JP2013216219A - ハイブリッド車両の動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力循環が生じることを抑制もしくは防止するブレーキ機構と、車両を停止させた状態を維持するパーキングロック機構とを有するパワートレーンの車載性を向上させることのできるハイブリッド車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】出力軸1aと同軸上に配置され、第1モータ・ジェネレータ2の回転軸上に配置され、第1モータ・ジェネレータの回転を停止させあるいは力行制御されるときに係合させるブレーキ機構と、出力軸1aと平行に配置された他の軸3cのの回転を停止させた状態を維持するパーキングロック機構と、ブレーキ機構とパーキングロック機構とのそれぞれの係合および解放を制御するアクチュエータ19と、鉛直方向における出力軸1aと他の軸3cとの間に配置されたアクチュエータ19の出力軸19aとを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】出力軸1aと同軸上に配置され、第1モータ・ジェネレータ2の回転軸上に配置され、第1モータ・ジェネレータの回転を停止させあるいは力行制御されるときに係合させるブレーキ機構と、出力軸1aと平行に配置された他の軸3cのの回転を停止させた状態を維持するパーキングロック機構と、ブレーキ機構とパーキングロック機構とのそれぞれの係合および解放を制御するアクチュエータ19と、鉛直方向における出力軸1aと他の軸3cとの間に配置されたアクチュエータ19の出力軸19aとを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、内燃機関と電動機とを搭載したハイブリッド車両の動力伝達装置に関し、特に電動機の回転を規制する係合装置を備えたハイブリッド車両の動力伝達装置に関するものである。
従来、エンジンと2つのモータ・ジェネレータとを搭載したハイブリッド車両の動力伝達装置が知られている。具体的には、エンジンに連結されたキャリヤと、第1モータ・ジェネレータに連結されたサンギヤと、第2モータ・ジェネレータに連結されたリングギヤとを備えた動力分割装置を備えたハイブリッド車両の動力伝達装置が知られている。この種の動力伝達装置は、エンジンから入力された動力に対して第1モータ・ジェネレータが反力要素として機能するように構成されており、その第1モータ・ジェネレータが回生制御されるときは、第1モータ・ジェネレータにより発電した電力を第2モータ・ジェネレータに通電して、第2モータ・ジェネレータがトルクを加えるように構成されている。
一方、第1モータ・ジェネレータが力行制御されるときは、第2モータ・ジェネレータが回生制御されて発電し、その電力が第1モータ・ジェネレータに供給されて駆動する。すなわち、第1モータ・ジェネレータにより加えられた動力を第2モータ・ジェネレータが回生することとなり、いわゆる動力循環が生じてしまう可能性がある。
そのため、特許文献1には、第1モータ・ジェネレータが力行制御されるとき、具体的には、第1モータ・ジェネレータが逆回転するとともに負のトルクを出力するときに、第1モータ・ジェネレータに連結されたサンギヤの回転をブレーキによって規制するように構成されたハイブリッド車両の動力伝達装置が記載されている。すなわち、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の動力伝達装置は、ブレーキを係合することにより、サンギヤの回転を停止させるとともに、ブレーキを反力として機能させ、その結果、第1モータ・ジェネレータには特に通電することなく、動力循環を防止するように構成されている。なお、特許文献1に記載されたブレーキは、供給される油圧に応じて係合力が制御されるものであり、ブレーキが係合している間は、常時、油圧が供給された状態となっている。
なお、特許文献2には、回転部材の回転を規制するブレーキ機構として、車両を停止させた状態を維持するためのパーキングロック機構が記載されている。特許文献2に記載されたパーキングロック機構は、アクチュエータの出力軸と、その出力軸とコイルスプリングを介して連結されたカムと、そのカムにより押圧されて回動して回転部材に係合するロックレバーとを備えている。すなわち、アクチュエータによりカムを回動させてロックレバーを押圧することにより、回転部材の回転をロックすることができるように構成されるとともに、ロックレバーと回転部材における凸部とが干渉している状態では、回転部材が微少に回転したときに係合するようにロックレバーが待機した待機状態とすることができるように構成されている。
特許文献1に記載されたハイブリッド車両の動力伝達装置において、第1モータ・ジェネレータの回転を停止させるブレーキを設けることにより、その第1モータ・ジェネレータが力行制御となって動力循環が生じることを抑制もしくは防止することができる。しかしながら、油圧により係合させられるブレーキ機構は、ブレーキを係合している間、常時、油圧を供給することとなるので、燃費が低下してしまう可能性がある。また、油圧アクチュエータを搭載することにより搭載性が悪化してしまう可能性がある。
