JP2013197191A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷保持特性の劣化を抑制し、デバイス特性及び信頼性に優れた不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板と第1の絶縁膜と電荷蓄積膜と第2の絶縁膜と制御電極とを有する。第2の絶縁膜は、第2のシリコン窒化膜と第1のシリコン酸化膜と第1のシリコン窒化膜と第2のシリコン酸化膜と第3のシリコン窒化膜とが、電荷蓄積膜上に順次積層した積層構造を有し、積層の各界面のうちの少なくとも1つに、アルミニウム、ボロン、アルカリ土類金属のいずれかの原子を1e12atoms/cm以上1e16atoms/cm以下の濃度で含み、且つ、酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜のいずれかからなる膜をさらに有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
浮遊ゲート型の不揮発性半導体記憶装置においては、浮遊ゲート(FG)電極と制御ゲート(CG)電極との間を絶縁するための電極間絶縁膜(Inter Poly Dielectric: IPD)として、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の3つの膜からなる積層構造を持つONO膜が用いられている。
このONO膜中のシリコン窒化膜は、その形成方法に起因して、完全な化学量論的組成を持つものではなく、わずかにシリコン原子が過剰な組成を持つ。このようにシリコン原子が過剰なシリコン窒化膜には、電荷を捕獲する準位が存在しており、従って、不揮発性半導体記憶装置に対して電界を印加した際に、すなわち、不揮発性半導体記憶装置の書き込みの際又は消去の際に、シリコン窒化膜中の準位は、FG電極からの漏えい電荷の一部をトラップ(捕獲)する。また、シリコン窒化膜のバリアハイトはシリコン酸化膜に比べて低いことから、シリコン窒化膜にトラップされた電荷は、シリコン窒化膜のトラップ準位と、そのシリコン窒化膜を挟むように形成されたシリコン酸化膜のバリアハイトとの両方に起因して、ONO膜の外へとデトラップ(リーク、漏洩)することは起きにくい。よって、シリコン窒化膜にトラップされた電荷により、シリコン窒化膜の自己電界が高くなり、それに起因して、FG電極とONO膜からなるIPD膜との界面のバリアハイトが高くなり、IPD膜のリーク電流を低減させることができる。
また、不揮発性半導体記憶装置に対しては、さらなる微細化が求められている。微細化が進むにつれて、不揮発性半導体記憶装置のFG電極中に蓄積される電荷の数が少なくなっていることから、書き込み/消去の際にONO膜のシリコン窒化膜にトラップされた電荷が、電荷保持時にFG電極側へデトラップした場合、そのことが不揮発性半導体記憶装置の電荷保持特性に対して与える影響は、決して小さなものではない。従って、不揮発性半導体記憶装置の微細化により電荷保持特性は劣化する傾向があるため、ONO膜のシリコン窒化膜にトラップされた電荷が、電荷保持時にデトラップすることをより避けることが求められている。
さらに、不揮発性半導体記憶装置に対しては、その微細化が求められると同時に、微細化による半導体記憶素子間の干渉の増加を避けるために、IPD膜としてのONO膜の薄膜化も求められている。しかしながら、ONO膜の薄膜化に従い、リーク電流を増加させてしまうこととなるため、リーク電流を抑制しつつONO膜の薄膜化を行うことは難しい。
特開2009−76635号公報 特開2009−147134号公報 特開2009−170719号公報
本発明は、電荷保持特性の劣化を抑制し、デバイス特性及び信頼性に優れた不揮発性半導体記憶装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形成された電荷蓄積膜と、前記電荷蓄積膜上に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上に形成された制御電極とを備える。この不揮発性半導体記憶装置においては、前記第2の絶縁膜は、第2のシリコン窒化膜と第1のシリコン酸化膜と第1のシリコン窒化膜と第2のシリコン酸化膜と第3のシリコン窒化膜とが、前記電荷蓄積膜上に順次積層した積層構造を有し、前記第2のシリコン窒化膜と前記第1のシリコン酸化膜との間と、前記第1のシリコン酸化膜と前記第1のシリコン窒化膜との間と、前記第1のシリコン窒化膜と前記第2のシリコン酸化膜との間と、前記第2のシリコン酸化膜と前記第3のシリコン窒化膜との間と、のうちの少なくとも1つに、アルミニウム、ボロン、アルカリ土類金属のいずれかの原子を1e12atoms/cm以上1e16atoms/cm以下の濃度で含み、且つ、酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜のいずれかからなる膜をさらに備える。
図1は、第1及び第2の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の平面図である。 図2は、第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の断面図である。 図3は、第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造工程を説明するための図(その1)である。 図4は、第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造工程を説明するための図(その2)である。 図5は、第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造工程を説明するための図(その3)である。 図6は、第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造工程を説明するための図(その4)である。 図7は、第1の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造工程を説明するための図(その5)である。 図8は、本発明の実施形態を説明するための図(その1)である。 図9は、本発明の実施形態を説明するための図(その2)である。 図10は、本発明の実施形態を説明するための図(その3)である。 図11は、第2の実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の断面図である。
