JP2011237282A - 検出器の製造方法 - Google Patents

検出器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011237282A
JP2011237282A JP2010109035A JP2010109035A JP2011237282A JP 2011237282 A JP2011237282 A JP 2011237282A JP 2010109035 A JP2010109035 A JP 2010109035A JP 2010109035 A JP2010109035 A JP 2010109035A JP 2011237282 A JP2011237282 A JP 2011237282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support member
layer
electrode
sacrificial layer
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010109035A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukio Yamauchi
幸夫 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010109035A priority Critical patent/JP2011237282A/ja
Publication of JP2011237282A publication Critical patent/JP2011237282A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

【課題】 検出素子を空洞部の上方にて支持する支持部材の反りや切断を抑制できる検出器の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 検出器の製造方法は、固定部100に空洞部102を形成し、前記空洞部102に犠牲層150を形成する前に、形成される支持部材210に生ずる応力方向と同じ方向に外力EFを前記固定部100に付与し、前記空洞部102に形成された前記犠牲層150に前記支持部材210を形成し、前記犠牲層150を除去する前に、前記外力EFを解除する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、検出器の製造方法等に関する。
熱型光検出装置として、焦電型またはボロメーター型の赤外線検出装置が知られている。赤外線検出装置は、受光した赤外線の光量(温度)によって焦電体材料の自発分極量が変化すること(焦電効果またはパイロ電子効果)を利用して焦電体の両端に起電力(分極による電荷)を生じさせるか(焦電型)、または温度によって抵抗値を変化させて(ボロメーター型)、赤外線を検出している。焦電型赤外線検出装置は、ボロメーター型赤外線検出装置と比較して、製造工程が複雑である反面、検出感度が優れるという利点がある。
熱型光検出素子(広義には熱型検出素子、より広義には検出素子)は冷却装置をもたない構造であるのが通常である。よって、素子を気密パッケージに収容する等して、素子を減圧環境下に置き、さらに基板や周辺膜と熱分離して、受光した光(赤外線等)によって生じる熱が周囲へ極力拡散しない構造とする必要がある。熱の基板への散逸を防いで熱型光検出素子の検出特性の低下を抑制するためには、例えば、基板と熱型光検出素子との間に、熱分離用の空洞部を設ける構造を採用することが有効である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。特許文献1には、熱分離用の空洞部を有する熱型赤外線アレイセンサーが示され、特許文献2には、熱分離用の空洞部を有する焦電型赤外線検出素子が示されている。
特開2000−205944号公報 特開2002−214038号公報
熱型光検出素子(広義には検出素子)は、基板に支持されたメンブレンに搭載される。熱型光検出素子と対向する領域では、メンブレンと基板との間に空洞部が形成される。製造過程では、基板の空洞部に犠牲層が埋め込み形成され、その犠牲層の上にメンブレンが形成され、さらにメンブレンの上に熱型光検出素子が形成される。
検出素子の範囲は、熱型光検出素子の他、例えば超音波検出素子、加速度検出素子等を含む。検出素子も、熱型光検出素子(広義には熱型検出素子)と同様な構造を有することができる。
この製造過程では、犠牲層が平坦である限りメンブレンも平坦性を有するが、最終工程にて犠牲層を等方性エッチングで除去すると、メンブレンに反りが発生するという課題が見出された。場合によっては、メンブレンが切断されるという課題も見出された。
本発明の幾つかの態様では、検出素子を支持する部材に生ずる反りや切断を抑制できる検出器の製造方法を提供することにある。
(1)本発明の一態様に係る検出器の製造方法は、
固定部に空洞部を形成し、
前記空洞部に犠牲層を形成する前に、形成される支持部材に生ずる応力方向と同じ方向に外力を前記固定部に付与し、
前記空洞部に形成された前記犠牲層に前記支持部材を形成し、
前記犠牲層を除去する前に、前記外力を解除することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、外力を固定部に付与し後に支持部材を形成し、犠牲層を除去する前に、外力を解除することで、支持部材の反りや切断を抑制することができる。
(2)本発明の一態様では、前記犠牲層と対向する前記固定部の面に前記支持部材と同種の部材を形成して前記外力を前記固定部に付与することができる。
こうすると、固定部に同種の部材を形成することで、外力を発生させることができる。
(3)本発明の他の態様に係る検出器の製造方法は、
支持部材冗長長さ形成用の少なくとも1つの凹部又は凸部を犠牲層に形成し、
前記少なくとも1つの凹部又は凸部に沿って支持部材を形成し、
その後前記犠牲層を除去することを特徴とする。
本発明の他の態様によれば、支持部材に冗長部分が付加されているので、支持部材の引張残留応力に起因して支持部材が伸びても支持部材の切断を抑制することができる。
(4)本発明の他の態様では、前記犠牲層を化学的機械的研磨することにより、前記少なくとも1つの凹部又は凸部を形成することができる。
こうすると、化学的機械的研磨で少なくとも1つの凹部又は凸部を形成することができる。
(5)本発明の他の態様では、前記犠牲層をエッチングすることにより、前記少なくとも1つの凹部又は凸部を形成することができる。
こうすると、エッチングで少なくとも1つの凹部又は凸部を形成することができる。
(6)本発明の他の態様では、前記少なくとも1つの凹部又は凸部の深さをhとし、曲率半径をRとすると、前記少なくとも1つの凹部又は凸部は、前記曲率半径で定義される仮想的な円に接し、σを前記支持部材に生ずる引張残留応力とし、Eを前記支持部材の固定部のヤング率とし、Tを前記固定部の厚さとし、νを前記支持部材のポアソン比とし、tfを前記支持部材の厚さ、dを前記固定部の空洞部の厚さとすると、hとRは、以下の関係式を満たすことができる。
Figure 2011237282
こうすると、支持部材の冗長部分を仮想的な円で形成することができる。
(7)本発明の他の態様では、検出器の製造方法は、前記支持部材に生ずる引張残留応力の応力方向と応力値と実質的に同じ外力を前記支持部材の固定部に付与して前記支持部材を形成し、
その後前記外力を解除した状態で、前記固定部から前記犠牲層を除去し、前記固定部に空洞部を形成することができる。
こうすると、2つの解決方法を組み合わせて、支持部材の切断を抑制することができる。
