JP2013215998A - 加飾パネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた煌めき感を有する金属光沢を備えるとともに、加飾部が浮き上がって見える加飾パネル、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂基材1(アクリル系樹脂等)と、樹脂基材1の一面に形成されている凹部3と、樹脂基材1の一面のうちの凹部3が形成されていない箇所に設けられている樹脂層2(アクリルウレタン樹脂層等)と、樹脂層2及び凹部3の各々の表面上に設けられている金属蒸着層4(アルミニウム蒸着層等)と、を備え、凹部3は横断面が円弧状であり、凹部3の、樹脂基材1の一面との境界部が丸みを帯びている加飾パネル、及び特定の凹部形成工程と加飾部形成工程とを備える加飾パネルの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、加飾パネル及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、表面が滑らかで、周縁部が丸みを帯びている横断面が円弧状の凹部が一面に形成された樹脂基材の表面に、加飾のための金属蒸着層が設けられているため、優れた煌めき感を有する金属光沢を備えるとともに、加飾部が浮き上がって見える加飾パネル、及びその製造方法に関する。
金属光沢を有する加飾パネルは、従来、樹脂層の表面に金属層が設けられた基板、及びこの基板の金属層の表面に更に保護用の透光性の樹脂層が設けられた基板等を加工する方法により作製されている。また、この加工は機械的な切削加工及びレーザー光の照射等によりなされることが多い。
上述のような加飾パネルとして、透光材と、この透光材と識別可能な中間材とを貼り合わせてなる積層体の中間材面に切削加工を施して立体状の模様凹部を形成し、模様凹部を被蓋する如く裏当材を貼り合わせた装飾材が知られており(例えば、特許文献1参照)、深みのある立体感に富んだ絵柄模様が表出されると説明されている。また、成型品と、裏面に金属光沢層を設けた光透過着色層とで構成され、成型品の光透過部と、光透過着色層表面に形成された凹凸とが互いに対峙して固定された加飾成形品も知られており(例えば、特許文献2参照。)、長期間使用しても飽きのこない変化に富んだデザインを有し、長期間の使用に耐えると説明されている。
特開平8−290770号公報 特開2010−23337号公報
しかし、特許文献1に記載された装飾材、及び特許文献2に記載された加飾成形品では、加飾部が、優れた煌めき感を有し、特に優れた金属光沢を備えるとともに、立体的に浮き上がって見える加飾パネルについては言及されておらず、金属光沢をより向上させ、且つより立体的な加飾部とすることについては着目されていない。
本発明は、上述のような従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、表面が滑らかで、周縁部が丸みを帯びている横断面が円弧状の凹部が一面に形成された樹脂基材の表面に、加飾のための金属蒸着層が設けられているため、優れた煌めき感を有する金属光沢を備えるとともに、加飾部が浮き上がって見える加飾パネル、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.樹脂基材と、
前記樹脂基材の一面に形成されている凹部と、
前記樹脂基材の前記一面のうちの前記凹部が形成されていない箇所に設けられている樹脂層と、
前記樹脂層及び前記凹部の各々の表面上に設けられている金属蒸着層と、を備え、
前記凹部は横断面が円弧状であり、前記凹部の、前記樹脂基材の前記一面との境界部が丸みを帯びていることを特徴とする加飾パネル。
2.前記凹部は、レーザー光の照射により、前記樹脂基材を構成する樹脂が溶融し、その後、固化して形成された前記1.に記載の加飾パネル。
3.前記樹脂層は、有色透光層又は不透光層である前記1.又は2.に記載の加飾パネル。
4.前記金属蒸着層の表面に樹脂隠蔽層が設けられている前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の加飾パネル。