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。ただし、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。なお、全図面にわたり共通する部分には、共通する符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、図面は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置とは異なる個所もあるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1及び図2を用いて本実施形態のFGゲート型半導体記憶装置(不揮発性半導体記憶装置)31を説明する。ここでは、半導体記憶装置31におけるIPD膜(第2の絶縁膜)5に適用した場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の半導体装置等やその部位に適用することができる。
図1は、本実施形態における半導体記憶装置31の平面図を示したものである。なお、後で説明する第2の実施形態の半導体記憶装置のメモリセル領域の平面図も図1と同一に表される。
図1に示されるように、本実施形態における半導体記憶装置31は、紙面の上下方向に沿って、複数のビット線41が形成されている。さらに、この複数のビット線41は、紙面の横方向に一定の間隔をおいて配置され、互いに平行である。複数のビット線41と平面的に見て直交するように、複数のワード線(CG電極)42が形成されている。さらに、各ビット線41と各ワード線42とが立体的に交差する複数の部分には、複数のメモリセルトランジスタ43が形成されている。言い換えると、複数のメモリセルトランジスタ43は、半導体記憶装置31のメモリセル領域にマトリックス状に配置されている。
次に、半導体記憶装置31の断面図を用いて、本実施形態にかかる半導体記憶装置31を説明する。図2(a)は、半導体記憶装置31のメモリセル領域における断面図であって、詳細には、図1のA−A´に沿って切った半導体記憶装置31の断面図である。また、図2(b)は、図2(a)中の円で囲まれた領域を拡大したものである。
詳細には、本実施形態の半導体記憶装置31は、図2(a)に示されるように、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された複数のメモリセルトランジスタ43とを有する。メモリセルトランジスタ43は、ゲート絶縁膜(第1の絶縁膜)22とFG電極(電荷蓄積膜)23との積層からなり、半導体基板1に形成された素子分離溝26により、各メモリセルトランジスタ43は隔てられている。この素子分離溝26には、塗布法により形成されたシリコン酸化膜からなる素子分離絶縁膜37が埋め込まれている。そして、メモリセル43の上面と素子分離絶縁膜37の上面とを覆うように、IPD膜(第2の絶縁膜)5が形成され、その上にはCG電極(制御電極)42が形成されている。
さらに詳細には、図2(b)に示されるように、IPD膜5は、シリコン酸化膜51/シリコン窒化膜52/シリコン酸化膜53からなる積層構造(ONO膜)を有し、それぞれの界面に、アルミニウム原子を含む膜61、62を有している。このシリコン酸化膜51、53とアルミニウム原子を含む膜61、62との界面において、アルミニウム原子を含む膜61、62の最表面は、シリコン酸化膜51、53よりも酸素密度の多い状態であることが好ましい。
従って、アルミニウム原子を含む膜61、62の代わりに、適切な処理を行うことにより酸素欠損を形成しにくい他の原子を含む膜を用いることができる。例えば、このような原子としては非遷移金属原子等が挙げられる。さらに好ましくは、ボロン原子や、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属原子を挙げることができる。
なお、本実施形態においては、アルミニウム原子を含む膜61、62を膜として説明しているが、本実施形態のアルミニウム原子を含む膜61、62は、膜の形状であることに限定されるものではなく、膜状のアルミニウム原子を含む膜61、62の代わりに、アルミニウム原子等といった原子が、シリコン酸化膜51/シリコン窒化膜52/シリコン酸化膜53からなる積層構造であるIPD膜5のそれぞれの界面に、存在していれば良い。
また、アルミニウム原子を含む膜61、62は、酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜などいずれの状態であっても良く、これらの混合膜にしても良い。酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜にする場合には、後に説明するような処理を行う。なお、アルミニウム原子を含む膜61、62を金属膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜として形成した場合には、アルミニウム等の原子は酸化されやすいことから、その後の工程において、アルミニウム原子を含む膜61、62の表面が酸化されることがある。以下、アルミニウム原子を含む膜61、62として、アルミニウム酸化膜を用いた場合を例に説明する。
