JP2015063613A - プリプレグ及び、それを用いた積層板、プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低熱膨張性、比誘電率及び誘電正接に優れるプリプレグ、及び該プリプレグを使用した積層板、プリント配線板を提供する。【解決手段】 末端に1級アミノ基を有するシロキサン樹脂(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)と、反応触媒の有機金属塩(d)を、プレ反応させることにより得られる相容化樹脂を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、得られるプリプレグ、及び該プリプレグを用いた積層板並びにプリント配線板。【選択図】 なし
Description
本発明は、半導体パッケージや電子部品等に好適なプリプレグ、これを用いた積層板、プリント配線板に関する。
熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂に特有な架橋構造が高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品等の分野において広く使われ、特に銅張積層板や層間絶縁材料においては、近年の高密度化や高信頼性への要求から、高い銅箔接着性や耐熱性、良好な低熱膨張性等が必要とされる。また、近年の環境問題から、鉛フリーはんだによる電子部品の搭載やハロゲンフリーによる難燃化が要求され、そのため従来のものよりも高い耐熱性及び難燃性が必要とされる。さらに、製品の安全性や作業環境の向上化のため、毒性の低い成分のみで構成され、毒性ガス等が発生しない熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
熱硬化性樹脂であるシアネート化合物は、低誘電特性、難燃性に優れる樹脂であるが、エポキシ硬化系の熱硬化性樹脂にそのまま使用した場合、耐熱性や強靭性が不足する問題があった。また、次世代に対応する低熱膨張性が不足である。特許文献1、2および3等にシアネート化合物と無機充填剤からなり低熱膨張性を発現させる樹脂組成物が開示されているが、これらは低熱膨張性を発現させるため無機充填剤の配合使用量が多く、銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合、ドリル加工性や成形性が不足する。また、特許文献4、特許文献5等にシアネート樹脂とアラルキル変性エポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂に関する事例が開示されているが、必須成分であるシアネート樹脂が靭性や硬化反応性に劣る樹脂であるため、この熱硬化性樹脂の硬化反応性や強靭性の改良が依然不足であり、これらを銅張積層板や層間絶縁材料として使用した場合も、耐熱性や信頼性、加工性等が不足である。
また近年、高周波対応パッケージ基板の要求が強くなってきていることから、熱膨張係数が小さく、比誘電率及び誘電正接の低い基板が求められている。
特許文献6でシロキサン樹脂とエポキシ樹脂、及びシアネート樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物を用いたパッケージ基板が開示されているが、次世代材料にはさらに小さい熱膨張係数が要求されており、一般的な無機繊維であるSガラスクロスの使用では上記の要求を満たすことは困難である。
また近年、高周波対応パッケージ基板の要求が強くなってきていることから、熱膨張係数が小さく、比誘電率及び誘電正接の低い基板が求められている。
特許文献6でシロキサン樹脂とエポキシ樹脂、及びシアネート樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物を用いたパッケージ基板が開示されているが、次世代材料にはさらに小さい熱膨張係数が要求されており、一般的な無機繊維であるSガラスクロスの使用では上記の要求を満たすことは困難である。
本発明の目的は、低熱膨張性、低誘電率及び低誘電正接を発現するプリプレグ、及び該プリプレグを使用した積層板、プリント配線板を提供するものである。
本発明者らは上記の課題を解決すべく検討を進めた結果、(a)下記一般式(I)で示される構造の末端に1級アミノ基を含有するシロキサン樹脂と、(b)1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物と、(c)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物と、(d)反応触媒として有機金属塩を、芳香族系有機溶媒中でイミノカルバメート化反応、及びトリアジン環化反応させることにより得られる相容化樹脂を、Qガラスクロスに塗工し、得られるプリプレグを用いた積層板及びプリント配線板が、低熱膨張性、低誘電特性を発現することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明は、[1] 下記一般式(I)で示される末端に1級アミノを有するシロキサン樹脂(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)及び、反応触媒として有機金属塩(d)とを、(a)と(b)と(c)の総和100質量部あたり、(a)の使用量を10〜50質量部の範囲、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中で80〜120℃の反応温度でイミノカルバメート化反応、及びトリアジン環化反応させ、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率(消失率)を30〜70mol%となるようにプレ反応させることにより得られる相容化樹脂を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、得られるプリプレグに関する。
(一般式(I)中R1は各々独立に2価の炭素数1〜5の飽和炭化水素基であり、Ar1は各々独立に単結合か、又は芳香族基であり、mは0から100までの整数である)
また、本発明は、[2]下記一般式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物により表面処理(湿式処理)された溶融シリカを、さらに含有する上記[1]に記載のプリプレグに関する。
本発明で用いる相容化樹脂をQガラスクロスに含浸又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板は、優れた低熱膨張率、低誘電率、及び低誘電正接を発現するため、電子機器用のプリント配線板などに有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
積層板材料には近年の高密度化や高信頼性への要求から、高い銅箔接着性や耐熱性、良好な低熱膨張性等が必要とされる。高密度化に伴い基材はより薄型化される方向にあり、熱処理時における基材のそりが小さいことが必要となる。低そり化のためには基材の面方向が低熱膨張性であることが有効であり、その熱膨張係数は2.5ppm/℃以下(2.5×10−6/K以下)であることが望ましく、1ppm/℃以下であることがより望ましい。さらに、伝送特性向上の要求に対しては比誘電率及び誘電正接の低減が有効な手段となる。このような状況の中、鋭意研究により以下に説明する発明に至った。
