JP2013202816A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、耐擦傷性、平板性、耐湿熱性、耐吸水性に優れ、特にOA・電子機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネル等に好適な積層体を提供する。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂シートの少なくとも一面に、下記式(A)で表される単位と下記式(B)で表される単位を含み、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜99/1の共重合ポリカーボネートからなる層を積層した積層体。
Figure 2013202816

Figure 2013202816

【選択図】なし

Description

本発明は、イソソルビドと芳香族ジオールとの共重合ポリカーボネートからなる層をポリカーボネート樹脂シートに積層し、さらに所望によりハードコート層を積層した透明性、耐擦傷性、平板性、耐湿熱性、耐吸水性に優れる積層体に関する。
ポリカーボネート樹脂シートは透明性、耐熱性、機械的強度に優れているため、OA・電子機器のディスプレイやタッチパネル等に用いられている。但し、ポリカーボネート樹脂シートは表面が軟らかく傷つきやすいため、鉛筆硬度で2B程度に過ぎず、一旦生じた傷がよく目立つという問題がある。
上記表面特性を改良するために、ポリカーボネート樹脂シートにアクリル樹脂層を積層する方法(例えば、特許文献1)、さらに該アクリル樹脂層上に、ハードコート処理する方法が知られている(例えば、特許文献2〜4)。しかしながら、アクリル樹脂層はポリカーボネート樹脂層よりも多く吸湿し、吸湿後の寸法変化量が大きくなる。よって、ポリカーボネート樹脂の片面にアクリル樹脂層を設けた積層体、および積層体の片面或いは両面にハードコート層を設けた積層体は、高温高湿下に曝されると、アクリル樹脂層が凸になるという反りが発生し、加工工程にて悪影響を及ぼすという問題がある。
また、アクリル樹脂の代わりに共重合ポリカーボネートを積層した方法も提案されている(特許文献5)。しかしながら、アクリル樹脂層を積層したシートと比較して表面特性(特に鉛筆硬度)が劣るという問題がある。
特開2007−160892号公報 特開2006−103169号公報 特開2007−237700号公報 特開2008−049623号公報 特開2012−025796号公報
本発明の目的は、透明性、耐擦傷性、平板性、耐湿熱性、耐吸水性に優れ、特にOA・電子機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネル等に好適な積層体を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の共重合ポリカーボネート樹脂からなる層をポリカーボネート樹脂シートに積層することで、上記目的を達成することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.ポリカーボネート樹脂シートの少なくとも一面に、厚み10〜200μmの下記式
Figure 2013202816
で表される単位(A)と下記式
Figure 2013202816
[式(B)中、Wは単結合、または下記式(W)
Figure 2013202816
であり、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、RとRが結合して炭素環または複素環を形成しても良い。RとRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12のアリール基を表す。Rは1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
で表される単位(B)を含み、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜99/1の共重合ポリカーボネートからなる層を積層した積層体。
2.主たる単位(A)が下記式
Figure 2013202816
で表される単位(A1)である前項1記載の積層体。
3.積層体の総厚みが0.1〜2.0mmである前項1記載の積層体。
4.共重合ポリカーボネートのガラス転移温度Tgが115℃〜160℃である前項1記載の積層体。
5.共重合ポリカーボネートの吸水率が0.5%〜1.5%である前項1記載の積層体。
6.共重合ポリカーボネートからなる層上にハードコート層が積層された前項1記載の積層体。
7.ハードコート層が紫外線硬化性塗料から形成されたものである前項6記載の積層体。
8.ハードコート層の厚みが1〜20μmである前項6記載の積層体。
9.共重合ポリカーボネート100重量部に対して、分子量が350以上の紫外線吸収剤を0.5〜5.0重量部含有する前項1記載の積層体。
10.共重合ポリカーボネート100重量部に対して、リン系熱安定剤0.001〜0.2重量部含有する前項1記載の積層体。
11.共重合ポリカーボネート100重量部に対して、離型剤0.005〜2.0重量部含有する前項1記載の積層体。
12.ディスプレイカバーパネルまたはタッチパネルとして使用される前項1〜11のいずれか1項に記載の積層体。
