JP2013209433A - ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂被膜とされた場合に各種の特性に優れるポリエステル樹脂水性分散体を、製造時の分散不良や製造系内におけるろ過詰まりを顕著に低減させつつ、特殊な機械を用いることなく簡便に製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法は、特定のポリエステル樹脂を、界面活性剤を用いることなく有機溶剤、アンモニアとともに水性媒体に混合し、次いで、以下の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)をこの順におこなうことを特徴とする。
攪拌工程(I)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度−10)℃以上(ガラス転移温度)℃以下の温度で30分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を80%以上とする工程。
攪拌工程(II)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度+10)℃以上の温度で60分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を97%以上とする工程。
なお、上記攪拌工程(I)および攪拌工程(II)において、ポリエステル樹脂の分散効率とは、用いられるポリエステル樹脂の質量に対する、実際に水性分散体中に分散されているポリエステル樹脂の質量の割合を示すものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法に関する。
従来から、ポリエステル樹脂は被膜形成用の樹脂として広く用いられている。ポリエステル樹脂は、被膜とされた場合の加工性、薬品やアルコールに対する耐性(耐薬品性、耐アルコール性)および耐候性に優れている。同時に、ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル樹脂、塩化ビニルなどからなる成形品やフィルム、あるいは各種の金属からなる金属箔などの様々な基材への密着性にも優れている。そのため、このような基材に対する塗料、インキ、接着剤またはコーティング剤などの用途において、ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解したものが非常に多く使用されている。
なお、近年、環境保護、消防法による危険物規制、あるいは職場環境の改善などの理由により、有機溶剤の使用が抑制される傾向にある。そのため、前記のような用途において、ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解したものではなく、水性媒体に微分散させてなるポリエステル樹脂水性分散体の使用が強く求められており、その開発が盛んにおこなわれている。
このようなポリエステル樹脂水性分散体として、例えば、ポリエステル樹脂のカルボキシル基を塩基性化合物で中和することにより、水性媒体中に分散させたポリエステル樹脂水性分散体が提案されている(特許文献1および2参照)。さらに、特許文献1および2には、このような水性分散体を用いることにより、加工性、耐水性、耐薬品性および耐アルコール性などの性能に優れた樹脂被膜を形成し得ることが開示されている。特に、酸成分としてテレフタル酸やイソフタル酸などが用いられたポリエステル樹脂が分散されてなるポリエステル樹脂水性分散体であると、樹脂被膜とされた場合の硬度、耐水性、耐溶剤性および加工性などにより優れるものとなるため、塗料、コーティング剤および接着剤などの用途において工業的な利用価値が高いことが知られている。
国際公開第2004/037924号パンフレット 特開2006−182951号公報
一般に、ポリエステル樹脂水性分散体から樹脂被膜を製造する場合は、該樹脂被膜における有機溶剤や分散助剤などの添加物の残存量を極力少なくするために、ポリエステル樹脂水性分散体に使用される有機溶剤や塩基性化合物がより低沸点であることが好ましい。より低沸点である有機溶剤や塩基性化合物を用いることで、樹脂被膜の形成時に水性分散体を加熱乾燥させた場合に有機溶剤や塩基性化合物が容易に揮発するため、得られる樹脂被膜中におけるこれらの残存量が少ないものとなる。より低沸点である塩基性化合物としては、例えば、アンモニアが挙げられる。しかしながら、特許文献1および2に記載されたポリエステル樹脂水性分散体の製造において、塩基性化合物としてアンモニアを用いると、未分散物(例えば、ポリエステル樹脂の凝集物、沈殿物あるいは析出物など)が多く発生し、製造系内において、ろ過詰まりなどが発生するという問題がある。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、樹脂被膜とされた場合に各種特性に優れるポリエステル樹脂水性分散体を、塩基性化合物としてアンモニアを用いた場合であっても、製造時の分散不良や製造系内におけるろ過詰まりを顕著に低減させつつ、特殊な機械を用いることなく簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)テレフタル酸を60モル%以上含有する酸成分、およびエチレングリコールを40モル%以上含有するアルコール成分を含み、酸価が4〜40mgKOH/gであるポリエステル樹脂を、界面活性剤を用いることなく有機溶剤、アンモニアとともに水性媒体に混合し、次いで、以下の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)をこの順におこなうことを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
攪拌工程(I)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度−10)℃以上(ガラス転移温度)℃以下の温度で30分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を80%以上とする工程。
攪拌工程(II)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度+10)℃以上の温度で60分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を97%以上とする工程。
なお、上記攪拌工程(I)および攪拌工程(II)において、ポリエステル樹脂の分散効率とは、用いられるポリエステル樹脂の質量に対する、実際に水性分散体中に分散されているポリエステル樹脂の質量の割合を示すものである。
(2)攪拌工程(I)において、攪拌翼の周速度を0.2〜2.0m/sとして撹拌を行うことを特徴とする(1)のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
(3)攪拌工程(II)において、攪拌翼の周速度を0.1〜1.5m/sとして撹拌を行うことを特徴とする(1)または(2)のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかの製造方法で製造されたことを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体。
(5)(4)のポリエステル樹脂水性分散体から形成されてなることを特徴とする樹脂被膜。
本発明の製造方法によれば、用いられるポリエステル樹脂の酸価や組成を特定のものとすることにより、保存安定性、樹脂被膜とされる場合の造膜性、樹脂被膜とされた場合の耐水性、耐アルコール性、耐薬品性および耐屈曲性に優れるポリエステル樹脂水性分散体を製造することができる。加えて、二段階の攪拌工程を設け、かつこれらの攪拌工程における攪拌温度および攪拌時間を特定の範囲に制御することにより、上記のような特性に優れるポリエステル樹脂分散体を、塩基性化合物としてアンモニアを用いた場合であっても、製造時の分散不良や製造系内におけるろ過詰まりなどを顕著に低減させつつ、特殊な機械を用いることなく簡便に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体(以下、単に「水性分散体」と称する場合がある)の製造方法は、テレフタル酸を60モル%以上含有する酸成分、およびエチレングリコールを40モル%以上含有するアルコール成分を含み、酸価が4〜40mgKOH/gであるポリエステル樹脂を、界面活性剤を用いることなく有機溶剤、アンモニアとともに水性媒体に混合し、次いで、以下の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)をこの順におこなうことを特徴とする。
攪拌工程(I)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度−10)℃以上(ガラス転移温度)℃以下の温度で30分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を80%以上とする工程。
攪拌工程(II)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度+10)℃以上の温度で60分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を97%以上とする工程。
なお、上記攪拌工程(I)および攪拌工程(II)において、ポリエステル樹脂の分散効率とは、水性分散体中におけるポリエステル樹脂の分散性の指標である。本発明においては、分散効率が高い値であるほど、ポリエステル樹脂の未分散物(ポリエステル樹脂の沈殿物、凝集物あるいは析出物など)が低減していることを示している。分散効率の求め方については後述する。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法においては、上記の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)という二段階の攪拌工程を有し、かつ、これらの攪拌工程における攪拌温度および攪拌時間を特定の範囲に同時に制御することにより、塩基性化合物としてアンモニアを用いた場合であっても、得られる水性分散体中のポリエステル樹脂の未分散物の発生を効果的に抑制し、製造時における系内の濾過詰まりを防止することができるという顕著な効果が奏される。
