JP2013202823A - 射出成形機用ホットランナユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ホットランナの固定金型に対する円滑な進退動作を保証することで、長期間にわたって安定した射出動作を繰り返し実施可能とする射出成形機用ホットランナユニットを提供する。
【解決手段】本発明に係るホットランナユニット10は、固定プラテン11内に配設され、先端部を固定プラテン11に取り付けられた固定金型12に当接させることで射出ユニット13から射出された溶融樹脂を固定金型12内のキャビティに供給可能なホットランナ14と、ホットランナ14が固定され、固定プラテン11に立設したガイドピン15に対して摺動可能なガイドプレート部16と、ガイドプレート部16に形成され、ホットランナ14からガイドプレート部16とガイドピン15との摺接部への熱伝達を遮断可能な冷却水通路35とを具備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形機用ホットランナユニットに関する。
例えばバンパーやインパネ等の比較的大型な樹脂製部品を射出成形で成形する場合、複数の射出点へ向けて供給される溶融樹脂の射出量を安定させて成形精度を確保する目的で、複数の射出ユニットを具備した射出成形機が用いられることがある(例えば、下記特許文献1を参照)。
また、最近では、1台の射出成形機で複数種の樹脂製部品を成形することもあり、この場合、射出成形機の固定プラテンから固定金型を取り外して、次に成形する樹脂製部品に対応した固定金型を搬入する作業(金型の交換作業)が行われる。ここで、下記特許文献1に記載のように、複数の射出ユニットを固定金型に接続する場合には、固定金型の搬入出方向を避けて、固定金型の上方又は下方に射出ユニットを設置する必要があるが、この種の射出ユニットは非常に大型であるため、射出ユニットを固定金型の周囲に複数配置することで設置スペースの大幅な増加を招く。また、射出ユニットの配置場所が金型の上下方向に限定されることで、金型交換時に固定金型の上面に配置した射出ユニットを一時的に上方に持上げる必要が生じるなど、金型の段替え工数が増加し、生産性の低下を招く。
上記問題を解決するべく、本出願人は、下記特許文献2に示す射出成形機を提案している。すなわち、下記特許文献2には、固定プラテンの周囲に複数の射出ユニットを配設すると共に、固定プラテンに、射出ユニットに対応する数のホットランナを設け、これらホットランナを何れも固定金型に対して進退可能に配置することで、射出ユニットからの押圧力を受けた際、ホットランナのノズル部を固定金型のノズル受け部に当接可能とした射出成形機が記載されている。また、同特許文献には、射出成形機として、射出ユニットと同一直線上にないホットランナとガイドプレート部とを一体化し、このガイドプレート部を固定プラテンに対して摺動可能に支持したものや、ガイドプレート部を、ガイドプレート部より伝熱性の低い低伝熱部材を介してホットランナと一体化し、ホットランナとガイドプレート部との間に所定の隙間を設けた状態で一体的に摺動可能としたものが記載されている。
特開2009−61693号公報 特開2011−73179号公報
上記特許文献2に記載のように、ホットランナに射出ユニットをノズルタッチすることでホットランナを固定金型に接続可能とすることで、設置スペースの縮小を図りつつも、金型の交換が容易かつ迅速に実施可能となる。また、固定プラテンに対して摺動可能に構成したガイドプレート部を設けると共に、このガイドプレート部を低伝熱部材を介してホットランナと一体化し、ホットランナとガイドプレート部との間に隙間を設けた状態で一体に摺動支持させることで、ホットランナからガイドプレート部への熱伝達が抑制され、ガイドプレート部の熱膨張に伴う摺動隙間の詰まり(かじりともいう。)を可及的に防ぐことが可能となる。しかしながら、上記特許文献2に記載の射出成形機の実用化に際しては、未だ以下の問題が懸念される。すなわち、上述のようにホットランナをガイドプレート部と一体化した場合であっても、低伝熱部材を介してガイドプレート部に少なからず熱は伝わるため、この構成下においても、ガイドプレート部の摺動を阻害する程度の熱膨張が生じるか否かが問題となる。ここで、ホットランナ内には融点に近い温度の溶融樹脂が繰り返し流れる点に着目し、ホットランナを熱源とするガイドプレート部の熱伝達解析を行ったところ、低伝熱部材を介してホットランナをガイドプレート部と一体化した場合であっても、無視できない量の温度上昇がガイドプレート部と固定プラテンとの摺接部において生じ、摺動隙間が狭まり得ることが判明した(詳細な結果は後述する。)。言い換えると、長期間にわたって安定した射出動作を繰り返し実施すべく、ホットランナの固定金型に対する円滑な進退動作を保証することを考えた場合、上記特許文献2に記載のホットランナ構造について更なる改善が必要であることが判明した。
以上の事情に鑑み、本明細書では、ホットランナの固定金型に対する円滑な進退動作を保証することで、長期間にわたって安定した射出動作を繰り返し実施可能とする射出成形機用ホットランナユニットを提供することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
