JP2013210236A - 熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器 - Google Patents

熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】犠牲層エッチングの際に保護膜にクラックが入っても膜剥がれに至らず、熱型光検出器の歩留まりを向上すること。
【解決手段】赤外線検出器10Aは、熱型光検出部30と、熱型光検出部30を支持する支持部材40と、支持部材40を支持するポスト62と、ポスト62に接続され、支持部材40と離間された絶縁層23とを有する。絶縁層23に平面視で支持部材40の中央部と重なる部分に凹部22を有し、凹部22の内面は第1保護膜24に覆われており、絶縁層23と凹部22の少なくとも1部は第2保護膜25に覆われている。支持部材40と絶縁層23とを離間する際のエッチングにおいて、凹部22の領域内で第2保護膜25にクラックが生じ、エッチャントが進入しても、エッチャントは凹部22の内部の第1保護膜24でストップするため、絶縁層23の破損に至らず、熱型光検出部30の歩留まりを向上することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器に関する。
熱型光検出装置として、焦電型またはボロメーター型の検出装置が知られている。赤外線検出装置は、赤外線吸収膜の赤外線吸収による発熱に基づいて、検出素子にて起電力を生じさせるか(焦電型)、または抵抗値を変化させて(ボロメーター型)、赤外線を検出している。
このような熱型光検出装置では、赤外線吸収率を高めて感度を向上させるために、熱型光検出部とポストを支持する基板との間に空洞部を設け、熱コンダクタンスを下げて、感度を上げる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−226891号公報
特許文献1のような構造の熱型光検出器は、基板と熱型光検出部とを離間するために、基板と熱型光検出部との間を満たしている犠牲層をエッチングして形成している。この場合、犠牲層のエッチング時において、熱型光検出部の真下部分は犠牲層が最後にエッチングされる箇所になる。この箇所では、熱型光検出部が犠牲層からリリースされる瞬間に、熱型光検出部を支持するメンブレンの応力で基板側のエッチング保護膜にクラックが生じることがある。そのクラックからエッチャントが進入すると、エッチング保護膜に覆われていた絶縁層がエッチングされ、熱型光検出器が破損して歩留まりが低くなるという課題があった。
そこで、歩留まりを高めることができる熱型光検出器が求められていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る熱型光検出器は、入射した光を吸収し熱を検出する熱型光検出部と、前記熱型光検出部を支持する支持部材と、前記支持部材を支持するポストと、前記ポストに接続され、前記支持部材から離間した絶縁層と、を有し、前記絶縁層は、前記絶縁層の厚み方向の平面視において、前記支持部材の中央部と重なる部分に凹部を有し、前記凹部の内面は、第1保護膜に覆われており、前記支持部材と対向する前記絶縁層、及び前記凹部の少なくとも一部が第2保護膜で覆われていることを特徴とする。
本適用例によれば、入射する光が熱型光検出部に吸収され、吸収された赤外線による発熱が、熱型光検出部にて起電力(温度に基づく自発分極による電荷)を生じさせ、または抵抗値を変化させる等により、光を検出することができる。この際、熱型光検出部は熱型光検出部を支持する支持部材と、支持部材を支持するポストによって、絶縁層から離間しており、熱型光検出部と絶縁層とは熱分離され、熱損失を少なくして検出することができる。
そして絶縁層は平面視において、支持部材の中央部と重なる部分に凹部を有し、凹部内面は第1保護膜に覆われており、絶縁層、及び凹部の少なくとも一部は第2保護膜で覆われている。
支持部材と絶縁層を離間するためには、支持部材と絶縁層との間を満たしている犠牲層をエッチングすることで形成することができる。支持部材の中央部は、犠牲層が最後にエッチングされる部分になる。この部分では、支持部材が犠牲層からリリースされる瞬間に支持部材の応力で第2保護膜にクラックが生じる。