また、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の動力伝達装置は、第1モータ・ジェネレータの回転を停止させるので、車速が増大したときなどには、エンジンの回転数が増大してしまい燃費が悪化してしまう可能性がある。そのため、例えば、他の遊星歯車機構を動力分割装置に連結して、第1モータ・ジェネレータを空転した状態で逆回転させるように他のブレーキを設けることが考えられる。しかしながら、複数の油圧ブレーキを設けると搭載性が悪化してしまう可能性がある。また、特許文献2に記載されたパーキングロック機構を上記ブレーキとした場合であっても、それぞれのカムを回動させるためのアクチュエータや回転軸を設けることとなるため、搭載性が悪化してしまう可能性がある。
この発明は上述した事情を背景としてなされたものであって、動力循環が生じることを抑制もしくは防止するブレーキ機構と、車両を停止させた状態を維持するパーキングロック機構とを有するパワートレーンの車載性を向上させることのできるハイブリッド車両の動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関に連結された第1回転要素および第1モータ・ジェネレータに連結された第2回転要素ならびに車両の出力部材に動力を出力する第3回転要素を有する動力分割装置と、前記内燃機関の出力軸と平行に配置され、前記車両の出力部材と連結されたギヤを有する他の軸とを備えたハイブリッド車両の動力伝達装置において、前記出力軸と同軸上に配置され、前記第1モータ・ジェネレータの回転を停止させる第1ブレーキ機構あるいは前記第1モータ・ジェネレータが力行制御されるときに係合する第2ブレーキ機構の少なくともいずれか一方のブレーキ機構と、前記他の軸の回転を停止させた状態を維持するパーキングロック機構と、前記ブレーキ機構と前記パーキングロック機構とのそれぞれの係合および解放を制御するアクチュエータと、鉛直方向における前記出力軸と前記他の軸との間に配置された前記アクチュエータの出力軸とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記車両は、該車両における側面側に前後方向に向けて配置された強度部材であるサイドメンバーを有し、前記アクチュエータの出力軸が、鉛直方向におけるサイドメンバーの下方側に配置されていることを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記ブレーキ機構およびパーキングロック機構は、前記アクチュエータの出力軸が挿入されかつ該出力軸と動力伝達可能に設けられたカムと、前記アクチュエータの出力軸と一体に回転しかつ前記アクチュエータの出力軸が一方に回転したときに前記カムを押圧するように前記カムの内部に収容された押圧部材と、前記アクチュエータの出力軸が他方に回転したときに前記押圧部材に押圧されて前記カムを回動させる方向に弾性力を作用させるように前記カムに収容された弾性部材とを備えていることを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置である。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ブレーキ機構および前記パーキングロック機構は、前記アクチュエータの出力軸における半径方向の外側に前記押圧部材を押圧するように前記カムの内部に収容された他の弾性部材と、前記押圧部材における端面と該端面と対向した前記カムの内壁面とが傾斜して形成された係合部とを更に備えていることを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置である。
この発明によれば、第1モータ・ジェネレータの回転を停止させる第1ブレーキ機構あるいは第1モータ・ジェネレータが力行制御されるときに係合する第2ブレーキ機構の少なくともいずれか一方のブレーキ機構を備えている。したがって、第1モータ・ジェネレータが連結された動力分割装置における反力としてブレーキ機構を機能させることができるので、第1モータ・ジェネレータが力行制御されることにより動力循環が生じることを抑制もしくは防止することができる。また、そのブレーキ機構と車両が停止した状態を維持するために係合するパーキングロック機構との係合および解放を同一のアクチュエータにより制御するように構成されている。そのため、ブレーキ機構やパーキングロック機構を制御するためのアクチュエータを一つにすることができ、またそのアクチュエータの出力軸を一つにすることができる。さらに、そのアクチュエータの出力軸は、鉛直方向における内燃機関の出力軸とパーキングロック機構が連結された出力軸との間に配置されている。すなわち、アクチュエータの出力軸とブレーキ機構やパーキングロック機構との距離を短くすることができる。そのため、ブレーキ機構やパーキングロック機構が大型化することを抑制もしくは防止することができる。したがって、ブレーキ機構やパーキングロック機構を有するパワートレーンの車載性を向上させることができる。そして、そのアクチュエータの出力軸を、鉛直方向におけるサイドメンバーの下方に配置することにより、既存のプラットフォームを変更することなく、ブレーキ機構やパーキングロック機構を車両に搭載することができる。