まず、本発明の製造方法において使用されるポリエステル樹脂について説明する。ポリエステル樹脂とは、構成成分として酸成分およびアルコール成分を含有するものである。
ポリエステル樹脂を構成する酸成分においては、全酸成分中、テレフタル酸を60モル%以上含有することが必要であり、70モル%以上含有することが好ましく、80モル%以上含有することがより好ましく、90モル%以上含有することがさらに好ましい。本発明においては、テレフタル酸を上記の範囲で含有するポリエステル樹脂を用いることにより、樹脂被膜とされた場合における耐屈曲性および耐アルコール性に優れたポリエステル樹脂水性分散体を製造することができる。つまり、テレフタル酸の含有量が60モル%未満であるポリエステル樹脂を用いた場合は、樹脂被膜とされた場合の耐屈曲性および耐アルコール性に劣る水性分散体しか得られないという問題がある。
ポリエステル樹脂に共重合される、テレフタル酸以外の酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、3官能以上のカルボン酸等、末端に2個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸などが挙げられる。飽和脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などが挙げられる。不飽和脂肪族ジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸などが挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸およびその無水物、テトラヒドロフタル酸およびその無水物等が挙げられる。また、3官能以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。これらの酸成分は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
なお、本発明において使用されるポリエステル樹脂においては、全酸成分中における、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分の含有割合が1モル%未満であることが好ましく、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分を全く含有しないものであることがより好ましい。スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分を1モル%以上含有するものであると、樹脂被膜とされた場合の耐水性に顕著に劣るポリエステル樹脂水性分散体しか得られない場合がある。
一般的に、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸をポリエステル樹脂の組成に対して配合することで、界面活性剤などを使用しなくても、該ポリエステル樹脂を容易に水性媒体に分散することができるという利点がある。しかしながら、その一方で、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の含有量が多すぎるとポリエステル樹脂の耐水性を損ねてしまう場合がある。その結果、樹脂被膜とされた場合の耐水性に劣る水性分散体しか得られない場合があるため、本発明においては、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸を1モル%以上含有するポリエステル樹脂を使用することは好ましくないのである。
スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SIPA−Na)、5−ナトリウムスルホテレフタル酸(STPA−Na)、5−カリウムスルホイソフタル酸(SIPA−K)、5−カリウムスルホテレフタル酸(STPA−K)、5−リチウムスルホイソフタル酸(SIPA−Li)、5−リチウムスルホテレフタル酸(STPA−Li)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(SIPG−Na)、2,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(STPG−Na)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸カリウム(SIPG−K)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチウム(SIPG−Li)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−Na)、5−ナトリウムスルホテレフタル酸ジメチル(STPM−Na)、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−K)、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−Li)などが挙げられる。
本発明にて用いられるポリエステル樹脂は、全アルコール成分中、エチレングリコールを40モル%以上含有することが必要であり、50モル%以上含有することが好ましく、60モル%以上含有することがより好ましく、70モル%以上含有することがさらに好ましい。エチレングリコールを上記の範囲で含有するポリエステル樹脂を用いることで、樹脂被膜とされた場合の耐薬品性に優れる水性分散体を製造することができる。つまり、エチレングリコールの含有量が40モル%未満であるポリエステル樹脂を用いた場合は、樹脂被膜とされた場合の耐薬品性に劣る水性分散体しか得られないという問題がある。
ポリエステル樹脂に共重合される、エチレングリコール以外のアルコール成分としては、脂肪族グリコール、脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコール、3官能以上のアルコール成分などが挙げられる。脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールなどが挙げられる。脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。3官能以上のアルコール成分としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。アルコール成分としては、上記の他にも、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン(ビスフェノールA)のアルキレンオキシド付加体、ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン(ビスフェノールS)のアルキレンオキシド付加体などが挙げられる。これらのアルコール成分は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
本発明の製造方法にて用いられるポリエステル樹脂には、本発明の特性を損なわない範囲において、必要に応じて、脂肪族ラクトンやヒドロキシカルボン酸などが共重合されていてもよい。脂肪族ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸のエチレンオキシド付加体などが挙げられる。ポリエステル樹脂中の脂肪族ラクトンやヒドロキシカルボン酸の共重合量は、各樹脂被膜特性のバランスを損ねない観点から、全構成成分中の10モル%以下とすることが好ましく、5モル%以下とすることがより好ましく、1モル%以下とすることがさらにより好ましい。
また、本発明の製造方法にて用いられるポリエステル樹脂には、本発明の特性を損なわない範囲で、必要に応じて、モノカルボン酸および/またはモノアルコールが共重合されていてもよい。モノカルボン酸またはモノアルコールの共重合割合は、ポリエステル樹脂を構成する酸成分またはアルコール成分のうち、各々1モル%未満であることが好ましく、0.1モル%未満であることがより好ましく、0モル%であることが特に好ましい。これら成分の共重合割合が1モル%以上であると、後述するポリエステル樹脂の製造時に、分子鎖の延長を阻害する場合があり、ポリエステル樹脂の重縮合が進まず所望の分子量が得られなくなってしまう。その結果、このようなポリエステル樹脂が分散された水性分散体は、樹脂被膜とされた場合の造膜性に劣るものとなる場合がある。
モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、フェニル酢酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。モノアルコールとしては、例えば、セチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。
本発明の製造方法にて用いられるポリエステル樹脂の酸価は、水性分散体とされる際の分散性および長期保存安定性を向上させる観点から、4〜40mgKOH/gであることが必要であり、6〜30mgKOH/gであることが好ましく、8〜30mgKOH/gであることがより好ましく、8〜25mgKOH/gであることがさらに好ましい。使用されるポリエステル樹脂の酸価が4mgKOH/g未満であると、ポリエステル樹脂の水性媒体への分散が困難となり、たとえ分散できたとしても均一な水性分散体を得ることは難しく、保存安定性に劣るものとなる。一方、使用されるポリエステル樹脂の酸価が40mgKOH/gを超える場合は、樹脂被膜とされた場合に、耐水性、耐薬品性および耐屈曲性に劣る水性分散体しか得られないという問題がある。ポリエステル樹脂の酸価を上記の範囲に制御するためには、重縮合により得られたポリエステルに対し解重合を行うという手法を採用すればよい。