第2保護膜にクラックが生じると、凹部内部にエッチャントが進入する。しかし、エッチャントは第1保護膜に覆われた凹部の中でストップするため、絶縁層がエッチングされず、熱型光検出器の破損に至らない。このように、本適用例の構造によれば、凹部の内面を覆う第1保護膜によりエッチングがストップし、熱型光検出器が破損せず、熱型光検出器の歩留まりを向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に係る熱型光検出器において、前記凹部は、前記絶縁層の厚み方向の平面視において、外郭線が曲線で構成されることが好ましい。
本適用例によれば、平面視において凹部の外郭線が曲線で構成されている。この場合、凹部下層の絶縁層が、製造工程で掛かる熱によって絶縁層が収縮しても、収縮による応力が1点に集中する部分が無い。このため、応力集中による凹部の破損を無くし、熱型光検出器の歩留まりを高くする効果を得ることができる。
[適用例3]上記適用例に係る熱型光検出器において、前記凹部は、前記絶縁層の厚み方向の平面視において、外郭線が円形状であることが好ましい。
本適用例によれば、平面視において凹部の外郭線が円形状で構成されている。この場合、製造工程で掛かる熱によって絶縁層が収縮しても、収縮による応力は、凹部の周辺に等方的に作用するため、応力が集中する部分が無い。このため、絶縁層の応力集中による凹部の破損を無くし、熱型光検出器の歩留まりを高くする効果を得ることができる。
[適用例4]上記適用例に係る熱型光検出器において、前記凹部の深さは、前記絶縁層の厚みよりも小さいことが好ましい。
本適用例によれば、凹部の深さが、絶縁層の厚さよりも小さいと、絶縁層の下にある基板などが露出することが無い。そのため、第1保護膜の膜剥がれによる熱型光検出器の破損を無くし、熱型光検出器の歩留まりを高くする効果を得ることができる。
[適用例5]本適用例に係る熱型光検出装置は、上記の熱型光検出器を互いに直交する二軸方向に沿ってアレイ状に配置したことを特徴とする。
本適用例によれば、この熱型光検出装置は、熱型光検出器がアレイ状(格子状)に二次元配置されているので、光の分布画像を提供できる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記の熱型光検出器を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は、熱型光検出器を有している。この熱型光検出器は、製造工程における破損を防止する構造を有しており、コストを低減する電子機器を提供できる。また、本適用例の熱型光検出器は、熱型光検出部と絶縁層との間が空洞により熱分離された構造であるため検出感度が高く、電子機器は感度良く検出信号を出力することができる。
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記の熱型光検出装置を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は、熱型光検出装置を有している。この熱型光検出装置は、製造工程における破損を防止する構造を有しており、コストを低減する電子機器を提供できる。また、本適用例の熱型光検出器は、熱型光検出部と絶縁層との間が空洞により熱分離された構造であるため検出感度が高く、電子機器は感度良く光分布画像を出力することができる。
実施形態1における赤外線検出装置の構成を示す模式平面図。 実施形態1における赤外線検出器の構成を示し、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図。 赤外線検出器の製造方法を説明するための模式図。 赤外線検出器の製造方法を説明するための模式図。 基板と支持部材とを離間工程におけるクラックを説明するための模式図。 実施形態2における赤外線検出器の構成を示し(a)は模式平面図、(b)は模式断面図。 実施形態3におけるサーモグラフィーの構成を示す概略斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、熱型光検出装置としての赤外線検出装置を示す模式平面図である。図1に示すように、赤外線検出装置1は基板20を備えている。そして、基板20上に1セル分の熱型光検出器としての赤外線検出器10Aが、格子状(マトリクス状)に二次元配置されている。1セルは赤外線検出器10Aが載置された区画を示す。各赤外線検出器10Aは赤外線を検出するので、赤外線検出装置1は赤外線の分布を検出可能となっている。そして、赤外線検出装置1は熱(光)分布画像を提供することができる。