また、この発明によれば、ブレーキ機構およびパーキングロック機構が、アクチュエータの出力軸が挿入されかつ出力軸と動力伝達可能に設けられたカムと、アクチュエータの出力軸と一体に回転しかつアクチュエータの出力軸が一方に回転したときにカムを押圧するようにカムの内部に収容された押圧部材とを備えているので、アクチュエータの出力軸を一方に回転させたときには、アクチュエータの出力軸とカムとが押圧部材を介して一体に回転させることができる。一方、アクチュエータの出力軸が他方に回転したときに押圧部材に押圧されてカムを回動させる方向に弾性力を作用させるようにカムの内部に弾性部材が収容されている。そのため、ブレーキ機構やパーキングロック機構が係合するために待機した状態とすることができる。
さらに、この発明によれば、アクチュエータの出力軸における半径方向の外側に押圧部材を押圧する他の弾性部材がカムの内部に収容され、押圧部材の端面とその端面と対向したカムの内壁面とが傾斜して形成されている。そのため、アクチュエータがカムに対して相対的に回転したときには、押圧部材が傾斜面によって半径方向に押圧されて他の弾性部材を収縮させるとともに、傾斜面に沿って回動することができる。一方、振動などによりカムを回動させる力が作用したときには、傾斜面同士が接触しかつ押圧部材が傾斜面側に押圧されるので、カムが回動してしまうことを抑制もしくは防止することができる。そして、上記押圧部材や各弾性部材が、カムの内部に収容されているので、軸線方向においてブレーキ機構やパーキングロック機構を小型化することができる。したがって、ブレーキ機構やパーキングロック機構を有するパワートレーンの車載性を向上させることができる。
つぎに、この発明に係るハイブリッド車両の動力伝達装置の一例について説明する。図2は、内燃機関1と2つのモータ・ジェネレータ2,3とを備えたハイブリッド車両Veにおける動力伝達装置の構成を説明するためのスケルトン図である。なお、図2に示す車両Veは、いわゆるフロントエンジン・フロントドライブ形式の車両であって、動力伝達装置が車両における前方に設けられ、前輪に動力を伝達するものである。したがって、内燃機関1の出力軸1aと前輪に動力を伝達するドライブシャフト4とが平行に配置されている。図2に示す内燃機関1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスなどを燃焼することにより動力を発生させる熱機関である。以下、内燃機関を単にエンジン1と記す。また、図2に示す各モータ・ジェネレータ2,3は、図示しないケースに固定されたステータ2a,3aと、そのステータ2a,3aの内周側に配置された回転軸と一体化されたロータ2b、3bとによって構成されており、通電される電力に応じて出力トルクや回転数を制御することができるものである。そのモータ・ジェネレータの一例として、従来知られた同期電動機を採用することができる。したがって、各モータ・ジェネレータ2,3は、通電される電力に応じて動力を出力する力行機能と、ロータ2b,3bが回転することにより発電する回生機能との双方の機能を備えている。
図2に示す動力伝達装置は、エンジン1の出力軸1aにダンパ機構5が配置されている。すなわち、エンジン1の燃焼により周期的に発生するトルク変動に基づく振動を減衰するために、エンジン1の出力軸1aにはダンパ機構5が配置されている。図2に示すダンパ機構5は、エンジン1の出力軸1aと一体に連結されたドライブプレート6と、そのドライブプレート6と相対回転可能に配置されたドリブンプレート7と、ドライブプレート6とドリブンプレート7との間に配置され、円周方向に伸縮するスプリング8とを備えた、いわゆるトーショナルダンパである。なお、エンジン1から出力されるトルク変動に基づく振動を減衰するダンパ機構5は、上記のトーショナルダンパに限らず、流体流により動力を伝達する流体継手や、トルクを増幅させる機能を有したトルクコンバータなどを採用することができる。
そして、ダンパ機構5から出力された動力が、動力分割機構9に入力される。具体的には、動力分割装置9は、サンギヤS1と、そのサンギヤS1と同心円上に配置されたリングギヤR1と、それらサンギヤS1とリングギヤR1とに噛み合う複数のピニオンギヤP1と、それらピニオンギヤP1を自転および公転可能に保持するキャリヤC1とを備えた、いわゆるシングルピニオン型遊星歯車機構9aと、後述するダブルピニオン型遊星歯車機構9bとによって構成されており、そのキャリヤC1にダンパ機構5の出力軸5aが連結されている。すなわち、キャリヤC1が入力要素として機能するように構成されている。
一方、シングルピニオン型遊星歯車機構9aにおけるサンギヤS1には、ダンパ機構5の出力軸5aと同軸上に配置された円筒軸10が連結されている。すなわち、円筒軸10における中空部にダンパ機構5の出力軸5aが挿入されている。その円筒軸10には、第1モータ・ジェネレータ2が連結されている。その第1モータ・ジェネレータ2は、永久磁石が内在した複数の鋼板を軸線方向に積層して形成されたロータ2bが円筒軸10と一体化されており、そのロータ2bの外周側に複数の鋼板を軸線方向に積層して形成されかつ図示しないケースに固定されたステータ2aが配置されて構成されている。
また、シングルピニオン型遊星歯車機構9aにおけるリングギヤR1は、外周側にカウンタードライブギヤ11が形成されており、そのカウンタードライブギヤ11にカウンタードリブンギヤ12が噛み合っている。このカウンタードリブンギヤ12は、上記ダンパ機構5の出力軸5aと平行に配置されたカウンター軸13と一体に形成されており、そのカウンター軸13には、図示しない駆動輪に連結されたデファレンシャル14に動力を伝達するファイナルギヤ15が形成されている。
