JP2013206235A - 情報処理システム及びパートナー選定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、複数の提携業者の中から、それぞれ各工程における提携業者の自動選定を行う。
【解決手段】本発明における情報処理システムは、複数のプリントパートナーと、該プリントパートナーの刷品質評価度と、印刷物の目標受注量と、実績受注量とを対応付けて記憶した記憶手段と、複数のプリントパートナーの中から、最も高い印刷品質評価度を有する一のプリントパートナーを選定するプリントパートナー選定手段と、選定されたプリントパートナーに対し印刷物の印刷業務を発注する発注手段とを有し、プリントパートナー選定手段は、所定期間中、印刷品質評価度が所定以上のプリントパートナーを抽出し、抽出した該プリントパートナーの中から、実績受注量が前記目標受注量を超えない一のプリントパートナーを選定する。
【選択図】図24

Description

本発明は、情報処理システム及びパートナー選定方法に関する。
近年、PCやインターネット等のデジタル技術の普及が進むにつれ、販促印刷物、パンフレット、各種帳票といった印刷物は、従来の紙媒体中心のものからデジタル中心のものへと、その主流はシフトしつつある。例えば、販促印刷物はEメールへ、パンフレットはPDF(登録商標)へ、請求書や明細なども文書ファイルへといったように、紙媒体の印刷物は電子データへ取って代わりつつある。
一般に紙媒体の印刷物は、電子文書と比べ、印刷業者に印刷を依頼する必要があり、その分の印刷費用が必要である。また印刷を要する分、印刷及びその配送のため、納品されるまでには一定の期間(納期)が必要である。しかしその一方、紙媒体の印刷物ならではの良さもまた十分に認識されている。紙媒体の印刷物は老若男女、万人に受け入れられるものであり、またときに、紙媒体の印刷物特有の読み易さ、人に与える安心感、人目を引く美しい印刷感・デザイン性を鑑みると、そのメリットは電子文書に勝るとも劣ることはないことはいうまでもない。
このような背景の下、印刷業者においては、紙媒体の印刷物の利用を促すべく、デジタル技術を利用した様々な提案を行っており、その1つに、ウェブサイト、Webブラウザを通じて印刷物をワンストップで発注できるクラウドプリンティング(ウェブプリントなどともいう)がある。発注する側(ユーザ)から見ると、いつでも簡単に発注を行うことができる。具体的には、ウェブサイトを通じて印刷データを入稿(アップロード)しさえすれば、指定の配送先にその印刷物が配送されるので、発注業務の簡素化になる。また、印刷を受注する側(印刷業者)から見ても、効率的な営業活動と効率的に印刷物を提供する仕組みを実現できる。
具体的に、ユーザは印刷業者等が運営するウェブサイト(図1参照)にアクセスし、印刷物の種類、数量、配送先住所等の情報を入力し印刷物の発注を行う。またオプションで、特殊な印刷・納品等の細かな注文を行うことも可能である。例えば、「新聞折込チラシを20000部作成し、4日後に仙台に18000部、東京に2000部ずつ発送する。」、「製本しページ数100ページものを500部作成する。」、「表紙はフルカラーで表面にラミネート加工する。」、「両面印刷で、うち90ページは白黒で、10ページはカラー印刷する。」等々である。
また印刷原稿については、印刷物の種類によって入稿の仕方は異なる。例えば、名刺、ホストカードや封筒のような定型形の印刷物であれば、サイト上に提供されているいくつかのデザインやテンプレートの中からフォームを選択のうえ、オンラインでフォームを任意に編集して入稿する(例えば、特許文献1参照)。また会社案内や取扱説明書のような自由形の印刷物であれば、ユーザ側が作成した完成原稿(印刷データ)をアップロードする。またときに、ユーザがデザインサービスを利用する場合、要望事項を入力すれば、印刷業者側のデザイナーがデザインを含め完成原稿(印刷データ)を作成してくれるものもある。
以上、諸情報の入力を終えると、クラウドプリンティング・システムは、入力された発注内容に応じて、見積金額や納期を計算し、サイト上にその見積金額や納期を表示させる(例えば、特許文献2、3参照)。一方、印刷業者等は、サイトを通じて注文を受け付けると、早速、デザイン(必要な場合)、印刷、配送等、印刷物納品迄への手配を行う。
しかしながら、従来のクラウドプリンティング・サービスやウェブプリント・サービスにおいては、納品される印刷物の品質、納期という点から不満があった。従来、サイト運営者(クラウドプリンティング運営者)が、デザイナー、印刷工場、倉庫等を自社所有している場合、比較的その品質や納期は一定であるものの、自社のキャパシティを超えるような繁忙期には、外注業者を利用しているという実態がある。またサイト運営者が、デザイナー、印刷工場、倉庫等を所有してない場合には、いずれか又は全て工程に提携業者(パートナー)を利用しているという実態がある。そのため、結果的に同一又は所定以上、印刷物の品質を維持できない(品質にムラがある)、時々によって納期が異なる又は納期が延期される等々の問題が従来より指摘されていた。
なお、上記後者のように、サイト運営者がいずれか又は全ての工程に複数の提携業者(パートナー)を利用している場合には、1社では対応可能な範囲を超える特殊な印刷・納品等の細かな注文についても対応可能である可能性は高いので、幅広いユーザ注文に対応できるという観点からのユーザ利便性は高いが、この場合であっても従来のものは、あくまでユーザ注文に対応可能か否かの観点から、複数の提携業者のうち1の提携業者を順々に決定してゆくものであったに過ぎず、納品される印刷物自体の品質については何ら考慮されたものではない。つまり品質の観点から複数の提携業者のうち1の提携業者を決定したものではない。
またその納期も、デザイン、印刷、配送等の各工程の提携業者毎の納期を単純に合計したものであったに過ぎず、納品される印刷物自体の納期全体の短縮化については何ら考慮されたものではない。ユーザ注文の中には、品質のみならず(多少の品質を犠牲にしてでも)、緊急に印刷物の納品を希望する場合もあるものの、従来のものは、納期(短納期)の観点から複数の提携業者のうち1の提携業者を決定したものではなかった。
本発明では上記のような点に鑑みて、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、複数の提携業者(パートナー)の中から、それぞれ各工程における提携業者の自動選定を行う情報処理システム及びパートナー選定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る情報処理システムは、ネットワークを介し、ユーザから印刷物の作成を受注するとともに、複数のパートナーに対し前記印刷物を納品する迄の各工程業務の発注を行う情報処理システムであって、前記印刷物の印刷業務の発注先である複数のプリントパートナーと、該プリントパートナーの印刷品質を示す印刷品質評価度と、前記印刷物の目標受注量と、前記印刷物の実績受注量とを対応付けて記憶した記憶手段と、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、最も高い前記印刷品質評価度を有する一のプリントパートナーを選定するプリントパートナー選定手段と、前記ネットワークを介し、選定された前記プリントパートナーに対し前記印刷物の印刷業務を発注する発注手段とを有し、前記プリントパートナー選定手段は、所定期間中、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、前記印刷品質評価度が所定以上のプリントパートナーを抽出し、抽出した該プリントパートナーの中から、前記実績受注量が前記目標受注量を超えない一のプリントパートナーを選定する。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係るパートナー選定方法は、ネットワークを介し、ユーザから印刷物の作成を受注するとともに、複数のパートナーに対し前記印刷物を納品する迄の各工程業務の発注を行う情報処理システムにおけるパートナー選定方法であって、記憶手段から、前記印刷物の印刷業務の発注先である複数のプリントパートナーと、該プリントパートナーの印刷品質を示す印刷品質評価度と、前記印刷物の目標受注量と、前記印刷物の実績受注量とを対応付けて読み出す読出手順と、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、最も高い前記印刷品質評価度を有する一のプリントパートナーを選定するプリントパートナー選定手順と、前記ネットワークを介し、選定された前記プリントパートナーに対し前記印刷物の印刷業務を発注する発注手順とを有し、前記プリントパートナー選定手順は、所定期間中、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、前記印刷品質評価度が所定以上のプリントパートナーを抽出し、抽出した該プリントパートナーの中から、前記実績受注量が前記目標受注量を超えない一のプリントパートナーを選定する。
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
本発明によれば、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、複数の提携業者(パートナー)の中から、それぞれ各工程における提携業者の自動選定を行う情報処理システム及びパートナー選定方法を提供することができる。
ウェブサイトの一例を示す。 本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100のネットワーク概略構成図を示す。 パートナー選定サーバ1の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。 本実施形態に係るパートナー選定サーバ1の機能ブロック図の一例を示す。 デザインパートナー登録情報を示す一例である。 デザイン分野テーブルを示す一例である。 デザインパートナーの某月スケジュール情報を示す一例である。 デザインパートナー依頼実績情報を示す一例である。 本実施形態に係るデザインパートナー選定処理を説明するフローチャート図である。 プリントパートナー登録情報を示す一例である。 プリント分野テーブルを示す一例である。 某プリントパートナーの使用可能保有在庫量を示す一例である。 某プリントパートナーの使用可能保有印刷機を示す一例である。 某プリントパートナーの使用可能保有印刷機の某月稼動スケジュール情報を示す一例である。 本実施形態に係るプリントパートナー選定処理を説明するフローチャート図である。 物流パートナー登録情報を示す一例である。 配送分野テーブルを示す一例である。 物流パートナーの某月配送車スケジュール情報を示す一例である。 本実施形態に係る物流パートナー選定処理を説明するフローチャート図である。 ウェブサイトの注文確認画面(通常納期)の一例を示す。 ウェブサイトの注文確認画面(短納期)の一例を示す。 受注目標設定画面の一例を示す。 目標受注量登録情報の一例を示す。 本実施形態に係るプリントパートナー選定処理(受注平準化処理あり)を説明するフローチャート図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
[システム構成]
(ネットワーク構成)
図2は、本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100のネットワーク概略構成図を示す。本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100は、パートナー選定サーバ1、Webサーバ2を含み構成される。また図に示されるように、クラウドプリンティング・システム100に対し、ユーザ(ユーザPC)、デザインパートナーA、プリントパートナーB、物流パートナーCが、ネットワークを介し接続され構成される。
パートナー選定サーバ1(以下単に選定サーバ1という)は、ユーザからWebサーバ2を介して印刷物の注文を受けると、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、複数の各パートナー(デザインパートナーA、プリントパートナーB、物流パートナーC)の中から、特に印刷物の品質及び短納期という観点から、それぞれ各工程における最適なパートナー業者の選定を行うサーバである。例えばWebサーバ2とともにデータセンター等に配置される。
選定サーバ1は、まず印刷物の注文を受けると、提携する複数のデザインパートナーAの中から、ユーザ注文にかなう最適な1のデザインパートナーAの選定を行う。次に、提携する複数のプリントパートナーBの中から、ユーザ注文にかなう最適な1のプリントパートナーBの選定を行う。次に、提携する複数の物流パートナーCの中から、ユーザ注文にかなう最適な1の物流パートナーCの選定を行う。そしてデザイン、印刷、配送等の各工程において、それぞれ各工程における最適な1のパートナーの選定を行った後、選定した各パートナーに対し注文業務の依頼・発注を行う。
より具体的には、選定したデザインパートナーAに対しては、印刷物の注文内容に応じたデザインの注文、完成原稿(印刷データ)の作成依頼を行う。また選定したプリントパートナーBに対しては、デザインパートナーAが作成した完成原稿(印刷データ)の印刷依頼を行う。また選定した物流パートナーCに対しては、プリントパートナーBが印刷した印刷物の配送依頼を行う。そして物流パートナーCにより、ユーザの指定する配送先(納品先)に印刷物が届けられる。
Webサーバ2は、インターネット上に公開されて設けられ、印刷物の注文窓口であるウェブサイト(図1参照)を提供するサーバである。ユーザは、Webサーバ2のウェブサイトにアクセスし、いつでも簡単に注文(発注)を行うことができる。そしてウェブサイトを介して注文された注文内容は、選定サーバ1に渡される。