本発明の積層体は、透明性、耐擦傷性、平板性、耐湿熱性、耐吸水性を有するため、携帯電話やスマートフォン等を含むモバイル機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネルに特に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のポリカーボネート樹脂シートに用いられるポリカーボネート樹脂は二価フェノールとカーボネート前駆体を溶液法又は溶融法で反応させて製造される芳香族ポリカーボネート樹脂であり、二価フェノールの代表的な例として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。好ましい二価フェノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、特にビスフェノールAが好ましい。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等があげられる。
ポリカーボネート樹脂を製造するに当り、上記二価フェノールを単独で又は二種以上併用することができ、また必要に応じて分子量調節剤、分岐剤、触媒等を用いることができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は粘度平均分子量で表して1.0×10〜10.0×10であり、好ましくは1.5×10〜4.5×10であり、より好ましくは1.8×10〜3.0×10である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
また、ポリカーボネート樹脂には必要に応じて添加剤、例えば亜燐酸エステル、燐酸エステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤(0.001〜0.1重量%)、トリアゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系等の紫外線吸収剤(0.1〜0.7重量%)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニルエーテル等の難燃剤(3〜15重量%)、着色剤、蛍光増白剤等を配合してもよい。
<ポリカーボネート樹脂シート>
ポリカーボネート樹脂シートの製法には特に限定はなく、例えば、溶融押出法、溶液キャスティング法(流延法)等を挙げることができる。溶融押出法の具体的な方法は、例えば、ポリカーボネート樹脂を押出機に定量供給して、加熱溶融し、Tダイの先端部から溶融樹脂をシート状に鏡面ロール上に押出し、複数のロールにて冷却しながら引き取り、固化した時点で適当な大きさにカットするか巻き取る方式が用いられる。溶液キャスティング法の具体的な方法は、例えばポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解した溶液(濃度5%〜40%)を鏡面研磨されたステンレス板上にTダイから流延し、段階的に温度制御されたオーブンを通過させながらシートを剥離し、更に剥離し、溶媒を除去した後、冷却して巻き取る方式が用いられる。
ポリカーボネート樹脂シートの厚みは、後述する共重合ポリカーボネート層より厚く、好ましくは0.08〜1.99mmの範囲である。厚みの下限は0.1mmがより好ましく、0.2mmがさらに好ましく、0.3mmが特に好ましい。また、厚みの上限は1.89mmがより好ましく、1.69mmがさらに好ましく、1.49mmが特に好ましい。なお、ハードコート層を有する場合、厚みの上限は1.98mmが好ましく、1.88mmがより好ましく、1.68mmがさらに好ましく、1.48mmが特に好ましい。
<共重合ポリカーボネート>
本発明の共重合ポリカーボネートは、主たる繰り返し単位が、単位(A)と単位(B)とから構成される。
(単位(A))
単位(A)はエーテル基を有する脂肪族ジオールから誘導されるものである。単位(A)として、立体異性体の関係にある下記式
Figure 2013202816
Figure 2013202816
Figure 2013202816
で表される単位(A1)、(A2)および(A3)が例示される。これらは、糖質由来のエーテルジオールであり、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。単位(A1)、(A2)および(A3)は、それぞれイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドと呼ばれる。イソソルビドは、でんぷんから得られるDーグルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドのなかでも特に、イソソルビド(1,4;3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)から誘導される単位は、製造の容易さ、耐熱性に優れることから好ましい。
(単位(B))
単位(B)は、o−メチル置換した芳香族構造を有するカーボネート単位である。単位(B)中、Wは単結合、または下記式(W)から選ばれる。
Figure 2013202816
式中、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、又は炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、RとRが結合して炭素環または複素環を形成しても良い。
炭素原子数1〜9のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。炭素原子数1〜5のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘプトキシ基などが挙げられる。炭素原子数6〜12のアリール基として、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。炭素原子数2〜5のアルケニル基として、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などが挙げられる。炭素原子数7〜17のアラルキル基として、ベンジル基などが挙げられる。
とRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12のアリール基を表す。炭素原子数1〜9のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。炭素原子数1〜5のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘプトキシ基などが挙げられる。炭素原子数6〜12アリール基として、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
は炭素原子数1〜9のアルキレン基である。炭素原子数1〜9のアルキレン基として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基基、オクタメチレン基基などが挙げられる。
aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。
単位(B)として、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)―4,4’ジオール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下ビスフェノールCと略す)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサンなどに由来する単位が例示される。なかでも、ビスフェノールC、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)―4,4’ジオールに由来する単位が鉛筆硬度、耐熱性および成形性の観点から好ましい。これらは2種類以上併用して用いても良い。
(組成)
共重合ポリカーボネート樹脂は、主たる繰り返し単位が単位(A)と単位(B)とを含み、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)は30/70〜99/1である。モル比(A/B)が30/70〜99/1の範囲では、鉛筆硬度が高くなり、耐熱性も高くなる。好ましい単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)は、30/70〜90/10の範囲であり、より好ましくは40/60〜90/10の範囲であり、さらに好ましくは、鉛筆硬度を2H以上とし易いことから40/60〜80/20である。モル比(A/B)は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
なお、本発明における主たる単位とは、単位(A)及び(B)の合計が全繰り返し単位を基準として70モル%以上であり、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
共重合ポリカーボネート樹脂は、単位(A)および単位(B)以外の他の単位を30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下含有していてもよい。他の単位として、直鎖脂肪族ジオール化合物由来の単位、脂環式ジオール由来の単位、芳香族ジヒドロキシ化合物由来の単位、これらの混合物が挙げられる。
直鎖脂肪族ジオール化合物として、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、水素化ジリノレイルグリコール,水素化ジオレイルグリコールなどを挙げることができる。これらのうち、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらの直鎖脂肪族ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また脂環式ジオールとしては、例えば1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオールなどのシクロヘキサンジオール類、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサンジメタノール類、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−アダマンタンジオール、デカリンジメタノール、および3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。これらの脂環式ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また芳香族ジヒドロキシ化合物としては、4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(通常“ビスフェノールM”と称される)、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通常“ビスフェノールA”と称される)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)デカン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(通常“ビスフェノールAF”と称される)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、および2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
上記の中でも、ビスフェノールM、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンが好ましい。これらの芳香族ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(粘度平均分子量)
