JP2013205632A - 光ファイバコネクタ及び光ファイバ搭載方法 - Google Patents

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敏裕 黒田
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Abstract

【課題】光ファイバコネクタ及び光ファイバの搭載方法に関し、特に、光ファイバの固定がコネクタ上面側から行うことができるため、簡便かつ容易に光ファイバの搭載を行える光ファイバコネクタ及び光ファイバの搭載方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ30を搭載するための光ファイバ搭載孔13を有する光ファイバコネクタであって、前記光ファイバ搭載孔13の一端に、光ファイバ導入用の開口部14を有した光ファイバ搭載溝12が併設された光ファイバコネクタと、光ファイバ30を搭載する際に、開口部から光ファイバを光ファイバ搭載溝12に導入し、次いで光ファイバ30を光ファイバ搭載孔13方向にスライドさせることによって光ファイバを搭載する方法である。
【選択図】図6

Description

本発明は光ファイバコネクタ及び光ファイバの搭載方法に関し、特に、光ファイバの固定がコネクタ上面側から行うことができるため、簡便かつ容易に光ファイバの搭載を行える光ファイバコネクタ及び光ファイバの搭載方法に関する。
一般的に光ケーブル(光ファイバケーブルともいう)は、多量の情報の高速通信が可能であることから、家庭用、産業用の情報通信に広く利用されている。また、例えば自動車には、各種電装品(例えば、カーナビゲーションシステム等)が装備されているが、それらの電装品の光通信にも採用されている。このような光ケーブルが有する光ファイバの端末同士を突き合わせて接続する光ケーブルコネクタとして、特許文献1に開示されるものがある。
また、情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の短距離信号伝送に光を用いるために、光伝送路として、光ファイバに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路が用いられている。
そして、この光導波路と光ファイバとを接合する方法として、例えば、特許文献2に記載されるような光ファイバコネクタが挙げられる。
しかしながら、このような、光ファイバコネクタにおいては、光ファイバ搭載溝をダイシングによって切削加工する必要があるため作業効率が悪く、また、光導波路コアは溝の切削工程とは別の工程においてフォトリソグラフィー及びエッチングで作製するため、光ファイバの位置ずれが生じることがあった。さらに、上記の方法ではシリコンウエハなどの寸法安定性の良い硬い基板上に形成しないと、より大きな光ファイバの位置ずれが生じた。
また、特許文献3に記載の光導波路が形成された光導波路基板と、光ファイバがキャリアされた光コネクタをそれぞれ別のホルダに装着し、各ホルダの端面同志を固着するような光ファイバと光導波路の接続方法があるが、接続までの工程数が多く煩雑であった。
特許文献1〜3に記載の光ファイバコネクタは、光ファイバを光ファイバ搭載溝に仮固定した後に、光ファイバ固定用の板材等で、光ファイバの上部を再度固定する必要があるため、工程数が多く煩雑であった。
光ファイバ搭載孔付きのコネクタを用いる際には、上述した光ファイバ固定用の板材等は不要なため工程数は少ない。しかしながら光ファイバ搭載孔に光ファイバを挿入するまで、光ファイバの縦・横・高さ・ファイバ角度の調整が必要であるため、多方向から光ファイバの位置を確認する必要がある。特許文献4に記載の光ファイバコネクタのように、光ファイバ搭載孔と光ファイバの高さ方向の位置合わせ用配列溝とが、併設されてなり、光ファイバの高さ方向の制御が、比較的容易な光ファイバコネクタであっても、光ファイバとコネクタとの粗い高さ位置合わせは、コネクタ水平方向から見て行う必要があるため、高精度位置合わせが必要な光ファイバ平行方向の位置合わせと同時に行う煩雑さがある。更には、実際に光ファイバが光ファイバ搭載孔に挿入されたかどうかを確認するため確認用の開口部(切り欠き部)を形成する必要がある。つまりは、配列溝である必要性は確認作業性の観点から設けられている。
特開2010−48925号公報 特開2001−201646号公報 特開平7−13040号公報 特開2004−246112号公報
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、光ファイバの固定がコネクタ上面側から視認するのみで行うことができるため、簡便かつ容易に光ファイバの搭載を行える光ファイバコネクタ及び光ファイバの搭載方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対して、光ファイバを搭載するための光ファイバ搭載孔を有する光ファイバコネクタであって、前記光ファイバ搭載孔の一端に、光ファイバ導入用の開口部を有した光ファイバ搭載溝が併設された光ファイバコネクタにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)光ファイバを搭載するための光ファイバ搭載孔を有する光ファイバコネクタであって、前記光ファイバ搭載孔の一端に、光ファイバ導入用の開口部を有した光ファイバ搭載溝が併設された光ファイバコネクタ、
(2)前記光ファイバ導入用の開口部の幅が、前記光ファイバの直径以上である(1)に記載の光ファイバコネクタ、
(3)前記光ファイバ搭載孔及び前記光ファイバ搭載溝の幅が、それぞれ前記光ファイバ搭載孔の他端側へ狭まるテーパ構造を有する(1)又は(2)に記載の光ファイバコネクタ。
(4)前記光ファイバ搭載溝の長さが、3μm〜50mmである(1)〜(3)のいずれかに記載の光ファイバコネクタ、
(5)前記光ファイバ搭載孔の断面形状が、略矩形である(1)〜(4)のいずれかに記載の光ファイバコネクタ、
(6)前記光ファイバ搭載溝が、略矩形であり、かつ略矩形の一辺が前記開口部である(1)〜(5)のいずれかに記載の光ファイバコネクタ、
(7)前記略矩形の光ファイバ搭載孔の四辺の内の三辺が、前記光ファイバ搭載溝の三辺とそれぞれ連続している(5)又は(6)に記載の光ファイバコネクタ、
(8)前記光ファイバ搭載孔の前記光ファイバ搭載溝と反対側の端部に光ファイバ突き当て部を有する(1)〜(7)のいずれかに記載の光ファイバコネクタ、
(9)前記光ファイバ突き当て部が透明部材の一面である(8)に記載の光ファイバコネクタ、
(10)前記透明部材が、クラッド及び該クラッドよりも屈折率の高いコアからなる光導波路である(9)に記載の光ファイバコネクタ、
(11)前記透明部材に、光路変換用のミラーを具備する(9)又は(10)に記載の光ファイバコネクタ、
(12)前記光ファイバ突き当て部と前記光ファイバ搭載溝との間に接着剤導入溝を有する(1)〜(11)のいずれかに記載の光ファイバコネクタ、
(13)前記接着剤導入溝が、前記開口部と同一方向に開口された(12)に記載の光ファイバコネクタ、
(14) 前記光ファイバ搭載孔が2箇所以上並列した光ファイバコネクタであって、前記光ファイバ搭載孔それぞれに併設された前記光ファイバ搭載溝の前記開口部が、同一方向に開口された(1)〜(13)のいずれかに記載の光ファイバコネクタ、
(15)複数の前記開口部が、前記光ファイバ搭載孔の幅方向に沿って並設された(14)に記載の光ファイバコネクタ、
(16)前記(1)〜(15)に記載の光ファイバコネクタへの光ファイバ搭載方法において、前記開口部側から前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝に導入する工程A、前記工程Aの後に、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝方向へスライドする工程Bを有する光ファイバ搭載方法、