前記技術的課題の解決は、本発明に係る射出成形機用ホットランナユニットによって達成される。すなわち、このホットランナユニットは、固定プラテン内に配設され、先端に設けたノズル部を固定プラテンに取り付けられた固定金型に当接させることで射出ユニットから射出された溶融樹脂を固定金型内のキャビティに供給可能なホットランナと、ホットランナが一体化され、固定プラテンに立設した複数のガイドピンに対して摺動可能なガイドプレート部とを具備し、ガイドプレート部の摺動に伴い、ガイドプレート部と一体化されたホットランナを固定金型に対して進退可能に構成してなる射出成形機用ホットランナユニットにおいて、ガイドプレート部には、ホットランナからガイドプレート部と複数のガイドピンとの摺接部への熱伝達を遮断可能なように冷却水通路が形成されている点をもって特徴付けられる。
この種のホットランナユニットにおいて、板状をなすガイドプレート部は、射出ユニットによるホットランナへの押し当て力(ノズルタッチ力ともいう。)のうち型締め方向に直交する向きの成分(分力)を受ける役割りを果たすものであるから、高い剛性が要求され、そのために相応の板厚を有する。本発明は、この点に着目して成されたものであり、ガイドプレート部に、ホットランナからガイドプレート部と複数のガイドピンとの摺接部への熱伝達を遮断可能なように冷却水通路を形成するようにしたことを特徴とする。このように冷却水通路をガイドプレート部に設けることで、この冷却水通路を流通する冷却水が、熱源となるホットランナから摺接部への熱伝達経路においてガイドプレート部の熱を吸収する。これにより、ガイドプレート部のうち冷却水通路よりも摺接部に近い側での温度上昇を抑えて、摺接部近傍でのガイドプレート部の熱膨張を抑えることができる。従って、摺接部においてガイドプレート部とガイドピンとの間に形成される摺動隙間が詰まる事態を回避して、ガイドプレート部の円滑な摺動、ひいてはガイドプレート部と一体化されるホットランナの円滑な進退動作を保証することが可能となる。
また、本発明に係るホットランナユニットは、ホットランナの基端を保持し、複数の締結部材を介してガイドプレート部に固定することで、ホットランナとガイドプレート部とを非接触に一体化可能とするランナ保持部をさらに具備し、冷却水通路が、複数の締結部材の近傍を通過することで、複数の締結部材を介したランナ保持部から摺接部への熱伝達を遮断可能なように形成されているものであってもよい。
このように締結部材を介してランナ保持部をガイドプレート部と一体化する場合、締結部材はホットランナの周囲に配設されることになる。また、この場合、ガイドプレート部への熱伝達は締結部材を通じても行われることになる。よって、ランナ保持部を介してホットランナをガイドプレート部に固定する場合には、冷却水通路が、複数の締結部材の近傍を通過すると共に、締結部材を介してランナ保持部から摺接部への熱伝達を遮断可能な通路配置とした。これにより、直接の熱源となるホットランナからガイドプレート部への熱伝達を効果的に遮断しつつも、締結部材を介した間接的な熱伝達についても遮断することができるので、ガイドプレート部の熱膨張による摺動隙間の詰まりをより確実に防止することが可能となる。
また、本発明に係るホットランナユニットは、ホットランナが、固定プラテンとの間に断熱可能な隙間を設けた状態で配設され、ホットランナの先端側には、固定プラテンに摺接し、ホットランナと一体に進退可能なガイド部が設けられているものであってもよい。
射出ユニットからホットランナ内へ射出される溶融樹脂が、射出時の温度を極力維持できるよう、ホットランナは、固定プラテンを含め他部材との接触を出来る限り回避可能な構成とすることが望ましい。例えばホットランナを、固定プラテンとの間に断熱可能な大きさの隙間を設けた状態で固定プラテン内に配設することが考えられるが、この場合には、水平方向に沿って配設したホットランナの先端部が自重により垂れ下がり変形を生じ、安定した固定金型とのノズルタッチを実現できないおそれが生じる。そこで、本発明では、ホットランナの先端側に、固定プラテンに摺接し、ホットランナと一体に進退可能なガイド部を設けることにした。この構成によれば、ホットランナは基端側でガイドプレート部と一体化され、かつその先端側でガイド部により固定プラテンに対して非接触ながらも摺動自在に支持された状態となる。よって、ホットランナの先端位置(特に鉛直方向位置)を維持して円滑な進退動作、ひいては安定したノズルタッチの繰り返し動作を保証することができる。
また、本発明に係るホットランナユニットは、ガイドプレート部のうち摺接部の近傍に凹部が設けられ、この凹部に、ガイドプレート部を固定金型に向けて進退駆動させるための進退駆動手段が配設されているものであってもよい。
ガイドプレート部は、上述のように相応の板厚を有することからその重量も大きく、これを進退駆動させるためには大型の油圧シリンダなど大容量の進退駆動手段が必要となる。しかしながら、進退駆動手段が大型化すると、その分進退駆動手段の重量も増大するため、ガイドプレート部にその重量が作用し、進退駆動手段の配置態様によっては、ガイドプレート部に不要な変形をもたらす。ガイドプレート部が変形すると、ガイドピンとの摺動隙間が変動し、安定した摺動動作を確保できない場合が起こり得るため、この種の変形は極力避けるべきである。この点に鑑み、本発明では、ガイドプレート部のうち摺接部の近傍に凹部を設け、この凹部にガイドプレート部の進退駆動手段を配設するようにした。重量物たる進退駆動手段をできる限り摺接部に近づけて配設することにより、ガイドピンとの摺接部におけるガイドプレート部の変形量を極力小さくすることができるので、摺動隙間の詰まりを防止してガイドプレート部の円滑な摺動動作を確保することができる。
