JP2013202001A - 植栽基盤の製造方法及び植栽基盤 - Google Patents

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Kenichi Aku
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Abstract

【課題】 ダム堆砂を有効利用しつつ、効率的に地盤表面の緑化及び安定化を図ることが可能な植栽基盤の製造方法及び植栽基盤を提供する。
【解決手段】 ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物と水とを混合し、得られた混合物を地盤表面に打設することを特徴とする植栽基盤の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、地盤表面を緑化及び安定化させ得る植栽基盤の製造方法及び植栽基盤に関する。
従来、河川の上流側から流れてくる水を堰き止めて水資源を確保するために、ダムが設けられている。ダムによって水が堰き止められる際、水と共に流れてくる土砂も堰き止められ、ダムの水底に土砂が堆積する。この堆積物(ダム堆砂)には、有機物質が含まれており、放置しておくと水中の微生物が増殖し、悪臭等の原因となるため、ダム堆砂が除去されている。除去されたダム堆砂は、有効利用されることが望ましいことから、河川敷の堤防斜面の地盤等を造成するために用いられている。
一方、河川敷の堤防等を盛土等によって造成する際、堤防の法面(地盤表面)をそのまま放置しておくと、雨水等によって浸食され、崩壊するおそれがあるため、法面にモルタル等が吹き付けられることにより、法面の安定化が図られている。しかし、モルタルには、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を放出する植物が生育しないため、地球温暖化防止の要請に対応できない。
そこで、法面の緑化及び安定化を図るための技術が提案されている。例えば、三次元網目構造を形成可能な高分子化合物を含む水溶液を、珪藻土及び真砂土と、セメント系固化材との混合物に添加して混練し、この混練物を植物の種子や肥料等と共に地盤表面に吹き付けることによって、耐久性に優れた植栽基盤を法面に形成する技術が提案されている(特許文献1)。
特開2002−13146号公報
しかし、上記のような技術では、耐久性に優れる反面、植栽基盤が長期にわたって残存するため、植物の根が伸長し得るスペースが制限され、その十分な成長が困難となる結果、十分な緑化が困難となるおそれがある。また、珪藻土、真砂土や所定の高分子化合物を必要とし、さらに、植物の種子や肥料となる有機物質を吹き付け前の混練物に添加する必要があるため、地盤表面の緑化及び安定化が効率的とは言い難い。さらに、ダム堆砂の有効利用を図ることが困難である。
上記問題点に鑑み、本発明は、ダム堆砂を有効利用しつつ、効率的に地盤表面の緑化及び安定化を図ることが可能な植栽基盤の製造方法及び植栽基盤を提供することを目的とする。
本発明に係る植栽基盤の製造方法は、
ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物と水とを混合し、得られた混合物を地盤表面に打設することを特徴とする。
ここで、「自然崩壊型硬化体」とは、地盤表面に形成(設置)されたとき、JIS A 1108に規定するコンクリートの圧縮強度試験方法に準じて測定したときの強度が2N/mm2以上であるような硬化体であり、且つ、設置後、風雨等に晒されることによって、1か月を超えて1年半以内に崩壊するような硬化体をいう。また、崩壊とは、JIS A 1108に規定するコンクリートの圧縮強度試験方法に準じて測定したときの強度が、2N/mm2未満となった状態のことをいう。
上記した構成によれば、ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物とで硬化体が形成されるため、打設初期には、十分な強度を有し、且つ、ダム堆砂中に含まれている植物の種子が発芽し該植物の根が伸長可能な硬化体が形成されてなる植栽基盤を、地盤表面に設置することができる。これにより、地盤表面を安定化しつつ、植物の種子の発芽を可能とし該植物の根を地盤中へと伸長させて生育させることができる。また、設置後の時間の経過により、硬化体内部におけるダム堆砂中の種子が発芽する一方、硬化体の表面側から部分的に崩れてゆき、この崩れた部分において植物の芽が地表に向かって伸長しつつ、根を張ってゆく。そして硬化体が自然に崩壊するころには、植物が地盤中に十分に根付くため、該硬化体の崩壊後においても地盤を安定化させることができる。しかも、このような植栽基盤を、水と、ダム堆砂と、自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを混合して打設するだけで効率的に得ることができる。従って、ダム堆砂を有効利用しつつ、効率的に地盤の緑化及び安定化を図ることが可能となる。
