JP2013216881A - 相容化樹脂の製造法、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 - Google Patents

相容化樹脂の製造法、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】低熱膨張性、銅箔接着性、耐熱性、難燃性、銅付き耐熱性、低誘電特性、低誘電正接性、ドリル加工性の全てに優れる熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ、及び積層板を提供する。
【解決手段】末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂(a1)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)をエーテル化反応させることにより得られる、分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)を、有機金属塩(c)の存在下、特定の有機溶媒中でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させ、(b)成分の反応率が30〜70モル%であるイミノカーボネート構造及びトリアジン構造を有する相容化樹脂(A)と、トリメトキシシラン化合物により表面処理された溶融シリカ(B)を含有する熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ及び積層板である。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に優れた低熱膨張性、誘電特性、難燃性、接着性、耐熱性を示し、また、毒性が低く安全性や作業環境に優れる、電子部品等に好適な熱硬化性樹脂組成物が得られる相容化樹脂の製造法、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板に関する。
熱硬化性樹脂組成物は、架橋構造を有し、高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品等の分野において広く使われる。特に銅張積層板や層間絶縁材料においては、近年の高密度化や高信頼性への要求から、高い銅箔接着性や耐熱性、良好な低熱膨張性等の特性を有することが必要とされる。
即ち、積層板材料には近年の高密度化や高信頼性への要求から、高い銅箔接着性や耐熱性、良好な低熱膨張性等が必要とされるが、微細配線形成のため銅箔接着性は、銅箔ピール強度が1.0kN/m以上であることが望ましく、1.2kN/m以上であることがより望ましい。また、高密度化のためビルドアップ材等を用いてより高多層化することも必要であり、高いリフロー耐熱性が必要であるが、リフロー耐熱性評価の指針となる銅付き耐熱性(T−300)は、30分以上ふくれ等が生じないことが望ましい。
さらに、積層板材料の高密度化に伴い基材はより薄型化される方向にあり、熱処理時における基材のそりが小さいことが必要となる。低そり化のためには基材の面方向が低熱膨張性であることが有効であり、その線膨張係数は7ppm/℃以下であることが望ましく、5ppm/℃以下であることがより望ましい。また、高密度化に伴い基材はより信頼性が要求される方向にあり、ドリル加工時のドリル穴の内壁粗さも小さいことが必要となる。ドリル穴の内壁粗さの評価は、めっき銅の染み込み性により評価され、めっき染み込み長さの最大が20μm以下であることが望ましく、15μm以下であることがより望ましい。さらに、高速応答性の要求も増え続けており、基材の比誘電率は4.7以下、さらに4.5以下であること、また誘電正接は0.009以下、さらに0.008以下であることが望ましい。
このように積層板材料の高密度化や高信頼性への要求から、絶縁樹脂として用いられる熱硬化性樹脂組成物は高度の特性が要求されており、これらの特性を全て満たす樹脂組成物の開発が進められている。
また、近年の環境問題から、鉛フリーはんだによる電子部品の搭載やハロゲンフリーによる難燃化が要求され、そのため従来のものよりも高い耐熱性及び難燃性が必要とされる。さらに、製品の安全性や作業環境の向上化のため、毒性の低い成分のみで構成され、毒性ガス等が発生しない熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
熱硬化性樹脂であるシアネート化合物は、誘電特性、難燃性に優れる樹脂であるが、エポキシ硬化系の熱硬化性樹脂にそのまま使用した場合、耐熱性や強靭性が充分でなく、また、次世代に対応する熱硬化性樹脂として更に低熱膨張性が望まれている。
このため、シアネート化合物と無機充填剤からなる低熱膨張性を発現させる樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1、2および3参照)。しかし、これらは低熱膨張性を発現させるため無機充填剤の配合使用量が多く、銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合にドリル加工性や成形性が不足する。
また、低熱膨張性を発現させるためにシアネート樹脂とアラルキル変性エポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂が開示されている(例えば、特許文献4および5参照)。しかし、この必須成分であるシアネート樹脂が靭性や硬化反応性に劣る樹脂であるため、硬化反応性や強靭性の改良が依然不足であり、これらを銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合も、耐熱性や信頼性、加工性等が不足である。
特開2003−268136号公報 特開2003−73543号公報 特開2002−285015号公報 特開2002−309085号公報 特開2002−348469号公報
本発明の目的は、こうした現状に鑑み、熱硬化性樹脂であるシアネート化合物を用いる場合の上記問題点を解決し、低熱膨張性、銅箔接着性、耐熱性、難燃性、銅付き耐熱性(T-300)、誘電特性、ドリル加工性の全てに優れる熱硬化性樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ及び積層板を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂とエポキシ樹脂を反応させて得られた水酸基とエポキシ樹脂を有する化合物(a)とシアネート化合物(b)を特定の反応率に反応させて得られる相容化樹脂(A)とトリメトキシシラン化合物により表面処理された溶融シリカ(B)を含有する樹脂組成物を用いることにより、上記のような特性を有する優れた熱硬化性樹脂組成物が得られること見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち本発明は、以下の相容化樹脂の製造方法、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板を提供するものである。
