JP2013197031A - 導光体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い生産性と良好な形状転写性とを両立させることのできる導光体を提供する。
【解決手段】導光体は。表面に形状が施された透明樹脂板からなるとともに主層と表層と裏層との3層から構成され、前記表層と前記裏層との少なくとも一方の表面に稜線を有するパターンが形成されてなり、前記主層を構成する樹脂の軟化点温度と、前記表層を構成する樹脂、及び、前記裏層を構成する樹脂との軟化点温度の差が、それぞれ4℃以上12℃以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイのバックライト等に利用される面光源装置に用いる導光体及びその製造方法に関する。
従来の導光体を用いた面光源装置は、冷陰極管やLED等の光源と、光源に入射端面を近接させて配置する透明体で構成される導光体と、導光体の表面に配置した拡散板やレンズなどの光取り出し構造と、導光体の裏面に設けた反射面とにより構成されている。
この面光源装置では、光源から発した光を、導光体の入射端面より導光体内に取り入れ、導光体の表面と裏面にて反射、伝播することにより、入射端面の反対側へ伝達されている。そして、導光体内で伝播する一部の光を導光体表面もしくは裏面に設けられた粗面やレンズなどにより射出させることで射出した光を照明光としている。
導光体表面もしくは裏面に施す光学形状は、予め用意された金属や樹脂などからなる型を用意して、その形状を転写する工法が一般的に用いられる。具体的には熱と圧力により、プラスチックシートと型を圧着して形状を熱圧転写・剥離する方法や、放射線などの手段で液状の樹脂を重合硬化する作用を利用することで、型の形状が転写された導光体を得る方法などが一般的である。また、その光学形状としては、プリズム形状や、レンズ形状とする場合が多く、それらの形状を正確に実現し、所望の光学特性を得るには、プリズムの頂点などに代表されるエッジ部分が丸くなることなく正確に再現することが重要である。
特許第2925069号公報
導光体は、ディスプレイ装置の中で、他の部材と比べて比較的大きな重量と厚さを占めている部材である。導光体は、光源からの光線をその内部で伝播し、然るべき位置で、所望の方向にその光線を射出させる機能が求められているため、ディスプレイ全体をカバーする面積と、たわみなどが生じない機械的強度が必要であり、その強度に応じた厚みが必要である。
また、画面の全域においてムラ無く観察者へ向けて光線を射出させるために、導光体表面に微細構造を設けて、光線の反射及び屈折を適切にコントロールする方式が一般的であるが、光利用効率の良好な導光体とするには、プリズム形状のようなエッジを有するパターンが必要である。
導光体に表面形状を付与するには、導光体に直接切削加工する手法もあるが、表面に形状を有する型材を、熱により軟化した樹脂を押し当て、冷却し?離することで、表面形状を転写する方法が一般的である。
この形状転写の際に、型に樹脂を充填し樹脂中の応力を緩和してから冷却を行うことで、高い形状転写率を得られることは知られているが、例えば押出法など形状転写と樹脂の冷却固化とを同時に行う方法で形状転写率と生産性とがトレードオフとなってしまう。これは形状転写のために圧力を印加しつつ、冷却を行うためで、溶融状態の樹脂中に残された応力が、冷却に伴って導光体表面形状の変形となって表れ、特に表面形状のエッジ部分の転写性が悪くなるので、問題となる。
本発明の目的は、高い生産性と良好な形状転写性とを両立させることのできる導光体、およびその製造方法を提供することである。
第1の発明は、表面に形状が施された透明樹脂板からなるとともに主層と表層と裏層との3層から構成され、前記表層と前記裏層との少なくとも一方の表面に稜線を有するパターンが形成されてなる導光体であって、前記主層を構成する樹脂の軟化点温度と、前記表層を構成する樹脂、及び、前記裏層を構成する樹脂との軟化点温度の差が、それぞれ4℃以上12℃以下であることを特徴とする導光体である。
