JP2013191291A - リチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、リチウムイオン二次電池用セパレータ基材、リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、リチウムイオン二次電池用セパレータ基材、リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高レートでの放電特性、及び、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレータを得ることができるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、該製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材、該リチウムイオン二次電池用セパレータ基材を用いてなるリチウム二次電池用セパレータ、該リチウムイオン二次電池用セパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法において、通気度(JIS L−1096 6.27.1 A)が200〜230cm/cm/secの抄造用ワイヤーで湿式抄造されたリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法と該製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材、該基材を用いてなるリチウムイオン二次電池用セパレータ及び該リチウムイオン二次電池用セパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、リチウムイオン二次電池用セパレータ基材、リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年の携帯電子機器の普及及びその高性能化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池が望まれている。この種の電池として、有機電解液(非水電解液)を使用するリチウムイオン二次電池が注目されてきた。このリチウムイオン二次電池の平均電圧は、アルカリ二次電池の約3倍の3.7Vであり、高エネルギー密度となるが、アルカリ二次電池のように水系の電解液を用いることができないため、十分な耐酸化還元性を有する非水電解液を用いている。
リチウムイオン二次電池用セパレータとしては、ポリオレフィンからなるフィルム状の多孔質フィルム、再生セルロース繊維の叩解物を主体とした紙製セパレータ、合成繊維からなる不織布タイプのセパレータ等が提案されているが、いずれも電解液の保液性が低く、内部抵抗が高くなる問題や、セパレータの緻密性が不十分であるため、シート強度が不十分である問題、内部短絡不良率が高くなる問題、さらに高レート特性や放電特性及びそのバラつきに劣る問題といった種々の問題を含んでいる。
これら電解液保液性や内部短絡防止、イオン透過性の向上の問題を解決するために、超極細で短繊維長の合成繊維(以下、「合成短繊維」と記す)を含有し、湿式抄造法で製造されてなる不織布タイプのセパレータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは特定径の合成短繊維を特定量含有させることで、セパレータに細孔を形成し、ピンホールが原因の内部短絡を防ぎ、且つ、イオン透過性を向上しようとするものである。また、合成短繊維を含有し、湿式抄造法で製造されてなる不織布をリチウムイオン二次電池用セパレータ基材として使用し、この不織布に、耐熱性を高めるために顔料、樹脂等を塗工してなるリチウムイオン二次電池用セパレータも提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。これらのリチウムイオン二次電池用セパレータ基材は、繊維配合によって、塗工性や電解液の保液性を高め、内部短絡の防止がなされている。しかしながら、湿式抄造法の製造条件により不織布の品質は左右されてしまい、高レート特性や自己放電特性がその品質の影響を受けて低下する場合があった。
特開2003−123728号公報 特開2009−230975号公報 特開2011−082148号公報 国際公開第2011/046066号パンフレット
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、高いイオン透過性を有し、特に高レートでの放電特性、及び、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレータを得ることができるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、該製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材、該リチウムイオン二次電池用セパレータ基材を用いてなるリチウム二次電池用セパレータ、該リチウムイオン二次電池用セパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)湿式抄造法によるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法において、湿式抄造法で使用する抄造用ワイヤーの通気度(JIS L−1096 6.27.1 A)が200〜230cm/cm/secであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、
(2)上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材、
(3)上記(2)に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材に、フィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、多孔質フィルムを積層一体化する処理、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工する処理から選ばれる少なくとも1つの処理を施してなるリチウムイオン二次電池用セパレータ、
(4)上記(3)に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池、