デザインパートナーAは、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、デザインを担当するデザイン業者である。デザインパートナーAは、図に示されるように複数存在しており、選定サーバ1からのデザインの注文を受けると、注文内容に応じたデザイン、完成原稿(印刷データ)の作成を行う。完成原稿は選定サーバ1に送信(納品)される。
プリントパートナーBは、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、印刷を担当する印刷業者である。プリントパートナーBは、図に示されるように全国各地(又は全世界各地)のように広域に渡って複数存在しており、かつ1地域毎においても複数存在する。選定サーバ1からの印刷の注文を受けると、注文内容に従って完成原稿の印刷を行う。印刷された印刷物は選定サーバ1の指定する物流パートナーCに渡される。正確には物流パートナーCは配送業者であるので、印刷物は物流パートナーCにより指定日時において回収される。
物流パートナーCは、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、運送業者、宅配業者、バイク便、郵便等々の配送を担当する配送業者である。物流パートナーCは、図に示されるように全国各地(又は全世界各地)のように広域に渡って複数存在しており、かつ1地域毎においても複数存在する。選定サーバ1からの配送の注文を受けると、指定のプリントパートナーBから指定日時に印刷物を回収し、指定配送先(納品先)にその印刷物の配送を行う。
なお、クラウドプリンティング・システム100の選定サーバ1と、デザインパートナーA、プリントパートナーB、物流パートナーCは、ネットワークを介し接続され、選定サーバ1からの依頼を受ける以上、各パートナーそれぞれにPC端末(非図示)を備えていることはいうまでもない。
なおまた、本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100においては、上述したように定型形の印刷物であれば、Webサーバ2のウェブサイト上に提供されているデザインやテンプレートの中からフォームを選択のうえ、オンラインでフォームを任意に編集して入稿できる。また、自由形の印刷物であれば、ユーザ側が作成した完成原稿(印刷データ)をアップロードして入稿できる。いずれの場合も、デザインパートナーAによるデザインは不要であることから、選定サーバ1はデザインパートナーAの選定を省略し、プリントパートナーBの選定から行えばよい。但し本実施形態においては、ユーザはデザインサービスを利用するものとし、デザイナーパートナーAにより印刷対象となる完成原稿(印刷データ)が作成されるものとして説明を進めていく。
(ハードウェア)
ここで、本実施形態に係る選定サーバ1のハードウェア構成について説明しておく。図3は、パートナー選定サーバ1の一実施形態の主要構成を示すハードウェア構成図である。選定サーバ1は、主要な構成として、CPU11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、記憶媒体読取装置15、入力装置16、表示装置17、及び通信装置18を含む構成である。
CPU11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM12は、CPU11で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM13は、CPU11がROM12に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
補助記憶装置14は、汎用のOS(Operating System)、各種プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。
入力装置16は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置16は、マウス、キーボード、表示装置17の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置17は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
通信装置18は、ネットワークを介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
(機能)
次に、本実施形態に係る選定サーバ1の主要機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係るパートナー選定サーバ1の機能ブロック図の一例を示す。選定サーバ1は、図に示されるように、入力部110、デザインパートナー選定部120、プリントパートナー選定部130、物流パートナー選定部140、発注部150、記憶部160を含み構成される。
入力部110は、Webサーバ2からユーザの注文内容を入力する機能部である。上述したように、ユーザはWebサーバ2のウェブサイトにアクセスし、印刷物の注文(発注)を行うが、そのウェブサイトを介して注文された注文内容は、選定サーバ1の入力部110に対し渡される。
デザインパートナー選定部120は、ユーザから印刷物のデザイン注文を受けると、デザインパートナーDB161に登録されている複数のデザインパートナーAの中から、ユーザ注文にかなう最適な1のデザインパートナーAの選定を行う。具体的な選定方法については後述する。
プリントパートナー選定部130は、ユーザから印刷物の印刷注文を受けると、プリントパートナーDB162に登録されている複数のプリントパートナーBの中から、ついては後述する。
物流パートナー選定部140は、ユーザから印刷物の印刷注文を受けると、物流パートナーDB163に登録されている複数の物流パートナーCの中から、ユーザ注文にかなう最適な1の物流パートナーCの選定を行う。具体的な選定方法については後述する。
発注部150は、デザインパートナー選定部120、プリントパートナー選定部130、物流パートナー選定部140において選定されたデザインパートナーA、プリントパートナーB、物流パートナーCに対し、それぞれデザイン、プリント、物流(配送)の依頼を行う。また依頼時には、デザインパートナーA、プリントパートナーBにはユーザ注文内容、物流パートナーCには配送日時等の諸情報を含めて依頼を行う。
記憶部160は、デザインパートナーDB161、プリントパートナーDB162、物流パートナーDB163が登録されている記憶手段である。デザインパートナー選定部120、プリントパートナー選定部130、物流パートナー選定部140は、これら各DBの情報に基づき最適な1のパートナーの選定を行うことになるが、その詳細及び各DBの具体例については後述する。
以上これらの機能は、実際には選定サーバ1のCPU11が実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。なおまた、本実施形態においてはあくまで一構成例であり、各機能部を外部装置や他のサーバに実装することも可能である。例えば、各DBが登録される記憶部160は別サーバにより構築することもできる。
[情報処理]
本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100の情報処理について説明する。即ちパートナー選定サーバ1は、ユーザからWebサーバ2を介して印刷物の注文を受けると、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、各パートナー(デザインパートナーA、プリントパートナーB、物流パートナーC)の中から、それぞれ各工程における最適な1のパートナーの選定処理を行う。以下、(1)ユーザ注文の入力ステップ、(2)デザインパートナー選定ステップ、(3)プリントパートナー選定ステップ、(4)物流パートナー選定ステップ、(5)パートナー依頼ステップに分けて説明していく。
(1)ユーザ注文の入力ステップ
まず入力ステップにおいて、入力部110はWebサーバ2からユーザの注文内容を入力する。上述したように、ユーザはWebサーバ2のウェブサイト(図1参照)にアクセスし、印刷物の注文(発注)を行うが、そのウェブサイトを介して注文された注文内容は、選定サーバ1の入力部110に対し渡される。
ここでは一例として、例えばユーザより以下の注文内容がオーダーされたものとする。
・ 「会社案内」
・ 納期:通常納期
・ デザインサービスを利用
・ デザイン要望事項(デザイン概要、文字情報、依頼イメージ図、その他要望事項等々)
・印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、
・部数:1000
・納品先:仙台支店に800部、東京本社に200部ずつ配送
なお、いうまでもなくWebサーバ2のウェブページ(図1)において、ユーザは注文したい印刷物の種類、納期の種類、デザインサービス利用の有無、デザイン要望事項、特殊な印刷・納品等の細かな注文等を入力することが可能となっており、上述のような注文内容を受け付けることができるようになっている。
(2)デザインパートナー選定ステップ
(デザインパートナーDB161)
まず図5〜8を参照し、デザインパートナーDB161の具体例について説明する。デザインパートナーDB161は次に示す複数の情報やテーブル等を有する。図5は、デザインパートナー登録情報を示す一例である。図6は、デザイン分野テーブルを示す一例である。図7は、デザインパートナーの某月スケジュール情報を示す一例である。図8は、デザインパートナー依頼実績情報を示す一例である。
図5のデザインパートナー登録情報には、予めパートナーからの申告等に基づき、提携のデザインパートナー毎に、その「所在地」、「営業日」、「得意分野」等の情報が登録されている。
「所在地」は、そのデザインパートナーの所在地を示す。「営業日」は、そのデザインパートナーの営業日(曜日、時間帯)を示す。原則、この営業日時間帯がそのデザインパートナーの業務可能時間である。「得意分野」は、そのデザインパートナーが特に得意とするデザイン分野を示す。デザイン分野は、図6のデザイン分野テーブルに一覧が示されるが、このうちそのデザインパートナーが特に得意とするデザイン分野のNoがここに格納される。例えば、デザインパートナーA3の「得意分野」は、1(名刺)、2(会社案内)、3(各種パンフレット)であるので、主にオフィスに関わるデザインをメイン分野、また得意分野として業務を行っていることが分かる。
なお、「得意分野」のほか、そのデザインパートナーが一応の対応は可能である分野として「対応可能分野」の項目を設けることもできるが、本実施形態において全デザインパートナーは全デザイン分野に対し対応可能であるものとしている。また「所在地」に加え、例えば「電話番号」、「メールアドレス」等々の項目を設けることができる。
図6のデザイン分野テーブルには、予めデザイン分野のカテゴリが登録されている。上述のデザインパートナーの「得意分野」を特定するために用いられるものである。勿論、図例のものはあくまで例示であり、この他にも様々なデザイン分野があってよい。
図7のデザインパートナーの某月スケジュール情報は、登録されているデザインパートナーのいわゆるスケジュール情報である。例えば図のものは、デザインパートナーA4の2011年4月のスケジュール表であり、デザインパートナーA2の「営業日」において、スケジュールの空き状況が示されたものである。「○」は空き、「×」は既に予定が埋まっていることを示し、デザインパートナーに対しデザインを依頼する場合、スケジュールに空きがあり依頼に対応可能なデザインパートナーが選定される。なお、デザインパートナーDB161には全デザインパートナーのスケジュール情報が登録されており、またスケジュール情報はそれぞれのデザインパートナーからの申告等により日々更新されているものとする。なおまた図例では日にち単位でのスケジュールが示されているが、更に詳細に1日の中でも時間帯毎のスケジュールが示されるようにすることもできる。
図8のデザインパートナー依頼実績情報は、選定サーバ1がユーザ注文を受けて、過去にデザインを依頼した依頼実績を記録したものである。「依頼No」は、そのデザイン依頼案件に対して一意に発行された識別番号であり、「デザインパートナー」は、そのデザイン依頼案件を依頼したデザインパートナーである。また「依頼日」は、そのデザイン依頼案件を依頼した年月日、「納品日」は、そのデザイン依頼案件に対しそのデザインパートナーがデザインした完成原稿を納品した年月日である。
また「納品物」は、そのデザインパートナーがデザインし納品した完成原稿ファイル名(印刷データ)である。勿論、ファイルの実体データはデザインパートナーDB161の記憶領域内に別途格納されている。「ユーザ評価」は、そのデザインパートナーがデザインし納品した完成原稿の出来ばえやクオリティに対する評価度(例えばA、B、C等)である。この評価度は、ユーザからのフィードバック(口コミ)等に基づき、納品した完成原稿毎に事後的に付される。
(デザインパートナー選定処理)
図9は、本実施形態に係るデザインパートナー選定処理を説明するフローチャート図である。上述したように、デザインパートナー選定部120は、ユーザから印刷物のデザイン注文を受けると、デザインパートナーDB161に登録されている複数のデザインパートナーAの中から、特に品質及び短納期という観点からユーザ注文にかなう最適な1のデザインパートナーAの選定を行う。以下図面を参照しながら具体的に説明する。
S1:まずデザインパートナー選定部120は、入力部110からユーザ注文内容を取得する。ここでは、上述のユーザ注文内容のうちデザインに関するものとして、「会社案内」、通常納期、デザインサービスを利用、デザイン要望事項(デザイン概要、文字情報、依頼イメージ図、要望事項等々)を取得する。そして、デザインサービスを利用となっているので、以降のデザインパートナー選定処理を実施する。