第2の発明は、第1の発明の導光体を製造する導光体の製造方法であって、前記主層を構成する樹脂と前記表層を構成する樹脂と前記裏層を構成する樹脂とに対して同時に押出しによる溶融及びシーティングを行う工程と、前記シーティングが行われた樹脂の一方の面又は両面を、表面に転写形状パターンが賦型されたロールで押圧及び冷却する工程と、を少なくとも行うことを特徴とする導光体の製造方法である。
第3の発明は、第1の発明の導光体を製造する導光体の製造方法であって、前記主層を構成する樹脂と前記表層を構成する樹脂と前記裏層を構成する樹脂とに対して同時に押出しによる溶融及びシーティングを行う工程と、前記シーティングが行われた樹脂の一方の面又は両面を、転写形状パターンが賦型された基材と共にロールで押圧及び冷却する工程と、前記稜線を有するパターンが賦型された基材と前記シーティングされた樹脂とを離型する工程と、を少なくとも行うことを特徴とする導光体の製造方法である。
本発明に係る導光体は、一枚板の構造内部に軟化点温度の異なる3つの層、主層、光を射出面となる表層、その裏面側となる裏層により構成される。主層に軟化点温度が高い材料を、表裏の層に軟化点温度が低い材料を配置すると、形状転写プロセス中のシート冷却過程においては、主層が先に軟化点温度に達する。このため、主層の固化に伴う応力は、まだ柔らかい表層樹脂には残留しないため、表面形状の転写への影響を除くことができる。このため、表層あるいは裏層の固化時には主層の応力を受けないため、優れた形状転写性を実現できる。
また、表層あるいは裏層に形状を転写するには、樹脂が柔らかい状態を保ったまま型材を押し付けることが重要だが、軟化点温度が相対的に低く設定されることになるので、その保持時間も長くすることになるので、導光体を構成するために必要不可欠な、エッジを有するパターンの転写性を向上させることが出来る。
本発明における導光体の第1の例の構成を示す概略図 図1の導光体に光線を通したときの状態を示す概略図 本発明における導光体の斜視概略図 本発明における導光体の第1の製造方法を示す図 本発明における導光体の第2の製造方法を示す図 本発明における導光体の第2の例の構成を示す概略図 本発明における導光体の第3の例の構成を示す概略図
以下、本発明による導光体の製法について詳しく説明する。
本発明における導光体は、透明部材からなり、一般的な光学用透明樹脂を用いて構成することが出来る。加工が比較的容易なプラスチック材料、例えば、ポリカーボネイト樹脂、MS(メタクリルスチレン)樹脂などを用いれば耐衝撃性に優れた割れにくい特徴を持たせることが出来る。またアクリル系樹脂やポリスチレン系樹脂を用いれば耐擦性を向上させることが可能となる。
本発明の導光体の主層は、導光体自身の機械的強度を有しつつ、高い透明性を有している事が望ましい。一般的には前述のポリカーボネイトやアクリル系樹脂を選定すると良い。この導光体の表層、あるいは、裏層は、主層を構成する樹脂とMI(メルトインデックス)値が異なる材料を使用すればよく、例えば前出のポリカーボネイトとアクリルなど、異樹脂の組み合わせでもよい。
異樹脂を組み合わせる場合には、比較的容易に効果を得られるが、樹脂の溶融温度や溶融時の粘度などによる加工条件に隔たりがある場合に加工性が著しく低下する場合がある。
この場合には、同じ種類の樹脂で分子量の異なるものや、添加剤を加えたものなどを選定すれば、樹脂の溶融温度や溶融時の粘度などの加工条件が両立しやすいため、シート加工が容易となる。
本発明の導光体の製造方法としては、Tダイによる多層押出法や、インジェクション法、あるいは、押出コーティング法などを用いればよいが、ここでは、生産性に優れたTダイによる多層押出法を用いた場合について説明する。Tダイによる多層押出法は、Tダイを用いて樹脂膜を作り、冷却ロールで樹脂を冷却しながらシーティングを行う方式である。
