JP2013193210A - ポリブチレンテレフタレート積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】滲出や脱落による内容物へのコンタミがなく、ネックインやドローダウンを抑制し、積層工程の高速化が可能な手段を提供する。
【解決手段】上記課題は、紙基材上に、PBT樹脂100重量部に対して、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ有機化合物0.1〜0.7重量部が配合されている樹脂組成物が5〜40μmの厚みで溶融積層されている積層体によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレートを主成分とする樹脂組成物を紙基材上に溶融押出ラミネートすることにより得られる積層体に関するものである。
紙容器は食品の直接容器として、多種多様に亘って常用されている。これらの紙容器の内面には、耐水性の付与やヒートシールによる製函ができるようにポリオレフィン樹脂層、とりわけポリエチレン樹脂層を配した積層体が多用されている。
しかしながら、ポリオレフィン樹脂は、食品中に含まれる芳香性の高い成分や脂溶性の成分を吸着、収着し易く、味や香りの一部が失われるという性質があるため、保香性が必要な食品容器には用いることはできなかった。さらにポリオレフィン樹脂は、融点が最も高いポリプロピレン樹脂においても160℃近傍であり、これを越える高温域での使用(たとえば200℃前後のオーブン加熱)はできなかった。
保香性、耐熱性および耐油性に優れ、且つ廉価な材料の1つとしてポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと記す。)樹脂が挙げられ、内面にPBT樹脂が積層された紙容器も上市されている。
例えば、特許文献1には、ブチレンテレフタレート繰返し単位が70モル%以上のPBT樹脂に、最大5重量%の離型剤(パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、高級脂肪酸エステル、または高級脂肪酸金属塩からなる群から選ばれる)を配合したPBT樹脂組成物を紙の少なくとも一方の面にラミネートしたPBTラミネート紙が開示されている。
また、特許文献2には、ブチレンテレフタレート繰返し単位が70モル%以上のPBT樹脂に最大20重量%の層状ケイ酸を配合したPBT樹脂組成物を紙の少なくとも一方の面にラミネートしたPBTラミネート紙が開示されている。
特開2007−15160号公報 特開2007−15170号公報
しかし溶融状態になると著しく粘度が低下する性状をもつPBT樹脂を紙基材と溶融積層する場合、下記の問題点があった。
(1)ネックインやドローダウンと呼ばれる製品フィルム幅がダイ出口幅より狭くなる現象が生じ、採取製品収率が低下していた。
(2)また商業生産を考えた場合、積層工程の高速化が必要となるが、高速化は前述のネックインやドローダウンがより顕著となるため、低速で加工せざるを得なかった。
これらの点に関し、特許文献1の発明は離型性の問題を解決するものであって、ネックインの問題を解決するものであり、さらに、離型剤は有機遊離物として積層体内に存在し、滲出により内容物の風味低下が懸念される。
一方、特許文献2の発明は、ネックインの問題の解決も意図したものであるが、ケイ酸塩が脱落して、内容物に異物として混入することが懸念される。
本発明の目的は、これらの問題を解決して、滲出や脱落による内容物へのコンタミがなく、ネックインやドローダウンを抑制し、積層工程の高速化が可能な手段を提供することにある。
本発明者らは、これらの問題を解決するべく鋭意検討の結果、PBTが溶融押出しの際、粘度が低いことに着目した。そして、これが溶融押出の際にPBTの分解反応が起こっていることに起因しているのではないかと考え、少量の、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ有機化合物を加えてPBT分子間を結合させることを考えた。その結果、PBT樹脂の溶融押出の際のドローダウンやネックインを大幅に改善できることを見出し、この知見に基いて本発明を完成することができた。
すなわち、本発明は、紙基材上に、PBT樹脂100重量部に対して、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ有機化合物0.1〜0.7重量部が配合されている樹脂組成物が5〜40μmの厚みで溶融積層されている積層体に関するものである。