なお、上述したように、本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100においては、上述したように定型形の印刷物であれば、Webサーバ2のウェブサイト上に提供されているデザインやテンプレートの中からフォームを選択のうえ、オンラインでフォームを任意に編集して入稿でき、自由形の印刷物であれば、ユーザ側が作成した完成原稿(印刷データ)をアップロードできる。このような場合(デザインサービスを利用しない場合)、デザインパートナーAによるデザインは不要であることから、選定サーバ1はデザインパートナーAの選定を省略し、プリントパートナーBの選定処理へ進めばよい。
S2:ここで、短納期であるか否かにより処理を分岐する。つまりユーザ注文内容が短納期(緊急)である場合には、S3へ進む。短納期(緊急)でない場合、つまり通常納期である場合は、S7へ進む。納期(緊急)である場合には、いかに短い納期で完成原稿を納品できるかという観点からデザインパートナー選定するためである。一方、通常納期である場合には、ユーザ注文内容に対しいかに高い品質で完成原稿を納品できるかという観点からデザインパートナー選定するためである。
S3:短納期(緊急)である場合、デザインパートナー選定部120は、直近スケジュールの空きのあるデザインパートナーを抽出する。具体的には、スケジュール情報(図7)を参照することにより、各デザインパートナーの直近スケジュール情報を確認し、スケジュールに空き「○」のあるデザインパートナーを抽出する。
なお、スケジュールに空き「○」があるか否かの判定は、例えば注文当日にのみ空きがあればよいのか、注文当日を含め連続する日も含め空きがあるのか、注文当日に空きがなくとも近日中に空きがあればよいのか等々がありうる。ここでは、注文当日を含め連続する日も含め空きがある、注文当日にのみ空きがある、注文当日に空きがなくとも近日中に空きがある、という優先順位を設けておき、納期に緊急を要する短納期の場合、注文当日を含め連続する日も含め空きがあるものをスケジュールに空き「○」があると最優先に判定する。またここでは説明の都合上、デザインパートナーA3、デザインパートナーA4が注文当日を含め連続する日も含め空きがあったものとする(スケジュールに空き「○」があると判定)。
S4:デザインパートナー選定部120は、これまで抽出されたデザインパートナーの依頼実績(「依頼日」、「納品日」)を取得する。具体的には、デザインパートナー依頼実績情報(図8)を参照し、ここでは、デザインパートナーA3、デザインパートナーA4の「依頼日」、「納品日」を取得する。
S5:次にデザインパートナー選定部120は、取得した依頼実績に基づき、デザインパートナー毎の平均納期を算出する。具体的にこの平均納期は、依頼実績のうち「依頼日」と「納品日」との差分日数から算出できる。例えば図8限りから算出すると、デザインパートナーA3の平均納期は8日、デザインパートナーA4の平均納期は7.5日である。
S6:デザインパートナー選定部120は、デザインパートナー毎に算出した平均納期に基づき、平均納期が最も少ない1のデザインパートナーを選定する。ユーザ注文内容が短納期(緊急)である場合、何よりも納期が最優先事項であり、後述の品質を考慮せずとも、短納期での納品を行いうるデザインパートナーを選定することにより、最短での完成原稿の納品を実現することができる。
なおあくまでこの時点ではデザイン工程の期間短縮化を実現したに過ぎないともいえるが、デザイン、印刷、配送という全工程に要する期間の短縮化に寄与することは明らかである。ここではデザインパートナーA3、デザインパートナーA4のうち、デザインパートナーA4がより少ない平均納期であったものとし、従ってデザインパートナーA4がデザインパートナーとして選定されたものとする。
なおまた、平均納期のみでもってデザインパートナーを選定することは、必ずしもデザインの品質を放棄したことを意味するものではない。そもそもデザインパートナーとして登録されている以上、全てのデザインパートナーは一定以上の品質でもってデザインを提供しうるデザインパートナーであるからである。
なおまた、平均納期の算出においては、説明の便宜上、土日等の休日を考慮していない。よって厳密には、デザインパートナーの実「営業日」換算ベースでの平均納期の算出を行うことが望ましい(図5参照)。これはそのときのカレンダーに従うが、例えば上述ではデザインパートナーA3の平均納期は8日、デザインパートナーA4の平均納期は7.5日であるとしたものの、このうちデザインパートナーA3の「依頼日」、「納品日」に土日さらには法定休日等が含まれていた場合、デザインパートナーA3の平均納期は例えば5日と算出され、その結果、デザインパートナーA3の平均納期が最も少ない1のデザインパートナーとなる場合もある点に言及しておく。
S7:一方、通常納期である場合、デザインパートナー選定部120は、ユーザ注文内容から注文デザイン分野を特定する。具体的に、ここでは、「会社案内」のデザインが注文されているので、デザイン分野テーブル(図6)を参照すると、「会社案内」のNoは2である。よって注文デザイン分野はNo2である。
S8:デザインパートナー選定部120は、注文デザイン分野を得意分野とするデザインパートナーを抽出する。具体的には、デザインパートナー登録情報(図5)を参照し、「得意分野」に2が登録されているデザインパートナーを抽出する。ここでは「会社案内」を得意分野とするデザインパートナーは、デザインパートナーA3、デザインパートナーA4である。なおデザインの納品は電子データで納品されるため、デザインパートナーの物理的所在地は考慮しないものとする(所在地により納期に影響はない)。
S9:次にデザインパートナー選定部120は、これまで抽出されたデザインパートナーの依頼実績(「納品物」)を取得する。過去の納品物に基づきユーザ注文内容に対し高い品質で対応しうるデザインパートナー選定するためである。具体的には、デザインパートナー依頼実績情報(図8)を参照し、ここでは、デザインパートナーA3、デザインパートナーA4の「納品物」の実体データを取得する。「納品物」には、そのデザインパートナーがデザインし納品した完成原稿ファイル名(印刷データ)が登録されているので、ファイル名をもとにファイルの実体データを取得すればよい。例えば図8限りから取得すると、デザインパートナーA3の納品物の実体データは「D201101007.jpeg」、デザインパートナーA4の納品物の実体データは「D201101004.jpeg」及び「D201101006.jpeg」である。
S10:次にデザインパートナー選定部120は、画像比較分析処理に基づくスコア付与を行う(画像比較分析手段)。この画像比較分析処理の目的は、デザインパートナーが過去に納品した納品物の実体データを分析し、ユーザ注文内容に対し高い品質で対応しうるデザインパートナー選定することである。具体的に例えば、まずユーザからのデザイン要望事項のうち依頼イメージ図と、各デザインパートナーが過去に納品した納品物の実体データ内の画像とを比較する。そして、納品物の実体データから、依頼イメージ図と類似するカラー画素の多い画像を抽出する(類似カラー抽出)。またもしくは、納品物の実体データから、依頼イメージ図と類似するカラー形状画素の多い画像を抽出する(類似カラー形状抽出)。
類似カラー抽出についてより詳しくは、納品物の実体データの画素単位の色の多い順と、依頼イメージ画像の画素単位の色の多い順が類似していた場合に抽出対象とする。なお、類似の判定は画素単位の色の多い順が類似しているか否かで判定する。
類似例)
依頼イメージ図の色の画素数順位:黄色254画素数、赤色128画素数、緑色45画素数、青色16画素数
納品物の実体データの画素数順位:黄色1675画素数、赤色564画素数、黄緑色278画素数、青色68画素数
また類似カラー形状抽出について、依頼イメージ図と、納品物の実体データの類似カラーの形状とを重ね、重なっている画素数が、近似値の場合に類似と判定する。
このように、デザインパートナーが過去に納品・作成したデザイン画像(納品物の実体データ)を蓄積しておき、その中から、依頼イメージ図と、色、形状から類似するものを抽出する。これにより、依頼イメージ図と、色及び形状において類似する納品物(デザイン)を行ったことのあるデザインパートナーを選定できる。ここでは、依頼イメージ図と、納品物の実体データの画像との類似度合い、類似画像数に応じて、各デザインパートナーにスコア付けをしておく。つまり依頼イメージ図と似ている画像を過去に多く納品・作成しているデザインパートナーには高いスコアが付される。
S11:次にデザインパートナー選定部120は、鮮明度分析処理に基づくスコア付与を行う(鮮明度分析手段)。この鮮明度分析処理の目的は、デザインパートナーが過去に納品した納品物の実体データを分析し、美しくはっきりとしたデザインを行うデザインパートナー選定することである。一般にデザインといっても芸術分野のデザインと異なり、業務用デザインの分野においては、そのデザインを見る者に対する訴求力が重要視される。つまりオフィスデザインや商業デザインは芸術分野のデザインに比べ、美しくはっきりとしたデザインがより強い訴求力を持つといえる。具体的に例えば、デザインパートナーが過去に納品した納品物の実体データ内の画像から、明度、コントラスト度を算出し、例えば両者の総和が高い画像を過去に多く納品・作成しているデザインパートナーには高いスコアが付される。
S12:次にデザインパートナー選定部120は、評価に基づくスコア付与を行う。この目的は、デザインパートナーが過去に納品した納品物に対する評価を根拠として、これからも高い品質で対応しうるであろうデザインパートナー選定することである。具体的には、図8のデザインパートナー依頼実績情報(図8)を参照し、デザインパートナー毎に「ユーザ評価」において登録されている評価度を抽出する。ここでは、デザインパートナーA3は評価「A」、デザインパートナーA4は評価「A」及び「B」である。ここでも同様に評価度がよいデザインパートナーには高いスコアが付される。
S13:デザインパートナー選定部120は、以上を踏まえ最終的にスコアが最も高い1のデザインパートナーを選定する。ここではデザインパートナーA3、デザインパートナーA4のうち、デザインパートナーA3がより高いスコアであったものとし、従ってデザインパートナーA3が1のデザインパートナーとして選定されたものとする。
なお、ユーザはWebサーバ2のウェブサイト(図1参照)にアクセスし、印刷物の注文(発注)を行うが、会員ユーザの場合、過去の注文履歴等に基づき過去に注文したことのあるデザインパートナーを指定することも可能である。この場合、デザインパートナー選定部120は、は、注文履歴、依頼履歴等に基づき同一のデザインパートナーを再度選定するので、この会員ユーザに対し過去と同一のデザイン品質を維持することができる。
ところで、ユーザがウェブサイト(図1参照)において印刷物の注文(発注)を行ったとき、納期(及び見積金額)を表示させる必要がある。納期(及び見積金額)を示さないままお任せでの注文を受け付けるという方法もありうるが、ユーザ利便性という点からも出来る限り、納期(及び見積金額)を明確に表示しておくことが望ましいからである。そのため、選定サーバ1は、各工程においてパートナーを選定するとともに、デザイン、印刷、配送の工程毎の納期を算出し、そのうえで各工程を合計したものである全体納期を算出する。
デザインパートナー選定部120は、デザイン工程の納期(デザインされた印刷原稿が出来上がる迄の期間)に関し、通常納期、短納期の場合毎に、それぞれ次のように決定する。まずユーザ注文が通常納期である場合、デザイン注文内容と、そのデザイン作業に応じて各デザインパートナーと予め取り決めされている所定期間をデザイン工程の納期とする(例えば、会社案内は10日等)。
一方、短納期である場合、デザイン工程の納期は、弾力的に可変させる。例えば上述の例では、デザインパートナーA4がより少ない平均納期(7.5日)であったため、デザインパートナーとして選定されたが、この場合、デザイン工程の納期は、例えばそのデザインパートナーA4の平均納期そのものを採用し、7.5日をデザイン工程の納期と決定できる。また例えば、デザイン工程の納期は、例えばそのデザインパートナーA4の平均納期に予備日を考慮し、平均納期+1日(予備日)と計算し、8.5日をデザイン工程の納期と決定できる。但し上述の如く、実「営業日」換算ベースでの納期を決定することが望ましい。つまり土日等を挟む場合、デザイン出来上がり日は、土日等の日程を考慮のうえ決定する。
また、各デザインパートナーはデザインを受注すると、通常納期の場合、ときに納期を越えるような例外はあるものの、当然ながら予め取り決めされている所定期間を常に厳守し納品している。中には通常納期が例えば10日であった場合でも、例えば5、6日程度で納品してくるデザインの早いデザインパートナーも存在するところ、このようなデザインパートナーは、上述の如く過去の平均納期から見極めることが可能である。そしてユーザ注文が短納期である場合には、このようなデザインパートナーは、今回の注文にも過去の平均納期相当期間(及び予備日)の納期でもって応じうる生産能力があることから、ユーザ注文が短納期である場合、過去の平均納期相当期間(及び予備日)をデザイン工程の納期とする(例えば、7.5日)。勿論いうまでもなく、通常納期の場合、システムがこのように納期を決定する旨は、各デザインパートナーと合意済み事項である。
なおまた、上記実施形態では、通常納期である場合(短納期でない場合)、品質に関する点からデザインパートナーを選定するものの、短納期の点からはデザインパートナーを選定していない。これは短納期でないことから、必ずしも現在時点空きのあるデザインパートナーを探す必要はないからである。つまり通常納期である場合には、品質に関する点からデザインパートナーを選定するようにする。そのデザインパートナーが現時点でスケジュールに空きがなくともよい。現時点でスケジュールに空きがなくとも、各デザインパートナーと予め取り決めされているデザイン工程の納期以内には当然に納品されるからである。
