JP2013213684A - 蓄電システム及び充電状態推定方法 - Google Patents

蓄電システム及び充電状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池のSOCを精度よく推定する。
【解決手段】本発明は、充放電を行う蓄電装置を備えた車両に搭載される蓄電システムであり、電圧センサによって検出される閉路電圧、電流センサによって検出される充放電電流値に応じた内部抵抗による第1電圧変動値及び分極による第2電圧変動値に基づいて蓄電装置の開路電圧を算出し、開路電圧と蓄電装置の充電状態との対応関係を予め規定したOCV−SOC特性に基づいて、充電状態を算出するコントローラを有する。コントローラは、充放電電流値及び閉路電圧から蓄電装置の内部抵抗を算出するとともに、蓄電装置の内部抵抗の基準値に対する算出された内部抵抗の変化に応じた第1電圧変動値に対応する第1補正値及び前記第2電圧変動値に対応する第2補正値をそれぞれ算出し、第1電圧変動値及び第2電圧変動値を補正して開路電圧を算出する。
【選択図】図12

Description

本発明は、二次電池等の充電状態を推定する技術に関し、特に、充電状態を推定するための二次電池等の開路電圧(OCV)を算出する技術に関する。
二次電池の充電状態(SOC:State Of Charge、以下、SOCと称する)は、二次電池の充放電電流を積算して検出したり、対応関係にあるSOCと開路電圧(OCV:Open Circuit Voltage、以下、OCVと称する)から検出することができる。
特許文献1では、二次電池の閉路電圧(CCV:Closed Circuit Voltage、以下、CCVと称する)からOCVを算出する際に、分極による電圧変動を考慮することで、SOCとOCVの対応関係から二次電池のSOCを精度よく検出できるようにすることが記載されている。
特開2000−258514号公報
二次電池は、経年変化により劣化することが知られており、劣化に伴って二次電池の内部抵抗は変化する。しかしながら、特許文献1では、二次電池の内部抵抗の経年変化(初期状態の内部抵抗からの乖離)を考慮していない。このため、電池内部抵抗による電圧変動や分極による電圧変動を内部抵抗の経年変化に応じて的確に把握することができず、OCVの算出精度が低下し、SOCを精度よく推定できないおそれがある。
本願第1の発明である充放電を行う蓄電装置を備えた、車両に搭載される蓄電システムは、蓄電装置の開路電圧と充電状態との対応関係を予め規定したOCV−SOC特性に基づいて、充電状態を算出するコントローラを備える。コントローラは、電圧センサによって検出される閉路電圧、電流センサによって検出される充放電電流値に応じた内部抵抗による第1電圧変動値及び分極による第2電圧変動値に基づいて、蓄電装置の開路電圧を算出する。このとき、コントローラは、充放電電流値及び検出された閉路電圧から蓄電装置の内部抵抗を算出するとともに、蓄電装置の内部抵抗の基準値に対する算出された内部抵抗の変化に応じた第1電圧変動値に対応する第1補正値及び第2電圧変動値に対応する第2補正値をそれぞれ算出し、第1電圧変動値及び第2電圧変動値を補正して開路電圧を算出する。
本願第1の発明によれば、閉路電圧から充放電電流に応じた蓄電装置の内部抵抗による第1電圧変動(例えば、電圧降下)及び分極による第2電圧変動を考慮して当該蓄電装置の開路電圧を算出する際に、蓄電装置の内部抵抗の経年変化に応じた補正値を用いて第1電圧変動及び第2電圧変動を補正し、開路電圧を算出するので、経年変化に伴って変化する内部抵抗に応じて精度よく蓄電装置の開路電圧を算出することができ、SOCの検出精度が向上する。
コントローラは、初期状態の蓄電装置の第1内部抵抗よりも低い第2内部抵抗を基準として充放電電流値に応じた第2内部抵抗による第1電圧変動値の対応関係を予め規定した第1変動特性に基づいて第1電圧変動値を算出することができ、第1内部抵抗を基準値とした算出される内部抵抗の抵抗変化率に基づいて、第1補正値を算出することができる。
コントローラは、充放電電流値と過去の充放電履歴とに応じた初期状態の蓄電装置の第1内部抵抗よりも低い第2内部抵抗を基準とする第2電圧変動値の対応関係を予め規定した第2変動特性に基づいて、第2電圧変動値を算出することができ、第1内部抵抗を基準値とした算出される内部抵抗の抵抗変化率に基づいて、第2補正値を算出することができる。
第1内部抵抗は、蓄電装置の製造時の内部抵抗のバラツキ誤差における上限値とすることができる。
また、本願第2の発明である充放電を行う蓄電装置の充放電状態推定方法は、蓄電装置の開路電圧と充電状態との対応関係を予め規定したOCV−SOC特性に基づいて、充電状態を算出する。このとき、電圧センサによって検出される蓄電装置の閉路電圧、電流センサによって検出される充放電電流値に応じた蓄電装置の内部抵抗による第1電圧変動値及び分極による第2電圧変動値をそれぞれ算出する。そして、充放電電流値及び閉路電圧から算出される蓄電装置の内部抵抗算出値の、蓄電装置の内部抵抗の基準値に対する変化率に基づいて、第1電圧変動値に対応する第1補正値及び第2電圧変動値に対応する第2補正値を算出する。算出された第1補正値及び第2補正値を用いて第1電圧変動値及び第2電圧変動値を補正し、閉路電圧、補正された第1電圧変動値及び第2電圧変動値に基づいて蓄電装置の開路電圧を算出する。本願第2の発明も、本願第1の発明と同様の効果を得ることができる。