本発明により、PBTを主成分とする樹脂組成物を紙基材上に溶融押出ラミネートする際のネックインやドローダウンの問題を大幅に改善することができ、それによって、溶融押出ラミネートを高速化できるとともに、ネックインやドローダウンによって生じる両端部の耳高部分を減少させて採取製品収率を向上させることができる。スリットした耳高部分もPBTの加水分解による低粘度化の問題がなく、溶融押出ラミネート工程で製品採りまでに垂れ流した樹脂魂の低粘度化の問題も無いので、従来のようにこれらを廃棄せず再利用することができる。こうして得られるPBTを主成分とする樹脂組成物でラミネートされた紙基材は、保香性、耐熱性、対油性、外部断熱性に優れている。そして、このラミネートされた紙基材を用いて形成した紙容器は、容器骨格を形成する紙基材が400℃以上の耐熱性を有し、ラミネートされた樹脂組成物も200℃以上の耐熱性と耐油性を有するため、例えば、食品容器に用いた場合に調理等を兼ねた加熱処理を行うことができ、紙容器のままで揚げ物調理や焦げ目をつける調理を行うことも可能である。
発明の積層体を用いて形成した紙容器の一例を示す図である。
基材に用いられる紙は、紙容器の種類等に応じて任意のものを選択できるが、典型的には、クラフト紙、晒クラフト紙、カップ原紙等の白板紙で、坪量が20〜400g/mのものが用いられる。
この紙基材の少なくとも一面にポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を主成分とする樹脂組成物層を設ける。ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを縮合反応させて得られるものであるが、本発明の機能を損なわない範囲で第三成分を含む共重合体であってもよい。この第三成分には、アジピン酸、イソフタル酸等のジカルボン酸、ネオペンチルグリコール等のジオール化合物などが含まれる。PBT樹脂には固有粘度が0.55〜0.90dl/g、好ましくは、0.65〜0.88dl/gのものを用いる。
この固有粘度はフェノール:テトラクロロエタンが容積比で1:1の混合溶媒を用い、JISK7367−5に従って測定したものである。PBT樹脂の固有粘度が0.55dl/g未満になると、基材上へ溶融積層する際に、ドローダウンやネックインと呼ばれる膜の拡がりが不十分となり、一方、0.90dl/gを越えると、PBT樹脂の粘度が著しく増加して積層厚みが不必要に厚くなるとともに、柔軟性や屈曲性が乏しくなるので好ましくない。
樹脂組成物層は、PBT樹脂100重量部に対し1分子内に2個以上のエポキシ基を持つ有機化合物を0.1〜0.7重量部、特に0.4〜0.6重量部を配合することが好ましい。この化合物を配合することによって、PBT樹脂の溶融粘度と溶融張力を適正に保ち、積層時のドローダウンやネックインを抑制する効果がある。0.1重量部未満であると、この効果の発現が期待できず好ましくない。一方、0.7重量部を越えると、PBT樹脂の溶融粘度が過剰に増大して積層厚みを薄くすることができず、柔軟性や屈曲性が乏しくなるので好ましくない。
2個以上のエポキシ基を持つ有機化合物の例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられるが、多官能エポキシ基を有する有機化合物であれば特に限定されない。
樹脂組成物を溶融押出するためのPBT樹脂とエポキシ基含有機化合物の混合は、直接的に行ってもよいが、形成される溶融層の組成均一性を高めるために、予めPBT樹脂に該有機化合物を一定且つ高濃度で溶融混練したマスターバッチを作製して、溶融押出積層時に主成分PBTに混合することが更に好ましい。マスターバッチの作製は、PBT樹脂65〜80重量%とエポキシ基をもつ有機化合物20〜35重量%を10〜100sec―1の高剪断速度の下に、PBT融点(228℃前後)+10℃未満の温度で均一に溶融混練することが好ましい。
有機化合物濃度が20重量%未満では、溶融押出時のマスターバッチ比率が大きくなり、このマスター作製に係るコストが過剰に上乗せとなるため好ましくない。一方、有機化合物濃度が35重量%を越えると、溶融押出時のマスターバッチ比率が少なくなり、樹脂組成物層の均一性が低下するため好ましくない。
マスターバッチ作製時の混練温度がPBT樹脂融点より10℃を越えると、両者(PBTと有機化合物)の反応性が著しく高まり、溶融押出時に必要な増粘性が失活し所望の効果を得ることができず好ましくない。一方、PBT融点未満では溶融混練ができない。
この樹脂組成物には、その性質を損わない範囲で第三成分を含有させることができる。その例としてはPEN、PET等の他のポリエステル、ポリオレフィンなどの樹脂成分や、ステアリン酸カルシウムやオレイン酸アミド等の滑剤、炭酸カルシウムやタルク等の充填材を挙げることができる。
該樹脂組成物層の厚みは、5μm以上40μm未満であることが好ましく、より好ましくは12〜20μmである。5μm未満であると膜に欠陥性を生じやすくなり、一方40μm以上になると柔軟性や屈曲性が悪くなり、後工程のハンドリングに支障を生じ、欠陥製品も生じやすくなるとともに、不必要に製造原価の上昇原因となるため好ましくない。