以上のように、本発明によれば、ホットランナの固定金型に対する円滑な進退動作を保証することで、長期間にわたって安定した射出動作を繰り返し実施可能とする射出成形機用ホットランナユニットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る射出成形機用ホットランナユニットの断面図であって、図2に示すホットランナユニットのA−A断面図である。 図1に示すホットランナユニットを矢印Bの方向から見た側面図である。 図1に示すホットランナユニットの要部拡大断面図である。 図1に示すホットランナユニットを矢印Cの方向から見た平面図であって、射出時におけるホットランナユニットの動作を説明するための平面図である。 図1に示すホットランナユニットを矢印Cの方向から見た平面図であって、金型交換時におけるホットランナユニットの動作を説明するための平面図である。 本発明の他の実施形態に係るホットランナユニットの側面図である。 本発明に係るホットランナユニットの熱伝達解析に用いる解析モデルの斜視図である。 図7に示す解析モデルの要部断面を示す要部斜視図である。 冷却水通路に冷却水を流通させた場合における熱伝達解析結果を示す図であって、(a)が解析モデルを平面視した際の熱分布を示す図、(b)が解析モデルの要部を断面視した際の熱分布を示す図である。 冷却水通路に冷却水を流通させない場合における熱伝達解析結果を示す図であって、(a)が解析モデルを平面視した際の熱分布を示す図、(b)が解析モデルの要部を断面視した際の熱分布を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る射出成形機用ホットランナユニット、およびこのホットランナユニットの使用態様の一例を図1〜図4に基づき説明する。なお、以下の説明における「幅方向」とは、鉛直方向及び型締め方向の双方に直交する向きをいうものとする。
図1は、本発明に係る射出成形機用ホットランナユニット10の断面図である。この断面図は、図2に示す同ホットランナユニット10のA−A断面図(ホットランナユニットを幅方向中央で断面視した図)に相当する。図1に示すように、本発明に係るホットランナユニット10は、固定プラテン11内に配設され、その先端を固定プラテン11に取り付けられた固定金型12に当接させることで射出ユニット13(図4を参照)から射出された溶融樹脂を固定金型12内のキャビティ(図示は省略)に供給可能なホットランナ14と、ホットランナ14が一体化され、固定プラテン11に立設した複数のガイドピン15に対して摺動可能なガイドプレート部16とを具備するもので、ガイドプレート部16の摺動に伴い、ガイドプレート部16と一体化されたホットランナ14を固定金型12に対して進退可能に構成してなる。この実施形態では、ホットランナユニット10は、ホットランナ14の基端を保持するランナ保持部17をさらに具備しており、このランナ保持部17を、複数の締結部材18a,18bを介してガイドプレート部16に固定することで、ホットランナ14とガイドプレート部16とを非接触に一体化しつつ、このガイドプレート部16と一体に摺動できるようになっている。
ホットランナ14は、略筒状をなす本体部19(ゲートブッシュともいう。)と、本体部19の先端に設けられ、本体部19の内部を通過した溶融樹脂を吐出するためのノズル部20とを有する。上記構成のホットランナ14は、固定プラテン11に設けた貫通孔21の内周面との間に断熱可能な大きさの隙間を設けた状態で、貫通孔21内に配設されている。また、本体部19の外周には、本体部19の内部を通過する溶融樹脂を高温に保つためのバンドヒータ22が配設されている。
また、ホットランナ14の先端側には、固定プラテン11に摺接し、ホットランナ14と一体に進退可能なガイド部23が設けられている。このガイド部23は例えば環状をなし、ホットランナ14や固定プラテン11に比べて熱伝導性の低い材料(例えばステンレス)で形成される。この図示例では、固定プラテン11の貫通孔21に例えばオイルレスブッシュなどのスリーブ部24が嵌合固定されており、このスリーブ部24にガイド部23が嵌合し、スリーブ部24の内周面にガイド部23の外周面が摺接することで、ホットランナ14のノズル部20を固定金型12のノズル受け部25に当接可能としている。なお、ホットランナ14の本体部19とノズル部20とは別体に形成することができる。別体とすることで、例えば耐摩耗性が要求されるノズル部20と、曲げじん性が要求される本体部19とを異なる材料又は異なる処理プロセス(焼入れの有無など)で形成することができる。また、損耗の激しいノズル部20のみを容易に交換することも可能となる。この場合、図1に示すように、本体部19の外周にガイド部23を配設し、本体部19の先端外周とノズル部20の基端内周とを螺合することで、ガイド部23が本体部19とノズル部20とで軸方向に挟持固定される。
