JP2013190483A - 現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像剤を収容する現像容器40と、現像容器40の開口部に設けられた現像剤担持体41と、現像容器40の開口部近傍で現像剤担持体41に接触して現像容器40と現像剤担持体41との隙間をシールする入口シール48とを備えた現像装置において、現像剤の加速凝集度が54%以上であり、現像剤担持体41に対する入口シール48の食い込み量qを、0.4mm以下に設定した。
【選択図】図7
Description
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置7から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。そして、各感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー画像として顕像化(可視像化)される。
なお、上記各現像装置4及び各トナーカートリッジ6Y,6M,6C,6Bkは、異なる色のトナーを収容している以外はほぼ同様の構成となっているので、説明を簡略化するため、色の識別を示す符号(Y,M,C,Bk)を省略し、1つの現像装置及びトナーカートリッジの構成について説明する。
図2に示すように、トナーカートリッジ6の容器本体30内には、トナーを撹拌する撹拌部材である撹拌パドル31と、トナーを搬送する搬送部材である搬送スクリュー32とが設けられている。また、容器本体30には、トナーカートリッジ6が現像装置4の上部に装着された状態で、現像装置4に設けられた補給口46に連結される排出口33が設けてある。搬送スクリュー32が回転すると、容器本体30内のトナーを軸方向に搬送して、前記排出口33から現像装置4内へトナーを補給するように構成されている。搬送スクリュー32は、トナーカートリッジ6が装着された状態で、画像形成装置本体に設けられた図示しない駆動部に対し、クラッチなどの公知の手段によって連結可能となっている。トナー補給量は、駆動部の駆動時間に基づいて制御することが可能である。例えば、トナーの色によって、あるいは温湿度環境によってトナーの流動性が変化することに対応させて、駆動時間を異ならせるようにしてよい。
図3に示すように、現像容器40の感光体2と対向する下部には開口部40aが形成されており、その開口部40aに現像ローラ41が回転可能に設けられている。現像ローラ41は、金属製の芯金41aと、その芯金41aの外周に配設されたウレタンゴム又はシリコーンゴム等から成る弾性層41bと、その弾性層41bの外周に配設されたアクリル樹脂又はシリコーン樹脂等から成る表面層(樹脂コート層)41cとを有する。表面層41cの厚みは、1μm以上30μm以下の範囲に設定されることが望ましい。
図4に示すように、現像ローラ41の両端部には、それぞれ端部シール50が設けてある。端部シール50は、両面粘着テープなどによって現像容器40に付設されている。各端部シール50は、現像ローラ41の端部において、現像ローラ41と、それに接触する規制ブレード43及び入口シール48にも覆い被さるようにして接触している。このように、端部シール50を設けることで、現像ローラ41の両端部から現像容器40の外部にトナーが漏出するのを抑制している。なお、規制ブレード43の先端には12〜18°曲げ角度がつけられているので、規制ブレード43の先端と現像ローラ41の表面と端部シール50で囲まれる箇所では隙間が生じやすい。しかし、現像ローラ41を現像容器40に装着したときに端部シール50にかかる圧力によって、端部シール50が押しつぶされることで前記隙間がほとんど無くなるので、隙間からのトナー漏れは抑制される。
図5に示すように、端部シール50は、両面粘着シートから成る粘着層54と、粘着層54の表面に配設されたスポンジ等から成る弾性層51と、弾性層51の表面に配設されたシート状の基材52と、基材52から突出した多数の繊維から成る立毛層53とを有する。端部シール50は、粘着層54を介して現像容器40の内面に貼り付け固定され、立毛層53が現像ローラ41と接触する側に配設される。また、立毛層53を構成する多数本の繊維は、予め決められた方向に毛倒し加工が施されている。
この現像剤量検知手段34は、光学素子を用いてトナー量を検知する光透過方式の検知手段である。具体的に、現像剤量検知手段34は、第1の導光部材35と、第2の導光部材36と、発光素子37と、受光素子38とを備える。両導光部材35,36は、現像容器40に設けられ、発光素子37と受光素子38は、画像形成装置本体100に設けられている。発光素子37から発した光は、第1の導光部材35の一端部35aに入射し、反対側の他端部35bから出射する。そして、光は、第1の導光部材35の他端部35bから、それと対向する第2の導光部材36の一端部36aに入射し、反対側の他端部36bから出射して、受光素子38へと到達する。
まず、トナーカートリッジのトナー補給動作について説明する。