そして、アルミニウム原子を含む膜61、62に含まれるアルミニウム等の原子の濃度は、詳細については後で説明するが、面密度にして1e12atoms/cm以上、1e16atoms/cm以下にすることが好ましい。例えば、アルミニウム原子を含む膜61、62がアルミニウム酸化膜からなり、1e12atoms/cm以上1e16atoms/cm以下のアルミニウム原子の濃度を得ようとする場合、アルミニウム原子を含む膜61、62の膜厚は、0.001nmから1nm程度のものとなる。
次に、図3から図7を用いて本実施形態の半導体記憶装置31の製造方法を説明する。なお、図3から図7は、半導体記憶装置の各製造工程における半導体記憶装置のメモリセル領域における断面図であって、詳細には、図2(a)の半導体記憶装置31の断面に対応する。
まず、半導体基板(p型シリコン基板、もしくはn型シリコン基板上にp型ウェルを形成したもの)1上に、周知の方法を用いて、例えばシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜22をその膜厚が例えば1nmから15nm程度となるように形成し、その上に、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により、例えばポリシリコン膜からなるFG電極23をその膜厚が例えば10nmから50nm程度となるように形成する。そして、その上にCVD法により、例えばシリコン窒化膜からなる第1のマスク材24をその膜厚が例えば50nmから200nm程度の膜厚となるように形成する。さらに、CVD法により、例えばシリコン酸化膜からなる第2のマスク材25を例えば50nmから400nm程度の膜厚になるように形成する。このようにして図3(a)に示されるような構造を得ることができる。
次に、第2のマスク材25上にフォトレジスト(不図示)を塗布し、露光描画によりフォトレジストに対してパターニングを行う。そして、フォトレジストを耐エッチングマスクにして、第2のマスク材25をエッチングすることにより、第2のマスク材25に対してパターニングを行う。さらに、フォトレジストを除去し、パターニングされた第2のマスク材25をマスクとして用いて、第1のマスク材24とFG電極23とゲート絶縁膜22と半導体基板1とをエッチングして、素子分離溝26を形成する。このようにして、図3(b)に示される構造を得ることができる。
そして、塗布法等の周知の方法を用いて、シリコン酸化膜からなる素子分離溝26を、例えば200nmから1500nmの膜厚を有する素子分離絶縁膜37で埋込むことにより、図4(c)に示される構造を得ることができる。
次に、酸素雰囲気もしくは水蒸気雰囲気下で処理を行い、素子分離絶縁膜37の高密度化を行う。次いで、第2のマスク材25を除去した後、化学的機械的研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP)を用いて、シリコン窒化膜からなる第1のマスク材24をストッパーにして、素子分離絶縁膜37の平坦化を行う。次いで、シリコン窒化膜と選択比のあるエッチング条件を用いて、シリコン酸化膜からなる素子分離絶縁膜37の上面をエッチバックし、図4(d)に示される構造を得ることができる。
さらに、減圧化学気相成長(LP−CVD)法を用いて、ジクロロシランと亜酸化窒素(NO)とを800℃程度の温度で反応させて、例えば1nmから10nm程度の膜厚を有するシリコン酸化膜51を形成することにより、図5(e)に示される構造を得ることができる。なお、シリコン酸化膜51の形成方法は、このようなLP-CVD法に限定されるものではなく、様々な周知の方法を用いることができる。
そして、アルミニウム原子を含む膜61(以下の説明においてはアルミニウム酸化膜と呼ぶ)を形成し、図5(f)に示される構造を得ることができる。
アルミニウム酸化膜61の最表面は、シリコン酸化膜51よりも酸素密度の多い状態であるように、アルミニウム酸化膜61を形成する。詳細には、アルミニウム酸化膜61中のアルミニウム原子の濃度が1e12atoms/cmから1e16atoms/cmとなるように形成することが好ましく、これは、先に説明したように、アルミニウム酸化膜61の膜厚としては、0.001nmから1nm程度となる。半導体記憶装置31の微細化に伴い、隣り合うメモリセルトランジスタ43の間の距離を小さくしたい場合には、形成するアルミニウム酸化物61の膜厚はより薄い方が好ましい。アルミニウム酸化物61の膜厚を厚くしてしまうと、メモリセルトランジスタ43の間の電気的な距離が減少してしまうためである。
また、アルミニウム酸化物61の形成方法としては、様々な方法を用いることができ、例えば、減圧した炉内にアルミニウムソースを導入し、真空排気及び不活性ガスによるパージを行い、酸化剤の供給を行い、真空排気及び不活性ガスによるパージを行い、再びアルミニウムソースを導入するといったシーケンスを複数回繰り返し、原子層単位で成膜するALD(Atomic Layer Deposition)法を用いることができる。他には、CVD法、物理的な方法で励起した原子を吸着させる物理気相成長(Physical Vapor Deposition:PVD)法、原子を含む溶液を半導体基板1に塗布するような塗布法、所望の原子を含む溶液中に半導体基板1を浸す浸漬法等を用いることができる。また、アルミニウム酸化物61の形成は、薄い膜を形成することが可能な条件で行うことが好ましく、例えば室温から500℃程度の温度範囲の成膜温度で行うことが好ましい。アルミニウム等の原子の表面吸着反応は、原子の吸着と脱離との競合反応であり、温度が高すぎると原子の脱離が支配的となるため、所望の濃度の原子を吸着させることが困難となる。さらに、アルミニウムソースの分解が起きてしまったり、CVD反応が起きることによって面内での吸着量の均一性が悪化したりするなどの問題が起きることがある。一方、温度が低すぎると、例えば酸化剤のアルミニウムソースへの反応が弱くなるために、アルミニウムソース中の有機基が多く残ってしまい、それによって欠陥等が形成され、最終的には所望の電気特性を有するアルミニウム酸化物61が得られないという問題が起きることがある。従って、所望のアルミニウム酸化物61が得られるように、アルミニウム酸化物61の形成における成膜温度を最適化することが好ましい。