(17)前記工程Aにおいて、前記光ファイバ搭載溝と光ファイバがなす角度を0.1〜90°にして、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝に導入する前記(16)に記載の光ファイバ搭載方法、
(18)前記光ファイバ搭載溝の底面と光ファイバがなす角度を0.1〜90°にして、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝に導入した後、前記光ファイバ搭載溝の底面と光ファイバがなす角度をさらに小さくする前記(17)に記載の光ファイバ搭載方法、
(19)前記工程Bの後に、前記光ファイバを前記光ファイバ突き当て部に突き当てる工程Cを有する(16)〜(18)のいずれかに記載の光ファイバ搭載方法、
(20)前記光ファイバ搭載孔に接着剤を導入する工程Dを有する(16)〜(19)のいずれかに記載の光ファイバ搭載方法、
(21)前記接着剤を前記接着剤導入溝から導入する(20)に記載の光ファイバ搭載方法、
(22)前記工程Aの前に、前記光ファイバの先端に接着剤を塗布する工程Eを有する(16)〜(21)のいずれかに記載の光ファイバの搭載方法、
(23)前記工程Dの後に、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載孔内で振動させる、又は光ファイバコネクタ振動させる工程Fを有する(20)又は(21)に記載の光ファイバ搭載方法、
(24)前記光ファイバ搭載孔が2箇所以上並列した光ファイバコネクタであって、前記工程A及び前記工程Bを、2本以上の光ファイバに対して同時に行う(16)に記載の光ファイバ搭載方法を提供するものである。
本発明の光ファイバコネクタは、光ファイバの固定がコネクタ上面側から視認するのみで行うことができるため、簡便かつ容易に光ファイバの搭載を行えることができる。
本発明の光ファイバコネクタを蓋材側から見た平面図である。 本発明の光ファイバコネクタを蓋材側から見た平面図であって、蓋材を透視して見た図ある。 図1及び2におけるIIIA−IIIA線に沿う端面図(a)と、図1及び2におけるIIIB−IIIB線に沿う端面図(b)である。 図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。 本発明の別の実施例に係る光ファイバコネクタを蓋材側から見た平面図であて、蓋材を透視して見た図ある。 本発明の光ファイバコネクタへの搭載方法を示す図であって、図1及び2におけるIIIA−IIIA線に沿う部分に対応した位置を示す端面図である。 本発明の光ファイバコネクタの製造方法を示す図であって、図1及び2におけるIIIA−IIIA線に沿う部分に対応した位置を示す端面図である。 本発明の光ファイバコネクタの製造方法を示す図であって、図1及び2におけるIIIB−IIIB線に沿う部分に対応した位置を示す端面図である。
本発明の光ファイバコネクタの詳細を、添付図面を用いて以下に説明する。
図1〜4に示すように、本発明の光ファイバコネクタ40は、基板1の上において、光ファイバ30を搭載するための光ファイバ搭載孔13と、光ファイバ導入用の開口部14を有した光ファイバ搭載溝12とが併設されてなる光ファイバガイド部材50を備える。
光ファイバ搭載溝12は、光ファイバ搭載孔13の一端に連接される。光ファイバ搭載溝12の開口部14から導入された光ファイバ30は、光ファイバ搭載孔13に挿入され、光ファイバ搭載孔13を形成する両側壁、底面、及び上面によって左右上下に移動しないように規制される。光ファイバ搭載孔13と光ファイバ搭載溝12は、例えば図3(a)から明らかなように、1本の同じ溝15から形成されるものであり、溝15の一部に蓋材7が被せられ、その蓋材7が被せられた溝15の一部は、溝15の開口が閉じられ、外周全周が閉じた光ファイバ搭載孔13となる。一方、蓋材7が被せられなかった溝15の一端は、蓋材7が被せられないことにより、外周の一部が、開口部14として開口された光ファイバ搭載溝12となる。なお、光ファイバ搭載孔13は、通常、外周全周が閉じられたものであるが、後述するように、その外周の一部は取り除かれており、接着剤導入溝9等を設けるために開口されてもよい。
以下、本発明についてより詳細に説明する。なお、以下、光ファイバの径と標記したときは、光ファイバの被覆外径又はクラッド径を表すこととする。
光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の断面形状は、光ファイバ30が挿入可能な形状であり、かつ光ファイバ30を任意の位置で固定できれば特に限定はないが、略矩形であると、光ファイバ30の外周を光ファイバ搭載孔13の内壁で固定し、該光ファイバ30を位置合わせ可能であり、該光ファイバ30を接着剤で固定する際に、光ファイバ30と光ファイバ搭載孔13の内壁の非接触部分の間隙が接着剤の回り込みに優位に働くため良好に固定可能である。
光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の底面、上面、側壁を形成する部材は特に限定はないが、光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の底面は基板1を用い、側壁は、該基板1上に形成されたレジストパターンを用いると良い。なお、基板1は例えば図3(a)、(b)に示すように、その上面に接着層2を有することがあるが、この場合、該底面は基板1上の接着層2で構成される。
光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の側壁は、本実施例のように光導波路20を設ける場合には、光導波路20を形成するクラッドもしくはコア形成用材料を用いると良く、具体的には、図1〜4から明らかなように、基板1の上に設けられた、コア形成用材料からなる光ファイバガイド用コアパターン5によって構成される。この場合、光導波路20を形成する光信号伝達用コアパターン4と同一工程で、光ファイバガイド用コアパターン5を形成すると、光信号伝達用コアパターンと、光ファイバガイド用コアパターン間に搭載される光ファイバ30との位置合わせが容易となるためより好ましい。
光ファイバ搭載孔13の上面を形成する部材は、上記したように蓋材7とすることが好ましい。ここで、光ファイバ搭載溝12の側壁と、光ファイバ搭載孔13の側壁は、一体の部材であり、基板1等により構成される底面とともに1つの直線状の溝15を形成するが、該蓋材7は、光ファイバ搭載孔13の側壁の上に設けられることにより、その溝15の一部の上部を閉じて光ファイバ搭載孔13とする。
なお、以下の説明では、光ファイバ搭載溝12及び光ファイバ搭載孔13が延在する方向(すなわち、光ファイバ搭載孔13の軸方向)をy方向、そのy方向に垂直で、かつ基板1に平行な方向をx方向とする。
光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の側壁間(以下、幅と略記する)の距離(本実施例では光ファイバガイド用コアパターン5間の距離)は、光ファイバの直径以上の幅であればよいが、光ファイバの実装性及びトレランスの観点から、光ファイバの直径より0.1〜20μm広い幅であることが好ましい。しかし、光ファイバ30の搭載性を向上させるために、図5に示すように,光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12(すなわち、溝15)の幅を突き当て部10Aに近づくにつれて狭くしていくテーパ形状を設ける場合には、突き当て部10A近傍の光ファイバ搭載孔13の幅を上述の幅にすればよい。このテーパ形状を設ける際の光ファイバ搭載溝12の幅は、光ファイバ30の直径以上であれば、後述する工程Aにおける光ファイバ30の導入に問題はない。なお、図5の構成では、溝15は、テーパ部分の先細り先端に、幅が一定となる部分が連接されて構成される。