積層板材料には近年の高密度化や高信頼性への要求から、高い銅箔接着性や耐熱性、良好な低熱膨張性等が必要とされる。高密度化に伴い基材はより薄型化される方向にあり、熱処理時における基材のそりが小さいことが必要となる。低そり化のためには基材の面方向が低熱膨張性であることが有効であり、その熱膨張係数は2.5ppm/℃以下(2.5×10−6/K以下)であることが望ましく、1ppm/℃以下であることがより望ましい。さらに、伝送特性向上の要求に対しては比誘電率及び誘電正接の低減が有効な手段となる。このような状況の中、鋭意研究により以下に説明する発明に至った。
本発明は、(a)上記一般式(I)で示される構造の末端に1級アミノ基を有するシロキサン樹脂と、(b)1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物と、(c)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物と、(d)反応触媒として有機金属塩を、芳香族系有機溶媒中で(a)の反応性置換基とシアネート基の付加反応、及びトリアジン環化反応させることにより得られる相容化樹脂をQガラスクロスに塗工し、得られるプリプレグである。
本発明は、(a)上記一般式(I)で示される構造の1級アミノ基を含有するシロキサン樹脂と、(b)1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物と、(c)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物と、(d)反応触媒として有機金属塩を、芳香族系有機溶媒中でイミノカルバメート化反応、及びトリアジン環化反応させることにより得られる相容化樹脂をQガラスクロスに塗工し、得られるプリプレグである。
本発明は、(a)上記一般式(I)で示される構造の1級アミノ基を含有するシロキサン樹脂と、(b)1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物と、(c)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物と、(d)反応触媒として有機金属塩を、芳香族系有機溶媒中でイミノカルバメート化反応、及びトリアジン環化反応させることにより得られる相容化樹脂をQガラスクロスに塗工し、得られるプリプレグである。
本発明で用いる成分(a)であるシロキサン樹脂は、上記一般式(I)で示される構造の1級アミノ基を含有するシロキサン樹脂であれば特に限定されない。一般式(I)中、R1は各々独立に2価の炭素数1〜5の飽和炭化水素基であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテンなどの2価のアルキレン基であり、側鎖を有していてもよい。Ar1は各々独立に単結合、すなわち、存在しないか、又は芳香族基であり、mは0から100までの整数である。
(a)のシロキサン樹脂は、例えば信越化学工業株式会社製、商品名KF8010(アミノ基当量:450g/mol)、商品名X−22−161A(アミノ基当量:840g/mol)、商品名X−22−161B(アミノ基当量:1500g/mol)、商品名KF8012(アミノ基当量:2300g/mol)、商品名BY16−871(アミノ基当量:130g/mol)東レ・ダウコーニング株式会社製、等が挙げられる。これらは信越化学工業株式会社や東レ・ダウコーニング株式会社等から商業的に入手できる。
(a)のシロキサン樹脂は、例えば信越化学工業株式会社製、商品名KF8010(アミノ基当量:450g/mol)、商品名X−22−161A(アミノ基当量:840g/mol)、商品名X−22−161B(アミノ基当量:1500g/mol)、商品名KF8012(アミノ基当量:2300g/mol)、商品名BY16−871(アミノ基当量:130g/mol)東レ・ダウコーニング株式会社製、等が挙げられる。これらは信越化学工業株式会社や東レ・ダウコーニング株式会社等から商業的に入手できる。
本発明で用いる成分(b)である1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物は、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、ビスフェノールF型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、誘電特性、耐熱性、難燃性、低熱膨張性、及び安価である点から、ビスフェノールA型シアネート樹脂、下記一般式(III)に示すノボラック型シアネート樹脂が特に好ましい。
(mは正数)
一般式(III)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し数:mは、特に限定されないが、0.1〜30が好ましい。これより少ないと結晶化しやすくなり取り扱いが困難となる場合がある。また、これより多いと硬化物が脆くなる場合がある。
本発明で用いる成分(c)である1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物は、例えば、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、多官能フェノール系、ナフタレン系、脂環式系及びアルコール系等のグリシジルエーテル、グリシジルアミン系並びにグリシジルエステル系等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、高剛性、誘電特性、耐熱性、難燃性、耐湿性及び低熱膨張性の点からナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂等のナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のビフェニル基含有エポキシ樹脂が好ましく、芳香族系有機溶剤への溶解性の点からナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましく、安価であることやエポキシ当量が小さく少量の配合でよいことから、下記式(IV)に示すビフェニル型エポキシ樹脂が特に好ましい。
本発明で用いる成分(d)である反応触媒の有機金属塩は、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト等が挙げられる。アミン系やイミダゾール系の窒素原子含有反応触媒は得られる樹脂の硬化物が脆くなり、耐熱性や接着性が低下するので好ましくない。
成分(a)と成分(b)と成分(c)の総和100質量部あたりの(a)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲とし、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲として、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中に均一に溶解し、80℃〜120℃の反応温度でイミノカルバメート化反応、及びトリアジン環化反応させ、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率(消失率)を30〜70mol%となるようにプレ反応を行う必要がある。ここで、反応溶媒にはトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる芳香族系溶媒である必要があり、必要により少量の他の溶剤を用いてもよいが、所望の反応が進行せず、耐熱性等が低下する。また、ベンゼンは毒性が強く、メシチレンよりも分子量の大きい芳香族系溶媒はプリプレグを製造する塗工・乾燥時に残溶剤となりやすいので好ましくない。