共重合ポリカーボネートの分子量は粘度平均分子量で表して1.0×10〜10.0×10であり、好ましくは1.0×10〜4.5×10であり、より好ましくは1.0×10〜3.0×10である。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlに共重合ポリカーボネート0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
(ガラス転移温度:Tg)
共重合ポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは115〜160℃、より好ましくは115〜150℃である。Tgが115℃〜160℃であると、光学成形体として使用した際に、耐熱安定性及び成形性が良好であり好ましい。
共重合ポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)が、115℃以上であると耐熱性及び耐湿熱性が十分となり好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)が、160℃以下であると射出成形の際の成形加工性が良好となり好ましい。
ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
(吸水率)
共重合ポリカーボネートの吸水率は、好ましくは0.5〜2.0%の範囲であり、より好ましくは0.5〜1.5%の範囲である。
本発明における共重合ポリカーボネートの吸水率は次のように測定する。共重合ポリカーボネートの成型板を試験片として用い、試験片を85℃0%RHの恒温恒湿槽に24時間静置した後に取り出してさらに室温で10分間静置した後、天秤で重量を測定して乾燥重量とした。次に、試験片を85℃85%RHの恒温恒湿槽に120時間静置した後に取り出してさらに室温で10分間静置した後、天秤で重量を測定して吸水重量とした。下記式にて吸水率を求めた。
吸水率[%]=(吸水重量[g]−乾燥重量[g])/乾燥重量[g]×100[%]
(鉛筆硬度)
共重合ポリカーボネートの鉛筆硬度は2H以上であることが好ましい。
プラスチックは、比較的柔らかく、傷が付き易いのが欠点である。ビスフェノール−A−PCの鉛筆硬度は低いが、このように成形体の表面硬度を鉛筆硬度で2H以上に高くできれば、非常に成形体の表面に入る傷を抑制できることは容易に理解されるであろう。
そして、このような2H以上という硬い鉛筆硬度は、前述のとおり主たる繰り返し単位として、単位(A)にイソソルビド成分を用い、さらに、単位(B)にo−メチル置換した芳香族成分を用い、両者のモル比を特定の範囲とすることで得ることができる。
ちなみに、本発明における鉛筆硬度とは、本発明のポリカーボネート樹脂をそれぞれの鉛筆硬度を有する鉛筆で樹脂を擦過した場合に擦過しても擦過痕が残らない硬さのことである。具体的には、JIS K−5600に従って測定できる塗膜の表面硬度試験に用いる鉛筆硬度を指標とすることが好ましい。鉛筆硬度は、9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6Bの順で柔らかくなり、最も硬いものが9H、最も軟らかいものが6Bである。
(共重合ポリカーボネートの製造方法)
共重合ポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また、必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネートおよびm−クレジルカーボネート等が例示される。なかでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましは1.00〜1.06モルである。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が例示される。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が例示される。
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が例示される。
金属化合物としては亜鉛アルミニウム化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が例示される。これらの化合物は1種または2種以上併用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。
これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
また、共重合ポリカーボネート樹脂は、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
(添加剤)
共重合ポリカーボネートには必要に応じてリン系熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤等が好ましく使用され、その他の添加剤として、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェニルエーテル等の難燃剤(3〜15重量%)、着色剤、蛍光増白剤等を配合してもよい。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。