5.前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の加飾パネルの製造方法であって、
前記樹脂基材と、前記樹脂基材の一面の全面に設けられた加工前樹脂層と、を備える積層体に、前記加工前樹脂層の側からレーザー光を照射し、前記加工前樹脂層の一部を除去して前記樹脂層を設けるとともに、前記樹脂基材のうちの除去された前記加工前樹脂層の下面であった箇所に、前記凹部を形成する凹部形成工程と、
前記樹脂層及び前記凹部の各々の表面上に金属蒸着層を設けて加飾部を形成する加飾部形成工程と、を備えることを特徴とする加飾パネルの製造方法。
6.前記樹脂基材がアクリル樹脂製であり、前記レーザー光が炭酸ガスレーザー光である前記5.に記載の加飾パネルの製造方法。
7.前記レーザー光の光路のうちの同方向であって、且つ隣り合う光路の各々の側端部の一部が重なっている前記5.又は6.に記載の加飾パネルの製造方法。
本発明の加飾パネルは、樹脂層と、横断面が円弧状であり、且つ樹脂基材の一面との境界部が丸みを帯びている凹部との表面上に金属蒸着層が設けられてなる加飾部を備える。そのため、輝度の高い金属光沢を有する文字及び/又は図柄が鮮明に表示され、且つ立体的に浮き上がって見える加飾パネルとすることができる。
また、凹部が、レーザー光の照射により、樹脂基材を構成する樹脂が溶融し、その後、固化して形成される場合は、前述の特定の形状の凹部になるとともに、凹部の壁面がより滑らかになり、輝度の高い金属光沢を有する文字及び/又は図柄がより鮮明に、且つ浮き上がって見える加飾パネルとすることができる。
更に.樹脂層が、有色透光層又は不透光層である場合は、加飾部の色調を微妙に変化させることができ、優れた輝度及び立体感を有するとともに、より外観及び意匠性等に優れた加飾パネルとすることができる。
また、金属蒸着層の表面に樹脂隠蔽層が設けられている場合は、加飾部をより際だたせることができ、より優れた外観及び意匠性等を有する加飾パネルとすることができる。
本発明の加飾パネルの製造方法は、レーザー光の照射により、前述の特定の凹部を形成する凹部形成工程と、凹部等の表面上に金属蒸着層を設ける加飾部形成工程とを備える。そのため、輝度の高い金属光沢を有する文字及び/又は図柄が鮮明に表示され、且つ立体的に浮き上がって見える加飾パネルを、簡易な工程で容易に製造することができる。
また、樹脂基材がアクリル樹脂製であり、レーザー光が炭酸ガスレーザー光である場合は、これらの特定の樹脂とレーザー光とを組み合わせることで、樹脂基材をレーザー光の熱によって効率よく溶融させ、固化させることができ、凹部の横断面が円弧状になるとともに、その壁面がより滑らかになる。そのため、優れた輝度及び立体感を有するとともに、より外観及び意匠性等に優れた加飾パネルを容易に製造することができる。
更に、レーザー光の光路のうちの同方向であって、且つ隣り合う光路の各々の側端部の一部が重なっている場合は、幅広、幅狭等の種々の組み合わせからなり、特に所定の形状及び寸法等を有する図柄などを備える加飾部が形成された加飾パネルを容易に製造することができる。
樹脂基材の一部の断面図である。 樹脂基材と、その一面に設けられた加工前樹脂層との一部の断面図である。 樹脂基材と加工前樹脂層とを備える積層体に、加工前樹脂層の側からレーザー光が照射され、加工前樹脂層の一部が除去されるとともに、凹部が形成された様子を表す断面図である。 樹脂層及び凹部の各々の表面に金属蒸着層を設けて加飾部が形成された様子を表す断面図である。 図4の金属蒸着層の表面に樹脂隠蔽層が設けられた様子を表す断面図である。 凹部の横断面が円弧状であり、且つ凹部と、樹脂基材の一面との境界部が丸みを帯びていることを表すデジタル撮影して得られた画像に基づく断面図である。 凹部及び樹脂層の各々の表面に金属蒸着層及び樹脂隠蔽層が設けられた加飾パネルの一部を、樹脂基材の他面側からデジタル撮影し、拡大して表す画像に基づく平面図である。 本発明の加飾パネルの一部を樹脂基材の他面側からデジタル撮影して得られた画像に基づく平面図である。 加工前樹脂層が設けられた樹脂基材を、加工前樹脂層の側から切削加工した面の一部をデジタル撮影して得られた画像に基づく平面図である。 図9の凹部及び樹脂層の各々の表面に金属蒸着層及び樹脂隠蔽層が設けられた比較のための加飾パネルの一部を、樹脂基材の他面側からデジタル撮影して得られた画像に基づく平面図である。