光ファイバ搭載孔13の底面から上面までの高さ(本実施例では基板1表面から蓋材7の底までの距離)は、光ファイバの直径以上であればよいが、光ファイバの実装性及びトレランスの観点から、光ファイバの直径より0.1〜20μm大きい高さであることが好ましい。
光ファイバ搭載溝12に設けられた開口部14の幅(x方向における長さ)は光ファイバ30の直径以上であれば、垂直方向(蓋材7側)から光ファイバ30を導入することが可能である。
本実施例における光ファイバ搭載溝12と反対側の光ファイバ搭載孔13の端部に、突き当て部10Aを設けると、光ファイバ30を光ファイバ搭載孔13に導入する際に、一意の長さで突き当てることができるため、好適である。突き当て部10Aが、透明部材10の一面であれば、光信号を光ファイバへ導入する際や、光ファイバから光信号が出力される際に、突き当て部10Aを介して光伝送が可能となる。さらに、該透明部材10が、クラッド及びコアからなる光導波路20であり、該コアを構成する光信号伝達用コアパターン4と光ファイバ30とが、光信号伝達可能な位置に位置合わせできるように、光ファイバ搭載孔13と光導波路20とが並設されていると、光導波路20中の光信号が広がることなく光伝送が可能となる。
図1〜4に示すように、透明部材10は、光導波路を有する場合、基板1の上に必要であれば接着層2を介して積層される下部クラッド層3と、下部クラッド層3の上に配設される光信号伝達用コアパターン4と、光信号伝達用コアパターン4を埋め込むように、下部クラッド層3の上に積層される上部クラッド層6とを備える。光信号伝達用コアパターン4の細長の各コアは、クラッド層3、6により取り囲まれ光導波路20を形成する。
光導波路20を含む透明部材10、光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12は、基板1上に形成されることにより、光ファイバコネクタ自体の強度が増すため好ましい。この場合、該基板1が光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の底面を形成する部材であっても良い。また、基板1には電気配線103を設け、電気配線基板としても良い。電気配線103は光学素子実装用の電気配線として用いることができる。
光導波路20を含む透明部材10には、光路変換ミラー11を備えても良い。光路変換ミラー11は、透明部材10の上面から刻設されたV字溝25の一方の斜面によって形成される。光路変換ミラー11は、基板1に対して45°傾斜する傾斜面である。
透明部材10は、光路変換ミラー11を備えることにより、光ファイバ30から突き当て部10Aを介して透明部材10へ入射した光信号を光ファイバ搭載孔13に対して垂直方向(基板平面に対して垂直方向又は蓋材形成面に対して垂直方向)に出力することができ、更にファイバ搭載孔13に対して垂直方向(基板平面に対して垂直方向又は蓋材形成面に対して垂直方向)から入力した光信号を透明部材10を介して光ファイバ30へ光伝送することも可能となる。
光ファイバ搭載孔13には、突き当て部10A側に光ファイバ30を固定するための接着剤導入溝9を設けると良い。光ファイバ30を固定するための接着剤を接着剤導入溝9より導入することによって、光ファイバ30と突き当て部10との間に気泡が発生することを抑制できるため好ましい。
また、後述する工程Eにおいて導入する光ファイバ30の先端部に、光ファイバ30固定用の接着剤をあらかじめ塗布しておくと、光ファイバ30と突き当て部10との間の気泡をより低減できるため更に好ましい。
接着剤導入溝9は、光ファイバ搭載孔13の外周の一部が開放されて開口されたものであって、本実施例では、蓋材7に設けられた開口9Aにより、上側(蓋材7側)が開放されたものである。
本発明における光ファイバコネクタは、図1、2から明らかなように,光ファイバ搭載孔13が2箇所以上並列した光ファイバコネクタであってもよい。この場合、複数の開口部14は、同一方向に向けて(図3の上向きに)開口されており、複数の光ファイバ30を同時に一方向から実装可能となるため良い。また、図1、2に示すように,複数の開口部14は、光ファイバ搭載溝13に対して垂直方向(すなわち、x方向)に沿って連なるように整列させて設けると尚良い。これにより、複数本の光ファイバ30を簡便にかつ同時に搭載することが可能となる。
接着剤導入溝9は、複数の光ファイバ搭載孔13それぞれに対応して光ファイバ搭載孔13と同数個設けられてもよい。その場合、それら接着剤導入溝9は、同一方向に整列させて設けると良く、光ファイバ搭載孔13に対して垂直方向(すなわち、x方向)に連なるように設けると尚良い。
また、図1,2から明らかなように、接着剤導入溝9が設けられた位置では、光ファイバ搭載孔13の側壁も取り除かれており、接着剤導入溝9は連続して、x方向に延在する1本のスリットとなることが好ましい。これにより、複数本の光ファイバ搭載孔13に同時に接着剤を導入することが可能となる。なお、本実施例では、側壁は、突き当て部10側の端部が取り除かれており、x方向に延在するスリットの一方の側面は、突き当て部10Aとなる。
また、本実施例では、光ファイバ搭載溝12の開口部14と接着剤導入溝9の開口9Aが、同一方向(上向き)に開口しており、光ファイバ30の実装及び、接着剤の導入を単一方向から行えるため更に良い。これは単一の光ファイバ搭載孔13の光ファイバコネクタでも同様である。
さらに、接着剤導入溝9の底面位置は、光ファイバ搭載孔13の他の部分の底面位置より低い位置とされたほうが好ましい。例えば、図3(a)、(b)のように、基板1の上に接着層2が設けられる場合、接着剤導入溝9は、その接着層2を取り除くように設けられる。これにより、接着剤を光ファイバ30の下側に容易に回り込ませることができる。
次に、本発明の光ファイバコネクタ40への光ファイバ30の搭載方法を、図6を用いて説明する。
本発明の光ファイバの搭載方法は、光ファイバ搭載溝12に設けられた開口部14側から光ファイバ30を導入する(工程A;図6(1)〜(2)参照)。このとき、光ファイバ30は、通常、光ファイバ搭載溝12の開口された端面12Aと、開口部14を通って導入される。光ファイバ搭載溝12の底面と光ファイバ30のなす角θ1を0.1〜90°に傾けて導入すると、光ファイバ30の先端部を光ファイバ搭載溝12の底面に良好に接触させられる。その後、光ファイバ30を光ファイバ搭載孔13方向にスライドさせる(工程B;図6(2)〜(3)参照)光ファイバ30の搭載方法である。工程Aの後、工程Bにおいて、又は工程Bの前後に、光ファイバ搭載溝12と光ファイバ30のなす角θ2を0°以上、上述の角度θ1未満にすると、光ファイバ搭載孔13に光ファイバ30を導入しやすくなると共に、光ファイバ30の折れを抑制することが可能である。
その後、光ファイバ30を突き当て部10Aに突き当てる(工程C;図6(4)参照)ことによって、一意の長さの光ファイバ30を光ファイバコネクタに挿入でき、特に、複数本の光ファイバ30を同時に搭載する場合に、全ての光ファイバ30の挿入長さを揃えることができるため好ましい。光ファイバ搭載孔13に挿入された光ファイバ30は、接着剤にて固定する(工程D)と光ファイバコネクタから光ファイバ30が脱落することなくハンドリングできるため良い。このときの接着剤は、接着剤導入溝9(好ましくは開口9A)から導入すると、突き当て部10Aと光ファイバ30の先端との間に気泡が発生しにくいため好ましい。