を見出した。
本発明の湿式抄造法によるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法では、通気度が200〜230cm/cm/secである抄造用ワイヤーを用いることに特徴がある。該通気度の抄造用ワイヤーは、繊維の脱水速度が好適で、比較的地合が良好な不織布が得られるだけでなく、繊維密度の面内分布に、低密度の面領域が高密度の線状領域で区画されたようなパターンが生成する。このようなパターンが形成されることによって、イオンの移動方向がセパレータの厚み方向に高度に限定されるために、高いイオン透過性を有するリチウムイオン二次電池用セパレータ基材が得られ、特に高レートでの放電特性、及び、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレータを得ることができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法、リチウムイオン二次電池用セパレータ基材、(以下、「基材」と記す場合がある)リチウムイオン二次電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と記す場合がある)及びリチウムイオン二次電池をより詳細に説明する。
本発明の基材とは、フィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工するための基材、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工するための基材、多孔質フィルムを積層一体化するための基材、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工するための基材であり、リチウムイオン二次電池用セパレータの前駆体シートである。
フィラーは、無機、有機のいずれでも良い。無機フィラーとしては、アルミナ、ギブサイト、ベーマイト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、アルミナ−シリカ複合酸化物等の無機酸化物、窒化アルミニウムや窒化珪素等の無機窒化物、アルミニウム化合物、ゼオライト、マイカ等が挙げられる。有機フィラーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエチレンオキシド;ポリスチレン;エチレン−ビニルモノマー共重合体;ポリオレフィンワックス;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;SBR(スチレン−ブタジエンゴム)系樹脂、セルロース誘導体等が挙げられる。
また、多孔質フィルムとしては、フィルムを形成できる樹脂であれば、特に制限はないが、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂と言ったポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、又は超高密度ポリエチレンのようなポリエチレン系樹脂単独だけでなく、エチレンプロピレン共重合体、又はポリエチレン系樹脂と他のポリオレフィン系樹脂との混合物等が挙げられる。ポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン(プロピレン単独重合体)、又はプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン若しくは1−デセンなどα−オレフィンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等が挙げられる。
本発明におけるリチウムイオン二次電池とは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池等を意味する。リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、黒鉛やコークス等の炭素材料、金属リチウム、アルミニウム、シリカ、スズ、ニッケル、鉛から選ばれる1種以上の金属とリチウムとの合金、SiO、SnO、Fe、WO、Nb、Li4/3Ti5/3等の金属酸化物、Li0.4CoN等の窒化物が用いられる。正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、チタン酸リチウム、リチウムニッケルマンガン酸化物、リン酸鉄リチウムが用いられる。リン酸鉄リチウムは、さらに、マンガン、クロム、コバルト、銅、ニッケル、バナジウム、モリブデン、チタン、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、マグネシウム、ホウ素、ニオブから選ばれる1種以上の金属との複合物でも良い。
リチウムイオン二次電池の電解液には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン、これらの混合溶媒等の有機溶媒にリチウム塩を溶解させたものが用いられる。リチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウムや4フッ化ホウ酸リチウムが挙げられる。固体電解質としては、ポリエチレングリコールやその誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリシロキサンやその誘導体、ポリフッ化ビニリデン等のゲル状ポリマーにリチウム塩を溶解させたものが用いられる。
本発明の基材の製造方法では、傾斜型抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機等、及び、これらの中から同種又は円網抄紙機など異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機等を用いて基材を製造することができる。抄造用ワイヤーも、通常抄造で使用するワイヤーであって、パルプや合成繊維を主成分とするスラリーから紙を漉き上げる工程で使用されるワイヤーを適用できる。ワイヤーの材質としては例えばプラスチック製、金属製等があり、形態としては、天然繊維、再生繊維、ポリエステル等の合成繊維等から選ばれる繊維からなるモノフィラメント、マルチフィラメント、より糸等から構成された織物やフェルト状等の網を適用できる。本発明では、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなるプラスチックワイヤーが好ましい。また、プラスチックワイヤーの種類としては、1重織、多重織(2重織、2.5重織、3重織、3.5重織)等があるが、いずれの使用も可能である。
