JP2013210335A - 磁気センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 センサ感度が高くなりすぎないように制御できるとともに、検知磁界とは異なる方向からの外乱磁界に対する外乱磁界耐性を向上させることが可能な磁気センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 間隔を空けて配置された第1軟磁性部材12aと第2軟磁性部材12bとを備える。磁気抵抗効果素子は、第1軟磁性部材と垂直方向(Z)にて一部が対向する第1素子部11aと、第2軟磁性部材と垂直方向にて一部が対向する第2素子部11bとを有する。第1素子部11aは第1軟磁性部材のX2端部14側にて配置され、第2素子部11bは第2軟磁性部材のX1端部15側に配置されている。各素子部11a,11bのオーバーラップ寸法は、同一寸法W1である。各素子部の感度軸方向Pは同一方向であり、検知磁界H3に対して感度を備える。第1素子部と前記第2素子部とは直列に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子と非接触の軟磁性体とを備える磁気センサに関する。
図9は、従来における磁気センサの一部を示す部分拡大平面図である。
符号1は磁気抵抗効果素子であり、図9(b)に示すように磁気抵抗効果素子1は基板2上に形成される。磁気抵抗効果素子1の表面は絶縁層3で覆われており、軟磁性体4が絶縁層3の表面に形成される。磁気抵抗効果素子1と軟磁性体4とは非接触である。
磁気抵抗効果素子1のY1−Y2方向の両端には電極5,5が接続されている。軟磁性体4は、X1−X2方向に間隔を空けて第1軟磁性部材4aと第2軟磁性部材4bとに分けられる。
図9(a)に示す平面視(基板2のなす面(表面)に対して垂直方向(Z)からの矢視D)にて磁気抵抗効果素子1は、第1軟磁性部材4aと第2軟磁性部材4bとの間であってX1−X2方向の略中心に位置している。
磁気抵抗効果素子1の感度軸方向は、X1−X2方向と平行な方向である。したがって図9(a)(b)に示すように、磁気抵抗効果素子1はX1−X2方向に向く検知磁界H1に反応して電気抵抗が変化する。
一方、図9(a)(b)に示すY1−Y2方向に向く外乱磁界H2は、軟磁性体4内を通り磁気抵抗効果素子1に対してシールドされる。
特開2009−162499号公報 特開2003−294818号公報
図9に示す従来の磁気センサの構造では、地磁気のように検知磁界H1が微弱であっても図9(b)に示すように検知磁界H1は軟磁性体4内を通って磁気抵抗効果素子1に流入する磁路M1が構成される。このとき磁路M1は、各軟磁性部材4a,4bの端部間に生じており、磁気抵抗効果素子1に印加される磁界強度は見かけ上、増幅される。
これにより、センサ感度(出力)が高くなりすぎて、検知磁界H1に対する測定レンジが非常に小さくなってしまう問題があった。
特許文献1,2の構成では、図9と同様に、磁気抵抗効果素子1に印加される検知磁界の磁界強度は増幅されることになり、上記した従来課題を解決できない。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、センサ感度が高くなりすぎないように制御できるとともに、検知磁界とは異なる方向からの外乱磁界に対する外乱磁界耐性を向上させることが可能な磁気センサを提供することを目的とする。
本発明における磁気センサは、
基板上に磁性層と非磁性層とが積層されて成る磁気抵抗効果を発揮する磁気抵抗効果素子と、前記基板のなす面に対して垂直方向に前記磁気抵抗効果素子と間隔を空けて配置された軟磁性体と、を有し、
前記基板のなす面に水平な面内にて直交する2方向を、X1−X2方向とY1−Y2方向としたとき、
前記軟磁性体は、前記X1−X2方向に間隔を空けて配置された第1軟磁性部材と第2軟磁性部材とを備え、
前記磁気抵抗効果素子は、前記第1軟磁性部材と前記垂直方向にて少なくとも一部が対向する第1素子部と、前記第2軟磁性部材と前記垂直方向にて少なくとも一部が対向する第2素子部とを有し、
前記第1素子部は前記第1軟磁性部材のX2端部側にて配置され、前記第2素子部は前記第2軟磁性部材のX1端部側に配置されており、前記垂直方向からの矢視にて、前記第1軟磁性部材のX2端部から前記第1素子部のX1端部までの前記X1−X2方向への距離と、前記第2軟磁性部材のX1端部から前記第2素子部のX2端部までの前記X1−X2方向への距離とが同一寸法であり、
前記第1素子部と前記第2素子部の感度軸方向は前記X1−X2方向で且つ同一方向であり、前記第1素子部及び前記第2素子部は、前記X1−X2方向からの検知磁界に対して感度を備えており、
前記第1素子部と前記第2素子部とは直列に接続されていることを特徴とするものである。
本発明では、感度軸方向が同じ方向の第1素子部と第2素子部とを直列に接続しており、X1−X2方向からの検知磁界を検知することができる。このとき本発明では、少なくとも第1素子部の一部及び少なくとも第2素子部の一部を、夫々、第1軟磁性部材及び第2軟磁性部材と垂直方向にて対向させている。このような構成にすることで、各軟磁性部材の端部間で生じる強い磁界強度が各素子部に影響しにくくなり、第1素子部及び第2素子部に印加される磁界強度を従来よりも減衰できる。よって本発明では、磁気センサのセンサ感度(出力)が高くなりすぎないように制御でき、検知磁界の測定レンジを広げることができる。