1. 下記一般式(I)で示される末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂(a1)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)をエーテル化反応させることにより得られる、分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)を、有機溶媒中で反応させ、(b)成分の反応率が30〜70モル%であることを特徴とするイミノカーボネート構造及びトリアジン構造を有する相容化樹脂の製造方法。
Figure 2013216881
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは5〜100の数である。)
2.上記1の方法により製造された相容化樹脂(A)及び、下記式(II)で示される化合物により表面処理された溶融シリカ(B)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2013216881
3.上記2の熱硬化性樹脂組成物を基材に塗工してなるプリプレグ。
4.上記3のプリプレグを用いて形成された積層板。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸、又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板は、低熱膨張性、銅箔接着性、耐熱性、難燃性、銅付き耐熱性、低誘電特性、低誘電正接性及びドリル加工性の全てに優れ、環境問題がなく、製品の安全性にも優れることから、電子機器用プリント配線板として極めて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明の相容化樹脂の製造方法は、下記一般式(I)で示される末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂(a1)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)をエーテル化反応させることにより得られる、分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)を、好ましくは有機金属塩(c)の存在下、有機溶媒中で反応させ、(b)成分の反応率が30〜70モル%であることを特徴とする方法である。
Figure 2013216881
(式中、R1は各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは5〜100の数である。)
本発明の相容化樹脂の製造に用いられる分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)は、一般式(I)で示される末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂(a1)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)をエーテル化反応させることにより得られるものである。
このエーテル化反応に用いられるシロキサン樹脂(a1)は、上記一般式(I)で示される構造の両末端にフェノール性水酸基を含有するシロキサン樹脂であれば特に限定されない。例えば信越化学工業(株)製の商品名X−22−1876(水酸基価:120KOHmg/g)、商品名X−22−1857(水酸基価:60KOHmg/g)、商品名X−22−1821(水酸基価:30KOHmg/g)、商品名X−22−1822(水酸基価:20KOHmg/g)、商品名X−26−1064(水酸基価:25KOHmg/g)、東レ・ダウコーニング(株)製の商品名BY16-752A(水酸基価:30KOHmg/g)、商品名BY16-799(水酸基価:60KOHmg/g)等が挙げられる。これらの中で、耐熱性、低熱膨張性、及び溶剤溶解性に優れる点から、信越化学工業(株)製、商品名X−22−1876(水酸基価:120KOHmg/g)、商品名X−22−1875(水酸基価:60KOHmg/g)、商品名X−22−1821(水酸基価:30KOHmg/g)、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名BY16−752A(水酸基価:30KOHmg/g)、商品名BY16−799(水酸基価:60KOHmg/g)が特に好ましい。
また、このエーテル化反応に用いられる1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)としては、例えば、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、ジシクロペンタジエン系、多官能フェノール系、ナフタレン系、アラルキル変性系、脂環式系及びアルコール系等のグリシジルエーテル、グリシジルアミン系並びにグリシジルエステル系等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中で、高剛性、誘電特性、耐熱性、難燃性、耐湿性、低熱膨張性、及び室温で固形であるためプリプレグを製造した際にプリプレグのタック性がなく取り扱い易い点から、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル基含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。
また、芳香族系有機溶剤への溶解性の点からナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂がより好ましい。
更に、多層材料をプレス成形する際の成形性の点から、下記式(III)に示すナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂、下記式(IV)に示すビフェニル型エポキシ樹脂、下記一般式(V)で表されるビフェニルアラルキルエポキシ樹脂が特に好ましい。
Figure 2013216881
(式中、sは1以上の数である。)
Figure 2013216881
(式中、R2、R3、R4、R5は各々独立に水素原子、又はメチル基である。)
Figure 2013216881
(式中、tは1以上の数である。)
上記の(a1)成分と(a2)成分をエーテル化反応させることにより、分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)が得られる。ここで、上記一般式(I)で示される末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂(a1)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)の使用量は、(a2)のエポキシ基数((a2)の使用量/(a2)のエポキシ基当量)が、(a1)の水酸基数((a1)の使用量/(a1)の水酸基当量)を超えるように使用されることが望ましく、(a2)のエポキシ基数と(a1)の水酸基数との比率((a2)のエポキシ基数/(a1)の水酸基数)が1.5〜10.0の範囲であることがより望ましい。
このエーテル化反応において、(a1)の水酸数が(a2)のエポキシ基数以上であると、分子構造中にエポキシ基を有する所望の生成物が得られない。また、(a2)のエポキシ基数と(a1)の水酸基数との比率((a2)のエポキシ基数/(a1)の水酸基数)が1.5以上であると、合成中に不溶化を起こしたり、また、これをもとに得られる積層板の耐湿性が低下することがなく、また、この比率が10.0以下であると、合成中にゲル化を起こしたり、また、これをもとに得られる積層板の銅箔接着性が低下することがない。