接着剤を導入した後に、気泡が発生した場合(発生しやすい場合)、光ファイバ30を光ファイバ搭載孔13内にて振動させる(工程F)ことにより、気泡を除去又は抑制できる。更に工程Aの前に光ファイバ30の先端部にあらかじめ接着剤を塗布しておくとより、気泡の発生を抑制できるため好ましい。
以上の方法により、開口部14側(上方)から視認するのみで光ファイバ30を光ファイバコネクタに搭載することが可能である。
以下、本発明の光ファイバコネクタ40を構成する部位について説明する。
(光ファイバ搭載孔)
光ファイバ搭載孔13の断面形状は、光ファイバ30が挿入可能な形状であれば特に限定はないが、略矩形であると、光ファイバの外周の4点(光ファイバ同軸方向に対して垂直断面視)にて位置合わせ可能なため好適である。光ファイバ搭載孔13における略矩形とは、光ファイバの断面形状のうち、少なくとも4点にて固定可能な形状のことで、光ファイバの断面が円のとき、該円の底部、左右、上部を固定する場合を広義に略矩形とする。
図1〜図4に示した光ファイバコネクタ40の場合、光ファイバガイド用コアパターン5上に、ガイド用上部クラッド層56をパターン形成しているが、フォトリソグラフィー加工によって任意のパターンA(本実施例では光ファイバガイド用コアパターン5)上に別のパターンB(本実施例では光ファイバガイド用コアパターン上に形成されたガイド用上部クラッド層56のパターン)を形成する場合には、それぞれの位置合わせ精度の観点から、パターンBをパターンAよりも小さく形成する必要がある。このとき光ファイバ搭載孔13の断面形状は、図4に示すように、上端側(蓋材7側)が外側にわずかに張り出した「凸」の字を上下さかさまにした形状になる。しかし、この場合も、光ファイバ30を固定する部分は、4点(光ファイバガイド用コアパターン5が光ファイバ30の両側部、基板1が光ファイバ30の底部、蓋材7が光ファイバ30の上部を固定)であるため、広義に略矩形である。
(光ファイバ搭載溝)
光ファイバ搭載溝12の断面形状は、光ファイバ導入用の開口部14の幅が使用する光ファイバ30の直径以上であり、その断面形状は特に限定はないが、略矩形であると3点で光ファイバ30を固定できるため良い。光ファイバ搭載溝12における略矩形とは、光ファイバの断面の円状のうち、少なくとも3点にて固定可能な形状のことで、該円の底部、左右、上部の少なくとも3点(光ファイバ同軸方向に対して垂直断面視)を固定する場合、広義に略矩形とする。
光ファイバ搭載溝12の底部は、光ファイバ搭載孔13の底部と、また、光ファイバ搭載溝12の側壁部は光ファイバ搭載孔13の側壁部と連続していると工程Bにおいて光ファイバ30をスライドさせて光ファイバ搭載孔13に導入する際に、滑らかに挿入できるため良い。
光ファイバ搭載孔13の略矩形断面形状の4辺のうち3辺が、光ファイバ搭載溝12の略矩形断面形状の3辺(残りの1辺は開口部14)と、それぞれ連続していれば、上記以外の構成であってもよい。例えば、基板1に開口部が設けられ、蓋材7が光ファイバ搭載溝12の底面となってもよい。この場合には、蓋材7、両側壁部が、光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12にわたって連続していても良い。この場合、接着剤導入溝の開口9Aも基板1に設けられてもよい。
光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12の断面形状が、略矩形ではない場合には、光ファイバ30を光ファイバ搭載孔13へ導入可能な孔形状であり、導入された光ファイバ30を任意の位置で固定可能であれば特に限定はない。具体的には、光ファイバ搭載溝12と光ファイバ30とが接触する点と、光ファイバ搭載孔13と光ファイバ30とが接触する点のそれぞれの軌跡が、連なっている光ファイバコネクタ(例えば断面形状が円)、もしくは、工程Bにおいて一度も光ファイバ30から離れることのない3点以上の光ファイバ30の固定点を有している光ファイバコネクタ(例えば光ファイバ搭載孔13の側壁が波状)であれば本実施例と同様の効果を得ることができる。
(開口部)
光ファイバ搭載溝12に設けられた光ファイバ導入用の開口部14の幅は上述の通りであり、その長さ(y方向の長さ)は、特に限定はないが、3μm以上あると、工程Aにおいて光ファイバ搭載溝12に光ファイバ30を導入することが容易となり、50mm以下であれば光ファイバコネクタ自体を小型化できるため好ましく、20μm以上、3mm以下であると光ファイバコネクタのハンドリング性の観点からより好ましい。
(接着剤導入溝)
接着剤導入溝9(例えば、開口9A)から接着剤を導入することによって、光ファイバ30を突き当て部10Aに容易に固定することができ、光ファイバ30の位置ずれがしにくい上に、確実かつ簡便に光ファイバと光導波路を接続することができる。
接着剤導入溝9は、本発明の効果を奏する範囲で種々の場所に設けることができるが、光ファイバ搭載孔13のうち、突き当て部10A側に設けると、接着剤の導入がより確実かつ簡便に行えるため良い。接着剤導入溝9の長さ(y方向の長さ)は特に限定はないが、5μm以上、1.0mm以下であれば良好に接着剤を導入でき、30μm以上、300μm以下であれば、光ファイバコネクタのハンドリング性の観点からより好ましい。
(突き当て部)
上述したように、本光ファイバの光ファイバ搭載溝12と反対側の光ファイバ搭載孔13の端部に突き当て部10Aを設けると、光ファイバ30を光ファイバ搭載孔13に導入する際に、一意の長さで突き当てることができるため、好適である。突き当て部10Aは、光ファイバ30を一意の位置で固定できれば特に限定はなく、光ファイバ搭載孔13の断面のうち、光ファイバ30の断面が占有する部位の少なくとも一部に存在すれば、光ファイバ30を良好に突き当て可能なため良い。光ファイバ搭載孔13の断面全てを封鎖するような形状であると尚良い。また、上述の通り、突き当て部10Aが透明部材10の一面であれば、光信号を光ファイバ30へ導入する際や、光ファイバ30から光信号が出力される際に、突き当て部10Aを介して光伝送が可能となるため更に良い。さらに、該透明部材10が、クラッド及びコアからなる光導波路20であり、該光導波路20の光信号伝達用コアパターン4と光ファイバ30とが、光信号伝達可能な位置に位置合わせできるように、光ファイバ搭載孔13と光導波路20とが並設されていると、光導波路20中の光信号が広がることなく光伝送が可能となる。
突き当て部10Aを形成する部材(例えば、透明部材10)の材料としては、特に限定はないが、フォトリソグラフィー加工可能な部材を用いると、任意の位置に高精度に形成可能なため更に良い。
(光路変換ミラー)
本発明における光ファイバコネクタには、光路変換ミラー11を設けることができる。上述の通り、光路変換ミラー11を備えることにより、光ファイバ30から透明部材10へ入射した光信号を光ファイバ搭載孔13に対して垂直方向に出力することができ、更にファイバ搭載孔13に対して垂直方向から入力した光信号を透明部材10を介して光ファイバ30へ光伝送することが可能となる。
光路変換ミラー11の形成方法としては、ダイシングソー等を用いた切削加工や、レーザアブレーションによる加工により約45°の傾斜面を形成する方法が好適に挙げられ、例えば上記したようにV形溝25が形成されることが好ましい。また、光路変換ミラー11は、例えば上述の突き当て部10Aの光ファイバ搭載孔13と反対の位置に形成すれば良く、透明部材10に設けると更に良い。特に、突き当て部10Aが透明部材10又は光導波路の一面であれば、光ファイバ30からの光信号を突き当て部10Aを介して透明部材10又は光導波路20内を透過し、その後、光路変換ミラー11によって、基板1と垂直方向に光信号を出力、又は、基板1と垂直方向からの光信号を光路変換ミラー11にて基板1と平行方向に光路変換し、透明部材10又は光導波路20内を透過して突き当て部10Aを介して光ファイバ30に光信号を入力させることができる。