プレ反応による反応率が30mol%未満であると、得られる樹脂が相容化されておらず、樹脂が分離、白濁しBステージの塗工布が製造できない。また、反応率が70mol%を超えると、得られる熱硬化性樹脂が溶剤に不溶化し、Aステージのワニス(熱硬化性樹脂組成物)が製造できなくなったり、プリプレグのゲルタイムが短くなり過ぎ、プレスの際に成形性が低下する場合がある。なお、イミノカルバメート化反応は、1級アミノ基とシアネート基の付加反応によりイミノカルバメート結合(−NH−(C=NH)−O−)が生成される反応であり、トリアジン環化反応は、シアネート基が3量化しトリアジン環を形成する反応である。また、このシアネート基が3量化しトリアジン環を形成する反応により3次元網目構造化が進行するが、この時(c)である1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物が3次元網目構造中に均一に分散され、これによって(a)成分と(b)成分と(c)成分が均一に分散された相容化樹脂が製造される。ここで、(a)の使用量が10質量部未満であると、得られる基材の面方向の低熱膨張性が低下する場合があり、また(a)の使用量が50質量部を超えると、耐熱性や耐薬品性が低下する場合がある。(b)の使用量が40質量部未満であると得られる樹脂の相容性が低下する場合があり、また(b)の使用量が80質量部を超えると、得られる基材の面方向の低熱膨張性が低下する場合がある。(c)の使用量が10質量部未満であると、耐湿耐熱性が低下する場合があり、また(c)の使用量が50質量部を超えると、銅箔接着性や誘電特性が低下する場合がある。
反応触媒の(d)成分の使用量は、(a)と(b)と(c)の総和100質量部に対して、0.0001〜0.004質量部が好ましい。0.0001質量部未満であると反応に長時間を要したり、所望の反応率に達しない。また、0.004質量部を超えると反応速度が速すぎて終点管理が難しくなる場合がある。ここで、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率は、GPC測定により反応開始時の(b)のシアネート基を有する化合物のピーク面積と、所定時間反応後のピーク面積を比較し、ピーク面積の消失率から求められる。
反応触媒の(d)成分の使用量は、(a)と(b)と(c)の総和100質量部に対して、0.0001〜0.004質量部が好ましい。0.0001質量部未満であると反応に長時間を要したり、所望の反応率に達しない。また、0.004質量部を超えると反応速度が速すぎて終点管理が難しくなる場合がある。ここで、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率は、GPC測定により反応開始時の(b)のシアネート基を有する化合物のピーク面積と、所定時間反応後のピーク面積を比較し、ピーク面積の消失率から求められる。
本発明で用いる相容化樹脂(1)成分に、成分(2)である上記式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物により表面処理(湿式処理)された溶融シリカは、溶融シリカを上記式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物を使用し、表面処理(湿式処理)することにより得られる。成分(2)の製造法の例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系有機溶剤に、溶融シリカを添加して混合した後、上記式(II)で示されるトリメトキシシラン化合物を添加して60〜120℃で、0.5〜5時間程度攪拌しながら反応(表面処理)させることにより得られる。また、成分(2)は、株式会社アドマテックス等から商業的にも入手でき、例えば、株式会社アドマテックス製の商品名SC−2050KNKや、SC−2050HNK等がある。該成分(2)の使用量は、固形分換算の該成分(1)100質量部に対し、10〜300質量部とすることが好ましく、100〜250質量部とすることがより好ましく、150〜250質量部とすることが特に好ましい。10質量部未満であると、基材の剛性や、耐湿耐熱性、難燃性が不足したり、また、300質量部を超えると成形性や耐めっき液性等の耐薬品性が低下する場合がある。
本発明で用いる相容化樹脂の成分(1)には、他の無機充填剤(成分(3))を使用してもよく、例えば、破砕シリカ、マイカ、タルク、ガラス短繊維又は微粉末及び中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、金属水和物等が挙げられ、これらの中で、低熱膨張性や高弾性、耐熱性、難燃性の点から、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物が好ましく、さらに金属水和物の中でも、高い耐熱性と難燃性が両立する点から熱分解温度が300℃以上である金属水和物、例えばベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)、あるいはギブサイト型水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を熱処理によりその熱分解温度を300℃以上に調整した化合物、水酸化マグネシウム等がより好ましく、安価であり、350℃以上の高い熱分解温度と、高い耐薬品性を有するベーマイト型水酸化アルミニウム(AlOOH)が特に好ましい。これらの無機充填剤(成分(3))の使用量は、固形分換算の該成分(1)100質量部に対し、10〜200質量部とすることが好ましく、10〜150質量部とすることがより好ましく、50〜150質量部とすることが特に好ましい。10質量部未満であると難燃性が不足したり、200質量部を超えると耐めっき液性等の耐薬品性や成形性が低下する場合がある。
本発明で用いる樹脂組成物には、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の向上化のため硬化促進剤を用いることが望ましく、硬化促進剤の例としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸錫、オクチル酸コバルト等の有機金属塩、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。硬化促進剤を使用しないと、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等が不足する場合がある。
本発明で用いる樹脂組成物には、任意に他の難燃剤の併用ができるが、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤や熱分解温度が300℃未満である金属水酸化物等は本発明の目的にそぐわない。他の難燃剤の併用の例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、リン酸エステル系化合物、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤等が挙げられる。特に、モリブデン酸亜鉛をタルク等の無機充填剤に担持した無機難燃助剤は、難燃性のみならずドリル加工性をも著しく向上化させるので、特に好ましい無機難燃助剤である。モリブデン酸亜鉛の使用量は本発明の相容化樹脂100質量部に対し、5〜20質量部とすることが好ましい。5質量部未満であると難燃性やドリル加工性の向上効果が上がらなかったり、また20質量部を超えるとワニスのゲルタイムが短くなり過ぎ、プレスにより積層板を成形する際に成形性が低下する場合がある。