図1(A)〜図1(D)は本発明の実施形態に係る熱型検出素子(広義には検出素子)を搭載する支持部材の反りや切断の発生とその解消のメカニズムを説明するための概略説明図である。 本発明の実施形態に係る焦電型赤外線検出装置(広義には検出装置)の概略平面図である。 図2に示す焦電型赤外線検出装置の1セル分の焦電型検出器(広義には検出器)の概略断面図である。 犠牲層上に形成される支持部材及び赤外線検出素子(広義には検出素子)を示す製造工程の概略断面図である。 図5(A)〜図5(D)は本発明の実施形態に係る焦電型検出器(広義には検出器)の製造方法の概略説明図。 図6(A)〜図6(D)は図5(A)〜図5(D)の製造方法の変形例。 図7(A)〜図7(C)は本発明の実施形態に係る焦電型検出器(広義には検出器)の他の製造方法の概略説明図。 図8(A)〜図8(C)は図7(A)〜図7(C)の製造方法の変形例。 図9(A)〜図9(C)は図7(A)〜図7(C)の製造方法の他の変形例。 本発明の実施形態に係る焦電型赤外線検出器(広義には検出器)のキャパシター構造を説明するための概略断面図である。 配線プラグ付近の還元ガスバリア性を強化した変形例を示す概略断面図である。 熱型光検出器(広義には検出器)または熱型光検出装置(広義には検出装置)を含む電子機器のブロック図である。 図13(A)、図13(B)は焦電型光検出器(広義には検出器)を二次元配置した焦電型光検出装置(広義には検出装置)の構成例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.熱型赤外線検出装置(広義には検出装置)
後述するように図1(A)〜図1(C)に示すように発生する反りや切断を図1(D)に示すようにした解消した支持部材及びそれに搭載される焦電型光検出素子(広義には熱型光検出素子、より広義には検出素子)を各セルがそれぞれ備えた複数セルの焦電型赤外線検出器(広義には熱型光検出器、より広義には検出器)が、直交二軸方向に配列された焦電型赤外線検出装置(広義には熱型光検出装置、より広義には検出装置)を、図2に示す。なお、複数セルの一部が図1(D)に示される焦電型光検出素子(広義には、熱型検出素子、より広義には検出素子)を備えても良い。また、1セル分のみの焦電型赤外線検出器にて焦電型赤外線検出装置が構成されても良い。図2において、基部(固定部ともいう)100から複数のポスト104が立設され、例えば2本のポスト104に支持された1セル分の焦電型赤外線検出器200が、直交二軸方向に配列されている。1セル分の焦電型赤外線検出器200が占める領域は、例えば30×30μmである。
以下に、検出素子の例として、赤外線検出素子(広義には熱型光検出素子)220を用いて説明する。支持部材(メンブレン)210の反りや切断を抑制する焦電型赤外線検出器200の構造は、反りや切断が発生し得る支持部材を有する超音波検出素子、加速度検出素子等を含む検出器に適用できる。
図2に示すように、焦電型赤外線検出器200は、2本のポスト104に連結された支持部材(メンブレン)210と、赤外線検出素子(広義には熱型光検出素子)220と、を含んでいる。1セル分の焦電型赤外線検出素子220が占める領域は、例えば10×10μmである。
1セル分の焦電型赤外線検出器200は、2本のポスト104と接続される以外は非接触とされ、焦電型赤外線検出器200の下方には空洞部102(図3参照)が形成され、平面視で焦電型赤外線検出器200の周囲には、空洞部102に連通する開口部102Aが配置される。これにより、1セル分の焦電型赤外線検出器200は、基部100や他のセルの焦電型赤外線検出器200から熱的に分離されている。
支持部材210は、赤外線検出素子220を搭載して支持する搭載部210Aと、搭載部210Aに連結された2本のアーム210Bとを有し、2本のアーム210Bの自由端部がポスト104に連結されている。2本のアーム210Bは、赤外線検出素子220を熱分離するために、細幅でかつ冗長に延在形成される。
図2は、上部電極に接続される配線層より上方の部材を省略した平面図であり、図2には赤外線検出素子220に接続された第1電極(下部電極)配線層222及び第2電極(上部電極)配線層224が示されている。第1,第2電極配線層222,224の各々は、アーム210Bに沿って延在され、ポスト104を介して基部100内の回路に接続される。第1,第2電極配線層222,224も、赤外線検出素子220を熱分離するために、細幅でかつ冗長に延在形成される。
2.焦電型赤外線検出器(広義には検出器)の概要
図3は、図2に示す焦電型赤外線検出器200の断面図である。また、図4は、製造工程途中の焦電型赤外線検出器200の部分断面図である。図4では、図3の空洞部102が犠牲層150により埋め込まれている。この犠牲層150は、支持部材210及び焦電型赤外線検出素子220の形成工程前から形成工程後まで存在しており、焦電型赤外線検出素子220の形成工程後に等方性エッチングにより除去されるものである。
図3に示すように、基部100は、基板例えばシリコン基板110と、シリコン基板110上の層間絶縁膜にて形成されるスペーサー層120とを含んでいる。ポスト104は、スペーサー層120をエッチングすることで形成されている。ポスト104には、第1,第2電極配線層222,224の一方に接続されるプラグ106を配置することができる。このプラグ106は、シリコン基板110に設けられる行選択回路(行ドライバー)か、または列線を介して光検出器からのデータを読み出す読み出し回路に接続される。空洞部102は、スペーサー層120をエッチングすることで、ポスト104と同時に形成される。図2に示す開口部102Aは、支持部材210をパターンエッチングすることで形成される。
支持部材210上に搭載される赤外線検出素子220は、キャパシター230を含んでいる。キャパシター230は、焦電体232と、焦電体232の下面に接続される第1電極(下部電極)234と、焦電体232の上面に接続される第2電極(上部電極)236とを含んでいる。第1電極234は、支持部材210の第1層部材(例えばSiO)との密着性を高める密着層234Dを含むことができる。
キャパシター230は、キャパシター230の形成後の工程で還元ガス(水素、水蒸気、OH基、メチル基など)がキャパシター230に侵入することを抑制する還元ガスバリア層240に覆われている。キャパシター230の焦電体(例えばPZT等)232は酸化物であり、酸化物が還元されると酸素欠損を生じて、焦電効果が損なわれるからである。
還元ガスバリア層240は、図4に示すように、第1バリア層242と第2バリア層244とを含む。第1バリア層242は、例えば酸化アルミニウムAlをスパッタ法により成膜して形成することができる。スパッタ法では還元ガスが用いられないので、キャパシター230が還元されることはない。第2水素バリア層244は、例えば酸化アルミニウムAlを例えば原子層化学気相成長(ALCVD:Atomic Layer Chemical Vapor Deposition)法により成膜して形成すことができる。通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法は還元ガスを用いるが、第1層バリア層242によりキャパシター230は還元ガスから隔離される。
ここで、還元ガスバリア層240のトータル膜厚は50〜70nm、例えば60nmとする。このとき、CVD法で形成される第1バリア層242の膜厚は原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成される第2バリア層244よりも厚く、薄くても35〜65nm例えば40nmとなる。これに対して、原子層化学気相成長(ALCVD)法により形成される第2バリア層244の膜厚は薄くでき、例えば酸化アルミニウムAlを5〜30nm例えば20nmで成膜して形成される。原子層化学気相成長(ALCVD)法は、スパッタ法等と比較して、優れた埋め込み特性を有するため、微細化に対応することが可能となり、第1,第2バリア層242,244にて還元ガスバリア性を高めることができる。また、スパッタ法で成膜される第1バリア層242は第2バリア層244に比べて緻密ではないが、それが効を奏して伝熱率を下げる要因となるので、キャパシター230からの熱の散逸を防止できる。
還元ガスバリア層240上には層間絶縁膜250が形成されている。一般に、層間絶縁膜250の原料ガス(TEOS)が化学反応する際には、水素ガスや水蒸気等の還元ガスが発生する。キャパシター230の周囲に設けた還元ガスバリア層240は、この層間絶縁膜250の形成中に発生する還元ガスからキャパシター230を保護するものである。