車両に搭載される電池システムの構成を示す図である。 組電池のOCVとCCVの関係を示す図である。 IR特性データの一例を示す図である。 Vdyn特性データの一例を示す図である。 組電池の初期時及び劣化時の各CCVとOCVとの関係を示す図である。 組電池のOCVとSOCの関係を示す図である。 組電池(単電池)の抵抗変化率の一例を示す図である。 組電池の内部抵抗算出値に応じた補正ゲインマップの一例を示す図である。 組電池の温度と内部抵抗算出値との関係に応じた、内部抵抗による電圧変動(第1電圧変動値)に対応する補正ゲイン(Ca)の一例を示す図である。 組電池の温度と内部抵抗算出値との関係に応じた、分極による電圧変動(第2電圧変動値)に対応する補正ゲイン(Cb)の一例を示す図である。 組電池のIVプロットの一例を示す図である。 組電池のOCV及びSOCの演算処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1である電池システム(蓄電システムに相当する)について説明する。図1は、本実施例の電池システムの構成を示す図である。本実施例の電池システムは、車両に搭載することができる。車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両を走行させるための動力源として、後述する組電池に加えて、エンジン又は燃料電池を備えている。電気自動車は、車両の動力源として、組電池だけを備えている。
組電池10(蓄電装置に相当する)は、直列に接続された複数の単電池11を有する。組電池10を構成する単電池11の数は、要求出力などに基づいて、適宜設定することができる。また、組電池10は、並列に接続された複数の単電池11を含んでいてもよい。単電池11としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。
単電池11は、円筒状や矩形状の外装を構成する電池ケースの内部に充放電を行う発電要素を収容して構成することができる(不図示)。発電要素は、充放電を行う要素であり、正極板と、負極板と、正極板および負極板の間に配置されるセパレータとを有する。正極板は、集電板と、集電板の表面に形成された正極活物質層とを有する。負極板は、集電板と、集電板の表面に形成された負極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質や導電剤などを含んでおり、負極活物質層は、負極活物質や導電剤などを含んでいる。
単電池11としてリチウムイオン二次電池を用いるときには、例えば、正極板の集電板をアルミニウムで形成し、負極板の集電板を銅で形成することができる。また、正極活物質としては、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2を用い、負極活物質としては、例えば、カーボンを用いることができる。セパレータ、正極活物質層および負極活物質層には、電解液がしみ込んでいる。電解液を用いる代わりに、正極板および負極板の間に、固体電解質層を配置することもできる。
組電池10は、接続ラインを介して昇圧コンバータ41に接続されている。組電池10の正極端子と昇圧コンバータ41との間にシステムメインリレー31が設けられ、組電池10の負極端子と昇圧コンバータ41との間にシステムメインリレー32が設けられている。システムメインリレー31,32は、コントローラ50からの制御信号を受けて、オン(接続状態)およびオフ(遮断状態)の間で切り替わる。
昇圧コンバータ41は、組電池10の出力電圧を昇圧して、昇圧後の電力をインバータ42に出力する。また、昇圧コンバータ41は、インバータ42の出力電圧を降圧して、降圧後の電力を組電池10に出力する。昇圧コンバータ41は、例えば、チョッパ回路で構成することができる。昇圧コンバータ41は、コントローラ50からの制御信号を受けて動作する。
インバータ42は、昇圧コンバータ41から出力された直流電力を交流電力に変換して、交流電力をモータ・ジェネレータ(MG)43に出力する。モータ・ジェネレータ43としては、例えば、三相交流モータを用いることができる。また、インバータ42は、モータ・ジェネレータ43から出力された交流電力を直流電力に変換して、直流電力を昇圧コンバータ41に出力する。
モータ・ジェネレータ43は、インバータ42からの交流電力を受けて、車両を走行させるための運動エネルギを生成する。モータ・ジェネレータ43は、車輪と接続されており、モータ・ジェネレータ43によって生成された運動エネルギは、車輪に伝達される。車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータ43は、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギ(交流電力)に変換する。モータ・ジェネレータ43によって生成された交流電力は、インバータ42に出力される。これにより、回生電力を組電池10に蓄えることができる。
本実施例の電池システムでは、組電池10から電力を受けて動作する負荷としてモータ・ジェネレータ43を用いることができる。また、昇圧コンバータ41は省略することもできる。すなわち、組電池10をインバータ42と接続することができる。
電圧センサ20は、コントローラ50に接続され、組電池10の端子間電圧を検出して検出結果をコントローラ50に出力する。また、電圧センサ20は、組電池10を構成する直列に接続された各単電池11それぞれの電圧を検出することもできる。
電流センサ21は、充放電を行う組電池10の充放電電流を検出してコントローラ50に検出結果を出力する。例えば、組電池10を放電しているときには、電流センサ21によって検出された電流値として、正の値を用いることができる。また、組電池10を充電しているときには、電流センサ21によって検出された電流値として、負の値を用いることができる。