現像装置4へのトナーの補給は、現像容器40内のトナー量が所定の基準値以下となった場合に行われる。すなわち、上記現像剤量検知手段34によって、現像容器40内にトナー量が所定の基準値よりも少ないと検知された場合に、トナー補給の指示が発せられる。
作像動作開始の指示があると、現像剤収容部47内のトナーは、回転するアジテータ45により攪拌され、回転する搬送スクリュー44によって供給ローラ42に供給される。供給ローラ42に供給されたトナーは、供給ニップで供給ローラ42と現像ローラ41との摺擦により摩擦帯電されて現像ローラ41の表面に供給される。また、本実施形態では、図示しない電圧印加手段によって供給ローラ42に所定の電圧が印加され、これにより両ローラ41,42間に生じる電界によって、現像ローラ41へのトナー供給効率を高めている。なお、電圧印加手段によって、現像ローラ41に電圧を印加する、あるいは、現像ローラ41と供給ローラ42の両方に電圧を印加することによっても、トナーを供給ローラ42から現像ローラ41へ供給するための電界を形成することが可能である。
本実施形態では、トナーとして、母体粒子にシリコーンオイルで表面処理されたシリカ粒子を外添したものを用いている。このようなトナーは、シリコーンオイル等の潤滑剤を付与しないトナーに比べて凝集力が高く、トナーの流動性が低下する。このため、従来機では、入口シールと現像ローラとの間でトナーの固着が発生し、これが原因でシール性の低下や縦スジ等の入った異常画像の発生が起こり得る。
具体的に、本実施形態では、図7に示すように、現像ローラ41に対する入口シール48の食い込み量qを、0.4mm以下に設定している。ここでいう入口シール48の食い込み量とは、入口シールを現像ローラに対して所定の加圧力で接触させたときのニップ部を形成する部分の変形量のことである。詳しくは、図7に示すように、入口シール48のニップ部を形成する所定箇所が現像ローラ41に接触しない状態での位置U1と、その所定箇所が現像ローラ41に接触した状態での位置U2との距離を、入口シール48の食い込み量qと定義する。
q=Q×x/X・・・・・式(1)
以下、その実験について説明する。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物525部、テレフタル酸205部、アジピン酸47部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、ポリエステルを得た。このポリエステルは、数平均分子量2600、重量平均分子量6900、Tg44℃、酸価26であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステルを得た。この中間体ポリエステルは、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、マスターバッチを得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、上記ポリエステル545部、パラフィンワックス181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に上記マスターバッチ500部、荷電制御剤100部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し、原料溶解液を得た。
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)140部、90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相とする。
上記顔料・WAX分散液975部、アミン類としてイソホロンジアミン2.6部、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、上記プレポリマー88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、上記水相1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000〜13,000rpmで調整しながら20分間混合し、乳化スラリーを得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、上記乳化スラリーを投入し、30℃で8時間脱溶剤を行い、分散スラリーを得た。
上記分散スラリー1100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。このときのろ液は、乳白色であった。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し、濾過ケーキを得た。