以下、図も参照しながら、本発明を詳しく説明する。
[1]加飾パネル
本発明の加飾パネル(図4の加飾パネル101、図5の加飾パネル100等参照)は、樹脂基材1と、樹脂基材1の一面1aに形成されている凹部3と、樹脂基材1の一面1aのうちの凹部3が形成されていない箇所に設けられている樹脂層2と、樹脂層2及び凹部3の各々の表面上に設けられている金属蒸着層4と、を備える。また、凹部3は横断面が円弧状(図3、6等参照)であり、凹部3の、樹脂基材1の一面1aとの境界部が丸みを帯びている(図3、6の符号3aの丸みを帯びている境界部参照)。
前記「樹脂基材1」(図1参照)は、その一面1aに凹部3を形成し、樹脂層2を設けることができ、加飾パネル100等の基板としての機械的強度及び耐候性等を有しておればよく、材質は特に限定されない。樹脂基材1は成形が容易な熱可塑性樹脂を用いて作製することが好ましく、この熱可塑性樹脂としては、各種の樹脂を特に限定されることなく用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブダジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうちでは、透明性が高く、優れた外観を有する加飾パネル100等とすることができるアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂基材の作製方法も特に限定されず、前述の各種の熱可塑性樹脂を用いて、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法等の各種の成形方法により作製することができる。これらの作製方法は、樹脂基材の形状、寸法及び用途等により適宜選択して採用することが好ましい。また、樹脂基材の形状、寸法及び用途も特に限定されず、用途としては、化粧品容器等の各種容器の蓋及び本体、携帯電話等の電子機器の筐体、パチンコ等の遊技機部品、自動車等の内装部品及び家電製品等の装飾部品などの、優れた外観及び高級感等を必要とする各種製品が挙げられ、各々の製品によって所定の形状及び寸法とすることができる。
熱可塑性樹脂として、特に好ましいアクリル系樹脂を用いる場合、押し出し製法により製造されたアクリル樹脂基材1でもよく、キャスト法により製造されたアクリル樹脂基材1でもよいが、押し出し製法により製造されたアクリル樹脂基材1が好ましい。これは、アクリル系樹脂原料の組成等にもよるが、押し出し製法により製造されたアクリル樹脂を用いてなる樹脂基材1では、通常、後述の凹部の壁面をより滑らかにすることができるからである。
樹脂基材1の一面1aには前記「凹部3」が形成されている。この凹部3は、横断面が円弧状であり(図3、6等参照)、凹部3の、樹脂基材1の一面1aとの境界部が丸みを帯びている(図3、6の符号3aの丸みを帯びている境界部参照)。このように、凹部3は、全体として円弧状面によって形成されており、樹脂基材1の他面側から入射した光が、後述する金属蒸着層4によって乱反射し、輝度の高い金属特有の光沢がより強くなるとともに、立体的に浮き上がって見える加飾パネル100等とすることができる。
凹部3の幅は形成される文字及び/又は図柄によって所定幅とすることができる。また、凹部3の深さは特に限定されないが、50〜250μm、特に60〜200μm、更に70〜150μmとすることができる。凹部3の深さが50〜250μmであれば、より優れた金属光沢を有する加飾パネル100等とすることができる。また、凹部3の特に樹脂基材1の表面1aとの境界部3aは気泡を有していてもよい。このように気泡を有している場合、特に境界部3aの近傍で、入射した光が乱反射し、より輝度の高い金属光沢を有する加飾パネル100等とすることができる。尚、凹部3の深さは、樹脂基材1の厚さの1/2以下、特に1/3以下であることが好ましく、凹部3が深過ぎると、加飾パネル100等の強度が低下し、破損し易くなる傾向があり、好ましくない。