Tダイによる多層押出法は、異種の樹脂をそれぞれ溶融して吐出させる押出機を、フィードブロックに接続し、フィードブロック内で合流多層化してTダイから多層樹脂膜として吐出させる方式である。
この共押出しを行うには、フローマークの発生を防ぐ事が重要であるが、一般には、各層の樹脂に、溶融時の流動性を示すMI値が近いものを選定し、Tダイ吐出後の流速を揃えればよい。
本発明の実施に際して、MI値の異なる樹脂を使用する場合には、Tダイ内で多層化される樹脂の温度を、各層毎に調整し、フローマークが発生しない吐出条件を決定する。フローマークは、流動性の高い樹脂同士が、それぞれに流速を持って他方と異なる流動性を持つために生じるので、主層を硬く保ち、その表層に粘度の低い層を薄く沿わせるように吐出条件(温度や吐出量)を設定することで、フローマークの無い樹脂膜を得ることが出来る。この際、樹脂シートの厚さが均等となるよう、樹脂の流れにおいて、Tダイのリップボルト、あるいは、Tダイの幅方向の温度分布の調整を行う。
この共押出に用いる樹脂については、溶融時の粘度ばかりでなく、その軟化点温度についても着目し選定を行う。具体的には、表層あるいは裏層に用いる樹脂の軟化点温度より高い軟化点温度を持つ樹脂を主層に用いる。これにより、導光体の冷却を行う際に、表層あるいは裏層が軟らかい状態のまま、主層だけを先に固化させることが出来るので、主層の固化に伴う応力が形状の転写に影響しない状態を実現できる。この様に段階的な固化を行うことで、形状転写面近傍の樹脂が固化する際に生じる応力を減じることができるので、良好な転写率を得ることが出来る。
また、表層を構成する樹脂と主層を構成する樹脂との軟化点温度の差、および、裏層を構成する樹脂と主層を構成する樹脂との軟化点温度の差について、厚さ2mmtの導光体を、ライン速度は0.5m/minから1.5m/minで様々な樹脂の組合せを検討したところ、4℃以上12℃以下の軟化点温度の差があれば、充分な効果が得られ、生産性も良好である事が確認できた。
この形状転写を行う冷却ロールは、鉄芯上に銅メッキを施して、その銅の層を彫刻、たとえばダイヤモンドバイトによる切削加工、砥石による研削加工、選択的に腐食を施すエッチング加工やその他多くの既存のパターンニング技術を用いることができる。この銅メッキ上に、クロムメッキを施すことで、表面硬度の向上による銅層の保護を図ることが可能となる。
このほかにも金属やセラミックをシリンダー表面に溶射、研磨を施して耐久性の高いロールを使用したり、ニッケル表面に形状を刻んだロール等を用いても問題ない。冷却ロールによって充分に冷やされた樹脂シートは、フィルム状であれば巻取り加工、板状であれば断裁加工により製品とすることができる。また、透明クリアな多層樹脂シートを作った上で、切削や熱圧加工などの後加工により形状成形を行っても良い。
このようにして得られた樹脂シートを、適宜断裁し、その切断面を研磨、光入射面とすることで、本発明の導光体を得られる。
次に、本発明について下記に図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は本発明における導光体の一例の概略断面図である。
本発明の導光体は、主層11、表層12、裏層13の3層構成となっている。これら3層の境界面は、平滑かつ平行な面となっている。表層12には光線射出用の形状としてプリズム形状をつけてあり、このパターンによって光の射出方向や明るさをコントロールすることが出来る。裏層13には、光を取り出すための独立パターンが設けられており、このパターン形状に入射する光線の向きを表面側へ向ける役割を有する。