また、上記実施形態では、S2にてユーザ注文内容が短納期であるか否かにより処理を分岐し、短納期である場合、デザインパートナー毎に算出した平均納期に基づき、平均納期が最も少ない1のデザインパートナーを選定した。ユーザ注文内容が短納期(緊急)である場合、品質以上に納期を最優先としたからである。しかしながら、たとえユーザ注文内容が短納期であったとしてもS7〜13の処理を行うことも可能である。つまり、仮に平均納期が最も少ないデザインパートナーが複数抽出された場合には、さらにS7〜13の処理を経ることにより、短納期を行いうるとともに品質の点についても期待できる1のデザインパートナーを最終的に選定することも可能である。
(3)プリントパートナー選定ステップ
(プリントパートナーDB162)
まず図10〜14を参照し、プリントパートナーDB162の具体例について説明する。プリントパートナーDB162は次に示す複数の情報やテーブル等を有する。図10は、プリントパートナー登録情報を示す一例である。図11は、プリント分野テーブルを示す一例である。図12は、某プリントパートナーの使用可能保有在庫量を示す一例である。図13は、某プリントパートナーの使用可能保有印刷機を示す一例である。図14は、某プリントパートナーの使用可能保有印刷機の某月稼動スケジュール情報を示す一例である。
図10のプリントパートナー登録情報は、予め提携のプリントパートナー毎に、その「所在地」、「営業日」、「対応可能分野」、「得意分野」、「ユーザ評価」、「スタッフ技術力」等の情報が登録されている。
「所在地」は、そのプリントパートナーの所在地を示す。「営業日」は、そのプリントパートナーの営業日(曜日、時間帯)を示す。原則、この営業日時間帯がそのプリントパートナーの業務可能時間である。
「対応可能分野」は、そのプリントパートナーが一応の対応は可能であるプリント分野を示す。デザインはデザインスキルがあれば一応のデザインは広い分野で対応可能であるが、プリントはそもそも保有する印刷機によって対応可能な分野は異なるためである。「得意分野」は、そのプリントパートナーが特に得意とするプリント分野を示す。プリント分野は、図11のプリント分野テーブルに一覧が示されるが、このうち「対応可能分野」にはそのプリントパートナーが対応可能なプリント分野のNoがここに格納され、「得意分野」にはそのプリントパートナーが得意とするプリント分野のNoが格納される。例えば、プリントパートナーB4の「対応可能分野」は、11(単色印刷)、12(4色印刷)、13(5色印刷)、14(A0)、15(A1)であり、また「得意分野」は、このうち14(A0)、15(A1)であるので、主に大型ポスターや大型広告(街頭広告)に関わるプリントをメイン分野、また得意分野として業務を行っていることが分かる。なお、「対応可能分野」や「得意分野」は、予めプリントパートナーの申告等により登録される。また「対応可能分野」のうち何れを「得意分野」とするかは、プリントパートナー側の主観(自己申告)により登録することもできるし、過去の取扱実績や保有設備等に基づく客観的根拠により登録することもできる。
「ユーザ評価」は、そのプリントパートナーに対するこれまでの印刷物の出来ばえやクオリティに対する評価度(例えばA、B、C等)である。この評価度は、ユーザからのフィードバック(口コミ)、評価等に基づき事後的に付される。「スタッフ技術力」は、そのプリントパートナーに所属するスタッフ(技術員)に対する印刷技術力に対する評価度(例えばA、B、C等)である。この評価度もまた、クラウドプリンティング運営者自身の評価や、スタッフの業務経験年数、パートナー側から申告されるスタッフ・スキル評価表等が総合的に評価され事後的に付される。
図11のプリント分野テーブルには、予めプリント分野のカテゴリが登録されている。上述のプリントパートナーの「対応可能分野」、「得意分野」を特定するために用いられるものである。勿論、図例のものはあくまで例示であり、この他にも様々なプリント分野があってよい。
図12の某プリントパートナーの使用可能保有在庫量には、あるプリントパートナーが現時点で保有する使用可能な在庫量が登録されている。プリントには印刷機のほか印刷原料(例えば印刷用紙、トナー、インク等)が必要であり、在庫がなければそもそも印刷業務を行うことができない。よってこの情報は、短納期など緊急を要する場合においてプリントパートナーを選定する際、保有在庫量の有無によっていずれのプリントパートナーを選定すべきかの決定に使用される(保有在庫のないパートナーには依頼不可)。なお、使用可能保有在庫量は、プリントパートナー毎に、現時点で保有する使用可能な在庫量が登録されており、また各プリントパートナーによってリアルタイムに更新されるものとする。
図13の某プリントパートナーの使用可能保有印刷機には、あるプリントパートナーが現時点で保有する印刷機リスト、及びその「信頼性(可用性)」、「印刷品質」が登録されている。プリントパートナーは当然に印刷機を保有するが、この情報によりまずその印刷機の台数が把握され、使用可能な保有印刷機の台数が多ければ、生産能力が高いことが分かる。「信頼性(可用性)」は、その印刷機が故障せず正常に稼動できるかどうかの評価度(例えばA、B、C等)を示す。この評価度は過去のダウンタイムや故障回数等に基づき算出されているので、この信頼度が高い印刷機は、少なくともこれまでダウンタイムが少ない機器であることが分かる。また将来もダウンタイムが少ない機器であることが期待できる。
「印刷品質」は、その印刷機が印刷時にインク転写汚れ等なく高品質に印刷できるかどうかの評価度(例えばA、B、C等)を示す。この評価度は過去の印刷実績に基づき算出されているので、この印刷品質度が高い印刷機(例えばAの印刷機)は、少なくともこれまでインク転写汚れ等が少ない機器であることが分かる。また将来もインク転写汚れ等が少ない機器であることが期待できる。
なお、この「印刷品質」の評価度は、例えば次のように決定できる。一般に、印刷機は印刷原稿(印刷データ)が入力されると、ラスターイメージ(bmp)が生成され、そのラスターイメージはトナーを使ってドラムに現像される。そしてドラムに現像された転写画像は、ベルトに転写されてから、搬送されてきた用紙に転写(定着)されることにより、用紙への印刷が完了し、印刷機の排出口から印刷物(印刷用紙)が排出される。
これを踏まえまずここでは、ベルトに転写された直後の転写画像をスキャンすることによりデジタルデータである転写画像データを取得する。そしてこの転写画像データと、印刷機に対し入力されている印刷原稿(印刷データ)とを比較する。比較は、画像が重ならない部分の比較を行い、所定画素以上の差分がある場合、転写画像データに汚れが存在する、つまりドラム、ベルト汚れが存在するものと判定できる。というのも原則的には、印刷原稿(印刷データ)とベルトへの転写後の転写画像データは完全一致するはずであるところ、印刷原稿(印刷データ)とベルトへの転写後の転写画像データとに差異の画素がある場合には、ベルトに転写されたときに、差異の画素が発生したことになる、つまりドラム、ベルトに転写する際に汚れが生じたことになるからである。
また、用紙に転写(定着)後、印刷機の排出口から印刷物(印刷用紙)が排出されるが、排出直前(又は排出直後)の印刷用紙をスキャンすることによりデジタルデータである印刷物データを取得する。そしてこの印刷物データと、先に取得してある転写画像データとを比較する。比較は、画像が重ならない部分の比較を行い、所定画素以上の差分がある場合、搬送されてきた用紙自体に汚れが存在する、つまり印刷機にセットされている用紙汚れが存在するものと判定できる。というのも原則的には、用紙への転写(定着)前後の画像は完全一致するはずであるところ、用紙への転写(定着)前の転写画像データと、用紙への転写(定着)後の印刷物データとに差異の画素がある場合には、転写画像が搬送されてきた用紙に転写(定着)されたとき以外に、差異の画素が発生していた、つまり元の用紙自体に汚れが付いていたことになるからである。
プリントパートナーの保有する印刷機には、上述のような機能(印刷汚れ算出機能)が備えられており、ドラム、ベルトや元の用紙に汚れが付いていると、最終的にユーザに納品される印刷物にも汚れが付いたまま納品されることになり、これは印刷物の品質低下の一因となる。従って、印刷機は、印刷都度又は所定頻度で汚れ検査を行っており、汚れ検出率を算出し蓄積しておく。この汚れ検出率のデータは、定期的にクラウドプリンティング・システム100の選定サーバ1側に収集されれば、そのデータを元に最終的に「印刷品質」の評価度(例えばA、B、C等)に反映するようにすることができる。即ち「印刷品質」の評価度が高ければ(例えばA)、納品される印刷物に汚れはなく(又は非常に可能性が低く)、その結果品質の高い印刷物を納品できるといえる。
なお、プリントパートナー(技術員)は保有する印刷機の汚れ検出率が高い場合、上述のような機能によれば、ドラム、ベルト又は元の用紙自体に原因があることが分かるので、これを受けてドラム、ベルトの確認や元の用紙自体の品質を確認することにより、汚れ検出率を低くなるよう改善することができる。
図14の某プリントパートナーの使用可能保有印刷機の某月稼動スケジュール情報には、プリントパートナーの保有する印刷機のうち、ある1台(例えばP001)の稼動予定スケジュール情報である。例えば図のものは、あるプリントパートナーの保有する印刷機のうちある1台(P001)の2011年4月のスケジュール表であり、そのプリントパートナーの「営業日」において、保有印刷機(P001)の稼動予定スケジュールの空き状況が示されたものである。「○」は空き、「×」は既に予定が埋まっていることを示し、短納期など緊急を要する場合においてプリントパートナーに対しプリントを依頼する場合、保有印刷機のスケジュールに空きがあり依頼に対応可能なプリントパートナーが選定される。なお、プリントパートナーDB162には全プリントパートナー毎に保有する全印刷機の稼動予定スケジュール情報が登録されており、また全印刷機の稼動予定スケジュール情報はそれぞれのプリントパートナーからの申告等により日々更新されているものとする。なおまた図例では日にち単位でのスケジュールが示されているが、更に詳細に1日の中でも時間帯毎のスケジュールが示されるようにすることもできる。
(プリントパートナー選定処理)
図15は、本実施形態に係るプリントパートナー選定処理を説明するフローチャート図である。上述したように、プリントパートナー選定部130は、ユーザから印刷物のプリント注文を受けると、プリントパートナーDB162に登録されている複数のプリントパートナーBの中から、特に品質及び短納期という観点からユーザ注文にかなう最適な1のプリントパートナーBの選定を行う。以下図面を参照しながら具体的に説明する。
S21:まずプリントパートナー選定部130は、入力部110からユーザ注文内容を取得する。ここでは、上述のユーザ注文内容のうちプリントに関するものとして、「会社案内」、通常納期、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000を取得する。なおまた物流に関するものではあるが、納品先の情報も取得しておく(仙台支店に800部、東京本社に200部ずつ配送)。
S22:ここで、短納期であるか否かにより処理を分岐する。つまりユーザ注文内容が短納期(緊急)である場合には、S23へ進む。短納期(緊急)でない場合、つまり通常納期である場合は、S29へ進む。納期(緊急)である場合には、いかに短い納期で印刷物を納品できるかという観点からプリントパートナー選定するためである。一方、通常納期である場合には、ユーザ注文内容に対しいかに高い品質で印刷物を納品できるかという観点からプリントパートナー選定するためである。
S23:短納期(緊急)である場合、プリントパートナー選定部130は、印刷物の納品先を確認し、納品先の所在地と同エリア内(例えば同県、同市内、同地域内等で判定)のプリントパートナーを抽出する。地理的に納品先に近いプリントパートナーで印刷するほうが短納期に資するからである。印刷物はモノであり、納品先への配送が必要となる。よって配送時間を短縮するためには、基本的に納品先(配送地)により近いところに所在するプリントパートナーにて印刷した方が、最終的には納品先により短納期で納品できる。そのためには全国に渡って多くのプリントパートナー網を整備することが重要であることはいうまでもない。
具体的に、ここでのユーザ注文内容からすると、印刷物の納品先は、仙台支店に800部、東京本社に200部ずつ配送することになっている。よって仙台又は東京に所在のプリントパートナーであるプリントパートナーB2、プリントパートナーB3、プリントパートナーB4を抽出する(図2、10)。
S24:次にプリントパートナー選定部130は、ユーザ注文内容から注文プリント分野を特定する。具体的に、ここでは、「会社案内」のプリント、また印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工が注文されているので、プリント分野テーブル(図11)を参照すると、印刷(4色印刷)、製本(上製本)、ラミネート(マット)が該当するといえるので、注文プリント分野はNo12、18、22である。
S25:プリントパートナー選定部130は、注文プリント分野を対応可能分野とするプリントパートナーを抽出する。短納期の場合、少なくともユーザ注文に応じられる生産能力を有するプリントパートナーを抽出するためである(なお後述するが通常納期の場合、注文プリント分野を「得意分野」とするプリントパートナーを抽出する)。具体的には、プリントパートナー登録情報(図10)を参照し、「対応可能分野」に12、18、22が登録されているプリントパートナーを抽出する。ここではこれらプリント分野を対応可能分野とするプリントパートナーは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB4である。