本発明において、抄造用ワイヤーの通気度は、200〜230cm/cm/sec(JIS L−1096 6.27.1 Aに準じて測定)である。この抄造用ワイヤーを用いた短繊維を含有する繊維の湿式抄造は、その脱水速度が好適であり、湿潤シートが抄造用ワイヤーから剥離する際、該ワイヤーのパターンが良好に転写される。このパターンは、繊維密度の面内分布に、低密度の面領域が高密度の線状領域で区画されたような構造である。本来、この現象は、製造シートの外観不良と平滑性不良のため、欠点として扱われるが、本発明ではセパレータ特性上有効な加工処理となりうる。しかるに、このようなパターンが生成されることによって、該基材に含浸、塗工、貼り合わせ等の複合化処理をしてリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用した場合、該パターンによってイオンの移動方向がセパレータの厚み方向に高度に限定されるために、高いイオン透過性を有するリチウムイオン二次電池用セパレータ基材が得られ、特に高レートでの放電特性、及び、自己放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレータを得ることができ、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明に係わる抄造用ワイヤーの通気度の範囲は、200〜230cm/cm/secであるが、210〜230cm/cm/secがより好ましい。200cm/cm/secより小さいと、繊維の脱水バランスが不適切で、区画パターンは生成するものの、泡地合やスケの発生があり、地合が不良となるため、自己放電特性が悪化する。逆に、230cm/cm/secより大きいと、脱水速度が速く、地合は良好であるが、区画パターンの生成が少なくなる。
本発明に係わる抄造用ワイヤーでは、ワイヤーの網厚みは0.8mm〜1.3mmであることが好ましい。該範囲の抄造用ワイヤーであると、本発明の目的通り、繊維の脱水挙動が最適で区画パターンの生成が好適に行われ、地合の良い均質なシートが得られ易くなる。0.8mmより薄いと、過度に脱水が促進され、地合は良好であるが、区画パターンの生成が少なくなる。また、1.3mmより厚いと、脱水が緩慢となり、区画パターンは生成するが、繊維配向性が乱れ、地合ムラとなりやすい。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法にて生産するリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の原料としては、セパレータ用途の湿式抄造という性格上、合成樹脂の短繊維、セルロースの短繊維が挙げられる。これらは、単独又は適宜組み合わせて用いることができる。これらの原料による効果としては、短繊維がセパレータ内部に細密構造を形成することにより、電解液の保液性が向上すること、細孔が小さくなり、内部短絡が起こり難くなること等が挙げられる。
本発明において、短繊維を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ジエン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、フラン系樹脂、尿素系樹脂、アニリン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。このうち、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂を使用すると、セパレータの破損抑制効果が高く、緻密性に優れたリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得ることができる。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリトリメチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系、ポリブチレンナフタレート系、ポリエチレンイソフタレート系等が挙げられる。これらの中でも、リチウムイオン二次電池用セパレータに使用する場合には、耐熱性に優れているポリエチレンテレフタレート系が好ましい。
アクリル系樹脂としては、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニル等を共重合させたもの等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等が挙げられる。耐熱性の観点から、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、オレフィン系共重合体等を挙げることができる。
本発明において、合成樹脂の短繊維には、バインダーとして機能する熱融着性短繊維を使用することができる。熱融着性短繊維としては、芯鞘型、偏芯型、分割型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型の複合繊維、あるいは単一成分からなる繊維(単繊維)等が挙げられるが、特に未延伸ポリエステル系短繊維や芯部に非熱接着成分、鞘部に熱接着成分を配した芯鞘型熱融着性短繊維を含有することが好ましい。未延伸ポリエステル系短繊維は均一性を向上させる点において好適であり、芯鞘型熱融着性短繊維は、芯部の繊維形状を維持しつつ、鞘部のみを軟化、溶融又は湿熱溶解させて繊維同士を熱接着させるため、セパレータの緻密な構造を損なわずに繊維同士を接着させるのに好適である。熱融着性短繊維を、加熱又は湿熱加熱により、軟化、溶融又は湿熱溶解させて、繊維同士を熱接着させることによって、高い機械的強度が得られる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材において、熱融着性短繊維の含有率は、不織布に対して、5〜40質量%であることが好ましく、8〜35質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。含有率が5質量%未満だと基材の機械的強度が低下するおそれがあり、40質量%を超えると熱寸法安定性が低下するおそれがある。