加えて本発明では、Y1−Y2方向に作用する外乱磁界を第1軟磁性部材及び第2軟磁性部材によりシールドできる。しかも少なくとも第1素子部の一部及び少なくとも第2素子部の一部を、夫々、第1軟磁性部材及び第2軟磁性部材と垂直方向にて対向させることでシールド効果をより高めることができる。さらに本発明では、垂直方向からの矢視にて、第1軟磁性部材のX2端部から第1素子部のX1端部までの幅寸法と、第2軟磁性部材のX1端部から第2素子部のX2端部までの幅寸法とを同一寸法としている。このため、垂直方向からの外乱磁界を、第1素子部と第2素子部との間で適切にキャンセルすることができる。以上により、本発明ではセンサ感度が高くなり過ぎないように適度に制御でき、従来よりも広い測定レンジを得ることができるとともに、優れた外乱磁界耐性を備える磁気センサにできる。
本発明では、前記第1素子部のX2端部と、前記第1軟磁性部材のX2端部とが前記垂直方向にて一致しているか、あるいは、前記第1素子部のX2端部は、前記第1軟磁性部材のX2端部よりもX2側にはみ出しており、
前記第2素子部のX1端部と、前記第2軟磁性部材のX1端部とが前記垂直方向にて一致しているか、あるいは、前記第2素子部のX1端部は、前記第2軟磁性部材のX1端部よりもX1側にはみ出していることが好ましい。これにより、センサ感度と検知磁界の測定レンジの双方を適度に制御できる。
また本発明では、前記第1軟磁性部材及び前記第2軟磁性部材は、前記X1−X2方向への幅寸法に比べてY1−Y2方向の長さ寸法のほうが長く形成されており、
前記第1素子部及び前記第2素子部は、前記X1−X2方向への幅寸法に比べてY1−Y2方向の長さ寸法のほうが長く形成されていることが好ましい。Y1−Y2方向の外乱磁界に対するシールド効果を高めることができる。また第1素子部及び第2素子部に形状異方性を付与でき、ヒステリシス及びリニアリティを効果的に改善することができる。
また本発明では、前記第1軟磁性部材及び前記第2軟磁性部材の前記Y1−Y2方向への長さ寸法は、前記第1素子部及び前記第2素子部の前記Y1−Y2方向への長さ寸法より長く、前記第1軟磁性部材及び前記第2軟磁性部材の各Y1側端部及び各Y2側端部は、夫々、前記第1素子部及び前記第2素子部の各Y1側端部及び各Y2側端部よりもY1−Y2方向にはみ出していることが好ましい。これにより、軟磁性体のシールド効果を高めることができる。
また本発明では、前記磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを組み合わせて、あるいは、前記感度軸方向が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子を組み合わせて、ブリッジ回路が構成されていることが好ましい。
また本発明では、前記第1素子部と前記第2素子部からなる組が複数、積層されており、前記第1軟磁性部材のX2端部から前記第1素子部のX1端部までの前記X1−X2方向への距離及び前記第2軟磁性部材のX1端部から前記第2素子部のX2端部までの前記X1−X2方向への距離が、各組で異なっている構成にもできる。
本発明によれば、センサ感度が高くなり過ぎないように適度に制御でき、従来よりも検知磁界の測定レンジを広げることができるとともに、優れた外乱磁界耐性を備える磁気センサにできる。
図1(a)は、第1実施形態における磁気センサの部分平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す磁気センサをA−A線に沿って切断し矢印方向から見た部分縦断面図である。 図2(a)(b)は、いずれも図1(b)と同じ部分縦断面を示し、特に、図2(a)は、検知磁界H3が印加されたときの磁気センサ内での磁路を説明するための説明図であり、図2(b)は、垂直方向からの外乱磁界H5が印加されたときの磁気センサ内での磁路を説明するための説明図である。 図3は、第2実施形態における磁気センサの部分平面図である。 図4は、第3実施形態における磁気センサの部分縦断面図である。 図5(a)(b)は、本実施形態における磁気センサの回路図を示す。 図6は、磁気抵抗効果素子の部分拡大縦断面図を示す。 図7(a)〜図7(e)は、第1素子部及び第2素子部の軟磁性体に対するオーバーラップ寸法を変化させたときの検知磁界とセンサ出力との関係を示すグラフである。 図8は、オーバーラップ寸法とセンサ感度との関係を示すグラフである。 図9(a)は、従来における磁気センサの一部を示す部分平面図であり、図9(b)は、図9(a)に示す磁気センサをB−B線に沿って切断し矢印方向から見た部分縦断面図である。
図1(a)は、第1実施形態における磁気センサの部分平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す磁気センサをA−A線に沿って切断し矢印方向から見た部分縦断面図である。図2(a)(b)は、いずれも図1(b)と同じ部分縦断面を示し、特に、図2(a)は、検知磁界H3が印加されたときの磁気センサ内での磁路を説明するための説明図であり、図2(b)は、垂直方向からの外乱磁界H5が印加されたときの磁気センサ内での磁路を説明するための説明図である。図3は、第2実施形態における磁気センサの部分平面図である。図4は、第3実施形態における磁気センサの部分縦断面図である。図5(a)(b)は、本実施形態における磁気センサの回路図を示す。図6は、磁気抵抗効果素子の部分拡大縦断面図を示す。
各図に示すX1−X2方向、及びY1−Y2方向は、基板10のなす面に水平な面内にて直交する2方向を示し、Z1−Z2方向は前記基板10のなす面に対して直交する方向を示している。