S26:次にプリントパートナー選定部130は、プリントパートナーの現時点での生産能力を量る情報として、これまで抽出されているプリントパートナーの現時点の保有在庫量(図12)、保有印刷機(図13)、また保有印刷機毎の稼動予定スケジュール(図14)を取得する。なお保有印刷機毎の稼動予定スケジュール(図14)は、デザイン工程の納期に合わせられ、デザイン出来上がり日時点での保有印刷機毎の稼動予定スケジュールを取得する。つまり例えば、上述の如くデザイン工程の納期が、10日であれば、例えばユーザ注文時点から11日後(デザイン工程の納期日の翌日)の稼動予定スケジュールを取得すればよい。またデザイン工程の納期が、7.5日であれば、例えばユーザ注文時点から8日後(デザイン工程の納期日の翌日)の稼動予定スケジュールを取得すればよい。
S27:次にプリントパートナー選定部130は、プリントパートナーの保有在庫量を確認し、ユーザ注文内容に応じられるプリントパートナーを抽出する。即ち、ユザから注文された印刷物を印刷するに必要な印刷物材料を在庫として保有するプリントパートナーを抽出する。ここでは上述の如くユーザ注文内容は、「会社案内」、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000であるところ、このユーザ注文内容に短納期で応えるには、例えば上質紙5000、ラミネート加工原料などが現時点で在庫に存在することが必要だからである。ここでは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB4の保有在庫量は十分であったものとする。
S28:次にプリントパートナー選定部130は、プリントパートナーの稼動予定スケジュールを確認し、最も短納期で納品可能な1のプリントパートナーを選定する。保有印刷機の台数が多く、また保有印刷機の稼動予定スケジュールに空きがあれば、そのプリントパートナーの生産能力は高く、そのようなプリントパートナーは、ユーザ注文内容に対し短納期に応じられるパートナーである。
具体的には、ユーザ注文内容から換算し、その注文内容に対する標準の印刷工期(納期)が算定されうるが、ここでは「会社案内」を両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000を行うための標準印刷工期(納期)は、1台の印刷機(能力は一定とする)で印刷した場合、30時間であったとする。そして本日から各プリントパートナーの実「営業日」、営業時間、土日等の要素を勘案したうえでの稼動可能時間を算出し、ユーザ注文内容に対し決定された標準の印刷工期(納期)に最も早く到達しうるパートナー、つまり最も短納期でユーザ注文内容の印刷物を納品可能な1のパートナーをプリントパートナーとして選定する。
例えば、図10を参照すると、プリントパートナーB3の実「営業日」は、月火水金(9−17)である。また保有印刷機5台であるとする。プリントパートナーB4の実「営業日」は、月火水木金(10−20)である。保有印刷機3台であるとする。ユーザ注文受付時点(本日)は、月曜日(早朝)であるとし、また全プリントパートナーの保有印刷機の今週一般の稼動予定スケジュールは空きであると仮定する。
ここで、各プリントパートナーが自己の保有する全印刷機を稼動させ、実「営業日」時間内一杯を使用して印刷を行うことを考える。単位印刷機あたりの標準の印刷工期(納期)は30時間であるから、プリントパートナーB3は、月曜日のPM3時に30時間分作業量に達成する。つまり、月曜日のPM3時に印刷物の印刷を終え納品可能である。またプリントパートナーB4は、月曜日のPM20時に30時間分作業量を達成する。つまり、月曜日のPM20時に印刷物の印刷を終え納品可能である。従ってこの場合、ユーザ注文内容に対し決定された標準の印刷工期(納期)に最も早く到達しうるパートナー、つまり最も短納期でユーザ注文内容の印刷物を納品可能なプリントパートナーB3を1のプリントパートナーとして選定できる。
なおあくまでこの時点では印刷工程の期間短縮化を実現したに過ぎないともいえるが、デザイン、印刷、配送という全工程に要する期間の短縮化に寄与することは明らかである。なおまた、短納期のみでもってプリントパートナーを選定することは、必ずしもプリントの品質を放棄したことを意味するものではない。そもそもプリントパートナーとして登録されている以上、全てのプリントパートナーは一定以上の品質でもって印刷物を印刷しうるプリントパートナーであるからである。
S29:一方、通常納期である場合、プリントパートナー選定部130は、ユーザ注文内容から注文プリント分野を特定する。具体的に、ここでは、「会社案内」のプリント、また印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工が注文されているので、プリント分野テーブル(図11)を参照すると、印刷(4色印刷)、製本(上製本)、ラミネート(マット)が該当するといえるので、注文プリント分野はNo12、18、22である。
S30:プリントパートナー選定部130は、注文プリント分野を得意分野とするプリントパートナーを抽出する。ユーザ注文による印刷物に対し高品質で対応しうるプリントパートナーを抽出するためである。具体的には、プリントパートナー登録情報(図10)を参照し、「得意分野」に12、18、22が登録されているプリントパートナーを抽出する。ここではこれらプリント分野を得意分野とするプリントパートナーは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB4、プリントパートナーB7である。なお原則的には注文プリント分野に「得意分野」が該当するプリントパートナーを抽出するが、注文プリント分野に「得意分野」が該当するプリントパートナーが存在しない場合、次策であるが注文プリント分野に「対応可能分野」が該当するプリントパートナーを抽出する。
S31:次にプリントパートナー選定部130は、これまで抽出されたデザインパートナーの「ユーザ評価」、「スタッフ技術力」、「信頼性」、「印刷品質」を取得する。これまでユーザからのユーザプリント分野を得意分野とするプリントパートナーは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB4、プリントパートナーB7が抽出されている。よって、プリントパートナーDB162に登録されているこれらプリントパートナーそれぞれの「ユーザ評価」、「スタッフ技術力」、「信頼性」(保有印刷機毎)、「印刷品質」(保有印刷機毎)を取得する。
S32:次にプリントパートナー選定部130は、「ユーザ評価」の評価度に基づくスコア付与を行う。上述したように「ユーザ評価」は、ユーザからのフィードバック(口コミ)、評価等に基づく、そのプリントパートナーに対するこれまでの印刷物の出来ばえやクオリティに対する評価度(例えば、A、B、C等)であるので、評価度の高いプリントパートナーには高いスコアが付される。
S33:次にプリントパートナー選定部130は、「スタッフ技術力」の評価度に基づくスコア付与を行う。上述したように「スタッフ技術力」は、そのプリントパートナーに所属するスタッフ(技術員)に対する印刷技術力に対する評価度(例えば、A、B、C等)であるので、評価度の高いプリントパートナーには高いスコアが付される。
S34:次にプリントパートナー選定部130は、「信頼性」の評価度に基づくスコア付与を行う。上述したようにその印刷機が故障せず正常に稼動できるかどうかの評価度(例えば、A、B、C等)であるので、評価度の高いプリントパートナーには高いスコアが付される。「信頼性」の評価度は、保有印刷機毎に付されているので、各保有印刷機の「信頼性」の評価度の平均値等を算出し、この平均値等をそのプリントパートナーの保有印刷機の「信頼性」の評価度としてから、その評価度に対しスコアを付すようにする。
S35:次にプリントパートナー選定部130は、「印刷品質」の評価度に基づくスコア付与を行う。上述したようにその印刷機が印刷時にインク転写汚れ等なく高品質に印刷できるかどうかの評価度(例えば、A、B、C等)であるので、評価度の高いプリントパートナーには高いスコアが付される。「印刷品質」の評価度は、保有印刷機毎に付されているので、各保有印刷機の「印刷品質」の評価度の平均値等を算出し、この平均値等をそのプリントパートナーの保有印刷機の「印刷品質」の評価度としてから、その評価度に対しスコアを付すようにする。
S36:プリントパートナー選定部130は、以上を踏まえ最終的にスコアが最も高い1のプリントパートナーを選定する。ここではプリントパートナーB3、プリントパートナーB4、プリントパートナーB7のうち、プリントパートナーB4がより高いスコアであったものとし、従ってプリントパートナーB4がプリントパートナーとして選定されたものとする。
なお、ユーザはWebサーバ2のウェブサイト(図1参照)にアクセスし、印刷物の注文(発注)を行うが、会員ユーザの場合、過去の注文履歴等に基づき過去に注文したことのあるプリントパートナーを指定することも可能である。この場合、プリントパートナー選定部130は、は、注文履歴、依頼履歴等に基づき同一のプリントパートナーを再度選定するので、この会員ユーザに対し過去と同一の印刷品質を維持することができる。
なおまた、プリントパートナー選定部130は、印刷工程の納期(印刷物が印刷し終える迄の期間)に関し、通常納期、短納期の場合毎に、それぞれ次のように決定する。まずユーザ注文が通常納期である場合、プリント注文内容と、その印刷作業に応じて各プリントパートナーと予め取り決めされている所定期間を印刷工程の納期とする(例えば、「会社案内」、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000の場合は5日等)。
一方、短納期である場合、印刷工程の納期は、弾力的に可変させる。例えば上述の例では、最も早いプリントパートナーB3は月曜日のPM3時に印刷物の印刷を終え納品可能であったため、プリントパートナーとして選定されたが、この場合、印刷工程の納期は、1日を印刷工程の納期と決定できる。また例えば予備日を考慮するならば、1日+1日(予備日)と計算し、2日を印刷工程の納期と決定できる。但し上述の如く、実「営業日」換算ベースでの納期を決定することが望ましい。つまり土日等を挟む場合、デザイン出来上がり日は、土日等の日程を考慮のうえ決定する。
なおまた、上記実施形態では、通常納期である場合(短納期でない場合)、品質に関する点からプリントパートナーを選定するものの、短納期の点からはプリントパートナーを選定していない。これは短納期でないことから、必ずしも現在時点空きのあるプリントパートナーや保有在庫量等を確認する必要はないからである。つまり通常納期である場合には、品質に関する点からプリントパートナーを選定するようにする。そのプリントパートナーが現時点でスケジュールや保有在庫に空きがなくともよい。各プリントパートナーと予め取り決めされている印刷工程の納期以内には当然に納品されるからである。
(4)物流パートナー選定ステップ
(物流パートナーDB163)
まず図16〜18を参照し、物流パートナーDB163の具体例について説明する。物流パートナーDB163は次に示す複数の情報やテーブル等を有する。図16は、物流パートナー登録情報を示す一例である。図17は、配送分野テーブルを示す一例である。図18は、物流パートナーの某月配送車スケジュール情報を示す一例である。
図16の物流パートナー登録情報には、予め提携の物流パートナー毎に、その「所在地」、「対応可能配送分野」、「配送破損率」、「配送誤送率」、「配送遅延率」等の情報が登録されている。なおここでの全物流パートナーは24時間営業を行っているため「営業日」について特段項目を設けていないものとする。
「所在地」は、その物流パートナーの所在地を示す。ここでいう所在地とは、その所在地から配車の可能な配送車拠点の所在地である。例えば全国区に渡る大規模物流パートナーの場合、各主要都市には配送車拠点を有している。
「対応可能配送分野」は、その物流パートナーが対応可能である物流分野を示す。物流分野は、図17の配送分野テーブルに一覧が示されるが、このうち「対応可能配送分野」にはその物流パートナーが対応可能な配送分野のNoがここに格納される。例えば、物流パートナーC4の「対応可能配送分野」は、3(中型車・定期便)、4、(中型車・専用便)、5(小型車・定期便)、6(小型車・専用便)であるので、中型車、小型車を所有車両として配送業務を行っていることが分かる。
「配送破損率」は、その物流パートナーの過去の配送実績から算出されたもので、配送物を破損してしまった比率である。配送物を破損した理由は、例えば事故によるもの、運転の粗さ、積み方の粗さ(配送物の取扱い丁寧さ)など様々がありうるが、これらを含め配送先において配送物の破損が確認された件数に基づき算出される。その値が小さいほど配送物の破損や傷みが少なく、その値が大きいほど配送物の破損や傷みが大きいことを示す。
「配送誤送率」は、その物流パートナーの過去の配送実績から算出されたもので、配送物を誤って異なる配送先に配送してしまった比率である。配送物を誤送した理由は、例えば、配送先の認識ミス、住所誤り、伝票の取り違えなど様々がありうるが、これらを含め配送先において配送物の誤送が確認された件数に基づき算出される。その値が小さいほど配送の誤送が少なく、その値が大きいほど配送の誤送が大きいことを示す。なおまた誤送の場合、あらためて正しい配送先に配送する必要があることから、配送遅延の大きな一因となる。
「配送遅延率」は、その物流パートナーの過去の配送実績から算出されたもので、配送物の配送を配送日時に対し遅延してしまった比率である。配送を遅延した理由は、例えば、配送ルートの判断ミス(信号の多いルート等の非効率ルートを選択)、交通事情(渋滞や通行止め等)、配送準備の段取りの悪さなど様々がありうるが、これらを含め配送先において配送の遅延が確認された件数に基づき算出される。その値が小さいほど配送の遅延が少なく、その値が大きいほど配送の遅延が大きいことを示す。