一方、上記カウンタードリブンギヤ12には、第2モータ・ジェネレータ3が動力伝達可能に連結されている。その第2モータ・ジェネレータ3は上記第1モータ・ジェネレータ2と同様の構成であって、複数の鋼板を軸線方向に積層して形成されかつ図示しないケースに固定されたステータ3aと、永久磁石が内在した複数の鋼板を軸線方向に積層して出力軸と一体化されたロータ3bとを備えている。そして、第2モータ・ジェネレータ3は、その出力軸3cに設けられたギヤ16を介してカウンタードリブンギヤ11と連結されている。
図2に示すようにシングルピニオン型遊星歯車機構9aを構成することにより、第1モータ・ジェネレータ2を反力要素として機能させて、具体的には、第1モータ・ジェネレータ2を回生制御して発電させることにより、エンジン1から出力された動力の一部を電気エネルギに変換することができる。そして、電気エネルギに変換された電力が、直接あるいは図示しない蓄電装置を介して第2モータ・ジェネレータ3に供給される。そのため、第2モータ・ジェネレータ3からカウンタードリブンギヤ12にトルクを伝達して、エンジン1から伝達された動力に加えることにより、いわゆる電気パスをすることができる。さらに、第1モータ・ジェネレータ2の回転数は、連続的に変化させることができるので、その第1モータ・ジェネレータ2の回転数を制御することにより、エンジン1の運転点が最適燃費線に沿って変化するように制御することができる。すなわち、シングルピニオン型遊星歯車機構9aを無段変速機として機能させることができる。
一方、車速およびエンジンの目標回転数に応じて、第1モータ・ジェネレータ2の回転数が0(ゼロ)となるとき、あるいは第1モータ・ジェネレータ2が力行制御されることがある。具体的には、所定の変速比以下となる状態で走行しているとき、より具体的にはオーバードライブ状態で走行しているときには、第1モータ・ジェネレータ2が力行制御され、第2モータ・ジェネレータ3が回生制御される。そのため、いわゆる動力循環が生じてしまう。したがって、図2に示す動力分割措置9は、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を0(ゼロ)とすることができる第1ブレーキ機構17と、第1モータ・ジェネレータ2を逆回転方向に空転させることができるように構成された第2ブレーキ機構18とを備えている。
図2に示す例では、円筒軸10の回転を停止させる第1ブレーキ機構17が、第1モータ・ジェネレータ2を隔ててシングルピニオン型遊星歯車機構9aとは反対側に設けられている。また、第1ブレーキ機構17を隔てて第1モータ・ジェネレータ2とは反対側にダブルピニオン型遊星歯車機構9bが設けられ、そのダブルピニオン型遊星歯車機構9bにおけるリングギヤR2の回転を停止させる第2ブレーキ機構18が設けられている。
ここで、図2に示すダブルピニオン型遊星歯車機構9bの構成について説明する。図2に示すダブルピニオン型遊星歯車機構9bは、サンギヤS2と、そのサンギヤS2と同心円上に配置されたリングギヤR2と、サンギヤS2と噛み合う複数の内周側ピニオンギヤP2と、内周側ピニオンギヤP2およびリングギヤR2と噛み合う外周側ピニオンギヤP3と、それら各ピニオンギヤP2,P3を自転および公転自在に保持するキャリヤC2とによって構成されている。また、サンギヤS2には上記円筒軸10が連結され、キャリヤC2にはダンパ機構5の出力軸5aが連結され、リングギヤR2にはそのリングギヤR2の回転を停止させる第2ブレーキ機構18が連結されている。したがって、図2に示すダブルピニオン型遊星歯車機構9bは、キャリヤC2が入力要素となり、リングギヤR2が反力要素となり、サンギヤS2が出力要素となるように構成されている。
図2に示す動力分割装置9の作用について、図3に示す共線図を参照しつつ説明する。図3に示す共線図は、シングルピニオン型遊星歯車機構9aとダブルピニオン型遊星歯車機構9bとを組み合わせたものであり、シングルピニオン型遊星歯車機構9aにおける各部材S1,C1,R1を図の上方に示し、ダブルピニオン型遊星歯車機構9bにおける各部材S2,R2,C2を図の下方に示している。図2および図3に示すように、シングルピニオン型遊星歯車機構9aにおけるサンギヤS1とダブルピニオン型遊星歯車機構9bにおけるサンギヤS2とが円筒軸10を介して連結されているため、それらサンギヤS1,S2が同一回転数となる。また、シングルピニオン型遊星歯車機構9aにおけるキャリヤC1とダブルピニオン型遊星歯車機構9bにおけるキャリヤC1とが連結されているため、それらキャリヤC1,C2が同一回転数となる。そして、図2に示すように第1ブレーキ機構17は、円筒軸10に連結されているので、第1ブレーキ機構17が係合されたときにはサンギヤS1,S2の回転数が0(ゼロ)となる。なお、図3に、第1ブレーキ機構17が係合されたときの各部材の回転数を実線で示している。また、第2ブレーキ機構18が係合されたときにはダブルピニオン型遊星歯車機構9bにおけるリングギヤR2の回転数が0(ゼロ)となる。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2が空転しつつ逆回転する。なお、図3に、第2ブレーキ機構18が係合されたときの各部材の回転数を破線で示している。