なかでも、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトが使用され、特に好ましくはトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが使用される。リン系熱安定剤の含有量としては、共重合ポリカーボネート100重量部に対して0.001〜0.2重量部が好ましく、0.0015〜0.1重量部がより好ましく、0.002〜0.05重量部がさらに好ましく、0.002〜0.01重量部が特に好ましい。
離型剤としては、その90重量%以上がアルコールと脂肪酸のエステルからなるものが好ましい。アルコールと脂肪酸のエステルとしては、具体的には一価アルコールと脂肪酸のエステルおよび/または多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが挙げられる。前記一価アルコールと脂肪酸のエステルとは、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステルが好ましい。また、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルとは、炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが好ましい。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等があげられ、ステアリルステアレートが好ましい。
具体的に多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等が挙げられる。
これらのエステルのなかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸トリグリセリドとステアリルステアレートの混合物が好ましく用いられる。
離型剤中の前記エステルの量は、離型剤を100重量%とした時、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましい。
離型剤の含有量としては、共重合ポリカーボネート100重量部に対して0.005〜2.0重量部の範囲が好ましく、0.01〜1.0重量部の範囲がより好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲がさらに好ましく、0.03〜0.1重量部の範囲が特に好ましい。
共重合ポリカーボネートには耐候性付与の目的で紫外線吸収剤を添加することができる。共重合ポリカーボネート100重量部に対して、紫外線吸収剤の分子量が好ましくは350以上、より好ましくは分子量が400以上で1000以下の紫外線吸収剤を好ましくは0.5〜5.0重量部、より好ましくは0.8〜3.0重量部配合することができる。紫外線の分子量および配合量を上記範囲とすることにより紫外線吸収剤の蒸散による装置の汚染を防ぎ、生産性を高めることができる。
紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンズオキサジン系などが挙げられ、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2,2´−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノール]]、2,2´−メチレンビス[6−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を挙げることができ、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノ−ル、
などを挙げることができる。
<共重合ポリカーボネート層>
ポリカーボネート樹脂シート表面に共重合ポリカーボネート層を積層するには任意の方法を用いればよく、特に熱圧着法または共押出法で行うことが好ましい。
熱圧着法としては任意の方法が採用されるが、例えば共重合ポリカーボネートフィルムとポリカーボネート樹脂シートをラミネート機やプレス機で熱圧着する方法、押出し直後のポリカーボネート樹脂シートに共重合ポリカーボネートフィルムを熱圧着する方法が好ましく、特に押出し直後のポリカーボネート樹脂シートに連続して熱圧着する方法が工業的に有利である。この場合の熱圧着条件は、ポリカーボネート樹脂シートや共重合ポリカーボネートフィルムの厚さ、圧着面の状態等により異なり、一概に特定できないが、共重合ポリカーボネートフィルムのガラス転移点近傍又はそれ以上の温度、通常共重合ポリカーボネートフィルムのガラス転移点−10℃〜ガラス転移点+150℃、好ましくはガラス転移点−5℃〜ガラス転移点+100℃で0.05〜5kg/cm程度、好ましくは0.1〜1kg/cm程度の圧力を加えることにより熱圧着できる。
共重合ポリカーボネートフィルムの製法には特に限定はなく、例えば、溶融押出法、溶液キャスティング法(流延法)等を挙げることができる。溶融押出法の具体的な方法は、例えば、共重合ポリカーボネートを押出機に定量供給して、加熱溶融し、Tダイの先端部から溶融樹脂をシート状に鏡面ロール上に押出し、複数のロールにて冷却しながら引き取り、固化した時点で適当な大きさにカットするか巻き取る方式が用いられる。溶液キャスティング法の具体的な方法は、例えば共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解した溶液(濃度5%〜40%)を鏡面研磨されたステンレス板上にTダイから流延し、段階的に温度制御されたオーブンを通過させながらフィルムを剥離し、更に剥離し、溶媒を除去した後、冷却して巻き取る方式が用いられる。
共押出法は、補助のエクストルージョンで共重合ポリカーボネートをそのガラス転移点〜ガラス転移点+230℃、好ましくはガラス転移点+50℃〜ガラス転移点+200℃で溶融押出し、主のエクストルージョンでポリカーボネート樹脂をそのガラス転移点〜ガラス転移点+230℃、好ましくはガラス転移点+50℃〜ガラス転移点+200℃で溶融押出し、マルチマニホールド方式又はフィードブロック方式等公知の方式にて押し出し積層することができる。