層間絶縁膜250上に、図2にも示した第1電極(下部電極)配線層222と第2電極(上部電極)配線層224とが配置される。層間絶縁膜250には、電極配線形成前に予め、第1コンタクトホール252と第2コンタクトホール254が形成される。その際、還元ガスバリア層240にも同様にコンタクトホールが形成される。第1コンタクトホール252に埋め込まれた第1プラグ226により、第1電極(下部電極)234と第1電極配線層222とが導通される。同様に第2コンタクトホール254に埋め込まれた第2プラグ228により、第2電極(上部電極)236と第2電極配線層224とが導通される。
ここで、層間絶縁膜250が存在しないと、第1電極(下部電極)配線層222と第2電極(上部電極)配線層224をパターンエッチングする際に、その下層の還元ガスバリア層240の第2バリア層244がエッチングされて、バリア性が低下してしまう。層間絶縁膜250は、還元ガスバリア層240のバリア性を担保する上で必要である。
ここで、層間絶縁膜250は水素含有率が低いことが好ましい。そこで、層間絶縁膜250はアニーリングにより脱ガス処理される。こうして、層間絶縁膜250の水素含有率は、第1,第2電極配線層222,224を覆うパッシベーション膜260よりも低くされる。
なお、キャパシター230の天面の還元ガスバリア層240は、層間絶縁膜250の形成時にはコンタクトホールがなく閉じているので、層間絶縁膜250の形成中の還元ガスがキャパシター230に侵入することはない。しかし、還元ガスバリア層240にコンタクトホールが形成された後は、バリア性が劣化する。これを防止する一例として、例えば図4に示すように第1,第2プラグ226,228を複数層228A,228B(図4では第2プラグ228のみ図示)とし、その第1層228Aにバリアメタル層を採用している。第1層228Aのバリアメタルにより還元ガスバリア性が担保される。第1層228Aのバリアメタルは、チタンTiのように拡散性の高いものは好ましくなく、拡散性が少なくかつ還元ガスバリア性の高いチタン・アルミ・ナイトライドTiAlNを採用できる。なお、コンタクトホールからの還元ガスの侵入を絶つ方法として、図5に示すように、少なくとも第2プラグ228を包囲して還元性ガスバリア層290を増設しても良い。この還元性ガスバリア層290は、第2プラグ228のバリアメタル228Aを併用しても良いし、バリアメタル228Aを排除しても良い。なお、還元性ガスバリア層290は、第1プラグ226を被覆しても良い。
第1,第2電極配線層222,224を覆って、SiOまたはSiNのパッシベーション膜260が設けられている。少なくともキャパシター230の上方には、パッシベーション膜260上に赤外線吸収体(広義には光吸収部材)270が設けられている。パッシベーション膜260もSiOまたはSiNにて形成されるが、赤外線吸収体270のパターンエッチングの必要上、下層のパッシベーション膜260とはエッチング選択比が大きい異種材料とすることが好ましい。この赤外線吸収体270に赤外線が図2の矢印方向から入射され、赤外線吸収体270は吸収した赤外線量に応じて発熱する。その熱が焦電体232に伝熱されることで、キャパシター230の自発分極量が熱によって変化し、自発分極による電荷を検出することで赤外線を検出できる。なお、赤外線吸収体270はキャパシター230と別個に設けるものに限らず、キャパシター230内に赤外線吸収体270が存在する場合には不要となる。
パッシベーション膜260や赤外線吸収体270のCVD形成時に還元ガスが発生しても、キャパシター230は還元ガスバリア層240及び第1,第2プラグ226,228中のバリアメタルにより保護される。
この赤外線吸収体270を含む赤外線検出器200の外表面を覆って、還元ガスバリア層280が設けられている。この還元ガスバリア層280は、赤外線吸収体270に入射する赤外線(波長帯域は8〜14μm)の透過率を高くするために、例えば還元ガスバリア層240よりも薄肉に形成される必要がある。このために、原子の大きさレベルで膜厚が調整できる原子層化学気相成長(ALCVD)法が採用される。通常のCVD法では厚すぎて赤外線透過率が悪化してしまうからである。本実施形態では、例えば酸化アルミニウムAlを10〜50nm、例えば20nmの厚さで成膜して形成される。上述の通り、原子層化学気相成長(ALCVD)法は、スパッタ法等と比較して、優れた埋め込み特性を有するため、微細化に対応して原子レベルで緻密な膜を形成することが可能となり、薄くても還元ガスバリア性を高めることができる。
また、基部100側では、空洞部102を規定する壁部、つまり空洞部を規定する底壁110Aと側壁104Aには、焦電型赤外線検出器200を製造する過程で空洞部102に埋め込まれていた犠牲層150(図4参照)を等方性エッチングする時のエッチングストップ膜130が形成されている。同様に、支持部材210の下面(犠牲層150の上面)にもエッチングストップ膜140が形成されている。本実施形態では、エッチングストップ膜130,140と同一材料により還元ガスバリア膜280を形成している。つまり、エッチングストップ膜130,140も還元ガスバリア性を有することになる。このエッチングストップ膜130,140も、酸化アルミニウムAlが原子層化学気相成長(ALCVD)法により膜厚20〜50nmで成膜されて形成される。
エッチングストップ膜130が還元ガスバリア性を有することで、犠牲層150をフッ酸により還元雰囲気で等方性エッチングしたとき、支持部材210を透過してキャパシター230に還元ガスが侵入することを抑制できる。また、基部100を覆うエッチングストップ膜140が還元ガスバリア性を有することで、基部100内に配置される回路のトランジスタや配線が還元されて劣化することを抑制できる。
3.支持部材の反りや切断
3.1.支持部材の構造
図1(A)〜図1(D)は本発明の実施形態に係る熱型検出素子を搭載する支持部材の反りや切断の発生とその解消のメカニズムを説明するための概略説明図である。図1(A)に示すように、基部100の空洞部102に犠牲層150が埋め込まれた状態で、支持部材210はその両端が基部100に接合されるように形成され、その後焦電型赤外線検出素子(広義には検出素子)220が形成される。この状態では、犠牲層150は空洞部102に埋め込み形成された後に、CMP(化学的機械的研磨)等により上面が平坦化される。よって、犠牲層150の上面が平坦化されている限り、支持部材210も平坦性を有する。
その後、犠牲層150が等方性エッチングにより除去される。犠牲層150が除去された瞬間に、支持部材210に残留応力が存在する限り、支持部材210は圧縮により撓んで反りが生ずるか、あるいは支持部材210は引張りにより緊張状態となる。
図1(B)では、支持部材210に圧縮残留応力CS(第1方向に向かう残留応力)が存在すると、支持部材210の両端に曲げモーメントM1が作用する。図1(B)の例では、支持部材210は圧縮残留応力CSに従って縮み、その際に、支持部材210の両端が曲げモーメントM1により内側に倒れるヒンジとして機能して、支持部材210には下向き凸となるような反りが生ずる。仮に、下向き凸となるように沿った支持部材110が、基部100の底面に接触することになると、赤外線検出器200の熱が支持部材210と基部100との固体熱伝導経路に沿って逃げる。こうなると、焦電型赤外線検出器の外線検出精度が劣化する。
あるいは、仮に、図1(B)の曲げモーメントM1とは逆方向の外力モーメントが作用する場合、縮んだ支持部材210は上向き凸となるように反る。支持部材210が下向きまたは上向きに凸となるように湾曲すると、赤外線検出器200中の焦電体232が圧電素子として機能し、撓みに応じて電気信号を生成するので、焦電効果に基づく検出精度が劣化する。
一方、図1(C)では、支持部材210に引張残留応力TS(第1方向とは逆向きの第2方向に向かう残留応力)が存在すると、支持部材210は、引張残留応力TSに従って伸びる。支持部材210の両端は基部100に固定されているので、支持部材210は緊張状態となる。最悪の場合、図1(C)に示すように、支持部材210は、引張残留応力TSによって切断されてしまう。