また、電流センサ21は、充電器60を介して組電池10に流れる外部充電電流を検出し、コントローラ50に検出結果を出力する。本実施例の電流センサ21は、充電器60から組電池10に出力される外部充電電流の電流経路に設けられ、システムメインリレー31,32がオフ状態、すなわち、組電池10と負荷との接続が遮断された状態で、外部充電電流が組電池10に流れる電流経路に設けられる。なお、充電器60を介して組電池10に流れる外部充電電流を検出する電流センサと、組電池10の充放電制御において組電池10を流れる電流を検出する電流センサとをそれぞれ個別に設けて別々に電流を検出するようにしてもよい。
温度センサ22は、組電池10の温度を検出する。温度センサ22は、コントローラ50に接続され、検出結果をコントローラ50に出力する。なお、温度センサ22は、電圧センサ20に含まれるように構成することができ、例えば、組電池10の電圧及び温度を検出する監視ICとして構成できる。
充電器60は、組電池10に接続される。充電器60は、外部電源70から供給された交流電力を直流電力に変換する不図示のAC/DCコンバータや、外部電源70又はAC/DCコンバータから出力される外部充電電流(直流電流)を昇圧して組電池10に出力するDC/DCコンバータ等を含むことができる。外部電源70は、車両の外部において、車両とは別に設けられた電源である。外部電源としては、例えば、商用電源を用いることができる。
充電器60と組電池10の正極端子との間の電流経路上に、充電リレー61が設けられ、充電器60と組電池10の負極端子との間に電流経路上に、充電リレー62が設けられている。充電リレー61,62は、コントローラ50からの制御信号を受けて、オン(接続状態に相当する)およびオフ(遮断状態に相当する)の間で切り替わる。
充電器60は、本実施例の電池システムを搭載する車両の側部に設けられるインレット63と接続される。インレット63には、外部電源70に連結する接続プラグ71を有する充電ケーブル72が接続される。
コントローラ50は、組電池10の充放電制御を行う制御装置である。コントローラ50は、車両出力要求に基づいて負荷に組電池10の電力を出力する放電制御、車両が減速したり、停止したりする際の車両制動時における回生電力を組電池10に充電する充電制御を行う。本実施例のコントローラ50は、SOC推定部51、満充電容量演算部52、充電制御部53及びメモリ54を含んで構成される。
コントローラ50は、車両のイグニッションスイッチがONされて充放電制御を開始してから(IG−ON)、イグニッションスイッチがOFFされて充放電制御が終了するまで(IG−OFF)の間、電圧センサ20で検出される組電池10の端子間電圧、電流センサ21で検出される電流値、温度センサ22で検出される電池温度を所定のタイミングや所定の時間間隔で取得し、取得されたCCVから組電池10のOCVを算出するOCV算出処理及びSOC推定処理を遂行する。各処理で算出された値や検出値等は、充放電制御に用いられるとともに、メモリ54に記憶される。
また、コントローラ50は、充放電制御中の充放電電流を積算する処理を行い、充放電電流積算値を充放電履歴としてメモリ54に記憶することもできる。例えば、電流センサ21によって検出される検出値において、放電電流をプラス、充電電流をマイナスとして積算し、充放電電流積算値を算出することができる。
車両のイグニッションスイッチがONからOFFに切り替わると、コントローラ50は、電池システムの充放電制御を終了し、OCV算出処理及びSOC推定処理を終了させて、算出値や検出値等を組電池10の充放電履歴としてメモリ54に記憶する。
メモリ54は、コントローラ50を動作させるためのプログラムや、各種情報を記憶しており、組電池10のOCVとSOCの対応関係データ(OCV−SOCマップ)や後述する各種特性データを記憶している。
SOC推定部51は、電圧センサ20によって検出される組電池10の端子間電圧から組電池10のOCVを算出し、算出したOCVに対応するSOCをメモリ54に記憶されているOCV−SOCマップに基づいて算出(推定)する。
組電池10のSOCは、組電池10の満充電容量に対して現在の充電容量の割合(充電状態)を示すものである。図6は、組電池10のOCVとSOCの対応関係の一例を示す図である。
組電池10のOCV(開路電圧)は、組電池10を負荷に接続しない状態において電圧センサ20によって検出される端子間電圧、すなわち、組電池10に電流を流さない状態での組電池10の端子間電圧である。なお、本実施例では、イグニッションスイッチがOFFからONに切り替わった後にシステムメインリレー31,32それぞれがオフからオンとなった状態(組電池10が負荷に接続されて充放電可能な状態)で、組電池10に流れる電流が0である場合の端子間電圧もOCVとして含むことができる。
組電池10のCCV(閉路電圧)は、組電池10に負荷を接続した状態において電圧センサ20によって検出される端子間電圧、すなわち、組電池10を負荷に接続して電流を流している状態での組電池10の端子間電圧である。放電時のCCVは、組電池10の内部抵抗による電圧降下の電圧変動分、OCVよりも低い値となり、放電電流が大きいほどCCVは小さくなる(内部抵抗による電圧降下の電圧変動値が大きくなる)。一方、充電時のCCVは、組電池10の内部抵抗による電圧降下の電圧変動分が放電時とは逆向きになるので、OCVよりも高い値となり、充電電流が大きいほどCCVは大きくなる。
図2は、放電時の組電池10のCCVとOCVの関係を示す図であり、縦軸が電圧、横軸が時間である。図2に示すように、電流が流れている状態の組電池10のCCVとOCVとの間には、以下の式(1)の関係がある。