本発明の製造方法にて用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−50〜100℃が好ましく、0〜100℃であることがより好ましく、40〜100℃であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が−50℃未満であると、得られるポリエステル樹脂の耐熱性に劣る場合がある。一方、100℃を超えると、得られるポリエステル樹脂の水性媒体に対する分散化が難しくなる場合がある。なお、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を上記の範囲に制御するためには、ポリエステルを重合する際の各種モノマーを適宜選定するという手法を採用すればよい。
本発明の製造方法にて用いられるポリエステル樹脂の数平均分子量は、製造される水性分散体を樹脂被膜とされる場合の造膜性および加工性を向上させる観点から、3000〜25000であることが好ましく、3000〜20000であることがより好ましく、5000〜20000であることがさらに好ましく、7000〜15000であることが特に好ましい。つまり、ポリエステル樹脂の数平均分子量が3000未満であると、樹脂被膜とされる場合に造膜性に劣る水性分散体しか得られない場合がある。一方、数平均分子量が25000を超えると、ポリエステル樹脂の体積平均粒径が大きくなってしまい、得られる水性分散体の保存安定性に劣る場合がある。なお、数平均分子量を上記の範囲に制御するためには、重縮合により得られたポリエステルに対し解重合を行うという手法を採用すればよい。
なお、本発明の製造方法にて用いられるポリエステル樹脂の分散度は、1.5〜6であることが好ましく、1.5〜5であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。なお、分散度とは重量平均分子量を数平均分子量で除した値のことを示す。ここでいう重量平均分子量は、数平均分子量と同様に、後述するような公知の測定方法により得ることができる。
次に、本発明にて用いられるポリエステル樹脂の製造方法について説明する。
つまり、本発明にて用いられるポリエステル樹脂は、上述のような原料モノマーを組み合わせて公知の方法で製造することができる。ポリエステル樹脂の製造方法の具体例としては、原料モノマー成分および/またはその低重合体を、不活性雰囲気下で反応させてエステル化反応をおこない、引き続いて所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めることによりポリエステル樹脂を得る方法などを挙げることができる。
エステル化反応における反応温度は180〜260℃とすることが好ましい。また、反応時間は2.5〜10時間とすることが好ましく、4時間〜6時間とすることがより好ましい。
重縮合反応における反応温度は220〜280℃が好ましい。また、重縮合反応は減圧下でおこなわれてもよく、減圧度は130Pa以下であることが好ましい。減圧度が低いと、重縮合時間が長くなったり、あるいは得られるポリエステル樹脂の数平均分子量が低いものとなったりする場合がある。減圧に際しては、大気圧から130Pa以下に達するまで、60〜180分程度の時間をかけて徐々に減圧することが好ましい。
重縮合反応においては、反応を促進されるための重縮合触媒が用いられてもよい。重縮合触媒としては、特に限定されないが、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、テトラ−n−ブチルチタネート、n−ブチルヒドロキシオキソスズなどの公知の化合物を用いることができる。触媒の使用量としては、酸成分1モルに対し、0.1〜20×10−4モルとすることが好ましい。
また、重縮合反応においては、熱安定剤としてのリン酸やリン酸トリエチルなどを用いることもできる。これらの熱安定剤は重縮合触媒と同時に添加されてもよいし、もしくはどちらか一方を先に添加し、後からもう一方を添加してもよい。
また、上記の重縮合反応に引き続き、不活性雰囲気下において、前記の酸成分および/またはアルコール成分を添加することにより解重合反応をおこなってもよい。解重合に際しては、ポリエステル樹脂に所望の酸価を付与することができる観点から、酸成分でおこなうことが好ましい。また、ポリエステル樹脂の数平均分子量と酸価をバランスよく所望の値にすることができる観点から、酸成分のなかでも、トリメリット酸および/またはその無水物を用いて解重合することがより好ましい。
次いで、本発明の製造方法にて製造されるポリエステル樹脂水性分散体について以下に説明する。ポリエステル樹脂水性分散体は、ポリエステル樹脂が水性媒体中に分散されてなるものである。該水性分散体は乳液状物であってもよい。
ここで、水性媒体とは、水を含む液体からなる媒体をいうものであり、1質量%未満の割合であれば有機溶剤やアンモニア以外の塩基性化合物を含んでいてもよい。
本発明の製造方法においては、ポリエステル樹脂の含有量が5〜50質量%となるように水性分散体を製造することが好ましく、15〜40質量%となるように水性分散体を製造することがより好ましい。水性分散体中のポリエステル樹脂の含有量が50質量%を超えると、分散していたポリエステル樹脂が凝集しやすくなり、保存安定性に乏しい水性分散体しか得られない場合がある。一方、水性分散体中のポリエステル樹脂の含有率が5質量%未満であると、該水性分散体から樹脂被膜を形成した場合に、十分な膜厚を有する被膜を得るために多量のポリエステル樹脂水性分散体を消費してしまうことがあり、コストなどの観点から好ましくない。
本発明の製造方法にて製造されるポリエステル樹脂水性分散体は、そのpHが6以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、8以上であることがさらに好ましい。pHが6未満であると、水性分散体中に分散しているポリエステル樹脂が凝集してしまい、均一な水性分散体が得られなくなる場合がある。
本発明の製造方法により製造されるポリエステル樹脂水性分散体において、ポリエステル樹脂の体積平均粒径は、保存安定性を向上させる観点から、10nm以上400nm以下の微粒子であることが好ましく、30nm以上300nm以下であることがより好ましく、50nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。体積平均粒子径が400nmを超える場合は、水性分散体中に沈殿物が発生し、保存安定性に劣る場合がある。一方、ポリエステル樹脂の体積平均粒径が10nm未満であると、水性分散体としての取扱いが難しくなる場合がある。
水性媒体として用いられる水の種類は特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水等が挙げられる。なかでも、水性分散体としたときの不純物の混入を防止する観点から、蒸留水やイオン交換水を使用することが好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、アルコールや、他の水性ポリエステル樹脂、水性ウレタン樹脂、水性オレフィン樹脂あるいは水性アクリル樹脂などの水性樹脂などが配合されてもよい。
次に、本発明のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法について詳しく説明する。
つまり、上述のようなポリエステル樹脂を、界面活性剤を用いることなく、有機溶剤、アンモニアとともに水性媒体に混合させ、次いで、上記のような攪拌工程(I)および攪拌工程(II)をこの順におこなうことを必須とするものである。このような二段階の攪拌工程を特定の温度下で特定時間おこなうことにより、ポリエステル樹脂が良好に分散し、未分散物の発生が抑制された安定な水性分散体を、特別な装置を用いることなく簡便に効率よく得ることができる。
本発明の製造方法においては、ポリエステル樹脂のカルボキシル基がアンモニアと中和して生成するカルボキシルアニオンの親水性作用により、該ポリエステル樹脂が膨潤し分散化が進行する、いわゆる「自己乳化」が達成される。したがって、あらかじめポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解して溶液を得、この溶液を、アンモニアを含む水性媒体と混合して分散化を達成する、いわゆる「転相乳化」を採る必要がないため、工業的な製法としてより有利である。なお、「転相乳化」とは、ポリエステル樹脂の有機溶剤液に、この溶液に含まれる有機溶剤量を超える量の水を添加して、有機溶剤液の系を、有機溶剤相からO/Wエマルション分散系に変化させることである。
本発明の製造方法において、上記のポリエステル樹脂を、有機溶剤やアンモニアとともに水性媒体に混合させる手法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂、有機溶剤およびアンモニアを、界面活性剤を用いることなく水性媒体中に一括で仕込み、昇温しながら混合することが挙げられる。アンモニア以外の塩基性化合物を用いた場合には、ポリエステル樹脂が水性媒体中に分散することが困難となる。
本発明の製造方法においては、上述のように、塩基性化合物として、アンモニアを用いる必要がある。アニモニアはあらゆる塩基性化合物の中でも、比較的低沸点であり、また、得られたポリエステル樹脂水性分散体を用い被膜を得る際、乾燥時の加熱が比較的低温で行うことができ、かつ形成された被膜中の塩基性化合物の残存量を減らすことができる点で、最も好ましく用いることができるからである。加えて、塩基性化合物としてアンモニアを用いることで、得られる水性分散体の保存安定性に優れるという利点がある。ここで、得られる樹脂被膜において塩基性化合物が多く残存することは、該被膜の耐水性、耐アルコール性、耐薬品性、耐屈曲性を損ねるため、乾燥時に低温で容易に揮発することは重要である。例えば、本発明にて得られたポリエステル樹脂水性分散体を用いると、120℃で1分間という低温および短時間の加熱で被膜を得ることができる。