上述の作成方法によって得たトナー母体100部に対し、市販のシリカ微粉体H20TM(クラリアントジャパン社製;平均一次粒径12nm、シリコーンオイル処理なし)1部、RY50(日本アエロジル社製;平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理あり)2部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、トナー1を得た。また、トナー1について下記の手順で加速凝集度を測定したところ、54.4%だった。
上述の作成方法によって得たトナー母体100部に対し、市販のシリカ微粉体H20TM(クラリアントジャパン社製;平均一次粒径12nm、シリコーンオイル処理なし)1部、RX50(日本アエロジル社製;平均一次粒径40nm、シリコーンオイル処理なし)2部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、トナー2を得た。また、トナー2について下記の手順で加速凝集度を測定したところ、40.3%だった。
<加速凝集度の測定方法>
加速凝集度の測定は下記の方法で行った。測定装置は、例えば、ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを使用し、振動台の上に、以下の手順で附属部品をセットする。
(ロ)パッキン
(ハ)スペースリング
(ニ)フルイ(3種類)上>中>下
(ホ)オサエバー
フルイ目開き(中)45μm
フルイ目開き(下)20μm
振巾目盛1mm
試料採取量2g
振動時間10秒
中段のフルイに残った粉体の重量%×0.6・・・(b)
下段のフルイに残った粉体の重量%×0.2・・・(c)
上記3つの計算値の合計をもって、加速凝集度(%)とする。
すなわち、加速凝集度(%)=(a)+(b)+(c)とする。
図10に示すように、本実験は、実施例1〜4と比較例1〜5との比較により行った。実施例1〜4、比較例1〜5では、図2に示すプロセスユニットとトナーカートリッジを挿入できるようにカラープリンタ(Ricoh製 IPSiO SP C310)を改造したものを用いた。また、プロセスユニットの駆動は、作像駆動モーターと連結して構成し、トナーカートリッジの駆動については、プロセスカートリッジの駆動源をクラッチによりトナーカートリッジとの連結を可能にし、必要に応じて駆動源とトナーカートリッジの駆動ギアを連結することでトナー補給を可能とする構成にした。
実施例1では、シリコーンオイルを含有する上記トナー1を用いた。入口シールは、市販のPET製シート(三菱樹脂社製 商品名「ダイアラミー」)を使用した。入口シールの表面硬度は、マルテンス硬さで135N/mm2であった。また、現像ローラに対する入口シールの接触圧(線圧)を0.3N/mm、ニップ幅を1mmに設定した。また、現像ローラの表面硬度は、JISA硬度で50°であった。
実施例2は、上記実施例1に対し、現像ローラの表面硬度を50°から60°に変更した。
実施例3は、上記実施例1に対し、入口シールの表面硬度を135N/mm2から80N/mm2に変更した。また、入口シールと現像容器との間に弾性部材を設け、入口シールの接触圧を0.3N/mmから0.5N/mmに変更し、ニップ幅を1mmから3mmに変更した。
実施例4は、上記実施例1に対し、入口シールの表面硬度を135N/mm2から105N/mm2に変更した。また、入口シールと現像容器との間に設けた弾性部材の幅を変更し、ニップ幅を1mmから0.5mmに変更した。
比較例1は、上記実施例3に対し、トナーのみを変更し、トナー1からシリコーンオイルを含有しないトナー2に変更した。
比較例2は、上記実施例1に対し、入口シールと現像容器との間に設けた弾性部材を変更し、入口シールの接触圧を0.3N/mmから0.7N/mmに変更した。
比較例3は、上記実施例1に対し、入口シールの表面硬度を135N/mm2から25N/mm2に変更した。
比較例4は、上記実施例1に対し、入口シールの表面硬度を135N/mm2から80N/mm2に変更し、ニップ幅を1mmから0.4mmに変更した。
比較例5は、上記実施例1に対し、現像ローラの表面硬度を50°から65°に変更した。
上述のカラープリンタを用いて、温度27℃、湿度80%の環境下で、印字率30%の所定のプリントパターンを2000枚連続して印刷した後に、ハーフトーン画像を印刷し、得られたハーフトーン画像にある濃色スジの本数を数えた。その結果、スジが無い場合は「○」と判定し、スジがあった場合は「×」と判定した。
トナー漏れの評価は、Ricoh製 IPSiO SP C310のプロセスユニットを使用し、そのプロセスユニットの8つの角部を順に下に向けて、20cmの高さからプロセスユニットを落下させ、落下後にトナー漏れが生じた回数を記録した。その結果、トナー漏れの生じた回数が3回未満の場合は「○」と判定し、3回以上の場合は「×」と判定した。
感光体の摩耗量の評価は、上記連続印刷によって感光体走行距離が5000mに達する前後に、フィッシャーインストルメンツ社製の膜厚測定器(フィッシャースコープMMS)を用いて感光層の膜厚を測定して行った。摩耗量の良否の判断基準を2.5μmとし、前記膜厚の測定値から算出された感光体表面の摩耗量が2.5μm以下であった場合は「○」と判定し、反対に、摩耗量が2.5μmを超えた場合は「×」と判定した。