ガイドプレート部16は、例えば略矩形をなし、ホットランナ14を挿通可能な挿通孔26を幅方向中央に有すると共に、ガイドピン15と摺接可能な摺接孔27を有する。この実施形態では、図1及び図2に示すように、複数(この図示例では4本)のガイドピン15が、射出成形機の型締め方向に平行な向きに立設しており、また、ガイドプレート部16の、ホットランナ14の挿通孔26位置を中心とする点対称位置(この図示例では4隅近傍位置)にガイドピン15に対応する数の摺接孔27が形成されている。
また、この実施形態では、後述する進退駆動手段28を配設するための凹部29がガイドプレート部16とガイドピン15との摺接部の近傍(この図示例では、ガイドプレート部16の上下2辺を切欠く位置)に形成され、この凹部29に、油圧シリンダなどの進退駆動手段28が配設されるようになっている。進退駆動手段28は、例えばその本体部に取り付けた固定プレートをガイドプレート部16の凹部29両側部にボルト等で固定するとと共に、伸縮部(油圧シリンダの場合、ロッド部)の先端を固定プラテン11に固定することで、本体部に対する伸縮部の伸縮運動に伴い、本体部を固定したガイドプレート部16に伸縮力(の反力)が伝達されるようになっている。また、この実施形態では、2個の進退駆動手段28が配設されており、例えばガイドプレート部16に固定した場合の重量バランスを考慮して、これら2個の進退駆動手段28の重心がガイドプレート部16の重心に一致する位置、言い換えると、ホットランナ14の挿通孔26を中心として点対称となる位置に凹部29を形成している。
ランナ保持部17は、この実施形態では、図1〜図3に示すように、ホットランナ14の基端に設けられたフランジ部30とガイドプレート部16との間に介在させたリング部31と、複数の締結部材18a,18bを介してガイドプレート部16に固定することで、リング部31とでフランジ部30を挟持し、ホットランナ14とガイドプレート部16とを非接触に一体化可能とするランナブロック32とを有する。
詳述すると、リング部31は、ホットランナ14のフランジ部30を内周に配置可能とする第1環状部33と、第1環状部33に比べて内径が小さく、ホットランナ14の本体部19を挿通可能な第2環状部34とで構成される。よって、このリング部31の第1環状部33内にホットランナ14のフランジ部30を嵌合配置し、フランジ部30の基端側端面にランナブロック32を当接させた状態で、複数の締結部材18a,18bを介してランナブロック32をガイドプレート部16に締結固定することで、フランジ部30がランナブロック32とリング部31とで挟持され、かつリング部31がフランジ部30とガイドプレート部16とで挟持される。これにより、フランジ部30の基端側端面をランナブロック32とを密着させた状態で、ホットランナ14とガイドプレート部16とが所定の隙間を介した状態で一体化される。この場合、ホットランナ14(のフランジ部30)とランナブロック32との密着状態を確保するため、図3に示すように、リング部31の第1環状部33の厚み寸法をフランジ部30のそれより僅かに小さくしてもよい。また、ホットランナ14の、内部に溶融樹脂が通過することによる熱膨張を考慮して、第1環状部33とフランジ部30との間、及び第2環状部34と本体部19との間にそれぞれ所定の隙間を設けるようにしてもよい。なお、リング部31は、上述のようにガイドプレート部16に密着させた状態となることを考慮して、例えばステンレスなどのガイドプレート部に比べて熱伝導性の低い材料で形成されるのがよい。
ガイドプレート部16には、ホットランナ14からガイドプレート部16とガイドピン15との摺接部への熱伝達を遮断可能なように冷却水通路35が形成される。言い換えると、ガイドプレート部16のうち、各ガイドピン15との摺接部と、ホットランナ14の挿通孔26との間を通る冷却水通路35が形成される。この実施形態では、冷却水通路35は、図2に示すように、ガイドプレート部16に設けた下側の凹部29の内面に一端35aを開口し、ガイドプレート部16の長辺(に沿った)方向に並んで配設される複数(図2でいえば、右側の5本)の締結部材18aの直下(締結部材18aの延長線上)かつ近傍を通過するように延びている。そして、この冷却水通路35は、これら複数の締結部材18aの直下近傍を通過した後、屈曲してガイドプレート部16の短辺方向(幅方向)に向けて延び(図4を参照)、さらに長辺方向に屈曲して、平行して配設される複数の締結部材18bの直下近傍を通過した後、再び短辺方向に屈曲し、最後に長辺方向に屈曲して、一端35aと同様、凹部29の内面に他端35bを開口して終了する。
このように、冷却水通路35は連続しており、一端35aから流入した冷却水が上述した経路を通って他端35bから排出されるようになっている。そして、このように冷却水通路35を形成することで、図2に示すようにガイドプレート部16を平面視した状態で、リング部31とガイドプレート部16との当接部の周囲を取り囲むように、冷却水の流路が形成される。これにより、リング部31を介したホットランナ14から上記摺接部への熱伝達を遮断可能としている。