本発明で用いる樹脂組成物には、任意に公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、有機充填剤等の併用ができる。
熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性アクリロニトリル等が挙げられる。
有機充填剤の例としては、シリコーンパウダー、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、並びにポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
本発明において、任意に該樹脂組成物に対して、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤等の添加も可能であり、特に限定されない。これらの例としては、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物やシランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、前記した本発明の樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工してなるものである。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグは、上述の樹脂組成物がQガラスクロスに含浸又は塗布されてなる。本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)して本発明のプリプレグを製造することができる。
このQガラスクロスの形状としては、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。Qガラスクロスとは、二酸化珪素の含有率が90質量%以上を占めるガラス繊維のことをいう(例えば、IPC規格2116タイプクロスやIPC規格1035タイプクロス)。Qガラスクロスの厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものは耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させる。
以上の工程により、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明のプリプレグは、上述の樹脂組成物がQガラスクロスに含浸又は塗布されてなる。本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)して本発明のプリプレグを製造することができる。
このQガラスクロスの形状としては、例えば、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。Qガラスクロスとは、二酸化珪素の含有率が90質量%以上を占めるガラス繊維のことをいう(例えば、IPC規格2116タイプクロスやIPC規格1035タイプクロス)。Qガラスクロスの厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものは耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させる。
以上の工程により、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、前述の本発明のプリプレグを用いて、積層成形して、形成することができる。本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。金属箔は、電気絶縁材料用途で用いるものであれば特に制限されない。また、成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板の手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力2〜100kg/cm2(0.2〜9.8MPa)、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
これ等を常法によりエッチングしたり、めっきをすることによりプリント配線板とすることができる。
これ等を常法によりエッチングしたり、めっきをすることによりプリント配線板とすることができる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明をいかなる意味においても制限するものではない。
製造例1:相容化樹脂(1−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)としてビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、末端に1級アミノを有するシロキサン樹脂(a)として下記式(V)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名KF−8010、アミノ基当量;450):200.0gと、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)としてビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン工業株式会社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、溶媒としてトルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、有機金属塩(d)としてナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温(25℃)に冷却し相容化樹脂(1−1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が68%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−1)が製造されていることを確認した。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)としてビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、末端に1級アミノを有するシロキサン樹脂(a)として下記式(V)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名KF−8010、アミノ基当量;450):200.0gと、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)としてビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン工業株式会社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、溶媒としてトルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、有機金属塩(d)としてナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温(25℃)に冷却し相容化樹脂(1−1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が68%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−1)が製造されていることを確認した。