さらに、総合評価として、上記画像スジと、トナー漏れと、感光体の摩耗量の判定がいずれも「○」の場合のみ、総合評価を「○」と判定した。いずれかが「×」の場合は、総合評価を「×」と判定した。
図10から分かるように、実施例1〜4では、画像スジと、トナー漏れと、感光体の摩耗量のいずれについても評価が「○」となり、その結果、総合評価も「○」となった。一方、比較例1〜5では、いずれかの評価が「×」となったため、総合評価も「×」となった。
上記説明したように、画像形成装置においては、供給ローラから現像ローラへ、また、現像ローラから感光体へ、トナーの受け渡しが良好に行われることで、所望の画像が得られる。しかしながら、従来機において、潤滑剤成分が付与されたトナーを用いた場合、紙の後端へ向かって画像濃度が低下することがあった。そこで、この原因を調査したところ、供給ローラから現像ローラへのトナーの供給が良好に行えなくなったことが原因とわかった。
上記現像ローラに対する供給ローラの接触圧の測定は、下記の方法で行った。
まず、供給ローラを平板上に設置し、供給ローラの芯金ローラの両端部に錘を取り付け、荷重を重力方向にかける。そして、供給ローラの食い込み量が所定の食い込み量になったときの錘の重量をA[kg]、供給ローラの自重をB[kg]、重力加速度をg[m/s2]、供給ローラの弾性層の軸方向長さをL[m]としたとき、供給ローラの接触圧P[N/m]を下記式(2)で算出した。
P=(A+B)×g÷L・・・・・式(2)
供給ローラの体積抵抗は、下記の方法で測定した。
まず、供給ローラに金属電極ローラを接触させて13Nの荷重をかける。次いで、金属電極ローラに10Vを印加しながら、金属電極ローラを回転駆動させることにより、供給ローラを20rpmで従動回転させる。このときの供給ローラの1周あたりの平均電流値から、体積抵抗を得た。
供給ローラの平均発泡セル径は、下記の方法で測定した。
キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−500を用いて供給ローラの表面写真を撮り、概ね半球状の発泡セルの直径を測定した。発泡していても膜で覆われて開口していないものや、開口していても開口部が発泡サイズよりも小さいものなどがあるが、ここでは開口の有無や大きさにかかわらず、発泡して膨らんでいる形状の大きさを20個分測定し、その平均値を算出した。
以下、その実験について説明する。
図12に示すように、本実験は、実施例1〜5と比較例1〜4との比較により行った。本実験に用いたトナー1〜3のうち、トナー1及びトナー2は、上述の実験で用いたトナー1及びトナー2と同様のトナーである。また、トナー3は、上記トナー1の作成条件のうち、RY50の部数のみを3部に変更して作成した。また、上記と同様の方法でトナー3についても加速凝集度を測定したところ、84.7%だった。
実施例1では、シリコーンオイルを含有する上記トナー1を用いた。また、供給ローラは、平均発泡セル径が100μmの発泡ポリウレタンを芯金ローラの周囲に形成したものであって、外径が13.4mm、体積抵抗は3×104Ωであった。また、供給ローラの現像ローラに対する食い込み量は1mm、接触圧は47N/mとし、現像ローラへの印加電圧を−200V、供給ローラへの印加電圧を−350Vとした。すなわち、現像ローラに対する供給ローラの電位差が−150Vとなるようにした。
実施例2は、上記実施例1に対し、供給ローラの弾性層と外径を変更した。具体的には、外径を13.4mmから12.8mmに変更し、平均発泡セル径を100μmから266μmに変更した。また、これに伴い、供給ローラの食い込み量が0.7mmとなり、接触圧が30N/mとなった。
実施例3は、上記実施例2に対し、供給ローラの弾性層を変更して体積抵抗を3×104Ωから2×106Ωに変更した。
実施例4は、上記実施例3に対し、供給ローラへの印加電圧のみを−350Vから−300Vに変更した。すなわち、現像ローラに対する供給ローラの電位差が−100Vとなるようにした。
実施例5は、上記実施例1に対し、トナーのみを変更し、トナー1からそれよりも加速凝集度の高い上記トナー3に変更した。
比較例1は、上記実施例1に対し、トナーのみを変更し、トナー1からシリコーンオイルを含有しないトナー2に変更した。
比較例2は、上記実施例2に対し、供給ローラの外径を12.8mmから12.4mmに変更した。これに伴い、供給ローラの食い込み量が0.7mmから0.5mmになり、接触圧が30N/mから26N/mとなった。
比較例3は、上記実施例1に対し、供給ローラへの印加電圧のみを−350Vから−250Vに変更した。すなわち、現像ローラに対する供給ローラの電位差が−50Vとなるようにした。
比較例4は、上記実施例1に対し、供給ローラの弾性層を変更して体積抵抗を3×104Ωから1×107Ωに変更した。