また、上述のように、ランナ保持部17(ランナブロック32)が複数の締結部材18a,18bを介してガイドプレート部16に固定される場合、これら複数の締結部材18a,18bの近傍を通過するように、冷却水の流路が形成される。これにより、締結部材18a,18bを介したランナブロック32から上記摺接部への熱伝達を遮断可能としている。
以下、上記構成のホットランナユニット10を用いた射出成形の一例を説明する。まず、図1に示すように、図示しない可動プラテンと可動金型を移動させて、可動金型と固定金型12との型締めを行う。また、この型締め動作と共に、進退駆動手段28を駆動させて、ガイドプレート部16を固定プラテン11に接近する向きに移動させることで、図4に示すように、ランナ保持部17を介してガイドプレート部16と一体化されたホットランナ14を固定金型12に向けて前進させ、ホットランナ14の先端に設けたノズル部20を固定金型12のノズル受け部25に当接させる。この状態から、対応する射出ユニット13を射出ノズル36の長手方向に沿って前進させ、図4中の2点鎖線で示すように、ランナブロック32から延びたノズル受け部37に所定の力で射出ノズル36を押し当てる。これにより、射出ユニット13からの押し当て力が、ノズル受け部37とランナブロック32を介してホットランナ14へと伝達される。この際、射出ユニット13の移動方向d1と、対応するホットランナ14の進退方向d2とは一致しておらず、射出ユニット13からの押し当て力のうち型締め方向に平行な向きの成分(分力)のみが、対応するホットランナ14へと伝達される。この実施形態では、ランナブロック32とガイドプレート部16との隙間38であって、射出ユニット13の押し当てによりその幅寸法が狭まる側(図2でいえば左側)に受け部材39が配設されている。従って、上記押し当て力のうち型締め方向に直交する向きの成分(分力)をこの受け部材39及びガイドプレート部16により受けることができ、ホットランナ14への上記直交成分の伝達を可及的に回避することができる。
このようにしてホットランナ14へと押し当て力が伝達されると、ホットランナ14のノズル部20が固定金型12のノズル受け部25に相応の力で押し当てられ、これらノズル部20とノズル受け部37とが射出可能なレベルにまで加圧密着した状態となり、ノズルタッチが完了する。よって、この状態から、射出ユニット13より溶融樹脂を射出することで、射出された溶融樹脂が、ノズル受け部37及びランナブロック32内の流路、ホットランナ14内の流路、および固定金型12内の流路を通過して図示しないキャビティへと供給される。同様の動作を、例えば図示したホットランナユニット10と並んで配設される1又は複数組(例えば2組)のホットランナユニット及び射出ユニットについても行うことで(図示は省略)、所定量の溶融樹脂がキャビティに供給される。
以上のように射出動作を行うことで溶融樹脂がキャビティ内に充填され、キャビティに準じた形状のワーク(射出成形品)が成形される。この際、上述したホットランナユニット10を用いることで、図1に示すように、射出ユニットを型締め方向に対して傾斜させた状態で配置することができる。よって、設置スペースが限られた環境下においても、複数(例えば3個)の射出ユニット13を固定プラテン11に隣接して配設することができる。このように複数の射出ユニット13を使用して射出成形を行えるので、射出ユニット1個当りが負担すべき溶融樹脂の射出流量を減らして、キャビティ内を高速に充填することができる。これにより例えばバンパーやインパネの如き大型射出成形品であっても短時間で成形することが可能となる。
次に、金型を交換する際のホットランナユニット10の動作を説明する。上述のようにして所定形状のワークの射出成形を1又は複数回実施した後、他形状のワークを同一の射出成形機で成形するために、金型の交換を行う。この場合、固定プラテン11に取り付けられた固定金型12を取り外して、他形状のワークに対応した別の固定金型(図示は省略)を取り付けるための作業は、以下の手順で行う。まず、図5に示すように、射出ユニット13を後方(固定プラテン11から遠ざかる向き)に移動させ、射出ユニット13(の射出ノズル36)とホットランナユニット10(のノズル受け部25)との当接状態を解除する。そして、ガイドプレート部16と固定プラテン11とに固定した進退駆動手段28を駆動し、ホットランナ14をガイドプレート部16と一体に固定金型12に対して後退する向きに移動させることで、ホットランナ14のノズル部20と固定金型12のノズル受け部25との当接状態を解除して、ホットランナ14を固定金型12から退避させる。他に射出ユニットが存在する場合、これら他の射出ユニットに対応するホットランナユニットについても上記と同様の動作を行い、固定金型12から退避させる。然る後、固定金型12を固定プラテン11から取り外して水平方向(図5中、下方向)に向けて搬出し、次に射出成形を行うワーク用の金型(固定金型)を搬入し、固定プラテン11に固定する。これにより、金型の交換が完了する。このようにホットランナ14を固定プラテン11内に配設し、かつホットランナ14が一体化されたガイドプレート部16を、固定プラテン11からガイドピン15に摺接可能に配設した構成を採ることで、ホットランナユニット10の若干の後退動作のみで、ホットランナ14との干渉を避けて固定金型12を固定プラテン11から取り外すことができる。また、新たな固定金型12を容易に固定プラテン11に取り付けることができる。