また、本発明に係る製造方法においては、前記自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、ポルトランドセメント及び/又はエコセメント、石膏、並びに高炉スラグからなる高炉スラグ系セメントを含む結合材を含有してなることが好ましい。
これにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、植物が根を地盤中に伸長させるために十分なものとし易くすることが可能となる。
また、本発明に係る製造方法においては、前記結合材は、前記高炉スラグ系セメントにおけるポルトランドセメント及び/又はエコセメントを30〜70質量%、石膏を無水換算で20〜50質量%、高炉スラグを5〜35質量%含有してなることが好ましい。
これにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、1か月を超えて1年半以内とし易くすることができるため、例えばクサイチゴ、ヨモギ(在来種)等の植物が根を地盤中に伸長させるために、より十分な時間とし易くすることができる。
また、本発明に係る製造方法においては、前記結合材は、アルミナセメントをさらに含有してなることが好ましい。
これにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、より短くし易くすることができる。
また、本発明に係る製造方法においては、前記結合材は、前記アルミナセメントを0.24〜1.37質量%含有してなることが好ましい。
これにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、1か月を超えて1年以内とし易くすることができるため、例えばクサイチゴ、ヨモギ(在来種)等の植物が根を地盤中に伸長させるために、より十分な時間とし易くすることができる。
また、本発明に係る製造方法においては、前記地盤表面が、法面であることが好ましい。
これにより、特に地盤表面の安定化が困難且つ重要な法面において、上記した硬化体による初期の地盤表面の安定化と、該硬化体の自然崩壊後の植物による地盤表面の安定化とを発揮させることができるため、より効果的である。
また、本発明に係る植栽基盤は、ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを含有し、地盤表面に設置されてなることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、ダム堆砂を有効利用しつつ、効率的に地盤表面の緑化及び安定化を図ることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態に係る植栽基盤の製造方法及び植栽基盤について説明する。
本実施形態に係る植栽基盤の製造方法は、ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物と水とを混合し、得られた混合物を地盤表面に打設する。なお、本実施形態では、地盤表面が河川堤防の法面であることとし、該法面に前記混合物を打設して、該法面に植栽基盤を設置することとする。
前記ダム堆砂は、河川の上流側から水を堰き止める際、水と共に流れてきた石、砂利や砂等が、ダムの水底に堆積して成る堆積物であり、かかるダム堆砂には、落葉や、折れた木等に混じって植物の種子が混入している。また、かかるダム堆砂には、該植物の肥料となるような有機物質が混入している。また、ダム堆砂は、ダムの水底から浚渫することによって得られる。ダムから浚渫された前記ダム堆砂は、水を含んでおり、このように水を含んでいるダム堆砂を用いることが好ましい。これにより、ダム堆砂と自然崩壊型硬化体とに添加する水の量を減らすことができる。なお、前記ダム堆砂を乾燥して用いることもできる。
前記自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、ポルトランドセメント及び/又はエコセメントと、石膏と、高炉スラグとが含有されてなる高炉スラグ系セメントを含む結合材を含有することが好ましい。
これにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、植物が根を地盤中に伸長させるために十分なものとし易くすることが可能となる。
前記ポルトランドセメントとしては、JIS R 5210に規定された普通ポルトランドセメントを好適に使用できるが、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他のポルトランドセメントを使用することができる。他のポルトランドセメントとしては、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメント等が挙げられる。