上述の実験と同様のカラープリンタを用いて、感光体走行距離(表面移動距離)が5000mに達するまで、A4紙の全面にベタ画像を出力し、その画像の先端と後端のそれぞれの画像濃度をX−Rite社製の反射濃度計(X−Rite310)で測定した。そして、画像先端の画像濃度と画像後端の画像濃度の画像濃度差をΔID(ΔID=(画像先端の画像濃度)−(画像後端の画像濃度))として算出し、ΔID≦0.1であれば、画像後端でも所望の画像濃度が得られていると判断し「○」と判定した。反対に、ΔID>0.1の場合は、画像後端の画像濃度が十分に得られていないとして「×」と判定した。
感光体の摩耗量の評価は、上述の実験と同様に行った。
さらに、総合評価として、上記ΔIDの判定と感光体摩耗量の判定がどちらも「○」の場合のみ、総合評価を「○」と判定した。どちらか一方、又は両方とも「×」の場合は、総合評価を「×」と判定した。
図12から分かるように、実施例1〜5では、感光体の摩耗量と画像濃度差(ΔID)のいずれについても評価が「○」となり、その結果、総合評価も「○」となった。一方、比較例1〜4では、感光体の摩耗量と画像濃度差(ΔID)のいずれかの評価が「×」となったため、総合評価も「×」となった。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、現像ローラ41の両端部からのトナー漏れを抑制するために端部シール50が設けられているが、現像装置に端部シールを設ける点については公知である(例えば、特許文献1参照)。このような端部シールを備えた従来機において、潤滑剤成分が付与されたトナーを用いた場合、縦スジ等が入った異常画像の発生や、端部シール等からのトナー漏れが生じることがあった。そこで、この原因を調査したところ、端部シールと現像ローラとの間で生じる摩擦熱によるトナーの固着が原因と分かった。
具体的に、本実施形態では、図17に示すように、現像ローラ41に対する端部シール50の食い込み量kを、0.3mm以上2.1mm以下の範囲に設定している。ここでいう端部シール50の食い込み量とは、端部シールを現像ローラに対して所定の加圧力で接触させたときのニップ部を形成する部分における変形量のことである。なお、端部シール50は、規制ブレード43や入口シール48の長手方向の端部を現像ローラ41との間で挟み込んでいる箇所でも変形(圧縮)しているが、端部シール50の食い込み量は、この箇所における変形量を言うものではない。すなわち、端部シール50が現像ローラ41に対して直接接触している箇所での変形量を、端部シール50の食い込み量とする。
k=r+t−d・・・・・式(3)
以下、その実験について説明する。
図19に示すように、本実験は、実施例1〜4と比較例1〜6との比較により行った。本実験に用いたトナー1〜3のうち、トナー1及びトナー2は、上述の実験で用いたトナー1及びトナー2と同様のトナーである。しかし、本実験に用いたトナー3は、上述のトナー3とは異なる。ここでは、加速凝集度が47.8%のもの(Ricoh製 IPSiO SP C310に用いるブラックトナー)をトナー3として用いた。このトナー3は、トナー1及びトナー2とは異なり、前混合処理→溶融混練処理→粉砕処理→分級処理→外添混合処理→フルイ処理を経て作成された粉砕トナーである。また、加速凝集度は、上述の方法と同じ方法で測定した。
使用するトナーのガラス転移温度(Tg)の測定としては、例えば示差走査熱量計(例えばDSC−6220R:セイコーインスツル社)を用いて、まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置する。次いで、室温まで試料を冷却して10min放置し、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して、ガラス転移温度以下のベースラインと、ガラス転移を示す曲線部分の接線との交点で求めることができる。
実施例1では、シリコーンオイルを含有する上記トナー1を用いた。現像ローラに対する端部シールの食い込み量と接触圧は、それぞれ0.3mmと0.28N/cm2に設定した。また、端部シールの毛倒れ方向の成す角度θを30°に設定した。規制ブレードの先端の曲げ角度は18°だった。
実施例2は、上記実施例1に対し、現像ローラに対する端部シールの食い込み量と接触圧を増大させ、それぞれ2.1mmと7.4N/cm2に変更した。
実施例3は、上記実施例1に対し、端部シールの毛倒れ方向の成す角度θを、45°に変更した。
実施例4は、上記実施例1に対し、端部シールの毛倒れ方向の成す角度θを、60°に変更した。
比較例1は、上記実施例3に対し、トナーのみを変更し、トナー1からシリコーンオイルを含有しないトナー2に変更した。
比較例2は、上記実施例3に対し、現像ローラに対する端部シールの食い込み量と接触圧を小さくし、それぞれ0.2mmと0.15N/cm2に変更した。
比較例3は、上記実施例3に対し、現像ローラに対する端部シールの食い込み量と接触圧を増大させ、それぞれ2.7mmと9.6N/cm2に変更した。