共重合ポリカーボネート層の厚さは、10〜200μmの範囲であり、好ましくは20〜100μmの範囲であり、より好ましくは30〜70μmの範囲である。薄すぎると擦り傷等の傷が基材のポリカーボネート樹脂シートまで達し十分な耐擦傷性が得られず、また厚すぎると耐衝撃性が低下する。
<ハードコート層>
本発明においては、所望により共重合ポリカーボネート層の表面にハードコート層を積層することができる。
ハードコート層は、透明性を損なうことなく、十分な密着性を有するものであれば、材質、積層方法等において特に限定されるものでない。一般的に、熱、紫外線、電子線等によって硬化する硬化性塗料を塗布する方法、物理気相蒸着法、化学気相蒸着法等が挙げられるが、製造上の観点から紫外線硬化性塗料を塗布する方法が好ましい。
紫外線硬化性塗料は、紫外線硬化性樹脂および光重合開始剤を含有する組成物であれば、特に限定されるものではない。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、グリシジル化合物、脂環状エポキシ化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔(4−メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4´−メチルフェニルサルファイド、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。またこの組成物に希釈溶剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤等を添加してもよい。
紫外線硬化性塗料を使用してハードコート層を積層する塗装手段としては、噴霧コート法、フローコート法、ディッピング法、ロールコート法、バーコート法等の任意の方法を用いればよく、塗料性状の観点から、ロールコート法、バーコート法がより好ましい。また、ハードコート層は、用途に応じて片面のみに形成しても両面に積層してもよい。
得られるハードコート層の厚さは1〜20μmの範囲が好ましく、1.5〜15μmの範囲がより好ましく、2〜10μmの範囲がさらに好ましい。ハードコート層の厚さが1μm以上であると十分な耐擦傷性が得られ、また20μm以下であると、硬化収縮によって生じる反りが小さくなり、OA・電子機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネル等の用途に好適である。
<積層体>
本発明の積層体は、透明性、耐擦傷性、平板性、耐湿熱性、耐吸水性に優れた積層体である。
積層体の厚さは、0.1〜2.0mmの範囲が好ましく、特にOA機器のディスプレイやタッチパネル等に用いるときは、0.4〜1.5mmの範囲が好ましい。
積層体の透明性としては、JIS K 7361−1およびJIS K 7136に準拠した全光線透過率値およびヘーズ値で評価される。積層体の全光線透過率値は好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。また、ヘーズ値は好ましくは1.0%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。
積層体の耐擦傷性としては、JIS K 5600に準拠した鉛筆硬度により評価される。積層体の耐擦傷性は好ましくはHB以上であり、より好ましくはH以上であり、さらに好ましくは2H以上であり、特に好ましくは4H以上である。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。なお実施例、比較例中の性能評価は下記の方法に従った。
(1)ガラス転移温度(Tg)
ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定した。
(2)吸水率
共重合ポリカーボネートの成型板を試験片として用い、試験片を85℃0%RHの恒温恒湿槽に24時間静置した後に取り出してさらに室温で10分間静置した後、天秤で重量を測定して乾燥重量とした。次に、試験片を85℃85%RHの恒温恒湿槽に120時間静置した後に取り出してさらに室温で10分間静置した後、天秤で重量を測定して吸水重量とした。下記式にて吸水率を求めた。
吸水率[%]=(吸水重量[g]−乾燥重量[g])/乾燥重量[g]×100[%]
(3)透明性
積層体を、JIS K 7361−1およびJIS K 7136に準拠し、全光線透過率値およびヘーズ値を測定した。
(4)耐擦傷性
積層体を、JIS K 5600に準拠し、750g加重で鉛筆硬度を測定した。
(5)平板性の評価方法
積層体を縦50mm×横100mmの大きさに切り出し、温度23℃、湿度50%RH環境下に4時間放置した後、積層体を共重合ポリカーボネート層側が上になるよう平置きし、四隅の浮き量を測定し、最大の浮き量を評価結果とした。なお、共重合ポリカーボネート層側を凸とする浮き量を正とした。
(6)耐湿熱性の評価方法
積層体を縦50mm×横100mmの大きさに切り出し、温度85℃、湿度85%RH環境下に24時間放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に4時間放置した後、積層体を共重合ポリカーボネート層側が上になるよう平置きし、四隅とその中間点の計8点の浮き量を測定し、最大の浮き量を評価結果とした。なお、共重合ポリカーボネート層側を凸とする浮き量を正とした。
(7)吸水性の評価方法
積層体を縦50mm×横100mmの大きさに切り出し、25℃下に72時間放置し、次いで温度23℃、湿度50%RH環境下に4時間放置した後、積層体を共重合ポリカーボネート層側が上になるよう平置きし、四隅とその中間点の計8点の浮き量を測定し、最大の浮き量を評価結果とした。なお、共重合ポリカーボネート層側を凸とする浮き量を正とした。