より具体的には、アルミニウム酸化物61の形成は、成膜温度300℃で、トリメチルアルミニウム(TMA)を導入し、例えば、水、酸素、オゾン、亜酸化窒素、又は、物理的な方法で励起したラジカル酸素等を酸化剤として用いて、ALD法により行うことができる。
なお、アルミニウム酸化物61の代わりにアルミニウム窒化膜を形成したい場合には、酸化剤のかわりに窒化剤を炉内に導入すれば良い。窒化剤としては、アンモニア、ヒドラジン、又は、物理的な方法で励起したラジカル窒素等を用いることができる。同様に、アルミニウムホウ化膜を形成したい場合には、ジボランや塩化ボロン等のホウ素化合物をホウ化剤として用いれば良く、アルミニウム硫化膜を形成したい場合には、硫化水素等を硫化剤として用いれば良い。
また、アルミニウム酸化物61の代わりに、金属膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜を形成した場合には、アルミニウム原子は酸化されやすいことから、その後の工程において、その表面は酸化されることとなる。
さらに、アルミニウムソースとしては、TMAのほかに、メチル基以外のアルキル基がアルミニウム元素に結合したその他のアルキルアルミニウムや、アミノ基がアルミニウム元素に結合したアミノ系の原料や、ハロゲン化アルミニウム等を用いることができる。なお、アルミニウム酸化物61の代わりに、アルミニウム原子以外の原子を含む膜を形成する場合には、ソースとして、所望の原子を含む様々な材料を用いることができる。
次に、アルミニウム酸化物61上に、例えば1nmから5nm程度の膜厚を有するシリコン窒化膜52を形成し、図6(g)に示される構造を得ることができる。シリコン窒化膜52の形成方法としては、様々な方法を用いることができ、例えば、後で説明するようなラジカル窒化法を用いることができる。他には、ALD法、LP−CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法といったPVD法、通常の電気炉による熱窒化法等を用いることができる。
シリコン窒化膜52の形成方法の1つとして挙げたラジカル窒化法は、窒化種としてプラズマ等により物理的に励起した窒素を用いるものであり、窒素種により表面を処理することにより、その表面を窒化するものである。この方法によれば、表面の窒化量は処理条件に依存するため、窒化量を任意に調整することが可能であり、また、処理温度の低温化、処理時間の低減等が可能であり、加えて、堆積ではなく表面の窒化であるため、制御性良く薄膜を形成することができる。
より具体的には、窒素ガスを含む雰囲気中で、処理圧力を5Paから30Pa、基板温度を350℃から900℃とする条件の下で、100から3000Wの強度を有するマイクロ波を発生させることにより、窒素ラジカルを発生させることができる。この発生した窒素ラジカルにより、アルミニウム酸化膜61を処理し、その上にシリコン窒化膜52を形成する。詳細には、アルミニウム酸化膜61は非常に薄いものであるため(例えば1原子層程度)、シリコン酸化膜51の一部が露出していることとなる。そのような表面に対してラジカル窒化法を行うと、アルミニウム酸化膜61中のアルミニウム原子がシリコン酸化膜51側に押し込まれつつ、アルミニウム酸化膜61の表面近傍にシリコン窒化膜52が形成されることとなる。従って、ラジカル窒化法を用いた場合には、アルミニウム酸化膜61とシリコン窒化膜52とが混在し、アルミニウム酸化膜61とシリコン窒化膜52との間の界面が明確なものではない場合がある。
そして、アルミニウム酸化膜61と同様に、シリコン窒化膜52上にアルミニウム酸化膜62を形成することにより、図6(h)に示される構造を得ることができる。
次に、シリコン酸化膜51と同様に、アルミニウム酸化膜62上にシリコン酸化膜53を形成することにより、図7(i)に示される構造を得ることができる。なお、この段階で、各膜の高密度化や界面改善のためのデンシファイ(熱処理)や、酸素補償もしくは界面改善のための酸化処理等を実施しても良い。
そして、シリコン酸化膜62上にCG電極42を形成することにより、図7(j)に示される構造を得ることができる。CG電極42に対して、露光描画によりパターニングした後、周知の工程を経ることにより、半導体記憶装置31を得ることができる。
本実施形態によれば、シリコン酸化膜51/シリコン窒化膜52/シリコン酸化膜53からなる積層構造(ONO膜)のIPD膜5において、それぞれの界面に、アルミニウム酸化膜61、62を有することにより、電荷保持特性の劣化を抑制し、デバイス特性及び信頼性に優れた半導体記憶装置31を得ることができる。下記にその詳細を説明する。
先に説明したように、従来、半導体記憶装置においてIPD膜としてONO膜を用いることによって、ONO膜中のシリコン窒化膜に電荷がトラップされることから、IPD膜のリーク電流を低減させていた。しかしながら、半導体記憶装置のさらなる微細化とともに、IPD膜を薄くしていくと、シリコン窒化膜にトラップされた電荷の量が少なくなるとともに、一度トラップされた電荷が、半導体記憶装置の電荷保持時にデトラップしやすくなり、半導体記憶装置の電荷保持特性を劣化させる一因となっていた。
しかしながら、本実施形態の半導体記憶装置31においては、ONO膜からなるIPD膜5中の界面にアルミニウム酸化膜61、62を有することにより、半導体記憶装置31の電荷保持時であっても、ONO膜中のシリコン窒化膜52に電荷をとどめることができることから、シリコン窒化膜52中の電荷がデトラップすることによる電荷保持特性の劣化を抑制することができる。
さらに、半導体記憶装置31の書き込みの際であっても、CG電極42側のアルミニウム酸化膜62の存在により、シリコン窒化膜52中にトラップされた電荷がCG電極42側へとデトラップしにくくなることから、シリコン窒化膜52に電荷をとどめることができる。従って、シリコン窒化膜52中にとどまった電荷の影響により、FG電極23中の電荷がCG電極42側へとデトラップしにくくなることから、容易に電荷がFG電極23にとどまり、容易に書き込みを行うことができる。