比較例4は、上記実施例1に対し、端部シールの毛倒れ方向の成す角度θを、15°に変更した。
比較例5は、上記実施例1に対し、端部シールの毛倒れ方向の成す角度θを、75°に変更した。
比較例6は、上記実施例3に対し、トナーのみを変更し、トナー1からシリコーンオイルを含有しないトナー3に変更した。
上述の実験と同様のカラープリンタを用いて、温度27℃、湿度80%の環境下で、感光体走行距離(表面移動距離)が5000mに達するまで印刷駆動させ、駆動後、規制ブレードの先端を観察してトナー固着の有無を確認した。トナー固着が無い場合は「○」と判定し、トナー固着があった場合は「×」と判定した。
トナー漏れの評価は、上記感光体走行距離が5000mに達した後、端部シールの状態を観察し、トナー漏れの有無を確認して行った。その結果、端部シールのシール面上にトナーが無い場合は「○」と判定し、トナーがある場合は「×」と判定した。
感光体の摩耗量の評価は、上述の実験と同様に行った。
さらに、総合評価として、上記トナーの固着と、トナー漏れと、感光体の摩耗量の判定がいずれも「○」の場合のみ、総合評価を「○」と判定した。いずれかが「×」の場合は、総合評価を「×」と判定した。
図19から分かるように、実施例1〜4では、トナーの固着と、トナー漏れと、感光体の摩耗量のいずれについても評価が「○」となり、その結果、総合評価も「○」となった。一方、比較例1〜6では、いずれかの評価が「×」となったため、総合評価も「×」となった。
2 感光体(潜像担持体)
4 現像装置
34 現像剤量検知手段
40 現像容器
40a 開口部
41 現像ローラ(現像剤担持体)
46 補給口
47 現像剤収容部
48 入口シール
49 弾性部材
100 画像形成装置本体
q 入口シールの食い込み量
W 入口シールと現像ローラとのニップ部の周方向の幅
Claims (10)
- 現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器の開口部に設けられた現像剤担持体と、
前記現像容器の開口部近傍で前記現像剤担持体に接触して前記現像容器と前記現像剤担持体との隙間をシールする入口シールとを備えた現像装置において、
前記現像剤の加速凝集度が54%以上であり、
前記現像剤担持体に対する前記入口シールの食い込み量を、0.4mm以下に設定したことを特徴とする現像装置。 - 現像剤を収容する現像容器と、
前記現像容器の開口部に配設された現像剤担持体と、
前記現像容器と前記現像剤担持体とに接触して両者の隙間をシールする入口シールとを備えた現像装置において、
前記現像剤の加速凝集度が54%以上であり、
前記現像剤担持体に対する前記入口シールの接触圧を、0.5N/mm2以下に設定したことを特徴とする現像装置。 - 前記入口シールと前記現像剤担持体とのニップ部の周方向の幅を、0.5mm以上3.0mm以下の範囲に設定した請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記入口シールの表面硬度を、マルテンス硬さで80N/mm2以上にした請求項1から3のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体の表面硬度を、JISA硬度で60°以下にした請求項1から4のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記入口シールの前記現像剤担持体と接触する面とは反対面を、弾性部材で支持するように構成した請求項1から5のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤として、母体粒子にシリコーンオイルで表面処理されたシリカ粒子を外添したトナーを用いた請求項1から6のいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像容器内の現像剤量を検知する現像剤量検知手段と、
外部から前記現像容器内に現像剤を補給するための補給口とを備えた請求項1から7のいずれか1項に記載の現像装置。 - 表面に潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上の潜像に現像剤を供給する現像装置とを少なくとも備え、
画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスユニットにおいて、
前記現像装置として、請求項1から8のいずれか1項に記載の現像装置を備えたことを特徴とするプロセスユニット。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の現像装置、又は、請求項9に記載のプロセスユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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