磁気センサSは、図1に示すように、シリコン等の基板10上に形成された磁気抵抗効果素子11と、軟磁性体12とを有して構成される。磁気抵抗効果素子11と軟磁性体12との間には絶縁層13が設けられ、磁気抵抗効果素子11と軟磁性体12とは基板10のなす面(表面)に垂直方向(高さ方向;Z1−Z2)にて間隔を空けて配置されている。
絶縁層13の膜厚は特に限定されるものでないが、例えば0.3μm以上である。磁気抵抗効果素子11と軟磁性体12間に絶縁層13を介することで磁気抵抗効果素子11と軟磁性体12間の電気的な絶縁性を向上させることができる。
図1(a)(b)に示すように、磁気抵抗効果素子11は、第1素子部11aと第2素子部11bとを備える。第1素子部11a及び第2素子部11bは同形状であり、各素子部11a,11bの素子幅(X1−X2方向への幅寸法)はT1で、素子長さ(Y1−Y2方向への長さ寸法)はL1である。各素子部11a,11bは、素子長さL1のほうが素子幅T1よりも大きい帯状で形成される。
図6を用いて磁気抵抗効果素子の積層構造について説明する。なお図6は、第1素子部11aおよび第2素子部11bの双方の積層構造に該当する。
図6に示すように、磁気抵抗効果素子11は、基板10上に、例えば下から非磁性下地層60、固定磁性層61、非磁性層62、フリー磁性層63及び保護層64の順に積層されて成膜される。磁気抵抗効果素子11を構成する各層は、例えばスパッタにて成膜される。
図6に示す実施形態では、固定磁性層61は第1磁性層61aと第2磁性層61bと、第1磁性層61a及び第2磁性層61b間に介在する非磁性中間層61cとの人工反強磁性構造(AAF;Artificial AntiFerro magnetic structure)である。各磁性層61a,61bはCoFe合金などの軟磁性材料で形成されている。非磁性中間層61cはRu等である。非磁性層62はCuなどの非磁性材料で形成される。フリー磁性層63は、NiFe合金などの軟磁性材料で形成されている。保護層64はTaなどである。
本実施形態では固定磁性層61を人工反強磁性構造として、第1磁性層61aと第2磁性層61bとが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型である。図6に示すセルフピン止め型では、反強磁性層を用いず、よって磁場中熱処理を施すことなく固定磁性層61を構成する各磁性層61a,61bを磁化固定している。なお、各磁性層61a,61bの磁化固定力は、外部磁界が作用したときでも磁化揺らぎが生じない程度の大きさであれば足りる。
ただし図6の磁気抵抗効果素子11の積層構造は一例である。例えば下から反強磁性層、固定磁性層、非磁性層、フリー磁性層及び保護層の順に積層された積層構造を有する構成とすることもできる。かかる構成では、反強磁性層と固定磁性層との間で交換結合磁界(Hex)を生じさせて固定磁性層の磁化方向を固定することが可能である。また、下からフリー磁性層63、非磁性材料層62、固定磁性層61、及び保護層64の順に積層された積層構造とされてもよい。また固定磁性層61は、第1の磁性層61aと第2の磁性層61bとの磁化の大きさが同じで磁化方向が反平行である構成にできる。
磁気抵抗効果素子11を構成する第2磁性層61bの固定磁化方向(P;感度軸方向)はX1方向である(図1(a)、図2、図6参照)。この固定磁化方向(P)が固定磁性層61の固定磁化方向である。図1(a)等に示すように、第1素子部11a及び第2素子部11bの感度軸方向Pは共に同じ方向である。なお第1素子部11aと第2素子部11bの感度軸方向PはX2方向であってもよい。
図1(a)に示すように、軟磁性体12は、第1軟磁性部材12aと第2軟磁性部材12bとを有して構成される。第1軟磁性部材12a及び第2軟磁性部材12bは、同形状である。各軟磁性部材12a,12bは、X1−X2方向への幅寸法がT2で、Y1−Y2方向への長さ寸法がL2である。各軟磁性部材12a,12bは、長さ寸法L2のほうが幅寸法T2よりも大きい矩形状あるいは帯状で形成される。
ここで、各素子部11a,11bの素子幅T1は、0.5〜8μm程度で、素子長さL1は、3〜300μm程度である。また、各軟磁性部材12a,12bの幅寸法T2は、10〜50μm程度で、長さ寸法L2は、センサ長さL1の1.3倍以上である。また、各素子部11a,11bの厚さ寸法は、20〜40nm程度であり、各軟磁性部材12a,12bの厚さ寸法は、0.5〜10μm程度である。
軟磁性体12は、NiFe、CoFe、CoFeSiBやCoZrNb等で形成される。軟磁性体12をスパッタ法、蒸着法、めっき法等で形成することができる。
図1(a)(b)に示すように、第1軟磁性部材12aは、X1側に配置され、第2軟磁性部材12bはX2側に配置される。第1軟磁性部材12a及び第2軟磁性部材12bはY1−Y2方向に沿って平行に配置され、各軟磁性部材12a,12b間にはX1−X2方向への一定の間隔T3が空いている。
図1(a)(b)に示すように第1素子部11aは、第1軟磁性部材12aの下方であって、第1軟磁性部材12aのX2端部14側に配置される。図1に示すように、第1素子部11aは、その一部11a1が第1軟磁性部材12aと垂直方向にて対向している(重なっている)。また第1素子部11aの残りの部分は第1軟磁性部材12aのX2端部14よりもX2側にはみ出しており、第1素子部11aのX2端部30は、第1軟磁性部材12aのX2端部14よりもX2側に位置している。
また図1(a)(b)に示すように第2素子部11bは、第2軟磁性部材12bの下方であって、第2軟磁性部材12bのX1端部15側に配置される。図1に示すように、第2素子部11bは、その一部11b1が第2軟磁性部材12bと垂直方向にて対向している(重なっている)。また第2素子部11bの残りの部分は第2軟磁性部材12bのX1端部15よりもX1側にはみ出しており、第2素子部11bのX1端部31は、第2軟磁性部材12bのX1端部15よりもX1側に位置している。