図2は、図1の導光体に光源からの光線を通したときの概略を説明するための図である。光源21から発して導光体の端部に位置する入射面22へ入射した入射光23は、主層11と表層12あるいは裏層13との境界面に当たるたびに屈折と反射を繰り返して、入射側と反対側へと導かれて表層12からの出射光24となる。導光体内での反射は、主層11との屈折率差で生じるため、屈折率差が無いと見なせるほど小さい事が望ましい。同種の材料でグレードの違い、例えば同じアクリルなどで品種・グレードが違う場合などが想定されるが、屈折率の差が0.001以下であれば、境界面に対してごく浅い入射光となる場合を除き、境界面での屈折・反射は事実上無視できるため、この範囲に入るよう選定すればよい。
図3は本発明における導光体33の斜視概略図である。導光体33の端部に位置する入射面32に光源31が対峙して配置されている。導光体33を、図1で示した断面形状が連続するように構成することで、光源31として、CCFLなどの線状光源や、LEDなどの点状光源、あるいは、点状光源を並べて配置することなど、様々な配置に対応が可能となる。
図4は本発明における導光体の製造方法を説明するための図である。
光学形状を有するフィルムからなる表層もしくは裏層を構成する樹脂47と、保護フィルムからなる主層を構成する樹脂46とは、まず樹脂ペレットの状態からそれぞれ別の押出機41にて溶融され、Tダイ42へ供給された後にシーティングが行われて作製される。表層もしくは裏層を構成する樹脂47の各押出機41では、表層もしくは裏層を構成する樹脂の樹脂ペレット48aもしくは48cが投入されてスクリュー49により溶融が行われる。主層を構成する樹脂46の押出機41では、主層を構成する樹脂の樹脂ペレット48bが投入されてスクリュー49により溶融が行われる。Tダイ42の上流部分に設けられるフィードブロック(図示せず)などで合流、多層化を行っても良いし、Tダイ42内部で合流多層化させるなど、これまでに実用化されている一般の多層化技術を使用すればよい。
Tダイ42から吐出される樹脂は、押出機41の回転数、温度条件などを調整し、適切な層比、厚みをコントロールできる。
引取り機に到達した溶融樹脂を、2つの表層もしくは裏層を構成する樹脂47の間に主層を構成する樹脂46が位置するようにして、冷却ロール43と冷却ロール44との間で挟み込み、冷却ロール44に密着するようにロール温度、トルク、挟圧を調整する。この際に、冷却ロールで挟み込む力をコントロールすることで、厚みの調整を行うこともあるが、この際には、樹脂が外力で変形可能な温度に保たれていることが必要である。
更には、冷却ロール43と冷却ロール44とで挟みこむ際に、それらの表面に稜線などの転写形状を彫刻したロールを使用することで、表層および裏層に形状の転写を行うことができる。また、形状転写のために、表面に形状の施されたシートを挟み込む事でも同様に表層もしくは裏層に形状の転写を施す事が可能である。
冷却ロール44と冷却ロール45とで除熱を行い、冷却ロールの温度差や、張力等を利用してシートの反りを矯正しながらシーティングを行い、更に下流部分で巻き取り、もしくは断裁を行うことで、保護フィルム一体型の導光体が得られる。このように、転写形状パターンが賦型されたロールで押圧及び冷却する対象を、シーティングが行われている樹脂の一方の面又は両面とすることができる。
この製造過程においては、樹脂シートに形状を転写するために、樹脂温度を高温とすることが望ましい。アクリル樹脂の場合には、245℃まで加熱すると転写性が良好となり、吐出量約100Kg/hにて吐出することで、有効幅500mmの導光体を得ることができる。
各層への樹脂吐出量の比率は、フローマークや形状転写に影響の無い樹脂温度が維持できて、フローマークが生じないように設定するが、主層に粘度の高い樹脂を選定し、表層あるいは裏層側を樹脂粘度の低い樹脂として、フローマークが消える温度条件にて吐出することでシートを作ることが出来る。