凹部3の形成方法は特に限定されないが、横断面が円弧状の凹部3とするためには、レーザー光の照射による形成方法が好ましい。レーザー光の照射であれば、樹脂基材1を構成する樹脂がレーザー光の熱により溶融し、その後、固化して凹部3が形成される。このように、樹脂の溶融、固化により凹部3を形成した場合、横断面が円弧状であり、且つ樹脂基材1の一面1aとの境界部が丸みを帯びている凹部3を容易に形成することがきるとともに、粗度が極めて小さい滑らかな表面を有する凹部3とすることができる。これによって、より優れた外観を有する加飾パネル100等とすることができる。
前記「樹脂層2」は、樹脂基材1の一面1aのうちの凹部3が形成されていない箇所に設けられている。樹脂層2を設ける方法は特に限定されないが、通常、後述する加飾パネルの製造方法のように、樹脂基材1の一面1aの全面に設けられた加工前樹脂層2aにレーザー光Lを照射して凹部3を形成するときに、レーザー光Lが照射されなかった残部として設けることができる。また、樹脂層2は、無色の透光層でなければよく、有色透光層又は不透光層とすることができ、その色調は特に限定されないが、黒色の透光層又は不透光層であることが好ましい。尚、加工前樹脂層2aについては、後記[2]加飾パネルの製造方法において詳述する。
樹脂基材1及び凹部3の各々の表面上に設けられる前記「金属蒸着層4」は、金属光沢を有し、優れた外観を備える加飾パネル100等とすることができればよく、その材質は特に限定されない。金属蒸着層4の形成に用いる金属としては、アルミニウム、金、銀、クロム、ニッケル、インジウム、スズ及び亜鉛等が挙げられる。これらの金属のうちでは、特に優れた外観を有する加飾パネル100等とすることができるアルミニウム、金、銀、クロムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。
金属蒸着層4の厚さも特に限定されず、15〜35μm、特に20〜30μmとすることができる。金属蒸着層4の厚さが15〜35μmであれば、凹部3及び樹脂層2の各々の表面の全面を十分に被覆することができ、且つ金属蒸着層4の凹部3及び樹脂層2のそれぞれの表面との被着面が十分に平滑になり、輝度の高い金属光沢を有し、立体感のある優れた外観を備える加飾パネル100等とすることができる。
金属蒸着層4は、そのまま加飾パネル101(図4参照)の裏面、即ち、人が文字及び/又は図柄を視認する側と反対側の外面としてもよいが、加飾パネル101には裏面側からバックライトが照射されることがあるため、金属蒸着層4の表面には樹脂隠蔽層5が設けられていることが好ましい。また、樹脂隠蔽層5を設けることで、金属蒸着層4の剥離、破損等を防止することもできる。樹脂隠蔽層5は、十分な隠蔽という観点で、濃色であることが好ましく、色調は黒色であることがより好ましい。樹脂隠蔽層5の材質は樹脂であることを除いて特に限定されない。この樹脂隠蔽層5は、例えば、金属蒸着層4の表面に塗布された塗料を硬化させて形成することができ、この場合、その材質は用いられる塗料に含有される樹脂と同材質になる。この塗料は特に限定されず、後述する加工前樹脂層2aの形成に用いる各種の塗料が挙げられ、裏面が十分に隠蔽され、優れた外観を有する加飾パネル100(図5参照)とすることができるアクリルウレタン樹脂塗料が好ましい。
また、金属蒸着層4は、樹脂層2及び凹部3の各々の表面に直接設けてもよいが、樹脂層2及び凹部3の各々の表面に、有色透光層が形成され、この有色透光層の表面に金属蒸着層4が設けられていてもよい。有色透光層の色調は特に限定されず、加飾パネル100等の外観などを勘案して適宜の色調に設定することができる。また、有色透光層は、塗装、印刷等により設けることができる。例えば、塗装の場合、後述する加工前樹脂層2aを設けるときと同様の各種の塗料を用いることができ、塗膜を所定の温度で所要時間加熱する等の通常の方法により形成することができる。
尚、本明細書における「透光層」とは、JIS K 7361による全光線透過率が5%以上、特に20%以上であることを意味し、「不透光層」及び「隠蔽層」とは、JIS K 7361による全光線透過率が5%未満(0%以上)であることを意味する。
[2]加飾パネルの製造方法
本発明の加飾パネル100、101(図4、5及び8参照)の製造方法は、凹部形成工程と、加飾部形成工程と、を備える。