本発明においては、アンモニアとして、アンモニア水溶液が用いられてもよい。
アンモニアの使用量は、製造される水性分散体におけるポリエステル樹脂の分散性を優れたものとし、さらに分散効率および長期保存安定性などを向上させる観点から、酸価20mgKOH/gのポリエステル樹脂100gに対して、0.55〜0.73gのアンモニア(水溶液を用いる場合、例えば25質量%のアンモニア水であれば2.19〜2.91g)を用いることが好ましく、0.61〜0.67g(25質量%のアンモニア水であれば2.43〜2.67g)用いることがより好ましい。アンモニアの使用量の目安としては、酸価が2倍となれば、用いるアンモニアの使用量も2倍とするのが好ましい。アンモニアの使用量が過多であると、攪拌工程(I)または攪拌工程(II)において、液粘度が激しく上昇したり、未分散物が多量に発生したりするなど、安定な水性分散体を得ることが困難となる場合がある。また、その使用量が過少であるとポリエステル樹脂の水性媒体中への分散が不十分となり、均一な水性分散体を得ることができない場合がある。
アンモニアの好ましい使用量を当量で換算すると、用いられるポリエステル樹脂の酸価に対して1.0〜1.3倍当量添加することが好ましく、1.0〜1.2倍当量添加することがより好ましい。1.0倍当量であると水性媒体中への分散が不十分であり、1.3倍当量を超えると安定な水性分散体を得ることが難しくなるばかりでなく、保存安定性が低下することがある。
また、混合においては、有機溶剤を用いることにより水性化を容易にすることができる。ただし、後述する脱溶剤工程により有機溶剤および/またはアンモニアの一部、または、全部を留去することができる。
有機溶剤としては、例えば、ケトン系有機溶剤、芳香族系炭化水素系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、含ハロゲン系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、エステル系有機溶剤、グリコール系有機溶剤など公知のものを使用することができる。
ケトン系有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。芳香族炭化水素系有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼンなどが挙げられる。
エーテル系有機溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。含ハロゲン系有機溶剤としては、四塩化炭素、トリクロロメタン、ジククロロメタンなどが挙げられる。アルコール系有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノールなどが挙げられる。
エステル系有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチルなどが挙げられる。グリコール系有機溶剤としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。また、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコールなどの有機溶剤も使用することができる。なお、有機溶剤は、単独で使用されてもよいし、あるいは2種以上が併用されてもよい。
有機溶剤としては、20℃における水への溶解度が5g/L以上のものが好ましく、10g/L以上のものがさらに好ましい。また、沸点は150℃以下であることが好ましい。沸点が150℃を超える場合、後述の脱溶剤工程において有機溶剤を蒸留させるために多量のエネルギーを浪費してしまうという問題がある。特に、前記溶解度が5g/L以上でかつ沸点が150℃以下である有機溶剤が好ましい。このような条件を満たす具体的な有機溶剤としては、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。なかでも、易分散性、分散安定性、揮散性などにより優れる観点から、炭素数2〜4のアルコールが好ましく、炭素数3のアルコールがより好ましく、イソプロパノールが特に好ましい。
さらに、有機溶剤を用いる場合には、その含有割合を制御することによって、より分散効率や安定性の高い水性分散体を容易に製造することができる。例えば、有機溶剤としてイソプロパノールを用いる場合、有機溶剤中のイソプロパノールの含有割合は、17〜27質量%とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、界面活性剤を用いないことが必要である。界面活性剤を用いると、ポリエステル樹脂を容易に水性媒体に分散することができる反面、樹脂被膜とされた場合の耐水性が顕著に低下した水性分散体しか得られないという問題があるからである。
ここで、一般的な界面活性剤としては、例えば、Aldrich社製のIgepalシリーズ;三洋化成社製のナロアクティーN-100、ナロアクティーN-120、ナロアクティーN-140などナロアクティーシリーズ;三洋化成社製のサンノニックSS-120、サンノニックSS-90、サンノニックSS-70などのサンノニックSSシリーズ;三洋化成社製のサンノニックFD-140、サンノニックFD-100、サンノニックFD-80などのサンノニックFDシリーズ;三洋化成社製のセドランFF-220、セドランFF-210、セドランFF-200、セドランFF-180などのセドランFFシリーズ;三洋化成社製のセドランSNP-112などのセドランSNPシリーズ;三洋化成社製のニューポールPE-64、ニューポールPE-74、ニューポールPE75などのニューポールPEシリーズ;サンモリン11などが挙げられる。
攪拌工程(I)について以下に述べる。
攪拌工程(I)は、(ポリエステル樹脂のガラス転移温度−10)℃以上(ガラス転移温度)℃以下の温度で30分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を80%以上とする工程である。
ここで、分散効率とはポリエステル樹脂水性分散体におけるポリエステル樹脂の分散性を示すものであり、以下のような手法により算出されるものである。
まず、ポリエステル樹脂水性分散体を製造する際に仕込むポリエステル樹脂の質量を秤量し、この値をWgとする。次いで、実際に製造された水性分散体の質量Zgを用い、最終的に得られた水性分散体に分散されているポリエステル樹脂の質量Wを次式より計算する。
(g)=(Z)×[水性分散体中の固形分濃度(%)/100]
次いで、下記式により、ポリエステル樹脂水性分散体の分散効率を求める。
分散効率(%)=(W/W)×100
なお、水性分散体中の固形分濃度の算出方法は、実施例において詳述する。
本発明においては、分散効率が低い値であるほど、水性分散体に分散されていないポリエステル樹脂がより多くの未分散物となって、沈殿、凝集あるいは析出していることを示している。
例えば、使用されるポリエステル樹脂のTgが50℃である場合は、攪拌工程(I)における攪拌温度(攪拌槽の温度)を40〜50℃に制御しつつ、30分以上の時間で攪拌するのである。攪拌温度および攪拌時間をこの範囲に同時に制御しながら攪拌することで、ポリエステル樹脂をアンモニアおよび/または水性媒体によって適度に膨潤させることができ、攪拌工程(I)の終了時における分散効率を80%以上とすることができる。加えて、続く攪拌工程(II)において、ポリエステル樹脂を安定的に分散させることができるという顕著な効果が奏される。
攪拌工程(I)における攪拌温度が、(ポリエステル樹脂のガラス転移温度−10)℃未満であるとポリエステル樹脂の膨潤が不十分となり、一方、攪拌工程(I)における温度が、(ガラス転移温度)℃を超えると分散が不均一に進行し、いずれの場合においても、攪拌工程(I)の終了時における分散効率が80%未満となってしまう。その結果、未分散物が多くなり、ポリエステル樹脂が安定に分散した水性分散体を得られなくなる。
攪拌工程(I)における攪拌時間は30分以上であることが必要であり、30〜180分であることが好ましく、30〜120分であることがより好ましく、30〜90分であることがさらに好ましい。攪拌時間が30分未満であると、アンモニアや水性媒体によるポリエステル樹脂の膨潤が不十分となり、ポリエステル樹脂が安定して分散された水性分散体を得ることができない。一方、180分を超えると、そのために過剰なエネルギーを消費することになるため、コストなどの観点から好ましくない。
攪拌工程(I)の終了時における分散効率は、80%以上であることが必要であり、85%以上であることが好ましい。分散効率が80%未満であると、続く攪拌工程(II)においてポリエステル樹脂を安定して分散させることができず、攪拌工程(II)の終了時における分散効率を所望の範囲とすることができない。
攪拌工程(II)について以下に述べる。攪拌工程(II)は、上述のように、(ポリエステル樹脂のガラス転移温度+10)℃以上の温度で60分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を97%以上とする工程である。
例えば、使用されるポリエステル樹脂のTgが50℃である場合は、攪拌工程(II)における攪拌温度(攪拌槽の温度)を60℃以上に制御し、60分以上の時間で攪拌するのである。攪拌槽の温度および攪拌時間をこの範囲に制御しながら攪拌することによって、ポリエステル樹脂が良好に分散し、攪拌工程(II)の終了時における分散効率を97%以上とすることができる。その結果、未分散物の発生が抑制された安定な水性分散体を、特別な装置を用いることなく簡便に効率よく得ることができる。