図1(B)(C)に示すように、支持部材210は、その形成材料に生ずる残留応力に起因して上向き凸または下向き凸となる反りや緊張状態が生じてしまう。図1(A)のように犠牲層150が存在する製造過程では、基部100は犠牲層150により剛体とみなされるので、残留応力に釣り合う反力が作用して反りや切断は生じないが、犠牲層150が除去された瞬間に支持部材210は反るか緊張状態となる。
本実施形態では、空洞部102の犠牲層150を除去する際に、支持部材210の縮みや伸びを予め考慮し、その縮みや伸びを打ち消す。つまり、例えば圧縮残留応力CSと同じである外力EFを基部100に付与し、支持部材210を形成し(図1(D)参照)、その後、外力EFを解除した状態で空洞部102を形成する。その結果、圧縮残留応力CSに起因する支持部材210の縮みが抑制され、支持部材210の反りが打ち消される。外力EFの外力方向は、圧縮残留応力CSの応力方向と実質的に等しいことが好ましく、外力EFの外力値は、圧縮残留応力CSが作用する断面積と圧縮残留応力CSの応力値とを乗算した値と実質的に等しいことが好ましい。
なお、図1(C)に示すように引張残留応力TSが存在する場合、図1(D)に示す外力EFは、逆向きに変更する。即ち、引張残留応力TSを仮定すると、その引張残留応力TSと同じである外力(図1(D)に示す外力EFとは逆向き)を基部100に付与し、支持部材210の切断を抑制することができる。
図1(D)に示すような基部100への外力EFの具体的な付与方法については、後述する。引張残留応力TSが存在する場合、基部100への外力EFを付与方法とは異なる解決方法で、支持部材210の切断を抑制して良く、その具体的な解決方法についても、後述する。
図4に示す実施形態では、キャパシター230が搭載される支持部材210は、一層で形成されている。しかしながら、複数層で支持部材210を形成しても良く、この場合、支持部材210全体としての残留応力を考慮すれば良い。
支持部材210は、酸化膜(例えばSiO)や窒化膜(例えばSi)等で構成することができる。なお、窒化膜(例えばSi)は還元ガスバリア性を有するので、支持部材210でもキャパシター230の焦電体232に支持部材210側から侵入する還元性阻害要因をブロックする機能がある。これについては後述する。
3.2.外力EFの付与方法
図5(A)〜図5(D)は本発明の実施形態に係る焦電型検出器(広義には検出素子)の製造方法の概略説明図を示す。なお本実施形態の製造方法は図5(A)〜図5(D)の概略工程に限定されず、詳細な工程を追加しても良く、この概略工程を変形しても良い。複数の検出素子を製造する場合、検出素子の製造方法は、検出装置の製造方法と呼ぶこともできる。
図5(A)に示すように、基部100の裏面に支持部材210と同種の部材300を形成する。図1(A)の例では、基部100の裏面に図5(A)中の部材300は、形成されていない。図5(A)の例において、基部100の裏面(固定部の面)は、その後に形成される犠牲層(図5(B))と対向する。また、同種の部材300の厚さは、その後に形成される支持部材210(図5(C))の厚さと同じである。支持部材210に圧縮残留応力CSが存在する場合、同種の部材300にも圧縮残留応力CSが存在する。なお、図1(D)の外力EFの外力値(大きさ)として、同種の部材300の圧縮残留応力CSが作用する断面積と同種の部材300の圧縮残留応力CSの応力値とを乗算した値を用いることができる。
基部100の裏面に支持部材210と同種の部材300を形成した後、基部100に空洞部(トレンチ)102を形成する。空洞部102を有しない基部100は剛体とみなされるので、残留応力に釣り合う反力が作用して基部100は縮まないが、空洞部102が形成された瞬間に基部100は残留応力の方向に縮む。続いて、空洞部102に犠牲層150を形成する。犠牲層150は、CMP等により上面が平坦化されている(図5(B)参照)。その後、犠牲層150に支持部材210を形成し、続いて、支持部材210に熱型検出素子(広義には検出素子)220を形成する。図5(C)の例では、支持部材210に圧縮残留応力CSが存在する。
図5(D)に示すように、同種の部材300を基部100の裏面から除去すると、図1(D)の外力EFが解除される。外力EFが解除される状態で、犠牲層150を除去すると、支持部材210の反りを抑制できる(図1(D)参照)。具体的には、犠牲層150を有する基部100は剛体とみなされるので、同種の部材300を除去しても基部100は伸びない。言い換えれば、同種の部材300の除去により、縮められた基部100は伸びようとするが、犠牲層150を有する基部100は伸びない。しかしながら、犠牲層150の除去により空洞部102が形成された瞬間に、基部100は伸びようとする。この時、支持部材210の圧縮残留応力CSは緩和され、支持部材210の反りが抑制される。
図5(D)に示すように、犠牲層150を除去する前に、外力EFに対応する同種の部材300の圧縮残留応力CSを解除することが重要である。仮に、同種の部材300を基部100の裏面に形成した状態で犠牲層150を除去しても、支持部材210の反りが発生する(図1(B)参照)。
同種の部材300を完全に除去することが好ましいが、同種の部材300の一部だけを除去しても良い。同種の部材300内の圧縮残留応力CSが支持部材210内の圧縮残留応力CSと等しい場合、同種の部材300の圧縮残留応力CSが完全に解除されるが、同種の部材300の一部除去でも支持部材210の反りを低減することができる。
図5(A)の例では、同種の部材300に圧縮残留応力CSが存在するが、仮に、支持部材210に引張残留応力が存在する場合、同種の部材300にも引張残留応力を発生させることが重要である(図6(A)〜図6(D)参照)。言い換えれば、支持部材210内の残留応力と同じ方向に向かう残留応力が発生する材料で、同種の部材(狭義には同種の膜)300を構成することが重要である。
図6(A)〜図6(D)は図5(A)〜図5(D)の製造方法の変形例を示し、支持部材210に引張残留応力TSが存在する場合、同種の部材300にも引張残留応力TSを発生させる。図5(A)〜図5(D)や図6(A)〜図6(D)に示すように、検出器の製造方法は、以下の工程を有する。第1に、固定部100に空洞部102を形成する。第2に、空洞部102に犠牲層150を形成する前に、形成される支持部材210に生ずる応力方向と同じ方向に外力EFを固定部100に付与する。第3に、空洞部102に形成された犠牲層150に支持部材210を形成する。第4に、犠牲層150を除去する前に、外力EFを解除する。図5(A)〜図5(D)や図6(A)〜図6(D)では、犠牲層150と対向する固定部100の面に支持部材210と同種の部材300を形成して外力EFを固定部100に付与することができる。図5(A)や図6(A)では、固定部100に空洞部102が形成される前に同種の部材300が固定部100に付加されるが、犠牲層150が固定部100に付加される前であれば、空洞部102を有する固定部100に同種の部材300を付加しても良い。
3.3.他の解決方法
図7(A)〜図7(C)は本発明の実施形態に係る焦電型検出器(広義には検出素子)の他の製造方法の概略説明図を示す。なお本実施形態の製造方法は図7(A)〜図7(C)の概略工程に限定されず、詳細な工程を追加しても良く、この概略工程を変形しても良い。
基部100に空洞部(トレンチ)102を形成し、続いて、空洞部102に犠牲層150を形成する。犠牲層150は、CMP、エッチング等により上面が凹部152を有する(図7(A)参照)。図1(A)の例では、犠牲層150の上面は、平坦化されている。なお、図1(A)に示すように犠牲層150の上面を一旦、平坦化し、その後、凹部152を形成しても良い。また、図7(A)の例では、基部100の裏面に図5(A)中の部材300は、形成されていないが、変形例を後述するように、部材300を形成しても良い。
犠牲層150に凹部152を形成した状態で、犠牲層150に支持部材210を形成し、続いて、支持部材210に熱型検出素子(広義には検出素子)220を形成する。図7(B)の例では、支持部材210に引張残留応力TSが存在する。