図3に示すように、車速が増加して、すなわちシングルピニオン型遊星歯車機構9aにおけるリングギヤR1の回転数が増加して第1モータ・ジェネレータ2の回転数が0(ゼロ)となるときには、第1ブレーキ機構17を係合させ、更に車速が増加して第1モータ・ジェネレータ2が逆回転するとき、すなわちオーバードライブ状態となるときに、第2ブレーキ機構18を係合させる。その結果、いずれかのブレーキ機構17,18を係合させているときには、それらブレーキ機構17,18が反力として機能するので、第1モータ・ジェネレータ2に通電することがなく、変速比を維持することができる。したがって、いわゆる動力循環が生じることを抑制もしくは防止することができる。
図2に示すブレーキ機構17,18は、軸線方向に沿って並んで配置されており、それらブレーキ機構17,18は、電動機などの同一のアクチュエータ19により駆動させられる。すなわち、上記ダンパ機構5の出力軸5aと平行に配置されたアクチュエータ19の出力軸19aに、それぞれのブレーキ機構17,18が連結されており、アクチュエータ19の回転角を制御することにより、ブレーキ機構17,18の係合・解放を制御するように構成されている。なお、図2に示す例では、アクチュエータ19の出力軸19aに、上記各ブレーキ機構17,18に加え、第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3cの回転を停止させるパーキングロック機構20が設けられている。したがって、アクチュエータ19は、上記各ブレーキ機構17,18およびパーキングロック機構20の係合・解放を制御するように構成されている。
ここで、図2に示す各ブレーキ機構17,18の構成について説明する。図1は、上記動力伝達装置における車両の側面側からの矢視図を示しており、第1ブレーキ機構17が示されている。なお、第1ブレーキ機構17と第2ブレーキ機構18とは、軸線方向に並んで配置されており、そのため、図1には、第1ブレーキ機構17のみが示されている。図1に示す第1ブレーキ機構17は、アクチュエータ19の出力軸19aに設けられたカム21と、そのカム21が回動することによって押圧されかつ出力軸19aの回転中心に対して垂直な平面上で回動するロックポール22とによって構成されている。そのロックポール22は、長手方向における略中央部をケースなどによって回転自在に保持されており、その一方の端部がカムによって押圧された回動するように構成されている。
一方、上記サンギヤS1,S2に連結された円筒軸10には、ロックギヤ23が一体に形成されている。すなわち、外周面に円周方向に亘って複数の凹部が形成されたロックギヤ23が、円筒軸10と一体となって回転するように形成されている。そして、上記ロックポール22における他方側の端部には、ロックギヤ23の凹部と嵌合する凸部22aが形成されている。したがって、ロックポール22を回動させることによりロックポール22に形成された凸部22aとロックギヤ23に形成された凹部とが嵌合してロックギヤ23の回転が停止させられる。
上記第1ブレーキ機構17と同様に第2ブレーキ機構18が構成されている。具体的には、アクチュエータ19の出力軸19aにカムが設けられ、そのカムが回動することによって押圧されかつ出力軸19aの回転中心に対して垂直な平面上でロックポールが回動するように構成されている。そして、第2ブレーキ機構18におけるロックポールも第1ブレーキ機構17におけるロックポールと同様に、長手方向における略中央部をケースなどによって回転自在に保持されており、その一方の端部がカムによって押圧された回動するように構成されている。また、第2ブレーキ機構18は、リングギヤR2の外周面に円周方向に亘って複数形成された凹部と嵌合して、そのリングギヤR2の回転を停止させるように構成されており、ロックポールの一方の端部をカムにより押圧して回動させて、他方の端部に形成された凸部が、リングギヤR2に形成された凹部と嵌合するように構成されている。なお、第2ブレーキ機構18におけるカムは、第1ブレーキ機構17におけるカムに対して、出力軸19aの軸線方向に沿って並んで配置され、取り付け角が第1ブレーキ機構17におけるカム21と異なっている。すなわち、第1ブレーキ機構17が係合しているときは、第2ブレーキ機構18が解放され、それとは反対に第2ブレーキ機構18が係合しているときは、第1ブレーキ機構17が解放されるように、各カムの取り付けカムがずれている。