(8)ハードコート層の密着性
ハードコート層にカッターで1mm間隔に縦横に各11本の切れ目を入れて100個のマス目を作り、この目にセロテープ(登録商標)(ニチバン(株)製粘着テープ)を貼り付けた後、90°の方向に一気に剥した。ハードコート層が剥離せず、残ったマス目の数を数えた。
<実施例A−1>
(共重合ポリカーボネートの製造)
イソソルビド(以下ISSと略す)351部、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下BPCと略す)264部、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)749.7部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.8×10−2部と水酸化ナトリウム0.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で250℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の2倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレット(粘度平均分子量;18,500)を得た(樹脂A−1)。
(積層体の製造)
ポリカーボネート樹脂シートを構成するポリカーボネート樹脂はスクリュー径40mmの単軸押出機で、また、共重合ポリカーボネート層を形成する共重合ポリカーボネートはスクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、フィードブロック法にて2層に積層させ、設定温度280℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライト、ビスフェノールAから得られた粘度平均分子量22,000であるポリカーボネート樹脂)の片面に共重合ポリカーボネート(樹脂A−1)を積層した表1に示す積層体を得た。得られた積層体の性能評価結果を表2に示す。
<実施例A−2、A−5、A−6>
ISS、BPCの量をISS250.5部、BPC439.7部に変更した他は、実施例A−1と全く同様の操作を行い、ペレット(粘度平均分子量;19,400)を得た(樹脂A−2、A−5、A−6)。また、実施例A−1と同様の方法で積層体を作成し、得られた積層体を表1に示し、性能評価結果を表2に示す。
<実施例A−3>
BPCの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル))シクロヘキサン(以下OCZと略す)に変更し、ISS、OCZの量をISS250.5部、OCZ508.5部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、ペレット(粘度平均分子量;19,100)を得た(樹脂A−3)。また、実施例A−1と同様の方法で積層体を作成し、得られた積層体を表1に示し、性能評価結果を表2に示す。
<実施例A−4>
BPCの代わりに3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)―4,4’ジオール(以下OCBPと略す)変更し、ISS、OCBPの量をISS250.5部、OCBP367.3部とした以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、ペレット(粘度平均分子量;18,400)を得た(樹脂A−4)。また、実施例A−1と同様の方法で積層体を作成し、得られた積層体を表1に示し、性能評価結果を表2に示す。
<実施例A−7>
100重量部の樹脂A−2に対し、紫外線吸収剤として2,2´−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]フェノール]](ADEKA社製、商品名:アデカスタブLA−31)を1.0重量部、リン系熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:Irgafos168)を0.01重量部、離型剤としてステアリン酸モノグリセリド(理研ビタミン(株)製:リケマールS−100A)を0.05重量部を添加したペレットを得た(樹脂A−7)。また、実施例A−1と同様の方法で積層体を作成し、得られた積層体を表1に示し、性能評価結果を表2に示す。
<比較例A−1>
ポリカーボネート樹脂シートを構成するポリカーボネート樹脂はスクリュー径40mmの単軸押出機で、また、アクリル樹脂層を形成するアクリル樹脂はスクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、フィードブロック法にて2層に積層させ、設定温度280℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライト、ビスフェノールAから得られた粘度平均分子量22,000であるポリカーボネート樹脂)の片面にアクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製 商品名:アクリペットVH001)を積層した表1に示す積層体を得た。得られた積層体の性能評価結果を表2に示す。
<比較例A−2>
表1(比較例A−2)に示すポリカーボネートシート(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトシートPC−1151、ビスフェノールAから得られた粘度平均分子量24,000であるポリカーボネート樹脂から形成されたシート)を用いた。性能評価結果を表2(比較例A−2)に示す。