樹脂組成物が溶融積層される紙基材の表面あるいは印刷面にはラミネートアンカー剤を予め塗布しておくことが好ましい。使用するラミネートアンカー剤としては、ポリイミン系のものが好ましい。ポリイミンの分子鎖末端に存在する第二級アミンが、溶融したPBT樹脂の分子鎖末端に存在する水酸基やカルボキシル基と共有結合するため、紙基材との積層接着強度が強化される。樹脂組成物Aにエポキシ基を持つ有機化合物が配合されており、該エポキシ基が未反応のまま存在している場合は、第二級アミンがエポキシ基との共有結合により積層接着強度はさらに強化される。最も好ましいポリイミンとしてポリエチレンイミンが挙げられる。これを主成分とするラミネートアンカー剤が市販されている。
PBT樹脂は、加水分解しやすいので、樹脂組成物を溶融積層する際に予備乾燥してから他成分との混合を行い、押出ラミネート加工用の押出機に投入して溶融押出する。予備乾燥は含水率が50ppm程度以下になるようにするのがよい。溶融押出温度は広範囲で、230〜340℃程度が通常であり、270〜300℃程度が好ましい。230℃未満ではPBT樹脂の融点以下となって溶融押出ができず、一方、340℃を越えるとPBT樹脂の熱劣化や著しい溶融粘度低下が起こるので好ましくない。
押出機のTダイスから溶融押出しされた樹脂組成物は紙基材上に積層される。この工程においてTダイスから基材表面までのエアーギャップはなるべく短くし、積層後のニップロールは冷却ロールであることが好ましい。PBT樹脂の結晶化速度は速いので、可能な限り急冷することが好ましい。これにより、PBT樹脂の結晶化度を遅くして、柔軟性および屈曲性を良好に保つことができる。PBT層の結晶化度を33%未満、好ましくは31%未満、より好ましくは30%未満にすることができる。最低は特に制限されず、0%であってもよい。
本明細書における結晶化度とは、示差走査熱量計(DSC)分析において検出される融解エンタルピーΔH、結晶化エンタルピーΔHCLから式(a)でχとして求められる値である。
χ=100×(ΔH−ΔHCL)/145.5 …(a)
尚、PBT結晶の平衡融解熱(ΔH)は145.5J/gである。
本発明の樹脂組成物は、溶融押出工程でのネックイン抑制性に優れるが、ネックイン率はゼロではない。製造時の両端部ロスを最小限とするため、Tダイスの内部にディッケルを設け(インナーディッケル)、ネックイン幅に相当する吐出を制限し、溶融樹脂成分の端部ロスを最小限として積層することも有用である。
溶融押出による積層工程では、積層前に押出条件を整えるために、Tダイスから樹脂組成物を垂れ流しを行い塊状の工程ロスが生じる。本発明では該塊状のロス材料を回収・粉砕し、樹脂組成物の65〜80重量%に対して、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ前記の有機化合物20〜35重量%部を再配合して高剪断下にて、PBT融点(228℃前後)+10℃未満の温度で均一に溶融混練したマスターバッチとして再生利用できる。
同様に積層物から正製品を採取するために、両端部をスリットして除外するときにも樹脂組成物のロスが生じる。積層品端部から除外したロス、前記の塊状ロスである樹脂組成物を回収・粉砕したもの100重量部に対して、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ前記の有機化合物0.1〜0.7重量部を配合し、多層式の溶融押出機を用いて、紙基材積層面に該再生樹脂組成物、他面に本発明で述べたバージン原料からなる樹脂組成物が積層されてもよい。
本発明の積層体を用いた紙容器の用途は特に限定されないが、食品容器として好ましく用いることができる。箱形の容器の例を図1に示す。同図において右側面はフラッグ部分に糊付して貼合している。
その場合、PBTを主成分とする樹脂組成物層のある面を内面として所望する紙容器のブランクに打ち抜き、カートン、カップ類等のそれぞれ専用の製函機で製函する。
紙容器が耐熱性を必要としない用途であれば、製函した紙容器をそのまま使用できる。容器内面が保香性に優れるPBT樹脂で形成されているので多種多様の食品を収容することができる。
耐熱性を必要とする用途では、予め加熱して結晶化度を高めておいてもよく、加熱調理時の熱で結晶化が促進され耐熱性が高まるのを利用してもよい。例えば、食品が収容された容器をオーブン加熱調理時に、130〜200℃で30分以上加熱すると、PBT樹脂の結晶化度が高まって200℃以上の耐熱性が発現する。結晶化度(χ)は38%以上とすることができる。上限は特に制限されないが実用的に70%程度までである。