図2(a)は、赤外線検出器を示す模式平面図である。図2(b)は赤外線検出器を示す模式断面図であり、図2(a)のII−II線に沿った模式断面図である。まず、実施形態1に係る赤外線検出器10Aの概略構成について説明する。
図2(a)及び図2(b)に示すように、赤外線検出器10Aは、基板20と、絶縁層23と、光吸収膜32が配置された熱型光検出部30(広義には熱型光検出素子)を有し、熱型光検出部30は板状の支持部材(メンブレムとも称す)40に設置されている。尚、熱型光検出部30を構成する膜のうちの最も対象検出光に対する吸収率の高い膜を、光吸収膜32としてよい。支持部材40は、支持部材40を支持するポスト62によって、絶縁層23と離間されて設置されている。
絶縁層23の厚み方向の平面視において、絶縁層23の支持部材40の中央部と重なる部分には凹部22を有し、凹部22の内面は第1保護膜24で覆われている。そして、絶縁層23と、凹部22の少なくとも一部は第2保護膜25で覆われている。
支持部材40と絶縁層23とを離間するためには、支持部材40と絶縁層23との間を満たしている犠牲層をエッチングすることで形成することができる。支持部材40の中央部は、犠牲層が最後にエッチングされる部分になる。この部分では、支持部材40が犠牲層からリリースされる瞬間に支持部材40の応力で第2保護膜25にクラックが生じることがある。
第2保護膜25にクラックが生じると、凹部22内部にエッチャントが進入する。しかし、エッチャントは第1保護膜24に覆われた凹部22の中でストップするため、絶縁層23がエッチングされず、絶縁層23、基板20が破損するまでには至らない。そのため赤外線検出器10Aおよび赤外線検出装置1の歩留まりを向上させることができる。
この赤外線検出器10Aでは、入射する赤外線が光吸収膜32にて吸収され、吸収された赤外線による発熱が、熱型光検出部30にて起電力を生じさせ、または抵抗値を変化させることで、赤外線を検出することができる。この際、熱型光検出部30を搭載する支持部材40と、基板20上に形成された絶縁層23とは離間されている。このため、熱型光検出部30と基板20とは熱分離され、熱損失を少なくして赤外線を検出することができる。
支持部材40は、熱型光検出部30を搭載する搭載部材42と、一端が搭載部材42に連結され、他端が基板20側に支持されたアーム44、例えば第1アーム44A及び第2アーム44Bの2本を有する。2本の第1アーム44A及び第2アーム44Bには、熱型光検出部30と接続される配線層46(46A,46B)を形成することができる。尚、アーム44を1本設け、配線層46A,46Bを1本のアーム44に形成しても良い。
基板20と支持部材40とを熱分離するために、基板20の搭載部材42側にはスペーサー層60を介して2つのポスト62が立設されている。その2つのポスト62にそれぞれ第1アーム44A及び第2アーム44Bが支持されている。このように、スペーサー層60とポスト62とにより、基板20と支持部材40とを離間することができる。支持部材40は体積の小さなポスト62を介して基板20に支持されるので、支持部材40から基板20に向う熱伝達経路の熱コンダクタンスは低くなる。従って、赤外線検出器10Aは光吸収膜32を含む熱型光検出部30からの熱の散逸を低減できる。
尚、スペーサー層60とポスト62とは、支持部材40と基板20とが離間される距離を規定するものである。スペーサー層60は必ずしも必要ではなく、ポスト62のみを設けるものであっても良い。
熱型光検出部30がボロメーター型の場合には抵抗層で形成される。本実施形態の熱型光検出部30は焦電型の熱型光検出素子であり、熱型光検出部30はキャパシター34を含んでいる。
キャパシター34は、搭載部材42に搭載される第1電極34Aと、第1電極34Aと対向配置される第2電極34Bとを有する。さらに、キャパシター34は第1電極34A及び第2電極34Bの間に配置される焦電材料としての強誘電体膜34Cとを含んでいる。第1電極34Aは配線層46Bに、第2電極34Bは配線層46Aに接続される。キャパシター34は、赤外線に起因した発熱に基づいて自発分極し、その自発分極による電荷を取り出すことで、赤外線を検出することができる。
赤外線検出法としては、例えば、機械式チョッパーで赤外線を断続させて交番する電気分極現象として取り出す方法がある。あるいは、自発分極の向きに対して表面電荷を引き寄せる極性の電圧を印加し、電圧印加停止後に引き寄せられた電荷に応じて変化したキャパシター両端電圧を検出する方法がある。