光路変換ミラー11の反射面は、透明部材10又は光導波路20のコアパターンと、空気層との屈折率差を利用した反射方式でも、反射面に反射金属層を設けて該金属層表面での反射する方式でもどちらでも良い。
(基板)
基板1の材質としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム、電気配線板などが挙げられる。
基板1として柔軟性及び強靭性のある基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどを基板として用いることができる。これらのうち、耐熱性、寸法安定性の観点から、ポリアミドイミド、ポリイミドが特に好ましい。
また、電気配線板は特に限定されるものではないが、金属配線103がFR−4上に形成された電気配線板でもよく、金属配線103がポリイミドやポリアミドフィルム上に形成されたフレキシブル配線板であってもよい。なお、金属配線103は金属層102から形成することができる。
突き当て部10A(透明部材10)や、光ファイバガイド用コアパターン5と基板1とが接着力を有さない場合、上述の基材等の上に接着層2を設けた接着層付き基板としても良い。
(蓋材)
本発明の光ファイバコネクタは、図1〜4に示すように、蓋材7を有してもよい。このような、蓋材7を有する態様では、光ファイバ搭載孔13の深さ及び幅のいずれもが、光ファイバ搭載孔13に挿入されて固定される光ファイバ30の直径以上であることが肝要である。この条件を満足することにより、光ファイバ30を、光ファイバ搭載孔13に容易に差し込み固定することができる。
蓋材7は、光ファイバガイド部材50及び透明部材10を覆うように配置され、光ファイバ搭載孔13の側壁の上面と、透明部材10の上面に接着される。ここで、該側壁は、上記したようにファイバガイド用コアパターン5の上にガイド用上部クラッド層56が積層されてなるため、蓋材7はガイド用上部クラッド層56に接着される。同様に、蓋材7は、透明部材10の上部クラッド層6に接着される。また、蓋材7は、接着剤導入溝9の開口9Aによって、光ファイバガイド部材50と、透明部材10とを覆う部分に分割される。
上記蓋材7の材質としては、特に限定されないが、上部クラッド層6、56に接着性がある場合、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム、電気配線板などが挙げられる。
さらには、柔軟性及び強靭性のある蓋材7として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドを蓋材7として用いてもよい。これらのうち、耐熱性、寸法安定性の観点から、ポリアミドイミド、ポリイミドが特に好ましい。蓋材7の厚さとしては、板の反りや寸法安定性により、適宜変えてよいが、好ましくは10μm〜10.0mmである。
一方、上部クラッド層6、56と蓋材7とに接着性が無い場合、上記に列挙した蓋材7に接着層8を積層し、接着層付きの蓋材7とし、接着層8を介してガイド本体部51や透明部材10に接着してもよい。蓋材7に形成する接着層の厚さとしては、0.1μm〜50μmであれば良く、20μm以下であると光ファイバ搭載溝12・光ファイバ搭載孔13への接着剤の流れ込みが押さえられ更に良い。
さらに、本実施例における透明部材10は光路変換ミラー11を有することが好ましく、その場合には、該蓋材7は、V形溝25を覆うように透明部材10に接着して、光路変換ミラー11の補強板を兼ね備えていることが好ましい。
(接着剤)
上記接着剤導入溝9に導入される接着剤としては、光ファイバと光ファイバコネクタとを接着し得るものであれば特に制限はないが、光学用接着剤、光路結合用接着剤、光学部品用シール材、透明接着剤、屈折率整合材兼接着剤、クラッド層形成用樹脂ワニス、コア層形成用樹脂ワニスなどの光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、光熱硬化型の接着剤、2液混合硬化型の接着剤が挙げられ、これらのうち、基板1や蓋材7が硬化させるための電磁波を透過しない場合には、熱硬化型の接着剤又は、2液混合硬化型の接着剤が好ましいが、接着剤導入溝9や、光ファイバ搭載溝12の開口部からの光硬化のみで十分に固定できる場合には、光硬化型又は光熱硬化型の接着剤でも良い。
また、接着剤導入溝9から導入する接着剤と、工程Eにおいて光ファイバ30の先端部に塗布する接着剤とは同じでも異なっていても良いが、同一であると接着剤同士の界面での剥離が抑制できるためより好ましい。
以下、本実施例の光導波路を構成する各層について説明する。
(下部クラッド層及び上部クラッド層)
以下、本発明で使用される下部クラッド層3及び上部クラッド層6について説明する。下部クラッド層3及び上部クラッド層6としては、クラッド層形成用樹脂又はクラッド層形成用樹脂フィルムを用いることができる。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、光信号伝達用コアパターン4より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。該下部クラッド層3及び上部クラッド層6をフォトリソグラフィー加工によってパターニングする場合には、感光性樹脂組成物であると良い。クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、下部クラッド層3及び上部クラッド層6において、該樹脂組成物に含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。また、クラッド層形成用樹脂を接着層2として用いる場合には、屈折率や制限はなく、後述の接着剤やコア形成用樹脂フィルムを接着層2として用いてもよい。
本発明においては、クラッド層の形成方法は特に限定されず、例えば、クラッド層形成用樹脂の塗布又はクラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すればよい。
塗布による場合には、その方法は限定されず、クラッド層形成用樹脂組成物を常法により塗布すればよい。
また、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルムは、例えば、クラッド層形成用樹脂組成物を溶媒に溶解して、キャリアフィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
下部クラッド層3及び上部クラッド層6の厚さに関しては、特に限定するものではないが、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、下部クラッド層3及び上部クラッド層6の厚さは、さらに10〜100μmの範囲であることがより好ましい。また、下部クラッド層3は、光ファイバの中心と光信号伝達用コアパターンとの中心合わせのため、硬化後のフィルム厚みが、[(光ファイバの半径)−(第1下部クラッド層3上に形成された光信号伝達用コアパターン厚み)/2]の厚みのフィルムを用いることがさらに好ましいが、光ファイバ搭載孔13の断面中心になるように適宜厚みを調整すると更に良い。
また、光導波路20において、光信号伝達用コアパターン4を埋め込むために、上部クラッド層6の厚みは、コアパターン4の厚さ以上にすることが好ましいが、基板1表面から蓋材底面までの高さが光ファイバの直径以上になるように適宜調整すればよい。
(コア層形成用樹脂及びコア層形成用樹脂フィルム)