天面が開口形態の紙容器の封緘(ヒートシール)は、ヒートシール性を有するPET層等を内面に配したアルミ箔ラミネートフィルム等を天面に置き、カップであればフランジ部分のリング状の熱シール板で押さえ、230〜240℃程度でヒートシールする。PBTとヒートシールできオーブン加熱に耐えられる材料はPET、PET共重合体などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いた積層体は、溶融押出時のネックインが著しく解消されるため、積層工程速度を最高200m/分まで高めることが可能となる。
本発明について実施例を挙げて更に具体的に説明する。
<検体の作製>
PBT樹脂「500FP」(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度=0.875dl/g)100重量部とエポキシ化大豆油「O−130P」(旭電化(株)製)0.5重量部を撹拌混合した樹脂組成物を、日立造船(株)製の単軸押出機「HMT100」(L/D=32、Tダイス幅=1600mm)に投入し、押出温度=280℃で溶融混練させながら、70g/mの晒クラフト紙の上に樹脂組成物層の厚みが20μmになるように溶融積層した後、速やかに25℃に調温した冷却ロールで挟持しながら急冷して積層体を得た。この積層体の樹脂組成物層の結晶化度は28.9%であった。
PBT樹脂「500FP」(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度=0.875dl/g)70重量%とエポキシ化大豆油「O−130P」(旭電化(株)製)30重量%を撹拌混合した樹脂組成物を、直径=40mm、L/D=32のスクリューを備えた同方向回転の二軸押出機を用いて押出温度235℃、剪断速度=21sec―1なる条件で溶融混練して「マスターバッチV」を造粒作製した。
PBT樹脂「500FP」(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度=0.875dl/g)100重量部と前記「マスターバッチV」1.7重量部を撹拌混合した樹脂組成物を、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤(日本触媒製「エポミン」)を予め紙基材上に0.1g/m(乾燥後の固形分換算量)で塗布した以外は、実施例1と同様の操作を経て積層体を得た。この積層体の樹脂組成物層の結晶化度は30.8%であった。
実施例1検体を作製する際の条件出しに垂れ流した塊状ロス70重量%とエポキシ化大豆油「O−130P」(旭電化(株)製)30重量%を撹拌混合した樹脂組成物を、直径=40mm、L/D=32のスクリューを備えた同方向回転の二軸押出機を用いて押出温度235℃、剪断速度=21sec―1なる条件で溶融混練して「マスターバッチR」を造粒作製した。
PBT樹脂「500FP」(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度=0.875dl/g)100重量部と前記「マスターバッチR」1.7重量部を撹拌混合した樹脂組成物を、ポリエチレンイミン系アンカーコート剤(日本触媒製「エポミン」)を予め紙基材上に0.1g/m(乾燥後の固形分換算量)で塗布した以外は、実施例1と同様の操作を経て積層体を得た。この積層体の樹脂組成物層の結晶化度は29.3%であった。
(比較例1)
PBT樹脂「500FP」(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度=0.875dl/g)を、日立造船(株)製の単軸押出機「HMT100」(L/D=32、Tダイス幅=1600mm)に投入し、押出温度=280℃で溶融混練させながら、70g/mの晒クラフト紙の上に樹脂組成物層の厚みが20μmになるように溶融積層した後、速やかに25℃に調温した冷却ロールで挟持しながら急冷して積層体を得た。この積層体の樹脂組成物層の結晶化度は23.7%であった。
(比較例2)
PBT樹脂「500FP」(ポリプラスチックス(株)製、固有粘度=0.875dl/g)100重量部とエポキシ化大豆油「O−130P」(旭電化(株)製)1.0重量部を撹拌混合した樹脂組成物を、日立造船(株)製の単軸押出機「HMT100」(L/D=32、Tダイス幅=1600mm)に投入し、押出温度=280℃で溶融混練させながら、70g/mの晒クラフト紙の上に樹脂組成物層の厚みが20μmになるように溶融積層した後、速やかに25℃に調温した冷却ロールで挟持しながら急冷して積層体を得た。この積層体の樹脂組成物層の結晶化度は36.9%であった。
(比較例3)
70g/mの晒クラフト紙の上に低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製「ノバテックLC604」を押出温度=330℃とした以外は、実施例1と同様の操作を経て、厚み20μmの積層体を得た。
<ネックイン指標としてのトリミングロス量の評価>
