの片面の全体を覆うように塗付することによって多孔質フィラー層を形成した。この二次電池につき、上述のサイクル特性評価を行った。結果を表5に示す。表5には、中央部と端部の特性、La、Lb、比(Lb/La)も示す。
<例28>
フィラーをアルミナとした他は例27と同様にして例28のリチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池につき、上述のサイクル特性評価を行った。結果を表5に示す。表5には、中央部と端部の特性、La、Lb、比(Lb/La)も示す。
Figure 2013218898
表2に示されるように、高多孔低硬度の中央部と低多孔高硬度の端部を有し、全幅Laと中央部の幅Lbとの比(Lb/La)が0.3〜0.7の範囲内である多孔質フィラー層を正負極間に設けた例1〜例5のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性が83%以上であった。また、これらの例では、比(Lb/La)が大きくなるにつれてサイクル特性が向上する傾向がみられた。これに対して、従来と同様に1種類のフィラーで均一な多孔質フィラー層とした例27,例28は、表5に示されるようにサイクル特性は78%以下であった。中央部のフィラー、端部のフィラーを変更した場合であっても、端部が中央部より低多孔性であり、かつ高硬度の多孔質フィラー層を用いた例8〜例12、例15〜例23は、例1〜例5と同様の傾向が認められた(表3、表4)。一方、比(Lb/La)が0.3未満の例6では、サイクル特性が75%にまで低下した。これは、高多孔性の中央部の比率が低くなりすぎたため、非水電解質の保持量が低下したことによるものと考えられる。また、比(Lb/La)が0.7を超える例7でも、サイクル特性が急激に低下した。これは、低多孔性かつ高硬度の端部の比率が低くなりすぎたため、多孔質フィラー層全体が圧縮されることを充分に抑制することができなかったことによるものと考えられる。同様の傾向が、中央部のフィラーとしてマグネシアを用いた例13,例14でもみられた。以上より、かかる形態の捲回電極体の正負極間に配置する多孔質フィラー層の上記比(Lb/La)は0.3〜0.7の範囲内とすることが望ましいことがわかる。
また、中央部の多孔度が端部の多孔度より低い例24,例25では、フィラーの種類にかかわらずサイクル特性は向上しなかった。これは、端部の多孔度が高いため、中央部が圧縮されたときに、非水電解液が中央部から押し出されることを阻止することができなかったことによるものと考えられる。また、硬質の端部によってつぶれを抑制しても、中央部の多孔度が低いため、全体的な非水電解液の保持性が低くなり、サイクル特性向上に至らなかったことも他の原因として考えられ得る。これらの結果から、中央部の多孔度は端部の多孔度より高いことが望ましいことがわかる。さらに、中央部の硬度を高くし、端部の硬度を低くした例26でもサイクル特性は低下する傾向がみられた。この結果から、端部に硬質のフィラーを配置することが非水電解質の保持性向上において重要であることが推察される。
なお、上記比(Lb/La)の好適範囲は、上記形態の捲回電極体の正負極間に配置される多孔質フィラー層の構成(形状、配置等)に基づくものであるため、上記構成に基づかない多孔質フィラー層、例えばラミネート型電池やコイン型電池に適用され得る多孔質フィラー層については、その第1領域と第2領域の比率等を適切に変更することにより非水電解質の保持性を充分に向上させ得るものを設計することが可能である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
1 自動車(車両)
10 電池ケース
12 開口部
14 蓋体
20 捲回電極体
25 非水電解質(非水電解液)
30 正極(正極シート)
32 正極集電体
34 正極合材層
35 正極集電体積層部
36 正極合材層非形成部
37 内部正極端子
38 外部正極端子
40 負極(負極シート)
42 負極集電体
44 負極合材層
45 負極集電体積層部
46 負極合材層非形成部
47 内部負極端子
48 外部負極端子
50,50A,50B セパレータ
51 多孔質フィラー層
52 中央部(第1領域)
53A,53B 端部(第2領域)
60 グラビアコーター
61 グラビアロール
62 液パン
63A,63B 仕切り板
64,64A,64B 塗液
65 (液パンの)中央部
66A,66B (液パンの)側部
70 ダイコーター
71 ダイ
72 吐出口
72a 中間部分
72b1,72b2 両側部
100 リチウムイオン二次電池(単電池)
200 組電池

Claims (8)

  1. 正極と負極との間に多孔質フィラー層が配置された電極体を備える非水電解質二次電池であって、
    前記多孔質フィラー層には非水電解質が含まれており、
    前記電極体は、前記正極と前記負極との間の領域から前記電極体外に通じる開口を有しており、
    前記多孔質フィラー層は、第1領域と、該第1領域の少なくとも一部より前記開口側に位置する第2領域とを備えており、
    前記第2領域は、前記第1領域より低い多孔度を有し、かつ前記第1領域より高い硬度を有する、非水電解質二次電池。
  2. 前記第2領域は、前記第1領域の両側に存在する、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記正極と前記負極との間にはセパレータが配置されており、
    前記多孔質フィラー層は、前記セパレータの前記正極側表面および前記負極側表面の少なくとも一方に形成されている、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記正極、前記負極、前記多孔質フィラー層および前記セパレータは、長尺状に形成されており、
    前記電極体は、前記正極と前記負極とを前記多孔質フィラー層および前記セパレータを介して積層し、捲回してなる捲回電極体として構成されており、
    前記多孔質フィラー層の幅方向において、前記第2領域は前記第1領域の両側に隣接するように配置されており、
    前記多孔質フィラー層の全幅Laと前記第1領域の幅Lbとの比(Lb/La)は0.3〜0.7の範囲内である、請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記第1領域の多孔度は55%以上である、請求項1から4のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記第2領域は主成分として硬質フィラーを含み、該硬質フィラーのモース硬度は8以上である、請求項1から5のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  7. 請求項4に記載の非水電解質二次電池を2つ以上備える組電池であって、
    前記捲回電極体は扁平形状を有しており、
    隣り合う少なくとも2つの前記非水電解質二次電池は、該非水電解質二次電池それぞれが備える前記捲回電極体の扁平な面が対向するように配列されるとともに該捲回電極体に対して該配列方向に荷重が加えられた状態で拘束されている、組電池。
  8. 請求項7に記載の組電池を備える車両。
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