図1(a)に示すように、第1素子部11aと第2素子部11bは、Y1−Y2方向に沿って平行に配置される。
図1(a)(b)に示すように、平面視(垂直方向(Z1−Z2)からの矢視C)にて、第1軟磁性部材12aのX2端部14から第1素子部11aのX1端部34までのX1−X2方向への距離と、第2軟磁性部材12bのX1端部15から第2素子部11bのX2端部35までのX1−X2方向への距離とは、共に同じ大きさW1である。なお、距離W1は、各素子部11a,11bの各軟磁性部材12a,12bに対するオーバーラップ寸法であり、特に断らない限り、オーバーラップ寸法W1として説明する。
図1(a)に示すように、第1素子部11aのY1端部16と第2素子部11bのY1端部16とが導電層17により電気的に接続される。これにより第1素子部11aと第2素子部11bとが直列に接続される。
図1(a)に示すように第1素子部11aのY2端部18及び第2素子部11bのY2端部18には夫々、導電層19,20が電気的に接続されている。例えば、導電層19は、後述する出力端子に繋がっており、導電層20は、入力端子あるいはグランド端子に繋がっている。
今、図2(a)に示すように検知磁界H3がX2方向に作用したとする。検知磁界H3は、第1軟磁性部材12aと第2軟磁性部材12bとの間に磁路M2を形成する。図2(a)には代表的な磁路M2を図示した。
図2(a)に示すように、磁路M2は、第1軟磁性部材12aのX2端部14と第2軟磁性部材12bのX1端部15間をほぼ直線状に進行する磁路M3のほかに第1軟磁性部材12aのX2端部14と第2軟磁性部材12bのX1端部15間にて垂直方向(Z1−Z2)に広がる磁路M4や、各軟磁性部材12a,12bの下面付近間にて漏れる磁路M5に分岐される。
本実施形態では、図2(a)に示すように、第1素子部11aの一部11a1は、第1軟磁性部材12aと垂直方向(Z1−X2)にて対向(平面視にて重なっている)しており、第2素子部11bの一部11b1は、第2軟磁性部材12bと垂直方向(Z1−Z2)にて対向している。すなわち、各素子部11a,11bの一部11a1,11b1は、各軟磁性部材12a,12bの下方に入り込んでいる。このため、図2(a)の部分拡大図に示すように、各素子部11a,11bには、磁路M5のX2方向に向く磁界H5が作用する。第1素子部11a及び第2素子部11bは、X1方向の感度軸方向Pを有し、X1−X2方向からの検知磁界に対して感度を備えている。ここで「感度」とは、磁界によってフリー磁性層63の磁化方向が変動し、フリー磁性層63の磁化方向と、感度軸方向P(固定磁性層61の固定磁化方向)との間の角度が変動することで、電気抵抗値が変動することを指す。換言すれば磁気抵抗効果が発揮される状態を指す。なお、フリー磁性層63の磁化方向は、外部磁界(検知磁界や外乱磁界)が作用しない無磁場状態では、Y1−Y2方向を向いている。特に本実施形態では、各素子部11a,11bをY1−Y2方向に細長い形状で形成しているため、形状異方性効果により、無磁場のときに、X1−X2方向を向く異方性をフリー磁性層63に付与できる。そして検知磁界が作用することで、フリー磁性層63の磁化方向が変動し電気抵抗値を変化させることができる。
図2(a)では、第1素子部11aと第2素子部11bとの電気抵抗値が共に大きくなり、第1素子部11aと第2素子部11bとを直列に接続してなる磁気抵抗効果素子11の電気抵抗値は大きくなる。
例えば図5(a)に示すように、図1(a)と同様の構成による2つの磁気抵抗効果素子11と、2つの固定抵抗素子22とを用いてブリッジ回路を構成することができる。固定抵抗素子22は外部磁界の作用によって電気抵抗値が変動しない素子である。固定抵抗素子22の材質や構造を特に限定するものでない。図5(a)に示す符号23は入力端子、符号24、25は出力端子、符号26はグランド端子である。
図5(a)に示すブリッジ回路により、2つの磁気抵抗効果素子11の電気抵抗値が変動することで、センサ出力を得ることができる。
このように本実施形態に示す磁気抵抗効果素子11によりX1−X2方向の検知磁界を検知することができる。
あるいは図5(b)に示すように、2つの磁気抵抗効果素子11と、2つの磁気抵抗効果素子27を用いてブリッジ回路を構成することができる。各磁気抵抗効果素子27も、各磁気抵抗効果素子11と同様に、第1素子部27aと第2素子部27bとを備え、これら素子部27a,27bが直列に接続した構成となっている。ただし、各磁気抵抗効果素子27の各素子部27a,27bの感度軸方向は、各磁気抵抗効果素子11の各素子部11a,11bの感度軸方向とは反対方向となっている。これは、磁気抵抗効果素子11と、磁気抵抗効果素子27における固定磁性層の第2磁性層の固定磁化方向を反対方向に向けることで実現できる。
ところで本実施形態では、第1素子部11aおよび第2素子部11bの一部11a1,11b1を夫々、第1軟磁性部材12a及び第2軟磁性部材12bと垂直方向(高さ方向;Z1−Z2)にて対向させている(重ねている)。このため図2(a)で示したように、検知磁界H3が第1軟磁性部材12aと第2軟磁性部材12b間に流入したことにより形成される磁路M2のうち、第1軟磁性部材12aのX2端部14側の下面付近、第2軟磁性部材12bのX1端部15側の下面付近に漏れる磁路M5のX2方向に向く磁界H5の影響を、第1素子部11a及び第2素子部11bが受ける。この磁界H5の磁界強度は、各軟磁性部材12a,12bの端部14,15間で生じる磁路M3,M4上の磁界よりも弱い。一方、従来では、磁路M4上のX2方向に向く磁界が作用する位置に磁気抵抗効果素子を配置していた。