Figure 2013202816
Figure 2013202816
<実施例B−1〜B−7>
(積層体の製造)
ポリカーボネート樹脂シートを構成するポリカーボネート樹脂はスクリュー径40mmの単軸押出機で、また、共重合ポリカーボネート層を形成する共重合ポリカーボネート(樹脂A−1〜A−7)はスクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、フィードブロック法にて2層に積層させ、設定温度280℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、表3(実施例B−1〜B−7)に示すポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライト、ビスフェノールAから得られた粘度平均分子量22,000であるポリカーボネート樹脂)の片面に共重合ポリカーボネート(樹脂A−1〜A−7)を積層した。得られた積層体に、金属製バーコーターを用いて、表3(実施例B−1〜B−7)に示した膜厚になるよう紫外線硬化性塗料(新中村化学工業株式会社製 KCR−8502)を共重合ポリカーボネート層上に塗布後、紫外線照射装置を用いて積算光量600mJ/cmとなるように硬化し、積層体を得た。得られた積層体の性能評価結果を表4(実施例B−1〜B−7)に示す。
<比較例B−1>
ポリカーボネート樹脂シートを構成するポリカーボネート樹脂はスクリュー径40mmの単軸押出機で、また、アクリル樹脂層を形成するアクリル樹脂はスクリュー径30mmの単軸押出機でそれぞれ溶融させ、フィードブロック法にて2層に積層させ、設定温度280℃のT型ダイスを介して押出し、得られるシートを鏡面仕上げされたロールにて冷却し、ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名:パンライト、ビスフェノールAから得られた粘度平均分子量22,000であるポリカーボネート樹脂)の片面にアクリル樹脂(三菱レイヨン株式会社製 商品名:アクリペットVH001)を積層した積層体を得た。得られた積層体に、金属製バーコーターを用いて、表3(比較例B−1)に示した膜厚になるよう紫外線硬化性塗料(新中村化学工業株式会社製 KCR−8502)をアクリル樹脂層上に塗布後、紫外線照射装置を用いて積算光量600mJ/cmとなるように硬化し、積層体を得た。得られた積層体の性能評価結果を表4(比較例B−1)に示す。
<比較例B−2>
ポリカーボネートシート(帝人化成株式会社製、商品名:パンライトシートPC−1151)に、金属製バーコーターを用いて、表3(比較例B−2)に示した膜厚になるよう紫外線硬化性塗料(新中村化学工業株式会社製 KCR−8502)を塗布後、紫外線照射装置を用いて積算光量600mJ/cmとなるように硬化し、積層体を得た。得られた積層体の性能評価結果を表4(比較例B−2)に示す。
Figure 2013202816
Figure 2013202816
本発明の積層体は、OA・電子機器のディスプレイカバーパネルやタッチパネルとして有用である。

Claims (12)

  1. ポリカーボネート樹脂シートの少なくとも一面に、厚み10〜200μmの下記式
    Figure 2013202816
    で表される単位(A)と下記式
    Figure 2013202816
    [式(B)中、Wは単結合、または下記式(W)
    Figure 2013202816
    であり、RとRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、RとRが結合して炭素環または複素環を形成しても良い。RとRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12のアリール基を表す。Rは1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。]
    で表される単位(B)を含み、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜99/1の共重合ポリカーボネートからなる層を積層した積層体。
  2. 主たる単位(A)が下記式
    Figure 2013202816
    で表される単位(A1)である請求項1記載の積層体。
  3. 積層体の総厚みが0.1〜2.0mmである請求項1記載の積層体。
  4. 共重合ポリカーボネートのガラス転移温度Tgが115℃〜160℃である請求項1記載の積層体。
  5. 共重合ポリカーボネートの吸水率が0.5%〜1.5%である請求項1記載の積層体。
  6. 共重合ポリカーボネートからなる層上にハードコート層が積層された請求項1記載の積層体。
  7. ハードコート層が紫外線硬化性塗料から形成されたものである請求項6記載の積層体。
  8. ハードコート層の厚みが1〜20μmである請求項6記載の積層体。
  9. 共重合ポリカーボネート100重量部に対して、分子量が350以上の紫外線吸収剤を0.5〜5.0重量部含有する請求項1記載の積層体。
  10. 共重合ポリカーボネート100重量部に対して、リン系熱安定剤0.001〜0.2重量部含有する請求項1記載の積層体。
  11. 共重合ポリカーボネート100重量部に対して、離型剤0.005〜2.0重量部含有する請求項1記載の積層体。
  12. ディスプレイカバーパネルまたはタッチパネルとして使用される請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層体。
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