合成樹脂短繊維の繊度は、0.007〜1.3dtexが好ましく、0.02〜1.1dtexがより好ましく、0.04〜0.8dtexがさらに好ましい。合成樹脂短繊維の繊度が1.3dtexを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、必要最小限の緻密性が確保できなくなる場合がある。また、凹凸が大きくなって、表面塗工により複合化した際の表面に大きなバラつきができる場合がある。合成樹脂短繊維の繊度が0.007dtex未満の場合、繊維の安定製造が困難になる。
合成樹脂短繊維の繊維長としては、1mm以上7mm以下が好ましく、1mm以上5mm以下がより好ましく、1mm以上3mm以下がさらに好ましい。繊維長が7mmを超えた場合、地合不良となったり、細孔の形成が未熟だったり、ピンホールが増加し、表面塗工では埋められない可能性がある。一方、繊維長が1mm未満の場合には、基材の機械的強度が低くなって、塗工複合化の際に基材が破損する場合がある。
本発明において、短繊維を構成するセルロースとしては、溶剤紡糸セルロース、天然セルロース、バクテリアセルロース、レーヨン、及び各セルロースを微細化した微細化セルロース繊維が挙がられる。微細化溶剤紡糸セルロース繊維は、繊維長軸方向に分子が高度に配列しているため、湿潤状態で摩擦等の機械的な力が加えられると、微細化しやすく、細くて長い微細繊維が生成する。この微細繊維間に電解液を強固に保持するため、天然セルロース、バクテリアセルロース、レーヨンの微細化セルロース繊維に比べ、微細化溶剤紡糸セルロース繊維は、電解液の保液性に優れる。
短繊維は、単一の組成からなる繊維であっても良いし、2種以上の組成からなる繊維(複合繊維)であっても良い。また、本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材に含まれる短繊維は、1種でも良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法では、傾斜型抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、これらの中から同種又は円網抄紙機など異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機等を用いて抄造する湿式抄造法によって製造する。原料スラリーには、繊維原料の他に、必要に応じて、分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤等を適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度に原料スラリーを調製する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄造して得られた湿潤シートを乾燥してリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得る。得られたリチウムイオン二次電池用セパレータ基材は、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理等が施される。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の坪量は、3.0〜30.0g/mが好ましく、6.0〜20.0g/mがより好ましく、8.0〜12.0g/mがさらに好ましい。坪量が30.0g/mを超えると、基材だけでセパレータの大半を占めることになり、複合化による効果を得られ難くなるうえ、内部抵抗が高くなる場合や、放電特性が低くなる場合がある。3.0g/m未満であると、十分な機械的強度が得られない場合や、均一性を得ることが難しくなる場合があり、複合化後の表面に大きなバラつきが発生する場合がある。なお、坪量は、JIS P 8124(紙及び板紙−坪量測定法)に規定された方法に基づく坪量を意味する。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の厚みは、4〜45μmが好ましく、6〜40μmがより好ましく、8〜30μmがさらに好ましい。45μmを超えると、基材だけでセパレータの大半を占めることになり、複合化による効果を得られ難くなり、4μm未満であると、基材の強度が低くなり過ぎて、複合化の際に基材が破損する場合がある。なお、厚みはJIS B 7502に規定された方法により測定した値、つまり、5N荷重時の外側マイクロメーターにより測定された値を意味する。
本発明において、フィラーや樹脂を塗工又は含浸する際に使用する媒体は、特に限定されるものではないが、水や有機系媒体を使用することができる。有機系媒体としては、特にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールといった水酸基を有する溶媒やアセトン、メチルエチルケトンといったカルボニル基を有する媒体等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材に対して、フィラーや樹脂等の塗工材料は、1g/m〜50g/mの範囲で含有させることが好ましく、より好ましくは3g/m〜30g/mの量で含有させる。含有量が1g/mより少ないと、基材のピンホール等の空隙を塞ぐことができず、内部短絡のおそれがあり、50g/mより多いと、セパレータの膜厚が厚くなり過ぎる場合や、イオン透過性を阻害することにより、充放電特性の悪化を招く場合がある。
セパレータ基材への塗工材料の塗工方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等により塗布又はキャスティング法等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
実施例1
繊度0.1dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維55部、繊度0.3dtex、繊維長3mmの配向結晶化させたポリエチレンテレフタレート(PET)系短繊維15部、繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸PET系熱融着性短繊維30部を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーターによる撹拌のもと、均一な抄造用スラリー(1%濃度)を調製した。この抄造用スラリーを通気度200cm/cm/secの抄造ワイヤーを設置した傾斜型抄紙機にて湿式抄造した後乾燥し、次に、200℃の熱カレンダー処理によって、未延伸PET系熱融着性短繊維を接着させて不織布強度を発現させ、坪量12g/m、厚さ15μmのリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