本発明においては、光信号伝達用コアパターン4、及び光ファイバガイド用コアパターン5の形成方法は特に限定されず、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートによりコア層を形成し、エッチングによりコアパターンを形成すればよい。
光信号伝達用コアパターン4と、光ファイバガイド用コアパターン5とは、それぞれコア層を形成した後、同時にエッチングして光信号伝達用コアパターン4とファイバガイド用コアパターン5を同時に形成することにより、効率よく光ファイバコネクタを製造することができる。
コア層形成用樹脂、特に光信号伝達用コアパターン4に用いるコア層形成用樹脂は、クラッド層3より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアバターンを形成し得る樹脂組成物を用いることが好ましい。パターン化する前のコア層の形成方法は限定されず、前記コア層形成用樹脂組成物を常法により塗布する方法等が挙げられる。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層の厚さが、通常は10〜100μmとなるように調整される。該フィルムの仕上がり後の光信号伝達用コアパターン4の厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、さらに30〜90μmの範囲であることが好ましく、該厚みを得るために適宜フィルム厚みを調整すればよい。
また、光信号伝達用コアパターンの硬化後の厚みは、光ファイバから光信号伝達用コアパターンへ光を伝達する場合は、光ファイバのコア径以上になれば光の損失が少なく、光信号伝達用コアパターンから光ファイバへ光を伝達する場合は、光信号伝達用コアパターンの厚さと幅からなる矩形が、光ファイバのコア径の内側になるように調整するとさらによい。
なお、光ファイバガイド部材50を構成するガイド用上部クラッド層56は、上記したクラッド層形成用樹脂が使用され、フォトリソグラフィー等により上部クラッド層6と同時に形成することが好ましい。
また、光ファイバガイド部材50において、基板1の上には、クラッド層形成用材料で形成されるガイド用下部クラッド層が設けられ、ガイド用コアパターン5は、そのガイド用下部クラッド層の上に設けられてもよい。このとき、ガイド用下部クラッド層は、下部クラッド層3と同時に形成されることが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。なお、以下の実施例は、図7、8を用いて説明する。
実施例1
[クラッド層形成用樹脂フィルムの作製]
[(A)ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(A−1)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(A−1)溶液(固形分45質量%)を得た。
[重量平均分子量の測定]
(A−1)の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー(株)製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、3.9×104であった。なお、カラムは日立化成工業(株)製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
[酸価の測定]
A−2の酸価を測定した結果、79mgKOH/gであった。なお、酸価はA−2溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
[クラッド層形成用樹脂ワニスの調合]
(A)ベースポリマーとして、前記A−1溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン(株)製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂組成物を、PETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用した第1下部クラッド層及び第2下部クラッド層(接着層)の厚みに付いては、実施例中に記載する。また、第1下部クラッド層及び第2下部クラッド層の硬化後の膜厚と塗工後の膜厚は同一であった。本実施例で用いた上部クラッド層形成用樹脂フィルムの膜厚についても実施例中に記載する。実施例中に記載する上部クラッド層形成用樹脂フィルムの膜厚は塗工後の膜厚とする。
[コア層形成用樹脂フィルムの作製]
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用したコア層形成用樹脂フィルム厚みに付いては、以下の各実施例中に記載する。実施例中に記載するコア層形成用樹脂フィルムの膜厚は塗工後の膜厚とする。
[基板の作製]
(サブトラクティブ法による電気配線形成)
金属層102としての銅箔が片面に付けられた基板1である、片面銅箔付きのポリイミドフィルム((ポリイミド;ユーピレックスVT(宇部日東化成製)、厚み;25μm)、(銅箔;NA−DFF(三井金属鉱業社製))、厚み;9μm)(図7(a)、図8(a)参照)の銅箔面に感光性ドライフィルムレジスト(商品名:フォテック、日立化成工業株式会製、厚さ:25μm)をロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度110℃、ラミネート速度0.4m/minの条件で貼り、次いで紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて感光性ドライフィルムレジスト側から幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、紫外線(波長365nm)を120mJ/cm2照射し、未露光部分の感光性ドライフィルムレジストを35℃の0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液で除去した。その後、塩化第二鉄溶液を用いて、感光性ドライフィルムレジストが除去されむき出しになった部分の銅箔をエッチングにより除去し、35℃の1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、露光部分の感光性ドライフィルムレジストを除去し、L(ライン幅)/S(間隙幅)=60/65μmの電気配線103を形成しフレキシブル配線板を得た。
(Ni/Auめっきの形成)
その後、フレキシブル配線板を、脱脂、ソフトエッチング、酸洗浄し、無電解Niめっき用増感剤(商品名:SA−100、日立化成工業株式会社製)に25℃で5分間浸漬後水洗し、83℃の無電解Niめっき液(奥野製薬社製、ICPニコロンGM−SD溶液、pH4.6)に8分間浸漬して3μmのNi被膜を形成し、その後、純水にて洗浄を実施した。
次に、置換金めっき液(100mL;HGS−500及び1.5g;シアン化金カリウム/Lで建浴)(商品名:HGS−500、日立化成工業株式会社製、)に85℃で8分間浸漬し、Ni被膜上に0.06μmの置換金被膜を形成した。これにより、カバーレイフィルムのない電気配線103部分が、Ni及びAuのめっきに被覆されたフレキシブル配線板を得た(図7(b)、図8(b)参照)。
接着層2として上記で得られた10μm厚のクラッド層形成用樹脂フィルムを大きさ100×100mmに裁断し、保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、上記で形成したフレキシブル配線板のポリイミド面に、平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、接着層2付きの電気配線板を形成した。紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にてキャリアフィルム側から紫外線(波長365nm)を4J/cm2照射し、次いでキャリアフィルムを剥離し、170℃で1時間加熱処理することにより、厚さ10μmの接着層2付きの基板1を形成した(図7(c)、図8(c)参照)。