積層厚み20±4(μm)の範囲内にある積層体を製品幅1000mmで採取できるよう、インナーディッケルを用いてTダイス吐出幅をX0(m)に制限する。このとき紙基材に溶融積層された1m相当分の吐出樹脂量W0(g)を、
0=20×X0×1×1.31(PBT密度)と近似する。
製品幅1×1(m)の積層樹脂量W1(g)は、
1=20×1×1×1.31=26.2(g)となる。
したがってトリミングロス量をW0−W1(g/m)で表わすこととした。
但し前述の比較例3は、
0=20×X0×1×0.92(LDPE密度)と近似し、
1=20×1×1×0.92=18.4(g)としてトリミングロス量を計算した。
<芳香成分の吸着耐性評価>
実施例および比較例で得られた検体を100×100mmに裁断した試験片の積層面に市販インスタントコーヒー20gを散布し、60℃に調整したオーブン内に24時間静置する。これを取出し、コーヒー粉末を除去して常温に冷却した後、試験片に残る臭気を官能評価した。
判定基準は、下記3段階とした。
S…何もにおわない
A…かすかなにおいがある
B…かなり強くにおう
<耐熱性の評価>
実施例1,2,3および比較例1,2で得られた検体を100×100mmに裁断した試験片の積層面に水でペースト状に溶いた小麦粉を塗り、200℃に調温した家電用ホットプレート上で5分間加熱した。加熱後は小麦粉ペーストへの焦げ目の有無を確認するとともに、試験片の積層樹脂を剥離洗浄し、DSCにより結晶化度を測定した。
結果一覧を表1に記す。
Figure 2013193210
本発明は、ポリブチレンテレフタレートを主成分とする樹脂組成物を紙基材に効率よく積層することができ、この積層体は、保香性、耐熱性、耐油性等に優れているので、各種容器、特に食品容器でそのまま加熱調理もできる容器に広く利用できる。

Claims (9)

  1. 紙基材上に、PBT樹脂100重量部に対して、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ有機化合物0.1〜0.7重量部が配合されている樹脂組成物が5〜40μmの厚みで溶融積層されている積層体。
  2. PBT樹脂の、フェノール:テトラクロロエタン=1:1混合溶媒における固有粘度が0.55〜0.90dl/gである請求項1記載の積層体。
  3. 樹脂組成物層の、示差走査熱量計(DSC)分析において検出される融解エンタルピーΔH、結晶化エンタルピーΔHCLから次式(a)で求められる結晶化度χが33%未満である請求項1又は2記載の積層体。
    χ=100×(ΔH−ΔHCL)/145.5・・・(a)
  4. 積層体を130〜200℃で加熱処理した後の樹脂組成物層の前式(a)で求められる結晶化度χが、38%以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の積層体。
  5. 積層品の製品化工程時においてスリット除外した端部ロス又は溶融積層工程時の条件出しのために吐出させた塊状ロスである樹脂組成物を回収し、該樹脂組成物の100重量部に対して1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ前記の有機化合物0.1〜0.7重量部を再配合し、多層式の溶融押出機を用いて、紙基材積層面に該再生樹脂組成物、他面に樹脂組成物が積層されている請求項1ないし4のいずれかに記載の積層体。
  6. 樹脂組成物を溶融押出しするダイの内部にディッケルを設けて、ネックイン幅に相当する吐出を制限することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の積層体。
  7. 予めPBT樹脂65〜80重量%とエポキシ基をもつ有機化合物20〜35重量%を高剪断下にて、PBT融点+10℃未満の温度で均一に溶融紺練したマスターバッチを配合時に使用することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の積層体。
  8. 樹脂組成物を溶融押出する際の条件出しのために吐出させた塊状ロスを回収粉砕した樹脂組成物の65〜80重量%に対して、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基をもつ前記の有機化合物20〜35重量%部を再配合して高剪断下にて、PBT融点+10℃未満の温度で均一に溶融紺練したマスターバッチを配合時に使用することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の積層体。
  9. 樹脂組成物を溶融押出する際、紙基材の表面にポリイミン系のラミネートアンカー剤が予め塗布されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の積層体。
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