図7(A)の例では、凹部152の深さをhとし、曲率半径をRとすると、凹部152は、曲率半径Rで定義される仮想的な円に接する。σを残留応力(引張残留応力TS)とし、Eを基部100のヤング率とし、Tを基部100の厚さとし、νを支持部材210のポアソン比とし、tfを支持部材210の厚さ、dを空洞部102の厚さとすると、hとRは、以下の関係式を満たすことが好ましい。
Figure 2011237282
例えば、σが400[MPa]であり、Eが(100)面方位で130.8[GPa]であり、Tが72.6[μm]であり、νが(100)面方位で0.361[MPa]であり、tfが800[Å]である場合、Rは、約5.62[μm]となる。例えば、dが1.5[μm]であり、Rが約5.62[μm]である場合、hは、約500[Å]となる。
なお、図7(A)〜図7(C)において、各寸法は、実際の寸法を正確に表すものではない。即ち、図7(A)〜図7(C)において、各寸法は、以下の説明を理解し易くするために、拡大又は縮小されている。図7(A)〜図7(C)以外の他の図面も、同様に、必ずしも正確な寸法を表すものではない。また、各形状は、図7(A)〜図7(C)に限定されるものではなく、変更することができる。
支持部材210に冗長部分が付加されていたので(図7(B))、図7(C)に示すように、犠牲層150を空洞部102から除去しても、支持部材210は切断されない。このように、支持部材210が下向き凸を示すような反りは、引張残留応力TSに起因して支持部材210が伸びることで、抑制される。
図7(A)に示すように、犠牲層150に凹部152を形成した状態で、その凹部152に沿って支持部材210を形成し、支持部材210に冗長部分を付加することが重要である。犠牲層150は、1つの凹部152を有することが好ましいが、複数の凹部を形成しても良い。
図8(A)〜図8(C)は図7(A)〜図7(C)の製造方法の変形例を示し、犠牲層150は、3つの凹部152を有する(図8(A))。3つの凹部152に沿って支持部材210が形成されるので(図8(B))、犠牲層150を除去しても、図8(C)に示すように、支持部材210の切断は、抑制される。言い換えれば、3つの凹部152を有する犠牲層150に支持部材210を形成すると、図1(B)に示すような支持部材210の冗長部分を発生させることができる。
図9(A)〜図9(C)は図7(A)〜図7(C)の製造方法の他の変形例を示し、支持部材210に引張残留応力TSが存在する場合、犠牲層150は、CMP、エッチング等により上面が凸部154を有しても良い(図9(A)参照)。図7(A)〜図7(C)や図8(A)〜図8(C)や図9(A)〜図9(C)に示すように、検出器の製造方法は、以下の工程を有しても良い。第1に、支持部材冗長長さ形成用の少なくとも1つの凹部152又は凸部154を犠牲層150に形成する。第2に、少なくとも1つの凹部152又は凸部154に沿って支持部材210を形成する。第3に、その後犠牲層150を除去する。
加えて、例えば図7(A)〜図7(C)の工程と図6(A)〜図6(C)の工程とを組み合わせることができる。図7(A)の例を変形して、例えば、支持部材210の厚さtfの半分の値を用いて、凹部152の深さh及び曲率半径Rを算出する。さらに、基部100の裏面(固定部の面)に、図6(A)に示すような同種の部材300を形成する。但し、同種の部材300の厚さは、その後に形成される支持部材210(図7(B))の厚さtfの半分である。
4.キャパシターの構造
4.1.熱コンダクタンス
図10は、本実施形態の要部を説明するための概略断面図である。上述した通り、キャパシター230は、第1電極(下部電極)234と第2電極(上部電極)236との間に焦電体232を含む。このキャパシター230は、支持部材210が空洞部102と面する第1面(図10の下面)と対向する第2面(図10の上面)に搭載して支持される。そして、入射された赤外線の光量(温度)によって焦電体232の自発分極量が変化すること(焦電効果またはパイロ電子効果)を利用して赤外線を検出できる。本実施形態では、入射された赤外線が赤外線吸収体270にて吸収されて赤外線吸収体270が発熱し、赤外線吸収体270と焦電体232との間にある固体熱伝導路を介して、赤外線吸収体270の発熱が伝達される。
本実施形態のキャパシター230では、支持部材210と接する第1電極(下部電極)234の熱コンダクタンスG1を、第2電極(上部電極)236の熱コンダクタンスG2よりも小さくしている。こうすると、キャパシター230は、赤外線に起因した熱が第2電極(上部電極)236を介して焦電体232に伝達されやすく、しかも、焦電体232の熱が第1電極(下部電極)234を介して支持部材210に逃げ難くなり、赤外線検出素子220の信号感度が向上する。
上述した特性を有するキャパシター230の構造を、図10を参照してさらに詳細に説明する。先ず、第1電極(下部電極)234の厚さT1は、第2電極(上部電極)236よりも厚い(T1>T2)である。第1電極(下部電極)234の熱伝導率をλ1とすると、第1電極(下部電極)234の熱コンダクタンスG1は、G1=λ1/T1となる。第2電極(上部電極)236の熱伝導率をλ2としたとき、第2電極(上部電極)236の熱コンダクタンスG2は、G2=λ2/T2となる。
熱コンダクタンスの関係をG1<G2とするためには、例えば第1,第2電極234,236の材質を例えば共に白金PtまたはイリジウムIr等の同一の単一材料とすれば、λ1=λ2となり、図10からT1>T2であるのでG1<G2の関係を満足できる。
そこで先ず、第1,第2電極234,236の各々を、それぞれ同一材料にて形成することについて考察する。キャパシター230は、焦電体232の結晶方向を揃えるために、焦電体232が形成される下層の第1電極234との界面の結晶格子レベルを整合させる必要がある。つまり、第1電極234は結晶のシード層としての機能を有するが、白金Ptは自己配向性が強いので、第1電極234として好ましい。イリジウムIrもシード層材料として好適である。
また、第2電極(上部電極)236は、焦電体232の結晶性を崩さずに、第1電極234、焦電体232から第2電極236に至るまで結晶配向が連続的につながることが好ましい。そのため、第2電極236は第1電極234と同一材料にて形成することが好ましい。
このように、第2電極236を第1電極234と同一材料例えばPtまたはIr等の金属にて形成すると、第2電極236の上面を反射面とすることができる。この場合、図10に示すように、赤外線吸収体270の頂面から第2電極236の頂面までの距離Lをλ/4(λは赤外線の検出波長)とすると良い。こうすると、赤外線吸収体270の頂面と第2電極236の頂面との間で、検出波長λの赤外線が多重反射されるので、検出波長λの赤外線を赤外線吸収体270にて効率よく吸収できる。
4.2.電極多層構造
次に、図10に示す本実施形態のキャパシター230の構造について説明する。図10に示すキャパシター230は、焦電体232、第1電極234及び第2電極236の結晶配向は、その優先配向方位が例えば(111)面方位で揃えられている。(111)面方位に優先配向されることで、他の面方位に(111)配向の配向率が例えば90%以上に制御される。焦電係数を大きくするには(111)配向よりもむしろ(100)配向などが好ましいが、印加電界方向に対して分極を制御しやくするために(111)配向としている。ただし、優先配向方位はこれに限定されない。
第1電極234は、支持部材210から順に、第1電極234を例えば(111)面に優先配向するように配向制御する配向制御層(例えばIr)234Aと、第1還元ガスバリア層(例えばIrOx)234Bと、優先配向のシード層(例えばPt)234Cとを含むことができる。
第2電極236は、焦電体232側から順に、焦電体232と結晶配向が整合する配向整合層(例えばPt)236Aと、第2還元ガスバリア層(例えばIrOx)236Bと、第2電極236に接続される第2プラグ228との接合面を低抵抗化する低抵抗化層(例えばIr)236Cとを含むことができる。
本実施形態にてキャパシター230の第1,第2電極234,236を多層構造とした理由は、熱容量の小さい赤外線検出素子220でありながら、能力を低めずに低ダメージで加工して界面での結晶格子レベルを整合させ、しかも、キャパシター230の周囲が製造時または使用時に還元雰囲気となっても焦電体(酸化物)232を還元ガスから隔離することにある。