一方、半導体記憶装置31の消去の際であっても、FG電極23側のアルミニウム酸化膜61の存在により、シリコン窒化膜52中にトラップされた電荷がFG電極23側へとデトラップしにくくなることから、FG電極23中の電荷のみを消去すればよいこととなるため、容易にFG電極23中の電荷を消去することができる。
すなわち、本実施形態によれば、半導体記憶装置31の書き込み/消去特性をさらに良好なものとすることができる。このように、本実施形態において、電荷のデトラップを防止することができる理由としては、アルミニウム酸化膜61、62を形成することにより、シリコン酸化膜51、53のバリアハイトが変調・増大するためだと推察される。以下にその詳細を説明するが、ここでは、アルミニウム酸化膜61、62を形成する場合を例に説明する。
アルミニウム酸化膜とシリコン酸化膜とを積層した場合、言い換えると、異なる酸化膜を積層した場合、界面での酸素密度が異なっている。そして、その界面における酸素密度の違いを緩和するように、酸素密度が低濃度である側に酸素イオンがシフトする。具体的には、アルミニウム酸化膜とシリコン酸化膜とでは、酸素密度はアルミニウム酸化膜の方が高く、従って、アルミニウム酸化膜とシリコン酸化膜との界面において、アルミニウム酸化膜中の酸素イオンがシリコン酸化膜側にシフトすることとなる。また、アルミニウム酸化膜を薄くした場合には、その中の結合が弱いため、酸素イオンがシフトしやすいと考えられる。このように酸素イオンがシフトした場合、異なる酸化膜による界面に電気双極子(ダイポール)が生成される。さらに、この電気双極子は酸化膜のエネルギーバンド構造を変調させる。詳細には、電荷の注入側となる酸化膜に正の電荷が、電荷の注入側とは反対側に位置する酸化膜に負の電荷が配置されるように電気双極子が生成された場合には、電荷に対する障壁を増大させる側にエネルギーバンドを変調するため、言い換えると、シリコン酸化膜のバリアハイト(電子障壁)がより高くなるように変調するため、電荷のトンネル確率が減少し、電荷のデトラップが減少することとなる。なお、光電子分光法により、半導体基板上にアルミニウム酸化膜を成膜し、その上にシリコン酸化膜を成膜した場合には、半導体基板の上に直接シリコン酸化膜を成膜した場合と比べて、バリアハイトにして0.2eVから0.5eV程度高くなっていることを本発明者らは確認している。
本発明者らは、本実施形態において、アルミニウム酸化膜61、62を形成することにより、電荷(電子)のトンネル確率、言い換えると、リーク電流が減少することを確認するために、シリコン窒化膜上にシリコン酸化膜を形成したサンプル(比較例)と、この界面にアルミニウム酸化膜を形成したサンプル(本実施形態)とを作成し、これらのリーク電流特性がどのように変化するのかを調べた。こうして得たのが、図8に示す、印加電界に対するリーク電流密度の関係を示した図である。
詳細には、図8中の比較例のサンプルは、シリコン基板上にシリコン窒化膜とシリコン酸化膜とを成膜して得たMISキャパシタであり、図8中の本実施形態のサンプルは、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との間に、アルミニウム酸化膜を形成したMISキャパシタである。これらのサンプルの作成条件は、先に説明した本実施形態と同様であり、アルミニウム原子の濃度については1e14atoms/cmとなるようにした。そして、これらのサンプルに対して、電子をシリコン基板側からシリコン酸化膜に注入して得た結果が図8となる。なお、この図8においては、横軸は印加電圧を示し、縦軸はリーク電流密度を示す。この図8から、本実施形態のサンプルにおいては、比較例のサンプルに比べて、リーク電流密度がほぼ全電界領域において減少していることが明らかになった。従って、アルミニウム酸化膜を形成することにより、電荷(電子)のトンネル確率が減少することが明らかになった。
次に、本発明者らは、図8において確認された効果をIPD膜としてのONO膜に適用することにより、ONO膜中の電荷がデトラップしにくくなることを確認するために、ONO膜からなるサンプル(比較例)と、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面にアルミニウム酸化膜を形成したサンプル(本実施形態)とを作成し、これらのリーク電流特性がどのように変化するのかを調べた。こうして得たのが、図9に示す、印加電界に対するリーク電流密度の関係を示した図である。
詳細には、図9中の比較例のサンプルは、ポリシリコン基板上にONO膜を成膜して得たMISキャパシタであり、図9中の本実施形態のサンプルは、電荷(電子注入側と反対側になるシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面に、アルミニウム酸化膜を形成したMISキャパシタである。これらのサンプルの作成条件は、先に説明した本実施形態と同様である。そして、これらのサンプルに対して上部電極から電子を注入した場合における、印加電界に対するリーク電流密度の関係を示した図が図9である。なお、この図9においては、横軸は印加電圧を示し、縦軸はリーク電流密度を示す。
この図9から、本実施形態のサンプルにおいては、比較例のサンプルに比べて、リーク電流密度がほぼ全電界領域において減少していることが明らかになった。言い換えると、電子注入側と反対側になるシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面に、アルミニウム酸化膜を形成することにより、リーク電流が減少していることが明らかになった。この結果は、ONO膜中のシリコン窒化膜にトラップされた電荷が、アルミニウム酸化膜を形成することにより、下部電極側にデトラップすることを抑制していることを示している。