このため、本実施形態では、X2方向に検知磁界H3が作用した際、第1素子部11aおよび第2素子部11bに印加される検知磁界H3の見かけ上の磁界強度(磁界H5の強度)を従来よりも低減でき、従来と比べて、磁気センサSのセンサ感度が高くなりすぎないように制御できる。ここで「センサ感度」とは、例えば1mT当たり1V印加したときの出力(mV)で規定される。
検知磁界H3が作用した際、本実施形態のように各素子部11a,11bを磁路M5上の位置に配置した場合と、従来のように磁路M4上の位置に配置した場合とでは、各素子部11a,11bに作用するX2方向に向く磁界の強度は異なる。すなわち、各素子部11a,11bの配置により、各素子部11a,11bに作用する検知磁界H3の磁界強度が、見かけ上、変化する。従来の磁路M4の位置に磁気抵抗効果素子を配置すると、磁路M4は、各軟磁性部材12a,12bの端部14,15間で生じており、磁気抵抗効果素子に作用するX2方向を向く磁界の強度は非常に強くなる。つまり、従来では、磁気抵抗効果素子に作用する検知磁界H3の見かけ上の磁界強度が大きくなってしまう。一方、各素子部12a,12bの下面12a3,12b3間にも多少、磁界は漏れ出るが、その磁界の磁界強度は、端部14,15間での磁界強度に比べて十分に低い。したがって、磁路M5の位置に各素子部11a,11bを配置すると、X2方向に向く弱い磁界H5が各素子部11a,11bに作用する状態となり、したがって、本実施形態では、各素子部11a,11bに作用する検知磁界H3の見かけ上の磁界強度を小さくすることができる。
このように、磁気抵抗効果素子の軟磁性部材12a,12bに対する配置を代えることで、従来では、磁気抵抗効果素子に作用する検知磁界H3の磁界強度が見かけ上強まり、したがって、出力が大きく出てしまい、センサ感度は高い状態になる。一方、本実施形態では、各素子部11a,11bに作用する検知磁界H3の磁界強度を従来よりも見かけ上小さくでき、したがって従来に比べて出力を小さくでき、センサ感度を低い状態にできる。
ここで「見かけ上」という表現を使用したのは、素子部11a,11bに作用する検知磁界H3の磁界強度が、軟磁性部材12a、12bを介すことで、検知磁界H3そのものの磁界強度(軟磁性部材12a,12bに入る前の磁界強度)から変化してしまうことを意味する。
検知磁界の測定レンジ(検知範囲)は、磁気センサSの出力変動が生じる範囲である。出力は、磁界強度が大きくなればなるほど、いずれ磁気飽和に達して変動しなくなる。磁気センサSのセンサ感度が高ければ、同じ磁界強度の検知磁界H3が作用しても、出力が高くなってしまう。このためセンサ感度が高くなるほど、小さい磁界強度(ここでいう磁界強度とは、各素子部11a,11bに作用する見かけ上の磁界強度ではなく、検知磁界H3そのものの大きさである)で出力が変動しなくなる。よって測定レンジはセンサ感度が高いほど小さくなる。
従来の磁気抵抗効果素子と軟磁性体との配置では、センサ感度が高くなりすぎて測定レンジが非常に狭くなった。
これに対し本実施形態では、各素子部11a,11bの各軟磁性部材12a,12bに対する配置を従来と変えて、磁気センサSのセンサ感度(出力)が高くなりすぎないように制御している。このため本実施形態では従来よりも検知磁界の測定レンジを広げることができる。
なお、図2(a)では、X2方向への検知磁界H3について説明したが、X1方向への検知磁界H3が作用した場合も同様である。
加えて本実施形態では、Y1−Y2方向に作用する外乱磁界H4(図1(a)参照)を第1軟磁性部材12a、及び第2軟磁性部材12bによりシールドできる。すなわち外乱磁界H4は、各軟磁性部材12a,12b内を通るため、各素子部11a,11bに対する外乱磁界H4の影響を小さくできる。特に図1(a)に示すように、各軟磁性部材12a,12bの長さ寸法L2を幅寸法T2よりも長くしており、外乱磁界H4が各軟磁性部材12a,12b内にてY1−Y2方向に平行に通り抜けやすくなっている。また、従来のように、第1軟磁性部材12aと第2軟磁性部材12bとの間の間隔T3内の略中心に磁気抵抗効果素子を配置するよりも、図1(a)(b)に示すように、各素子部11a,11bの一部11a1,11b1を、第1軟磁性部材12aおよび第2軟磁性部材12bと垂直方向(Z1−Z2;高さ方向)にて対向させることで、各軟磁性部材12a,12bのシールド効果を高めることができる。シールド効果をより高めるには、図1に示す第1軟磁性部材12aと第2軟磁性部材12b間のX1−X2方向への間隔T3を狭めることが好ましい。例えば、間隔T3は、1.5〜6.0μm程度である。
また本実施形態では、第1軟磁性部材12a及び第2軟磁性部材12bのY1−Y2方向への長さ寸法L2は、第1素子部11aおよび第2素子部11bのY1−Y2方向への長さ寸法L1よりも長い。そして第1軟磁性部材12aおよび第2軟磁性部材12bの各Y1端部12a1,12b1及び各Y2端部12a2,12b2は、夫々、第1素子部11aおよび第2素子部11bの各Y1側端部16,16および各Y2側端部18,18よりもY1−Y2方向にはみ出している。このように、各軟磁性部材12a,12bを、各素子部11a,11よりも長く形成することで、Y1−Y2方向への外乱磁界H4が各素子部11a,11bに作用するよりも先に効果的に各軟磁性部材12a,12b内を通過させることができ、より優れたシールド効果を得ることができる。
次に、垂直方向(高さ方向;Z1−Z2)からの外乱磁界H5について図2(b)を用いて説明する。