(式1)OCV=CCV−IR−Vdyn
ここで、IRは、組電池10の内部抵抗Rによる電流Iに対する電圧変動値、Vdynは、分極による電圧変動値である。
組電池10のOCVは、充電状態に応じて変化し、例えば、SOCが80%の場合のOCVは、SOCが20%の場合のOCVよりも大きく、図2の例のように放電を継続するとSOCの低下とともにOCVも低下する。
そして、組電池10に電流が流れていると、組電池10の内部抵抗Rによって電圧降下が生じ、組電池10に流れる電流Iと内部抵抗Rとに応じた電圧変動が生じる。この電圧変動は、式(1)のIR項に相当する。組電池10の内部抵抗Rによる電圧変動値を第1電圧変動値とする。第1電圧変動値は、放電時はOCVに対してマイナスの電圧変動となり、充電時はプラスの電圧変動となる。なお、内部抵抗Rは、組電池10の内部抵抗の所定の初期値であり、測定や計算によって予め求めることができる固定された値である。
次に、組電池10に電流が流れると、分極が生じて組電池10の電圧が変動する。例えば、組電池10が放電を行うと分極電圧がマイナス(負)の方向に生じ、OCVに対してマイナスの電圧変動が生じる。組電池10が充電を行うと分極電圧がプラス(正)の方向に生じ、OCVに対してプラスの電圧変動が生じる。分極による電圧変動は、組電池10の充放電を停止すると、時間経過とともに徐々に解消していく(分極電圧が徐々に0に近づいていく)。この分極による電圧変動値は、流れる電流に依存した時定数を持って成長する電圧降下であり、式(1)のVdyn項に相当する。組電池10の分極による電圧変動値を第2電圧変動値とする。
分極は、充放電履歴によって動的に変化する電圧変動である。組電池10は、各単電池11における電極活物質の化学変化によって起電力(OCVに相当する)を発生しているが、電極活物質の化学反応はその表面付近で起こりやすく、電極内部における反応には拡散のための遅延時間が生じる。このため、電極内部と表面部における不均衡(分極)に起因して、同じSOCであっても起電力に差が生じることになる。
例えば、放電の継続により分極電圧は、マイナス(減少する)方向に増加し、その後放電から充電に切り替わると、マイナス方向に増加していた分極電圧が、プラスの方向に増加するように変動する。
充放電中のある時点での分極による電圧変動の大きさは、過去の充放電の履歴とその時点における充放電電流の大きさに応じて決定することができる。上述のように放電又は充電の電流が流れることで分極が生じるので、ある時点での分極による電圧変動は、直近の充放電履歴の影響が大きく、かつ充放電電流の電流値が大きいほど大きく表れる。
本実施例の分極による電圧変動値Vdynは、下記の式(2)によって求めることができる。
(式2)Vdyn(t)=Vdyn(t−1)×減衰率+F(I(t))×(Δt/τ(I(t))
ここで、τ(I(t))は分極が進む速さ(単位は秒)、F(I(t))は分極電圧の電流依存性、I(t)は時間tにおける充放電電流(単位は[A])である。Δt/τ(I(t))は時定数であり、減衰率は、時定数の指数関数{exp(Δt/τ(I(t))}の逆数である。
この式2により、任意の時点tにおける分極による電圧変動値(単位は[V])を求めることができる。Δtは、例えば1秒とすることができ、これにより1秒ごとにVdynを算出することができる。Vdyn(t=0)は、予め設定した初期値を用いることができる。
分極電圧の電流依存性であるF(I(t))は、任意の時点tにおける充放電電流の大きさに応じた分極の大きさを表す。上記式2において電流が一定である場合の分極電圧は、時間が十分経過すれば一定となるので、分極電圧はF(I(t))にのみ依存することになる。したがって、各電流値での定電流放電又は定電流充電における検出結果に基づいて、F(I(t))を予め測定することができる。
上述したようにCCVとOCVは、式(1)の関係を有するので、例えば、内部抵抗R及び所定SOCに対するOCV(図6の例で示したOCVとSOCの対応関係)、組電池10を流れる電流値、電圧センサ20によって検出されるCCVから、F(I(t))(=Vdyn)を求めることができる。複数種類の定電流(放電又は充電)の各電流に対するCCVを取得することで、分極電圧の電流依存性であるF(I(t))を予め算出しておくことができる。
また、上述のように、異なるSOC毎に複数種類の定電流(放電又は充電)の各電流に対するCCVを取得し、異なるSOC間におけるF(I(t))の変化を予め測定しておくことで、所定SOCに対する分極電圧の電流依存性であるF(I(t))から任意のSOCに対するF(I(t))を算出することもできる。
そして、式(1)において、IR項、Vdyn項それぞれに対応した各特性データを予め作成しておくことができる。コントローラ50は、メモリ54に記憶された各特性データから検出した電流値Iを用いて、IR項及びVdyn項をそれぞれ算出し、電圧センサ20によって検出されるCCVからOCVを算出することができる。
例えば、内部抵抗Rは予め把握できるので、電流値とIR項(第1電圧変動値)の対応関係を予めIR特性データ(第1変動特性データ)として作成することができる。同様に、分極電圧Vdynは、式2に示されるようにF(I(t))を変数として算出することができ、時定数や減衰率、前回値を予め把握しておくことで、電流値とVdyn項(第2電圧変動値)の対応関係を予めVdyn特性データ(第2変動特性データ)として作成することができる。これらの各特性データは、組電池10の電池温度毎に作成することができ、図3は、初期値の内部抵抗RにおけるIR特性データの一例を示す図であり、充放電電流と電池温度とに関連付けられている。また、図4は、初期値の内部抵抗RにおけるVdyn特性データの一例を示す図であり、充放電電流と電池温度とに関連付けられている。