さらに、本発明者らは、アルミニウム酸化膜中のアルミニウム原子の濃度とリーク電流との関係について調べた。こうして得たのが、図10に示す、アルミニウム原子の濃度に対するリーク電流密度の関係を示した図である。詳細には、シリコン基板上のシリコン窒化膜に、所望のアルミニウム原子の濃度を有するアルミニウム酸化膜を形成し、さらにその上にシリコン酸化膜を形成することにより、複数のMISキャパシタであるサンプルを得た。そして、これらのサンプルに対して、シリコン基板側から電子を注入した場合における、アルミニウム原子の濃度とリーク電流密度の関係を示した図が図10である。この図10においては、横軸は、アルミニウム原子の濃度、縦軸はリーク電流密度である。なお、アルミニウム酸化膜を形成していないサンプルを比較例としている(アルミニウム原子の密度がゼロの場合)。
この図10によれば、リーク電流の低減効果は、アルミニウム原子の濃度が1e12cm−2以上であるサンプルから効果が得られており、比較例のサンプルと比べてリーク電流が減少している。一方、アルミニウム原子の濃度が1e16cm−2以上であるサンプルにおいては、リーク電流の増加が見られるようになる。本発明者らの検討によれば、最も良い効果が得られたのは、アルミニウム原子の濃度が1e14cm−2近傍のサンプルであった。リーク電流を低減する効果を得るためには、アルミニウム原子の濃度について最適な値が存在すると推察されることから、本実施形態においては、半導体記憶装置に求められる特性等に応じて、アルミニウム原子の濃度を最適化することが好ましい。
また、本実施形態において、アルミニウム酸化膜61、62の代わりに、金属膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜を形成した場合には、アルミニウム原子は酸化されやすいことから、その後の工程において、その表面は酸化されることとなるため、先に説明したような異なる酸化膜による界面が存在することとなる。従って、その界面に電気双極子が生成され、それによりバリアハイトが高くすることができる。さらに、アルミニウム酸化膜61、62の代わりに、金属膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜を形成した場合には、その種類に依存して下記のような効果も得ることができる。酸化膜を形成した場合には、アルミニウムソースに起因する不純物や、表面に吸着した不純物を、酸化剤によって除去することができるため、良好な酸化膜を形成することができる。また、窒化膜を形成した場合には、界面に酸化膜を非常に薄く形成することができることから、より大きく分極した電気双極子を得ることができ、より高いバリアハイトを得ることができる。さらに、ホウ化膜を形成した場合には、ボロン(ホウ素)原子の酸化物自身が電気双極子の分極に影響を与えるため、より大きく分極した電気双極子を得ることができ、より高いバリアハイトを得ることができる。そして、硫化膜を形成した場合には、より低濃度のアルミニウム原子を含む膜を容易に形成することができる。
さらに、本実施形態において、アルミニウム原子のかわりに、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属原子を用いた場合には、原子番号の小さい原子ほど、酸素保有密度が高くなるため、より大きな電気双極子が生成すると考えられる。従って、アルミニウム原子のかわりに用いられる原子として、より小さな原子番号の原子を用いることが好ましい。また、ボロン原子を用いた場合には、ボロン原子はアルミニウム原子よりも原子量が小さく、酸素密度をより高密度に有するため、より大きな電気双極子を生成すると考えられる。しかしながら、ボロン原子はシリコン酸化膜中に拡散しやすいことから、電気双極子を生成させるためにはボロン原子の拡散を避けることが好ましく、例えば、低温で成膜したり、窒化膜の状態で用いたりすることが好ましい。
このように、本実施形態においては、ONO膜からなるIPD膜の界面にアルミニウム酸化膜を有することにより、電荷保持特性の劣化を抑制することができる。さらに、半導体記憶装置の書き込み/消去特性をさらに良好なものとすることができる。従って、半導体記憶装置のデバイス特性及び信頼性を優れたものとすることができる。
上記の説明においては、図2(b)に示されるように、IPD膜5は、シリコン酸化膜51/シリコン窒化膜52/シリコン酸化膜53からなる積層構造(ONO膜)を有し、2つの界面に、すなわち、シリコン酸化膜51とシリコン窒化膜52との界面と、シリコン窒化膜52とシリコン酸化膜53との界面とのそれぞれに、アルミニウム酸化膜61、62を有しているような構造について説明したが、本実施形態においては、これに限定するものではなく、いずれか一方の界面に、アルミニウム酸化膜を有しているような構造でも良い。例えば、書き込み特性を良好なものとしたい場合には、先に説明したように、CG電極側の界面(シリコン窒化膜52/シリコン酸化膜53の界面)にアルミニウム酸化膜を形成すればよく、消去特性を良好なものとしたい場合には、先に説明したように、FG電極側の界面(シリコン酸化膜51/シリコン窒化膜52の界面)にアルミニウム酸化膜を形成すればよく、両方の特性を良好としたい場合には、CG電極側とFG電極側との2つの界面にアルミニウム酸化膜を形成すればよい。
(第2の実施形態)
本実施形態は、ONO膜の代わりに、NONON膜に適用した点で、第1の実施形態と異なるものである。このNONON膜は、ONO膜をさらにシリコン窒化膜で挟んだものであり、メモリセルトランジスタの特性ばらつきの原因ともなるIPD膜とFG電極との界面におけるバーズビークの発生を避けることができる。