攪拌工程(II)における温度が(ポリエステル樹脂のガラス転移温度+10)℃未満であると、ポリエステル樹脂の分散が不完全なものとなり、未分散物が多量に発生してしまう。なお、攪拌工程(II)における温度は(Tg+10)〜110℃であることが好ましい。
攪拌工程(II)における攪拌時間が60分未満であると、ポリエステル樹脂の分散が不十分となり、ポリエステル樹脂が安定に分散した水性分散体を得られなくなる。攪拌時間は60〜180分であることが好ましく、60〜120分であることがより好ましい。攪拌時間が180分を超えると、そのために過剰なエネルギーを消費することになり、コストなどの観点から好ましくない。
攪拌工程(II)の終了時における分散効率は、97%以上であることが必要であり、99%以上であることが好ましい。分散効率が97%未満であると、得られる水性分散体中において、ポリエステル樹脂を安定して分散させることができない。その結果、未分散物が発生し、製造系内においてろ過詰まりなどが発生してしまう。
なお、攪拌工程(I)および攪拌工程(II)において、攪拌させるための装置としては、ポリエステル樹脂の分散性向上の観点から、ホモミキサ等の各種撹拌装置を用いることができるが、その際、撹拌翼の選定は重要である。すなわち、撹拌容器に対し、撹拌翼の回転半径は十分に大きいものであると、撹拌効率を十分に高めることができ、ひいては本発明の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の分散効率を高めることができる。
さらに、攪拌させるための手法として、撹拌翼の翼先端の周速度は、攪拌工程(I)では、0.2〜2.0m/sであることが好ましく、0.3〜1.5m/sであることがより好ましい。攪拌工程(II)では、0.1〜1.5m/sであることが好ましく、0.2〜1.0m/sであることが好ましい。このような周速度で撹拌を行うことにより、本願発明の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の終了時における分散効率を、上記の範囲とすることが可能となる。
なお、周速度とは、撹拌翼の回転数n(rpm)(1分間あたりの回転数)および撹拌翼の回転半径(すなわち、撹拌翼半径)R(mm)を用い、下記式より算出される値であり、撹拌のスケールによらず撹拌の効率を表す指標である。
周速度(m/s)=2πnR
例えば、容量3Lの円筒状容器(容器内部の半径75mm、高さ170mm)に対し、回転半径が70mmとなる撹拌翼を備えた撹拌装置を用いて、回転数30rpmで撹拌した際の撹拌翼先端の周速度は0.21m/sであり、同じく回転数70rpmで撹拌した際の撹拌翼先端の周速度は0.51m/sである。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法においては、攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の後段に、有機溶剤やアンモニアの留去(脱溶剤)をおこなってもよい。系中に有機溶剤やアンモニアが残存している状態では、水性分散体の保存安定性に劣る場合があるからである。
脱溶剤工程は、分散工程の後に水性媒体を蒸留する方法によりおこなうことができる。蒸留は、常圧、減圧下いずれでおこなってもよく、蒸留をおこなう装置としては、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであればよい。
また、本発明の製造方法においては、異物などを取り除く目的で、攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の後段に、ろ過工程が設けられていてもよい。ろ過工程においては、例えば、600メッシュのステンレス製フィルター(濾過精度25μm、綾織)を設置し、常圧ろ過、または、加圧(空気圧0.2MPa程度)ろ過をおこなえばよい。ろ過工程は攪拌工程(I)及び攪拌工程(II)の直後に設けられてもよいし、前述の脱溶剤工程を設ける場合には、脱溶剤工程の後に設けられてもよい。
本発明の製造方法により製造されるポリエステル樹脂水性分散体には、本発明の効果を損なわない範囲おいて、必要に応じて、硬化剤、各種添加剤、保護コロイド作用を有する化合物、水、有機溶剤、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料、染料、他の水性ポリエステル樹脂、水性ウレタン樹脂、水性オレフィン樹脂、水性アクリル樹脂等の水性樹脂などが配合されてもよい。
本発明の製造方法により製造されるポリエステル樹脂水性分散体から、本発明の樹脂被膜を形成することができる。樹脂被膜の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、グラビアコート法、マイヤーバーコート法、ディッピング法、はけ塗り法、スプレーコート法、カーテンフローコート法などの手法を採用することができる。これらの方法を用いてポリエステル樹脂水性分散体を各種の基材表面に均一にコーティングし、必要に応じて室温付近でセッティングした後、乾燥および焼き付けのための加熱処理に供することにより、本発明の樹脂被膜を基材表面に密着させて形成することができる。加熱処理に用いられる加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや、赤外線ヒータなどが挙げられる。
加熱温度や加熱時間は、基材の種類などにより適宜選択されるものである。なかでも、経済性を考慮した場合、加熱温度としては通常60〜250℃であることが好ましく、70〜230℃であることがより好ましく、80〜200℃であることがさらに好ましい。加熱時間としては通常1秒〜30分間であることが好ましく、5秒〜20分であることがより好ましく、10秒〜10分であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂被膜の厚さは、その目的や用途によって適宜選択されるものである。なかでも、0.01〜40μmであることが好ましく、0.1〜30μmであることがより好ましく、0.5〜20μmであることがさらに好ましい。
本発明の製造方法により製造されるポリエステル樹脂水性分散体は保存安定性に優れるものであり、加えて、樹脂被膜とされた場合の造膜性、耐水性、耐アルコール性、耐薬品性および耐屈曲性に優れている。そのため、得られる樹脂被膜は例えば、ボイル処理やレトルト処理をおこなう包装フィルム、浴室などに代表される高温多湿空間用の加飾フィルムの積層部材などの用途において非常に有用である。
以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
本発明にて用いられた評価方法、測定方法は下記の通りである。
(1)ポリエステル樹脂の構成
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製、「ECA500 NMR」)を用いてH−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度からポリエステル樹脂の組成を求めた。分析条件としては、溶媒として重水素化トリフルオロ酢酸を用い、分解能を500MHz、温度を25℃とした。また、H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められないモノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後にガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
(2)ポリエステル樹脂の酸価
ポリエステル樹脂0.5gを、水と1,4−ジオキサンの混合溶媒[(水)/(1,4−ジオキサン)=1/9、体積比]50mlに室温で溶解し、溶解液とした。この溶解液を、クレゾールレッドを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、中和に消費された共重合ポリエステル樹脂1gあたりの水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)を酸価とした。
(3)ポリエステル樹脂のガラス転移温度
ポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、「Diamond DSC」、検出範囲:−50℃〜200℃)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこなった。そして、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点における温度を求め、これをガラス転移温度とした。
(4)ポリエステル樹脂の数平均分子量、重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を測定した。
[送液ユニット]:島津製作所社製LC−10ADvp
[紫外−可視分光光度計]:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
[カラム]:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
[溶媒]:テトラヒドロフラン
[測定温度]:40℃
(5)ポリエステル樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリエステル樹脂水性分散体を約1g秤量し、これをXgとした。さらにこの水性分散体を150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量し、これをYgとした。そして、以下の式(イ)により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y/X)×100 (イ)
(6)ポリエステル樹脂水性分散体のpH