前記エコセメントは、JIS R 5214に規定されたものを意味する。
前記石膏としては、無水石膏(CaSO4)、半水石膏(CaSO4・0.5H2O)、二水石膏(CaSO4・2H2O)等が挙げられる。
前記高炉スラグとしては、JIS R 6206に規定された「コンクリート用高炉スラグ微粉末」や、JIS A 5011に規定された「高炉スラグ骨材」を粉砕したもの等が挙げられる。
前記結合材は、ポルトランドセメント及び/又はエコセメントを含有してなるようにすることができる。
前記自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材がポルトランドセメント及び/又はエコセメントを30質量%以上含有してなることにより、運搬・適用箇所へ設置する硬化体の強度が得られ易くなるという利点を有する。また、本実施形態の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材がポルトランドセメント及び/又はエコセメントを70質量%以下含有してなることにより、崩壊するために必要な高炉スラグおよび石膏の量を有し易くすることができる。
また、前記結合材は、石膏を無水換算で20〜50質量%含有してなるようにすることができる。
本発明の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材が石膏を無水換算で20質量%以上含有してなることにより、膨張成分の生成に必要な量が得られ易くなるため、形成された自然崩壊型硬化体が地盤表面において風雨等に晒されて自然崩壊し易くなる。また、本発明の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材が石膏を無水換算で50質量%以下含有してなることにより、法面への設置に必要な強度を得易くすることができる。
さらに、前記結合材は、高炉スラグを5〜35質量%含有してなるようにすることができる。
本発明の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材が高炉スラグを5質量%以上含有してなることにより、膨張成分の生成に必要な量が得られ易くなるため、形成された自然崩壊型硬化体が地盤表面において風雨等に晒されて自然崩壊し易くなる。また、本発明の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材が高炉スラグを35質量%以下含有してなることにより、硬化体として必要な強度を保ちつつ、かつ法面への設置後に崩壊する配合とし易くなる。
このように、本実施形態に係る自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材が、前記高炉スラグ系セメントにおけるポルトランドセメント及び/又はエコセメントを30〜70質量%、石膏を無水換算で20〜50質量%、高炉スラグを5〜35質量%含有してなることにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、1か月を超えて1年半以内とし易くすることができるため、例えばクサイチゴ、ヨモギ(在来種)等の植物が根を地盤中に伸長させるために、より十分な時間とし易くすることができる。
前記結合材は、アルミナセメントをさらに含有してなることが好ましい。これにより、上記した硬化体が自然崩壊するまでの時間を、より短くし易くすることができる。
前記アルミナセメントは、主要成分としてCaO・Al23やCaO・2Al23、そして12CaO・Al23などのアルミン酸カルシウムを主成分とするセメントをいい、JIS R 2521−1995に規定された「耐火物用アルミナセメントの物理試験方法」に適合するもの等が挙げられる。かかるアルミナセメントは、ボーキサイトと石灰石とが混合されて、溶融され或いは焼成されること等によって形成される。
前記結合材がアルミナセメントを含有してなる場合、前記結合材は、アルミナセメントを0.24〜1.37質量%含有してなるようにすることができる。
このように、本実施形態に係る自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材がアルミナセメントを0.24質量%以上含有してなることにより、形成された自然崩壊型硬化体が地盤表面において風雨等に晒されて自然崩壊する時間を、1年以下とし易くすることができる。また、本実施形態の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、前記結合材がアルミナセメントを1.37質量%以下含有してなることにより、形成された自然崩壊型硬化体が地盤表面において風雨等に晒されて自然崩壊する時間を、1ヶ月を超えるようにし易くすることができる。従って、例えばクサイチゴ、ヨモギ等の植物が根を地盤中に伸長させるために、より十分な時間とし易くすることができる。