前記「凹部形成工程」では、樹脂基材1(図1参照)と、この樹脂基材1の一面1aの全面に設けられた加工前樹脂層2aと、を備える積層体(図2参照)に、加工前樹脂層2aの側からレーザー光Lを照射し、加工前樹脂層2aの一部を除去して樹脂層2を設けるとともに、樹脂基材1のうちの除去された加工前樹脂層2aの下面であった箇所に、凹部3を形成する(図3参照)。
前記「積層体」は、樹脂基材1と、樹脂基材1の一面1aの全面に設けられた加工前樹脂層2aと、を有する。また、前記「樹脂基材1」は、前記[1]における樹脂基材1と同様に、各種の熱可塑性樹脂を用いて作製することができ、この熱可塑性樹脂としては、前述の各種の熱可塑性樹脂を用いることができ、アクリル系樹脂が特に好ましい。樹脂基材1の作製方法も特に限定されず、前述と同様に、各種の方法により作製することができ、これらの作製方法は、樹脂基材1の形状、寸法及び加飾パネル100等の用途などにより適宜選択して採用することが好ましい。
前記「加工前樹脂層2a」を設ける方法は特に限定されないが、塗装及び印刷等の方法により設けることができる。例えば、塗装の場合、樹脂基材1の一面1aに塗布された塗料を硬化させることにより形成することができる。加工前樹脂層2aの材質も特に限定されないが、塗装では、加工前樹脂層2aの材質は用いられる塗料に含有される樹脂等と同材質になる。用いる塗料は特に限定されず、アクリルウレタン樹脂塗料、エポキシウレタン樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、及びメラミン樹脂塗料等の各種の塗料を用いることができる。これらの塗料のうちでは、優れた外観を有する加飾パネル100等とすることができるアクリルウレタン樹脂塗料が好ましい。
加工前樹脂層2aは、塗装の場合、各々の塗料を所定の方法で樹脂基材1に塗布し、所定の温度で所要時間加熱する等の方法により形成することができる。未硬化層は、塗料の種類等により定められた通常の条件で硬化させればよく、過度に高温、長時間の加熱は、塗料に含有される樹脂の熱劣化等を生じることがあり、好ましくない。
また、加熱等により加工前樹脂層2aを構成する樹脂に架橋構造が導入される塗料の場合は、適度に架橋させる必要がある。適度な架橋であれば、加工前樹脂層2aを形成した後、例えば、14日間程度経過してからレーザー光Lを照射しても、経時による輝度の低下等がなく、優れた外観が維持される加飾パネル100等とすることができる。一方、過度に架橋させると、レーザー光Lを照射しても容易に溶融せず、横断面が円弧状であり、且つ壁面が滑らかな凹部3を形成することができず、より強力なレーザー光Lを照射したときは、樹脂が劣化することがある。
積層体に、加工前樹脂層2aの側から照射されるレーザー光Lの種類は、照射することにより凹部3を形成し、樹脂層2を設けることができればよく、特に限定されない。レーザーには、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザー等があるが、樹脂を用いてなる薄層に必要な加工を加えることができる低出力のレーザーとしては、例えば、ガスレーザーの1種である炭酸ガスレーザーを用いることができる。このレーザーとしては、出力の低い特別仕様の炭酸ガスレーザー、例えば、1回の照射では深さ100μm程度の凹部3の形成が限界であるような低出力の炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。
加工前樹脂層2aの一部にレーザー光Lを照射することにより、加工前樹脂層2aのうちのレーザー光Lが照射された部位が除去され、樹脂層2が設けられるとともに、凹部3が形成される。レーザー光Lは、文字及び/又は図柄の幅によって、1回又は略同方向に複数回走査させて照射することができる。また、所定角度で交わる方向に1回又は複数回走査させて照射することもできる。このように、レーザー光Lの照射が交差する箇所では、文字及び/又は図柄がより浮き上がって見え、より立体感のある加飾パネル100等とすることができる。略同方向に複数回、レーザー光Lを走査させる場合、隣り合う光路の各々の側端部の一部が重なっていることが好ましい。これにより、所定の幅、書体及び形状を有する文字及び/又は図柄となる凹部3を、容易に、且つ効率よく形成することができる。