図11を用いて本実施形態のFGゲート型半導体記憶装置(不揮発性半導体記憶装置)31を説明する。ここでは、第1の実施形態と同様に、半導体記憶装置31におけるIPD膜(第2の絶縁膜)5に適用した場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の半導体装置等やその部位に適用することができる。なお、以下の本実施形態の説明において、第1の実施形態と同じ構成および機能を有する部分は、第1の実施形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。なお、図11(a)は、半導体記憶装置31のメモリセル領域における断面図であって、詳細には、図1のA−A´に沿って切った半導体記憶装置31の断面図である。また、図11(b)は、図11(a)中の円で囲まれた領域を拡大したものである。
詳細には、本実施形態の半導体記憶装置は、第1の実施形態と同様に、図11(a)に示されるように、半導体基板1と、半導体基板1上に形成された複数のメモリセルトランジスタ43とを有する。メモリセルトランジスタ43は、ゲート絶縁膜22とFG電極23との積層からなり、半導体基板1に形成された素子分離溝26により、各メモリセルトランジスタ43は隔てられている。この素子分離溝26には、素子分離絶縁膜37が埋め込まれている。そして、メモリセル43の上面と素子分離絶縁膜37の上面とを覆うように、IPD膜5が形成され、その上にはCG電極42が形成されている。
さらに詳細には、図11(b)に示されるように、IPD膜5は、シリコン窒化膜71/シリコン酸化膜72/シリコン窒化膜73/シリコン酸化膜74/シリコン窒化膜75からなる積層構造(NONON膜)を有し、それぞれの界面に、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84を有している。このシリコン酸化膜72、74とアルミニウム原子を含む膜81、82、83、84との界面において、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84の最表面は、シリコン酸化膜72、74よりも酸素密度の多い状態であることが好ましい。
従って、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84の代わりに、第1の実施形態と同様に、適切な処理を行うことにより酸素欠損を形成しにくい他の原子を含む膜を用いることができる。例えば、このような原子としては非遷移金属原子等が挙げられる。さらに好ましくは、ボロン原子や、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属原子を挙げることができる。また、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84は、第1の実施形態と同様に、酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜などいずれの状態であっても良く、これらの混合膜にしても良い。以下、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84として、アルミニウム酸化膜を用いた場合を例に説明する。さらに、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84に含まれるアルミニウム等の原子の濃度は、第1の実施形態と同様に、面密度にして1e12atoms/cm以上、1e16atoms/cm以下にすることが好ましい。
なお、本実施形態においては、アルミニウム原子を含む膜81、82、83、84を膜として説明しているが、本実施形態のアルミニウム原子を含む膜81、82、83、84は、膜の形状であることに限定されるものではなく、第1の実施形態と同様に、膜状のアルミニウム原子を含む膜81、82、83、84の代わりに、アルミニウム原子等といった原子が、シリコン窒化膜71/シリコン酸化膜72/シリコン窒化膜73/シリコン酸化膜74/シリコン窒化膜75からなる積層構造であるIPD膜5のそれぞれの界面に、存在していれば良い。
また、本実施形態の半導体記憶装置の製造方法は、その工程数が第1の実施形態に比べて増加するだけであり、各工程は、第1の実施形態と同様に行われるため、ここでは詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、シリコン窒化膜71/シリコン酸化膜72/シリコン窒化膜73/シリコン酸化膜74/シリコン窒化膜75からなる積層構造(NONON膜)のIPD膜5において、それぞれの界面に、アルミニウム酸化膜81、82、83、84を有することにより、電荷保持特性の劣化を抑制し、デバイス特性及び信頼性に優れた半導体記憶装置31を得ることができる。
詳細には、本実施形態の半導体記憶装置31においては、NONON膜からなるIPD膜5の中央部の2つの界面に、アルミニウム酸化膜82、83を有することにより、半導体記憶装置31の電荷保持時であっても、NONON膜中央のシリコン窒化膜73に電荷をとどめることができることから、シリコン窒化膜73中の電荷がデトラップすることによる電荷保持特性の劣化を抑制することができる。
さらに、半導体記憶装置31の書き込みの際であっても、第1の実施形態と同様に、中央のシリコン窒化膜73とCG電極42側で接するアルミニウム酸化膜83の存在により、シリコン窒化膜73中に電荷をとどめることができる。このシリコン窒化膜73にとどまった電荷の影響と、加えて、FG電極23側のシリコンの窒化膜71とシリコン酸化膜72との界面にあるアルミニウム酸化膜81の存在により、FG電極23中の電荷がCG電極42側へとデトラップしにくくなることから、容易に電荷がFG電極23にとどまり、容易に書き込みを行うことができる。
一方、半導体記憶装置31の消去の際であっても、第1の実施形態と同様に、中央のシリコン窒化膜73とFG電極23側で接するアルミニウム酸化膜82の存在により、シリコン窒化膜73中に電荷をとどめることができる。このシリコン窒化膜73に電荷をとどめることができ、加えて、CG電極42側のシリコン窒化膜75とシリコン酸化膜74との界面にあるアルミニウム酸化膜84の存在により、CG電極42から電荷が注入されることを防ぐことができることから、FG電極23中の電荷のみを消去すればよいこととなるため、容易にFG電極23中の電荷を消去することができる。