さらに、上記パーキングロック機構20も、第1ブレーキ機構17と同様に構成されている。具体的には、アクチュエータ19の出力軸19aにカムが設けられ、そのカムが回動することによって押圧されかつ出力軸19aの回転中心に対して垂直な平面上でロックポールが回動するように構成されている。そして、ロックポールの長手方向における略中央部をケースなどによって回転自在に保持されており、その一方の端部がカムによって押圧された回動するように構成されている。また、パーキングロック機構20は、第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3cと一体に形成されたロックギヤ24と嵌合して、すなわちロックギヤ24の外周面に円周方向に亘って複数形成された凹部と嵌合して、そのロックギヤ24の回転を停止させるように構成されており、ロックポールの一方の端部をカムにより押圧して回動させて、他方の端部に形成された凸部が、ロックギヤ24に形成された凹部と嵌合するように構成されている。なお、パーキングロック機構20におけるカムは、第1ブレーキ機構17におけるカム21および第2ブレーキ機構18におけるカムに対して、出力軸19aの軸線方向に沿って並んで配置され、取り付け角が第1ブレーキ機構17におけるカム21および第2ブレーキ機構18におけるカムと異なっている。すなわち、第1ブレーキ機構17と第2ブレーキ機構18とのいずれか一方が係合しているときは、パーキングロック機構20が解放され、それとは反対にパーキングロック機構20が係合しているときは、第1ブレーキ機構17と第2ブレーキ機構18との双方が解放されるように、各カムの取り付けカムがずれている。
なお、図2に示す例では、アクチュエータ19の軸線方向に沿って、第1ブレーキ機構17におけるカム21、第2ブレーキ機構18におけるカム、パーキングロック機構20におけるカムの順に配置されている。これは、ダブルピニオン型遊星歯車機構9bや第2モータ・ジェネレータ3の配置に応じて各カムの配置が定まるため、特に各カムが配置される順序については限定されない。
ここで、各回転軸5a,3c,4の位置関係について説明する。図1に示すようにエンジン1の出力軸1aの回転中心、すなわちダンパ機構5の出力軸5aあるいは円筒軸10の回転中心は、鉛直方向におけるサイドメンバー25より下方側に配置されている。なお、サイドメンバーとは、車両Veの側面側に前後方向に向けて配置された強度部材であって、駆動輪の上方に配置されている。また、そのエンジン1の出力軸1aより鉛直方向における上方側に、第2モータジェネレータ3の出力軸3cが配置され、エンジン1の出力軸1aより鉛直方向における下方側にデファレンシャル14の回転軸、すなわちドライブシャフト4が配置されている。さらに、車両Veの前後方向において、前方からエンジン1の出力軸1a、第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3c、ドライブシャフト4の順に各軸1a,3c,4が配置されている。また、上述したようにエンジン1の出力軸1aと同心円上に配置されたロックギヤ23やリングギヤR2を停止させるためのブレーキ機構17,18と、第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3cの回転を停止させるパーキングロック機構20とが、同一のアクチュエータ19によって制御されるため、アクチュエータ19の出力軸19aは、鉛直方向におけるエンジン1の出力軸1aと第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3cとの間に配置されている。より好ましくは、車両Veの前後方向においてエンジン1の出力軸1aと同ライブシャフト4との間に、アクチュエータ19の出力軸19aが配置されている。また、アクチュエータ19がサイドメンバー25と干渉しないように、アクチュエータ19の出力軸19aは、鉛直方向においてサイドメンバー25より下方側に配置されている。
上述したように、第1ブレーキ機構17におけるカム21と、第2ブレーキ機構18におけるカムと、パーキングロック機構20におけるカムとを同一のアクチュエータ19により駆動させることができる。そのため、それぞれのカムを駆動させるためのアクチュエータ19を個別に設けることがなく、車両Veへの搭載性を向上させることができる。また、アクチュエータ19の出力軸19aをエンジン1の出力軸1aと第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3cの間に配置することにより、アクチュエータ19の出力軸19aとロックギヤ23,24やリングギヤR2との距離を短くすることができるので、各ロックポールを小型化することができる。その結果、各ブレーキ機構17,18やパーキングロック機構20を小型化することができ、各ブレーキ機構17,18やパーキングロック機構20を有するパワートレーンの車載性を向上させることができる。さらに、アクチュエータ19の出力軸19aを鉛直方向におけるサイドメンバー25より下方に配置することにより、既存のプラットフォームを変更することなく、アクチュエータ19を配置することができる。
なお、この発明における動力伝達装置は、エンジン1の出力軸1aと同軸上に配置されたブレーキ機構と、その出力軸1aと平行に配置されかつ車両が停止した状態を維持するパーキングロック機構とを備えていればよく、したがって、上記第1ブレーキ機構と第2ブレーキ機構とのいずれかが設けられていればよい。また、パーキングロック機構は、第2モータ・ジェネレータ3の出力軸3cに設けられたものに限らず、例えば、カウンター軸13にパーキングロック機構を設けていてもよい。さらに、上述した例では、ロックポール22の一方の端部をカム21が押圧し、他方の端部に凸部22aが形成されているように構成されているが、ロックポール22をカム21が押圧する箇所とロックポール22に凸部22aが形成されている箇所とが、ロックポール22の長手方向において同一の箇所であってもよい。また、ロックポール22は、長手方向における中央部を回転中心とするものに限らず、いずれか一方の端部を回転中心とした構成であってもよい。そして、この発明に係るブレーキ機構は、要は回転を停止させる対象の回転部材を係止することができればよいので、ロックポールのように回動する部材に限らず、例えば、カムが回動することにより、そのカムの半径方向に前後動作することができる部材を回転部材に係止させるように構成してもよい。