図17の配送分野テーブルには、予め配送分野のカテゴリが登録されている。上述の物流パートナーの「対応可能配送分野」を特定するために用いられるものである。勿論、図例のものはあくまで例示であり、この他にも様々な配送分野があってよい。なお定期便とは、毎回決まった日時に配送を行うルート配送便をいい、専用便とは、ユーザからの配送注文に応じ即座に配送先への直行配送を行う専用便をいう。
図18の物流パートナーの某月配送車スケジュール情報には、物流パートナーの保有する車両の配送予定スケジュール情報である。例えば図のものは、ある物流パートナーの全保有車両の2011年4月のスケジュール表であり、保有車両毎の配送予定スケジュールの空き状況が示されたものである。車両の横の数字は空き車両数を示し、空き車両数0の場合、空車両はなく全ての車両の配送予定が埋まっていることを示す。物流パートナーに対し物流を依頼する場合、保有車両のスケジュールに空き(空き残)があり依頼に対応可能な物流パートナーが選定される。なお、物流パートナーDB163には全物流パートナー毎に保有する車両の配送予定スケジュール情報が登録されており、また全保有車両の配送予定スケジュール情報はそれぞれの物流パートナーからの申告等により日々更新されているものとする。なおまた、物流パートナーは自社が保有する車両でなくとも、例えば提携するパートナーから車両を手配できる場合、その分の車両も含め申告できる。つまりその時点でその物流パートナーが配送できる車両が存在しさえすればよいからである。なおまた図例では日にち単位でのスケジュールが示されているが、更に詳細に1日の中でも時間帯毎のスケジュールが示されるようにすることもできる。
(物流パートナー選定処理)
図19は、本実施形態に係る物流パートナー選定処理を説明するフローチャート図である。上述したように、物流パートナー選定部140は、ユーザから印刷物のプリント注文を受けると、物流パートナーDB163に登録されている複数の物流パートナーCの中から、特に品質及び短納期という観点からユーザ注文にかなう最適な1の物流パートナーCの選定を行う。以下図面を参照しながら具体的に説明する。
S41:まず物流パートナー選定部140は、入力部110からユーザ注文内容を取得する。ここでは、上述のユーザ注文内容のうち配送に関するものとして、「会社案内」(配送物の内容を特定)、納期:通常納期、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000(配送物の配送量を特定)、配送先:仙台支店に800部、東京本社に200部ずつ配送を取得する。
S42:次に物流パートナー選定部140は、印刷物の回収先であるプリントパートナー(所在地)を取得する。このプリントパートナーは、パートナー選定ステップにより選定されたプリントパートナーであるので、このプリントパートナーが印刷物の印刷を行っている。そして印刷物を納品先に配送するにあたり、まず印刷物を回収(収集)する必要がある。ここでは印刷物の回収先は、プリントパートナーB(東京都・・)であるものとする。
S43:次に物流パートナー選定部140は、ユーザ注文内容から、配送量、その配送量に応じた対応可能配送分野を特定する。「会社案内」、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工の印刷物が、800部(送先:仙台支店)と、200部(東京本社)であるので、そこから配送量を見積もる。例えば東京本社及び仙台支社への配送量は、それぞれ包装印刷物8個、包装印刷物2個であると見積もる。またこの配送量の場合、小型車で配送可能であることから、対応可能配送分野は小型車(No5、6)であると特定する。なお小型車で配送可能な配送量であれば、当然ながら物理的に中型車又は大型車でも配送は可能であるが、車両が小さい方が配送は早いため、できるだけ配送可能な最小の車両を選択するものである。またその方がコストも低い。
S44:物流パートナー選定部140は、プリントパートナー(所在地)と同エリア内から、配送分野を対応可能配送分野とする物流パートナーを抽出する。具体的には、物流パートナー登録情報(図16)を参照すると、まず印刷物の回収先は、プリントパートナーB(東京都・・)であるので、同エリア(例えば、同県、同市内、同地域内等で判定)の物流パートナーを抽出する。ここではプリントパートナーBと同じ東京都に所在の物流パートナーC3、物流パートナーC4、物流パートナーC5が抽出される。またこのうち、対応可能配送分野は小型車であるから、No5、6を有する物流パートナーC3、物流パートナーC4が抽出される。なお小型車を有する物流パートナーが存在しない場合、上記型車、つまり中型車又は大型車でも配送は可能であるので、代用的に中型車又は大型車を有する物流パートナーを抽出するようにしてもよい。
S45:ここで、短納期であるか否かにより処理を分岐する。つまりユーザ注文内容が短納期(緊急)である場合には、S46へ進む。短納期(緊急)でない場合、つまり通常納期である場合は、S53へ進む。
S46:短納期(緊急)である場合、物流パートナー選定部140は、物流パートナーの現時点での配送能力を量る情報として、抽出されたパートナーの対応可能配送分野で特定された車種であって保有車両の直近スケジュールを取得する。具体的には、物流パートナーC3、物流パートナーC4の小型車(専用便)の配送予定スケジュール(図18)を取得し、空きのある物流パートナーを抽出する。配送車に空きがなければその物流パートナーは印刷物をそもそも配送できないからである。なお、短納期である場合には、配送の早い小型車(専用便)を用いるものとし、短納期でない場合は小型車(定期便)を用いるようにする。なおまた、配送予定スケジュール(図18)は、印刷工程の納期に合わせられ、印刷物出来上がり日時点での小型車(専用便)の配送予定スケジュールを取得する。
S47:ここで、抽出された物流パートナーがいずれか1に決まった場合、その物流パートナーを選定すればよい(S52へ)。空きの配送車両を有する物流パートナーが1しか存在しなければ、後述の処理を考慮することなくとも、その物流パートナーを選定することが短納期という観点からは望ましいからである。
S48:物流パートナー選定部140は、物流パートナーの現時点での配送能力を量る情報として、物流パートナー拠点、回収先、納品先の距離を算出する。物流パートナーは、まず物流パートナー拠点を出発し、印刷を行ったプリントパートナーから印刷物を回収してから配送先へと移動する必要があることから、物流パートナー拠点と回収先の距離、回収先と納品先の距離の合計距離が最短距離にある物流パートナーが最も早く配送先への配送を行うことができるからである。なお、回収先と納品先の距離は、いずれの物流パートナーであっても同一であるので、結局は物流パートナー拠点と回収先の距離が最短距離にある物流パートナーが最も早く配送先への配送を行うことができるともいえる。
S49:ここで、これまで抽出されている物流パートナーそれぞれの物流パートナー拠点と回収先の距離において、各距離間に所定距離以上の距離差がある場合、最短距離にある物流パートナーを選定する(S52へ)。つまりある物流パートナー拠点と回収先との距離が、他の物流パートナー拠点と回収先との距離と比べ、その距離が所定距離(例えば、5km等)以上の距離差がある場合、回収先と最短距離にある物流パートナーを選定することにより、他の物流パートナーに比べ、回収先に非常に近くに所在する物流パートナーを選定する。一方、各距離間に所定距離以上の距離差がない場合、つまりそれほどの距離差がない場合、次へ進む。
S50:物流パートナー選定部140は、物流パートナーの現時点での配送能力を量る情報として、これまで抽出された物流パートナーの「配送誤送率」、「配送遅延率」を取得する(図16)。上述の如く、「配送誤送率」は、その物流パートナーの過去の配送実績から算出されたもので、配送物を誤って異なる配送先に配送してしまった比率であり、「配送遅延率」は、その物流パートナーの過去の配送実績から算出されたもので、配送物の配送を配送日時に対し遅延してしまった比率である。これら値が小さいほど配送の誤送、遅延が少なく、そのような物流パートナーは短納期配送に資するからである。
S51:物流パートナー選定部140は、これまで抽出された物流パートナーのうち「配送誤送率」、「配送遅延率」の最も小さい1のプリントパートナーを選定する。「配送誤送率」、「配送遅延率」の値が小さいほど誤送、遅延が少なく、そのような物流パートナーは短納期配送に資するからである。
S53:一方、通常納期である場合、物流パートナー選定部140は、これまで抽出された物流パートナーの「配送破損率」を取得する(図16)。上述の如く、「配送破損率」は、その物流パートナーの過去の配送実績から算出されたもので、配送物を破損してしまった比率である。これら値が小さいほど配送物の破損や傷みが少なく、そのような物流パートナーは配送品質に資するからである。
S54:物流パートナー選定部140は、「配送破損率」が最も小さい1の物流パートナーを選定する。ここでは物流パートナーC3、物流パートナーC4のうち、物流パートナーC4が最も小さい「配送破損率」である。従って物流パートナーC4がプリントパートナーとして選定される。
なお、物流パートナー選定部140は、配送工程の納期(印刷物が配送し終える迄の期間)に関し、通常納期、短納期のいずれもの場合、次のように決定する。短納期の場合は、専用便が配車されるので依頼の指定日時時点で直ぐに回収が開始され、一方通常納期の場合は、定期便が配車されるので適宜(準備が整い次第)、回収が開始されるという点で違いはある。具体的に、配送工程の納期は、納品先の所在地に応じて予め、各物流パートナーから提示されている期間(日数)を配送工程の納期とする。例えば、東京〜仙台までの配送は、大型車・中型車・小型車(定期便)の場合は最大2日、大型車・中型車・小型車(専用便)の場合は最大1日、バイク(専用便)の場合は最大0.5日などといったように、予め配送期間が決められている期間を納期とすることができる。
なおまた、上述で用いている配送能力とは、一度に大量の配送物を配送できるといった配送量を示す能力ではなく、迅速に配送物を配送できるといった配送速度を示す能力という意味合いで用いたものである。
(5)パートナー依頼ステップ
以上、(1)ユーザ注文の入力ステップ、(2)デザインパートナー選定ステップ、(3)プリントパートナー選定ステップ、(4)物流パートナー選定ステップを説明してきたが、これら(1)〜(4)のステップを経て、選定サーバ1は、デザイン、印刷、配送の各工程のそれぞれにおいて、複数のパートナーの中から1のデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーを選定した。従って本パートナー発注ステップにおいて、選定サーバ1の発注部150は、選定したデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーに対し、デザイン、印刷、配送の各工程の依頼を行う。
(通常納期の場合)
これまで説明してきたように、ユーザは、受付時、納期を通常納期又は短納期であるかを選択して注文することができる。まず通常納期の場合、上述の各ステップを経て、選定サーバ1は、デザイン、印刷、配送の各工程のそれぞれにおいて、複数のパートナーの中から1のデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーを選定した。よって選定サーバ1は、これら1のデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーに対し、それぞれデザイン、印刷、配送の業務発注を行う。上述の如く、クラウドプリンティング・システム100の選定サーバ1と、デザインパートナーA、プリントパートナーB、物流パートナーCは、ネットワークを介し接続され、選定サーバ1からの依頼を受けるため、それぞれにPC端末(非図示)を備えている。よって選定サーバ1からの業務発注は、ネットワークを介しそれぞれにPC端末に対し行われればよい。
また選定サーバ1は、業務発注に際し、それぞれのパートナーに対しユーザ注文内容を伝達する。より具体的に、デザインパートナーに対しては、デザインを行うに必要な情報、つまりユーザ注文内容のうちデザインに関するものとして、「会社案内」、デザインサービスを利用、デザイン要望事項(デザイン概要、文字情報、依頼イメージ図、要望事項等々)、及び納期などの情報を伝える。また、プリントパートナーに対しては、プリントを行うに必要な情報、つまりユーザ注文内容のうちプリントに関するものとして、「会社案内」、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000、及び納期などの情報を伝える。また、物流パートナーに対しては、配送を行うに必要な情報、つまりユーザ注文内容のうち配送に関するものとして、「会社案内」(配送物の内容を特定)、配送物の配送量(印刷物から算出可)、配送先、配送元(プリントパートナーの所在地)、及び納期(配送日)などの情報を伝える。
また選定サーバ1は、業務発注に際し、それぞれのパートナーに対し工程スケジュール、つまり発注業務が着手可能となる日時を伝えておく必要がある。印刷物が納品されるまでの工程においては、はじめにデザインパートナーが完成原稿を作成し、その完成原稿をプリントパートナーが印刷する。そして印刷された印刷物を物流パートナーが配送する。よって、プリントパートナーには完成原稿が出来上がって印刷可能となる日時を伝えておく必要があり、物流パートナーには印刷物が出来上がって配送可能となる日時を伝えておく必要がある。