pHメーター(堀場製作所社製、「F−21」)を用い、pH7およびpH9の標準緩衝液(ナカライテスク社製)により校正した後、測定温度を25℃としてポリエステル樹脂水性分散体のpHを測定した。
(7)ポリエステル樹脂水性分散体中のポリエステル樹脂の体積平均粒径、および数平均粒径
ポリエステル樹脂水性分散体中のポリエステル樹脂の濃度が0.1質量%になるように水で希釈した。これに対してレーザー回折式粒径測定装置[日機装社製、「MICROTRAC UPA」(モデル9340−UPA)]を用い、水性分散体中のポリエステル樹脂の体積平均粒径、および数平均粒径を測定した。なお、ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cmに設定した。
(8)ポリエステル樹脂水性分散体中の分散効率
ポリエステル樹脂水性分散体を製造する際に仕込むポリエステル樹脂の質量を秤量(Wとする)し、実際に製造された水性分散体の質量(Zとする)を用いて、得られた水性分散体に分散されているポリエステル樹脂の質量Wを次式(ロ)より計算した。
(g)=(Z)×[上記(5)にて求められた水性分散体中の固形分濃度(%)/100] (ロ)
次いで、以下の式(ハ)により分散効率を求めた。
分散効率(%)=(W/W)×100 (ハ)
(9)ポリエステル樹脂水性分散体の保存安定性
水性分散体30gを50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、25℃で180日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定し、以下の式(ニ)により、沈殿したポリエステル樹脂の割合を計算し、以下の基準で評価した。
沈殿したポリエステル樹脂の割合(質量%)=[保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)]/[保存前の固形分濃度(質量%)] (ニ)
◎:沈殿したポリエステル樹脂の割合が0.1質量%未満である。
○:沈殿したポリエステル樹脂の割合が0.1質量%以上0.5質量%未満である。
△:沈殿したポリエステル樹脂の割合が0.5質量%以上1.0質量%未満である。
×:沈殿したポリエステル樹脂の割合が1.0質量%以上である。
(10)樹脂被膜の造膜性
水性分散体を、二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ38μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケータNo.542−AB型、バーコータ装着)を用いてコーティングした。その後、120℃に設定された熱風乾燥機中で1分間乾燥させることにより、膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。樹脂被膜を目視にて観察し、以下の基準で造膜性を評価した。なお、樹脂被膜の膜厚は、厚み計(ユニオンツール社製、「MICROFINE」)を用い、フィルムの厚みを予め測定しておき、水性分散体を用いてフィルム上に樹脂被膜を形成した後、この樹脂被膜を有する基材の厚みを同様の方法で測定し、その差を求めることにより算出した。
○:クラック、ブツおよび白化のいずれもが見られない。
×:クラック、ブツおよび白化のいずれかが見られる。
(11)樹脂被膜の耐水性
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。その後、60℃の蒸留水に浸漬させ、24時間後に静かに引き上げ、風乾させた。次いで、樹脂被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で耐水性を評価した。
○:樹脂被膜において、外観変化が全くなかった。
△:樹脂被膜表面が白く曇った。
×:樹脂被膜が溶解、膨潤した。
(12)樹脂被膜の耐アルコール性
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。その後、25℃のイソプロパノールに浸漬させ、24時間後に静かに引き上げ、風乾させた。次いで、樹脂被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で耐アルコール性を評価した。
○:樹脂被膜において、外観変化が全くなかった。
△:樹脂被膜表面が白く曇った。
×:樹脂被膜が溶解、膨潤した。
(13)樹脂被膜の耐薬品性
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。その後、25℃の塩酸水溶液(0.1N)に浸漬させ、24時間後に静かに引き上げ、風乾させた。次いで、樹脂被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で耐薬品性を評価した。
○:外観変化が全くなかった。
×:表面状態が変化(表面が白く曇る、樹脂被膜が溶解、膨潤などの変化)した。
(14)樹脂被膜の耐屈曲性
得られた水性分散体を、ティンフリースチール(0.3mm厚)に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、「フィルムアプリケータNo.542−AB型」、バーコータ装着)を用いてコーティングした。その後、150℃に設定された熱風乾燥機中で3分間乾燥させることにより、膜厚が4μmの樹脂被膜を形成した。次いで、樹脂被膜が形成されたティンフリースチールを150mm×50mmに切り出し、試験片とした。測定はJIS K5600−5−1にしたがって、次のようにおこなった。すなわち、被膜性能評価装置(安田精機製、「塗料被膜屈曲試験機 No.514」)に、樹脂被膜形成面が曲率芯棒に対して外側となるように試験片を差し込み、1秒間で180°折り曲げた。その後、折り曲げた部分を目視にて観察し、以下の基準で耐屈曲性を評価した。なお、曲率芯棒として直径の異なる3種を用い、それぞれの直径は10mm、6mmおよび1mmであった。曲率芯棒の直径が小さいほど厳しい条件下の試験であるものであり、厳しい条件下での試験で良い評価ほど、耐屈曲性が良好であると判断する。
○:樹脂被膜が割れたり、剥がれたりしておらず、折り曲げに耐えている。
△:樹脂被膜に微小のひび割れ(2mm未満の亀裂)が見られる。
×:樹脂被膜が割れて、剥がれている。
(15)攪拌時の周速度
攪拌時における撹拌翼の回転数(rpm)および撹拌翼半径(mm)を用い、下記式により算出した。
周速度(m/s)=2πnR
実施例、および比較例で用いたポリエステル樹脂は、以下のようにして得た。
[ポリエステル樹脂の調製例]
[ポリエステル樹脂A]
テレフタル酸(TPA)2907g、イソフタル酸(IPA)1246g、エチレングリコール(EG)1055g、ネオペンチルグリコール(NPG)1745gからなる混合物をオートクレーブ中で、260℃で6時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込樹脂組成は、TPA/IPA/EG/NPG=70/30/68/67(モル比)であった。次いで、触媒として三酸化アンチモン1.8g(酸成分1モルあたり2.5×10−4モル)とリン酸0.3g(酸成分1モルあたり1.0×10−4モル)を添加し、系の温度を280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、4時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、265℃になったところで有水トリメリット酸105g(酸成分1モルに対して0.02モル)を添加し、265℃で2時間撹拌して、解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aの仕込組成を表1に示す。
[ポリエステル樹脂B]
テレフタル酸(TPA)4153g、エチレングリコール(EG)1133g、ネオペンチルグリコール(NPG)1614gからなる混合物をオートクレーブ中で、260℃で6時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込樹脂組成はTPA/EG/NPG=100/73/62(モル比)であった。次いで、触媒として酢酸亜鉛1.4g(酸成分1モルあたり2.5×10−4モル)を添加し、系の温度を280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、3時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、265℃になったところで無水トリメリット酸96g(酸成分1モルに対して0.02モル)を添加し、265℃で2時間撹拌して、解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂Bを得た。ポリエステル樹脂Bの仕込組成を表1に示す。
[ポリエステル樹脂C〜L]
ポリエステル樹脂の仕込組成、および解重合剤を、表1のように変更した以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にして、ポリエステル樹脂C〜Lを得た。
Figure 2013209433
なお、表1および表2における略語は、以下のものを示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
ADA:アジピン酸
EG:エチレングリコール
NPA:ネオペンチルグリコール
BAEO:2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのエチレンオキシド付加体
TMMA:無水トリメリット酸
TMA:有水トリメリット酸
SIPA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
得られたポリエステル樹脂A〜Lの最終樹脂組成および特性値を表2に示す。
Figure 2013209433
[実施例1]