[光ファイバコネクタの作製]
上記で得られた31.5μm厚の下部クラッド層形成用樹脂フィルムを大きさ100×100μmに裁断し、保護フィルムを剥離して、接着層2面側に上記と同様の条件で、真空ラミネータによって積層した。下部クラッド層3形成部(550μm×3.0mm)の露光部を有したネガ型フォトマスクを介し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にてキャリアフィルム側から紫外線(波長365nm)を250mJ/cm2照射した。その後、キャリアフィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、下部クラッド層3をエッチングした。続いて、水洗浄し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、光ファイバガイド用コアパターン形成部分に550μm×3.0mmの凸部を形成した下部クラッド層3付きの基板1を作製した(図7(d)、図8(d)参照)。これにより、光導波路20形成部分には、下部クラッド層3が形成され、光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12形成部分には、下部クラッド層3が無い状態となっている。
次に、上記の下部クラッド層3面に上記の真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件にて、保護フィルムを剥離した81.5μm厚の上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし加熱圧着した。その後、光信号伝達用コアパターン幅50μm(光ファイバ接続部分のパターンピッチ;250μm、2本)、ファイバガイド用コアパターン幅120μm(光ファイバガイド用コアパターン間ピッチ;250μm、3本、光信号伝達用コアパターンと千鳥配置)のネガ型フォトマスクを介し、光信号伝達用コアパターン4が下部クラッド層3上に、ファイバガイド用コアパターン5によって形成されるパターン間隙が基板1(接着層2)上に形成されるように位置合わせをし、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を700mJ/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、キャリアフィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンをエッチングした。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、光信号伝達用コアパターン4及び光ファイバガイド用コアパターン5を形成し、同時に130μm幅の2つの溝15(光ファイバ搭載孔13及び光ファイバ搭載溝12形成用溝)が形成された。なお、光ファイバガイド用コアパターン5における各パターンの大きさは、光ファイバを溝に固定した際に、光ファイバが光信号伝達用コアパターン4に光信号を送受可能な位置に接合するように設計されている(図7(e)、図8(e)参照)。
次いで、保護フィルムを剥離した135μm厚の上部クラッド層樹脂フィルムをコアパターン形成面側から上記の真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。さらに、第1下部クラッド層3形成の際に使用したネガ型フォトマスクを使用して紫外線(波長365nm)を350J/cm2照射後、キャリアフィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、光ファイバガイドコアパターン間の光ファイバ搭載溝部分の上部クラッド層形成用樹脂フィルムをエッチングした。続いて、水洗浄し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、光信号伝達用コアパターン4、光ファイバガイド用コアパターン5上に、上部クラッド層6及びガイド用上部クラッド層56を形成した。
以上のようにして、250μmピッチ、ファイバ径125μm、2チャンネル用の光ファイバコネクタを作製した(図7(f)、図8(f))。
得られた光ファイバコネクタにおいて、光ファイバガイド用コアパターン5の溝8の横幅は130μm、光ファイバガイド用コアパターン5の高さ(接着層2表面からの高さ)は81μm、接着層2表面から上部クラッド層上面までの高さは136μm、光信号伝達用コアパターン4の厚みは50μmであった。
(光路変換ミラーの形成)
次いで、得られた光導波路20の上部クラッド層6側からダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて、V形溝25を形成して、45°の光路変換ミラー11を設けた(図7(g)、図8(g)参照)。
(蓋材の形成)
その後、ポリイミドフィルム(ユーピレックスRN(宇部日東化成製)、厚み;25μm)上に蓋材の接着層8として上記で得られた10μm厚のクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離して、上記と同様の条件で、真空ラミネータによって積層し、接着層8付きの蓋材7を形成した。次に、蓋材7に積層したクラッド層形成用樹脂フィルムのキャリアフィルムを剥離し、上部クラッド層6、56形成面側から、上記と同様の条件で、真空ラミネータによって加熱圧着した。次いで、180℃1h加熱硬化し、蓋材7付きの光ファイバコネクタを形成した(図7(h)、図8(h)参照)。光ファイバ搭載孔13の高さは、127μmであった。
(接着剤導入溝・光ファイバ搭載溝の形成)
得られた光導波路20の突き当て部10Aを平滑化し、かつダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いて蓋材7から基板1の手前(すなわち接着層2)まで切削し、突き当て部10Aがスリットの側面となるように、100μm幅のスリットである接着剤導入溝9を形成した(図7(i)、図8(i)参照)。併せて、上記ダイシングソーを用いて光ファイバガイドコアパターンに対して垂直に蓋材7のみを切削除去し、100μm幅の開口部14付きの光ファイバ搭載溝12を形成し(光導波路端面から2.9mm地点)、基板を切断し(光導波路端面から3mm地点)、基板端面に光ファイバ搭載溝12が現れるように外形加工を行った(図7(j)、図8(j)参照)。
実施例2〜13、参考例1〜3
実施例1と同様に得た光ファイバコネクタに、以下のように光ファイバを実装してその作業性と気泡の発生の有無を確認した。
1)接着剤導入溝9の開口9Aから上記のコア層形成用樹脂ワニスを滴下し、
2)光ファイバ30を光ファイバ搭載溝12の開口部14側から導入し、
3)光ファイバを光ファイバ搭載孔方向へスライドし、
4)突き当て部10Aである光導波路に光ファイバ30の先端を突き当て、
5)180℃1h加熱硬化し、光ファイバを固定した。
上記の作業は2本の光ファイバ30に対して同時に行った。
上記2)のときの光ファイバ搭載孔と光ファイバとのなす角度A、上記3)のときの光ファイバ搭載孔と光ファイバとのなす角度B、上記4)のときに光ファイバを1mm幅/2Hzで振動したか否か、上記2)のときに光ファイバ30の先端にコア層形成用樹脂ワニスを塗布する端面処理をしたか否かについての条件を表1として、実施例2〜13、参考例1〜3を行った。そのときの光ファイバ30と突き当て部10との間の気泡の発生状態、および作業性についての結果を表1示す。