製造例2:相容化樹脂(1−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset PT−15,重量平均分子量500〜1,000):800.0gと、下記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):100.0gと、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製;商品名NC−7000L、エポキシ当量;230):100.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(1−2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.1分付近に出現する合成原料のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が43%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−2)が製造されていることを確認した。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset PT−15,重量平均分子量500〜1,000):800.0gと、下記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):100.0gと、ナフトールアラルキル・クレゾール共重合型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製;商品名NC−7000L、エポキシ当量;230):100.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(1−2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.1分付近に出現する合成原料のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のノボラック型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が43%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−2)が製造されていることを確認した。
製造例3:相容化樹脂(1−3)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset DT−4000,重量平均分子量500〜1,000):400.0gと、下記式(VII)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名KF−8012、アミノ基当量;2,300):100.0gと、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製;商品名NC−3000H、エポキシ当量;280):500.0gと、メシチレン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.30g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し、相容化樹脂(1−3)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.0分付近に出現する合成原料のジシクロペンタジエン型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のジシクロペンタジエン型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が43%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−3)が製造されていることを確認した。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset DT−4000,重量平均分子量500〜1,000):400.0gと、下記式(VII)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名KF−8012、アミノ基当量;2,300):100.0gと、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製;商品名NC−3000H、エポキシ当量;280):500.0gと、メシチレン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.30g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し、相容化樹脂(1−3)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.0分付近に出現する合成原料のジシクロペンタジエン型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のジシクロペンタジエン型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が43%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−3)が製造されていることを確認した。
製造例4:相容化樹脂(1−4)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):400.0gと、下記式(VIII)に示すシロキサン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社製;商品名BY16−871、アミノ基当量;130):500.0gと、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製;商品名エピクロンHP−4032、エポキシ当量;150):100.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(1−4)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が55%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−4)が製造されていることを確認した。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製;商品名Primaset BADCy):400.0gと、下記式(VIII)に示すシロキサン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社製;商品名BY16−871、アミノ基当量;130):500.0gと、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製;商品名エピクロンHP−4032、エポキシ当量;150):100.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し相容化樹脂(1−4)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が55%であった。また、約10.9分付近、及び8.0〜10.0付近に出現する熱硬化性樹脂の生成物のピークが確認された。さらに、少量取り出した反応溶液を、メタノールとベンゼンの混合溶媒(混合質量比1:1)に滴下して再沈殿させることにより、精製された固形分を取り出し、FT−IR測定を行ったところ、イミノカルバメート基に起因する1700cm−1付近のピーク、また、トリアジン環に起因する1560cm−1付近、及び1380cm−1付近の強いピークが確認でき、相容化樹脂(1−4)が製造されていることを確認した。