通常納期の場合、納期は、上述したように予め取り決めされている所定期間を元に算出できる。ユーザ注文が通常納期である場合、デザイン工程においては、デザイン注文内容と、そのデザイン作業に応じて各デザインパートナーと予め取り決めされている所定期間がデザイン工程の納期である(例えば、会社案内は10日等)。また印刷工程においては、プリント注文内容と、その印刷作業に応じてプリントパートナーと予め取り決めされている所定期間が印刷工程の納期である(例えば、「会社案内」、印刷:両面印刷、ページ数10ページ、表紙はフルカラーで表面にラミネート加工、部数:1000の場合は5日等)。
また配送工程においては、納品先の所在地に応じて各物流パートナーから提示されている期間(日数)が配送工程の納期である(例えば、東京〜仙台までの配送は、大型車・中型車・小型車(定期便)の場合は2日等)。
従って選定サーバ1は、業務発注に際し、それぞれの納期から各パートナーに対し発注業務が着手可能となる日時を算出できるので、算出した各パートナーに対し発注業務が着手可能となる日時を伝える。例えば、休日を考慮しないとし、ユーザ注文が4月1日にあったとすると、直ぐにそのユーザ注文は受け付けられ、デザインパートナーに対しては、例えば4月11日(4月1日〜4月11日)という納期が確定する。するとプリントパートナーは、例えば4月12日に着手可能となり、4月16日(4月12日〜4月16日)という納期が確定する。また物流パートナーは、例えば4月17日に配送可能となり、4月18日(4月17日〜4月18日)という納期が確定する。つまり配送先には4月18日に配送(納品)される。
なお、上述したように、ユーザがウェブサイト(図1参照)において印刷物の注文(発注)を行ったとき、納期(及び見積金額)を表示させる必要がある。ユーザ利便性という点からも出来る限り、納期(及び見積金額)を明確に表示しておくことが望ましいからである。そのため、選定サーバ1は、各工程においてパートナーを選定するとともに、デザイン、印刷、配送の工程毎の納期を算出し、そのうえで各工程を合計したものである全体納期を算出し、Webサーバ2にこれを表示させる。例えば、上述の例の場合であれば、Webサーバ2は、デザイン工程(4月1日〜4月11日)、印刷工程(4月12日〜4月16日)、配送工程(4月17日〜4月18日)という全体納期を表示する。また配送先には4月18日に配送(納品)される旨を表示する(例えば、図20参照)。ユーザはウェブサイト上、このような納期を確認したうえで、最終的な発注を行なうと、ユーザ注文が確定し、システム上正式にユーザ注文が受け付けられる。
(短納期の場合)
短納期の場合も、上述の各ステップを経て、選定サーバ1は、デザイン、印刷、配送の各工程のそれぞれにおいて、複数のパートナーの中から1のデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーを選定した。よって選定サーバ1は、これら1のデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーに対し、それぞれデザイン、印刷、配送の業務発注を行う。また選定サーバ1は、業務発注に際し、それぞれのパートナーに対しユーザ注文内容を伝達するのは通常納期の場合と同様である。
また短納期の場合も、選定サーバ1は、業務発注に際し、それぞれのパートナーに対し工程スケジュール、つまり発注業務が着手可能となる日時を伝えておく必要がある。しかしながら、通常納期の場合と異なり、短納期の場合の納期は、上述の如く弾力的に決定される。例えば上述の例では、短納期である場合、選定されたデザインパートナーの納期は、7.5日である。また選定されたプリントパートナーの納期は、1日である。また選定された物流パートナーの納期は、1日である。
従って選定サーバ1は、業務発注に際し、弾力的に決定されたそれぞれの納期から各パートナーに対し発注業務が着手可能となる日時を算出できるので、算出した各パートナーに対し発注業務が着手可能となる日時を伝える。例えば、休日を考慮しないとし、ユーザ注文が4月1日にあったとすると、直ぐにそのユーザ注文は受け付けられ、デザインパートナーに対しては、例えば4月9日(4月2日〜4月9日)という納期が確定する。するとプリントパートナーは、例えば4月10日に着手可能となり、4月11日(4月10日〜4月11日)という納期が確定する。また物流パートナーは、例えば4月12日に配送可能となり、4月13日(4月12日〜4月13日)という納期が確定する。つまり配送先には4月13日に配送(納品)される。
なお短納期の場合も、ユーザがウェブサイト(図1参照)において、選定サーバ1は、各工程においてパートナーを選定するとともに、デザイン、印刷、配送の工程毎の納期を算出し、そのうえで各工程を合計したものである全体納期を算出し、Webサーバ2にこれを表示させる(例えば、図21参照)。ユーザはウェブサイト上、このような納期を確認したうえで、最終的な発注を行なうと、ユーザ注文が確定し、システム上正式にユーザ注文が受け付けられる。
[受注平準化]
これまで説明してきたように、本実施形態に係るクラウドプリンティング・システム100の選定サーバ1は、デザイン、印刷、配送の各工程のそれぞれにおいて、複数のパートナーの中から1のデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーを選定し、選定したデザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーに対し、デザイン、印刷、配送の各工程の依頼を行った。
ここで、各パートナーは、クラウドプリンティング・システム100と予め業務提携を行っており、クラウドプリンティング・システム100の各パートナー登録情報(図5、10、16等)に登録されることにより、選定サーバ1がパートナーとして選定するための対象パートナーとなる。
しかしながら、パートナーがせっかくクラウドプリンティング・システム100と業務提携を行ったとしても、選定サーバ1により1のパートナーに選定されないことには、業務を受注することはできない。
具体的に、例えば、あるプリントパートナーがクラウドプリンティング・システム100と業務提携を行い、クラウドプリンティング・システム100のプリントパートナー登録情報(図10等)に登録されることにより、選定サーバ1がプリントパートナーとして選定するための対象プリントパートナーとなる。
そして、ユーザからの印刷注文が発生すると、選定サーバ1は、プリントパートナー登録情報(図10等)に登録されているプリントパートナーの中から、上述のプリントパートナー選定処理(図15)を経ることにより、1のプリントパートナーを選定する。そして、選定した1のプリントパートナーに対し、印刷工程における印刷業務の依頼(発注)を行う。
しかしながら、上述の如く、選定される1のプリントパートナーは、例えば、印刷品質に関するスコアが最も高いプリントパートナーであるため、たとえ僅差で高いスコアを有するプリントパートナーであっても、結果、1のプリントパートナーとして選定されないことがある。
このようなことが続く場合、プリントパートナーがせっかくクラウドプリンティング・システム100と業務提携を行っても、思うように印刷業務を受注することができず、やがて事業意欲が薄れてしまい、パートナー登録を取止めしてしまう可能性がある。また、せっかく新たなデジタル高速印刷機などを導入しても、印刷業務を受注することができず、稼働がなく、結果、採算が採れない可能性がある。
一方、クラウドプリンティング・システム100としては、提携したパートナーに対し、コンスタントに印刷業務を発注していくことにより、パートナーと業務上の安定を図ることができることから、ある程度、多くのパートナーに対し、広く業務の発注を行っていくことが望ましい。
そこで、さらに、上述のパートナー選定処理に対し、一定の修正を加え、1のパートナー選定に業務依頼が偏ることなく、多くのパートナーに対し、広く業務の発注を行っていくようにする。即ち、登録されている各パートナーに対し、業務の受注平準化を行うことにより、多くのパートナーに対し、広く業務の発注を行えるようにするものである。以下では、デザインパートナー、プリントパートナー、物流パートナーのうち、プリントパートナー選定処理をとりあげ、プリントパートナーに対する印刷業務の受注平準化について説明する。
図22は、受注目標設定画面の一例を示す。プリントパートナーは、クラウドプリンティング・システム100と業務提携を行い、クラウドプリンティング・システム100のプリントパートナー登録情報(図10等)に登録されると、併せて、今後印刷業務を受注するにあたって、受注したい受注量の希望をクラウドプリンティング・システム100に設定することができる。
まず、プリントパートナー(プリントパートナーの担当者)は、Webサーバ2のウェブサイトにアクセスする。プリントパートナーはパートナー専用の管理画面にログインすると、図に示される受注目標設定画面を表示できる。そして、プリントパートナーは、その受注目標設定画面から、一定期間(例えば、今年度1年間)において、受注を希望する印刷業務の受注量として、「受注回数」、「受注金額」を設定する。
なお、入力する「受注回数」、「受注金額」は、必ずしも確約される受注量ではなく、あくまで、クラウドプリンティング・システム100がそのプリントパートナーに対し、印刷業務を発注しようとする目標値である。理由としては、全くユーザ注文がないときに、プリントパートナーに対し、印刷業務を発注することはできないためである。
また、無限の受注量を認めることは難しいため、一定の上限値が設けられる。理由としては、本来的に、各プリントパートナーは1のプリントパートナーとして選定されるよう、印刷品質の向上等に努めるべきであり、無制限にパートナー側の希望する受注量を遂行しようとすると、本来的に、最もスコアの高い1のプリントパートナーが選定されるという主旨が損なわれる可能性があるためである。
図23は、目標受注量登録情報の一例を示す。この目標受注量登録情報は、プリントパートナーDB162に格納される。図に示されるように、目標受注量登録情報は、「目標受注回数」、「目標受注金額」、「実績受注回数」、「実績目標受注金額」などの情報からなる。
「目標受注回数」は、受注目標設定画面を通じて、プリントパートナーに入力され、今年度1年間、プリントパートナーが希望する(目標とする)印刷業務の「受注回数」である。例えば、プリントパートナーが、受注目標設定画面の「受注回数」欄に、例えば「100」を入力した場合、この「目標受注回数」も「100」である。
「目標受注金額」は、受注目標設定画面を通じて、プリントパートナーに入力され、今年度1年間、プリントパートナーが希望する(目標とする)印刷業務の「受注金額」である。例えば、プリントパートナーが、受注目標設定画面の「受注金額」欄に、例えば「1000000」を入力した場合、この「目標受注金額」も「1000000」である。
「実績受注回数」は、累積の受注回数の実績を示す。つまり、プリントパートナーが1のプリントパートナーとして選定され、印刷業務を受注した場合、それまでの累積の受注回数がここに記録される。例えば、あるプリントパートナーの「実績受注回数」が「38」である場合、このプリントパートナーはこれまでに既に38回の印刷業務を受注していることになる。
「実績受注金額」は、累積の受注金額の実績を示す。つまり、プリントパートナーが1のプリントパートナーとして選定され、印刷業務を受注した場合、それまでの累積の受注金額がここに記録される。例えば、あるプリントパートナーの「実績受注金額」が「502000」である場合、このプリントパートナーはこれまでに¥502000の印刷業務を受注していることになる。
図24は、本実施形態に係るプリントパートナー選定処理(受注平準化処理あり)を説明するフローチャート図である。図24は、上述の図15を修正したものである。そのため、S21〜36までは同一であり、また重複するステップは一部省略を加えてある。ここでは、図中、S35に続くS60(平準化処理の対象期間?)のところから説明する。
S60:プリントパートナー選定部130は、現在日時等を取得し、平準化処理の対象期間か否かを判定する。平準化処理の対象期間かの判定の意義は、次の通りである。
上述したように、プリントパートナーは、パートナー専用の受注目標設定画面から、一定期間において、受注を希望する印刷業務の受注量として、「受注回数」、「受注金額」を設定する。そして、この一定期間が、例えば、今年度1年間であるとすると、設定された「受注回数」、「受注金額」は、今年度1年間(1月〜12月)において受注を希望する印刷業務の受注量である。
そしてここでは、例えば、平準化処理の対象期間は、今年度1年間の後半半年間、つまり7月〜12月であるとする。この場合、プリントパートナー選定部130は、現在日時等を取得し、現在日時が3月であれば、平準化処理の対象期間ではないと判定し、一方、現在日時が10月であれば、平準化処理の対象期間であると判定する。つまり、この判定により、受注量の平準化処理を実施するにあたり、平準化処理の対象期間外は受注量の平準化処理を実施せず、平準化処理の対象期間にのみ受注量の平準化処理を実施する。
クラウドプリンティング・システム100において、例えば、今年度1年間の前半半年間(1月〜6月)、選定サーバ1は、本来的に、最もスコアの高い1のプリントパートナーを選定し、最もスコアの高い1のプリントパートナーに対し、印刷業務を発注する。これにより、クラウドプリンティング・システム100において、登録されている各プリントパートナーは、1のプリントパートナーとして選定されるよう、印刷品質の向上等に努めるべきであり、そのようなインセンティブを誘発させる。これにより、印刷品質の高いプリントパートナーは、多くの印刷業務を受注できるので、印刷品質の高いプリントパートナーの努力に報いることができる。
この結果、今年度1年間の前半半年間終了時点で(6月末)、印刷品質の高いプリントパートナーは、既に希望の「受注回数」、「受注金額」を到達してしまうプリントパートナーも存在しうる。その一方、例えば、印刷品質に関するスコアが比較的高いプリントパートナーであっても、1のプリントパートナーとして選定されず、希望の「受注回数」、「受注金額」までほど遠いプリントパートナーも存在しうる。