すなわち、本実施形態によれば、半導体記憶装置31の書き込み/消去特性をさらに良好なものとすることができる。
上記の説明においては、図11(b)に示されるように、IPD膜5は、シリコン窒化膜71/シリコン酸化膜72/シリコン窒化膜73/シリコン酸化膜74/シリコン窒化膜75からなる積層構造(NONON膜)を有し、4つの界面に、それぞれ、アルミニウム酸化膜81、82、83、84を有しているような構造について説明したが、本実施形態においては、これに限定するものではなく、4つの界面のうちのいずれか1つ、2つ、又は、3つに、アルミニウム酸化膜を有しているような構造でも良い。すなわち、それぞれの界面のアルミニウム酸化膜は、先に説明したように効果が異なるため、所望の半導体記憶装置31の特性に応じて、アルミニウム酸化膜を形成する界面を選択することが好ましい。
これまで説明した第1及び第2の実施形態においては、IPD膜5として、ONO膜又はNONON膜を用いたものを説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、ONO膜のいずれか一方の側にシリコン窒化膜を形成したNONO膜やONON膜のシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面に適用することができる。また、これらの膜のうちのどの界面にアルミニウム酸化膜を形成するかについても、様々に選択することができる。
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 半導体基板
5 IPD膜(第2の絶縁膜)
22 ゲート絶縁膜(第1の絶縁膜)
23 FG電極(電荷蓄積膜)
24 第1のマスク材
25 第2のマスク材
26 素子分離溝
31 FGゲート型半導体記憶装置
(不揮発性半導体記憶装置)
37 素子分離絶縁膜
41 ビット線
42 ワード線(CG電極)
43 メモリセルトランジスタ
51、53、72、74 シリコン酸化膜
52、71、73、75 シリコン窒化膜
61、62、81、82、83、84 アルミニウム酸化膜

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上に形成された電荷蓄積膜と、
    前記電荷蓄積膜上に形成された第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上に形成された制御電極と、
    を備える不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記第2の絶縁膜は、第2のシリコン窒化膜と第1のシリコン酸化膜と第1のシリコン窒化膜と第2のシリコン酸化膜と第3のシリコン窒化膜とが、前記電荷蓄積膜上に順次積層した積層構造を有し、前記第2のシリコン窒化膜と前記第1のシリコン酸化膜との間と、前記第1のシリコン酸化膜と前記第1のシリコン窒化膜との間と、前記第1のシリコン窒化膜と前記第2のシリコン酸化膜との間と、前記第2のシリコン酸化膜と前記第3のシリコン窒化膜との間と、のうちの少なくとも1つに、アルミニウム、ボロン、アルカリ土類金属のいずれかの原子を1e12atoms/cm以上1e16atoms/cm以下の濃度で含み、且つ、酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜のいずれかからなる膜をさらに備える、
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上に形成された電荷蓄積膜と、
    前記電荷蓄積膜上に形成された第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上に形成された制御電極と、
    を備える不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記第2の絶縁膜は、第1のシリコン酸化膜と第1のシリコン窒化膜と第2のシリコン酸化膜とが、前記電荷蓄積膜上に順次積層した積層構造を有し、前記第1のシリコン酸化膜と前記第1のシリコン窒化膜との間、及び/又は、前記第2のシリコン酸化膜と前記第1のシリコン窒化膜との間の界面に、アルミニウム、ボロン、アルカリ土類金属のいずれかの原子が存在する、
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記第2の絶縁膜は、前記積層構造を挟む第2のシリコン窒化膜と第3のシリコン窒化膜とをさらに備え、前記第2のシリコン窒化膜は前記第1のシリコン酸化膜側から、前記第3のシリコン窒化膜は前記第2のシリコン酸化膜側から、前記積層構造を挟んでおり、
    前記第2のシリコン窒化膜と前記第1のシリコン酸化膜との間、及び/又は、前記第2のシリコン酸化膜と前記第3のシリコン窒化膜との間の界面に、アルミニウム、ボロン、アルカリ土類金属のいずれかの原子が存在する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記第2の絶縁膜は、第4のシリコン窒化膜をさらに備え、
    前記第4のシリコン窒化膜は、前記第1のシリコン酸化膜側から、又は、前記第2のシリコン酸化膜側から、前記積層構造と接している、
    ことを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記界面に存在する前記原子は、酸化膜、窒化膜、ホウ化膜、硫化膜のいずれかの膜を形成していることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記界面に存在する前記原子は、1e12atoms/cm以上1e16atoms/cm以下の濃度を有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
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