その結果、本実施例2〜13では作業性もよく、光信号の伝送に問題のある気泡は発生しなかった。一方で、角度Aを0°より小さく若しくは90°より大きくし、又は角度Bを角度Aより小さくしなかった参考例1〜3では、光ファイバを光ファイバ搭載孔に挿入することができなかった。
実施例14
実施例2において、光ファイバ30を1本のみ用い、光ファイバ30を実装した点を除いて同様に実施したところ作業性も良く、気泡も発生しなかった。
実施例15
実施例2において、光ファイバ搭載溝の長さを3μmにして光ファイバ30を実装した点を除いて同様に実施したところ作業性も良く、気泡も発生しなかった。
実施例16
実施例2において、光ファイバ搭載溝の長さを2.5mmにして光ファイバ30を実装した点を除いて同様に実施したところ作業性も良く、気泡も発生しなかった。
実施例17
光ファイバ搭載溝の幅及び光ファイバ搭載孔の幅を図5のようにテーパ状にした以外は実施例2と同様に実施したところ、作業性は極めて良好(◎)で、気泡も発生しなかった。
実施例18
実施例2において接着剤導入溝を設けずに光ファイバ30の先端のみにコア形成用樹脂ワニスを塗布して光ファイバ30を実装した点を除いて同様に実施したところ、光導波路と光ファイバ30間に気泡が発生したが、作業性は良好だった。
比較例1〜3
実施例1において光ファイバ搭載溝を形成せず、光ファイバ搭載孔端面方向から光ファイバ30を実装して比較例1〜3を実施したところ、作業性がとても悪化した。なお、比較例1では振動有り、先端処理無しで、比較例2では振動無し、先端処理無し、比較例3では振動無し、先端処理有りで実施した。なお、比較例1、3では気泡が全く発生しなかった(◎)とともに、比較例2では多少の気泡が発生した(○)。
以上詳細に説明したように、光ファイバの固定がコネクタ上面側から視認するのみで行うことができるため、簡便かつ容易に光ファイバの搭載を行える光ファイバコネクタである。しかも、光ファイバを光ファイバ搭載溝に光ファイバを導入した後に、該光ファイバを光ファイバ搭載孔に差し込むだけで光ファイバを固定することができる。このため、光ファイバ用のコネクタや光ファイバ用の光路変換部品、光電変換部品等として有用である。
1.基板
101.ポリイミドフィルム
102.金属層
103.金属配線,電気配線
2.接着層
3.下部クラッド層
4.光信号伝達用コアパターン
5.ファイバガイド用コアパターン
6.上部クラッド層
7.蓋材
9.接着剤導入溝
10.透明部材
10A.突き当て部
11.光路変換ミラー
12.光ファイバ搭載溝
13.光ファイバ搭載孔
14.開口部
20.光導波路
30.光ファイバ
40.光ファイバコネクタ

Claims (24)

  1. 光ファイバを搭載するための光ファイバ搭載孔を有する光ファイバコネクタであって、前記光ファイバ搭載孔の一端に、光ファイバ導入用の開口部を有した光ファイバ搭載溝が併設された光ファイバコネクタ。
  2. 前記光ファイバ導入用の開口部の幅が、前記光ファイバの直径以上である請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
  3. 前記光ファイバ搭載孔及び前記光ファイバ搭載溝の幅が、それぞれ前記光ファイバ搭載孔の他端側へ狭まるテーパ構造を有する請求項1又は2に記載の光ファイバコネクタ。
  4. 前記光ファイバ搭載溝の長さが、3μm〜50mmである請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバコネクタ。
  5. 前記光ファイバ搭載孔の断面形状が、略矩形である請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバコネクタ。
  6. 前記光ファイバ搭載溝が、略矩形であり、かつ略矩形の一辺が前記開口部である請求項1〜5のいずれかに記載の光ファイバコネクタ。
  7. 前記略矩形の光ファイバ搭載孔の四辺の内の三辺が、前記光ファイバ搭載溝の三辺とそれぞれ連続している請求項5又は6に記載の光ファイバコネクタ。
  8. 前記光ファイバ搭載孔の前記光ファイバ搭載溝と反対側の端部に光ファイバ突き当て部を有する請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバコネクタ。
  9. 前記光ファイバ突き当て部が透明部材の一面である請求項8に記載の光ファイバコネクタ。
  10. 前記透明部材が、クラッド及び該クラッドよりも屈折率の高いコアからなる光導波路である請求項9に記載の光ファイバコネクタ。
  11. 前記透明部材に、光路変換用のミラーを具備する請求項9又は10に記載の光ファイバコネクタ。
  12. 前記光ファイバ突き当て部と前記光ファイバ搭載溝との間に接着剤導入溝を有する請求項1〜11のいずれかに記載の光ファイバコネクタ。
  13. 前記接着剤導入溝が、前記開口部と同一方向に開口された請求項12に記載の光ファイバコネクタ。
  14. 前記光ファイバ搭載孔が2箇所以上並列した光ファイバコネクタであって、前記光ファイバ搭載孔それぞれに併設された前記光ファイバ搭載溝の前記開口部が、同一方向に開口された請求項1〜13のいずれかに記載の光ファイバコネクタ。
  15. 複数の前記開口部が、前記光ファイバ搭載孔の幅方向に沿って並設された請求項14に記載の光ファイバコネクタ。
  16. 前記請求項1〜15に記載の光ファイバコネクタへの光ファイバ搭載方法において、前記開口部側から前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝に導入する工程A、前記工程Aの後に、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝方向へスライドする工程Bを有する光ファイバ搭載方法。
  17. 前記工程Aにおいて、前記光ファイバ搭載溝と光ファイバがなす角度を0.1〜90°にして、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝に導入する請求項16に記載の光ファイバ搭載方法。
  18. 前記光ファイバ搭載溝の底面と光ファイバがなす角度を0.1〜90°にして、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載溝に導入した後、前記光ファイバ搭載溝の底面と光ファイバがなす角度をさらに小さくする請求項17に記載の光ファイバ搭載方法。
  19. 前記工程Bの後に、前記光ファイバを前記光ファイバ突き当て部に突き当てる工程Cを有する請求項16〜18のいずれかに記載の光ファイバ搭載方法。
  20. 前記光ファイバ搭載孔に接着剤を導入する工程Dを有する請求項16〜19のいずれかに記載の光ファイバ搭載方法。
  21. 前記接着剤を前記接着剤導入溝から導入する請求項20に記載の光ファイバ搭載方法。
  22. 前記工程Aの前に、前記光ファイバの先端に接着剤を塗布する工程Eを有する請求項16〜21のいずれかに記載の光ファイバの搭載方法。
  23. 前記工程Dの後に、前記光ファイバを前記光ファイバ搭載孔内で振動させる、又は光ファイバコネクタ振動させる工程Fを有する請求項20又は21に記載の光ファイバ搭載方法。
  24. 前記光ファイバ搭載孔が2箇所以上並列した光ファイバコネクタであって、前記工程A及び前記工程Bを、2本以上の光ファイバに対して同時に行う請求項16に記載の光ファイバ搭載方法。
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