実施例2
実施例1で使用した抄造ワイヤーを通気度210cm/cm/secの抄造ワイヤーに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
実施例3
実施例1で使用した抄造ワイヤーを通気度230cm/cm/secの抄造ワイヤーに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
比較例1
実施例1で使用した抄造ワイヤーを通気度170cm/cm/secの抄造ワイヤーに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
比較例2
実施例1で使用した抄造ワイヤーを通気度180cm/cm/secの抄造ワイヤーに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
比較例3
実施例1使用した抄造ワイヤーを通気度255cm/cm/secの抄造ワイヤーに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
比較例4
実施例1で使用した抄造ワイヤーを通気度275cm/cm/secの抄造ワイヤーに変更した以外は実施例1と同様にして、比較例4のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材を得た。
<リチウムイオン二次電池用セパレータの作製>
実施例及び比較例の基材について、板状ベーマイト100部、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂5部を2−ブタノン600部に溶解した塗工液を、乾燥後の塗工量が10g/mになるように、基材両面に塗工し、リチウムイオン二次電池用セパレータを作製した。
<リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質としてマンガン酸リチウム、負極活物質として人造黒鉛、電解液としてヘキサフルオロリン酸リチウムの炭酸ジエチル:炭酸エチレン混合溶媒(3:7v/v)溶液(1M)、セパレータとして上で作製した各セパレータを用いた設計容量30mAhのパウチ型リチウムイオン電池を組み立てた。
<高レート特性>
上で作製した各リチウムイオン二次電池を用い、1Cで3サイクルエイジングを行った後、1C、4.2Vで定電流定電圧充電(1/10Cカット)した後、10Cで定電流放電試験(2.8Vカット)を行った時の放電容量を測定した。
<自己放電特性>
上で作製した各リチウムイオン二次電池を30mAで定電流充電後、4.2Vで1時間定電圧充電した。各電池を1ヶ月放置し、自己放電させた。その後、端子間電圧が2.8Vになるまで30mAで定電流放電した際の放電時間t(min)を測定した。自己放電後の残存容量を、30×t÷60(mAh)で算出した。
Figure 2013191291
実施例1〜3のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材は、通気度200〜230cm/cm/secである抄造用ワイヤーを用いているため、基材に区画パターンが生成されていた。そのため、比較例1〜4に比べて、高レート特性及び自己放電特性を両立できていた。
比較例1〜2のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材は、通気度が200cm/cm/secより小さい抄造用ワイヤーを用いているため、セパレータ基材に区画パターンが生成されるものの、泡地合やスケの発生があり、地合が不良となったため、実施例1〜3に比べて自己放電特性に劣っていた。
比較例3〜4のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材は、通気度が230cm/cm/secより大きい抄造用ワイヤーを用いているため、基材の地合は比較的良好であったが、区画パターンが生成され難く、イオン透過性が不良であり、よって実施例1〜3に比べて、高レート特性が劣っていた。
本発明の活用例としては、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムポリマーイオン二次電池用セパレータが好適である。

Claims (4)

  1. 湿式抄造法によるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法において、湿式抄造法で使用する抄造用ワイヤーの通気度(JIS L−1096 6.27.1 A)が200〜230cm/cm/secであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材の製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池用セパレータ基材。
  3. 請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータ基材に、フィラー粒子を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、樹脂を含有するスラリーを含浸又は塗工する処理、多孔質フィルムを積層一体化する処理、固体電解質やゲル状電解質を含浸又は塗工する処理から選ばれる少なくとも1つの処理を施してなるリチウムイオン二次電池用セパレータ。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用セパレータを具備してなるリチウムイオン二次電池。
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JP2015191886A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 東莞新能源科技有限公司Dongguan Amperex Technology Limited 複合多孔質セパレータ及び電気化学装置

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