図5は本発明における導光体の製造方法を説明するための図である。図4の場合と同様に、樹脂を溶融してTダイより吐出した樹脂を冷却ロールにて冷却するが、この際に、表面に形状を有した転写シート5A・5Bを挟み込み、その形状を樹脂に転写した後、剥離による離形を行う方式である。図4と同様の押出機51、樹脂ペレット58a・58b・58c、スクリュー59、および、冷却ロール53・54・55を用い、主層を構成する樹脂56と、2つの、表層もしくは裏層を構成する樹脂57とを溶融および冷却する。例えば、転写シート5Aは表層を構成する樹脂57と冷却ローラ54との間に挟み込まれ、転写シート5Bは裏層を構成する樹脂57と冷却ローラ53・55との間に挟み込まれる。この場合、溶融状態の樹脂が型材としての転写シートにより保持されるので、樹脂が軟らかい状態でも搬送が可能であり、急な冷却を行わずとも良いというメリットがある。一方で、転写シートに収縮を伴う場合には、押出した樹脂にその影響が及ぶが、樹脂層が維持されている間はその収縮に伴う応力は軟らかい樹脂にて相殺することができる。転写シート5A・5Bのように稜線などの転写形状パターンが賦型された基材と共にロールで押圧及び冷却する対象を、シーティングが行われている樹脂の一方の面又は両面とすることができる。
図6は、本発明における導光体の他の一例を示した概略図であり、主層61の表裏に同等の形状を設けた表層62と裏層63とが設けられた場合の構成を示している。本発明においては、形状転写を自在に行う事が出来るので、導光体の使用目的に応じて、例えば、光源のレイアウトや、必要とされる正面輝度、照射範囲、などの光学諸条件に応じて、両面とも複雑な形状を設けることが可能である。
図7は、本発明における導光体のさらに他の一例を示した概略図である。主層71、表層72、および、裏層73の3層構成のシート成形を行いつつ、形状転写を表層72側の片面のみに施すことによって、片面成形シートの場合においても、3層構成とした利点、すなわち、導光体の加温に伴う変形を抑えることができるというメリットを享受することが可能となる。
ここでは、アクリル樹脂を選定する場合として、例えば三菱レイヨンアクリペットVH、及びTF9を選定した。双方の、軟化点温度は107℃と100℃であり、軟化点温度差は7℃となる組み合わせである。
このVHを主層、TF9を表層及び裏層として、層比2:6:2の多層押出とした上で、直径300mmの冷却ロールでライン速度0.71m/min、2番ロールにて230℃の樹脂を115℃まで冷却する押出ラインにて、幅500mm厚さ2mmの成形品を試作したところ、本発明の構成では、溶融状態の表層あるいは裏層の形状転写性を向上できることから、稜線を含んだ表面形状に対して良好な形状転写率を得ることが出来た。例えば、90°の頂角を持つプリズム形状を転写する場合には、単層構成など従来の構成では、その形状の概ね60%前後までしか樹脂が達せず、不完全な形状転写となるが、本発明の構成では、その形状の100%まで樹脂が達し、完全な形状転写を実現できた。また、主層は同じくVHのまま、表層および裏層に、三菱レイヨン製アクリル樹脂のTF8を用いた場合には、TF8の軟化点温度は101℃と1℃上がり、温度差は6℃となるが、前出のTF9と同じく、良好な結果が得られた。
ここで上記の加工例の形状転写方式について説明する。
樹脂の冷却に3本ロール方式の引取り機を使用しているので、冷却ロール(3)、(4)を、形状を彫刻した金型とすることで、形状の転写を行う事ができる。形状の転写については、形状を設けた転写フィルムを、冷却ロールで溶融した樹脂を押圧すると同時に挟み込むことで行い、冷却後に転写フィルムを引剥す方式を用いても良い。前記転写フィルムは、PETフィルム上に設けたUV硬化性樹脂層に形状を設けたものを用いると良好な形状転写が可能である。
このように得られたシートを、所望の形状に断裁することで導光体を得ることができる。断裁には、薄手の場合にはスリッターが使用できるが、厚手の場合は丸鋸やランニングソー、レーザー断裁など、適宜選定し使用すればよい。
本発明の導光体の生産直後の荷姿はロール状もしくは断裁された板状の形状で得られるが、ディスプレイの筐体に組付けるためにトリミング加工を施す必要がある。その加工は、エンドミルなどで外形を切削加工したり、トムソン刃により一括打ち抜きを行ったりするのが一般的だが、出入りの多い複雑な形状への対応に限界があることから、高出力レーザーを用いて断裁を行う場合が多くなっている。レーザー加工機としては、例えば三菱電機社製、MELLASER ML2012LB−5036D(2KWクラス)などを用いればよい。