このエーテル化反応には有機溶媒を使用してもよく、有機溶媒使用量は、(a1)成分と(a2)成分の合計量100質量部当たり、40〜1000質量部とすることが好ましい。有機溶剤の配合量を40質量部以上とすることにより、原料の溶解性が不足したり、増粘により合成不能になることがなく、また1000質量部以下では合成に長時間を要したり製造コストが高くなってしまうことがない。
この反応で使用される有機溶媒には、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤、炭化水素系溶剤、石油系溶剤、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶剤、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤等が好ましい。これらの有機溶剤を1種又は2種以上を混合して使用できる。
なお、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶剤を使用した場合、得られる積層板の耐湿性が低下する場合があり好ましくない場合がある。
前記の有機溶媒の中で、溶解性や揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残りにくい点から、また、得られる積層板の耐湿耐熱性、銅箔接着性、低誘電率性の点から、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤が特に好ましい。
このエーテル化反応には、必要により任意に反応触媒を使用することができ、特に限定されないが、反応触媒の例としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン類、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。得られる積層板の耐湿耐熱性、銅箔接着性の点から、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒が特に好ましい。
(a)成分の分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物は、上記の合成原料、有機溶媒、必要により反応触媒を合成釜に仕込み、必要により加熱・保温しながら0.1時間から10時間攪拌しエーテル反応させることによりが製造される。合成温度は25〜200℃が好ましく、合成温度を25℃以上とすることにより反応速度が大となり、また200℃以下とすることにより合成溶媒に高沸点の溶媒を不要となり、また、プリプレグを製造する際、残溶剤が残り耐熱性が低下することがない。また、合成反応の終点確認、及び分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)の生成の確認は、少量の試料を取り出し中和滴定により酸価を測定することにより、合成原料である成分(a1)のシロキサン樹脂のフェノール性水酸基の減少を確認することにより判別できる。
この中和滴定による酸価の測定方法はJIS規格(K 0211 1469号)による方法に準拠し、例えば、取り出した少量の試料に、指示薬としてフェノールフタレインを添加し、このものをメタノール性の水酸化カリウム溶液により滴定し、中和点を確認する方法等が望ましい。合成反応の終点の酸価は、反応初期の酸価の1/2以下になっていることが望ましい。終点での酸価が、反応初期の酸価の1/2より大きい値であると、生成される分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)の生成量が不足し、相容性が不足する場合がある。
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)の例を下記一般式(VI)に、また、これを原料として製造される分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)の例を下記一般式(VII)及び(VIII)に示す。
Figure 2013216881
(式中、X及びZはグリシジル基が結合する芳香族系又は脂肪族系の残基であり、Yは存在しないか又は結合基であり、nは0以上の数である。)
Figure 2013216881
(式中、Ar1はフェノール残基であり、X、Y、Z、及びR1、及びm、nは、前述の式(I)及び式(VI)と同様である。)
Figure 2013216881
(式中、X、Y、Z、及びAr1、R1、及びm、nは、前述の式(I)及び式(VI)と同様である。)
相容化樹脂の製造に用いられる(b)成分の1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物としては、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、ビスフェノールF型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、誘電特性、耐熱性、難燃性、低熱膨張性、及び安価である点から、ビスフェノールA型シアネート樹脂、下記一般式(IX)に示すノボラック型シアネート樹脂が特に好ましい。
Figure 2013216881
上記の一般式(IX)のnは、ノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し数であり、特に限定されないが、平均値として0.1〜30が好ましい。これより小さいと結晶化しやすくなり取り扱いが困難となる場合がある。また、これより大きいと硬化物が脆くなる場合がある。
相容化樹脂の製造に用いられる(d)成分の有機金属塩は反応触媒となるものであり、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト等が挙げられる。アミン系やイミダゾール系の窒素原子含有反応触媒は得られる樹脂の硬化物が脆くなり、耐熱性や接着性が低下するので好ましくない。
本発明の相容化樹脂の製造方法では、(a)成分と(b)成分の合計量100質量部あたりの(a)成分の使用量を10〜60質量部、(b)成分の使用量を40〜90質量部の範囲として、これらを予め溶媒中に均一に溶解し、80〜120℃の反応温度でイミノカーボネ−ト化反応、及びトリアジン環化反応させ、(b)成分のシアネート基を有する化合物の反応率(消失率)を30〜70モル%となるようにプレ反応を行うことが望ましい。
ここで、反応溶媒にはトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる芳香族系有機溶剤が特に好ましく、必要により少量の他の溶剤を用いてもよいが、他の溶剤では所望反応の進行が遅くなり、耐熱性等が低下するおそれがある。また、ベンゼンは毒性が強く、メシチレンよりも分子量の大きい芳香族系溶媒はプリプレグの製造塗工時に残溶剤となりやすいので好ましくない。プレ反応による反応率が30モル%未満であると、得られる樹脂が相容化されておらず、樹脂が分離、白濁しBステージの塗工布が製造できない。また、反応率が70モル%を超えると、得られる熱硬化性樹脂が溶剤に不溶化し、Aステージのワニス(熱硬化性樹脂組成物)が製造できなくなったり、プリプレグのゲルタイムが短くなり過ぎ、プレスの際に成形性が低下する場合がある。