また、レーザー光Lのスポット径及び同方向に複数回走査させるときのピッチも、所定の文字及び/又は図柄が形成され、輝度の高い金属光沢を有するとともに、立体感のある加飾部が形成される限り、特に限定されない。レーザー光Lのスポット径は100〜300μmであればよく、140〜260μm、特に160〜220μmであることが好ましい。更に、レーザー光Lの光路のうちの略同方向であって、且つ隣り合う光路の各々の中心線の間の距離(この距離を「ピッチ」とする。)は、このピッチ(P)とスポット径(D)との百分率[(P/D×100(%)]が5%〜74%、特に20%〜59%、更に30%〜49%となる距離であることが好ましい。レーザー光Lのスポット径が100〜300μmであるとともに、P/Dが5%〜74%、特に30%〜49%であれば、より優れた外観を有する加飾部を、容易に、且つより効率よく形成することができる。
レーザー光Lの走査速度は、レーザー光Lの出力を勘案し、下記の式により表されるレーザー照射量が適正な範囲となるように調整することが好ましい。レーザー照射量が過少であると、輝度の高い加飾部を形成することができないことがある。一方、レーザー照射量が過多であるときも、十分に輝度の高い金属光沢を有する加飾部を形成することができないことがある。
レーザー照射量(J/mm)=レーザー出力(W)/走査速度(mm/分)
前記「加飾部形成工程」では、樹脂層2及び凹部3の各々の表面上に金属蒸着層4を設けて加飾部を形成する(図4参照)。
樹脂層2及び凹部3の各々の表面上に設けられる前記「金属蒸着層4」は、前記[1]において記述した金属蒸着層4と同様に、各種の金属を用いて形成することができ、この金属としては、前述のように、アルミニウム、金、銀、クロムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。また、金属蒸着層4の厚さも特に限定されず、前記[1]における金属蒸着層4の厚さに係る記載をそのまま適用することができる。
金属蒸着層4を設ける方法は特に限定されず、基材に金属を蒸着して成膜する通常の方法により設けることができる。蒸着法としては、物理蒸着法と化学蒸着法とがあり、物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等が挙げられる。また、化学蒸着法としては、熱化学蒸着法、プラズマ化学蒸着法等が挙げられる。金属蒸着層4は、いずれの蒸着法によって成膜された蒸着層であってもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
長さ20mm、幅50mm、厚さ3mmの押し出し製法により製造されたアクリル樹脂製の樹脂基材の一面に、レベリング剤及びカップリング剤が配合されたアクリルウレタン樹脂塗料を塗布し、加熱して水を除去し、厚さ20μmの硬化膜(加工前樹脂層)を形成し、積層体を作製した。次いで、この積層体の幅方向の中央部の長さ方向に、加工前樹脂層の側から、レーザー加工装置が備えるレーザー発振器から発振される炭酸ガスレーザーを照射した。
用いた炭酸ガスレーザーのスポット径は200μmであり、樹脂基材の長さ方向の一端部から他端部へと同一箇所を直線的に2回走査させて照射した。これにより、加工前樹脂層のレーザー光が照射された部位が除去されて樹脂層が設けられるとともに、樹脂基材に凹部が形成された。凹部の幅は220μmであり、深さは167μmであった。また、凹部の横断面は円弧状であり、凹部の樹脂基材の一面との境界部は丸みを帯びていた(図3の模式的な図、及び図6参照)。その後、樹脂層及び凹部の表面に真空蒸着法によりアルミニウム蒸着層を形成した。次いで、アルミニウム蒸着層の表面に、黒色のアクリルウレタン塗料を塗布し、加熱して硬化させ、樹脂隠蔽層を形成した。このようにして製造した加飾パネルを樹脂基材の他面側から見たところ、輝度の高い金属光沢を有するとともに、立体感があり、優れた外観を備えていた。
実施例2