このように電流が流れている状態の組電池10のSOCを算出するにあたり、組電池10の内部抵抗Rによる第1電圧変動値及び分極による第2電圧変動値を算出し、組電池10のOCVを求めることができる。
しかしながら、図5に示すように、放電を開始した時点から第1電圧変動値及び第2電圧変動値が生じ、CCVはOCVよりも低下するが、その低下度合いは、組電池10(単電池11)を製造した直後の状態や使用直後の劣化していない初期時と使用後の劣化時とで異なり、劣化時の方が第1電圧変動値及び第2電圧変動値の変動値が大きい。これは、電池劣化によって組電池10の内部抵抗が増加したことに起因するものであり、劣化していない初期時の組電池10の内部抵抗R(固定された所定の初期値)と劣化時の内部抵抗との乖離度合いに応じて第1電圧変動値及び第2電圧変動値が共に増加する。
すなわち、劣化時は内部抵抗が増加した分、劣化していない内部抵抗Rの状態よりも放電時の電圧降下が大きくなるので、式(1)において、IR項+Vdyn項の変動値が大きくなり、初期値の内部抵抗Rに対する劣化による内部抵抗の増加は、IR項+Vdyn項の変動値の増加として捉えることができる。
このように組電池10(単電池11)は経年変化によって劣化し、劣化によって組電池10の内部抵抗は、初期値の内部抵抗Rから変化するが、上述した式(1)における第1電圧変動値及び第2電圧変動値は、内部抵抗Rが常に変動しないものとして算出されており、劣化による組電池10の内部抵抗の変化が考慮されていない。そして、第1電圧変動値及び第2電圧変動値それぞれに対応する特性データは、組電池10の内部抵抗を算出因子として含むが、内部抵抗Rを固定した初期値としているため、実際に電池劣化に伴って内部抵抗が変化した状態、言い換えれば、初期値の内部抵抗Rと乖離した状態の組電池10における第1電圧変動値と第2電圧変動値は、IR特性データ、Vdyn特性データから算出される各電圧変動値と異なることになる。
このため、図6に示すように、経年変化を考慮しないで内部抵抗Rを基準として算出されるOCV(V1)と劣化時のOCV(V2)とが相違して算出され、SOCの算出精度が低下してしまう。
そこで、本実施例では、組電池10(単電池11)の内部抵抗Rが経年変化によって変化することを考慮しないIR特性データ及びVdyn特性データ、すなわち、経年変化を考慮しないで固定の値である内部抵抗Rを基準として作成されたIR特性データ、Vdyn特性データを用いて、式(1)に基づく組電池10のOCVを算出するにあたり、充放電中の組電池10の内部抵抗算出値と内部抵抗Rとの乖離(内部抵抗の変化率)に応じて第1電圧変動値及び第2電圧変動値を補正することで、充放電を行う組電池10の内部抵抗の経年変化を考慮したOCVを算出する。
ここで、組電池10の内部抵抗Rについて詳細に説明する。上述のように固定された所定の初期値を内部抵抗Rとして用い、IR特性データ、Vdyn特性データが作成されているが、本実施例では、この内部抵抗Rは、例えば、組電池10(単電池11)を製造した直後の劣化していない初期状態の内部抵抗R(第1内部抵抗に相当する)ではなく、使用し始めた段階における組電池10の内部抵抗の最下点(第2内部抵抗に相当する)を用いている。
図7は、単電池11の抵抗変化率の一例を示す図である。劣化とは、単電池11を構成する材料が経時変化によって摩耗することに伴う劣化(いわゆる摩耗劣化)である。単電池11の構成材料が摩耗すれば、単電池11の抵抗は、上昇することになる。
単電池11の劣化状態を評価するパラメータとして、抵抗変化率を用いることができる。抵抗変化率Rrは、初期状態にある単電池11の抵抗値Rini(Rに相当する)と、劣化後における単電池11の抵抗値Rcとの比率(Rc/Rini)で表すことができる。
図7において、縦軸は、抵抗変化率Rrを示し、横軸は、経過時間tの平方根を示す。tは経過時間(日数)を示し、例えば、単電池11を製造した直後からの時間とすることができる。単電池11の抵抗変化率は、経過時間tの平方根と比例関係にあることが知られている。しかしながら、単電池11の抵抗変化率は、経過時間tの平方根が大きくなるに従って増加するだけではなく、単電池11を使用し始めた段階では、単電池11の抵抗変化率が減少することがある。
劣化後における単電池11の抵抗値Rcは、時間経過に伴って単電池11の抵抗変化率が減少する減少成分と増加成分とで構成される値であり、抵抗変化率の減少量と、抵抗変化率の増加量とを加算することにより、単電池11の抵抗変化率を算出することができる。なお、時間tが0であるとき、すなわち、単電池11が初期状態にあるとき、単電池11の抵抗変化率Rrは、1である。
図7に示すように、単電池11の抵抗変化率の増加成分は、経過時間tの平方根が増加するにつれて増加する。一方、単電池11を使用し始めた段階において、抵抗変化率の減少成分は、経過時間tの平方根が増加するにつれて減少する。
このように組電池10の抵抗変化率は、単電池11を使用し始めた段階で、組電池10を製造した直後の劣化していない初期状態の内部抵抗よりも低い内部抵抗(抵抗変化率が1未満)となるので、組電池10の内部抵抗の最下点よりも高い初期状態の内部抵抗を用いると、SOC推定精度が低下してしまう。そこで、本実施例の組電池10の内部抵抗Rは、初期状態の内部抵抗Rよりも低い組電池10を使用し始めた段階において最下点となる組電池10の内部抵抗を用い、IR特性データ、Vdyn特性データを作成している。