焦電体232は例えばPZT(Pb(Zr,Ti)O3の総称:チタン酸ジルコン酸鉛)またはPZTN(PZTにNbを添加したものの総称)等を例えば(111)方位で優先配向させて結晶成長させている。PZTNを用いると、薄膜になっても還元されにくく酸化欠損を抑制できる点で好ましい。焦電体232を配向結晶化させるために、焦電体232の下層の第1電極234の形成段階から配向結晶化させている。
このために、下部電極234には配向制御層として機能するIr層234Aがスパッタ法で形成される。なお、図10に示すように、配向制御層234Aの下に密着層234Dとしてたとえばチタン・アルミ・ナイトライド(TiAlN)層または窒化チタン(TiN)層を形成すると良い。支持部材210の材質によっては密着性が確保しにくいからである。また、密着層234Dの下層に位置する支持部材210をSiO2で形成するとき、支持部材210はポリシリコンよりもグレインが小さい材料またはアモルファス材料にて形成することが好ましい。こうすると、支持部材210がキャパシター230を搭載する表面の平坦性を確保できるからである。もし、配向制御層234Aが形成される面が粗面であると、結晶成長中に粗面の凹凸が反映されてしまうから好ましくない。
第1電極234中にて還元ガスバリア層として機能するIrOx層234Bは、キャパシター230の下方からの還元性の阻害因子から焦電体232を隔離するために、還元ガスバリア性を呈する支持部材210(例えばSi)及び支持部材210のエッチングストップ膜(例えばAl)140と共に用いられる。例えば焦電体(セラミック)232の焼成時や他のアニール工程での基部100からの脱ガスや、犠牲層150の等方性エッチング工程に用いる還元ガスが、還元性阻害因子となる。
また、IrOx層234Bは、それ自体の結晶性は少ないが、Ir層234Aとは金属−金属酸化物の関係となって相性が良いので、Ir層234Aと同一の優先配向方位を持つことができる。
第1電極234中にてシード層として機能するPt層234Cが、焦電体232の優先配向のシード層となり、(111)配向される。本実施形態では、Pt層234Cは二層構造となっている。第1層目のPt層で(111)配向の基礎をつくり、第2層目のPt層で表面にマイクロラフネスを形成して、焦電体232の優先配向のシード層として機能させる。焦電体232は、シード層234Cにならつて(111)配向される。
第2電極236では、スパッタ法で成膜されるとは物理的に界面が荒れ、トラップサイトが生じて特性が劣化する虞があるので、第1電極234、焦電体232、第2電極236の結晶配向が連続的につながるように、結晶レベル格子整合の再構築を行なっている。
第2電極236中のPt層236Aはスパッタ法で形成されるが、スパッタ直後で界面の結晶方向は不連続となる。そこで、その後にアニール処理してPt層236Aを再結晶化させている。つまり、Pt層236Aは、焦電体232と結晶配向が整合する配向整合層として機能する。
第2電極236中のIrOx層236Bは、キャパシター230の上方からの還元性劣化因子のバリアとして機能する。また、第2電極236中のIr層236Cは、IrOx層236Bの抵抗値が大きいので、第2プラグ228との間の抵抗値を低抵抗化させるために用いられる。Ir層236Cは、IrOx層236Bと金属酸化物−金属の関係で相性がよく、IrOx層236Bと同一の優先配向方位を持つことができる。
このように、本実施形態では、第1,第2電極234,236は、焦電体232側から順に、Pt、IrOx、Irと多層に配置され、焦電体232を中心として、形成材料が対称配置されている。
ただし、第1,第2電極234,236を形成する多層構造の各層の厚さは、焦電体232を中心として非対称となっている。先ず、第1電極234のトータル厚さT1と、第2電極236のトータル厚さT2とは、上述したよりも関係(T1>T2)を満足している。ここで、第1電極234のIr層234A、IrOx層234B、Pt層234Cの各熱伝導率をλ1、λ2、λ3とし、各厚さをT11、T12、T13とする。第2電極のIr層236C、IrOx層236B、Pt層236Aの各熱伝導率は第1電極232と同じくλ1、λ2、λ3となり、その各厚さをT21、T22、T23とする。
また、第1電極234のIr層234A、IrOx層234B、Pt層234Cの各熱コンダクタンスをG11、G12、G13とすると、G11=λ1/T11、G12=λ2/T12、G13=λ3/C13となる。第2電極236のIr層236C、IrOx層236B、Pt層236Aの各熱コンダクタンスをG21、G22、G23とすると、G21=λ1/T21、G22=λ2/T22、G13=λ3/T23となる。
第1電極234のトータル熱コンダクタンスG1は、1/G1=(1/G11)+(1/G12)+(1/G13)で表わされるので、
G1=(G11×G12×G13)/(G11+G12+G13)…(1)
同様に、第2電極236のトータル熱コンダクタンスG2は、1/G2=(1/G21)+(1/G22)+(1/G23)で表わされるので、
G2=(G21×G22×G23)/(G21+G22+G23)…(2)
となる。
次に、第1,第2電極234,236を形成する多層構造の各層の厚さは、T11+T12+T13=T1>T2=T21+T22+T23を満たす条件下でほぼ次の通りの関係である。
Ir層234A,236C T11:T21=1:0.7
IrOx層234B,236B T12:T22=0.3:1
Pt層234C,236A T13:T23=3:1
このような膜厚関係とした理由は以下の通りである。まず、Ir層234A,236Cについて言えば、第1電極234中のIr層234Aは配向制御層として機能するから、配向性を有するには所定の膜厚が必要であるのに対して、第2電極236CのIr層の目的は低抵抗化にあり、薄くするほど低抵抗化を実現できる。
次に、IrOx層234B,236Bについて言えば、キャパシター230の下方及び上方からの還元性阻害因子のバリア性は他のバリア膜(還元性ガスバリア層240、エッチングストップ膜兼還元性ガスバリア層140,280)を併用しており、第1電極234のIrOx層234Bは薄くしているが、第2電極236のIrOx層236Bは第2プラグ228でのバリア性が低いことに備えて厚くしている。
最後に、Pt層234C,236Aに関して言えば、第1電極234中のPt層234Cは焦電体232の優先配向を決定付けるシード層として機能するから所定の膜厚が必要であるのに対して、第2電極236のPt層236Aの目的は焦電体232の配向と整合する配向整合層として機能するので、第1電極234中のPt層234Cよりも薄く形成しても良い。
また、第1電極234のIr層234A、IrOx層234B、Pt層234Cの肉厚比は、例えばT11:T12:T13=10:3:15とし、第2電極236のIr層236C、IrOx層236B、Pt層236Aの肉厚比は、例えばT21:T22:T23=7:10:5とした。
ここで、Ptの熱伝達率λ3=71.6(W/m・K)であり、Irの熱伝達率λ1は、λ1=147(W/m・K)とPtの熱伝達率λ3のほぼ2倍である。IrOxの熱伝導率λ2は熱度や酸素/金属比(O/M)によって変化するが、Irの熱伝達率λ1を超えることはない。上述した膜厚の関係と熱伝達率の関係を式(1)(2)に代入してG1,G2の大小関係を求めると、G1<G2が成立することが分かる。このように、本実施形態のように第1,第2電極234,236を多層構造にしても、熱伝達率と膜厚の関係からG1<G2が満足される。
また、上述した通り、第1電極234が支持部材210との接合面に密着層234Dを有する場合には、第1電極234の熱コンダクタンスC1はより小さくなるので、G1<G2の関係を満足し易くなる。
なお、キャパシター230のエッチングマスクはエッチングの進行に従い劣化するので、多層構造とするほどキャパシター230の側壁は、図10に示すように上側ほど狭く下側ほど広いテーパ形状となる。しかし、水平面に対するテーパ角は80度程なので、キャパシター230の全高がナノメートルオーダーであることを考慮すれば、第2電極236に対する第1電極234の面積拡大は小さい。よって、第1,第2電極234,236の熱コンダクタンスの関係から、第1電極234での熱伝達量を第2電極236での熱伝達量よりも小さくできる。