ジャケット付きの、密閉が可能な円筒状ガラス容器(内容量3L;容器内部の半径75mm、高さ170mm)と、攪拌機(東京理科器械社製、「MAZELA NZ−1200」)を用い、ポリエステル樹脂Aを300g、イソプロパノールを180g、濃度が25質量%であるアンモニア水を7.6g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.05倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水を512gそれぞれガラス容器内に仕込み、攪拌翼(羽根付き攪拌棒;羽根の直径140mm)の回転速度を70rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して昇温した。内温が58℃になった時点で昇温を止め、そこから攪拌を30分間続けた。攪拌中は内温を58〜62℃に保つよう適宜昇温をおこなった。ここまでの攪拌は攪拌工程(I)である。
以下は、攪拌工程(II)による攪拌である。つまり、攪拌工程(I)をおこなった後、攪拌を続けながら再びジャケット内に熱水を通して昇温し78℃になった時点で昇温を止め、そこから攪拌を120分間続けた。攪拌中は内温を78〜82℃に保つよう適宜昇温をおこなった。その後、ジャケット内に冷水を通し、回転速度を30rpmに下げて攪拌しつつ、25℃まで冷却しポリエステル樹脂水性分散体を得た。得られた水性分散体に対し、600メッシュのステンレス製フィルターによるろ過をおこなった。
[実施例2]
ポリエステル樹脂Bを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を8.8g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水を511gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は68〜72℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は84〜88℃とした。
[実施例3]
ポリエステル樹脂Cを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を10.5g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を510gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は38〜40℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は63〜66℃とした。
[実施例4]
ポリエステル樹脂Dを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を3.0g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.1倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を517gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は65〜68℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は81〜84℃とした。
[実施例5]
イソプロパノールの仕込量を220g、蒸留水の仕込量を472gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の攪拌温度についても実施例1と同様とした。
[実施例6]
イソプロパノールの仕込量を150g、蒸留水の仕込量を542gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の攪拌温度についても実施例1と同様とした。
[実施例7]
濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を9.4g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.3倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を511gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の攪拌温度についても実施例1と同様とした。
[実施例8]
ポリエステル樹脂Iを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を1.5g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.05倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を518gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度も実施例1と同様とした。
[実施例9]
ポリエステル樹脂Jを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を15.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.05倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を505gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度も実施例1と同様とした。
[実施例10]
ポリエステル樹脂Kを用いること以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の仕込み量、および手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度も実施例1と同様とした。
[実施例11]
ポリエステル樹脂Lを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を9.6g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.05倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を510gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度も実施例1と同様とした。
[実施例12]
攪拌工程(I)における温度を、53〜57℃、すなわち(Tg−10)℃とし、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は53〜57℃とした。
[実施例13〜15]
攪拌工程(I)における攪拌時間を、表4に示したように変更した以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[実施例16〜18]
攪拌工程(II)における攪拌時間を、表4に示したように変更した以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[実施例19]
攪拌機(東京理科器械社製、「MAZELA NZ−1200」)に対し、羽根の直径が60mmである攪拌翼を取り付け、攪拌工程(I)では回転数70rpm、攪拌工程(II)では回転数30rpmにて攪拌を行う以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[実施例20]
実施例19で用いた撹拌翼を用い、攪拌工程(I)では回転数60rpm、攪拌工程(II)では回転数30rpmにて攪拌を行う以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[比較例1]
ポリエステル樹脂Eを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を7.2g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を513gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は55〜59℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は75〜79℃とした。
[比較例2]
ポリエステル樹脂Fを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を7.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.05倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を513gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は50〜55℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は75〜79℃とした。
[比較例3]
ポリエステル樹脂Gを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を1.4g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.1倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を519gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法をおこなった。しかしながら、反応の途中から内容物であるポリエステル樹脂全体が凝集してしまい、水性分散体を得ることができなかった。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は58〜62℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は78〜82℃とした。