このキャパシター34の側面と天面は、例えば、強誘電体膜34Cの還元による劣化を防止するための水素バリア膜36と、電気絶縁膜38とにより覆うことができる。さらに、電気絶縁膜38を覆う保護膜39を配置することができる。保護膜39は、光吸収膜32を形成するときにキャパシター34を保護するために配置された膜である。光吸収膜32は、保護膜39を覆って形成されている。この光吸収膜32、支持部材40、配線層46を含む赤外線検出器10Aの表面側は、上部保護膜70により覆われている。この上部保護膜70は、基板20と支持部材40とを離間する際の犠牲層をエッチングにより形成する際のマスク層として機能する。
(赤外線検出器の製造方法)
次に、赤外線検出器10Aの製造方法について図3、及び図4に沿って説明する。図3、及び図4は赤外線検出器の製造方法を説明するための模式図である。
(1)凹部等形成工程
まず、図3(a)に示すように、基板20上に絶縁層23を形成し、マスク層(図示せず)を形成して、絶縁層23をエッチングして凹部22を形成する。さらに第1保護膜24を形成し、絶縁材料21で凹部22を埋め込み、第2保護膜25を形成する。第1保護膜24は絶縁層23と凹部22の内面とを覆って形成する。絶縁層23は、例えば基板20を熱酸化したSiO2等の絶縁膜等で形成することができる。第1保護膜24は厚さ0.2μm程度のSiN膜等にて形成することができる。絶縁材料21は、SiO2等の絶縁膜等で形成することができる。
絶縁材料21は、絶縁層23の表面と、凹部22底面との距離よりも厚く形成する。このため、凹部22は絶縁材料21によって埋め込まれる。次に、絶縁材料21の表面を、凹部22以外は絶縁層23が露出するまで平坦化する。絶縁材料21の平坦化には、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)を用いることができる。これによって絶縁材料21は、凹部22のみに埋め込まれた状態になる。
この後、絶縁層23と絶縁材料21とを第2保護膜25が覆って形成する。第2保護膜25は厚さ0.2μm程度のSiN膜等にて形成することができる(図3(b)参照)。
この後、第2保護膜25上にスペーサー層60を形成する。スペーサー層60は、例えばアルミニウム等の金属膜等で形成することができる。
(2)犠牲層等形成工程
次に、図3(b)に示すように、犠牲層80、ポスト62を形成する。まず、第2保護膜25上に犠牲層80を形成する。犠牲層80の材料としては、第2保護膜25の材料よりも選択比が高い材料が採用される。例えば、第2保護膜25の材料として、犠牲層80のエッチング時のストップ膜として機能させるSiNを用いたとき、特定エッチャントに対してSiNに対するよりも選択比が高いSiO2を用いることができる。尚、選択比はエッチングを行いたい膜とエッチングを行いたくない膜のエッチングレートの比を示す。
犠牲層80の表面は平坦化され、ポスト62を形成するためのホールを形成した後、ポスト62を埋め込み形成する。ポスト62は、例えばアルミナ(Al23)等のアルミニウム酸化物(AlOx)の単層構造や、外層Al23及び内層SiO2の二層構造等とすることができる。ポスト62の高さは例えば2μm程度である。
(3)支持部材等形成工程
次に、図3(c)に示すように、支持部材40の元になる支持層40Aを形成する。支持層40Aの材料としては、犠牲層80の材料として、例えばSiO2を用いた場合には、エッチング時のストップ膜として機能させるSiNを用いることができる。
(4)赤外線検出素子のキャパシター形成工程
次に、図3(d)に示すように、支持層40Aのうち搭載部材42に相当する領域の支持層40A上に、熱型光検出部30を形成する。本実施形態では、熱型光検出部30は焦電型検出素子であるため、光吸収膜32とキャパシター34(焦電型検出素子)とを形成する。
まず、搭載部材42に相当する領域内に第1電極34Aを形成する。次に、第1電極34A上に強誘電体膜34Cを積層して形成する。続いて、強誘電体膜34C上に第2電極34Bを積層して形成する。これにより、第1電極34Aと第2電極34Bとの間に強誘電体膜34Cが積層させた構造のキャパシター34が形成される。
第1電極34A及び第2電極34Bは、強誘電体膜34Cから遠い位置から順に例えばスパッタリングにて形成されるイリジウム(Ir)、イリジウム酸化物(IrOx)及びプラチナ(Pt)の三層構造とすることができる。尚、第1電極34Aの下地層として、TiAlN3(チタンアルミナイトライド)等を設けることができる。