以上のように金型の交換が終了したら、また上述したように、型締めを行うと共に、進退駆動手段28の駆動によりホットランナ14をガイドプレート部16と一体に移動させ、ホットランナ14のノズル部20を固定金型12のノズル受け部25に当接させる(図1を参照)。然る後、対応する射出ユニット13を前進させ、ランナ保持部17に設けたノズル受け部37に射出ノズル36を押し当てることにより、ホットランナ14のノズル部20を所要の力で固定金型12のノズル受け部25に押し当て、これらノズル部20とノズル受け部37とを射出可能なレベルにまで加圧密着させた状態で溶融樹脂の射出を行う。
このようにして、金型の交換と金型ごとの射出成形が繰り返し実施される場合、ホットランナ14やランナ保持部17内の流路を介して溶融樹脂が固定金型12内のキャビティへと供給され続けることになるため、ホットランナ14からの伝熱によりガイドプレート部16が膨張し、固定プラテン11(のガイドピン15)との摺接部における隙間(摺動隙間)が詰まり、円滑な摺動が妨げられる懸念が生じる。この点、本発明では、ガイドプレート部16に、ホットランナ14からガイドプレート部16とガイドピン15との摺接部への熱伝達を遮断可能な冷却水通路35を形成した。上記熱伝達を遮断可能な経路を有する冷却水通路35を設けることで、この冷却水通路35に流通させた冷却水が、熱源となるホットランナ14から上記摺接部への熱伝達経路においてガイドプレート部16が有する熱を吸収する。これにより、ガイドプレート部16のうち冷却水通路35よりも摺接部に近い側での温度上昇を抑えて、摺接部近傍におけるガイドプレート部16の熱膨張を抑えることができる。従って、摺接部においてガイドプレート部16とガイドピン15との間に形成される摺動隙間が詰まる事態を回避して、ガイドプレート部16の円滑な摺動、ひいてはガイドプレート部16と一体化されるホットランナ14の円滑な進退動作を保証することが可能となる。
また、この実施形態では、図2に示すようにガイドプレート部16を平面視した状態で、リング部31とガイドプレート部16との当接部の周囲を取り囲むように、冷却水通路35を形成するようにしたので、ホットランナ14側から摺接部側の熱伝達を漏れなく遮断して。ガイドプレート部16の熱膨張による摺動隙間の詰まりを防止することができる。
さらに、この実施形態では、全ての締結部材(締結ボルト)18a,18bの延長線上となる直下近傍を通過することで、リング部31とガイドプレート部16との当接部の周囲を取り囲むように冷却水通路35を形成するようにした。これにより、上記当接部を介した摺接部への熱伝達をより効果的に抑制できると共に、締結部材18a,18bを介したホットランナ14側からガイドプレート部16側への熱伝達をより確実に防止することができる。従って、ガイドプレート部16の熱膨張を摺動隙間の詰まりに実質的に影響が無いレベルにまで小さくすることができる(後述する解析結果を参照)、ガイドプレート部16の円滑な摺動を長期にわたって保証することが可能となる。
また、この実施形態では、射出ユニット13からホットランナ14内へ射出される溶融樹脂の射出時の温度を極力維持するべく、ホットランナ14を、固定プラテン11との間に断熱可能な大きさの隙間を設けた状態で固定プラテン11内に配設し、かつ、この場合に、ホットランナ14の先端側に、固定プラテン11に摺接し、ホットランナ14と一体に進退可能なガイド部23を設けるようにした。このように構成することで、ホットランナ14はその基端側でガイドプレート部16に固定され、かつその先端側でガイド部23により固定プラテン11に対して非接触ながらも摺動自在に支持された状態となる。よって、水平方向に沿って配設したホットランナ14の先端部(ノズル部20)が自重による垂れ下がり変形を生じる事態を回避して、言い換えると、ホットランナ14先端の鉛直方向位置を維持して円滑な進退動作を実現することができる。特に、この実施形態では、ガイド部23と嵌合する筒状のスリーブ部24を固定プラテン11の貫通孔21に固定し、ホットランナ14の進退動作範囲内でガイド部23とスリーブ部24との摺接を可能としたので、ホットランナ14の円滑かつ正確な進退動作をより安定して継続実施することが可能となる。
また、この実施形態では、ガイドプレート部のうち摺接部の近傍に凹部を設け、この凹部にガイドプレート部の進退駆動手段を配設するようにした。このように、重量物たる進退駆動手段28をできる限り摺接部に近づけて配設することにより、特に、ガイドピンとの摺接部におけるガイドプレート部16の変形量を極力小さくすることができるので、これにより摺動隙間の詰まりを防止してガイドプレート部の円滑な摺動動作を確保することができる。また、ガイドプレート部16に凹部29を設けて、この凹部29内に進退駆動手段28を配設することで、ガイドプレート部16の重心までの距離も縮めることができるので、これによっても進退駆動手段28の自重によるガイドプレート部16の変形を最小限に留めることが可能となる。