図8は、本実施例の組電池10の内部抵抗に応じた補正ゲインマップの一例を示す図である。図8において縦軸は補正ゲイン、横軸は、組電池10の内部抵抗Rである。内部抵抗Rは、各センサで検出される充放電電流値及び電圧値(閉路電圧)に基づいて算出される内部抵抗値である。
図11は、組電池10のIVプロットの一例を示す図であり、組電池10のIVプロットに基づいて内部抵抗Rを算出することができる。まず、組電池10を流れる電流値及び電圧値を複数取得する。図11に示すように、横軸を電流値とし、縦軸を電圧値とした座標系(IV座標径)において、取得した電流値及び電圧値の関係をプロットする。プロットされた複数の点に基づいて近似直線Lを算出し、近似直線Lの傾きを組電池10の内部抵抗Rとして算出する。
コントローラ50は、充放電制御中において所定の時間間隔で取得される電流値及び電圧値を用いてリアルタイムに図11の例のようなIVプロット処理を遂行し、取得された電流値及び電圧値がプロットされる度に近似直線Lを引き直して組電池10の内部抵抗Rを算出する。本実施例の内部抵抗Rは、算出するタイミングよりも過去のIVプロット(内部抵抗値)をリアルタイムに学習しながら算出される学習値である。
図9は、組電池10の電池温度と内部抵抗Rとの関係に応じた補正ゲインCa(第1補正値に相当する)の一例を示す図である。補正ゲインCaは、第1電圧変動値に対応する補正値である。
本実施例の補正ゲインCaは、例えば、ある時点の内部抵抗R及び電流センサ21によって検出される充放電電流値によって算出される電圧降下分に相当する電圧変動値と、その時点での同じ充放電電流値と内部抵抗Rによって算出される電圧降下分に相当する電圧変動値との変化率(電圧変動の変化率)を求め、この変化率を補正ゲインCaとすることができる。図9の例に示すように各内部抵抗Rに応じた補正ゲインCaが算出される。
そして、内部抵抗Rと内部抵抗Rとの間の電圧降下による電圧変動の変化率は、式(1)のIR項に基づくと、内部抵抗Rと内部抵抗Rの抵抗変化率となるので、図9に示した補正ゲインCaは、図8の実線で示すように内部抵抗Rに対する内部抵抗Rの抵抗変化率で表すことができる(第1補正ゲインマップ)。このように補正ゲインCaは、内部抵抗Rと内部抵抗Rとの間の抵抗変化率に基づいて算出することができ、1以上の値となる。
続いて、図10は、組電池10の電池温度と内部抵抗Rとの関係に応じた、組電池10の分極による電圧変動(第2電圧変動値)に対応する補正ゲインCbの一例を示す図である。上述したように、組電池10の劣化による内部抵抗の増加は、式(1)のIR項+Vdyn項の増加量と捉えることができるので、式(1)において内部抵抗RでのOCVに対するVdyn(1)の割合と、内部抵抗RでのOCVに対するVdyn(2)の割合とをそれぞれ算出し、Vdyn(2)に対するVdyn(1)の変化率を求め、この変化率を補正ゲインCbとすることができる。
そして、補正ゲインCaと同様に、図10に示した補正ゲインCbは、図8の実線で示すように内部抵抗Rに対する内部抵抗Rの抵抗変化率で表すことができる(第2補正ゲインマップ)。このように補正ゲインCbは、内部抵抗Rと内部抵抗Rとの間の抵抗変化率に基づいて算出することができ、補正ゲインCbは、1以上の値となる。図8で示したゲインマップは、補正ゲインCa、Cbそれぞれについて個別に作成され、メモリ54に記憶される。
したがって、下記の式(3)に示すように、劣化を考慮せずに組電池10の内部抵抗Rを基準としてOCVを算出する式(1)のIR項及びVdyn項それぞれに補正ゲインCa、Cbを乗算することで、劣化に伴う組電池10の内部抵抗の変化を考慮したOCVを算出することができる。
(式3)OCV=CCV−Ca×IR−Cb×Vdyn
ここで、本実施例の補正ゲインCa、Cbは、上述した式(1)で用いられるIR特性データ、Vdyn特性データの内部抵抗Rではなく、組電池10(単電池11)を製造した直後の劣化していない初期状態の内部抵抗Rを基準値とした内部抵抗Rの抵抗変化率に基づいて、補正ゲインCa、Cbを算出している。
本実施例では、式(3)で用いられるIR特性データ、Vdyn特性データは、初期状態の内部抵抗Rよりも低い使用を開始した段階における最下値の内部抵抗R(経時最下値の内部抵抗R)を初期値としている。しかしながら、図8の二点鎖線で示すように、経時最下値の内部抵抗Rを補正ゲインCa、Cbを求める際の初期値とすると、例えば、劣化していない初期状態の内部抵抗Rの時点で、1以上の補正ゲインCa、Cbが適用されることになり、OCV(SOC)が高く算出されてしまう。
つまり、経時最下値の内部抵抗Rは初期状態の内部抵抗Rよりも低い値なので、抵抗変化率が1未満の経時最下値の内部抵抗Rから補正ゲインを適用すると、劣化していない初期状態の時点で経時最下値の内部抵抗Rと初期状態の内部抵抗Rとの差分に相当する分、大きなゲインとなり、経時最下値の内部抵抗Rと初期状態の内部抵抗Rとの差分が上乗せされた傾きを持つ、図8の二点鎖線で示すようなゲインマップとなる。
このため、経時最下値の内部抵抗Rに対する内部抵抗Rの抵抗変化率から補正ゲインを算出すると、経時最下値の内部抵抗Rと初期状態の内部抵抗Rの差分が上乗せされた高い値の補正ゲインが適用されることになり、実際のOCVよりも高いOCVが算出され、誤った(逆転した)SOCが算出されることになる。
そこで、本実施例では、初期状態の内部抵抗Rを基準値として内部抵抗Rに対する内部抵抗Rの抵抗変化率に基づいて各補正ゲインCa、Cbを算出することで、図8の実線で示すような、経時最下値の内部抵抗Rと初期状態の内部抵抗Rとの間の差分が上乗せされない補正ゲインの値を適用し、組電池10の内部抵抗の変化率に対して補正ゲインCa、Cbが必要以上に大きくならないようにしている。具体的には、劣化していない初期状態、すなわち、抵抗変化率が1よりも大きい時点から補正ゲインによって第1電圧変動値及び第2電圧変動値が補正されるようにし、例えば、初期状態の内部抵抗Rに対する内部抵抗Rの抵抗変化率が1未満では、補正ゲインが常に1となるように規定し、補正ゲインによって実際のOCVよりも高いOCVが算出されることを抑制し、精度よくSOC推定を行うようにしている。