[比較例4]
ポリエステル樹脂Hを用いること、および、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を16g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込を504gに変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。なお、攪拌工程(I)の攪拌温度は50〜55℃、攪拌工程(II)の攪拌温度は75〜79℃とした。
[比較例5]
攪拌工程(II)の攪拌温度を、攪拌工程(I)の攪拌温度と同じ温度に変更し、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を7.2g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を513gに変更し、実施例1の製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。具体的には、攪拌工程(I)の攪拌温度は58〜62℃とし、攪拌工程(II)の攪拌温度も58〜62℃とした。
[比較例6]
攪拌工程(I)の攪拌温度を、攪拌工程(II)の攪拌温度と同じ温度に変更し、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を7.2g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を513gに変更し、実施例1の製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。具体的には、攪拌工程(I)の攪拌温度は78〜82℃とし、攪拌工程(II)の攪拌温度も78〜82℃とした。
[比較例7]
界面活性剤(Aldrich社製、「IgepalCO720」)の10質量%水溶液を25g加え、濃度が25質量%であるアンモニア水の仕込量を7.2g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.0倍当量のアンモニアに相当)、蒸留水の仕込量を513gに変更し、実施例1の製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の攪拌温度についても実施例1と同様とした。
[比較例8]
撹拌工程(I)における温度を48〜52℃、すなわち(Tg−10)℃未満とし,攪拌工程(II)における温度を75〜79℃とした以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[比較例9]
撹拌工程(I)における撹拌時間を25分とした以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[比較例10]
撹拌工程(II)における撹拌時間を55分とした以外は、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[比較例11]
濃度が25質量%であるアンモニア水を、トリエチルアミン11g(ポリエステル樹脂の酸価に対して1.05倍当量のトリエチルアミンに相当)に変更し、実施例1で記載している製造方法と同様の手順で、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。攪拌工程(I)おの攪拌温度は、68〜72℃とした。
実施例1〜20および比較例1〜11において得られたポリエステル樹脂水性分散体の評価結果、および該水性分散体を用いて得られるポリエステル樹脂被膜の評価結果を、表3、表4および表5に示す。なお、表3〜5におけるアンモニアの添加量は、アンモニア水を用いた場合は、アンモニアの量として記載した。
Figure 2013209433
Figure 2013209433
Figure 2013209433
表5において、※1は内容物全体が凝集してしまい、水性分散体を得ることができなかったことを示す。
表3から明らかなように、実施例1〜20のような本発明のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法を用いると、分散不良や沈殿物が生じることが無く、分散効率がよい状態でポリエステル樹脂水性分散体を得ることができた。加えて、得られた水性分散体は長期間の保存安定性に非常に優れており、該水性分散体から得られた樹脂被膜は、造膜性、耐水性、耐アルコール性、耐薬品性および耐屈曲性に優れていた。さらに、該樹脂被膜は水性分散体より得られているため、環境への負荷を低減できる点においても非常に優れるものであった。
比較例1においては、用いられるポリエステル樹脂中に、テレフタル酸が60モル%以上の割合で含有されていなかった。そのため、製造された水性分散体から得られた樹脂被膜は耐アルコール性に乏しいものであった。
比較例2においては、用いられるポリエステル樹脂中に、アルコール成分としてのエチレングリコールが40モル%以上の割合で含有されていなかった。そのため、製造された水性分散体から得られた樹脂被膜は耐薬品性に乏しいものであった。
比較例3においては、用いられるポリエステル樹脂の酸価が4mgKOH/g未満であった。そのため、水性分散体中に固形物が凝集してしまい、水性分散体を得ることができなかった。
比較例4においては、用いられるポリエステル樹脂の酸価が40mgKOH/gを超えるものであった。そのため、得られた樹脂被膜は耐水性および耐薬品性に乏しく、さらに耐屈曲性にもやや劣るものであった。
比較例5においては、水性分散体の製造方法の攪拌工程(II)の攪拌温度が(ポリエステル樹脂のTg+10)℃未満であった。そのため、多量に分散不良が発生し、分散効率の低い水性分散体しか得られなかった。また、得られた水性分散体においては、保存安定性にも劣るものであった。
比較例6においては、水性分散体の製造方法での攪拌工程(I)の攪拌温度がポリエステル樹脂のTgを超えるものであった。そのため、多量に分散不良が発生してしまい分散効率の低い水性分散体しか得られなかった。
比較例7においては、界面活性剤を使用して水性分散体を得た。そのため、該水性分散体から得られた樹脂被膜は耐水性に乏しいものであった。
比較例8においては、撹拌工程(I)における温度が(Tg−10)℃未満であったため、攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の終了時における分散効率が低いものとなり、得られた水性分散体は保存安定性に劣るものとなった。
比較例9においては、攪拌工程(I)における攪拌時間が短すぎたため、攪拌工程(I)および攪拌工程(II)の終了時における分散効率が低いものとなり、得られた水性分散体は保存安定性に劣るものとなった。
比較例10においては、攪拌工程(II)における攪拌時間が短すぎたため、攪拌工程(II)の終了時における分散効率が低いものとなり、得られた水性分散体は保存安定性に劣るものとなった。
比較例11においては、アンモニアに代えて、塩基性化合物としてトリエチルアミンを使用して水性分散体を得た。そのため、得られた水性分散体は保存安定性に劣るものとなり、加えて、耐水性、耐アルコール性、耐薬品性および耐屈曲性に劣るものであった。

Claims (5)

  1. テレフタル酸を60モル%以上が含有する酸成分、およびエチレングリコールを40モル%以上含有するアルコール成分を含み、酸価が4〜40mgKOH/gであるポリエステル樹脂を、界面活性剤を用いることなく有機溶剤、アンモニアとともに水性媒体に混合し、次いで、以下の攪拌工程(I)および攪拌工程(II)をこの順におこなうことを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
    攪拌工程(I)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度−10)℃以上(ガラス転移温度)℃以下の温度で30分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を80%以上とする工程。
    攪拌工程(II)(ポリエステル樹脂のガラス転移温度+10)℃以上の温度で60分以上攪拌することにより、ポリエステル樹脂の分散効率を97%以上とする工程。
    なお、上記攪拌工程(I)および攪拌工程(II)において、ポリエステル樹脂の分散効率とは、用いられるポリエステル樹脂の質量に対する、実際に水性分散体中に分散されているポリエステル樹脂の質量の割合を示すものである。
  2. 攪拌工程(I)において、攪拌翼の周速度を0.2〜2.0m/sとして撹拌を行うことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
  3. 攪拌工程(II)において、攪拌翼の周速度を0.1〜1.5m/sとして撹拌を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体。
  5. 請求項4に記載のポリエステル樹脂水性分散体から形成されてなることを特徴とする樹脂被膜。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016080530A1 (ja) * 2014-11-21 2016-05-26 ミヨシ油脂株式会社 真球状単分散性ポリエステル樹脂水系分散体とその製造方法並びに真球状単分散性ポリエステル樹脂粒子および化粧品
JP2016117886A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 転相乳化による結晶性ポリエステルラテックスの調製のための単一溶媒調合物

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