4.3.キャパシター構造の変形例
以上の通り、キャパシター230の第1,第2電極234,236の各々について、単層構造及び多層構造を説明したが、キャパシター230の機能を維持しながら、熱コンダクタンスの関係をG1<G2とする他の種々の組み合わせが考えられる。
先ず、第2電極236のIr層236Cを削除することができる。この場合、第2プラグ228の材料に例えばIrを用いれば、同様に低抵抗化の目的は達成されるからである。こうすると、第2電極236の熱コンダクタンスG2は図10の場合よりも大きくなるので、G1<G2の関係を満足させ易くなる。また、この場合には、図10に示すL=λ/4を規定する反射面は、第2電極236のPt層236Aに代わるが、同様に多重反射面を担保できる。
次に、図10の第2電極236中のIrOx層236Bの厚さを、第1電極234中のIrOx層234Bと同一厚さ以下とすることができる。上述の通り、キャパシター230の下方及び上方からの還元性阻害因子のバリア性は他のバリア膜(還元性ガスバリア層240、エッチングストップ膜兼還元性ガスバリア層140,280)を併用しているからで、第2プラグ228での還元ガスバリア性が例えば図11のようにして高められれば、第2電極236中のIrOx層236Bの厚さを第1電極234中のIrOx層234Bより厚くする必要はない。こうすると、第2電極236の熱コンダクタンスG2はより大きくなり、よりG1<G2の関係を成立がし易くなる。
次に、図10の第1電極234中のIrOx層234Bを削除することができる。IrOx層234Bを削除しても、Ir層234AとPt層234Cとの結晶の連続性は妨げられないので、結晶配向に関して何ら問題はない。IrOx層234Bを削除することで、キャパシター230はその下方からの還元性阻害因子に対してバリア膜を持たないことになる。ただし、支持部材210の下面にはエッチングストップ膜140が存在し、エッチングストップ膜140が還元ガスバリア性を有する膜で形成されれば、キャパシター230はその下方からの還元性阻害因子に対するバリア性を担保できる。
ここで、第1電極234中のIrOx層234Bを削除すると、第1電極234の熱コンダクタンスG1は大きくなる。よって、G1<G2の関係を成立させるには、第2電極236の熱コンダクタンスG2も大きくする必要が生ずるかもしれない。その場合、例えば第2電極236中のIrOx層236Bを削除することが考えられる。IrOx層236Bを削除できれば、Ir層236Cもまた不要となる。Ir層236Cに代えてPt層236Aが低抵抗層として機能するからである。キャパシター230の上方からの還元性阻害因子についてのバリア性は、上述した還元性ガスバリア膜240や、図4に示すバリアメタル228Aや、あるいは図11の還元性ガスバリア層290により担保できる。
図10の第2電極234は上述した通りPt層236Aのみで形成したとき、第1電極234は、Pt層234Cの単層か、Ir層234A及びPt層234Cの二層か、あるいは図10の通りIr層234A、IrOx層234B及びPt層234Cの三層とすることができる。これらの場合のいずれでも、例えば第1電極234のPt層234Aの厚さT11を第2電極236のPt層236Cの厚さT21よりも厚くすれば(T11>T21)、G1<G2の関係を容易に成立させることができる。
5.電子機器
図12に本実施形態の熱型光検出器または熱型光検出装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器は、光学系400、センサーデバイス(熱型光検出装置)410、画像処理部420、処理部430、記憶部440、操作部450、表示部460を含む。なお本実施形態の電子機器は図12の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば光学系、操作部、表示部等)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
光学系400は、例えば1又は複数のレンズや、これらのレンズを駆動する駆動部などを含む。そしてセンサーデバイス410への物体像の結像などを行う。また必要であればフォーカス調整なども行う。
センサーデバイス410は、上述した本実施形態の熱型光検出器200を二次元配列させて構成され、複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。センサーデバイス410は、二次元配列された光検出器に加えて、行選択回路(行ドライバー)と、列線を介して光検出器からのデータを読み出す読み出し回路と、A/D変換部等を含むことができる。二次元配列された各光検出器からのデータを順次読み出すことで、物体像の撮像処理を行うことができる。
画像処理部420は、センサーデバイス410からのデジタルの画像データ(画素データ)に基づいて、画像補正処理などの各種の画像処理を行う。
処理部430は、電子機器の全体の制御を行ったり、電子機器内の各ブロックの制御を行う。この処理部430は、例えばCPU等により実現される。記憶部440は、各種の情報を記憶するものであり、例えば処理部430や画像処理部420のワーク領域として機能する。操作部450は、ユーザが電子機器を操作するためのインターフェースとなるものであり、例えば各種ボタンやGUI(Graphical User Interface)画面などにより実現される。表示部460は、例えばセンサーデバイス410により取得された画像やGUI画面などを表示するものであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種のディスプレイにより実現される。
このように、1セル分の熱型光検出器を赤外線センサー等のセンサーとして用いる他、1セル分の熱型光検出器を直交二軸方向に二次元配置することでセンサーデバイス410を構成することができ、こうすると熱(光)分布画像を提供することができる。このセンサーデバイス410を用いて、サーモグラフィー、車載用ナイトビジョンあるいは監視カメラなどの電子機器を構成することができる。
もちろん、1セル分または複数セルの熱型光検出器をセンサーとして用いることで物体の物理情報の解析(測定)を行う解析機器(測定機器)、火や発熱を検知するセキュリティー機器、工場などに設けられるFA(Factory Automation)機器などの各種の電子機器を構成することもできる。
図13(A)に図12のセンサーデバイス410の構成例を示す。このセンサーデバイスは、センサーアレイ500と、行選択回路(行ドライバー)510と、読み出し回路520を含む。またA/D変換部530、制御回路550を含むことができる。このセンサーデバイスを用いることで、例えばナイトビジョン機器などに用いられる赤外線カメラなどを実現できる。
センサーアレイ500には、例えば図2に示すように二軸方向に複数のセンサーセルが配列(配置)される。また複数の行線(ワード線、走査線)と複数の列線(データ線)が設けられる。なお行線及び列線の一方の本数が1本であってもよい。例えば行線が1本である場合には、図13(A)において行線に沿った方向(横方向)に複数のセンサーセルが配列される。一方、列線が1本である場合には、列線に沿った方向(縦方向)に複数のセンサーセルが配列される。
図13(B)に示すように、センサーアレイ500の各センサーセルは、各行線と各列線の交差位置に対応する場所に配置(形成)される。例えば図13(B)のセンサーセルは、行線WL1と列線DL1の交差位置に対応する場所に配置されている。他のセンサーセルも同様である。 行選択回路510は、1又は複数の行線に接続される。そして各行線の選択動作を行う。例えば図13(B)のようなQVGA(320×240画素)のセンサーアレイ500(焦点面アレイ)を例にとれば、行線WL0、WL1、WL2・・・・WL239を順次選択(走査)する動作を行う。即ちこれらの行線を選択する信号(ワード選択信号)をセンサーアレイ500に出力する。
読み出し回路520は、1又は複数の列線に接続される。そして各列線の読み出し動作を行う。QVGAのセンサーアレイ500を例にとれば、列線DL0、DL1、DL2・・・・DL319からの検出信号(検出電流、検出電荷)を読み出す動作を行う。