図2(b)に示すように垂直方向からの外乱磁界H5は、各軟磁性部材12a,12bを通り、各軟磁性部材12a,12bの下方に配置された各素子部11a,11bに作用する磁路M6,M7を形成する。図2(b)に示すように、磁路M6は、第1軟磁性部材12aの下面12a3から漏れ出て、第1軟磁性部材12aの下方であってX2端部14側に配置された第1素子部11aに対して略X2方向に作用する。一方、図2(b)に示すように、磁路M7は、第2軟磁性部材12bの下面12b3から漏れ出て、第2軟磁性部材12bの下方であってX1端部15側に配置された第2素子部11bに対して略X1方向に作用する。
図2(b)に示すように各素子部11a,11bの感度軸方向Pは共にX1方向である。よって垂直方向からの外乱磁界H5が作用したことで、第1素子部11aには感度軸方向Pと反対方向の磁界(磁路M6上を通るX2方向に向く磁界)が作用して第1素子部11aの電気抵抗値は大きくなる。一方、第2素子部11bには感度軸方向Pと同じ方向の磁界(磁路M7上を通るX1方向に向く磁界)が作用して第2素子部11bの電気抵抗値は小さくなる。
ところで本実施形態では、図1(a)(b)に示すように、第1素子部11aの第1軟磁性部材12aに対するオーバーラップ寸法と、第2素子部11bの第2軟磁性部材12bに対するオーバーラップ寸法とが共に同じ大きさW1となっている。このため図2(b)に示すように、垂直方向(高さ方向;Z1−Z2)からの外乱磁界H5が作用した際、第1素子部11aにおける基準状態(検知磁界や外乱磁界が作用しない無磁場状態における素子部の電気抵抗値)からの電気抵抗値の上昇分と、第2素子部11bにおける基準状態(検知磁界や外乱磁界が作用しない無磁場状態における素子部の電気抵抗値)からの電気抵抗値の減少分とを略同一にできる。そして、第1素子部11aと第2素子部11bとを直列に接続しているため、垂直方向から外乱磁界H5が作用しても電気抵抗を、無磁場状態とほぼ同じにできる。このように本実施形態では、垂直方向からの外乱磁界H5を、第1素子部11aと第2素子部11bとの間でキャンセルできる。
以上により、本実施形態では、センサ感度を適度に制御でき、検知磁界の測定レンジを広げることができると共に、優れた外乱磁場耐性を備える磁気センサSにできる。
また、第1素子部11a及び第2素子部11bは、X1−X2方向への幅寸法T1に比べてY1−Y2方向の長さ寸法L1のほうが長く形成されている。これにより第1素子部11a及び第2素子部11bに形状異方性を付与でき、無磁場のときに、X1−X2方向を向く異方性をフリー磁性層63に付与できる。これによりヒステリシス及びリニアリティを効果的に改善することができる。
図1に示す第1素子部11aおよび第2素子部11bは、ハードバイアス層(永久磁石層)が設けられていない非バイアス構造であるが、ハードバイアス層を設けてもよい。
図1に示す実施形態では、第1素子部11aのX2端部30は、第1軟磁性部材12aのX2端部14よりもX2側にはみ出している。また、第2素子部11bのX1端部31は、第2軟磁性部材12bのX1端部15よりもX1側にはみ出している。本実施形態では、第1素子部11aおよび第2素子部11bの一部11a1,11b1を、第1軟磁性部材12a及び第2軟磁性部材12bと垂直方向(高さ方向)にて対向させ、残り部分を第1軟磁性部材12a及び第2軟磁性部材12bからはみ出させている。これによりセンサ感度と検知磁界の測定レンジの双方を適度に制御することができる。
図3では、第1素子部11aの全体および第2素子部11bの全体が、第1軟磁性部材12aおよび第2軟磁性部材12bと垂直方向(高さ方向)にて対向した状態となっている。また、図3では、第1素子部11aのX1−X2方向における素子幅の中心線O1を、第1軟磁性部材12aのX1−X2方向における磁性幅の中心線O2よりもX2側にずらしている。また、第2素子部11bのX1−X2方向における素子幅の中心線O3を、第2軟磁性部材12bのX1−X2方向における磁性幅の中心線O4よりもX1側にずらしている。これにより、第1素子部11aは第1軟磁性部材12aのX1端部32よりもX2端部14側に配置される。また、第2素子部11bは第2軟磁性部材12bのX2端部33よりもX1端部16側に配置される。
また図3の実施形態においても、垂直方向からの矢視にて、第1軟磁性部材12aのX2端部14から第1素子部11aのX1端部34までのX1−X2方向の距離と、第2軟磁性部材12bのX1端部16から第2素子部11bのX2端部35までのX1−X2方向の距離とは同じ寸法W2である。
図3に示すように、各素子部11a,11b全体を各軟磁性部材12a,12bの下方に対向させても、第1素子部11aの中心線O1を、第1軟磁性部材12aの中心線O2よりもX2側にずらし、第2素子部11bの中心線O3を、第2軟磁性部材12bの中心線O4よりもX1側にずらすことで、X1−X2方向からの検知磁界を適切に検知できる。本実施形態によれば、センサ感度を低減させ、検知磁界の測定レンジを広げることができる。
また図3に示す実施形態においても、Y1−Y2方向への外乱磁界に対する外乱磁界耐性を備えるとともに、垂直方向(Z1−Z2方向)からの外乱磁界を、第1素子部11aと第2素子部11bとの間でキャンセルでき、垂直方向からの外乱磁界に対する外乱磁界耐性を適切に備える。