また、この実施形態では、複数(2個)の進退駆動手段28をそれぞれ凹部29内に配設した状態におけるこれら進退駆動手段28の重心がガイドプレート部16の重心に一致するように、凹部29の形成位置を設定するようにしたので、比較的重量が大となる油圧シリンダなどの進退駆動手段28をガイドプレート部16に固定した際のガイドプレート部16の歪み(不均一な変形)を防止して、一部の摺接部における摺動隙間の詰まりを防ぐことができる。加えて、この実施形態では、ホットランナ14と固定金型12との当接させるまでの前進動作を進退駆動手段28により行い、より大きな荷重が必要となるノズルタッチ(射出可能な程度の加圧密着状態をホットランナ14と固定金型12との間に形成する動作)を射出ユニット13の駆動装置(図示は省略)で行うようにしたので、進退駆動手段28を小型化でき、これによってもガイドプレート部16に作用する重量を低減化して、ガイドプレート部16の不均一な変形を抑えることが可能となる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明に係るホットランナユニットは上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得る。
例えば、冷却水通路35の配置態様に関し、上記実施形態では、ランナ保持部17を構成するリング部31とガイドプレート部16との当接部を取り囲むように、冷却水通路35を形成した場合を例示したが、もちろん、これ以外の形状を採ることも可能である。図6はその一例を示すもので、同図に示す冷却水通路35は、ガイドプレート部16に設けた凹部29の内面に一端35aを開口する点(図2を参照)、ガイドプレート部16の長辺方向に並んで配設される複数の締結部材18a,18bの直下(締結部材18aの延長線上)かつ近傍をそれぞれ通過するように延びている点は同じであり、全ての締結部材18a,18bの直下近傍を通過した後、屈曲せずにそのまま下側の凹部29の内面に他端35bを開口して終了する点で、上記実施形態に示す冷却水通路35とその経路を異にする。
このように冷却水通路35を形成した場合であっても、ホットランナ14からガイドプレート部16とガイドピン15との摺接部への熱伝達を遮断可能な位置を冷却水が通過することになる。よって、リング部31とガイドプレート部16との当接部を取り囲まなくても、冷却水通路35より摺接部側での温度上昇を抑えて、摺接部近傍でのガイドプレート部16の熱膨張を抑えることができる。また、締結部材18a,18bを介してランナ保持部17をガイドプレート部16に固定する場合についても、必ずしも締結部材18a,18bの直下かつ近傍を通過するように冷却水通路35の経路(形状)を定める必要はなく、図示は省略するが、例えば全ての締結部材18a,18bを取り囲むように冷却水通路35を形成するなど、各々の締結部材18a,18bを介したランナ保持部17から上記摺接部への熱伝達を遮断可能なように冷却水通路35を形成すれば問題ない。
また、上述のように、締結部材18a,18bを介してランナ保持部17をガイドプレート部16に固定する場合、例えばホットランナ14の基端を直接ランナ保持部17(としてのランナブロック32)に固定する構成を採ることも可能であり、この場合も、上述のように締結部材18a,18bを介したランナ保持部17から上記摺接部への熱伝達を遮断可能なように冷却水通路35を形成すれば足りる。また、上記実施形態では、連続する1本の通路(穴)で冷却水通路35を構成した場合を例示したが、もちろん、これ以外の構成をなす冷却水通路35を設けるようにしてもよい。例えば図示は省略するが、複数の貫通穴を、ガイドプレート部16と複数のガイドピン15との摺接部と、ホットランナ14の挿通孔26との間を通過する位置に形成することで、冷却水通路35を構成するようにしても構わない。
また、以上の説明では、本発明に係るホットランナユニット10を、型締め方向に対して傾斜させた射出ユニット13に対して適用した場合を例示したが、もちろん、型締め方向と進退方向が一致する射出ユニット13に対して適用しても構わない。
また、以上の実施形態では、図示した射出ユニット13を含む3個の射出ユニットを配設した場合を例示したが、もちろんこれには限定されず、1個又は2個、あるいは4個以上の射出ユニットを具備した射出成形機に適用することも可能である。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
ガイドプレート部の熱膨張による寸法変化を熱伝導解析により求め、その際のガイドピンとの摺動隙間の変化を算出した。また、この解析を、本発明に係る冷却水通路を設け、その通路に冷却水を流通させた場合(実施例)と、冷却水通路を使用しなかった場合、すなわち上記通路に冷却水を流通させなかった場合(比較例)とでそれぞれ行い、熱膨張による寸法変化量及び摺動隙間の変化量を比較した。
解析モデルとして、図1及び図2に示すホットランナユニット10のうち、ガイドプレート部16とその近傍領域に対応するモデルを作成した。図7は解析モデル40の全体斜視図、図8は解析モデル40のホットランナ流路41の中心を通過する幅方向の断面図をそれぞれ示す。これらの図から分かるように、この解析モデル40においても、上記実施形態と同様、ガイドプレート部42に、全ての締結ボルト43の直下近傍を通過し、かつホットランナ流路41の基端(リング部44)を取り囲むように冷却水通路45を形成した。