なお、イミノカーボネ−ト化反応は、水酸基とシアネート基の付加反応によりイミノカーボネ−ト結合(−O−(C=NH)−O−)が生成される反応であり、トリアジン環化反応は、シアネート基が3量化しトリアジン環を形成する反応である。また、このシアネート基が3量化しトリアジン環を形成する反応により3次元網目構造化が進行するが、この時に1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)が3次元網目構造中に均一に分散され、これによって(a)成分と(b)成分が均一に分散された相容化樹脂が製造される。
この相容化樹脂の製造方法において、(a)成分と(b)成分の合計量100質量部あたり、(a)成分の使用量を10質量部以上とすることにより、得られる基材の面方向の低熱膨張性が低下することがなく、また、60質量部以下とすることにより、耐熱性や耐薬品性が低下することがない。(b)成分の使用量を40質量部以上とすることにより、得られる樹脂の相容性が低下することがなく、また、90質量部以下とすることにより、得られる基材の面方向の低熱膨張性が低下することがない。
反応触媒の(c)成分の使用量は、(a)成分と(b)成分の合計量100質量部に対して、0.0001〜0.004質量部が好ましい。0.0001質量部以上とすることにより、反応に長時間を要したり、所望の反応率に達しないことがない。また、0.004重量部以下とすることにより、反応速度が速すぎて終点管理が難しくなることがない。ここで、(b)成分のシアネート基を有する化合物の反応率は、GPC測定により反応開始時の(b)のシアネート基を有する化合物のピーク面積と、所定時間反応後のピーク面積を比較し、ピーク面積の消失率から求められる。
このようなプレ反応の反応温度は80〜120℃であり、好ましくは100〜110℃である。反応温度が80℃以上とすることにより製造時間(反応時間)が長くなりすぎることがなく、120℃以下とすることによりエポキシ樹脂の副反応が生じてゲル化することがない。
プレ反応の反応率は、シアネート基を有する化合物(b)の反応率(消失率)を30〜70モル%となるようし、好ましくは40〜68モル%となるようする。反応率が30モル%未満であると、得られる樹脂が相容化されておらず、樹脂が分離して白濁し、Bステージの塗工布が製造でない。また、反応率が70モル%を超えると、得られる熱硬化性樹脂が溶剤に不溶化し、Aステージのワニス(熱硬化性樹脂組成物)が製造できなくなったり、プリプレグのゲルタイムが短くなり過ぎ、プレスの際に成形性が低下する場合がある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、以上の方法により製造された相容化樹脂(A)及び、下記式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物により表面処理された溶融シリカ(B)を含有することを特徴とするものである。
Figure 2013216881
(B)成分のトリメトキシシラン化合物により表面処理された溶融シリカは、溶融シリカを上記の式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物を使用し、表面処理(湿式処理)することにより得られる。(B)成分は、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系有機溶剤に、溶融シリカを添加して混合した後、上記の式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物を添加して60〜120℃で、0.5〜5時間程度攪拌しながら表面処理(湿式処理)させることにより得られる。該溶融シリカは、アドマテックス社等から商業的にも入手でき、例えば、アドマテックス社製の商品名SC-2050KNKや、SC-2050HNK等がある。
(B)成分の溶融シリカの使用量は、固形分換算の(A)成分100質量部に対し、10〜300質量部とすることが好ましく、100〜250質量部とすることがより好ましく、150〜250質量部とすることが特に好ましい。10質量部以上であることにより、基材の剛性や、耐湿耐熱性、難燃性が不足することがなく、また、300質量部以下とすることにより、成形性や耐めっき液性等の耐薬品性が低下することがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、(B)成分以外の無機充填剤(C)を使用しても良い。無機充填剤(C)としては、例えば、破砕シリカ、マイカ、タルク、ガラス短繊維又は微粉末及び中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、金属水和物等が挙げられる。これらの中で、低熱膨張性や高弾性、耐熱性、難燃性の点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物が好ましい。さらに金属水和物の中でも、高い耐熱性と難燃性が両立する点から熱分解温度が300℃以上である金属水和物、例えばベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)、あるいはギブサイト型水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を熱処理によりその熱分解温度を300℃以上に調整した化合物、水酸化マグネシウム等がより好ましく、特に、安価であり、350℃以上の特に高い熱分解温度と、高い耐薬品性を有するベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)が特に好ましい。
無機充填剤(C)の使用量は、固形分換算の(A)成分100質量部に対し、0〜200質量部とすることが好ましく、10〜150質量部とすることがより好ましく、50〜150質量部とすることが特に好ましい。10質量部以上であると難燃性が不足することがなく、200質量部以下であると耐めっき液性等の耐薬品性や成形性が低下することがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の向上化のため硬化促進剤を用いることが望ましく、硬化促進剤の例としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト等の有機金属塩、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。硬化促進剤を使用することにより、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等が不足することがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に難燃剤や難燃助剤(D)の併用ができる。しかし、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤や熱分解温度が300℃未満である金属水酸化物等は本発明の目的にそぐわないものである。