図3に示すように、素子部11a,11b全体を軟磁性部材12a,12bの下方に対向させると、検知磁界H3が作用したときの素子部11a,11bに作用する見かけ上の磁界強度を図1の構成よりも低減させることができる。ただし、素子部11a,11b全体を軟磁性部材12a,12bの下方に対向させるとともに、第1素子部11aのX2端部30を、第1軟磁性部材12aのX2端部14からX1方向にずらし、第2素子部11bのX1端部31を、第2軟磁性部材12bのX1端部16からX2方向にずらすと、見かけ上の磁界強度が低下しすぎて、適度なセンサ感度が得られず、逆に検出精度が低下する恐れがある。このため、第1素子部11aのX2端部30を、第1軟磁性部材12aのX2端部14と垂直方向(高さ方向;Z1−Z2)にて、一致させるか、あるいは、図1のように、第1素子部11aのX2端部30を、第1軟磁性部材12aのX2端部14よりもX2側にはみ出させ、第1素子部11aの一部11a1が第1軟磁性部材11aと垂直方向(高さ方向)にて対向した状態とすることが好ましい。同様に、、第2素子部11bのX1端部31を、第2軟磁性部材12bのX1端部16と垂直方向(高さ方向)にて一致させるか、あるいは、図1のように、第2素子部11bのX1端部31を、第2軟磁性部材12bのX1端部16よりもX1側にはみ出させ、第2素子部11bの一部11b1が第2軟磁性部材12bと垂直方向(高さ方向)にて対向した状態とすることが好ましい。これにより、センサ感度と測定レンジの双方を適度に調整でき、検知磁界に対する優れた検知精度及び外乱磁界耐性を備える磁気センサにできる。
本実施形態では、距離(オーバーラップ寸法)(図1や図3に示す寸法W1,W2)/素子幅T1は0.25〜1.25の範囲内であることが好ましく、0.25〜1の範囲内であることがより好ましく、0.5〜1の範囲内であることが更に好ましい。本実施形態では、少なくとも第1素子部及び第2素子部の一部を軟磁性部材の下に配置することで、シールド効果を適切に得ることができる。
また図4に示す実施形態では、二組の第1素子部及び第2素子部を絶縁層40を介して積層している。そして一組目の第1素子部41aと第2素子部41bとの各軟磁性部材12a,12bに対するオーバーラップ寸法W3と、二組目の第1素子部42aと第2素子部42bとの各軟磁性部材12a,12bに対するオーバーラップ寸法W4とは異なる寸法となっている。そして、一組目の第1素子部41aと第2素子部41bとは直列に接続されており、また二組目の第1素子部42aと第2素子部42bとは直列に接続されている。図4に示す、一組目の第1素子部41aと第2素子部41b、及び二組目の第1素子部42aと第2素子部42bの少なくともいずれか一方の各素子部の全部が、図3のように各軟磁性部材12a,12bと垂直方向(高さ方向)にて重ねられていてもよい。
一組目の第1素子部41aと第2素子部41bからなる磁気抵抗効果素子41と、二組目の第1素子部42aと第2素子部42bからなる磁気抵抗効果素子42とでは、素子構造としては同じでありながら見かけ上、感度を異ならせることができる。一組目の第1素子部41aと第2素子部41bからなる磁気抵抗効果素子41と、二組目の第1素子部42aと第2素子部42bからなる磁気抵抗効果素子42とを、別々のセンサ回路に組み込んでもよいし、あるいは、同じセンサ回路に組み込むこともできる。なお、第1素子部と第2素子部との組は3組以上、積層されていてもよい。各組の見かけ上の感度は異なっている。
本実施形態における磁気センサSは、例えば地磁気センサとして使用できる。かかる場合、検知磁界H3は地磁気である。また外乱磁界H4,H5は、地磁気センサを組み込んだ携帯機器内におけるスピーカ等からの外部磁界である。ただし本実施形態における磁気センサは地磁気センサ以外の用途にも適用可能である。
実験では、各素子部11a,11bのオーバーラップ寸法W1が異なる、図1に示す複数の磁気センサSを作製した。
実験では、各素子部11a,11bの素子幅T1を2μmとした。また各軟磁性部材12a、12bの幅寸法T2を、24μmとした。
実験では、X1−X2方向からの検知磁界H3を作用させたときの磁気センサSの出力を測定した。
図7(a)では、オーバーラップ寸法を2.5μmとしているが、各素子部11a,11bの素子幅T1は2μmであるため、図7(a)の状態は、図3と同様に、各素子部11a,11bの全部が、各軟磁性部材12a,12bの下方に対向し、且つ第1素子部11aのX2端部30が、第1軟磁性部材12aのX2端部14よりもX1側に0.5μmだけ入りこみ、第2素子部11bのX1端部31が、第2軟磁性部材12bのX1端部15よりもX2側に0.5μmだけ入りこんだ状態である。
図7(b)では、オーバーラップ寸法W1を2.0μmとしているが、各素子部11a,11bの素子幅T1は2μmであるため、各素子部11a、11bの端部30,31と、各軟磁性部材12a,12bの端部14,15とが垂直方向(高さ方向)にて一致した状態である。
図7(c)から図7(d)の状態は、図1のように、各素子部11a,11bの一部11a1,11b1が、各軟磁性部材12a,12bと垂直方向(高さ方向)で対向し、第1素子部11aのX2端部30が、第1軟磁性部材12aのX2端部14よりもX2側にはみ出し、第2素子部11bのX1端部31が、第2軟磁性部材12bのX1端部15よりもX1側にはみ出した状態である。
図7(e)では、オーバーラップ寸法t1を0.0μmとしており、すなわち、第1素子部11aのX1端部34が、第1軟磁性部材12aのX2端部14と垂直方向(高さ方向)にて一致し、第2素子部11bのX2端部35が、第2軟磁性部材12bのX1端部15と垂直方向(高さ方向)にて一致している。このように図7(e)では、各素子部11a,11bの全体が、各軟磁性部材12a,12bと垂直方向(高さ方向)で重なっていない状態であり、比較例に該当する。