さらに、本発明の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲内において、上記の他、石灰石微粉末等の各種の混和材を含有してもよい。
また、本発明の自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲内において、前記ダム堆砂及び前記結合材以外に、細骨材、粗骨材、混和剤等を含有してもよい。
前記細骨材及び粗骨材は、それぞれJIS A 5308の規定に従ったものを意味する。
前記細骨材の材質としては、本発明の効果が損なわれない範囲内であれば、特に限定されるものはないが、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、珪砂等を1種単独又は2種以上混合したものを採用することができる。
前記粗骨材の材質としては、本発明の効果が損なわれない範囲内であれば、特に限定されるものはないが、例えば、川砂利、山砂利、陸砂利を1種単独又は2種以上混合したものを採用することができる。
前記結合材は、必要に応じて、本発明の効果が損なわれない範囲内において、アルミナセメントや高炉スラグ系セメント以外の、石灰石微粉末等の各種の混和材を含有してもよい。
本実施形態の製造方法においては、前記混合物の単位体積当たりにおける前記結合材の質量、水の配合量、自然崩壊型硬化体用セメント組成物に対する水の質量比(水セメント比)等は、特に限定されるものではなく、得られる硬化体の自然崩壊時間が1か月を超えて1年半以下を満たすような範囲で適宜設定すればよい。
また、前記自然崩壊型硬化体用セメント組成物、ダム堆砂と共に添加される水は、ダム堆砂を浚渫する際にダムから掬われる水を用いることも、これとは別途の水を用いることもできる。
具体的な製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、先ず、前記自然崩壊型硬化体用セメント組成物に水を加えてスラリー状とする。次に、ダムの水底から浚渫して保管しておいたダム堆砂と、スラリー状の自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを混合し、この混合物を、地盤表面としての堤防法面に打設する。そして、打設された混合物が硬化して硬化体となることにより、植物基盤を形成することができる。なお、自然崩壊型硬化体用セメント組成物に添加する水の量は、保管されているダム堆砂に含まれる水の量を把握しておき、スラリー状の自然崩壊型硬化体用セメント組成物との混合物の水の量が所定の量となるように、予め設定することができる。
ここで、通常、ダムからダム堆砂を浚渫する際には、グラブバケット等を用いるため、該グラブバケットで浚渫される際には、ダム堆砂の他に比較的多量の水が含まれている。そして、この含水量によっては、ダム堆砂と粉体の自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを混合し、得られた混合物を打設することもできる。すなわち、ダムからダム堆砂を浚渫しつつ自然崩壊型硬化体用セメント組成物と混合し、得られた混合物を堤防法面に打設することができる。
上記のようにして製造された本実施形態に係る植栽基盤は、JIS A 1108に規定するコンクリートの圧縮強度試験方法に準じて測定したときの強度が2N/mm2以上であるような硬化体であり、且つ、設置後、風雨等に晒されることによって、1か月を超えて1年半以内に崩壊するものである。
また、上記のようにして製造された本実施形態に係る植栽基盤は、ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを含有し、法面(地盤表面)に設置されてなる。かかる植栽基盤は、設置初期には、地盤として十分な強度を有する硬化体を有しており、且つ、該硬化体においては、ダム堆砂中に含まれている植物の種子が発芽し、植物が地盤中へと根を伸長させつつ生育させることができる。
また、設置後、時間が経過すると、降雨等により、硬化体内部でエトリンガイトが徐々に生成し、これにより硬化体内部に隙間が形成される結果、硬化体が緩やかに自然に崩壊する。そして、硬化体が自然崩壊するころには、植物が堤防の地盤中に十分に根付くため、堤防法面を安定化させることができる。しかも、このような硬化体を、水と、ダム堆砂と、自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを混合して打設するだけで効率的に得ることができる。従って、ダム堆砂を有効利用しつつ、植物の十分な成長を可能とし、効率的に堤防の緑化及び安定化を図ることが可能となる。なお、硬化体が崩壊すると、該硬化体に含まれていた上記組成物やダム堆砂が堤防地盤と馴染むため、硬化体を特に除去する必要はない。