実施例1と同様にして積層体を作製し、この積層体の加工前樹脂層の側から、スポット径が200μmの炭酸ガスレーザーを、所定の模様が描かれるように、所定方向に所要回数走査させた。この場合、凹部の幅及び深さは箇所によって変化するが、凹部の横断面は円弧状であり、且つ凹部の端部、即ち、凹部の樹脂基材の一面との境界部は、全ての凹部で丸みを帯びていた。その後、実施例1と同様にして、樹脂層及び凹部の表面にアルミニウム蒸着層を形成し、次いで、アルミニウム蒸着層の表面に、黒色の樹脂隠蔽層を形成した。このようにして製造した加飾パネルを樹脂基材の他面側から見たところ、図8のように、輝度の高い金属光沢を有し、且つ模様が浮き上がって見え、優れた外観を有する加飾パネル100であった。
比較例1
実施例1で用いた積層体の加工前樹脂層の側から機械的な切削法により加工し、樹脂層と、実施例1の場合に近似の幅及び深さを有する凹部とを形成した。形成された凹部は、横断面が横長の略長方形であった。その後、実施例1と同様にして、樹脂層及び凹部の表面にアルミニウム蒸着層を形成し、次いで、アルミニウム蒸着層の表面に、黒色の樹脂隠蔽層を形成した。このようにして製造した加飾パネルを樹脂基材の他面側から見たところ、凹部近傍の輝度は低く、光沢不足であり、立体感も全くなかった(図9,10参照)。
本発明は、化粧品容器等の各種容器の蓋及び本体、携帯電話等の電子機器の筐体、パチンコ等の遊技機部品、自動車等の内装部品及び家電製品等の装飾部品などの、優れた外観及び高級感等を必要とする各種製品などの広範な分野において利用することができる。
100、101;加飾パネル、1;樹脂基材、1a;樹脂層の一面、2;樹脂層、2a;加工前樹脂層、3;凹部、3a、凹部3のうちの樹脂基材の一面との境界部、4;金属蒸着層、5;樹脂隠蔽層、L;レーザー光。

Claims (7)

  1. 樹脂基材と、
    前記樹脂基材の一面に形成されている凹部と、
    前記樹脂基材の前記一面のうちの前記凹部が形成されていない箇所に設けられている樹脂層と、
    前記樹脂層及び前記凹部の各々の表面上に設けられている金属蒸着層と、を備え、
    前記凹部は横断面が円弧状であり、前記凹部の、前記樹脂基材の前記一面との境界部が丸みを帯びていることを特徴とする加飾パネル。
  2. 前記凹部は、レーザー光の照射により、前記樹脂基材を構成する樹脂が溶融し、その後、固化して形成された請求項1に記載の加飾パネル。
  3. 前記樹脂層は、有色透光層又は不透光層である請求項1又は2に記載の加飾パネル。
  4. 前記金属蒸着層の表面に樹脂隠蔽層が設けられている請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の加飾パネル。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の加飾パネルの製造方法であって、
    前記樹脂基材と、前記樹脂基材の一面の全面に設けられた加工前樹脂層と、を備える積層体に、前記加工前樹脂層の側からレーザー光を照射し、前記加工前樹脂層の一部を除去して前記樹脂層を設けるとともに、前記樹脂基材のうちの除去された前記加工前樹脂層の下面であった箇所に、前記凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記樹脂層及び前記凹部の各々の表面上に金属蒸着層を設けて加飾部を形成する加飾部形成工程と、を備えることを特徴とする加飾パネルの製造方法。
  6. 前記樹脂基材がアクリル樹脂製であり、前記レーザー光が炭酸ガスレーザー光である請求項5に記載の加飾パネルの製造方法。
  7. 前記レーザー光の光路のうちの同方向であって、且つ隣り合う光路の各々の側端部の一部が重なっている請求項5又は6に記載の加飾パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104191888A (zh) * 2014-08-28 2014-12-10 黄海 一种玉香篆的制造方法及玉香篆
CN109334329A (zh) * 2018-10-19 2019-02-15 天津岐塑科技有限公司 一种表面加饰产品及其制造方法

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