ここで、各カムの構成について具体的に説明する。なお、上記第1ブレーキ機構17および第2ブレーキ機構18ならびにパーキングロック機構20におけるカムは、同一の形状とすることができるので、以下の説明では、第1ブレーキ機構17におけるカム21を例に挙げて説明する。図4は、第1ブレーキ機構17におけるカム21の構成を説明するための概略図である。図4に示すカム21は、略楕円形状に形成された部材であって、そのカム21には、アクチュエータ19の出力軸19aおよび後述する軸部材26ならびにバネ27,28が収容される空隙29が形成されている。その空隙29には、アクチュエータ19の出力軸19aが相対回転可能に挿入されている。また、第1ブレーキ機構17が係合するときに、カム21の外周面とロックポール22とが接触する箇所と出力軸19aの回転中心とを通る直線上における出力軸19aの外周面に凹部30が形成されており、その凹部30に軸状の部材(以下、軸部材26と記す。)の一方の端部が、出力軸19aの半径方向に移動することができるように嵌合している。
この軸部材26は、出力軸19aが一方向に回動したときに、軸部材26とカム21に形成された空隙29の内壁面29aとが接触してカム21に動力を伝達するように構成されている。言い換えれば、空隙29の内壁面29aは、軸部材26の側壁面26aと平行に形成されている。また、半径方向における空隙29の外周側の内壁面29bが円周方向に傾斜して形成されており、その内壁面29bと対向した軸部材26の端面26bが、内壁面29bの傾斜角と略同一の傾斜角となるように傾斜して形成されている。具体的には、軸部材26が上記空隙29の側壁面29aから離れる方向に回動したときに、軸部材26の端面26bと空隙29の外周側の内壁面29bとが接触するように、それぞれの面26b、29bが傾斜して形成されている。
一方、出力軸19aに形成された凹部30の底面と、その凹部30の底面に対向した軸部材26の端面との間には、軸部材26を半径方向における外側に押圧するバネ27が設けられている。したがって、軸部材26が空隙29の側壁面29aから離れる方向に回動したときに、軸部材26の端面が空隙29の外周側の内壁面29bを押圧しながら、カム21と軸部材26とが相対的に回転する。
また、軸部材26が空隙29の側壁面29aから離れる方向に回動することができるように、空隙29が形成されており、その空隙29に、軸部材26を上記側壁面29a側に押圧するバネ28が設けられている。このバネ28は、軸部材26が空隙29の側壁面29aから離れる方向に回動したときに、バネ29が収縮することにより、カム21と軸部材26との位相を合わせるようにカム21に荷重を作用させるものである。
つぎに図4に示すカム21の作用について説明する。図5(a)は、第1ブレーキ機構17の解放状態を示している。第1ブレーキ機構17が解放状態のときは、カム21の回転中心からロックポール22と接触する外周面までの距離が短くなるように、アクチュエータ19が回転する。その際には、ロックポール22には特に負荷が作用していないので、ロックポール22とカム21の外周面とには大きな摩擦力が作用することなく、カム21と出力軸19aとが略一体に回動する。
ついで、図5(a)の状態から、ロックポール22を係合させるように出力軸19aを回動させる、すなわち軸部材26が空隙29の側壁面29aから離れる方向に出力軸19aを回動させると、軸部材26が回動する力が、バネ28を介してカム21に伝達されてカム21が回動する。その結果、カム21の回転中心からロックポール22と接触している外周面までの距離が徐々に長くなるので、ロックポール22がカム21によって押圧されて回動する。そして、カム21の回動角が大きくなると、第1ブレーキ機構17の係合状態を示す図5(c)ようにロックポール22の凸部22aと、ロックギヤ23の凹部23aとが係合する。なお、ロックポール22の凸部22aとロックギヤ23の凹部23aとが係合するときに、ロックポール22と接触するカム21の外周面と、カム21の回転中心とを通る直線状に、軸部材26が位置するまで、出力軸19aが回動する。
一方、ロックポール22の凸部22aとロックギヤ23の凹部23aとが係合するときに、ロックポール22と接触するカム21の外周面と、カム21の回転中心とを通る直線状に、軸部材26が位置するまで、出力軸19aが回動したときであっても、ロックポール22の凸部22aが、ロックギヤ23の凸部23bに接触してしまうと、カム21が回動できない。その状態、すなわち係合待機状態を図5(b)に示している。図5(b)に示すように出力軸19aが所定の位置まで回動しても、カム21が回動していないあるいは回動できないと、軸部材26がバネ28を押圧する。すると、カム21には回動する方向の荷重が作用し続ける。そのため、ロックギヤ23が微小に回転して、ロックギヤ23の凹部23aとロックポール22の凸部22aとの位置が一致すると、カム21が回動して第1ブレーキ機構19を係合させる。