A/D変換部530は、読み出し回路520において取得された検出電圧(測定電圧、到達電圧)をデジタルデータにA/D変換する処理を行う。そしてA/D変換後のデジタルデータDOUTを出力する。具体的には、A/D変換部530には、複数の列線の各列線に対応して各A/D変換器が設けられる。そして、各A/D変換器は、対応する列線において読み出し回路520により取得された検出電圧のA/D変換処理を行う。なお、複数の列線に対応して1つのA/D変換器を設け、この1つのA/D変換器を用いて、複数の列線の検出電圧を時分割にA/D変換してもよい。
制御回路550(タイミング生成回路)は、各種の制御信号を生成して、行選択回路510、読み出し回路520、A/D変換部530に出力する。例えば充電や放電(リセット)の制御信号を生成して出力する。或いは、各回路のタイミングを制御する信号を生成して出力する。
以上、いくつかの実施形態について説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるものである。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、例えば、熱型光検出素子を支持する支持部材の反りを低減できる。この効果を奏することができる以上、本発明は、種々の熱型光検出器(例えば、熱伝対型素子(サーモパイル)、焦電型素子、ボロメーター等)に広く適用することができる。検出する光の波長は問わない。
100 基部(固定部)、102 空洞部、
130,140 還元ガスバリア層(エッチングストップ膜)、
150 犠牲層、152 凹部、154 凸部、200 熱型光検出器、
210 支持部材、220 赤外線検出素子、222,224 第1,第2電極配線層、
226,228 第1,第2プラグ、228A バリアメタル、230 キャパシター、
232 焦電体、234 第1電極、234A 配向制御層、
234B 第1還元ガスバリア層、234C シード層、234D 密着層、
236 第2電極、236A 配向整合層、236B 第2還元ガスバリア層、
236C 低抵抗化層、240 還元ガスバリア層、250 層間絶縁膜、
260 パッシベーション膜、270 光吸収部材(赤外線吸収体)、
280 還元ガスバリア層(エッチングストップ膜)、290 還元ガスバリア層、
300 部材(支持部材と同種)

Claims (7)

  1. 固定部に空洞部を形成し、
    前記空洞部に犠牲層を形成する前に、形成される支持部材に生ずる応力方向と同じ方向に外力を前記固定部に付与し、
    前記空洞部に形成された前記犠牲層に前記支持部材を形成し、
    前記犠牲層を除去する前に、前記外力を解除することを特徴とする検出器の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記犠牲層と対向する前記固定部の面に前記支持部材と同種の部材を形成して前記外力を前記固定部に付与することを特徴とする検出器の製造方法。
  3. 支持部材冗長長さ形成用の少なくとも1つの凹部又は凸部を犠牲層に形成し、
    前記少なくとも1つの凹部又は凸部に沿って支持部材を形成し、
    その後前記犠牲層を除去することを特徴とする検出器の製造方法。
  4. 請求項3において、
    前記犠牲層を化学的機械的研磨することにより、前記少なくとも1つの凹部又は凸部を形成することを特徴とする検出器の製造方法。
  5. 請求項3において、
    前記犠牲層をエッチングすることにより、前記少なくとも1つの凹部又は凸部を形成することを特徴とする検出器の製造方法。
  6. 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
    前記少なくとも1つの凹部又は凸部の深さをhとし、曲率半径をRとすると、前記少なくとも1つの凹部又は凸部は、前記曲率半径で定義される仮想的な円に接し、
    σを前記支持部材に生ずる引張残留応力とし、Eを前記支持部材の固定部のヤング率とし、Tを前記固定部の厚さとし、νを前記支持部材のポアソン比とし、tfを前記支持部材の厚さ、dを前記固定部の空洞部の厚さとすると、hとRは、以下の関係式を満たすことを特徴とする検出器の製造方法。
    Figure 2011237282
  7. 請求項3乃至5のいずれかにおいて、
    前記支持部材に生ずる引張残留応力の応力方向と応力値と実質的に同じ外力を前記支持部材の固定部に付与して前記支持部材を形成し、
    その後前記外力を解除した状態で、前記固定部から前記犠牲層を除去し、前記固定部に空洞部を形成することを特徴とする検出器の製造方法。
JP2010109035A 2010-05-11 2010-05-11 検出器の製造方法 Withdrawn JP2011237282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010109035A JP2011237282A (ja) 2010-05-11 2010-05-11 検出器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010109035A JP2011237282A (ja) 2010-05-11 2010-05-11 検出器の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011237282A true JP2011237282A (ja) 2011-11-24

Family

ID=45325428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010109035A Withdrawn JP2011237282A (ja) 2010-05-11 2010-05-11 検出器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011237282A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134079A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Seiko Epson Corp テラヘルツカメラ及び電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134079A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Seiko Epson Corp テラヘルツカメラ及び電子機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5218460B2 (ja) 焦電型光検出器、焦電型光検出装置及び電子機器
JP5521827B2 (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器
JP5589486B2 (ja) 焦電型光検出器、焦電型光検出装置及び電子機器
JP5589605B2 (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器
JP5771900B2 (ja) 熱型光検出器、熱型光検出装置及び電子機器
JP5585241B2 (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器
JP2011237282A (ja) 検出器の製造方法
JP5240373B2 (ja) 焦電型光検出器及び焦電型光検出装置並びに電子機器
JP5846265B2 (ja) 焦電型光検出器、焦電型光検出装置及び電子機器
JP2014219418A (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器
JP2015017988A (ja) 焦電型検出器、焦電型検出装置及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130806