また、初期温度条件として、ホットランナ流路41を溶融樹脂と同等の温度(220℃)に設定すると共に、冷却水通路45を流れる冷却水の温度を20℃とし、かつ雰囲気温度を常温(30℃)とした。また、断熱部材(リング部44)と、その他の部品(ガイドプレート部42、締結ボルト43、ランナブロック46)とで熱伝導率(W/m・k)及び熱膨張係数が異なるよう、各々の材質(汎用鋼材、ステンレス)に応じた値を設定した。熱源(ホットランナ流路41)の温度が一定と仮定して定常伝熱計算を行った。また、各部品間の隙間は考慮せず(密着状態として)伝熱計算を行った。
上記伝熱計算の結果を図9及び図10に示す。また、解析モデル40中の所定位置における算出温度及び熱膨張による寸法変化量を下記の表1及び表2に示す。ここで、図9は、本発明に係る冷却水通路45に冷却水を流通させた場合における解析モデル40の温度分布をグレースケールの複数階調(この図示例では12階調)で表示した平面図(同図(a))及び要部断面斜視図(同図(b))である。一方、図10は、本発明に係る冷却水通路45を使用しない(冷却水を流通させない)場合における解析モデル40の温度分布を表示した平面図(同図(a))及び要部断面斜視図(同図(b))である。色調が濃い(黒に近い)ほど相対的に高温であり、色調が薄い(白に近い)ほど相対的に低温であることを意味している。
これらの図から分かるように、何れの場合においても、ホットランナ流路41に直接接触するリング部44や締結ボルト43は最も高温になっている。また、冷却水通路45に冷却水を流通させない場合においては、図10(b)に示すように、ガイドプレート部42のうちリング部44や締結ボルト43の直下を含む近傍領域は、その板厚全長にわたって非常に高温となっており、かつ、図10(a)これら高温領域から離れたガイドピンとの摺接部47においても相応の高温を示している。これに対して、冷却水通路45に冷却水を流通させた場合においては、図9(b)に示すように、リング部44や締結ボルト43の直下近傍であっても冷却水通路45を中心に急激に冷却されていることが分かる。同様に、図9(a)に示すように、ガイドピンとの摺接部47においては、ほぼ雰囲気温度に近い温度に保たれていることが分かる。従って、摺接部47におけるガイドプレート部42の熱膨張による寸法変化も小さい。以上のことは、上記表1及び表2に示す算出温度及び寸法変化量からも明らかである。
10 ホットランナユニット
11 固定プラテン
12 固定金型
13 射出ユニット
14 ホットランナ
15 ガイドピン
16 ガイドプレート部
17 ランナ保持部
18a,18b 締結部材
19 本体部
20 ノズル部
21 貫通孔
22 バンドヒータ
23 ガイド部
24 スリーブ部
25 ノズル受け部(固定金型)
26 挿通孔
27 摺接孔
28 進退駆動手段
29 凹部
30 フランジ部
31 リング部
32 ランナブロック
33 第1環状部
34 第2環状部
35 冷却水通路
36 射出ノズル
37 ノズル受け部(ランナブロック)
38 隙間
39 受け部材
40 解析モデル
41 ホットランナ流路(解析モデル)
42 ガイドプレート部(解析モデル)
43 締結ボルト(解析モデル)
44 リング部(解析モデル)
45 冷却水通路(解析モデル)
46 ランナブロック(解析モデル)
47 摺接部(解析モデル)
d1 移動方向(射出ユニット)
d2 進退方向(ホットランナ)

Claims (4)

  1. 固定プラテン内に配設され、先端に設けたノズル部を前記固定プラテンに取り付けられた固定金型に当接させることで射出ユニットから射出された溶融樹脂を前記固定金型内のキャビティに供給可能なホットランナと、該ホットランナが一体化され、前記固定プラテンに立設した複数のガイドピンに対して摺動可能なガイドプレート部とを具備し、
    前記ガイドプレート部の摺動に伴い、前記ガイドプレート部と一体化された前記ホットランナを前記固定金型に対して進退可能に構成してなる射出成形機用ホットランナユニットにおいて、
    前記ガイドプレート部には、前記ホットランナから前記ガイドプレート部と前記複数のガイドピンとの摺接部への熱伝達を遮断可能なように冷却水通路が形成されていることを特徴とする射出成形機用ホットランナユニット。
  2. 前記ホットランナの基端を保持し、複数の締結部材を介して前記ガイドプレート部に固定することで、前記ホットランナと前記ガイドプレート部とを非接触に一体化可能とするランナ保持部をさらに具備し、
    前記冷却水通路が、前記複数の締結部材の近傍を通過することで、前記複数の締結部材を介した前記ランナ保持部から前記摺接部への熱伝達を遮断可能なように形成されている請求項1に記載の射出成形機用ホットランナユニット。
  3. 前記ホットランナは、前記固定プラテンとの間に断熱可能な隙間を設けた状態で配設され、前記ホットランナの先端側には、前記固定プラテンに摺接し、前記ホットランナと一体に進退可能なガイド部が設けられている請求項1又は2に記載の射出成形機用ホットランナユニット。
  4. 前記ガイドプレート部のうち前記摺接部の近傍には凹部が設けられ、該凹部には、前記ガイドプレート部を前記固定金型に向けて進退駆動させるための進退駆動手段が配設されている請求項1〜3の何れかに記載の射出成形機用ホットランナユニット。
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