従って、今年度1年間の前半半年間までは、クラウドプリンティング・システム100として本来的なプリントパートナーの選定処理に委ね、前半半年間終了時点でも結果を踏まえ、それでもなお、印刷品質に関するスコアが比較的高いプリントパートナーであるにも関わらず、希望の「受注回数」、「受注金額」までほど遠いプリントパートナーも存在する場合、受注量の平準化処理を実施するようにする。これにより、登録されている各プリントパートナーに対し、本来的には、印刷品質の向上等に努めるべきであるというインセンティブを誘発しつつ、提携したパートナーに対し、コンスタントに印刷業務を発注し、パートナーと業務上の安定を図ることができる。
再び図24に戻る。S60において、平準化処理の対象期間ではない場合、S36へ進む。S36は、図15のS36と同一である。つまり、プリントパートナー選定部130は、最終的にスコアが最も高い1のプリントパートナーを選定し、本来的に、印刷品質の高いプリントパートナーに対し印刷業務を依頼(発注)する。
S61:次に、プリントパートナー選定部130は、S32〜35を踏まえ、スコア順にプリントパートナーを整列する(例えば、昇順)。ここでは、上述のS30で、プリントパートナーB3、プリントパートナーB4、プリントパートナーB7が抽出されており、これらプリントパートナーに対し、「ユーザ評価」、「スタッフ技術力」、「信頼性」、「印刷品質」の評価度に基づき、スコア順にこれらプリントパートナーを整列する。またこれにより、プリントパートナーB4、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7というスコア順に整列されたとする。従って、仮にS60からS36へ進んでいた場合には、最終的にスコアが最も高いプリントパートナーB4が選定され、印刷業務が依頼(発注)される。
S62:次に、プリントパートナー選定部130は、スコア順に整列したプリントパートナーの中から、一定品質以上の印刷物を納品しうるプリントパートナーを抽出する。受注平準化処理の対象パートナーを、印刷品質に関するスコアが最も高いプリントパートナーでなくとも、その僅差で高いスコアを有するプリントパートナーとするためである。
スコアは、「ユーザ評価」、「スタッフ技術力」、「信頼性」、「印刷品質」の評価度に基づくスコアであるので、一定スコア以上のプリントパートナーは、一定品質以上の印刷物を納品しうるプリントパートナーである。従って、プリントパートナー選定部130は、スコア順に整列したプリントパートナーの中から、一定スコア以上のプリントパートナーを、一定品質以上の印刷物を納品しうるプリントパートナーとして抽出する。ここではこれにより、一定スコア以上のプリントパートナーB4、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7が依然抽出されたとする。
S63:次に、プリントパートナー選定部130は、S62で抽出したプリントパートナーの中から、「実績受注回数」が「目標受注回数」を超えない、且つ「実績受注金額」が「目標受注金額」を超えないプリントパートナーを抽出する。受注回数及び受注金額の実績が既に目標を上回っているプリントパートナーを、受注平準化処理の対象パートナーから除外するためである。
ここでは、プリントパートナーB4、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7のうち、プリントパートナーB4が除外され、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7が抽出される。図23を参照すると、プリントパートナーB4の「実績受注回数」が「目標受注回数」を超えている(また、「実績受注金額」が「目標受注金額」を超えている)ためである。
S64:次に、プリントパートナー選定部130は、「実績受注回数」及び「実績受注金額」が最も小さいプリントパートナーを選定する。受注平準化処理の対象パートナーの中から、「実績受注回数」及び「実績受注金額」が現時点で最も小さいプリントパートナーに対し、優先的に印刷業務の依頼を行うようにするためである。
図23を参照すると、ここでは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7のうち、「実績受注回数」が最も小さいプリントパートナーは、プリントパートナーB7である。一方、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7のうち、「実績受注金額」が最も小さいプリントパートナーは、プリントパートナーB3である。
なお、一般には、「実績受注回数」と「実績受注金額」は比例関係にあり、「実績受注回数」が最も小さいプリントパートナーと、「実績受注金額」が最も小さいプリントパートナーとは一致する可能性は高い。この場合、この時点で1のプリントパートナーが選定される。
S65:プリントパートナー選定部130は、1のプリントパートナーを選定できたか否かを判定する。ここでは、「実績受注回数」が最も小さいプリントパートナーは、プリントパートナーB7である。一方、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7のうち、「実績受注金額」が最も小さいプリントパートナーは、プリントパートナーB3である。
よって、1のプリントパートナーを選定できていないため、S66へ進む。
S66:プリントパートナー選定部130は、「実績受注回数」が最も小さい1のプリントパートナーを選定する。ここでは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7のうち、「実績受注回数」が最も小さいプリントパートナーB7を選定しうる。
なお、S66で、「実績受注回数」よりも「実績受注金額」を優先する場合、プリントパートナー選定部130は、「実績受注金額」が最も小さい1のプリントパートナーを選定するようにしてもよい。この場合、ここでは、プリントパートナーB3、プリントパートナーB7のうち、「実績受注金額」が最も小さいプリントパートナーB3を選定しうる。いずれにしても、ここで1のプリントパートナーが最終的に選定される。
S67:プリントパートナー選定部130は、最終的に選定した1のプリントパートナーの「実績受注回数」に1を加算し、且つ「実績受注金額」に今回の受注金額を加算する。選定した1のプリントパートナーに対し、印刷業務の発注がなされるため、その分を実績として、目標受注量登録情報(図23)に反映(更新)するためである。
以上、受注平準化処理が実施されたことにより、ここでは、最終的にプリントパートナーB7が選定された。以降、上述の(5)パートナー依頼ステップにおいて、選定サーバ1の発注部150は、選定したデザインパートナー、プリントパートナー(プリントパートナーB7)、物流パートナーに対し、デザイン、印刷、配送の各工程の依頼を行う。なお、受注平準化処理が実施されない場合、このプリントパートナーB7は僅差で選定されることはなく、S36でプリントパートナーB4が選定される予定であった。
このように、本実施形態に係るプリントパートナー選定処理においては、登録されているプリントパートナーから希望の受注量に近づけるべく、一定の修正を加え、印刷業務の受注平準化を行う。これにより、1のパートナー選定に業務依頼が偏ることなく、多くのパートナーに対し、広く業務の発注を行うことができる。またこのため、印刷品質の高いプリントパートナーであれば、一定期間(例えば1年間)において、希望する印刷業務の受注量(受注回数、受注金額等)を得ることができる可能性が高いため、クラウドプリンティング・システム100との業務提携による事業意欲の維持及び向上に寄与することにもなる。
なお、S63で、1つもプリントパートナーが抽出できない場合、一定品質以上の印刷物を納品しうるプリントパートナーは、既に全プリントパートナーが希望の受注量を達成できていることになるので、このような場合、S63からS36へ進み(非図示)、本来的に、スコアが最も高いプリントパートナーを選定するようにする。これにより、スコアが最も高いプリントパートナーは、より一層多くの印刷業務を受注できる。
また、クラウドプリンティング・システム100は、今年度の1年間が終了間近になると、プリントパートナーに対し、次年度分の受注目標設定を促すようメール等により通知を行う。
また、クラウドプリンティング・システム100は、今年度の1年間において、平準化処理をもってしても、希望する印刷業務の受注量(受注回数、受注金額等)を達成できなかったプリントパートナーを抽出する。これらプリントパートナーは、クラウドプリンティング・システム100が求める一定品質以上(一定スコア以上)に到達していないと考えられるので、クラウドプリンティング・システム100は、これらプリントパートナーの品質向上活動を実施する。
[総括]
以上本実施形態によれば、印刷物が納品される迄のデザイン、印刷、配送等の各工程において、複数の提携業者(パートナー)の中から、それぞれ各工程における提携業者の自動選定を行うクラウドプリンティング・システム等を提供することが可能となる。
各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。また、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
A デザインパートナー
B プリントパートナー
C 物流パートナー
1 パートナー選定サーバ
2 Webサーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 補助記憶装置
15 記憶媒体読取装置
16 入力装置
17 表示装置
18 通信装置
110 入力部
120 デザインパートナー選定部
130 プリントパートナー選定部
140 物流パートナー選定部
150 発注部
160 記憶部
161 デザインパートナーDB
162 プリントパートナーDB
163 物流パートナーDB
100 クラウドプリンティング・システム
特開2007−004348号公報 特開2008−040878号公報 特開2005−339515号公報

Claims (5)

  1. ネットワークを介し、ユーザから印刷物の作成を受注するとともに、複数のパートナーに対し前記印刷物を納品する迄の各工程業務の発注を行う情報処理システムであって、
    前記印刷物の印刷業務の発注先である複数のプリントパートナーと、該プリントパートナーの印刷品質を示す印刷品質評価度と、前記印刷物の目標受注量と、前記印刷物の実績受注量とを対応付けて記憶した記憶手段と、
    前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、最も高い前記印刷品質評価度を有する一のプリントパートナーを選定するプリントパートナー選定手段と、
    前記ネットワークを介し、選定された前記プリントパートナーに対し前記印刷物の印刷業務を発注する発注手段とを有し、
    前記プリントパートナー選定手段は、所定期間中、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、前記印刷品質評価度が所定以上のプリントパートナーを抽出し、抽出した該プリントパートナーの中から、前記実績受注量が前記目標受注量を超えない一のプリントパートナーを選定すること、
    を特徴とする情報処理システム。
  2. 前記プリントパートナー選定手段は、前記実績受注量が前記目標受注量を超えない複数のプリントパートナーが存在する場合、前記目標受注量が最も小さい一のプリントパートナーを選定すること、
    を特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  3. 前記プリントパートナー選定手段により、一のプリントパートナーが選定された場合、前記発注手段により該一のプリントパートナーに対し発注された前記印刷物の印刷業務に応じて、該一のプリントパートナーに対応付けられた前記実績受注量を更新すること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理システム。
  4. 前記目標受注量は、少なくとも、前記印刷物の目標受注回数又は目標受注金額を含むこと、
    を特徴とする請求項1ないし3何れか一項記載の情報処理システム。
  5. ネットワークを介し、ユーザから印刷物の作成を受注するとともに、複数のパートナーに対し前記印刷物を納品する迄の各工程業務の発注を行う情報処理システムにおけるパートナー選定方法であって、
    記憶手段から、前記印刷物の印刷業務の発注先である複数のプリントパートナーと、該プリントパートナーの印刷品質を示す印刷品質評価度と、前記印刷物の目標受注量と、前記印刷物の実績受注量とを対応付けて読み出す読出手順と、
    前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、最も高い前記印刷品質評価度を有する一のプリントパートナーを選定するプリントパートナー選定手順と、
    前記ネットワークを介し、選定された前記プリントパートナーに対し前記印刷物の印刷業務を発注する発注手順とを有し、
    前記プリントパートナー選定手順は、所定期間中、前記複数のプリントパートナーの中から、プリントパートナーの前記印刷品質評価度に基づき、前記印刷品質評価度が所定以上のプリントパートナーを抽出し、抽出した該プリントパートナーの中から、前記実績受注量が前記目標受注量を超えない一のプリントパートナーを選定すること、
    を特徴とするパートナー選定方法。
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