強誘電体膜34Cは焦電材料を有し、例えばPZT(Pb(Zi,Ti)O3、チタン酸ジルコン酸鉛)をゾルゲル法やスパッタリング法、MOCVD法等で成膜することができる。第1電極34A及び第2電極34Bはそれぞれ膜厚が例えば0.4μm程度であり、強誘電体膜34Cは膜厚が例えば0.1μm程度である。
(5)光吸収膜等形成工程
次に、図4(e)に示すように、キャパシター34の側面と天面を覆って、例えば水素バリア膜36及び電気絶縁膜38をそれぞれ形成する。水素バリア膜36は例えばアルミナ(Al23)等のアルミニウム酸化物(AlOx)にてスパッタリング法またはCVD法等にて形成する。電気絶縁膜38は、キャパシター34の第2電極34Bに接続される配線層46Aを形成するために、キャパシター34を電気的に絶縁している。図示していないが、水素バリア膜36と電気絶縁膜38の天面にはコンタクトホールが形成され、このコンタクトホールにプラグが埋め込み形成されると共に、電気絶縁膜38上に形成される配線層46Aがプラグに接続される。尚、配線層46A,46Bは、電気絶縁膜38を形成した後に形成しても良い。
この後、支持層40A上に配線層46を形成する。この時点ではアーム44はパターニングされてなく、支持層40Aのままである。そして、搭載部材42上の配線層46とアーム44上の配線層46とをこの工程にて形成する。配線層46には、後に形成される第1電極34A及び第2電極34Bに接続されるものがある。下部電極である第1電極34Aに接続される配線も、この工程にて形成される。これらの配線層46は、Ti/TiN層、Al層等の金属にて形成できるが、上述した通り透光性を確保するには透明電極(ITO)にて形成することが好ましい。尚、配線層46は例えば0.2μm程度の膜厚で形成された後に、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングされる。
さらに、電気絶縁膜38と支持層40Aとを覆って保護膜39を形成する。保護膜39は例えばSIN等の材料をスパッタリング法もしくは蒸着法を用いて形成することができる。そして、保護膜39に重ねて光吸収膜32を形成する。光吸収膜32は、例えばSiO2、SiN、SiCNまたはTiN等の材料にて、例えば膜厚2μm程度で形成することができる。
この後、光吸収膜32、電気絶縁膜38、支持層40A、配線層46を含む赤外線検出器10Aの全表面を覆って、上部保護膜70を形成する。上部保護膜70は、SiNにて例えば膜厚が0.2μm程度で形成される。
(6)支持部材のパターニング工程
次に、図4(f)に示すように、支持層40Aをパターニングして、搭載部材42と第1アーム44A及び第2アーム44Bを有する支持部材40を形成する。この工程は、支持層40Aの形成材料である例えばSiNを異方性エッチングすることで行なわれる。この異方性エッチングは、搭載部材42と第1アーム44A及び第2アーム44Bとなる領域をマスク層にて被覆して、例えばCF4と酸素との混合ガスに窒素や塩素を添加したエッチングガスや、フッ素と酸素との混合ガスに窒素を添加したエッチングガスを用いて実現できる。
この異方性エッチングにより、搭載部材42、第1アーム44A、第2アーム44B以外の場所では、下地の犠牲層80が露出した開口85が形成される。
(7)基板と支持部材との離間工程
図4(g)に示すように、最後に、開口85を含む全開口をエッチング媒体が通過する孔であるエッチング孔として利用し、等方性エッチングにより下地の犠牲層80を除去する。この等方性エッチングは、フッ酸(HF)を用いたウェットエッチングにより行なうことができる。この際、赤外線検出器10Aの表面は、エッチング孔を除いて上部保護膜70(例えばSiN)にて覆われており、この上部保護膜70を等方性エッチング時のマスク層として利用できる。また、基板20の少なくとも絶縁層23上には第2保護膜25(例えばSiN)が形成されているので、この第2保護膜25を等方性エッチングのエッチングストップ膜として利用する。
このようにして、赤外線検出器10Aを製作することができる。また、赤外線検出器10Aを基板に多数配置することで、同様な工程を経て図1に示す赤外線検出装置1の製作が可能である。
(基板と支持部材との離間工程における、第2保護膜のクラック発生について)