上述したようにカム21を構成することにより、カム21の厚みの範囲内に、軸部材26や各バネ27,28を配置することができるので、カム21の軸線方向の幅を短くすることができ、カム21の搭載性を向上させることができる。また、出力軸19aが一方に回動するときは、出力軸19aと一体となって回転する軸部材26により、カム21を押圧して回動させるので、ロックポール22とカム21の外周面との摩擦力が大きいときであっても、出力軸19aとカム21とを一体に回転させることができる。そのため、図5(c)に示した状態から図5(a)に示す状態に、出力軸19aを回動させる場合には、確実にカム21を回転させることができる。さらに、軸部材26と出力軸19aとの間にバネ27を設け、軸部材26の端面26bと空隙29の外周側の内壁面29bとを傾斜して形成されているので、振動などによりロックポール22に形成された凸部22aが、ロックギヤ23に形成された凹部23aから離脱する方向に荷重を受けたときであっても、カム21と軸部材26とが接触していることによりカム21が回転してしまうことを抑制もしくは防止することができる。すなわち、互いに対向した各傾斜面26b,29bを係合部材として機能させることにより、振動などによる荷重が、ロックポール22に作用しても、第1ブレーキ機構17が解放されてしまうことを抑制もしくは防止することができる。
なお、図4および図5に示すカム21を、第1ブレーキ機構17、第2ブレーキ機構18、パーキングロック機構20に採用したときは、まず、アクチュエータ19が所定の角度回動すると、第1ブレーキ機構17が係合され、さらに、同一方向にアクチュエータ19が所定の角度回動すると、第1ブレーキ機構17が解放された後に、第2ブレーキ機構18が係合され、それとは反対に第1ブレーキ機構17が係合された状態からアクチュエータ19を逆方向に所定の角度回動させると、第1ブレーキ機構17が解放された後に、パーキングロック機構20が係合されるように、各カムの取り付け角度を定めておけばよい。そのように各カムと取り付けると、アクチュエータ19の回転角を検出することにより、各ブレーキ機構17,18やパーキングロック機構20の係合および解放を制御することができる。
1…内燃機関、 1a,19a…アクチュエータの出力軸、 2…第1モータ・ジェネレータ、 3…第2モータ・ジェネレータ、 4…ドライブシャフト、 9…動力分割装置、 9a…・シングルピニオン型遊星歯車機構、 9b…ダブルピニオン型遊星歯車機構、 13…カウンター軸、 15…ファイナルギヤ、 17…第1ブレーキ機構、 18…第2ブレーキ機構、 19…アクチュエータ、 20…パーキングロック機構、 21…カム、 25…サイドメンバー、 26…軸部材、 27,28…バネ、 Ve…車両。
Claims (4)
- 内燃機関に連結された第1回転要素および第1モータ・ジェネレータに連結された第2回転要素ならびに車両の出力部材に動力を出力する第3回転要素を有する動力分割装置と、前記内燃機関の出力軸と平行に配置され、前記車両の出力部材と連結されたギヤを有する他の軸とを備えたハイブリッド車両の動力伝達装置において、
前記出力軸と同軸上に配置され、前記第1モータ・ジェネレータの回転を停止させる第1ブレーキ機構あるいは前記第1モータ・ジェネレータが力行制御されるときに係合する第2ブレーキ機構の少なくともいずれか一方のブレーキ機構と、
前記他の軸の回転を停止させた状態を維持するパーキングロック機構と、
前記ブレーキ機構と前記パーキングロック機構とのそれぞれの係合および解放を制御するアクチュエータと、
鉛直方向における前記出力軸と前記他の軸との間に配置された前記アクチュエータの出力軸と
を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の動力伝達装置。 - 前記車両は、該車両における側面側に前後方向に向けて配置された強度部材であるサイドメンバーを有し、
前記アクチュエータの出力軸が、鉛直方向におけるサイドメンバーの下方側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。 - 前記ブレーキ機構およびパーキングロック機構は、前記アクチュエータの出力軸が挿入されかつ該出力軸と動力伝達可能に設けられたカムと、前記アクチュエータの出力軸と一体に回転しかつ前記アクチュエータの出力軸が一方に回転したときに前記カムを押圧するように前記カムの内部に収容された押圧部材と、前記アクチュエータの出力軸が他方に回転したときに前記押圧部材に押圧されて前記カムを回動させる方向に弾性力を作用させるように前記カムに収容された弾性部材とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
- 前記ブレーキ機構および前記パーキングロック機構は、前記アクチュエータの出力軸における半径方向の外側に前記押圧部材を押圧するように前記カムの内部に収容された他の弾性部材と、前記押圧部材における端面と該端面と対向した前記カムの内壁面とが傾斜して形成された係合部とを更に備えていることを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置。
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