製造例5:一般式(II)で示したトリメトキシシラン化合物により表面処理(湿式処理)された溶融シリカ(2−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、溶融シリカ(株式会社アドマテックス製;商品名SO−25R):700.0gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル:1000.0gを配合し、攪拌しながら一般式(II)に示したN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製;商品名KBM−573):7.0gを添加した。次いで80℃に昇温し、80℃で1時間反応を行い溶融シリカの表面処理(湿式処理)を行った後、室温に冷却し、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理(湿式処理)された溶融シリカ(2−1)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、溶融シリカ(株式会社アドマテックス製;商品名SO−25R):700.0gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル:1000.0gを配合し、攪拌しながら一般式(II)に示したN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製;商品名KBM−573):7.0gを添加した。次いで80℃に昇温し、80℃で1時間反応を行い溶融シリカの表面処理(湿式処理)を行った後、室温に冷却し、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理(湿式処理)された溶融シリカ(2−1)の溶液を得た。
比較製造例1:(比較1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、上記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で1時間反応を行った。その後、室温に冷却し(比較1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が18%であった。また、この溶液は翌日結晶化により沈殿物が生じた。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、上記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で1時間反応を行った。その後、室温に冷却し(比較1)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が18%であった。また、この溶液は翌日結晶化により沈殿物が生じた。
比較製造例2:(比較2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、上記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約120℃で6時間反応を行った。その後、室温に冷却し(比較2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が76%であった。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、上記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):200.0gと、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製;商品名YX−4000、エポキシ当量;186):200.0gと、トルエン:1000.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約120℃で6時間反応を行った。その後、室温に冷却し(比較2)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が76%であった。
比較製造例3:(比較3)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、上記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):200.0gと、トルエン:800.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し(比較3)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が53%であった。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビスフェノールA型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製;商品名Primaset BADCy):600.0gと、上記式(VI)に示すシロキサン樹脂(信越化学工業株式会社製;商品名X−22−161A、アミノ基当量;840):200.0gと、トルエン:800.0gを投入した。次いで、攪拌しながら120℃に昇温し、樹脂固形分が溶解し均一な溶液になっていることを確認した後、ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液を0.01g添加し、約110℃で4時間反応を行った。その後、室温に冷却し(比較3)の溶液を得た。この反応溶液を少量取り出し、GPC測定(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)を行ったところ、溶出時間が約12.4分付近に出現する合成原料のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積が、反応開始時のビスフェノールA型シアネート樹脂のピーク面積と比較し、ピーク面積の消失率が53%であった。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
製造例1〜4により得られた成分(1)の相容化樹脂、及び比較製造例1〜3で得られた樹脂、及び、製造例5又は商業的に入手した成分(2)、また、必要により成分(3)、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表1と表2に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。次に、上記ワニスをガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力25kg/cm2、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性(吸水率)、難燃性、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について以下の方法で測定・評価し、表3と表4に測定・評価結果を示した。