難燃剤や難燃助剤の例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤等が挙げられる。特に、モリブデン酸亜鉛をタルク等の無機充填剤に担持した無機難燃助剤は、難燃性のみならずドリル加工性をも著しく向上化させるので、特に好ましい無機難燃助剤である。モリブデン酸亜鉛の使用量は相容化樹脂(A)100質量部に対し、5〜20質量部とすることが好ましい。5質量部以上とすることにより、難燃性やドリル加工性が向上し、また20質量部以下とすることにより、ワニスのゲルタイムが短くなり過ぎてプレスにより積層板を成形する際に成形性が低下することがない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、任意に公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、有機充填剤を含有させることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、ABS樹脂、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
本発明において、任意に該樹脂組成物に対して、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤等の添加も可能であり、特に限定されない。これらの例としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物やシランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、前記した本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化したものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
即ち、本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)して本発明のプリプレグを製造することができる。
プリプレグに用いられる基材には、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維、ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。
基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmのものを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
本発明のプリプレグは、該基材に対する熱硬化性樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で20〜90質量%となるように基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて得ることができる。
本発明の積層板は本発明のプリプレグを用いて形成されたものであり、前述のプリプレグを用いて、積層成形して、形成することができる。
即ち、本発明の積層板は前述のプリプレグを、例えば1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。
また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力2〜100kg/cm2(0.2〜10MPa)、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
なお、以下の実施例および比較例において得られた銅張積層板を以下の方法により測定し、評価を行った。
(1)銅箔接着性(銅箔ピール強度)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより1cm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(ピール強度)を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の熱膨張特性を観察することにより評価した。
(3)はんだ耐熱性
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、2atm(0.2MPa)の条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度288℃又は300℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
(4)線熱膨張係数
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の30〜100℃の線熱膨張率を測定した。
(5)難燃性
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ127mm、幅12.7mmに切り出した試験片を作製し、UL94の試験法(V法)に準じて評価した。
(6)銅付き耐熱性(T-300)
銅張積層板から5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、300℃で評価基板の膨れが発生するまでの時間を測定することにより評価した。
(7)誘電特性(比誘電率及び誘電正接)
得られた銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet・Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
(8)ドリル加工性
ドリルに径0.105mm(ユニオンツールMV J676)を用い、回転数:160,000rpm、送り速度:0.8m/分、重ね枚数:1枚でドリル加工を行い、6000ヒットさせて評価基板を作製し、ドリル穴の内壁粗さを評価した。内壁粗さの評価は、無電解銅めっきを行い(めっき厚:15μm)、穴壁へのめっき染み込み長さの最大値を測定することにより評価した。
製造例1:相容化樹脂(A−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、下記式(X)に示すビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX-4000、エポキシ当量;186):317.4g、下記式(XI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1,600):682.6g、トルエン:1000.0g、及びトリフェニルホスフィン:3.17gを投入した(反応の当量比はエポキシ基/水酸基=4.0である)。
次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、約120℃で反応を行い、1時間おきにサンプリングを行い中和滴定により酸価を測定した。5時間反応後に酸価が0mg/KOHになったことを確認し、室温に冷却して下記式(XII)に示す構造の分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(K−1)の溶液を得た。
Figure 2013216881
Figure 2013216881
(式中、R2はプロピル基であり、pは平均して35〜40の数であり、フェノール性水酸基はメタ体とパラ体の混合である。)
Figure 2013216881
(式中のR2及びpは、式(XII)と同様である。)