3層を構成する樹脂の選定を行う際には、表層あるいは裏層への形状転写性が最重要である。形状を転写する場合にはMI値が5.5〜20の範囲(例えば三菱レイヨン製アクリル樹脂であれば、VH5,TF8,TF9などが該当する。)であれば、そのライン速度(型を押当てる時間)と樹脂に加える圧力のバランスが取れることから、プリズム形状の様なエッジを有するパターンの形状転写が可能となる。主層の樹脂がシートの機械的強度をほぼ決定するので、比較的低MI値の樹脂を選定すると良い。具体的にはMI値が0.8〜6の樹脂(例えば三菱レイヨン製アクリル樹脂であれば、VH4,VH5,MDなどが該当する。)であれば、良好な機械的強度を得ることが出来る。
本発明の導光体は、例えば、TVをはじめとする各種ディスプレイ装置の他、照明機材、デジタルサイネージなど各種装置の輝度向上や視野角改善に用いられる。
11・・・ 主層
12・・・ 表層
13・・・ 裏層
21・・・ 光源
22・・・ 入射面
23・・・ 入射光
24・・・ 射出光
31・・・ 光源
32・・・ 入射面
33・・・ 導光体
41・・・ 押出機
42・・・ Tダイ
43・・・ 冷却ロール
44・・・ 冷却ロール
45・・・ 冷却ロール
46・・・ 主層を構成する樹脂
47・・・ 表層もしくは裏層を構成する樹脂
48a・・・ 樹脂ペレット
48b・・・ 樹脂ペレット
48c・・・ 樹脂ペレット
49・・・ スクリュー
51・・・ 押出機
52・・・ Tダイ
53・・・ 冷却ロール
54・・・ 冷却ロール
55・・・ 冷却ロール
56・・・ 主層を構成する樹脂
57・・・ 表層もしくは裏層を構成する樹脂
58a・・・ 樹脂ペレット
58b・・・ 樹脂ペレット
58c・・・ 樹脂ペレット
59・・・ スクリュー
5A・・・ 転写フィルム
5B・・・ 転写フィルム
61・・・ 主層
62・・・ 表層
63・・・ 裏層
71・・・ 主層
72・・・ 表層
73・・・ 裏層

Claims (3)

  1. 表面に形状が施された透明樹脂板からなるとともに主層と表層と裏層との3層から構成され、前記表層と前記裏層との少なくとも一方の表面に稜線を有するパターンが形成されてなる導光体であって、
    前記主層を構成する樹脂の軟化点温度と、前記表層を構成する樹脂、及び、前記裏層を構成する樹脂との軟化点温度の差が、それぞれ4℃以上12℃以下であることを特徴とする導光体。
  2. 請求項1に記載の導光体を製造する導光体の製造方法であって、
    前記主層を構成する樹脂と前記表層を構成する樹脂と前記裏層を構成する樹脂とを同時に押出しにより溶融する工程と、
    押出しにより溶融した樹脂にシーティングを行い、前記シーティングが行われている樹脂の一方の面又は両面を、表面に転写形状パターンが賦型されたロールで押圧及び冷却する工程と、
    を少なくとも行うことを特徴とする導光体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の導光体を製造する導光体の製造方法であって、
    前記主層を構成する樹脂と前記表層を構成する樹脂と前記裏層を構成する樹脂とを同時に押出しにより溶融する工程と、
    押出しにより溶融した樹脂にシーティングを行い、前記シーティングが行われている樹脂の一方の面又は両面を、転写形状パターンが賦型された基材と共にロールで押圧及び冷却する工程と、
    前記稜線を有するパターンが賦型された基材と前記シーティングされた樹脂とを離型する工程と、
    を少なくとも行うことを特徴とする導光体の製造方法。
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