次に、基板と支持部材との離間工程における、第2保護膜25に形成されるクラック発生について図5を用いて説明する。図5(a)は赤外線検出器の模式平面図であり、図5(b)は赤外線検出器の模式断面図である。
図5(a)及び図5(b)に示すように、犠牲層80のエッチングが進行して、絶縁層23と支持部材40とが離間される。この犠牲層80のエッチングは等方的に進む為、絶縁層23と支持部材40が離間される際に最後に犠牲層80が存在する部分は、平面視で凹部22の領域内である。このとき、犠牲層80は第2保護膜25と支持部材40との間に、第2保護膜25と支持部材40とに接触して存在している。犠牲層80と支持部材40とは、犠牲層80の材料として、例えばSiO2を用いた場合には、第2保護膜25と支持部材40とにエッチング時のストップ膜として機能させるSiNを用いることができる。支持部材40の材料としてSiNを用いた場合、SiNは引張り応力を持つため、犠牲層80のエッチング終了前には、支持部材40に接触している犠牲層80が、支持部材40の方向へ力を受ける。このため、犠牲層80が支持部材40側へ引っ張られる。犠牲層80は第2保護膜25と密着している為、犠牲層80と共に第2保護膜25も引っ張られる。犠牲層80と比較して第2保護膜25は膜厚が薄い為、膜応力が小さい。そのため、第2保護膜25が支持部材40側へ引っ張られると、犠牲層80と第2保護膜25との接触面の周辺部から第2保護膜25にクラック90が入る場合がある。第2保護膜25へのクラック90は、犠牲層80と第2保護膜25との接触面の近傍で起こる為、平面視で凹部22の領域内で発生する。
第2保護膜25にクラック90が入ると、クラックからエッチャントが進入する。第2保護膜25の基板側は絶縁材料21で満たされており、絶縁材料21は例えばSiO2である。この場合、絶縁材料21は犠牲層80と同じ材料であるため、第2保護膜25から進入したエッチャントによってエッチングされる。クラックは平面視で凹部22の領域内であり、凹部22の内面は第1保護膜24で覆われている為、エッチングは第1保護膜24でストップする。このため、エッチングが絶縁層23、基板20に進行して絶縁層23、基板20を破損させることがない。
以上述べたように、本実施形態にかかる赤外線検出装置1及び赤外線検出器10Aによれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、犠牲層80をエッチングする際に、第2保護膜25にクラック90が生じても、クラック90から進入したエッチャントが凹部22の内面に形成された第1保護膜24でストップするため、エッチングが進行して絶縁層23および基板20に割れが生じない。従って、赤外線検出装置1及び赤外線検出器10Aの歩留まりを向上することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2にかかる特徴的な熱型光検出器について図6を用いて説明する。尚、本実施形態において、上記実施形態1と同様の部材または部位については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態が実施形態1と異なるところは、凹部22の外郭線が曲線で構成されていることである。
図6(a)は、本実施形態の赤外線検出器の模式平面図であり、支持部材40から基板20側を見た図である。図6(b)は赤外線検出器の模式断面図であり、図6(a)のIII−III線に沿った断面図である。この赤外線検出器10Bは1セル分を示している。まず、赤外線検出器10Bの概略構成について説明する。
図6(a)に示すように、平面視で凹部22の外郭線が曲線で構成されている。この凹部22の外郭線を曲線で形成することで、凹部22の下層の絶縁層23及び第1保護膜24が、製造工程で掛かる熱によって収縮しても、収縮による応力が1点に集中する部分が無い。このため、応力集中による第1保護膜24の破損を無くし、赤外線検出器10Bの歩留まりを高くする効果を得ることができる。
以上述べたように、本実施形態にかかる赤外線検出器10Bによれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、凹部22の外郭線が曲線で構成されている。凹部22の下層の絶縁層23及び第1保護膜24が、製造工程で掛かる熱によって収縮しても、収縮による応力が1点に集中する部分が無い。このため、応力集中による第1保護膜24の破損を無くし、赤外線検出素子の歩留まりを高くする効果を得ることができる。