次いで、温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、上記の化合物(K−1)の溶液:800.0g(固形分:400.0g)と、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、トルエン:600.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.06g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(A−1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔すなわち(b)成分の反応率〕が60%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0分付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm-1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm-1付近、及び1380cm-1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(A−1)が製造されていることを確認した。
製造例2:相容化樹脂(A−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、前記式(X)に示すビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):498.0g、下記式(XIII)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1876、水酸基当量;375):502.0g、トルエン:1000.0g、及びトリフェニルホスフィン:4.98gを投入した(反応の当量比はエポキシ基/水酸基=2.0である)。
次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、約120℃で反応を行い、1時間おきにサンプリングを行い中和滴定により酸価を測定した。反応開始時に酸価は30mg/KOHであったが、2時間反応後に酸価が半分の15mg/KOHになったことを確認し、室温に冷却して下記式(XIV)に示す構造の分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(K−2)の溶液を得た。
Figure 2013216881
(式中、qは平均して5〜10の数であり、フェノール性水酸基はメタ体とパラ体の混合である。)
Figure 2013216881
(式中のqは、式(XIII)と同様であり、フェノール性水酸基はメタ体とパラ体の混合である。)
次いで、温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、上記の化合物(K−2)の溶液:1000.0g(固形分:500.0g)と、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):500.0gと、トルエン:500.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.02g添加し、約110℃で3時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(A−2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が30%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0分付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm-1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm-1付近、及び1380cm-1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(A−2)が製造されていることを確認した。
製造例3:相容化樹脂(A−3)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、前記式(III)に示すナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂(日本化薬社製;商品名NC−7000L、エポキシ当量;230):710.4gと、下記式(XV)に示すシロキサン樹脂(東レ・ダウコーニング社製;商品名BY16−799、水酸基当量;750):289.6gと、トルエン:1000.0g、及びトリフェニルホスフィン:3.55gを投入した(反応の当量比はエポキシ基/水酸基=8.0である)。
次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、約120℃で反応を行い、1時間おきにサンプリングを行い中和滴定により酸価を測定した。2時間反応後に酸価が0mg/KOHになったことを確認し、室温に冷却して分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(K−3)の溶液を得た。
Figure 2013216881
(式中、rは平均して15〜20の数であり、フェノール性水酸基はメタ体とパラ体の混合である。)
次いで、温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、上記の化合物(K−3)の溶液:1000.0g(固形分:500.0g)と、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):500.0gと、トルエン:500.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.05g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(A−3)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が50%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0分付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm-1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm-1付近、及び1380cm-1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(A−3)が製造されていることを確認した。