図7(a)から図7(e)にかけて、徐々に出力曲線が急峻に変化していることがわかる。
図8は、図7の各図より求めた、オーバーラップ寸法とセンサ感度及び測定レンジとの関係を示すグラフである。
図8に示すようにセンサ感度が低下すると、測定レンジが大きくなることがわかった。
各素子部全体と各軟磁性部材とが垂直方向にて対向していない比較例(図7(e))よりも、センサ感度を落とし、且つ測定レンジを広げるには、少なくとも各素子部の一部を、各軟磁性部材と垂直方向にて対向させることが必要であるとわかった。
またオーバーラップ寸法を2.5μm(図7(a))とした場合、測定レンジは効果的に広くなるが、かなりセンサ感度が落ち込んでおり、逆に検知精度が悪化しやすくなる。よって、各素子部11a、11bの端部30,31と、各軟磁性部材12a,12bの端部14,15とを垂直方向(高さ方向)にて一致させるか(図7(b))、あるいは、各素子部の一部を各軟磁性部材と垂直方向で対向させることで、センサ感度と測定レンジの双方を適度に調整しやすくなる。
H1、H3 検知磁界
H2、H4、H5 外乱磁界
M1〜M7 磁路
P 感度軸方向
S 磁気センサ
W1〜W4 距離(オーバーラップ寸法)
1、11、27,41、42 磁気抵抗効果素子
4、12 軟磁性体
4a、12a、27a、41a、42a 第1軟磁性部材
4b、12b、27b、41b、42b 第2軟磁性部材
10 基板
11a 第1素子部
11b 第2素子部
14 (第1軟磁性部材の)X2端部
15 (第2軟磁性部材の)X1端部
19、20 導電層
22 固定抵抗素子
30 (第1素子部の)X2端部
31 (第2素子部の)X1端部
32 (第1軟磁性部材の)X1端部
33 (第2軟磁性部材の)X2端部
34 (第1素子部の)X1端部
35 (第2素子部の)X2端部
61 固定磁性層
62 非磁性層
63 フリー磁性層

Claims (6)

  1. 基板上に磁性層と非磁性層とが積層されて成る磁気抵抗効果を発揮する磁気抵抗効果素子と、前記基板のなす面に対して垂直方向に前記磁気抵抗効果素子と間隔を空けて配置された軟磁性体と、を有し、
    前記基板のなす面に水平な面内にて直交する2方向を、X1−X2方向とY1−Y2方向としたとき、
    前記軟磁性体は、前記X1−X2方向に間隔を空けて配置された第1軟磁性部材と第2軟磁性部材とを備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、前記第1軟磁性部材と前記垂直方向にて少なくとも一部が対向する第1素子部と、前記第2軟磁性部材と前記垂直方向にて少なくとも一部が対向する第2素子部とを有し、
    前記第1素子部は前記第1軟磁性部材のX2端部側にて配置され、前記第2素子部は前記第2軟磁性部材のX1端部側に配置されており、前記垂直方向からの矢視にて、前記第1軟磁性部材のX2端部から前記第1素子部のX1端部までの前記X1−X2方向への距離と、前記第2軟磁性部材のX1端部から前記第2素子部のX2端部までの前記X1−X2方向への距離とが同一寸法であり、
    前記第1素子部と前記第2素子部の感度軸方向は前記X1−X2方向で且つ同一方向であり、前記第1素子部及び前記第2素子部は、前記X1−X2方向からの検知磁界に対して感度を備えており、
    前記第1素子部と前記第2素子部とは直列に接続されていることを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記第1素子部のX2端部と、前記第1軟磁性部材のX2端部とが前記垂直方向にて一致しているか、あるいは、前記第1素子部のX2端部は、前記第1軟磁性部材のX2端部よりもX2側にはみ出しており、
    前記第2素子部のX1端部と、前記第2軟磁性部材のX1端部とが前記垂直方向にて一致しているか、あるいは、前記第2素子部のX1端部は、前記第2軟磁性部材のX1端部よりもX1側にはみ出している請求項1記載の磁気センサ。
  3. 前記第1軟磁性部材及び前記第2軟磁性部材は、前記X1−X2方向への幅寸法に比べてY1−Y2方向の長さ寸法のほうが長く形成されており、
    前記第1素子部及び前記第2素子部は、前記X1−X2方向への幅寸法に比べてY1−Y2方向の長さ寸法のほうが長く形成されている請求項1又は2に記載の磁気センサ。
  4. 前記第1軟磁性部材及び前記第2軟磁性部材の前記Y1−Y2方向への長さ寸法は、前記第1素子部及び前記第2素子部の前記Y1−Y2方向への長さ寸法より長く、前記第1軟磁性部材及び前記第2軟磁性部材の各Y1側端部及び各Y2側端部は、夫々、前記第1素子部及び前記第2素子部の各Y1側端部及び各Y2側端部よりもY1−Y2方向にはみ出している請求項3記載の磁気センサ。
  5. 前記磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを組み合わせて、あるいは、前記感度軸方向が互いに異なる複数の前記磁気抵抗効果素子を組み合わせて、ブリッジ回路が構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1素子部と前記第2素子部からなる組が複数、積層されており、前記第1軟磁性部材のX2端部から前記第1素子部のX1端部までの前記X1−X2方向への距離及び前記第2軟磁性部材のX1端部から前記第2素子部のX2端部までの前記X1−X2方向への距離が、各組で異なっている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁気センサ。
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