さらに、このように崩壊した硬化体が地盤と馴染むことにより、景観を損なうことを回避することができる。加えて、緑化を十分に図ることができるため、地球温暖化の要請に沿うことができる。
ダム堆砂には、通常、植物の種子が含まれているため、上記のように打設するだけで、ダム堆砂中の種子が発芽、生育するが、種子の種類を選択することは困難である。そこで、所望の植物を生育したい場合には、例えば、打設された混合物が硬化体となった後に、該硬化体に小孔を形成し、この小孔に所望の植物の種子を埋めることが好ましい。また、この種子を、上記した混合時に混入させることもできる。
また、本実施形態に係る植栽基盤の製造方法では、上記のように、法面に前記混合物を打設することにより該法面に設置されるため、特に地盤の安定化が困難且つ重要な法面において、上記セメントによる初期の地盤安定化と、硬化体崩壊後の植物による地盤安定化とを、発揮させることができるため、より効果的である。なお、前記混合物が打設される地盤表面は、堤防法面に特に限定されるものではなく、山間部の法面であってもよい。また、該地盤表面は、その他、道路路肩部、海岸等の埋め立て地、公園等の傾斜のない地盤であってもよい。
以下、試験例を挙げて本発明についてさらに説明する。
試験例
<使用材料>
結合材として、下記の高炉スラグ系セメントからなるものと、下記の高炉スラグ系センエト及びアルミナセメント(ケルネオス社製)からなるものとを用いた。また、高炉スラグセメントとして、表1に示す配合量のポルトランドセメント(住友大阪セメント社製、普通ポルトランドセメント)、石膏(試薬、CaSO4(無水和物)、高炉スラグ(住金鉱化社製、高炉水砕スラグ)からなるものを用いた。また、ダム堆砂として布目ダムの浚渫土を絶乾状態にしたものを用いた。
<硬化体の作製>
上記材料及び水を、表1、表2に示すような配合割合、及び、単位体積当たりの質量となるように混合し、スラリー状の混合物を得た。得られたスラリー状の混合物を、直径(φ)5×高さ(h)10cmのサミットモールドに投入し、材齢1日まで封緘養生を行って、強度評価用の硬化体を作製した。
また、表面から5mmの箇所に10個の二十日ダイコンの種子を植えること以外は上記と同様にして、植物生育評価用の硬化体を作製した。
<試験>
作製した強度評価用の硬化体について、水中養生を行い、材齢毎に、JIS A1108に準じて1軸圧縮試験によって強度を評価した。この評価は、材齢1日、3日、7日、28日、56日、180日、270日、365日、545日で行った。判定基準に関しては、強度が2N/mm2以上を○、2N/mm2未満を×とした。結果を表1、表2に示す。なお、材齢28日を作製から1か月とし、材齢545日を作製から1年半とした。
また、植物生育評価用の硬化体について、表面が湿潤状態を保つよう適宜散水を行い、発芽までの日数を調べると共に、発芽の有無を評価した。発芽の有無の判定基準に関しては、養生後600日(材齢601日)までに発芽が認められた場合を○、発芽が認められなかった場合を×とした。結果を表2に示す。
Figure 2013202001
Figure 2013202001

Claims (7)

  1. ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物と水とを混合し、得られた混合物を地盤表面に打設することを特徴とする植栽基盤の製造方法。
  2. 前記自然崩壊型硬化体用セメント組成物は、ポルトランドセメント及び/又はエコセメント、石膏、並びに高炉スラグからなる高炉スラグ系セメントを含む結合材を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の植栽基盤の製造方法。
  3. 前記結合材は、前記高炉スラグ系セメントにおけるポルトランドセメント及び/又はエコセメントを30〜70質量%、石膏を無水換算で20〜50質量%、高炉スラグを5〜35質量%含有してなることを特徴とする請求項2に記載の植栽基盤の製造方法。
  4. 前記結合材は、アルミナセメントをさらに含有してなることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の植栽基盤の製造方法。
  5. 前記結合材は、前記アルミナセメントを0.24〜1.37質量%含有してなることを特徴とする請求項4に記載の植栽基盤の製造方法。
  6. 前記地盤表面が、法面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植栽基盤の製造方法。
  7. ダム堆砂と自然崩壊型硬化体用セメント組成物とを含有し、地盤表面に設置されたことを特徴とする植栽基盤。
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