製造例1〜4により得られた成分(1)の相容化樹脂、及び比較製造例1〜3で得られた樹脂、及び、製造例5又は商業的に入手した成分(2)、また、必要により成分(3)、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表1と表2に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。次に、上記ワニスをガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力25kg/cm2、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性(吸水率)、難燃性、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について以下の方法で測定・評価し、表3と表4に測定・評価結果を示した。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
製造例1〜4により得られた成分(1)の相容化樹脂、及び、製造例5又は商業的に入手した成分(2)、また、必要により成分(3)、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表1と表2に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。次に、上記ワニスをガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力25kg/cm2、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて、線熱膨張係数、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について以下の方法で測定・評価し、表3と表4に測定・評価結果を示した。
製造例1〜4により得られた成分(1)の相容化樹脂、及び、製造例5又は商業的に入手した成分(2)、また、必要により成分(3)、硬化促進剤、及び希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して、表1と表2に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分60質量%の均一なワニスを得た。次に、上記ワニスをガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55質量%のプリプレグを得た。次に、このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力25kg/cm2、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて、線熱膨張係数、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について以下の方法で測定・評価し、表3と表4に測定・評価結果を示した。
(1)線熱膨張係数の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の30〜100℃の線熱膨張率を測定した。
(2) 比誘電率及び誘電正接の測定
得られた銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet・Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用い、評価基板の面方向の30〜100℃の線熱膨張率を測定した。
(2) 比誘電率及び誘電正接の測定
得られた銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、Hewllet・Packerd社製比誘電率測定装置(製品名:HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
表中の数字は、固形分の質量部により示されている。注書きは、それぞれ
*1:溶融シリカに対し1.0質量%のN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理された溶融シリカ(株式会社アドマテック製;商品名SC−2050KNK、希釈溶剤;メチルイソブチルケトン)
*2:溶融シリカに対し1.0質量%のN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランにより表面処理された溶融シリカ(株式会社アドマテック製;商品名SC−2050HNK,希釈溶剤;シクロヘキサノン)
*3:ベーマイト型水酸化アルミニウム(河合石灰工業株式会社製;商品名BMT−3L,熱分解温度:400℃)
*4:モリブデン酸亜鉛をタルクに担持した無機難燃助剤(シャーウィン・ウィリアムス社製;商品名 ケムガード1100)
*5:ナフテン酸亜鉛の8質量%ミネラルスピリット溶液
*6:信越石英株式会社製:#2116スタイルQガラスクロス(85μm)(SQF−2116AC)
*7:日東紡績株式会社製:#2116スタイルSガラスクロス(90μm)(GAT−7010)
表から明らかなように、本発明の実施例は、低熱膨張性、比誘電率及び誘電正接に優れている。一方、比較例は、低熱膨張性、比誘電率及び誘電正接のいずれにおいても特性に劣っている。
本発明の樹脂組成物をQガラスクロスに含浸又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した銅張積層板は、低熱膨張率、低誘電率、及び低誘電正接の特性を発現しており、電子機器用のプリント配線板などに有用である。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で示される末端に1級アミノを有するシロキサン樹脂(a)と、1分子中に少なくとも2個のシアネート基を有する化合物(b)と、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物(c)及び、反応触媒として有機金属塩(d)とを、(a)と(b)と(c)の総和100質量部あたり、(a)の使用量を10〜50質量部の範囲、(b)の使用量を40〜80質量部の範囲、(c)の使用量を10〜50質量部の範囲とし、これらを予めトルエン、キシレン、メシチレンから選ばれる溶媒中で80〜120℃の反応温度でイミノカルバメート化反応、及びトリアジン環化反応させ、(b)のシアネート基を有する化合物の反応率(消失率)を30〜70mol%となるようにプレ反応させることにより得られる相容化樹脂を、Qガラスクロスに含浸又は塗工し、得られるプリプレグ。
- 請求項1又は2に記載のQガラスの石英含有率が90質量%以上であるプリプレグ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグを成形して得られる積層板。
- 請求項4に記載の積層板の表面又は表面とその内部に導体パターンが形成されたプリント配線板。
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JP2013198235A JP2015063613A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | プリプレグ及び、それを用いた積層板、プリント配線板 |
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