なお、図8に示すように、補正ゲインCa、Cbを算出する際の初期状態の内部抵抗Rは、製造バラツキの初期上限値を用いることができる。製造時における組電池10(単電池11)の内部抵抗Rは、製造バラツキによる誤差を含み、このバラツキ誤差内の内部抵抗となるように組電池10が製造される。本実施例では、補正ゲインに適用される初期状態の内部抵抗Rとして、製造時のバラツキ誤差の下限値(R_MIN)及び上限値(R_MAX)のうち上限値を用いている。図8の実線で示すように、補正ゲインCa、Cbは、内部抵抗R_MAXに対する内部抵抗Rの抵抗変化率の傾きに対して関連付けられ、内部抵抗R_MAXよりも大きい内部抵抗Rに対して1以上の値が適用されるように規定され、抵抗変化率が1未満では常に補正ゲインCa、Cbが1となるように規定されている。
また、組電池10の内部抵抗は、予めその上限値を設定することができる。例えば、使用限度として10年使用した後に想定される内部抵抗値を、組電池10の内部抵抗の上限値として定めることができ、この場合、抵抗変化率も内部抵抗Rに対する内部抵抗の上限値の変化率が上限となる。したがって、図8に示すように、補正ゲインCa、Cbそれぞれの上限値も内部抵抗の上限値によって制限され、内部抵抗の上限値を超える場合、各補正ゲインCa、Cbは一定の値とすることができる。
メモリ54は、図8に示したような補正ゲインCaに対応する第1補正ゲインマップ、補正ゲインCbに対応する第2補正ゲインマップそれぞれを記憶しており、コントローラ50は、算出される組電池10の内部抵抗Rから、第1補正ゲインマップ及び補正ゲインマップの各マップを用いて、補正ゲインCa(第1補正値)及び補正ゲインCb(第2補正値)それぞれを算出することができる。また、補正ゲインCa、Cbは、図9、図10で示したように、電池温度に依存するので、電池温度毎に第1補正ゲインマップ及び第1補正ゲインマップそれぞれを作成して保持するようにしてもよい。
図12は、本実施例の電池システムの充放電制御のフローチャートを示す図である。組電池10の充放電制御は、コントローラ50によって遂行され、車両のイグニッションスイッチがOFFからONに切り替わると(S101)、電池システムが起動され、コントローラ50は、電池システムの充放電制御を開始する(S102)。
コントローラ50は、電圧センサ20、電流センサ21及び温度センサ22の各センサで取得される組電池10のCCV、充放電電流及び電池温度を所定の時間間隔で取得する(S103)。取得したセンサ検出値は、メモリ54に記憶される。
コントローラ50は、取得したCCV及び充放電電流を用いて、組電池10の内部抵抗Rを算出する(S104)。コントローラ50は、図9に示したようにIV座標径において、取得した電流値及び電圧値の関係をプロットし、過去のプロットを含む複数の点に基づいて近似直線Lを算出して、近似直線Lの傾きを組電池10の内部抵抗Rとして算出することができる。
次に、コントローラ50は、取得した電池温度及び充放電電流を用いて、メモリ54に記憶されているIR特性データから式(1)のIR項に相当する第1電圧変動値を算出するとともに(S105)、取得した電池温度及び算出した内部抵抗Rを用い、メモリ54に記憶されている第1補正ゲインマップから補正ゲインCaを算出する(S106)。
また、コントローラ50は、取得した電池温度及び充放電電流を用いて、メモリ54に記憶されているVdyn特性データから式(1)のVdyn項に相当する第2電圧変動値を算出するとともに(S107)、取得した電池温度及び算出した内部抵抗Rを用い、メモリ54に記憶されている第2補正ゲインマップから補正ゲインCbを算出する(S108)。なお、ステップS105〜S108の各ステップは、それぞれ並行して行うことができ、各値を算出する順序は、任意である。
コントローラ50は、ステップS109において、第1電圧変動値に補正ゲインCaを乗算して第1電圧変動値を補正し、同様に第2電圧変動値に補正ゲインCbを乗算して第2電圧変動値を補正する(式(3)参照)。
コントローラ50は、ステップS110において、取得した充放電中の組電池10のCCVと、補正された第1電圧変動値及び第2電圧変動値それぞれとを用い、式(3)に基づいて組電池10のOCVを算出する。
コントローラ50は、算出されたOCVとメモリ54に記憶されているOCV−SOCマップとから、組電池10のSOCを算出する(S111)。算出されたSOCは、充放電履歴としてメモリ54に記憶される(S112)。
コントローラ50は、車両のイグニッションスイッチがONからOFFに切り替わるまでの間、ステップS103からS112を繰り返し行い、車両のイグニッションスイッチがONからOFFに切り替わったと判別された場合(S113)、コントローラ50は、電池システムの充放電制御を終了する。
このように本実施例では、組電池10のCCVから充放電電流に応じた組電池10の内部抵抗による第1電圧変動及び分極による第2電圧変動を考慮してOCVを算出する際に、組電池10の内部抵抗の経年変化に応じた補正値を用いて第1電圧変動及び第2電圧変動の各値を補正して組電池10のOCVを算出するので、経年変化に伴って変化する内部抵抗に応じて精度よく組電池10のOCVを算出(推定)することができ、SOCの検出精度が向上する。