製造例4:相容化樹脂(A−4)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、下記式(XVI)に示すナフタレン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名HP−4032、エポキシ当量;152):275.4gと、前記式(XI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1,600):724.6gと、トルエン:1000.0g、及びトリフェニルホスフィン:2.75gを投入した(反応の当量比はエポキシ基/水酸基=4.0である)。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、約120℃で反応を行い、1時間おきにサンプリングを行い中和滴定により酸化を測定した。反応開始時に酸価は11mg/KOHであったが、3時間反応後に酸価が3mg/KOHになったことを確認し、室温に冷却して分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(K−4)の溶液を得た。
Figure 2013216881
次いで、温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、上記の化合物(K−4)の溶液:800.0g(固形分:400.0g)と、フェノールノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset PT−15,質量平均分子量500〜1,000):600.0gと、トルエン:600.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.06g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(A−4)の溶液を得た。
この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.1分付近に出現する合成原料のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のフェノールノボラック型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が37%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0分付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm-1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm-1付近、及び1380cm-1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(A−4)が製造されていることを確認した。
製造例5:相容化樹脂(A−5)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、下記式(XVII)に示すジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名HP−7200H、エポキシ当量;280):344.3gと、前記式(XI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1,600):655.7g、トルエン:1000.0g、及びトリフェニルホスフィン:3.44gを投入した(反応の当量比はエポキシ基/水酸基=3.0である)。
次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、約120℃で反応を行い、1時間おきにサンプリングを行い中和滴定により酸化を測定した。6時間反応後に酸価が0mg/KOHになったことを確認し、室温に冷却して分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(K−5)の溶液を得た。
Figure 2013216881
(式中、wは1以上の数である)
次いで、温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、上記の化合物(K−5)の溶液:400.0g(固形分:200.0g)と、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):800.0gと、トルエン:800.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.10g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(A−5)の溶液を得た。
この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が65%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0分付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカーボネート基に起因する1700cm-1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm-1付近、及び1380cm-1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(A−5)が製造されていることを確認した。
製造例6:トリメトキシシラン化合物により表面処理(湿式処理)された溶融シリカ(B−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、溶融シリカ(アドマテックス社製;商品名SO−25R):700.0gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル:1000.0gを配合し、攪拌しながらN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製;商品名KBM−573):7.0gを添加した。次いで80℃に昇温し、80℃で1時間反応を行い溶融シリカの表面処理(湿式処理)を行った後、室温に冷却し、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理(湿式処理)された溶融シリカ(B−1)の溶液を得た。
比較製造例1:(樹脂(A−6):(b)成分の反応率18%)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、前記の式(XI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1600):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で1時間反応を行った。その後、室温に冷却し、樹脂(A−6)の溶液を得た。
この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が18%であった。また、この溶液は翌日結晶化により沈殿物が生じた。
比較製造例2:(樹脂(A−7):(b)成分の反応率76%)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):600.0g、前記の式(XI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1,600):200.0g、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0g及びトルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約120℃で6時間反応を行った。その後、室温に冷却し、樹脂(A−7)の溶液を得た。