なお、上記実施形態では、凹部22の外郭線を楕円状の曲線で形成したが、この外郭線を円形状に形成しても良い。この場合、製造工程で掛かる熱によって絶縁層23が収縮しても、収縮による応力は、凹部22の周辺に等方的に作用するため、応力が集中する部分が無い。このため、絶縁層23の応力集中による凹部22の破損を無くし、熱型光検出器の歩留まりを高くする効果を得ることができる。
(実施形態3)
次に、赤外線検出装置1を応用した1例である電子機器としてのサーモグラフィーを説明する。図7はサーモグラフィーの構成を示す概略斜視図である。図7に示すようにサーモグラフィー110は外装部111とレンズ部112とを備えている。そして、外装部111の内部に赤外線に感応する撮像部113を備えている。そして、撮像部113に赤外線検出装置1が用いられている。
以上述べたように、本実施形態にかかる電子機器としてのサーモグラフィー110によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、サーモグラフィー110は、赤外線検出装置1を有している。この赤外線検出装置1は素子破壊が少なく、歩留まりが高い為、サーモグラフィー110のコストを低下することができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
実施形態1では赤外線検出器10Aは焦電型であったが、ボロメーター型の赤外線検出器に適用できる。この場合にも、歩留まりを向上することができる。
(変形例2)
実施形態1では赤外線検出器10Aは赤外線を検出するセンサーであったが、検出対象は赤外線に限らない。赤外線以外の波長帯域の光であっても良い。この場合にも、歩留まりを向上させることができる。
(変形例3)
実施形態3ではサーモグラフィー110に赤外線検出装置1を搭載した例を示した。赤外線検出装置1は、サーモグラフィーの他、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラ等の電子機器に搭載することができる。
(変形例4)
実施形態3の電子機器では赤外線検出装置1を搭載したが、赤外線検出器10A、10Bを搭載した赤外線検出カウンターなどの電子機器であっても良い。
以上、いくつかの実施形態及び変形例について説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例は総て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
1…熱型光検出装置としての赤外線検出装置、10A,10B…熱型光検出器としての赤外線検出器、20…基板、22…凹部、23…絶縁層、24…第1保護膜、25…第2保護膜、30…熱型光検出部、40…支持部材、42…搭載部材、44A,44B…アーム、62…ポスト、80…犠牲層、110…電子機器としてのサーモグラフィー。

Claims (7)

  1. 入射した光を吸収し熱を検出する熱型光検出部と、
    前記熱型光検出部を支持する支持部材と、
    前記支持部材を支持するポストと、
    前記ポストに接続され、前記支持部材から離間した絶縁層と、を有し、
    前記絶縁層は、前記絶縁層の厚み方向の平面視において、前記支持部材の中央部と重なる部分に凹部を有し、
    前記凹部の内面は、第1保護膜に覆われており、
    前記支持部材と対向する前記絶縁層、及び前記凹部の少なくとも一部が第2保護膜で覆われていることを特徴とする熱型光検出器。
  2. 前記凹部は、前記絶縁層の厚み方向の平面視において、外郭線が曲線で構成されることを特徴とする請求項1に記載の熱型光検出器。
  3. 前記凹部は、前記絶縁層の厚み方向の平面視において、外郭線が円形状であることを特徴とする請求項1に記載の熱型光検出器。
  4. 前記凹部の深さは、前記絶縁層の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱型光検出器。
  5. 請求項1に記載の熱型光検出器を互いに直交する二軸方向に沿ってアレイ状に配置したことを特徴とする熱型光検出装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱型光検出器を含むことを特徴とする電子機器。
  7. 請求項5に記載の熱型光検出装置を含むことを特徴とする電子機器。
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