特に、本実施例の補正ゲインCa、Cbは、IR特性データ、Vdyn特性データに用いられる使用し始めた段階において最下点となる組電池10の内部抵抗Rではなく、組電池10(単電池11)を製造した直後の劣化していない初期状態の内部抵抗Rに対する内部抵抗Rの抵抗変化率に基づいて算出している。このため、補正ゲインCa、Cbそれぞれが、内部抵抗Rと内部抵抗Rとの間の差分が上乗せされた必要以上に大きい値とならないように抑制することができ、補正ゲインによって実際よりもSOCが高く算出されることを防止できる。よって、OCVを精度よく算出することができる。
なお、本実施例のOCV算出処理及びSOC算出処理は、外部電源70を用いた外部充電制御においても適用することができる。外部充電動作は、充電制御部53によって遂行することができる。充電制御部53は、外部電源70から延設された接続プラグ71がインレット63に接続されたことを検出すると、充電リレー61,62をオフからオンに切り替えて充電器60と組電池10とを接続し、充電器60を介した外部充電を開始する。
コントローラ50は、外部充電が開始された後、外部充電が完了するまでの間、図12に示したステップS103からS112を遂行して、経年変化に伴って変化する内部抵抗に応じて組電池10のOCVを算出して、外部充電時のSOC検出を精度よく行うことができる。
なお、本実施例では、初期状態の内部抵抗Rよりも低い組電池10を使用し始めた段階において最下点となる組電池10の内部抵抗を用いて作成されたIR特性データ、Vdyn特性データを適用し、OCVを算出する一例について説明したが、これに限るものではない。例えば、初期状態の内部抵抗Rが組電池10の内部抵抗の初期値として作成されたIR特性データ、Vdyn特性データを適用したOCVの算出においても、組電池10の内部抵抗の経年変化に応じた補正値を用いて第1電圧変動及び第2電圧変動の各値を補正して組電池10のOCVを算出することもできる。
10 組電池
11 単電池
20 電圧センサ
21 電流センサ
22 温度センサ
41 昇圧コンバータ
42 インバータ
43 モータ・ジェネレータ
50 コントローラ
51 SOC推定部
52 満充電容量演算部
53 充電制御部
54 メモリ
60 充電器
70 外部電源

Claims (5)

  1. 充放電を行う蓄電装置を備えた、車両に搭載される蓄電システムであって、
    電圧センサによって検出される前記蓄電装置の閉路電圧、電流センサによって検出される充放電電流値に応じた前記蓄電装置の内部抵抗による第1電圧変動値及び分極による第2電圧変動値に基づいて前記蓄電装置の開路電圧を算出し、前記開路電圧と前記蓄電装置の充電状態との対応関係を予め規定したOCV−SOC特性に基づいて、前記充電状態を算出するコントローラ、を備え、
    前記コントローラは、前記充放電電流値及び前記閉路電圧から前記蓄電装置の内部抵抗を算出するとともに、前記蓄電装置の内部抵抗の基準値に対する前記算出された内部抵抗の変化に応じた前記第1電圧変動値に対応する第1補正値及び前記第2電圧変動値に対応する第2補正値をそれぞれ算出し、前記第1電圧変動値及び第2電圧変動値を補正して前記開路電圧を算出することを特徴とする蓄電システム。
  2. 前記コントローラは、初期状態の前記蓄電装置の第1内部抵抗よりも低い第2内部抵抗を基準として前記充放電電流値に応じた前記第2内部抵抗による前記第1電圧変動値の対応関係を予め規定した第1変動特性に基づいて、前記第1電圧変動値を算出するとともに、
    前記第1内部抵抗を基準値とした前記算出される内部抵抗の抵抗変化率に基づいて、前記第1補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 前記コントローラは、前記充放電電流値と過去の充放電履歴とに応じた初期状態の前記蓄電装置の第1内部抵抗よりも低い第2内部抵抗を基準とする前記第2電圧変動値の対応関係を予め規定した第2変動特性に基づいて、前記第2電圧変動値を算出するとともに、
    前記第1内部抵抗を基準値とした前記算出される内部抵抗の抵抗変化率に基づいて、前記第2補正値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電システム。
  4. 前記第1内部抵抗は、前記蓄電装置の製造時の内部抵抗のバラツキ誤差における上限値であることを特徴とする請求項2又は3に記載の蓄電システム。
  5. 充放電を行う蓄電装置の充放電状態推定方法であって、
    電圧センサによって検出される前記蓄電装置の閉路電圧、電流センサによって検出される充放電電流値に応じた前記蓄電装置の内部抵抗による第1電圧変動値及び分極による第2電圧変動値をそれぞれ算出するステップと、
    前記充放電電流値及び前記閉路電圧から前記蓄電装置の内部抵抗を算出するステップと、
    前記蓄電装置の内部抵抗の基準値に対する前記算出された内部抵抗の変化率に基づいて、前記第1電圧変動値に対応する第1補正値及び前記第2電圧変動値に対応する第2補正値を算出するステップと、
    前記第1補正値及び第2補正値を用いて算出された前記第1電圧変動値及び第2電圧変動値を補正し、前記閉路電圧、補正された第1電圧変動値及び第2電圧変動値に基づいて前記蓄電装置の開路電圧を算出するステップと、
    前記開路電圧と前記蓄電装置の充電状態との対応関係を予め規定したOCV−SOC特性に基づいて、前記充電状態を算出するステップと、
    を含むことを特徴とする充放電状態推定方法。
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