この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が76%であった。
比較製造例3:(樹脂(A−8):(b)成分の反応率53%、a2成分無)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、前記の式(XI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−1821、水酸基当量;1600):200.0gと、トルエン:800.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し、樹脂(A−8)の溶液を得た。
この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率〔(b)成分の反応率〕が53%であった。
実施例1〜6、比較例1〜4
製造例1〜5により得られた(A)成分の相容化樹脂、又は比較製造例1〜3で得られた樹脂、製造例6又は商業的に入手した(B)成分、また必要により(C)成分、(D)成分、及び硬化促進剤に、希釈溶剤としてメチルエチルケトンを使用して、第1表及び第2表に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。
次に、得られたワニスを厚さ0.2mmのSガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量60質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力25kg/cm2(2.5MPa)、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
このようにして得られた銅張積層板を用いて、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、線膨張係数、難燃性、銅付き耐熱性(T-300)、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)及びドリル加工性について前記の方法で測定・評価した。評価結果を第1表及び第2表に示す。
Figure 2013216881
Figure 2013216881
第1表及び第2表において、商業的に入手した(B)成分、任意に用いた(C)成分、(D)成分、硬化促進剤、比較例で用いたエポキシ樹脂及び溶融シリカは次の通りである。
(B)成分
溶融シリカ(B−2):溶融シリカに対し1.0質量%のN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理された溶融シリカ(アドマテック社製;商品名SC−2050KNK,希釈溶剤;メチルイソブチルケトン)
溶融シリカ(B−3):溶融シリカに対し1.0質量%のN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理された溶融シリカ(アドマテック社製;商品名SC−2050HNK,希釈溶剤;シクロヘキサノン)
溶融シリカ(B−4):溶融シリカ(アドマテック社製;商品名SO−25R)
溶融シリカ(B−5):溶融シリカに対し1.0質量%の下記式(XVIII)に示しγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランにより表面処理された溶融シリカ(アドマテック社製;商品名SC1030−MJA、希釈溶剤;メチルエチルケトン)
Figure 2013216881
(C)無機充填剤(AlOOH):ベーマイト型水酸化アルミニウム(河合石灰社製;商品名BMT−3L、熱分解温度:400℃)
(D)無機難燃助剤(KG−1100):モリブデン酸亜鉛をタルクに担持した無機難燃助剤(シャーウィン・ウィリアムス社製;商品名 ケムガード1100)
硬化促進剤:ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液
比較例3で用いたエポキシ樹脂(YX−4000):ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186)
第2表において比較例1〜3は下記の理由により積層板の性能が評価できなかった。
比較例1:成形性が不良であり積層板を作製できなかった。
比較例2:樹脂が分離し、プリプレグ及び積層板を作製できなかった。
第1表から明らかなように、本発明の実施例は、銅箔ピール強度、カラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、低熱膨張性、難燃性、銅付き耐熱性(T−300)、低誘電特性、低誘電正接性、ドリル加工性の全てに優れている。
一方、第2表から明らかなように、比較例は、銅箔ピール強度、カラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、低熱膨張性、難燃性、銅付き耐熱性(T−300)、低誘電特性、低誘電正接性、ドリル加工性の全てを満たすものは無く、いずれかの特性に劣っている。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、はんだ耐熱性や難燃性に優れるのみならず、背景技術で述べた銅箔接着性(銅箔ピール強度)、銅付き耐熱性(T−300)、ドリル加工性、比誘電率、誘電正接の全ての特性において近年の高密度化や高信頼性で要求されているレベルに達するものである。
従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物を使用することにより、今日要求される配線板の高密度化や高信頼性が達成され、本発明の熱硬化性樹脂組成物を電子機器などの製造に広く用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で示される末端にフェノール性水酸基を有するシロキサン樹脂(a1)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(a2)をエーテル化反応させることにより得られる、分子構造中に水酸基とエポキシ基を有する化合物(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)を、有機溶媒中で反応させ、(b)成分の反応率が30〜70モル%であることを特徴とするイミノカーボネート構造及びトリアジン構造を有する相容化樹脂(A)の製造方法。
    Figure 2013216881
    (式中、R1は各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは5〜100の数である。)
  2. 請求項1に記載の方法により製造された相容化樹脂(A)及び、下記式(II)で示される化合物により表面処理された溶融シリカ(B)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2013216881
  3. 請求項2記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に塗工してなるプリプレグ。
  4. 請求項3記載のプリプレグを用いて成形される積層板。
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